JP6805200B2 - 移動制御装置、移動制御方法および移動制御プログラム - Google Patents

移動制御装置、移動制御方法および移動制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、対象物を平面的に移動させる平面移動機構を制御する移動制御装置、移動制御方法および移動制御プログラムに関する。
CT撮影等において移動対象を平面的に移動させる平面移動機構が広く利用されている。多くの平面移動機構は直交するX軸およびY軸のそれぞれに平行な方向にXテーブル、Yテーブルを移動させることによって移動対象を平面的に移動させる。このような平面移動機構においては、X方向とY方向とのそれぞれにおいてXテーブル、Yテーブルを往復させることができ、一般的には、モータ等の駆動力を直線方向への力に変換して往復動作を行わせる。
そして、駆動力を作用させる際にはギア、ボール等の機構が利用され、当該機構においては部品同士がスムーズに動作するために機構を構成するギア、ボール等の部品間にバックラッシュ(隙間)が設けられている。当該バックラッシュは、複数の部品によって可動部を構成するために必要であるものの、往復動作のそれぞれでバックラッシュによる影響が異なる場合が多く、バックラッシュの影響により平面移動機構による位置決め精度が悪くなる。
また、X方向、Y方向に移動するテーブルを備える平面移動機構の一辺に力を作用させ、当該一辺に平行な他の辺に力を作用させない場合、これらの辺に平行な方向の歪みが生じる。このような歪みが生じると、平面移動機構による位置決め精度が悪くなる。そこで、位置決め精度を向上させるための各種の技術が開発されており、例えば、特許文献1においては、位置検出センサによる検出位置情報に基づいて基準からの誤差を測定し、当該誤差を考慮して断層像を作成する構成が開示されている。
特開2014−115216号公報
位置決め精度を向上させるためには、各種の手法が考えられるが、平面移動機構による移動が行われるたびに誤差の量が変化すると、誤差に対する対策が煩雑になる。すなわち、平面移動機構による移動が行われるたびに不定の誤差が発生することを許容すると、例えば、上述の特許文献1のように位置検出センサを利用して誤差を測定するなどの対策を行う必要がある。また、平面移動機構による移動が行われるたびに発生する異なる値の誤差に基づいて誤差による影響の除去(例えば、画像の補正や平面移動機構による位置補正等)を行う必要がある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、誤差の再現性を高める技術の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、移動対象をX軸に平行なX方向とX軸に垂直なY方向とに移動させる平面移動機構を制御する移動制御装置であって、中継座標から目標座標まで延びるベクトルにおける前記X方向および前記Y方向の成分が非0であるように設定された前記中継座標に前記移動対象を移動させる第1移動制御部と、移動対象を中継座標から目標座標までベクトルに沿って移動させる第2移動制御部と、を備える移動制御装置を構成する。
すなわち、中継座標から目標座標までの移動方向を示すベクトルはX方向およびY方向のそれぞれについて非0の成分を有している。そして、移動制御装置においては、平面移動機構によって移動対象を目標座標に移動させる前に中継座標まで移動させ、当該中継座標から目標座標に移動させるように構成されている。このため、目標座標がどのような位置であっても、当該目標座標に移動するために行われたX方向への動作とY方向の動作は同じ動作になる。
平面移動機構においては、X方向への移動機構と、Y方向への移動機構とのそれぞれにおいて、部品同士をスムーズに動作させるなどのために部品間にバックラッシュが設けられている。従って、移動対象が目標座標まで移動する過程においてX方向、Y方向のそれぞれにおける移動方向と移動距離によって生じるバックラッシュによる影響が不定であると、移動対象を目標座標に移動させた状態で生じる誤差(以下、「位置のばらつき」又は単に「ばらつき」と呼ぶ。)が不定になる。
しかし、移動制御装置においては、目標座標がどのような位置であっても、中継座標から目標座標に移動するために行うX方向への動作とY方向の動作は同じ動作である。従って、移動対象が目標座標に移動する直前に行われる動作は常に同じ動作である。このため、バックラッシュによる位置のばらつきに対する影響が小さい。従って、簡易な構成や簡易な処理によって、再現性が無い位置のばらつきを全体として統一のとれた繰返し再現性のある位置のばらつきに変換することが可能である。
また、移動対象をX方向、Y方向に移動させる平面移動機構は、一般的にXテーブルとYテーブルとを備えている。各テーブルが移動される際には各テーブルにモータ等の駆動力が作用するが、力が作用している部位と力が作用していない部位とでは移動量が異なる。従って、移動に伴ってXテーブルやYテーブルに歪みが生じる。
そして、移動対象が目標座標まで移動する過程においてX方向、Y方向のそれぞれにおける移動方向と移動距離が不定であると、移動対象を目標座標に移動させた状態で生じる歪みが不定になり、この結果位置のばらつきも不定になる。
しかし、移動制御装置においては、目標座標がどのような位置であっても、中継座標から目標座標に移動するために行うX方向への動作とY方向の動作は同じ動作である。従って、移動対象が目標座標に移動する直前に行われる動作は常に同じ動作である。このため、歪みによる位置のばらつきに対する影響が小さい。従って、簡易な構成や簡易な処理によって、再現性の無い位置のばらつきを全体として統一のとれた繰返し再現性のある位置のばらつきに変換することが可能である。
移動制御装置を含む検査装置の概略ブロック図である。 図2Aは平面移動機構の構成を模式的に示す図、図2BはX線が基板に照射される様子を示す模式図である。 X−Y平面内の目標座標を示す図である。 X線検査処理のフローチャートである。 半田バンプの重心位置の軌跡をX−Y平面に置き換えて示す図である。 図6A,図6Bは、従来技術と本発明の差異を示す半田バンプの水平方向にスライスされた再構成画像である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態を、放射線にX線を用いた場合について説明する。
(1)移動制御装置の構成:
(2)X線検査処理:
(3)他の実施形態:
(1)移動制御装置の構成:
図1は本発明の一実施形態にかかる移動制御装置を含む検査装置の概略ブロック図である。検査装置は、X線撮影機構部10と制御部20とを備えている。X線撮影機構部10は、X線発生器11とX線検出器12と平面移動機構13とを備えている。X線撮影機構部10は、平面移動機構13上の基板PとX線発生器11とX線検出器12とが所定の相対位置関係となった状態で、X線発生器11によって基板PにX線を照射させる。
X線発生器11は、X線を出力するX線出力部11aを備えており、所定の強度でX線を基板Pに照射することができる。X線検出器12は、X線の強度を検出する検出面12aを備えており、基板Pを透過したX線の透過量を反映したX線画像を撮影することができる。撮影されたX線画像はX線画像データ26bとしてメモリ26に記録される。
本実施形態において基板PはX線検査の対象となる半田バンプを含んでいる。すなわち、基板Pは複数の半田バンプによって実装されたプロセッサーを備えており、本実施形態においては、当該半田バンプが検査対象となる。当該半田バンプは平面移動機構13によって基板Pが移動されることによって、X線の照射領域内で平面的に移動される。従って、本実施形態において半田バンプは移動対象でもある。
平面移動機構13は、所定の平面(X−Y平面と呼ぶ。X軸とY軸とはX−Y平面内で互いに垂直である。)に沿って2次元的に移動対象を移動させることが可能な装置であり、本実施形態においては、基板PをX−Y平面に沿って移動させる。図2Aは、本実施形態にかかる平面移動機構13の構成を模式的に示す図である。本実施形態において、平面移動機構13は、X方向に移動するXテーブルTxを備えている。すなわち、Xテーブルは、上面(Z軸正方向側の面)に基板Pを固定可能な部材であり、Xテーブルの移動方向をX軸に平行なX方向に制限するリニアレールRx1,Rx2に取り付けられている。なお、リニアレールRx1,Rx2はYテーブル上に固定されている。
また、平面移動機構13は、モータMx、ネジ軸Bx、結合部Jxを含むX方向駆動部を備えている。モータMxはYテーブル上に固定されており、ネジ軸BxはモータMxの駆動力によって回転駆動される。結合部Jxにはナットが形成されており、ネジ軸Bxがナットに挿通されている。ナットとネジ軸Bxとの間にはボールが備えられており、ネジ軸Bxと結合部Jxとによってボールネジが形成されている。なお、本実施形態においては、ネジ軸Bxとナットとボールとが組み合わさってスムーズに駆動されるように、これらの間にバックラッシュ(隙間)が設けられている。
結合部Jxは、XテーブルTxにおいてY方向の端面を構成する一辺(X方向に平行な辺Vx)に取り付けられており、Y方向の他方の端面にはボールネジが取り付けられていない。従って、本実施形態においてX方向駆動部は、XテーブルTxの一辺に対してX方向に向けた力を作用させ、他方の端部に対して力を作用させない状態でXテーブルをX方向に移動させる。
さらに、本実施形態にかかるXテーブルTxにおいては、結合部Jxの付近にリニアスケールLxおよびリニアスケールLxを読み取るセンサSxが取り付けられている。すなわち、モータMxの駆動に伴ってXテーブルTxがX方向に移動すると、センサSxによってリニアスケールLxが読み取られることにより、その移動方向および移動量が検出される。なお、リニアスケールLxは、結合部Jxの付近に取り付けられるため、本実施形態においては、リニアスケールLxが結合部Jxから離れた位置(例えば、辺Vxと逆側の辺)に取り付けられる場合と比較して、精度良く位置を測定することができる。
また、平面移動機構13は、Y方向に移動するYテーブルTyを備えている。すなわち、Yテーブルは、上面にリニアレールRx1,Rx2およびモータMxが固定される部材であり、Yテーブルの移動方向をY軸に平行なY方向に制限するリニアレールRy1,Ry2に取り付けられている。なお、モータMy、リニアレールRy1,Ry2は検査装置の図示しない筐体等に固定される。
また、平面移動機構13は、モータMy、ネジ軸By、結合部Jyを含むY方向駆動部を備えている。ネジ軸ByはモータMyの駆動力によって回転駆動される。結合部Jyにはナットが形成されており、ネジ軸Byがナットに挿通されている。ナットとネジ軸Byとの間にはボールが備えられており、ネジ軸Byと結合部Jyとによってボールネジが形成されている。なお、本実施形態においては、ネジ軸Byとナットとボールとが組み合わさってスムーズに駆動されるように、これらの間にバックラッシュ(隙間)が設けられている。
結合部Jyは、YテーブルTyにおいてX方向の端面を構成する一辺(Y方向に平行な辺Vy)に取り付けられており、Y方向の他方の端面にはボールネジが取り付けられていない。従って、本実施形態においてY方向駆動部は、YテーブルTyの一辺に対してY方向に向けた力を作用させ、他方の端部に対して力を作用させない状態でYテーブルをY方向に移動させる。
さらに、本実施形態にかかるYテーブルTyにおいては、結合部Jyの付近にリニアスケールLyおよびリニアスケールLyを読み取るセンサSyが取り付けられている。すなわち、モータMyの駆動に伴ってYテーブルTyがY方向に移動すると、センサSyによってリニアスケールLyが読み取られることにより、その移動方向および移動量が検出される。なお、リニアスケールLyは、結合部Jyの付近に取り付けられるため、本実施形態においては、リニアスケールLyが結合部Jyから離れた位置(例えば、辺Vyと逆側の辺)に取り付けられる場合と比較して、精度良く位置を測定することができる。
図2Bは、X線が基板Pに照射される様子を示す模式図であり、同図においては、横方向がX−Y平面に平行な方向であり、上下方向がX−Y平面に垂直なZ方向である。同図2Bにおいては、基板P上の半田バンプS、X−Y平面Sf、X線発生器11のX線出力部11aおよびX線検出器12の検出面12aを模式的に示している。本実施形態において、X線出力部11aはZ軸に平行であり、X線出力部11aの焦点を通るA軸を含む所定の立体角の範囲にX線を出力する。A軸はX線出力部11aからX線の出力範囲のほぼ中央においてZ軸方向に平行に延びる軸であり、当該A軸を回転中心としてX線検出器12の検出面12aが回転する。当該回転においては、X線出力部11aと検出面12aの中央とを結ぶ直線Lと検出面12aとが常に垂直な状態となるように検出面12aの向きが変化しながら回転移動が行われるように設計されている(A軸と直線Lとの角度はα)。
また、平面移動機構13は、検出面12aの回転移動に同期させ、X線出力部11aと検出面12aの中央とを結ぶ直線L上に半田バンプSが配置されるように基板PをX−Y平面内で移動させる。すなわち、撮影が行われる際には、検出面12aおよび半田バンプSが図2Bに示す破線の矢印に沿って回転するように検出面12aの回転と平面移動機構13による基板Pの移動が行われる。本実施形態においては、A軸周りの回転角が異なる複数の撮影位置で半田バンプSが撮影されることにより、複数の方向から撮影されたX線画像が取得される。なお、本実施形態においては基板PをX−Y平面内で回転軌跡に沿って移動させる構成を提案するが、回転軌跡に沿って移動させるための構成は一例であり、基板Pを固定し、X線出力部11aおよび検出面12aが回転移動される構成等であっても良い。
次に制御部20について説明する。制御部20は、発生器制御部21と撮影画像取得部22と撮影機構制御部23と入力部24と出力部25とメモリ26とCPU27とを備えている。メモリ26はデータを記憶可能な記憶媒体であり、プログラムデータ26aとX線画像データ26bと再構成画像データ26cと目標座標データ26dと中継座標データ26eとが記憶される。CPU27は、プログラムデータ26aを読み出して実行することにより、後述する各種処理のための演算を実行する。なお、メモリ26はデータを記憶することができればよく、RAMやEEPROM,HDD等種々の記憶媒体を採用可能である。
撮影機構制御部23はX線発生器11,X線検出器12および平面移動機構13を制御し、基板PのX線画像を撮影する撮影位置および倍率となるように平面移動機構13の位置と検出面12aの位置およびX線出力部11aの高さを調整する。なお、平面移動機構13は、リニアスケールLx,Lyの出力に基づいて基板Pの任意の位置をX−Y平面内の任意の座標に配置することができる。すなわち、平面移動機構13においては初期位置が予め決められており、撮影機構制御部23は、リニアスケールLx,Lyの出力に基づいてXテーブルTxおよびYテーブルTyを初期位置に配置することができる。本実施形態において、撮影機構制御部23は、後述するCPU27から移動対象(半田バンプS)と座標を指示されると、リニアスケールLx,Lyの出力に基づいて移動対象をX−Y平面内の指示された座標に移動させることができる。
発生器制御部21は、X線発生器11を制御し、X線発生器11から基板Pに対してX線を照射させる。撮影画像取得部22は、X線検出器12が検出したX線の強度、すなわち透過量の画像を示すX線画像データ26bを取得する。X線画像データ26bは複数の画素の階調値によって構成される画像データであり、各画素の階調値はX線検出器12が検出したX線の強度を示す。再構成画像データ26cは、X線画像データ26bに基づいて再構成処理が行われることによって生成される検査対象(本実施形態では半田バンプS)の3次元像を示すデータである。
目標座標データ26dは、移動対象を撮影する際に当該移動対象を配置すべき位置を、X−Y平面内の座標によって示した情報である。本実施形態において、移動対象はX線による検査対象である半田バンプSであり、目標座標データ26dは、移動対象の基板P上の位置を示す情報に対して、撮影時に移動対象の半田バンプSが配置されるべきX座標およびY座標が対応づけられている。
なお、本実施形態において、検出面12aは、A軸周りの回転角が異なる複数の撮影位置に配置され、各撮影位置で半田バンプSが撮影される。従って、目標座標データ26dにおいては、各撮影位置で半田バンプSが撮影される際の位置を示す複数の座標が含まれている。本実施形態においては、これらの座標を目標座標と呼ぶ。図3は、X−Y平面内の目標座標を示す図である。図3においては、検出面12aがA軸周りに回転して8カ所の撮影位置に配置される例が想定されている。このため図3に示す例においては、合計8個の目標座標D1〜D8が設定されている。このように、本実施形態においては、X−Y平面の原点を中心とした半径一定の円の周上に目標座標が配置される。
中継座標データ26eは、目標座標データ26dが示す複数の座標のそれぞれと一定の相対位置関係にある座標を示す情報である。本実施形態においては、当該座標を中継座標と呼ぶ。本実施形態において、中継座標から見た目標座標の方向は、全ての中継座標および目標座標において一定である。また、中継座標と目標座標との距離は、全ての中継座標および目標座標において一定である。従って、中継座標から目標座標まで延びるベクトルの方向は、複数の目標座標の全てにおいて同一である。中継座標から目標座標まで延びるベクトルの長さは、複数の目標座標の全てにおいて同一である。
本実施形態にかかる平面移動機構13においては、ネジ軸Bxとナットとボールとの間にバックラッシュが設けられ、ネジ軸Byとナットとボールとの間にバックラッシュが設けられている。従って、ネジ軸Bxとナットとボールとの関係や、ネジ軸Byとナットとボールとの関係が不定であると、モータMx,Myの駆動力がテーブルTx,Tyに作用してから実際にテーブルTx,Tyが移動を始めるまでタイムラグが不定になる。
このように、移動開始初期のバックラッシュは移動完了後の位置のばらつきの要因となる。このため、複数の目標座標に移動対象を移動させる直前におけるネジ軸Bxとナットとボールとの関係やネジ軸Byとナットとボールとの関係が不定であると、移動対象の移動が完了した位置において生じるばらつきに再現性が無くなる。しかし、常に特定の方向に移動を行えば、位置のばらつきが小さくなり全体として統一の取れた繰返し再現性のあるばらつきになる。そこで、本実施形態においては、目標座標がどのような位置であっても、中継座標から目標座標に延びるベクトルが一定のベクトルになるように中継座標データ26eが設定される。図3においては、当該ベクトルを実線の矢印によって示している。
さらに、本実施形態にかかる平面移動機構13において、XテーブルTx、YテーブルTyのそれぞれは剛体であるが、移動に伴って歪みが生じ得る。すなわち、本実施形態においてXテーブルTxには、Y方向の端面を構成する一辺Vxに取り付けられた結合部JxによってモータMxの駆動力が作用する。一方、辺Vx以外の辺にはモータMxの駆動力が作用しない。従って、XテーブルTxが移動する際には、辺Vx側に存在するリニアレールRx1付近の部位が先に移動する一方、辺Vxと逆側に存在するリニアレールRx2付近の部位は若干遅れて移動する。このため、XテーブルTxが移動されると、XテーブルTxにおいてX方向の歪みが生じる。YテーブルTyも同様の構成であるため、YテーブルTyが移動されると、YテーブルTyにおいてY方向の歪みが生じる。
そして、移動対象が目標座標まで移動する過程においてX方向、Y方向のそれぞれにおける移動方向と移動距離が不定であると、移動対象を目標座標に移動させた状態で生じる歪みが不定になり、この結果位置のばらつきも不定になる。そこで、本実施形態においては、目標座標がどのような位置であっても、中継座標から目標座標に延びるベクトルが一定のベクトルになるように中継座標データ26eが設定される。
なお、当該ベクトルにおいては、X方向およびY方向の成分が0ではない。従って、X方向およびY方向の双方に移動した後に目標座標に到達するように中継座標が設定される。本実施形態においては、モータMx、ネジ軸Bx、結合部Jxで構成されるボールネジによる移動速度とモータMy、ネジ軸By、結合部Jyで構成されるボールネジによる移動速度とが同一である。そこで、本実施形態においては、X方向およびY方向の双方に同量の移動を行って目標座標に到達するように、X方向およびY方向の双方に対して45°傾斜したベクトルが採用されている(図3参照の中継座標R1参照)。すなわち、中継座標から目標座標に延びるベクトルのX方向の成分と、Y方向の成分とは同一である。
また、ベクトルの長さ、すなわち中継座標と目標座標との距離は、X方向およびY方向のそれぞれにおいて、バックラッシュが充分に解消されるように設定される。例えば、X方向のバックラッシュの量と、少なくとも桁が違うような長さに設定される。本実施形態においては、バックラッシュが数十μm程度であり、ベクトルの長さが0.5mm程度(従って、X方向およびY方向の移動量は0.5/21/2mm程度)である。
出力部25は基板Pの検査結果等を表示するディスプレイであり、入力部24は利用者の入力を受け付ける操作入力機器である。CPU27は、プログラムデータ26aが示すプログラムを実行することにより、検査対象のX線画像データ26bを撮影するための制御と、検査対象の良否判定とを行う。良否判定は、半田バンプが不良であるか否かを個別に判定する処理であり、詳細は後述する。
CPU27が、検査対象のX線画像データ26bを撮影するための制御プログラムを実行すると、CPU27は、第1移動制御部27a、第2移動制御部27b、3次元像取得部27cとして機能する。また、CPU27が、良否判定を行うためのプログラムを実行すると、CPU27は、良否判定部27dとして機能する。
第1移動制御部27aは、中継座標から目標座標まで延びるベクトルにおけるX方向およびY方向の成分が非0の既定値であるように設定された中継座標に移動対象を移動させる機能をCPU27に実行させる。すなわち、CPU27は、移動対象を複数の目標座標のそれぞれに移動させてX線による撮影を行う過程において、移動対象を各目標座標に移動させる前に中継座標に移動させる。
このため、CPU27は、目標座標データ26dに基づいて中継座標データ26eを生成する。すなわち、CPU27は、第1移動制御部27aの機能により、目標座標データ26dに基づいて複数の目標座標を取得し、各目標座標に対応した中継座標から各目標座標まで延びるベクトルの方向および距離が一定になるように中継座標を設定する。以上のような処理によれば、例えば、図3に示す例であれば目標座標D1〜D8のそれぞれに対応した中継座標R1〜R8が設定される。
そこで、CPU27は、移動対象を目標座標Dnに移動させる前に、目標座標Dnに対応した中継座標Rnに移動対象を移動させる(nは1〜最大撮影回数の整数値)。このため、移動対象を中継座標Rnに移動させる際、CPU27は、移動対象である半田バンプSの基板P上の位置とともに中継座標Rnを撮影機構制御部23に出力する。この結果、撮影機構制御部23は、平面移動機構13を制御して当該移動対象を中継座標Rnに移動させる。
第2移動制御部27bは、移動対象を中継座標から目標座標まで移動させる機能をCPU27に実行させる。すなわち、CPU27は、移動対象である半田バンプSの基板P上の位置とともに目標座標Dnを撮影機構制御部23に出力する。この結果、撮影機構制御部23は、平面移動機構13を制御して当該移動対象を目標座標Dnに移動させる。
3次元像取得部27cは、撮影位置に移動された移動対象(半田バンプS)にX線を照射して当該移動対象の3次元像を取得する機能である。すなわち、CPU27は、3次元像取得部27cの機能により、各撮影位置において発生器制御部21に既定の強度のX線の発生を指示する。発生器制御部21は、当該指示に基づいてX線発生器11を制御し、X線発生器11から半田バンプSに対してX線を照射させる。
この状態でCPU27は、撮影画像取得部22にX線画像の撮影を指示する。撮影画像取得部22は、当該指示に基づいてX線検出器12が出力するX線画像データを取得し、メモリ26にX線画像データ26bとして記録する。複数の撮影位置の全てにおいてX線画像データ26bが取得されると、CPU27は、各X線画像データ26bを参照し、半田バンプの3次元像を生成する。具体的には、CPU27は、各半田バンプを複数の位置から撮影して得られたX線画像データ26bに基づいて再構成演算を実行して3次元像を生成する。生成された3次元像を示す情報は再構成画像データ26cとしてメモリ26に記録される。
良否判定部27dは、再構成画像データ26cに基づいて、検査対象である半田バンプSの良否を判定する機能である。すなわち、CPU27は、良否判定部27dの処理により、再構成画像データ26cが示す再構成情報を参照し、当該再構成情報に基づいて、半田バンプSをZ軸に垂直な方向に切断した切断面の断層像を取得する。そして、CPU27は、断層像と所定の判定条件(例えば、ボイドの有無やボイドの大きさ、形状、位置等による良否の基準を示す条件)とを比較し、判定条件に基づいて良否を判定する。
以上の構成によれば、移動対象を複数の目標座標のそれぞれに移動させてX線による撮影を行う過程において、移動対象を各目標座標に移動させる前に必ず中継座標を経由させ、全ての目標座標に向けて同一の方向に同一距離だけ移動した上で移動対象を目標座標に配置することができる。従って、移動対象が目標座標に移動する直前に行われる動作は常に同じ動作であり、バックラッシュに起因する位置のばらつきやXテーブルTxおよびYテーブルTyの歪みによる位置のばらつきが生じたとしても、目標座標に対するそのばらつきが小さく繰返し再現性を備えたばらつきとなる。このため、恒常的に発生する方向と距離が一定の位置ずれに対し、簡易な構成や簡易な処理によって平面移動機構の位置を補正することが可能である。
(2)X線検査処理:
図4は、X線検査処理を示すフローチャートである。検査装置は、半田バンプSの検査を行うために図4に示すX線検査処理を実行する。X線検査処理が開始されると、CPU27は、第1移動制御部27aの機能により、ベクトルの成分を取得する(ステップS100)。すなわち、中継座標から見た目標座標に延びるベクトルのX方向およびY方向の成分ΔXおよびΔYは既定値であり、メモリ26等に記録されている。CPU27は、メモリ26等を参照して当該ベクトルの成分ΔXおよびΔYを取得する。なお、図3に示す例であれば、ΔXおよびΔYは負の同一値である。
次に、CPU27は、第2移動制御部27bの機能により、目標座標を取得するための処理を行う。具体的には、CPU27は、第2移動制御部27bの機能により、X線の焦点と移動対象の重心との垂直距離FODを取得する(ステップS105)。本実施形態において、平面移動機構13の高さ(Z方向の位置)は固定されており、X線出力部11aの高さが調整可能である。そこで、CPU27は、X線出力部11aの高さに基づいて、当該X線出力部11aにおけるX線の焦点と平面移動機構13に固定される基板PとのZ方向の距離を取得し、垂直距離FODとみなす(図2B参照)。なお、当該垂直距離FODは、センサ等によって計測されても良いし、X線出力部11aの高さを指示するための指示値等によって特定されても良く、種々の手法で算出されて良い。
次に、CPU27は、第2移動制御部27bの機能により、撮影時の傾斜角度αに基づいてX線の焦点と移動対象の重心との距離FODαを取得する(ステップS110)。すなわち、CPU27は、X線の焦点と検出面12aの中央とを結ぶ直線LとA軸との角度αを取得する。ここでも、角度αは、センサによって測定される構成や、X線出力部11aの高さを指示するための指示値および平面移動機構13の設計値等によって特定される構成など、種々の構成が採用されてよい。角度αが取得されると、CPU27は、FOD/cosαを演算して距離FODαとみなす(図2B参照)。
次に、CPU27は、第2移動制御部27bの機能により、撮影回数Nに基づいて1回の撮影毎の角度変化Δθを取得する(ステップS115)。すなわち、本実施形態においては撮影回数Nが予め決まっており、CPU27は、360/Nを1回あたりの検出面12aの角度変化Δθとして取得する。なお、図3に示す例であればN=8であるため角度変化Δθは、45°である。
次に、CPU27は、第2移動制御部27bの機能により、k番目の撮影における回転角度θを取得する(ステップS120)。すなわち、CPU27は、k=1〜Nとした場合におけるkのそれぞれにおいて、検出面12aの回転角度θを取得する。具体的には、CPU27は、検出面12aの回転角度の初期値をθ0とした場合に、θ0+Δθ(k−1)をθとして取得する。なお、角度の基準は予め決められていればよく、図3においては、X軸に平行な方向が基準であり0°である。また、図3においては、θ0が45°の場合を例示している。この例において、角度変化Δθも45°であるため、1番目の撮影における回転角度θ1はX軸から90°反時計回りに回転した角度であり、2番目の撮影における回転角度θ2はX軸から135°反時計回りに回転した角度である。
次に、CPU27は、第2移動制御部27bの機能により、回転角度θにおける目標座標Dk(Xk,Yk)を取得する(ステップS125)。本実施形態において移動対象は、X−Y平面において円の周上を移動する。当該円の半径は、X線の焦点と移動対象の重心との距離FODα×sinαである。また、X−Y平面上での移動対象のA軸に対する回転角度と検出面12aの回転角度θとは同一である、そこで、CPU27は、k=1〜Nとした場合におけるkのそれぞれにおいて
k=FODα×sinα×cosθ
k=FODα×sinα×sinθ
とし、目標座標Dk(Xk,Yk)を取得する。
次に、回転角度θにおける中継座標Rk(X'k,Y'k)を取得する(ステップS130)。すなわち、CPU27は、ステップS125で取得された各目標座標Dk(Xk,Yk)に対してステップS100で取得したベクトルの逆ベクトルを加えることで中継座標Rk(X'k,Y'k)を取得する。具体的には、CPU27は、k=1〜Nとした場合におけるkのそれぞれにおいて
X'k=Xk−ΔX
Y'k=Yk−ΔY
とし、中継座標Rk(X'k,Y'k)を取得する。
次に、CPU27は、第1移動制御部27a、第2移動制御部27b、3次元像取得部27cの機能により、半田バンプSの撮影を行う。具体的には、CPU27は、3次元像取得部27cの機能により、撮影回数をカウントする変数であるkを1に初期化し、移動対象を図3の原点0に移動する(ステップS135)。また、CPU27は、3次元像取得部27cの機能により、回転角度をθにセットする(ステップS140)。すなわち、CPU27は、撮影機構制御部23に回転角度θを指示する。この結果、撮影機構制御部23は、X線検出器12を制御し、検出面12aを回転角度θkに変化させる。この結果、検出面12aの回転角度はk−1番目の撮影における回転角度θk-1からk番目の撮影における回転角度θに変化する。なお、kが1の場合、回転角度はθ0であり、検出面12aの回転角度の初期値である。
例えば、図3に示す例においてkが1の場合、ステップS140により、回転角度θ0から回転角度θ1に変化する。このため、検出面12aは目標座標D1を撮影するための撮影位置にセットされる。図3に示す例においてkが2の場合、ステップS140により、回転角度θ1から回転角度θ2に変化する。このため、検出面12aは目標座標D2を撮影するための撮影位置にセットされる。
次に、CPU27は、第1移動制御部27aの機能により、移動対象を中継座標Rkに移動させる(ステップS145)。すなわち、CPU27は、半田バンプSの基板P上の位置とともにステップS130で取得した中継座標Rkを撮影機構制御部23に出力する。この結果、撮影機構制御部23は、平面移動機構13を制御して当該移動対象を中継座標Rkに移動させる。例えば、図3に示す例においてkが1の場合、半田バンプSは図3の実線L1で示すように、原点0の座標から中継座標R1に移動し、kが2の場合、半田バンプSは図3の実線L2で示すように、目標座標Dから中継座標R2に移動する。なお、図3に示す目標座標Dk-1から中継座標Rkへの移動を示す実線は中継座標R2までしか示していないが、kが3〜8の場合も同様の動作を繰り返す。
次に、CPU27は、第2移動制御部27bの機能により、移動対象を目標座標Dkに移動させる(ステップS150)。すなわち、CPU27は、半田バンプSの基板P上の位置とともにステップS125で取得した目標座標Dkを撮影機構制御部23に出力する。この結果、撮影機構制御部23は、平面移動機構13を制御して当該移動対象を目標座標Dkに移動させる。例えば、図3に示す例においてkが1の場合、半田バンプSは図3の実線の矢印で示すように、中継座標R1から目標座標D1に延びるベクトルに沿って移動し、kが2の場合、中継座標R2から目標座標D2延びるベクトルに沿って移動する。
次に、CPU27は、3次元像取得部27cの機能により、k番目の撮影画像データIkを取得する(ステップS155)。すなわち、CPU27は、撮影画像取得部22にX線画像の撮影を指示する。撮影画像取得部22は、当該指示に基づいてX線検出器12が出力するX線画像データを取得し、撮影回数を示すkを対応づけてメモリ26にX線画像データ26bとして記録する。
次に、CPU27は、3次元像取得部27cの機能により、kをインクリメントし(ステップS160)、kが撮影回数N以下であるか否かを判定する(ステップS165)。ステップS165において、kが撮影回数N以下であると判定されない場合、CPU27は、ステップS140以降の処理を繰り返す。
ステップS165において、kが撮影回数N以下であると判定された場合、CPU27は、3次元像取得部27cの機能により、再構成演算処理を実行する(ステップS170)。再構成演算は、半田バンプSの3次元構造を再構成することができれば良く、種々の処理を採用可能である。例えば、フィルタ補正逆投影法を採用可能である。この処理においてCPU27は、まず、複数のX線画像のいずれかに対してフーリエ変換を実施し、フーリエ変換で得られた結果に対して周波数空間でフィルタ補正関数を乗じる。さらに、この結果に対して逆フーリエ変換を実施することで、フィルタ補正を行った画像を取得する。尚、このフィルタ補正関数は、画像のエッジを強調するための関数等を採用可能である。
続いて、フィルタ補正後の画像を、それが投影された軌跡に沿って3次元空間へ逆投影する。すなわち、X線検出器12の検出面12aにおけるある位置の像に対応する軌跡は、X線発生器11の焦点とこの位置とを結ぶ直線であるので、この直線上に画像を逆投影する。以上の逆投影を複数のX線画像のすべてについて行うと、3次元空間上で基準のサンプルが存在する部分のX線吸収係数分布が強調され、基準のサンプルの3次元形状を示す再構成情報が得られる。生成された再構成情報は再構成画像データ26cとしてメモリ26に記録される。
次に、CPU27は、良否判定部27dの機能により、良否判定処理を実行する(ステップS175)。すなわち、本実施形態においては、半田バンプSの良否を判断するための特徴量が予め定義されており、CPU27は、ステップS170で生成された再構成画像データ26cに基づいて半田バンプSの特徴量を取得する。特徴量としては、種々の量を採用可能であり、例えば、半田バンプの中のボイドの大きさや形状等が挙げられる。当該特徴量には予め良否を判定するための閾値が設定されており、CPU27は、特徴量と当該閾値を比較することによって半田バンプの良否を検査する。また、CPU27は、半田バンプSの良否判定結果を出力部25に出力させる。
本実施形態においては、半田バンプSを各目標座標に移動させる前に必ず中継座標を経由させ、同一の方向に同一距離だけ移動させて半田バンプSを目標座標まで移動させる処理を全ての目標座標について実行する。この結果、バックラッシュやXテーブルTxおよびYテーブルTyの移動に伴う歪みによるばらつきが繰返し再現性のある位置のばらつきとなる。
図5は、半田バンプの重心の軌跡を示す図である。図5においては、検出面12aにおいて撮影された半田バンプの重心の軌跡を図3に示すX−Y平面の座標に置き換えた軌跡によって示している。ただし、図3は本発明に対する理解を容易とするために撮影回数Nを8として説明したが、図5では従来技術によるバックラッシュの影響を受ける場合の軌跡と本発明の軌跡との差異を明確に示すために撮影回数Nを実際の撮影回数の32を使って表現した。
図5は、本実施形態のように中継座標Rkから目標座標Dkまで半田バンプSを移動させた場合の半田バンプの目標座標Dkにおける重心の座標をδr、目標座標Dkの間を中継座標Rkを介さないで半田バンプSを直接に移動させた場合の従来技術による半田バンプの重心の座標をδdとして示している。さらに、半田バンプの重心の座標δr、δdに付された数字1〜32は撮影回数に対する半田バンプの重心の各座標を示している。図5に示すように、重心の座標δr1〜δr32、δd1〜δd32は、撮影回数1〜32において半田バンプSがX−Y平面内で円周上を移動することに応じて環状に変化する。
図5においては、中継座標Rkから目標座標Dkまで半田バンプSを移動させた場合の本発明の半田バンプの重心の座標δr1〜δr32の軌跡を実線で示し、中継座標Rkを介さないで目標座標Dkに半田バンプSを直接移動させた場合の従来技術による半田バンプの重心の座標δd1〜δd32の軌跡を破線で示している。また、図5の各軌跡により得られた半田バンプの水平方向にスライスされた再構成画像を図6Aと図6Bにそれぞれ示す。図6Aは従来技術による半田バンプの水平方向にスライスされた再構成画像を示しており、図6Bは本発明による半田バンプの水平方向にスライスされた再構成画像を示している。図5から明らかなように、中継座標を介して目標座標に移動させた場合の半田バンプの重心の座標δrは、円に近い軌跡となっていると共に、図6Bのようにはっきりとしたバンプの画像が得られる。一方、中継座標Rkを介さないで目標座標Dkに半田バンプSを移動させた場合の半田バンプの重心の座標δdは、非常に異なった軌跡になっており、図6Aのように不安定な形状のバンプの画像が得られる。以上のように、中継座標Rkから目標座標Dkまで移動させることで検査対象の鮮明な画像が生成される。
なお、実施形態は、取得したX線画像データから直接に再構成演算を実行することを説明したが、目標座標のばらつき自体が未定の場合、例えば、"検査装置の導入時"や"定期保守時"においては目標座標のばらつきを補正する処理を先に実行してもよい。具体的には、図4のステップS165の後で、図5に示した目標座標のばらつき(円周上の各目標座標に対する位置ずれ)を計測判定し、全体若しくは特定の目標座標のばらつきが大きいと判定された場合には、特定の方向と距離に対する位置ずれを目標座標の軌跡が原点を中心とする半径一定の円周上の座標に近づくように目標座標の値を補正し、補正した新たな目標座標で撮影した画像により再構成演算を実行すればよい。
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、移動対象を中継座標に移動させた後に目標座標に移動させる限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、移動制御装置は、図1に示すX線検査装置以外の装置に備えられていても良い。移動制御装置は、移動対象をX軸に平行なX方向とX軸に垂直なY方向とに移動させる平面移動機構を制御することができればよい。従って、上述の実施形態のように、平面移動機構に対して撮影機構制御部を介して間接的に接続されたCPU等によって構成されても良いし、平面移動機構に直接的に接続されたコントローラー等によって構成されても良く、種々の構成を採用可能である。
平面移動機構は、移動対象をX軸に平行なX方向とX軸に垂直なY方向とに移動させることができればよい。従って、Xテーブル上に移動対象が配置されて移動される構成以外にも種々の構成が採用されてよい。例えば、XテーブルやYテーブルと同程度の高さの位置に固定された移動対象が平面移動する構成であっても良いし、XテーブルやYテーブルの下方に固定された移動対象が平面移動する構成であっても良い。
また、平面移動機構は、移動対象をX軸に平行なX方向とX軸に垂直なY方向とに移動させることができる。すなわち、移動対象は、X方向およびY方向のそれぞれについて独立に移動させることが可能である。移動対象をX方向およびY方向のそれぞれについて移動させるための構成は、上述のようにモータの駆動力をボールネジによって直線方向への力に変換する構成に限定されない。従って、各種のギア等によって力が平面移動機構に伝達される構成であっても良く、種々の構成を採用可能である。
移動対象は、少なくとも平面的に移動可能であれば良く、他の方向への移動(例えば、平面に対する垂直方向や平面内での回転方向)が可能であっても良い。また、X軸、Y軸は、移動対象が移動する平面内で垂直であれば良い。移動対象は、平面的に移動させる対象であれば良く、上述のように3次元再構成演算による検査が行われる検査対象に限定されない。例えば、検査装置において検出器を平面的に移動させる際に当該検出器が移動対象となっても良い。
第1移動制御部は、中継座標から目標座標まで延びるベクトルにおけるX方向およびY方向の成分が非0の既定値であるように設定された中継座標に移動対象を移動させることができればよい。すなわち、移動対象を目標座標に移動させる際には、移動対象を目標座標に対して直接的に移動させるのではなく、目標座標に対して特定の位置関係にある中継座標に移動させてから目標座標に移動させるように構成されていれば良い。
中継座標は、中継座標から目標座標まで延びるベクトルのX方向およびY方向の成分が非0の既定値であればよい。すなわち、中継座標から目標座標まで移動対象を移動させる際に、X方向とY方向の双方に移動させるように構成されていれば良い。X方向およびY方向の成分、すなわち、X方向およびY方向への移動距離は、予め決められた固定値であれば良く、X方向とY方向とで同一であっても良いし、異なっていてもよい。
既定値は、予め決められていれば良いが、ベクトルが当該既定値の成分を有していることにより、X方向およびY方向への移動後の誤差がばらつかないように構成されていることが好ましい。従って、バックラッシュや歪みの大きさよりも大きい値であることが好ましい。例えば、バックラッシュや歪みの大きさよりも一桁以上大きい量の移動が行われるように既定値が決定されていることが好ましい。
第2移動制御部は、移動対象を中継座標から目標座標までベクトルに沿って移動させることができればよい。すなわち、移動対象を中継座標から目標座標まで直線移動させることができればよい。このために、第2移動制御部は、移動対象をX方向とY方向とに向けて同時に移動させることができればよい。例えば、中継座標から目標座標まで延びるベクトルのX方向の成分である既定値と、Y方向の成分である既定値とが同一の場合、第2移動制御部は、X方向およびY方向に同一の速度で移動させることによってベクトルに沿った移動を行う。X方向の成分である既定値と、Y方向の成分である既定値とが異なる場合、例えば、X方向の成分である既定値と、Y方向の成分である既定値との比と等しい速度比でX方向およびY方向に移動させれば良い。
本発明の適用対象は装置に限定されず、方法やプログラムとして実現されることも想定される。また、本発明の一実施形態としての移動制御装置は単独で実現される場合もあるし、ある方法に適用され、あるいは同方法が他の機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。むろん、発明の実施態様がソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。また、ソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。一次複製品、二次複製品などの複製段階についても同等である。さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態であってもよい。
10…X線撮影機構部、11…X線発生器、11a…X線出力部、12…X線検出器、12a…検出面、13…平面移動機構、20…制御部、21…発生器制御部、22…撮影画像取得部、23…撮影機構制御部、24…入力部、25…出力部、26…メモリ、26a…プログラムデータ、26b…X線画像データ、26c…再構成画像データ、26d…目標座標データ、26e…中継座標データ、27…CPU、27a…第1移動制御部、27b…第2移動制御部、27c…3次元像取得部、27d…良否判定部

Claims (4)

  1. X線画像の再構成画像による検査対象を移動対象とし、前記移動対象をX軸に平行なX方向と前記X軸に垂直なY方向とに移動させる平面移動機構を制御する移動制御装置であって、
    中継座標から目標座標まで延びるベクトルにおける前記X方向および前記Y方向の成分が非0の既定値であるように設定された前記中継座標に前記移動対象を移動させる第1移動制御部と、
    前記移動対象を前記中継座標から前記目標座標まで前記ベクトルに沿って移動させる第2移動制御部と、を備え、
    前記目標座標は同一の前記検査対象を複数の撮影位置のそれぞれで撮影する際に前記検査対象が配置される複数個の座標であり、複数の前記目標座標のそれぞれに対応する前記中継座標が存在し、
    複数の前記目標座標の全てにおいて前記ベクトルが同一であり、かつ、全ての前記ベクトルにおいて前記X方向の成分が同一であり、全ての前記ベクトルにおいて前記Y方向の成分が同一であ
    前記平面移動機構において、前記X方向への移動機構の部品間にはバックラッシュが設けられており、前記ベクトルにおける前記X方向の成分である既定値は、バックラッシュの量よりも一桁以上大きく、
    前記平面移動機構において、前記Y方向への移動機構の部品間にはバックラッシュが設けられており、前記ベクトルにおける前記Y方向の成分である既定値は、バックラッシュの量よりも一桁以上大きい、
    移動制御装置。
  2. 前記平面移動機構は、
    前記X方向に移動するXテーブルと、
    前記Xテーブルにおける前記Y方向の一方の端部に対して前記X方向に向けた力を作用させ、他方の端部に対して力を作用させない状態で前記Xテーブルを前記X方向に移動させるX方向駆動部と、
    前記Y方向に移動するYテーブルと、
    前記Yテーブルにおける前記X方向の一方の端部に対して前記Y方向に向けた力を作用させ、他方の端部に対して力を作用させない状態で前記Yテーブルを前記Y方向に移動させるY方向駆動部と、を備える、
    請求項1に記載の移動制御装置。
  3. X線画像の再構成画像による検査対象を移動対象とし、前記移動対象をX軸に平行なX方向と前記X軸に垂直なY方向とに移動させる平面移動機構を制御する移動制御方法であって、
    中継座標から目標座標まで延びるベクトルにおける前記X方向および前記Y方向の成分が非0の既定値であるように設定された前記中継座標に前記移動対象を移動させる第1移動制御工程と、
    前記移動対象を前記中継座標から前記目標座標まで前記ベクトルに沿って移動させる第2移動制御工程と、を含み、
    前記目標座標は同一の前記検査対象を複数の撮影位置のそれぞれで撮影する際に前記検査対象が配置される複数個の座標であり、複数の前記目標座標のそれぞれに対応する前記中継座標が存在し、
    複数の前記目標座標の全てにおいて前記ベクトルが同一であり、かつ、全ての前記ベクトルにおいて前記X方向の成分が同一であり、全ての前記ベクトルにおいて前記Y方向の成分が同一であ
    前記平面移動機構において、前記X方向への移動機構の部品間にはバックラッシュが設けられており、前記ベクトルにおける前記X方向の成分である既定値は、バックラッシュの量よりも一桁以上大きく、
    前記平面移動機構において、前記Y方向への移動機構の部品間にはバックラッシュが設けられており、前記ベクトルにおける前記Y方向の成分である既定値は、バックラッシュの量よりも一桁以上大きい、
    移動制御方法。
  4. X線画像の再構成画像による検査対象を移動対象とし、前記移動対象をX軸に平行なX方向と前記X軸に垂直なY方向とに移動させる平面移動機構を制御するコンピュータを、
    中継座標から目標座標まで延びるベクトルにおける前記X方向および前記Y方向の成分が非0の既定値であるように設定された前記中継座標に前記移動対象を移動させる第1移動制御部、
    前記移動対象を前記中継座標から前記目標座標まで前記ベクトルに沿って移動させる第2移動制御部、として機能させ、
    前記目標座標は同一の前記検査対象を複数の撮影位置のそれぞれで撮影する際に前記検査対象が配置される複数個の座標であり、複数の前記目標座標のそれぞれに対応する前記中継座標が存在し、
    複数の前記目標座標の全てにおいて前記ベクトルが同一であり、かつ、全ての前記ベクトルにおいて前記X方向の成分が同一であり、全ての前記ベクトルにおいて前記Y方向の成分が同一であ
    前記平面移動機構において、前記X方向への移動機構の部品間にはバックラッシュが設けられており、前記ベクトルにおける前記X方向の成分である既定値は、バックラッシュの量よりも一桁以上大きく、
    前記平面移動機構において、前記Y方向への移動機構の部品間にはバックラッシュが設けられており、前記ベクトルにおける前記Y方向の成分である既定値は、バックラッシュの量よりも一桁以上大きい、
    移動制御プログラム。
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