JP6802027B2 - 飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、異味や雑味が生じることなく自然な野菜汁・果汁感が増強された、野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料に関する。
野菜汁や果汁を含有する飲料は、飲料の中でも特徴的な呈味を楽しむことのできるものとして、清涼飲料やアルコール飲料をはじめ様々な製品として販売されている。近年では、よりフレッシュな野菜汁・果汁感を強調した飲料が製品化されていることからも分かるように、野菜汁・果汁の呈味をより強調した飲料に対するニーズが高まっている。
しかし、市場に流通する飲料では、その保存性や運搬効率を高めるために様々な処理がなされるため、野菜汁・果汁感が損なわれてしまうという問題があった。例えば、保存安定性を向上させるために添加される酸化防止剤や安定剤、pH調整剤等の各種添加物は野菜汁・果汁感や風味をやや違和感のあるものとしてしまう場合があり、また効率の良い輸送や保存性の面から、一度果汁を濃縮し、その後水分を戻した濃縮還元野菜汁・果汁が使用されることもあるが、濃縮時に水分だけでなく風味成分が減少したり、変化したりしてしまい、濃縮前の果汁とは異なるものとなってしまうという問題があった。
野菜汁・果汁を含有する飲料において野菜汁・果汁感を向上させる方法として各種検討がされてきた(例えば特許文献1及び2)。特許文献1には、一般式Gal−(Gal)n−Glc(但し、式中Galはガラクトース残基、Glcはグルコース残基、nは1〜4の整数)で示されるガラクトオリゴ糖及びフラクトースが8:2ないし2:8の重量比で混合されてなる果汁含有飲食品用甘味料が開示され、良質の甘味付与と風味の長期間安定化ができることが記載されている。特許文献2には、清澄乳酸菌・酵母発酵乳清液を有効成分として含有することを特徴とする果実特有の風味の増強剤が開示され、低果汁含有率の飲料でも高果汁飲料並の果汁感が得られることが記載されている。しかし、依然として、より自然な野菜汁・果汁感を得られるものが求められている。
一方、コレステロール低下作用や免疫増強作用等をはじめとする機能性を有する素材として注目されるβグルカンについて、これまでに飲料用途も報告されている(例えば特許文献3及び4)。しかし、いずれの文献においても、機能性を目的としてβグルカンを使用しており、その添加量の下限値は実質0.1質量%であった。
特開平2−238862号公報 特開平7−75521号公報 特開2002−306124号公報 特開2009−142184号公報
よって本発明の目的は、異味や雑味が生じることなく自然な野菜汁や果汁感が増強された、野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料を得ることにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく種々検討した結果、機能性を有する素材として注目されているβグルカンを、従来想定されていなかった微量添加で使用することにより、野菜汁・果汁感を向上させ、自然で持続力のある呈味を達成できることを知見した。βグルカンは機能性素材としての側面が強く、低濃度での利用がほとんど想定されてこなかった中で、驚くべき効果である。
本発明は、上記知見に基づきなされたものであり、β−1,3−1,4−グルカンを0.0001〜0.1質量%含有する、野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料である。
また、本発明は、β−1,3−1,4−グルカンを0.0001〜0.1質量%含有させる、野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料の呈味改善方法を提供するものである。
本発明によれば、異味や雑味が生じることなく自然な野菜汁・果汁感が増強された、野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料を得ることができる。
以下、本発明の野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料について詳細に説明する。
まず、本発明の野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料の必須成分であるβ−1,3−1,4−グルカンについて説明する。
上記β−1,3−1,4−グルカンは1−3−β−D−グルコピラノース結合及び1−4−β−D−グルコピラノース結合を主体とするグルコース重合体を主成分とするものである。
上記β−1,3−1,4−グルカンの由来としては主に穀物が挙げられ、中でもイネ科植物が好ましい。イネ科植物の例としては、米類、小麦類、トウモロコシ類、モロコシ類、ヒエ類、アワ類、キビ類、大麦類、オーツ麦類(カラス麦類)、ライ麦類等の穀類を挙げることができる。特にこれらイネ科植物から抽出によって得られた水溶性β−1,3−1,4−グルカンが好ましい。
尚、β−1,3−1,4−グルカンは、穀物以外の単子葉類植物等からも得ることができる。また、抽出以外には、分級等の方法によってもβ−1,3−1,4−グルカンを得ることができる。
本発明においては、上記β−1,3−1,4−グルカンの50質量%以上、特に50〜100質量%がイネ科植物抽出物由来であることが、本発明の効果をより高く引き出すことができる点で好ましい。
上記イネ科植物から抽出された水溶性β−1,3−1,4−グルカンは、その抽出方法に特に制限はなく、公知の方法を用い、抽出原料となるイネ科植物に、抽出溶媒を添加し抽出すればよい。また、固液分離された抽出液そのもの、抽出液より公知の方法で抽出された水溶性β−1,3−1,4−グルカンを濃縮した液体や固体状のもの、又は抽出液より公知の方法で精製し純度を上げた液体や固体状のもの等、何れの製造方法で得たものでも、何れの形態のものでも、又は何れの純度のものでも使用可能である。もちろん、水溶性β−1,3−1,4−グルカン以外の抽出された成分が混合しているものを使用することもできる。
抽出には、植物全体を原料とできるが、βグルカンの含有量の比較的高い種子を用いることが好ましい。該種子としては全体を粉砕したもの(全粒粉)をはじめ、穀類の精製工程で得られる糠、フスマ、麦芽、胚芽又は胚乳部分の何れを用いることもできる。好ましくは、大麦類若しくはオーツ麦類の全粒粉又はそれらの穀粒を外周部より搗精した胚乳部分若しくはその際発生する糠;米糠;小麦又はトウモロコシ類のフスマ又は胚芽等であり、更に好ましくは、大麦類若しくはオーツ麦類の全粒粉又はそれらの穀粒を外周部より搗精した胚乳部分若しくはその際発生する糠である。
β−1、3−1、4−グルカンのイネ科植物からの抽出方法について更に詳しく説明すると、イネ科植物中のβ−1、3−1、4−グルカンは、水溶性高分子として水に溶解させることができ、例えば、イネ科植物の穀類粉末に、水、温水、熱水若しくは塩溶液、酸性若しくはアルカリ性の水溶液、又は有機溶媒等を用いて、対粉末2〜100倍量の溶媒にて任意の時間及び任意の温度で抽出することができる。更に抽出液を固液分離してβ−1、3−1、4−グルカンを得ることができる。これらの中でも、水、温水又は熱水で抽出された水溶性β−1、3−1、4−グルカンが好ましく、温度4℃以上80℃以下の温水で抽出された水溶性β−1、3−1、4−グルカンがより好ましい。更に抽出時に抽出促進剤等を加えることもできる。
具体的には、例えば、大麦又はオーツ麦から高分子量のβ−1、3−1、4−グルカンを得る方法として、多ろう質大麦を原料とし、水抽出により製造する方法(例えば特公平4−11197号公報等参照)、大麦又はオーツ麦を原料として、アルカリ抽出、中和又はアルコール沈殿により、重量平均分子量10万〜100万の水溶性βグルカンを得る方法(例えば特公平6−83652号公報等参照)、搗精歩留まり82%以下の大麦糠類を原料として、80〜90℃の熱水にて水溶性βグルカンを抽出する方法(例えば特開平11−225706号公報等参照)等が挙げられる。
また、得られた水溶性β−1,3−1,4−グルカンを更に公知の方法で低分子化することもできる。上記のβ−1,3−1,4−グルカンを低分子化する方法としては、公知である多糖類の加水分解反応の何れもが利用可能である。例えば、水溶性多糖類は、酸存在下に加圧加熱により加水分解することが知られており、これを利用して低分子化することができる。また、酵素による加水分解反応を利用した低分子化も有効であり、このような酵素としては、1,3−βグルカナーゼ等を用いることができる。また、抽出時に抽出溶媒中にセルラーゼを含有させることにより低分子化することもできる。更にまた、国際公開第98/13056号パンフレット又は特開2002−97203号公報等に記載の方法により、低分子化された水溶性β−1,3−1,4−グルカンを、原料穀物から直接抽出することにより得ることもできる。また、特開2002−105103号公報に記載の抽出促進剤等を使用することもできる。
本発明においては、いかなる重量平均分子量を持つβ−1,3−1,4−グルカンも使用可能であるが、分子量の低下と共に水溶性が増すため、重量平均分子量300万以下、好ましくは50万以下、更に好ましくは10万以下のものがよい。このような分子量範囲とするために、必要に応じて、例えば、イネ科植物から抽出して得た水溶性β−1、3−1、4−グルカンを、水溶性が良くなるように、上述したような公知の方法で低分子化することができ、直接低分子量の水溶性βグルカンを抽出することもできる。
尚、本明細書中、重量平均分子量及び後述する特定の分子量領域の割合に使用する分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)で測定した標準β−1,3−1,4−グルカン(メガサイム社製)換算の分子量であり、具体的には、以下の装置及びカラムで測定した値を採用する。
・装置 EcoSEC HLC8320GPC(東ソー株式会社)
・カラム TSK GEL G6000PWXL(東ソー株式会社)−Shodex Sugar SB-802(昭和電工)
GPCの条件としては、例えば、下記の条件を採用することができる。
・溶離液 Milli-Q水によるイソクラチック溶出
・流速 0.5ml/min
・測定温度 60℃(カラム、インレット、RI)
・検出 RI及びUV(280nm)による検出(45℃)
・分析時間 20分
・試料濃度 1mg/ml
・サンプル注入量 50μl
・GPC解析ソフト(HLC8320GPC、EcoSECデータ解析 Ver.1.07、東ソー株式会社)
本発明の野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料における上記β−1,3−1,4−グルカンの含有量は、β−1,3−1,4−グルカン純分として0.0001〜0.1質量%、より好ましくは0.001〜0.09質量%、更に好ましくは0.006〜0.08質量%、最も好ましくは0.01〜0.07質量%である。0.0001質量%未満であると呈味改善効果が見られず、また0.1質量%を超えると本発明の効果が急激に低下するほか、異味や雑味が生じる場合がある。
尚、本発明において、β−1,3−1,4−グルカン含量の測定には、McCleary法(酵素法)を利用することができる。具体的には、β−1,3−1,4−グルカン含量測定キット(型番K−BGLU)(メガザイム社製)を用いて以下の手順で測定することができる。先ず、500μm(30メッシュ)のふるいにかけた測定サンプルについて、予め水分含有量を測定(赤外線水分計、型番FD−230、Kett社製)し、無水物質量W(mg)を算出する。これとは別に、この測定サンプル10mgを17mlチューブに取り、50%(v/v)エタノール溶液を200μl加え、分散させる。次に4mlの20mMリン酸緩衝液(pH6.5)を加え、よく混合した後、煮沸した湯浴中にて1分間加温する。よく混合し、更に2分間、湯浴中で加熱する。遠心分離にて上清を得て、50℃に冷却後、5分間放置してから、チューブにリケナーゼ酵素溶液(キットに付属するバイアルを20mlの20mMリン酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)の200μl(10U)を加え、50℃にて1時間反応させる。チューブに200mM酢酸緩衝液(pH4.0)を5ml加えて、静かに混合する。室温に5分間放置し、遠心分離にて上清を得る。上清100μlを3本のチューブに取り、1本には100μlの50mM酢酸緩衝液(pH4.0)を、他の2本には100μl(0.2U)のβグルコシダーゼ溶液(キットに付属するバイアルを20mlの50mM酢酸緩衝液で希釈、残量は凍結保存)を加え、50℃にて10分間反応させる。3mlのグルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼ溶液を加えて、50℃にて20分間反応させ、各サンプルの510nmにおける吸光度(EA)を測定する。これとは別に、グルコース100μgを含む3mlのグルコースオキシダーゼ/ペルオキシダーゼ溶液の510nmにおける吸光度(EG)を測定する。これらの測定結果から、次式によりβ−1,3−1,4−グルカン含量は求められる。
β−1,3−1,4−グルカン含量(%,w/w)=(EA)×(F/W)×8.46
式中、F及びWは次の通りである。
F=(100)/(グルコース100μgの吸光度EG)
W=無水物質量(mg)
本発明においては、高純度に精製されたβ−1,3−1,4−グルカンを野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料にそのまま含有させることもできるが、β−1,3−1,4−グルカンが上記含有量となるように、水溶性β−1,3−1,4−グルカン以外のイネ科植物から抽出された成分も併存している抽出βグルカン(以下、βグルカン含有組成物ということもある)を含有させることが好ましい。
野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料にβグルカン含有組成物を含有させた場合、β−1,3−1,4−グルカンのほかにマルトース等の低分子成分や澱粉等の多糖類も併存することになる。β−1,3−1,4−グルカンと上記低分子成分が併存した場合に、本発明の効果がより強調される。この理由は明らかではないものの、β−1,3−1,4−グルカンと低分子成分との間の何らかの作用により相乗効果が起きているものと思われる。
本発明においては、上記低分子成分の割合を調節するために、アミラーゼ等の加水分解酵素によって酵素処理することにより、共存する澱粉等の多糖類を加水分解することができる。
上記βグルカン含有組成物を使用する場合のβグルカン含有組成物に含まれるβ−1,3−1,4−グルカンの好ましい含有量は、5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%、更に好ましくは15〜35質量%である。
上記βグルカン含有組成物は、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量5000〜200000の領域の割合が30〜95%であることが好ましく、35〜90%であることがより好ましく、40〜80%であることが更に好ましい。
また、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量1000以下の領域の割合が5〜70%であることが好ましく、10〜65%がより好ましく、20〜60%が更に好ましい。
標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量5000〜200000及び1000以下の領域の割合が上記範囲となることで、本発明の効果がより顕著なものとなる。
尚、GPCにおける各分子量領域の割合は、上記したGPC測定により得られたクロマトグラムから、全体の領域の面積に対する標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量5000〜200000の領域の面積割合、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量1000以下の領域の面積割合として算出するものとする。上記標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量5000〜200000の領域とは、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量5000と標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量200000に挟まれた領域をいうものとし、上記標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量1000以下の領域とは、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量1000と0で挟まれた領域をいうものとする。
本発明の野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料は、野菜汁及び/又は果汁成分を含有する飲料製品のことをいい、好ましくは野菜汁及び/又は果汁を5質量%以上含有する飲料、より好ましくは10質量%以上含有する飲料をいう。本発明の飲料において、野菜汁及び/又は果汁の含有量は飲料の種類等によっても影響を受け、その上限は特に制限されるものではなく、β−1,3−1,4−グルカンを除く全てが野菜汁及び/又は果汁で構成されることも可能である。
本発明において、野菜汁とは、野菜を搾汁することにより得られるものであり、飲料に使用することができるものであれば特に制限はなく、野菜汁の原料となる野菜としては、例えば、タマネギ、ニンジン、ブロッコリー、大根、キャベツ、ピーマン、セロリ、ホウレンソウ、アスパラガス、大麦若葉、春菊、白菜、カラシ菜、サラダ菜、小松菜、チンゲン菜、明日葉、甘藷、馬鈴薯、トマト、モロヘイヤ、パプリカ、クレソン、パセリ、セロリ、三つ葉、レタス、ラディッシュ、ケール、メキャベツの葉、茄子、インゲン、カボチャ、ネギ、生姜、ニラ、高菜、カリフラワー、トウモロコシ、さやえんどう、オクラ、かぶ、きゅうり、ウリ、ズッキーニ、へちま、もやし等が挙げられる。
また、本発明において、果汁とは、果実を搾汁することにより得られるものであり、飲料に使用することができるものであれば特に制限はなく、果汁の原料となる果実は、例えば、柑橘類(レモン、オレンジ、みかん、ネーブル、ポンカン、夏ミカン、グレープフルーツ、ライム、ハッサク、イヨカン、ユズ、カムカム、かぼす、マンダリン、タンジェリン、テンプルオレンジ、タンジェロ、カラマンシー等)、いちご、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、カシス、さくらんぼ、リンゴ、ブドウ、ザクロ、キウイ、マスカット、モモ、パイナップル、グアバ、バナナ、パッションフルーツ、マンゴー、アセロラ、プルーン、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、ライチ、メロン、スイカ、西洋ナシ、柿、びわ、イチジク、スモモ類等が挙げられる。
尚、野菜汁及び/又は果汁は、上記に挙げた各種の野菜及び果実のいずれか1種を単独で用いたもの、或いは、2種以上を併用したもののいずれも使用可能である。また、2種以上を併用する場合、各野菜(野菜汁)及び/又は各果実(果汁)の割合は、必要に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。
本発明は、野菜汁及び/又は果汁が実質的に濃縮還元である場合に、呈味改善効果が大きく好適である。ここで、「濃縮還元である」とは、常法により、一度搾り取った野菜汁や果汁から水分を飛ばした後、再び水分を加えることで製造されていることを意味し、また「実質的に」とは、野菜汁及び/又は果汁の80質量%以上が濃縮還元であることを意味し、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95〜100質量%が濃縮還元であることを意味する。
本発明の野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料は、一般的な野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料に対しても十分効果を有するものであるが、例えば、新規の飲料素材を用いた飲料はもちろん、アルコールを含有しないがアルコール飲料の風味を有する野菜汁及び/又は果汁含有ノンアルコール飲料、糖分や脂肪分をカットした野菜汁及び/又は果汁含有低カロリー飲料、野菜汁及び/又は果汁含有健康飲料、野菜汁及び/又は果汁含有スポーツ飲料、野菜汁及び/又は果汁含有ゼリー飲料、従来と全く異なる温度域で喫飲する野菜汁及び/又は果汁含有飲料等でもよい。
本発明の野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料は、上記β−1,3−1,4−グルカン、野菜汁、果汁のほか、一般的に飲料に使用することができるその他の成分を含有することができ、その具体例としては、糖アルコール、甘味料、苦味物質、酸味物質、水溶性食物繊維、アミノ酸類、アミノ糖類、ペプチド類、蛋白質類、各種食用エキス類、各種ビタミン、各種テルペノイド類、各種フラボノイド類、各種フェノール類、多糖類、リン脂質及びその誘導体(セラミド、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン等)、高級脂肪族アルコール(ポリコサノール)、イソフラボン、タウリン、DNA、DHA、メチルサルフォニルメタン、無機塩類(鉄、マグネシウム、カルシウム、カリウム、亜鉛、セレン等)等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。
最後に、本発明の野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料の呈味改善方法について説明する。
本発明の野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料の呈味改善方法は、野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料にβ−1,3−1,4−グルカンを0.0001〜0.1質量%含有させるものであり、好ましくは0.001〜0.09質量%、より好ましくは0.006〜0.08質量%、最も好ましくは0.01〜0.07質量%含有させる。0.0001質量%未満であると呈味改善効果が見られず、また0.1質量%を超えると本発明の効果が急激に低下し、本発明の効果が不十分となってしまう。
β−1,3−1,4−グルカンは、例えば、通常の方法で飲料を製造した後、出来上がった飲料に添加することにより含有させることができ、あるいは飲料の製造の際にβ−1,3−1,4−グルカンをその他の成分と共に使用して飲料を製造することにより含有させることもできる。
本発明の呈味改善方法に関し、特に言及しない点については、先に述べた本発明の飲料についての詳細な説明を適宜適用することができる。
以下に本発明の実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
<β−1,3−1,4−グルカン含有組成物の調製>
〔調製例1〕β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Aの調製
大麦の粉砕物(全粒粉、以下同じ)1000gを5リットルの水に分散させ、60℃で3時間撹拌して抽出処理を行った。抽出液を遠心分離した後、上澄み液を−20℃で凍結させ、続いてこの凍結物を融解させ、得られた溶液中のβグルカンを含有する固形分を濾過し乾燥した。収量は26gであった。これをβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物Aとした。
(β−1,3−1,4−グルカンの含有量:72質量%、分子量5000〜200000の割合:67%、分子量1000以下の割合:5%、ただし、分子量は標準β−1,3−1,4−グルカン換算のものを基準とした。以下同じ)
〔調製例2〕β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Bの調製
大麦の粉砕物1000gを9リットルの水に分散させ、α−アミラーゼを1500ユニット添加した後、60℃で3時間反応させて、抽出処理を行うと共に酵素処理を行った。反応液を遠心分離し、上清を凍結乾燥して粉末を207g得た。これをβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物Bとした。
(β−1,3−1,4−グルカンの含有量:18質量%、分子量5000〜200000の割合:44%、分子量1000以下の含有量:55%)
〔調製例3〕β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Cの調製
大麦の粉砕物1000gを9リットルの水に分散させ、セルラーゼを35ユニット添加した後、60℃で3時間反応させて、抽出処理を行うと共に酵素処理を行った。反応液を遠心分離し、上清を凍結乾燥して粉末を185g得た。これをβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物Cとした。
(β−1,3−1,4−グルカンの含有量:28質量%、分子量5000〜200000の割合:58%、分子量1000以下の含有量:42%)
〔調製例4〕β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Dの調製
大麦の粉砕物100gを9リットルの水に分散させ、60℃で3時間撹拌して抽出処理を行った。抽出液を遠心分離し、上清を凍結乾燥して粉末を145g得た。これをβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物Dとした。
(β−1,3−1,4−グルカンの含有量:32質量%、分子量5000〜200000の割合:50%、分子量1000以下の含有量:16%)
〔実施例1〕
市販の濃縮果汁還元りんごジュース(果汁:100%)に、上記調製例で得られたβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物A〜Dを、β−1,3−1,4−グルカン純分としての含有量がそれぞれ[表1]に示す量となるように添加、溶解して、様々なβ−1,3−1,4−グルカン含有量の果汁含有飲料A〜D(アルファベットは添加したβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物に対応)を製造し、呈味改善性試験を行なった。呈味改善性試験においては、下記評価方法に従って呈味強度及び味質の評価を行なった。
<呈味強度及び味質の評価方法>
10人のパネラーに、上記果汁含有飲料A〜Dと、対照として用意したβ−1,3−1,4−グルカン含有組成物無添加の果汁含有飲料(上記の市販の濃縮果汁還元りんごジュース)を舐めさせ、その呈味強度及び味質について、それぞれ下記のパネラー評価基準により評価させ、その合計点数について下記評価基準で評価を行ない、それらの結果を表1に記載した。
(呈味強度のパネラー評価基準)
対照に比べあきらかに強化された果汁感を感じる・・2点
対照に比べ若干強化された果汁感を感じる・・・・・1点
対照とほぼ同じ程度の果汁感を感じる・・・・・・・0点
対照より弱い果汁感を感じる・・・・・・・・・・−1点
果汁感を感じない・・・・・・・・・・・・・・・−2点
(呈味強度評価基準)
◎+ :10人のパネラーの合計点が17〜20点
◎ :10人のパネラーの合計点が13〜16点
○ :10人のパネラーの合計点が10〜12点
△ :10人のパネラーの合計点が5〜9点
× :10人のパネラーの合計点が0〜4点
××:10人のパネラーの合計点が0点未満
(味質のパネラー評価基準)
果汁感以外の風味を全く感じない・・・・・・・・・・・・・・・・・2点
果汁感以外の風味を感じるが、果汁感として違和感がない・・・・・・1点
果汁感以外の異味・雑味を感じ、且つ果汁感として違和感がある・・・0点
耐えがたい異味・雑味を感じる・・・・・・・・・・・・・・・・・−1点
(味質評価基準)
◎ :10人のパネラーの合計点が16〜20点
○ :10人のパネラーの合計点が10〜15点
△ :10人のパネラーの合計点が5〜9点
× :10人のパネラーの合計点が0〜4点
××:10人のパネラーの合計点が0点未満
Figure 0006802027
〔実施例2〕
市販されているミックスフルーツジュース(メロン果汁、キウイ果汁、レモン果汁、果汁25%)100質量部に対し上記β−1,3−1,4−グルカン含有組成物B0.5質量部を添加し、混合、溶解してミックスフルーツジュースAを得た。
尚、β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Bを添加していない上記の市販されているミックスフルーツジュースを、対照のミックスフルーツジュースBとした。
ミックスフルーツジュースAとミックスフルーツジュースBを比較試飲したところ、ミックスフルーツジュースAは、ミックスフルーツジュースBに比較して果汁感がより強く感じられた。
〔実施例3〕
果肉感のある果物としてメロン及びキウイフルーツを一口大にカットした後、メロン:キウイ=1:1の質量比にてミキサーで混合しフルーツジュースを得た。得られたフルーツジュース100質量部に対し上記β−1,3−1,4−グルカン含有組成物B0.5質量部を添加し、混合、溶解してミックスフルーツジュースCを得た。
尚、β−1,3−1,4−グルカン含有組成物Bを添加していない上記フルーツジュースを、対照のミックスフルーツジュースDとした。
ミックスフルーツジュースCとミックスフルーツジュースDを比較試飲したところ、ミックスフルーツジュースCは、ミックスフルーツジュースDに比較して果汁感がより強く感じられた。

Claims (4)

  1. β−1,3−1,4−グルカンを0.001〜0.1質量%含有する、野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料であって、β−1,3−1,4−グルカン源として、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量5000〜200000の領域の割合が30〜80%であり、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量1000以下の領域の割合が20〜70%であるイネ科植物の抽出物を含有する飲料。
  2. 上記β−1,3−1,4−グルカンの50質量%以上がイネ科植物抽出物由来である、請求項1に記載の野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料。
  3. 野菜汁及び/又は果汁が実質的に濃縮還元である、請求項1又は2記載の野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料。
  4. β−1,3−1,4−グルカンを0.001〜0.1質量%含有させる、野菜汁及び/又は果汁を含有する飲料の呈味改善方法であって、β−1,3−1,4−グルカン源として、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量5000〜200000の領域の割合が30〜80%であり、標準β−1,3−1,4−グルカン換算分子量1000以下の領域の割合が20〜70%であるイネ科植物の抽出物を含有させる、呈味改善方法
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