JP6801237B2 - ウイルスからの核酸抽出および増幅試薬 - Google Patents

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Description

本発明は、簡便、迅速かつ高効率にウイルスから核酸を抽出して増幅するための試薬、および前記試薬を用いた核酸抽出および増幅方法に関する。
感染症の臨床検査分野においては、外来での診療中に正確な検査結果を得て適切な治療を施す等の目的から、簡便、迅速かつ高感度に病原体を検出することが重要である。例えば、毎年冬季に流行を繰り返すインフルエンザウイルス感染症の検査では、感染初期での投与で高い効果を発揮する治療薬が存在することもあり、迅速検査キットが広く普及している。
このような迅速検査法の原理としては、イムノクロマト法による検出法が最も用いられている。しかしながら、イムノクロマト法による検出法は検出感度が低いため、感染初期など検体中の病原体数が少ない場合には検出できないことが課題となっている。
イムノクロマト法よりも高感度に病原体を検出する方法として、RT−PCR法、TMA法(特許文献1)、TRC法(特許文献2、非特許文献1)、NASBA法(特許文献3および4)等の核酸増幅法を利用した検出法が知られている。核酸増幅法を利用した検出法は、病原体の有する核酸を特異的に増幅して検出するため、当該病原体を迅速かつ高感度に検出できる可能性を有している。
核酸増幅法を利用した検出法で病原体の検出を行なう際は、一般に病原体を含む試料から核酸を抽出する操作を事前に行なう。病原体、特にウイルスから核酸を抽出する方法としては、界面活性剤やグアニジンといったタンパク質変性剤や、フェノールやクロロホルムといった有機溶媒を使用する方法が知られている(特許文献5および6)。しかしながら、これらタンパク質変性剤や有機溶媒は核酸増幅反応を阻害するため、抽出工程の後にこれらを除去するための精製工程が必要となり、煩雑で時間のかかる操作を要する。
このような核酸抽出および精製操作を簡略化するため、種々のキットや装置が市販されている。一例として、EXTRAGEN II(東ソー製)といった核酸を不溶化させる試薬と遠心分離を利用したキットや、QIAamp Viral RNA Mini Kit(キアゲン製)といったスピンカラムを利用したキット、Chemagic Prepito(パーキンエルマー製)といった磁性ビーズを利用した自動抽出装置等が挙げられる。しかしながら、前述のキットや装置を用いても10分から1時間程度の時間を要し、また作業工数も多く、遠心分離機や自動抽出装置といった特殊な装置も必要となるため、より迅速かつ簡便な方法が求められていた。
一方、非特許文献2に記載の方法のように、核酸を抽出し精製する操作をせずに核酸増幅を行ない、標的核酸を検出する方法も知られているが、感度面で不十分であった。
核酸の抽出操作のみを行い、精製せずに核酸増幅反応へ供する方法として、界面活性剤を用いて核酸を抽出した後、シクロデキストリンを用いて界面活性剤を中和して核酸増幅工程に供する方法が知られている。特許文献7においては、酵母および大腸菌から0.5%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を用いて核酸を抽出し、α−シクロデキストリンを含む核酸増幅試薬を用いてPCR法またはRCA法により核酸増幅する方法が示されている。しかしながら、当該特許文献に記載の方法は、核酸抽出に際して95℃で5〜15分間の加熱を要しており、簡便性・迅速性・安全性等の点で好ましくない。また当該特許文献では、前記SDS以外の界面活性剤が添加された条件においても、シクロデキストリンを含むPCR反応液により、酵母由来ゲノムDNAを核酸増幅可能なことも示されている。しかしながら前記SDSを用いた場合を除いて、界面活性剤によって細胞やウイルスから核酸を抽出した例は示されていない。
また特許文献8においては、インフルエンザウイルス感染患者由来の鼻腔スワブを0.2%のSDSを含む溶液に懸濁し、シクロデキストリンを含む酵素試薬と混合させてRT−LAMP法により検出した例が示されている。しかしながら当該特許文献においては検出感度や抽出効率に関しての記述は認められず、高効率にウイルスから核酸を抽出して増幅するための試薬については知られていなかった。
また、特許文献7および8の核酸増幅方法は、DNA依存性DNAポリメラーゼを用いて、比較的高温でDNAを増幅する方法であり、比較的低温でRNAポリメラーゼと逆転写酵素の協奏反応によって核酸増幅を行う方法(TMA法、TRC法、NASBA法など)におけるウイルスからの核酸抽出および増幅条件は、知られていなかった。
特許第2650159号公報 特許第3152927号公報 特許第3241717号公報 特許第4438110号公報 特開2011−115122号公報 特許第4303239号公報 特開2012−10666号公報 特開2014−198029号公報
Ishiguro,T.et al,Analytical Biochemistry,314,77−86(2003) 松村武史、東京大学学位論文、報告番号122590(2007)
本発明の目的は、簡便、迅速および高効率にウイルスから核酸を抽出し、かつ核酸増幅反応の阻害を最小限とすることを特徴とする、核酸抽出および増幅試薬を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、ステロイド骨格を有する界面活性剤を少なくとも含む抽出試薬とウイルスとを接触させ、その後さらにシクロデキストリンと接触させることで、複雑な抽出および/または精製操作を行なうことなく、高効率に核酸を抽出および増幅できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の態様を包含する:
[1] 以下の(i)(ii)(iii)を含む、ウイルスを含む試料から当該ウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
(i)ステロイド骨格を有する界面活性剤を少なくとも含むウイルス核酸抽出試薬
(ii)シクロデキストリン
(iii)核酸増幅試薬
[2]当該シクロデキストリンが核酸増幅試薬に含まれている、[1]に記載のウイルス核酸を抽出及び増幅するためのキット。
[3] 当該ウイルスがエンベロープを有するウイルスである、[1]または[2]に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
[4] 当該ウイルスがインフルエンザウイルスである、[1]から[3]のいずれか1項に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
[5] シクロデキストリンがγ−シクロデキストリンである、[1]から[4]のいずれか1項に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
[6] 界面活性剤が胆汁酸である、[1]から[5]のいずれか1項に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
[7] 界面活性剤が、コール酸、タウロコール酸、グリココール酸、タウロウルソデオキシコール酸又はそれらの塩のいずれかである、[6]に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
[8] シクロデキストリンの濃度が、ステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度の3倍以上である、[1]から[7]のいずれか1項に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
[9] 抽出試薬におけるステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度が0.4(w/w)%以上である、[1]から[8]のいずれか1項に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
[10] さらに非イオン界面活性剤を含む、[1]から[9]のいずれか1項に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
[11] 核酸増幅試薬が乾燥形態である[1]から[10]のいずれか1項に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
[12] 以下の(i)(ii)(iii)の工程を含む、ウイルスを含む試料から当該ウイルス核酸を抽出および増幅する方法。
(i)当該ウイルスを、ステロイド骨格を有する界面活性剤を少なくとも含むウイルス核酸抽出試薬と接触させる核酸抽出工程
(ii)(i)によって抽出されたウイルス核酸抽出液にシクロデキストリンを接触させる工程
(iii)(ii)の工程で得られた溶液の一部又は全部を核酸増幅試薬と接触させる核酸増幅工程
[13]以下の(i)(ii)の工程を含む、ウイルスを含む試料から当該ウイルス核酸を抽出および増幅する方法。
(i)当該ウイルスを、ステロイド骨格を有する界面活性剤を少なくとも含むウイルス核酸抽出試薬と接触させる核酸抽出工程
(ii)(i)によって抽出されたウイルス核酸抽出液を、シクロデキストリンを含む核酸増幅試薬と接触させる核酸増幅工程。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においてステロイド骨格を有する界面活性剤とは、シクロペンタノペルヒドロフェナントレン構造を有する化合物であり、界面活性作用を有するものである。天然に存在するステロイド骨格を有する界面活性剤としては、胆汁酸が例示される。胆汁酸はコラン酸骨格を持つステロイド誘導体であり、しばしばグリシンやタウリンと結合して抱合胆汁酸を形成する。天然に存在する胆汁酸および胆汁酸誘導体の一例として、コール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、タウロウルソデオキシコール酸、タウロコール酸、グリココール酸及びそれらの塩などが例示できる。塩としては特に限定されるものではないが、例えばナトリウム塩等をあげることができる。また、本発明における界面活性剤は天然に存在するステロイド誘導体や胆汁酸誘導体に限らず、人工的に合成したステロイド骨格やコラン酸骨格を有する界面活性剤でもよい。中でも、本発明における好適な界面活性剤としてコール酸、タウロコール酸、グリココール酸、タウロウルソデオキシコール酸及びそれらの塩が、より好ましくはコール酸及びその塩、特にコール酸ナトリウムが例示される。なお、コール酸骨格を有する界面活性剤の濃度については特に限定しないが、好ましくは0.4(w/w)%以上、より好ましくは0.8(w/w)%以上である。
本発明の抽出対象は、いずれの種類のウイルスであってもよい。ウイルスは、カプシドと呼ばれるタンパク質の殻により核酸が包接された構造を有し、構造や大きさの点で細菌や微生物、細胞などと明確に区別される。本発明における好ましい抽出対象の一例として、エンベロープを有するウイルスや一本鎖RNAを有するウイルスが例示される。エンベロープを有するウイルスとは、ウイルスカプシドが主に脂質から構成されるエンベロープにより覆われたウイルスのことをいい、一例として、単純ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルス、エイズウイルス(HIV)があげられる。一本鎖RNAを有するウイルスとは、ボルティモア分類における第4群(1本鎖RNA +鎖)、第5群(1本鎖RNA −鎖)、第6群(1本鎖RNA 逆転写)に属するウイルスであり、一例として、コロナウイルス、RSウイルス、ヒト・メタニューモウイルス、インフルエンザウイルス、エイズウイルス(HIV)があげられる。一本鎖RNAを有するウイルスは、TRC法等のRNAを出発物質とする核酸増幅法に適する点で好ましい。中でもインフルエンザウイルスは、本発明の抽出試薬における抽出対象ウイルスとして特に好ましい。
本発明においてウイルスを含む試料とは、単にウイルスを水、生理食塩水や緩衝液に溶解したものや、ウイルスを含んだ生体試料そのものや、前記生体試料を含んだ濾紙、スワブ等があげられる。前記生体試料の一例として、血液、糞便、尿、痰、リンパ液、血漿、***液、肺吸引物、脳脊髄液、咽頭拭い液、鼻腔拭い液、うがい液、唾液、涙液があげられる。
本発明のウイルス核酸抽出試薬は、ステロイド骨格を有する界面活性剤の他に、種々の成分をさらに含んでいてもよい。後の核酸増幅反応に必要な成分、例えば酵素や、マグネシウム塩、カリウム塩等の塩類や、トレハロース等の糖類や、グリセロール等の糖アルコールや、核酸成分や、有機溶媒等を含むことは、核酸抽出工程から核酸増幅工程に至る操作を簡略化できる意味で好ましい。中でも有機溶媒は、ウイルス核酸の抽出を促進させる効果を有している点で特に好ましい。本発明の抽出試薬にさらに含ませる有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)を例示できる。また、ステロイド骨格を有する界面活性剤の他に、さらに1種類以上の界面活性剤やタンパク質変性剤を、核酸増幅反応を妨害しない範囲で添加することもできる。添加する界面活性剤の一例として、SDS等の陰イオン界面活性剤や、CHAPS等の両イオン界面活性剤や、Span 20(商品名)、MEGA−8(商品名)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween 20(商品名)、Tween 40(商品名)、Tween 60(商品名)、Tween 80(商品名)など)等の非イオン性界面活性剤があげられる。中でも非イオン性界面活性剤は、ウイルス核酸の抽出を促進する効果を有する点や、核酸増幅反応への影響が少ない点で好ましい。添加する界面活性剤の一例として、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤であるTween 20(商品名)を例示できる。
本発明のウイルス核酸抽出試薬を用いて、ウイルスを含む試料から当該ウイルス核酸を抽出するには、単に本発明のウイルス核酸抽出試薬とウイルスを含む試料とを接触させればよい。接触時間はウイルスを含む試料の性状、試料中のウイルス濃度、ウイルス核酸抽出試薬に含まれる成分等を考慮し、適宜決定すればよいが、多くの場合接触後4分以内で十分にウイルス核酸を抽出でき、接触後すぐにシクロデキストリンと接触させる工程等の後工程へ供することもできる。
本発明のウイルス核酸抽出液とは、ウイルスを含む試料とウイルス核酸抽出試薬を用いることによって得られる。また、ウイルス核酸抽出液は、シクロデキストリンと接触することで、ウイルス核酸抽出液中のステロイド骨格を有する界面活性剤がシクロデキストリンに包接され、核酸増幅反応への阻害作用が緩和される。シクロデキストリンには、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンなど環の大きさが異なるものや、種々の誘導体が知られている。本発明に用いるシクロデキストリンは、ステロイド骨格を有する界面活性剤を包接可能なものであればいずれの種類でもよいが、環の大きさの点からγ−シクロデキストリンおよびその誘導体の使用が好ましい。また、ウイルス核酸抽出液と接触させるシクロデキストリンは、溶液状や固体状など、いずれの性状であってもよい。さらに、シクロデキストリンと同時に、他の種々の成分をも添加してもよい。
シクロデキストリンは、ウイルス核酸抽出試薬とウイルスを含む試料とを接触させた後、核酸増幅工程開始までの間に接触させればよく、必要な抽出効率に応じて上述の範囲内で適宜選択することができる。特に本発明の好適な実施形態の一例としてシクロデキストリンとの接触を、核酸増幅工程の開始と同時に行う方法が例示できる。さらに、シクロデキストリンは核酸増幅試薬に必要な成分と同時に加えられることは操作を簡便にする観点からさらに好ましいため、シクロデキストリンを含む核酸増幅試薬を用いることも出来る。
特に核酸増幅反応に必要な成分、例えば酵素や、マグネシウム塩、カリウム塩等の塩類や、トレハロース等の糖類や、グリセロール等の糖アルコールや、核酸成分や、有機溶媒や、プライマーやプローブ等の核酸類や、緩衝液成分等を含むことは、操作を簡略化できる点で好ましい。すなわち、本発明の好適な実施形態の一例として、ステロイド骨格を有する界面活性剤を含むウイルス核酸抽出試薬によりウイルス核酸を抽出し、当該ウイルス核酸抽出液をシクロデキストリンを含む核酸増幅試薬へ添加することで核酸増幅反応を行う試薬があげられる。なお、シクロデキストリンの濃度については特に限定しないが、好ましくはコール酸骨格を有する界面活性剤の濃度の3倍以上、より好ましくは6倍以上である。
本発明における核酸増幅法は、いずれの核酸増幅法(例えば、PCR法、TMA法、TRC法、NASBA法)であってもよい。等温で核酸増幅を行う方法は、温度の昇降を行う比較的複雑な装置が不要である点で好ましい。このような核酸増幅法として、ウイルス核酸の一部と相同的な配列を有する第一のプライマーと、ウイルス核酸の一部と相補的な配列を有する第二のプライマーと、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素と、リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素と、RNAポリメラーゼ活性を有する酵素とを用いて、標的核酸を増幅する方法であって、前記第一のプライマーまたは前記第二のプライマーのいずれかには、その5’末端側に前記RNAポリメラーゼ活性を有する酵素に対応したプロモーター配列を付加している方法(例えば、TMA法、TRC法、NASBA法)が例示される。当該方法は一本鎖RNAを標的として核酸増幅する方法であるが、特開2015−11636号公報等に開示される方法を用いることで、二本鎖DNA等を増幅することもできる。
本発明における核酸増幅試薬は、乾燥形態であってもよい。核酸増幅試薬には酵素が含まれるため、乾燥状態にすることで液状の場合よりも保存期間を延ばし、保存に適する温度もより室温に近い状態にすることが出来る。さらに乾燥状態にすることで輸送や使う際の操作がし易いという利点がある。
乾燥形態とする方法としては酵素の活性を失わない方法であればいずれの方法であってもよく、凍結乾燥法、蒸発乾燥法などを例示できる。
本発明は、ステロイド骨格を有する界面活性剤を少なくとも含むウイルス核酸抽出試薬により、ウイルスを含む試料から当該ウイルス核酸を抽出し、さらにシクロデキストリンと接触させることを特徴とする、ウイルス核酸を抽出および増幅するための試薬に係る発明である。本発明により、当該ウイルス核酸の抽出および増幅を、精製操作を行なうことなく、簡便、迅速かつ高効率に行なうことができる。
具体的には、本願の構成を採用するウイルスを含む試料から当該ウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット及び方法によって、煩雑な抽出ステップが不要であり、かつQIAamp Viral RNA Miniと同等の検出感度を達成することができた。
以下、ウイルスとしてインフルエンザウイルスを用いたときの実施例および参考例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら例により限定されるものではない。
実施例1 標準RNAの調製
後述の実施例で使用したインフルエンザウイルスRNA(以下、標準RNAと表記)は下記に示す方法で調製した。
(1)配列番号1(A型(H1N1亜型)インフルエンザウイルス、セグメント5、cDNA部分配列、GenBank No.FJ969536の410番目から930番目まで)、配列番号2(A型(H3N2亜型)インフルエンザウイルス、セグメント5、cDNA部分配列、GenBank No.NC_007369の455番目から975番目まで(ただし663番目のCはT))および配列番号3(B型インフルエンザウイルス、セグメント7、cDNA部分配列、GenBank No.CY115184の206番目から735番目まで)に記載の塩基配列からなる2本鎖DNAを調製し、それぞれT−Vector pMD20(タカラバイオ製)へ挿入した(なお、当該cDNA配列の相補鎖の5’末端側にはSP6プロモーターを付加している)。
(2)(1)で調製したプラスミドDNAを、挿入したインフルエンザウイルスcDNAの5’末端側で制限酵素消化し、直鎖状のDNAを調製した。
(3)(2)で調製したDNAを鋳型として、SP6 RNAポリメラーゼによるインビトロ転写を行なった。その後、DNase I処理により前記鋳型DNAを完全消化し、精製することで標準RNAを調製した。調製したRNAは、260nmにおける吸光度を測定して定量した。
なお、本例で調製した標準RNAの全長は約500塩基と、インフルエンザウイルスRNAの全長(セグメント5:約1500塩基、セグメント7:約1100塩基)の一部であるが、インフルエンザウイルスRNAの測定には十分適用可能である。
実施例2 インターカレーター性蛍光色素標識核酸プローブの作製
Ishiguroらの方法(Ishiguro,T.et al,Nucleic Acids Res.,24,4992−4997(1996))により、配列番号4に記載の配列(GenBank No.KJ741989の724番目から746番目までの塩基配列の相補配列)の5’末端から17番目のTと18番目のTの間、および配列番号5に記載の配列(GenBank No.CY115184の463番目から483番目までの塩基配列の相補配列)の5’末端から8番目のAと9番目のTの間のリン酸ジエステル部分にリンカーを介してオキサゾールイエローを結合させ、インターカレーター性蛍光色素で標識された核酸プローブ(以下、INAFプローブと表記)を調製した。その構造式を以下に示す。
Figure 0006801237
式中、B、B、B、Bは塩基を示す。なお、3’末端側−OHからの伸長反応を防止するために3’末端側−OHはグリコール酸修飾がなされている。
参考例1 スピンカラムを用いた核酸抽出によるインフルエンザウイルスの検出
以下の方法により、スピンカラムを用いた核酸抽出によるインフルエンザウイルスの検出を試みた。
(1)表1に示すインフルエンザウイルスの溶液(ZeptoMetrix製)を注射用
水を用いて表3に記載の濃度に希釈し、QIAamp Viral RNA Mini Kit(QIAGEN社製)を用いて当該キットのマニュアルに従い抽出することで、インフルエンザウイルスRNAを得た。
Figure 0006801237
(2)(1)で調製したインフルエンザウイルスRNA 2.5μLを、予め46℃に加熱した以下の組成からなる溶液 12.5μLに添加、撹拌し、46℃で4分間保温した。
ウイルス抽出液の組成:濃度はウイルス試料添加後(15μL中)の最終濃度
42.4mM 塩化マグネシウム
205.4mM 塩化カリウム
2.3% グリセロール
23.0% DMSO
Figure 0006801237
(3)以下の組成からなる反応液15μLを0.5mL容量PCRチューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注し、46℃で4分間保温後、(2)の溶液15μLを直ちに添加した。なお、第一のプライマーおよび第二のプライマーには、表2に示す配列および濃度からなるオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いた。また第一のプライマーには、表2に示した各配列番号に記載の塩基配列の5’末端側に、T7プロモーター配列(配列番号6)が付加されている。
反応液の組成:濃度はウイルスRNA抽出物添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.25mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.6mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.06mM ITP
70mM トレハロース
9.1U AMV逆転写酵素
142U T7 RNAポリメラーゼ
各20nM INAFプローブ(実施例2で調製)(配列番号4および5)
表2に記載の濃度の第一のプライマー
表2に記載の濃度の第二のプライマー。
(4)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計(TRCRapid−160、東ソー製)を用い、46℃で反応させると同時に反応液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に30分間測定した。開始液添加時を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)が1.2を超えた場合を陽性判定とした。
結果を表3に示す。スピンカラムを用いた核酸抽出法では、概ね4.7×10−2TCID50/mLのインフルエンザウイルスを検出できることを確認した。
Figure 0006801237
実施例3 本発明の核酸抽出/増幅試薬に用いるシクロデキストリンの検討
以下の方法により、本発明の核酸抽出/増幅試薬に添加するシクロデキストリンの種類を検討した。
(1)実施例1で調製したA型(H1N1亜型)インフルエンザウイルス標準RNA(配列番号1)を、注射用水を用いて10コピー/5μLとなるように希釈し、RNA試料として用いた。
(2)以下の組成からなる反応液15μLを0.5mL容量PCRチューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注した後、前記RNA試料5μLを添加した。
反応液の組成:濃度は開始剤添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.25mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.6mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.06mM ITP
70mM トレハロース
9.1U AMV逆転写酵素
142U T7 RNAポリメラーゼ
各20nM INAFプローブ(実施例2で調製)(配列番号4および5)
表2に記載の濃度の第一のプライマー
表2に記載の濃度の第二のプライマー
表4に記載の濃度のシクロデキストリン。
(3)上記の反応液を46℃で4分間保温後、以下の組成からなる開始剤10μLを添加した。
開始剤の組成:濃度は開始剤添加後(30μL中)の最終濃度
21.2mM 塩化マグネシウム
102.7mM 塩化カリウム
1.2% グリセロール
11.5% DMSO。
(4)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計(TRCRapid−160、東ソー製)を用い、46℃で反応させると同時に反応液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に30分間測定した。開始液添加時を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)が1.2を超えた場合を陽性判定とした。
結果を表4に示す。α−シクロデキストリン(α−CD)またはγ−シクロデキストリン(γ−CD)を核酸増幅試薬に添加しても、反応が進行することが確認できた。特にγ−シクロデキストリンは高濃度に添加しても核酸増幅反応への影響が少ないことから、以下の実験においてはγ−CDを用いた。
Figure 0006801237
実施例4 本発明の核酸抽出/増幅試薬に用いる界面活性剤の検討
以下の方法により、本発明の核酸抽出/増幅試薬に添加する界面活性剤の種類を検討した。
(1)実施例1で調製したA型(H1N1亜型)インフルエンザウイルス標準RNAを、注射用水を用いて10コピー/2.5μLとなるように希釈し、RNA試料として用いた。
(2)表1に示すA型(H1N1亜型)インフルエンザウイルスの溶液(ZeptoMetrix製)を注射用水で4.7×10TCID50/mLに希釈することでウイルス試料を調製した。
(3)(1)で調製したRNA試料または(2)で調製したウイルス試料2.5μLを、予め46℃に加熱した以下の組成からなる界面活性剤を含む溶液(以下、ウイルス抽出液と表記)12.5μLに添加、撹拌し、46℃で4分間保温することで、ウイルスRNA抽出物15μLを調製した。
ウイルス抽出液の組成:濃度はウイルス試料添加後(15μL中)の最終濃度
42.4mM 塩化マグネシウム
205.4mM 塩化カリウム
2.3% グリセロール
23.0% DMSO
表5に記載の濃度の界面活性剤。
(4)以下の組成からなるγ−CDを含む反応液15μLを0.5mL容量PCRチューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注し、46℃で4分間保温後、(3)で得られたウイルスRNA抽出物15μLを直ちに添加した。なお、第一のプライマーおよび第二のプライマーには、表2に示す配列および濃度からなるオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いた。また第一のプライマーには、表2に示した各配列番号に記載の塩基配列の5’末端側に、T7プロモーター配列(配列番号6)が付加されている。
反応液の組成:濃度はウイルスRNA抽出物添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.25mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.6mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.06mM ITP
70mM トレハロース
9.1U AMV逆転写酵素
142U T7 RNAポリメラーゼ
各20nM INAFプローブ(実施例2で調製)(配列番号4および5)
表2に記載の濃度の第一のプライマー
表2に記載の濃度の第二のプライマー
1(w/w)% γ−CD。
(5)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計(TRCRapid−160、東ソー製)を用い、46℃で反応させると同時に反応液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に30分間測定した。開始液添加時を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)が1.2を超えた場合を陽性判定とした。
RNA試料を用いた場合およびウイルス試料を用いた場合の結果を、表5に示す。RNA試料を用いた場合の結果から、種々の界面活性剤に対して、γ−シクロデキストリンにより核酸増幅反応の阻害を緩和できることが認められた。またウイルス試料を用いた場合の結果から、陰イオン性界面活性剤、特にデオキシコール酸ナトリウムやコール酸ナトリウムといったステロイド骨格を有する界面活性剤を用いることで、ウイルスから核酸を高効率に抽出して増幅可能であることが示された。
Figure 0006801237
実施例5 本発明の核酸抽出試薬の保存安定性評価
実施例4で調製したウイルス抽出液を、室温で12時間静置し、保存安定性を評価した。結果を表6に示す。SDS、LDS、デオキシコール酸ナトリウムを用いた場合には、結晶状の沈殿が形成された。一方、コール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、タウロウルソデオキシコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウムを用いた場合は、沈殿の形成は認められず、本発明における好ましい界面活性剤であることが分かった。
Figure 0006801237
実施例6 本発明の核酸抽出/増幅試薬に用いるシクロデキストリンの濃度の検討
以下の方法により、本発明の核酸抽出/増幅試薬に添加するシクロデキストリンの濃度を検討した。
(1)実施例1で調製したA型(H1N1亜型)インフルエンザウイルス標準RNAを、注射用水を用いて10コピー/2.5μLとなるように希釈し、RNA試料として用いた。
(2)(1)で調製したRNA試料2.5μLを、予め46℃に加熱した以下の組成からなる界面活性剤を含む溶液(以下、ウイルス抽出液と表記)12.5μLに添加、撹拌し、46℃で4分間保温することで、ウイルスRNA抽出物15μLを調製した。
ウイルス抽出液の組成:濃度はウイルス試料添加後(15μL中)の最終濃度
42.4mM 塩化マグネシウム
205.4mM 塩化カリウム
2.3% グリセロール
23.0% DMSO
表7から表8に記載の濃度の界面活性剤。
(3)以下の組成からなるγ−CDを含む反応液15μLを0.5mL容量PCRチューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注し、46℃で4分間保温後、(2)で得られたウイルスRNA抽出物15μLを直ちに添加した。なお、第一のプライマーおよび第二のプライマーには、表2に示す配列および濃度からなるオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いた。また第一のプライマーには、表2に示した各配列番号に記載の塩基配列の5’末端側に、T7プロモーター配列(配列番号6)が付加されている。
反応液の組成:濃度はウイルスRNA抽出物添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.25mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.6mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.06mM ITP
70mM トレハロース
9.1U AMV逆転写酵素
142U T7 RNAポリメラーゼ
各20nM INAFプローブ(実施例2で調製)(配列番号4および5)
表2に記載の濃度の第一のプライマー
表2に記載の濃度の第二のプライマー
表7から表8に記載の濃度のγ−CD。
(4)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計(TRCRapid−160、東ソー製)を用い、46℃で反応させると同時に反応液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に30分間測定した。開始液添加時を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)が1.2を超えた場合を陽性判定とした。
界面活性剤としてタウロウルソデオキシコール酸ナトリウムを添加した場合の結果を表7に、コール酸ナトリウムを添加した場合の結果を表8に示す。表7および表8の結果から、シクロデキストリンがステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度の3倍以上、好ましくは6倍以上の濃度で含まれる場合に、核酸増幅反応の阻害を十分に緩和できることがわかる。
Figure 0006801237
Figure 0006801237
実施例7 本発明の核酸抽出/増幅試薬に用いる界面活性剤の濃度の検討
以下の方法により、本発明の核酸抽出/増幅試薬に添加する界面活性剤の濃度を検討した。
(1)表1に示すA型(H1N1亜型)インフルエンザウイルスの溶液(ZeptoMetrix製)を注射用水で4.7×10−1TCID50/mLに希釈することでウイル
ス試料を調製した。
(2)(1)で調製したウイルス試料2.5μLを、予め46℃に加熱した以下の組成からなる界面活性剤を含む溶液(以下、ウイルス抽出液と表記)12.5μLに添加、撹拌し、46℃で4分間保温することで、ウイルスRNA抽出物15μLを調製した。
ウイルス抽出液の組成:濃度はウイルス試料添加後(15μL中)の最終濃度
42.4mM 塩化マグネシウム
205.4mM 塩化カリウム
2.3% グリセロール
23.0% DMSO
表9に記載の濃度のコール酸ナトリウム。
(3)以下の組成からなるγ−CDを含む反応液15μLを0.5mL容量PCRチューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注し、46℃で4分間保温後、(2)で得られたウイルスRNA抽出物15μLを直ちに添加した。なお、第一のプライマーおよび第二のプライマーには、表2に示す配列および濃度からなるオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いた。また第一のプライマーには、表2に示した各配列番号に記載の塩基配列の5’末端側に、T7プロモーター配列(配列番号6)が付加されている。
反応液の組成:濃度はウイルスRNA抽出物添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.25mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.6mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.06mM ITP
70mM トレハロース
6(w/w)% γ−CD
9.1U AMV逆転写酵素
142U T7 RNAポリメラーゼ
各20nM INAFプローブ(実施例2で調製)(配列番号4および5)
表2に記載の濃度の第一のプライマー
表2に記載の濃度の第二のプライマー。
(4)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計(TRCRapid−160、東ソー製)を用い、46℃で反応させると同時に反応液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に30分間測定した。開始液添加時を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)が1.2を超えた場合を陽性判定とした。
結果を表9に示す。コール酸ナトリウムを添加した抽出液、好ましくはコール酸ナトリウムを0.8(w/w)%以上添加した抽出液を用いることで、ウイルス核酸を良好に抽出および増幅可能なことがわかる。
Figure 0006801237
実施例8 非イオン性界面活性剤をさらに含む核酸抽出試薬の検討
以下の方法により、ステロイド骨格を有する界面活性剤に加え、さらに非イオン性界面活性剤を添加した抽出試薬について検討を行った。
(1)表1に示すA型(H1N1亜型)インフルエンザウイルスの溶液(ZeptoMetrix製)を注射用水で4.7×10−1TCID50/mLに希釈することでウイル
ス試料を調製した。
(2)(1)で調製したウイルス試料2.5μLを、予め46℃に加熱した以下の組成からなるコール酸ナトリウムおよびTween 20を含む溶液(以下、ウイルス抽出液と表記)12.5μLに添加、撹拌し、46℃で4分間保温することで、ウイルスRNA抽出物15μLを調製した。
ウイルス抽出液の組成:濃度はウイルス試料添加後(15μL中)の最終濃度
42.4mM 塩化マグネシウム
205.4mM 塩化カリウム
2.3% グリセロール
23.0% DMSO
0.1(v/v)% Tween 20
表10に記載の濃度の界面活性剤。
(3)以下の組成からなるγ−CDを含む反応液15μLを0.5mL容量PCRチューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注し、46℃で4分間保温後、(2)で得られたウイルスRNA抽出物15μLを直ちに添加した。なお、第一のプライマーおよび第二のプライマーには、表2に示す配列および濃度からなるオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いた。また第一のプライマーには、表2に示した各配列番号に記載の塩基配列の5’末端側に、T7プロモーター配列(配列番号6)が付加されている。
反応液の組成:濃度はウイルスRNA抽出物添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.25mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.6mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.06mM ITP
70mM トレハロース
9.1U AMV逆転写酵素
142U T7 RNAポリメラーゼ
各20nM INAFプローブ(実施例2で調製)(配列番号4および5)
表2に記載の濃度の第一のプライマー
表2に記載の濃度の第二のプライマー
表10に記載の濃度のγ−CD。
(5)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計(TRCRapid−160、東ソー製)を用い、46℃で反応させると同時に反応液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に30分間測定した。開始液添加時を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)が1.2を超えた場合を陽性判定とした。結果を表10に示す。
抽出液中のコール酸ナトリウムの濃度が0.4から1.6(w/w)%の範囲において
、良好にウイルス核酸を抽出および増幅できていることがわかる。また、Tween 20を添加していない抽出試薬(表9)に比べ、核酸抽出/増幅効率が向上していることがわかる。
Figure 0006801237
実施例9 本発明の核酸抽出試薬による抽出時間の検出
以下の方法により、本発明の核酸抽出/増幅試薬を用いた場合の抽出時間について、検討を行った。
(1)表1に示すA型(H1N1亜型)インフルエンザウイルスの溶液(ZeptoMetrix製)を、注射用水で4.7×10TCID50/mLに希釈することでウイルス試料を調製した。
(2)(1)で調製したウイルス試料2.5μLを、予め46℃に加熱した以下の組成からなる界面活性剤を含む溶液(以下、ウイルス抽出液と表記)12.5μLに添加、撹拌し、46℃で0分から4分間保温することで、ウイルスRNA抽出物15μLを調製した。
ウイルス抽出液の組成:濃度はウイルス試料添加後(15μL中)の最終濃度
42.4mM 塩化マグネシウム
205.4mM 塩化カリウム
2.3% グリセロール
23.0% DMSO
0.1(v/v)% Tween 20
1.0(w/w)% コール酸ナトリウム。
(3)以下の組成からなるγ−CDを含む反応液15μLを0.5mL容量PCRチューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注し、46℃で4分間保温後、(2)で得られたウイルスRNA抽出物15μLを直ちに添加した。なお、第一のプライマーおよび第二のプライマーには、表2に示す配列および濃度からなるオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いた。また第一のプライマーには、表2に示した各配列番号に記載の塩基配列の5’末端側に、T7プロモーター配列(配列番号6)が付加されている。
反応液の組成:濃度はウイルスRNA抽出物添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.25mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.6mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.06mM ITP
70mM トレハロース
9.1U AMV逆転写酵素
142U T7 RNAポリメラーゼ
各20nM INAFプローブ(実施例2で調製)(配列番号4および5)
表2に記載の濃度の第一のプライマー
表2に記載の濃度の第二のプライマー
6(w/w)% γ−CD。
(5)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計(TRCRapid−160、東ソー製)を用い、46℃で反応させると同時に反応液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に30分間測定した。開始液添加時を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)が1.2を超えた場合を陽性判定とした。
結果を表11に示す。抽出時の加熱時間を0分(ウイルスを抽出試薬と混合後、直ちに反応液と混合する方法)とした場合も、良好にウイルス核酸を抽出/増幅可能であった。
Figure 0006801237
実施例10 本発明の核酸抽出/増幅試薬によるインフルエンザウイルスの検出感度
以下の方法により、本発明の核酸抽出/増幅試薬を用いて、各種インフルエンザウイルスの検出を行った。
(1)表1に示すA型(H1N1亜型)インフルエンザウイルス、A型(H3N2亜型)インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルスの溶液(ZeptoMetrix製)を、注射用水で表12に記載の濃度に希釈することでウイルス試料を調製した。
(2)(1)で調製したウイルス試料2.5μLを、予め46℃に加熱した以下の組成からなる界面活性剤を含む溶液(以下、ウイルス抽出液と表記)12.5μLに添加、撹拌し、46℃で4分間保温することで、ウイルスRNA抽出物15μLを調製した。
ウイルス抽出液の組成:濃度はウイルス試料添加後(15μL中)の最終濃度
42.4mM 塩化マグネシウム
205.4mM 塩化カリウム
2.3% グリセロール
23.0% DMSO
0.1(v/v)% Tween 20
1.0(w/w)% コール酸ナトリウム。
(3)以下の組成からなるγ−CDを含む反応液15μLを0.5mL容量PCRチューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注し、46℃で4分間保温後、(2)で得られたウイルスRNA抽出物15μLを直ちに添加した。なお、第一のプライマーおよび第二のプライマーには、表2に示す配列および濃度からなるオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いた。また第一のプライマーには、表2に示した各配列番号に記載の塩基配列の5’末端側に、T7プロモーター配列(配列番号6)が付加されている。
反応液の組成:濃度はウイルスRNA抽出物添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.25mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.6mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.06mM ITP
70mM トレハロース
9.1U AMV逆転写酵素
142U T7 RNAポリメラーゼ
各20nM INAFプローブ(実施例2で調製)(配列番号4および5)
表2に記載の濃度の第一のプライマー
表2に記載の濃度の第二のプライマー
6(w/w)% γ−CD。
(5)引き続きPCRチューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計(TRCRapid−160、東ソー製)を用い、46℃で反応させると同時に反応液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に30分間測定した。開始液添加時を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)が1.2を超えた場合を陽性判定とした。
結果を表12に示す。概ね4.7×10−2TCID50/mLのインフルエンザウイルスを検出できており、簡便かつ迅速な方法でありながら、スピンカラムを用いた核酸抽出/精製方法(参考例1)と同等の高い効率を有していることが認められた。
Figure 0006801237
実施例11 凍結乾燥増幅試薬の調整方法
以下の組成からなるγ−CDを含む試薬液18.5μLを0.5mL容量PCRチューブ(Individual Dome Cap PCR Tube、SSI製)に分注し、Virtis GENESIS 12SLにて、−40℃ 2時間、−20℃ 14時間、25℃ 2時間で真空下において凍結乾燥した。なお、第一のプライマーおよび第二のプライマーには、表2に示す配列および濃度からなるオリゴヌクレオチドの組み合わせを用いた。また第一のプライマーには、表2に示した各配列番号に記載の塩基配列の5’末端側に、T7プロモーター配列(配列番号6)が付加されている。
試薬液の組成:濃度はウイルスRNA抽出物添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris−HCl(pH8.6)
各0.25mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.7mM ATP、CTP、UTP、GTP
3.06mM ITP
198.9mM トレハロース
9.1U AMV逆転写酵素
142U T7 RNAポリメラーゼ
各20nM INAFプローブ(実施例2で調製)(配列番号4および5)
表2に記載の濃度の第一のプライマー
表2に記載の濃度の第二のプライマー
6.8(w/w)% γ−CD。
実施例12 凍結乾燥増幅試薬によるインフルエンザウイルスの検出感度
以下の方法により、本発明の核酸抽出/増幅試薬を用いて、各種インフルエンザウイルスの検出を行った。
(1)表1に示すA型(H1N1亜型)インフルエンザウイルスを、注射用水で表13に記載の濃度に希釈することでウイルス試料を調製した。
(2)(1)で調製したウイルス試料3μLを、予め46℃に加熱した以下の組成からなる界面活性剤を含む溶液(以下、ウイルス抽出液と表記)27μLに添加、撹拌し、46℃で4分間保温し、30μLを実施例11で作製した凍結乾燥試薬に添加した。
ウイルス抽出液の組成:濃度はウイルス試料添加後の最終濃度
22.2mM 塩化マグネシウム
47.5mM 塩化カリウム
1.2% グリセロール
10.3% DMSO
0.05(v/v)% Tween 20
1.5(w/w)% コール酸ナトリウム。
同時に実施例10で示した液状試薬(反応液)を用いて、温調機能付き蛍光分光光度計(TRCRapid−160、東ソー製)を用い、46℃で反応させると同時に反応液の蛍光強度(励起波長470nm、蛍光波長520nm)を経時的に30分間測定した。開始液添加時を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)が1.2を超えた場合を陽性判定とした。
結果を表13に示す。乾燥状態の増幅試薬においても、液状の試薬と同程度の検出性能を有していることが示された。
Figure 0006801237

Claims (10)

  1. 以下の(i)(ii)(iii)を含む、ウイルスを含む試料から前記ウイルス核酸を抽出および増幅するためのキットであって、
    前記シクロデキストリンがγ−シクロデキストリンであり、
    前記界面活性剤が、コール酸、タウロコール酸、グリココール酸、タウロウルソデオキシコール酸又はそれらの塩のいずれかであり、
    シクロデキストリンの濃度(w/w)%が、ステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度(w/w)%の3倍以上である、キット
    (i)ステロイド骨格を有する界面活性剤を少なくとも含むウイルス核酸抽出試薬
    (ii)シクロデキストリン
    (iii)核酸増幅試薬
  2. 前記シクロデキストリンが核酸増幅試薬に含まれている、請求項1に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
  3. 前記ウイルスがエンベロープを有するウイルスである、請求項1または2に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
  4. 前記ウイルスがインフルエンザウイルスである、請求項1から3のいずれか1項に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
  5. 抽出試薬におけるステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度が0.4(w/w)%以上である、請求項1からのいずれか1項に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
  6. さらに非イオン界面活性剤を含む、請求項1からのいずれか1項に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
  7. 核酸増幅試薬が乾燥形態である請求項1から6のいずれか1項に記載のウイルス核酸を抽出および増幅するためのキット。
  8. 以下の(i)(ii)(iii)の工程を含む、ウイルスを含む試料から前記ウイルス核酸を抽出および増幅する方法であって、
    前記シクロデキストリンがγ−シクロデキストリンであり、
    前記界面活性剤が、コール酸、タウロコール酸、グリココール酸、タウロウルソデオキシコール酸又はそれらの塩のいずれかであり、
    シクロデキストリンの濃度(w/w)%が、ステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度(w/w)%の3倍以上である、方法
    (i)前記ウイルスを、ステロイド骨格を有する界面活性剤を少なくとも含むウイルス核酸抽出試薬と接触させる核酸抽出工程
    (ii)(i)によって抽出されたウイルス核酸抽出液にシクロデキストリンを接触させる工程
    (iii)(ii)の工程で得られた溶液の一部または全部を核酸増幅試薬と接触させる核酸増幅工程
  9. 以下の(i)(ii)の工程を含む、ウイルスを含む試料から前記ウイルス核酸を抽出および増幅する方法であって、
    前記シクロデキストリンがγ−シクロデキストリンであり、
    前記界面活性剤が、コール酸、タウロコール酸、グリココール酸、タウロウルソデオキシコール酸又はそれらの塩のいずれかであり、
    シクロデキストリンの濃度(w/w)%が、ステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度(w/w)%の3倍以上である、方法
    (i)前記ウイルスを、ステロイド骨格を有する界面活性剤を少なくとも含むウイルス核酸抽出試薬と接触させる核酸抽出工程
    (ii)(i)によって抽出されたウイルス核酸抽出液を、シクロデキストリンを含む核酸増幅試薬と接触させる核酸増幅工程
  10. 前記ウイルスがインフルエンザウイルスである、請求項8または9に記載の方法。
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