JP6799347B1 - マイクロエッチング剤および配線基板の製造方法 - Google Patents

マイクロエッチング剤および配線基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】銅の結晶性の相違に起因する粗化形状の差が特に小さく、電解銅および圧延銅のいずれに対しても、樹脂等との密着性に極めて優れた粗化形状を形成可能なマイクロエッチング剤を提供する。【解決手段】銅の表面粗化に用いられる、銅のマイクロエッチング剤であって、無機酸、第二銅イオン源、ハロゲン化物イオン源、およびポリマーを含む酸性水溶液であり、ポリマーは、側鎖にアミノ基または第四級アンモニウム基を含む重量平均分子量が1000以上の水溶性ポリマーであり、硫酸イオン源のモル濃度をCs(モル/L)、ハロゲン化物イオン源のモル濃度をCh(モル/L)としたとき、0≦(Cs/Ch)≦0.004であるマイクロエッチング剤。【選択図】図1A

Description

本発明は、銅の表面粗化に用いられる、銅のマイクロエッチング剤および配線基板の製造方法に関する。
一般的な多層配線板は、銅や銅合金等からなる導電層を有する内層基板が、プリプレグを挟んで他の内層基板や銅箔等と積層プレスされて製造されている。導電層間は、孔壁が銅メッキされたスルーホールとよばれる貫通孔により、電気的に接続されている。導電層とプリプレグ等の樹脂やはんだとの接着性を高めるために、マイクロエッチング剤(粗化剤)により導電層の表面に微細な凹凸形状を形成する方法が用いられている。金属表面にマイクロエッチング剤を接触させると、金属の結晶粒の結晶方位によるエッチングレートの相違や、金属の結晶粒と結晶粒界部分とのエッチングレートの相違等に起因して、凹凸形状が形成され、表面が粗化される。
銅または銅合金のマイクロエッチング剤としては、有機酸系マイクロエッチング剤(特許文献1参照)、硫酸−過酸化水素系マイクロエッチング剤(特許文献2参照)、塩酸系マイクロエッチング剤(特許文献3参照)等が知られている。これらのマイクロエッチング剤には、粗化形状やエッチング速度の調整等を目的として、ハロゲン、ポリマー、腐食防止剤、界面活性剤等が添加されている。さらに、銅または銅合金のマイクロエッチング剤として、無機酸、第二銅イオン源、ハロゲン化物イオン源、硫酸イオン源、およびポリマーを含む酸性水溶液が知られている(特許文献4参照)。
特開平9−41163号公報 特開2002−47583号公報 WO2007/024312号パンフレット 特開2017−150069号公報
プリント配線板の導電層としては、主に圧延銅箔および電解銅箔が用いられているが、圧延銅と電解銅は表面の微視的形状が異なっている。また、両者の結晶特性は大きく相違する。そのため、銅箔の種類が異なると、エッチング処理によって表面に形成される粗化形状が異なる場合がある。特に、圧延銅箔は結晶粒が大きく結晶面方位の均一性が高いため、凹凸形状が形成され難い傾向がある。そのため、従来のマイクロエッチング剤では、電解銅箔の表面に樹脂との密着性に優れる粗化形状を面内に均一に形成できるものの、圧延銅箔に対しては、適切な粗化形状が形成されない場合や粗化ムラを生じる場合があった。このような場合、銅箔の種類に応じて使用するマイクロエッチング剤を変更する必要があり、工程管理が煩雑になる等の問題を生じる。
前記特許文献4に記載の技術は優れた粗化機能を発揮するが、本発明者らが鋭意検討した結果、特に圧延銅箔の粗化処理後の粗化形状の点でさらなる改良の余地があることが判明した。
上記に鑑み、本発明は、銅の結晶性の相違に起因する粗化形状の差が特に小さく、電解銅および圧延銅のいずれに対しても、樹脂等との密着性に極めて優れた粗化形状を形成可能なマイクロエッチング剤の提供を目的とする。
本発明者らは、圧延銅箔であっても、樹脂等との密着性に極めて優れた粗化形状を形成可能なマイクロエッチング剤を開発するために、特に硫酸イオン源のモル濃度とハロゲン化物イオン源のモル濃度との比に着目し検討を行った結果、その最適比を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、銅の表面粗化に用いられる、銅のマイクロエッチング剤であって、無機酸、第二銅イオン源、ハロゲン化物イオン源、およびポリマーを含む酸性水溶液であり、前記ポリマーは、側鎖にアミノ基または第四級アンモニウム基を含む重量平均分子量が1000以上の水溶性ポリマーであり、硫酸イオン源のモル濃度をCs(モル/L)、前記ハロゲン化物イオン源のモル濃度をCh(モル/L)としたとき、0≦(Cs/Ch)≦0.004であることを特徴とするマイクロエッチング剤に関する。なお、本明細書における「銅」は、銅および銅合金を含む。また、「銅層」は、銅配線パターン層も含む。
本発明に係るマイクロエッチング剤は、必須成分として無機酸、第二銅イオン源、ハロゲン化物イオン源、およびポリマーを含み、任意成分として硫酸イオン源を含んでもよいが、前記硫酸イオン源のモル濃度をCs(モル/L)、前記ハロゲン化物イオン源のモル濃度をCh(モル/L)としたとき、0≦(Cs/Ch)≦0.004となるように設計されている。このように設計されたマイクロエッチング剤を接触させて表面が粗化された銅層は、後述する走査型電子顕微鏡写真が示すとおり、表面全体に微細な凹凸が形成され、面内の均一性が高い粗化形状を有する。
前記マイクロエッチング剤において、前記第二銅イオン源のモル濃度が0.01〜2(モル/L)であることが好ましい。また、前記マイクロエッチング剤において、前記ハロゲン化物イオン源のモル濃度が0.05〜5(モル/L)であることが好ましい。さらに、前記マイクロエッチング剤において、前記ポリマーの重量濃度が0.0005〜2(g/L)であることが好ましい。
また、本発明は銅層を含む配線基板の製造方法であって、銅層の表面に前記いずれかに記載のマイクロエッチング剤を接触させて前記銅層の表面を粗化する粗化処理工程を有することを特徴とする配線基板の製造方法に関する。
前記配線基板の製造方法において、前記銅層は、前記マイクロエッチング剤と接触させる面の表面が圧延銅からなることが好ましい。また、前記配線基板の製造方法において、前記粗化処理工程において、無機酸、ハロゲン化物イオン源、およびポリマーを含む酸性水溶液からなる補給液が、前記マイクロエッチング剤に添加され、前記補給液中の前記ポリマーは、側鎖にアミノ基または第四級アンモニウム基を含む重量平均分子量が1000以上の水溶性ポリマーであることが好ましい。
本発明によれば、圧延銅に対しても、樹脂等との密着性に極めて優れる粗化形状を均一に形成
できる。
実施例1のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例1のマイクロエッチング剤により粗化処理された電解銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例2のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例2のマイクロエッチング剤により粗化処理された電解銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例3のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例3のマイクロエッチング剤により粗化処理された電解銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例4のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例4のマイクロエッチング剤により粗化処理された電解銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例5のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例5のマイクロエッチング剤により粗化処理された電解銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例6のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例6のマイクロエッチング剤により粗化処理された電解銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例7のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例7のマイクロエッチング剤により粗化処理された電解銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例8のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例8のマイクロエッチング剤により粗化処理された電解銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例9のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例10のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例11のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例12のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例13のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 実施例14のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例1のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例1のマイクロエッチング剤により粗化処理された電解銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例2のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例2のマイクロエッチング剤により粗化処理された電解銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例3のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例4のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例5のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例5のマイクロエッチング剤により粗化処理された電解銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例6のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例7のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例8のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例8のマイクロエッチング剤により粗化処理された電解銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例9のマイクロエッチング剤により粗化処理された圧延銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。 比較例9のマイクロエッチング剤により粗化処理された電解銅表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度45°、倍率5000倍)。
本発明のマイクロエッチング剤は、銅の表面に粗化形状を形成するために用いられる。マイクロエッチング剤は、必須成分として無機酸、第二銅イオン源、ハロゲン化物イオン源、およびポリマーを含む酸性水溶液であり、任意成分として硫酸イオン源を含んでもよいが、硫酸イオン源の含有量をハロゲン化物イオン源との関係で特定の範囲内に設計している点に特徴がある。以下、本発明のマイクロエッチング剤に含まれる各成分について説明する。
<第二銅イオン>
第二銅イオン源は水溶液中で第二銅イオンを生成するものである。第二銅イオンは、銅を酸化するための酸化剤として作用する。第二銅イオン源としては、塩化第二銅、臭化第二銅等のハロゲン化銅;硫酸第二銅、硝酸第二銅等の無機酸塩;ギ酸第二銅、酢酸第二銅等の有機酸塩;水酸化第二銅;酸化第二銅等が挙げられる。ハロゲン化第二銅は水溶液中で第二銅イオンとハロゲン化物イオンを生成するため、ハロゲン化物イオン源と第二銅イオン源の両方の作用を有するものとして使用できる。なお、硫酸第二銅は水溶液中で第二銅イオンと硫酸イオンおよび硫酸水素イオンを生成するため、硫酸イオン源と第二銅イオン源の両方の作用を有するものとして使用できるが、その含有量は、ハロゲン化物イオン源との関係で特定の範囲内に設計される必要がある。第二銅イオン源は、2種以上を併用してもよい。
第二銅イオン源の濃度を高めることにより、エッチング速度が適正に維持されるとともに、圧延銅のように銅の結晶粒が大きく結晶面方位の均一が高い銅層に対しても、表面全体に均一な粗化形状を形成できる。第二銅イオン源のモル濃度は、0.01(モル/L)以上が好ましい。なお、第二銅イオン源のモル濃度は、第二銅イオン源に含まれる銅原子のモル濃度であり、エッチング剤中の第二銅イオンの濃度に等しい。過度のエッチングを抑制するとともに、エッチングの進行に伴って銅イオン濃度が上昇した際の銅イオンの溶解性を維持する観点から、第二銅イオン源のモル濃度は、2(モル/L)以下が好ましい。第二銅イオン源のモル濃度は、0.1〜1(モル/L)がより好ましく、0.2〜0.7(モル/L)がさらに好ましい。
<無機酸>
酸は、第二銅イオンによって酸化された銅を水溶液中に溶解させる機能を有すると共に、pH調整の機能も有する。マイクロエッチング剤のpHを低くすることにより、酸化された銅の溶解性が高められるとともに、エッチングの進行に伴って液中の銅イオン濃度が上昇した際の他の成分の析出が抑制される傾向がある。マイクロエッチング剤のpHを低く保つ観点から、酸として無機酸が用いられる。無機酸としては、塩酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸等の強酸が好ましい。ハロゲン化水素酸は、ハロゲン化物イオン源と酸の両方の作用を有するものとして使用できる。なお、硫酸は、硫酸イオン源と酸の両方の作用を有するものとして使用できるが、その含有量は、ハロゲン化物イオン源との関係で特定の範囲内に設計される必要がある。。ハロゲン化水素酸の中でも、塩酸(塩化水素水溶液)が好ましい。
酸は、2種以上を併用してもよく、無機酸に加えて有機酸を用いてもよい。第二銅イオン濃度が上昇した場合における他の成分の析出を抑制し、エッチング剤の安定性を高める観点から、マイクロエッチング剤のpHは、3以下が好ましく、2以下がさらに好ましい。マイクロエッチング剤の無機酸の濃度は、pHが上記範囲となるように調整することが好ましい。
<ハロゲン化物イオン>
ハロゲン化物イオン源は水溶液中でハロゲン化物イオンを生成するものである。ハロゲン化物イオンは、銅の溶解を補助し、密着性に優れた銅層表面を形成する機能を有する。ハロゲン化物イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等を例示できる。中でも、密着性に優れた粗化形状を均一に形成する観点から、塩化物イオンが好ましい。ハロゲン化物イオンは2種以上が含まれていてもよい。
ハロゲン化物イオン源としては、塩酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸;塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、塩化銅、臭化銅、塩化亜鉛、塩化鉄、臭化錫等の金属塩等が挙げられる。ハロゲン化物イオン源は2種以上を併用してもよい。前述のように、ハロゲン化水素酸はハロゲン化物イオン源と酸の両方の作用を有し、ハロゲン化銅はハロゲン化物イオン源と第二銅イオン源の両方の作用を有する。
銅層の表面への粗化形状の形成を促進する観点から、マイクロエッチング剤中のハロゲン化物イオンの濃度、すなわちエッチング剤中で電離したハロゲン化物イオンの濃度は、0.05(モル/L)以上が好ましい。ハロゲン化物イオン濃度の上限は特に制限されないが、溶解性の観点から、5(モル/L)以下が好ましい。ハロゲン化物イオンの濃度は、0.5〜3(モル/L)がより好ましく、0.8〜2(モル/L)がさらに好ましい。
ハロゲン化物イオン源のモル濃度は、第二銅イオン源のモル濃度の3倍以下であることが好ましく、1〜3倍であることがより好ましい。ハロゲン化物イオン源と第二銅イオン源との濃度比を調整することにより、電解銅および圧延銅の両方に対して、樹脂等との密着性に優れた均一な粗化形状が形成されやすくなる傾向がある。
<硫酸イオン源>
硫酸イオン源は、水溶液中で硫酸イオン(SO 2−)および/または硫酸水素イオン(HSO )を生成するものである。硫酸イオン源としては、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸第二銅、硫酸第二鉄、硫酸アンモニウム等の硫酸塩や、硫酸、硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。前述のように、硫酸第二銅は硫酸イオン源と第二銅イオン源の両方の作用を有し、硫酸は硫酸イオン源と酸の両方の作用を有する。
硫酸イオンおよび硫酸水素イオンの存在により、液中のpHを低く保ち水溶液の安定性を高めることができる。ただし、本発明においては、電解銅および圧延銅のいずれを粗化処理した場合であっても、樹脂等との密着性に極めて優れた粗化形状を得るため、硫酸イオン源のモル濃度Cs(モル/L)を、ハロゲン化物イオン源のモル濃度Ch(モル/L)との関係で特定の範囲、具体的には、0≦(Cs/Ch)≦0.004に設計する必要がある。
(Cs/Ch)=0のとき、電解銅および圧延銅のいずれを粗化処理した場合であっても、樹脂等との密着性に極めて優れた粗化形状を得ることができる。また、0<(Cs/Ch)≦0.004であっても、電解銅および圧延銅と、樹脂等との密着性に極めて優れた粗化形状を得ることができる。
本発明においては、第二銅イオン源の濃度との関係でも、硫酸イオン源のモル濃度を最適化することで、電解銅および圧延銅のいずれを粗化処理した場合であっても、樹脂等との密着性に極めて優れた粗化形状を得ることができる。第二銅イオン源の濃度をCco(モル/L)としたとき、0≦(Cs/Cco)≦0.012に設計することが好ましい。なお、(Cs/Cco)=0であっても、0<(Cs/Ch)≦0.012であっても、電解銅および圧延銅と、樹脂等との密着性に極めて優れた粗化形状を得ることができる。
<ポリマー>
本発明のマイクロエッチング剤は、側鎖にアミノ基または第四級アンモニウム基を有する重量平均分子量が1000以上の水溶性ポリマーを含有する。ポリマーは、ハロゲン化物イオンと共に、密着性に優れた粗化形状を形成する作用を有する。マイクロエッチング剤中にハロゲン化物イオンと側鎖にアミノ基または第四級アンモニウム基を有するポリマーとが共存することにより、圧延銅の表面に、細かい凹凸を均一に形成できる。均一な粗化形状を形成する観点から、ポリマーの重量平均分子量は2000以上が好ましく、5000以上がより好ましい。水溶性の観点から、ポリマーの重量平均分子量は、500万以下が好ましく、200万以下がより好ましい。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)分析によりポリエチレングリコール換算で得られる値である。
側鎖に第四級アンモニウム基を有するポリマーとしては、例えば下記式(I)で表される繰り返し単位を有するポリマーが挙げられる。
式(I)において、R〜Rは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい鎖状または環状の炭化水素基であり、R〜Rのうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。Rは水素原子またはメチル基であり、Xは単結合または2価の連結基であり、Yは対アニオンである。
式(I)で表される繰り返し単位を有するポリマーの具体例としては、第四級アンモニウム塩型スチレン重合体、第四級アンモニウム塩型アミノアルキル(メタ)アクリレート重合体等が挙げられる。
側鎖に第四級アンモニウム基を有するポリマーは、下記式(II)で表されるように、主鎖の炭素原子と側鎖の第四級アンモニウム基が環状構造を形成している繰り返し単位を有するものでもよい。
上記式(II)において、RおよびRは置換基を有していてもよい鎖状または環状の炭化水素基であり、RとRが互いに結合して環状構造を形成していてもよい。mは0〜2の整数である。XおよびXは、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基である。式(II)の繰り返し単位を有するポリマーの具体例としては、式(IIa)で表されるジアリルジアルキルアンモニウム塩の重合により得られる第四級アンモニウム塩型ジアリルアミン重合体が挙げられる。
上記式(IIa)において、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基であり、水素原子であることが好ましい。
側鎖の第四級アンモニウム基は、窒素原子と炭素原子の間に二重結合を有していてもよく、環の構成原子として第四級アンモニウム基の窒素原子が含まれていてもよい。また、下記式(III)で表される繰り返し単位の様に、第四級アンモニウム基により、2本のポリマー鎖が架橋されていてもよい。
上記式(III)において、X〜Xは、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基である。
第四級アンモニウム塩の対アニオンZとしては、Cl、Br、I、ClO 、BF 、CHCOO、PF 、HSO 、CSO が挙げられる。X〜Xが二価の連結基である場合、その具体例としては、メチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−R−基、−COO−R−基(ただし、Rは単結合、メチレン基、炭素数2〜10のアルキレン基、または炭素数2〜10のエーテル基(アルキルオキシアルキル基)である)等が挙げられる。
側鎖にアミノ基を有するポリマーとしては、例えば下記式(IV)で表される繰り返し単位を有するポリマーが挙げられる。
式(IV)において、R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、または置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基であり、R11とR12が互いに結合して環状構造を形成していてもよい。R13は水素原子またはメチル基であり、X11は単結合または2価の連結基である。アミノ基は第一級、第二級および第三級のいずれでもよく、アンモニウム塩を形成していてもよい。アンモニウム塩の対アニオンとしては、第四級アンモニウム塩の対アニオンZとして前述したものが挙げられる。
側鎖にアミノ基を有するポリマーは、下記式(V)で表されるように、主鎖の炭素原子と側鎖のアミノ基が環状構造を形成している繰り返し単位を有するものでもよい。
上記式(V)において、R14は、水素原子、または置換基を有していてもよい鎖状もしくは環状の炭化水素基である。mは0〜2の整数である。X12およびX13は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基である。式(V)の繰り返し単位を有するポリマーの具体例としては、ジアリルアミンまたはジアリルアミン塩の重合により得られるジアリルアミン重合体が挙げられる。
上記式(IV)および式(V)におけるX11〜X13が二価の連結基である場合、その具体例としては、X〜Xの具体例として前述したものが挙げられる。
側鎖にアミノ基または第四級アンモニウム基を含むポリマーは、共重合体でもよい。ポリマーが共重合体である場合、共重合体は、アミノ基または第四級アンモニウム基を含む繰り返し単位とアミノ基および第四級アンモニウム基のいずれも含まない繰り返し単位を含んでいてもよい。共重合体における繰り返し単位の並びは特に限定されず、交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれでもよい。共重合体がブロック共重合体またはランダム共重合体である場合、ポリマー全体のモノマー単位に対するアミノ基または第四級アンモニウム基を含む繰り返し単位の割合は、20モル%以上が好ましく、30モル%以上がより好ましく、40モル%以上がさらに好ましい。
共重合体に含まれるアミノ基および第四級アンモニウム基のいずれも含まない繰り返し単位としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸アミノアルキル、スチレン誘導体、二酸化硫黄等に由来する構造が挙げられる。上記一般式(II)で表される第四級アンモニウム塩型ジアリルアミンに由来する構造を有するポリマー、および上記一般式(IV)で表されるジアリルアミンに由来する構造を有するポリマーは、共重合体の繰り返し単位として、下記式で表される二酸化硫黄に由来する構造単位を有することが好ましい。
ポリマーは、側鎖にアミノ基と第四級アンモニウム基の両方を有していてもよい。また、ポリマーは2種以上を併用してもよく、側鎖にアミノ基を有するポリマーと側鎖に第四級アンモニウム基を有するポリマーとを併用してもよい。
マイクロエッチング剤中の前記ポリマーの濃度は、密着性に優れた銅層表面を形成する観点から、0.0005〜2g/Lが好ましく、0.005〜1g/Lがより好ましく、0.008〜0.5g/Lがさらに好ましく、0.01〜0.2g/Lが特に好ましい。
<他の添加剤>
本発明のマイクロエッチング剤は、上記の各成分をイオン交換水等に溶解させることにより調製できる。マイクロエッチング剤には、上記以外の成分が含まれていてもよい。例えば、消泡剤としてのノニオン性界面活性剤や、銅の溶解安定性を向上させるためにピリジン等の錯化剤を添加してもよい。その他、必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。これらの添加剤を添加する場合、マイクロエッチング剤中の添加剤の濃度は、0.0001〜20重量%程度が好ましい。
マイクロエッチング剤中に過酸化水素が含まれていると、過酸化水素の酸化力による銅の溶解が進行するため、圧延銅のように銅の結晶粒が大きく結晶面方位の均一が高い銅層に対する粗化形状の形成が妨げられる場合がある。また、過酸化水素を含まないことにより、溶液の濃度管理や廃液処理を簡素化できるとの利点もある。そのため、マイクロエッチング剤中の過酸化水素濃度は0であることが最も好ましい。一方、原料中に含まれる微量の過酸化水素の混入等は許容できる。マイクロエッチング剤の過酸化水素濃度は、0.1重量%以下が好ましく、0.01重量%以下がより好ましい。
[マイクロエッチング剤の用途]
上記のマイクロエッチング剤は銅層表面の粗化に広く使用することができる。処理された銅層の表面には微細な凹凸が均一に形成されており、プリプレグ、めっきレジスト、エッチングレジスト、ソルダーレジスト、電着レジスト、カバーレイ等の樹脂との密着性が良好である。また、はんだ付け性にも優れた表面であるため、ピングリッドアレイ(PGA)用やボールグリッドアレイ(BGA)用を含む種々の配線基板の製造に特に有用である。さらにリードフレームの表面処理にも有用である。
本発明のマイクロエッチング剤は、銅の結晶性の相違に起因する粗化形状の差が小さく、電解銅および圧延銅のいずれに対しても、樹脂等との密着性に優れた粗化形状を形成できる。そのため、処理対象の銅箔が異なる場合でも、エッチング剤を交換する必要がなく、同一のエッチング剤を繰り返して使用できる。
[配線基板の製造方法]
配線基板の製造においては、銅層の表面に、上述のマイクロエッチング剤を接触させることにより、銅の表面が粗化される。銅層を複数層含む配線基板を製造する場合は、複数の銅層のうち一層だけを上記のマイクロエッチング剤で処理してもよく、二層以上の銅層を上記のマイクロエッチング剤で処理してもよい。従来のマイクロエッチング剤は主に電解銅箔の表面粗化に用いられるのに対して、上述のマイクロエッチング剤は、電解銅および圧延銅のいずれに対しても表面に均一な粗化形状を形成できる。そのため、本発明のマイクロエッチング剤は、被処理面(マイクロエッチング剤と接触させる面)の表面が圧延銅からなる銅層の粗化にも好適に使用できる。
粗化処理において、銅層の表面にマイクロエッチング剤を接触させる方法は特に限定されないが、例えば処理対象の銅層表面にマイクロエッチング剤をスプレーする方法や、処理対象の銅層をマイクロエッチング剤中に浸漬する方法等があげられる。スプレーする場合は、マイクロエッチング剤の温度を10〜40℃とし、スプレー圧0.03〜0.3MPaで5〜120秒間の条件でエッチングすることが好ましい。浸漬する場合は、マイクロエッチング剤の温度を10〜40℃とし、5〜120秒間の条件でエッチングすることが好ましい。なお、浸漬する場合には、銅のエッチングによってマイクロエッチング剤中に生成した第一銅イオンを第二銅イオンに酸化するために、バブリング等によりマイクロエッチング剤中に空気の吹き込みを行うことが好ましい。マイクロエッチング剤が過酸化水素を実質的に含まない場合は、使用後の廃液処理が容易であり、例えば中和、高分子凝集剤等を利用する一般的な簡便な方法で処理できる。
粗化処理におけるエッチング量は特に限定されないが、銅の結晶性に関わらず均一な凹凸形状を形成する観点から、0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましい。エッチング量が過度に大きいと、銅層が完全にエッチングされることによる断線や、配線断面積の低下による抵抗の増大等の不具合が生じる場合がある。そのため、エッチング量は5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。なお、「エッチング量」とは、深さ方向の平均エッチング量(溶解量)を指し、マイクロエッチング剤により溶解した銅の重量、比重及び銅表面の前面投影面積から算出される。
粗化処理工程後には、生成したスマットを除去するために、粗化した銅層の表面を酸性水溶液で洗浄することが好ましい。洗浄に使用する酸性水溶液としては、塩酸、硫酸水溶液、硝酸水溶液等が使用できる。粗化形状への影響が少なく、スマットの除去性も高いことから塩酸が好ましい。スマットの除去性の観点から、酸性水溶液の酸濃度は、0.3〜35重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。洗浄方法は特に限定されず、粗化した銅層表面に酸性水溶液をスプレーする方法や、粗化した銅層を酸性水溶液中に浸漬する方法等があげられる。スプレーする場合は、酸性水溶液の温度を15〜35℃とし、スプレー圧0.03〜0.3MPaで3〜30秒間の条件で洗浄することが好ましい。浸漬する場合は、酸性水溶液の温度を15〜35℃とし、3〜30秒間の条件で洗浄することが好ましい。
マイクロエッチング剤を連続使用する場合、補給液を添加しながら粗化処理を実施することが好ましい。補給液を添加しながら粗化処理を行うことにより、処理中のマイクロエッチング剤中の各成分の濃度を適正に維持できる。補給液は、無機酸、第二銅イオン源、ハロゲン化物イオン源および前記ポリマーを含む水溶液である。補給液の添加量や補給液の添加のタイミングは、各成分の濃度管理幅等に応じて適宜設定できる。補給液中の各成分は、上述のマイクロエッチング剤に含まれる成分と同様である。補給液中の各成分の濃度は、処理に用いるマイクロエッチング剤の初期濃度等に応じて適宜調整される。
マイクロエッチング剤による処理の後、樹脂との密着性をさらに向上させるために、アゾール類の水溶液やアルコール溶液で処理してもよい。また、マイクロエッチング剤による処理の後、ブラウンオキサイド処理やブラックオキサイド処理とよばれる酸化処理を行ってもよい。
次に、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定して解釈されるものではない。
<マイクロエッチング剤による処理>
試験基板として、圧延銅箔(JX金属製 HA箔)を有する基材を用意した。これらの基板のそれぞれに、表1に示す各マイクロエッチング剤(30℃)を用いて、スプレー圧0.1MPaの条件で上記試験基板の銅箔上にスプレーし、銅のエッチング量が1.0μmとなるようにエッチング時間を調整してエッチングした。次いで、水洗を行い、温度25℃の塩酸(塩化水素濃度:3.5重量%)にエッチング処理面を15秒間浸漬した。その後、水洗を行い、乾燥させた。
また、試験基板として、厚み35μmの電解銅箔を絶縁基材の両面に張り合わせたガラス布エポキシ樹脂含浸銅張積層板(日立化成社製、製品名:MCL−E−67、10cm×10cm、厚み0.2mm)に18μmの銅めっきを行った試験基板を用い、実施例1〜8、および比較例1〜2、5、8〜9のエッチング剤を用いて、上記と同様にエッチング、酸洗浄、水洗および乾燥を実施した。
表1および表2に示すポリマーA〜Dの詳細は下記の通りである。これらのポリマーは、エッチング剤中のポリマー濃度が表1に示す配合量となるように用いた。表1および表2に示す各エッチング剤の配合成分の残部はイオン交換水である。
ポリマーA:以下の繰り返し単位を有するジアリルジアルキルアンモニウム(第四級アンモニウム)塩酸塩・二酸化硫黄交互共重合体(重量平均分子量約5000)
ポリマーB:以下の繰り返し単位を有するジアリルアミン(第二級アミン)塩酸塩・二酸化硫黄交互共重合体(重量平均分子量約5000)
ポリマーC:以下の繰り返し単位を有するジアリルアミン(第二級アミン)酢酸塩・二酸化硫黄交互共重合体(重量平均分子量約5000)
ポリマーD:以下の構造を有するビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミドジエチル硫酸塩ランダム共重合体(重量平均分子量約80万)
<走査型電子顕微鏡観察による粗化の均一性評価>
上記処理後の試験基板の銅層の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)(型式JSM−7000F、日本電子社製)で観察した。SEM観察像を図1〜25に示す。各実施例・比較例とSEM観察像の対応を表1および表2に示す。表1および表2では、下記の基準による圧延銅表面の粗化形状の評点も合せて示している。
<評価基準>
1:表面に凹凸が形成されていないもの
2:表面に凹凸が形成されているが粗化されていないもの
3:表面に凹凸が形成され粗化されているが、凹凸が大きく粗化ムラがあるもの
4:表面全体に微細な凹凸が形成されているもの
5:表面全体に微細な凹凸が形成され、面内の均一性が高いもの
実施例1〜14に係るマイクロエッチング剤を粗化処理に使用した場合、圧延銅および電解銅のいずれであっても、表面に均一な粗化形状が形成されていることが分かる。特に、圧延銅においては、表1に記載のとおり評価基準も総じて高いことが分かる。
一方、比較例1に係るマイクロエッチング剤は(Cs/Ch)=0.0042であるため、これを粗化処理に使用した場合、粗化形状悪いことが分かる。さらに、比較例2〜5に係るマイクロエッチング剤についても、(Cs/Ch)が大きいため、これらを粗化処理に使用した場合、粗化形状悪いことが分かる。
また、比較例6〜7、9に係るマイクロエッチング剤は、ハロゲン化物イオン源を有しないため、これらを粗化処理に使用した場合、粗化形状悪いことが分かる。
また、比較例8に係るマイクロエッチング剤は、無機酸ではなく有機酸を使用しているため、これを粗化処理に使用した場合、粗化形状悪いことが分かる。

Claims (7)

  1. 銅の表面粗化に用いられる、銅のマイクロエッチング剤であって、
    無機酸、第二銅イオン源、ハロゲン化物イオン源、およびポリマーを含む酸性水溶液であり、
    前記ポリマーは、側鎖にアミノ基または第四級アンモニウム基を含む重量平均分子量が1000以上の水溶性ポリマーであり、
    硫酸イオン源のモル濃度をCs(モル/L)、前記ハロゲン化物イオン源のモル濃度をCh(モル/L)としたとき、
    0≦(Cs/Ch)≦0.004
    であり、
    前記ハロゲン化物イオン源のモル濃度は、前記第二銅イオン源のモル濃度の3.875倍以下であることを特徴とするマイクロエッチング剤。
  2. 前記第二銅イオン源のモル濃度が0.01〜2(モル/L)である請求項1に記載のマイクロエッチング剤。
  3. 前記ハロゲン化物イオン源のモル濃度が0.05〜5(モル/L)である請求項1または2に記載のマイクロエッチング剤。
  4. 前記ポリマーの重量濃度が0.0005〜2(g/L)である請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロエッチング剤。
  5. 銅層を含む配線基板の製造方法であって、
    銅層の表面に請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロエッチング剤を接触させて前記銅層の表面を粗化する粗化処理工程を有することを特徴とする配線基板の製造方法。
  6. 前記銅層は、前記マイクロエッチング剤と接触させる面の表面が圧延銅からなる請求項5に記載の配線基板の製造方法。
  7. 前記粗化処理工程において、無機酸、ハロゲン化物イオン源、およびポリマーを含む酸性水溶液からなる補給液が、前記マイクロエッチング剤に添加され、
    前記補給液中の前記ポリマーは、側鎖にアミノ基または第四級アンモニウム基を含む重量平均分子量が1000以上の水溶性ポリマーである請求項5または6に記載の配線基板の製造方法。
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