〔第一の実施形態〕
図1は、テレビ会議システム100の全体的な構成の例を示す図である。図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の例を示す図である。図3は、会議装置2のハードウェア構成の例を示す図である。図4は、端末装置3のハードウェア構成の例を示す図である。図5は、認証サーバ4のハードウェア構成の例を示す図である。
図1に示すようにテレビ会議システム100は、複数台の画像形成装置1、複数台の会議装置2、複数台の端末装置3、認証サーバ4、および通信回線5などによって構成される。
テレビ会議システム100は、互いに離れた複数の場所にいるユーザ同士が互いの様子をリアルタイムで視聴しながら会議を行うためのシステムである。以下、第一の場所および第二の場所の2個所のユーザ同士が会議を行う場合を例に、説明する。
各ユーザには、ユーザアカウントおよび端末装置3が1つずつ与えられている。各ユーザアカウントには、ユニークなユーザコードおよび各人が決めたパスワードが1組ずつ設定されている。
複数台の画像形成装置1、複数台の会議装置2、複数台の端末装置3、および認証サーバ4は、通信回線5を介して通信することができる。通信回線5として、公衆回線、専用線、インターネット、有線LAN(Local Area Network)、または無線LANなどが用いられる。
以下、画像形成装置1Aおよび画像形成装置1Bが画像形成装置1として設けられ、会議装置2Aおよび会議装置2Bが会議装置2として設けられている場合を例に、説明する。
画像形成装置1Aおよび会議装置2Aは、第一の場所に設置されている。画像形成装置1Bおよび会議装置2Bは、第二の場所に設置されている。また、複数台の端末装置3のうちの一部は、第一の場所において使用され、残りは、第二の場所において使用される。
以下、第一の場所において使用される端末装置3それぞれを「端末装置3A1」、「端末装置3A2」、…、と記載し、第二の場所において使用される端末装置3それぞれを「端末装置3B1」、「端末装置3B2」、…、と記載することがある。
画像形成装置1Aおよび画像形成装置1Bは、ともに、コピー、ネットワークプリント、ファックス、スキャン、およびボックスなどの機能を集約した装置である。一般に、「複合機」または「MFP(Multi Function Peripherals)」などと呼ばれることがある。
ネットワークプリント機能は、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、またはスマートフォンなどの装置から受信した画像データに基づいて画像を用紙に印刷するサービスである。「ネットワークプリンティング」または「PCプリント」などと呼ばれることもある。
ボックス機能は、ユーザごとに「ボックス」または「パーソナルボックス」などと呼ばれる記憶領域を与えておき、各ユーザが自分の記憶領域によって画像ファイルなどを保存し管理するためのサービスである。ボックスは、パーソナルコンピュータにおける「フォルダ」または「ディレクトリ」に相当する。
画像形成装置1Aおよび画像形成装置1Bは、ともに、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、補助記憶装置10d、タッチパネルディスプレイ10e、操作キーパネル10f、NIC(Network Interface Card)10g、モデム10h、スキャンユニット10i、プリントユニット10j、およびフィニッシャ10kなどによって構成される。
タッチパネルディスプレイ10eは、ユーザに対するメッセージを示す画面、ユーザがコマンドまたは情報を入力するための画面、およびCPU10aが実行した処理の結果を示す画面などを表示する。また、タッチパネルディスプレイ10eは、タッチされた位置を示す信号をCPU10aへ送る。
操作キーパネル10fは、いわゆるハードウェアキーボードであって、テンキー、スタートキー、ストップキー、およびファンクションキーなどによって構成される。
NIC10gは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などのプロトコルによって認証サーバ4などと通信する。
モデム10hは、ファクシミリ端末との間でG3などのプロトコルで画像データをやり取りする。
スキャンユニット10iは、プラテンガラスの上にセットされたシートに記されている画像を読み取って画像ファイルを生成する。
プリントユニット10jは、スキャンユニット10iによって読み取られた画像のほか、NIC10gまたはモデム10hによって端末装置3またはファクシミリ端末などから受信した画像データに示される画像を用紙に印刷する。
フィニッシャ10kは、プリントユニット10jによって画像が印刷された用紙すなわち印刷物に対して仕上げの処理を行う。仕上げの処理は、印刷物をステープルで綴じる処理、印刷物にパンチ穴を開ける処理、または印刷物を折り曲げる処理などである。
ROM10cまたは補助記憶装置10dには、上述のコピーなどの機能を用いた種々の種類のジョブを実行するためのプログラムが記憶されている。
さらに、補助記憶装置10dには、サービス提供プログラム10P(図6参照)が記憶されている。
サービス提供プログラム10Pによると、上述の機能を用いて、会議の参加者のためにサービスを提供することができる。
これらのプログラムは、必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。補助記憶装置10dとして、ハードディスクまたはSSD(Solid State Drive)などが用いられる。
会議装置2Aおよび会議装置2Bは、ともに、主に、会議の様子をやり取りするための装置である。
会議装置2Aおよび会議装置2Bは、ともに、図3に示すように、CPU20a、RAM20b、ROM20c、補助記憶装置20d、NIC20e、画像出力インタフェース20f、音声入出力インタフェース20g、デジタルデータインタフェース20h、および近距離無線通信装置20iなどによって構成される。
NIC20eは、TCP/IPなどのプロトコルによって認証サーバ4などと通信する。
画像出力インタフェース20fは、画像の信号を出力する回路である。画像出力インタフェース20fとして、例えばアナログRGB(Red Green Blue)、DVI(Digital Visual Interface)、またはHDMI(High-Definition Multimedia Interface)などの規格の回路が用いられる。「HDMI」は、登録商標である。
また、画像出力インタフェース20fには、プロジェクタまたは液晶ディスプレイなどの、画像を表示するための表示装置が繋がれる。そして、画像出力インタフェース20fは、表示装置へ画像の信号を出力する。以下、表示装置として、プロジェクタ21が使用される場合を例に説明する。
音声入出力インタフェース20gは、音声の入出力用の回路である。音声入出力インタフェース20gは、スピーカ22およびマイク23が繋がれ、音声の信号をスピーカ22へ出力し、音声の信号をマイク23から取得する。
デジタルデータインタフェース20hは、周辺機器へデータを出力し、または、周辺機器から出力されるデータを取得する。デジタルデータインタフェース20hとして、例えば、USB(Universal Serial Bus)ボードが用いられる。
本実施形態では、デジタルデータインタフェース20hは、デジタルビデオカメラ24が繋がれ、デジタルビデオカメラ24によって撮影された動画像のデータを取得するために用いられる。
近距離無線通信装置20iは、到達する距離が十数メートル程度の電波によって通信する。近距離無線通信装置20iとして、例えばBluetoothの規格の装置が用いられる。
ROM20cまたは補助記憶装置20dには、会議用プログラム20P(図7参照)が記憶されている。会議用プログラム20Pは、RAM20bにロードされ、CPU20aによって実行される。
会議装置2Aおよび会議装置2Bとして、いわゆるサーバ機またはデスクトップ型のパーソナルコンピュータなどが用いられる。
端末装置3は、画像形成装置1A、画像形成装置1B、会議装置2A、または会議装置2Bが提供するサービスを受けるためのクライアントである。端末装置3として、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、またはタブレットコンピュータなどが用いられる。以下、端末装置3としてタブレットコンピュータが用いられる場合を例に説明する。
端末装置3は、図4に示すように、CPU30a、RAM30b、ROM30c、フラッシュメモリ30d、タッチパネルディスプレイ30e、操作ボタン群30f、無線通信装置30g、および近距離無線通信装置30hなどによって構成される。
タッチパネルディスプレイ30eには、前に例示した画面などを表示する。また、タッチパネルディスプレイ30eは、タッチされた位置を示す信号をCPU30aへ送る。
操作ボタン群30fは、いわゆるホーム画面に戻るためのボタン、音量を調整するためのボタン、および電源のオン/オフを切り換えるためのボタンなどによって構成される。
無線通信装置30gは、無線LANの規格、つまり、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11の規格に基づいて、通信回線5に設けられている基地局を介してTCP/IPなどのプロトコルによって認証サーバ4などと通信する。
近距離無線通信装置30hは、近距離無線通信装置20iと同じ規格の方式によって通信する。
ROM30cまたはフラッシュメモリ30dには、アプリケーションのほか、参加者用プログラム30P(図8参照)が記憶されている。これらのプログラムは、必要に応じてRAM30bにロードされ、CPU30aによって実行される。
認証サーバ4は、ユーザごとのユーザアカウントを管理し、他の装置からの要求に応じてユーザ認証を行う。
認証サーバ4は、図5に示すように、CPU40a、RAM40b、ROM40c、補助記憶装置40d、およびNIC40eなどによって構成される。認証サーバ4として、いわゆるサーバ機またはデスクトップ型のパーソナルコンピュータなどが用いられる。
NIC40eは、TCP/IPなどのプロトコルによって画像形成装置1A、画像形成装置1B、会議装置2A、会議装置2B、および端末装置3などと通信する。
ROM40cまたは補助記憶装置40dには、会議支援プログラム40P(図9参照)が記憶されている。会議支援プログラム40Pは、RAM40bにロードされ、CPU40aによって実行される。
サービス提供プログラム10P、会議用プログラム20P、参加者用プログラム30P、および会議支援プログラム40Pによると、会議に現在参加しているユーザへのみ、画像形成装置1Aまたは画像形成装置1Bによるサービスを提供することができる。以下、この仕組みについて、説明する。
図6は、画像形成装置1の機能的構成の例を示す図である。図7は、会議装置2の機能的構成の例を示す図である。図8は、端末装置3のハードウェア構成の例を示す図である。図9は、認証サーバ4のハードウェア構成の例を示す図である。図10〜図14は、各装置の処理の流れの例を示すシーケンス図である。
サービス提供プログラム10Pによると、図6に示す認証問合部101、ログイン処理部102、メンバ問合部103、およびジョブ実行部104などの機能が画像形成装置1Aおよび画像形成装置1Bのそれぞれに実現される。
会議用プログラム20Pによると、図7に示すログイン要求転送部201、会議立上処理部202、会議コード記憶部203、接続処理部204、ログアウト要求転送部205、会議終了処理部206、および切断処理部207などの機能が会議装置2Aおよび会議装置2Bのそれぞれに実現される。
参加者用プログラム30Pによると、図8に示す第一のログイン要求部301、第二のログイン要求部302、会議コード記憶部303、検知制御部304、メンバデータ記憶部305、新規メンバ検出部306、デバイスデータ取得部307、新規メンバ通知部308、退出メンバ検出部309、退出メンバ通知部311、第三のログイン要求部312、ジョブ指令部313、ログアウト要求部314、解散要求部315、およびデバイス情報付与部316などの機能が各端末装置3に実現される。
会議支援プログラム40Pによると、図9に示すユーザアカウント記憶部401、ログイン処理部402、グループ生成部403、グループデータ記憶部404、新規メンバ追加部405、退出メンバ削除部406、ユーザ照会部407、メンバ回答部408、ログアウト処理部409、およびグループ解散処理部411などの機能が認証サーバ4に実現される。
ユーザアカウント記憶部401には、ユーザごとに、ユーザコードおよびパスワードを示すユーザアカウントデータ6Aが記憶されている。
図6〜図9に示す各部は、会議の準備を開始してから会議が終了するまでの間、図10〜図14に示す手順で処理を実行する。
以下、次の条件の下のテレビ会議システム100が使用される場合を例に、各部の処理について説明する。
会議の責任者であるユーザ5Aが第一の場所におり、端末装置3として端末装置3A1を使用する。ユーザ5Bが第一の場所におり、端末装置3として端末装置3B1を使用する。
〔会議の準備のための処理〕
ユーザ5Aは、自分のユーザコードおよびパスワードのほか、他方の場所の会議装置すなわち会議装置2Bの識別子(例えば、IPアドレス)および会議の処理の開始の第一のコマンドを、自分の端末装置3A1へ入力する。
端末装置3A1において、第一のログイン要求部301は、これらの情報およびコマンドの入力を受け付けると(#501)、端末装置3A1と同じ場所にある会議装置すなわち会議装置2Aへログイン要求データ6Bを送信する(#502)。ログイン要求データ6Bには、これらの情報および第一のコマンドのほか、端末装置3A1自身のIPアドレスが示される。
会議装置2Aにおいて、ログイン要求転送部201は、ログイン要求データ6Bを端末装置3A1から受信すると(#531)、ログイン要求データ6Bを認証サーバ4へ転送する(#532)。
なお、会議装置2Aおよび会議装置2Bは、ログイン要求データ6Bを受信した場合は、マスタとして動作する。したがって、会議装置2Aは、マスタとして動作する。一方、後述するログイン要求データ6Fを受信した場合は、スレーブとして動作する。後述する会議立上処理部202、接続処理部204、および会議終了処理部206は、いずれも、マスタとして動作する場合およびスレーブとして動作する場合によって処理の内容が異なる。
認証サーバ4において、ログイン処理部402は、ログイン要求データ6Bを受信すると(#581)、ユーザ5Aを認証サーバ4へログインさせる処理を次のように行う。
ログイン処理部402は、ログイン要求データ6Bに示されるユーザコードおよびパスワードと、ユーザアカウント記憶部401に記憶されている各ユーザアカウントデータ6Aのユーザコードおよびパスワードとを照合する(#582)。そして、ログイン要求データ6Bに示されるユーザコードおよびパスワードを示すユーザアカウントデータ6Aがあれば、認証サーバ4へユーザ5Aをログインさせ(#583)、ログインに成功したことを示す結果データ6Cを会議装置2Aへ送信する(#584)。
ユーザ5Aのログイン後、グループ生成部403は、会議の参加者のグループを生成するための処理を次のように行う。
グループ生成部403は、ユニークなグループコードを発行し、グループデータ6Dを生成し、グループデータ記憶部404に記憶させる(#585)。グループデータ6Dは、グループのメンバつまり会議に参加するユーザそれぞれの端末装置3のIPアドレスを示す。さらに、グループデータ6Dは、発行した会議コードを示す。ただし、この時点では、IPアドレスとして、ステップ#581で受信したログイン要求データ6Bに示されるIPアドレスだけがグループデータ6Dに示される。
そして、グループ生成部403は、この会議コードを示す会議コードデータ6Eを会議装置2Aへ送信する(#586)。
会議コードは、会議を識別するだけでなく、第一の場所および第二の場所の両方からなる場所を識別する。
ユーザ5Bは、自分のユーザコードおよびパスワードのほか会議の処理の開始の第二のコマンドを端末装置3B1へ入力する。
端末装置3B1において、第二のログイン要求部302は、これらの情報およびコマンドの入力を受け付けると、端末装置3B1と同じ場所にある会議装置すなわち会議装置2Bへログイン要求データ6Fを送信する。ログイン要求データ6Fには、これらの情報および第二のコマンドのほか、端末装置3B1自身のIPアドレスが示される。
会議装置2Bにおいて、ログイン要求転送部201は、ログイン要求データ6Fを端末装置3B1から受信すると(#561)、ユーザ5Bを認証サーバ4へログインさせるために、ログイン要求データ6Fを認証サーバ4へ転送する(#562)。
認証サーバ4において、ログイン処理部402は、ログイン要求データ6Fを受信すると(#587)、ステップ#582〜#583と同様の処理を、ログイン要求データ6Bの代わりにログイン要求データ6Fを用いて実行する(#588〜図11の#589)。そして、結果データ6Cを会議装置2Bへ送信する(#590)。
さらに、新規メンバ追加部405は、ログイン要求データ6Fに示されるIPアドレスすなわち端末装置3B1のIPアドレスを、グループデータ記憶部404に記憶されているグループデータ6Dに書き加える(#591)。
会議装置2Bにおいて、会議立上処理部202は、結果データ6Cを受信すると(#563)、端末装置3B1へ結果データ6Cを転送する(#564)。そして、他の会議装置からの接続の要求を待つ。
会議装置2Aにおいて、会議立上処理部202は、結果データ6Cを認証サーバ4から受信すると(図10の#533)、会議を立ち上げるための処理を次のように行う。
会議立上処理部202は、ステップ#531で受信したログイン要求データ6Bの送信元すなわち端末装置3A1へ結果データ6Cを転送する(#534、#503)。
その後、会議コードデータ6Eを認証サーバ4から受信すると(#535)、会議立上処理部202は、会議コードデータ6Eを会議コード記憶部203に記憶させるとともに(#536)、このログイン要求データ6Bの送信元すなわち端末装置3A1へ転送する(#537)。
さらに、会議立上処理部202は、このログイン要求データ6BにIPアドレスが示される会議装置2Bとの接続を行うように、接続処理部204へ指令する。
すると、接続処理部204は、会議装置2Bの接続処理部204とともに、会議装置2Aと会議装置2Bとの接続のための処理を行う。この処理は、SSL(Secure Sockets Layer)/TLS(Transport Layer Security)など公知のプロトコルに従って行えばよい。
例えば、会議装置2Aの接続処理部204は、会議装置2Bへ接続の要求を示す接続要求データ6Gを行う(図11の#538)。
会議装置2Bの接続処理部204は、接続要求データ6Gを受信すると(#565)、要求を受け入れる旨を会議装置2Aへ回答する(#566)。この際に、公開鍵6Hを会議装置2Aへ送信する。なお、会議装置2Bの接続処理部204は、接続要求データ6Gに対応する秘密鍵6Jを有する。
会議装置2Aの接続処理部204は、要求を受け入れる旨の回答および公開鍵6Hを受信すると(#539)、会議装置2Aと会議装置2Bとの間の通信に使用する共通鍵6Kを生成し(#540)、これを公開鍵6Hで暗号化して会議装置2Bへ送信する(#541)。
会議装置2Bの接続処理部204は、共通鍵6Kを受信すると(#567)、共通鍵6Kを秘密鍵6Jによって復号し、会議装置2Aの接続処理部204および会議装置2Bの接続処理部204は、接続を確立する(#542、#568)。その後、会議装置2Aおよび会議装置2Bは、後述する各データを、共通鍵6Kによって暗号化してやり取りする。
そして、会議装置2Aにおいて、会議立上処理部202は、接続が確立されたら、会議装置2Bへ会議コードデータ6Eを送信する(#543)。
会議装置2Bにおいて、会議立上処理部202は、会議コードデータ6Eを受信すると(#569)、会議コードデータ6Eを会議コード記憶部203に記憶させるとともに(#570)、端末装置3B1へ転送する(#571)。
端末装置3B1において、会議コードデータ6Eが受信されると、会議コード記憶部303に記憶される。
〔準備の完了から会議の終了までの処理〕
会議装置2Aは、会議中、自らに接続されているデジタルビデオカメラ24によって撮影された、第一の場所の様子の画像と、自らに接続されているマイク23によって集音された、第一の場所の音声とを、会議装置2Bへ送信する。
同様に、会議装置2Bは、会議中、自らに接続されているデジタルビデオカメラ24によって撮影された、第二の場所の様子の画像と、自らに接続されているマイク23によって集音された、第二の場所の音声とを、会議装置2Bへ送信する。
そして、会議装置2Aは、会議装置2Bから送信されてきた画像を、自らに接続されているプロジェクタ21によって表示するとともに、会議装置2Bから送信されてきた音声を、自らに接続されているスピーカ22によって再生する。
同様に、会議装置2Bは、会議装置2Aから送信されてきた画像を、自らに接続されているプロジェクタ21によって表示するとともに、会議装置2Aから送信されてきた音声を、自らに接続されているスピーカ22によって再生する。
端末装置3A1において、近距離無線通信装置30hは、ビーコン信号を常時または定期的に(例えば、30秒ごとに)、監視している。また、近距離無線通信装置30hは、第一の場所にある装置のみと通信を行えるように、電波強度が設定されている。なお、端末装置3B1の近距離無線通信装置30hも同様に、第二の場所にある装置のみと通信を行えるように、電波強度が設定されている。
メンバデータ記憶部305には、端末装置3A1の近傍にある他の端末装置3ごとのメンバデータ6Lが記憶される。ただし、参加者用プログラム30Pが起動した直後は、メンバデータ記憶部305には、メンバデータ6Lが1つも記憶されていない。
図10のステップ#502のログインの要求に対する応答として、結果データ6Cおよび会議コードデータ6Eが受信されると(#503、#504)、会議コード記憶部303は、会議コードデータ6Eを記憶する(#505)。
そして、ホストの機能が開始し(図11の#506)、第一の場所における他の端末装置3の存在に関する処理が次のように実行される。
検知制御部304は、近距離無線通信装置30hがビーコン信号を監視していなければ、近距離無線通信装置30hにビーコン信号の監視を開始させる。
ビーコン信号が近距離無線通信装置30hによって検知されると(図12の#507)、新規メンバ検出部306、新規メンバ通知部308、退出メンバ検出部309、および退出メンバ通知部311は、次のように処理を行う。
新規メンバ検出部306は、ビーコン信号に示される識別子(例えば、UUID(Universally Unique Identifier))が、メンバデータ記憶部305に記憶されているメンバデータ6Lのいずれにも示されていない場合は、このビーコン信号の発信元である他の端末装置3を、新たに会議に訪れたユーザのデバイスとして検出する(#508)。以下、このようなデバイスとして端末装置3A2が検出された場合を例に説明する。
デバイスデータ取得部307は、端末装置3A2へ接続し、端末装置3A2のIPアドレスなどの情報を端末装置3A2へ問い合わせる(#509)。すると、端末装置3A2において、デバイス情報付与部316は、端末装置3A2自身のIPアドレスなどの示すデバイスデータ6Mを問合せ元すなわち端末装置3A1へ送信する。
そして、端末装置3A1において、デバイスデータ取得部307は、デバイスデータ6Mを受信する(#510)。
デバイスデータ取得部307は、端末装置3A2からデバイスデータ6Mを受信すると、端末装置3A2のUUIDおよびIPアドレスを示すメンバデータ6Lを生成し、メンバデータ記憶部305に記憶させる(#511)。
なお、同時期に複数台の他の端末装置3を会議に参加するユーザのデバイスとして検出した場合は、デバイスデータ取得部307は、1台ずつ接続してデバイスデータ6Mを取得しメンバデータ6Lを生成すればよい。
そして、新規メンバ通知部308は、このデバイスデータ6Mを認証サーバ4へ送信する(#512)。
一方、退出メンバ検出部309は、会議から退出したユーザの端末装置3を次のように検出する(#513)。
退出メンバ検出部309は、メンバデータ記憶部305に記憶されているメンバデータ6Lそれぞれに示されるUUIDを、近距離無線通信装置30hによって検知されたビーコン信号に示されるUUIDと照合する。
そして、退出メンバ検出部309は、メンバデータ記憶部305に記憶されているメンバデータ6Lそれぞれに示されるUUIDのうち、所定の期間(例えば、数秒ないし1分の間)に検知されたビーコン信号のいずれにも示されないものを選出し、選出したUUIDを有する端末装置3を、会議から退出したユーザの端末装置3として検出する。
退出メンバ通知部311は、退出メンバ検出部309によって検出された端末装置3のIPアドレスを示す退出メンバデータ6Nを会議コードデータ6Eとともに認証サーバ4へ送信する(#514)。さらに、メンバデータ記憶部305は、検出された端末装置3のメンバデータ6Lをメンバデータ記憶部305から削除する(#515)。
図10〜図14には示していないが、端末装置3B1において、会議コードデータ6Eが受信されると、ステップ#506〜#513と同様の処理が、検知制御部304、メンバデータ記憶部305、新規メンバ検出部306、新規メンバ通知部308、退出メンバ検出部309、および退出メンバ通知部311によって、適宜、実行される。
認証サーバ4において、新規メンバ追加部405は、端末装置3A1または端末装置3B1から会議コードデータ6Eおよびデバイスデータ6Mを受信すると(#592)、会議コードデータ6Eに示される会議コードを示すグループデータ6Dをグループデータ記憶部404から検索し、このグループデータ6Dへ、デバイスデータ6Mに示されるIPアドレスを書き加える(#593)。
退出メンバ削除部406は、端末装置3A1または端末装置3B1から会議コードデータ6Eおよび退出メンバデータ6Nを受信すると(#594)、会議コードデータ6Eに示される会議コードを示すグループデータ6Dをグループデータ記憶部404から検索し、このグループデータ6Dから、退出メンバデータ6Nに示されるIPアドレスを削除する(#595)。
会議に出席しているユーザは、会議のために、画像形成装置1Aまたは画像形成装置1Bのサービスを受けることができる。以下、ユーザ5Aが、第一の場所または第二の場所に現在いるユーザへ、用紙に印刷されているドキュメントを画像形成装置1Aでスキャンして電子データとして配付するサービスを受ける場合を例に、各装置の各部の処理を説明する。なお、このサービスを提供するためのジョブは、「Scan_To_グループジョブ」と呼ばれることがある。
ユーザ5Aは、端末装置3A1を操作して画像形成装置1Aへのログインのコマンドを入力する。
端末装置3A1において、第三のログイン要求部312は、コマンドを受け付けると(#516)、画像形成装置1Aへログイン要求データ6Pを送信する(#517)。ログイン要求データ6Pには、ユーザ5Aのユーザコードおよびパスワードが示されている。
画像形成装置1Aにおいて、認証問合部101は、ログイン要求データ6Pを受信すると(#611)、ログイン要求データ6Pを認証サーバ4へ転送することによって、ユーザ5Aが正当なユーザであるか問い合わせる(#612)。
認証サーバ4において、ユーザ照会部407は、ログイン要求データ6Pを受信すると(#596)、ユーザ5Aが正当なユーザであるかを次のように照会する(#597)。
ユーザ照会部407は、ログイン要求データ6Pに示されるユーザコードおよびパスワードと、ユーザアカウント記憶部401に記憶されている各ユーザアカウントデータ6Aのユーザコードおよびパスワードとを照合する。
ユーザ照会部407は、ログイン要求データ6Pに示されるユーザコードおよびパスワードを示すユーザアカウントデータ6Aがあれば、正当なユーザであると判別する。そうでなければ、正当なユーザでないと、判別する。
そして、ユーザ照会部407は、判別(照会)の結果を示す結果データ6Qを画像形成装置1Aへ送信する(図13の#598)。
画像形成装置1Aにおいて、ログイン処理部102は、結果データ6Qを受信すると(#613)、正当なユーザであることがこの結果データ6Qに示されていれば、ユーザ5Aを画像形成装置1Aにログインさせるとともに(#614)、結果データ6Qを端末装置3A1へ転送する(#615)。
端末装置3A1において、ジョブ指令部313は、結果データ6Qを画像形成装置1Aから受信すると(#518)、ジョブの指令を待機する。
ユーザ5Aは、画像形成装置1Aにログインすることができたら、用紙を画像形成装置1Aにセットする。そして、Scan_To_グループジョブのコマンドおよび条件などを入力する。すると、ジョブ指令部313は、このコマンドを受け付け(#519)、ジョブ指令データ6Rを画像形成装置1Aへ送信する(#520)。ジョブ指令データ6Rには、入力されたコマンドおよび条件のほか、会議コードが示される。この会議コードは、会議コード記憶部303に記憶されている会議コードデータ6Eに示されるものと同じである。
画像形成装置1Aにおいて、メンバ問合部103は、ジョブ指令データ6Rを受信すると(#616)、ユーザ5Aが所属するグループのメンバを認証サーバ4へ問い合わせる(#617)。この際に、メンバ問合データ6Sを認証サーバ4へ送信する。メンバ問合データ6Sには、ジョブ指令データ6Rに示される会議コードが示される。
認証サーバ4において、メンバ回答部408は、メンバ問合データ6Sを受信すると(#599)、メンバ問合データ6Sに示される会議コードを示すグループデータ6Dをグループデータ記憶部404から検索し、画像形成装置1Aへ送信する(#600)。
画像形成装置1Aにおいて、ジョブ実行部104は、グループデータ6Dを受信すると(#618)、グループデータ6Dおよびステップ#616で受信したジョブ指令データ6Rに基づいてジョブを実行する(#619)。
具体的には、ジョブ実行部104は、セットされた用紙から画像をスキャンユニット10iによって読み取り、ジョブ指令データ6Rに示される条件に基づいて画像処理を行うことによって、画像データを生成する。そして、この画像データを、グループデータ6DにIPアドレスが示される各端末装置3へ送信する。
〔会議の終了の際の処理〕
ユーザ5Aは、会議を終了する際に、端末装置3A1へログアウトのコマンドを入力する。
端末装置3A1において、ログアウト要求部314は、ログアウトのコマンドを受け付けると(#521)、ログアウト要求データ6Tを会議装置2Aへ送信する(#522)。ログアウト要求データ6Tには、ユーザ5Aのユーザコードが示されている。
会議装置2Aにおいて、ログアウト要求転送部205は、ログアウト要求データ6Tを受信すると(#544)、認証サーバ4へログアウト要求データ6Tを転送する(#545)。
認証サーバ4において、ログアウト処理部409は、ログアウト要求データ6Tを受信すると(#601)、ログアウト要求データ6Tにユーザコードが示されるユーザつまりユーザ5Aを認証サーバ4からログアウトさせる(#602)。そして、ログアウトに成功したことを示す結果データ6Uを会議装置2Aへ送信する(#603)。
会議装置2Aにおいて、会議終了処理部206は、結果データ6Uを受信すると(#546)、会議の終了に関する処理を次のように実行する。
会議終了処理部206は、会議装置2Bとの接続を終了させる(図14の#547)。さらに、会議コード記憶部303から会議コードデータ6Eを削除する(#548)。そして、結果データ6Uを端末装置3A1へ転送する(#549)。
なお、会議装置2Bにおいても、会議終了処理部206は、会議装置2Aとの接続を切断し(#572)、会議コード記憶部303から会議コードデータ6Eを削除する(#573)。さらに、スレーブとして動作している場合は、第二の場所におけるホストすなわち端末装置3B1へ、会議コードデータ6Eの削除を指令する(#574)。
すると、端末装置3B1において、会議コード記憶部303から会議コードデータ6Eが削除される。
端末装置3A1において、結果データ6Uが会議装置2Aから受信されると(#523)、新規メンバ検出部306は、新たに会議に訪れたユーザの端末装置3を検出する処理を停止する(#524)。退出メンバ検出部309は、会議を退出したユーザの端末装置3を検出する処理を停止する(#525)。
ところで、会議が終了した後であっても、最後に残っていたユーザへドキュメントの電子データを配付したい場合がある。そこで、ユーザ5Aは、上述の通りに操作を行うことによって、Scan_To_グループのサービスを受けることができる。ユーザの操作に応じて、各装置は、ステップ#516〜#520、#611〜#619、#595〜#599の処理を実行する。
ユーザ5Aは、サービスを受ける必要がなくなったら、グループの解散のコマンドを端末装置3A1に入力する。
端末装置3A1において、解散要求部315は、このコマンドを受け付けると(#526)、解散要求データ6Vを認証サーバ4へ送信する(#527)。なお、解散要求データ6Vには、会議コード記憶部303に記憶されている会議コードデータ6Eが示す会議コードが示される。
そして、会議コードデータ6Eが、会議コード記憶部303から削除される(#528)。
認証サーバ4において、グループ解散処理部411は、解散要求データ6Vを受信すると(#604)、解散要求データ6Vに示される会議コードを示すグループデータ6Dをグループデータ記憶部404の中から検索し、このグループデータ6Dを削除する(#
605)。
〔第二の実施形態〕
図15は、画像形成装置1の機能的構成の例を示す図である。図16は、会議装置2の機能的構成の例を示す図である。図17は、端末装置3の機能的構成の例を示す図である。図18は、認証サーバ4の機能的構成の例を示す図である。図19〜図23は、各装置の処理の流れの例を示すシーケンス図である。
第一の実施形態では、会議に参加しているユーザの情報を認証サーバ4が纏めて管理した。第二の実施形態では、会議装置2Aおよび会議装置2Bのうちのいずれか一方が纏めて管理する。以下、会議装置2Aが纏めて管理する場合を例に、説明する。なお、第一の実施形態と重複する点については、説明を省略する。
テレビ会議システム100の構成は、第一の実施形態の場合と同様であり、図1に示した通りである。各装置のハードウェアの構成も、第一の実施形態の場合と同様であり、図2〜図5に示した通りである。
ただし、画像形成装置1Aおよび画像形成装置1Bには、サービス提供プログラム10Pの代わりにサービス提供プログラム10Qが記憶されている。会議装置2Aおよび会議装置2Bには、会議用プログラム20Pの代わりに会議用プログラム20Qが記憶されている。端末装置3には、参加者用プログラム30Pの代わりに参加者用プログラム30Qが記憶されている。認証サーバ4には、会議支援プログラム40Pの代わりに会議支援プログラム40Qが記憶されている。
サービス提供プログラム10Qによると、図15に示す認証問合部181、ログイン処理部182、メンバ問合部183、およびジョブ実行部184などの機能が画像形成装置1Aおよび画像形成装置1Bのそれぞれに実現される。
会議用プログラム20Qによると、図16に示すログイン要求転送部271、会議立上処理部272、接続処理部273、ログアウト要求転送部274、会議終了処理部275、検知制御部281、メンバデータ記憶部282、グループデータ記憶部283、新規メンバ検出部284、デバイスデータ取得部285、退出メンバ検出部286、新規メンバ通知部287、退出メンバ通知部288、新規メンバ追加部289、退出メンバ削除部291、メンバ回答部292、およびグループ解散処理部293などの機能が会議装置2Aおよび会議装置2Bのそれぞれに実現される。
参加者用プログラム30Qによると、図17に示す第一のログイン要求部371、第二のログイン要求部372、第三のログイン要求部373、ジョブ指令部374、ログアウト要求部375、解散要求部376、およびデバイス情報付与部377などの機能が各端末装置3に実現される。
会議支援プログラム40Qによると、図18に示すユーザアカウント記憶部471、ログイン処理部472、ユーザ照会部473、およびログアウト処理部474などの機能が認証サーバ4に実現される。
ユーザアカウント記憶部471には、第一の実施形態のユーザアカウント記憶部401(図9参照)と同様に、ユーザアカウントデータ6Aが記憶されている。
図15〜図18に示す各部は、会議の準備を開始してから会議が終了するまでの間、図19〜図23に示す手順で処理を実行する。
以下、第一の実施形態の場合と同様の条件の下のテレビ会議システム100が使用される場合を例に、各部の処理について説明する。
〔会議の準備のための処理〕
ユーザ5Aは、第一の実施形態の場合と同様に、自分のユーザコードおよびパスワードのほか、会議装置2BのIPアドレスおよび第一のコマンドを、端末装置3A1へ入力する。
すると、端末装置3A1の第一のログイン要求部371は、会議装置2Aのログイン要求転送部271、および認証サーバ4のログイン処理部472は、ユーザ5Aを認証サーバ4へログインさせるための処理を行う(図19の#631〜#633、#651〜#654、#721〜#724)。この処理は、第一の実施形態のステップ#501〜#503、#531〜#534、#581〜#584(図10〜図14参照)の処理と同様である。
ユーザ5Bは、第一の実施形態の場合と同様に、自分のユーザコードおよびパスワードのほか第二のコマンドを端末装置3B1へ入力する。
すると、端末装置3B1の第二のログイン要求部372は、第一の実施形態の第二のログイン要求部302(図8参照)と同様に、会議装置2Bへログイン要求データ6Fを送信する。
そして、会議装置2Bのログイン要求転送部271および認証サーバ4のログイン処理部472は、ユーザ5Bを認証サーバ4へログインさせるための処理を行う(#691〜#694、#725〜#728)。この処理は、第一の実施形態のステップ#561〜#564、#587〜#590の処理と同様である。
ユーザ5Aおよびユーザ5Bがともに認証サーバ4へログインすることができたら、会議装置2Aの会議立上処理部272および接続処理部273ならびに会議装置2Bの会議立上処理部272および接続処理部273は、第一の実施形態のステップ#538〜#542、#565〜#568と同様に、会議の立上げのための処理を行う(図20の#655〜#659、#695〜#698)。
〔準備の完了から会議の終了までの処理〕
会議装置2Aおよび会議装置2Bは、第一の実施形態の場合と同様に、互いの場所の様子を伝えるために、動画像および音声をやり取りする。
第二の実施形態では、会議装置2Aおよび会議装置2Bは、ホストの機能を開始する(#660、#699)。また、会議装置2Aはマスタとして機能し、会議装置2Bはスレーブとして機能する。
さらに、会議装置2Aにおいて、グループデータ記憶部283によるグループのメンバの管理が開始される(#661)。グループデータ記憶部283には、グループデータ6Wが記憶されており、第一の実施形態における認証サーバ4のグループデータ記憶部404と同様の役割を果たす。
グループデータ6Wには、グループのメンバつまり会議に参加するユーザそれぞれの端末装置3のIPアドレスが示される。ただし、ステップ#661の時点では、このようなIPアドレスが1つも示されていない。
会議装置2Aにおいて、メンバデータ記憶部282には、第一の実施形態のメンバデータ記憶部305と同様に、メンバデータ6Lが記憶される。ただし、会議用プログラム20Qが起動した直後は、メンバデータ6Lが1つも記憶されていない。会議装置2Bのメンバデータ記憶部282も、同様である。
会議装置2Aにおいて、検知制御部281は、近距離無線通信装置20iによるビーコン信号の監視を適宜、開始させる。すると、近距離無線通信装置20iは、常時または定期的に(例えば、30秒ごとに)ビーコン信号を監視する。
近距離無線通信装置20iは、第一の場所にある装置のみと通信を行えるように、電波強度が設定されている。なお、会議装置2Bの近距離無線通信装置20iも同様に、第二の場所にある装置のみと通信を行えるように、電波強度が設定されている。
近距離無線通信装置20iによってビーコンが検知されると(#662)、新規メンバ検出部284などによって次の処理が実行される。
新規メンバ検出部284は、新たに会議に訪れたユーザの端末装置3を検出する(#663)。デバイスデータ取得部285は、検出した端末装置3のデバイスデータ6Mを取得し(#664〜#665)、メンバデータ6Lをメンバデータ記憶部282に記憶させる(#666)。なお、この際に、端末装置3のデバイス情報付与部377は、デバイスデータ6Mを会議装置2Aへ送信する。退出メンバ検出部286は、会議から退出したユーザの端末装置3を検出し(図21の#668)、その端末装置3のメンバデータ6Lをメンバデータ記憶部282から削除する(#669)。これらの処理は、第一の実施形態の#508〜#511、#513、#515の処理と同様である。
会議装置2Bにおいても同様に、検知制御部281、新規メンバ検出部284、デバイスデータ取得部285、および退出メンバ検出部286によって、第一の実施形態の#507〜#511、#513、#515の処理と同様の処理が行われる(#700〜#704、#706、#708)。
会議装置2Bにおいては、さらに、新規メンバ通知部287が、デバイスデータ6Mを、認証サーバ4ではなく会議装置2Aへ送信する(#705)。また、退出メンバ通知部288が、退出メンバデータ6Nを、認証サーバ4ではなく会議装置2Aへ送信する(#707)。
会議装置2Aにおいて、新規メンバ追加部289は、ステップ#663において新規メンバ検出部284によって検出された端末装置3のIPアドレスを、グループデータ記憶部283に記憶されているグループデータ6Wへ書き加える(#667)。このIPアドレスは、デバイスデータ取得部285によって取得されたデバイスデータ6Mに示されている。
また、新規メンバ追加部289は、会議装置2Bからデバイスデータ6Mを受信すると(#671)、ステップ#667と同様に、これに示されるIPアドレスをグループデータ6Wへ書き加える(#672)。
退出メンバ削除部291は、ステップ#668において退出メンバ検出部286によって検出された端末装置3のIPアドレスを、グループデータ記憶部283に記憶されているグループデータ6Wから削除する(#670)。
また、退出メンバ削除部291は、会議装置2Bから退出メンバデータ6Nを受信すると(#673)、ステップ#670と同様に、退出メンバデータ6Nに示されるIPアドレスをグループデータ6Wから削除する(#674)。
第一の実施形態の場合と同様、会議に出席しているユーザは、会議のために、画像形成装置1Aまたは画像形成装置1Bのサービスを受けることができる。以下、ユーザ5Aが、第一の場所または第二の場所に現在いるユーザへ、用紙に印刷されているドキュメントを画像形成装置1Aでスキャンして電子データとして配付するサービスを受ける場合を例に、各装置の各部の処理を説明する。
ユーザ5Aによる操作は、第一の実施形態の場合と同様である。ユーザ5Aを画像形成装置1Aへログインさせるための処理も、第一の実施形態の場合と同様である。
すなわち、端末装置3A1の第三のログイン要求部373は、第一の実施形態のステップ#516〜#517と同様の処理を行う(図22の#634〜#635)。画像形成装置1Aの認証問合部181およびログイン処理部182は、ステップ#611〜#615と同様の処理を行う(#741〜#745)。認証サーバ4のユーザ照会部473は、ステップ#595〜#597と同様の処理を行う(#729〜#731)。
端末装置3A1において、ジョブ指令部374は、第一の実施形態のジョブ指令部313と同様に、結果データ6Qを画像形成装置1Aから受信すると(#636)、ジョブの指令を待機する。
そして、ジョブ指令部374は、この指令などを受け付けると(#637)、第一の実施形態のジョブ指令部313と同様に、ジョブ指令データ6Rを画像形成装置1Aへ送信する(#638)。ただし、会議コードデータ6Eは送信しない。会議コードデータ6Eの代わりに、端末装置3A1のホストつまり会議装置2AのIPアドレスを示すホストデータ6Xを送信する。
画像形成装置1Aにおいて、メンバ問合部183は、ジョブ指令データ6Rおよびホストデータ6Xを受信すると(#746)、ユーザ5Aが所属するグループのメンバを、ホストデータ6XにIPアドレスが示される会議装置(つまり、会議装置2A)へ問い合わせる(#747)。この際に、メンバ問合データ6Yを会議装置2Aへ送信する。
会議装置2Aにおいて、メンバ回答部292は、メンバ問合データ6Yを受信すると(#675)、グループデータ6Wをグループデータ記憶部283から読み出し、画像形成装置1Aへ送信する(#676)。
画像形成装置1Aにおいて、第一の実施形態の#618〜#619と同様に、ジョブ実行部184は、グループデータ6Wを受信すると(#748)、グループデータ6Wおよびステップ#616で受信したジョブ指令データ6Rに基づいてジョブを実行する(#749)。ただし、グループデータ6Dの代わりにグループデータ6Wに示されるIPアドレスの端末装置3へ画像データを送信する。
〔会議の終了の際の処理〕
ユーザ5Aは、会議を終了する際に、第一の実施形態の場合と同様に、端末装置3A1へログアウトのコマンドを入力する。
すると、端末装置3A1のログアウト要求部375は、第一の実施形態のステップ#521〜#523と同様の処理を実行する(図23の#639〜#641)。
会議装置2Aのログアウト要求転送部274および会議終了処理部275は、第一の実施形態の#544〜#547、#549と同様の処理を実行する(#677〜#681)。さらに、新規メンバ検出部284は、新たに会議に訪れたユーザの端末装置3を検出する処理を停止する(#682)。退出メンバ検出部286は、会議を退出したユーザの端末装置3を検出する処理を停止する(#683)。
会議装置2Bにおいても、会議終了処理部275は、会議装置2Aとの接続の終了の処理を行う(#709)。そして、新規メンバ検出部284は、新たに会議に訪れたユーザの端末装置3を検出する処理を停止する(#710)。退出メンバ検出部286は、会議を退出したユーザの端末装置3を検出する処理を停止する(#711)。
認証サーバ4において、ログアウト処理部474は、第一の実施形態のステップ#600〜#602と同様の処理を実行する(#732〜#734)。
第二の実施形態においても、ユーザは、会議が終了した後であっても、上述の通りに操作を行うことによって、Scan_To_グループのサービスを受けることができる。ユーザの操作に応じて、各装置は、ステップ#637〜#638、#736〜#739、#675〜#676の処理を実行する。
ユーザ5Aは、サービスを受ける必要がなくなったら、第一の実施形態の場合と同様に、グループの解散のコマンドを端末装置3A1に入力する。
端末装置3A1において、解散要求部376は、このコマンドを受け付けると(#642)、解散要求データ6Zを会議装置2Aへ送信する(#643)。
会議装置2Aにおいて、グループ解散処理部293は、解散要求データ6Zを受信すると(#684)、グループデータ6Wに示されるIPアドレスをすべて削除する(#685)。
第一の実施形態および第二の実施形態によると、まさに会議の会場にいるユーザを従来よりも容易に特定し、特定したユーザへ資料の電子データを配付することができる。
また、ユーザ5Aがユーザ5A自身の端末装置3(端末装置3A1)を操作して会議装置2Aを介して認証サーバ4へログインし、ユーザ5Bがユーザ5B自身の端末装置3(端末装置3B1)を操作して会議装置2Bを介して認証サーバ4へログインする。そして、端末装置3A1、3B1、会議装置2A、または会議装置2Bによって検出された端末装置3をグループに加える。これにより、資料をよりセキュアに配付するためのデータ(グループデータ6Dまたはグループデータ6W)を生成することができる。
第一の実施形態においては、新たに会議に訪れたユーザの端末装置3および会議から退出したユーザの端末装置3を、各場所の特定の端末装置3(端末装置3A1、端末装置3B1)が検出した。第二の実施形態においては、会議装置2Aおよび会議装置2Bが検出した。
しかし、これらの装置以外の装置が検出してもよい。例えば、第一の場所および第二の場所それぞれに設けられたプロジェクタ21が検出してもよい。さらに、これらのプロジェクタ21のうちのいずれか1台が、第二の実施形態の会議装置2Aと同様に、グループデータ6Wを管理し、画像形成装置1へ適宜、提供してもよい。これらのプロジェクタ21同士は、データを双方向に、近距離無線通信によってやり取りしてもよいし、LANによってやり取りしてもよい。または、第一の場所および第二の場所それぞれに設けられた無線基地局が検出してもよい。または、画像形成装置1Aおよび画像形成装置1Bが検出してもよい。
第一の実施形態および第二の実施形態では、ユーザ5Aがグループの解散のコマンドを入力した後、グループを解散するための処理を行ったが、ユーザ5Aがログアウトしたタイミングでこの処理を行ってもよい。または、ユーザ5Aがログアウトした後、所定の時間(例えば、15分)が経過した後にこの処理を行ってもよい。
第一の実施形態および第二の実施形態では、画像形成装置1Aは、グループデータ6Dまたはグループデータ6Wに基づいて、Scan_To_グループジョブを実行したが、他のジョブを実行してもよい。例えば、コピージョブを実行してもよい。この場合は、グループデータ6Dまたはグループデータ6Wに示されるIPアドレスの個数分、複写を行い印刷物を生成する。
または、グループデータ6Dまたはグループデータ6Wに、各端末装置3のIPアドレスだけでなく設置場所(第一の場所または第二の場所)を記録しておく。そして、画像形成装置1Aは、第一の場所に設置されている端末装置3の個数分、印刷物を生成する。画像形成装置1Bは、画像形成装置1Aがスキャンして得た電子データを画像形成装置1Aから取得し、第二の場所に設置されている端末装置3の個数分、印刷物を生成する。
第一の実施形態および第二の実施形態では、テレビ会議を例に挙げたが、電話会議(音声のみによる会議)またはチャット会議(テキストのみによる会議)などの場合にも、本発明を適用することができる。
本実施形態では、1つの会議のためにテレビ会議システム100を使用する場合を例に説明したが、会議コードを会議ごとに発行することによって、複数の会議それぞれのためにテレビ会議システム100を同時に使用することができる。
その他、テレビ会議システム100、画像形成装置1、会議装置2、端末装置3、および認証サーバ4それぞれの全体または各部の構成、処理の内容、処理の順序、データの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。