JP6796583B2 - ダンパ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両等に用いられるロックアップクラッチ等のトルク伝達装置のダンパ装置に関する。
トルクコンバータやフルードカップリングなどの流体式伝動装置を介してエンジン出力を自動変速機へ伝達するオートマチック車両(以下、「AT車」)が広く知られている。
かかる流体式伝動装置には、並列にロックアップクラッチを設けてエンジンと自動変速機とを直結できるようにしたものがある。このロックアップクラッチは燃費向上などを目的として設けられ、エンジン回転に伴うトルク振動を吸収するためにダンパ装置を備えているのが一般的である。
かかるダンパ装置は、例えば特許文献1のトルク伝達装置に組み付けられたものであり、駆動側回転部材及び従動側回転部材と、コイルばねガイドと、コイルばねとを有する構造である。
駆動側回転部材及び従動側回転部材は、同じ軸心となるように組み付けられ、駆動側回転部材は、エンジン出力を受けるように構成されている。コイルばねガイドは、前記軸心を曲率中心とする円弧に形成され、駆動側回転部材及び従動側回転部材の何れかに配設される。コイルばねは、コイルばねガイドの内周側に円弧形状の湾曲状態で収容されるとともに、両端部が駆動側回転部材と従動側回転部材とに別々に係合する。
したがって、駆動側回転部材及び従動側回転部材の相対回動に伴ってコイルばねが伸縮し、エンジン回転に伴うトルク振動をダンピングすることができる。
ここで、車両の燃費という観点では、エンジンの低速回転域からロックアップクラッチを係合させることが望ましい。このためには、コイルばねの共振周波数を低くすることが求められる。共振周波数を低くするためには、コイルばねのばね定数を低くする必要があるため、できるだけ長いコイルばねを採用したほうが良い。
しかし、長いコイルばねはコイル中間部が湾曲を強めるようにたわみ易く、コイルばねガイドに対するコイルばねの伸縮動作時に摩擦力が大きくなるなどして、伝達トルクにヒステリシストルクが発生する問題がある。
この伝達トルクのヒステリシスは、図示すると図13のようになる。図13は、駆動側回転部材及び従動側回転部材間のトルク伝達時の捩り角度と伝達トルクとの関係を示すグラフである。図13の横軸が捩り角度、縦軸が伝達トルクを示す。
図13のように、駆動側回転部材及び従動側回転部材間のコイルばねの圧縮側の往路のトルクを実線で示し、伸張側の復路のトルクを破線で示す。
この実線及び破線間の開きがヒステリシスであり、図13の捩り角度D1からD2までコイルばねが捩られる場合、このヒステリシスにより静ばね定数は、往路、復路の中央値の傾きAとなり、動ばね定数は、往路、復路の最大最小値間の傾きBとなる。傾きBが実際のばね定数となり、D1からD2までの振幅が低い振動の場合、相対的に高ばね定数となり振動減衰し難いものとなる。
かかるヒステリシスの発生は、単純には、コイル中心が直線状のコイルばねを湾曲したコイルばねガイドに組み付けることで招くことになる。このような組み付けによるばね復元力を図14に示す。
図14は、ばね復元力を示す説明図であり、組み付け前にコイル中心線が直線状であったコイルばね101を、湾曲したコイルばねガイド103に組み付けた状態を示す。
この図14のように、組み付け後は、ばね復元力P1が発生し、コイルばね101の中央部がコイルばねガイド103の曲率半径方向の内径側のガイド面に当接し、同両端部がコイルばねガイド103の曲率半径方向の外径側のガイド面に当接する。
このようなばね復元力P1によりコイルばね101がコイルばねガイド103に押し付けられ、摩擦力によりヒステリシストルクが発生する。また、高速回転時は、これに加えてばねに遠心力が加わることでばねがガイド面に押しつけられ、摩擦力が高まりさらに大きなヒステリシストルクが発生する。
一方、このようなコイルばね101の組み付けによるヒステリシストルクの発生を防止するために、自由状態におけるコイルばね101の外周側の曲率半径がコイルばねガイド103の曲率半径と略一致する円弧形状(アーク状)となるように成形し、コイルばね101に外力を加えることなくコイルばねガイド103に収容できるようにしたものが特許文献1として提案されている。
しかしながら、かかるダンパ装置においても、回転時にコイルばね101の端部にダンピングのために入力される外力によりコイルばね101が撓み、コイルばね101とコイルばねガイド103との間の摩擦を十分に低減できず、やはりヒステリシストルクが発生し、実質的なばね定数は必ずしも十分に低減できなかった。
図15は、かかる状況を説明するものであり、コイルばねガイドに沿って外力を加えたときの合力の状況を示す説明図である。
図15のように、コイルばねガイド103に沿って外力P2が加えられるとコイルばね101が圧縮され、径方向外側へ向く合力P3が発生する。コイルばね101が拘束されていないとすると、合力P3により径方向外側へ膨らむように変形する。しかし、コイルばね101は、コイルばねガイド103に収容されているため、合力P3によりコイルばね101がコイルばねガイド103に押し付けられ、摩擦力F=μP3によりヒステリシストルクが発生する。
これに対し特許文献2に開示されたダンパ装置がある。図16は、該ダンパ装置を一部切欠いて示す説明図、図17は、コイルばねガイドに対するコイルばねの曲率を示す説明図である。
図16のように、このダンパ装置は、駆動側回転部材105の爪部105aと従動側回転部材107の爪部107aとの間に円弧形状(アーク状)のコイルばね101が配置され、コイルばねガイド103に収容されている。コイルばねガイド103は、駆動側回転部材である円筒部109の内側に嵌め込まれている。
そして、図17のように、この従来例では、コイルばね101のアーク曲率をコイルばねガイド103の曲率よりも大きくして、コイルばね101のコイルばねガイド103に対する接触面積を減少させている。
この接触面積の減少によりヒステリシストルクの発生を抑制し、実質的なばね定数を低減できると特許文献2にて開示されている。
しかし、このダンパ装置では、接触面積が減少したことによる局所的な磨耗が発生し、長期間の安定したトルク伝達に障害を招くと言う問題があった。
しかも、コイルばね101の湾曲の中央部がコイルばね101の座面101aのセット位置に対してより外径側に位置し、遠心力の増大を招き易く、コイルばね101の湾曲の中央部で局所的な磨耗を助長していた。
特開平5−172184号公報 特開平8−105508号公報
解決しようとする問題点は、ヒステリシストルクの発生及び局所的な磨耗の発生を同時に抑制することができなかった点である。
本発明は、ヒステリシストルクの発生及び局所的な磨耗の発生を同時に抑制することを可能とするため、共通の軸心回りに相対回動可能な駆動側回転部材及び従動側回転部材と、前記軸心側に曲率中心を有して湾曲し前記駆動側回転部材と従動側回転部材との何れかに配設されたコイルばねガイドと、前記コイルばねガイドに弧状に収容されて一端部が前記駆動側回転部材に係合すると共に他端部が前記従動側回転部材に係合するコイルばねとを備え、前記駆動側回転部材と従動側回転部材との相対回動に伴って前記コイルばねが伸縮して前記駆動側回転部材からの入力回転をダンピングして従動側回転部材から出力するトルク伝達装置のダンパ装置であって、前記コイルばねは、自由状態でコイルが弧状をなし、前記弧状の曲率中心が前記軸心を挟んで前記コイルばねの反対側に位置前記駆動側回転部材は、前記コイルばねの座面に周方向に向いた当接縁部が係合する爪部を備え、前記座面及び当接縁部は、前記コイルばねの曲率中心を通る放射方向線に沿っていることを特徴とする。
本発明は、上記構成であるから、コイルばねの円弧形状の中央部側を端部に対してより軸心側に配置し易く、ヒステリシストルクの発生を抑制し、実質的なばね定数を下げると共に局所的な磨耗の発生を抑制し、安定したトルク伝達を行なわせることができる。
ロックアップクラッチのダンパ装置の正面図である。(実施例1) ロックアップクラッチのダンパ装置の裏面側から見た斜視図である。(実施例1) ロックアップクラッチのダンパ装置の側面図である。(実施例1) ダンパ装置を裏面側から見て裏面側のディスクを外して示す斜視図である。(実施例1) ダンパ装置の曲率半径の関係を示す正面図である。(実施例1) ダンパ装置のコイルばねと爪部との当接角度を示す正面図である。(実施例1) 爪部とコイルばねガイドとの径方向に働く合力の減少を示す説明図である。(実施例1) 座面に対する爪部の角度とヒステリシストルクとの関係を示すグラフである。 座面の外径側に対する爪部の当接を示す説明図である。(実施例1) コイルばねガイドに対するコイルばねの隙間を持った取り付けを示し、(A)は、回転前、(B)は、回転時の説明図である。(比較例) 図5のR3/R1とヒステリシストルクの減少率との関係のグラフである。(実施例1) 伝達トルクとヒステリシストルクとの関係の比較に係るグラフである。(実施例1) 駆動側回転部材及び従動側回転部材間のトルク伝達時の捩り角度と伝達トルクとの関係を示すグラフである。 ばね復元力を示す説明図である。(従来例) コイルばねガイドに沿って外力を加えたときの合力の状況を示す説明図である。(従来例) ダンパ装置を一部切欠いて示す説明図である。(従来例) コイルばねガイドに対するコイルばねの曲率を示す説明図である。(従来例)
ヒステリシストルクの発生及び局所的な磨耗の発生を同時に抑制することを可能にするという目的を、自由状態でコイル中心線が弧状をなすコイルばねを用いて、前記弧状の曲率中心が前記軸心を挟んで前記コイルばねの反対側に位置することで実現した。
コイルばねのコイル中心線は中央部付近で弧状をなしていればよく、座面付近では直線でもよい。
前記駆動側回転部材は、前記コイルばねの座面に周方向に向いた当接縁部が係合する爪部を備え、前記座面及び当接縁部は、前記コイルばねの曲率中心を通る放射方向線に沿っていてもよい。
前記駆動側回転部材は、前記コイルばねの座面に周方向に向いた当接縁部が係合する爪部を備え、前記当接縁部は、前記コイルばねの曲率半径方向の外径側に偏った位置で前記座面に当接してもよい。
前記コイルばねガイドは、コイルばねの曲率半径方向の外径側を全体的にガイドする曲率のガイド面を備えてもよい。
[ダンパ装置]
図1〜図7は、本発明の実施例1に係り、図1は、ロックアップクラッチのダンパ装置の正面図、図2は、ロックアップクラッチのダンパ装置の裏面側から見た斜視図、図3は、ロックアップクラッチのダンパ装置の側面図、図4は、ダンパ装置を裏面側から見て裏面側のディスクを外して示す斜視図、図5は、ダンパ装置の曲率半径の関係を示す正面図、図6は、ダンパ装置のコイルばねと爪部との当接角度を示す正面図、図7は、爪部とコイルばねガイドとの合力の径方向成分の減少を示す説明図である。なお、回転方向とは、ダンパ装置の回転方向を意味し、径方向とは、ダンパ装置の径方向を意味する。
図1〜図4のように、ロックアップクラッチのダンパ装置1は、回転弾性的であり、駆動側回転部材としての爪プレート3及び従動側回転部材としてのディスク5、7との間にダンピング時に蓄力するためのコイルばね9を120°配置で3箇所に有している。なお、コイルばね9の設定個数は自由であり、例えば、90°等の配置で4箇所等に有する構成にすることもできる。
したがって、ロックアップクラッチのダンパ装置1は、爪プレート3とディスク5、7との相対回動に伴ってコイルばね9が伸縮して爪プレート3からの入力回転のトルク変動をダンピングして出力する。なお、爪プレート3を従動側回転部材とし、ディスク5、7を駆動側回転部材とすることもできる。また、ロックアップクラッチは、トルク伝達装置の一例を示すものである。本発明のダンパ装置はロックアップクラッチ以外の他のトルク伝達装置に対して適用することもできる。例えば、本発明のダンパ装置は、マニュアル車等で用いられるクラッチディスク、デュアルマスフライホイール、自動車の補機類を駆動するベルト等のトルク伝達装置に対して適用することもできる。つまり、駆動側回転部材は、駆動入力を受ける部材であり、従動側回転部材は、駆動出力を行なう部材であればよい。そして、ダンパ装置は、駆動側回転部材及び従動側回転部材間のトルク振動を吸収するものであり、駆動側回転部材及び従動側回転部材は、対象とするトルク伝達装置に応じた部材となる。
爪プレート3とディスク5、7とは、共通の軸心回りに相対回動可能に配置されている。
駆動側の爪プレート3は、孔3aが例えばエンジンのクランクシャフト側に結合され、エンジンからの入力を受ける構成となっている。従動側のディスク5、7は、孔5a、7aがトルクコンバータの出力側に、摩擦板(図示せず)を介して結合される。
爪プレート3及びディスク5、7相互は、例えば周方向3箇所のリベット11により結合されている。この結合により、爪プレート3とディスク5、7とは、相対回転が可能であり且つ軸方向へは相対移動が不能となっている。
したがって、エンジン回転が設定回転まで上昇するとロックアップクラッチがロックアップされる。このロックアップによりエンジンとトランスミッションとの間の接続がトルクコンバータによるトルク伝達状態からダンパ装置1を介した直結状態となる。この直結時のエンジンとトランスミッションとの間のトルク伝達の衝撃、直結後のエンジントルク振動をダンパ装置1により減衰することができる。
爪プレート3には、リベット11に対して弧状の規制凹部13が120°配置で3箇所に形成されている。規制凹部13は、径方向に凹状に且つ周方向に長さを有して形成され、静止状態でリベット11に対し回転方向の両側に等しい弧状長さを有している。
リベット11と規制凹部13との間の相対ガイドにより爪プレート3とディスク5、7とは、規制凹部13の周方向の長さ範囲で相対回転が許容される。
なお、駆動側の爪プレート3と従動側のディスク5、7との構成は、種々考えられ、駆動側及び従動側をそれぞれ1枚のプレートで形成することもできる。
爪プレート3は、ディスク5、7よりも相対的に厚いプレートで形成され、各規制凹部13の周方向間に径方向に突出する爪部15を一体に有している。爪部15は、120°配置で周方向3箇所に設けられている。爪部15は、コイルばね9に対応し、コイルばね9が、例えば90°等の配置であれば、爪部15も90°等の配置となる。爪部15の外周縁15aは、弧状に形成され、この外周縁15aは、ディスク5、7の外周縁に沿って形成されている。爪部15の外周縁15aは、ディスク5、7の外周縁よりも内径側或いは外径側に配置することもでき、内径側に配置するときは、ディスク5、7の外周部に爪部15の外周縁15aを覆う円筒状の部分を形成することもできる。
各爪部15は、外周縁15aと規制凹部13との径方向間で周方向の両側が凹状に形成され、当接縁部15b、15cが直線的に形成されている。当接縁部15b、15cは、コイルばね9の座面9aに周方向に向いて設定されている。当接縁部15b、15cの設定角度等については、さらに後述する。
ディスク5、7には、コイルばねガイド18、19が形成されている。コイルばねガイド18、19は、爪プレート3とディスク5、7との共通の軸心側に曲率中心を有して湾曲し前記駆動側回転部材と従動側回転部材との何れか、本実施例では従動側回転部材のディスク5、7に配設されている。本実施例のコイルばねガイド18、19は、リベット11よりも外周側で一定の曲率で弧状に形成されている。コイルばねガイド18、19の弧状の長さは、自由状態におけるコイルばね9の座面9a、9b間のコイル中心線上での長さとほぼ同一に形成されている。
コイルばね9は、コイルばねガイド18、19に弧状に収容され、コイルばね9の一端部が爪プレート3に係合すると共に他端部がディスク5、7に係合する。コイルばねガイド18、19は、ガイド孔20、21とガイド舌部23a、23b、25a、25bとからなっている。ガイド孔20、21の径方向の幅は周方向に渡ってほぼ一定に形成されている。ガイド孔20、21の周方向両端部に係止縁部20a、20b、係止縁部21a、21bが直線的に形成されている。
係止縁部20a、20b、係止縁部21a、21bは、コイルばね9の両座面9a、9bに対向して形成され、両座面9a、9bを周方向に係止するものである。したがって、両座面9a、9bがコイル中心線に直交する形態、又は傾斜する形態に合わせて直交する方向、傾斜した方向で係止縁部21a、21bは、ガイド孔20、21の周方向端部に形成される。
係止縁部21a、21bの設定角度等については、爪部15の当接縁部15b、15cと共にさらに後述する。
ガイド舌部23a、23b、ガイド舌部25a、25bは、ダンパ装置1の軸心側に曲率中心を有して周方向に湾曲し駆動側回転部材と従動側回転部材との何れか、本実施例では従動側回転部材のディスク5、7に配設されている。
ガイド舌部23a、25aは、ガイド孔20、21の外周側縁に沿って形成され、ディスク5、7から一体に切り起こし形成されている。ガイド舌部23b、25bは、ガイド孔20、21の径方向の側縁に沿って形成され、ディスク5、7から一体に切り起こし形成されている。このガイド舌部23b、25bの切り起こしは、ディスク5、7の断面方向に行なわれている。ガイド舌部23b、25bは、ディスク5、7の断面方向で湾曲形成されている。このガイド舌部23b、25bの断面方向で湾曲の曲率は、コイルばね9のコイル径に略一致している。但し、ガイド舌部23b、25bは、ディスク5、7の断面方向で湾曲することなく、傾斜形成し、或いは傾斜すること無く軸方向に指向する係止壁として形成することもできる。ガイド舌部23b、25bのディスク5、7の断面方向で湾曲は、ガイド舌部23b、25bの周方向の一部とし、その余は傾斜面等とすることもできる。ガイド舌部23b、25bは、コイルばね9のコイル円周方向の外周に沿ってほぼ同様の曲率で湾曲形成され、ガイド孔20、21側に臨まされている。本実施例においてガイド舌部23b、25bは、ガイド孔20、21の周方向全体に渡って形成されている。但し、ガイド舌部23b、25bは、ガイド孔20、21の周方向の一部を選択して形成することもできる。この周方向の一部の選択は、ダンピング動作時にコイルばね9の動作を妨げない形態にするように行なう。例えば、ガイド舌部23b、25bをガイド孔20、21の周方向の両端部側、或いは一端部側に設定してもよい。
したがって、ガイド孔20、21の外周側縁及びガイド舌部23a、25aは、コイルばね9のアーク状の曲率半径方向の外径側を全体的に接触させてガイドする曲率のガイド面20c、21cをコイルばね9に対向する全長に備えられている。ガイド面20c、21cは、ディスク5、7の断面方向でガイド舌部23b、25bの湾曲に応じた曲率を有している。但し、ガイド舌部23b、25bの設定に応じて曲率を有さない斜面、係止面等で形成することもできる。
ディスク5、7双方のガイド舌部23a、23b及びガイド舌部25a、25bが対となってコイルばね9をコイル径方向から囲む。この囲みにより、コイルばね9の脱落を防止しながらガイド孔20、21に沿ってコイルばねガイド18、19がコイルばね9の伸縮動作をガイドする。
なお、ガイド舌部23a、23b及びガイド舌部25a、25bは、ディスク5、7とは別体に形成し、溶着、接着、ビス止め等によりディスク5、7に各々組み付けることもできる。ガイド舌部23a、23b及びガイド舌部25a、25bは、その一部を切り起こし、その他を溶着、接着、ビス止め等によりディスク5、7に各々組み付けることもできる。
ガイド舌部は、駆動側回転部材である爪プレート3に設けるガイド部に代えることもできる。ガイド部を駆動側回転部材に設ける場合は、コイルばね9を圧縮する動作を確保し得る範囲にガイド部が設定され、このガイド部は爪プレート3と共に回転する構成となる。このとき、ガイド部はコイルばね9との相対的な関係において後述の機能を同様に奏することができる。
ガイド舌部23a、23bは、ディスク5から切り起こされた形態に限らず、相互間を断面円弧状に連続させた一体のガイド部として形成することもできる。この場合、断面円弧状の一体のガイド部をディスク5とは別体の板材で形成し、ガイド孔20の縁部に対して溶着、接着、ビス止め等により後付けで固定することもできる。
ガイド舌部25a、25bについても同様であり、相互間を断面円弧状に連続させた一体のガイド部として形成することができ、断面円弧状の一体のガイド部をディスク7とは別体の板材で形成し、ガイド孔21の縁部に対して溶着、接着、ビス止め等により後付けで固定することができる。
コイルばねガイド18、19は、ガイド孔20、21とガイド舌部23a、23b及びガイド舌部25a、25bとからなるものに限らず、凹状のガイド部とその蓋となるカバーとの2部材構成等で形成することもできる。
つまり、上記爪プレート3がディスク5、7間に挟まれた形態に代えて、爪プレート3がディスク5、7間外に併設配置され、例えば、周方向に湾曲したガイド部がディスク7にフック掛け等により取り付けられ、ガイド部に対向する断面円孔状で周方向に湾曲した部分を有するカバーがディスク5に取り付けられ、これらガイド部及びカバー間でコイルばね9をガイドするばね保持空間を形成する。爪プレート3の爪部は、例えばディスク5、7の厚み方向に折り曲げられてコイルばね9の端部に周方向に対向配置される。コイルばね9の端部は、カバーを切り欠いて形成した爪部の周方向動作範囲のための開放部に露出し、爪部はこの開放部からコイルばね9の端部に臨まされる。
さらに、爪プレート3の爪部の周方向動作範囲のための開放部を設けることが出来れば、ディスク5、7を一枚とし、爪プレート3が一枚のディスクに併設配置された構成にすることもできる。この構成では、ほぼ筒状でコイルばねを覆うガイド部を単一のディスクに取り付け、爪プレート3の爪部は、例えばディスク厚み方向に折り曲げられてコイルばね9の端部に周方向に対向配置される。コイルばね9の端部は、ガイド部を切り欠いて形成した爪部の周方向動作範囲のための開放部に露出し、爪部はこの開放部からコイルばね9の端部に臨まされる。
ガイド舌部23a、23b及びガイド舌部25a、25bの内周でガイド孔20、21には、コイルばね9が配置されている。
コイルばね9は、コイルばねガイド18、19に弧状に収容配置され両端部の座面9a、9bが駆動側回転部材である爪プレート3と従動側回転部材であるディスク5、7とに係合する。
つまり、コイルばね9は、自由状態でコイルがコイル中心線に沿った方向で全体が一定の曲率の円弧形の弧状(アーク状)に形成されている。コイルばね9のアーク状の外周側の曲率半径はガイド舌部23a、25aの周方向の曲率半径と略一致するように形成されている。なお、コイルばね9の弧状は、コイルばねガイド18、19に収容配置されたとき、局所的に面圧が集中しないようにするものである。このため、コイルばね9は、自由状態でコイルの少なくとも一部が弧状であり、この弧状の曲率がコイルばねガイド18、19の弧状の曲率と略一致すればよい。この形態でも、自由状態で直線状のコイルばねが弧状のコイルばねガイド18、19に収容されたときに発生する局所的な面圧の集中を抑制することができる。コイルばね9の座面9a、9bは、本実施例においてコイル中心線に直交するダンパ装置1の径方向側に指向している。座面9a、9bの径方向側への指向は、適宜傾斜させることができる。この座面9a、9bが前記のように、ガイド孔20、21の係止縁部20a、20b、係止縁部21a、21bに自由状態で係合するようにガイド孔20、21にコイルばね9が収容されている。この状態で爪部15の当接縁部15b、15cもコイルばね9の座面9a、9bに対向している。
[コイルばねの曲率等]
図5は、ダンパ装置の曲率半径の関係を示す正面図である。
ここで、R1:回転中心(軸心)O1を原点とし、コイルばね9の両座面9a、9bの位置でコイルばね9のコイル中心線が交差する点を通る円(爪部15上の回転軌跡)の曲率半径とする。但し、コイルばね9及びコイルばねガイド18、19の配置形態に応じ、コイルばね9の座面9a、9bの一方が相対的に内径側にずれて位置するときは、コイルばね9の両座面9a、9bの位置ではなく、コイルばね9の両座面9a、9bの何れか外径側に位置する座面の位置でコイルばね9のコイル中心線が交差する点を通る円の曲率半径になる場合もある。R2:回転中心O1からコイルばね9のコイル中心線までの最短距離とする。R3:コイルばね9の弧状のコイル中心線の曲率半径とする。
それぞれのRの関係は、R3>R1>R2となるように設定されている。従って、コイルばね9のコイル中心線の曲率中心O3は、ダンパ装置1の軸心O1を挟んでコイルばね9及びコイルばねガイド18、19の反対側に位置することになる。また、軸心O1を原点とし半径をR1とする円と曲率中心O3を原点とし半径をR3とする円は互いに交差する。本実施例では、コイルばねガイド18、19の弧状の曲率とコイルばね9の弧状の曲率とは、全体的に略一致して設定しているため、コイルばねガイド18、19の弧状の曲率中心もコイルばね9の曲率中心O3に略一致している。このコイルばね9のコイル中心線の曲率中心O3の位置の設定は、回転中心O1からコイルばね9のコイル中心線までの最短距離R2を、曲率半径R1よりも短くして遠心力の作用半径を減少させようとするものである。従って、曲率中心O3の位置は、ダンパ装置1の軸心O1を挟んでコイルばね9及びコイルばねガイド18、19の反対側に位置するものであれば良く、特に限定はされない。
なお、一般的なアーク状のコイルばねでは、爪部15の回転軌跡上にコイル中心線がくる。従って、回転中心(軸心)O1を原点とした半径R1の円上にコイルばねが配置される。
図5において、コイルばね9の両座面9a、9bは、回転中心(軸心)O1に対し同一円周上に位置し、コイル中央に対し対称に位置している。しかし、コイルばね9の両座面9a、9bは、同一円周上に位置するものに限らず、座面9a、9bの一方が他方に対し多少内径側に位置する構成にすることもできる。この場合、R1は回転中心(軸心)O1を原点とし、コイルばね9のコイル中心線とコイルばね9の両座面9a、9bのうち、相対的に内径側に位置する座面9a、9bの一方の位置で一致する円の曲率半径とし、それぞれのRの関係は同様に設定される。また、コイルばねガイド18、19及びコイルばね9は、同じ曲率の弧状に形成されれば良く、弧状の曲率はコイル中心に沿って中央側の曲率を相対的に小さくするなど多少変化させてもよい。
本実施例の曲率中心O3は、コイルばねガイド18、19及びコイルばね9の弧状の周方向での中央を通る平面上で回転中心(軸心)O1を挟んでコイルばね9が収容されたコイルばねガイド18、19の反対側にずれて位置する。
[爪部と座面との関係]
図6は、ダンパ装置のコイルばねと爪部との当接角度を示す正面図である。
図4、図6のように、爪部15の当接縁部15b、15cは、ダンピング時に当接縁部15b、15cの全体が座面9a、9b全体をそれぞれ押すいわゆる面押し状態となっている。
図6において、L1:回転中心(軸心)O1及びコイル中心線上で座面の位置を通る放射方向線(半径方向に一致して指向する線及び半径方向に必ずしも一致しないが判径方向側に指向する線の双方を含む)である。L2:コイルばね9のコイル中心線の曲率中心O3及びコイル中心線上で座面の位置を通る放射方向線(半径方向に一致して指向する線及び半径方向に必ずしも一致しないが判径方向側に指向する線の双方を含む)である。L3:爪部15(図4参照)の当接縁部15b(15c)(図4参照)及びガイド孔20(21)の係止縁部20a(20b)、係止縁部(21a)、(21b)(図1、図2参照)に沿う直線である。θ1:爪部15の当接縁部15b(15c)及び係止縁部20a(20b)、係止縁部21a(21b)の角度である。θ2:座面9a(9b)の角度である。なお、これらの関係は、図6においてコイルばね9の座面9a側でのみ図示するが、座面9b側でも対称に設定されるため、座面9b側は、括弧で付記した。
θの関係は、θ1>0、θ2=0である。
コイルばね9の座面9a、9b、爪部15の当接縁部15b、15c、及びガイド孔20、21の係止縁部20a、20b、係止縁部21a、21bが、放射方向線L2に沿った形態となる。この形態は、いわゆる面押し状態となる。
但し、θ1>0、θ2>0にすることもできる。この形態では、コイルばね9の曲率半径方向外径側に偏った位置で当接縁部15b、15cが座面9a、9bに当接する、いわゆる外周押し状態となる。この外周押し状態において、当接縁部15b、15cが座面9a、9bに当接する偏った位置は、当接縁部15b、15c及び座面9a、9bの相対的な関係で設定し、且つ変えることができる。
なお、面押し、外周押しの選択は、コイルばね9に対する座面9a、9bの設定によっても行わせることができる。
つまり、爪部15の当接縁部15b、15c、及びガイド孔20、21の係止縁部20a、20b、係止縁部21a、21bを、放射方向線L2に沿った形態とし、座面9a、9bをコイルばね9のコイル中心線に対し傾斜して研磨形成することで放射方向線L2に対し傾斜させ、外周押しの形態にすることもできる。
[ダンパ装置の作用]
図示しない油圧制御回路によってディスク5、7の側面に形成される圧力室の油圧が高められると、ディスク5、7が摩擦部材(図示せず)を介してトルクコンバータ出力側に接触する。
したがって、トルクコンバータ入力側及び出力側が、コイルばね9を介して係合する。
また、油圧を制御することにより、摩擦部材との接触状況を制御することができ、トルクコンバータの入出力側を所定の相対回転速度で相対回転するスリップ状態で係合させることもできる。
油圧が解除されるとリターンスプリングの付勢力で摩擦部材がトルクコンバータ出力側から離れる。これにより、爪プレート3及びディスク5,7は一体運動をするようになる。
トルクコンバータの入出力側が直結した状態で爪プレート3がエンジン側からの入力トルクを受けると、爪部15の当接縁部15b、15cの何れかが回転方向前方で当接するコイルばね9の座面9a、9bの一方、例えば座面9bを押圧する。この押圧によりコイルばねガイド18、19のガイド孔20、21の係止縁部20a、20b、21a、21bの一方、例えば係止縁部20a、21aを介してコイルばね9からディスク5、7側へトルク伝達が行なわれる。ディスク5、7側へ伝達されたトルクは、トルクコンバータの出力側に伝達される。
かかるトルク伝達時に、トルク変動があるとコイルばね9が、トルク伝達に係わっている当接縁部15b、15cの何れか、例えば当接縁部15cと、係止縁部20a、21a、係止縁部20b、21bの一方、例えば係止縁部20a、21aとの間で伸縮してトルク変動が吸収され、トルクコンバータの出力側に伝達されるトルクが安定する。
トルク伝達時にコイルばね9に働く径方向外側への力は、従来の一般的なアーク状のコイルばねに比べて軽減される。
図7は、爪部とコイルばねガイドとの径方向に働く合力の減少を示す説明図である。
図7において、実施例のコイルばね9では、コイル中心線がO3を原点とした半径R3の円C2上となる。一般的なアーク状のコイルばねを共に説明すると、一般的なアーク状のコイルばねでは、コイル中心線がO1を原点とした半径R1の円C1上となる。
コイルばね9はコイル中心線に沿って撓むため、コイルばね9の座面9bに爪部及びガイド孔の係止縁部に働く押しつけ力は、コイルばね9のコイル中心線の接線方向に働く。
このため、一般的なアーク状のコイルばねでは、コイルばね9の座面9bに爪部及びガイド孔の係止縁部から図7の矢印A1方向に押し付け力が働くので、その合力は径方向に強く働き、矢印B1の大きさとなる。
これに対し、実施例のコイルばね9では、コイルばねの座面9a、9bの一方、例えば座面9bに爪部15及びガイド孔20、21から図7の矢印A2方向に押し付け力が働くので、径方向に働く合力は矢印B2の大きさへと減少する。
この径方向に働く合力は、ガイド孔20、21の外縁側及びガイド舌部23a、25aの内側のガイド面で受けるため、コイルばね9がコイル中心線に沿ってたわむ際、摩擦力が生じ、ヒステリシストルクが発生する原因となる。
しかし、径方向に働く合力のB1からB2への減少により、ヒステリシストルクは減少する。
さらに、回転中心O1からコイルばね9までの最短距離R2(図5参照)を、一般的な配置のアーク状のコイルばねの半径R1に比較して小さくすることができる。この最短距離R2の設定により高回転時にコイルばね9に作用する遠心力は一般的な配置のアーク状のコイルばねに比較して減少する。
従って、高回転時等に、コイルばね9のアーク状の曲率半径方向の外径側がガイド孔20、21の外縁側及びガイド舌部23a、25aの内側のガイド面に遠心力で押し付けられて生じるヒステリシストルクは、一般的な配置のアーク状のコイルばねに比較して減少する。
また、コイルばね9が押し付け力や遠心力で図7の矢印A2方向の径方向外側へ力を受けたとき、コイルばね9のアーク状の曲率半径方向の外径側がガイド孔20、21の外縁側及びガイド舌部23a、25aの内側のガイド面に周方向で全体的に押し付けられてガイドされる。この全体的なガイドによりコイルばね9の局所的な磨耗や応力の発生が抑制される。
[外周押し、面押しの検討]
図8は、座面に対する爪部の角度とヒステリシストルクとの関係を示すグラフ、図9は、座面の外径側に対する爪部の当接を示す説明図である。
前記図6では、コイルばね9の座面9a、9bに対する爪部15の当接縁部15b、15cの当接において、面押し状態、外周押し状態を説明した。
図8のように、座面に対する爪部の角度に対しヒステリシストルクが変化した。測定は、一般的なトルク測定装置を応用し、本実施例相当のコイルばね及び爪部を装着して行なった。
図8において、面押し状態における座面9a、9b及び当接縁部15b、15c間の角度(爪角度)を0degとし、外周押し状態で2deg、4deg、6degと次第に角度を増大した。図8中の内周押しとは、爪部15の当接縁部15b、15cをコイルばね9の曲率半径方向内径側に偏った位置で座面9a、9bに当接させる形態である。この当接形態は、外周押し状態の反対の状態となる。
図8のように、内周押し状態では、マイナス方向への角度の増大と共にヒステリシストルクが増大し、外周押し状態ではヒステリシストルクにほぼ変化はなかった。
外周押し状態において爪角度の増大に係わらずヒステリシストルクに変化がない状態は、図9の左側の当接状態となる。図9の左側のように爪部15はコイルばね9の座面9bに当接するが、爪部15の角度に座面9bの角度が追従せず、力の向きが変わらないからヒステリシストルクに変化がない。
したがって、コイルばね9の座面9a、9bに対する爪部15の当接縁部15b、15cの当接において、外周押し状態又は面押し状態を選択することでヒステリシストルクを抑制できた。
[初期接触状態]
図10は、コイルばねガイドに対するコイルばねの隙間を持った取り付けを示し、(A)は、回転前、(B)は、回転時の説明図である。
図10(A)のように、コイルばね9の初期設定状態において、コイルばねガイド27の外径側27aとコイルばね9のコイルばね9のアーク状の曲率半径方向外径側との間にクリアランスを有する。コイルばね9を、コイルばねガイド27の外径側27aに対して非接触状態とする。
図10(A)の非接触状態としても、本実施例の構成を用いることで、ヒステリシストルクを抑制することができる。
しかし、図10(B)のようにコイルばね9がコイル径方向に折れるように弓なりに変形し(ばね横折れ)、高曲率となる部分9cで高応力が発生する。このような高応力状態が発生する形態では、耐久性が低く長期的に安定して動作できない。
図10(B)の非接触でのばね横折れの問題、図15で説明したばね復元力の問題、図16の部分接触での局所的磨耗の問題を考慮し、ガイド孔20、21の外周側縁及びガイド舌部23a、25aは、コイルばね9のアーク状の曲率半径方向の外径側を全体的に接触してガイドする構成とし、ばね横折れ、ばね復元力の抑制、局所的磨耗の抑制ができた。
[実施例の効果]
本発明実施例は、共通の軸心回りに相対回動可能な爪プレート3及びディスク5、7と、軸心側に曲率中心を有して湾曲しディスク5、7との何れかに配設されたコイルばねガイド18、19と、コイルばねガイド18、19の内周側にアーク状の湾曲状態で収容され両端部が爪プレート3とディスク5、7とに係合するコイルばね9とを備え、爪プレート3とディスク5、7との相対回動に伴ってコイルばね9が伸縮して爪プレート3からの入力回転をダンピングしてディスク5、7から出力するロックアップクラッチ等のトルク伝達装置のダンパ装置1とした。
そして、コイルばね9は、自由状態でコイル中心線がアーク状であり、該アーク状の曲率中心O3が軸心O1を挟んでコイルばねガイド18、19の反対側に位置する。
このため、コイルばね9に働く径方向外側への力を従来の一般的な配置のアーク状のコイルばねに比較して減少させることができ、ヒステリシストルクの発生を抑制することができる。
このヒステリシストルクの発生の抑制により、実質的なばね定数を下げることができる。
図11は、図5のR3/R1とヒステリシストルクの減少率との関係のグラフである。
図11に示すように、R3/R1が1.3までヒステリシストルクの減少率は大幅に上昇し、それ以上では徐々に上昇していく。つまり、図5において、コイルばねガイド及びコイルばねを一般的な配置のアーク状としてヒステリシストルクを測定し、この場合をR1として比較した。
この結果より、R3/R1は1.3を上回ることが望ましいことが分かる。
なお、R3の増加に伴い、トルクが作用する半径が減少するため、伝達トルクは低下していく。また、コイルばね9の長さは短くなっていくため、ばね定数が増加する。
従って、R3/R1は大きければ大きいほど良いというものではなく、1.3程度が最も望ましい。
図12は、一般的なアークのコイルばねと本発明実施例のコイルばね9とに関し伝達トルクを揃えてトルク伝達時のねじり角度と伝達トルクとの関係を示す。
この図12のように、一般的なアークのコイルばねによるトルク変化はT1に対し本発明実施例のコイルばね9によるトルク変化はT2となり、ヒステリシストルクの発生は抑制された。
しかも、コイルばね9は、座面9a、9bの径方向での支持位置に対しアーク状の中間部を回転中心に近づけることができ、従来の一般的な配置のアーク状のコイルばねの取り付け状態に比較して遠心力を減少させることができる。
かかる点においても、ヒステリシストルクの発生を抑制することができる。
且つトルク伝達時にアーク状の外周側がコイルばねガイド18、19の外周側の内面に周方向で全体的に当接支持されるから、コイルばね9のアーク状の中間部で局所的な磨耗を抑制し、長期間安定したトルク伝達を行わせることができる。
爪プレート3は、コイルばね9の座面9a、9bに周方向に向いた当接縁部15b、15cが係合する爪部15を備え、座面9a、9b及び当接縁部15b、15cは、コイルばね9の曲率中心O3を通る放射方向線に沿っている。
このため、爪部15をコイルばね9に前記のように面押し状態にすることができ、図8のようにヒステリシストルクを確実に抑制することができる。
爪プレート3は、コイルばね9の座面9a、9bに周方向に向いた当接縁部15b、15cが係合する爪部15を備え、当接縁部15b、15cは、コイルばね9の曲率半径方向の外径側に偏った位置で座面9a、9bに当接する。
このため、爪部15をコイルばね9に外周押し状態にすることができ、図8のようにヒステリシストルクを確実に抑制することができる。
コイルばねガイド18,19は、コイルばね9の曲率半径方向の外径側を全体的にガイドする曲率のガイド面をガイド孔20、21の外周側縁及びガイド舌部23a、25aに備えた。
このため、コイルばね9の局所的磨耗の発生、ばね横折れの発生による部分的な高応力を抑制でき、長期間安定したトルク伝達が可能となる。
1 ロックアップクラッチのダンパ装置
3 爪プレート(駆動側回転部材)
5、7 ディスク(従動側回転部材)
9 コイルばね
9a、9b 座面
15 爪部
15b、15c 当接縁部
18,19 コイルばねガイド
20、21 ガイド孔
23a、25a ガイド舌部
O1 回転中心(軸心)
O3 曲率中心
R1 回転中心(軸心)O1を原点と、コイルばねの両座面の位置でコイルばねのコイル中心線が交差する点を通る円(爪部上の回転軌跡)の曲率半径
R2 回転中心O1からコイルばね9のコイル中心線までの最短距離
R3 コイルばねの弧状のコイル中心線の曲率半径

Claims (6)

  1. 共通の軸心の回りに相対回動可能な駆動側回転部材及び従動側回転部材と、
    前記軸心側に曲率中心を有して湾曲し前記駆動側回転部材と従動側回転部材との何れかに配設されたコイルばねガイドと、
    前記コイルばねガイドに弧状に収容されて一端部が前記駆動側回転部材に係合すると共に他端部が前記従動側回転部材に係合するコイルばねとを備え、
    前記駆動側回転部材と従動側回転部材との相対回動に伴って前記コイルばねが伸縮して前記駆動側回転部材からの入力回転をダンピングして従動側回転部材から出力するトルク伝達装置のダンパ装置であって、
    前記コイルばねは、自由状態でコイルの少なくとも一部が弧状をなし、
    前記弧状の曲率中心が前記軸心を挟んで前記コイルばねガイドの反対側に位置
    前記駆動側回転部材は、前記コイルばねの座面に周方向に向いた当接縁部が係合する爪部を備え、
    前記座面及び当接縁部は、前記コイルばねの曲率中心を通る放射方向線に沿っている、
    ことを特徴とするトルク伝達装置のダンパ装置。
  2. 請求項1記載のトルク伝達装置のダンパ装置であって、
    前記コイルばねガイドは、コイルばねの曲率半径方向の外径側を全体的にガイドする曲率のガイド面を備えた、
    ことを特徴とするトルク伝達装置のダンパ装置。
  3. 請求項1又は2記載のトルク伝達装置のダンパ装置であって、
    R1:前記軸心を原点とし、前記コイルばねの座面の位置でコイルばねのコイル中心線が交差する点を通る円の曲率半径
    R3:前記コイルばねの弧状の曲率半径
    とし、
    R3/R1が1.3を上回る
    ことを特徴とするトルク伝達装置のダンパ装置。
  4. 共通の軸心の回りに相対回動可能な駆動側回転部材及び従動側回転部材と、
    前記軸心側に曲率中心を有して湾曲し前記駆動側回転部材と従動側回転部材との何れかに配設されたコイルばねガイドと、
    前記コイルばねガイドに弧状に収容されて一端部が前記駆動側回転部材に係合すると共に他端部が前記従動側回転部材に係合するコイルばねとを備え、
    前記駆動側回転部材と従動側回転部材との相対回動に伴って前記コイルばねが伸縮して前記駆動側回転部材からの入力回転をダンピングして従動側回転部材から出力するトルク伝達装置のダンパ装置であって、
    前記コイルばねは、自由状態でコイルの少なくとも一部が弧状をなし、
    前記弧状の曲率中心が前記軸心を挟んで前記コイルばねガイドの反対側に位置し
    前記コイルばねガイドは、コイルばねの曲率半径方向の外径側を全体的にガイドする曲率のガイド面を備えた、
    ことを特徴とするトルク伝達装置のダンパ装置。
  5. 請求項記載のトルク伝達装置のダンパ装置であって、
    前記駆動側回転部材は、前記コイルばねの座面に周方向に向いた当接縁部が係合する爪部を備え、
    前記当接縁部は、前記コイルばねの曲率半径方向の外径側に偏った位置で前記座面に当接する、
    ことを特徴とするトルク伝達装置のダンパ装置。
  6. 請求項4又は5記載のトルク伝達装置のダンパ装置であって、
    R1:前記軸心を原点とし、前記コイルばねの座面の位置でコイルばねのコイル中心線が交差する点を通る円の曲率半径
    R3:前記コイルばねの弧状の曲率半径
    とし、
    R3/R1が1.3を上回る
    ことを特徴とするトルク伝達装置のダンパ装置。
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