JP6791278B2 - タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP6791278B2
JP6791278B2 JP2019015881A JP2019015881A JP6791278B2 JP 6791278 B2 JP6791278 B2 JP 6791278B2 JP 2019015881 A JP2019015881 A JP 2019015881A JP 2019015881 A JP2019015881 A JP 2019015881A JP 6791278 B2 JP6791278 B2 JP 6791278B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
mass
rubber composition
rubber
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019015881A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020122110A (ja
Inventor
健介 土方
健介 土方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2019015881A priority Critical patent/JP6791278B2/ja
Priority to DE112019006232.8T priority patent/DE112019006232T5/de
Priority to US17/310,272 priority patent/US20220135777A1/en
Priority to PCT/JP2019/049896 priority patent/WO2020158237A1/ja
Publication of JP2020122110A publication Critical patent/JP2020122110A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6791278B2 publication Critical patent/JP6791278B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、ウェットグリップ性能、とくにウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)を向上させ、破断強度を高めて耐摩耗性に優れるタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
一般に、競技用の空気入りタイヤでは、ドライ路面走行用タイヤとウェット路面走行用タイヤとが用意され、走行時の天候および路面の状態に応じそれぞれ最適のタイヤを選択するようにしている。ここでウェット路面走行用の競技用タイヤとしては、高いガラス転移温度を有するポリマー(高Tgポリマー)、高い軟化点を有する樹脂(高軟化点樹脂)および/または高比表面積のフィラーを多量配合し、ウェットグリップ性能を高めている。
しかし、高Tgポリマーや高軟化点樹脂を多量配合すると、コンパウンドTgが過度に上昇し、ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)が低下するという問題点がある。
一方、高比表面積のフィラーを多量配合すると、破断強度が低下し、これにより耐摩耗性が悪化してしまう。
ウェットグリップ性能を高める試みとして、例えば下記特許文献1には、ジエン系ゴムに高比表面積のシリカ並びに高Tgと低Tgの樹脂成分を配合したゴム組成物が開示されている。
しかしながら、当該技術では、ウェットグリップ性能と耐摩耗性とを共に改善することは困難である。
特開2007−186567公報
したがって本発明の目的は、ウェットグリップ性能を向上させ、ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)および破断強度を維持または高めて耐摩耗性に優れるタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定範囲のガラス転移温度(Tg)を有するスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定のCTAB比表面積範囲を有するシリカと、特定の酸価および水酸基価範囲を有するテルペンフェノール樹脂とを特定量でもって配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
1.ガラス転移温度(Tg)が−20℃以上のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、
CTAB比表面積が100〜400m/gのシリカを75〜200質量部、および
酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5〜50質量部配合してなる
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
2.前記スチレン−ブタジエン共重合体ゴムのスチレン量が30質量%以上であることを特徴とする前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
3.さらに、下記式(100)で示される硫黄含有シランカップリング剤を、前記シリカに対して2〜20質量%配合してなることを特徴とする前記1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
(A)a(B)b(C)c(D)d(R1)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (100)
(式(100)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。ただし、aおよびdが同時に0になることはない。)
4.タイヤキャップトレッドに用いられる、前記1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
5.前記1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ガラス転移温度(Tg)が−20℃以上のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、CTAB比表面積が100〜400m/gのシリカを75〜200質量部、および酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5〜50質量部配合してなることを特徴としているので、ウェットグリップ性能を向上させ、ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)および破断強度を維持または高めて耐摩耗性に優れるタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、ガラス転移温度(Tg)が−20℃以上のスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を必須成分とする。本発明で使用されるジエン系ゴム全体を100質量部としたときに、Tgが−20℃以上のSBRの配合量は、例えば競技用途である場合は気温、天候等の諸条件を適宜勘案して定めればよいが、100質量部であることができ、15〜85質量部が好ましく、25〜75質量部がさらに好ましく、30〜70質量部がとくに好ましい。なお本発明では、Tgが−20℃以上のSBR以外にも、通常のゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、Tgが−20℃未満のSBR、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
前記Tgが−20℃以上のSBRにおいて、該Tgは、−18〜−8℃がさらに好ましい。
また本発明で言うTgは、油展成分(オイル)を含まない状態におけるSBRのガラス転移温度とする。Tgは、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度とする。
本発明で使用されるTgが−20℃以上のSBRは、スチレン量が30質量%以上であるものが好ましい。このようなスチレン量を満たすことにより、SBRのガラス転移温度(Tg)が高くなり、ドライグリップ性能を高めることができる。さらに好ましい該スチレン量は、33〜50質量%である。
(シリカ)
本発明で使用するシリカは、CTAB比表面積が100〜400m/gであることが必要である。
シリカのCTAB比表面積が100m/g未満であると、破断強度が低下するため耐摩耗性が悪化する。
またシリカのCTAB比表面積が400m/gを超えると、粘度が高くなりすぎ、加工が困難になる。
本発明で使用するシリカのさらに好ましいCTAB比表面積は、140〜350m/gである。
なお、シリカのCTAB比表面積はJIS K6217−3に準拠して求めるものとする。
(テルペンフェノール樹脂)
本発明で使用するテルペンフェノール樹脂は、酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上であることが必要である。酸価が30mgKOH/g未満では、ウェットグリップ性能並びに耐摩耗性を共に改善することができない。また水酸基価が5mgKOH/g未満では、フェノール量が少なくなり、本発明の効果を奏することができない。
さらに好ましい酸価は、40〜150mgKOH/gである。
またさらに好ましい水酸基価は、45〜120mgKOH/gである。
テルペンフェノール樹脂は、テルペン化合物とフェノール類とを反応させて得られ、公知であり、本発明では前記酸価および水酸基価の条件を満たす限り、任意のテルペンフェノール樹脂を使用することができる。
また、本発明で使用するテルペンフェノール樹脂の軟化点は85〜180℃が好ましい。
なお、酸価および水酸基価は、JIS K 0070:1992に準拠して測定することができる。また軟化点は、JIS K 6220−1:2001に準拠して測定することができる。
本発明で使用するテルペンフェノール樹脂は、商業的に入手可能である。例えば荒川化学工業株式会社製タマノル803L(酸価=50mgKOH/g、水酸基価=15mgKOH/g)、タマノル901(酸価=50mgKOH/g、水酸基価=45mgKOH/g)等が挙げられる。
(硫黄含有シランカップリング剤)
本発明では、下記式(100)で示される硫黄含有シランカップリング剤を配合するのが好ましい。このような硫黄含有シランカップリング剤を配合することにより、ウェットグリップ性能をさらに高めることができる。
(A)a(B)b(C)c(D)d(R1)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (100)
(式(100)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。ただし、aおよびdが同時に0になることはない。)
式(100)で表される硫黄含有シランカップリング剤(ポリシロキサン)およびその製造方法は、例えば国際公開WO2014/002750号パンフレットに開示され、公知である。
上記式(100)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基を表す。なかでも、下記式(120)で表される基であることが好ましい。
−(CH2n−Sx−(CH2n (120)
上記式(120)中、nは1〜10の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。
上記式(120)中、xは1〜6の整数を表し、なかでも、2〜4の整数であることが好ましい。
上記式(120)中、*は、結合位置を示す。
上記式(120)で表される基の具体例としては、例えば、−CH2−S2−CH2−C24−S2−C24−C36−S2−C36−C48−S2−C48−CH2−S4−CH2−C24−S4−C24−C36−S4−C36−C48−S4−C48などが挙げられる。
上記式(100)中、Bは炭素数5〜20の1価の炭化水素基を表し、その具体例としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基であることが好ましい。
上記式(100)中、Cは加水分解性基を表し、その具体例としては、例えば、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。なかでも、下記式(130)で表される基であることが好ましい。
−OR2 (130)
上記式(130)中、R2は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアラルキル基(アリールアルキル基)または炭素数2〜10のアルケニル基を表し、なかでも、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。上記炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられる。上記炭素数6〜10のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。上記炭素数2〜10のアルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、プロぺニル基、ペンテニル基などが挙げられる。
上記式(130)中、*は、結合位置を示す。
上記式(100)中、Dはメルカプト基を含有する有機基を表す。なかでも、下記式(140)で表される基であることが好ましい。
−(CH2m−SH (140)
上記式(140)中、mは1〜10の整数を表し、なかでも、1〜5の整数であることが好ましい。
上記式(140)中、*は、結合位置を示す。
上記式(140)で表される基の具体例としては、−CH2SH、−C24SH、−C36SH、−C48SH、−C510SH、−C612SH、−C714SH、−C816SH、−C918SH、−C1020SHが挙げられる。
上記式(100)中、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。
上記式(100)中、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。ただし、aおよびdが同時に0になることはない。
上記式(100)中、aは、本発明の効果が向上するという理由から、0<a≦0.50であることが好ましい。
上記式(100)中、bは、本発明の効果が向上するという理由から、0<bであることが好ましく、0.10≦b≦0.89であることがより好ましい。
上記式(100)中、cは、本発明の効果が向上するという理由から、1.2≦c≦2.0であることが好ましい。
上記式(100)中、dは、本発明の効果が向上するという理由から、0.1≦d≦0.8であることが好ましい。
上記ポリシロキサンの重量平均分子量は、本発明の効果が向上するという理由から、500〜2300であるのが好ましく、600〜1500であるのがより好ましい。本発明における上記ポリシロキサンの分子量は、トルエンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で求めたものである。
上記ポリシロキサンの酢酸/ヨウ化カリウム/ヨウ素酸カリウム添加−チオ硫酸ナトリウム溶液滴定法によるメルカプト当量は、加硫反応性に優れるという観点から、550〜700g/molであるのが好ましく、600〜650g/molであるのがより好ましい。
上記ポリシロキサンは、本発明の効果が向上するという理由から、シロキサン単位(−Si−O−)を2〜50個有するものであることが好ましい。
なお、上記ポリシロキサンの骨格には、ケイ素原子以外の金属(例えば、Sn、Ti、Al)は存在しない。
上記ポリシロキサンの製造方法は公知であり、例えば国際公開WO2014/002750号パンフレットに開示された方法にしたがって製造することができる。
なお、本発明で使用されるシランカップリング剤は前記以外の含硫黄シランカップリング剤も使用できる。例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
式(100)で示される硫黄含有シランカップリング剤の配合量は、前記シリカに対して2〜20質量%が好ましく、7〜15質量%がさらに好ましい。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、CTAB比表面積が100〜400m/gのシリカを75〜200質量部、および酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5〜50質量部配合してなることを特徴とする。
前記シリカの配合量が75質量部未満であると、ウェットグリップ性能が悪化し、逆に200質量部を超えると、破断強度が低下し、耐摩耗性が悪化する。
前記テルペンフェノール樹脂の配合量が5質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に50質量部を超えると、ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)が低下するとともに、破断強度が低下し、耐摩耗性が悪化する。
また、本発明のゴム組成物において、前記シリカの配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、100〜180質量部であることが好ましい。
テルペンフェノール樹脂の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、10〜40質量部であることが好ましい。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、キャップトレッド、とくに競技用空気入りタイヤのキャップトレッドに適用するのがよい。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
標準例、実施例1〜5および比較例1〜5
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で未加硫のゴム組成物および加硫ゴム試験片の物性を測定した。
ウェットグリップ性能:JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所製)を用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度0℃の条件で、tanδ(0℃)を測定した。結果は、標準例を100として指数表示した。指数が大きいほど、ウェットグリップ性能が良好であることを示す。
ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能):前記未加硫のゴム組成物において、配合されたジエン系ゴム、樹脂成分およびオイル(前記ジエン系ゴムを油展しているオイルを含む)の平均Tgを算出した。なお平均Tgとは、前記各成分のTgの加重平均に基づき算出される値である。結果は、標準例を100として指数表示した。指数が大きい場合、コンパウンドTgの上昇により、ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)が低下することを示す。
破断強度:JIS K6251に準拠し、引張試験にて破断伸びを100℃で評価した。結果は標準例1の値を100として指数表示した。この指数が大きいほど破断強度に優れ、耐摩耗性にも優れることを示す。
Figure 0006791278
*1:SBR1(旭化成社製商品名タフデンE680、スチレン量=36質量%、SBR100質量部にオイル成分37.5質量部を添加した油展品、該オイル成分を除くSBR1のTg=−15℃)
*2:SBR2(ZSエラストマー株式会社製Nipol NS522、スチレン量=39質量%、SBR100質量部にオイル成分37.5質量部を添加した油展品、該オイル成分を除くSBRのTg=−25℃)
*3:シリカ1(Evonik社製Ultrasil 7000GR、CTAB比表面積=160m/g)
*4:シリカ2(Solvay社製Zeosil 1085GR、CTAB比表面積=85m/g)
*5:カーボンブラック(キャボットジャパン株式会社製ショウブラックN339)
*6:樹脂1(JXエナジー社製ネオポリマー140S、C9樹脂)
*7:樹脂2(ヤスハラケミカル株式会社製YSポリスターT160、フェノール変性テルペン樹脂、酸価=0mgKOH/g、水酸基価=60mgKOH/g)
*8:樹脂3(ヤスハラケミカル株式会社製YSポリスターS145、フェノール変性テルペン樹脂、酸価=0mgKOH/g、水酸基価=100mgKOH/g)
*9:樹脂4(荒川化学工業株式会社製タマノル803L、テルペンフェノール樹脂、酸価=50mgKOH/g、水酸基価=15mgKOH/g)
*10:樹脂5(荒川化学工業株式会社製タマノル901、テルペンフェノール樹脂、酸価=50mgKOH/g、水酸基価=45mgKOH/g)
*11:硫黄含有シランカップリング剤1(Evonik Degussa社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
*12:硫黄含有シランカップリング剤2(国際公開WO2014/002750号パンフレットに開示された合成例1に従って合成した、上記式(100)を満たす化合物。組成式=(−C36−S4−C36−)0.083(−C8170.667(−OC251.50(−C36SH)0.167SiO0.75、平均分子量=860)
*13:オイル(昭和シェル石油株式会社製エキストラクト4号S)
*14:ステアリン酸(日油株式会社製ビーズステアリン酸YR)
*15:酸化亜鉛(正同化学工業株式会社製酸化亜鉛3種)
*16:老化防止剤(Solutia Europe社製Santoflex 6PP)
*17:加硫促進剤1(大内新興化学工業株式会社製ノクセラーCZ−G)
*18:加硫促進剤2(大内新興化学工業株式会社製ノクセラーTOT−N)
*19:硫黄(鶴見化学工業株式会社製金華印油入微粉硫黄)
表1の結果から、実施例1〜5のゴム組成物は、特定範囲のガラス転移温度(Tg)を有するスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴムに対し、特定のCTAB比表面積範囲を有するシリカと、特定の酸価および水酸基価範囲を有するテルペンフェノール樹脂とを特定量でもって配合したので、標準例に比べて、ウェットグリップ性能、ウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)が向上し、かつ破断強度が高まり耐摩耗性に優れていることが分かる。
これに対し、比較例1はシリカのCTAB比表面積が本発明で規定する下限未満であるので、標準例に比べて破断強度が悪化している。
比較例2はシリカの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、標準例に比べて破断強度が悪化している。
比較例3および4は、テルペンフェノール樹脂の酸価が本発明で規定する下限未満であるので、標準例に比べてウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)および破断強度が悪化している。
比較例5はテルペンフェノール樹脂の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、標準例に比べてウォームアップ性能(低温時のウェットグリップ性能)および破断強度が悪化している。

Claims (5)

  1. ガラス転移温度(Tg)が−20℃以上のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、
    CTAB比表面積が100〜400m/gのシリカを75〜200質量部、および
    酸価が30mgKOH/g以上かつ水酸基価が5mgKOH/g以上のテルペンフェノール樹脂を5〜50質量部配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。(ただし、前記タイヤ用ゴム組成物は、無溶剤型アクリル樹脂を含まない。)
  2. 前記スチレン−ブタジエン共重合体ゴムのスチレン量が30質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. さらに、下記式(100)で示される硫黄含有シランカップリング剤を、前記シリカに対して2〜20質量%配合してなることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
    (A)a(B)b(C)c(D)d(R1)eSiO(4-2a-b-c-d-e)/2 (100)
    (式(100)中、Aはスルフィド基を含有する2価の有機基、Bは炭素数5〜10の1価の炭化水素基、Cは加水分解性基、Dはメルカプト基を含有する有機基、R1は炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表し、0≦a<1、0<b<1、0<c<3、0≦d<1、0≦e<2、かつ0<2a+b+c+d+e<4の関係を満たす。ただし、aおよびdが同時に0になることはない。)
  4. タイヤキャップトレッドに用いられる、請求項1〜3いずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物をキャップトレッドに使用した空気入りタイヤ。
JP2019015881A 2019-01-31 2019-01-31 タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Active JP6791278B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019015881A JP6791278B2 (ja) 2019-01-31 2019-01-31 タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
DE112019006232.8T DE112019006232T5 (de) 2019-01-31 2019-12-19 Kautschukzusammensetzung für Seitenwände und Luftreifen der diese verwendet
US17/310,272 US20220135777A1 (en) 2019-01-31 2019-12-19 Rubber composition for tire and pneumatic tire using same
PCT/JP2019/049896 WO2020158237A1 (ja) 2019-01-31 2019-12-19 タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019015881A JP6791278B2 (ja) 2019-01-31 2019-01-31 タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020122110A JP2020122110A (ja) 2020-08-13
JP6791278B2 true JP6791278B2 (ja) 2020-11-25

Family

ID=71993500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019015881A Active JP6791278B2 (ja) 2019-01-31 2019-01-31 タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6791278B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4164136B2 (ja) * 1997-08-04 2008-10-08 コニシ株式会社 スチレンブロック共重合体ゴム系接着剤組成物
JP4462874B2 (ja) * 2003-08-29 2010-05-12 コニシ株式会社 ゴム系溶剤形接着剤
CN103534324B (zh) * 2011-03-30 2015-12-23 琳得科株式会社 乳液型粘合剂组合物及再剥离性粘合片
JP2016037532A (ja) * 2014-08-06 2016-03-22 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP2016056236A (ja) * 2014-09-05 2016-04-21 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
CN109265843B (zh) * 2018-09-12 2020-12-29 浙江安宝乐科技有限公司 安全止滑孕妇鞋

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020122110A (ja) 2020-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3156444B1 (en) Rubber composition and pneumatic tire using same
JP5644838B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP5776356B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP6349999B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP7323813B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
JP6604102B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP6213091B2 (ja) アンダートレッド用ゴム組成物
JP6471563B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP6424597B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
WO2020158237A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP6897034B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JPWO2020110941A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP6791278B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP7397291B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP2019182920A (ja) ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP7275627B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP7235086B1 (ja) タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
JP2019182985A (ja) タイヤ用ゴム組成物の製造方法
JP7235087B1 (ja) タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
JP7339580B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物
WO2022158423A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
JP7243148B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
WO2023047752A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
WO2023106328A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP2016037520A (ja) ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6791278

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250