本発明は、(A)希土類金属化合物、(B)周期律表第2族、12族、13族から選ばれる元素の有機金属化合物、(C)非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物、から得られる触媒を用いて共役ジエン化合物を重合させて共役ジエン重合体を得る工程と、前記共役ジエン重合体を(D)ピロロピロール誘導体により変性させる工程と、により得られたことを特徴とする変性共役ジエン重合体に関する。
本発明は、(A)アルカリ金属化合物を用いて共役ジエン化合物を重合させて共役ジエン重合体を得る工程と、前記共役ジエン重合体を(D)ピロロピロール誘導体により変性させる工程と、により得られたことを特徴とする変性共役ジエン重合体に関する。
本発明で得られる変性共役ジエン重合体としては、好ましくはシス−1,4構造を94%以上、より好ましくは95%以上有するシス−1,4−ポリブタジエンが挙げられる。また、該変性共役ジエン重合体の[η]としては、好ましくは0.1〜10、さらに好ましくは1〜7、特に好ましくは1.5〜5に制御することができる。
本発明で得られる変性共役ジエン重合体の数平均分子量(Mn)としては、好ましくは、10000〜1000000、さらに好ましくは30000〜700000、特に好ましくは50000〜550000が挙げられる。また、上記変性共役ジエン重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)としては、好ましくは1.5〜10、さらに好ましくは1.5〜7、特に好ましくは1.5〜4が挙げられる。Mw/Mnが小さいと加工性が悪化する場合がある。
本発明の変性共役ジエン重合体は、単独でまたは他の合成ゴム若しくは天然ゴムとブレンドして配合し、必要ならばプロセス油で油展し、次いでカーボンブラックなどの充填剤、加硫剤、加硫促進剤、その他の通常の配合剤を加えて加硫し、タイヤ、ホース、ベルト、その他の各種工業用品等の機械的特性、耐摩耗性や低燃費性が要求されるゴム用途に使用される。また、プラスチック材料の改質剤として使用することもできる。
(変性について)
本発明で用いられる変性剤は、(D)ピロロピロール誘導体(ピロロピロール環を有する化合物)である。
ピロロピロール誘導体として具体的には、2,5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン、2,5−ジヒドロ−3,6−ジフェニルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン、2,5−ジヒドロ−3,6−ジ−2チエニルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン、3,6−ビス(4−クロロフェニル)−2,5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン、3,6−ビス(4−クロロフェニル)−2,5−ジメチルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン、3,6−ビス([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2,5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン、3,6−ビス(3−シアノフェニル)−2,5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン、3,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−2,5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン、3,6−ジ−2−フラニル−2,5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオンなどが挙げられる。これらの変性剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、これらの変性剤は比較的安価であり入手が容易であることも、工業的に有利である。
変性反応に使用する有機溶媒としては、それ自身が共役ジエン重合体と反応しないものであれば、自由に使用できる。通常は、共役ジエン重合体の製造に用いた溶媒と同じものが用いられる。その具体例としては、ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタンなどの炭素原子数5〜10の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、テトラリン、デカリンなどの脂環式炭化水素系溶媒などを挙げることができる。
変性反応の反応溶液の温度は、−30〜100℃の範囲にあることが好ましく、特に10〜90℃の範囲にあることが好ましい。温度が低すぎると変性反応の進行が遅く、温度が高すぎると重合体がゲル化しやすくなる。変性反応の時間には特に制限はないが、1分〜5時間の範囲にあることが好ましく、3分〜1時間の範囲にあることがさらに好ましい。変性反応時間が短すぎると反応が充分進行せず、時間が長すぎると重合体がゲル化しやすくなる。
変性反応溶液における共役ジエン重合体の量は、溶媒1リットル当り、通常は2〜300g、好ましくは10〜200gの範囲である。
変性反応における変性剤の使用量は、共役ジエン重合体100gに対して、通常は0.01〜150ミリモル、好ましくは0.1〜100ミリモル、更に好ましくは0.2〜50ミリモルの範囲にある。使用量が少な過ぎると、変性共役ジエン重合体中に導入される変性基の量が少なくなり、十分な変性効果が得られない。使用量が多すぎると、変性共役ジエン重合体中に未反応変性剤が残存し、その除去に手間がかかるため好ましくない。
変性反応の実施に際しては、重合反応に引き続いて変性剤を添加したのち、重合停止剤を添加し、反応生成物中に残留している溶媒や未反応モノマーをスチームストリッピング法や真空乾燥法などで除去する方法、あるいは、重合停止剤を添加したのち、変性剤を添加する方法などが挙げられる。重合停止剤の種類によっては、重合体が変性剤と反応する部位の活性を低下させることがあるため、重合停止前に変性剤を添加する方法が好ましい。
本発明の変性共役ジエン重合体の変性度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を用いる手法により算出する。これについて、変性ポリブタジエンを例に、図1に基づいて詳細に説明する。
図1において、縦軸は、GPC測定によって得られたポリマーのUV吸光度から得られるピーク面積値UVと、示差屈折率(RI)から得られるピーク面積値RIの比、UV/RIの値を示す。
横軸は、(1/Mn)×104の値を示し、Mnは数平均分子量である。図1において、Li−BR(未変性)は、Li系触媒によるリビングアニオン重合によって1,3−ブタジエンを重合したポリマーそのもののUV/RIの値を、異なる数平均分子量Mnのポリマーについてプロットしたもので、直線として近似することができる。また、Li−BR(変性)は、Li系触媒によるリビングアニオン重合によって重合した後、重合末端と所定の変性剤を反応させて変性したポリマーのUV/RIの値を、異なる数平均分子量Mnのポリマーについてプロットしたもので、直線として近似することができる。
リビングアニオン重合の場合は、ポリマー1分子と変性剤1分子が定量的に反応する。例えば、ある数平均分子量(Mn1)におけるLi−BR(変性)のUV/RI値とLi−BR(未変性)のUV/RI値の差をAとする。これはその数平均分子量(Mn1)である1分子鎖に変性剤が1分子反応した場合のUV/RI値の変化量を示し、変性度1.0に相当する。この値を基準に、変性ポリブタジエンの変性度を算出することができる。
Li−BRと同様にして、ある数平均分子量(Mn1)である本発明の変性ポリブタジエンと、変性に用いたものと同じ方法で得られた未変性のポリブタジエンについて、それぞれUV/RI値を算出してその差をBとすると、本発明の変性ポリブタジエンの変性度は、以下の式で表すことができる。
本発明の変性ポリブタジエンの変性度は、特に限定されるものではないが、0.1以上が好ましく、0.1を超えることがより好ましい。変性度が0.1未満では、変性による効果が十分でない場合がある。好ましい変性度においては、変性剤の極性官能基(アミノ基、カルボニル基、水酸基など)とフィラー(充填剤)の極性官能基との相互作用により、ゴム組成物中でのフィラーの分散性を高めることができる。
(共役ジエン重合体について)
本発明の触媒系の(A)成分である希土類金属化合物又はアルカリ金属化合物は、非極性の有機溶媒に溶解する状態であれば、特に限定はなく、ジケトン型希土類金属錯体、ケトイミン型希土類金属錯体、ジイミン型希土類金属錯体、希土類金属アルコキシド、希土類金属カルボン酸塩、希土類金属リン酸塩、有機アルカリ金属化合物などが挙げられる。
また希土類金属化合物は、アルカリ金属化合物よりも、1,4−シス構造の多いハイシスポリブタジエンが得られるという点で好ましい。希土類金属としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウムなどが好適に用いられる。
好ましくは、下記一般式(1)で表されるジケトン型希土類金属錯体である。
但し、R1,R2,R3は水素、または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Oは酸素原子を表し、Mは希土類金属原子を表す。
一般式(1)のR1〜R3における炭素数1〜12の置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、及びドデシル基などの飽和炭化水素基、ビニル基、1−プロペニル基、及びアリル基などの不飽和炭化水素基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、及びエチルシクロヘキシル基などの脂環式炭化水素基、並びにフェニル基、ベンジル基、トルイル基、及びフェネチル基などの芳香族炭化水素基などが挙げられる。さらに、それらにヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボメトキシ基、カルボエトキシ基、アミド基、アミノ基、アルコキシ基、及びフェノキシ基などが任意の位置に置換されているものも含まれる。中でも、炭素数1〜12の飽和炭化水素基が好ましく、特に炭素数1〜6の飽和炭化水素基が好ましい。
そして、一般式(1)のR1〜R3は、R2は水素又は炭素数1〜12の置換基、R1とR3は炭素数1〜12の置換基が好ましい。特にR2は水素又は炭素数1〜6の置換基、R1とR3は炭素数1〜6の置換基が好ましい。
そして、一般式(1)のR1〜R3は、R2は水素又は炭素数1〜12の飽和炭化水素基、R1とR3は炭素数1〜12の飽和炭化水素基が好ましい。特にR2は水素又は炭素数1〜6の飽和炭化水素基、R1とR3は炭素数1〜6の飽和炭化水素基が好ましい。
本発明の触媒系の(A)成分がジケトン型希土類金属錯体の場合は、例えばランタン化合物では、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(2,2,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ランタン、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)ランタン、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)ランタン、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)ランタンなどが挙げられる。中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタンである。
ガドリニウム化合物では、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(2,2,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ガドリニウム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)ガドリニウム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)ガドリニウム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)ガドリニウムなどが挙げられる。中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウムである。
プラセオジム化合物では、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(2,2,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)プラセオジム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)プラセオジム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)プラセオジム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)プラセオジムなどが挙げられる。中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)プラセオジムである。
ネオジム化合物では、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(2,2,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)ランタン、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ネオジム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)ネオジム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)ネオジム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)ネオジムなどが挙げられる。中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ネオジム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ネオジムである。
テルビウム化合物では、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(2,2,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)テルビウム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)テルビウム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)テルビウム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)テルビウムなどが挙げられる。中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)テルビウムである。
ジスプロシウム化合物では、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(2,2,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)ジスプロシウム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)ジスプロシウムなどが挙げられる。中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ジスプロシウムである。
イットリウム化合物では、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(2,2,6−トリメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ジスプロシウム、トリス(2,4−ヘキサンジオナト)イットリウム、トリス(1,5−ジシクロペンチル−2,4−ペンタンジオナト)イットリウム、トリス(1,5−ジシクロヘキシル−2,4−ペンタンジオナト)イットリウムなどが挙げられる。中でも、好ましくは、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウム、トリス(2,6−ジメチル−3,5−ヘプタンジオナト)イットリウムである。
(A)ジケトン型希土類金属錯体は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の触媒系の(A)成分が希土類金属アルコキシドの場合、例えばランタン化合物では、トリメトキシランタン、トリエトキシランタン、トリn−プロポキシランタン、トリイソプロポキシランタン、トリブトキシランタン、トリペントキシランタン、トリヘキシロキシランタン、などが挙げられる。中でも、好ましくは、トリイソプロポキシランタンである。
ガドリニウム化合物では、トリメトキシガドリニウム、トリエトキシガドリニウム、トリn−プロポキシガドリニウム、トリイソプロポキシガドリニウム、トリブトキシガドリニウム、トリペントキシガドリニウム、トリヘキシロキシガドリニウム、などが挙げられる。中でも、好ましくは、トリイソプロポキシガドリニウムである。
プラセオジム化合物では、トリメトキシプラセオジム、トリエトキシプラセオジム、トリn−プロポキシプラセオジム、トリイソプロポキシプラセオジム、トリブトキシプラセオジム、トリペントキシプラセオジム、トリヘキシロキシプラセオジム、などが挙げられる。中でも、好ましくは、トリイソプロポキシプラセオジムである。
ネオジム化合物では、トリメトキシネオジム、トリエトキシネオジム、トリn−プロポキシネオジム、トリイソプロポキシネオジム、トリブトキシネオジム、トリペントキシネオジム、トリヘキシロキシネオジム、などが挙げられる。中でも、好ましくは、トリイソプロポキシネオジムである。
テルビウム化合物では、トリメトキシテルビウム、トリエトキシテルビウム、トリn−プロポキシテルビウム、トリイソプロポキシテルビウム、トリブトキシテルビウム、トリペントキシテルビウム、トリヘキシロキシテルビウム、などが挙げられる。中でも、好ましくは、トリイソプロポキシテルビウムである。
ジスプロシウム化合物では、トリメトキシジスプロシウム、トリエトキシジスプロシウム、トリn−プロポキシジスプロシウム、トリイソプロポキシジスプロシウム、トリブトキシジスプロシウム、トリペントキシジスプロシウム、トリヘキシロキシジスプロシウム、などが挙げられる。中でも、好ましくは、トリイソプロポキシジスプロシウムである。
イットリウム化合物では、トリメトキシイットリウム、トリエトキシイットリウム、トリn−プロポキシイットリウム、トリイソプロポキシイットリウム、トリブトキシイットリウム、トリペントキシイットリウム、トリヘキシロキシイットリウム、などが挙げられる。中でも、好ましくは、トリイソプロポキシイットリウムである。
希土類金属系アルコキシド化合物(A)は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の触媒系の(A)成分が希土類金属カルボン酸塩の場合は、例えば、2−エチルヘキサン酸ネオジム、バーサチック酸ネオジム、ナフテン酸ネオジム、ステアリン酸ネオジム、オレイン酸ネオジム、安息香酸ネオジム、ピコリン酸ネオジム、蟻酸ネオジム、酢酸ネオジム、アクリル酸ネオジム、メタクリル酸ネオジム、吉草酸ネオジム、グルコン酸ネオジム、クエン酸ネオジム、フマル酸ネオジム、乳酸ネオジム、マレイン酸ネオジム、シュウ酸ネオジム、などが挙げられる。
中でも、好ましくは、2−エチルヘキサン酸ネオジム、バーサチック酸ネオジムが挙げられる。希土類金属カルボン酸塩(A)は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の触媒系の(A)成分が希土類金属リン酸塩の場合は、例えば、ネオジムジ(2−エチルヘキシル)リン酸塩、ネオジムジブチルリン酸塩、ネオジムジペンチルリン酸塩、ネオジムジヘキシルリン酸塩、ネオジムジヘプチルリン酸塩、ネオジムジオクチルリン酸塩、ネオジムジ(1−メチルヘプチル)リン酸塩、ネオジムジデシルリン酸塩、ネオジムジドデシルリン酸塩、ネオジムジオクタデシルリン酸塩、ネオジムジオレイルリン酸塩、ネオジムジフェニルリン酸塩、ネオジムジ(p−ノニルフェニル)リン酸塩、ネオジムブチル(2−エチルヘキシル)リン酸塩、ネオジム(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)リン酸塩、ネオジム(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)リン酸塩、などが挙げられる。
中でも、好ましくは、ネオジムジ(2−エチルヘキシル)リン酸塩が挙げられる。希土類金属リン酸塩(A)は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の触媒系の(A)成分が有機アルカリ金属化合物の場合は、例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、などが挙げられる。中でも、好ましくは、n−ブチルリチウムが挙げられる。有機アルカリ金属化合物(A)は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における触媒系の(B)成分である周期律表第2族、12族、13族元素の有機金属化合物としては、例えば、有機マグネシウム、有機亜鉛、有機アルミニウム等が用いられる。これらの化合物の内で好ましいのは、ジアルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムクロライド、アルキルマグネシウムブロマイド、ジアルキル亜鉛、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイド、アルキルアルミニウムジクロライド、ジアルキルアルミニウムハイドライドなどである。
具体的な化合物としては、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ヘキシルマグネシウムクロライド、オクチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムアイオダイド、ヘキシルマグネシウムアイオダイドなどのアルキルマグネシウムハライドを挙げることができる。
さらに、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジオクチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、エチルヘキシルマグネシウムなどのジアルキルマグネシウムを挙げることができる。
さらに、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジヘキシル亜鉛、ジオクチル亜鉛、ジデシル亜鉛などのトリアルキル亜鉛を挙げることができる。
さらに、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムを挙げることができる。
さらに、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライドなどのジアルキルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどの有機アルミニウムハロゲン化合物、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキハイドライドなどの水素化有機アルミニウム化合物も挙げることができる。
また、(B)成分として、アルモキサンを用いてもよい。アルモキサンとしては、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られるものであって、一般式(−Al(R')O−) n で示される鎖状アルモキサン、あるいは環状アルモキサンが挙げられる。(R' は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/又はアルコキシ基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)。R' として、はメチル、エチル、プロピル、イソブチル基が挙げられるが、メチル基が好ましい。アルモキサンの原料として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物などが挙げられる。
それらの中でも、トリメチルアルミニウムとトリブチルアルミニウムの混合物を原料として用いたアルモキサンを好適に用いることができる。
また、縮合剤としては、典型的なものとして水が挙げられるが、この他に上記のトリアルキルアルミニウムが縮合反応する任意のもの、例えば無機物などの吸着水やジオールなどが挙げられる。
これらの周期律表第2族、12族、13族元素の有機金属化合物は、単独で用いることもできるが、2種類以上併用することも可能である。
上述した触媒を用いて共役ジエンの重合を行うことができるが、得られる共役ジエン重合体の分子量調節剤としては、(1)水素、(2)水素化金属化合物、(3)水素化有機金属化合物、から選ばれる化合物を用いることができる。
本発明における分子量調節剤の(2)水素化金属化合物としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化マグネシウム、水素化カルシウム、ボラン、水素化アルミニウム、水素化ガリウム、シラン、ゲルマン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ナトリウムアルミニウム、などが挙げられる。
また、本発明における分子量調節剤の(3)水素化有機金属化合物としては、メチルボラン、エチルボラン、プロピルボラン、ブチルボラン、フェニルボランなどのアルキルボラン、ジメチルボラン、ジエチルボラン、ジプロピルボラン、ジブチルボラン、ジフェニルボランなどのジアルキルボラン、メチルアルミニウムジハイドライド、エチルアルミニウムジハイドライド、プロピルアルミニウムジハイドライド、ブチルアルミニウムジハイドライド、フェニルアルミニウムジハイドライドなどのアルキルアルミニウムジハイドライド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジブチルアルミニウムハイドライド、ジフェニルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド、メチルシラン、エチルシラン、プロピルシラン、ブチルシラン、フェニルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ジプロピルシラン、ジブチルシラン、ジフェニルシラン、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリプロピルシラン、トリブチルシラン、トリフェニルシランなどのシラン類、メチルゲルマン、エチルゲルマン、プロピルゲルマン、ブチルゲルマン、フェニルゲルマン、ジメチルゲルマン、ジエチルゲルマン、ジプロピルゲルマン、ジブチルゲルマン、ジフェニルゲルマン、トリメチルゲルマン、トリエチルゲルマン、トリプロピルゲルマン、トリブチルゲルマン、トリフェニルゲルマンなどのゲルマン類、などが挙げられる。
これらの中でも、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライドが好ましく、ジイソブチルアルミニウムハイドライドが特に好ましい。
本発明の触媒系に(C)成分として、非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物を添加してもよい。本発明の触媒系の(A)成分が希土類金属化合物のときは必要である。非配位性アニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレート、テトラ(フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリイル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、トリフェニル(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(フェニル)ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。
一方、カチオンとしては、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、フェロセニウムカチオンなどを挙げることができる。
カルベニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリ置換フェニルカルベニウムカチオンなどの三置換カルベニウムカチオンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルベニウムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオンを挙げることができる。
アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げることができる。
ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、テトラ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオン、テトラ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのアリールホスホニウムカチオンを挙げることができる。
上記のイオン性化合物は、上記で例示した非配位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選択して組み合せたものを好ましく用いることができる
中でも、イオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(フルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1'−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが好ましい。イオン性化合物を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
触媒成分の添加順序は、特に制限はない。
本発明においては、各触媒成分を無機化合物、又は有機高分子化合物に担持して用いることもできる。
共役ジエン化合物モノマーとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−メチルペンタジエン、4−メチルペンタジエン、2,4−ヘキサジエンなどが挙げられる。中でも、1,3−ブタジエンを主成分とする共役ジエン化合物モノマーが好ましい。これらのモノマー成分は、一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合方法は、特に制限はなく、1,3−ブタジエンなどの共役ジエン化合物モノマーそのものを重合溶媒とする塊状重合(バルク重合)、又は溶液重合などを適用できる。溶液重合での溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、上記のオレフィン化合物やシス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素等が挙げられる。
中でも、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、あるいは、シス−2−ブテンとトランス−2−ブテンとの混合物などが好適に用いられる。
重合温度は−30〜150℃の範囲が好ましく、0〜80℃の範囲がより好ましく、30〜70℃の範囲が特に好ましい。重合時間は1分〜12時間の範囲が好ましく、5分〜5時間が特に好ましく、10分〜1時間がさらに好ましい。
(変性共役ジエン重合体組成物)
本発明の変性共役ジエン重合体組成物は、一種または二種以上の本発明の変性共役ジエン重合体を含むものであり、本発明の変性共役ジエン重合体(α)と、(α)以外のジエン系重合体(β)と、ゴム補強剤(γ)とを含むことが好ましい。本発明の変性共役ジエン重合体組成物の製造方法は、上述した本発明の変性共役ジエン重合体の製造方法により変性共役ジエン重合体(α)を製造する工程を有することを特徴とするものである。
具体的には、本発明の変性共役ジエン重合体は、単独で、または他の合成ゴム若しくは天然ゴムとブレンドして配合し、必要ならばプロセス油で油展し、次いでカーボンブラックなどの充填剤、加硫剤、加硫促進剤その他の通常の配合剤を加えて加硫し、タイヤ、ホース、ベルト、クローラ、その他の各種工業用品などの機械的特性、耐摩耗性、低燃費性などが要求されるゴム用途に使用することができる。
また、本発明の変性共役ジエン重合体は、プラスチック材料、例えば、耐衝撃性ポリスチレンの改質剤として使用する、すなわち、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物やゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物を製造することもできる。
本発明に係る変性共役ジエン重合体組成物の混合割合は、好ましくは、変性共役ジエン重合体(α)90〜5質量部と、(α)以外のジエン系重合体(β)10〜95質量部とからなるゴム成分(α)+(β)100質量部と、ゴム補強剤(γ)20〜120質量部である。
変性共役ジエン重合体組成物に含まれる(α)以外のジエン系重合体(β)としては、加硫可能なゴムが好ましく、具体的には天然ゴム(NR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、ポリイソプレン、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等を挙げることができる。これらの中でもNR及びSBRが好ましい。さらにSBRの場合、特に限定されるものではないが、中でも溶液重合スチレンブタジエン共重合体ゴム(S−SBR)が特に好ましい。これらのゴムは単独でも、二種以上組合せて用いても良い。
本発明で用いられるゴム補強剤(γ)としては、各種のカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム等の無機補強剤が挙げられる。これらの中でも、通常、カーボンブラック及びシリカが好ましい。これらのゴム補強剤は単独でも、二種以上組合せて用いても良い。
カーボンブラックは、粒子径が90nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が70ml/100g以上が好ましく、例えば、FEF、FF、GPF、SAF、ISAF、SRF、HAFなどが挙げられる。
シリカは、二酸化珪素(一般式SiO2で示される)の他に、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩などのケイ酸系充填材が挙げられる。また、乾燥シリカ、沈殿法シリカ、ゲル法シリカ、コロイダルシリカなどシリカの凝集状態、及び湿式法、乾式法などの製造方法について特に制限されない。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくは、耐摩耗性の優れた湿式シリカが挙げられる。
また、シランカップリング剤を添加剤として使用することもできる。添加剤として使用するシランカップリング剤は、一般式R4 nSiR5 4−nで表わされる有機珪素化合物で、R4はビニル基、アシル基、アリル基、アリルオキシ基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基、アルキル基、フェニル基、水素、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基などから選ばれる反応基を有する炭素数1〜20の有機基であり、R5は、クロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、イソプロペノキシ基、アミノ基などから選ばれる加水分解基であり、nは1〜3の整数を示す。上記のシランカップリング剤のR4としては、ビニル基及び/またはクロル基を含有するものが好ましい。
添加剤のシランカップリング剤の添加量としては、シリカ等のフィラー100質量部に対して0.2〜20質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましく、5〜15質量部が特に好ましい。上記の範囲よりも少ないと、スコーチの原因となることがある。また、上記の範囲よりも多いと、引張り特性、伸びの悪化の原因となることがある。
本発明に係る変性共役ジエン重合体組成物は、上記各成分を通常行われているバンバリー、オープンロール、ニーダー、二軸混練り機などを用いて混練りすることで得られる。
本発明に係る変性共役ジエン重合体組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、充填剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられる配合剤を混練してもよい。
加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などを用いることができる。加硫剤は、(α)+(β)100質量部に対して0.5〜3質量部程度を配合することが好ましい。
加硫助剤としては、公知の加硫助剤、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などを用いることができる。
老化防止剤としては、アミン・ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、クレー、リサージュ、珪藻土等の無機充填剤、カーボンブラック、再生ゴム、粉末ゴム等の有機充填剤が挙げられる。
プロセスオイルは、アロマティック系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
本発明によって得られる変性共役ジエン重合体組成物は、タイヤ・防振ゴム・ベルト・ホース・免震ゴムなどの工業用品や、紳士靴、婦人靴、スポーツシューズなどの履物といった各種のゴム用途に使用することができる。その場合、本発明の変性共役ジエン重合体を10重量%以上含有するように配合することが好ましい。また、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物は、公知の各種成形品に用いることができるが、難燃性、耐衝撃強度、引張強度に優れるために電気・工業用途分野、包装材料、住宅関連材料、OA機器用材料、工具、日用品等に好適である。例えばテレビ、パソコン、エアコンなどの筐体、複写機やプリンターなど事務機器の外装材、冷凍食品、乳酸飲料、アイスクリームなどの食品容器といった広範な用途に用いることができる。
(タイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物)
本発明の変性共役ジエン重合体組成物は、(α)+(β)と、ゴム補強剤(γ)との混合割合をそれぞれ調整することにより、タイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物として好適に用いることができる。
本発明のタイヤの製造方法は、変性共役ジエン重合体を含むタイヤの製造方法であって、上述した本発明の変性共役ジエン重合体の製造方法により変性共役ジエン重合体を製造する工程を有することを特徴とするものである。
本発明のゴムベルトは、本発明の変性共役ジエン重合体組成物を用いたものである。本発明のゴムベルトの製造方法は、変性共役ジエン重合体を含むゴムベルトの製造方法であって、上述した本発明の変性共役ジエン重合体の製造方法により変性共役ジエン重合体を製造する工程を有することを特徴とするものである。
タイヤ用ゴム組成物の場合には、ゴム組成物は、本発明の変性共役ジエン重合体(α)と、(α)以外のジエン系重合体(β)とからなるゴム成分(α)+(β)と、ゴム補強剤(γ)とを含み、上記ゴム成分(α)+(β)100質量部に対して上記ゴム補強剤(γ)を30〜80質量部含有することが好ましい。
また、ゴムベルト用ゴム組成物の場合には、ゴム組成物は、本発明の変性共役ジエン重合体(α)と、(α)以外のジエン系重合体(β)とからなるゴム成分(α)+(β)と、ゴム補強剤(γ)とを含み、上記ゴム成分(α)+(β)100質量部に対して上記ゴム補強剤(γ)を20〜70質量部含有することが好ましい。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物は、変性共役ジエン重合体(α)以外のジエン系重合体(β)を含み、変性共役ジエン重合体(α)90〜5質量部に対して、変性共役ジエン重合体(α)以外のジエン系重合体(β)10〜95質量部を配合することが好ましい。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物に配合されるジエン系重合体(β)としては、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、及びポリイソプレンのうち少なくとも一種以上であることが好ましい。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物及びゴムベルト用ゴム組成物に配合されるゴム補強剤(γ)としては、各種のカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム、タルク、マイカ等が挙げられる。中でも、カーボンブラック及びシリカのうち少なくとも一種以上であることが好ましい。
以下に本発明に基づく実施例について具体的に記載する。重合条件、変性条件並びに重合結果については表1にまとめて記載した。物性等の測定方法は以下の通りである。
触媒活性:重合反応に使用した触媒の中心金属1mmol当たり、重合時間1時間当たりの重合体収量(g)である。例えば、触媒がランタン化合物の場合には、重合反応に使用したランタン化合物のランタン金属1mmol当たり、重合時間1時間当たりの重合体収量(g)である。
(ポリブタジエン、変性ポリブタジエンの評価)
ミクロ構造:赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス734cm−1、トランス967cm−1、ビニル910cm−1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
数平均分子量(Mn)並びに重量平均分子量(Mw):ポリスチレンを標準物質としてテトラヒドロフランを溶媒として温度40℃で、GPC(株式会社島津製作所製)法により行い、得られた分子量分布曲線から求めた検量線を用いて計算し、数平均分子量並びに重量平均分子量を求めた。
分子量分布:ポリスチレンを標準物質として用いたGPCから求めた重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの比であるMw/Mnによって評価した。
(組成物の評価)
引張応力:JIS K6251に準拠して300%引張応力を測定し、表4に記載された比較例C−1を100として指数表示した。指数は大きいほど良好である。
反撥弾性:JIS K6255に従い、ダンロップ・トリプソメーターを使用して室温で反撥弾性を測定し、表4では記載された比較例C−1を100として指数表示した。指数は大きいほど良好である。
耐摩耗性(ピコ摩耗):ピコ摩耗は、JIS K6264−2に規定されている測定法に従って測定し、表4では記載された比較例C−1を100として指数表示した。指数は大きいほど良好である。
低燃費性(tanδ(3%)):粘弾性測定装置(アルファテクノロジーズ社製、RPA2000)を用い、温度50℃、周波数15Hz、動歪み3%で測定し、比較例C−1を100として指数で示した。低燃費性(tanδ)は小さいほうがよい。なお、表4中の指数は低燃費性がよいほど大きくなるように記載した。
低燃費性(tanδ(60℃)):粘弾性測定装置(GABO社製、EPLEXOR 100N)を用い、温度範囲−120℃〜100℃、周波数16Hz、動歪み0.3%で測定し、60℃におけるtanδを低燃費性の指標として用いた。表4では記載された比較例C−1を100として指数表示した。低燃費性(tanδ)は小さいほうがよい。なお、表4中の指数は低燃費性がよいほど大きくなるように記載した。
(実施例A−1)
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒480ml及びブタジエン500mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)2.6mlを添加した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン(La(dpm)3)のトルエン溶液(0.005mol/L)4.0mlを添加した後、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.004mol/L)10.0mlを添加した。20℃で25分間重合した後、3,6−ビス(4−クロロフェニル)−2,5−ジメチルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(Me−DPP)のo−ジクロロベンゼン溶液(0.05mol/L)10.0mlを添加し、同温度で10分間変性反応を行った。次いで、老化防止剤を含むエタノール溶液5mlを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、変性ポリブタジエンを回収した。次いで、回収した変性ポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥した。触媒活性は3,550g/mmol−La/hであった。その他の重合結果を表1に示した。
(実施例A−2)
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒240ml及びブタジエン250mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)1.65mlを添加した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム(Gd(dpm)3)のトルエン溶液(0.005mol/L)3.0mlを添加した後、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.004mol/L)7.5mlを添加した。20℃で25分間重合した後、3,6−ビス(4−クロロフェニル)−2,5−ジメチルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(Me−DPP)のo−ジクロロベンゼン溶液(0.05mol/L)7.5mlを添加し、同温度で10分間変性反応を行った。次いで、老化防止剤を含むエタノール溶液3mlを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、変性ポリブタジエンを回収した。次いで、回収した変性ポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥した。触媒活性は1,776g/mmol−Gd/hであった。その他の重合結果を表1に示した。
(参考例A−1)
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒480ml及びブタジエン500mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)2.5mlを添加した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ランタン(La(dpm)3)のトルエン溶液(0.005mol/L)4.0mlを添加した後、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.004mol/L)10.0mlを添加した。20℃で25分間重合した後、変性反応をすることなく、老化防止剤を含むエタノール溶液5mlを添加した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥した。触媒活性は3,109g/mmol−La/hであった。その他の重合結果を表1に示した。
(参考例A−2)
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒480ml及びブタジエン500mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、トリエチルアルミニウム(TEAL)のシクロヘキサン溶液(2mol/L)3.3mlを添加した。次に、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)ガドリニウム(Gd(dpm)3)のトルエン溶液(0.005mol/L)6.0mlを添加した後、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.004mol/L)15.0mlを添加した。20℃で25分間重合した後、変性反応をすることなく、老化防止剤を含むエタノール溶液5mlを添加した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥した。触媒活性は3,070g/mmol−Gd/hであった。その他の重合結果を表1に示した。
(実施例B−1)
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒450ml及びブタジエン60mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、80℃まで昇温した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)0.12mlを添加した。80℃で15分間重合した後、3,6−ビス(4−クロロフェニル)−2,5−ジメチルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(Me−DPP)のo−ジクロロベンゼン溶液(0.05mol/L)4.2mlを添加し、同温度で30分間変性反応を行った。次いで、老化防止剤を含むエタノール溶液5mlを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、変性ポリブタジエンを回収した。次いで、回収した変性ポリブタジエンを100℃で2時間真空乾燥した。収量は80.3g/Lであった。その他の重合結果を表2に示した。
(実施例B−2)
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)の添加量を0.17mlに変え、3,6−ビス(4−クロロフェニル)−2,5−ジメチルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(Me−DPP)のo−ジクロロベンゼン溶液(0.05mol/L)の添加量を5.8mlに変えた以外は、実施例B−1と同様にして変性ポリブタジエンを合成した。収量は63.6g/Lであった。その他の重合結果を表2に示した。
(実施例B−3)
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)の添加量を0.22mlに変え、3,6−ビス(4−クロロフェニル)−2,5−ジメチルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(Me−DPP)のo−ジクロロベンゼン溶液(0.05mol/L)の添加量を7.5mlに変えた以外は、実施例B−1と同様にして変性ポリブタジエンを合成した。収量は69.7g/Lであった。その他の重合結果を表2に示した。
(実施例B−4)
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)の添加量を0.27mlに変え、3,6−ビス(4−クロロフェニル)−2,5−ジメチルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(Me−DPP)のo−ジクロロベンゼン溶液(0.05mol/L)の添加量を9.2mlに変えた以外は、実施例B−1と同様にして変性ポリブタジエンを合成した。収量は65.7g/Lであった。重合結果を表2に示した。
(実施例B−5)
n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)の添加量を0.32mlに変え、3,6−ビス(4−クロロフェニル)−2,5−ジメチルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(Me−DPP)のo−ジクロロベンゼン溶液(0.05mol/L)の添加量を10.2mlに変えた以外は、実施例B−1と同様にして変性ポリブタジエンを合成した。収量は76.0g/Lであった。重合結果を表2に示した。
(実施例B−6)
3,6−ビス(4−クロロフェニル)−2,5−ジメチルピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオンのo−ジクロロベンゼン溶液(0.05mol/L)を、3,6−ビス(4−クロロフェニル)−2,5−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン(DPP)及びトリイソブチルアルミニウムのo−ジクロロベンゼン混合溶液(各0.05mol/L)に変えた以外は、実施例B−3と同様にして変性ポリブタジエンを合成した。収量は63.4g/Lであった。その他の重合結果を表2に示した。
(比較例B−1)
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒400ml及びブタジエン110mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、80℃まで昇温した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)0.12mlを添加した。80℃で15分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液5mlを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収した変性ポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥した。収量は114.5g/Lであった。その他の重合結果を表2に示した。
(比較例B−2)
内容量1.5Lのオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン溶媒450ml及びブタジエン60mlからなる溶液を仕込んだ。次いで、80℃まで昇温した後、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)0.30mlを添加した。80℃で15分間重合した後、老化防止剤を含むエタノール溶液5mlを添加し、オートクレーブの内部を放圧した後、重合液にエタノールを投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収した変性ポリブタジエンを80℃で3時間真空乾燥した。収量は74.2g/Lであった。その他の重合結果を表2に示した。
実施例B−1〜B−6の変性ポリブタジエンは、比較例B−1〜2の未変性ポリブタジエンよりも、GPC分析で得られるUV/RI値が大きいため、各種変性剤がポリブタジエンと結合している(変性されている)ことが示唆される。
(実施例C−1)
実施例A−1に従って合成した変性ポリブタジエンを用い、表3に示す配合処方に従って、プラストミルで天然ゴム、カーボンブラック(三菱化学株式会社製 ダイアブラック)、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤(住友化学株式会社製 アンチゲン6C)、オイル(H&R社製 Viva Tec 400)を加えて混練する一次配合を実施し、次いでロールにて加硫促進剤(大内新興化学工業株式会社製 ノクセラーNS)、硫黄を添加する二次配合を実施することで、配合ゴムを作製した。更にこの配合ゴムを目的物性に応じて成型し、150℃にてプレス加硫した加硫物の物性測定を行った。各種配合物の物性測定結果を表4に示した。
(実施例C−2)
実施例A−1に従って合成した変性ポリブタジエンに代えて、実施例A−2に従って合成した変性ポリブタジエンを用いた以外は実施例C−1と同様にして配合ゴムを作製し、成型、プレス加硫した加硫物の物性測定を行った。各種配合物の物性測定結果を表4に示した。
(参考例C−1)
実施例A−1に従って合成した変性ポリブタジエンに代えて、参考例A−1に従って合成したポリブタジエンを用いた以外は実施例C−1と同様にして配合ゴムを作製し、成型、プレス加硫した加硫物の物性測定を行った。各種配合物の物性測定結果を表4に示した。
(参考例C−2)
実施例A−1に従って合成した変性ポリブタジエンに代えて、参考例A−2に従って合成したポリブタジエンを用いた以外は実施例C−1と同様にして配合ゴムを作製し、成型、プレス加硫した加硫物の物性測定を行った。各種配合物の物性測定結果を表4に示した。
(比較例C−1)
実施例A−1に従って合成した変性ポリブタジエンに代えて、ポリブタジエンとしてJSR株式会社製、JSR BR01(Ni系触媒を用いて重合されたポリブタジエン)を用いた以外は実施例C−1と同様にして配合ゴムを作製し、成型、プレス加硫した加硫物の物性測定を行った。各種配合物の物性測定結果を表4に示した。
配合処方を表3に示す。表3中の数値は、質量部である。
表4中の数値は、JSR株式会社製、JSR BR01(Ni系触媒を用いて重合されたポリブタジエン)を用いた比較例C−1の各特性値を基準(100)としたときに、各項目についてそれぞれ指数表示したものである。数値が大きいほど特性が優れていることを示している。
表4に示すとおり、実施例A−1、A−2により得られる変性ポリブタジエンを用いた実施例C−1、C−2の組成物は、JSR BR01(Ni系触媒を用いて重合されたポリブタジエン)を用いた比較例C−1の組成物よりも引張応力(引張特性)、反撥弾性、耐摩耗性(ピコ摩耗)、低燃費性(tanδ)に優れている。
また、表4に示すとおり、実施例A−1、A−2により得られる変性ポリブタジエンを用いた実施例C−1、C−2の組成物は、実施例A−1、A−2と同じ触媒を用いて合成した参考例C−1、C−2の組成物よりも、引張応力(引張特性)、反撥弾性、耐摩耗性(ピコ摩耗)、低燃費性(tanδ)の複数の項目で優れていることから、変性した効果は明らかである。