以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[本開示の一態様の着眼点]
MTCカバレッジエンハンスメントでは、複数のカバレッジエンハンスメントレベルを定義することが検討されている。例えば、カバレッジエンハンスメントレベルとして、通常のカバレッジ(カバレッジエンハンスメントを適用しない場合)と比較して5dB、10dB、15dBの3つ程度を定義することが検討されている。また、MTCカバレッジエンハンスメントにおいて、通常の端末と比較して最大送信電力が小さい端末が定義された場合には、その端末に対するカバレッジエンハンスメントレベルは、通常のカバレッジと比較して6dB、12dB、18dBとすることが検討されている。
以下では、5dB又は6dBのカバレッジエンハンスメントが必要なカバレッジエンハンスメントレベルを「Small coverage enhancementレベル」と呼び、10dB又は12dBのカバレッジエンハンスメントが必要なカバレッジエンハンスメントレベルを「Middle coverage enhancementレベル」と呼び、15dB又は18dBのカバレッジエンハンスメントが必要なカバレッジエンハンスメントレベルを「Large coverage enhancementレベル」と呼ぶこともある。なお、各エンハンスメントレベルにおいて必要なレベルは5dB、6dB、10dB、12dB、15dB、18dBに限定されるものではない。
一般に、大きいカバレッジエンハンスメントレベルを達成するためには、より多くのレピティションが必要となる。例えば、15dB及び18dBのカバレッジエンハンスメントを達成するために必要なレピティション回数は、64及び128サブフレーム程度となる。
しかし、64又は128サブフレームのレピティションを行う場合、周波数オフセットの影響により、基地局においてレピティション回数と同数のサブフレームを用いて複数サブフレームチャネル推定及びシンボルレベル合成を行っても受信信号の位相が揃わず却って特性が劣化してしまう。このため、複数サブフレームチャネル推定及びシンボルレベル合成に用いることができるサブフレーム数(NSF)は、4又は8サブフレーム程度が限界であると云える。
よって、64又は128サブフレーム等の非常に多くのレピティション回数を要する場合でも、基地局は、4又は8サブフレーム程度の複数サブフレームチャネル推定及びシンボルレベル合成を行うことになる。しかしながら、非常に多くのレピティション回数(64又は128回)を要する場合に、4又は8サブフレーム程度の少ないサブフレームによる複数サブフレームチャネル推定及びシンボルレベル合成を行っても、同相合成後のDMRSの受信信号電力対干渉電力比(SNR)は非常に小さくなるので、チャネル推定精度の劣化が生じてしまう。
図4A及び図4Bは複数サブフレームチャネル推定及びシンボルレベル合成を用いたPUSCHレピティションのBLER特性を示す。図4Aは8回レピティションの場合のBLER特性を示し、図4Bは128回レピティションの場合のBLER特性を示す。また、図4A及び図4Bでは、比較として理想チャネル推定の場合のBLER特性も示している。
図4A及び図4Bより、レピティション回数が比較的少ない8レピティションの場合には、複数サブフレームチャネル推定及びシンボルレベル合成を行うことで理想チャネル推定からの劣化量を2dB程度に抑えることができる。これに対して、レピティション回数が比較的多い128レピティションの場合には、4又は8サブフレームのチャネル推定及びシンボルレベル合成では、理想チャネル推定からの劣化が5dBと大きくなることが分かる。
以上のように、レピティション回数が比較的多い場合に複数サブフレームチャネル推定及びシンボルレベル合成を行うと理想チャネル推定の場合と比較して特性が劣化してしまう。
次に、PUSCHにおいて、既存のDMRSのシンボル(図3上図)に対して挿入するDMRSのシンボル数を増加させる場合について検討する。
図5は、レピティション回数NRep=4,8,16,32,64,128のそれぞれについて、図3の上図に示すように1スロットに1個のDMRSを配置する場合(1x DMRS。DMRSを増加させない場合)のBLER特性、及び、図3の下図に示すように1スロットに2個のDMRSを配置する場合(2x DMRS。DMRSを2倍に増加する場合)のBLER特性を示す。また、図5では、比較として、レピティション回数NRep=1(レピティション無し)、かつ、図3の上図に示すように1スロットに1個のDMRSを配置する場合(通常のカバレッジに相当)のBLER特性を示す。また、図5は、4サブフレーム(NSF=4)のチャネル推定及びシンボルレベル合成を用いた場合のBLER特性を示す。
図5に示すように、5dB又は6dBのカバレッジエンハンスメントが必要なSmall coverage enhancementレベルでは、4回(NRep=4)程度のレピティションが必要である。また、10dB又は12dBのカバレッジエンハンスメントが必要なMiddle coverage enhancementレベルでは、16回(NRep=16)程度のレピティションが必要である。また、15dB又は18dBのカバレッジエンハンスメントが必要なLarge coverage enhancementレベルでは、128回(NRep=128)程度のレピティションが必要であることが分かる。
一方、図5に示すように、DMRSを2倍に増加させた場合、Small又はMiddle coverage enhancementレベルに必要な4回、8回又は16回(NRep=4,8,16)のレピティションでは、DMRSを増加させない場合と比較して、BLER特性が同等若しくは劣化することが分かる。これに対して、Large coverage enhancementレベルに必要な64回又は128回(NRep=64,128)のレピティションでは、DMRSを2倍に増加させた場合には、DMRSを増加させない場合と比較して、BLER特性が改善されていることが分かる。
以上のように、DMRSの増加は、レピティション回数が比較的多い場合(図5ではNRep=64以上)のみに有効であることが分かる。
このように、レピティション回数が比較的少ないSmall又はMiddle coverage enhancementレベルでは、図4Aに示すように複数サブフレームチャネル推定及びシンボルレベル合成によるPUSCHの特性改善が得られるのに対して、図5に示すようにDMRSの増加によるPUSCHの特性改善が得られない。
一方、レピティション回数が比較的多いLarge coverage enhancementレベルでは、図4Bに示すように複数サブフレームチャネル推定及びシンボルレベル合成によるPUSCHの特性改善が十分ではないのに対して、図5に示すようにDMRSの増加によるPUSCHの特性改善が得られる。
そこで、本開示の一態様では、MTCカバレッジエンハンスメントモードが設定される端末のうち、Large coverage enhancementレベルの端末に対して、通常の端末に対するDMRS(予め規定された数のDMRS)より多いDMRSを設定する。一方、Middle coverage enhancementレベル及びSmall coverage enhancementレベルの端末に対して、通常の端末に対するDMRSと同様のDMRSを設定する(つまりDMRSを増加させない)。
これにより、複数サブフレームチャネル推定及びシンボルレベル合成を行う場合には、Small又はMiddle coverage enhancementレベルでは、DMRSを増加させなくてもPUSCHの伝送特性を改善できる。また、Large coverage enhancementレベルでは、DMRSの増加によってPUSCHの伝送特性を改善できる。
また、DMRSの増加は、伝送品質の改善が期待できるLarge coverage enhancementレベルのみで適用され、Small又はMiddle coverage enhancementレベルでは適用されないので、Small又はMiddle coverage enhancementレベルではPUSCHで送ることができるデータビット数を減少させずにすむ。
[通信システムの概要]
本開示の各実施の形態に係る通信システムは、例えば、LTE-Advancedに対応するシステムであって、基地局100及び端末200を備える。
基地局100のセル内に、MTCカバレッジエンハンスメントモードの端末200が存在している場合を想定する。端末200は、例えば、MTCカバレッジエンハンスメントモードが適用される場合、PUSCHの送信の際、複数のサブフレームに渡ってレピティション送信を適用する。すなわち、端末200は、所定のレピティション回数(レピティションレベル、又はRepetition Factorと呼ぶこともある)分の連続するサブフレームにおいて同一の信号を繰り返し送信する。
例えば、NRep回のレピティションが行われる場合(つまり、レピティション回数:NRep)、端末200は、1サブフレームの信号をNRepサブフレームに渡って連続送信する。
一方、基地局100は、端末200からレピティション送信される信号に対して、「複数サブフレームチャネル推定及びシンボルレベル合成」を行う(例えば、図2を参照)。具体的には、基地局100は、レピティション回数NRepと同一又は少ないサブフレーム(NSFサブフレーム)に渡ってシンボル単位で同相合成を行う。その後、基地局100は、同相合成後のDMRSを用いてチャネル推定を行い、得られたチャネル推定結果を用いて、SC-FDMAデータシンボルの復調・復号を行う。
図6は本開示の実施の形態に係る基地局100の要部構成を示すブロック図である。図6に示す基地局100において、制御部101は、1サブフレーム内にデータシンボルと復調用参照信号(DMRS)とが時間多重された上りリンク信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションする端末200に対して、複数のサブフレームの数に対応するカバレッジエンハンスメントレベルが所定値未満の場合、第1の数のDMRSを設定し、カバレッジエンハンスメントレベルが所定値以上の場合、第1の数より大きい第2の数のDMRSを設定する。受信部110は、端末200から送信された、上記DMRSを含む上りリンク信号を受信する。チャネル推定部115は、受信された上りリンク信号に含まれるDMRSを用いてチャネル推定を行う。
また、図7は、本開示の各実施の形態に係る端末200の要部構成を示すブロック図である。図7に示す端末200において、制御部206は、1サブフレーム内にデータシンボルと復調用参照信号(DMRS)とが時間多重された上りリンク信号に対して複数のサブフレームに渡るレピティションを適用する場合、自端末に対して、複数のサブフレームの数に対応するカバレッジエンハンスメントレベルが所定値未満の場合、第1の数のDMRSを設定し、カバレッジエンハンスメントレベルが所定値以上の場合、第1の数より大きい第2の数のDMRSを設定する。送信部216は、DMRSを含む上りリンク信号を送信する。
(実施の形態1)
[基地局の構成]
図8は、本開示の実施の形態1に係る基地局100の構成を示すブロック図である。図8において、基地局100は、制御部101と、制御信号生成部102と、符号化部103と、変調部104と、マッピング部105と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部106と、CP(Cyclic Prefix)付加部107と、送信部108と、アンテナ109と、受信部110と、CP除去部111と、FFT(Fast Fourier Transform)部112と、合成部113と、デマッピング部114と、チャネル推定部115と、等化部116と、復調部117と、復号部118と、判定部119と、を有する。
制御部101は、リソース割当対象端末200に対してPUSCHの割当を決定する。例えば、制御部101は、端末200に対する周波数の割当リソース及び変調・符号化方法を決定し、決定したパラメータに関する情報を制御信号生成部102に出力する。
また、制御部101は、制御信号に対する符号化レベルを決定し、決定した符号化レベルを符号化部103に出力する。また、制御部101は、制御信号をマッピングする無線リソース(下りリソース)を決定し、決定した無線リソースに関する情報をマッピング部105に出力する。
また、制御部101は、端末200のカバレッジエンハンスメントレベルを決定し、決定したカバレッジエンハンスメントレベルに関する情報、又は、決定したカバレッジエンハンスメントレベルでのPUSCH送信に必要なレピティション回数を制御信号生成部102に出力する。また、制御部101は、カバレッジエンハンスメントレベルに関する情報又はPUSCH送信に必要なレピティション回数に基づいて、端末200がPUSCHレピティションに用いるDMRS数又はDMRS配置に関する情報を生成し、生成した情報をデマッピング部114へ出力する。
制御信号生成部102は、端末200向けの制御信号を生成する。制御信号には、制御部101から受け取ったPUSCHの割当に関する情報を指示するための上りグラント用DCI(Downlink Control Indicator)が含まれる。上りグラント用DCIは、複数のビットから構成されており、周波数割当リソース、変調・符号化方式などを指示する情報を含む。
また、カバレッジエンハンスメントレベルに関する情報又はPUSCH送信に必要なレピティション回数をMTC用の下りリンク制御チャネルで送信する場合には、これらの情報も上りグラント用DCIに含まれる。なお、カバレッジエンハンスメントレベルに関する情報又はPUSCH送信に必要なレピティション回数は、上位レイヤのシグナリングにより端末200の制御部206へ通知されてもよい。
制御信号生成部102は、制御部101から入力される情報を用いて、制御情報ビット列(制御信号)を生成し、生成した制御信号を符号化部103へ出力する。なお、制御信号が複数の端末200向けに送信されることもあるため、制御信号生成部102は、各端末200向けの制御信号に、各端末200の端末IDを含めてビット列を生成する。例えば、制御信号には、宛先端末の端末IDによってマスキングされたCRC(Cyclic Redundancy Check)ビットが付加される。
符号化部103は、制御部101から指示された符号化レベルに従って、制御信号生成部102から受け取る制御信号(符号化ビット列)を符号化し、符号化後の制御信号を変調部104へ出力する。
変調部104は、符号化部103から受け取る制御信号を変調し、変調後の制御信号(シンボル列)をマッピング部105へ出力する。
マッピング部105は、変調部104から受け取る制御信号を、制御部101から指示される無線リソースにマッピングする。なお、制御信号がマッピングされる対象となる制御チャネルは、MTC用のPDCCHでもよく、EPDCCH(Enhanced PDCCH)でもよい。マッピング部105は、制御信号がマッピングされたMTC用のPDCCH又はEPDCCHを含む下りリンクサブフレームの信号をIFFT部106に出力する。
IFFT部106は、マッピング部105から受け取る信号に対してIFFT処理を行うことにより、周波数領域信号を時間領域信号に変換する。IFFT部106は、時間領域信号をCP付加部107へ出力する。
CP付加部107は、IFFT部106から受け取る信号に対してCPを付加し、CP付加後の信号(OFDM信号)を送信部108へ出力する。
送信部108は、CP付加部107から受け取るOFDM信号に対してD/A(Digital-to-Analog)変換、アップコンバート等のRF(Radio Frequency)処理を行い、アンテナ109を介して端末200に無線信号を送信する。
受信部110は、アンテナ109を介して受信された端末200からの上りリンク信号(PUSCH)に対して、ダウンコンバート又はA/D(Analog-to-Digital)変換などのRF処理を行い、得られる受信信号をCP除去部111に出力する。端末200から送信される上りリンク信号(PUSCH)には、複数のサブフレームに渡るレピティション処理された信号が含まれる。
CP除去部111は、受信部110から受け取る受信信号に付加されているCPを除去し、CP除去後の信号をFFT部112へ出力する。
FFT部112は、CP除去部111から受け取る信号に対してFFT処理を行うことにより、周波数領域の信号系列に分解して、PUSCHのサブフレームに対応する信号を抽出し、抽出した信号を合成部113へ出力する。
合成部113は、レピティション送信された複数サブフレームに渡るPUSCHに対して、シンボルレベル合成を用いて、データ信号及びDMRSに相当する部分の信号を同相合成する。合成部113は、合成後の信号をデマッピング部114へ出力する。
デマッピング部114は、制御部101から入力される、端末200がPUSCHレピティションに用いるDMRS数及びDMRS配置に関する情報を用いて、合成部113から受け取る信号から、端末200に割り当てられたPUSCHのサブフレーム部分を抽出する。また、デマッピング部114は、抽出した端末200のPUSCHのサブフレーム部分を、DMRSとデータシンボル(SC-FDMAデータシンボル)とに分解し、DMRSをチャネル推定部115に出力し、データシンボルを等化部116に出力する。
チャネル推定部115は、デマッピング部114から入力されるDMRSを用いてチャネル推定を行う。チャネル推定部115は、得られたチャネル推定値を等化部116に出力する。
等化部116は、チャネル推定部115から入力されるチャネル推定値を用いて、デマッピング部114から入力されるデータシンボルの等化を行う。等化部116は、等化後のデータシンボルを復調部117へ出力する。
復調部117は、等化部116から入力される周波数領域のSC-FDMAデータシンボルに対してIDFT(Inverse Descrete Fourier Transform)処理を適用し、時間領域信号へ変換した後、データ復調を行う。具体的には、復調部117は、端末200に指示した変調方式に基づいて、シンボル系列をビット系列へ変換し、得られたビット系列を復号部118へ出力する。
復号部118は、復調部117から入力されるビット系列に対して誤り訂正復号を行い、復号後のビット系列を判定部119へ出力する。
判定部119は、復号部118から入力されるビット系列に対して誤り検出を行う。誤り検出は、ビット系列に付加されたCRCビットを用いて行われる。判定部119は、CRCビットの判定結果が誤り無しの場合、受信データを取り出し、ACKを出力する。一方、判定部119は、CRCビットの判定結果が誤り有りの場合、NACKを出力する。判定部119において出力されるACK及びNACKは、図示しない処理部において再送制御処理に用いられる。
[端末の構成]
図9は、本開示の実施の形態1に係る端末200の構成を示すブロック図である。図9において、端末200は、アンテナ201と、受信部202と、CP除去部203と、FFT部204と、抽出部205と、制御部206と、DMRS生成部207と、符号化部208と、変調部209と、多重部210と、DFT部211と、拡散部212と、マッピング部213と、IFFT部214と、CP付加部215と、送信部216と、を有する。
受信部202は、アンテナ201を介して受信された、基地局100からの無線信号(MTC用のPDCCH又EPDCCH)に対してダウンコンバート又はAD変換などのRF処理を行い、ベースバンドのOFDM信号を得る。受信部202は、OFDM信号をCP除去部203へ出力する。
CP除去部203は、受信部202から受け取るOFDM信号に付加されているCPを除去し、CP除去後の信号をFFT部204へ出力する。
FFT部204は、CP除去部203から受け取る信号に対してFFT処理を行うことにより、時間領域信号を周波数領域信号に変換する。FFT部204は、周波数領域信号を抽出部205へ出力する。
抽出部205は、FFT部204から受け取る周波数領域信号(MTC用のPDCCH又はEPDCCH)に対してブラインド復号を行い、自機宛ての制御信号の復号を試みる。端末200宛ての制御信号には、端末の端末IDによってマスキングされたCRCが付加されている。したがって、抽出部205は、ブラインド復号した結果、CRC判定がOKであればその制御情報を抽出して制御部206へ出力する。
制御部206は、抽出部205から入力される制御信号に基づいて、PUSCH送信の制御を行う。具体的には、制御部206は、制御信号に含まれるPUSCHのリソース割当情報に基づいて、PUSCH送信時のリソース割当をマッピング部213に指示する。また、制御部206は、制御信号に含まれる符号化・変調方式の情報に基づいて、PUSCH送信時の符号化方式及び変調方式を符号化部208及び変調部209にそれぞれ指示する。
また、制御部206は、カバレッジエンハンスメントレベルに関する情報又はPUSCH送信に必要なレピティション回数に関する情報が制御信号に含まれる場合、その情報に基づいて、PUSCHレピティション送信時のレピティション回数、及び、DMRS数の増加の有無を決定し、決定したレピティション回数及びDMRS数の増加の有無を示す情報を、レピティション部212及びDMRS生成部207にそれぞれ指示する。
また、制御部206は、カバレッジエンハンスメントレベルに関する情報又はPUSCH送信に必要なレピティション回数に関する情報が上位レイヤで基地局100から通知される場合、通知された情報に基づいてPUSCHレピティション送信時のレピティション回数及びDMRS数の増加の有無を決定し、決定した情報をレピティション部212及びDMRS生成部207にそれぞれ指示する。また、制御部206は、上位レイヤで基地局100から通知されるDMRSの増加数又はDMRSの位置に関する情報をDMRS生成部207に指示してもよい。
DMRS生成部207は、制御部206から指示されたDMRS数の増加の有無、増加するDMRS数、DMRSの位置、及び、DMRSパターンに従ってDMRSを生成し、生成したDMRSを多重部210へ出力する。
符号化部208は、入力される送信データ(上りリンクデータ)に対して、端末200の端末IDによってマスキングされたCRCビットを付加し、誤り訂正符号化を行い、符号化後のビット列を変調部209へ出力する。
変調部209は、符号化部208から受け取るビット列を変調して、変調後の信号(データシンボル系列)を多重部210へ出力する。
多重部210は、変調部209から入力されるデータシンボル系列と、DMRS生成部207から入力されるDMRSとを時間多重し、多重後の信号をDFT部211へ出力する。
DFT部211は、多重部210から入力される信号に対してDFTを適用して、周波数領域信号を生成し、生成した周波数領域信号をレピティション部212へ出力する。
レピティション部212は、自端末がMTCカバレッジエンハンスメントモードの場合、制御部206から指示されたレピティション回数に基づいて、DFT部211から入力される信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションし、レピティション信号を生成する。レピティション部212は、レピティション信号をマッピング部213へ出力する。
マッピング部213は、レピティション部212から受け取る信号を、制御部206から指示されるPUSCHの時間・周波数リソースにマッピングする。マッピング部213は、信号がマッピングされたPUSCHの信号をIFFT部214に出力する。
IFFT部214は、マッピング部213から入力される周波数領域のPUSCH信号に対してIFFT処理を行うことにより時間領域信号を生成する。IFFT部214は、生成した信号をCP付加部215へ出力する。
CP付加部215は、IFFT部214から受け取る時間領域信号に対してCPを付加し、CP付加後の信号を送信部216へ出力する。
送信部216は、CP付加部215から受け取る信号に対してD/A変換、アップコンバート等のRF処理を行い、アンテナ201を介して基地局100に無線信号を送信する。
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200における動作について詳細に説明する。
基地局100は、PUSCHの送受信よりも前に、カバレッジエンハンスメントレベル(Large、Middle、Small、No coverage enhancement)又はレピティション回数(NRep)を端末200に通知する。
例えば、Large coverage enhancementレベル(15dB、18dB)とレピティション回数NRep=128とが対応付けられ、Middle coverage enhancementレベル(10dB、12dB)とレピティション回数NRep=16とが対応付けられ、Small coverage enhancementレベル(5dB、6dB)とレピティション回数NRep=4とが対応付けられてもよい。
カバレッジエンハンスメントレベル(Large、Middle、Small、No coverage enhancement)又はレピティション回数(NRep)は、基地局100から端末200へ上位レイヤ(RRC signaling)を介して通知されてもよく、MTC用の下りリンク制御チャネルを用いて通知されてもよい。また、レピティション回数に関しては、端末200に設定される符号化率から求めることもできるので、基地局100が端末200へMCSを通知することにより、レピティション回数は、明示的に通知されることなく、Implicitに通知されてもよい。
[DMRS追加の決定方法]
基地局100(制御部101)は、カバレッジエンハンスメントモードが設定され、かつ、Middle coverage enhancementレベル又はSmall coverage enhancementレベルに設定された端末200に対して、当該端末200がPUSCHレピティションに用いるDMRSの数を増加させない。また、端末200(制御部206)は、基地局100から通知されたカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数(NRep)がMiddle、Small coverage enhancementレベル又はそれらに相当するレピティション回数(例えば、16回、8回)である場合、PUSCHに配置するDMRSの数を増加させない。
つまり、基地局100及び端末200は、端末200に対してカバレッジエンハンスメントモード(レピティション送信)が適用される場合、カバレッジエンハンスメントレベルが所定値(例えば、15dB又は18dB)未満の場合、通常の端末に設定されるDMRS(予め規定された数のDMRS)を設定する。
この場合、例えば、図10Aに示すように、DMRSは、1サブフレーム内の各スロットの1シンボル(第3、第10番目のSC-FDMAシンボル)に配置される。
一方、基地局100(制御部101)は、カバレッジエンハンスメントモードが設定され、かつ、Large coverage enhancementレベルに設定された端末200に対して、当該端末200がPUSCHレピティションに用いるDMRSの数を増加させる。また、端末200(制御部206)は、基地局100から通知されたカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数(NRep)がLarge coverage enhancementレベル又はそれに相当するレピティション回数(例えば128回)である場合、PUSCHに配置するDMRSの数を増加させる。
つまり、基地局100及び端末200は、端末200に対してカバレッジエンハンスメントモード(レピティション送信)が適用される場合、カバレッジエンハンスメントレベルが所定値(例えば、15dB又は18dB)以上の場合、通常の端末に設定されるDMRS(予め規定された数のDMRS)に所定数追加したDMRSを設定する。
本実施の形態では、追加されるDMRSは、1サブフレーム内にシンボル単位で配置される。
例えば、図10B又は図10Cでは、1サブフレーム内の各スロットの1シンボル(第3、第10番目のSC-FDMAシンボル)に配置された既存のDMRSに加え、第1、第8番目のSC-FDMAシンボル、又は、第5、第12番目のSC-FDMAシンボルにDMRSが追加されている。つまり、図10B及び図10Cでは、図10Aと比較して、2倍の数のDMRSが配置される。
なお、DMRSの数を増加させる際、1サブフレームにおいて、DMRSを1シンボルのみ(つまり、何れか一方のスロットのDMRSのみ)増加させてもよい(つまり1.5倍に増加)。例えば、第3、第10番目のSC-FDMAシンボルに加え、図10B又は図10Cに示す第1、第5、第8、第12番目のSC-FDMAシンボルの何れか1つにDMRSシンボルが配置されてもよい。
DMRSがシンボル単位で追加されることによるDMRS増加の粒度は7%(≒1/14)である。つまり、1サブフレームにおいて、DMRSを1シンボル分増加させると、DMRSによるオーバヘッドは7%増加する。よって、図10B及び図10CのようにDMRSを2倍(つまり2シンボル)増加させる場合、DMRSオーバヘッドは14%増加する。
本実施の形態のように、DMRSをシンボル単位で追加することで、PAPR(Peak to Average Power Ratio。ピーク対平均信号電力比)を低く保つことができる利点がある。
また、追加されるDMRSの系列として、既存のDMRS系列と同様の系列を用いてもよい。こうすることで、基地局100では、複数サブフレームに渡るチャネル推定及び同相合成に加えて、追加されたDMRSも同相合成することができるため、チャネル推定精度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、Large coverage enhancementレベルが設定された端末200に対してのみ、DMRSが追加され、それ以外のMiddle、Small coverage enhancementレベルが設定された端末200に対しては、DMRSが追加されない。
こうすることで、Large coverage enhancementレベルが設定された端末200では、DMRSの増加によって、チャネル推定精度が向上し、PUSCHの伝送品質を改善させることができる。
また、Middle、Small coverage enhancementレベルが設定された端末200では、DMRSが追加されないので、PUSCHデータのデータビット数が減少することは無い。つまり、DMRSの増加によるデータの伝送品質の劣化は発生しない。また、上述したように、Middle、Small coverage enhancementレベルが設定された端末200では、DMRSの数を増加させなくても、複数サブフレームチャネル推定及びシンボルレベル合成によってPUSCHの伝送品質を改善させることができる(図4Aを参照)。
以上のように、本実施の形態によれば、PUSCHにおける伝送品質を劣化させることなく、基地局100でのチャネル推定精度を向上させることができる。
[追加されるDMRSの配置方法]
ここで、図10B又は図10Cに示すようにDMRSの数を増加させる際に第1,第5,第8又は第12番目のSC-FDMAシンボルにDMRSを追加で配置する理由について説明する。
PUSCHにおいて上り制御情報が多重される場合、図11に示すように、下りデータ信号に対する応答信号(ACK/NACK)は、DMRSが配置されるSC-FDMAシンボル(第3、第10番目のSC-FDMAシンボル)に隣接するSC-FDMAシンボル(つまり、第2,第4,第9および第11番目のSC-FDMAシンボル)に多重される。また、下りデータのMIMO(Multiple-Input Multiple Output)多重のランク数(RI: Rank indicator)は、ACK/NACKが配置されるSC-FDMAシンボルに隣接するSC-FDMAシンボル(つまり、第1、第5、第8および第12番目のSC-FDMAシンボル)に多重される。
MTCカバレッジエンハスメントでは、端末200から基地局100及び/又は基地局100から端末200へ送信される所望信号の受信電力が非常に小さい環境での運用となることが想定される。よって、MTCカバレッジエンハンスメントモードではMIMOによる通信容量増加を目的としておらず、MIMO多重を用いないことが想定される。つまり、MIMO多重のランク数RIは常に1となるため、端末200はRI>1のケースを基地局100へフィードバックする必要がない。
そこで、本実施の形態では、追加されたDMRS(追加DMRS。additional DMRS)は、RIが配置されるシンボルに配置されてもよい。例えば、図10B又は図10Cに示すように、第1,第5,第8又は第12番目のSC-FDMAシンボルにおいて追加されるDMRSを配置することにより、各SC-FDMAシンボルを構成する12個のリソースエレメント(RE:Resource Element)のうち、6個のREでは、MTCカバレッジエンハンスメントモードにおいて用いられないRIがDMRSに置き換えられる。よって、PUSCHデータがDMRSに置き換えられるリソースは、残り6個のREで済む。
このように、追加されるDMRSが、RI送信用に用いられていた第1,第5,第8及び第12番目のSC-FDMAシンボルに配置されることで、DMRSが追加されることによるPUSCHデータのデータビット数の減少を抑えることができる。つまり、PUSCHデータへの影響を最小限に抑えることができる。
また、図10B又は図10Cに示すように、第1,第5,第8及び第12番目のSC-FDMAシンボルに追加されるDMRSが配置されることにより、ACK/NACKが配置されるSC-FDMAシンボルの両隣のシンボルにDMRSが配置されるので、ACK/NACKの伝送品質を高品質に保つことが可能となる。
[DMRS追加(DMRS Increase)及びDMRS配置(DMRS Mapping)の設定方法]
次に、DMRS増加及びDMRS配置の設定方法について説明する。DMRS増加及びDMRS配置の設定方法には、以下の3つのオプションが考えられる。
(オプション1:RRCシグナリング)
オプション1では、基地局100は、PUSCHのカバレッジエンハンスメントレベル(Large,Middle,Small,No coverage enhancement)又はレピティション回数(NRep)を端末200にRRCシグナリングで予め通知する。
端末200は、基地局100から通知されたカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数に基づいて、DMRSを増加させるか否かを決定する。具体的には、端末200は、Large coverage enhancementレベル又はそれに相当するレピティション回数(例えば128回)が基地局100から通知された場合、DMRSを増加する。
また、DMRSとして追加するシンボル数の候補が設定できる場合には、端末200は、基地局100から通知されたカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数に基づいて、DMRSに用いるシンボル数を決定してもよい。また、基地局100は、DMRSを追加(increase)する際のSC-FDMAシンボルの位置についても、RRCシグナリングを用いて端末200に通知してもよい。
(オプション2:L1シグナリング)
オプション2では、基地局100は、PUSCHのカバレッジエンハンスメントレベル(Large,Middle,Small,No coverage enhancement)又はレピティション回数(NRep)を、MTC用の下りリンク制御チャネルを用いて端末200に予め通知する。
端末200は、基地局100から通知されたカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数に基づいて、DMRSを増加させるか否かを決定する。具体的には、端末200は、Large coverage enhancementレベル又はそれに相当するレピティション回数(例えば128回)が基地局100から通知された場合、DMRSを増加する。
また、DMRSとして追加するシンボル数の候補が設定できる場合には、端末200は、基地局100から通知されたカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数に基づいて、DMRSに用いるシンボル数を決定してもよい。また、基地局100は、DMRSを追加するSC-FDMAシンボルの位置についても、端末200に対して、MTC用の下りリンク制御チャネルを用いて通知してもよく、RRCシグナリングで予め通知してもよい。
(オプション3:Implicitシグナリング)
オプション3では、基地局100は、レピティション回数(NRep)を明示的に端末200へ通知しない。基地局100は、MTC用の下りリンク制御チャネルを用いて、MCSのみを端末200へ通知する。
レピティション送信における符号化率を用いてレピティション回数を表すことができる場合、端末200は、基地局100から通知されたMCSからレピティション送信における符号化率及びレピティション回数を求めることができる。この場合、端末200は、求めたレピティション回数に基づいて、DMRSを増加させるか否かを決定する。具体的には、端末200は、Large coverage enhancementレベルに相当するレピティション回数(例えば128回)である場合、DMRSを増加する。
また、DMRSとして追加するシンボル数の候補が設定できる場合には、端末200は、求めたレピティション回数に基づいて、DMRSに用いるシンボル数を決定してもよい。また、基地局100は、DMRSを追加するSC-FDMAシンボルの位置についても、RRCシグナリングを用いて端末200に予め通知してもよい。
[実施の形態1のバリエーション1]
MTCカバレッジエンハンスメントでは、端末200が基地局100から非常に離れている環境も想定されるため、extended CPモードで運用されることが考えられる。図12Aは、extended CPモードで運用される場合の既存のDMRSの配置例を示す。これに対して、図12B及び図12Cは、上記実施の形態と同様にして、図12Aに示すDMRSの数を2倍にした場合のDMRSの配置例を示す。これにより、extended CPモードで運用される場合でも、Large coverage enhancementレベルが設定された端末200では、DMRSの増加によって、PUSCHの伝送品質を改善させることができる。
[実施の形態1のバリエーション2]
DMRSをシンボル単位で増加させる場合のバリーションとして、図13に示すように、既存のPUCCH(Physical Uplink Control Channel) format 2で規定されたサブフレーム構成(DMRSの配置パターン)に従ってDMRSが配置されてもよい。これにより、DMRSの数を増加させる場合でも、新たなサブフレームフォーマットを特定することなく、既存の規格を流用することができる利点がある。
(実施の形態2)
実施の形態1では、追加されたDMRSをシンボル単位で配置する場合について説明した。これに対して、本実施の形態では、追加されたDMRSをリソースエレメント(RE)単位で配置する場合について説明する。
なお、本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、図8及び図9を援用して説明する。
基地局100は、PUSCHの送受信よりも前に、カバレッジエンハンスメントレベル(Large、Middle、Small、No coverage enhancement)又はレピティション回数(NRep)を端末200に通知する。
例えば、Large coverage enhancementレベル(15dB、18dB)とレピティション回数NRep=128とが対応付けられ、Middle coverage enhancementレベル(10dB、12dB)とレピティション回数NRep=16とが対応付けられ、Small coverage enhancementレベル(5dB、6dB)とレピティション回数NRep=4とが対応付けられてもよい。
基地局100及び端末200は、実施の形態1と同様、端末200に対してカバレッジエンハンスメントモード(レピティション送信)が適用される場合、カバレッジエンハンスメントレベルが所定値(例えば、15dB又は18dB)未満の場合、通常の端末に設定されるDMRS(予め規定された数のDMRS)を設定する。すなわち、基地局100(制御部101)及び端末200(制御部206)は、端末200に設定されるカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数(NRep)がMiddle、Small coverage enhancementレベル又はそれらに相当するレピティション回数(例えば、16回、8回)である場合、PUSCHに配置するDMRSの数を増加させない。
この場合、実施の形態1と同様、例えば、図10Aに示すように、DMRSは、1サブフレーム内の各スロットの1シンボル(第3、第10番目のSC-FDMAシンボル)に配置される。
また、基地局100及び端末200は、実施の形態1と同様、端末200に対してカバレッジエンハンスメントモード(レピティション送信)が適用される場合、カバレッジエンハンスメントレベルが所定値(例えば、15dB又は18dB)以上の場合、通常の端末に設定されるDMRS(予め規定された数のDMRS)に所定数追加したDMRSを設定する。すなわち、基地局100(制御部101)及び端末200(制御部206)は、端末200に設定されるカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数(NRep)がLarge coverage enhancementレベル又はそれに相当するレピティション回数(例えば128回)である場合、PUSCHに配置するDMRSの数を増加させる。
本実施の形態では、追加されるDMRSは、1サブフレーム内にRE単位で配置される。
例えば、図14では、1サブフレーム内の各スロットの1シンボル(第3、第10番目のSC-FDMAシンボル)に配置された既存のDMRSに加え、第1、第5、第8番及び第12番目のSC-FDMAシンボル内の6個のREにDMRSが追加されている。つまり、図14では、追加されるDMRSが、24個のRE(2シンボル分のRE数と同数)にそれぞれ配置されている。
なお、DMRSの数を増加させる際、図14に示す配置例に限定されず、1サブフレームにおいてDMRSを1RE単位で増加させればよい。
DMRSがRE単位で追加されることによるDMRS増加の粒度は0.6%(≒1/(14*12))である。つまり、1サブフレームにおいて、DMRSを1RE分増加させると、DMRSによるオーバヘッドは0.6%増加する。
本実施の形態のように、DMRSをRE単位で追加することで、実施の形態1のようにシンボル単位でDMRSが追加される場合と比較して、サブフレーム内のデータとDMRSとの比率をより細かく設定することが可能となる。
また、追加されるDMRSの系列として、基地局100と端末200との間で既知のQPSKシンボルパターンを用いてもよい。こうすることで、基地局100では、複数サブフレームに渡るチャネル推定及び同相合成に加えて、追加されたDMRSも同相合成することができるため、チャネル推定精度を向上することができる。
また、実施の形態1と同様、本実施の形態では、Large coverage enhancementレベルが設定された端末200に対してのみ、DMRSが追加され、それ以外のMiddle、Small coverage enhancementレベルが設定された端末200に対しては、DMRSが追加されない。こうすることで、Large coverage enhancementレベルが設定された端末200では、DMRSの増加によって、チャネル推定精度が向上し、PUSCHの伝送品質を改善させることができる。また、Middle、Small coverage enhancementレベルが設定された端末200では、DMRSが追加されないので、PUSCHデータのデータビット数が減少することが無い。また、上述したように、Middle、Small coverage enhancementレベルが設定された端末200では、DMRSの数を増加させなくても、複数サブフレームチャネル推定及びシンボルレベル合成によってPUSCHの伝送品質を改善させることができる(図4Aを参照)。
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、PUSCHにおける伝送品質を劣化させることなく、基地局100でのチャネル推定精度を向上させることができる。
また、実施の形態1で説明したように、MTCカバレッジエンハスメントでは、MIMO多重を用いないことが想定され、MIMO多重のランク数RIは常に1となるため、端末200はRI>1のケースを基地局100へフィードバックする必要がない。
そこで、本実施の形態では、追加されたDMRSは、RIが配置されるREに配置されてもよい。例えば、図14に示すように、追加されるDMRSが、RI送信用に用いられた第1,第5,第8および第12番目のSC-FDMAシンボルの各6RE(例えば、図11を参照)に配置されることで、DMRSが追加されることによるPUSCHデータへの影響が実施の形態1よりも少なくなる。具体的には、図14では、追加されるDMRSが配置されるRE数(24RE)が、実施の形態1(図10B及び図C)と同一であるものの、追加されるDMRSによってPUSCHデータが置き換えられるリソースは無い。つまり、図14では、PUSCHデータのデータビット数を減少させることなく、DMRSを追加することができる。
また、実施の形態1と同様、図14に示すように、第1,第5,第8及び第12番目のSC-FDMAシンボルに追加されるDMRSが配置されることにより、ACK/NACKが配置されるSC-FDMAシンボルの両隣のシンボルにDMRSが配置されるので、ACK/NACKの伝送品質を高品質に保つことが可能となる。
[DMRS追加及びDMRS配置の設定方法]
次に、DMRS増加及びDMRS配置の設定方法について説明する。DMRS増加及びDMRS配置の設定方法には、実施の形態1と同様、以下の3つのオプションが考えられる。
(オプション1:RRCシグナリング)
オプション1では、基地局100は、PUSCHのカバレッジエンハンスメントレベル(Large,Middle,Small,No coverage enhancement)又はレピティション回数(NRep)を端末200にRRCシグナリングで予め通知する。
端末200は、基地局100から通知されたカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数に基づいて、DMRSを増加させるか否かを決定する。具体的には、端末200は、Large coverage enhancementレベル又はそれに相当するレピティション回数(例えば128回)が基地局100から通知された場合、DMRSを増加する。
また、DMRSとして追加するRE数の候補が設定できる場合には、端末200は、基地局100から通知されたカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数に基づいて、DMRSに用いるRE数を決定してもよい。また、基地局100は、DMRSを追加(increase)する際のREの位置又はDMRS系列パターンについても、RRCシグナリングを用いて端末200に通知してもよい。
(オプション2:L1シグナリング)
オプション2では、基地局100は、PUSCHのカバレッジエンハンスメントレベル(Large,Middle,Small,No coverage enhancement)又はレピティション回数(NRep)を、MTC用の下りリンク制御チャネルを用いて端末200に予め通知する。
端末200は、基地局100から通知されたカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数に基づいて、DMRSを増加させるか否かを決定する。具体的には、端末200は、Large coverage enhancementレベル又はそれに相当するレピティション回数(例えば128回)が基地局100から通知された場合、DMRSを増加する。
また、DMRSとして追加するRE数の候補が設定できる場合には、端末200は、基地局100から通知されたカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数に基づいて、DMRSに用いるRE数を決定してもよい。また、基地局100は、DMRSを追加するREの位置又はDMRS系列パターンについても、端末200に対して、MTC用の下りリンク制御チャネルを用いて通知してもよく、RRCシグナリングで予め通知してもよい。
(オプション3:Implicitシグナリング)
オプション3では、基地局100は、レピティション回数(NRep)を明示的に端末200へ通知しない。基地局100は、MTC用の下りリンク制御チャネルを用いて、MCSのみを端末200へ通知する。
レピティション送信における符号化率を用いてレピティション回数を表すことができる場合、端末200は、基地局100から通知されたMCSからレピティション送信における符号化率及びレピティション回数を求めることができる。この場合、端末200は、求めたレピティション回数に基づいて、DMRSを増加させるか否かを決定する。具体的には、端末200は、Large coverage enhancementレベルに相当するレピティション回数(例えば128回)である場合、DMRSを増加する。
また、DMRSとして追加するRE数の候補が設定できる場合には、端末200は、求めたレピティション回数に基づいて、DMRSに用いるRE数を決定してもよい。また、基地局100は、DMRSを追加するREの位置又はDMRS系列パターンについても、RRCシグナリングを用いて端末200に予め通知してもよい。
(実施の形態3)
本実施の形態では、追加されるDMRS(additional DMRS)として、上りリンクのチャネル品質を測定するために端末から基地局へ送信されるサウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)を利用する場合について説明する。
SRSは、図15に示すように、サブフレームの最終シンボルに多重され、端末200から基地局100へ周期的に送信されることが規定されている。図15は、1サブフレーム周期でSRSが送信される例を示す。通常、基地局100は、SRSを用いたチャネル品質の測定結果に基づいて、端末200がPUSCH信号を送信するためのスケジューリングを行う。
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、図8及び図9を援用して説明する。
本実施の形態では、実施の形態1と同様、基地局100(制御部101)及び端末200(制御部206)は、端末200に設定されるカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数(NRep)がLarge coverage enhancementレベル又はそれに相当するレピティション回数(例えば128回)である場合、PUSCHに配置するDMRSの数を増加させる。
その際、基地局100は、端末200が送信するDMRSに加えて、SRSを用いてチャネル推定を行う。より具体的には、本実施の形態に係る基地局100において、MTCカバレッジエンハンスメントモードが設定された端末200に対して、デマッピング部114は、SRSが送信されるサブフレームでは、抽出した端末200のPUSCHのサブフレームを、SRS,DMRSと、データシンボルとに分解し、DMRS及びSRSをチャネル推定部115に出力し、データシンボルを等化部116に出力する。そして、チャネル推定部115は、デマッピング部114から入力されるDMRS及びSRSを用いてチャネル推定を行う。
このように、基地局100において、データシンボルの復調用参照信号として、DMRSに加え、SRSを用いてチャネル推定を行うことにより、チャネル推定精度を向上させることができる。
こうすることで、本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2のように、DMRSを新たに追加することなく、データシンボルの復調用の参照信号の数を増加させることができる。このため、PUSCHデータの符号化率を変えることなくチャネル推定精度を向上させることが可能である。
なお、図15に示すように、SRSは1サブフレームに1シンボルのみ送信されるので、チャネル推定改善は、1サブフレーム周期でSRSが送信される場合、実施の形態1又は実施の形態2においてDMRSを1.5倍に増加させる場合と等価である。
[実施の形態3のバリエーション]
基地局100におけるチャネル推定精度は、SRSの送信周期に依存する。例えば、SRSの送信周期が2サブフレーム毎である場合、SRSが送信されないサブフレームでは、従来と同様、1サブレームに2シンボル分のDMRSしか存在しないため、1サブフレーム毎にSRSを送信している場合と比較してチャネル推定精度が劣化する。
そこで、上記チャネル推定精度がSRSの送信周期に依存する問題を解決するために本実施の形態のバリエーションでは、SRSが送信されないサブフレームでは、図16Aに示すように最終シンボルにDMRSを追加し、SRSが送信されるサブフレームでは、図16Bに示すようにDMRSを追加しない。
この際、端末200において、制御部206は、SRSを送信しないサブフレームにおいて、DMRSを追加して送信することをDMRS生成部207に指示する。
DMRS生成部207は、制御部206から指示されたDMRS数の増加の有無、増加するDMRS数、DMRSの位置(サブフレーム、及び、サブフレーム内のシンボルの位置)、及び、DMRSパターンに従ってDMRSを生成し、生成したDMRSを多重部210へ出力する。
一方、基地局100において、チャネル推定部115は、端末200に対してDMRSが追加された場合、SRSが送信されるサブフレームでは、既存のDMRS(予め規定された数のDMRS)と、SRSとを用いてチャネル推定を行う。一方、チャネル推定部115は、SRSが送信されないサブフレームでは、既存のDMRSと、SRSが配置されるサブフレームにおいてSRSが配置される位置(最終シンボル)に追加されたDMRSとを用いてチャネル推定を行う。
このように、DMRSを追加する際に、チャネル推定にSRSも利用することで、DMRSの追加によるデータシンボルへの影響を最小限に抑え、かつ、SRSの送信周期に依存せずにチャネル推定精度を向上させることができる。
[DMRS追加及びDMRS配置の設定方法]
次に、本実施の形態のバリエーションにおけるDMRS増加及びDMRS配置の設定方法について説明する。DMRS増加及びDMRS配置の設定方法には、実施の形態1と同様、以下の3つのオプションが考えられる。
(オプション1:RRCシグナリング)
オプション1では、基地局100は、PUSCHのカバレッジエンハンスメントレベル(Large,Middle,Small,No coverage enhancement)又はレピティション回数(NRep)を端末200にRRCシグナリングで予め通知する。
端末200は、基地局100から通知されたカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数に基づいて、DMRSを増加させるか否かを決定する。具体的には、端末200は、Large coverage enhancementレベル又はそれに相当するレピティション回数(例えば128回)が基地局100から通知された場合、SRSを送信しないサブフレームの最終シンボルにおいてDMRSを増加する。
(オプション2:L1シグナリング)
オプション2では、基地局100は、PUSCHのカバレッジエンハンスメントレベル(Large,Middle,Small,No coverage enhancement)又はレピティション回数(NRep)を、MTC用の下りリンク制御チャネルを用いて端末200に予め通知する。
端末200は、基地局100から通知されたカバレッジエンハンスメントレベル又はレピティション回数に基づいて、DMRSを増加させるか否かを決定する。具体的には、端末200は、Large coverage enhancementレベル又はそれに相当するレピティション回数(例えば128回)が基地局100から通知された場合、SRSを送信しないサブフレームの最終シンボルにおいてDMRSを増加する。
(オプション3:Implicitシグナリング)
オプション3では、基地局100は、レピティション回数(NRep)を明示的に端末200へ通知しない。基地局100は、MTC用の下りリンク制御チャネルを用いて、MCSのみを端末200へ通知する。
レピティション送信における符号化率を用いてレピティション回数を表すことができる場合、端末200は、基地局100から通知されたMCSからレピティション送信における符号化率及びレピティション回数を求めることができる。この場合、端末200は、求めたレピティション回数に基づいて、DMRSを増加させるか否かを決定する。具体的には、端末200は、Large coverage enhancementレベルに相当するレピティション回数(例えば128回)である場合、SRSを送信しないサブフレームの最終シンボルにおいてDMRSを増加する。
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
なお、上記実施の形態において用いた、レピティション回数、MTCカバレッジエンハンスメントレベル、サブフレーム内に配置されるDMRS数の値は一例であって、これらに限定されるものではない。また、上記実施の形態における追加されたDMRSを配置する位置は一例であって、これらに限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、本開示の一態様をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力と出力を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本開示の基地局は、1サブフレーム内にデータシンボルと復調用参照信号(DMRS)とが時間多重された上りリンク信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションする端末に対して、前記複数のサブフレームの数に対応するカバレッジエンハンスメントレベルが所定値未満の場合、第1のDMRSを設定し、前記カバレッジエンハンスメントレベルが前記所定値以上の場合、前記第1の数より大きい第2の数のDMRSを設定する制御部と、前記端末から送信された、前記DMRSを含む前記上りリンク信号を受信する受信部と、前記受信された上りリンク信号に含まれる前記DMRSを用いてチャネル推定を行うチャネル推定部と、を具備する構成を採る。
また、本開示の基地局において、前記第2の数のDMRSは、前記第1の数のDMRSに、追加DMRS(additional DMRS)を追加することにより得られる。
また、本開示の基地局において、前記第2の数のDMRSは、前記第1の数のDMRSに、追加DMRS(additional DMRS)を追加することにより得られ、前記追加DMRSは、1サブフレーム内にシンボル単位で配置される。
また、本開示の基地局において、前記追加DMRSは、ランクインジケータ(RI)が配置されるシンボルに配置される。
また、本開示の基地局において、前記端末に対して前記第2の数のDMRSが設定された場合、前記DMRSは、PUCCH format 2で規定されたDMRSの配置パターンに従って配置される。
また、本開示の基地局において、前記第2の数のDMRSは、前記第1の数のDMRSに、追加DMRS(additional DMRS)を追加することにより得られ、前記追加DMRSは、1サブフレーム内にリソースエレメント単位で配置される。
また、本開示の基地局において、前記第2の数のDMRSは、前記第1の数のDMRSに、追加DMRS(additional DMRS)を追加することにより得られ、前記追加DMRSは、ランクインジケータ(RI)が配置されるリソースエレメントに配置される。
また、本開示の基地局において、前記第2の数のDMRSは、前記第1の数のDMRSに、追加DMRS(additional DMRS)を追加することにより得られ、前記端末に対して前記第2の数のDMRSが設定された場合、前記チャネル推定部は、サウンディング参照信号(SRS)が送信される第1サブフレームでは、前記第1の数のDMRSと、前記SRSとを用いてチャネル推定を行い、前記SRSが送信されない第2サブフレームでは、前記第1の数のDMRSと、前記第1サブフレームにおいてSRSが配置される位置に配置された前記追加DMRSとを用いてチャネル推定を行う。
本開示の端末は、1サブフレーム内にデータシンボルと復調用参照信号(DMRS)とが時間多重された上りリンク信号に対して複数のサブフレームに渡るレピティションを適用する場合、自端末に対して、前記複数のサブフレームの数に対応するカバレッジエンハンスメントレベルが所定値未満の場合、第1の数のDMRSを設定し、前記カバレッジエンハンスメントレベルが前記所定値以上の場合、前記第1の数より大きい第2の数のDMRSを設定する制御部と、前記DMRSを含む前記上りリンク信号を送信する送信部と、を具備する構成を採る。
本開示の受信方法は、1サブフレーム内にデータシンボルと復調用参照信号(DMRS)とが時間多重された上りリンク信号を複数のサブフレームに渡ってレピティションする端末に対して、前記複数のサブフレームの数に対応するカバレッジエンハンスメントレベルが所定値未満の場合、第1の数のDMRSを設定し、前記カバレッジエンハンスメントレベルが前記所定値以上の場合、前記第1の数より大きい第2の数のDMRSを設定し、前記端末から送信された前記DMRSを含む前記上りリンク信号を受信し、前記受信された上りリンク信号に含まれる前記DMRSを用いてチャネル推定を行う。
本開示の送信方法は、1サブフレーム内にデータシンボルと復調用参照信号(DMRS)とが時間多重された上りリンク信号に対して複数のサブフレームに渡るレピティションを適用する場合、自端末に対して、前記複数のサブフレームの数に対応するカバレッジエンハンスメントレベルが所定値未満の場合、第1の数のDMRSを設定し、前記カバレッジエンハンスメントレベルが前記所定値以上の場合、前記第1の数より大きい第2の数のDMRSを設定し、前記DMRSを含む前記上りリンク信号を送信する。