JP6781252B2 - 多重染色法、及び染色キット - Google Patents

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Description

本発明は、免疫染色における多重染色法に関する。特に病理診断の際に、容易に診断を行うことが可能な染色方法に関する。
病理診断は、手術組織、生検標本、体腔液など様々な試料を用いて、腫瘍分類、悪性度推測、特定のウイルスや細菌の検索など、様々な検査に用いられている。臨床症状と併せて、病巣部位の重症度や悪性度を判定し、治療方針や治療法の選択を担う必須の検査診断技術である。また、近年は分子標的療法の適応を決定するための診断技術として、極めて重要な役割を担うようになってきている。
病理診断においては、従来からヘマトキシリンとエオジンの2種類の色素を用い、細胞核と核以外の部分を染め分けるヘマトキシリン・エオジン染色のような細胞や組織の形態を観察する検査方法が用いられている。これに加え近年では標的分子に結合する特異抗体を用いて疾患関連抗原分子を検出する免疫染色法が広く用いられるようになってきている。
特異抗体を用いた免疫染色法は、病理診断や病巣組織の分子学的研究において重要な解析方法となっている。特に、多重免疫染色法は、異なる抗原を異なる標識化抗体を用いて染色し、同一標本上で分子の局在を解析することができるため、非常に多くの情報を得ることができる。例えば、同一病理組織切片上でB細胞とT細胞のように異なる細胞を染め分けたり、正常細胞とがん抗原を発現するがん細胞を染め分けたり、あるいは同一細胞内で複数の抗原の局在を同時に検出して、抗原の相互関係を観察、解析することができる。
上述のように、免疫染色は医療や研究の現場で重要な役割を担ってきたが、分子標的薬が使用されるようになって以来、より重要な診断技術になってきている。すなわち、分子標的薬の投与に先立ちその有効性を確認するために、標的となる分子の発現レベルや遺伝子変異を確認する診断に利用されるようになってきている。このように治療薬とペアで使用する「コンパニオン診断」と呼ばれる診断方法は、個別化医療の実施に不可欠な検査法となってきている。
例えば、同じ臓器、組織に由来するがんであっても、標的抗原分子の発現が同じであるとは限らない。標的抗原分子が発現している患者に対しては、当該分子に対する小分子医薬品や抗体医薬品は治療効果が期待できるが、当該分子を発現しないがん細胞を有する患者に対しては治療効果は期待できず、副作用だけの不利益を被る結果になってしまう恐れがある。このように、治療標的分子の発現を免疫染色して検出したり、あるいは遺伝子変異の有無を検出したうえで治療を行うことは、患者利益や医療経済上の利点が大きいことから、近年、急速に普及してきている。例えば、リツキシマブに見られるような抵抗性を有する患者の存在や、トラスツズマブに見られるような奏効率の低さから、抗体医薬品の投与に先立ち当該治療薬が有効に作用するかを診断する方法が開示されている(特許文献1〜3)。
国際公開第2008/041594号 国際公開第2012/035705号 国際公開第2012/133047号
Kataoka,K. et al., 2016, Nature, doi:10.1038/nature18294 Chong,L. C. et al., 2016, Blood, doi.org/10.1182/blood-2015-11-683003 Correia,C. et al., 2015 Blood, Vol.125(4), pp.658-667.
しかしながら、従来の病理学的検査に利用される多重免疫染色は異なる分子を識別して染色する方法であり、特定の分子における変化を同時に検出する方法ではなかった。例えば、遺伝子の変異によって引き起こされるがんなどの疾患の場合、対象となる組織では変異体、野生型が混在して発現していることが多い。それゆえ、原因遺伝子の発現と変異は連続切片を用いて、片方で特定の遺伝子の発現、一方で変異体の発現を別々に染色し、両者を見比べて判断するという作業が必要である。これは、検査自体に非常に時間がかかるともに、診断に熟練を要する。そのため、分子標的薬である小分子医薬品や抗体医薬品の標的となるタンパク質の発現とそのタンパク質の変異の検査は、当該医薬品の有効性を確認するためには必要な検査であるにもかかわらず、通常は行われていないのが現状である。
また、従来、タンパク質分子の変異や修飾による高次構造上の変化は、円二色性や紫外波長吸収性などの分光学的測定法や核磁気共鳴法などの物理化学的手法が一般的に用いられてきた。さらには、タンパク質を結晶化しX線構造解析によって解析することもある。しかし、これらは、対象とするタンパク質を細胞外に抽出単離して溶液中で計測するという方法であり、細胞膜に埋め込まれたタンパク質や細胞表面に発現したタンパク質をそのまま計測する手法ではない。ましてや、細胞そのものを測定対象として、発現しているタンパク質を直接観察する手法でもなく、病理学的検査に用いられる手法でもない。
一方、タンパク質の高次構造上の変化を抗体で検出する方法自体は知られている。この方法は単離したタンパク質を電気泳動で分離したり、膜へ転写した形でタンパク質を調製し、部位特異的な抗体との結合の有無で高次構造変化を検出する手法である。しかしながら、このようにタンパク質を抽出分離して、部位特異的抗体の結合能によって変異体が有する高次構造変化を解析する手法は、病巣部位のタンパク質の構造変化や修飾状況を観察する病理学的検査方法にはそのまま適用できない。ましてや病理検査用のプレパラートに固定化された細胞に存在するタンパク質を直接観察することは不可能である。
上記のような既存の分光学的手法やタンパク質抽出を伴う手法は、相当量の材料が必要で、測定手技に時間を要し、かつ計測装置も大がかりになる場合もあることから、病理診断のような迅速性を求められる分野には適用しがたいのが実情である。
本発明は、欠失、点突然変異などの遺伝子の変異による変異タンパク質の発現や、リン酸化などの修飾や立体構造の変化などのタンパク質の変化を病理組織の同一切片上で、元のタンパク質と同時に識別可能に染色する方法、及び染色キットを提供することを課題とする。
さらに、臨床的な治療法の選択に有用なタンパク質の高次構造の変化を病理診断にも適用できるように迅速に検出する方法を提供することを課題とする。
本発明は、細胞を含む検体を同一標本上で多重染色する方法、及びキットに関する。
(1)細胞を含む検体を固定化した標本において、複数の抗体を用いて検出する多重染色法であって、特定の分子の存在を検出するための抗体と前記特定の分子の変化を検出するための抗体とを用いることを特徴とする多重染色法。
(2)前記特定の分子が治療薬の標的となる細胞抗原タンパク質であって、当該治療薬の効果を判定するために用いることを特徴とする(1)記載の多重染色法。
(3)細胞を含む検体を固定化した標本において、分子の変化を検出するためのキットであって、特定の分子の存在を検出する抗体と前記特定の分子の変化を検出するための少なくとも1つ以上の抗体と、前記特定の分子の存在を検出する抗体と前記特定の分子の変化を検出するための少なくとも1つ以上の抗体とを、夫々識別可能に標識する標識を含むことを特徴とする多重染色キット。
(4)前記特定の分子が治療薬の標的になる細胞抗原タンパク質であって、当該治療薬の効果を判定するために用いることを特徴とする(3)記載の多重染色キット。
(5)前記特定の分子がPD-L1又はPD-L2であって、PD-L1又はPD-L2の存在を検出するための抗体と、PD-L1又はPD-L2のC末領域の変化に伴って認識されない抗体とを含むことを特徴とする(3)又は(4)記載の多重染色キット。
同一標本上で、多重染色を行い、分子の変化を識別することができるため、迅速に診断結果が得られるだけではなく、正確な診断を行うことが可能となる。
本発明の二重染色法を模式的に示す図。 3種以上の抗体を用いた識別方法を模式的に示す図。 PD−L1の変異を同一標本上で検出した免疫組織染色像。 BCL2変異の有無を同一標本上で検出した免疫組織染色像。上の写真は強拡大像。
本発明は、プレパラートに固定化された臨床検体において、抗原タンパク質分子を認識し、その存在を検出するとともに、欠失変異、点突然変異によるタンパク質の変化、リン酸化、糖付加などの修飾、分子間の相互作用、立体構造の変化など分子の変化を同時に検出する方法である。したがって、同一の標本で、野生型のタンパク質と変異したタンパク質、又は活性化型タンパク質と活性化されていないタンパク質など、タンパク質の構造上の変化の有無を検出することができる。
例えば、以下の実施例に示すように、病理学的検査用にプレパラートに固定化された細胞を含む臨床検体標本において、検査対象とするタンパク質に対する複数の部位特異的抗体を用いて、そのまま抗原タンパク質分子の構造変化を検出することができる。したがって、細胞表面および細胞内に発現するすべてのタンパク質を対象とすることができ、しかも同一の標本上で、野生型のタンパク質と変異したタンパク質、又は活性化型タンパク質と活性化されていないタンパク質など、タンパク質の構造上の変化の有無や程度を検出することができる。また、同一タンパク質に対する部位特異的抗体による免疫染色であることから、目的タンパク質の細胞膜、細胞質、核、細胞内構造体など、細胞内における存在部位も同時に検出することができる。さらに、細胞内の局在部位、集積度、高次構造変化の有無、高次構造変化の部位などの異なるパラメーターを同時に染色して解析できる。
この手法は、特に肉眼的に一塊のがんでもそれぞれのがん細胞の抗原発現が異なり、多様であるという「がん細胞の不均一性」を調べるのに非常に有用である。その結果、どのような治療用抗体を抗がん薬として適用可能であるかの分子病理学的診断を行うことができる。検出手法の時間的、設備的な要件についても、医療機関の通常の病理検査業務に適用できるレベルであり、実用上の利点が大きい。
本発明で分子の検出に用いる抗体は、標的分子内の特定のエピトープを検出することができ、結合性を有するものであればどのようなものを用いてもよい。モノクローナル抗体であることが好ましいが、ポリクローナル抗体であっても、抗ペプチド抗体のように、分子内の特定の領域のみを検出することができるものであれば好適に使用することができる。
ここで用いる複数種の抗体は、変異が生じる部分を認識する抗体と、野生型を認識する抗体とが、それぞれ結合時に立体障害が生じない程度に、位置的に離れて存在するものを使用すれば、タンパク質の発現と変異を同時に検出することができる。あるいは、同一部位の野生型抗原、変異型抗原を認識する抗体を使用し、相互排他的に染色を行うことにより、野生型、変異型を発現している細胞を同時に検出することができる。
本発明で用いる標識は、識別可能な2種以上の標識であれば、どのようなものを用いてもよい。ここで、識別可能とは、観察者が通常の顕微鏡観察によって識別することができるものだけではなく、肉眼では識別することができなくとも機械的なシグナルとして識別可能なものも含む。標識としては、公知の標識の中から選択すればよく、色素、量子ドット、コロイドなど通常標識として用いられているものの中から選択される。また、色素としては、具体的には、酵素抗体法や、蛍光抗体法に適用される色素を含む。
蛍光色素であれば、例えば、ローダミン系色素分子、Alexa Fluor(インビトロジェン社製)系色素分子、シアニン系色素分子、Texas Red系色素分子、スクアリリウム系色素分子、オキサジン系色素分子、芳香環系色素分子、カルボピロニン系色素分子などを用いることができる。
また、標識は複数の分子種を最終的に識別することができれば、どのようなものを用いてもよい。具体的には、検出に用いる抗体に標識を直接結合させた標識抗体を用いてもよいし、二次抗体、三次抗体を用いて最終的に検出を行ってもよい。さらに、アビジン、ビオチン等、免疫染色法で通常用いられている標識を用いてもよい。また、酵素抗体法により識別する場合は、異なる色に呈色する試薬を用いればよい。
本発明の検出キットは、分子の存在を検出する抗体と、その分子の欠失変異、点突然変異、修飾、相互作用、立体構造の変化など、分子の変化を検出する抗体と、夫々の抗体を識別することのできる標識を含む。各抗体は市販の抗体を用いてもよいし、分子の変化を検出する抗体を作製して用いてもよい。また、酵素抗体法に必要な試薬や、洗浄液など通常の免疫染色法に必要な試薬を含むことができる。以下、実施形態を詳細に説明するが、本発明の技術範囲はこれらに限定されるものではない。
[実施形態1]欠失変異を有する分子の検出
野生型の分子Aと欠失変異を有する分子A’とを同一切片上で同時に染色する方法について説明する(図1、欠失変異体)。野生型の分子Aと欠失変異体A’を発現する細胞を識別する場合には、野生型分子A、変異体分子A’、どちらの分子も確実に認識することのできる抗体aと欠失変異が生じることの多い領域を認識する抗体bを検出に用いれば良い。
抗体aは、野生型、欠失変異体どちらの分子も認識する。一方、抗体bは欠失が生じた場合には結合することができない。したがって、欠失変異体A’には結合しないから、野生型分子Aのみを認識する。すなわち、野生型分子Aにはa抗体とb抗体が、欠失変異体には、a抗体のみが結合する。例えば、明視野での染色の場合、a抗体を茶色、b抗体は茶色をマスクするような黒で呈色するように標識すれば、野生型分子Aが発現している細胞は黒、欠失変異体A’が発現している細胞は茶色に染め分けることができる。また、蛍光顕微鏡を用いる場合であれば、多重に染色されたことが容易に識別可能な標識を用いればよい。
下記に詳述するが、C末端領域が欠損しているPD-L1(Programmed cell death 1)を高発現しているがんは、この方法により欠失変異体を検出することができる。PD-L1のC末領域が欠損するとPD-L1を高発現するにもかかわらず(非特許文献1)、欠損部を認識する抗体を用いた場合にはその発現を検出することができない。そのようなC末端領域欠損型PD-L1を高発現する患者は、抗PD-L1抗体医薬に対して著効を認める患者(スーパーレスポンダー)である可能性がある。しかし、現状の検査ではC末端領域欠損型PD-L1の発現を検出できない場合があり、抗PD-L1抗体医薬を適用されない可能性がある。実施形態1に示す染色方法を用いることにより、このような危険性を排除することが可能である。また、最近PD-L2についても同様の事象が報告されており(非特許文献2)、PD-L2の変異、及び発現も確実に認識することが求められている。
[実施形態2]染色体転座を有する分子の検出
染色体に転座が生じ、遺伝子の一部が他の遺伝子と転座により置き換わったことによる融合タンパク質B’を発現する場合について説明する(図1、染色体転座)。抗体cは、転座の有無に関わらず、タンパク質B、B’を認識する抗体を示す。抗体dは野生型タンパク質Bのみ検出し、転座が生じた場合には認識しない抗体を示す。
野生型のみを認識する抗体dと、野生型B、染色体転座による変異体タンパク質B’両方を認識する抗体cが結合した場合(B)と、抗体cのみが結合した場合(B’)とを識別可能になるように標識を選択することにより、野生型B、染色体転座による変異体タンパク質B’を区別して染色することが可能である。
[実施形態3]点突然変異を有する分子の検出
次に、野生型Cと点突然変異(図中●で示す。)を有する分子C’を区別して染色する方法について説明する(図1、点突然変異)。抗体eは野生型C、点突然変異体C’に関わらず認識する抗体を示す。抗体fは野生型Cのみを認識し、点突然変異体C’は認識しない抗体を示す。
野生型C、変異体C’両方を認識する抗体eの標識を、野生型のみを認識する抗体fが結合した場合に識別可能になるように標識を選択することにより、野生型C、点突然変異体C’を区別して染色することが可能である。同一の箇所に異なる点突然変異が入った場合でも、野生型Cのみを検出する抗体fの結合の有無により該当箇所に点突然変異が入ったことを確認することができる。
例えば、イソクエン酸脱水素酵素(isocitrate dehidrogenase、IDH)をコードする遺伝子IDH2の172位のアルギニン(R172)は点突然変異により複数種のアミノ酸に置換されるが、その変異は脳腫瘍などの予測因子として知られている。従来は、変異毎にそれぞれの特異抗体を作製して、その変異を確認することが行われていたが、本実施形態の方法を用いれば、野生型R172を特異的に認識する抗体を用いればよい。このような、遺伝子変異のホットスポットとしては他にもIDH1の132位、KRASの12位、13位、61位のアミノ酸などが知られている。
また、ここでは、抗体fとして、点突然変異C’を認識しない抗体を例に挙げたが、点突然変異を認識し、野生型を認識しない抗体を用いてもよい。
[実施形態4]修飾の有無の検出
次に、修飾の有無を区別して染色する方法を示す(図1、修飾の有無(リン酸化、糖付加等))。分子によっては活性化に伴ってリン酸化などの修飾を受ける場合がある。また、糖鎖の有無が生体反応に重要な役割をはたしている場合もある。ここでは、リン酸化を受けた分子について説明するが、糖鎖による修飾も同様に検出することができる。
リン酸化を生じていないタンパク質Dとリン酸化を受けた活性化型タンパク質D’を区別して染色する方法について説明する。抗体gは活性化の有無に関わらず認識する抗体を示す。抗体hはリン酸化を生じていないタンパク質Dのみを認識し、リン酸化しているエピトープは認識しない抗体である。
リン酸化を生じていないタンパク質を認識する抗体hと、活性化の有無に関わらず認識する抗体gが結合した場合(D)と、抗体gのみが結合した場合(D’)とを識別可能になるように標識を選択することにより、リン酸化の有無を区別して染色することが可能である。
また、リン酸化部位のリン酸化状態のみを認識する抗体、すなわち活性化型を認識する抗体と、活性化の有無に関わらず認識する抗体を用いて、上記と同様に染色を行ってもよい。そのような場合には、リン酸化型を認識する抗体は、特定のタンパク質のリン酸化を特異的に認識する抗体だけではなく、リン酸化したチロシン、スレオニンやセリンを特異的に認識する抗体を用いてもよい。
糖鎖の有無を検出する場合には、糖鎖が付加していないアミノ酸配列を認識する抗体を用いることによって検出してもよい。また、リン酸化、糖鎖の付加だけではなく、アセチル化、ユビキチン化などの翻訳後修飾は同様の方法によって検出することが可能である。
[実施形態5]相互作用の検出
分子によっては、活性化等に伴って、他のタンパク質との相互作用に変化が生じる場合がある。タンパク質Eが単独で存在する場合と、他の分子Xと複合体を形成している場合とを区別して染色する方法について説明する(図1、相互作用(タンパク質等))。
抗体iは複合体形成の有無に関わらず認識する抗体を示す。抗体jは、タンパク質Xとの複合体が形成されることによりタンパク質Eを認識できなくなる抗体である。
複合体を形成していないEタンパク質を認識する抗体jと、複合体形成の有無に関わらず認識する抗体iが結合した場合(E)と、抗体iのみが結合した場合(E複合体)とを識別可能になるような標識を選択することにより、複合体形成の有無を区別して染色することが可能である。ここではタンパク質Eと異なるタンパク質Xが複合体を形成する例を挙げているが、同じタンパク質の二量体、三量体についても同様の手法で区別して染色することができる。
[実施形態6]立体構造変化の検出
タンパク質は修飾、あるいは複合体形成によって、立体構造自体が大きく変化する場合もある。本実施形態の染色方法で立体構造の変化を捉えることも可能である(図1、立体構造の変化)。
抗体kは立体構造の変化に関わらず認識する抗体を示す。抗体lは、立体構造が変化したタンパク質F’には結合しない抗体である。
立体構造の変化していないタンパク質Fを認識する抗体lと、立体構造の変化に関わらずタンパク質F、F’を認識する抗体kが結合した場合(F)と、抗体kのみが結合した場合(F’)とを識別可能になるように標識を選択することにより、立体構造の変化を区別して染色することが可能である。
ここでは、立体構造の変化により認識しなくなる抗体を使用する例を挙げたが、立体構造の変化を認識する抗体を用いて立体構造の変化を識別することも可能である。
[実施形態7]三種以上の抗体を用いる検出方法
がん細胞では、点突然変異、あるいは欠失変異など複数の変異が同一タンパク質に生じることも多い。本発明の方法は2つの異なる抗体を用いた二重染色だけではなく、3つ以上の変異を区別して染色することも可能である。
図2では、2か所に点突然変異が生じる例を示しているが、同一タンパク質上に生じる複数の変化はどのような変化の組合せであっても構わない。抗体mはタンパク質Gの変化に関わらず認識する抗体を示す。抗体nは点突然変異yが生じることにより認識できなくなる抗体を示す。抗体nは点突然変異yが単独で生じているタンパク質G’’及び点突然変異zとの二重に変異が生じているタンパク質G’’’を認識することができない。抗体oは点突然変異zが生じると認識できない抗体を示す。すなわち抗体oは点突然変異zが単独で生じているタンパク質G’、及び二重に変異が生じているタンパク質G’’’を認識することができない。
この場合も抗体mのみで認識される分子(G’’’)と、抗体mと抗体n、又は抗体mと抗体oとの2つの抗体で認識される分子(G’、G’’)、抗体m、n、oと3つの抗体で認識される分子(G)を区別できるような標識を用いればよい。蛍光標識、あるいは量子ドット等による標識を選択することにより、3種の抗体を識別可能に標識することが可能であるから、同一切片上のすべての分子の態様を区別することができる。
ここでは2つの変異を有する場合の4つの分子のパターンの識別を示したが、肉眼での識別が困難な標識であっても、機械で識別可能な蛍光色素や、バーコード標識を用いることによって、より多数の変異であっても識別することができる。
3種以上の抗体を使用することにより有効な検査を行うことのできる例としては、イソクエン酸脱水素酵素(isocitrate dehidrogenase、IDH)がある。イソクエン酸脱水素酵素は、ヒトではIDH1、IDH2、IDH3の3つのサブタイプがあることが知られている酵素である。グリオーマや急性骨髄性白血病などをはじめとするいくつかのがんで、IDH1/2に複数の点突然変異が生じていることが報告されている。IDH1/2に見られる点突然変異は予後診断マーカーとして知られていることから、これらの分子の変異を区別して識別することにより予後診断を簡便に行うことができる。
以下に本発明の多重染色法を適用した例を実施例として示す。
PD−1(Programmed cell death 1)はT細胞表面に発現しているT細胞の制御分子であり、リガンドであるPD−L1、PD−L2とともに免疫チェックポイントタンパク質として機能する。がん細胞では、しばしば免疫細胞の攻撃を免れることが知られている。これは、がん細胞に発現するPD−L1やPD−L2抗原が、PD-1に結合して細胞障害性T細胞を抑制し免疫チェックポイント機構に作用するためと考えられている。
卵巣がんや乳がん、また、黒色腫、肺がん、大腸がん、膀胱がん、子宮頸がんなどから単離されたヒトがん細胞でPD-L1の過剰発現が認められており、PD−1との相互作用による免疫応答の抑制を引き起こし、がん細胞の生存にとって有利に作用しているものと考えられている。PD-L1の高発現が認められるがんでは、抗PD-L1抗体医薬に対して反応性が高いことから、臨床的にはコンパニオン診断薬によって、PD-L1の発現の確認を行ったうえで抗PD-L1抗体医薬が使用されている。
PD-L1の過剰発現が認められているがんでは、PD-L1高発現の機構として、遺伝子増幅や染色体転座による異所性プロモーターを原因とする機構が知られていたが、最近PD-L1遺伝子の3´領域を途絶する構造変異に起因する転写産物の著しい上昇が報告された(非特許文献1)。3´領域の異常は成人T細胞白血病/リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、胃の腺癌など、複数のがんに見られ、PD-L1の高発現の原因であることが明らかにされた。
3´領域の異常には、UTRの異常だけではなく、C末が欠失している変異も含まれており、コンパニオン診断薬の候補とされている抗体の中にはこの領域に結合する抗体も含まれている。この領域に結合する抗体をコンパニオン診断薬として用いた場合には、PD-L1が高発現であるにも関わらず、3´を欠失している変異型PD-L1を認識することができない。そのため、このコンパニオン診断薬を使用した場合には、抗PD-L1抗体医薬が非常に良く効くスーパーレスポンダーを見逃してしまう。しかしながら、実施例1に示す二重染色法を用いれば、従来法のうちC末以外を認識する抗体によって得られる情報、すなわちPD-L1の発現量が確認できるのみならず、加えてその群のうち、C末が欠失している変異を有するスーパーレスポンダーをも同時に同定できる。
図3に示すのは、ホジキンリンパ腫の症例であり、野生型、及び欠損が生じているPD−L1分子を発現している細胞を染色した結果を示す。野生型、欠失変異体に関わらずPD−L1を発現している場合にPD−L1分子を認識する抗体の標識は茶色で、また、野生型PD−L1のみに存在する領域を認識する抗体の標識は黒で呈色するようなものを選択している。
抗PD-L1抗体として、PD-L1の細胞外ドメインを認識するクローンE1J2J(CST社製)、C末領域を認識するクローンSP142(SPRING社製)、及び抗CD68抗体(DAKO社製)を用い、それぞれ茶、黒、赤で発色を行っている。なお、免疫染色は定法にしたがって行っている。
茶色は黒によってマスクされるので、野生型PD−L1分子が発現している細胞は黒く、C末領域欠失変異体が発現している細胞(図3中▲で示す。)は茶色に染色される。同一切片上で2つの異なる色に染色されることから、PD−L1発現細胞での欠失変異体の割合が簡単に把握できる。
この症例はPD-L1が高発現しているにも関わらず、現在コンパニオン診断薬として用いられている抗体(例えばSP142はFDAに承認されているコンパニオン診断薬である。)では見逃すこととなる。実施例1に示す二重染色法を用いることにより、本来は抗体医薬が適用されるべき患者を見逃すリスクを低減することができるとともに、スーパーレスポンダーを同時に同定できる。本発明の染色法によれば、抗体医薬品の投与に先立って、欠失変異体の存在とともに、野生型タンパク質の発現を把握することができるので、当該抗体医薬品の有効性を確実に判断することができる。
リンパ濾胞の胚中心に存在するB細胞はBCL2の発現が認められないが、濾胞性リンパ腫ではBCL2と免疫グロブリン重鎖遺伝子が相互転座しており、恒常的にBCL2の発現が認められる。したがって、腫瘍性の胚中心ではBCL2の発現が認められることになる。しかし、濾胞性リンパ腫では、BCL2に変異が頻繁に生じることが知られており、用いる抗体によっては発現が確認できないこともある。
図4は、濾胞性リンパ腫の組織を2種の抗BCL2抗体、クローン124(Dako社製)、クローンC−2(Santacruz社製)で二重染色を行い、それぞれ青、茶で発色したものである。この症例の場合、BCL2の41−54位のアミノ酸のいずれかに変異が生じているものと考えられ、一般的に広く用いられている同部を認識するローン124抗体では陽性とならない。したがって、濾胞性リンパ腫であるという診断に疑義が生じる。
一方、2種の異なる部位を認識するBCL2抗体で染色すれば、正常細胞が発現する野生型BCL2の発現は、クローン124を単独で用いた場合と同様に確認でき(茶と青が混ざり灰青色となっている)、さらに腫瘍性の細胞がBCL2を発現していること、およびそのBCL2が変異を有していることがin situで局在情報を保持した上で認識できる。すなわち、濾胞性リンパ腫であるという診断確定が可能となるのみならず、悪性転化および予後予測の因子とされているBCL2変異の有無をも日常診断レベルで簡便に確認できる(非特許文献3)。
以上示してきたように、本発明の方法を用いれば、同一標本上で分子の変化を捉えることができるため、連続切片を比較検討する必要がなく短時間で検査を行うことができるようになる。したがって、分子標的薬の投与の是非、あるいは予後予測などを簡便にかつ正確に行うことが可能である。

Claims (5)

  1. 細胞を含む検体を固定化した標本において、複数の抗体を用いて検出する多重染色法であって、
    特定の分子の存在を検出するための抗体と
    前記特定の分子の変化を検出するための抗体とを用いることを特徴とする多重染色法。
  2. 前記特定の分子が治療薬の標的となる細胞抗原タンパク質であって、
    当該治療薬の効果を判定するために用いることを特徴とする請求項1記載の多重染色法。
  3. 細胞を含む検体を固定化した標本において、分子の変化を検出するためのキットであって、
    特定の分子の存在を検出する抗体と
    前記特定の分子の変化を検出するための少なくとも1つ以上の抗体と、
    前記特定の分子の存在を検出する抗体と前記特定の分子の変化を検出するための少なくとも1つ以上の抗体とを、夫々識別可能に標識する標識を含むことを特徴とする多重染色キット。
  4. 前記特定の分子が治療薬の標的になる細胞抗原タンパク質であって、
    当該治療薬の効果を判定するために用いることを特徴とする請求項3記載の多重染色キット。
  5. 前記特定の分子がPD-L1又はPD-L2であって、
    PD-L1又はPD-L2の存在を検出するための抗体と、
    PD-L1又はPD-L2のC末領域の変化に伴って認識されない抗体とを含むことを特徴とする請求項3又は4記載の多重染色キット。
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