JP6781216B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、被覆材料、例えば、プリント配線板等の基板に形成された導体回路パターンを保護するための被覆材料に適した感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物を光硬化させた光硬化物、該感光性樹脂組成物の光硬化膜で被覆されたプリント配線板等の配線基板に関するものである。
プリント配線板にソルダ−レジスト膜を形成するにあたり、プリント配線板に感光性樹脂組成物の塗膜を形成後、該塗膜上にフォトマスクを設けて、プリント配線板全面を、紫外線等の活性エネルギー線にて露光する一括露光の方法にて、露光工程を行うことがある。露光工程の際、感光性樹脂組成物の感度を向上させるために、光重合開始剤としてオキシムエステル化合物を配合することがある。
光重合開始剤としてオキシムエステル化合物を使用した感光性樹脂組成物として、例えば、オキシムエステル誘導体系重合開始剤、酸発生剤及び/又は塩基発生剤重合性物質を含有したものが提案され、この感光性樹脂組成物を用いてソルダーレジスト膜を形成することも提案されている(特許文献1)。
オキシムエステル化合物を使用した感光性樹脂組成物を所望の色に着色するために、所望の色の着色剤を添加することがある。感光性樹脂組成物に配合する着色剤として、例えば、黒色着色剤、赤色着色剤、黄色着色剤、緑色着色剤、青色着色剤、橙色着色剤、褐色着色剤(例えば、アンバー)等がある。このうち、着色剤として、緑色着色剤、青色着色剤、橙色着色剤、褐色着色剤等の、色が薄く光透過率の高い着色剤を、オキシムエステル化合物を使用した感光性樹脂組成物に配合すると、感光性樹脂組成物の感度が高いことから、露光工程時において、基板に達した光が反射して、塗膜にハレーションが生じることがある。
また、オキシムエステル化合物を使用し且つ着色剤を使用しない感光性樹脂組成物でも、露光工程時において、同じく、塗膜にハレーションが生じることがある。また、光重合開始剤としてオキシムエステル化合物を使用していない感光性樹脂組成物でも、露光量等の露光条件によっては、塗膜にハレーションが生じることがある。
露光工程時において、塗膜にハレーションが生じると、塗膜上のフォトマスクでマスクされた非露光部分にまで光硬化が及んでしまうことがある。従って、プリント配線板の非露光部分に、例えば、小径(例えば、φ50〜200μm程度)のスルーホールやブラインドビアホールが設けられていると、露光工程後に行う塗膜の現像工程において、スルーホール上やブラインドビアホール上に塗工された塗膜が現像されない場合があるという問題があった。また、塗膜にハレーションが生じてしまうことで、硬化塗膜のラインにアンダーカットが生じて優れたライン形状を付与することができない場合があるという問題があった。
上記から、感光性樹脂組成物を露光する際にハレーションを防止すること、特に、光重合開始剤としてオキシムエステル化合物を配合した高感度の感光性樹脂組成物でも、露光時のハレーションを防止することが求められている。
特開2014−74165号公報
上記事情に鑑み、本発明は、露光時のハレーションを防止することで、硬化塗膜に優れたライン形状と解像性を付与でき、小径のスルーホール上やブラインドビアホール上の塗膜でも確実に現像できる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1](A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)エポキシ化合物と、(D)着色剤と、(E)光反応安定化剤と、を含む感光性樹脂組成物。
[2]前記(E)光反応安定化剤が、ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物を含む[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]前記(B)光重合開始剤が、オキシムエステル化合物を含む[1]または[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]前記オキシムエステル化合物が、下記一般式
Figure 0006781216
(式中、Rは、水素、炭素数1〜17のアルキル基または炭素数1〜17のアルコキシ基を表し、Rは、フェニル基、または炭素数1〜5のアルキル基、−O−C2m−CH及び−O−C2n−O−C2p−CHからなる群から選択された少なくとも1つの置換基で置換されたフェニル基を表し、mは0または1〜5の整数、nは1〜5の整数、pは0または1〜5の整数を表す。)で表される化合物である[3]に記載の感光性樹脂組成物。
[5]前記オキシムエステル化合物が、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキシムである[3]または[4]に記載の感光性樹脂組成物。
[6][1]乃至[5]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の光硬化物。
[7][1]乃至[5]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の光硬化膜を有するプリント配線板。
本発明の態様によれば、感光性樹脂組成物が光反応安定化剤を含むことにより、露光時における塗膜のハレーションを防止して、硬化塗膜に優れたライン形状と解像性を付与でき、また、小径のスルーホール上やブラインドビアホール上の塗膜でも確実に現像することができる。
本発明の態様によれば、光反応安定化剤がジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物を含むことにより、光重合開始剤としてオキシムエステル化合物が使用された感光性樹脂組成物であっても、露光時のハレーションをより確実に防止することができる。
本発明の態様によれば、光重合開始剤としてオキシムエステル化合物が使用された感光性樹脂組成物であっても、高感度を有しつつ、露光時のハレーションを防止できるので、高感度を発揮しつつ、優れたライン形状及び解像性と小径のスルーホール上やブラインドビアホール上の塗膜に対する現像性とを付与することができる。
本発明の態様によれば、光重合開始剤であるオキシムエステル化合物が、下記一般式
Figure 0006781216
(式中、Rは、水素、炭素数1〜17のアルキル基または炭素数1〜17のアルコキシ基を表し、Rは、フェニル基、または炭素数1〜5のアルキル基、−O−C2m−CH及び−O−C2n−O−C2p−CHからなる群から選択された少なくとも1つの置換基で置換されたフェニル基を表し、mは0または1〜5の整数、nは1〜5の整数、pは0または1〜5の整数を表す。)で表される化合物であることにより、感光性樹脂組成物の感度をより向上させつつ、より優れた解像性を付与することができる。また、感光性樹脂組成物の感度がより向上するので、光硬化に要する露光量を低減でき、結果、光硬化物の生産性を向上させることができる。
本発明の態様によれば、オキシムエステル化合物が、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキシムであることにより、感光性樹脂組成物の感度をさらに向上させつつ、さらに優れた解像性を付与することができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物について、詳細に説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)エポキシ化合物と、(D)着色剤と、(E)光反応安定化剤と、を含む。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
カルボキシル基含有感光性樹脂の構造は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上、好ましくは2個以上有する感光性のカルボキシル基含有樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能性エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得、生成したラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の水酸基にさらに多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
前記多官能性エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であれば、その化学構造は、特に限定されない。多官能性エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に限定されないが、例えば、その上限値は、光硬化物の強度の点から、2000g/eqが好ましく、1000g/eqがより好ましく、500g/eqが特に好ましい。一方で、多官能性エポキシ樹脂のエポキシ当量の下限値は、100g/eqが好ましい。多官能性エポキシ樹脂には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、о−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂にBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものも使用可能である。これらのエポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができ、このうち、(メタ)アクリル酸が好ましい。多官能性エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法は、特に限定されず、例えば、多官能性エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸とを適当な希釈剤中で加熱することにより反応させることができる。
多塩基酸、多塩基酸無水物は、多官能性エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応により生成した水酸基と反応することで、樹脂に遊離のカルボキシル基が導入される。多塩基酸、多塩基無水物は、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。具体的な多塩基酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、具体的な多塩基酸無水物としては、これらの無水物が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記した多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂もカルボキシル基含有感光性樹脂として使用できるが、必要に応じて、上記した多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に樹脂に導入して感光性をより向上させた、カルボキシル基含有感光性樹脂を用いてもよい。
ラジカル重合性不飽和基を更に樹脂に導入したカルボキシル基含有感光性樹脂では、前記グリシジル化合物が、カルボキシル基との反応によって、多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂骨格の側鎖に結合することから、光重合反応性がより向上し、優れた感光特性を有する。1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリメタクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価は、特に限定されないが、その下限値は、確実な現像性を得る点から30mgKOH/gが好ましく、40mgKOH/gが特に好ましい。一方、カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価の上限値は、アルカリ現像液による露光部の溶解防止の点から200mgKOH/gが好ましく、光硬化物の耐湿性と電気特性の劣化防止の点から150mgKOH/gが特に好ましい。
また、カルボキシル基含有感光性樹脂の質量平均分子量は、特に限定されないが、その下限値は、光硬化物の強靭性及び指触乾燥性の点から3000が好ましく、5000が特に好ましい。一方、カルボキシル基含有感光性樹脂の質量平均分子量の上限値は、円滑な現像性の点から200000が好ましく、50000が特に好ましい。
カルボキシル基含有感光性樹脂として上市されているものには、例えば、サイクロマーP(ACA)Z−251(ダイセル・オルネクス株式会社)、ZCR−1601H、KAYARAD ZAR−2000、ZFR−1122、FLX−2089、ZCR−1569H(以上、日本化薬株式会社)、リポキシ SP−4621(昭和高分子株式会社)等を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)光重合開始剤
光重合開始剤は、特に限定されないが、感光性樹脂組成物に高い感度を付与する点から、オキシムエステル化合物(オキシムエステル系光重合開始剤)が挙げられる。オキシムエステル系光重合開始剤は、オキシムエステル基を有する化合物である。オキシムエステル系光重合開始剤は、特に限定されないが、例えば、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキシム等の下記一般式
Figure 0006781216
(式中、Rは、水素、炭素数1〜17のアルキル基または炭素数1〜17のアルコキシ基を表し、Rは、フェニル基、または炭素数1〜5のアルキル基、−O−C2m−CH及び−O−C2n−O−C2p−CHからなる群から選択された少なくとも1つの置換基で置換されたフェニル基を表し、mは0または1〜5の整数、nは1〜5の整数、pは0または1〜5の整数を表す。)で表されるオキシムエステル化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)、2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン、1,8−オクタンジオン,1,8−ビス[9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル]−,1,8−ビス(O−アセチルオキシム)、1,8−オクタンジオン,1,8−ビス[9−(2−エチルヘキシル)−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル]−,1,8−ビス(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。これらのオキシムエステル系光重合開始剤のうち、感度をより向上させつつ、より優れた解像性を付与することができる点から、上記一般式で表されるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましく、このうち、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキシムが特に好ましい。また、上記一般式で表されるオキシムエステル系光重合開始剤を用いると、上記の通り、感光性樹脂組成物の感度がより向上するので、光硬化に要する露光量を低減でき、結果、光硬化物の生産性を向上させることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物では、オキシムエステル系光重合開始剤に代えて、オキシムエステル系光重合開始剤以外の他の光重合開始剤を配合してもよく、オキシムエステル系光重合開始剤とともに他の光重合開始剤を配合してもよい。他の光重合開始剤としては、一般的に使用されるものであれば、特に限定されず、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系光重合開始剤、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン等のアントラキノン系光重合開始剤、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、エチル−4−(ジメチルアミノ) ベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−(ジメチルアミノ) ベンゾエート、メチル−4−(ジメチルアミノ) ベンゾエート、イソアミル−4−(ジメチルアミノ) ベンゾエート、2−( ジメチルアミノ) エチルベンゾエート、2−エチルへキシル−4−(ジメチルアミノ) ベンゾエート等のベンゾエート系光重合開始剤の他、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の含有量は、特に限定されず、オキシムエステル系光重合開始剤のみを配合する場合には、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.10質量部〜10質量部が好ましく、0.20質量部〜5.0質量部がより好ましく、0.50質量部〜2.0質量部が特に好ましい。光重合開始剤として、オキシムエステル系光重合開始剤と他の光重合開始剤を併用または他の光重合開始剤のみを使用する場合には、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.20質量部〜20質量部が好ましく、0.40質量部〜10質量部が特に好ましい。
(C)エポキシ化合物
エポキシ化合物は、光硬化物の架橋密度を上げて、十分な機械的強度を有する硬化塗膜等の光硬化物を得るためのものである。エポキシ化合物には、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ化合物の含有量は、特に限定されず、例えば、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、5.0〜150質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましく、15〜50質量部が特に好ましい。
(D)着色剤
着色剤は、顔料、色素等、特に限定されず、また、白色着色剤、黒色着色剤、赤色着色剤、黄色着色剤、緑色着色剤、青色着色剤、橙色着色剤、褐色着色剤、紫色着色剤等、いずれの色彩も使用可能である。本発明の感光性樹脂組成物では、後述するように、光反応安定化剤を含むことから、オキシムエステル系光重合開始剤を使用して高感度化し、また、着色剤として、緑色着色剤、青色着色剤、橙色着色剤、褐色着色剤等の、色が薄く光透過率の高い着色剤を配合しても、本発明の感光性樹脂組成物の塗膜の露光時におけるハレーションを防止して、硬化塗膜に優れたライン形状を付与でき、また、小径のスルーホール上やブラインドビアホール上の塗膜でも確実に現像することができる。
緑色着色剤及び青色着色剤としては、フタロシアニン系、アントラキノン系が挙げられる。橙色着色剤としては、ジケトピロロピロール系が挙げられる。褐色着色剤としては、アンバーが挙げられる。その他、白色着色剤としては、酸化チタン、黒色着色剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ペリレン系、赤色着色剤としては、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、キナクリドン系、黄色着色剤として、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系が挙げられる。
着色剤の含有量は、特に限定されず、例えば、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.10〜10質量部が好ましく、0.15〜5.0質量部が特に好ましい。
(E)光反応安定化剤
感光性樹脂組成物が光反応安定化剤を含むことにより、感光性樹脂組成物の塗膜を露光して光硬化させる際にハレーションが防止され、硬化塗膜に優れたライン形状を付与でき、また、小径のスルーホール上やブラインドビアホール上の塗膜でも確実に現像することができる。すなわち、光反応安定化剤は、ハレーション防止剤として機能する。光反応安定化剤としては、例えば、ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物を挙げることができる。ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物を使用することにより、光重合開始剤としてオキシムエステル化合物が使用された高感度の感光性樹脂組成物であっても、露光時のハレーションをより確実に防止することができる。ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ジメチルアミノベンゾフェノン、ジエチルアミノベンゾフェノンが挙げられ、このうち、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
光反応安定化剤の含有量は、特に限定されず、例えば、その下限値は、解像性を損なうことなく、塗膜ラインのアンダーカットを確実に防止して優れたライン形状を得、また、小径のスルーホール上やブラインドビアホール上の塗膜でもより確実に現像する点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.02質量部が好ましく、0.05質量部がより好ましく、0.10質量部が特に好ましい。一方で、光反応安定化剤の含有量の上限値は、紫外線等の活性エネルギー線を塗膜の下部まで十分に透過させることで、より優れた感度と解像性とライン形状とを得る点から1.0質量部が好ましく、0.70質量部がより好ましく、0.40質量部が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、上記した(A)〜(E)成分の他に、必要に応じて、他の成分、例えば、有機フィラー、体質顔料、難燃剤、硬化促進剤、消泡剤、非反応性希釈剤等を、適宜、配合することができる。
有機フィラーとしては、例えば、(メタ)アクリレートモノマーを挙げることができる。体質顔料としては、例えば、タルク、硫酸バリウム、疎水性シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、マイカ等を挙げることができる。
難燃剤として、例えば、リン系の難燃剤を挙げることができ、有機リン酸塩系の難燃剤が好ましい。リン系の難燃剤としては、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートなどのノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイド(以下HCA)、HCAとアクリル酸エステルの付加反応生成物、HCAとエポキシ樹脂の付加反応生成物、HCAとハイドロキノンの付加反応生成物等のHCA変性型化合物、ジフェニルビニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリアルキルホスフィンオキサイド、トリス(ヒドロキシアルキル)ホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。
硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体、アミンイミド(AI)、ポリアミン等が挙げられる。消泡剤としては、シリコーン系、炭化水素系、アクリル系等が挙げられる。
非反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するために配合される。非反応性希釈剤として、例えば、有機溶剤を挙げることができる。有機溶剤には、例えば、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルジグリコールアセテート等のエステル類等を挙げることができる。
上記した本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されず、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ニーダー等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー、トリミックス等の攪拌、混合手段により、混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合してもよい。
次に、上記した本発明の感光性樹脂組成物の使用方法について説明する。ここでは、本発明の感光性樹脂組成物を、銅箔の導体回路パターンが形成された基板上にソルダーレジスト膜として塗工する場合を例にとって説明する。
上記のようにして製造した本発明の感光性樹脂組成物を、例えば、銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するプリント配線板(リジッド基板)やフレキシブルプリント配線板(フレキシブル基板)等の基板上に、スクリーン印刷、スプレーコータ、バーコータ、アプリケータ、ブレードコータ、ナイフコータ、ロールコータ等、公知の塗工方法を用いて所望の厚さに塗布して塗膜を形成する。塗膜形成後、本発明の感光性樹脂組成物に非反応性希釈剤が含まれている場合には、非反応性希釈剤を揮散させるために、60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行ってタックフリーの塗膜を形成する。
次に、塗布した感光性樹脂組成物上に、回路パターンのランド、スルーホール、ブラインドビアホール等、所望の現像予定部位以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルム(フォトマスク)を密着させ、その上から紫外線(例えば、波長300〜400nmの範囲)を照射させる。そして、非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用される希アルカリ水溶液としては、例えば、0.5〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液が挙げられる。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアを行うことにより、プリント配線板やフレキシブルプリント配線板等の回路基板上に目的のパターンを有するソルダーレジスト膜を形成させることができる。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜6、比較例1〜5
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温(25℃)にて混合分散させて、実施例1〜6、比較例1〜5にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示す。なお、表1中の配合量の空欄部は、配合なしを意味する。
Figure 0006781216
なお、表1中の各成分についての詳細は、以下の通りである。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・KAYARAD ZAR−2000:日本化薬株式会社(固形分65質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート25質量%、ソルベントナフサ10質量%)
(B)光重合開始剤
・NCI−831:(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキシム、株式会社ADEKA
・OXE−02:エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)、BASFジャパン株式会社
(C)エポキシ化合物
・EPICLON 850−S:DIC株式会社
(D)着色剤
・クロモフタルDPPオレンジ TR:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社
・LIONOL BLUE FG−7351:トーヨーカラー株式会社
・LIONOL GREEN 2YG:トーヨーカラー株式会社
・デンカブラック:デンカ株式会社
(E)光反応安定化剤
・Chivacure EMK:Chitec社
アクリレートモノマー
・EBECRYL8405:ダイセル・オルネクス株式会社
体質顔料
・ハイジライトH42M:昭和電工株式会社
難燃剤
・エクソリット OP−935:クラリアントジャパン株式会社
硬化促進剤
・メラミン:日産化学工業株式会社
・DICY−7:三菱ケミカル株式会社
消泡剤
・X−50−1095C:信越化学工業株式会社
非反応性希釈剤
・EDGAC:三洋化成品株式会社
試験片作製工程
基板(ガラスエポキシ基板、「FR4」、Cu厚み25μm)を、希硫酸(5質量%)により表面処理後、スクリーン印刷法にて、上記のように調製した実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、それぞれ塗布した。塗布後、BOX炉にて80℃で20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上に、100mJ/cmの露光量にて露光した(装置:株式会社オーク、直描(DI)紫外線露光装置「Mns60」(光源:高圧水銀灯))。露光後、1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて、現像温度30℃、現像圧力0.2MPaのスプレー圧にて現像した。現像後、BOX炉にて150℃で60分のポストキュアを行うことで、基板上に硬化塗膜を形成した。硬化塗膜の厚みは、20〜23μmであった。
評価項目
(1)感度
上記試験片作製工程の予備乾燥工程まで行った基板に対し、感度測定用ステップタブレット(コダック合同会社、21段)を塗膜上に密着させ、このステップタブレットを通して、上記試験片作製工程の露光条件にて紫外線照射(露光)した。その後、上記試験片作製工程と同様にして現像を行い、テストピースとした。現像後の感度段数が100%残っている最大の段数を感度として評価した。段数が大きいほど感度が良好であることを示す。
(2)感度7段における露光量
上記試験片作製工程の予備乾燥工程まで行った基板に対し、感度測定用ステップタブレット(コダック合同会社、21段)を塗膜上に密着させ、このステップタブレットを通して、露光量30〜300mJまで10mJ毎に上記露光装置にて露光した。その後、上記試験片作製工程と同様にして現像を行い、ステップタブレットが7段となるのに要する露光量を求めた。
(3)最小ビア開口径
上記試験片作製工程の予備乾燥工程まで行った基板に対し、解像性評価用ネガマスクとして、ビア開口径50〜200μmを有するネガパターンを塗膜上に密着させ、このネガマスクを通して、上記感度7段における露光量にて上記露光装置を用いて露光した。その後、上記試験片作製工程と同様にして現像を行い、ビアが開口できる最小ビア開口径を求めた。
(4)解像性
上記試験片作製工程の予備乾燥工程まで行った基板に対し、解像性評価用のフォトマスク(ライン幅及びライン間のスペースが、30μm〜130μmのパターンを持つフォトマスク)を塗膜上に密着させ、このフォトマスクを通して、上記感度7段における露光量にて上記露光装置を用いて露光した。その後、上記試験片作製工程と同様にして現像を行い、ラインとして完全な形状で基板上に残存している最も細いライン幅(μm)を、目視にて観察し、解像性として評価した。
(5)アンダーカット
上記試験片作製工程に準じて作製した、幅100μmの硬化塗膜を形成した基板について、基板を切断して切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)観察し、形成ラインの表面側端部の幅(x)と底部側(深部側)端部の幅(y)を測定し、yがxより5μm未満狭いラインの断面形状を「◎」、yがxより5μm以上10μm未満狭いラインの断面形状を「○」、yがxより10μm以上狭いラインの断面形状を「×」と評価した。
評価結果を上記表1に示す。表1に示すように、光反応安定化剤を添加した実施例1〜6では、色が薄く光透過率の高い着色剤である橙色着色剤、青色着色剤、緑色着色剤を使用し、光重合開始剤としてオキシムエステル化合物を使用しても、幅100μmのラインについてアンダーカットを防止して、優れたライン形状を得ることができた。また、実施例1〜6では、最小ビア開口径が60〜80μmに低減でき、小径のスルーホール上やブラインドビアホール上の塗膜でも確実に現像することができることが判明した。また、実施例1〜6では、解像性が50〜60μmと優れた解像性を得ることができた。さらに、光重合開始剤としてオキシムエステル化合物を使用した実施例1〜6では、優れた感度を得ることができた。
実施例1と実施例2から、オキシムエステル系光重合開始剤として、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキシムを用いた実施例1は、オキシムエステル系光重合開始剤として、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)を用いた実施例2と比較して、感度がさらに向上し、また、さらに優れた解像性を得ることができた。
実施例1と実施例5から、光反応安定化剤を0.2質量部添加した実施例1は、光反応安定化剤を0.5質量部添加した実施例5と比較して、感度と解像性がさらに向上し、ラインのアンダーカットをより低減することができた。また、実施例1と実施例6から、光反応安定化剤を0.2質量部添加した実施例1は、光反応安定化剤を0.05質量部添加した実施例6と比較して、最小ビア開口径とラインのアンダーカットをさらに低減することができた。
一方で、光反応安定化剤を添加しなかった比較例1〜4では、色が薄く光透過率の高い着色剤である橙色着色剤、青色着色剤、緑色着色剤を使用し、光重合開始剤としてオキシムエステル化合物を使用すると、幅100μmのラインについてアンダーカットを防止できず、優れたライン形状を得ることができなかった。また、比較例1〜4では、最小ビア開口径が120〜150μmとなってしまい、小径のスルーホール上やブラインドビアホール上の塗膜を十分に現像することができないことが判明した。光反応安定化剤を添加せず、色が濃く光透過率の低い着色剤である黒色着色剤を配合した比較例5では、感度が低下してしまい、解像性も得ることができず、また、アンダーカットを防止できずに優れたライン形状を得ることもできなかった。
本発明の感光性樹脂組成物は、露光時のハレーションを防止することで、硬化塗膜に優れたライン形状と解像性を付与でき、小径のスルーホール上やブラインドビアホール上の塗膜でも確実に現像できるので、オキシムエステル系光重合開始剤を配合した高感度の感光性樹脂組成物の塗膜を光硬化する分野で利用価値が高く、特に、色が薄く光透過率の高い着色剤を配合した高感度の感光性樹脂組成物の塗膜を光硬化する分野で利用価値が高い。

Claims (6)

  1. (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)エポキシ化合物と、(D)着色剤と、(E)光反応安定化剤と、を含む感光性樹脂組成物であって、
    前記(E)光反応安定化剤が、ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物を含み、
    前記(B)光重合開始剤が、オキシムエステル化合物であり、前記オキシムエステル化合物が、下記一般式
    Figure 0006781216
    (式中、R は、水素、炭素数1〜17のアルキル基または炭素数1〜17のアルコキシ基を表し、R は、フェニル基、または炭素数1〜5のアルキル基、−O−C 2m −CH 及び−O−C 2n −O−C 2p −CH からなる群から選択された少なくとも1つの置換基で置換されたフェニル基を表し、mは0または1〜5の整数、nは1〜5の整数、pは0または1〜5の整数を表す。)で表される化合物であり、
    前記オキシムエステル化合物が、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.50質量部以上10質量部以下含まれ、前記(E)光反応安定化剤が、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.02質量部以上0.40質量部以下含まれる感光性樹脂組成物
  2. 前記オキシムエステル化合物が、(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ)−2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキシムである請求項に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(D)着色剤が、ジケトピロロピロール系、フタロシアニンブルー及びフタロシアニングリーンからなる群から選択された少なくとも1種である請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(D)着色剤が、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、0.15質量部以上5.0質量部以下含まれる請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の光硬化物。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の光硬化膜を有するプリント配線板。
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