JP6778073B2 - パンツ型着用物品及びその製造方法並びにパンツ型着用物品の装着方法 - Google Patents

パンツ型着用物品及びその製造方法並びにパンツ型着用物品の装着方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6778073B2
JP6778073B2 JP2016199858A JP2016199858A JP6778073B2 JP 6778073 B2 JP6778073 B2 JP 6778073B2 JP 2016199858 A JP2016199858 A JP 2016199858A JP 2016199858 A JP2016199858 A JP 2016199858A JP 6778073 B2 JP6778073 B2 JP 6778073B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
side seal
pants
seal portion
exterior body
diaper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016199858A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018061545A (ja
Inventor
伸二 浜本
伸二 浜本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2016199858A priority Critical patent/JP6778073B2/ja
Publication of JP2018061545A publication Critical patent/JP2018061545A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6778073B2 publication Critical patent/JP6778073B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Description

本発明は、サイドシール部を有するパンツ型使い捨ておむつなどのパンツ型着用物品に関する。
従来のパンツ型着用物品として、吸収性本体と着用物品の外面を形成する外装体とを備え、前身頃における外装体の両側縁部と後身頃における外装体の両側縁部とが接合されて一対のサイドシール部が形成されているパンツ型使い捨ておむつが知られている。また従来、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の製造工程においては、重ね合わせたシートどうしの接合にヒートロール装置が汎用されており、一般に、サイドシール部はヒートロール装置を用いて形成される。
パンツ型使い捨ておむつは、通常、次のような工程を経て製造される。即ち、複数のおむつが一方向(搬送方向)に連なった構成のおむつ連続体を製造し、このおむつ連続体における、サイドシール部形成予定部位において互いに重なり合う前身頃側の外装体と後身頃側の外装体とを、ヒートロール装置等の接合手段により接合した後、その接合部をカッター等の切断手段によって切断することにより、個々のおむつに分断する工程を経て製造される。こうして製造される従来のパンツ型使い捨ておむつのサイドシール部は、前身頃の側縁部と後身頃の側縁部とが合掌状に重なり合って形成されており、その合掌状部分の頂部が、周辺部よりもおむつの外方に突出しているので、目視により容易に認識できる。
特許文献1には、このような合掌状のサイドシール部を具備するパンツ型使い捨ておむつにおいて、その着用時に該サイドシール部が着用者の脚や尻に引っ掛かって着用が困難になるという課題に鑑みて、該サイドシール部の長手方向の中間に1個以上のシール間欠部を形成し、該シール間欠部を折り線位置として、おむつの前身頃及び後身頃を胴周りに沿って折り返し容易にすることが記載されている。このシール間欠部は、サイドシール部の外縁位置に好ましくは5〜10mmの長さで形成されるもので、ウエスト開口部からレッグ開口部に亘って連続するサイドシール部の一部を切り欠くか、又は該サイドシール部の一部を未シール部とすることで形成される。また、このシール間欠部は、一対のサイドシール部の一方におけるものと他方におけるものとを1組として、一対のサイドシール部に複数組形成されるもので、一対のサイドシール部の一方と他方とで、シール間欠部のパターンは同じである。また、このサイドシール部は、所定形状のシールが該サイドシール部の長手方向に小間隔を置いて複数配置されることで構成されており、該小間隔にて分断されていて、2個の前記シール間欠部に挟まれた部分において不連続である。
また近年、ヒートロール装置等を用いた方法以外の他のサイドシール部の形成方法として、レーザー光を用いた方法が提案されている。例えば特許文献2には、複数枚のシートが重ねられたシート積層体からなるおむつ連続体を、周面にレーザー光透過性部を有する回転ロールの該周面に沿った形状に変形させて搬送しながら、該おむつ連続体のサイドシール部形成予定部に対して該回転ロールの内側からレーザー光を照射し、該おむつ連続体を個々のおむつに溶断するのと同時に、その分断によって生じた該シート積層体の切断縁部どうしを融着させることで、パンツ型使い捨ておむつのサイドシール部を形成する方法が記載されている。
特許文献2に記載の如きレーザー光を用いた方法によって形成されたサイドシール部(以下、レーザー溶断サイドシール部ともいう)は、特許文献1に記載の如きヒートロール装置等を用いて形成された従来型の合掌状のサイドシール部に比して、外装体どうしの接合幅が狭いこと等から、柔軟性や肌触りに優れると共に引き裂き容易性にも優れ、おむつの取り外し作業をスムーズに行うことができるといった種々の利点を有する。しかしその一方で、サイドシール部における外装体どうしの接合幅を狭くすると、おむつの着用状態又は自然状態(収縮状態)において目視による視認性が低くなり、その存在を目視により認識するのが難しい場合が生じ、例えばおむつの使用後に、着用者である乳幼児からその保護者(例えば母親)がおむつを取り外す際にサイドシール部を見つけ難く、おむつの取り外し作業に手間取るおそれがある。
そこで、特許文献2に記載のパンツ型使い捨ておむつにおいては、レーザー溶断サイドシール部に、前身頃の外装体の縁部と後身頃の外装体の縁部とが非結合状態で対向する非シール部を部分的且つ意図的に形成している。この非シール部においては、少なくともおむつの着用状態において、該非シール部を画成する前身頃の外装体の縁部と後身頃の外装体の縁部との間に隙間が生じ、該隙間を介して着用者の肌が外部から視認可能となる。
特開2010−104654号公報 特開2015−8943号公報
アクティブシニアと呼ばれる中高年者は元気で現役世代と同様に活動的であるため、アクティブシニア向けのパンツ型使い捨ておむつのサイドシール部には、着用者の身体の激しい動きに対してもサイドシール部が破断しない程度の実用上十分な接合強度が求められる。そのため例えば、アクティブシニア向けのパンツ型使い捨ておむつのサイドシール部をレーザー溶断サイドシール部とする場合に、斯かる接合強度の向上に対する要望に応えるためには、該サイドシール部の形成時に使用するレーザー光の出力を他用途のおむつのサイドシール部形成時よりも強める方法を採用することが考えられる。しかし、そのような方法で形成されたレーザー溶断サイドシール部は、外装体どうしの接合幅が合掌状のサイドシール部に比して狭いながらも、外装体どうしの硬い融着部がおむつの側縁に沿って線状に連続して延在しているため、該レーザー溶断サイドシール部を具備するおむつの着用時において着用者に違和感を与えるおそれがあり、また、該おむつの脱着時に該レーザー溶断サイドシール部をその外面側から手指で触れた場合などに、その硬さに起因して痛みを感じさせるおそれがある。
従って本発明の課題は、サイドシール部の柔軟性、肌触りに優れるパンツ型着用物品及びその製造方法並びにパンツ型着用物品の装着方法を提供することに関する。
本発明は、着用物品の外面を形成する外装体を備え、前身頃における該外装体の両側縁部と後身頃における該外装体の両側縁部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型着用物品であって、 前記一対のサイドシール部それぞれにおいては、前身頃における外装体の縁部と後身頃における外装体の縁部とが、該サイドシール部の長手方向に延在する融着部で結合しており、前記融着部には、複数の切れ目が前記長手方向に点在しており、前記融着部は、2個の前記切れ目に挟まれた部分において連続しているパンツ型着用物品である。
また本発明は、前記の本発明のパンツ型着用物品の製造方法であって、前身頃側と後身頃側とを重ねた状態の帯状の外装体におけるサイドシール部の形成予定部位を加圧状態にする重合加圧工程と、 加圧状態にある前記サイドシール部の形成予定部位に、前記外装体の搬送方向と交差する方向に延在する光通過部を介してレーザー光を照射することにより、該外装体を分断すると共に、その分断によって生じた積層状態の外装体の切断縁部どうしを融着させて、その融着部に前記切れ目が形成されていない前記サイドシール部を有する、前記パンツ型着用物品の製造中間体を得る中間体製造工程と、前記製造中間体の前記サイドシール部をその長手方向に伸長させ、該サイドシール部の前記融着部に前記切れ目を形成する切れ目形成工程とを具備する、パンツ型着用物品の製造方法である。
また本発明は、着用物品の外面を形成する外装体を備え、前身頃における該外装体の両側縁部と後身頃における該外装体の両側縁部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成され、前記サイドシール部においては、前身頃における外装体の縁部と後身頃における外装体の縁部とが、該サイドシール部の長手方向に延在する連続線状の融着部で結合している、パンツ型着用物品の装着方法であって、着用物品の装着に先立って、前記サイドシール部を手指でつまんで前記長手方向に伸長させるように引っ張るか、又は該サイドシール部をその内面側から外面側に向けて押圧することにより、前記融着部に複数の切れ目を該長手方向に点在するように形成する、パンツ型使い捨ておむつの装着方法である。
本発明によれば、サイドシール部の柔軟性、肌触りに優れるパンツ型着用物品及びその製造方法が提供される。また、本発明のパンツ型着用物品の装着方法によれば、サイドシール部の柔軟性、肌触りについて十分に満足し得る。
図1は、本発明のパンツ型着用物品の一実施態様であるパンツ型使い捨ておむつを模式的に示す斜視図である。 図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す断面図である。 図3は、図1に示すおむつの展開且つ伸長状態における内面側を模式的に示す平面図である。 図4(a)は、図1に示すおむつにおいて、サイドシール部を挟んでその両側に前身頃と後見頃とが位置するように、該おむつをその外面側から目視観察した場合の模式的な平面図、図4(b)は、図4(a)に示すサイドシール部及びその周辺部を拡大して模式的に示す拡大平面図である。 図5は、図1に示すおむつの自然状態における横方向の片側の外面側を模式的に示す正面図である。 図6は、図1に示すおむつの製造における、おむつ連続体の製造工程を模式的に示す斜視図である。 図7は、本発明のパンツ型着用物品の製造に好ましく用いられるレーザー式接合装置及びそれを用いておむつ連続体を溶断する様子を示す斜視図である。 図8は、図7に示すレーザー式接合装置における円筒ロールの周面部の一部の周方向に沿う断面を模式的に示す断面図である。 図9(a)〜図9(c)は、図7に示すレーザー式接合装置を用いておむつ連続体(帯状の外装体)を分断するのと同時にサイドシール部を形成する様子を説明する説明図である。 図10(a)は、図1に示すおむつの製造方法における切れ目形成工程の一実施態様の模式的な上面図、図10(b)はその模式的な側面図、図10(c)は、図10(a)のII−II線断面を模式的に示す断面図である。 図11は、図1に示すおむつの製造方法における切れ目形成工程の他の一実施態様の模式的な側面図(図10(b)相当図)である。 図12(a)は、本発明のパンツ型着用物品の装着方法の一実施態様における操作の説明図、図12(b)は、図12(a)に示す操作によって得られたパンツ型着用物品の横方向の片側の外面側を模式的に示す正面図である。 図13(a)は、本発明のパンツ型着用物品の装着方法の他の一実施態様における操作の説明図、図13(b)は、図13(a)に示す操作によって得られたパンツ型着用物品の横方向の片側の外面側を模式的に示す正面図である。
以下、本発明をその好ましい実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。本発明のパンツ型着用物品の一実施態様であるパンツ型使い捨ておむつ1は、図1〜図3に示すように、吸収性本体2と、着用物品の外面を形成する外装体3とを備え、前身頃F(腹側部1A)における外装体3の縦方向Xに沿う左右両側縁部A1,A1と後身頃R(背側部1B)における外装体3の縦方向Xに沿う左右両側縁部B1,B1とが接合されて一対のサイドシール部4,4、ウエスト開口部WH及び一対のレッグ開口部LH,LHが形成されているパンツ型使い捨ておむつである。外装体3は、吸収性本体2の非肌対向面側に位置して該吸収性本体2を固定している。
おむつ1は、図3に示す如き展開且つ伸長状態の平面視において、着用者の前後方向に相当する縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有している。おむつ1において、縦方向Xは、該おむつ1の図3に示す如き展開且つ伸長状態の平面視における長辺に沿う方向(長手方向)、又はその構成部材である吸収性本体2の長辺に沿う方向(長手方向)に一致し、横方向Yは、該おむつ1又はその構成部材である吸収性本体2の幅方向に一致する。おむつ1は、着用時に着用者の股間部に配される股下部1C並びにその縦方向Xの前後に位置する腹側部1A及び背側部1Bに区分することができる。股下部1Cにおける外装体3は、その縦方向Xに沿う左右両側縁部にレッグ開口部LH,LH形成用の凹欠部が形成されている。また、おむつ1は、図3に示すように、おむつ1を縦方向Xに二分する仮想中心線CLを境にして、前身頃Fと後身頃Rとに区分することができる。
本明細書において、「肌対向面」は、パンツ型着用物品又はその構成部材(例えば吸収性本体)における、パンツ型着用物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌に近い側であり、「非肌対向面」は、パンツ型着用物品又はその構成部材における、パンツ型着用物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面、即ち相対的に着用者の肌から遠い側である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、即ち当該パンツ型着用物品の正しい着用位置が維持された状態を意味し、パンツ型着用物品が該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
吸収性本体2は、図3に示すように、一方向(縦方向X)が相対的に長い縦長の形状を有しており、肌対向面を形成する表面シート(図示せず)と、非肌対向面を形成する裏面シート(図示せず)と、これら両シート間に介在配置された液保持性の吸収体(図示せず)とを具備し、該吸収体は、縦方向Xと同方向に長い形状を有している。吸収性本体2は、その長手方向を、展開且つ伸長状態におけるおむつ1の縦方向Xに一致させて、外装体3の中央部に公知の接合手段(接着剤等)により接合されている。ここで、展開且つ伸長状態とは、サイドシール部を引き剥がして、パンツ型着用物品を展開状態とし、その展開状態の着用物品を、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。
外装体3は、図2及び図3に示すように、おむつ1の外面(外装体3の非肌対向面)を形成する外層シート31と、該外層シート31の内面側に配され、おむつ1の内面(外装体3の肌対向面)を形成する内層シート32と、両シート31,32間に接着剤により固定された複数本の糸状又は帯状の弾性部材5,6,7とを含んで構成されている。両シート31,32間は、所定部位において接着剤又はヒートシール等(図示せず)によって接合されている。両シート31,32は、図3に示すように、腹側部1A及び背側部1Bそれぞれにおける吸収性本体2よりも縦方向Xの外方位置にて、内層シート32の肌対向面側に折り返され、その外装体3の折り返し部が、吸収性本体2の縦方向Xの両端部を被覆している。図3中の符号33は、外装体3の折り返し部3の先端である。そのため、腹側部1A及び背側部1Bは、それぞれ、外装体3の層構造が部分的に異なっており、前記外装体3の折り返し部が存するウエスト開口部WH側が相対的にシートの積層枚数が多く、股下部1C側が相対的にシートの積層枚数が少なく、外装体3の折り返し部の先端33を境界として、外装体3の構成シートの枚数が異なっている。
外装体3(外層シート31、内層シート32)は、樹脂材を含み、該樹脂材を主成分として形成されている。外装体3(外層シート31、内層シート32)の一例として、樹脂材としてポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の熱融着性の合成樹脂を含み、不織布、フィルム、不織布とフィルムとのラミネートシート等からなるものが挙げられる。不織布としては、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、又はこれらの1種若しくは2種以上が2層以上に積層された積層体等が挙げられる。
おむつ1における一対のサイドシール部4,4は、それぞれ図1に示すように、ウエスト開口部WHとレッグ開口部LHとの間の全長に亘って連続している。各サイドシール部4においては、図2に示すように、それぞれ、前身頃Fにおける外装体3の縁部と後身頃Rにおける外装体3の縁部とが、該サイドシール部4の長手方向(縦方向X)に延在する融着部40で結合している。融着部40は、外装体3を構成する複数枚のシート(外層シート31、内層シート32)の縁部が重なった状態で、それらのシートの構成樹脂が溶融固化して形成されている。
本実施態様のおむつ1の主たる特徴の1つとして、図4及び図5に示すように、サイドシール部4の融着部40に、複数の切れ目41が該サイドシール部4の長手方向(縦方向X)に点在している点が挙げられる。尚、図4及び図5では、一対のサイドシール部4,4のうちの一方のみを示しているが、他方のサイドシール部4の融着部40にも、複数の切れ目41が該サイドシール部4の長手方向に点在している。図2、図4及び図5中、符号Pで示す方向は、着用物品たるおむつ1の着用者の肌に近い側から遠い側に向かう内外方向であり、符号Qで示す方向は、該内外方向Pに直交する厚さ方向である。
図4に示すように、サイドシール部4を挟んでその両側に前身頃Fと後見頃Rとが位置するように、おむつ1をその外面側から目視観察した場合、即ち図4(a)又は図4(b)に示す如きサイドシール部4の外側平面視において、融着部40における複数の切れ目41は通常、互いに形状及び/又は寸法が同じではなく、また、縦方向Xに隣り合う切れ目41,41どうしの間隔も不均一である。融着部40における複数の切れ目41の平面視形状には、直線状、V字状、Y字状など種々のものがある。融着部40における複数の切れ目41は、後述するように、このような切れ目が形成されていない、サイドシール部4の長手方向(縦方向X)に延在する連続線状の融着部40を、該長手方向に伸長させることで形成されるものである。サイドシール部4の連続線状の融着部40は常法に従って形成されるところ、そうして形成された連続線状の融着部40には切れ目41は存在せず、該融着部40を意図的にその長手方向に伸長させて初めて該融着部40に切れ目41が複数形成される。各切れ目41は、斯かる融着部40(サイドシール部4)の長手方向への伸長によって融着部40に不規則に形成される破断部分であるから、形状及び寸法が互いに同一の複数の切れ目41は通常存在しない。
このように、前身頃Fにおける外装体3(外層シート31、内層シート32)の縁部と後身頃Rにおける外装体3(外層シート31、内層シート32)の縁部との結合部分たる、サイドシール部4の融着部40は、該融着部40の長手方向に点在する複数の切れ目41を有し、それら複数の切れ目41によって複数の短い線分に区分されているところ、この複数の短い線分、即ち融着部40における2個の切れ目41,41に挟まれた部分は、それぞれ、その縦方向Xの長さの短さ故に、内外方向P及び厚さ方向Qの両方向において動きの自由度が高い。つまり、サイドシール部4は、動きの自由度が比較的高い部分(2個の切れ目41,41に挟まれた部分)が縦方向Xに複数連なって構成された融着部40を具備しているため、その全体が比較的柔軟であり、内外方向P及び厚さ方向Qの両方向において着用者の身体に対して高い追従性を発揮し、肌へのフィット性に優れる。また、サイドシール部4は、融着部40が切れ目41によって複数の短い線分に区分されているため、手指で触れた際に感じる融着部特有の「硬さ」が、従来の切れ目無しに連続する融着部に比して低減されており、肌触りに優れる。従って例えば、おむつ1の脱着時にサイドシール部4を手指で掴んだ際には、従来のパンツ型使い捨ておむつでは感じられた硬さやそれに起因する痛みを感じ難い。さらに、融着部40が切れ目41によって複数の短い線分に区分されていることで、例えば、おむつ1の着用者の動きに伴ってサイドシール部4にこれを内外方向Pへ屈曲させようとする外力が作用した場合に、該サイドシール部4が柔軟に着用者の身体に追従するため、着用者に違和感を与え難い。
このような、おむつ1によるサイドシール部4(融着部40)に関わる効果は、サイドシール部の長手方向の全長にわたって切れ目無しに連続する融着部を有する、従来のパンツ型使い捨ておむつでは奏され難い、格別顕著な効果である。
そして、おむつ1においては、融着部40に複数の切れ目41が縦方向Xに点在していることに加えてさらに、図4(b)に示すように、融着部40は、2個の切れ目41,41に挟まれた部分において連続している。即ち、融着部40は、任意の1個の切れ目41と該1個の切れ目41に近接する他の1個の切れ目41との間においては分断されていない。斯かるおむつ1の特徴は、特許文献1においてはサイドシール部(融着部)における2個のシール間欠部(切れ目)に挟まれた部分が不連続であるのとは、対照的である。このおむつ1の特徴により、サイドシール部4における前身頃Fの外装体3と後見頃Rの外装体3との接合幅が狭くても実用上十分な接合強度が得られるため、おむつ1の着用中におけるサイドシール部4の破れなどの不都合の発生を防止しつつ、前記の切れ目41による融着部40の短い線分への区分化による効果がより一層確実に奏されるようになる。サイドシール部4は、後述するようにレーザー光を用いて形成されたものであるため、該サイドシール部4における外装体3どうしの接合幅は、従来型の合掌状のサイドシール部のそれに比して狭い。
また、おむつ1においては、一対のサイドシール部4,4のうちの一方と他方とで、融着部40における切れ目41のパターンが異なる。おむつ1の斯かる特徴は、特許文献1においては一対のサイドシール部の一方と他方とでシール間欠部のパターンが同じであるのとは、対照的である。このおむつ1における特徴的な切れ目41のパターンは、後述するように、一対のサイドシール部4,4をそれらの長手方向に同時に引っ張ることによって初めてなされるものであり(図10及び図11参照)、斯かる切れ目の形成方法と密接に関連するものである。換言すれば、切れ目41の形成に起因する前述した格別顕著な効果を奏する、おむつ1は、切れ目41が形成されていない一対のサイドシール部4,4を単に引っ張るだけで製造できるということである。つまりおむつ1は、高品質でありながらも、比較的簡単な工程、設備で製造することができるものであり、生産性にも優れる。また、このような左右で非対称の切れ目41のパターンによって、おむつ1の意匠性の向上が期待できる。
前記の「切れ目41のパターンが異なる」とは、一方の融着部40と他方の融着部40とで、「切れ目41の形状」(図4(b)に示す如き平面視形状)、「切れ目41の位置」(融着部40の長手方向における位置)のうちの少なくとも1つが異なることを意味する。切れ目41の形状が異なる態様には、切れ目41の図4に示す如き平面視における形状が異なる場合も含まれる。また、切れ目41の位置が異なる態様には、切れ目41どうしの間隔が異なる場合も含まれる。一方の融着部40と他方の融着部40とで、複数の切れ目41のうちの一部の形状及び位置が同じであっても、他の一部の形状及び/又は位置が異なれば、「切れ目41のパターンが異なる」とする。つまり本発明には、一対のサイドシール部4,4のうちの一方と他方とで、融着部40における複数の切れ目41の全部の形状及び位置が異なる形態のみならず、融着部40における複数の切れ目41の一部においては形状及び位置が同じであるが、他の切れ目41においては形状及び/又は位置が異なる形態も含まれる。
融着部40に存在する複数の切れ目41の多くは、図4(b)に示すように、該融着部40をその長手方向(縦方向X)と直交する方向、即ち融着部40の幅方向(厚さ方向Q)に横断している。つまり、融着部40に存在する複数の切れ目41の多くは、融着部40の長手方向に延びる一方の側縁から他方の側縁にわたって連続的に延びており、その連続的な切れ目41においては、融着部40は分断されている。このように、複数の連続的な切れ目41によって融着部40が複数の短い区分に分断されていることで、各区分の動きの自由度がより一層向上するため、サイドシール部4の柔軟性、肌へのフィット性、肌触りなどがより一層向上し得る。この「連続的な切れ目41」による作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、連続的な切れ目41は、少なくとも融着部40に存在する全ての切れ目41の半数以上を占めることが好ましい。本発明者らの知見によれば、複数の切れ目を後述する方法(融着部をその長手方向に伸長させる方法)によって形成した場合には、その形成された複数の切れ目のほぼ全部(95%以上)が「連続的な切れ目」であり、それ以外の切れ目は通常5%以下であり、ほぼ無きに等しい。
また、前記「連続的な切れ目41」は、図4(b)に示すように、融着部40をその幅方向(厚さ方向Q)に横断しているが、当該切れ目41の近傍の非融着部は切断されていない。連続的な切れ目41は、融着部40からはみ出して近傍の非融着部に延出しておらず、外装体3における該切れ目41の仮想延長線上に位置する部分は切れていない。ここでいう、「外装体3が切れていない」とは、外装体3(外層シート31、内層シート32)の構成繊維が切断されていないことを意味する。おむつ1の斯かる特徴は、特許文献2においてはサイドシール部(融着部)に外装体どうしの非シール部を形成しているのとは、対照的である。斯かる特徴を有するおむつ1においては、複数の切れ目41の大部分、通常はほぼ全部において、その近傍の非融着部が切断されていないため、着用時に融着部40の切れ目41の形成位置には、特許文献2記載のおむつにおいて形成される前記非シール部の如き、着用者の肌を外部から視認できるような大きさの隙間は形成されない。そのため、おむつ1の着用時に切れ目41を介して着用者の肌が露出するような不都合が生じ難く、切れ目41の形成は着用物品の外観的にも問題がない。
図4(b)に示す如きサイドシール部4の外側平面視において、切れ目41の長手方向の長さLと融着部40の厚さ方向Qの長さL2との比率は、L/L2として、好ましくは 0.7以上、さらに好ましくは0.9以上、そして、好ましくは3以下、さらに好ましくは2.5以下である。
図4(b)に示す如きサイドシール部4の外側平面視において、切れ目41の長手方向と直交する方向の長さ即ち幅Wは、好ましくは1μm以上、さらに好ましくは10μm以上、そして、好ましくは1500μm以下、さらに好ましくは1000μm以下である。
切れ目41の深さD(図5参照)と融着部40の内外方向Pの長さL1との比率は、D/L1として、好ましくは0.5〜1、さらに好ましくは0.6〜1である。
1本のサイドシール部4に存する切れ目41の総数は、好ましくは1個以上、さらに好ましくは3個以上である。
切れ目41の各部の寸法、数は、外装体3(外層シート31、内層シート32)の材質、融着部40の幅などの寸法やその形成時の諸条件(レーザー出力など)、切れ目41を形成するのに必要な操作であるサイドシール部4の引張操作などを適宜調整することで調整可能である。
おむつ1においては、複数の切れ目41は図4及び図5に示すように、サイドシール部4の長手方向(縦方向X)の全長に亘って該長手方向に離散的に存在しており、それ故、サイドシール部4の全体について柔軟性、肌触りなどが向上している。本発明においては、このような態様に代えて、サイドシール部4の一部のみに部分的に切れ目41が形成されている態様を採用することもできる。例えば、サイドシール部4において特に硬さを感じやすい部分、より具体的には例えば、腹側部1A及び背側部1Bにおける股下部1C寄りの部分(レッグ部弾性部材7の配置部位及びその近傍)の融着部40のみに選択的に切れ目41を形成し、その切れ目41によって該部分の融着部40を複数の短い線分に区分しても良い。このような、融着部40の部分的な区分は、例えば、その区分予定部位のみを選択的にサイドシール部4の長手方向に伸長させるように引っ張ることで形成し得る(図12参照)。
また、切れ目41は、サイドシール部4を構成するシートの積層枚数が異なる部分どうしの境界、即ち外装体3の折り返し部の先端33又はその近傍に形成されていることが好ましく、特に、この境界33の近傍(境界33から10mm以内の領域)で且つ該シートの積層枚数が相対的に少ない側に形成されていることが好ましい。斯かる構成により、積層枚数が異なるが故に生じる違和感が低減されると共に、サイドシール部4の硬さを感じやすい積層枚数が少ない部分の柔軟性、肌触りが向上する。
おむつ1のサイドシール部4は、融着部40が複数の切れ目41によって複数の短い線分に区分されていることに加えて、後述するようにレーザー光を用いて形成されたいわゆるレーザー溶断サイドシール部であるため、特許文献1に記載の如きヒートロール装置等を用いて形成された従来型の合掌状のサイドシール部に比して、前身頃Fの外装体3と後見頃Rの外装体3との接合幅が狭いこと等から、そもそも、「融着部40が切れ目41によって複数の短い線分に区分されているという構成」を具備していない状態のいわゆる基本構成において、柔軟性、肌触り、引き裂き容易性などに優れる。従っておむつ1のサイドシール部4は、レーザー溶断サイドシール部に特有の作用効果と、融着部40の区分化による作用効果とが相俟って、柔軟性、肌触り、おむつ1の取り外し作業性などに優れる。
また、サイドシール部4がレーザー溶断サイドシール部であることに起因して、融着部40は、図2に示すように、その内外方向Pの外縁40a及び内縁40bの双方が、内外方向Pの内方に向かって凸に突出した断面形状を有しており、融着部40は、全体として、三日月状の断面形状を有している。またサイドシール部4は、図2に示すように、内外方向Pにおける融着部40より外側に、外装体3の構成繊維が繊維形状を残した部分を有しない。そのため、おむつ1の着用状態における融着部40の視認性を低下させることができ、おむつ1の外観が下着に近いものとなる。
いわゆるレーザー溶断サイドシール部であるサイドシール部4は、図2に示すように、融着部40について、内外方向Pの長さL1よりも厚さ方向Qの長さL2の方が長い。長さL1と長さL2との比率は、L1/L2として、好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.1以上、そして、好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.3以下である。
融着部40の内外方向Pの長さL1(図2参照)は、好ましくは0.02mm以上、さらに好ましくは0.05mm以上、そして、好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。
融着部40の厚さ方向Qの長さL2(図2参照)は、好ましくは0.05mm以上、さらに好ましくは0.1mm以上、そして、好ましくは2mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。
前述したおむつ1は、例えば、本発明のパンツ型着用物品の製造方法の一実施態様である以下に説明する製造方法によって製造することができる。
本実施態様のおむつ1の製造方法は、前身頃側と後身頃側とを重ねた状態の帯状の外装体3におけるサイドシール部の形成予定部位を加圧状態にする重合加圧工程と、
加圧状態にあるサイドシール部の形成予定部位に、外装体3の搬送方向Dと交差する方向に延在する光通過部を介してレーザー光を照射することにより、該外装体3を分断すると共に、その分断によって生じた、積層状態の外装体の切断縁部どうしを融着させて、その融着部40に切れ目41が形成されていないサイドシール部4を具備する、おむつ1の製造中間体1’を得る中間体製造工程と、
製造中間体1’のサイドシール部4をその長手方向に伸長させ、サイドシール部4の融着部40に切れ目41を形成する切れ目形成工程と、を具備している。前記中間体製造工程には、融着部40に前記切れ目の無いサイドシール部4を形成するサイドシール部形成工程が含まれる。
また本実施態様のおむつ1の製造方法は、前記重合加圧工程の前に、帯状の外装体3(外層シート31、内層シート32)に吸収性本体2を固定する本体固定工程を具備している。
より具体的には、おむつ1の製造方法においては、図6に示すように、前記重合加圧工程において、帯状の外装体3(外層シート31、内層シート32)をその幅方向に折り畳むことにより、吸収性本体2が固定された帯状の外装体3の前身頃側と後身頃側とを重ね合わせ、それによって、「サイドシール部が形成されていないパンツ型使い捨ておむつの前駆体が一方向に連なってなる、おむつ連続体10」を製造する。そして、前記サイドシール部形成工程において、このおむつ連続体10における帯状の外装体3を、図7に示すように、レーザー光30の照射により、個々に分断(溶断)するのと同時に、その分断によって生じた、積層状態の複数枚の外装体3(外層シート31、内層シート32)の切断縁部どうしを融着して、一対のサイドシール部4,4を有する外装体3を具備するパンツ型使い捨ておむつ1を連続的に製造する。
より詳細に説明すると、先ず、図6に示すように、原反ロール(図示せず)から連続的に供給される帯状の外層シート31と、原反ロール(図示せず)から連続的に供給される帯状の内層シート32の間に、ウェストギャザーを形成するウエスト部弾性部材5、胴周りギャザーを形成する胴周り部弾性部材6及びレッグギャザーを形成するレッグ部弾性部材7を、所定の伸長率に伸長させた伸長状態で各々複数本配する。このとき、レッグ部弾性部材7は、シートの流れ方向とは直交して往復運動する公知の揺動ガイド(図示せず)を介して、所定の脚周りパターンを形成しながら配される。また、帯状の外層シート31及び帯状の内層シート32には、それらを重ね合わせる前に、両シート31,32の何れか一方又は双方の対向する面の所定部位に、接着剤塗工機(図示せず)によりホットメルト型接着剤を塗工する。尚、ウエスト部弾性部材5、胴周り部弾性部材6等の弾性部材が、両シート31,32における、レーザー光の照射によって分断される部分(サイドシール部4の形成予定部位、図9中符号10Cで示す分断予定部位)を跨ぐように伸長状態で配されている場合、その分断後の該弾性部材の大幅な縮みや該弾性部材の抜け等の不都合を回避するために、該部分及びその近傍に接着剤を塗工しておくことが好ましい。ウエスト部弾性部材5及び胴周り部弾性部材6には、両シート31,32間に配される前に、接着剤塗工機(図示せず)によりホットメルト型接着剤を間欠的に塗工しても良い。
そして、図6に示すように、一対のニップロール11,11の間に、ウエスト部弾性部材5、胴周り部弾性部材6及びレッグ部弾性部材7を伸長状態で挟み込んだ帯状の外層シート31及び帯状の内層シート32を送り込んで加圧することにより、帯状シート31,32間に複数本の弾性部材5,6,7が伸長状態で配された帯状の外装体3を形成する。
この外装体3の形成工程においては、隣り合う2本の胴周り部弾性部材6,6間において帯状の外層シート31と帯状の内層シート32とを接合する複数の接合部(図示せず)を、凸ロールとこれに対応するアンビルロール等の接合手段(図示せず)を用いて形成することも好ましい。
その後、必要に応じて、弾性部材プレカット手段(図示せず)を用いて、後述する吸収性本体2を配する位置に対応させて、複数本の胴周り部弾性部材6及び複数本のレッグ部弾性部材7を押圧して、収縮機能が発現されないように個々複数個に分断する。前記弾性部材プレカット手段としては、例えば、特開2002−253605号公報に記載の複合伸縮部材の製造方法に用いる弾性部材分断部等が挙げられる。
次いで、図6に示すように、別工程で製造された吸収性本体2に予めホットメルト接着剤等の接着剤を塗工(図示せず)し、該吸収性本体2を90度回転させて、帯状の外装体3を構成する内層シート32上に間欠的に供給して固定する(本体固定工程)。尚、吸収性本体固定用の接着剤は、吸収性本体2ではなく、内層シート32における吸収性本体2の配置予定位置に予め塗工しても良い。
そして、図6に示すように、吸収性本体2が配置された帯状の外装体3におけるレッグ部弾性部材7で環状に囲まれた環状部の内側にレッグホールLO’を形成する。このレッグホール形成工程は、ロータリーカッター、レーザーカッター等の従来からこの種の物品の製造方法における手法と同様の手法を用いて実施することができる。尚、図示の態様においては、帯状の外装体3に吸収性本体2を配置した後にレッグホールを形成しているが、吸収性本体2の配置前にレッグホールを形成しても良い。
次いで、帯状の外装体3をその幅方向(外装体3の搬送方向と直交する方向)に折り畳む。より具体的には、図6に示すように、帯状の外装体3の搬送方向に沿う両側部3a,3aを、吸収性本体2の長手方向両端部を覆うように折り返して吸収性本体2の長手方向両端部を固定した後、外装体3を吸収性本体2と共にその幅方向に2つ折りする(重合加圧工程における重合工程)。こうして、おむつ連続体10が得られる。
おむつ連続体10は、前身頃側と後身頃側とを重ねた状態の帯状の外装体3と、帯状の外装体3に間欠に固定された吸収性本体2とを有している。おむつ連続体10及び帯状の外装体3は、搬送方向における吸収性本体2,2どうし間に、サイドシール部4の形成予定部位即ち分断予定部位10Cを有している。サイドシール部の形成予定部位10Cにおいては、帯状の外装体3における前身頃側と後身頃側とが、吸収性本体2を間に挟むことなく、直接重なった状態となっている。おむつ連続体10における、前記帯状の外装体3部分も、「前身頃側と後身頃側とを重ねた状態の帯状の外装体」に該当する。
次いで、こうして製造されたおむつ連続体10に対して、図7に示すように、レーザー式接合装置20を用いてレーザー光を照射して一対のサイドシール部4,4を形成し(サイドシール部形成工程)、一対のサイドシール部4を有する外装体3を具備するパンツ型使い捨ておむつ1の製造中間体1’を連続的に製造する(中間体製造工程)。図9に示すように、本実施態様の製造方法においては、おむつ連続体10の一部を構成する「前身頃側と後身頃側とを重ねた状態の帯状の外装体」における、サイドシール部の形成予定部位10Cのそれぞれに、2つのおむつ(パンツ型着用物品)のサイドシール部となる一対のサイドシール部4,4を形成する。
レーザー式接合装置20について説明すると、レーザー式接合装置20は、レーザー光を照射して被搬送物を分断すると共に、融着させるレーザー式接合装置であり、図7に示すように、矢印D方向に回転駆動される円筒ロール23と、円筒ロール23の外周部上に被搬送物たるおむつ連続体10を導入する導入ロール28と、レーザー光30を集光するレンズを有する照射ヘッド35と、円筒ロール23の外周部上に支持されたおむつ連続体10を加圧する加圧部材26である加圧ヘッドと、おむつ連続体10が分断・融着されて生じた短尺物としてのおむつ1を、円筒ロール23の外周部上から導出する導出ロール29とを備えている。
円筒ロール23は、その外周部が支持部材21によって形成されている。円筒ロール23の外周部を形成する支持部材21は、図7に示すように、第1面21a及びそれと反対側に位置する第2面21bを有しており、導入ロール28によって導入された、おむつ連続体10を第1面21a上に支持する。換言すれば、本実施態様のレーザー式接合装置20における支持部材21は、矢印D方向に回転駆動される円筒である中空の円筒ロール23の周面部の形成部材である。尚、支持部材21は、円筒ロール23の回転軸方向両端部を形成する一対の環状の枠体(図示せず)間に固定されている。支持部材21は、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等の金属材料又はセラミックス等の耐熱性を有する材料からなることが好ましい。
円筒ロール23の周面部には、周方向の複数個所に、第2面21b側から照射されたレーザー光30が通過可能で、おむつ連続体10の幅方向に長い形状の開口部27が形成されている。開口部27は、円筒ロール23の軸方向に長い形状のスリット状開口部であり、「レーザー光が通過可能な光透過部」である。開口部27は、平面視して細幅の矩形形状を有し、その長手方向を、おむつ連続体10の搬送方向Dと交差する方向、より好適には、円筒ロール23の回転軸の軸長方向と平行な方向に一致させて延びている。
円筒ロール23の周面部は、図7及び図8に示すように、円筒ロール23の周方向に間隔を設けて複数配置された第1支持部材121と、周方向において第1支持部材121どうし間に配された第2支持部材131とから形成されている。第1支持部材121は、図8に示すように、基台部122と、基台部122の上面に固定された一対のスリット形成部材123,124を備えている。基台部122は、円筒ロール23の内面側、すなわち照射ヘッド35と対向する面側に凹部122aを有しており、該凹部122aの底部に、円筒ロール23の軸方向に長い縦長矩形状の開口部122bを有している。一対のスリット形成部材123,124は、円筒ロール23の軸方向に長い形状の板状体であり、相対向する縁部27a,27bが、基台部122の開口部122b上に位置するように、基台部122の上面に固定されている。
加圧部材26は、図7に示すように、円筒ロール23と連動して回転するロール25に、円筒ロール23に設けられた開口部27(光透過部)と同数形成されている。レーザー式接合装置20においては、加圧部材26を、カム機構やシリンダ機構を用いた公知の揺動機構により揺動させ、所定の加圧エリアにおいては、おむつ連続体10のレーザー光照射部位の近傍を加圧し、それ以外のエリアでは加圧を行わないようになっている。この加圧エリアには、レーザー光30の照射エリアの照射エリアが含まれる。
照射ヘッド35は、一対のスリット形成部材123,124間に生じたスリット状開口部27を介して、被搬送物であるおむつ連続体10にレーザー光を照射する。照射ヘッド35は、レーザー光30を自在に走査するガルバノスキャナ(モータ軸にミラーが付いた装置)であり、レーザー光30を円筒ロール23の回転軸と平行な方向に進退させる機構、レーザー光30が支持部材21の第1面21a上に支持されたおむつ連続体10に当たる位置(照射点)を円筒ロール23の周方向に移動させる機構、及び円筒ロール23の周面上でレーザー光30のスポット径を一定にする調整機構等を備えている。レーザー照射機構は、このような構成を有することによって、レーザー光30の照射点を、円筒ロール23の周方向及び該周方向と直交する方向の両方向に任意に移動させることができる。
本実施態様の製造方法における、レーザー式接合装置20を用いた前記サイドシール部形成工程においては、図7に示すように、おむつ連続体10は、所定のテンションが掛けられた状態で搬送され、導入ロール28によって方向転換された後、矢印D方向に回転駆動される円筒ロール23の外周部を形成する支持部材21の第1面21a上に導入される。円筒ロール23の外周部上に導入されたおむつ連続体10は、円筒ロール23の回転により、その導入部から円筒ロール23の周方向に所定距離した位置にあるレーザー光30の照射エリアに搬送され、その搬送中、円筒ロール23の外周部を形成する支持部材21に所定のテンションで巻き掛けられ且つ加圧部材26によって加圧された状態にある。
そして、レーザー光30の照射エリアにおいて、おむつ連続体10にレーザー光30が照射され、おむつ連続体10の分断が行われる。レーザー光30の照射エリアにおいては、加圧部材26である加圧ヘッドにより、おむつ連続体10のレーザー光照射部位即ちおむつ連続体10の分断予定部位(サイドシール部4の形成予定部位)の近傍を加圧した状態で、おむつ連続体10に、一対のスリット形成部材123,124間に形成された開口部27を介して、円筒ロール23の内側からレーザー光30が照射され、それによって、おむつ連続体10が分断されるのと同時に、その分断によって生じた、加圧状態にある複数枚のシート(外装体3)の切断縁部どうしが融着してサイドシール部4が形成される(サイドシール部形成工程、中間体製造工程)。
図9は、レーザー式接合装置20を用いておむつ連続体10(帯状のシート積層体)を分断するのと同時にサイドシール部4(シール縁部)を形成する様子を説明する図であり、図9(a)には、おむつ連続体10のレーザー光30による分断予定部位10C(サイドシール部4の形成予定部位)及びその近傍が模式的に示されている。図示の態様におけるおむつ連続体10の分断予定部位10Cは、おむつ連続体10の吸収性本体2が配置されていない領域における長手方向(搬送方向D)の中央である。斯かる分断予定部位10Cは、ウエスト開口部WH(図1参照)の開口端部及びその近傍が、8枚のシートが重ねられた8層構造部分、それ以外の部分が、4枚のシートが重ねられた4層構造部分となっている。4層構造部分は、図9(a)に示すように、腹側部1Aにおける1枚の外装体3を構成する2枚のシート(外層シート31及び内層シート32)と、背側部1Bにおける1枚の外装体3を構成する同じく2枚のシート31,32とからなり、これら4枚のシートが積層されて構成されている。一方、8層構造部分は、前述したように、おむつ連続体10の製造時に帯状の外装体3の両側部3a,3aが吸収性本体2の長手方向両端部を覆うように折り返されている(図3及び図6参照)ことに起因して、腹側部1A及び背側部1Bそれぞれに外装体3が2枚存し且つこれら計4枚の外装体3,3が積層されているので、結果として8枚のシート31,32が積層されて構成されている。尚、4層構造部分及び8層構造部分それぞれにおいて、互いに重なり合うシート31,32間には、ウエスト部弾性部材5、胴周り部弾性部材6等の弾性部材が介在配置されている場合がある。以下、主として、4層構造部分について説明するが、特に断らない限り、8層構造部分も4層構造部分と同様に構成されサイドシール部4が形成される。
おむつ連続体10における4層構造の分断予定部位10Cにおいて、おむつ連続体10の一方の面10a(支持部材21との当接面)を構成する外層シート31及び一方の面10aを構成するシート以外のシート(内層シート32)は、何れか一方又は両方が、レーザー光30を吸収して発熱するシートである。図示の態様においては、分断予定部位10Cを構成する4枚のシート31,32の全てが、レーザー光30を吸収して発熱するシート(不織布)である。また、分断予定部位10C及びその近傍における互いに重なり合う外層シート31及び内層シート32の2枚のシート間は、レーザー光30の照射前において、接着剤等により接合されていても良く、全く接合されていなくても良い。
おむつ連続体10は、図9(b)に示すように、一方の面10aが支持部材21に当接し且つ分断予定部位10C(サイドシール部4の形成予定部位)がスリット状の開口部27上に位置するように、矢印D方向に回転する支持部材21上に導入されると共に、他方の面10bに加圧部材26が押し付けられることによって、矢印D方向に搬送されつつ厚み方向に加圧(圧縮)される。そして、斯かる搬送中且つ加圧状態の分断予定部位10Cに対して、支持部材21側から開口部27を介してレーザー光30が照射される。レーザー光30の照射点は、円筒ロール23の周方向に任意に移動可能に構成されており、開口部27の該周方向に沿った移動に追従して走査するように設定されているので、該開口部27上に位置する分断予定部位10Cには、その搬送中にレーザー光30が一定時間連続的に照射される。
4層構造の分断予定部位10Cにレーザー光30が照射されると、該分断予定部位10Cに存するシート31,32の形成材料(繊維等)は、レーザー光30の直射による発熱によって熱分解して切断すると共に、該分断予定部位10Cの近傍に存する該形成材料は、レーザー光30の直射による発熱及び間接的な伝熱によって熱せられて溶融する。その結果、図9(c)に示すように、4層構造の分断予定部位10Cが溶断されて、おむつ連続体10から1つの枚葉のシート積層体(おむつ前駆体)が切り分けられる形で、該おむつ連続体10が分断されるのと同時に、その分断によって生じた該枚葉のシート積層体における4枚のシート31,32の切断縁部どうし、及び、切り分けられた該おむつ連続体10における4枚のシート31,32の切断縁部どうしが、それぞれ融着する。これらの切断縁部どうしは、それぞれ、その形成前(レーザー光30の照射によるおむつ連続体10の分断前)から、支持部材21と加圧部材26とに挟まれることによって加圧状態(圧縮状態)とされていたものである。図示の態様のおむつの製造方法によれば、このように、一回のレーザー光の照射で、帯状の外装体3の分断と、その分断によって生じた2箇所の加圧状態にある外装体3の切断縁部どうしの融着とを同時に実施するため、2箇所の融着箇所を二回のレーザー光の照射で融着する方法に比べ、おおよそ半分のレーザー出力で融着と分断とを同一工程で実施でき、おむつ1を効率良く製造することができる。
シート31,32の切断縁部は、レーザー光30の照射中及び照射終了直後は、発熱して溶融状態となっているが、レーザー光30の照射によっておむつ連続体10から切り分けられた1つの枚葉のおむつ前駆体及び該おむつ連続体10それぞれの、支持部材21と加圧部材26とによる加圧状態が保持されたまま、照射終了後からは外気によって速やかに冷却されて固化し、該切断縁部の形成材料(繊維等)が溶融一体化した融着部40となる。こうして、融着部40が形成されることによって、1個のおむつ1(製造中間体1’)における一対のサイドシール部4,4のうちの一方が形成される。尚、必要に応じ、吸引装置、排気装置等の公知の冷却手段を用いてシート31,32の切断縁部を強制的に冷却し、融着部40の形成を促進しても良い。
こうして1箇所の分断予定部位10C(サイドシール部4の形成予定部位)が分断されると、レーザー光30は、その照射点が搬送方向Dとは逆方向に隣接する別の開口部27に当たるように移動され、該別の開口部27を介してその上に位置する別の分断予定部位10Cに照射される。これにより、別の分断予定部位10Cが前記と同様に分断・融着され、先に形成されたサイドシール部4と対をなす他方のサイドシール部4(融着部40)が形成される。以後、同様の操作を繰り返すことにより、一対のサイドシール部4,4を有する外装体3を具備するパンツ型使い捨ておむつ1の製造中間体1’が連続的に製造される。
尚、前記中間体製造工程(前記サイドシール部形成工程)においては、おむつ連続体10の分断予定部位10Cの近傍を加圧しながらレーザー光の照射を行い、切断端部における繊維が溶融した状態の積層体を、その加圧状態を維持しながら搬送して、溶融した樹脂が固化した後、その加圧状態を解除することが好ましい。このようにして得られたサイドシール部4は、図2に示す如き、着用時における該サイドシール部4が延びる方向と直交する断面において、融着部40の外縁40aが、着用物品の内方に向かって窪んだ形状を有している。溶融樹脂の固化を促進する観点からは、おむつ連続体10を、少なくとも片面に熱伝導性に優れた金属製の部材を当てて加圧したり、エアー設備等により冷却することが好ましい。
レーザー光30について説明すると、おむつ連続体10(帯状の外装体3)に照射するレーザー光としては、外装体3を構成するシート(外層シート31及び内層シート32)に吸収され該シートを発熱させる波長のレーザー光を用いる。ここで、「外装体を構成するシート」は、外装体の一方の面(支持部材21との当接面)を構成するシート(例えば前述した態様では外層シート31)に限定されず、外装体を構成するシートであればどれであっても良い。外装体に照射するレーザー光が、該外装体を構成する個々のシートについて、該シートに吸収されて該シートを発熱させる波長であるか否かは、シートの材質と、使用するレーザー光の波長との関係で決まる。外装体を構成するシートが、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品(サニタリー用品)の製造に汎用される合成樹脂製の不織布やフィルムである場合、レーザー光としては、CO2レーザー、YAGレーザー、LDレーザー(半導体レーザー)、YVO4レーザー、ファイバーレーザー等を用いることが好ましい。また、外装体を構成するシートが、合成樹脂として、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等を含む場合、該シートに吸収され該シートを良好に発熱させ得る波長としては、例えば、8.0μm以上15.0μm以下を用いることが好ましく、高出力のレーザー装置が存在するCO2レーザーの発振波長の9.0μm以上11.0μm以下を用いることが特に好ましい。レーザー光のスポット径、レーザー出力等は、外装体を構成するシートの材質や厚み等を考慮して適宜選択することができる。
こうして製造された製造中間体1’においては、サイドシール部4に、前身頃Fにおける外装体3の縁部と後身頃Rにおける外装体3の縁部とが、該サイドシール部4の長手方向に延在する連続線状の融着部40で結合したシール縁部が形成されている。つまり、製造中間体1’の一対のサイドシール部4,4それぞれにおける融着部40には切れ目41が形成されておらず、該融着部40はサイドシール部4の長手方向の全長に亘って連続して延びていて分断されていない。
本実施態様のおむつ1の製造方法においては、前記中間体製造工程(前記サイドシール部形成工程)で製造された製造中間体1’の製造直後の搬送方向は、製造中間体1’の横方向即ちおむつ1の横方向Yに一致している。つまり本実施態様においては、いわゆる横流れ方式で製造中間体1’を製造する。そして本実施態様においては、前記中間体製造工程を経た製造中間体1’を90度回転させ、その搬送方向を製造中間体1’の縦方向即ちおむつ1の縦方向Xに一致させて(製品反転工程)、次工程の切れ目形成工程に供給する。
次いで、こうして製造された製造中間体1’に対して、サイドシール部4をその長手方向に伸長させ、該サイドシール部4の融着部40に切れ目41を形成する(切れ目形成工程)。本実施態様においては、前記切れ目形成工程におけるサイドシール部4の長手方向への伸長を、サイドシール部4を長手方向に引っ張ることで行う。即ち、本実施態様においては、図10に示すように、搬送速度の異なる2台の搬送コンベア50,51を用い、製造中間体1’の一対のサイドシール部4,4それぞれの一部を一方の搬送コンベア50で搬送すると共に、当該サイドシール部4の他の部分を他方の搬送コンベア51で搬送することで、当該サイドシール部4をその長手方向に引っ張り、前記切れ目形成工程を実施する。
搬送コンベア50は、上部コンベア50Aと下部コンベア50Bとを含んで構成され、両コンベア50A,50Bは、それぞれ、駆動ロール及び従動ロールに架け渡された無端状の搬送ベルト52を具備する。搬送コンベア50は、両コンベア50A,50Bそれぞれの搬送ベルト52,52間で被搬送物たる製造中間体1’を挟持しつつ所定方向に搬送するようになされている。搬送コンベア51も同様に構成されており、上部コンベア51Aと下部コンベア51Bとの間で製造中間体1’を挟持しつつ所定方向に搬送するようになされている。そして、両搬送コンベア50,51は、製造中間体1’の搬送方向MDは同じであるが、その搬送速度が互いに異なっており、搬送方向MDの下流側に配された搬送コンベア51の搬送速度V2の方が、上流側の搬送コンベア50の搬送速度V1よりも大きく、即ちV2>V1に設定されている。そのため、図10に示すように、製造中間体1’のサイドシール部4,4それぞれに対し、その縦方向Xの一端側を搬送コンベア50の上下のコンベア50A,50Bで挟持し且つ他端側を搬送コンベア51の上下のコンベア51A,51Bで挟持しつつ、製造中間体1’をその縦方向Xに沿って両搬送コンベア50,51により同方向MDに搬送すると、両者の速度差V2−V1に起因して、製造中間体1’の一対のサイドシール部4,4がそれぞれその長手方向Xに伸長されるように引っ張られる。斯かる操作により、両サイドシール部4,4それぞれの融着部40に、図4に示す如き複数の切れ目41がサイドシール部4の長手方向に点在するように形成され、該融着部40はその長手方向において複数の短い線分に区分される。こうして、目的とするパンツ型使い捨ておむつ1が製造される。
前記切れ目形成工程は、図11に示す搬送コンベア53,54を用いて実施することもできる。搬送コンベア53,54は、それぞれ、駆動ロール及び従動ロールに架け渡された無端状の通気性搬送ベルト52に加えてさらに、該搬送ベルト52を挟んで被搬送物たる製造中間体1’と対向し得る位置に配されたバキュームボックス55とを具備し、搬送ベルト52上の製造中間体1’をバキュームボックス55で下方に吸引して該搬送ベルト52の所定位置に固定しつつ、所定方向に搬送するようになされている。そして、両搬送コンベア53,54は、製造中間体1’の搬送方向MDは同じであるが、その搬送速度が互いに異なっており、搬送方向MDの下流側に配された搬送コンベア54の搬送速度V2の方が、上流側の搬送コンベア53の搬送速度V1よりも大きく、即ちV2>V1に設定されている。このようないわゆる吸引コンベアである搬送コンベア53,54を用いても、搬送コンベア50,51を用いた場合と同様に、製造中間体1’の一対のサイドシール部4,4それぞれをその長手方向Xに伸長するように引っ張って融着部40を同方向に分断することができ、目的とするパンツ型使い捨ておむつ1を製造できる。
尚、図10及び図11に示す方法では、設計上は互いに同一の構成を有するはずの一対のサイドシール部4,4を、それぞれ装置の設定上では同じ強さで引っ張るため、一方のサイドシール部4と他方のサイドシール部4とで、融着部40における切れ目41のパターンが同じになるようにも思える。しかし実際には、製造時における不可避な製造誤差などに起因して、サイドシール部4の伸長前の時点で、一方の融着部40と他方の融着部40とで構成に関して僅かな差異が存在し、また、サイドシール部4の伸長時においては、一方の融着部40と他方の融着部40とで伸長条件に関して僅かな差異が存在し得る。このような、一対の融着部40,40どうしの構成及び伸長条件に関する僅かな差異が、図10及び図11に示す方法によって両者に互いにパターンの異なる切れ目41が形成される要因となっていると推察される。
本発明のパンツ型着用物品の製造方法においては、前記切れ目形成工程において、製造中間体1’のサイドシール部4を、該サイドシール部4の長手方向に且つ該製造中間体1’の搬送に合わせて周期的に伸長させることで、該サイドシール部4の融着部40に切れ目41を部分的に形成することもできる。例えば図10を参照して、搬送コンベア51の搬送速度V2を、搬送コンベア50の搬送速度V1に対して、製造中間体1’の搬送に合わせてV2>V1、V2=V1となるように周期的に変化させることで、製造中間体1’のサイドシール部4を周期的に伸長させ、そうすることで、サイドシール部4の融着部40に切れ目41を、該サイドシール部4の長手方向に点在するように部分的に形成することができる。また図11を参照して、搬送コンベア54の搬送速度V2を、搬送コンベア53の搬送速度V1に対して、製造中間体1’の搬送に合わせてV2>V1、V2=V1となるように周期的に変化させることもできる。
ところで、前述した製造中間体1’は、「着用物品の外面を形成する外装体3を備え、前身頃Fにおける該外装体3の両側縁部A1,A1と後身頃Rにおける該外装体3の両側縁部B1,B1とが接合されて一対のサイドシール部4、ウエスト開口部WH及び一対のレッグ開口部LH,LHが形成され、該サイドシール部4においては、前身頃Fにおける外装体3の縁部A1と後身頃Rにおける外装体3の縁部B1とが、該サイドシール部4の長手方向に延在する連続線状の融着部40で結合している、パンツ型着用物品」であり、一対のサイドシール部4,4それぞれにおける融着部40が複数の切れ目41によって複数の短い線分に区分されていない点以外は、製造目的物たるおむつ1と構成が同じであり、さらに言えば、従来のパンツ型使い捨ておむつと同様の構成を有している。従って例えば、この製造中間体1’自体を商品として販売し、これを購入した使用者が、その装着に先立って自ら、該製造中間体1’の一対のサイドシール部4,4をその長手方向に伸長させる操作を行うようにしても良い。
例えば、図12(a)に示すように、製造中間体1’の装着に先立って、一対のサイドシール部4,4それぞれに対し、サイドシール部4を手指でつまんで長手方向(縦方向X)に伸長させるように引っ張る操作を行う。より具体的には、図示の如く、サイドシール部4の長手方向両端部をそれぞれ手指でつまんで、該サイドシール部4全体を長手方向に伸長させるように引っ張る。斯かる操作により、図12(b)に示すように、サイドシール部4の長手方向に延在する連続線状の融着部40の全体に複数の切れ目41が該長手方向に点在するように形成され、複数の短い線分に区分されたサイドシール部4を有する外装体3を具備するパンツ型使い捨ておむつ1が得られる。こうして得られたおむつ1を常法に従って装着する。
また例えば、図12(a)に示す如くサイドシール部4の全体を長手方向に伸長させずに、図13(a)に示すように、サイドシール部4の一部のみを選択的に長手方向に伸長させても良い。図13(a)に示す態様においては、サイドシール部4において特に硬さを感じやすい部分である下端部42、即ち腹側部1A及び背側部1Bにおける股下部1C寄りの部分(サイドシール部4の股下部1C寄りの部分)のみを選択的に長手方向に伸長させている。斯かる操作により、図13(b)に示すように、サイドシール部4の下端部42のみに複数の切れ目41が形成され、おむつ1が得られる。
尚、図12及び図13に示すパンツ型使い捨ておむつの装着方法(使用方法)において、製造中間体1’のサイドシール部4に切れ目41を該サイドシール部4の長手方向(縦方向X)に点在するように形成する方法として、前述した、サイドシール部4を手指でつまんで長手方向に伸長させるように引っ張る方法に代えて、別の方法を採用することもできる。即ち、製造中間体1’のサイドシール部4の内面側に手指を入れその手指の腹で該サイドシール部4を外面側に押圧するなどして、該サイドシール部4をその内面側から外面側に向けて押圧する方法でも良い。斯かる方法によっても、製造中間体1’のサイドシール部4の融着部40に複数の切れ目41を該サイドシール部4の長手方向に点在するように形成し、該融着部40を該切れ目41によって複数の短い線分に区分することができる。
以上、本発明をその実施態様に基づいて説明したが、本発明は、前記実施態様に制限されることなく適宜変更が可能である。
例えば、帯状の外装体(シート積層体)は、図9(a)に示す如き4枚のシートが重ねられたものの他、2枚、3枚又は5枚以上のシートが重ねられたものであっても良い。
また、前記実施態様における外装体3は、図3に示すように、腹側部1Aと背側部1Bとで分割されずに、腹側部1A、股下部1C及び背側部1Bに亘る砂時計状等の連続した形状を有していたが、本発明における外装体は、このような連続した形状に制限されず、例えば、着用者の腹側(前側)に配される腹側シート部材と、着用者の背側(後側)に配される背側シート部材とに分割されており、吸収性本体がこれら両シート部材に架け渡して固定されていても良い。このような分割タイプの外装体を具備するパンツ型使い捨ておむつの製造方法における前記重合加圧工程は、吸収性本体が固定された帯状の外装体の前身頃側(帯状の腹側シート部材)と後身頃側(帯状の背側シート部材)とが重ね合わされた構成を有する帯状の外装体におけるサイドシール部の形成予定部位を加圧状態にする。
また、本発明におけるパンツ型着用物品は、パンツ型使い捨ておむつに限られず、パンツ型の生理用ナプキンであっても良く、また、着用物品の外面を形成する外装体を具備する一方、吸収性本体を具備しない、おむつカバー等であっても良い。
前述した一の実施態様における説明省略部分及び一の実施態様のみが有する要件は、それぞれ他の実施態様に適宜適用することができ、また、各実施態様における要件は、適宜、実施態様間で相互に置換可能である。
前述した本発明の実施態様に関し、更に以下の付記を開示する。
<1>
着用物品の外面を形成する外装体を備え、前身頃における該外装体の両側縁部と後身頃における該外装体の両側縁部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型着用物品であって、
前記一対のサイドシール部それぞれにおいては、前身頃における外装体の縁部と後身頃における外装体の縁部とが、該サイドシール部の長手方向に延在する融着部で結合しており、
前記融着部には、複数の切れ目が前記長手方向に点在しており、
前記融着部は、2個の前記切れ目に挟まれた部分において連続しているパンツ型着用物品。
<2>
前記一対のサイドシール部の一方と他方とで、前記融着部における前記切れ目のパターンが異なる前記<1>に記載のパンツ型着用物品。
<3>
前記融着部に存在する複数の前記切れ目のうちの半数以上は、該融着部を前記長手方向と直交する方向に横断しているが、当該切れ目の近傍の非融着部の構成繊維は切断されていない前記<1>又は<2>に記載のパンツ型着用物品。
<4>
前記一対のサイドシール部それぞれの前記融着部における複数の前記切れ目は、互いに形状及び/又は寸法が同じではない前記<1>〜<3>の何れか1項に記載のパンツ型着用物品。
<5>
前記一対のサイドシール部それぞれの前記融着部において、縦方向に隣り合う切れ目どうしの間隔が不均一である前記<1>〜<4>の何れか1項に記載のパンツ型着用物品。
<6>
前記切れ目の平面視形状が、直線状、V字状又はY字状である前記<1>〜<5>の何れか1項に記載のパンツ型着用物品。
<7>
着用物品の着用者の肌に近い側から遠い側に向かう方向を内外方向、該内外方向と直交する方向を厚さ方向とした場合に、前記融着部は、該内外方向の長さよりも該厚さ方向の長さの方が長い前記<1>〜<6>の何れか1項に記載のパンツ型着用物品。
<8>
前記サイドシール部の全体に複数の前記切れ目が前記長手方向に点在するように形成されている前記<1>〜<7>の何れか1項に記載のパンツ型着用物品。
<9>
前記サイドシール部の下端部のみに複数の前記切れ目が形成されている前記<1>〜<7>の何れか1項に記載のパンツ型着用物品。
<10>
前記サイドシール部は、該サイドシール部を構成するシートの積層枚数が部分的に異なっており、その積層枚数が異なる部分どうしの境界(より具体的には、前記外装体の折り返し部の先端)又はその近傍に、前記切れ目が形成されている前記<1>〜<9>の何れか1項に記載のパンツ型着用物品。
<11>
前記切れ目は、前記境界の近傍(より具体的には、前記境界から10mm以内の領域)で且つ前記シートの積層枚数が相対的に少ない側に形成されている前記<10>に記載のパンツ型着用物品。
<12>
前記<1>〜<11>の何れか1項に記載のパンツ型着用物品の製造方法であって、
前身頃側と後身頃側とを重ねた状態の帯状の外装体におけるサイドシール部の形成予定部位を加圧状態にする重合加圧工程と、
加圧状態にある前記サイドシール部の形成予定部位に、前記外装体の搬送方向と交差する方向に延在する光通過部を介してレーザー光を照射することにより、該外装体を分断すると共に、その分断によって生じた積層状態の外装体の切断縁部どうしを融着させて、その融着部に前記切れ目が形成されていない前記サイドシール部を有する、前記パンツ型着用物品の製造中間体を得る中間体製造工程と、
前記製造中間体の前記サイドシール部をその長手方向に伸長させ、該サイドシール部の前記融着部に前記切れ目を形成する切れ目形成工程とを具備する、パンツ型着用物品の製造方法。
<13>
前記切れ目形成工程において、前記製造中間体の前記サイドシール部を、該サイドシール部の長手方向に且つ該製造中間体の搬送に合わせて周期的に伸長させることで、該サイドシール部の前記融着部に前記切れ目を部分的に形成する前記<12>に記載のパンツ型着用物品の製造方法。
<14>
前記切れ目形成工程における前記サイドシール部の長手方向への伸長を、該サイドシール部を長手方向に引っ張ることで行う前記<12>又は<13>に記載のパンツ型着用物品の製造方法。
<15>
着用物品の外面を形成する外装体を備え、前身頃における該外装体の両側縁部と後身頃における該外装体の両側縁部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成され、
前記サイドシール部においては、前身頃における外装体の縁部と後身頃における外装体の縁部とが、該サイドシール部の長手方向に延在する連続線状の融着部で結合している、パンツ型着用物品の装着方法であって、
着用物品の装着に先立って、前記サイドシール部を手指でつまんで前記長手方向に伸長させるように引っ張るか、又は該サイドシール部をその内面側から外面側に向けて押圧することにより、前記融着部に複数の切れ目を該長手方向に点在するように形成する、パンツ型使い捨ておむつの装着方法。
<16>
前記サイドシール部の一部のみを選択的に前記長手方向に伸長させることにより、その一部における前記融着部に複数の切れ目を該長手方向に点在するように形成する前記<15>に記載のパンツ型使い捨ておむつの装着方法。
<17>
前記着用物品は、着用時に着用者の股間部に配される股下部を有し、
前記サイドシール部の前記股下部寄りの部分のみを選択的に前記長手方向に伸長させることにより、その股下部寄りの部分における前記融着部に複数の切れ目を該長手方向に点在するように形成する前記<15>又は<16>に記載のパンツ型使い捨ておむつの装着方法。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
前記実施態様のおむつ1と同様の構成のパンツ型使い捨ておむつを製造し、実施例1とした。外装体を構成する外層シートとしては、おむつの横方向に伸縮性を有する伸縮シートを用いた。この伸縮シート(外層シート)は、坪量18g/m2のポリプロピレン(PP)製スパンボンド不織布からなる繊維層が2層対向配置され、その2層の繊維層間に複数の弾性フィラメント(スチレン系の熱可塑性エラストマー、坪量10g/m2)が互いに同一方向に延びるように挟持固定された構成の複合体からなるもので、該複合体は、該弾性フィラメントの延びる方向に伸縮性を有している。この伸縮シート(外層シート)の伸縮性は、常法に従って製造した前記複合体に対し延伸処理を施すことによって付与した。具体的には、歯と歯底とが周方向に交互に形成された一対の歯溝ロールを備えた弾性発現処理装置(延伸装置)を用い、該一対の歯溝ロール間に前記複合体を導入することにより延伸処理を行った。また、内層シートとしては、坪量20g/m2のPP製スパンボンド不織布を用いた。
実施例1のパンツ型使い捨ておむつの製造は、前述したおむつ1の製造方法に従って実施した。具体的には、先ず、図6及び図7に示す方法で前記重合加圧工程及び前記中間体製造工程を実施して、レーザー溶断シール部としての一対のサイドシール部を有する製造中間体を製造し、次いで、該製造中間体に対して図12に示す方法で前記切れ目形成工程を実施して、目的のパンツ型使い捨ておむつを得た。前記中間体製造工程において使用したレーザー式接合装置は、図7に示すレーザー式接合装置20と基本的に同様に構成されている。
実施例1のパンツ型使い捨ておむつにおいて、一対のサイドシール部それぞれの融着部は、該サイドシール部の長手方向に点在する複数の切れ目によって複数の短い線分に区分され、且つ各融着部は、2個の切れ目に挟まれた部分において連続していた。また、一対のサイドシール部の一方と他方とで、融着部における切れ目のパターンが異なっていた。また、一対のサイドシール部それぞれの融着部に存在する複数の切れ目のほぼ全部が、該融着部を該サイドシール部の長手方向と直交する方向に横断し、当該切れ目の近傍の非融着部の構成繊維は切断されていなかった。また、一対のサイドシール部それぞれの融着部において、切れ目は、サイドシール部を構成するシートの積層枚数が異なる部分どうしの境界の近傍で且つ該シートの積層枚数が相対的に少ない側に形成されていた。
〔比較例1〕
実施例1で製造した製造中間体、即ち前記切れ目形成工程を経ておらず、サイドシール部の融着部に切れ目が形成されていないパンツ型使い捨ておむつをそのまま比較例1とした。
〔評価試験〕
各実施例及び比較例のおむつについて、サイドシール部の曲げ剛性及び摩擦係数をそれぞれ下記方法により測定した。その結果を下記表1に示す。
<サイドシール部の曲げ剛性の測定方法>
ハンドロメーター(花王株式会社製)を用いて測定する。測定対象のおむつの外装体におけるサイドシール部及びその周辺部から、該サイドシール部を短手方向の中心に有する100mm×50mmの平面視矩形状を切り出して、測定サンプルとする。スリット間隔を20mmに設定した試験台の該スリット間隔の中央部に、測定サンプルを、該測定サンプルのサイドシール部が該スリット間隔を跨ぐように載置し、ブレードを用いて、該測定サンプルにおけるスリットと重なる部分をその内面側即ち肌対向面側から外面側即ち非肌対向面側へ押し込み、その際に発生する抵抗力を測定する。測定は10回行い(n=10)、10点の平均値を測定値とする。尚、測定は23±2℃、湿度50±5%で行う。
曲げ剛性の測定値が小さいほど、サイドシール部の柔軟性に優れ、高評価となる。
<サイドシール部の摩擦係数の測定方法>
カト−テック社製の摩擦感テスター(商品名「KES−FB4−AUTO−A」)を用いて測定する。摩擦子として、測定サンプルとの接触面が、太さ0.5mmのピアノ線を巻いて形成された10mm×10mmの平面視正方形形状をなす接触面であるものを用いる。測定対象のおむつの外装体におけるサイドシール部及びその周辺部から、該サイドシール部を短手方向の中心に有する200mm×50mmの平面視矩形状を切り出して、測定サンプルとする。測定サンプルの外面側即ち非肌対向面側を上に向けて試験台に載置し、該測定サンプル上に摩擦子を載せ、さらにその上に錘を載せて該測定サンプルに対して49cNの荷重をかけつつ、該摩擦子を、該測定サンプルのサイドシール部の長手方向と直交する方向に且つ該サイドシール部を跨ぐように、移動速度1mm/secで30mm往復させ、その際の摩擦係数の最大値を測定する。測定は10回行い(n=10)、10点の平均値を測定値とする。尚、測定は23±2℃、湿度50±5%で行う。
摩擦係数の数値が小さいほど、サイドシール部の肌触りが良く、高評価となる。
Figure 0006778073
1 パンツ型使い捨ておむつ(パンツ型着用物品)
1’ パンツ型使い捨ておむつの製造中間体
1A 腹側部
1B 背側部
1C 股下部
F 前身頃
R 後身頃
2 吸収性本体
3 外装体
31 外層シート
32 内層シート
4 サイドシール部
40 融着部
41 切れ目
10 おむつ連続体(帯状の外装体)
20 レーザー式接合装置
21 支持部材
23 円筒ロール
27 開口部(光通過部)
30 レーザー光
50,51,53,54 搬送コンベア
52 搬送ベルト
55 バキュームボックス

Claims (7)

  1. 着用物品の外面を形成する外装体を備え、前身頃における該外装体の両側縁部と後身頃における該外装体の両側縁部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されているパンツ型着用物品であって、
    前記一対のサイドシール部それぞれにおいては、前身頃における外装体の縁部と後身頃における外装体の縁部とが、該サイドシール部の長手方向に延在する融着部で結合しており、
    前記融着部には、複数の切れ目が前記長手方向に点在しており、
    前記融着部は、2個の前記切れ目に挟まれた部分において連続しており、
    前記一対のサイドシール部の一方と他方とで、前記融着部における前記切れ目のパターンが異なるパンツ型着用物品。
  2. 前記融着部に存在する複数の前記切れ目のうちの半数以上は、該融着部を前記長手方向と直交する方向に横断しているが、当該切れ目の近傍の非融着部の構成繊維は切断されていない請求項1に記載のパンツ型着用物品。
  3. 着用物品の着用者の肌に近い側から遠い側に向かう方向を内外方向、該内外方向と直交する方向を厚さ方向とした場合に、前記融着部は、該内外方向の長さよりも該厚さ方向の長さの方が長い請求項1又は2に記載のパンツ型着用物品。
  4. 請求項1〜の何れか1項に記載のパンツ型着用物品の製造方法であって、
    前身頃側と後身頃側とを重ねた状態の帯状の外装体におけるサイドシール部の形成予定部位を加圧状態にする重合加圧工程と、
    加圧状態にある前記サイドシール部の形成予定部位に、前記外装体の搬送方向と交差する方向に延在する光通過部を介してレーザー光を照射することにより、該外装体を分断すると共に、その分断によって生じた積層状態の外装体の切断縁部どうしを融着させて、その融着部に前記切れ目が形成されていない前記サイドシール部を有する、前記パンツ型着用物品の製造中間体を得る中間体製造工程と、
    前記製造中間体の前記サイドシール部をその長手方向に伸長させ、該サイドシール部の前記融着部に前記切れ目を形成する切れ目形成工程とを具備する、パンツ型着用物品の製造方法。
  5. 前記切れ目形成工程において、前記製造中間体の前記サイドシール部を、該サイドシール部の長手方向に且つ該製造中間体の搬送に合わせて周期的に伸長させることで、該サイドシール部の前記融着部に前記切れ目を部分的に形成する請求項に記載のパンツ型着用物品の製造方法。
  6. 前記切れ目形成工程における前記サイドシール部の長手方向への伸長を、該サイドシール部を長手方向に引っ張ることで行う請求項又はに記載のパンツ型着用物品の製造方法。
  7. 着用物品の外面を形成する外装体を備え、前身頃における該外装体の両側縁部と後身頃における該外装体の両側縁部とが接合されて一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成され、
    前記サイドシール部においては、前身頃における外装体の縁部と後身頃における外装体の縁部とが、該サイドシール部の長手方向に延在する連続線状の融着部で結合している、パンツ型着用物品の装着方法であって、
    着用物品の装着に先立って、前記サイドシール部を手指でつまんで前記長手方向に伸長させるように引っ張るか、又は該サイドシール部をその内面側から外面側に向けて押圧することにより、前記融着部に複数の切れ目を該長手方向に点在するように形成する、パンツ型使い捨ておむつの装着方法。
JP2016199858A 2016-10-11 2016-10-11 パンツ型着用物品及びその製造方法並びにパンツ型着用物品の装着方法 Active JP6778073B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016199858A JP6778073B2 (ja) 2016-10-11 2016-10-11 パンツ型着用物品及びその製造方法並びにパンツ型着用物品の装着方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016199858A JP6778073B2 (ja) 2016-10-11 2016-10-11 パンツ型着用物品及びその製造方法並びにパンツ型着用物品の装着方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018061545A JP2018061545A (ja) 2018-04-19
JP6778073B2 true JP6778073B2 (ja) 2020-10-28

Family

ID=61967165

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016199858A Active JP6778073B2 (ja) 2016-10-11 2016-10-11 パンツ型着用物品及びその製造方法並びにパンツ型着用物品の装着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6778073B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115484905B (zh) * 2020-05-08 2024-05-24 株式会社瑞光 穿着物品的制造方法
JP7312729B2 (ja) 2020-07-03 2023-07-21 大王製紙株式会社 パンツタイプ使い捨て着用物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018061545A (ja) 2018-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5687732B2 (ja) シート融着体の製造装置及びシート融着体の製造方法
JP5750431B2 (ja) パンツ型使い捨ておむつ及びその製造方法
JP5766252B2 (ja) パンツ型着用物品及びその製造方法
KR102268201B1 (ko) 팬츠형 착용 물품 및 그 제조 방법
JP6140582B2 (ja) パンツ型吸収性物品
JP5822278B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP6271170B2 (ja) パンツ型着用物品及びその製造方法
JP5705347B2 (ja) パンツ型着用物品及びその製造方法
JP6778073B2 (ja) パンツ型着用物品及びその製造方法並びにパンツ型着用物品の装着方法
JP6184016B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP6180026B2 (ja) パンツ型吸収性物品
JP6271171B2 (ja) パンツ型着用物品及びその製造方法
JP6211411B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP6108618B2 (ja) パンツ型着用物品及びその製造方法
JP6159596B2 (ja) パンツ型着用物品
JP6195302B2 (ja) パンツ型吸収性物品
JP6189109B2 (ja) パンツ型着用物品
JP6189110B2 (ja) パンツ型着用物品
JP6382081B2 (ja) シート融着体の製造装置及び製造方法
JP6420635B2 (ja) シート融着体の製造装置及び製造方法
JP6383229B2 (ja) シート融着体の製造装置及び製造方法
JP2015008946A (ja) パンツ型着用物品及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200814

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200908

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201006

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201009

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6778073

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250