JP6775650B2 - 熱式流量計 - Google Patents

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Description

本発明は熱式流量計に関する。
気体の流量を計測する熱式流量計は流量を計測するための流量検出部を備え、前記流量
検出部と計測対象である前記気体との間で熱伝達を行うことにより、前記気体の流量を計
測するように構成されている。熱式流量計が計測する流量は色々な装置の重要な制御パラ
メータとして広く使用されている。熱式流量計の特徴は、他の方式の流量計に比べ相対的
に高い精度で気体の流量、例えば質量流量を計測できることである。
しかしさらに気体流量の計測精度の向上が望まれている。例えば、内燃機関を搭載した
車両では、省燃費の要望や排気ガス浄化の要望が非常に高い。これら要望に応えるには、
内燃機関の主要パラメータである吸入空気量を高い精度で計測することが求められている
。内燃機関に導かれる吸入空気量を計測する熱式流量計は、吸入空気量の一部を取り込む
副通路と前記副通路に配置された流量検出部とを備え、前記流量検出部が被計測気体との
間で熱伝達を行うことにより、前記副通路を流れる被計測気体の状態を計測して、前記内
燃機関に導かれる吸入空気量を表す電気信号を出力する。このような技術は、例えば特開
2011−252796号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2011−252796号公報
熱式流量計により、気体の流量を高い精度で計測するためには、主通路を流れる気体を
取り込むための熱式流量計に設けられた副通路に、熱式流量計の流量検出部を、高い精度
で位置決めして固定することが求められる。特許文献1に記載の技術では、流量検出部を
嵌め込むための孔が成形された副通路を備える筐体を予め樹脂で製造し、この筐体とは別
に、流量検出部を備えるセンサアセンブリを製造し、次に前記副通路の孔に前記流量検出
部を挿入した状態で、前記センサアセンブリを筐体に固定する。前記副通路の孔と流量検
出部との間の隙間、およびセンサアセンブリの筐体への嵌め込み部分の隙間には、弾性接
着剤が充填され、互いの線膨張差を接着剤の弾性力で吸収する。
このような構造は、流量検出部と副通路との位置関係や角度関係を、センサアセンブリ
の筐体への嵌め込み時に正確に設定し固定することが困難である。すなわちセンサアセン
ブリと筐体に設けられた副通路との位置関係や角度関係が、接着剤の状態などにより簡単
に変化する問題があった。このため従来の熱式流量計では、流量の検出精度をさらに向上
することが難しかった。また、一般的には熱式流量計は量産される。この量産工程におい
て、接着剤を用いて流量検出部を副通路に対して規定の位置関係や角度関係に固定する場
合、接着剤を使用した貼り合せ時および接着剤の凝固過程において、流量検出部と副通路
との位置関係や角度関係が定まり難く、これらの位置関係などを高精度に維持固定するこ
とが極めて難しかった。このようなことから、従来は、熱式流量計の計測精度をさらに向
上させることが困難であった。
本発明の目的は、計測精度の高い熱式流量計を提供することである。
上記課題を解決するために本発明の熱式流量計は、主通路を流れる被計測気体を取り込んで流すための副通路と、前記副通路を流れる被計測気体との間で熱伝達を行うことにより流量を計測するための流量計測用回路と、前記流量計測用回路を封止する第1の樹脂と、を有する回路パッケージと、前記回路パッケージを収納するとともに外部機器との接続を行うための外部接続部を有し、前記第1の樹脂とは熱膨張係数が異なる第2の樹脂からなるハウジングと、を備え、前記回路パッケージは、少なくとも、前記流量計測回路の計測結果を出力するための計測用端子と、前記第1の樹脂による封止後に前記流量計測用回路を検査するための検査用端子と、有しており、前記計測用端子と前記検査用端子とを前記回路パッケージの異なる辺に設け、前記検査用端子は、前記計測用端子より短い形状である。
本発明によれば、高い計測精度の熱式流量計を得ることができる。
内燃機関制御システムに本発明に係る熱式流量計を使用した一実施例を示すシステム図である。 熱式流量計の外観を示す図であり、図2(A)は左側面図、図2(B)は正面図である。 熱式流量計の外観を示す図であり、図3(A)は右側面図、図3(B)は背面図である。 熱式流量計の外観を示す図であり、図4(A)は平面図、図4(B)は下面図である。 熱式流量計のハウジングを示す図であり、図5(A)はハウジングの左側面図であり、図5(B)はハウジングの正面図である。 熱式流量計のハウジングを示す図であり、図6(A)はハウジングの右側面図であり、図6(B)はハウジングの背面図である。 図7(A)は、副通路に配置された流路面の状態を示す部分拡大図であり、図7(B)は、図7(A)の他の実施例を示す部分拡大図である。 表カバーの外観を示す図であり、図8(A)は左側面図、図8(B)は正面図、図8(C)は平面図である。 裏カバー304の外観を示す図であり、図9(A)は左側面図、図9(B)は正面図、図9(C)は平面図である。 図7に示す実施例の他の実施例を示す部分拡大図である。 図5および図6に示す実施例のさらに他の実施例を示す構成図である。 図11のB−B断面の一部を示す部分拡大図である。 端子接続部の部分拡大図である。 回路パッケージの外観図であり、図14(A)は左側面図、図14(B)は正面図、図14(C)は背面図である。 回路パッケージのフレーム枠に回路部品を搭載した状態を示す図である。 ダイヤフラムおよびダイヤフラム内部の空隙と開口とを繋ぐ連通路を説明する、説明図である。 第1樹脂モールド工程後の回路パッケージの状態を示す図である。 図14に示す回路パッケージの他の実施例を示す図であり、図18(A)は回路パッケージの正面、図18(B)は背面図である。 熱式流量計の製造工程の概要を示す図であり、回路パッケージの生産工程を示す図である。 熱式流量計の製造工程の概要を示す図であり、熱式流量計の生産工程を示す図である。 熱式流量計の製造工程の概要を示す図であり、熱式流量計の生産工程の他の実施例を示す図である。 熱式流量計の流量検出回路を示す回路図である。 流量検出回路の流量検出部を説明する説明図である。
以下に説明する、発明を実施するための形態(以下実施例と記す)は、実際の製品とし
て要望されている色々な課題を解決しており、特に車両の吸入空気量を計測する計測装置
として使用するために望ましい色々な課題を解決し、色々な効果を奏している。下記実施
例が解決している色々な課題の内の一つが、上述した発明が解決しようとする課題の欄に
記載した内容であり、また下記実施例が奏する色々な効果の内の一つが、発明の効果の欄
に記載された効果である。下記実施例が解決している色々な課題について、さらに下記実
施例により奏される色々な効果について、下記実施例の説明の中で、述べる。従って下記
実施例の中で述べる、実施例が解決している課題や効果は、発明が解決しようとする課題
の欄や発明の効果の欄の内容以外の内容についても記載されている。
以下の実施例で、同一の参照符号は、図番が異なっていても同一の構成を示しており、
同じ作用効果を成す。既に説明済みの構成について、図に参照符号のみを付し、説明を省
略する場合がある。
1.内燃機関制御システムに本発明に係る熱式流量計を使用した一実施例
図1は、電子燃料噴射方式の内燃機関制御システムに、本発明に係る熱式流量計を使用
した一実施例を示す、システム図である。エンジンシリンダ112とエンジンピストン1
14を備える内燃機関110の動作に基づき、吸入空気が被計測気体30としてエアクリ
ーナ122から吸入され、主通路124である例えば吸気ボディ、スロットルボディ12
6、吸気マニホールド128を介してエンジンシリンダ112の燃焼室に導かれる。前記
燃焼室に導かれる吸入空気である被計測気体30の流量は本発明に係る熱式流量計300
で計測され、計測された流量に基づいて燃料噴射弁152より燃料が供給され、吸入空気
である被計測気体30と共に混合気の状態で燃焼室に導かれる。なお、本実施例では、燃
料噴射弁152は内燃機関の吸気ポートに設けられ、吸気ポートに噴射された燃料が吸入
空気である被計測気体30と共に混合気を成形し、吸入弁116を介して燃焼室に導かれ
、燃焼して機械エネルギを発生する。
近年、多くの車では排気浄化や燃費向上に優れた方式として、内燃機関のシリンダヘッ
ドに燃料噴射弁152を取り付け、燃料噴射弁152から各燃焼室に燃料を直接噴射する
方式が採用されている。熱式流量計300は、図1に示す内燃機関の吸気ポートに燃料を
噴射する方式だけでなく、各燃焼室に燃料を直接噴射する方式にも同様に使用できる。両
方式とも熱式流量計300の使用方法を含めた制御パラメータの計測方法および燃料供給
量や点火時期を含めた内燃機関の制御方法の基本概念は略同じであり、両方式の代表例と
して吸気ポートに燃料を噴射する方式を図1に示す。
燃焼室に導かれた燃料および空気は、燃料と空気の混合状態を成しており、点火プラグ
154の火花着火により、爆発的に燃焼し、機械エネルギを発生する。燃焼後の気体は排
気弁118から排気管に導かれ、排気24として排気管から車外に排出される。前記燃焼
室に導かれる吸入空気である被計測気体30の流量は、アクセルペダルの操作に基づいて
その開度が変化するスロットルバルブ132により制御される。前記燃焼室に導かれる吸
入空気の流量に基づいて燃料供給量が制御され、運転者はスロットルバルブ132の開度
を制御して前記燃焼室に導かれる吸入空気の流量を制御することにより、内燃機関が発生
する機械エネルギを制御することができる。
1.1内燃機関制御システムの制御の概要
エアクリーナ122から取り込まれ主通路124を流れる吸入空気である被計測気体3
0の流量および温度が、熱式流量計300により計測され、熱式流量計300から吸入空
気の流量および温度を表す電気信号が制御装置200に入力される。また、スロットルバ
ルブ132の開度を計測するスロットル角度センサ144の出力が制御装置200に入力
され、さらに内燃機関のエンジンピストン114や吸気弁116や排気弁118の位置や
状態、さらに内燃機関の回転速度を計測するために、回転角度センサ146の出力が、制
御装置200に入力される。排気24の状態から燃料量と空気量との混合比の状態を計測
するために、酸素センサ148の出力が制御装置200に入力される。
制御装置200は、熱式流量計300の出力である吸入空気の流量、および回転角度セ
ンサ146の出力に基づき計測された内燃機関の回転速度、に基づいて燃料噴射量や点火
時期を演算する。これら演算結果に基づいて、燃料噴射弁152から供給される燃料量、
また点火プラグ154により点火される点火時期が制御される。燃料供給量や点火時期は
、実際にはさらに熱式流量計300で計測される吸気温度やスロットル角度の変化状態、
エンジン回転速度の変化状態、酸素センサ148で計測された空燃比の状態に基づいて、
きめ細かく制御されている。制御装置200はさらに内燃機関のアイドル運転状態におい
て、スロットルバルブ132をバイパスする空気量をアイドルエアコントロールバルブ1
56により制御し、アイドル運転状態での内燃機関の回転速度を制御する。
1.2 熱式流量計の計測精度向上の重要性と熱式流量計の搭載環境
内燃機関の主要な制御量である燃料供給量や点火時期はいずれも熱式流量計300の出
力を主パラメータとして演算される。従って熱式流量計300の計測精度の向上や経時変
化の抑制、信頼性の向上が、車両の制御精度の向上や信頼性の確保に関して重要である。
特に近年、車両の省燃費に関する要望が非常に高く、また排気ガス浄化に関する要望が非
常に高い。これらの要望に応えるには熱式流量計300により計測される吸入空気である
被計測気体30の流量の計測精度の向上が極めて重要である。また熱式流量計300が高
い信頼性を維持していることも大切である。
熱式流量計300が搭載される車両は温度変化の大きい環境で使用され、また風雨や雪
の中で使用される。雪道を車が走行する場合には、凍結防止剤が散布された道路を走行す
ることとなる。熱式流量計300は、その使用環境における温度変化への対応や、塵埃や
汚染物質などへの対応も、考慮されていることが望ましい。さらに熱式流量計300は内
燃機関の振動を受ける環境に設置される。振動に対しても高い信頼性の維持が求められる
また熱式流量計300は内燃機関からの発熱の影響を受ける吸気管に装着される。この
ため内燃機関の発熱が主通路124である吸気管を介して、熱式流量計300に伝わる。
熱式流量計300は、被計測気体と熱伝達を行うことにより被計測気体の流量を計測する
ので、外部からの熱の影響をできるだけ抑制することが重要である。
車に搭載される熱式流量計300は、以下で説明するように、単に発明が解決しようと
する課題の欄に記載された課題を解決し、発明の効果の欄に記載された効果を奏するのみ
でなく、以下で説明するように、上述した色々な課題を十分に考慮し、製品として求めら
れている色々な課題を解決し、色々な効果を奏している。熱式流量計300が解決する具
体的な課題や奏する具体的な効果は、以下の実施例の記載の中で説明する。
2.熱式流量計300の構成
2.1 熱式流量計300の外観構造
図2および図3、図4は、熱式流量計300の外観を示す図であり、図2(A)は熱式
流量計300の左側面図、図2(B)は正面図、図3(A)は右側面図、図3(B)は背
面図、図4(A)は平面図、図4(B)は下面図である。熱式流量計300はハウジング
302と表カバー303と裏カバー304とを備えている。ハウジング302は、熱式流
量計300を主通路124である吸気ボディに固定するためのフランジ312と、外部機
器との電気的な接続を行うための外部端子306を有する外部接続部305と、流量等を
計測するための計測部310を備えている。計測部310の内部には、副通路を作るため
の副通路溝が設けられており、さらに計測部310の内部には、主通路124を流れる被
計測気体30の流量を計測するための流量検出部602(図20参照)や主通路124を
流れる被計測気体30の温度を計測するための温度検出部452を備える回路パッケージ
400が設けられている。
2.2 熱式流量計300の外観構造に基づく効果
熱式流量計300の入口350が、フランジ312から主通路124の中心方向に向か
って延びる計測部310の先端側に設けられているので、主通路124の内壁面近傍では
なく、内壁面から離れた中央部に近い部分の気体を副通路に取り込むことができる。この
ため熱式流量計300は主通路124の内壁面から離れた部分の気体の流量や温度を測定
することができ、熱などの影響による計測精度の低下を抑制できる。主通路124の内壁
面近傍では、主通路124の温度の影響を受け易く、気体の本来の温度に対して被計測気
体30の温度が異なる状態となり、主通路124内の主気体の平均的な状態と異なること
になる。特に主通路124がエンジンの吸気ボディである場合は、エンジンからの熱の影
響を受け、高温に維持されていることが多い。このため主通路124の内壁面近傍の気体
は、主通路124の本来の気温に対して高いことが多く、計測精度を低下させる要因とな
る。
主通路124の内壁面近傍では流体抵抗が大きく、主通路124の平均的な流速に比べ
、流速が低くなる。このため主通路124の内壁面近傍の気体を被計測気体30として副
通路に取り込むと、主通路124の平均的な流速に対する流速の低下が計測誤差につなが
る恐れがある。図2乃至図4に示す熱式流量計300では、フランジ312から主通路1
24の中央に向かって延びる薄くて長い計測部310の先端部に入口350が設けられて
いるので、内壁面近傍の流速低下に関係する計測誤差を低減できる。また、図2乃至図4
に示す熱式流量計300では、フランジ312から主通路124の中央に向かって延びる
計測部310の先端部に入口350が設けられているだけでなく、副通路の出口も計測部
310の先端部に設けられているので、さらに計測誤差を低減することができる。
熱式流量計300の計測部310はフランジ312から主通路124の中心方向に向か
って長く延びる形状を成し、その先端部には吸入空気などの被計測気体30の一部を副通
路に取り込むための入口350と副通路から被計測気体30を主通路124に戻すための
出口352が設けられている。計測部310は主通路124の外壁から中央に向かう軸に
沿って長く延びる形状を成しているが、幅は、図2(A)および図3(A)に記載の如く
、狭い形状を成している。即ち熱式流量計300の計測部310は、側面の幅が薄く正面
が略長方形の形状を成している。これにより、熱式流量計300は十分な長さの副通路を
備えることができ、被計測気体30に対しては流体抵抗を小さい値に抑えることができる
。このため、熱式流量計300は、流体抵抗を小さい値に抑えられると共に高い精度で被
計測気体30の流量を計測することが可能である。
2.3 温度検出部452の構造
計測部310の先端側に設けられた副通路よりもフランジ312側の方に位置して、図
2および図3に示すように、被計測気体30の流れの上流側に向かって開口する入口34
3が成形されており、入口343の内部には被計測気体30の温度を計測するための温度
検出部452が配置されている。入口343が設けられている計測部310の中央部では
、ハウジング302を構成する計測部310内の上流側外壁が下流側に向かって窪んでお
り、前記窪み形状の上流側外壁から温度検出部452が上流側に向かって突出する形状を
成している。また前記窪み形状の外壁の両側部には表カバー303と裏カバー304が設
けられており、前記表カバー303と裏カバー304の上流側端部が、前記窪み形状の外
壁より上流側に向かって突出した形状を成している。このため前記窪み形状の外壁とその
両側の表カバー303と裏カバー304とにより、被計測気体30を取り込むための入口
343が成形される。入口343から取り込まれた被計測気体30は入口343の内部に
設けられた温度検出部452に接触することで、温度検出部452によって温度が計測さ
れる。さらに窪み形状を成すハウジング302の外壁から上流側に突出した温度検出部4
52を支える部分に沿って被計測気体30が流れ、表カバー303と裏カバー304に設
けられた表側出口344および裏側出口345が主通路124に排出される。
2.4 温度検出部452に関係する効果
被計測気体30の流れに沿う方向の上流側から入口343に流入する気体の温度が温度
検出部452により計測され、さらにその気体が温度検出部452を支える部分である温
度検出部452の根元部分に向かって流れることにより、温度検出部452を支える部分
の温度を被計測気体30の温度に近づく方向に冷却する作用を為す。主通路124である
吸気管の温度が通常高くなり、フランジ312あるいは熱絶縁部315から計測部310
内の上流側外壁を通って、温度検出部452を支える部分に熱が伝わり、温度の計測精度
に影響を与える恐れがある。上述のように、被計測気体30が温度検出部452により計
測された後、温度検出部452の支える部分に沿って流れることにより、前記支える部分
が冷却される。従ってフランジ312あるいは熱絶縁部315から計測部310内の上流
側外壁を通って温度検出部452を支える部分に熱が伝わるのを抑制できる。
特に、温度検出部452の支え部分では、計測部310内の上流側外壁が下流側に向か
って凹む形状(図5および図6を用いて以下で説明する)を成しているので、計測部31
0内の上流側外壁と温度検出部452との間の距離を長くできる。熱伝導距離が長くなる
とともに、被計測気体30による冷却部分の距離が長くなる。従ってフランジ312ある
いは熱絶縁部315からもたらされる熱の影響を低減できる。これらのことから計測精度
が向上する。上記上流側外壁が下流側に向かって凹む形状(図5および図6を用いて以下
で説明する)を成しているので、以下で説明する回路パッケージ400(図5と図6参照
)の固定が容易となる。
2.5 計測部310の上流側側面と下流側側面の構造と効果
熱式流量計300を構成する計測部310の上流側側面と下流側側面にそれぞれ上流側
突起317と下流側突起318とが設けられている。上流側突起317と下流側突起31
8は根元に対して先端に行くに従い細くなる形状を成しており、主通路124内を流れる
吸入空気である被計測気体30の流体抵抗を低減できる。熱絶縁部315と入口343と
の間に上流側突起317が設けられている。上流側突起317は断面積が大きく、フラン
ジ312あるいは熱絶縁部315からの熱伝導が大きいが、入口343の手前で上流側突
起317が途切れており、さらに上流側突起317の温度検出部452側から温度検出部
452への距離が、後述するようにハウジング302の上流側外壁の窪みにより、長くな
る形状を成している。このため温度検出部452の支え部分への熱絶縁部315からの熱
伝導が抑制される。
またフランジ312あるいは熱絶縁部315と温度検出部452との間に、後述する端
子接続部320および端子接続部320を含む空隙が作られている。このためフランジ3
12あるいは熱絶縁部315と温度検出部452との間が長くなっており、この長い部分
に表カバー303や裏カバー304が設けられ、この部分が冷却面として作用している。
従って主通路124の壁面の温度が温度検出部452に及ぼす影響を低減できる。またフ
ランジ312あるいは熱絶縁部315と温度検出部452との間が長くなることにより、
副通路に導く被計測気体30の取り込み部分を主通路124の中央に近づけることができ
る。主通路124壁面からの伝熱による計測精度の低下を抑制できる。
図2(B)や図3(B)に示すように、主通路124内に挿入される計測部310は、
その両側面が大変狭く、さらに下流側突起318や上流側突起317が空気抵抗を低減す
る根元に対して先端が狭い形状を成している。このため、熱式流量計300を主通路12
4に挿入したことによる流体抵抗の増大を抑制できる。また下流側突起318や上流側突
起317が設けられている部分では、表カバー303や裏カバー304の両側部より、上
流側突起317や下流側突起318が両サイドに突出する形状をしている。上流側突起3
17や下流側突起318は樹脂モールドで作られるので、空気抵抗の少ない形状に成形し
易く、一方表カバー303や裏カバー304は広い冷却面を備える形状を成している。こ
のため熱式流量計300は、空気抵抗が低減され、さらに主通路124を流れる被計測空
気により冷却されやすい効果を有している。
2.6 フランジ312の構造と効果
フランジ312には、その下面である主通路124と対向する部分に、窪み314が複
数個設けられており、主通路124との間の熱伝達面を低減し、熱式流量計300が熱の
影響を受け難くしている。フランジ312のねじ孔313は熱式流量計300を主通路1
24に固定するためのもので、これらのねじ孔313の周囲の主通路124に対向する面
が主通路124から遠ざけられるように、各ねじ孔313の周囲の主通路124に対向す
る面と主通路124との間に空間が成形されている。このようにすることで、熱式流量計
300に対する主通路124からの熱伝達を低減し、熱による測定精度の低下を防止でき
る構造をしている。さらにまた前記窪み314は、熱伝導の低減効果だけでなく、ハウジ
ング302の成形時にフランジ312を構成する樹脂の収縮の影響を低減する作用をして
いる。
フランジ312の計測部310側に熱絶縁部315が設けられている。熱式流量計30
0の計測部310は、主通路124に設けられた取り付け孔から内部に挿入され、熱絶縁
部315は主通路124の前記取り付け孔の内面に対向する。主通路124は例えば吸気
ボディであり、主通路124が高温に維持されていることが多い。逆に寒冷地での始動時
には、主通路124が極めて低い温度であることが考えられる。このような主通路124
の高温あるいは低温の状態が温度検出部452や後述する流量計測に影響を及ぼすと、計
測精度が低下する。このため主通路124の孔内面と近接する熱絶縁部315には、窪み
316が複数個並べて設けられており、隣接する窪み316間の前記孔内面と近接する熱
絶縁部315の幅は極めて薄く、窪み316の流体の流れ方向の幅の3分の1以下である
。これにより温度の影響を低減できる。また熱絶縁部315の部分は樹脂が厚くなる。ハ
ウジング302の樹脂モールド時に、樹脂が高温状態から低温に冷えて硬化する際に体積
収縮が生じ、応力の発生による歪が生じる。熱絶縁部315に窪み316を成形すること
で体積収縮をより均一化でき、応力集中を低減できる。
熱式流量計300の計測部310は、主通路124に設けられた取り付け孔から内部に
挿入され、熱式流量計300のフランジ312によりねじで主通路124に固定される。
主通路124に設けられた取り付け孔に対して所定の位置関係で熱式流量計300が固定
されることが望ましい。フランジ312に設けた窪み314を、主通路124と熱式流量
計300との位置決めに使用できる。主通路124に凸部を成形することで、前記凸部と
窪み314とが嵌め込みの関係を有する形状とすることが可能となり、熱式流量計300
を正確な位置で主通路124に固定できる。
2.7 外部接続部305およびフランジ312の構造と効果
図4(A)は熱式流量計300の平面図である。外部接続部305の内部に4本の外部
端子306と補正用端子307が設けられている。外部端子306は熱式流量計300の
計測結果である流量と温度を出力するための端子および熱式流量計300が動作するため
の直流電力を供給するための電源端子である。補正用端子307は生産された熱式流量計
300の計測を行い、それぞれの熱式流量計300に関する補正値を求めて、熱式流量計
300内部のメモリに補正値を記憶するのに使用する端子であり、その後の熱式流量計3
00の計測動作では上述のメモリに記憶された補正値を表す補正データが使用され、この
補正用端子307は使用されない。従って外部端子306が他の外部機器との接続におい
て、補正用端子307が邪魔にならないように、補正用端子307は外部端子306とは
異なる形状をしている。この実施例では外部端子306より補正用端子307が短い形状
をしており、外部端子306に接続される外部機器への接続端子が外部接続部305に挿
入されても、接続の障害にならないようになっている。また外部接続部305の内部には
外部端子306に沿って複数個の窪み308が設けられており、これら窪み308は、フ
ランジ312の材料である樹脂が冷えて固まる時の樹脂の収縮による応力集中を低減する
ためのものである。
熱式流量計300の計測動作中に使用する外部端子306に加えて、補正用端子307
を設けることで、熱式流量計300の出荷前にそれぞれについて特性を計測し、製品のば
らつきを計測し、ばらつきを低減するための補正値を熱式流量計300内部のメモリに記
憶することが可能となる。上記補正値の設定工程の後、補正用端子307が外部端子30
6と外部機器との接続の邪魔にならないように、補正用端子307は外部端子306とは
異なる形状に作られている。このようにして熱式流量計300はその出荷前にそれぞれに
ついてのばらつきを低減でき、計測精度の向上を図ることができる。
3.ハウジング302の全体構造とその効果
3.1 副通路と流量検出部の構造と効果
熱式流量計300から表カバー303および裏カバー304を取り外したハウジング3
02の状態を図5および図6に示す。図5(A)はハウジング302の左側面図であり、
図5(B)はハウジング302の正面図であり、図6(A)はハウジング302の右側面
図であり、図6(B)はハウジング302の背面図である。ハウジング302はフランジ
312から計測部310が主通路124の中心方向に延びる構造を成しており、その先端
側に副通路を成形するための副通路溝が設けられている。この実施例ではハウジング30
2の表裏両面に副通路溝が設けられており、図5(B)に表側副通路溝332を示し、図
6(B)に裏側副通路溝334を示す。副通路の入口350を成形するための入口溝35
1と出口352を成形するための出口溝353が、ハウジング302の先端部に設けられ
ているので、主通路124の内壁面から離れた部分の気体を、言い換えると主通路124
の中央部分に近い部分を流れている気体を被計測気体30として入口350から取り込む
ことができる。主通路124の内壁面近傍を流れる気体は、主通路124の壁面温度の影
響を受け、吸入空気などの主通路124を流れる気体の平均温度と異なる温度を有するこ
とが多い。また主通路124の内壁面近傍を流れる気体は、主通路124を流れる気体の
平均流速より遅い流速を示すことが多い。実施例の熱式流量計300ではこのような影響
を受け難いので、計測精度の低下を抑制できる。
上述した表側副通路溝332や裏側副通路溝334で作られる副通路は外壁窪み部36
6や上流側外壁335や下流側外壁336により熱絶縁部315に繋がっている。また上
流側外壁335には上流側突起317が設けられ、下流側外壁336には下流側突起31
8が設けられている。このような構造により、フランジ312で熱式流量計300が主通
路124に固定されることにより、回路パッケージ400を有する計測部310が高い信
頼性を持って主通路124に固定される。
この実施例ではハウジング302に副通路を成形するための副通路溝を設けており、カ
バーをハウジング302の表面及び裏面にかぶせることにより、副通路溝とカバーとによ
り副通路が完成する構成としている。このような構造とすることで、ハウジング302の
樹脂モールド工程でハウジング302の一部としてすべての副通路溝を成形することがで
きる。またハウジング302の成形時にハウジング302の両面に金型が設けられるので
、この両方の金型を使用することにより、表側副通路溝332と裏側副通路溝334の両
方をハウジング302の一部として全て成形することが可能となる。ハウジング302の
両面に表カバー303と裏カバー304を設けることでハウジング302の両面の副通路
を完成させることができる。金型を利用してハウジング302の両面に表側副通路溝33
2と裏側副通路溝334を成形することで高い精度で副通路を成形できる。また高い生産
性が得られる。
図6(B)において主通路124を流れる被計測気体30の一部が入口350を成形す
る入口溝351から裏側副通路溝334内に取り込まれ、裏側副通路溝334内を流れる
。裏側副通路溝334は進むにつれて深くなる形状をしており、溝に沿って流れるにつれ
表側の方向に被計測気体30は徐々に移動する。特に裏側副通路溝334は回路パッケー
ジ400の上流部342で急激に深くなる急傾斜部347が設けられていて、質量の小さ
い空気の一部は急傾斜部347に沿って移動し、回路パッケージ400の上流部342で
図5(B)に記載の計測用流路面430の方を流れる。一方質量の大きい異物は慣性力に
よって急激な進路変更が困難なため、図6(B)に示す計測用流路面裏面431の方を移
動する。その後回路パッケージ400の下流部341を通り、図5(B)に記載の計測用
流路面430の方を流れる。
熱伝達面露出部436近傍の被計測気体30の流れについて図7を用いて説明する。図
5(B)に記載の表側副通路溝332において、上述の回路パッケージ400の上流部3
42から表側副通路溝332側に移動した被計測気体30である空気は、計測用流路面4
30に沿って流れ、計測用流路面430に設けられた熱伝達面露出部436を介して流量
を計測するための流量検出部602との間で熱伝達が行われ、流量の計測が行われる。計
測用流路面430を通過した被計測気体30や回路パッケージ400の下流部341から
表側副通路溝332に流れてきた空気は共に表側副通路溝332に沿って流れ、出口35
2を成形するための出口溝353から主通路124に排出される。
被計測気体30に混入しているごみなどの質量の大きい物質は慣性力が大きく、溝の深
さが急激に深まる図6(B)に示す、急傾斜部347の部分の表面に沿って、溝の深い方
向に急激に進路を変えることが困難である。このため質量の大きい異物は計測用流路面裏
面431の方を移動し、異物が熱伝達面露出部436の近くを通るのを抑制できる。この
実施例では気体以外の質量の大きい異物の多くが、計測用流路面430の背面である計測
用流路面裏面431を通過するように構成しているので、油分やカーボン、ごみなどの異
物による汚れの影響を低減でき、計測精度の低下を抑制できる。すなわち主通路124の
流れの軸を横切る軸に沿って被計測気体30の進路を急に変化させる形状を有しているの
で、被計測気体30に混入する異物の影響を低減できる。
この実施例では、裏側副通路溝334で構成される流路は曲線を描きながらハウジング
302の先端部からフランジ方向に向かい、最もフランジ側の位置では副通路を流れる気
体は主通路124の流れに対して逆方向の流れとなり、この逆方向の流れの部分で一方側
である裏面側の副通路が、他方側である表面側に成形された副通路につながる。このよう
にすることで、回路パッケージ400の熱伝達面露出部436の副通路への固定が容易と
なり、さらに被計測気体30を主通路124の中央部に近い位置で取り込むことが容易と
なる。
この実施例では、流量を計測するための計測用流路面430の流れ方向における前後に
裏側副通路溝334と表側副通路溝332とに貫通する構成から成り、かつ回路パッケー
ジ400の先端側はハウジング302で支持した構成ではなく空洞部382を有し、回路
パッケージ400の上流部342の空間と回路パッケージ400の下流部341の空間が
繋がった構成である。この回路パッケージ400の上流部342と回路パッケージ400
の下流部341を貫通する構成として、ハウジング302の一方面に成形した裏側副通路
溝334からハウジング302の他方の面に成形した表側副通路溝332へ被計測気体3
0が移動する形状で副通路を成形している。このような構成とすることで、1回の樹脂モ
ールド工程でハウジング302の両面に副通路溝を成形でき、また両面の副通路溝を繋ぐ
構造を合わせて成形することが可能となる。
ハウジング302の成形時には、回路パッケージ400に形成された計測用流路面43
0の両側を成型金型でクランプすることで回路パッケージ400の上流部342と回路パ
ッケージ400の下流部341を貫通する構成を形成することができると共に、ハウジン
グ302の樹脂モールド成形と同時に、回路パッケージ400をハウジング302に実装
することができる。このようにハウジング302の成形金型に回路パッケージ400をイ
ンサートして成形することにより、副通路に対して回路パッケージ400及び熱伝達面露
出部436を高精度に実装することが可能となる。
この実施例では、この回路パッケージ400の上流部342と回路パッケージ400の
下流部341を貫通する構成としている。しかし、回路パッケージ400の上流部342
と下流部341どちらか一方を貫通した構成とすることで、裏側副通路溝334と表側副
通路溝332とをつなぐ副通路形状を1回の樹脂モールド工程で成形することも可能であ
る。
なお、裏側副通路溝334の両側には裏側副通路内周壁391と裏側副通路外周壁39
2が設けられ、これら裏側副通路内周壁391と裏側副通路外周壁392のそれぞれの高
さ方向の先端部と裏カバー304の内側面とが密着することで、ハウジング302の裏側
副通路が成形される。また表側副通路溝332の両側には表側副通路内周壁393と表側
副通路外周壁394が設けられ、これら表側副通路内周壁393と表側副通路外周壁39
4の高さ方向の先端部と表カバー303の内側面とが密着することで、ハウジング302
の表側副通路が成形される。
この実施例では、計測用流路面430とその背面の両方に分かれて被計測気体30が流
れ、一方側に流量を計測する熱伝達面露出部436を設けているが、被計測気体30を二
つの通路に分けるのではなく、計測用流路面430の表面側のみを通過するようにしても
良い。主通路124の流れ方向の第1軸に対してこれを横切る方向の第2軸に沿うように
副通路を曲げることにより、被計測気体30に混入する異物を、第2軸の曲りの小さい片
側に寄せることができ、第2軸の曲りの大きい方に計測用流路面430および熱伝達面露
出部436を設けることにより、異物の影響を低減できる。
またこの実施例では表側副通路溝332と裏側副通路溝334の繋ぎの部分に計測用流
路面430および熱伝達面露出部436を設けている。しかし表側副通路溝332と裏側
副通路溝334の繋ぎの部分ではなく、表側副通路溝332にあるいは、裏側副通路溝3
34に設けても良い。
計測用流路面430に設けられた流量を計測するための熱伝達面露出部436の部分に
絞り形状が成形されており(図7を用いて以下で説明する)、この絞り効果により流速が
速くなり、計測精度が向上する。また仮に熱伝達面露出部436の上流側で気体の流れに
渦が発生していたとしても上記絞りにより渦を消滅あるいは低減でき、計測精度が向上す
る。
図5および図6で、上流側外壁335が温度検出部452の根元部で下流側に窪む形状
を成す、外壁窪み部366を備えている。この外壁窪み部366により、温度検出部45
2と外壁窪み部366との間の距離が長くなり、上流側外壁335を介して伝わってくる
熱の影響を低減できる。
また、回路パッケージ400を固定部372で包むことにより、回路パッケージ400
を固定しているが、外壁窪み部366によりさらに回路パッケージ400を固定すること
により、回路パッケージ400を固定する力を増大することができる。固定部372は被
計測気体30の流れ軸に沿う方向に回路パッケージ400を包含している。一方外壁窪み
部366は被計測気体30の流れ軸を横切る方向に回路パッケージ400を包含している
。すなわち固定部372に対して包含する方向が異なるようにして回路パッケージ400
を包含している。二つの異なる方向で回路パッケージ400を包含しているので、固定す
る力が増大している。外壁窪み部366は上流側外壁335の一部であるが、固定する力
を増大するためであれば、上流側外壁335の代わりに下流側外壁336で、固定部37
2と異なる方向に回路パッケージ400を包含しても良い。例えば、下流側外壁336で
回路パッケージ400の板部を包含するとか、あるいは下流側外壁336に上流方向に窪
む窪み、あるいは上流方向に突出する突出部を設けて回路パッケージ400を包含しても
良い。上流側外壁335に外壁窪み部366を設けて回路パッケージ400を包含したの
は、回路パッケージ400の固定に加えて、温度検出部452と上流側外壁335との間
の熱抵抗を増大する作用を持たせたためである。
温度検出部452の根元部に外壁窪み部366が設けられ、これによりフランジ312
あるいは熱絶縁部315から上流側外壁335を介して伝わってくる熱の影響を低減でき
る。さらに上流側突起317と温度検出部452との間の切欠きにより成形された測温用
窪み368が設けられている。この測温用窪み368により上流側突起317を介して温
度検出部452にもたらされる熱の伝わりを低減できる。これにより温度検出部452の
検出精度が向上する。特に上流側突起317はその断面積が大きいので熱が伝わり易く、
熱の伝わりを阻止する測温用窪み368の働きは重要である。
3.2 副通路の流量検出部の構造と効果
図7は、回路パッケージ400の計測用流路面430が副通路溝の内部に配置されてい
る状態を示す部分拡大図であり、図6のA−A断面図である。なお、この図は概念図であ
り、図5や図6に示す詳細形状に対して、図7では細部の省略および単純化を行っており
、細部に関して少し変形している。図7の左部分が裏側副通路溝334の終端部であり、
右側部分が表側副通路溝332の始端部分である。図7では明確に記載していないが、計
測用流路面430を有する回路パッケージ400の左右両側には、貫通部が設けられてい
て、計測用流路面430を有する回路パッケージ400の左右両側で裏側副通路溝334
と表側副通路溝332とが繋がっている。
入口350から取り込まれ、裏側副通路溝334により構成される裏側副通路を流れた
被計測気体30は、図7の左側から導かれ、被計測気体30の一部は、回路パッケージ4
00の上流部342の貫通部を介して、回路パッケージ400の計測用流路面430の表
面と表カバー303に設けられた突起部356で作られる流路386の方を流れ、他の被
計測気体30は計測用流路面裏面431と裏カバー304で作られる流路387の方を流
れる。その後、流路387を流れた被計測気体30は、回路パッケージ400の下流部3
41の貫通部を介して表側副通路溝332の方に移り、流路386を流れている被計測気
体30と合流し、表側副通路溝332を流れ、出口352から主通路124に排出される
。なお、図7(B)に示すように、流路387には裏カバー304に設けられた突起部3
58が計測用流路面裏面431に向かって突出していてもよい。
裏側副通路溝334から回路パッケージ400の上流部342の貫通部を介して流路3
86に導かれる被計測気体30の方が、流路387に導かれる流路よりも曲りが大きくな
るように、副通路溝が成形されているので、被計測気体30に含まれるごみなどの質量の
大きい物質は、曲りの少ない流路387の方に集まる。このため流路386への異物の流
入はほとんど無い。
流路386では、表側副通路溝332の最先端部に連続して、表カバー303に設けら
れ突起部356が計測用流路面430の方に徐々に突出することにより、絞りが成形され
る構造を成している。流路386の絞り部の一方側に計測用流路面430が配置され、計
測用流路面430には流量検出部602が被計測気体30との間で熱伝達を行うための熱
伝達面露出部436が設けられている。流量検出部602の計測が高精度で行われるため
には、熱伝達面露出部436の部分で被計測気体30が渦の少ない層流であることが望ま
しい。また流速が速い方が計測精度が向上する。このために計測用流路面430に対向し
て表カバー303に設けられた突起部356が計測用流路面430に向かって滑らかに突
出することにより絞りが成形される。この絞りは、被計測気体30の渦を減少させて層流
に近づけている作用をする。さらに絞り部分では流速が速くなり、この絞り部分に流量を
計測するための熱伝達面露出部436が配置されているので、流量の計測精度が向上して
いる。
計測用流路面430に設けた熱伝達面露出部436に対向するようにして突起部356
を副通路溝内に突出させることで絞りを成形して、計測精度を向上することができる。絞
りを成形するための突起部356は、計測用流路面430に設けた熱伝達面露出部436
に対向する方のカバーに設けることになる。図7では計測用流路面430に設けた熱伝達
面露出部436に対向する方のカバーが表カバー303であるので表カバー303に突起
部356を設けているが、表カバー303あるいは裏カバー304の内の計測用流路面4
30に設けた熱伝達面露出部436に対向する方のカバーに設ければ良い。回路パッケー
ジ400における計測用流路面430および熱伝達面露出部436を設ける面がどちらに
なるかにより、熱伝達面露出部436に対向する方のカバーがどちらになるかが変わる。
流路386と流路387との被計測気体30の配分なども高精度の計測にとって関係が
あり、図7(B)に示すように、裏カバー304に設けられた突起部358を流路387
に突出させることにより、流路386と流路387との被計測気体30の配分などの調整
を行ってもよい。また流路387に絞り部を設けることで流速を速くし、ごみなどの異物
を流路387に引き込む作用も成している。図7(B)に示す実施例では、流路386と
流路387の色々な調整の手段の一つとして突起部358による絞りを利用しているが、
計測用流路面裏面431と裏カバー304の間の幅などの調整により、上述した流路38
6と流路387との流量の配分等の調整を行っても良い。この場合は図7(A)に示すよ
うに、裏カバー304に設けられた突起部358は不要となる。
図5および図6において、計測用流路面430に設けられた熱伝達面露出部436の裏
面である計測用流路面裏面431に、回路パッケージ400の樹脂モールド工程で使用さ
れた金型の押さえ跡442が残っている。押さえ跡442は特に流量の計測の障害となる
ものではなく、そのまま押さえ跡442が残っていても問題ない。また後述するが、回路
パッケージ400を樹脂モールドで成形する際に、流量検出部602が有する半導体ダイ
ヤフラムの保護が重要となる。このために熱伝達面露出部436の裏面の押さえが重要で
ある。また熱伝達面露出部436に回路パッケージ400を覆う樹脂が流れ込まないよう
にすることが大切である。このような観点から、熱伝達面露出部436を含む計測用流路
面430を金型で囲い、また熱伝達面露出部436の背面を他の金型で押さえつけ、樹脂
の流入を阻止する。回路パッケージ400はトランスファモールドで作られるので、樹脂
の圧力が高く、熱伝達面露出部436の背面からの押さえが重要である。また流量検出部
602には半導体ダイヤフラムが使用されており、半導体ダイヤフラムにより作られる空
隙の通気用通路を成形することが望まれる。通気用通路を成形するためのプレートなどを
保持固定するために、熱伝達面露出部436の裏面からの押さえは重要である。
3.3 表カバー303と裏カバー304の形状と効果
図8は表カバー303の外観を示す図であり、図8(A)は左側面図、図8(B)は正
面図、図8(C)は平面図である。図9は裏カバー304の外観を示す図であり、図9(
A)は左側面図、図9(B)は正面図、図9(C)は平面図である。図8および図9にお
いて、表カバー303や裏カバー304はハウジング302の副通路溝を塞ぐことにより
、副通路を作るのに使用される。また突起部356を備え、流路に絞りを設けるために使
用される。このため成形精度が高いことが望ましい。表カバー303や裏カバー304は
金型に熱可塑性樹脂を注入する樹脂モールド工程により、作られるので、高い成形精度で
作ることができる。また、表カバー303と裏カバー304には、突起部380と突起部
381が形成されており、ハウジング302の嵌合した際に、図5(B)及び図6(B)
に表記した回路パッケージ400の先端側の空洞部382の隙間を埋めると同時に回路パ
ッケージ400の先端部を覆う構成となる。
図8や図9に示す表カバー303や裏カバー304には、表保護部322や裏保護部3
25が成形されている。図2や図3に示すように入口343の表側側面に表カバー303
に設けられた表保護部322が配置され、また入口343の裏側側面に、裏カバー304
に設けられた裏保護部325が配置されている。入口343内部に配置されている温度検
出部452が表保護部322と裏保護部325で保護され、生産中および車への搭載時に
温度検出部452が何かとぶつかることなどによる温度検出部452の機械的な損傷を防
止できる。
表カバー303の内側面には突起部356が設けられ、図7の例に示す如く、突起部3
56は計測用流路面430に対向して配置され、副通路の流路の軸に沿う方向に長く延び
た形状をしている。突起部356の断面形状は、図8(C)に示したように突起部の頂点
を境に下流側に向かって傾斜になっていてもよい。計測用流路面430と突起部356と
により上述した流路386に絞りが成形され、被計測気体30に生じている渦を減少させ
、層流に生じさせる作用をする。この実施例では、絞り部分を有する副通路を、溝の部分
と溝を塞いで絞りを備えた流路を完成する蓋の部分とにわけ、溝の部分を、ハウジング3
02を成形するための第2樹脂モールド工程で作り、次に突起部356を有する表カバー
303を他の樹脂モールド工程で成形し、表カバー303を溝の蓋として溝を覆うことに
より、副通路を作っている。ハウジング302を成形する第2樹脂モールド工程で、計測
用流路面430を有する回路パッケージ400のハウジング302への固定も行っている
。このように形状の複雑な溝の成形を樹脂モールド工程で行い、絞りのための突起部35
6を表カバー303に設けることで、高い精度で図7に示す流路386を成形することが
できる。また溝と計測用流路面430や熱伝達面露出部436の配置関係を高い精度で維
持できるので、量産品においてのばらつきを小さくでき、結果として高い計測結果が得ら
れる。また生産性も向上する。
裏カバー304と計測用流路面裏面431による流路387の成形も同様である。流路
387の溝部分と蓋部分とに分け、溝部分をハウジング302を成形する第2樹脂モール
ド工程で作り、裏カバー304で溝を覆うことにより、流路387を成形している。流路
387をこのようにして作ることにより、流路387を高精度で作ることができ、生産性
も向上する。なおこの実施例では流路386に絞りを設けているが、図7(B)に示すよ
うに、突起部358を設けて、絞りを有した流路387を使用することも可能である。
3.4 図7に示す実施例の他の実施例
図10は、図7に示す流量計測部分の他の実施例を示す拡大図であり、図6(B)のA
−A断面に相当する部分の他の実施例である。図7と同様、図示しない入口溝から取り込
まれた被計測気体30は、図10に示されない計測部310の先端側に設けられた副通路
を破線の矢印で示すように流れ、図の左側に位置する裏側副通路溝の終端側に位置する溝
から通路386に導かれる。この通路386において、計測用流路面430に設けられた
熱伝達面露出部436により流量が計測される。その後表側副通路溝に導かれ、再び図1
0に示されない計測部310の先端側に設けられた副通路を破線の矢印で示すように流れ
、図2(B)に示す出口352から主通路124へ排出される。
回路パッケージ400に設けられた計測用流路面430の裏側は、副通路を成形するた
めの樹脂部359に埋設されている。回路パッケージ400の計測用流路面430の裏側
が副通路を成形するための樹脂部359に埋め込まれることにより、裏側副通路溝334
の溝の内面に沿って、回路パッケージ400に成形された計測用流路面430が連続する
ように配置され、被計測気体30は裏側副通路溝334の内面および計測用流路面430
に沿って流れ、計測用流路面430に設けられた熱伝達面露出部436により流量が計測
される。なお図示していないが計測部310の裏面に成形された副通路溝は裏カバー30
4により覆われて、副通路が作られる。
計測用流路面430に設けられた熱伝達面露出部436に対向する位置の表カバー30
3には、流路386の内部に突出する突起部356が設けられており、突起部356と計
測用流路面430とにより、絞りが成形される。図7に示す流路386と同様、流路38
6に絞りが成形されることで、流路386を流れる被計測気体30の渦が減少し、被計測
気体30は層流に近づく。従って流量検出部602によって計測される流量の計測精度が
向上する。また通路流路386に設けられた絞りにより、流量計測部分の流速が増加し、
流量計測の精度の向上につながる。
図7に記載の構造との大きな相違点は、図7では回路パッケージ400に成形された計
測用流路面430とその背面の計測用流路面裏面431との両方の側に副通路が成形され
るのに対し、図10では、計測用流路面430の方にのみ副通路が成形される点である。
図10に示す構造の方が計測用流路面430に沿って流れる流量が多くなり、計測される
被計測気体30の流速を増大できる効果がある。
図10では裏側副通路溝に、計測用流路面430が連続するように、ハウジング302
に回路パッケージ400を固定した。従って突起部356を表カバー303に設けた。こ
のため裏カバー304には突起が不要である。しかし、表側副通路溝に計測用流路面43
0が連続するように、ハウジング302に回路パッケージ400を固定してもよい。この
場合は、突起部356は裏カバー304に設けることとなり、表カバー303には突起が
不要である。
3.5 図5および図6に示す実施例のさらに他の実施例
図11は図5および図6に示す実施例の他の実施例を示す構成図であり、図5および図
6の主通路124に挿入さる計測部310の先端側に対応する、副通路溝を成形する部分
を示している。なお、フランジ312や外部接続部305は省略している。図5および図
6に示す実施例では、熱式流量計300のハウジング302の表面および裏面の両方の副
通路を成形するための副通路溝が設けられている。図11は副通路をハウジング302の
表面あるいは裏面のどちらか一方に設ける構造であり、シンプルな構造をしている。ハウ
ジング302の表面あるいは裏面のどちらに副通路を設けても、技術的な内容は略同じで
あり、図11は表面に副通路を設けた例で、図11を代表例として説明する。
副通路を設けた表側にカバーを設け、裏側には通路が成形されていないのでカバーが設
けられていない。すなわちハウジング302の裏側は、カバーの代わりにハウジング30
2を成形している樹脂で、裏面を覆っている。なお、カバーは図5や図6の実施例と同様
、樹脂モールド工程により熱可塑性樹脂で形成される。
副通路は副通路溝と前記溝を覆う樹脂製のカバーとで作られ、被計測気体30の流れ方
向の上流側に入口350を構成するための入口溝351が成形されており、下流側に出口
352を構成するための出口溝353が成形されている。入口溝351から取り込まれた
被計測気体30は、表側副通路溝332に導かれて回路パッケージ400の方に近づき、
さらに計測用流路面430の面に沿って流れ、計測用流路面430に設けられた熱伝達面
露出部436により流量が計測され、流量の計測後出口溝353から主通路124に排出
される。
第1樹脂モールド工程で作られた回路パッケージ400を第2樹脂モールド工程でハウ
ジング302に固定すると共に、同時に、表側副通路溝332や外壁窪み部366、上流
側外壁335や下流側外壁336、図示していないフランジ312や外部接続部305を
備えるハウジング302が、第2樹脂モールド工程で成形される。これに伴う効果は図5
と図6の説明で上述したとおりである。
図12は図11のA−A断面図である。ハウジング302の裏面は樹脂部359で全面
が覆われており、回路パッケージ400の計測用流路面430の背面である計測用流路面
裏面431および側面は樹脂部359に埋設されて固定されている。表側副通路溝332
を覆う表カバー303により被計測気体30を流すための副通路が成形され、表側副通路
溝332に作られる副通路に続いて、計測用流路面430とこれに対向する位置に設けら
れた突起部356とを備える流路386が形成される。なお突起部356は、熱伝達面露
出部436に対向位置にあるカバーである、表カバー303に設けられている。計測用流
路面430と突起部356とにより絞り形状が成形され、この絞り形状を成す位置に熱伝
達面露出部436が設けられている。従って図7や図10で説明したと同様、絞り形状に
より、熱伝達面露出部436で計測される被計測気体30は渦の少ない略層流となり、計
測精度が向上する。また絞り形状により、被計測気体30の流速が早くなり、流量を計測
する計測精度の向上に繋がる。
3.6 回路パッケージ400のハウジング302による固定構造と効果
次に再び図5および図6を参照して、回路パッケージ400のハウジング302への樹
脂モールド工程による固定について説明する。副通路を成形する副通路溝の所定の場所、
例えば図5および図6に示す実施例では、表側副通路溝332と裏側副通路溝334のつ
ながりの部分に、回路パッケージ400の表面に成形された計測用流路面430が配置さ
れるように、回路パッケージ400がハウジング302に配置され固定されている。回路
パッケージ400をハウジング302に樹脂モールドにより埋設して固定する部分が、副
通路溝より少しフランジ312側に、回路パッケージ400をハウジング302に埋設固
定するための固定部372として設けられている。固定部372は第1樹脂モールド工程
により成形された回路パッケージ400の外周を覆うようにして埋設している。
図5(B)に示す如く、回路パッケージ400は固定部372により固定されている。
固定部372は表カバー303に接する高さの面と薄肉部376により回路パッケージ4
00を包含している。376の箇所を覆う樹脂の厚みを薄肉にすることで、固定部372
の成形時に樹脂の温度が冷える時の収縮を緩和することができると共に、回路パッケージ
400に加わる応力の集中を低減できる効果がある。図6(B)に示すとおり、回路パッ
ケージ400の裏側も上述のような形状とすると、より効果が得られる。
また、回路パッケージ400の全面を、ハウジング302を成形する樹脂で覆うのでは
なく、固定部372のフランジ312側に、回路パッケージ400の外壁が露出する部分
を設けている。この図5および図6の実施例では、回路パッケージ400の外周面の内の
ハウジング302の樹脂に包含される部分の面積より、ハウジング302の樹脂に包含さ
れないでハウジング302の樹脂から露出している面積の方が広くなっている。また回路
パッケージ400の計測用流路面430の部分も、ハウジング302を形成している樹脂
から露出している。
回路パッケージ400の外壁を帯状に全周にわたって覆っている固定部372の一部を
薄肉とすることで、ハウジング302を成形するための第2樹脂モールド工程において、
回路パッケージ400の周囲を包含するようにして固定部372を硬化させる過程での体
積収縮による過度な応力の集中を低減している。過度な応力の集中は回路パッケージ40
0に対しても悪影響を及ぼす可能性がある。
また、回路パッケージ400の外周面の内のハウジング302の樹脂に包含される部分
の面積を少なくして、少ない面積で、より強固に回路パッケージ400を固定するには、
固定部372における回路パッケージ400の外壁との密着性を高めることが望ましい。
ハウジング302を成形する趣旨として熱可塑性樹脂を使用する場合には、熱可塑性樹脂
の粘性が低い状態で回路パッケージ400の外壁の細かい凹凸に入り込み、前記外壁の細
かい凹凸に入り込んだ状態で、熱可塑性樹脂が硬化することが望ましい。ハウジング30
2を成形する樹脂モールド工程において、熱可塑性樹脂の入口を固定部372にあるいは
その近傍に設けることが望ましい。熱可塑性樹脂は温度の低下に基づいて粘性が増大し、
硬化する。従って高温状態の熱可塑性樹脂を固定部372にあるいはその近傍から流し込
むことで、粘性の低い状態の熱可塑性樹脂を回路パッケージ400の外壁に密着させ、硬
化させることができる。このことにより、熱可塑性樹脂の温度低下が抑えられ、低粘性状
態を長引かせ、回路パッケージ400と固定部372との密着性が向上する。
回路パッケージ400の外壁面を粗くすることにより回路パッケージ400と固定部3
72との密着性を向上することができる。回路パッケージ400の外壁面を粗くする方法
として、回路パッケージ400を第1樹脂モールド工程で成形後に、例えば梨地処理とい
われる処理方法のように、回路パッケージ400の表面に細かい凸凹を成形する粗化方法
がある。回路パッケージ400の表面に細かい凹凸加工を施す粗化方法として、例えばサ
ンドブラストにより粗化することができる。さらにレーザ加工により粗化することができ
る。
また、他の粗化方法としては、第1樹脂モールド工程に使用する金型の内面に凹凸の付
いたシートを張り付け、シートを表面に設けた金型に樹脂を圧入する。このようにしても
回路パッケージ400の表面に細かい凸凹を成形して粗化することができる。さらに回路
パッケージ400を成形する金型の内部に凹凸をつけておき、回路パッケージ400の表
面を粗化することができる。このような粗化を行う回路パッケージ400の表面部分は、
少なくとも固定部372が設けられる部分である。さらに加えて外壁窪み部366が設け
られる回路パッケージ400の表面部分を粗化することでさらに密着度が強くなる。
また、溝の深さは、上述のシートを利用して回路パッケージ400の表面を凹凸加工す
る場合は前記シートの厚さに依存する。前記シートの厚みを厚くすると第1樹脂モールド
工程でのモールドが難しくなるので、前記シートの厚みに限界があり、前記シートの厚み
が薄いと前記シートにあらかじめ設けておく凹凸の深さに限界がでる。このため前記シー
トを使用する場合は、凹凸の底と頂点との間である凹凸の深さが10μm以上20μm以
下であることが望ましい。10μmより少ない深さでは、密着の効果が弱い。20μmよ
り大きい深さは、前記シートの厚みから困難である。
前記シート以外の粗化方法の場合には、回路パッケージ400を成形している第1樹脂モールド工程での樹脂の厚さが2mm以下であることが望ましいとの理由から、凹凸の底と頂点との間である凹凸の深さを1mm以上とすることが困難である。概念的には、回路パッケージ400の表面の凹凸の底と頂点との間である凹凸の深さを大きくすると、回路パッケージ400を覆う樹脂とハウジング302を成形する樹脂との間の密着度が増す、と考えられるが、前記理由により、凹凸の底と頂点との間である凹凸の深さは1mm以下が良い。すなわち10μm以上で1mm以下の範囲の凹凸を回路パッケージ400の表面に設けることで、回路パッケージ400を覆う樹脂とハウジング302を成形する樹脂との間の密着度を増加させることが望ましい。
回路パッケージ400を成形する熱硬化性樹脂と固定部372を備えるハウジング30
2を成形する熱可塑性樹脂とでは、熱膨張係数に差があり、この熱膨張係数差に基づいて
生じる過度な応力が回路パッケージ400に加わらないようにすることが望ましい。
さらに回路パッケージ400の外周を包含する固定部372の形状を帯状とし、帯の幅
を狭くすることにより、回路パッケージ400に加わる熱膨張係数差による応力を低減で
きる。固定部372の帯の幅を10mm以下に、好ましくは8mm以下にすることが望ましい。本実施例では回路パッケージ400を固定部372だけでなく、ハウジング302の上流側外壁335の一部である外壁窪み部366でも回路パッケージ400を包含し回路パッケージ400を固定しているので、固定部372の帯の幅をさらに細くすることができる。例えば3mm以上の幅があれば回路パッケージ400を固定できる。
回路パッケージ400の表面に、熱膨張係数差による応力を低減するなどの目的のため
、ハウジング302を成形する樹脂で覆う部分と覆わないで露出させる部分とを設けてい
る。これら回路パッケージ400の表面がハウジング302の樹脂から露出する部分を、
複数個設け、この内の一つは先に説明した熱伝達面露出部436を有する計測用流路面4
30であり、また他に、固定部372よりフランジ312側の部分に露出する部分を設け
ている。さらに外壁窪み部366を成形し、この外壁窪み部366より上流側の部分を露
出させ、この露出部を、温度検出部452を支える支持部としている。回路パッケージ4
00の外表面の固定部372よりフランジ312側の部分は、その外周、特に回路パッケ
ージ400の下流側からフランジ312に対向する側にかけて、さらに回路パッケージ4
00の端子に近い部分の上流側にかけて、回路パッケージ400を取り巻くように空隙が
成形されている。このように回路パッケージ400の表面が露出している部分の周囲に空
隙が成形されていることで、主通路124からフランジ312を介して回路パッケージ4
00に伝わる熱量を低減でき、熱の影響による計測精度の低下を抑制している。
回路パッケージ400とフランジ312との間に空隙が成形され、この空隙部分が端子
接続部320として作用している。この端子接続部320で回路パッケージ400の接続
端子412と外部端子306のハウジング302側に位置する外部端子内端361とがそ
れぞれスポット溶接あるいはレーザ溶接などにより電気的に接続される。端子接続部32
0の空隙は上述したようにハウジング302から回路パッケージ400への熱伝達を抑制
する効果を奏すると共に、回路パッケージ400の接続端子412と外部端子306の外
部端子内端361との接続作業のために使用可能なスペースとして確保されている。
3.7 端子接続部320の構造と効果
図13は図5および図6に示すハウジング302の端子接続部320の拡大図である。
しかし次の点が少し異なっている。図5および図6の記載と異なる点は、図5および図6
では各外部端子内端361がそれぞれ切り離されているのに対し、図13では各外部端子
内端361が切り離される前の状態を示しており、各外部端子内端361はそれぞれ繋ぎ
部365で繋がっている。外部端子306の回路パッケージ400側に突出する外部端子
内端361が、それぞれ対応する接続端子412と重なり合うように、あるいは対応する
接続端子412の近傍に来るようにして、第2モールド工程で、各外部端子306が樹脂
モールドによりハウジング302に固定されている。各外部端子306の変形や配置のず
れを防ぐために、一実施例として、外部端子内端361が互いに繋ぎ部365でつながっ
た状態で、ハウジング302を成形するための樹脂モールド工程(第2樹脂モールド工程
)により外部端子306をハウジング302に固定する。ただし、先に接続端子412と
外部端子内端361とを固定して、その後第2モールド工程により外部端子306をハウ
ジング302に固定しても良い。
3.8 第1樹脂モールド工程による完成品の検査
図13に示す実施例では、外部端子内端361の数より回路パッケージ400が有する
端子の数が多い。回路パッケージ400が有する端子の内、接続端子412が外部端子内
端361にそれぞれ接続されており、端子414は外部端子内端361に接続されない。
すなわち端子414は、回路パッケージ400に設けられているが、外部端子内端361
に接続されない端子である。
図13では外部端子内端361と接続される接続端子412の他に、外部端子内端36
1に接続されない端子414が設けられている。第1樹脂モールド工程で回路パッケージ
400が生産された後、回路パッケージ400が正しく動作するか、第1樹脂モールド工
程で電気的な接続において異常が発生していないかを検査する。このようにすることで各
回路パッケージ400に関して高い信頼性を維持できる。外部端子内端361に接続され
ない端子414はこのような回路パッケージ400の検査に使用される。検査作業の後は
、端子414は使用されないので、これら使用しない端子414は検査後、回路パッケー
ジ400の根元で切断しても良いし、図13に示す如く端子側固定部362である樹脂の
内部に埋めてしまっても良い。このように外部端子内端361に接続されない端子414
を設けることで、第1樹脂モールド工程で生産された回路パッケージ400に異常が生じ
ていないかどうかを検査でき、高い信頼性を維持できる。
3.9 ハウジング302内部の空隙と熱式流量計300外部との連通構造と効果
図13の部分拡大図に示す如く、ハウジング302には孔364が設けられている。孔
364は図4(A)に示す外部接続部305の内部に設けられた開口309につながって
いる。実施例では、ハウジング302の両面が表カバー303と裏カバー304で密閉さ
れている。もし孔364が設けられていないと、端子接続部320を含む空隙内の空気の
温度変化により、前記空隙内の気圧と外気圧との間に差が生じる。このような圧力差はで
きるだけ小さいことが望ましい。このため外部接続部305内に設けられた開口309に
つながる孔364がハウジング302の空隙内に設けられている。外部接続部305は電
気的接続の信頼性向上のため、水などによる悪影響を受けない構造としており、開口30
9を外部接続部305内に設けることで、開口309からの水の浸入を防止でき、さらに
ごみや埃などの異物の侵入も防止できる。
3.10 第2樹脂モールド工程によるハウジング302成形と効果
上述した図5および図6に示すハウジング302において、流量検出部602や処理部
604を備える回路パッケージ400を第1樹脂モールド工程により製造し、次に、被計
測気体30を流す副通路を成形する例えば表側副通路溝332や裏側副通路溝334を有
するハウジング302を、第2樹脂モールド工程にて製造する。この第2樹脂モールド工
程で、前記回路パッケージ400をハウジング302の樹脂内に内蔵して、ハウジング3
02内に樹脂モールドにより固定する。このようにすることで、流量検出部602が被計
測気体30との間で熱伝達を行って流量を計測するための熱伝達面露出部436と副通路
、例えば表側副通路溝332や裏側副通路溝334の形状との関係、例えば位置関係や方
向の関係を、極めて高い精度で維持することが可能となる。回路パッケージ400毎に生
じる誤差やばらつきを非常に小さい値に抑え込むことが可能となる。結果として回路パッ
ケージ400の計測精度を大きく改善できる。例えば従来の接着剤を使用して固定する方
式に比べ、2倍以上、計測精度を向上できる。熱式流量計300は量産により生産される
ことが多く、ここに厳密に計測しながら接着剤で接着する方法には、計測精度の向上に関
して限界がある。しかし、本実施例のように第1樹脂モールド工程により回路パッケージ
400を製造し、その後被計測気体30を流す副通路を成形する第2樹脂モールド工程に
て副通路を成形すると同時に回路パッケージ400と前記副通路とを固定することで、計
測精度のばらつきを大幅に低減でき、各熱式流量計300の計測精度を大幅に向上するこ
とが可能となる。このことは、図5や図6に示す実施例だけでなく、図7あるいは図10
に示す実施例においても同様である。
例えば図5や図6に示す実施例でさらに説明すると、表側副通路溝332と裏側副通路
溝334と熱伝達面露出部436との間に関係を、規定の関係となるように高い精度で回
路パッケージ400をハウジング302に固定できる。このことにより、量産される熱式
流量計300においてそれぞれ、各回路パッケージ400の熱伝達面露出部436と副通
路との位置関係や形状などの関係を、非常に高い精度で、定常的に得ることが可能となる
。回路パッケージ400の熱伝達面露出部436を固定した副通路溝、例えば表側副通路
溝332と裏側副通路溝334とが非常に高い精度で成形できるので、この副通路溝から
副通路を成形する作業は、表カバー303や裏カバー304でハウジング302の両面を
覆う作業である。この作業は大変シンプルで、計測精度を低下させる要因が少ない作業工
程である。また、表カバー303や裏カバー304は成形精度の高い樹脂モールド工程に
より生産される。従って回路パッケージ400の熱伝達面露出部436と規定の関係で設
けられる副通路を高い精度で完成することが可能である。このような方法により、計測精
度の向上に加え、高い生産性が得られる。
これに対して従来は、副通路を製造し、次に副通路に計測部を接着剤で接着することに
より、熱式流量計を生産していた。このように接着剤を使用する方法は、接着剤の厚みの
ばらつきが大きく、また接着位置や接着角度が製品毎にばらつく。このため計測精度を上
げることには限界があった。さらにこれらの作業を量産工程で行う場合に、計測精度の向
上が大変難しくなる。
本発明に係る実施例では、先ず、流量検出部602を備える回路パッケージ400を第
1樹脂モールドにより生産し、次に回路パッケージ400を樹脂モールドにより固定する
と共に同時に前記樹脂モールドで副通路を成形するための副通路溝を第2樹脂モールドに
より、成形する。このようにすることにより、副通路溝の形状、および前記副通路溝に極
めて高い精度で流量検出部602を固定できる。
流量の計測に関係する部分、例えば流量検出部602の熱伝達面露出部436や熱伝達
面露出部436が取り付けられる計測用流路面430を、回路パッケージ400の表面に
成形する。その後、計測用流路面430と熱伝達面露出部436はハウジング302を成
形する樹脂から露出させる。すなわち熱伝達面露出部436および熱伝達面露出部436
周辺の計測用流路面430を、ハウジング302を成形する樹脂で覆わないようにする。
回路パッケージ400の樹脂モールドで成形した計測用流路面430や熱伝達面露出部4
36を、あるいは温度検出部452を、そのままハウジング302の樹脂モールド後も利
用し、熱式流量計300の流量計測や温度計測に使用する。このようにすることで計測精
度が向上する。
本発明に係る実施例では、回路パッケージ400をハウジング302に一体成形するこ
とにより、副通路を有するハウジング302に回路パッケージ400を固定しているので
、少ない固定面積で回路パッケージ400をハウジング302に固定できる。すなわち、
ハウジング302に接触していない回路パッケージ400の表面積を多く取ることができ
る。前記ハウジング302に接触していない回路パッケージ400の表面は、例えば空隙
に露出している。吸気管の熱はハウジング302に伝わり、ハウジング302から回路パ
ッケージ400に伝わる。ハウジング302で回路パッケージ400の全面あるいは大部
分を包含するのではなく、ハウジング302と回路パッケージ400との接触面積を小さ
くしても、高精度でしかも高い信頼性を維持して、回路パッケージ400をハウジング3
02に固定できる。このためハウジング302から回路パッケージ400への熱伝達を低
く抑えることが可能となり、計測精度の低下を抑制できる。
図5や図6に示す実施例では、回路パッケージ400の露出面の面積Aを、ハウジング
302の成形用モールド材で覆われている面積Bと同等あるいは、面積Aを面積Bより多
くすることが可能である。実施例では面積Aの方が面積Bより多くなっている。このよう
にすることにより、ハウジング302から回路パッケージ400への熱の伝達を抑制でき
る。また回路パッケージ400を成形している熱硬化性樹脂の熱膨張係数とハウジング3
02を成形している熱可塑性樹脂の膨張係数の差による応力を低減できる。
4.回路パッケージ400の外観
4.1 熱伝達面露出部436を備える計測用流路面430の成形
図14に第1樹脂モールド工程で作られる回路パッケージ400の外観を示す。なお、
回路パッケージ400の外観上に記載した斜線部分は、第1樹脂モールド工程で回路パッ
ケージ400を製造した後に、第2樹脂モールド工程でハウジング302を成形する際に
、第2樹脂モールド工程で使用される樹脂により回路パッケージ400が覆われる固定面
432を示す。図14(A)は回路パッケージ400の左側面図、図14(B)は回路パ
ッケージ400の正面図、図14(C)は回路パッケージ400の背面図である。回路パ
ッケージ400は、後述する流量検出部602や処理部604を内蔵し、熱硬化性樹脂で
これらがモールドされ、一体成形される。
図11(B)に示す回路パッケージ400の表面には、被計測気体30を流すための面
として作用する計測用流路面430が被計測気体30の流れ方向に長く延びる形状で成形
されている。この実施例では計測用流路面430は、被計測気体30の流れ方向に長く延
びる長方形を成している。この計測用流路面430は、図14(A)に示す如く、他の部
分より薄く作られていて、その一部に熱伝達面露出部436が設けられている。内蔵され
ている流量検出部602は、熱伝達面露出部436を介して被計測気体30と熱伝達を行
い、被計測気体30の状態、例えば被計測気体30の流速を計測し、主通路124を流れ
る流量を表す電気信号を出力する。
内蔵されている流量検出部602(図20参照)が高精度で被計測気体30の状態を計
測するには、熱伝達面露出部436の近傍を流れる気体が層流であり乱れが少ないことが
望ましい。このため熱伝達面露出部436の流路側面と気体を導く計測用流路面430の
面との段差はない方が好ましい。このような構成により、流量計測精度を高精度に保ちつ
つ、流量検出部602に不均等な応力および歪が作用するのを抑制することが可能となる
。なお、上記段差は流量計測精度に影響を与えない程度の段差であれば設けてもよい。
熱伝達面露出部436を有する計測用流路面430の裏面には、図14(C)に示す如
く、回路パッケージ400の樹脂モールド成形時に内部基板あるいはプレートを支持する
金型の押さえの押さえ跡442が残っている。熱伝達面露出部436は被計測気体30と
の間で熱のやり取りを行うために使用される場所であり、被計測気体30の状態を正確に
計測するためには、流量検出部602と被計測気体30との間の熱伝達が良好に行われる
ことが望ましい。このため、熱伝達面露出部436の部分が第1樹脂モールド工程での樹
脂で覆われるのを避けなければならない。熱伝達面露出部436とその裏面である計測用
流路面裏面431の両面に金型を当て、この金型により熱伝達面露出部436への樹脂の
流入を防止する。熱伝達面露出部436の裏面に凹部形状の押さえ跡442が成形されて
いる。この部分は、流量検出部602等を構成する素子が近くに配置されており、これら
素子の発熱をできるだけ外部に放熱することが望ましい。成形された凹部は、樹脂の影響
が少なく、放熱し易い効果を奏している。
半導体素子で構成される流量検出部(流量検出素子)602には、熱伝達面露出部43
6に相当する半導体ダイヤフラムが形成されており、半導体ダイヤフラムは、流量検出素
子602の裏面に空隙を成形することによりえることができる。前記空隙を密閉すると温
度変化による前記空隙内の圧力の変化により、半導体ダイヤフラムが変形し、計測精度が
低下する。このためこの実施例では、半導体ダイヤフラム裏面の空隙と連通する開口43
8を回路パッケージ400の表面に設け、半導体ダイヤフラム裏面の空隙と開口438と
を繋ぐ連通路を回路パッケージ400内部に設けている。なお、前記開口438は、第2
樹脂モールド工程で、樹脂により塞がれることがないように、図14に示す斜線が記載さ
れていない部分に設けられている。
第1樹脂モールド工程で前記開口438を成形することが必要であり、開口438の部
分とその裏面とに金型を当て、表裏両面を金型で押すことにより、開口438の部分への
樹脂の流入を阻止し、開口438を成形する。開口438および半導体ダイヤフラムの裏
面の空隙と開口438とを繋ぐ連通路の成形については、後述する。
4.2 温度検出部452および突出部424の成形と効果
回路パッケージ400に設けられた温度検出部452は、温度検出部452を支持する
ために被計測気体30の上流方向に延びている突出部424の先端も設けられて、被計測
気体30の温度を検出する機能を備えている。高精度に被計測気体30の温度を検出する
には、被計測気体30以外部分との熱の伝達をできるだけ少なくすることが望ましい。温
度検出部452を支持する突出部424は、その根元より、先端部分が細い形状を成し、
その先端部分に温度検出部452を設けている。このような形状により、温度検出部45
2への突出部424の根元部からの熱の影響が低減される。
また、温度検出部452で被計測気体30の温度が検出された後、被計測気体30は突
出部424に沿って流れ、突出部424の温度を被計測気体30の温度に近づける作用を
為す。このことにより、突出部424の根元部の温度が温度検出部452に及ぼす影響が
抑制されている。特にこの実施例では、温度検出部452を備える突出部424の近傍が
細く、突出部424の根元に行くに従って太くなっている。このため、被計測気体30が
この突出部424の形状に沿って流れ、突出部424を効率的に冷却する。
突出部424の根元部で斜線部は第2樹脂モールド工程でハウジング302を成形する
樹脂により覆われる固定面432である。突出部424の根元部の斜線部に窪みが設けら
れている。これは、ハウジング302の樹脂に覆われない窪み形状の部分が設けられてい
ることを示している。このように突出部424の根元部のハウジング302の樹脂に覆わ
れない窪み形状の部分を作ることにより、被計測気体30により突出部424がさらに冷
却し易くしている。
4.3 回路パッケージ400の端子
回路パッケージ400には、内蔵する流量検出部602や処理部604を動作させるた
めの電力の供給、および流量の計測値や温度の計測値を出力するために、接続端子412
が設けられている。さらに、回路パッケージ400が正しく動作するかどうか、回路部品
やその接続に異常が生じていないかの検査を行うために、端子414が設けられている。
この実施例では、第1樹脂モールド工程で流量検出部602や処理部604を、熱硬化性
樹脂を用いてトランスファモールドすることにより回路パッケージ400が作られる。ト
ランスファモールド成形を行うことにより、回路パッケージ400の寸法精度を向上する
ことができるが、トランスファモールド工程では、流量検出部602や処理部604を内
蔵する密閉した金型の内部に加圧した高温の樹脂が圧入されるので、でき上がった回路パ
ッケージ400について、流量検出部602や処理部604およびこれらの配線関係に損
傷が無いかを検査することが望ましい。この実施例では、検査のための端子414を設け
、生産された各回路パッケージ400についてそれぞれ検査を実施する。検査用の端子4
14は計測用には使用されないので、上述したように、端子414は外部端子内端361
には接続されない。なお各接続端子412には、機械的弾性力を増すために、湾曲部41
6が設けられている。各接続端子412に機械的弾性力を持たせることで、第1樹脂モー
ルド工程による樹脂と第2樹脂モールド工程による樹脂の熱膨張係数の相違に起因して発
生する応力を吸収することができる。すなわち、各接続端子412は第1樹脂モールド工
程による熱膨張の影響を受け、さらに各接続端子412に接続される外部端子内端361
は第2樹脂モールド工程による樹脂の影響を受ける。これら樹脂の違いに起因する応力の
発生を吸収することができる。
4.4 第2樹脂モールド工程による回路パッケージ400の固定とその効果
図14で斜線の部分は、第2樹脂モールド工程において、ハウジング302に回路パッ
ケージ400を固定するために、第2樹脂モールド工程で使用する熱可塑性樹脂で回路パ
ッケージ400を覆うための、固定面432を示している。図5や図6を用いて説明した
とおり、計測用流路面430および計測用流路面430に設けられている熱伝達面露出部
436と副通路の形状との関係が、規定された関係となるように、高い精度で維持される
ことが重要である。第2樹脂モールド工程において、副通路を成形すると共に同時に副通
路を成形するハウジング302に回路パッケージ400を固定するので、前記副通路と計
測用流路面430および熱伝達面露出部436との関係を極めて高い精度で維持できる。
すなわち、第2樹脂モールド工程において回路パッケージ400をハウジング302に固
定するので、副通路を備えたハウジング302を成形するための金型内に、回路パッケー
ジ400を高い精度で位置決めして固定することが可能となる。この金型内に高温の熱可
塑性樹脂を注入することで、副通路が高い精度で成形されると共に、回路パッケージ40
0が高い精度で固定される。
この実施例では、回路パッケージ400の全面を、ハウジング302を成形する樹脂で
覆う固定面432とするのではなく、回路パッケージ400の接続端子412側に表面が
露出する、すなわちハウジング302用樹脂で覆われない部分を設けている。図14に示
す実施例では、回路パッケージ400の表面の内、ハウジング302用樹脂に包含される
固定面432の面積より、ハウジング302の樹脂に包含されないでハウジング302用
樹脂から露出している面積の方が広くなっている。
回路パッケージ400を成形する熱硬化性樹脂と固定部372を備えるハウジング30
2を成形する熱可塑性樹脂とでは熱膨張係数に差があり、この熱膨張係数差に基づく応力
が回路パッケージ400にできるだけ加わらないようにすることが望ましい。回路パッケ
ージ400の表面の固定面432を少なくすることで、熱膨張係数の差に基づく影響を低
減できる。例えば幅Lの帯状とすることにより、回路パッケージ400の表面の固定面4
32を少なくすることができる。
また突出部424の根元に固定面432を設けることで、突出部424の機械的強度を
増すことができる。回路パッケージ400の表面において、被計測気体30が流れる軸に
沿う方向に帯状の固定面を設け、さらに被計測気体30が流れる軸と交差する方向の固定
面を設けることで、より強固に回路パッケージ400とハウジング302とを互いに固定
することができる。固定面432において、計測用流路面430に沿って幅Lで帯状に回
路パッケージ400を取り巻いている部分が上述した被計測気体30の流れ軸に沿う方向
の固定面であり、突出部424の根元を覆う部分が、被計測気体30の流れ軸を横切る方
向の固定面である。
5.回路パッケージへの回路部品の搭載
5.1 回路パッケージのフレーム枠
図15に回路パッケージ400のフレーム枠512およびフレーム枠512に搭載され
た回路部品516のチップの搭載状態を示す。なお、破線部508は、回路パッケージ4
00のモールド成形時に用いられる金型により覆われる部分を示す。フレーム枠512に
リード514が機械的に接続されており、フレーム枠512の中央に、プレート532が
搭載され、プレート532にチップ状の流量検出部602およびLSIとして作られてい
る処理部604が搭載されている。流量検出部602にはダイヤフラム672が設けられ
ており、これが、上述したモールド成形により上述した熱伝達面露出部436に相当する
。また、以下に説明する流量検出部602の各端子と処理部604とがワイヤ542で電
気的に接続されている。さらに処理部604の各端子と対応するリード514とがワイヤ
543で接続されている。また回路パッケージ400の接続端子となる部分とプレート5
32との間に位置するリード514は、それらの間にチップ状の回路部品516が接続さ
れている。
このように回路パッケージ400として完成された場合の最も先端側に、ダイヤフラム
672を有する流量検出部602を配置し、前記流量検出部602に対して接続端子とな
る方に処理部604がLSIの状態で配置され、さらに処理部604の端子側に接続用の
ワイヤ543が配置されている。このように回路パッケージ400の先端側から接続端子
の方向に順に、流量検出部602、処理部604、ワイヤ543、回路部品516、接続
用のリード514と配置することで、全体がシンプルとなり、全体が簡潔とした配置とな
る。
プレート532を支えるために、リードが設けられており、このリードはリード556
やリード558により枠512に固定されている。なお、プレート532の下面には上記
リードと接続されるプレート532と同等の面積の図示しないリード面が設けられており
、プレート532がこのリード面上に搭載される。これらリード面はグランド接地されて
いる。これによって、上記流量検出部602や処理部604の回路内の接地を共通して上
記リード面を介して行うことでノイズを抑えることができ、被計測気体30の計測精度を
向上している。またプレート532から流路の上流側の方に、すなわち上述した流量検出
部602や処理部604、回路部品516の軸を横切る方向の軸に沿って突出するように
して、リード544が設けられている。このリード544には温度検出素子518、例え
ばチップ状のサーミスタが接続されている。さらに前記突出部の根元である処理部604
に近い方に、リード548が設けられ、リード544とリード548とはAuワイヤなど
の細線546で電気的に接続されている。リード548とリード544とを直接接続する
と、熱がこれらリード548とリード544とを介して温度検出素子518に伝わり、正
確に被計測気体30の温度を計測することができなくなる。このため断面積の小さい線で
ある熱抵抗の大きい線で接続することにより、リード548とリード544との間の熱抵
抗を大きくできる。これにより、熱の影響が温度検出素子518に及ばないようにし、被
計測気体30の温度の計測精度を向上している。
またリード548はリード552やリード554により、枠512に固定されている。
これらリード552やリード554と枠512との接続部分は、前記突出している温度検
出素子518の突出方向に対して傾斜した状態で枠512に固定されており、金型もこの
部分で斜めの配置となる。第1樹脂モールド工程でモールド用樹脂がこの斜めの状態に沿
って流れることにより、温度検出素子518が設けられた先端部分に、第1樹脂モールド
工程のモールド用樹脂がスムーズに流れ、信頼性が向上する。
図15に樹脂の圧入方向を示す矢印592を示している。回路部品を搭載したリードフ
レームを金型で覆い、金型に樹脂注入用の圧入孔590を丸印の位置に設け、前記矢印5
92の方向から熱硬化性樹脂を前記金型内に注入する。前記圧入孔590から矢印592
の方向に、回路部品516や温度検出素子518があり、温度検出素子518を保持する
ためのリード544がある。さらに矢印592の方向と近い方向にプレート532や処理
部604、流量検出部602が設けられている。このように配置することで、第1樹脂モ
ールド工程で樹脂がスムーズに流れる。第1樹脂モールド工程では、熱硬化性樹脂を使用
しており、硬化する前に樹脂を全体に行き渡らせることが重要である。このためリード5
14における回路部品や配線の配置と、圧入孔590や圧入方向の関係がたいへん重要と
なる。
5.2 ダイヤフラム裏面の空隙と開口とを繋ぐ構造
図16は、図15のC−C断面の一部を示す図であり、ダイヤフラム672および流量
検出部(流量検出素子)602の内部に設けられた空隙674と孔520とを繋ぐ連通孔
676を説明する、説明図である。
後述するように被計測気体30の流量を計測する流量検出部602にはダイヤフラム6
72が設けられており、ダイヤフラム672の背面には空隙674が設けられている。ダ
イヤフラム672には図示していないが被計測気体30と熱のやり取りを行い、これによ
って流量を計測するための素子が設けられている。ダイヤフラム672に成形させている
素子間に、被計測気体30との熱のやり取りとは別に、ダイヤフラム672を介して素子
間に熱が伝わると、正確に流量を計測することが困難となる。このためダイヤフラム67
2は熱抵抗を大きくする必要があり、ダイヤフラム672ができるだけ薄く作られている
流量検出部(流量検出素子)602は、ダイヤフラム672の熱伝達面437が露出す
るように、第1樹脂モールド工程により成形された回路パッケージ400の第1樹脂に埋
設されて固定されている。ダイヤフラム672の表面は図示しない前記素子(図21に示
す発熱体608、上流測温抵抗体である抵抗652、抵抗654と下流測温抵抗体である
抵抗656、抵抗658など)が設けられている。前記素子は、ダイヤフラム672に相
当する熱伝達面露出部436において素子表面の熱伝達面437を介して図示していない
被計測気体30と互いに熱の伝達を行う。熱伝達面437は各素子の表面で構成しても良
いし、その上に薄い保護膜を設けても良い。素子と被計測気体30との熱伝達がスムーズ
に行われ、一方で素子間の直接的な熱伝達ができるだけ少ない方が望ましい。
流量検出部(流量検出素子)602の前記素子が設けられている部分は、計測用流路面
430の熱伝達面露出部436に配置されていて、熱伝達面437が計測用流路面430
を成形している樹脂から露出している。流量検出素子602の外周部は計測用流路面43
0を成形している第1樹脂モールド工程で使用された熱硬化性樹脂で覆われている。仮に
流量検出素子602の側面のみが前記熱硬化性樹脂で覆われ、流量検出素子602の外周
部の表面側(すなわちダイヤフラム672の周りの領域)に熱硬化性樹脂で覆われていな
いとすると、計測用流路面430を成形している樹脂に生じる応力を流量検出素子602
の側面のみで受けることとなり、ダイヤフラム672に歪が生じ、特性が劣化する恐れが
ある。図16に示すように流量検出素子602の表側外周部も前記熱硬化性樹脂で覆われ
る状態とすることにより、ダイヤフラム672の歪が低減される。一方熱伝達面437と
被計測気体30が流れる計測用流路面430との段差が大きいと、被計測気体30の流れ
が乱れ、計測精度が低下する。従って熱伝達面437と被計測気体30が流れる計測用流
路面430との段差Wが小さいことが望ましい。
ダイヤフラム672は各素子間の熱伝達を抑制するために非常に薄く作られていて、流
量検出素子602の裏面に空隙674を成形することにより薄肉化が図られている。この
空隙674を密閉すると温度変化により、ダイヤフラム672の裏面に形成されている空
隙674の圧力が温度に基づき変化する。空隙674とダイヤフラム672の表面との圧
力差が大きくなると、ダイヤフラム672が圧力を受けて歪を生じ、高精度の計測が困難
となる。このため、プレート532には外部に開口する開口438に繋がる孔520が設
けられ、この孔520と空隙674とを繋ぐ連通孔676が設けられている。この連通孔
676は例えば第1プレート532と第2プレート536の2枚のプレートで作られる。
第1プレート532には孔520と孔521が設けられ、さらに連通孔676を作るため
の溝が設けられている。第2プレート536で溝および孔520と孔521を塞ぐことで
、連通孔676が作られる。この連通孔676と孔520とにより、ダイヤフラム672
の表面および裏面に作用する気圧が略等しくなり、計測精度が向上する。
上述のとおり、第2プレート536で溝および孔520と孔521を塞ぐことにより、
連通孔676を作ることができるが、他の方法として、リードフレームを第2プレート5
36として使用することができる。図15に記載のように、プレート532の上にはダイ
ヤフラム672および処理部604として動作するLSIが設けられている。これらの下
側には、ダイヤフラム672および処理部604を搭載したプレート532を支えるため
のリードフレームが設けられている。従ってこのリードフレームを利用することにより、
構造がよりシンプルとなる。また前記リードフレームをグランド電極として使用すること
ができる。このように第2プレート536の役割を前記リードフレームに持たせ、このリ
ードフレームを用いて、第1プレート534に成形された孔520と孔521を塞ぐと共
に第1プレート534に成形された溝を前記リードフレームで覆うようにして塞ぐことに
より連通孔676を形成することで、全体構造がシンプルとなるのに加え、リードフレー
ムのグランド電極としての作用により、ダイヤフラム672および処理部604に対する
外部からのノイズの影響を低減できる。
回路パッケージ400において、熱伝達面露出部436が形成されている回路パッケー
ジ400の裏面に、押さえ跡442が残っている。第1樹脂モールド工程において、熱伝
達面露出部436への樹脂の流入を防止するために熱伝達面露出部436の部分に金型、
例えば入れ駒を当て、さらにその反対面の押さえ跡442の部分に金型を当て、両金型に
より熱伝達面露出部436への樹脂の流入を阻止する。このようにして熱伝達面露出部4
36の部分を成形することにより、極めて高い精度で、被計測気体30の流量を計測でき
る。
図17は第1樹脂モールド工程により図15に示すフレーム枠を熱硬化性樹脂でモール
ドし、熱硬化性樹脂で覆われた状態を示す。このモールド成形により、回路パッケージ4
00の表面に計測用流路面430が成形され、熱伝達面露出部436が計測用流路面43
0に設けられている。また熱伝達面露出部436に相当するダイヤフラム672の裏面の
空隙674は開口438とつながる構成となっている。突出部424の先端部に被計測気
体30の温度を計測するための温度検出部452が設けられており、内部に温度検出素子
518が内蔵されている。突出部424の内部では、熱伝達を抑制するために、温度検出
素子518の電気信号を取り出すためのリードが分断され、熱抵抗の大きい接続線546
が配置されている。これにより、温度検出部452への突出部424の根元からの熱伝達
が抑制され、熱による影響が抑制される。
さらに突出部424の根元に傾斜部594や傾斜部596が作られている。第1樹脂モ
ールド工程での樹脂の流れがスムーズになると共に、車に装着されて動作している状態で
、傾斜部594や傾斜部596により、温度検出部452で計測された被計測気体30が
突出部424からその根元の方にスムーズに流れ、突出部424の根元が冷却され、温度
検出部452への熱の影響を低減できる効果がある。この図17の状態の後、リード51
4が端子毎に切り離され、接続端子412や端子414となる。
第1樹脂モールド工程において、熱伝達面露出部436や開口438への樹脂の流れ込
みを防ぐことが必要である。このため、第1樹脂モールド工程では、熱伝達面露出部43
6や開口438の位置に、樹脂の流れ込みを阻止する、例えばダイヤフラム672より大
きい入れ駒を当て、その裏面に押さえを当て、両面から挟み込む。図14(C)には、図
17の熱伝達面露出部436や開口438あるいは図14(B)の熱伝達面露出部436
や開口438と対応する裏面に、押さえ跡442や押さえ跡441が残っている。
図17で枠512から切り離されたリードの切断面が、樹脂面から露出することにより
、リードの切断面から水分などが使用中に内部に侵入する恐れがある。このようなことが
ないようにすることが耐久性向上の観点や信頼性向上の観点で重要である。例えば傾斜部
594や傾斜部596のリード切断部が第2樹脂モールド工程で樹脂により覆われ、図1
5に示すリード552やリード554の枠512との切断面が、前記樹脂により覆われる
。このことによりリード552やリード554の切断面の腐食や切断部からの水の侵入が
防止される。リード552やリード554の切断面は温度検出部452の電気信号を伝え
る重要なリード部分と近接している。従って切断面を第2樹脂モールド工程で覆うことが
望ましい。
5.3 回路パッケージ400の他の実施例
図18は回路パッケージ400の他の実施例である。他の図に示されている符号と同じ
符号は同じ作用をする構成である。先に説明した図14に示す実施例では、回路パッケー
ジ400は、接続端子412と端子414とが回路パッケージ400の同じ辺に設けられ
ている。これに対して図18に示す実施例では、接続端子412と端子414は異なる辺
に設けられている。端子414は、熱式流量計300が有する外部との接続端子に接続さ
れない端子である。このように、熱式流量計300が有する外部に接続する接続端子41
2と外部に接続しない端子414とを異なる方向に設けることにより、接続端子412の
端子間を広くでき、その後の作業性が向上する。また端子414を接続端子412と異な
る方向に延びるようにすることで、枠512内のリードが一部に集中するのを低減でき、
枠512内でのリードの配置が容易となる。とくに接続端子412に対応するリードの部
分には、回路部品516であるチップコンデンサなどが接続される。これら回路部品51
6を設けるにはやや広いスペースが必要となる。図18の実施例では、接続端子412に
対応するリードのスペースを確保し易い効果がある。
図18における開口438や熱伝達面露出部436、計測用流路面430、押さえ跡4
41、押さえ跡442についての説明は、上述の内容と略同じであり、同じ作用効果を奏
する。具体的な説明は、説明の繰り返しとなるので、省略する。
6.熱式流量計300の生産工程
6.1 回路パッケージ400の生産工程
図19A〜図19Cは熱式流量計300の生産工程を示し、図19Aは回路パッケージ
400の生産工程を示し、図19Bは熱式流量計の生産工程を示し、図19Cは熱式流量
計の生産工程の他の実施例を示す。図19Aにおいて、ステップ1は図15に示すフレー
ム枠を生産する工程を示す。このフレーム枠は例えばプレス加工によって作られる。
ステップ2は、ステップ1で作られたフレーム枠に、まずプレート532を搭載し、さ
らにプレート532に流量検出部602や処理部604を搭載し、さらに温度検出素子5
18、チップコンデンサなどの回路部品を搭載する。またステップ2では、回路部品間や
回路部品とリード間、リード同士の電気的な配線を行う。このステップ2で、リード54
4とリード548間を、熱抵抗を大きくするための接続線546で接続する。ステップ2
では、図15に示す、回路部品がフレーム枠512に搭載され、さらに電気的な接続がな
された電気回路が作られる。
次にステップ3で、第1樹脂モールド工程により、熱硬化性樹脂でモールドされる。こ
の状態を図17に示す。また、ステップ3で、接続されているリードをそれぞれフレーム
枠512から切り離し、さらにリード間も切り離し、図14に示す回路パッケージ400
を完成する。この回路パッケージ400には、図14に示す通り、計測用流路面430や
熱伝達面露出部436が成形されている。
ステップ4で、でき上がった回路パッケージ400の外観検査や動作の検査を行う。ス
テップ3の第1樹脂モールド工程では、ステップ2で作られた電気回路を金型内に固定し
、金型に高温の樹脂を高い圧力で注入するので、電気部品や電気配線の異常が生じていな
いかを検査することが望ましい。この検査のために図14や図18に示す接続端子412
に加え端子414が使用される。なお、端子414はその後使用されないので、この検査
の後、根元から切断しても良い。例えば図18では、使用済みの端子414が根元で切断
されている。
6.2 熱式流量計300の生産工程と特性の補正
図19Bに示す工程では、図19Aにより生産された回路パッケージ400と外部端子
306とが使用され、ステップ5で第2樹脂モールド工程によりハウジング302がつく
られる。このハウジング302は樹脂製の副通路溝やフランジ312や外部接続部305
が作られると共に、図14に示す回路パッケージ400の斜線部分が第2樹脂モールド工
程の樹脂で覆われ、回路パッケージ400がハウジング302に固定される。前記第1樹
脂モールド工程による回路パッケージ400の生産(ステップ3)と第2樹脂モールド工
程による熱式流量計300のハウジング302の成形との組み合わせにより、流量検出精
度が大幅に改善される。ステップ6で図13に示す各外部端子内端361の切り離しが行
われ、接続端子412と外部端子内端361との接続がステップ7で行われる。
ステップ7によりハウジング302が完成すると次にステップ8で、表カバー303と
裏カバー304がハウジング302に取り付けられ、ハウジング302の内部が表カバー
303と裏カバー304で密閉されるとともに、被計測気体30を流すための副通路が完
成する。さらに、図7や図10、図12で説明した絞り構造が表カバー303あるいは裏
カバー304に設けられた突起部356により、作られる。なお、この表カバー303は
ステップ10でモールド成形により作られ、裏カバー304はステップ11でモールド成
形によって作られる。また、これら表カバー303と裏カバー304はそれぞれ別工程で
作られ、それぞれ異なる金型により成形されて作られる。
ステップ9で、実際に副通路に気体が導かれ、特性の試験が行われる。上述したように
副通路と流量検出部の関係が高い精度で維持されているので、特性の試験による特性補正
を行うことで、非常に高い計測精度が得られる。また第1樹脂モールド工程と第2樹脂モ
ールド工程で副通路と流量検出部の関係を左右する位置決めや形状関係の成形が行われる
ので、長期間使用しても特性の変化が少なく、高精度に加え高信頼性が確保される。
6.3 熱式流量計300の生産工程と特性の補正の別の実施例
図19Cで、図19Aにより生産された回路パッケージ400と外部端子306とが使
用され、第2樹脂モールド工程の前にステップ12で接続端子412と外部端子内端36
1との接続が行われる。この際、若しくはステップ12よりも前の工程で図13に示す各
外部端子内端361の切り離しが行われる。ステップ13で第2樹脂モールド工程により
ハウジング302がつくられる。このハウジング302は樹脂製の副通路溝やフランジ3
12や外部接続部305が作られると共に、図14に示す回路パッケージ400の斜線部
分が第2樹脂モールド工程の樹脂で覆われ、回路パッケージ400がハウジング302に
固定される。前記第1樹脂モールド工程による回路パッケージ400の生産(ステップ3
)と第2樹脂モールド工程による熱式流量計300のハウジング302の成形との組み合
わせにより、流量検出精度が大幅に改善される。
ステップ13によりハウジング302が完成すると、次にステップ8で、表カバー30
3と裏カバー304がハウジング302に取り付けられ、ハウジング302の内部が表カ
バー303と裏カバー304で密閉されるとともに、被計測気体30を流すための副通路
が完成する。さらに、図7や図10、図12で説明した絞り構造が表カバー303あるい
は裏カバー304に設けられた突起部356により、作られる。なお、この表カバー30
3はステップ10でモールド成形により作られ、裏カバー304はステップ11でモール
ド成形によって作られる。また、これら表カバー303と裏カバー304はそれぞれ別工
程で作られ、それぞれ異なる金型により成形されて作られる。
ステップ9で、実際に副通路に気体が導かれ、特性の試験が行われる。上述したように
副通路と流量検出部の関係が高い精度で維持されているので、特性の試験による特性補正
を行うことで、非常に高い計測精度が得られる。また第1樹脂モールド工程と第2樹脂モ
ールド工程で副通路と流量検出部の関係を左右する位置決めや形状関係の成形が行わるの
で、長期間使用しても特性の変化が少なく、高精度に加え高信頼性が確保される。
7.熱式流量計300の回路構成
7.1 熱式流量計300の回路構成の全体
図20は熱式流量計300の流量検出回路601を示す回路図である。なお、先に実施
例で説明した温度検出部452に関する計測回路も熱式流量計300に設けられているが
、図20では省略している。熱式流量計300の流量検出回路601は、発熱体608を
有する流量検出部602と処理部604とを備えている。処理部604は、流量検出部6
02の発熱体608の発熱量を制御すると共に、流量検出部602の出力に基づいて流量
を表す信号を、端子662を介して出力する。前記処理を行うために、処理部604は、
Central Processing Unit(以下CPUと記す)612と入力回路614、出力回路61
6、補正値や計測値と流量との関係を表すデータを保持するメモリ618、一定電圧をそ
れぞれ必要な回路に供給する電源回路622を備えている。電源回路622には車載バッ
テリなどの外部電源から、端子664と図示していないグランド端子を介して直流電力が
供給される。
流量検出部602には被計測気体30を熱するための発熱体608が設けられている。
電源回路622から、発熱体608の電流供給回路を構成するトランジスタ606のコレ
クタに電圧V1が供給され、CPU612から出力回路616を介して前記トランジスタ
606のベースに制御信号が加えられ、この制御信号に基づいて前記トランジスタ606
から端子624を介して発熱体608に電流が供給される。発熱体608に供給される電
流量は前記CPU612から出力回路616を介して発熱体608の電流供給回路を構成
するトランジスタ606に加えられる制御信号により制御される。処理部604は、発熱
体608で熱せられることにより被計測気体30の温度が当初の温度より所定温度、例え
ば100℃、だけ高くなるように発熱体608の発熱量を制御する。
流量検出部602は、発熱体608の発熱量を制御するための発熱制御ブリッジ640
と、流量を計測するための流量検知ブリッジ650と、を有している。発熱制御ブリッジ
640の一端には、電源回路622から一定電圧V3が端子626を介して供給され、発
熱制御ブリッジ640の他端はグランド端子630に接続されている。また流量検知ブリ
ッジ650の一端には、電源回路622から一定電圧V2が端子625を介して供給され
、流量検知ブリッジ650の他端はグランド端子630に接続されている。
発熱制御ブリッジ640は、熱せられた被計測気体30の温度に基づいて抵抗値が変化
する測温抵抗体である抵抗642を有しており、抵抗642と抵抗644、抵抗646、
抵抗648はブリッジ回路を構成している。抵抗642と抵抗646の交点Aおよび抵抗
644と抵抗648との交点Bの電位差が端子627および端子628を介して入力回路
614に入力され、CPU612は交点Aと交点B間の電位差が所定値、この実施例では
ゼロボルト、になるようにトランジスタ606から供給される電流を制御して発熱体60
8の発熱量を制御する。図20に記載の流量検出回路601は、被計測気体30のもとの
温度に対して一定温度、例えば常に100℃、高くなるように発熱体608で被計測気体
30を加熱する。この加熱制御を高精度に行えるように、発熱体608で温められた被計
測気体30の温度が当初の温度に対して一定温度、例えば常に100℃、高くなったとき
に、前記交点Aと交点B間の電位差がゼロボルトとなるように発熱制御ブリッジ640を
構成する各抵抗の抵抗値が設定されている。従って図20に記載の流量検出回路601で
は、CPU612は交点Aと交点B間の電位差がゼロボルトとなるよう発熱体608への
供給電流を制御する。
流量検知ブリッジ650は、抵抗652と抵抗654、抵抗656、抵抗658の四つ
の測温抵抗体で構成されている。これら四つの測温抵抗体は被計測気体30の流れに沿っ
て配置されており、抵抗652と抵抗654は発熱体608に対して被計測気体30の流
路における上流側に配置され、抵抗656と抵抗658は発熱体608に対して被計測気
体30の流路における下流側に配置されている。また計測精度を上げるために抵抗652
と抵抗654は発熱体608までの距離が互いに略同じくなるように配置されており、抵
抗656と抵抗658は発熱体608までの距離が互いに略同じくなるように配置されて
いる。
抵抗652と抵抗656との交点Cと、抵抗654と抵抗658との交点Dとの間の電
位差が端子631と端子632を介して入力回路614に入力される。計測精度を高める
ために、例えば被計測気体30の流れがゼロの状態で、前記交点Cと交点Dとの間の電位
差がゼロとなるように流量検知ブリッジ650の各抵抗が設定されている。従って前記交
点Cと交点Dとの間の電位差が、例えばゼロボルトの状態では、CPU612は被計測気
体30の流量がゼロとの計測結果に基づき、主通路124の流量がゼロを意味する電気信
号を端子662から出力する。
被計測気体30が図20の矢印方向に流れている場合、上流側に配置されている抵抗6
52や抵抗654は、被計測気体30によって冷却され、被計測気体30の下流側に配置
されている抵抗656と抵抗658は、発熱体608により暖められた被計測気体30に
より暖められ、これら抵抗656と抵抗658の温度が上昇する。このため、流量検知ブ
リッジ650の交点Cと交点Dとの間に電位差が発生し、この電位差が端子631と端子
632を介して、入力回路614に入力される。CPU612は流量検知ブリッジ650
の交点Cと交点Dとの間の電位差に基づいて、メモリ618に記憶されている前記電位差
と主通路124の流量との関係を表すデータを検索し、主通路124の流量を求める。こ
のようにして求められた主通路124の流量を表す電気信号が端子662を介して出力さ
れる。なお、図20に示す端子664および端子662は新たに参照番号を記載している
が、先に説明した図5や図6あるいは図13に示す接続端子412に含まれている。
上記メモリ618には、上記交点Cと交点Dとの電位差と主通路124の流量との関係
を表すデータが記憶されており、さらに回路パッケージ400の生産後に、気体の実測値
に基づいて求められた、ばらつきなどの測定誤差の低減のための補正データが記憶されて
いる。なお、回路パッケージ400の生産後の気体の実測およびそれに基づく補正値のメ
モリ618への書き込みは、図4に示す外部端子306や補正用端子307を使用して行
われる。本実施例では、被計測気体30を流す副通路と計測用流路面430との配置関係
や、被計測気体30を流す副通路と熱伝達面露出部436との配置関係が、高精度に非常
にばらつきが少ない状態で、回路パッケージ400が生産されているので、前記補正値に
よる補正で、極めて高い精度の計測結果が得られる。
7.2 流量検出回路601の構成
図21は、上述した図20の流量検出回路601の回路配置を示す回路構成図である。
流量検出回路601は矩形形状の半導体チップとして作られており、図21に示す流量検
出回路601の左側から右側に向って、矢印の方向に、被計測気体30が流れる。
半導体チップで構成される流量検出部(流量検出素子)602には、半導体チップの厚
さを薄くした矩形形状のダイヤフラム672が成形されて、このダイヤフラム672には
、破線で示す薄厚領域(すなわち上述した熱伝達面)603が設けられている。この薄厚
領域603の裏面側には、上述した空隙が成形されており、前記空隙が図14や図5に示
す開口438に連通し、前記空隙内の気圧は開口438から導かれる気圧に依存する。
ダイヤフラム672の厚さを薄くすることで、熱伝導率が低くなっており、ダイヤフラ
ム672の薄厚領域(熱伝達面)603に設けられた抵抗652や抵抗654、抵抗65
8、抵抗656へのダイヤフラム672を介しての熱伝達が抑えられ、被計測気体30と
の熱伝達により、これらの抵抗の温度が略定まる。
ダイヤフラム672の薄厚領域603の中央部には、発熱体608が設けられており、
この発熱体608の周囲に発熱制御ブリッジ640を構成する抵抗642が設けられてい
る。そして、薄厚領域603の外側に発熱制御ブリッジ640を構成する抵抗644、6
46、648が設けられている。このように成形された抵抗642、644、646、6
48によって発熱制御ブリッジ640が構成される。
また、発熱体608を挟むように、上流測温抵抗体である抵抗652、抵抗654と下
流測温抵抗体である抵抗656、抵抗658が配置されており、発熱体608に対して被
計測気体30が流れる矢印方向の上流側に、上流測温抵抗体である抵抗652、抵抗65
4が配置され、発熱体608に対して被計測気体30が流れる矢印方向の下流側に下流測
温抵抗体である抵抗656、抵抗658が配置されている。このようにして、薄厚領域6
03に配置されている抵抗652、抵抗654と抵抗656、抵抗658とにより流量検
知ブリッジ650が成形される。
また、上記発熱体608の双方の端部は、図21の下側に記載した端子624および6
29にそれぞれ接続されている。ここで、図20に示すように、端子624にはトランジ
スタ606から発熱体608に供給される電流が加えられ、端子629はグランドとして
接地される。
発熱制御ブリッジ640を構成する抵抗642、抵抗644、抵抗646、抵抗648
は、それぞれ接続されて、端子626と630に接続される。図20に示すように、端子
626には電源回路622から一定電圧V3が供給され、端子630はグランドとして接
地される。また、上記抵抗642と抵抗646との間、抵抗646と抵抗648との間か
の接続点は、端子627と端子628に接続される。図21に記載の如く、端子627は
抵抗642と抵抗646との交点Aの電位を出力し、端子627は抵抗644と抵抗64
8との交点Bの電位を出力する。図20に示すように、端子625には、電源回路622
から一定電圧V2が供給され、端子630はグランド端子として接地グランドされる。ま
た、上記抵抗654と抵抗658との接続点は端子631に接続され、端子631は図2
0の点Bの電位を出力する。抵抗652と抵抗656との接続点は端子632に接続され
、端子632は図20に示す交点Cの電位を出力する。
図21に示すように、発熱制御ブリッジ640を構成する抵抗642は、発熱体608
の近傍に成形されているので、発熱体608からの発熱で暖められた気体の温度を精度良
く計測することができる。一方、発熱制御ブリッジ640を構成する抵抗644、646
、648は、発熱体608から離れて配置されているので、発熱体608からの発熱の影
響を受け難い構成に成っている。抵抗642は発熱体608で暖められた気体の温度に敏
感に反応するように構成されており、抵抗644や抵抗646、抵抗648は発熱体60
8の影響を受けにくい構成となっている。このため、発熱制御ブリッジ640による被計
測気体30の検出精度が高く、被計測気体30をその初期温度に対して所定温度だけ高め
る制御を高精度で行うことができる。
この実施例では、ダイヤフラム672の裏面側に空隙が形成されており、この空隙が図
14や図5に記載の開口438に連通しており、ダイヤフラム672の裏面側空隙の圧力
とダイヤフラム672の表側の圧力との差が大きくならないようにしている。この圧力差
によるダイヤフラム672の歪を抑制できる。このことは流量計測精度の向上に繋がる。
上述したようにダイヤフラム672は薄厚領域603を成形し、薄厚領域603を含む
部分の厚さを非常に薄くしており、ダイヤフラム672を介しての熱伝導を極力抑制して
いる。従って流量検知ブリッジ650や発熱制御ブリッジ640は、ダイヤフラム672
を介しての熱伝導の影響が抑制され、被計測気体30の温度に依存して動作する傾向がよ
り強まり、計測動作が改善される。このため高い計測精度が得られる。
本発明は、上述した気体の流量を計測するための計測装置に適用できる。
300 熱式流量計
302 ハウジング
303 表カバー
304 裏カバー
305 外部接続部
306 外部端子
307 補正用端子
310 計測部
320 端子接続部
332 表側副通路溝
334 裏側副通路溝
356、358 突起部
359 樹脂部
361 外部端子内端
365 繋ぎ部
372 固定部
400 回路パッケージ
412 接続端子
414 端子
424 突出部
430 計測用流路面
432 固定面
436 熱伝達面露出部
438 開口
452 温度検出部
590 圧入孔
594、596 傾斜部
601 流量検出回路
602 流量検出部
604 処理部
608 発熱体
640 発熱制御ブリッジ
650 流量検知ブリッジ
672 ダイヤフラム

Claims (8)

  1. 主通路を流れる被計測気体を取り込んで流すための副通路と、
    前記副通路を流れる被計測気体との間で熱伝達を行うことにより流量を計測するための流量計測用回路と、
    前記流量計測用回路を封止する第1の樹脂と、を有する回路パッケージと、
    前記回路パッケージを収納するとともに外部機器との接続を行うための外部接続部を有し、前記第1の樹脂とは熱膨張係数が異なる第2の樹脂からなるハウジングと、を備え、
    前記回路パッケージは、少なくとも、
    前記流量計測回路の計測結果を出力するための計測用端子と、
    前記第1の樹脂による封止後に前記流量計測用回路を検査するための検査用端子と、
    を有しており、
    前記計測用端子と前記検査用端子とを前記回路パッケージの異なる辺に設け、
    前記検査用端子は、前記計測用端子より短い形状であることを特徴とする熱式流量計。
  2. 請求項1に記載の熱式流量計において、
    さらに、前記回路パッケージは、前記回路パッケージを前記ハウジングに収容した後に外部からの調整データを読み込むための補正用端子を備えることを特徴とする熱式流量計。
  3. 請求項1に記載の熱式流量計において、
    前記ハウジングは、前記外部接続部と前記副通路を形成するための副通路溝と、を備え、
    前記ハウジングをカバーで覆うことにより、前記副通路溝が前記カバーで覆われて前記副通路が形成される熱式流量計。
  4. 請求項2に記載の熱式流量計において、
    前記外部接続部の外部機器と接続する側の端部と、前記補正用端子の外部機器と接続する側の端部は、形状が異なっている熱式流量計。
  5. 請求項2に記載の熱式流量計において、
    前記計測用端子および前記補正用端子は、屈曲部を有する熱式流量計。
  6. 請求項2に記載の熱式流量計において、
    前記検査用端子は、前記補正用端子より短い形状を成している熱式流量計。
  7. 請求項2に記載の熱式流量計において、
    前記計測用端子と前記外部接続部との電気的な接続部は、前記第2の樹脂で覆われる熱式流量計。
  8. 副通路を流れる被計測気体との間で熱伝達を行うことにより流量を計測するための熱式流量計の製造方法であって、
    前記流量を計測するための流量計測用回路と、前記流量計測用回路の計測結果を出力する計測用端子と、前記計測用端子とは異なる辺に設けられ前記流量計測用回路を検査する検査用端子と、を樹脂で封止する樹脂モールド工程と、
    前記樹脂モールド工程後に前記検査用端子を用いて前記流量計測用回路を検査する検査工程と、
    前記検査工程後に前記検査用端子を切断する切断工程と、を有することを特徴とする熱式流用計の製造方法。
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