JP6775472B2 - 現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材およびその評価方法、ならびに防蟻断熱材用の原料液 - Google Patents

現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材およびその評価方法、ならびに防蟻断熱材用の原料液 Download PDF

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Description

本発明は、防蟻効果を付与したポリウレタンフォームによる現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材およびその評価方法、ならびに防蟻断熱材用の原料液に関する。
家屋の断熱等に使用する断熱材に防虫効果を付与する方法として、以下の特許文献に記載の技術が知られている。
特許文献1には、融点が35℃〜150℃の防虫剤を、発泡原料液の少なくとも一方の原料液に混入して加熱融解し、その後冷却して防虫剤を再結晶化させて結晶状態で分散させてなる防虫剤含有原料液を、他方の発泡原料液と混合して発泡成形を行う方法が開示されている。
上記方法によれば、防虫剤の溶剤(トルエンなど)を用いる事なく、発泡体中に均一に防虫剤を分散できるとしている。
その他、特許文献2には、合成樹脂製フォーム中に、ペルメトリンと共力剤と忌避剤とを含有してなる防虫断熱材であって、該合成樹脂製フォーム中に含まれるペルメトリン濃度を0.1〜3重量%とする点が開示されている。
特許第4156752号公報 特許第5334539号公報
これらの従来技術を踏まえて、本発明では、以下に記載する解決課題のうち、少なくとも何れか1つの課題を解決することを目的とする。
(1)更に防蟻性能の高い防蟻断熱材を提供すること。
(2)環境や人体に優しい防蟻性を、長期間にわたって維持すること。
(3)防蟻剤の添加に際し、ウレタン反応が阻害されず、発泡体の収縮もなく、断熱性能にも影響を及ぼさないこと。
(4)製造工程を極力省力化すること。
(5)断熱材が経年変化した際に、防蟻効果がどのように変化したかを推定可能とすること。
上記の課題を解決すべくなされた本願の第1発明は、第1液および第2液の混合による発泡体からなる、現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材であって、前記第1液は、イソシアネート成分液であり、前記第2液は、ポリオール成分液と、前記ポリオール成分液に使用可能な難燃剤を溶剤とするペルメトリン溶液と、ホウ酸塩水溶液と、の混合液であることを特徴とするものである。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、発泡剤が、水であることを特徴とする。
また、本願の第3発明は、前記第1発明において、発泡剤が、ハイドロフルオロオレフィンであることを特徴とする。
また、本願の第4発明は、現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材の評価方法であって、前記第1発明乃至第3発明のうち何れかの防蟻断熱材からなる試験体を、室内温度を81℃に設定した試験室で所定時間エージングを行い、前記試験体中のペルメトリンの残存量に応じて防蟻効果の性能を推定することを特徴とする。
また、本願の第5発明は、イソシアネート成分液を含む第1液と混合して現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材を生成するための、原料液であって、ポリオール成分液と、ペルメトリン溶液と、ホウ酸塩水溶液の混合液であり、前記ペルメトリン溶液の溶剤が、ハロゲン化リン酸エステルまたはリン酸エステルからなる難燃剤であることを特徴とする。
本発明によれば、以下に記載する効果のうち少なくとも何れか1つの効果を奏する。
(1)防蟻効果を有する2種類の成分(ペルメトリン、ホウ酸塩)を添加することで、ポリウレタンフォームからなる断熱材に高い防蟻性能を付与することができる。より詳細には、ペルメトリンが即効性の防蟻剤として作用しつつ、ホウ酸塩が遅効性の防蟻剤として作用するため、防蟻効果を長く発揮させることができる。
(2)ペルメトリンおよびホウ酸塩はVOC物質や毒劇物ではないため、ウレタン樹脂内に存在していても、人体・環境への影響が無い。
(3)ポリール成分液使用可能なハロゲン化リン酸エステルまたはリン酸エステルからなる難燃剤を溶剤とするペルメトリン溶液を用いることにより、ウレタン反応の阻害、発泡体の収縮、断熱性能の低下などの悪影響を回避できる。
(4)各液体を混合する作業のみで第2液を製造できるため、製造工程が簡便である。
(5)加速劣化試験後のペルメトリンの残存量から経年変化後の防蟻効果を簡単に推定する事ができる。

本発明に係る水発泡での発泡体の各サンプルの組成を示す表。 図1に係る各サンプルの死虫率を示す表。 水発泡による発泡体について加速劣化試験後の各サンプルの死虫率を示す表。 図1に係る比較例とケース6との物性を示す比較表。 本発明に係るHFO発泡での発泡体の組成を示す表。 図5に係る各サンプルの死虫率を示す表。 図5に係る比較例とケース13との物性を示す比較表。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
<1>概要
本発明に係る防蟻断熱材は、木造の戸建て住宅やRC建築物などの断熱材として使用する現場吹き付け型の硬質ウレタンフォームなどからなる。
そして、本発明に係る防蟻断熱材は、環境や人体への安全性が高い無毒性の防蟻剤として白蟻忌避活性に優れたペルメトリンおよびホウ酸塩の併用を特徴の1つとする。
そしてこの防蟻剤を、ポリウレタンフォームの原料液全体に対して最適な配合量とすることで、ポリウレタン本来の性能と、優れた防蟻効果とを兼備する防蟻性断熱材が得られることを見出した。
また、この知見の下でさらに検討を進めた結果、本発明者は、生成したウレタンフォームを一定のエージング条件にて保管し、一定時間経過後のウレタンフォーム中の防蟻剤各成分を化学分析する事によって、エージング条件での経過時間から経年変化後の防蟻効果を推定できる事を見出した。
そして、これらの検討途上で、これら防蟻成分は、第1液側のイソシアネート成分液ではなく、第2液側のポリオール成分液に添加しておくことで、ウレタン反応の阻害を最小に抑えるか皆無とすることができるとともに、現場発泡可能なポリウレタン製造設備にて施工可能で、得られる発泡体の性能も防蟻剤を混合しない発泡体の性能とほぼ同等であることを見出すことができた。
以下、これらの特徴の詳細について説明する。
<2>第1液
第1液は、イソシアネート成分を含む原料液である。
第1液には公知のイソシアネート成分液を用いることができるため、詳細な説明は省略する。
<3>第2液
第2液は、ポリオール成分を含む原料液である。
第2液には、公知のポリオール成分液に対し、環境や人体への安全性が高い無毒性の防蟻剤である、ペルメトリンおよびホウ酸塩を含む。
<3.1>ペルメトリン
ペルメトリンは、ピレスロイド系殺虫剤の一種であり、分子式C21H20Cl2O3で表される化合物である。
ペルメトリンは、人畜に対する毒性は低く(ただしネコと魚類に対しては毒性が高い)、昆虫やダニに対して広く効果を示すため、衛生害虫駆除、防虫、農薬、動物薬および医薬などの用途に広く用いられている。
<3.1.1>ペルメトリン溶液
ペルメトリンは、融点(34℃)以上に加熱しつつ溶剤を用いて溶液化(ペルメトリン溶液)しておく。
本発明では、ペルメトリン溶液として、PEL−10:ペルメトリン(3−フェノキシベンジル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロロプロパンカルボキシラート)10%、メタノール3%、難燃剤他87%を用いている。
なお、ペルメトリンを溶解するための溶剤には、ポリオール成分液に使用可能な難燃剤を用いるとより好適と考えられる。
これは、ポリオール成分液に使用可能な難燃剤であれば、防蟻剤の添加前と添加後との間において発泡体の物性に関して悪影響を与えにくいためである。
よって、ペルメトリンを溶解するための溶剤として用いる難燃剤は、実際にポリオール成分液に使用している難燃剤としてもよいし、実際には使用していないもののポリオール成分液としての使用に支障がない難燃剤の何れであってもよい。
ポリウレタンフォームの製造に係るポリオール成分液として使用可能な公知の難燃剤にはハロゲン化リン酸エステル、リン酸エステルなどがあり、ハロゲン化リン酸エステルには、TCPP(トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート)などが含まれる。
<3.2>ホウ酸塩
ホウ酸塩は、ホウ酸((B(OH)3))の塩、もしくはホウ酸が脱水縮合したメタホウ酸やポリホウ酸などの塩を含む総称で表される化合物である。
<3.2.1>ホウ酸塩水溶液
ホウ酸塩は、水で溶解して水溶液とすることで安定状態を維持することができる。
本発明では、ホウ酸塩に、木材防腐剤として使用される分子式Na2B8O13・4H2O(八ホウ酸二ナトリウム四水和物)を用いている。
<3.3>製造例
第2液は、公知のポリオール成分液に対し、所定量のペルメトリン溶液およびホウ酸塩塩水溶液を混合・撹拌することによって製造することができる。
例えば、水を発泡剤として発泡体を形成する場合には、ポリオール成分液にペルメトリン溶液およびホウ酸塩塩水溶液を添加し攪拌機等を用いて混合・撹拌することで、第2液を吹き付け現場で現場生産することができる。
一方、HFOを発泡剤とする場合には、現場での混合・撹拌だと泡立ちが発生しやすいため、予め工場生産しておくことが好ましい。
<4>発泡体(表1)
前記した第1液および第2液を、発泡機およびスプレーガンからなるスプレー装置で混合・吹付を行って発泡体を形成する。
発泡体の成形条件の一例を表1に示す。
Figure 0006775472
<5>実験例1(水発泡)
水を主たる発泡剤として用いた場合の防蟻断熱材について、第2液の組成を変えて、ペルメトリン濃度およびホウ酸塩濃度を変えた水発泡体のサンプルを用意して各試験を行った。
<5.1>殺虫試験
<5.1.1>水発泡体の組成(図1)
図1に、殺虫試験に供する水発泡体を構成する第1液(イソシアネート成分液)および第2液(ポリオール成分液)の基本組成を示す。
本組成に係る水発泡体は、ペルメトリン、ホウ酸塩ともに未添加の状態であり、後述する図2において比較例として用いる。
<5.1.2>試験手順
各サンプルに対する殺虫試験方法の概要は、以下の通りである。
まず、直径9cmに切ったサンプルを、樹脂シャーレに敷き込み、水5ccを試験体に含ませ1日静置した後、余剰な水を吸水紙で除去し、この容器に飼料としての濾紙を置き、供試虫(イエシロアリ職蟻)を10個体放った。
これを、飽和食塩水を入れた樹脂シャーレと共に食品保存用密閉容器(約18×25×4cm、容量1.8L)に並べ、25℃の高温期内に静置した。
観察は、1日後、3日後、7日後、14日後、21日後の5回、目視で行い、生死の判断が難しい場合は面相筆で軽く触れて刺激を与え、正常に歩行して逃げる個体を生存、生きているが正常に歩行できない個体や仰転した個体をノックダウンとした。その他、試験期間中3〜4日おきに状態を観察し、濾紙の乾燥が認められた場合、適時水を滴かした。
<5.1.3>試験結果(死虫率)(図2)
図2に、図1に係る各サンプルの死虫率の推移を示す。
本実施例では、図1に示す組成のポリオール成分液に対し、ペルメトリン溶液として、PEL−10:ペルメトリン(3−フェノキシベンジル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロロプロパンカルボキシラート)10%、メタノール3%、難燃剤他87%を用いており、ホウ酸塩水溶液として、LEN75B:八ホウ酸二ナトリウム水和物7.5%水溶液を用いている。
比較例は、ペルメトリン、ホウ酸塩ともに未添加の状態である。
比較例とケース2とを比較すると、ペルメトリンの有無によって、1日後から死虫率の大きな増加があり、ペルメトリンに即効性が認められる。また、いずれも検体の重量減少は微小であり断熱材への食害は小さい事が認められる。
比較例とケース1,3とを比較すると、ホウ酸塩の有無によって、特に14日後から死虫率の大きな増加があり、ホウ酸塩に遅効性が認められる。
比較例とケース4とを比較すると、ペルメトリンとホウ酸塩との併用によって、死虫効果に即効性と遅効性の両方が発揮されていることが認められる。
ケース4とケース5とを比較すると、両ケースともペルメトリンとホウ酸塩とを併用している場合においてより添加量の多いケースで死虫率の増加が認められる結果となった。
また、何れのケースも発泡体としての性能に悪影響を及ぼすことはなかった。
よって、少なくとも、各液の混合発泡により得られる発泡体において、ペルメトリンとホウ酸塩の各濃度は何れも0.025重量%以上であるとより好適な防蟻効果を得ることができることが判明した。
なお、発泡体の断熱材としての特性に悪影響が無い範囲において、ペルメトリンとホウ酸塩の各濃度の上限は、0.5〜1.0重量%程度と思われる。
<5.2>耐久性試験(図3)
次に、加速劣化試験を用いた耐久性試験について説明する。
<5.2.1>試験手順
図1と同様、本試験に用いる第2液は、ペルメトリン溶液として、PEL−10:ペルメトリン(3−フェノキシベンジル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロロプロパンカルボキシラート)10%、メタノール3%、難燃剤他87%を用いており、ホウ酸塩水溶液として、LEN75B:八ホウ酸二ナトリウム水和物7.5%水溶液を用いている。
そして、各サンプルに対し、81℃に設定した恒温室でのエージング時間を変えた加速劣化試験を行い、エージング時間経過後の各サンプルに対して成分分析および殺虫試験を行い、ペルメトリンおよびホウ酸の残存量の測定と、死虫率の測定を行った。
ケース7は、エージング時間を184時間として、25℃の環境下で12年分に相当する加速劣化を行ったものである。
同様に、ケース8ではエージング時間を328時間(20年分の加速劣化)、ケース9ではエージング時間を480時間(30年分の加速劣化)とした。
<5.2.2>試験結果
図3に示すように、エージング時間が長くなるにつれ、ペルメトリンの残存量の低下割合と、21日後の死虫率の低下割合はほぼ近似する結果となった。
なお、ホウ酸(B)の残存量は、ケース7の段階で既に32%まで低下し、その後ケース8,9においては20%で留まっているため、21日後の死虫率の低下割合と近似する結果には至らなかった。これらはいずれも検体の重量減少は殆どなく断熱材への食害は認められなかった。
よって、少なくとも、本発明に係る防蟻断熱材において、長期間経過後の防蟻効果の有無の評価を行うにあたっては、上記加速劣化試験実施後のペルメトリンの残存量でもって防蟻効果を推定することができることが判明した。
<5.3>物性値比較(図4)
図4に、図1に係る比較例とケース6の物性を示す比較表を示す。
図4に示すように、ケース6の場合であっても、密度、熱伝導率、および燃焼性に悪影響は生じなかった。
<6>実験例2(HFO発泡)
次に、HFOを主たる発泡剤として用いた場合の防蟻断熱材について、第2液の組成を変えたサンプルを用意して各試験を行った。
<6.1>殺虫試験
まず、HFO発泡体の組成を変えたサンプルを複数用意して行った殺虫試験について説明する。
<6.1.1>HFO発泡体の組成(図5)
図1に、水発泡体を構成する第1液(イソシアネート成分液)および第2液(ポリオール成分液)の基本組成を示す。
本組成に係るHFO発泡体は、ペルメトリン、ホウ酸塩ともに未添加の状態であり、後述する図6において比較例として用いる。
<6.1.2>殺虫試験方法
殺虫試験方法の手順は、前記した実験例1と同様であり、説明を省略する。
<6.1.3>試験結果(死虫率(図6))
図6に、図5に係る各サンプルの死虫率の推移を示す。
図6に示すように、本実施例では、図5に示す組成のポリオール成分液に対し、ペルメトリン溶液として、PEL−10:ペルメトリン(3−フェノキシベンジル=3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロロプロパンカルボキシラート)10%、メタノール3%、難燃剤他87%を用いており、ホウ酸塩水溶液として、LEN75B:八ホウ酸二ナトリウム水和物7.5%水溶液を用いている。
なお、ホウ酸塩水溶液での水の割合を大きくすることは、HFOによる発泡に支障が生じうることから留意が必要である。
比較例は、ペルメトリン、ホウ酸塩ともに未添加の状態である。
比較例とケース10〜12とを比較すると、ペルメトリン濃度の上昇にしたがって7日後までの死虫率に大きな変化は認められないが、14日後から、死虫+ノックダウン率において、効果が認められる。
ケース12とケース13とを比較すると、ホウ酸塩の有無によって、特に14日後から死虫率の大きな増加があり、ホウ酸塩に遅効性が認められる。
ケース14を参照すると、ペルメトリン濃度が0.5重量%まで上昇すると、セル収縮に僅かに粗さが確認できる状況となるものの、3日後から死虫率の上昇が見られ、21日後まで死虫効果が継続していることが認められる。
よって、ケース15において、さらにホウ酸塩との併用を行えば、14日後移行の死虫率の増加がより期待できるものと思われる。
また、これらはいずれも検体の重量減少は小さく断熱材への食害は殆ど認められなかった。
なお、図6には示さなかったが、ペルメトリン濃度1.0重量%超ではフォームセル粗く、収縮も大きい結果となり、断熱材として不適であった。
よって、本実施例にかかるHFO発泡体においては、ペルメトリン濃度は、0.3重量%以上1.0重量%未満、ホウ酸塩濃度は0.05重量%以上であれば、より好適な防蟻効果を得られるものと思われる。
なお、発泡体の断熱材としての特性に悪影響が無い範囲において、ホウ酸塩濃度の上限は、0.5〜1.0重量%程度と思われる。
<6.2>物性値比較(図7)
図7に、図6に係る比較例とケース13の物性を示す比較表を示す。
図7に示すように、ケース13の場合であっても、密度、熱伝導率、接着強さ、圧縮強さ、透湿性および燃焼性に悪影響は生じなかった。
<7>まとめ
このように、本発明に係る防蟻断熱材によれば、防蟻効果を有する2種類の成分(ペルメトリン、ホウ酸塩)を併用することで、ポリウレタンフォームからなる断熱材に高い防蟻性能を付与することができる。
<8>その他
なお、本発明に係る防蟻断熱材の製造方法は、機械攪拌成型、高圧注入機成型、低圧注入機成型、エアゾールタイプ成型などでもよく、これらの方法で製作した発泡体でも前記した実施例と同様の結果が得られるものと思われる。
また、各発泡体を作成するにあたり、代表的組成、各成分において、類似する製品を使用しても良い点は言うまでも無い。
また、今回の発明で殺虫性能に関してはイエシロアリの性能を試験したがヤマトシロアリやクロアリ等の蟻のみならず、ゴキブリやダニに関しても類似する性能が得られるものと思われる。

Claims (5)

  1. 第1液および第2液の混合による発泡体からなる、現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材であって、
    前記第1液は、イソシアネート成分液であり、
    前記第2液は、ポリオール成分液と、ペルメトリン溶液と、ホウ酸塩水溶液と、の混合液であり、
    前記ペルメトリン溶液の溶剤が、ハロゲン化リン酸エステルまたはリン酸エステルからなる難燃剤であることを特徴とする、
    現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材。
  2. 発泡剤が、水であることを特徴とする、
    請求項1に記載の現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材。
  3. 発泡剤が、ハイドロフルオロオレフィンであることを特徴とする、
    請求項に記載の現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材。
  4. 現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材の評価方法であって、
    請求項1乃至3のうち何れかの防蟻断熱材からなる試験体を、室内温度を81℃に設定した試験室で所定時間エージングを行い、
    前記試験体中のペルメトリンの残存量に応じて防蟻効果の性能を推定することを特徴とする、
    現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材の評価方法。
  5. イソシアネート成分液を含む第1液と混合して現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材を生成するための、原料液であって、
    ポリオール成分液と、ペルメトリン溶液と、ホウ酸塩水溶液の混合液であり、
    前記ペルメトリン溶液の溶剤が、ハロゲン化リン酸エステルまたはリン酸エステルからなる難燃剤であることを特徴とする、現場発泡ウレタン式の防蟻断熱材用の原料液。
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