JP6772680B2 - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 - Google Patents
エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6772680B2 JP6772680B2 JP2016171060A JP2016171060A JP6772680B2 JP 6772680 B2 JP6772680 B2 JP 6772680B2 JP 2016171060 A JP2016171060 A JP 2016171060A JP 2016171060 A JP2016171060 A JP 2016171060A JP 6772680 B2 JP6772680 B2 JP 6772680B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxy resin
- resin composition
- weight
- curing agent
- epoxy
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Epoxy Resins (AREA)
Description
即ち、電気・電子材料用途においては、エポキシ樹脂を溶剤に溶解させてワニスとして使用する場合があるが、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂は、剛直なテトラメチルビフェニル骨格故に溶剤溶解性に劣る。また、近年要求されている低塩素化の面でも、加水分解性塩素量が十分なレベルとは言えない。
また、本発明の課題は、該エポキシ樹脂組成物からなる電気・電子部品を提供することにある。
本発明のテトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂は、従来存在せず、このエポキシ樹脂が溶剤溶解性に優れること、また、耐熱性に優れた硬化物を与えることは本発明者が見出した知見である。
即ち本発明の要旨は、次の[1]〜[8]に存する。
[2] 加水分解性塩素の含有量が90ppm以下である[1]に記載のエポキシ樹脂。
[3] 150℃における溶融粘度が3.0Pa・s以下である[1]又は[2]に記載のエポキシ樹脂。
[4] [1]から[3]のいずれかに記載のエポキシ樹脂100重量部に対し、硬化剤を0.1〜1000重量部含むエポキシ樹脂組成物。
[5] 前記硬化剤がフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤及びアミド系硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である[4]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[6] [1]から[3]のいずれかに記載のエポキシ樹脂とは異なるエポキシ樹脂を更に含む[4]または[5]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[7] [4]から[6]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
[8] [4]から[6]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる電気・電子部品。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記の効果を有するため、半導体封止材、積層板等の電気・電子部品に特に有効に適用することができる。
本発明のエポキシ樹脂は、下記式(1)で表されるテトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂であり、溶剤溶解性に優れ、加水分解性塩素量が少なく、さらには適度な溶融粘度を有するものである。
極性溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン等のケトン類や、メタノール、エタノール等のアルコール類等が挙げられる。
また、本発明のエポキシ樹脂は、加水分解性塩素量が少ないため、硬化物としたときの遊離塩素が低減されることから、電気・電子機器の配線腐食が防止され、絶縁不良等のトラブルを防ぐことができる。
加えて、本発明のエポキシ樹脂は、適度な溶融粘度を有するため、取り扱い性にも優れたものとなる。
また、エポキシ樹脂(1)を示す前記式(1)におけるnは、0〜10の整数であり、エポキシ樹脂(1)は、n=0〜10の範囲でnの異なる複数の化合物の混合物として提供される。
エポキシ樹脂(1)は優れた溶剤溶解性を得る観点から、Mwが370〜6080であり、溶融粘度を良好な値とする観点から、370〜2675であることが好ましく、より一層溶剤溶解性を優れたものとする観点から、445〜2675であることがより好ましい。また、加水分解性塩素の含有量が低くなり電気特性に優れる観点から、Mwは615〜2675であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂(1)は優れた溶剤溶解性を得る観点から、Mnが270〜460であり、溶融粘度を良好な値とする観点から、270〜411であることが好ましく、より一層溶剤溶解性を優れたものとする観点から、281〜411であることがより好ましい。また、加水分解性塩素の含有量が低くなり電気特性に優れる観点から、Mnは304〜411であることが特に好ましい。
Mw=Σ(Mi2・Ni)/Σ(Mi・Ni)
Mn=Σ(Mi・Ni)/Σ(Ni)
Mは分子量、Nは分子の数を表し、Mwは分子量を重みとして用いた加重平均、Mnは単純な算術平均である。一般的に、低分子のエポキシ樹脂は合成時にモノマー成分がメインとなりMwとMnの値には大きな差が出にくいが、オリゴマー成分の多いエポキシ樹脂はMwとMnの差が大きくなる。
エポキシ樹脂(1)は優れた溶剤溶解性を得る観点から、Mwが370〜6080、Mnが270〜460であり、溶融粘度を良好なものとする観点から、Mwが370〜2675、Mnが270〜411であることが好ましく、より一層溶剤溶解性を優れたものとする観点から、Mwが445〜2675、Mnが281〜411であることがより好ましい。また、加水分解性塩素の含有量が低くなり電気特性に優れる観点から、Mwが615〜2675、Mnが304〜411であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂(1)は優れた溶剤溶解性を得る観点から、エポキシ当量が195〜275g/当量であることが好ましく、溶融粘度を良好な値とする観点から、195〜255g/当量であることがより好ましく、より一層溶剤溶解性を優れたものとする観点から、200〜255g/当量であることがさらに好ましい。また、加水分解性塩素の含有量が低くなり電気特性に優れる観点から、エポキシ当量は209〜255g/当量であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂(1)は優れた溶剤溶解性を得る観点から、エポキシ当量が195〜275g/当量で、Mnが270〜460であることが好ましく、溶融粘度を良好なものとする観点から、エポキシ当量が195〜255g/当量、Mnが270〜411であることがより好ましく、より一層溶剤溶解性を優れたものとする観点から、エポキシ当量が200〜255g/当量で、Mnが281〜411であることがさらに好ましい。また加水分解性塩素の含有量が低くなり電気特性に優れる観点から、エポキシ当量が209〜255g/当量で、Mnが304〜411であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂(1)は優れた溶剤溶解性を得る観点から、エポキシ当量が195〜275g/当量で、Mwが370〜6080であることが好ましく、溶融粘度を良好なものとする観点から、エポキシ当量が195〜255g/当量、Mwが370〜2675であることがより好ましく、より一層溶剤溶解性を優れたものとする観点から、エポキシ当量が200〜255g/当量で、Mwが445〜2675であることがさらに好ましい。また、加水分解性塩素の含有量が低くなり電気特性に優れる観点から、エポキシ当量が209〜255g/当量で、Mwが615〜2675であることが特に好ましい。
エポキシ樹脂(1)は優れた溶剤溶解性を得る観点から、エポキシ当量が195〜275g/当量で、Mwが370〜6080、Mnが270〜460であることが好ましく、溶融粘度を良好なものとする観点から、エポキシ当量が195〜255g/当量、Mwが370〜2675、Mnが270〜411であることがより好ましく、より一層溶剤溶解性を優れたものとする観点から、エポキシ当量が200〜255g/当量で、Mwが445〜2675、Mnが281〜411であることがさらに好ましい。また、加水分解性塩素の含有量が低くなり電気特性に優れる観点から、エポキシ当量が209〜255g/当量で、Mwが615〜2675、Mnが304〜411であることが特に好ましい。
また、経時でサンプリングを行いGPCで分析する方法により、各数値を確認し所望の樹脂を得ることができる。
エポキシ樹脂(1)は、加水分解性塩素の含有量(以下、「加水分解性塩素量」と称す場合がある。)が300ppm以下である。加水分解性塩素量が300ppm以下であれば、溶剤溶解性が良好となる。特に、極性溶剤への溶解性が良好となる。
なお、この加水分解性塩素量における「ppm」とは重量ppmを意味する。
エポキシ樹脂(1)は、取り扱い性の観点から、150℃の溶融粘度が3.0Pa・s以下であることが好ましく、より取り扱い性を良好なものとする観点から、この溶融粘度は、0.001Pa・s以上であり、1.4Pa・s以下であることがより好ましい。
Mw、Mn、及び加水分解性塩素量が前述の範囲であり、更に、前述の好ましいエポキシ当量及び溶融粘度を満たす本発明のエポキシ樹脂(1)は、常法に従って、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂(以下、「粗エポキシ樹脂」と称す場合がある。)を製造した後、これを強アルカリと反応させて精製することにより製造することができる。
粗エポキシ樹脂の製造方法については特に制限はないが、例えば、以下に説明する一段法による製造方法等が挙げられる。
一段法による製造方法では、下記式で表される4,4’−ビスヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル(以下「テトラメチルビフェノール(2)」と称す場合がある。)と、エピクロルヒドリンとを反応させることにより、粗エポキシ樹脂を製造する。
なお、本発明における「多価ヒドロキシ化合物」とは2価以上のフェノール化合物及び2価以上のアルコールの総称である。
に好ましい。ここで用いられるアルカリ金属水酸化物としては通常、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが挙げられる。
本発明においては、上記のようにして製造された粗エポキシ樹脂を強アルカリと反応させて精製することにより、溶剤溶解性を改良し、また、加水分解性塩素量を低減する。
また、この強アルカリとの反応で、Mw及びMn、更にはエポキシ当量を本発明で規定する好適範囲に調整することができる。
間は好ましくは0.1〜15時間、より好ましくは0.3〜12時間である。
本発明のエポキシ樹脂は、エピクロルヒドリンを用いてエポキシ化し、前記処理をすることにより製造することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくとも前述した本発明のエポキシ樹脂(1)と硬化剤を含む。また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、本発明のエポキシ樹脂(1)以外の他のエポキシ樹脂(以下、単に「他のエポキシ樹脂」と称す場合がある。)、硬化促進剤、無機充填剤、カップリング剤等を適宜配合することができる。
本発明において硬化剤とは、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質を示す。なお、本発明においては通常、「硬化促進剤」と呼ばれるものであってもエポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質であれば、硬化剤とみなすこととする。
このうち、フェノール系硬化剤を含むことにより、本発明のエポキシ樹脂組成物は、優れた耐熱性、耐応力性、耐吸湿性、難燃性等を得ることができるため、硬化剤としてはフェノール系硬化剤を含むことが好ましい。また、耐熱性等の観点からは、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤を含むことが好ましい。また、イミダゾール類を用いることも、硬化反応を十分に進行させ、耐熱性を向上させる観点から好ましい。
フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、チオジフェノール類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、トリスフェノールメタン型樹脂、ナフトールノボラック樹脂、臭素化ビスフェノールA、臭素化フェノールノボラック樹脂等の種々の多価フェノール類や、種々のフェノール類とベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、キシレン樹脂とフェノール類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、重質油又はピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジメトキサイド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジハライド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジメトキサイドビフェニル重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジハライドビフェニル重縮合物等の各種のフェノール樹脂類等が挙げられる。
これらのフェノール系硬化剤は、1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
アミン系硬化剤(ただし、第3級アミンを除く。)の例としては、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられる。
るために好ましい。
酸無水物系硬化剤としては、酸無水物、酸無水物の変性物等が挙げられる。
アミド系硬化剤としてはジシアンジアミド及びその誘導体、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
アミド系硬化剤は1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
アミド系硬化剤を用いる場合、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分とアミド系硬化剤との合計に対してアミド系硬化剤が0.1〜20重量%となるように用いることが好ましい。
イミダゾール類としては、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4(5)−メチル
イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及びエポキシ樹脂と上記イミダゾール類との付加体等が例示される。なお、イミダゾール類は触媒能を有するため、一般的には硬化促進剤にも分類されうるが、本発明においては硬化剤として分類するものとする。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては前記硬化剤以外にその他の硬化剤を用いることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物に使用することのできるその他の硬化剤は特に制限はなく、一般的にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものはすべて使用できる。
これらの他の硬化剤は1種のみで用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂(1)以外に、更に他のエポキシ樹脂を含むことができる。他のエポキシ樹脂を含むことにより、本発明のエポキシ樹脂組成物の耐熱性、耐応力性、耐吸湿性、難燃性等を向上させることができる。
これらは1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤を含むことが好ましい。硬化促進剤を含むことにより、硬化時間の短縮、硬化温度の低温化が可能となり、所望の硬化物を得やすくすることができる。
以上、更に好ましくは1重量部以上であり、一方、より好ましくは15重量部以下、更に好ましくは10重量部以下である。硬化促進剤の含有量が上記下限値以上であると、良好な硬化促進効果を得ることができ、一方、上記上限値以下であると、所望の硬化物性が得られやすいために好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には無機充填材を配合することができる。無機充填材としては例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、ガラス粉、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、チッ化ホウ素等が挙げられる。これらは、1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。これらの中でも半導体封止の用途に用いる場合には、破砕型及び/又は球状の、溶融及び/又は結晶性シリカ粉末充填材が好ましい。
ましくは2〜30μmである。平均粒子径が上記下限値以上であると溶融粘度が高くなり過ぎず、流動性が低下しにくいために好ましく、また、平均粒子径が上記上限値以下であると成形時に金型の狭い隙間に充填材が目詰まりしにくく、材料の充填性が向上しやすくなるために好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には離型剤を配合することができる。離型剤としては例えば、カルナバワックス等の天然ワックスや、ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸類及びその金属塩類、パラフィン等の炭化水素系離型剤を用いることができる。これらは、1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、カップリング剤を配合することが好ましい。カップリング剤は無機充填材と併用することが好ましく、カップリング剤を配合することにより、マトリックスであるエポキシ樹脂と無機充填材との接着性を向上させることができる。カップリング剤としてはシランカップリング剤、チタネートカップリング剤等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、前記した以外の成分(本発明において、「その他の成分」と称することがある。)を配合することができる。その他の成分としては例えば、難燃剤、可塑剤、反応性希釈剤、顔料等が挙げられ、必要に応じて適宜に配合することができる。ただし、本発明のエポキシ樹脂組成物は上記で挙げた成分以外のものを配合することを何ら妨げるものではない。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させることにより、本発明の硬化物を得ることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる本発明の硬化物は、耐熱性、耐吸湿性、特に耐熱性において優れた特性を有するものである。
ましい。一方、反応時間が上記上限値以下であると加熱による劣化、加熱時のエネルギーロスを低減しやすいために好ましい。
ここで、ガラス転移温度(Tg)は、後述の実施例の項に記載される方法で測定される。
本発明のエポキシ樹脂(1)は加水分解性塩素量が少なく、溶剤溶解性に優れ、また本発明のエポキシ樹脂(1)を含む本発明のエポキシ樹脂組成物は、耐熱性等に優れる。従って、本発明のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物は、これらの物性が求められる用途であれば、いかなる用途にも有効に用いることができる。例えば、自動車用電着塗料、船舶・橋梁用重防食塗料、飲料用缶の内面塗装用塗料等の塗料分野や、積層板、半導体封止材、絶縁粉体塗料、コイル含浸用等の電気電子分野、橋梁の耐震補強、コンクリート補強、建築物の床材、水道施設のライニング、排水・透水舗装、車両・航空機用接着剤の土木・建築・接着剤分野等の用途にいずれにも好適に用いることができる。これらの中でも特に半導体封止材・積層板の様な電気・電子用途に有用である。
[製造例1]
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの四口フラスコにテトラメチルビフェノール(2)(三菱化学(株)製)137g、エピクロルヒドリン627g、イソプロピルアルコール244g、水87gを仕込み、65℃に昇温して均一に溶解させた後、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液108gを90分かけて滴下した。滴下終了後、65℃で30分保持し反応を完了させ、3Lの分液ロートに反応液を移し65℃の状態で1時間静置後、分離した油層と水層から水層を抜き出し、副生塩及び過剰の水酸化ナトリウムを除去した。次いで、生成物から減圧下で過剰のエピクロルヒドリンとイソプロピルアルコールを留去して、粗製エポキシ樹脂を得た。
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの四口フラスコにテトラメチルビフェノール(2)(三菱化学(株)製)0.5モル、エピクロルヒドリン4モル、テトラメチルアンモニウムクロリドをテトラメチルビフェノール(2)に対して2重量倍を仕込み、前掲の特許文献1の実施例1と同様の反応条件で反応を行い、同様にエピクロルヒドリンの回収後、トルエン500mlを加え、1Lの水で3回水洗し、その後トルエンを減圧除去してエポキシ当量202g/当量のエポキシ樹脂を得た。
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの四口フラスコに製造例1で得たエポキシ樹脂100g、メチルイソブチルケトン120g、ジメチルスルホキシド30gを仕込み、反応温度を65℃に昇温して均一に溶解させた後、8重量%水酸化カリウム/イソプロパノール溶液を9.7g加え、1時間反応を行った。その後、メチルイソブチルケトン112gを加えた後、水200gを用いて水洗を4回行った。その後、150℃の減圧下でメチルイソブチルケトンを完全に除去してエポキシ樹脂を得た。
8重量%水酸化カリウム/イソプロパノール溶液の添加量を8.7gとし、反応温度を60℃に変更した以外は実施例1と同様の方法でエポキシ樹脂を得た。
8重量%水酸化カリウム/イソプロパノール溶液の添加量を10.7gとし、反応温度を80℃に変更した以外は実施例1と同様の方法でエポキシ樹脂を得た。
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの四口フラスコに製造例1で得たエポキシ樹脂100g、メチルイソブチルケトン80g、ジメチルスルホキシド20gを仕込み、反応温度を65℃に昇温して均一に溶解させた後、8重量%水酸化カリウム/イソプロパノール溶液を2.0g加え、1時間反応を行った。その後、メチルイソブチルケトン162gを加えた後、水200gを用いて水洗を4回行った。その後、150℃の減圧下でメチルイソブチルケトンを完全に除去してエポキシ樹脂を得た。
製造例1で合成したエポキシ樹脂を用いた。
8重量%水酸化カリウム/イソプロパノール溶液の添加量を2.4gに変更した以外は実施例1と同様の方法でエポキシ樹脂を得た。
8重量%水酸化カリウム/イソプロパノール溶液の添加量を15.0gとし、反応温度を80℃に変更した以外は実施例1と同様の方法でエポキシ樹脂を得た。
製造例2で合成したエポキシ樹脂を用いた。
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの四口フラスコに製造例1で得たエポキシ樹脂100g、メチルイソブチルケトン80g、ジメチルスルホキシド20gを仕込み、反応温度を65℃に昇温して均一に溶解させた後、48重量%水酸化ナトリウム水溶液を2.4g加え、1時間反応を行った。その後、メチルイソブチルケトン162gを加えた後、水200gを用いて水洗を4回行った。その後、150℃の減圧下でメチルイソブチルケトンを完全に除去してエポキシ樹脂を得た。
試験溶剤として、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、又はアセトンを用い、それぞれ所定の樹脂濃度(40重量%又は20重量%)となるように、各溶剤にエポキシ樹脂を添加して試験液を調製し、50mlのバイアル瓶に試験液20mlを計量した。その後、加温してエポキシ樹脂を完全に溶解させた後、所定の温度(23℃又は5℃)で保管し、1ヶ月以内に結晶が析出しなかったものを溶剤溶解性優良「○」、結晶が25重量%未満析出したものを溶剤溶解性良「△」、結晶が25重量%以上析出したものを溶剤溶解性不良「×」と評価した。
[実施例5〜7及び比較例6〜8]
表2に示す割合でエポキシ樹脂と硬化剤を配合し、100℃まで加温して均一になるまで撹拌した。その後、80℃まで冷却し、硬化促進剤を表2に示す割合で加えて均一になるまで撹拌してエポキシ樹脂組成物を調製した。なお、表2中、「部」は「重量部」を表す。
硬化剤:フェノ−ルアラルキル樹脂(明和化成社製 商品名 MEH7800(水酸基当量:174g/当量))
硬化促進剤:トリフェニルホスフィン(東京化成工業株式会社製 商品名 トリフェニルホスフィン)
この注型板に、エポキシ樹脂組成物を注型し、120℃で2時間、その後175℃で6時間加熱して硬化させることで硬化物を得た。
硬化物を縦5cm、横1cm、厚さ4mmに切削して試験片を得た。熱機械分析装置(DMS:セイコーインスツルメント社製EXSTAR6100)により、3点曲げモードで以下の測定方法で分析を行い、1HzのE’’のピークトップをTg(E’’)とした。
(測定方法)
1回目昇温:5℃/分、30℃から250℃
表1より、実施例1〜3、比較例9のエポキシ樹脂は、いずれも比較例1〜2及び4〜5のエポキシ樹脂に対し、溶剤溶解性に優れたものであることがわかる。
Claims (7)
- 150℃における溶融粘度が3.0Pa・s以下である請求項1に記載のエポキシ樹脂。
- 請求項1または2に記載のエポキシ樹脂100重量部に対し、硬化剤を0.1〜1000重量部含むエポキシ樹脂組成物。
- 前記硬化剤がフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤及びアミド系硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1または請求項2に記載のエポキシ樹脂とは異なるエポキシ樹脂を更に含む請求項3または請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
- 請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる電気・電子部品。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015173911 | 2015-09-03 | ||
JP2015173911 | 2015-09-03 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017048387A JP2017048387A (ja) | 2017-03-09 |
JP6772680B2 true JP6772680B2 (ja) | 2020-10-21 |
Family
ID=58278925
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016171060A Active JP6772680B2 (ja) | 2015-09-03 | 2016-09-01 | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6772680B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113004496A (zh) | 2015-09-03 | 2021-06-22 | 三菱化学株式会社 | 环氧树脂、环氧树脂组合物、固化物和电气/电子部件 |
JP2019104906A (ja) | 2017-12-12 | 2019-06-27 | 三菱ケミカル株式会社 | エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 |
-
2016
- 2016-09-01 JP JP2016171060A patent/JP6772680B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017048387A (ja) | 2017-03-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10913818B2 (en) | Epoxy resin, epoxy resin composition, cured product and electrical or electronic component | |
JP6607009B2 (ja) | テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び半導体封止材 | |
JP2015000952A (ja) | エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 | |
JP6772680B2 (ja) | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP6379500B2 (ja) | エポキシ化合物、エポキシ化合物含有組成物、硬化物及び半導体封止材 | |
US11299620B2 (en) | Epoxy resin composition, cured product, and electrical or electronic component | |
JP6972943B2 (ja) | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP6740619B2 (ja) | エポキシ樹脂とその製造法、及び該樹脂に基づくエポキシ樹脂組成物 | |
JP5716512B2 (ja) | エポキシ樹脂及びその製造方法 | |
JP2017048388A (ja) | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP6520582B2 (ja) | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP2017149801A (ja) | エポキシ樹脂、該樹脂に基づく硬化性エポキシ樹脂組成物、硬化物、及び電気・電子部品 | |
JP2017155127A (ja) | 硬化性エポキシ樹脂組成物、その硬化物及び電気・電子部品 | |
WO2021187235A1 (ja) | エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP6439612B2 (ja) | エポキシ樹脂、組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP2021147614A (ja) | エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP2021147613A (ja) | エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP5716511B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JP2016125007A (ja) | エポキシ樹脂組成物、硬化物、電気部品及び電子部品 | |
JP2023141768A (ja) | エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物及び電気・電子材料 | |
JP2018095608A (ja) | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP2023026380A (ja) | エポキシ化合物とエポキシ樹脂及びその硬化物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20170517 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190320 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200115 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200128 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200324 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200901 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200914 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6772680 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |