JP6769190B2 - バイアルアダプタ - Google Patents

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Description

本発明はバイアル瓶に装着して使用されるバイアルアダプタに関する。
バイアル瓶に収容された粉末状の薬剤を患者に投与する場合、最初に、バイアル瓶内に溶解液を注入して薬剤を溶解して薬液を得、次いで、当該薬液をバイアル瓶から薬液バッグに移送する、という薬液の調製作業が行われる。
バイアル瓶に収容された薬剤が、例えば抗がん剤のように劇薬に指定された危険な薬剤である場合がある。この場合、薬剤やその薬液もしくはその蒸気(以下、「薬剤等」という)が外界に漏れ出て作業者が被曝するのを防止するために、薬液の調製作業では、薬剤等が外界に漏れ出す可能性が低い「閉鎖系デバイス」が用いられる。
このような閉鎖系デバイスの一例が特許文献1,2に記載されている。特許文献1,2のデバイス(特許文献1,2では「コネクタ」と称されている)は、バイアル瓶、薬液バッグ、及びシリンジがそれぞれ接続される3つのコネクタと、デバイス内の流路を切り替えるコックとを備えている。薬液バッグには、当初は薬剤を溶解するための溶解液が貯蔵されている。コックを操作して流路を適宜切り替え且つシリンジを操作することにより、薬液バッグ内の溶解液をシリンジを介してバイアル瓶に移送し、バイアル瓶内の薬剤を溶解して薬液を得て、次いで、バイアル瓶内の薬液をシリンジを介して薬液バッグに移送することができる。一旦、バイアル瓶、薬液バッグ、及びシリンジをデバイスに接続すれば、その後これらをデバイスから分離することなく、薬液バッグ内に調製された薬液を得ることができるので、薬剤等が外界に漏れ出る可能性は一般に低い。
バイアル瓶の口(開口)は、栓体(ゴム栓)で封止されている。上記デバイスのバイアル瓶に接続されるコネクタは、バイアル瓶の栓体に穿刺される穿刺針(「瓶針」と呼ばれることがある)を備えている。上記デバイスを用いたとしても、栓体に穿刺針を穿刺したとき(即ち、バイアル瓶にデバイスを接続したとき)や、その後、栓体から穿刺針を引き抜くとき(即ち、バイアル瓶からデバイスを分離したとき)、穿刺針が栓体を穿刺した孔から薬剤等が漏れ出る場合がある。
これを防止するために、特許文献3には、バイアル瓶に装着されるバイアルシールドが記載されている。バイアルシールドは、ゴム等の弾性材料からなる薄板状の弁体を備える。弁体がバイアル瓶の栓体の上面に重ねられるように、バイアルシールドはバイアル瓶に装着される。続いて、バイアル瓶に、上記のデバイスが装着される。デバイスの穿刺針は、バイアルシールドの弁体、及びバイアル瓶の栓体を順に穿刺する。穿刺針が栓体を穿刺した孔から薬剤等が仮に漏れ出たとしても、そのような薬剤等は栓体と弁体との間に閉じ込められるので、外界に漏れ出る可能性は低い。
国際公開第2013/161979号パンフレット 国際公開第2015/166993号パンフレット 国際公開第2014/104027号パンフレット 特開2016−054805号公報
バイアル瓶は、口を取り囲む、フランジ状に拡径した拡径部を備える。上記のデバイス及びバイアルシールドはそれぞれ拡径部に係合する爪を備える。デバイス及びバイアルシールドのそれぞれの爪を拡径部に係合させることにより、デバイス及びバイアルシールドがバイアル瓶から意図せずに分離するのが防止される。
バイアル瓶には種々のサイズがあり、例えば拡径部の外径に関しても、φ13、φ15、φ20等の複数の規格が存在している。例えば、φ20のバイアル瓶に適合するように構成された上記デバイス及びバイアルシールドを、これより小径の拡径部を有するバイアル瓶に装着すると、爪を拡径部にしっかりと係合させることができないので、デバイス及びバイアルシールドはがたついてしまう。このため、例えば、穿刺針が栓体に対して傾いたときに穿刺針が栓体を穿刺している孔の内面と穿刺針との間にできた隙間を通じて薬剤等が外界に漏れ出たり、バイアルシールドの弁体が栓体から離間し弁体と栓体との間から薬剤等が外界に漏れ出たり、あるいは、デバイスやバイアルシールドがバイアル瓶から意図せずに分離することによって薬剤等が外界に漏れ出たりする可能性がある。
バイアル瓶のサイズごとにデバイスやバイアルシールド等の機器を準備することは、当該機器の種類数の増加を招き、例えば病院等の医療機関では全種類の機器を在庫として保管しておく必要があるので、管理が煩雑になる。
本発明の目的は、閉鎖系デバイスやバイアルシールド等の機器を、サイズが異なる複数種類のバイアル瓶に装着することを可能にすることにある。
本発明のバイアルアダプタは、瓶本体の口を栓体で封止したバイアル瓶に装着される。前記バイアルアダプタは、前記口を取り囲む拡径部に係合するように構成された爪と、前記拡径部の外周面に当接するように構成された当接部と、基端部と、前記当接部及び前記基端部が互いに離間し且つ対向するように前記当接部及び前記基端部を接続する屈曲部とを備えた弾性片とを備える。前記弾性片は、前記基端部にて片持ち支持されている。前記弾性片の終端部に前記当接部が設けられている。前記当接部は、前記バイアルアダプタの中心軸から離間するように弾性的に変位可能である。前記当接部が前記中心軸から離間するように弾性的に変位するとき、前記屈曲部が前記中心軸から離間するように前記基端部が弾性的に曲げ変形し、且つ、前記当接部が前記基端部に接近するように前記当接部及び前記屈曲部が弾性的に曲げ変形する。
本発明のバイアルアダプタは、中心軸から離間するように弾性的に変位可能な当接部を備える。当接部は、拡径部の外径の違いに応じて適宜弾性変位するので、バイアルアダプタをがたつきなく装着することができることができる拡径部の外径の範囲が比較的広い。このバイアルアダプタに、バイアルアダプタが装着されるバイアル瓶(第1バイアル瓶)の拡径部より大きな外径を有する拡径部を備えたバイアル瓶(第2バイアル瓶)に適合する、閉鎖系デバイスやバイアルシールド等の機器を装着することができるようにバイアルアダプタを構成すれば、バイアルアダプタを介して当該機器を第1バイアル瓶にがたつきなく装着することができる。このように、本発明によれば、閉鎖系デバイスやバイアルシールド等の機器を、当該機器が本来的に適合するバイアル瓶とは異なるサイズのバイアル瓶にも装着することが可能になる。
図1Aは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタの上方から見た斜視図である。 図1Bは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタの下方から見た斜視図である。 図1Cは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタの側面図である。 図1Dは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタの正面図である。 図1Eは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタの平面図である。 図1Fは、中心軸を含む一平面に沿った切断された本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタの上方から見た断面斜視図である。 図1Gは、中心軸を含む一平面に沿った切断された本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタの下方から見た断面斜視図である。 図1Hは、中心軸を含む別の一平面に沿った切断された本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタの上方から見た断面斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタの使用方法を示した分解斜視図である。 図3Aは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタが装着されるバイアル瓶の斜視図である。図3Bは、バイアル瓶の断面図である。 図4は、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタに装着されるバイアルシールドの斜視図である。 図5Aは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタに装着されるバイアルシールドの上方から見た断面斜視図である。図5Bは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタに装着されるバイアルシールドの下方から見た断面斜視図である。 図6は、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタに装着されるデバイスの第2コネクタの断面斜視図である。 図7Aは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタをφ13の拡径部を有するバイアル瓶に装着した状態を示した斜視図である。 図7Bは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタをφ13の拡径部を有するバイアル瓶に装着した状態を示した断面図である。 図7Cは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタをφ13の拡径部を有するバイアル瓶に装着した状態を示した断面斜視図である。 図8Aは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタをφ15の拡径部を有するバイアル瓶に装着した状態を示した斜視図である。 図8Bは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタをφ15の拡径部を有するバイアル瓶に装着した状態を示した断面図である。 図8Cは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタをφ15の拡径部を有するバイアル瓶に装着した状態を示した断面斜視図である。 図9Aは、φ13の拡径部を有するバイアル瓶に、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタ及びバイアルシールドを装着した状態を示した斜視図である。 図9Bは、φ13の拡径部を有するバイアル瓶に、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタ及びバイアルシールドを装着した状態を示した断面図である。 図9Cは、φ13の拡径部を有するバイアル瓶に、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタ及びバイアルシールドを装着した状態を示した別の断面図である。 図10は、φ13の拡径部を有するバイアル瓶に、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタ、バイアルシールド、及び閉鎖系デバイスを装着した状態を示した斜視図である。 図11は、バイアル瓶に装着された本発明の別の実施形態にかかるバイアルアダプタの、弾性片及びその周辺部分を示した拡大断面斜視図である。
本発明の上記のバイアルアダプタが、前記当接部と、基端部と、前記当接部及び前記基端部が互いに離間し且つ対向するように前記当接部及び前記基端部を接続する屈曲部とを備えた弾性片を更に備えていてもよい。前記弾性片は、前記基端部にて片持ち支持されていてもよい。前記弾性片の終端部に前記当接部が設けられていてもよい。この場合、前記当接部が前記中心軸から離間するように弾性的に変位するとき、前記屈曲部が前記中心軸から離間するように前記基端部が弾性的に曲げ変形し、且つ、前記当接部が前記基端部に接近するように前記当接部及び前記屈曲部が弾性的に曲げ変形してもよい。かかる構成によれば、当接部は、弾性変形可能な、比較的長い領域を有する弾性片の終端部に設けられる。これは、当接部を中心軸から離間するように変位させることに関する弾性片の剛性を低下させるのに有利である。従って、バイアル瓶にバイアルアダプタを装着するときに必要な力を小さくすることができる。
前記爪の先端は、前記バイアルアダプタの中心軸から離間するように弾性的に変位可能であってもよい。かかる構成によれば、爪がネック部の外径の違いに応じて適宜弾性変位するので、ネック部の外径が異なる複数種類のバイアル瓶に対してバイアルアダプタを位置決めすることができる。
前記爪の前記先端は、前記中心軸から離間するように変位すると、同時に下方にも変位してもよい。かかる構成によれば、拡径部の寸法の違いに関わらず、栓体の上面に対するバイアルアダプタの上下方向の相対位置がほとんど変わることなく、バイアルアダプタをバイアル瓶に装着することができる。従って、バイアルシールドをバイアルアダプタを介してバイアル瓶に装着した場合には、栓体の上面に対する弁体の密着性を確保することができ、また、デバイスをバイアルアダプタを介してバイアル瓶に装着した場合には、穿刺針を栓体に所望する深さで穿刺することができる。
前記当接部に、前記ネック部とは反対側において前記拡径部に係合するように、前記中心軸に向かって突出した係合部が設けられていてもよい。係合部は、バイアルアダプタが拡径部に対して下方に移動するのを防止するので、バイアルアダプタにバイアルシールドやデバイス等の機器を装着する作業を容易にするのに有利である。
前記バイアルアダプタが装着される前記バイアル瓶は第1バイアル瓶であってもよい。前記バイアルアダプタは、前記第1バイアル瓶の前記拡径部より大きな外径を有する拡径部を備えた第2バイアル瓶に装着することができ且つ前記第2バイアル瓶の前記拡径部に係合するように構成された爪を備えた機器を前記バイアルアダプタに装着することができるように構成されていてもよい。この場合、前記バイアルアダプタは、前記機器を前記バイアルアダプタに装着したとき前記機器に係合する係合機構を備えていてもよい。かかる構成によれば、第2バイアル瓶に適合するように構成された機器を、バイアルアダプタを介して第1バイアル瓶にがたつきなく装着することができる。
前記バイアルアダプタは、前記第1バイアル瓶に装着された前記バイアルアダプタに前記機器を装着したとき、前記機器の前記爪が前記第1バイアル瓶の前記拡径部に係合しないように構成されていてもよい。かかる構成は、機器を第1バイアル瓶にがたつきなく装着するのに有利である。
前記係合機構は、前記機器を前記バイアルアダプタに装着したとき前記機器の前記爪に係合するように構成されていてもよい。かかる構成は、バイアルアダプタの構成を簡単化するのに有利となる場合がある。
本発明のバイアルアダプタは、前記バイアルアダプタに前記機器を装着したとき前記機器より半径方向の外向きに突出するように構成されたベースを更に備えていてもよい。かかる構成は、デバイスをバイアルアダプタに対して着脱する作業を容易に行うのに有利である。
前記機器は、弁体と、前記弁体を保持するシールド本体とを備えたバイアルシールドであってもよい。この場合、前記バイアルアダプタは、前記第1バイアル瓶に装着された前記バイアルアダプタに前記バイアルシールドを装着したとき前記弁体が前記栓体の上面に重ねられるように構成されていてもよい。かかる構成によれば、バイアルシールドの弁体を、第1バイアル瓶の栓体の上面に、離間することなく確実に重ねさせることができる。これは、第1バイアル瓶内に危険な薬剤が収容されている場合に、作業者が薬剤被曝する危険性を低減するのに有利である。
前記機器は、穿刺針を備えたデバイスであってもよい。この場合、前記バイアルアダプタは、前記第1バイアル瓶に装着された前記バイアルアダプタに前記デバイスを装着したとき前記穿刺針が前記栓体を穿刺するように構成されていてもよい。かかる構成によれば、デバイスの穿刺針を、第1バイアル瓶の栓体に、傾くことなく穿刺させることができる。これは、第1バイアル瓶内に危険な薬剤が収容されている場合に、作業者が薬剤被曝する危険性を低減するのに有利である。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する主要部材を簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、本発明の範囲内において、以下の各図に示された各部材を変更または省略し得る。本発明の実施形態を示す図面において、同一又は対応する部材には同じ符号が付してあり、そのような部材については、重複する説明を省略する。
1.バイアルアダプタの構成
図1Aは、本発明の一実施形態にかかるバイアルアダプタ1の上方から見た斜視図、図1Bは、バイアルアダプタ1の下方から見た斜視図である。図1Cはバイアルアダプタ1の側面図、図1Dはバイアルアダプタ1の正面図、図1Eはバイアルアダプタ1の平面図である。以下の説明の便宜のため、図示したようなXYZ直交座標系を設定する。Z軸は、バイアルアダプタ1の中心軸1a(図1E参照)と平行である。Z軸方向を「上下方向」、Z軸に直交する平面(XY面)を「水平面」、水平面に平行な方向を「水平方向」という。上下方向において、Z軸の矢印が向いた側を「上側」といい、これと反対側を「下側」という。但し、「上下方向」、「水平方向」、「上側」、「下側」は、バイアルアダプタ1の使用時の向きを意味するものではない。上下方向の寸法を「高さ」という。中心軸1aの回りに回転する方向を「周方向」、中心軸1aに直交する方向を「半径方向」という。半径方向において、中心軸1aに近い側を「内側」、中心軸1aから遠い側を「外側」という。なお、中心軸1aは、バイアルアダプタ1が装着されるバイアル瓶80,80’80”や、バイアルアダプタ1に装着されるバイアルシールド200及びデバイス300(後述する図2参照)の中心軸でもある。
図1A及び図1Bに示されているように、バイアルアダプタ1は、中央に円形の開口が設けられた環状のベース10を備える。ベース10は、水平面に沿って延びた薄板である。ベース10の開口を構成する内側端縁から、テーパ面14が上方に向かって突出している。テーパ面14は、中心軸1aと同軸であり、上方に向かうにしたがってその外径が小さくなる円錐面である(図1D参照)。テーパ面14の上端縁から2本の第1ロッド11及び4本の第2ロッド12が、Z軸と略平行に上方に向かって延びている。2本の第1ロッド11は、Y軸方向に対向している。周方向に隣り合う第1ロッド11間に、2本の第2ロッド12が配置されている。各第2ロッド12は、周方向に隣り合う第1ロッド11及び第2ロッド12のいずれからも周方向に離間している。2本の第1ロッド11及び4本の第2ロッド12のベース10からの高さはほぼ同じである。図1Eに示されているように、第1ロッド11及び第2ロッド12の外面(中心軸1aとは反対側の面)は、中心軸1aと同軸の共通する円筒面にほぼ沿っている。第1ロッド11及び第2ロッド12は、第1及び第2側壁21,22(詳細は後述する)を介して周方向に順次接続されている。そして、これらロッド11,12及び側壁21,22が、全体として、中空の略円筒形状を有する筒状部を構成している。
図1Fは、中心軸1aを含むXZ面に沿った切断されたバイアルアダプタ1の上方から見た断面斜視図、図1Gは、中心軸1aを含むXZ面に沿った切断されたバイアルアダプタ1の下方から見た断面斜視図である。図1Hは、中心軸1aを含む別の一平面(図1Eの1H−1H線を含む面)に沿った切断されたバイアルアダプタ1の上方から見た断面斜視図である。
図1A、図1C、図1G、図1Hに示されているように、周方向に隣り合う第1ロッド11と第2ロッド12とが、第1側壁21及びブリッジ25を介して連結されている。
第1側壁21は、第1ロッド11の上端及びその近傍部分と第2ロッド12の上端及びその近傍部分とを周方向に連結している。第1側壁21は、中心軸1aと同軸の円筒面にほぼ沿っている。第1側壁21の外面(中心軸1aとは反対側の面)は、第1ロッド11及び第2ロッド12の外面よりも、中心軸1a側に後退している。図1Hに示されているように、第1側壁21の下端縁に、弾性片24が設けられている。弾性片24は、第1側壁21の下端縁から下方に延びた基端部24cと、弾性片24の終端部である当接部24aと、基端部24cと当接部24aとをつなぐ屈曲部24bとを備えている。当接部24aは、上下方向に沿って延び、第1側壁21及び基端部24cに対して半径方向の内側に配置されている。当接部24aは、第1側壁21及び/又は基端部24cに対して半径方向に離間し且つ対向している。弾性片24の、中心軸1aを含む面に沿った断面形状は、略「U」字形状又は略「V」字形状である。弾性片24は、当接部24aに半径方向の外向きの力が加えられたとき、当接部24aが半径方向の外向き(中心軸1aから離間する向き)に変位するように、弾性変形可能である。
ブリッジ25は、第1側壁21よりも下側(ベース10側)で第1ロッド11と第2ロッド12とを架橋する。ブリッジ25は、周方向に沿って延びている。好ましくは、ブリッジ25の下側の端縁は、弾性片24の下端である屈曲部24bと同じか、これよりわずかに下側に位置している。また、弾性片24が上記のように弾性変形しても弾性片24がブリッジ25に衝突しないように、ブリッジ25は、好ましくは弾性片24よりも半径方向の外側に配される。ブリッジ25は、弾性片24と異なり、外力によって実質的に変形しない程度の剛性を有する。
周方向に隣り合う第1ロッド11及び第2ロッド12と、ブリッジ25と、テーパ面14とが、略矩形の第1開口16を構成している(図1C参照)。
周方向に隣り合う第1ロッド11間に2本の第2ロッド12が設けられているので、バイアルアダプタ1は、全体として4つの弾性片24及び4つのブリッジ25を備える。
図1A、図1D、図1Hに示されているように、周方向に隣り合う第2ロッド12の上端及びその近傍部分が、第2側壁22を介して連結されている。第2側壁22は、中心軸1aと同軸の円筒面にほぼ沿っている。第2側壁22の外面(中心軸1aとは反対側の面)は、第2ロッド12の外面よりも、中心軸1a側に後退している。第2側壁22の周方向の両端(第2側壁22の第2ロッド12との境界部分)には、第2側壁22の下端から上方に向かって延びたスリット(切り込み)22aが形成されている(図1D参照)。このため、第2側壁22は、上下方向のその全長さ部分のうち、上端及びその近傍部分のみが第2ロッド12に接続されている。図1F、図1Hに示されているように、第2側壁22の下端縁またはその近傍に、内側に向かって突出した爪27が設けられている。
爪27の先端(爪27のうち中心軸1aに最も近い部分)27aは、中心軸1aと同心の円弧に沿っている(図1E参照)。図1Gに示されているように、先端27aよりも下側に、先端27aから遠ざかるにしたがって中心軸1aから離れるように傾斜した傾斜面27bが設けられている。傾斜面27bは、爪27の周方向の両端縁から下方に延びた略楔形状のリブ27cに設けられている。傾斜面27bは、好ましくは、内側(または下側)に向かって突出した滑らかな凸曲面である。
図1F、図1Hに最もよく示されているように、爪27の先端27aは、弾性片24の当接部24aよりも下側(ベース10側)に位置している。図1Eに示されているように、爪27の先端27aは、弾性片24の当接部24aよりも中心軸1aに接近している。2つの爪27が、X軸方向に対向している。
第2側壁22(特に、第2側壁22のうち一対のスリット22aで挟まれた部分)は、爪27の先端27aが半径方向の外向き(中心軸1aから離間する向き)に変位するように弾性的に曲げ変形することができる。
図1Aに示されているように、周方向に隣り合う第2ロッド12間に、ベース10から上方に延びた第3側壁23が設けられている。第3側壁23の上端縁に、半径方向の外向きに突出した係合突起28が設けられている。図1C、図1Fに示されているように、係合突起28は、その先端(係合突起28のうち半径方向の外向きに最も突出した部分)28aよりも上側に、傾斜面28bを備える。傾斜面28bは、下方にいくにしたがって中心軸1aから遠ざかるように傾斜している。図1Dに示されているように、係合突起28は、第2側壁22の下端縁から上下方向に離間している。図1Eに示されているように、係合突起28は、第1ロッド11及び第2ロッド12よりも半径方向の外側に位置している。2つの係合突起28が、X軸方向に沿って、互いに反対向きに突出している。
爪27から下方に延びた2つのリブ27cと、第2側壁22と、第3側壁23(または係合突起28)とが、略矩形の第2開口17を構成している(図1D参照)。
図1Aに示されているように、第1ロッド11の上端には、傾斜面26が設けられている。傾斜面26は、上方に向かうにしたがって中心軸1aに近づくように傾斜している。
バイアルアダプタ1は、中心軸1aに対して2回回転対称(180度回転させると回転前の状態と重なる)である。
バイアルアダプタ1は、硬質の材料からなることが好ましい。具体的には、ポリプロピレン、ポリアセタール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、硬質ポリ塩化ビニル等の樹脂材料を用いることができる。バイアルアダプタ1は、このような樹脂材料を用いて射出成形法等により一部品として一体的に作成することができる。
2.バイアルアダプタの使用方法
図2は、バイアルアダプタ1の使用方法を示した分解斜視図である。上述したように、バイアル瓶には複数のサイズが存在する。バイアル瓶80,80’,80”は、順に外径がφ13、φ15、φ20の拡径部85,85’,85”を備える。
バイアルシールド200及び閉鎖系デバイス(以下、単に「デバイス」という)300は、φ20の拡径部を備えたバイアル瓶80”に適合するように設計されている。従って、バイアル瓶80”に、バイアルシールド200及びデバイス300を順次装着することができる。バイアルアダプタ1はバイアル瓶80”には装着されない。
バイアルシールド200及びデバイス300を、バイアル瓶80”の拡径部85”より小径の、φ13及びφ15の拡径部85,85’を備えたバイアル瓶80,80’にがたつきなく装着することはできない。
一方、バイアルアダプタ1は、バイアル瓶80,80’に装着することができる。バイアルアダプタ1には、バイアルシールド200及びデバイス300を順次装着することができる。従って、バイアルシールド200及びデバイス300は、バイアルアダプタ1を介在させることにより、バイアル瓶80,80’に装着することができる。
以下に、バイアル瓶80,80’,80”、バイアルシールド200、デバイス300について説明する。
2.1.バイアル瓶
図3Aはφ13の拡径部85を有するバイアル瓶80の斜視図、図3Bはバイアル瓶80の断面図である。バイアル瓶80は、瓶本体81の上方に向かって開口した口(開口)83に栓体(ゴム栓)86を嵌入して口83を気密及び液密に封止した密閉容器である。瓶本体81は、ガラス等の実質的に変形しない硬質材料からなる。バイアル瓶80内には、粉末状の薬剤(図示せず)が収容されている。瓶本体81の上端には、口83を取り囲むようにフランジ82が設けられている。フランジ82の外周面は、フランジ82に対して下側に隣接するネック部(くびれ部)84よりも大きな外径を有する略円筒面である。従って、フランジ82とネック部分84との間には、両者の外径差に基づく段差が形成されている。栓体86は、フランジ82と略同一の最大外径を有する。
栓体86が瓶本体81の口83から脱落するのを防止するために、栓体86及びフランジ82にキャップ88が装着されている。キャップ88は、金属(例えばアルミニウム)、樹脂等のシートからなり、栓体86及びフランジ82に密着している。キャップ88の下端は、フランジ82の略円筒面である外周面よりも下側にまで及んでいる。キャップ88の上端は、栓体86の上面にまで及んでいる。栓体86の上面の中央の領域は、キャップ88に設けられた円形の開口88aを介して外界に露出されている。
キャップ88で覆われた、ネック部84より相対的に拡径した部分を拡径部85という。拡径部85の外周面85cは略円筒面である。拡径部85の外周面85cの上端を上側端縁85bといい、また、当該外周面85cの下端を下側端縁85dという。
バイアル瓶80はキャップ88を備えていなくてもよい。その場合には、拡径部85はフランジ82及び栓体86のネック部84より拡径した部分を指し、上側端縁85b、外周面85c、下側端縁85dは、栓体86又はフランジ82の対応する箇所を意味する。
φ15及びφ20の拡径部を有するバイアル瓶80’,80”の構成は、図3A及び図3Bに示したバイアル瓶80と実質的に同じであるので、それらの詳細な説明を省略する。以下の説明において、バイアル瓶80,80’,80”を区別するために、バイアル瓶80’,80”の各部を示す符号として、バイアル瓶80の対応する部分に付した符号に「’」及び「”」を付したものをそれぞれ用いる。「’」及び「”」を含む符号が付された部分は、それぞれバイアル瓶80’及びバイアル瓶80”の部分であって、「’」及び「”」を除いた符号が付されたバイアル瓶80の部分に対応する。従って、「’」及び「”」を含む符号が付された部分については、バイアル瓶80の対応する部分に関する説明及び図面を適宜参酌すべきである。例えば、「拡径部85”」は、φ20のバイアル瓶80”の拡径部を意味し、その構成は、図3A及び図3Bに示したφ13のバイアル瓶80の拡径部85に関する説明が、特に断りがない限り適用される。
2.2.バイアルシールド
図4は、バイアルシールド200の斜視図である。図5Aは、バイアルシールド200の上方から見た断面斜視図、図5Bは、バイアルシールド200の下方から見た断面斜視図である。バイアルシールド200は、特許文献3の「実施形態2」に記載されたバイアルシールド(特許文献3の図14A〜図20参照)と実質的に同じである。
バイアルシールド200は、シールド本体210及び弁体220を備える。
シールド本体210は、中央に円形の開口212が形成された環状の天板211を備える。天板211の外周端縁から、二対の水平部(架橋部)219が放射状に伸びている。各対の水平部219の外側端(天板211とは反対側端)から、側板213が下方に向かって延びている。側壁213は、開口212と同軸の円筒面を構成する。一対の側壁213は、その下端において、開口212と同軸の円環形状の環状部217を介して連結されている。図5Bに示されているように、環状部217の内周面には、上方に向かうにしたがって外径が小さくなるテーパ面218が設けられている。
側壁213に、略「U」字形状のスリット(切り込み)214が形成されている。これにより、側壁213内に、スリット214で囲まれた弾性片(脚)215が形成されている。弾性片215は、その上端を固定端とし、その下端を自由端とする片持ち支持構造を有する。弾性片215の下端(自由端)に、内側に向かって爪216が突出している。弾性片215は、爪216が半径方向の外向きに変位するように、弾性的に曲げ変形することができる。
図5Bに示されているように、爪216は、その先端(爪216のうち最も内側に突出した部分)216aより下側に、先端216aから遠ざかるにしたがって半径方向の外側へ向かうように傾斜した傾斜面216bを備える。
シールド本体210は、硬質材料からなり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、スチレンエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ブチレンスチレンブロック共重合体などの樹脂材料を用いることができる。
弁体220は、円形の平面視形状を有する薄肉の板状体である。弁体220は、外力を加えると変形し、当該外力を除去すると直ちに初期形状に復帰するゴム状の弾性材料からなる。具体的には、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム等のゴムや、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを用いることができる。
図5Bに示されているように、弁体220の下面の中央の領域には、下方に向かって突出した中央突起224が設けられている。中央領域224内に、弁体220を厚さ方向(上下方向)に貫通する切り込み222が形成されている。切り込み222は、直線状の平面視形状を有し、バイアルシールド200の中心軸(図示せず)と交差する。
弁体220は、シールド本体210の天板211の開口212を塞ぐように、天板211に、その下側から天板211に一体化される。
上述したように、バイアルシールド200は、φ20のバイアル瓶80”(図2参照)に適合するように設計されている。バイアル瓶80”に対するバイアルシールド200の装着方法は、特許文献3の「実施形態2」に記載されたバイアルシールド(特許文献3の図14A〜図20参照)と実質的に同じである。即ち、バイアルシールド200の環状部217内にバイアル瓶80”の拡径部85”を挿入する。爪216を、ネック部84”に嵌入させ、拡径部85”に係合させる。弁体220は栓体86”の上面に重ねられる。弁体220の下面から突出した中央突起224は、キャップ88”の開口88a”内に露出した栓体86”の上面に密着する。穿刺針は、弁体220の切り込み222に挿入され、更に栓体86”を穿刺する。穿刺針が栓体86”を穿刺した孔から薬液等が漏れ出たとしても、当該薬液等は栓体86”と弁体220との間に閉じ込められて保持される。従って、薬液等が外界に漏れ出るのが防止される。
2.3.閉鎖系デバイス(デバイス)
図2のデバイス300は、特許文献1,2のデバイスと同様に、バイアル瓶80,80’,80”に収容された粉末状の薬剤を溶解して薬液を調製するために使用される。デバイス300は、薬液バッグ(図示せず)に接続される第1コネクタ301と、バイアル瓶80,80’,80”に接続される第2コネクタ302と、シリンジ(図示せず)に接続される第3コネクタ303と、デバイス300内の流路を切り替えるための、回転可能なコック305とを備える。薬液バッグに貯留された溶解液をバイアル瓶80,80’,80”に移動してバイアル瓶80,80’,80”内で薬剤を溶解して薬液を得て、次いで、バイアル瓶80,80’,80”内の薬液を薬液バッグに移送する。溶解液及び薬液の移送は、コック305を回転させてデバイス300内に所定の流路を形成した状態で、シリンジを操作することにより行われる。
図2の第2コネクタ302の構成は、特許文献2に記載されたコネクタと実質的に同じである。図6は、デバイス300を構成する第2コネクタ(以下、単に「コネクタ」という)302の断面斜視図である。コネクタ302は、コネクタ本体310、スライダ350、カバー390を備える。コネクタ本体310は、バイアル瓶80,80’,80”の栓体86,86’,86”に穿刺することができる穿刺針320を備える。図6に示す初期状態では、穿刺針320内に設けられた2本の流路321,322の開口は、カバー390で覆われて封止されている。カバー390はスライダ350に保持されている。
カバー390は、可撓性(柔軟性)を有し、外力を加えると変形し且つ当該外力を除去すると直ちに初期形状に復帰するゴム状の弾性を有する材料(いわゆるエラストマー)からなる。カバー390の先端には、カバー390を上下方向に貫通するスリット395が形成されている。
スライダ350は、穿刺針320に向かって突出した4つの爪366(図6では2つの爪366のみが示されている)を備える。爪366は、片持ち支持構造の把持アーム365の下端(即ち、自由端)に設けられている。把持アーム365は、爪366が穿刺針320から離れるように、弾性的に曲げ変形することができる。爪366は、その先端(爪366のうち穿刺針320に最も近い部分)366aよりも下側に、傾斜面366bを備える。傾斜面366bは、上方にいくにしたがって穿刺針320に近づくように傾斜している。
スライダ350は、更に、2つの当接突起364を備える。当接突起364は、片持ち支持構造のスライド規制アーム362の上端(即ち、自由端)に設けられている。スライド規制アーム362は、当接突起364が穿刺針320から離れるように、弾性的に曲げ変形することができる。
コネクタ本体310及びスライダ350は、いずれも、全体として中空の略円筒形状を有する。スライダ350はコネクタ本体310に対して、挿抜されるように、穿刺針320の長手方向に沿って移動可能である。図6は、スライダ350がコネクタ本体310から引き出された初期状態にあるコネクタ302を示す。詳細は省略するが、初期状態にあるとき、スライダ350がコネクタ本体310内に挿入されるのが規制されている。この規制は、当接突起364が穿刺針320から離れるように変位されたとき解除される。
上述したように、デバイス300のコネクタ302は、φ20のバイアル瓶80”(図2参照)に適合するように設計されている。バイアル瓶80”に対するコネクタ302の装着方法は、特許文献2のコネクタと実質的に同じであり、概略以下のとおりである。初期状態のコネクタ302(図6)のスライダ350内にバイアル瓶80”の拡径部85”を挿入する。スライダ350の爪366はバイアル瓶80”のネック部84”に嵌入し、拡径部85”に係合する。当接突起364は拡径部85”の上側端縁85b”に当接する。スライダ350の爪366及び当接突起364が、バイアル瓶80”の拡径部85”を保持する。当接突起364は、拡径部85”の上側端縁85b”に当接することによって、穿刺針320から離れるように変位する。これにより、上述した規制が解除され、スライダ350はコネクタ本体310内に挿入可能な状態になる。
バイアル瓶80”を保持したスライダ350を、コネクタ本体310内に挿入する。穿刺針320は、カバー390を貫通し、更に、バイアル瓶80”の栓体86”を貫通する。スライダ350はコネクタ本体310内に、最も深くまで挿入される。
コネクタ302は、バイアルシールド200を装着したバイアル瓶80”にも装着することができる。バイアル瓶80”にバイアルシールド200を装着したときに露出される拡径部85”の部分に、コネクタ302の爪366が係合し、また当接突起364が当接する。スライダ350の内径は、バイアルシールド200の側壁213の外面が構成する円筒面より大きく設定されている。従って、バイアルシールド200が装着されていないバイアル瓶80”にコネクタ300を装着する場合と同様に、バイアルシールド200が装着されたバイアル瓶80”に、コネクタ302がバイアルシールド200に衝突することなく、コネクタ302を接続することができる。
2.4.バイアル瓶に対するバイアルアダプタの装着
φ13の拡径部85を有するバイアル瓶80に対するバイアルアダプタ1の装着は、概略以下のようにして行う。
図2に示されているように、バイアルアダプタ1のベース10に設けられた開口内に、バイアル瓶80の拡径部85を挿入する。バイアルアダプタ1の爪27の傾斜面27b(図1B、図1G参照)が、拡径部85の上側端縁85b(図3A、図3B参照)に衝突する。バイアルアダプタ1に加えられる下向きの押力によって、爪27の先端27aが中心軸1aから離間するように第2側壁22が弾性的に曲げ変形する。爪27の先端27aは、拡径部85の外周面85c上を摺動する。そして、爪27の先端27aが、外周面85cの下側端縁85dを越えると、第2側壁22が弾性回復し、爪27がネック部分84に嵌入する。
φ15の拡径部85’を有するバイアル瓶80’に対するバイアルアダプタ1の装着も、上記と実質的に同じである。
図7Aは、φ13の拡径部85を有するバイアル瓶80にバイアルアダプタ1を装着した状態を示した斜視図である。図8Aは、φ15の拡径部85’を有するバイアル瓶80’にバイアルアダプタ1を装着した状態を示した斜視図である。栓体86,86’の上面が、バイアルアダプタ1の第1,第2ロッド11,12及び第1及び第2側壁21,22で囲まれた筒状部内に露出されている。
図7Bは図7Aの断面図、図8Bは図8Aの断面図である。図7B及び図8Bの断面は、XZ面に平行である。X軸方向に対向する一対の爪27がネック部分84,84’に嵌入し、拡径部85,85’に係合している。このため、バイアル瓶80,80’をバイアルアダプタ1から下方に引き抜くことはできない。
図8Bを図7Bと比較すれば分かるように、爪27が設けられた第2側壁22は、図8Bの方が図7Bよりもより大きく曲げ変形している。一般に、ネック部84,84’の外径は拡径部85,85’の外径に応じて異なる。第2側壁22がネック部84,84’の外径に応じて変形するので、ネック部84,84’のいずれに対しても爪27の先端27a(図1F、図1H参照)を当接させることができる。一対の爪27は、外径が異なるネック部84,84’をX軸方向に挟持する。このため、バイアルアダプタ1は、バイアル瓶80,80’に対して、X軸方向に位置決めされる。爪27の先端27aに設けられた円弧は、バイアル瓶80,80’に対するバイアルアダプタ1の傾きを小さくするのに有利である。
図1F、図1Hに示したように、爪27は、第2側壁22の下端またはその近傍に設けられ、且つ、第2側壁22から半径方向にほぼ沿って中心軸1aに向かって延びている。このため、爪27の先端27aは、半径方向の外向きに変位するとき、同時にわずかに下方にも変位する。一般に、拡径部85,85’の外径に応じて、ネック部84,84’の外径に加えて、拡径部85,85’の上下方向寸法も異なる。このため、より大きな拡径部85’を有するバイアル瓶80’にバイアルアダプタ1を装着したときには(図8B参照)、爪27の先端27aは半径方向の外向きにより大きく変位するとともに、下方にもより大きく変位する。従って、拡径部85,85’の寸法の違いに関わらず、栓体86,86’の上面に対するバイアルアダプタ1の上下方向の相対位置をほとんど同じにして、バイアルアダプタ1を、バイアル瓶80,80’に装着することができる。
図7Cは図7Aの断面斜視図、図8Cは図8Aの断面斜視図である。図7C及び図8Cの断面は、図1Hの断面と同じであり、バイアルアダプタ1の対向する弾性片24を通る。弾性片24の当接部24a(図1H参照)が拡径部85,85’の外周面85c,85c’に当接している。弾性片24は、外周面85c,85c’に押されて、当接部24aが半径方向の外向きに変位するように弾性変形している。X軸方向に対向する一対の爪27がネック部84,84’をX軸方向に挟持することに加えて(図7B、図8B参照)、周方向に分散して配置された4つの弾性片24が拡径部85,85’の外周面85c,85c’に当接することによって、バイアルアダプタ1は、バイアル瓶80,80’に対して、がたつきなく同軸に配置される。
図8Cを図7Cと比較すれば分かるように、弾性片24は、図8Cの方が図7Cよりもより大きく曲げ変形している。即ち、弾性片24は、拡径部85,85’の外周面85c,85c’の外径に応じて変形する。このため、外径が異なる拡径部85,85’を有するバイアル瓶80,80’のいずれに対しても、バイアルアダプタ1を同軸にがたつきなく安定的に装着することができる。
図1Hで説明したように、弾性片24は、当接部24aと基端部24bとが半径方向に離間し且つ対向するように、屈曲部24bを介して当接部24aと基端部24bとが接続された略「U」字形状又は略「V」字形状を有している。弾性片24は、短冊状の細い薄板を、略「U」字形状又は略「V」字形状を有するように折り曲げたような形状を有している。弾性片24は、基端部24bの上端が第1側壁21の下端縁に接続された片持ち支持構造を有し、弾性片24の終端部に当接部24aが設けられている。このため、図8Cから容易に理解できるように、当接部24aが半径方向の外向きに押されると、屈曲部24bが半径方向の外側に変位するように基端部24cが弾性的に曲げ変形するとともに、当接部24aが基端部24c(または第1側壁21)に接近するように当接部24a及び屈曲部24bが弾性的に曲げ変形する。第1側壁21の下端縁から当接部24aまでの弾性片24に沿った長さが長く、この長い弾性片24のほぼ全体が弾性的に曲げ変形する。弾性変形する領域が長いので、当接部24aを半径方向の外向きに変位させることに関する弾性片24の剛性を小さくすることが可能である。これは、大きな外径を有する拡径部85’を有するバイアル瓶80’にバイアルアダプタ1を装着するときに必要な、バイアル瓶80’に対するバイアルアダプタ1の下方に向かう押し付け力を小さくするのに有利である。
2.5.バイアルシールドの装着
バイアルアダプタ1が装着されたバイアル瓶80,80’(図7A〜図7C、図8A〜図8C参照)に、バイアルシールド200(図4、図5A、図5B参照)が装着される。
バイアルアダプタ1の一対の第2側壁22(図7A、図8A参照)が対向する方向と、バイアルシールド200の一対の爪216(図5A、図5B参照)が対向する方向とが一致するように、バイアルアダプタ1に対してバイアルシールド200を中心軸1a回りに位置合わせする(図2参照)。そして、バイアルシールド200の環状部217内にバイアルアダプタ1を挿入する。バイアルシールド200の爪216の傾斜面216b(図5B参照)が、バイアルアダプタ1の第2側壁22の上端縁に衝突する。バイアルシールド200に加えられる下向きの押力によって、爪216が半径方向の外向きに移動するように弾性片215が弾性的に曲げ変形する。爪216の先端216aは、第2側壁22上を摺動する。そして、爪216の先端216aが、第2側壁22の下端縁を越えると、弾性片215が弾性回復し、爪216が第2開口17に嵌入する。
これと並行して、バイアルシールド200の環状部217が、バイアルアダプタ1の係合突起28の傾斜面28b(図1A、図1C参照)に衝突する。バイアルシールド200に加えられる下向きの押力によって、環状部217は、傾斜面28b上を摺動しながら、一対の係合突起28をつなぐ方向(X軸方向)に拡径されるように弾性変形される。環状部217は、係合突起28を乗り越えると直ちに弾性回復する。
図9Aは、φ13の拡径部85を有するバイアル瓶80にバイアルアダプタ1及びバイアルシールド200を装着した状態を示した斜視図である。図9B及び図9Cは、その断面図である。図9Bの断面はXZ面に平行であり、図9Cの断面はYZ面に平行である。
図9Cに示されているように、バイアルアダプタ1のテーパ面14(図1A、図1D参照)にバイアルシールド200の環状部217に設けられたテーパ面218(図5B参照)が嵌合している。このため、バイアルシールド200は、バイアルアダプタ1に対して同軸に配置され、更にはバイアル瓶80に対しても同軸に配置される。また、バイアルシールド200がバイアルアダプタ1に対して下方に移動するのが制限される。
図9Bに示されているように、バイアルアダプタ1の係合突起28がバイアルシールド200の環状部217より上に位置し、両者が係合している。更に、上述したように、バイアル瓶80の拡径部85にバイアルアダプタ1の爪27が係合している。このため、バイアルシールド200がバイアル瓶80に対して上方に移動するのが制限される。
バイアルシールド200の弁体220は、バイアル瓶80の栓体86の上面に重ね合わされている。上述したように、バイアルシールド200はバイアル瓶80に対して上方に移動することができないので、弁体220は栓体86の上面に押し付けられ密着する。本実施形態では、弁体220の下面から突出した中央突起224(図5C参照)が、キャップ88の開口88a(図3A参照)内に露出した栓体86に密着している。
図9Aから理解できるように、バイアルアダプタ1の第2側壁22とその両側の第2ロッド12(図9Aでは見えない)とが、バイアルシールド200の側板213及び弾性片215に半径方向に対向する。バイアルアダプタ1の第1ロッド11とこれに隣接する第1側壁21及びブリッジ25とは、バイアルシールド200に覆われることなく露出されている。
図示を省略するが、φ15の拡径部85’を有するバイアル瓶80’に対しても、上記と同様にバイアルアダプタ1及びバイアルシールド200を装着することができる。φ15のバイアル瓶80’にバイアルアダプタ1を装着した場合(図8B参照)は、φ13のバイアル瓶80にバイアルアダプタ1を装着した場合(図7B参照)に比べて、第2側壁22の変形量が大きく、爪27がより大きく変位する。そのような場合であっても、図9Bから理解できるように、バイアルアダプタ1の第2側壁22及び爪27が、バイアルシールド200の側板213、弾性片215、及び爪216に衝突することはない。
以上のように、φ20のバイアル瓶80”(図2参照)に適合するように設計されたバイアルシールド200を、バイアルアダプタ1を介在させることにより、φ13のバイアル瓶80及びφ15のバイアル瓶80’に装着することができる。バイアルアダプタ1を用いた場合、バイアル瓶80”の拡径部85”に係合するように構成されたバイアルシールド200の爪216は、バイアル瓶80,80’の拡径部85,85’には係合しない。バイアルシールド200の環状部217がバイアルアダプタ1に固定されることにより、バイアルシールド200は、バイアルアダプタ1を介して間接的にバイアル瓶80,80’にしっかりと装着される。
2.6.閉鎖系デバイス(デバイス)の装着
バイアルアダプタ1及びバイアルシールド200が装着されたバイアル瓶80,80’(図9A〜図9C参照)に、デバイス300(図2、図6参照)が装着される。バイアル瓶80にデバイス300を装着する場合を説明する。
バイアルアダプタ1の一対の第1ロッド11(図9A参照)が対向する方向と、デバイス300の一対の当接突起364(図6参照)が対向する方向とが一致するように、バイアルアダプタ1に対して初期状態にあるデバイス300を中心軸1a回りに位置合わせする(図2参照)。そして、デバイス300のスライダ350内に、バイアルアダプタ1及びバイアルシールド200を挿入する。
スライダ350の爪366の傾斜面366b(図6参照)が、バイアルアダプタ1の第1側壁21(図9A参照)の上端縁に衝突する。デバイス300に加えられる下向きの押力によって、爪366が穿刺針320から離れるように把持アーム365が弾性的に曲げ変形する。爪366の先端366aは、第1側壁21上を摺動する。次いで、爪366の傾斜面366bはブリッジ25(図9A参照)に衝突し、爪366はブリッジ25に乗り上げる。そして、爪366が、ブリッジ25を越えると、把持アーム365が弾性回復し、爪366が第1開口16に嵌入する。これとほぼ同時に、スライダ350の当接突起364は、第1ロッド11の上端に設けられた傾斜面26に当接する。
バイアルアダプタ1のブリッジ25にスライダ350の爪366が係合し、バイアルアダプタ1の傾斜面26にスライダ350の当接突起364が当接することにより、スライダ350はバイアルアダプタ1をしっかりと保持する。
当接突起364が第1ロッド11の傾斜面26に当接することにより、スライド規制アーム362が弾性的に曲げ変形し、当接突起364は穿刺針320から離れるように変位する。これにより、スライダ350はコネクタ本体310内に挿入可能な状態に移行する。デバイス300の上部(例えば第1コネクタ301、図2参照)をバイアル瓶80に向かって押せば、スライダ350はコネクタ本体310内に挿入される。コネクタ本体310に設けられた穿刺針320は、カバー390を貫通し、バイアルシールド200の弁体220に設けられた切り込み222を貫通し、更にバイアル瓶80の栓体86を穿刺する。スライダ350がコネクタ本体310内に最も深く挿入されると、穿刺針320の流路321,322とバイアル瓶80とが連通し、デバイス300とバイアル瓶80との接続が完了する。図10に、バイアル瓶80に、バイアルアダプタ1、バイアルシールド200、デバイス300を装着した状態の斜視図を示す。
詳細な説明を省略するが、バイアルアダプタ1及びバイアルシールド200が装着された、φ15のバイアル瓶80’に、デバイス300(図2、図6参照)を上記と同様に装着することができる。
以上のように、φ20のバイアル瓶80”(図2参照)に適合するように設計されたデバイス300を、バイアルアダプタ1を介在させることにより、φ13のバイアル瓶80及びφ15のバイアル瓶80’に装着することができる。バイアルアダプタ1を用いた場合、バイアル瓶80”の拡径部85”に係合するように構成されたデバイス300の爪366は、バイアル瓶80,80’の拡径部85,85’には係合せず、代わりに、バイアルアダプタ1のブリッジ25に係合する。また、バイアル瓶80”の拡径部85”の上側端縁85b”に当接するように構成されたデバイス300の当接突起364は、バイアル瓶80,80’の上側端縁85b,85b’には当接せず、代わりに、バイアルアダプタ1の傾斜面26に当接する。これにより、デバイス300は、バイアルアダプタ1を介して間接的にバイアル瓶80,80’にしっかりと装着される。
デバイス300を用いて、バイアル瓶80,80’内の薬剤から薬液を調製する方法は、特許文献1,2と同じである。薬液を調整後、デバイス300はバイアルアダプタ1から分離される。デバイス300とバイアルアダプタ1との分離は、デバイス300とφ20のバイアル瓶80”との分離と同様に行うことができる。デバイス300とバイアル瓶80”との分離は、特許文献2のコネクタとバイアル瓶との分離方法と実質的に同じである。デバイス300が分離されたバイアル瓶80,80’は、バイアルアダプタ1及びバイアルシールド200が装着された状態のまま廃棄される。
3.作用
以上のように、バイアルアダプタ1は、バイアル瓶のネック部に嵌入して拡径部に係合する爪27と、バイアル瓶の拡径部の外周面に当接する当接部24aとを備える。当接部24aは、中心軸1aから離間するように弾性的に変位可能である。このため、当接部24aは、拡径部の外径の違いに応じて適宜弾性変位する。拡径部の外径のわずかな違いは、当接部24aが弾性変位することにより吸収される。従って、バイアルアダプタ1をがたつきなく装着することができる拡径部の外径の範囲が比較的広い。例えば、上記の実施形態のように、バイアルアダプタ1を、外径が異なる2種類のバイアル瓶80,80’にがたつきなく装着することができるように構成することができる。このバイアルアダプタ1にバイアルシールド200及び/又はデバイス300を装着することができるようにバイアルアダプタ1を構成すれば、バイアルアダプタ1を介してバイアルシールド200及び/又はデバイス300をバイアル瓶80,80’にがたつきなく装着することができる。
バイアルシールド200及びデバイス300は、バイアルアダプタ1が装着されるバイアル瓶80,80’の拡径部85,85’より大きな外径の拡径部85”を有するバイアル瓶80”に装着されるように設計されいてもよい。バイアルアダプタ1を用いることにより、バイアルシールド200やデバイス300のような機器を、当該機器が本来的に適合するバイアル瓶80”に加えて、このバイアル瓶80”とはサイズが異なる(より正確には、バイアル瓶80”より小サイズの)バイアル瓶80,80’にも装着することができる。このため、バイアル瓶のサイズごとにバイアルシールド200やデバイス300のような機器を準備する必要がなくなるので、機器の種類数が減少し、機器の管理を簡単化することができる。バイアルアダプタ1が、複数サイズのバイアル瓶80,80’にがたつきなく装着することができれば、バイアルシールド200やデバイス300のような機器を装着可能なバイアル瓶のサイズ数は更に増える。
バイアルアダプタ1の爪27の先端27aは、半径方向の外向きに弾性的に変位すると、同時に下方にも変位する。このため、サイズが異なる拡径部85,85’を有するバイアル瓶80,80’にバイアルアダプタ1を装着しても、栓体86,86’の上面に対するバイアルアダプタ1の上下方向の相対位置はほとんど同じになる。従って、バイアルシールド200をバイアルアダプタ1を介してサイズが異なるバイアル瓶80,80’に装着した場合には、栓体86,86’の上面に対する弁体220の密着性をバイアル瓶80,80’間でほぼ同じにすることができ、また、デバイス300をバイアルアダプタ1を介してサイズが異なるバイアル瓶80,80’に装着した場合には、穿刺針320の栓体86,86’に対する穿刺深さをバイアル瓶80,80’間でほぼ同じにすることができる。
バイアルアダプタ1が、半径方向の外向きに突出したベース10を備えている。ベース10は、バイアルアダプタ1に対してバイアルシールド200を装着する作業や、バイアルアダプタ1に対してデバイス300を着脱する作業を容易化するのに有利である。好ましくは、バイアルアダプタ1にバイアルシールド200を装着したとき、ベース10はバイアルシールド200(特にその環状部217)より半径方向の外向きに突出する(図7A、図8A参照)。これにより、その後、バイアルアダプタ1にデバイス300を装着する作業を、ベース10を把持して行うことができる。また、好ましくは、バイアルアダプタ1にデバイス300を装着したとき、ベース10はデバイス300(特にそのコネクタ本体310及びスライダ350)より半径方向の外向きに突出する(図10参照)。これにより、その後、デバイス300をバイアルアダプタ1から分離する作業を、ベース10を把持して行うことができる。
バイアルシールド200及びデバイス300は、バイアル瓶80”の拡径部85”に係合するように構成された爪216及び爪366を備える。バイアルアダプタ1を介してバイアルシールド200及びデバイス300をバイアル瓶80,80’に装着する場合には、爪216及び爪366はバイアル瓶80,80’の拡径部85,85’には係合しない。これは、バイアルシールド200及びデバイス300をバイアル瓶80,80’にがたつきなく装着するのに有利である。
バイアルアダプタ1は、バイアルシールド200及びデバイス300に係合してこれらを固定するためのシールド係合機構(係合突起28)およびデバイス係合機構(ブリッジ25)を備える。これは、バイアルシールド200及びデバイス300をバイアルアダプタ1を介してバイアル瓶80,80’にがたつきなく装着するのに有利である。
本発明では、シールド係合機構およびデバイス係合機構がバイアルシールド200及びデバイス300のどの部分に係合するかに関して制限はない。但し、上記の実施形態のデバイス係合機構(ブリッジ25)のように、係合機構が、バイアル瓶80”の拡径部85”に係合するように構成されたデバイス300の爪366に係合することは、バイアルアダプタ1の構成を簡単化するのに有利となる場合がある。
4.各種変更
上記の実施形態は例示に過ぎない。本発明は、上記の実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
上記の実施形態では、φ13,φ15,φ20の、サイズが異なる三種類のバイアル瓶80,80’,80”にバイアルシールド200及びデバイス300を装着したが、バイアル瓶のサイズは例示に過ぎない。本発明は、これら以外の任意のサイズのバイアル瓶にも適用することができる。
上記の実施形態では、バイアルアダプタ1は、φ13及びφ15という2つのサイズのバイアル瓶80,80’に装着可能であったが、本発明のバイアルアダプタを装着することができるバイアル瓶のサイズ数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。バイアルアダプタがただ1つのサイズのバイアル瓶にしか装着することができないとしても、当該バイアルアダプタを用いることにより、これより大きなサイズのバイアル瓶に適合するように構成されたバイアルシールド200及びデバイス300を、小サイズのバイアル瓶に装着することが可能になる。
上記の実施形態では、バイアル瓶80,80’に、バイアルアダプタ1、バイアルシールド200、デバイス300を順次装着したが、本発明はこれに限定されない。例えば、バイアルシールド200を用いずに、バイアルアダプタ1にデバイス300を装着してもよい。バイアルアダプタ1にバイアルシールド200を装着した後、これらをバイアル瓶80,80’に装着してもよい。
本発明のバイアルアダプタの構成は、上記の実施形態に示したバイアルアダプタ1に限定されず、適宜変更しうる。例えば、当接部24aを含む弾性片24や爪27の数や配置は、上記の実施形態に限定されず、任意である。但し、バイアルアダプタ1をバイアル瓶80,80’の拡径部85,85’に対して、がたつきなく同軸に配置するためには、複数の弾性片24(当接部24aを含む)及び複数の爪27が周方向に離散的に配置されることが好ましい。シールド係合機構が係合突起28以外の構成を有していてもよく、また、デバイス係合機構がブリッジ25以外の構成を有していてもよい。
図11に示すように、当接部24aの上端に、半径方向の内側に向かって突出した係合部24dを設けてもよい。係合部24dは、拡径部85の外周面85cの上側端縁85bまたは拡径部85の上面に係合するように構成されている。係合部24dは、バイアルアダプタ1をバイアル瓶80に装着したとき、バイアルアダプタ1が拡径部85に対して下方に移動するのを防止する。係合部24dと爪27とが拡径部85を上下方向に把持するので、拡径部85に対するバイアルアダプタ1の上下方向に移動が制限される。これは、この後の、バイアルアダプタ1にバイアルシールド200及び/又はデバイス300を装着する作業を容易にするのに有利である。図示を省略するが、係合部24dは、φ15の係合部85’にも同様に係合しうる。
本発明のバイアルアダプタは、バイアルシールド200の弁体220に相当する弁体を備えていてもよい。例えば、弁体220及びこれを保持する天板211(図4参照)を、水平部219と同様の部材を介して第1ロッド11及び/又は第2ロッド12の上端に設けてもよい。この場合、バイアルアダプタにバイアルシールド200を装着する必要がなくなる。また、バイアルシールド200を固定するためのシールド係合機構(係合突起28)やテーパ面14を省略することができる。
本発明のバイアルアダプタに装着されるバイアルシールド及び閉鎖系デバイスの構成は、上記のバイアルシールド200及びデバイス300に限定されない。例えば、バイアルシールドは、特許文献3の実施形態1に記載されたバイアルシールドや、特許文献4に記載されたバイアルシールド(特許文献4では「容器カバー」と称されている)、あるいはこれら以外の任意のバイアルシールドであってもよい。また、閉鎖系デバイスは、特許文献1に記載されたデバイス(特許文献1では「容器コネクタ」と称されている)や、これら以外の、バイアル瓶に接続される任意のデバイスであってもよい。バイアルシールド及び閉鎖系デバイスの構成に応じて、シールド係合機構及びデバイス係合機構など、本発明のバイアルアダプタの構成は適宜変更しうる。
また、本発明のバイアルアダプタは、バイアルシールド及び閉鎖系デバイス以外の、バイアル瓶に装着されるように構成された任意の機器を装着することができるように構成されていてもよい。本発明によれば、特定のサイズのバイアル瓶に適合するように構成された機器を、本発明のバイアルアダプタを介して、小サイズのバイアル瓶に装着することが可能になり、上記の実施形態と同様の作用を奏する。
本発明の利用分野は、バイアル瓶を取り扱う分野において、広範囲に利用することができる。中でも医療分野、特に輸液において患者に投与する薬液を調製する分野において好ましく利用することができる。バイアル瓶に収容された薬剤の種類は、制限はないが、抗がん剤などの作業者の薬剤被曝が問題となる薬剤であることが好ましい。
1 バイアルアダプタ
1a 中心軸
24 弾性片
24a 当接部
24b 屈曲部
24c 基端部
24d 係合部
25 ブリッジ(デバイス係合機構)
27 爪
27a 爪の先端
28 係合突起(シールド係合機構)
80,80’,80” バイアル瓶
81,81’,81” 瓶本体
83,83’,83” 瓶本体の口
84,84’,84” ネック部
85,85’、85” 拡径部
85c,85c’、85c” 拡径部の外周面
200 バイアルシールド
210 シールド本体
216 バイアルシールドの爪
220 弁体
300 デバイス
320 穿刺針
366 デバイスの爪

Claims (4)

  1. 瓶本体の口を栓体で封止したバイアル瓶に装着されるバイアルアダプタであって、
    前記口を取り囲む拡径部に係合するように構成された爪と、
    前記拡径部の外周面に当接するように構成された当接部と、基端部と、前記当接部及び前記基端部が互いに離間し且つ対向するように前記当接部及び前記基端部を接続する屈曲部とを備えた弾性片とを備え、
    前記弾性片は、前記基端部にて片持ち支持されており、
    前記弾性片の終端部に前記当接部が設けられており、
    前記当接部は、前記バイアルアダプタの中心軸から離間するように弾性的に変位可能であり、
    前記当接部が前記中心軸から離間するように弾性的に変位するとき、前記屈曲部が前記中心軸から離間するように前記基端部が弾性的に曲げ変形し、且つ、前記当接部が前記基端部に接近するように前記当接部及び前記屈曲部が弾性的に曲げ変形することを特徴とするバイアルアダプタ。
  2. 前記爪の先端は、前記バイアルアダプタの中心軸から離間するように弾性的に変位可能である請求項に記載のバイアルアダプタ。
  3. 前記爪の前記先端は、前記中心軸から離間するように変位すると、同時に下方にも変位する請求項に記載のバイアルアダプタ。
  4. 前記当接部に、前記爪とは反対側において前記拡径部に係合するように、前記中心軸に向かって突出した係合部が設けられている請求項1〜のいずれか一項に記載のバイアルアダプタ。
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