以下において、ギリシャ文字は、それらの記号又は対応する記載名によって表してもよい、例えば、α=アルファ;β=ベータ;ε=イプシロン;γ=ガンマ;ω=オメガ等。また、ギリシャ文字のμは、「u」で表してもよい(例えば、μl=ul、又はμM=uM)。
化学式におけるアスタリスク(*)は、i)付着点、ii)ラジカル及び/又はiii)非共有電子を示す。
第1の態様では、本発明は、GLP-1ペプチドの誘導体であって、ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置に第1のLys残基、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置に第2のLys残基、及びGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最大7個のアミノ酸変化を含み、誘導体が前記第1及び第2のLys残基それぞれに、それぞれリンカーを介して結合した2個の延長部分を含み、延長部分が、
Chem.1:HOOC-C6H4-O-(CH2)y-CO-*、及び
Chem.2:HOOC(CH2)x-CO-*から選択され、
式中、yが8〜11の範囲の整数であり、xが12であり、リンカーが、
Chem.3:*-NH-CH(COOH)-(CH2)2-CO-*、
Chem.4:*-NH-CH((CH2)2-COOH)-CO-*、及び/又は
Chem.5:*NH-(CH2)2-[O-(CH2)2]k-O-[CH2]n-CO-*の少なくとも1個を含み、
式中、kが1〜5の範囲の整数であり、nが1〜5の範囲の整数である誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステルに関する。
GLP-1ペプチド及び類似体
本発明の誘導体のGLP-1ペプチドは時々、誘導体の「骨格」又は「ペプチド骨格」と呼ぶことがある。
本明細書で使用した「GLP-1ペプチド」という用語は、ヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1(7-37))の類似体又は変種を意味し、その配列は配列番号1として配列表に含まれる。配列番号1の配列を有するペプチドはまた、「天然」GLP-1と称することができる。
配列表において、配列番号1の天然GLP-1の第1のアミノ酸残基(ヒスチジン)を第1番に割り当てる。しかし、以下において、当技術分野で確立された手法によると、このヒスチジン残基は第7番と称され、それに続くアミノ酸残基は、それに応じて番号付けされ、天然GLP-1はグリシン第37番で終わる。したがって、一般的に、本明細書において天然GLP-1におけるアミノ酸残基番号又は位置番号について参照する場合は、7位のHisで開始し、37位のGlyで終了する配列についてである。
本明細書ではまた、本発明のGLP-1ペプチドについてこの手法に従い、i)変化しているアミノ酸残基に対応する天然GLP-1(7-37)におけるアミノ酸残基の番号(すなわち、天然GLP-1において対応する位置)、及びii)実際の変化について参照することにより記載することができる。
例えば、本発明のGLP-1ペプチドは、GLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置に第1のLys残基、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置に第2のLys残基を含めるように定義される。本発明のGLP-1ペプチドのこれらの2つのLys残基はそれぞれ、36Lys及び37Lysと称することができる。例えば、天然のGLP-1と比較してこれらの2つの変化のみを有する本発明のGLP-1ペプチドは、36Lys、37LysGLP-1(7-37)及び/又はGLP-1(7-37)R36K、G37Kと呼ぶことができる。また、これらの呼称において、36及び37の位置番号はそれぞれ、天然のGLP-1における36位及び37位それぞれに対応する位置を意味する。後者の表現において、Lys(K)で置換される残基も示される(36位及び37位についてそれぞれR及びG)。
本発明のGLP-1ペプチドは、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して更にアミノ酸変化を有していてもよいが、アミノ酸変化は最大7個に制限される。これらの変化はまた、天然のGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較され、独立して、1個又は複数のアミノ酸置換、挿入、延長及び/又は欠失を表していてもよい。
特定の実施形態では、アミノ酸変化はGLP-1(7-37)(配列番号1)の8、22、26、30、34、36及び37位の1個又は複数に対応する1個又は複数の位置においてである。
別の特定の実施形態では、本発明のGLP-1ペプチドは36Lys及び37Lysを含み、場合によっては以下の更なるアミノ酸変化:(8Aib若しくは8Gly)、22Glu、26Arg、30Glu及び/又は(34Arg若しくは34Gln)の1個又は複数を含む。この実施形態では、配列番号1のGLP-1(7-37)を参照することが暗に示されており、位置の番号は、上記で説明したように、それぞれ天然GLP-1における36、37、8、22、26、30及び34位に対応する位置を意味する。表現(34Arg若しくは34Gln)は、天然GLP-1における34位に対応する位置の残基がArg又はGlnのいずれかであることを意味する。
実験の項で開示した本発明の特定の誘導体にも組み込まれる本発明の特定のGLP-1ペプチドは、配列表の配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5及び配列番号6である。
ある特定の指定された変化を「含む」ペプチドは、配列番号1と比較したとき、更に変化を含んでいてもよい。
上記の例から明らかなように、アミノ酸残基は、それらの完全な名称、1文字コード及び/又は3文字コードによって確認することができる。これら3つの方法は完全に同等である。
天然GLP-1と比較したアミノ酸変化の総数、並びに特定の変化(どの位置及び何に対する)は、当技術分野で知られているように、例えば、筆記及び目視によって、及び/又は適切なプログラム、好ましくは「align」等のNeedleman-Wunschアラインメントによって確認することができる。アルゴリズムは、Needleman, S.B.及びWunsch, C.D.、(1970年)、Journal of Molecular Biology、48:443〜453頁、並びにMyers及びW. Miller、「Optimal Alignments in Linear Space」、CABIOS(computer applications in the biosciences)(1988年)4:11〜17頁による整列プログラムにおいて記載されている。アラインメントのために、BLOSUM62等のデフォルトスコアリングマトリックス及びデフォルト同一性マトリックスを使用してもよく、ギャップにおける第1の残基についてのペナルティは-10に設定してもよく、ギャップにおける更なる残基についてのペナルティは-0.5に設定してもよい。
配列番号1及び配列番号2のこのようなアラインメントの1例を以下に挿入する:
上記アラインメントから推測することができるように、配列に含まれるAib等の非コードアミノ酸の場合、アラインメント目的のためにこれらをXで置き換えてもよい。所望するならば、Xは後で手動で修正することができる。
上記のアラインメントからも推測することができるように、配列番号2は、天然GLP-1(配列番号1)の以下の類似体:8Aib、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys、37Lysである(GLP-1(7-37)を参照することが暗に示されている)。言い換えると、この類似体は、天然GLP-1と比較して、すなわち、天然GLP-1の8、22、26、34、36及び37位に対応する位置に6個のアミノ酸変化を有し、アミノ酸変化は全て、すなわち、それぞれAib、Glu、Arg、Arg、Lys及びLysに置換されている。
「ペプチド」という用語は、アミド(又はペプチド)結合によって相互結合した一連のアミノ酸を含む化合物を意味する。
本発明のペプチドは、ペプチド結合によって連結した少なくとも5個の構成アミノ酸を含む。特定の実施形態では、ペプチドは、少なくとも10個の、好ましくは少なくとも15個の、より好ましくは少なくとも20個の、更により好ましくは少なくとも25個の、又は最も好ましくは少なくとも28個のアミノ酸を含む。
特定の実施形態では、ペプチドは、少なくとも5個の構成アミノ酸から構成され、好ましくは、少なくとも10個の、少なくとも15個の、少なくとも20個の、少なくとも25個のアミノ酸から構成され、又は最も好ましくは少なくとも28個のアミノ酸から構成される。
更なる特定の実施形態では、ペプチドは、a)i)28個、ii)29個、iii)30個、iv)31個、v)32個、若しくはvi)33個のアミノ酸から構成され、又はb)i)28個、ii)29個、iii)30個、iv)31個、v)32個、若しくはvi)33個のアミノ酸からなる。
また更なる特定の実施形態では、ペプチドは、ペプチド結合によって相互結合したアミノ酸からなる。
アミノ酸は、アミン基及びカルボン酸基、及び場合によっては、しばしば側鎖と称される1個又は複数の更なる基を含む化合物と定義することができる。アミン基は、例えば、1級又は2級アミノ基であってもよい。
アミノ酸残基は、ペプチド又はタンパク質に組み込まれたアミノ酸の基である。
特定の実施形態では、本発明のペプチドのアミノ酸は、1級又は2級アミノ基の窒素原子がα-炭素原子に結合したα-アミノ酸である。
別の特定の実施形態では、本発明のペプチドのアミノ酸は、コードアミノ酸及び非コードアミノ酸から選択される。
更に他の特定の実施形態では、本発明のペプチドのアミノ酸の少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、更により好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、又は最も好ましくは少なくとも97%がコードアミノ酸である。
コードアミノ酸は、20個のコードアミノ酸の構造、慣用名、系統名、1文字及び3文字記号が示されているIUPAC(INTERNATIONAL UNION OF PURE AND APPLIED CHEMISTRY;http://www.chem.qmul.ac.uk/iupac/を参照されたい)による推奨の3AA-1項の表1のように定義することができる。
「非コードアミノ酸」という用語は、その他のアミノ酸全てを意味する。本発明のペプチドに組み込むことができる非コードアミノ酸の非限定的な例は、Aad(2-アミノアジピン酸(2-アミノヘキサン二酸))、Abu(2-アミノブタン酸)、Aca(2-アミノカプリン酸(2-アミノデカン酸))、Aib(α-アミノイソ酪酸(α-メチルアラニン))、Apm(2-アミノピメリン酸(2-アミノヘプタン二酸))、Bal(β-アラニン)、Bly(3,6-ジアミノヘキサン酸(β-リシン))、Bux(4-アミノ-3-ヒドロキシブタン酸)、Cha(3-シクロヘキシルアラニン)、Cit(N5-アミノカルボニルオルニチン又はシトルリン)、Cya(システイン酸、3-スルホアラニン)、Dab(2,4-ジアミノブタン酸)、Dpm(ジアミノピメリン酸)、Dpr(2,3-ジアミノプロパン酸)、Gla(γ-カルボキシグルタミン酸)、pGlu(ピログルタミン酸)、hArg(ホモアルギニン)、hCys(ホモシステイン)、hHis(ホモヒスチジン)、hSer(ホモセリン)、Hyl(5-ヒドロキシリシン)、Hyp(4-ヒドロキシプロリン)、Iva(イソバリン)、1-Nal若しくは2-Nal(それぞれ1-ナフチルアラニン及び2-ナフチルアラニン)等のNal、Nle(ノルロイシン)、Nva(ノルバリン)、Orn(オルニチン、2,5-ジアミノヘキサン酸)、Pen(ペニシラミン(3-メルカプトバリン))、Phg(2-フェニルグリシン)、pSer(ホスホセリン)、pThr(ホスホトレオニン)、pTyr(ホスホチロシン)、Sar(サルコシン(N-メチルグリシン))、Tle(3-メチルバリン)、Tml(ε-N-トリメチルリシン)及びTza(3-チアゾリルアラニン)である。
非コードアミノ酸の更なる非限定的な例は、D-アラニン及びD-ロイシン等のコードアミノ酸のD-異性体である。好ましい非コードアミノ酸はAibである。
更なる特定の実施形態では、本発明のペプチドのN末端残基は、厳密に言ってアミノ酸でなくてもよい。例えば、もはやアミノ酸ではないように、意図的に、又は自然発生的に修飾されていてもよい。このような修飾の非限定的な例は、N末端ヒスチジンのイミダゾプロピオニル(デアミノヒスチジン)又は2-ヒドロキシ-デアミノ-ヒスチジンとの置換である。別の例は、自然発生的に生じ得るN末端グルタミン酸又はグルタミンのピログルタミン酸(5-オキソ-プロリン、ピドル酸)への変換である。
以下において、光学異性体が述べられていない特定のアミノ酸は全て、L-異性体を意味するものと理解され(特に明記しない限り)、例えば、グルタミンの特定のアミノ酸を参照するとき、これは、特に明記しない限り、L-グルタミンを意味するものである。他方、アミノ酸がより一般の式、例えば、brutto式又は構造式によって記載される場合、及び立体化学が示されないとき、これらの式は、立体異性体全てを包含するものである。
当技術分野の一般的な手法によれば、本発明のGLP-1ペプチドのN末端は左に示され、C末端は右に示される。
GLP-1誘導体
「誘導体」という用語は、GLP-1ペプチド又は類似体との関連で本明細書において使用する場合、化学修飾されたGLP-1ペプチド又は類似体を意味し、明確に定義された数の置換基がペプチドの1個又は複数の特定のアミノ酸残基に共有結合で結合している。置換基はまた、側鎖と称してもよい。
特定の実施形態では、側鎖は、アルブミンと共に非共有結合性凝集物を形成することができ、それによって血流による誘導体の循環を促進し、GLP-1-誘導体及びアルブミンの凝集物がごくゆっくり崩壊して活性医薬成分を放出するという事実によって、誘導体の作用時間を持続させる作用も有する。
側鎖は、本明細書では延長部分と称する部分を含む。
延長部分は、ペプチドへの付着点に対して側鎖の末端位に、又はその付近にあってもよい。
また更なる特定の実施形態では、側鎖は、延長部分とペプチドへの付着点との間の部分を含み、この部分は、リンカーと称することができる。リンカーは、1個又は複数のリンカー要素からなっていてもよい。
特定の実施形態では、側鎖及び/又は延長部分は生理学的pH(7.4)で親油性であり、且つ/又は負に帯電している。
側鎖は、アシル化によってGLP-1ペプチドのリシン残基に共有結合で結合していてもよい。
好ましい実施形態では、側鎖の活性エステルは、アミド結合の形成下で、リシン残基のアミノ基、好ましくはそのイプシロンアミノ基に共有結合で結合している(この工程は、アシル化と称される)。
特に明記しない限り、リシン残基のアシル化について参照するとき、そのイプシロン-アミノ基への参照と理解される。
それぞれリンカーを介してGLP-1ペプチドの第1及び第2のK残基(例えば、36Lys及び37Lys)に結合した2つの延長部分を含む誘導体は、2回アシル化された、二重アシル化された、又は二連アシル化されたGLP-1誘導体と称してもよい。
本発明の目的のために、延長部分及びリンカーという用語は、未反応形態及び反応形態のこれらの分子を含むことができる。1つ又はその他の形態が意味されるかどうかは、用語が使用される状況から明らかである。
一態様では、各延長部分は、
Chem.1:HOOC-C6H4-O-(CH2)y-CO-*、及び
Chem.2:HOOC-(CH2)x-CO-*
から選択された延長部分を含み、又はこれらからなり、
式中、yは、8〜11の範囲の整数であり、xは12である。
特定の実施形態では、*-(CH2)y-*は、直鎖状アルキレンを意味し、yは9〜11の範囲の整数である。
別の特定の実施形態では、*-(CH2)x-*は、直鎖状アルキレンを意味し、xは12である。この延長部分は、C14二酸、すなわち、14個の炭素原子を有する脂肪α、ωジカルボン酸と短く称することができる。
「脂肪酸」という用語は一般的に、4個から28個までの炭素原子を有する脂肪族モノカルボン酸を意味し、「脂肪酸」は好ましくは、枝分かれしておらず、且つ/又は偶数鎖であり、飽和又は不飽和であってもよい。
命名法は、当技術分野における通常通りであり、例えば、上記の式において、*-C6H4-*はフェニレンを意味し、*-CO-*はカルボニル(*-C(=O)-*)を意味する。例えば、本明細書において任意の式(R-CO-*)(式中、Rは各式によって定義されている通りである)において、R-CO-*はR-C(=O)-*を意味する。特定の実施形態では、フェニレン基はパラであってもよい。別の特定の実施形態では、フェニレン基はメタであってもよい。
上記で説明したように、本発明のGLP-1誘導体は二重アシル化されており、すなわち、2個の側鎖は、GLP-1ペプチドに共有結合で結合している。
特定の実施形態では、2個の側鎖は類似しており、好ましくは、実質的に同一であり、又は最も好ましくは同一である。
別の特定の実施形態では、2つの延長部分は類似しており、好ましくは、実質的に同一であり、又は最も好ましくは同一である。
更に他の特定の実施形態では、2つのリンカーは類似しており、好ましくは、実質的に同一であり、又は最も好ましくは同一である。
「実質的に同一な」という用語は、1種若しくは複数の塩、エステル、及び/又はアミドの形成;好ましくは1種若しくは複数の塩、メチルエステル、及び単純なアミドの形成;より好ましくは2種以下の塩、メチルエステル、及び/又は単純なアミドの形成;更により好ましくは1種以下の塩、メチルエステル、及び/又は単純なアミドの形成、又は最も好ましくは1種以下の塩の形成によって、同一性に差異を含む。
側鎖、延長部分及びリンカー等の化合物との関連で、類似性及び/又は同一性は、当技術分野において公知の任意の適切なコンピュータプログラム及び/又はアルゴリズムを使用して決定することができる。
例えば、2つの延長部分、2つのリンカー及び/又は2つの全側鎖の類似性は、分子フィンガープリントを使用して適切に決定することができる。フィンガープリントは、化学構造を表す数学的方法である(例えば、Chemoinformatics:A textbook、Johann Gasteiger及びThomas Engel(編)、Wiley-VCH Verlag、2003年を参照されたい)。適切なフィンガープリントの例には、これらに限定はされないが、UNITYフィンガープリント、MDLフィンガープリント、及び/又はECFPフィンガープリント、例えば、ECFP_6フィンガープリント(ECFPは拡張結合性フィンガープリントの略語である)が含まれる。
特定の実施形態では、2つの延長部分、2つのリンカー、及び/又は2つの側鎖は、a)ECFP_6フィンガープリント;b)UNITYフィンガープリント;及び/又はc)MDLフィンガープリントとして表される。
2つのフィンガープリントの類似性を計算するために、a)、b)又はc)のいずれを使用しても、タニモト係数を使用することが好ましい。
特定の実施形態では、a)、b)又はc)のいずれを使用しても、2つの延長部分、2つのリンカー、及び/又は2つの側鎖はそれぞれ、少なくとも0.5(50%)、好ましくは少なくとも0.6(60%)、より好ましくは少なくとも0.7(70%)、又は少なくとも0.8(80%)、更により好ましくは少なくとも0.9(90%)、又は最も好ましくは少なくとも0.99(99%)の類似性、例えば、1.0(100%)の類似性を有する。
UNITYフィンガープリントは、プログラムSYBYL(Tripos社、1699 South Hanley Road、St. Louis、MO63144-2319、USAから入手可能)を使用して計算することができる。ECFP_6及びMDLフィンガープリントは、プログラムPipeline Pilot(Accelrys Inc.社、10188 Telesis Court、Suite 100、San Diego、CA92121、USAから入手可能)を使用して計算することができる。
更なる詳細については、例えば、J. Chem. Inf. Model.、2008年、48、542〜549頁;J. Chem. Inf. Comput. Sci.、2004年、44、170〜178頁;J. Med. Chem.、2004年、47、2743〜2749頁;J. Chem. Inf. Model.、2010年、50、742〜754頁;及びSciTegic Pipeline Pilot Chemistry Collection:Basic Chemistry User Guide、2008年3月、SciTegic Pipeline Pilot Data Modeling Collection、2008年(両方ともAccelrys Software Inc.社製、San Diego、US)、並びにガイドhttp://www.tripos.com/tripos_resources/fileroot/pdfs/Unity_111408.pdf、及びhttp://www.tripos.com/data/SYBYL/SYBYL_072505.pdfを参照されたい。
類似性計算の一例を下記で挿入し、ここで公知のGLP-1誘導体の公知の全側鎖をそのメチルエステルと比較した。
a)ECFP_6フィンガープリントを使用すると類似性は0.798であり、b)UNITYフィンガープリントを使用すると類似性は0.957であり、MDLフィンガープリントを使用すると類似性は0.905である。
2つの同一の側鎖(アルブミン結合部分)の場合、誘導体は対称性を示していてもよい。
特定の実施形態では、類似性係数は、少なくとも0.80、好ましくは少なくとも0.85、より好ましくは少なくとも0.90、更により好ましくは少なくとも0.95、又は最も好ましくは少なくとも0.99である。
本発明の誘導体のリンカーは、以下のリンカー要素:
Chem.3:*-NH-CH(COOH)-(CH2)2-CO-*、
Chem.4:*-NH-CH((CH2)2-COOH)-CO-*、及び/又は
Chem.5:*-NH-(CH2)2-[O-(CH2)2]k-O-[CH2]n-CO-*の少なくとも1つを含み、
式中、kは1〜5の範囲の整数であり、nは1〜5の範囲の整数である。
Chem.3のリンカー要素は、簡単にgGlu、ガンマGlu又はγ-Gluと称することができる。gGluにおいて、これは別のリンカー要素又はリシンのイプシロン-アミノ基に連結するために使用されるアミノ酸グルタミン酸のガンマカルボキシ基である。
Chem.4のリンカー要素は、簡単にaGlu、アルファGlu、α-Glu又は好ましくは単にGluと称することができる。Gluにおいて、これは別のリンカー要素又はリシンのイプシロン-アミノ基に連結するために使用されるアミノ酸グルタミン酸のアルファカルボキシ基である。
好ましい一実施形態では、(各)gGluリンカー要素はL型である。別の特定の実施形態では、(各)Gluリンカー要素はL型である。
Chem.5のリンカー要素において、「k」及び「n」は両方とも1と5との間で変化することができる。k=n=1のとき、このリンカー要素の構造はChem.5bに対応する:Chem.5b:*NH-(CH2)2-O-(CH2)2-O-CH2-CO-*。Chem.5bのリンカー要素は、そのジラジカルであるので、簡単にAdo(8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸)と称することができる。
本発明の誘導体のリンカーは、これら3種類の異なるリンカー要素の1個又は複数を含んでいてもよく、各個々のリンカー要素の1個又は複数も含んでいてもよい。
非限定的な例として、リンカーは、アミド結合を介して相互結合しており、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結し、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2のLys残基のイプシロンアミノ基に連結している、2個のChem.3要素及び2個のChem.5b要素(2×Chem.3-2×Chem.5b)からなっていてもよい。
言うまでもなく、順序よくするためだけに、「示した配列において」という語句は、最初に言及したリンカー要素(ここでは、2個のChem.3の最初の1つ)の*-NH末端が延長部分のCO-*末端に連結しており、最後に言及したリンカー要素(ここでは、2個のChem.5bの最後の1つ)のCO-*末端がGLP-1類似体の問題のK残基のイプシロンアミノ基に連結していることを意味する。
本発明の誘導体は、同じ分子式及び結合原子の配列を有する異なる立体異性体の形態で存在することができるが、空間中のこれらの原子の三次元の配向のみが異なる。本発明の例示的な誘導体の立体異性は、実験の項において、標準的な命名法を使用した名称及び構造で示される。特に明記しない限り、本発明は、請求した誘導体の立体異性体の形態全てに関する。
本発明のGLP-1誘導体の血漿中における濃度は、任意の適切な方法を使用して決定することができる。例えば、LC-MS(液体クロマトグラフィー質量分析)を使用することができ、又は免疫アッセイ、例えば、RIA(放射免疫アッセイ)、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)及びLOCI(発光酸素チャネリング免疫アッセイ)を使用することができる。適切なRIA及びELISAアッセイのための一般的方法は、例えば、国際公開第09/030738号パンフレット、116〜118頁に見出される。好ましいアッセイは、LOCIアッセイである。略語LOCIは、Journal of Biomolecular Screening 2007年、12巻、240〜247頁において、Poulsen及びJensenによってインスリンの測定のために一般的に記載されたルミネセンス酸素チャネリング免疫アッセイを意味する。簡単に説明すると、ドナービーズをストレプトアビジンでコーティングし、一方受容体ビーズにはペプチドのmid-/C-末端エピトープを認識するモノクローナル抗体を結合させる。N末端に特異的な別のモノクローナル抗体をビオチン化する。3つの反応体を分析物と組み合わせると、2部位免疫複合体が形成される。複合体を照射するとドナービーズから一重項酸素原子が放出され、これが受容体ビーズに向けられると、化学ルミネセンスのきっかけとなり、化学ルミネセンスは、例えば、Envisionプレートリーダーで測定される。光の量は、化合物の濃度に比例する。
中間体生成物
本発明はまた、本発明の誘導体の新規骨格の形態の中間体生成物、すなわち、GLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置に第1のLys残基を含み、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置に第2のLys残基を含み、それぞれをGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較したとき、以下の更なる特性:
i)その他のLys残基を含まないこと、及び/又は
ii)(8Aib若しくは8Gly)、22Glu、26Arg、30Glu及び/又は(34Arg若しくは34Gln)の少なくとも1つを含むことの少なくとも1つを有するGLP-1ペプチド、又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステルに関する。
本発明のこのようなGLP-1ペプチドの非限定的な例は、配列番号2、3、4、5及び6のペプチドである。
本発明は更に、ペプチド骨格に結合したとき本発明のGLP-1誘導体をもたらす新規側鎖誘導体の形態の中間体生成物に関する。この中間体生成物には、場合によってはリンカーを介して、ノナン酸のカルボキシ基に保護基を有する3-カルボキシフェノキシ-ノナン酸が含まれる。
より詳細には、本発明の中間体側鎖生成物はChem.6であって:
式中、Lは*-NH基及び*-CO基を組み込んでいるジラジカルである任意選択のリンカーであり(*-NH基は分子の左手末端にあり、*-CO基は分子の右手末端にある)、PGは保護基であり、末端のCOOH基(芳香族環のメタ位)及び/又は、存在するならば、任意のその他のCOOH基も場合によっては保護されているChem.6、又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステルを含む。
特定の実施形態では、PGは可逆的に化合物を不活性にし、選択的に除去することができる基である。
PG基の非限定的な例は-OH、又は活性化エステルのように機能化された基、例えば、限定はしないが、OPfp、OPnp及びOSucである。
その他の活性化エステルは、例えば、M. Bodanszky、「Principles of Peptide Synthesis」、第2版、Springer Verlag、1993年の教示に従って選択することができる。
本発明の中間体側鎖生成物の特定の実施形態は、Chem.7及びChem.8:
Chem.7:
Chem.8:
(式中、i)COOH基は全く保護されていないか、ii)末端COOH基のみ、iii)非末端COOH基のみ、又はiv)両方のCOOH基が保護されている)、又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステルを含む。
Chem 6の中間体生成物はChem.7に変換することができ、これは次に以下のようにChem.8に変換することができる:
Chem.6(Lは有さず、メタ位のカルボン酸にOBn等の適切な保護基を有し、PGが、例えば、N-ヒドロキシスクシンイミドから得られる適切な活性エステルCO-PGを有する)は、活性エステルと、例えばH-Glu-OBnとの反応及びGluのCOOH基のN-ヒドロキシスクシンイミドのエステル等の適切な活性エステルへの変換によってChem.7に変換することができる。Chem.7は、活性エステルと、例えば、H-Ado-Ado-OHとの反応及びAdoのCOOH基のN-ヒドロキシスクシンイミドのエステル等の適切な活性エステルへの変換によってChem 8に変換することができる。
薬学的に許容される塩、アミド又はエステル
本発明の中間生成物、類似体及び誘導体は、薬学的に許容される塩、アミド、又はエステルの形態であってもよい。
塩は、例えば、塩基及び酸の間の化学反応、例えば:2NH3+H2SO4→(NH4)2SO4によって形成される。
塩は、塩基性塩、酸性塩であってもよく、又は塩は、どちらでなくてもよい(すなわち、中性塩)。水中で、塩基性塩は水酸化イオンを生成し、酸性塩はヒドロニウムイオンを生成する。
本発明の誘導体の塩は、それぞれ、アニオン基又はカチオン基と反応する、添加したカチオン又はアニオンによって形成され得る。これらの基は、本発明の誘導体のペプチド部分において、及び/又は側鎖において位置することができる。
本発明の誘導体のアニオン基の非限定的な例には、側鎖における、もしあれば、ペプチド部分における遊離カルボキシル基が含まれる。ペプチド部分は、C末端に遊離カルボン酸基を含むことが多く、ペプチド部分はまた、内部の酸アミノ酸残基、例えば、Asp及びGluに遊離カルボキシル基を含んでいてもよい。
ペプチド部分におけるカチオン基の非限定的な例には、N末端における遊離アミノ基、及び存在するならば、内部の塩基性アミノ酸残基、例えば、His、Arg、及びLysの任意の遊離アミノ基が含まれる。
本発明の誘導体のエステルは、例えば、遊離カルボン酸基とアルコール又はフェノールとの反応によって形成されてもよく、これによって、アルコキシ又はアリールオキシ基による少なくとも1個のヒドロキシル基の置換が引き起こされる。
エステル形成は、ペプチドのC末端の遊離カルボキシル基、及び/又は側鎖における任意の遊離カルボキシル基が関与し得る。
本発明の誘導体のアミドは、例えば、遊離カルボン酸基の活性型とアミン若しくは置換アミンとの反応によって、又は遊離若しくは置換アミノ基とカルボン酸の活性型との反応によって形成され得る。
アミド形成は、ペプチド及び/又は側鎖において、ペプチドのC末端の遊離カルボキシル基、側鎖における任意の遊離カルボキシル基、ペプチドのN末端の遊離アミノ基、及び/又はペプチドの任意の遊離若しくは置換アミノ基が関与し得る。
特定の実施形態では、ペプチド又は誘導体は、薬学的に許容される塩の形態である。別の特定の実施形態では、誘導体は、薬学的に許容されるアミドの形態であり、好ましくは、ペプチドのC末端におけるアミド基を有する。また更なる特定の実施形態では、ペプチド又は誘導体は、薬学的に許容されるエステルの形態である。
機能的特性
本発明の誘導体は生物学的に活性である。例えば、これらは非常に強力で、また、又は代わりにGLP-1受容体に非常によく結合する。
また、又は代わりに、これらは持続性薬物動態学的プロファイルを有する。例えば、ミニブタ及び/又はイヌにi.v.投与すると、これらは非常に長期の消失半減期を有する。
良好な効力/結合及び長い半減期の特定の組合せが非常に望ましい。
また、又は代わりに、これらの経口生物学的利用率は高い。例えば、経口投与したとき、これらは好ましいことに所望する期間十分高い血漿濃度を表すことができる。また、又は代わりに、血漿濃度は、連続投与間において望ましいことに低い変動を表す(比較的一定である)ことができる。
また、又は代わりに、これらは肥満及びその他の摂食障害に対する作用の指標となり得る食物摂取の減少を引き起こす。
また、又は代わりに、GLP-1ペプチドにおけるアミノ酸変化の数は少ない。
これらの特性は、皮下、静脈内及び/又は特に経口投与のための次世代GLP-1化合物の開発において重要であり得る。
また、又は代わりに、ペプチド骨格において隣接するアミノ酸残基に2つの長い側鎖が結合したGLP-1類似体は極めて機能的であり、更には性能も改善されていることは驚くべきことである。
第1の態様によれば、本発明の誘導体及びGLP-1ペプチドはGLP-1活性を有する。例えば、本発明の誘導体は驚いたことに良好な効力を有し、且つ/又は驚いたことにヒトGLP-1受容体に結合する良好な能力を有する。
第1の特定の実施形態では、効力及び/又は活性とは、インビトロにおける効力、すなわち、機能的GLP-1受容体アッセイにおける性能、より詳細にはヒトGLP-1受容体を活性化する能力を意味する。
インビトロにおける効力は、例えば、ヒトGLP-1受容体を発現する膜を含有する媒体において、及び/又はヒトGLP-1受容体を発現する細胞全体によるアッセイにおいて決定することができる。
例えば、ヒトGLP-1受容体の応答は、レポーター遺伝子アッセイ、例えば、ヒトGLP-1受容体を発現し、プロモーターにカップリングしたcAMP応答要素(CRE)のためのDNA及びホタルルシフェラーゼ(CREルシフェラーゼ)のための遺伝子を含有する、安定的にトランスフェクトされたBHK細胞系において測定することができる。GLP-1受容体の活性化の結果としてcAMPが産生されるとき、次にルシフェラーゼの発現が引き起こされる。ルシフェラーゼは、ルシフェリンを添加することによって決定することができ、ルシフェリンは酵素によってオキシルシフェリンに変換され、生物発光を生じ、この生物発光を測定するとインビトロにおける効力の指標となる。このようなアッセイの1つの非限定的な例を実施例29に記載する。
EC50値は通常、薬物の効力の指標として使用される。これは、用量反応曲線を参照することにより、ベースラインと最大との中間の反応を誘導する問題の化合物の濃度を意味する。通常、EC50という場合、その最大作用の50%が観察される濃度を表す。
本発明の誘導体のインビトロにおける効力は、上記のように決定してもよく、問題の誘導体のEC50を決定してもよい。EC50値が低いほど、効力はより良好である。
非限定的な例として、本発明の誘導体は、0% HSAで20pM未満、好ましくは10pM未満、より好ましくは、5.0pM未満、又は更により好ましくは、1.5pM未満のEC50に対応する効力を有する(例えば、実施例29に記載したように決定する)。
一部の実施形態では、本発明の誘導体はインビトロにおいて0% HSAでリラグルチドよりも効力が高い。
一部の実施形態では、本発明の誘導体はインビトロにおいて0% HSAでセマグルチドよりも効力が高い。
一部の実施形態では、本発明の誘導体の0% HSAでのインビトロにおける効力EC50値はセマグルチドの効力の250%よりも低い。「セマグルチドの効力の250%よりも低い」EC50値とは、同じ方法で決定したセマグルチドのEC50値の2.5倍よりも小さいEC50値を意味する。この定義は、その他のパーセント指標及びGLP-1受容体結合親和性(IC50)等のその他のパラメータに関する類似のパーセント指標についても同じように適用される。
これらの比較のために、実施例29試験(0% HSA)の方法に沿ったインビトロにおける効力試験を使用することが好ましい。
また、又は代わりに、GLP-1受容体に結合する本発明のペプチド及び誘導体の能力(受容体親和性)を測定して、関連性のある場合、GLP-1活性の指標として使用することができる。受容体結合は、例えば、競合結合アッセイで測定することができる。この種のアッセイにおいて、標識したリガンド(例えば、125I-GLP-1)を受容体に結合させる。各誘導体は、一連の濃度でヒトGLP-1受容体(例えば、単離した膜に含まれるように)に添加され、標識したリガンドの置換をモニターする。受容体結合はIC50値として報告し、この値は標識したリガンドの半分が受容体から置換する濃度である。これは、例えば、実施例30に記載したように決定することができる。
一般的に、低アルブミン濃度でのGLP-1受容体への結合は、低いIC50値に対応してできる限り良好であるべきである。
非限定的な例として、本発明の誘導体はインビトロにおいてヒトGLP-1受容体(非常に低濃度のアルブミン、例えば、最大0.001% HSA)に0.30nM又はそれ未満のIC50値で結合する。例えば、本発明の誘導体はヒトGLP-1受容体への結合についてはリラグルチドよりも良好で、これらの比較のために、実施例30試験の方法(0.001% HSA)に沿ったインビトロにおける受容体結合試験を使用することが好ましい。
第2の特定の実施形態では、効力及び/又は活性とは、インビボにおける効力を意味する。本発明のペプチド及び誘導体はインビボにおいて効力があり、これは当技術分野で知られているように、任意の適切な動物モデル及び臨床試験において決定することができる。
糖尿病db/dbマウスは、適切な動物モデルの一例で、血中グルコース低下作用及び/又は体重低下作用はこのようなマウスでインビボにおいて決定することができる。
LYDブタは、適切な動物モデルの別の例で、食物摂取の減少はこのようなブタでインビボにおいてPD研究で決定することができる。例えば、実施例34に記載したように、本発明の誘導体をブタに単回用量でs.c.投与すると、食物摂取を減少させる作用を有する(媒体処理対照群と比較して)。
第2の態様によれば、本発明の誘導体は持続性である。持続はインビトロにおいて推定することができ、且つ/又はインビボ研究における薬物動態から決定することができる。
低濃度及び高濃度のアルブミンの存在下で本発明の誘導体がそれぞれGLP-1受容体に結合する能力はそれぞれ、実施例30に記載したように決定することができる。
高アルブミン濃度でのIC50値は、GLP-1受容体への誘導体の結合に対するアルブミンの影響の指標である。公知のように、GLP-1誘導体はまた、アルブミンに結合する。これは一般的に、血漿中のGLP-1誘導体の滞留時間を延長させる望ましい作用である。したがって、高アルブミンでのIC50値は一般に低アルブミンでのIC50値より高く、これはアルブミン結合がGLP-1受容体への結合と競合することによって、GLP-1受容体への結合が減少することに対応する。
また、又は代わりに、アルブミンへの誘導体の結合は、実施例29のインビトロにおける効力アッセイを使用して測定することができ、血清アルブミンの非存在下で、及び血清アルブミンの存在下で実行することができる。血清アルブミンの存在下でのインビトロにおける効力、EC50値の上昇は、血清アルブミンへの親和性を示し、動物モデルにおける試験物質の持続性薬物動態プロファイルを予測する方法を表す。
持続は、例えば、ミニブタ又はイヌへのi.v.注射後の消失半減期(t1/2)として測定することができる。
非限定的な例として、本発明の誘導体は、ミニブタにi.v.投与した後の消失半減期が少なくとも60時間、より好ましくは少なくとも65時間、又は最も好ましくは少なくとも70時間である(例えば、実施例31に記載したように決定した)。
別の非限定的な例として、本発明の誘導体は、ビーグル犬にi.v.投与した後の消失半減期が少なくとも60時間、より好ましくは少なくとも65時間、又は最も好ましくは少なくとも70時間である(例えば、実施例32に記載したように決定した)。
例えば、本発明の誘導体は、ミニブタ及び/又はビーグル犬にi.v.投与した後の半減期がリラグルチド及び/又はセマグルチドよりも長く、これらの比較のために、実施例31及び実施例32の研究方法に沿ったPK研究を使用することが好ましい。
消失半減期の延長及び/又はクリアランスの減少は、問題の化合物が体からゆっくり排除されることを意味している。本発明の誘導体の場合、このことは薬理学的作用期間の延長を伴う。
本発明の誘導体の薬物動態特性は、薬物動態(PK)研究でインビトロにおいて適切に決定することができる。このような研究は、医薬化合物がどのように体内に吸収され、分配され、排出され、これらのプロセスが時間の経過と共に体内での化合物の濃度にどのように影響を及ぼすかを評価するために実施される。
医薬品開発の発見及び前臨床段階において、マウス、ラット、サル、イヌ又はブタ等の動物モデルを使用してこの特徴付けを実施することができる。これらのモデルのいずれかを使用して本発明の誘導体の薬物動態特性を試験することができる。
このような研究では、動物は典型的に、適当な製剤で静脈内、皮下(s.c.)又は経口(p.o.)のいずれかで薬物の単回用量を投与される。血液試料は、投与後予め決定した時点で採取し、試料の薬物濃度を適当な定量アッセイで分析する。これらの測定に基づいて、研究の化合物についての時間-血漿濃度プロファイルをプロットし、データのいわゆるノンコンパートメント薬物動態分析を実施する。
ほとんどの化合物について、血漿濃度プロファイルの末端部分は片対数プロットで描くと直線で、最初の吸収及び分配後、薬物は一定の分率で体から除去されることを示している。速度(ラムダZ又はλz)は、プロットの末端部分の負の傾きと等しい。t1/2=ln(2)/λzなので、この速度から消失半減期も計算することができる(例えば、Johan Gabrielsson and Daniel Weiner:Pharmacokinetics and Pharmacodynamic Data Analysis. Concepts & Applications、第3版、Swedish Pharmaceutical Press, Stockholm (2000)を参照されたい)。
クリアランスは、i.v.投与後に決定することができ、血漿濃度対時間プロファイルの曲線下面積(AUC)で除した用量(D)として定義される(Rowland, M及びTozer TN: Clinical Pharmacokinetics:Concepts and Applications,第3版、1995年 Williams Wilkins)。
消失半減期及び/又はクリアランスの推定は、新規薬物化合物の評価において、投与計画及び薬物開発の重要なパラメータの評価に適している。
第3の態様によれば、本発明の誘導体は持続性で、同時に非常に良好な効力を有する。良好な効力/結合及び長い半減期の特定の組合せが非常に望ましいことがある。例えば、経口投与したとき、このような化合物は、所望する期間、十分に高い血漿濃度を表すことができ、また、又は代わりに、血漿濃度は連続投与間において望ましい低い変動を表すことができる(比較的一定である)。
第4の態様によれば、本発明の誘導体は、高い経口生物学的利用率を有する。
経口生物学的利用率(又は、p.o.生物学的利用率)は、例えば、実施例32に記載したように、ビーグル犬で決定することができる。活性医薬成分(API)としてGLP-1誘導体を含有する経口錠剤は、実施例33に記載したように調製することができる。
非限定的な例として、本発明の誘導体は、実施例33に記載したように錠剤組成物に入れてビーグル犬にp.o.投与すると、類似の錠剤製剤に入れてビーグル犬にp.o.投与したセマグルチドよりも高い経口生物学的利用率を有し、ここで、類似とは活性医薬成分以外は同一であることを意味している。1実施形態では、本発明の誘導体の経口生物学的利用率はF値の少なくとも1.5%に対応する。
一般的に、生物学的利用率という用語は、未変化で体循環に達する、本発明の誘導体などの活性医薬成分(API)の投与用量の画分を意味する。定義によると、APIを静脈内に投与すると、その生物学的利用率は100%である。しかし、APIをその他の経路(経口的等)によって投与すると、その生物学的利用率は減少する(分解及び/又は不完全な吸収及び初回通過代謝による)。生物学的利用率についての知見は、非静脈内投与経路についての投与量を計算するときに重要である。
絶対的経口生物学的利用率は、経口投与の後の体循環におけるAPIの生物学的利用率(曲線下面積、又はAUCとして推定する)と静脈内投与の後の同じAPIの生物学的利用率とを比較する。絶対的経口生物学的利用率は、同じAPIの対応する静脈内投与と比較した、非静脈内投与によって吸収されるAPIの画分である。異なる用量を使用する場合、比較は用量で正規化しなければならず、結果的に、各AUCは対応する投与用量で除することによって補正される。
血漿API濃度対時間のプロットは、経口及び静脈内投与の両方の後で作成する。絶対的生物学的利用率(F)は、AUC-静脈内で除した用量補正AUC-経口である。
経口生物学的利用率を試験する前に、本発明の誘導体は、例えば、国際公開第2008/145728号パンフレットに記載されている製剤の任意の1つ又は複数を使用して、又は、好ましくは本明細書の実施例33に記載したように、インスリン分泌性化合物の経口製剤の当技術分野において公知のように適切に製剤化することができる。
第5の態様によれば、本発明の誘導体は、良好な生物物理学的特性を有する。これらの特性には、限定はしないが、物理学的安定性及び/又は溶解性が含まれる。これら及びその他の生物物理学的特性は、タンパク質化学の当技術分野で公知の標準的方法を使用して測定することができる。特定の実施形態では、これらの特性は、天然GLP-1(配列番号1)と比較して改善されている。誘導体の変化したオリゴマー特性が、改善された生物物理学的特性に少なくとも部分的に関与していてもよい。
本発明の誘導体の更なる特定の実施形態は、実験の項の前の「特定の実施形態」という見出しの項に記載する。
生成方法
ペプチド様GLP-1(7-37)及びその類似体の生成は、当技術分野では周知である。
本発明の誘導体のGLP-1ペプチド、すなわち、GLP-1(7-37)又はその類似体は、例えば、古典的ペプチド合成、例えば、t-Boc若しくはFmoc化学又はその他のよく確立された技術を使用した固相ペプチド合成によって生成することができる、例えば、Greene及びWuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1999年、Florencio Zaragoza Dorwald、「Organic Synthesis on solid Phase」、Wiley-VCH Verlag GmbH、2000年、及び「Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis」、W.C. Chan及びP.D. White編、Oxford University Press、2000年を参照されたい。
また、又は代わりに、これらは、組換え法によって、すなわち、類似体をコードするDNA配列を含有し、ペプチドの発現を可能にする条件下で適切な栄養培地中でペプチドを発現することができる宿主細胞を培養することによって、産生することができる。これらのペプチドの発現に適した宿主細胞の非限定的な例は、大腸菌(Escherichia coli)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、及び哺乳動物のBHK又はCHO細胞系である。
非天然アミノ酸及び/又は共有結合で結合したN-末端モノ又はジペプチド模倣体を含む本発明のこれらの誘導体は、例えば、実験部分に記載したように生成することができる。又は、例えば、Hodgsonら:「The synthesis of peptides and proteins containing non-natural amino acids」、Chemical Society Reviews、第33巻、第7番(2004年)、422〜430頁;及び「Semi-recombinant preparation of GLP-1 analogues」という表題の国際公開第2009/083549A1号(7724)パンフレットを参照されたい。いくつかの本発明の誘導体を調製する方法の具体例を、実験部分に含める。
医薬組成物
本発明の誘導体又はその薬学的に許容されるその塩、アミド、若しくはエステル、及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物は、当技術分野において公知のように調製することができる。
「賦形剤」という用語は、活性治療成分以外の任意の構成要素を広義に意味する。賦形剤は、活性のない物質、不活性物質、及び/又は非医学的活性物質であってもよい。
賦形剤は、例えば、担体、ビヒクル、希釈剤、錠剤助剤として、並びに/或いは活性物質の投与及び/又は吸収を改善するために、様々な目的を果たすことができる。
様々な賦形剤を有する医薬的活性成分の製剤は、当技術分野において公知で、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(例えば、第19版(1995年)、及び任意のより最近の版)を参照されたい。
賦形剤の非限定的な例は、溶剤、希釈剤、緩衝液、保存剤、等張化剤、キレート剤、及び安定剤である。
製剤の例には、液体製剤、すなわち、水性製剤、すなわち、水を含む製剤が含まれる。液体製剤は、液剤又は懸濁剤であってもよい。水性製剤は典型的には、少なくとも50%w/wの水、又は少なくとも60%w/w、70%w/w、80%w/w、又は更に少なくとも90%w/wの水を含む。
或いは、医薬組成物は、固形製剤、例えば、凍結乾燥若しくは噴霧乾燥した組成物であってもよく、これはそのまま使用してもよく、又はこれに、医師若しくは患者が使用前に溶剤及び/若しくは希釈剤を加える。
水性製剤におけるpHは、pH3及びpH10の間のいずれか、例えば、約7.0から約9.5まで、又は約3.0から約7.0までであってもよい。
医薬組成物は、緩衝液を含んでいてもよい。緩衝液は、例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、シトレート、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リシン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ビシン、トリシン、リンゴ酸、スクシネート、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
医薬組成物は、保存剤を含んでいてもよい。保存剤は、例えば、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、ブチルp-ヒドロキシベンゾエート、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、及びチメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロルヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(3p-クロロフェノキシプロパン-1,2-ジオール)及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。保存剤は、0.1mg/mlから20mg/mlまでの濃度で存在することができる。
医薬組成物は、等張剤を含んでいてもよい。等張剤は、例えば、塩(例えば、塩化ナトリウム)、糖又は糖アルコール、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、トレオニン)、アルジトール(例えば、グリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール)、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。任意の糖、例えば、単糖類、二糖類、若しくは多糖類、又は水溶性グルカン、例えば、フルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、アルファ及びベータHPCDを含み、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、並びにカルボキシメチルセルロース-Naを使用してもよい。糖アルコールは、少なくとも1個の-OH基を有するC4〜C8炭化水素と定義され、例えば、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール及びアラビトールが含まれる。
医薬組成物は、キレート剤を含んでいてもよい。キレート剤は、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、及びアスパラギン酸の塩、並びにこれらの混合物から選択することができる。
医薬組成物は、安定剤を含んでいてもよい。安定剤は、例えば、1種若しくは複数の酸化阻害剤、凝集阻害剤、界面活性剤、及び/又は1種若しくは複数のプロテアーゼ阻害剤であってもよい。
「凝集物形成」という用語は、可溶性のままであることができるオリゴマー、又は溶液から沈殿する大きな目に見える凝集物の形成を引き起こす、ポリペプチド分子の間の物理的相互作用を意味する。液体医薬組成物のポリペプチドによる貯蔵中の凝集物形成は、このポリペプチドの生物活性に悪影響を与えることがあり、医薬組成物の治療有効性の消失を引き起こす。更に、注入システムを使用してポリペプチド含有医薬組成物を投与したとき、凝集物形成によって管、膜、又はポンプの閉塞等のその他の問題をもたらすことがある。
医薬組成物は、組成物の貯蔵中のペプチドの凝集物形成を減少させるのに十分な量のアミノ酸塩基を含んでいてもよい。「アミノ酸塩基」という用語は、1種若しくは複数のアミノ酸(メチオニン、ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、トレオニン等)、又はその類似体を意味する。任意のアミノ酸は、その遊離塩基の形態で又はその塩の形態で存在していてもよい。アミノ酸塩基の任意の立体異性体(すなわち、L、D、又はこれらの混合物)が存在していてもよい。
ペプチドが、このような酸化の影響を受けやすい少なくとも1個のメチオニン残基を含むポリペプチドであるとき、メチオニン(又は、その他の含硫アミノ酸又はアミノ酸類似体)を加えて、メチオニン残基のメチオニンスルホキシドへの酸化を阻害してもよい。メチオニンの任意の立体異性体(L若しくはD)又はこれらの組合せを使用することができる。
医薬組成物は、高分子ポリマー又は低分子化合物の群から選択される安定剤を含んでいてもよい。安定剤は、例えば、ポリエチレングリコール(例えば、PEG3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ/ヒドロキシセルロース又はその誘導体(例えば、HPC、HPC-SL、HPC-L及びHPMC)、シクロデキストリン、イオウ含有物質、例えば、モノチオグリセロール、チオグリコール酸及び2-メチルチオエタノール、並びに様々な塩(例えば、塩化ナトリウム)から選択することができる。
医薬組成物は、これらには限定されないが、メチオニン及びEDTA等の、ポリペプチドをメチオニン酸化から保護する更なる安定化剤、並びにポリペプチドを冷凍-解凍又は機械的剪断と関連する凝集から保護する非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。
医薬組成物は、1種又は複数の界面活性剤、例えば、1種の界面活性剤、少なくとも1種の界面活性剤、又は様々な界面活性剤を含んでいてもよい。「界面活性剤」という用語は、水溶性(親水性)部分、及び脂溶性(親油性)部分から構成される任意の分子又はイオンを意味する。界面活性剤は、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び/又は双性イオン性界面活性剤からなる群から選択することができる。
医薬組成物は、1種又は複数のプロテアーゼ阻害剤、例えば、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、及び/又はベンズアミジンHClを含んでいてもよい。
医薬組成物の更なる任意選択の成分には、例えば、湿潤剤、乳化剤、抗酸化剤、増量剤、金属イオン、油性ビヒクル、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチン)、及び/又は双性イオン(例えば、ベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リシン及びヒスチジン等のアミノ酸)が含まれる。
また更に、医薬組成物は、例えば、国際公開第2008/145728号パンフレットに記載されている任意の1つ又は複数の製剤を使用して、インスリン分泌性化合物の経口製剤の当技術分野において公知のように製剤してもよい。
一部の実施形態では、本発明は、本発明のGLP-1誘導体並びにSNAC及びカプリン酸ナトリウムから選択される吸収増強剤を含む、例えば、錠剤の形態の医薬組成物に関する。SNACは、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリン酸のナトリウム塩であり、例えば、国際公開第96/030036号パンフレットに記載された方法を使用して調製することができる。
投与された用量は、0.01mg〜100mgの誘導体、又は0.01〜50mg、又は0.01〜20mg、又は0.01mg〜10mgの誘導体を含有していてもよい。
誘導体は、医薬組成物の形態で投与してもよい。誘導体は、それを必要としている患者に、いくつかの部位で、例えば、皮膚又は粘膜部位等の局所部位で、動脈内、静脈内、又は心臓内等の吸収を迂回する部位で、及び皮内、皮下、筋肉内又は腹部内等の吸収が関与する部位で投与することができる。
投与経路は、例えば、舌;舌下;口腔;口中;経口;胃内;腸内;経鼻;肺、例えば、細気管支、肺胞、若しくはこれらの組合せを通して;非経口、表皮;皮膚;経皮;結膜;尿道;膣;直腸;及び/又は眼においてであってもよい。特定の実施形態では、投与経路は経口による。
組成物は、例えば、液剤;懸濁剤;乳剤;マイクロエマルジョン;多層乳剤;フォーム剤;膏薬;ペースト剤;貼付剤;軟膏;錠剤;コーティング錠剤;チューインガム;リンス;硬質又は軟質ゼラチンカプセル剤等のカプセル剤;坐剤;直腸用カプセル剤;ドロップ剤;ゲル剤;スプレー剤;散剤;エアゾール剤;吸入剤;点眼薬;眼病用軟膏;眼病用リンス;膣用ペッサリー;膣用リング;膣用軟膏;注射液;インサイツで変形する液剤、例えば、インサイツでゲル化、硬化、沈殿し、インサイツで結晶化するもの;輸液;又はインプラントとして、いくつかの剤形で投与することができる。組成物は、例えば、安定性、生物学的利用率及び/又は溶解性を改善するために、薬物担体又は薬物送達系中に更に配合することができる。組成物は、共有結合性、疎水性、及び/又は静電相互作用によって、このような系に結合することができる。このような配合の目的は、例えば、有害作用を減少させ、時間療法を実現し、且つ/又は患者の薬剤服用順守を高めることであってもよい。
組成物はまた、制御放出、持続性放出、延長性放出、遅延放出及び/又は徐放性の薬物送達系の製剤において使用することができる。
非経口投与は、シリンジ、任意選択でペン型シリンジを用いて、又は注入ポンプを用いて、皮下、筋肉内、腹腔内、又は静脈内注射によって行ってもよい。
組成物は、液剤、懸濁剤若しくは散剤の形態で経鼻で投与してもよく、又は組成物は、液体若しくは粉末スプレーの形態で肺に投与してもよい。
経皮投与はまた更に任意選択的に、例えば、無針注射によって、イオン泳動的パッチ等のパッチから、又は経粘膜的経路を介して、例えば、口腔からである。組成物は、安定化した製剤であってもよい。「安定化した製剤」という用語は、物理的及び/又は化学的安定性、好ましくは、両方が増加した製剤を意味する。一般的に、製剤は、(推奨される使用及び貯蔵条件に従って)有効期限に到達するまで使用及び貯蔵中安定でなければならない。
「物理的安定性」という用語は、熱機械的応力への曝露、並びに/又は不安定な界面及び表面(疎水性表面等)との相互作用の結果として、生物学的に不活性及び/又は不溶性の凝集物を形成するポリペプチドの傾向を意味する。水性ポリペプチド製剤の物理的安定性は、外観検査によって、及び/又は異なる温度での様々な期間の機械的/物理的応力(例えば、撹拌)への曝露の後の混濁度測定によって評価することができる。或いは、物理的安定性は、分光学的薬剤、又はポリペプチドの立体配置的状態のプローブ、例えば、チオフラビンT又は「疎水性パッチ」プローブを使用して評価することができる。
「化学的安定性」という用語は、完全なポリペプチドと比較して、潜在的に生物学的効力が減少している、及び/又は免疫原性作用が増加している化学分解生成物の形成を引き起こすポリペプチド構造における化学的(特に、共有結合性)変化を意味する。化学的安定性は、例えば、SEC-HPLC、及び/又はRP-HPLCによって、様々な環境条件への曝露後の様々な時点での化学分解生成物の量を測定することによって評価することができる。
本発明による誘導体による治療はまた、例えば、抗糖尿病剤、抗肥満剤、食欲調節剤、降圧剤、糖尿病から生じる、又は糖尿病と関連する合併症の治療及び/若しくは予防のための薬剤、並びに肥満から生じる、又は肥満と関連する合併症及び障害の治療及び/若しくは予防のための薬剤から選択される1種又は複数の更なる薬理学的活性物質と組み合わせてもよい。これらの薬理学的活性物質の例は、インスリン、スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、グルコシダーゼ阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼ-IV)阻害剤、糖新生及び/又はグリコーゲン分解の刺激に関与する肝酵素の阻害剤、グルコース取込み調節因子、脂質代謝を改変する化合物、例えば、HMG CoA阻害剤(スタチン)等の抗高脂血症剤、胃抑制ポリペプチド(GIP類似体)、食物摂取を低下させる化合物、RXRアゴニスト並びにβ細胞のATP-依存性カリウムチャネルに対して作用する薬剤;コレスチラミン、コレスチポール、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、プロブコール、デキストロサイロキシン、ナテグリニド、レパグリニド;β-遮断薬、例えば、アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロール及びメトプロロール、ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤、例えば、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、アラトリオプリル、キナプリル及びラミプリル、カルシウムチャネル遮断薬、例えば、ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム及びベラパミル、並びにα-遮断薬、例えば、ドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン及びテラゾシン;CART(コカインアンフェタミン制御転写物)アゴニスト、NPY(ニューロペプチドY)アンタゴニスト、PYYアゴニスト、Y2受容体アゴニスト、Y4受容体アゴニスト、混合Y2/Y4受容体アゴニスト、MC4(メラノコルチン4)アゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF(コルチコトロピン放出因子)アゴニスト、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、β3アゴニスト、オキシントモジュリン及び類似体、MSH(メラ
ニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト、MCH(メラニン形成細胞濃縮ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)アゴニスト、セロトニン再取込み阻害剤、セロトニン及びノルアドレナリン再取込み阻害剤、混合セロトニン及びノルアドレナリン作動性化合物、5HT(セロトニン)アゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出化合物、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)アゴニスト、UCP2又は3(脱共役タンパク質2又は3)調節因子、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、RXR(レチノイドX受容体)調節因子、TRβアゴニスト;ヒスタミンH3アンタゴニスト、胃抑制ポリペプチドアゴニスト又はアンタゴニスト、ガストリン及びガストリン類似体である。
本発明による誘導体による治療はまた、グルコースレベル、及び/又は脂質恒常性に影響を与える手術、例えば、胃緊縛又は胃バイパスと組み合わせてもよい。
医薬適応症(効能)
本発明はまた、医薬として使用するための本発明の誘導体に関する。
特定の実施形態では、本発明の誘導体は、好ましくは全てが何れかの面で糖尿病に関連する、以下の医学的治療のために使用することができる:
(i)全ての形態の糖尿病、例えば、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、MODY(若年者の成人発症型糖尿病)、妊娠糖尿病の予防及び/又は治療、並びに/或いはHbA1Cの低下;
(ii)糖尿病性疾患の進行、例えば、2型糖尿病の進行の遅延若しくは阻止、耐糖能障害(IGT)からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、及び/又はインスリンを必要としない2型糖尿病からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延;
(iii)β細胞機能の改善、例えば、β細胞のアポトーシスの減少、β細胞機能及び/又はβ細胞塊の増加、並びに/或いはβ細胞に対するグルコース感受性の回復;
(iv)認知障害の予防及び/又は治療;
(v)例えば、食物摂取を減少させ、体重を低下させ、食欲を抑制し、満腹を誘発することによる摂食障害、例えば、体重過多及び/又は肥満の予防及び/又は治療;過食障害、神経性過食症、及び/又は抗精神病薬若しくはステロイドの投与によって誘発される肥満の治療又は予防;胃運動性の低下;並びに/或いは胃内容物排出の遅延(より詳細な実施形態については、以下のRe(v)を参照されたい);
(vi)糖尿病性合併症、例えば、末梢性ニューロパシーを含むニューロパシー;ネフロパシー又は網膜症の予防及び/又は治療;
(vii)脂質パラメータの改善、例えば、脂質代謝異常の予防及び/又は治療、総血清脂質の低下;HDLの低下;小型高密度LDLの低下;VLDLの低下:トリグリセリドの低下;コレステロールの低下;HDLの増加;ヒトにおけるリポタンパク質(Lp(a))の血漿レベルの低下;インビトロ及び/又はインビボにおけるアポリポタンパク質(apo(a))の生成の阻害;
(iix)心血管疾患、例えば、症候群X;アテローム性動脈硬化症;心筋梗塞;冠動脈心疾患;脳卒中、脳虚血;早期心臓疾患若しくは早期心血管疾患、例えば、左室肥大;冠動脈疾患;本態性高血圧症;急性高血圧性緊急症;心筋症;心臓不全;運動耐性;慢性心不全;不整脈;心律動異常;失神;アテローム性動脈硬化症;軽度の慢性心不全;狭心症;心臓バイパス再閉塞;間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症);拡張機能障害;及び/又は収縮機能障害の予防及び/又は治療;
(ix)胃腸疾患、例えば、炎症性腸症候群;小腸症候群、若しくはクローン病;消化不良;及び/又は胃潰瘍の予防及び/又は治療;
(x)重病(又は「重症疾患」とも言う)の予防及び/又は治療、例えば、重病患者、重病ポリネフロパシー(CIPNP)患者、及び/又は潜在的CIPNP患者の治療;重病又はCIPNPの発生の予防;患者における全身性炎症反応症候群(SIRS)の予防、治療及び/又は治癒;並びに/或いは入院中に患者が菌血症、敗血症、及び/又は敗血症性ショックを患う可能性の予防又は減少のため;並びに/或いは
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防及び/又は治療。
Re(v):
一部の実施形態では、本発明は体重管理方法に関する。一部の実施形態では、本発明は食欲を減少させる方法に関する。一部の実施形態では、本発明は食物摂取を減少させる方法に関する。
一般的に、肥満に罹患している患者は全てはまた、体重過多に罹患していると考えられる。
肥満度指数(BMI)は、身長と体重に基づいた体脂肪の指標である。計算式は、BMI=体重キログラム/身長メートル2である。
肥満:一部の実施形態では、肥満に罹患している対象は、ヒト、例えば、成人ヒト又は小児ヒト(乳児、幼児及び青年を含む)である。肥満に罹患しているヒト対象のBMIは≧30であり、この対象はまた肥満と呼ばれうる。一部の実施形態では、肥満に罹患しているヒト対象のBMIは≧35、又はBMIは≧30から<40の範囲でありうる。一部の実施形態では、肥満は重度肥満又は病的肥満で、このヒト対象のBMIは≧40である。
体重過多:一部の実施形態では、本発明は、場合によっては、少なくとも1種の体重関連併存症の存在下で、体重過多の治療又は予防のための本発明の誘導体の使用に関する。
一部の実施形態では、体重過多に罹患している患者は、ヒト、例えば、成人ヒト又は小児ヒト(乳児、幼児及び青年を含む)である。一部の実施形態では、体重過多に罹患しているヒト対象のBMIは≧25、例えば、≧27でありうる。一部の実施形態では、体重過多に罹患しているヒト対象のBMIは25から<30の範囲又は27から<30の範囲である。一部の実施形態では、体重関連併存症は、高血圧、糖尿病(2型糖尿病等)、脂質代謝異常、高コレステロール及び閉塞性睡眠時無呼吸からなる群から選択される。
体重の減少:一部の実施形態では、本発明は体重の減少のための本発明の誘導体の使用に関する。本発明による体重を減少させるヒトのBMIは≧25、例えば、BMI≧27又はBMI≧30でありうる。一部の実施形態では、本発明による体重を減少させるヒトのBMIは≧35又はBMI≧40でありうる。「体重の減少」という用語は、肥満及び/又は体重過多の治療又は予防を含むことができる。
特定の実施形態では、適応症は、(i)〜(iii)及び(v)〜(iix)、例えば、適応症(i)、(ii)、及び/又は(iii);又は適応症(v)、適応症(vi)、適応症(vii)、及び/又は適応症(iix)からなる群から選択される。
別の特定の実施形態では、適応症は(i)である。更なる特定の実施形態では、適応症は(v)である。また更なる特定の実施形態では、適応症は(iix)である。
以下の適応症が、特に好ましい:2型糖尿病、1型糖尿病及び/又は摂食障害(例えば、特に、肥満、体重過多及び体重の減少)。
特定の実施形態
以下は、本発明の特定の実施形態である。
1.GLP-1ペプチドの誘導体であって、
ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置に第1のLys残基、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置に第2のLys残基、及びGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最大7個のアミノ酸変化を含み、
誘導体が前記第1及び第2のLys残基それぞれに、それぞれリンカーを介して結合した2個の延長部分を含み、
延長部分が、
Chem.1:HOOC-C6H4-O-(CH2)y-CO-*、及び
Chem.2:HOOC(CH2)x-CO-*から選択され、
式中、yが8〜11の範囲の整数であり、xが12であり、リンカーが、
Chem.3:*-NH-CH(COOH)-(CH2)2-CO-*、
Chem.4:*-NH-CH((CH2)2-COOH)-CO-*、及び/又は
Chem.5:*NH-(CH2)2-[O-(CH2)2]k-O-[CH2]n-CO-*の少なくとも1個を含み、
式中、kが1〜5の範囲の整数であり、nが1〜5の範囲の整数である誘導体
又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
2.実施形態1の誘導体であって、延長部分がChem.1である誘導体。
3.実施形態1〜2のいずれかの誘導体であって、延長部分が、
Chem.1a:
又は
Chem. 1b:
である誘導体。
4.実施形態1〜3のいずれかの誘導体であって、延長部分が
Chem.1a:
である誘導体。
5.実施形態1〜3のいずれかの誘導体であって、延長部分が
Chem.1b:
である誘導体。
6.実施形態1〜5のいずれかの誘導体であって、yが8、9、10又は11である誘導体。
7.実施形態1〜6のいずれかの誘導体であって、yが8である誘導体。
8.実施形態1〜6のいずれかの誘導体であって、yが9である誘導体。
9.実施形態1〜6のいずれかの誘導体であって、yが10である誘導体。
10.実施形態1〜6のいずれかの誘導体であって、vが11である誘導体。
11.実施形態1の誘導体であって、延長部分がChem.2である誘導体。
12.実施形態1〜11のいずれかの誘導体であって、リンカーがChem.5を含む誘導体。
13.実施形態1〜12のいずれかの誘導体であって、リンカーがChem.5a:
を含む誘導体。
14.実施形態1〜13のいずれかの誘導体であって、k=n=1である誘導体。
15.実施形態1〜14のいずれかの誘導体であって、リンカーがChem.5b:*NH-(CH2)2-O-(CH2)2-O-CH2-CO-*を含む誘導体。
16.実施形態1〜15のいずれかの誘導体であって、Chem.5が1回、2回、3回又は4回含まれる誘導体。
17.実施形態1〜16のいずれかの誘導体であって、Chem.5が1回含まれる誘導体。
18.実施形態1〜16のいずれかの誘導体であって、Chem.5が2回含まれる誘導体。
19.実施形態1〜16のいずれかの誘導体であって、Chem.5が3回含まれる誘導体。
20.実施形態1〜16のいずれかの誘導体であって、Chem.5が4回含まれる誘導体。
21.実施形態1〜16のいずれかの誘導体であって、Chem.5aが1回、2回、3回又は4回含まれる誘導体。
22.実施形態1〜16又は21のいずれかの誘導体であって、Chem.5aが1回含まれる誘導体。
23.実施形態1〜16又は21のいずれかの誘導体であって、Chem.5aが2回含まれる誘導体。
24.実施形態1〜16又は21のいずれかの誘導体であって、Chem.5aが3回含まれる誘導体。
25.実施形態1〜16又は21のいずれかの誘導体であって、Chem.5aが4回含まれる誘導体。
26.実施形態1〜16のいずれかの誘導体であって、Chem.5bが1回、2回、3回又は4回含まれる誘導体。
27.実施形態1〜16又は26のいずれかの誘導体であって、Chem.5bが1回含まれる誘導体。
28.実施形態1〜16又は26のいずれかの誘導体であって、Chem.5bが2回含まれる誘導体。
29.実施形態1〜16又は26のいずれかの誘導体であって、Chem.5bが3回含まれる誘導体。
30.実施形態1〜16又は26のいずれかの誘導体であって、Chem.5bが4回含まれる誘導体。
31.実施形態1〜30のいずれかの誘導体であって、リンカーがChem.3を含む誘導体。
32.実施形態1〜31のいずれかの誘導体であって、リンカーが
Chem.3a
を含む誘導体。
33.実施形態1〜32のいずれかの誘導体であって、Chem.3が含まれないか、1回含まれるか、2回含まれるか又は3回含まれる誘導体。
34.実施形態1〜33のいずれかの誘導体であって、Chem.3が含まれない誘導体。
35.実施形態1〜33のいずれかの誘導体であって、Chem.3が1回含まれる誘導体。
36.実施形態1〜33のいずれかの誘導体であって、Chem.3が2回含まれる誘導体。
37.実施形態1〜33のいずれかの誘導体であって、Chem.3が3回含まれる誘導体。
38.実施形態1〜37のいずれかの誘導体であって、Chem.3aが含まれないか、1回含まれるか、2回含まれるか又は3回含まれる誘導体。
39.実施形態1〜33又は38のいずれかの誘導体であって、Chem.3aが含まれない誘導体。
40.実施形態1〜33又は38のいずれかの誘導体であって、Chem.3aが1回含まれる誘導体。
41.実施形態1〜33又は38のいずれかの誘導体であって、Chem.3aが2回含まれる誘導体。
42.実施形態1〜33又は38のいずれかの誘導体であって、Chem.3aが3回含まれる誘導体。
43.実施形態1〜34又は38〜39のいずれかの誘導体であって、リンカーがChem.4を含む誘導体。
44.の実施形態43の誘導体であって、リンカーが
Chem.4a:
を含む誘導体。
45.実施形態43〜44のいずれかの誘導体であって、Chem.4が含まれないか又は2回含まれる誘導体。
46.実施形態43〜45のいずれかの誘導体であって、Chem.4が含まれない誘導体。
47.実施形態43〜45のいずれかの誘導体であって、Chem.4が2回含まれる誘導体。
48.実施形態44の誘導体であって、Chem.4aが含まれないか又は2回含まれる誘導体。
49.実施形態44又は48のいずれかの誘導体であって、Chem.4aが含まれない誘導体。
50.実施形態44又は48のいずれかの誘導体であって、Chem.4aが2回含まれる誘導体。
51.実施形態1〜50のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、2個のChem.3要素及び2個のChem.5b要素(2×Chem.3-2×Chem.5b)からなる誘導体。
52.実施形態1〜50のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、2個のChem.3a要素及び2個のChem.5a要素(式中、n=k=1である)(2×Chem.3a-2×Chem.5a)からなる誘導体。
53.実施形態1〜50のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、1個のChem.3要素及び2個のChem.5b要素(Chem.3-2×Chem.5b)からなる誘導体。
54.実施形態1〜50のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、1個のChem.3a要素及び2個のChem.5a要素(式中、n=k=1である)(Chem.3a-2×Chem.5a)からなる誘導体。
55.実施形態1〜50のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、1個のChem.3要素及び3個のChem.5b要素(Chem.3-3×Chem.5b)からなる誘導体。
56.実施形態1〜50のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、1個のChem.3a要素及び3個のChem.5a要素(式中、n=k=1である)(Chem.3a-3×Chem.5a)からなる誘導体。
57.実施形態1〜50のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、2個のChem.4要素及び1個のChem.5b要素(2×Chem.4-Chem.5b)からなる誘導体。
58.実施形態1〜50のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、2個のChem.4a要素及び1個のChem.5a要素(式中、n=k=1である)(2×Chem.4a-Chem.5a)からなる誘導体。
59.実施形態1〜50のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、3個のChem.3要素及び2個のChem.5b要素(3×Chem.3-2×Chem.5b)からなる誘導体。
60.実施形態1〜50のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、3個のChem.3a要素及び2個のChem.5a要素(式中、n=k=1である)(3×Chem.3a-2×Chem.5a)からなる誘導体。
61.実施形態1〜50のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、1個のChem.3要素及び4個のChem.5b要素(Chem.3-4×Chem.5b)からなる誘導体。
62.実施形態1〜50のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、1個のChem.3a要素及び4個のChem.5a要素(式中、n=k=1である)(Chem.3a-4×Chem.5a)からなる誘導体。
63.実施形態1〜62のいずれかの誘導体であって、リンカー及び延長部分がアミド結合を介して相互結合している誘導体。
64.実施形態1〜63のいずれかの誘導体であって、リンカー及びGLP-1ペプチドがアミド結合を介して相互結合している誘導体。
65.実施形態1〜64のいずれかの誘導体であって、リンカーのCO-*末端が、第1又は第2Lys残基のイプシロン-アミノ基とアミド結合を形成する誘導体。
66.実施形態1〜65のいずれかの誘導体であって、2個の延長部分が実質的に同一であり、好ましくは同一である誘導体。
67.実施形態1〜66のいずれかの誘導体であって、2個の延長部分が、少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.6、より好ましくは少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、更により好ましくは少なくとも0.9、又は最も好ましくは少なくとも0.99の類似性、例えば、1.0の類似性を有する誘導体。
68.実施形態1〜67のいずれかの誘導体であって、2個のリンカーが実質的に同一であり、好ましくは同一である誘導体。
69.実施形態1〜68のいずれかの誘導体であって、2個のリンカーが、少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.6、より好ましくは少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、更により好ましくは少なくとも0.9、又は最も好ましくは少なくとも0.99の類似性、例えば、1.0の類似性を有する誘導体。
70.実施形態1〜69のいずれかの誘導体であって、延長部分及びリンカーからなる2個の側鎖が実質的に同一であり、好ましくは同一である誘導体。
71.実施形態1〜70のいずれかの誘導体であって、延長部分及びリンカーからなる2個の側鎖が、少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.6、より好ましくは少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、更により好ましくは少なくとも0.9、又は最も好ましくは少なくとも0.99の類似性、例えば、1.0の類似性を有する誘導体。
72.実施形態66〜71のいずれかの誘導体であって、比較する2個の化学構造が、フィンガープリント、例えば、a)ECFP_6フィンガープリント、b)UNITYフィンガープリント、及び/又はc)MDLフィンガープリントとして表され、a)、b)及びc)のそれぞれについて、2つのフィンガープリントの類似性を計算するためにタニモト係数を使用することが好ましい誘導体。
73.実施形態1〜72のいずれかの誘導体であって、第1のLys残基を36Lysと称する誘導体。
74.実施形態1〜73のいずれかの誘導体であって、第2のLys残基を37Lysと称する誘導体。
75.実施形態1〜74のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置を筆記及び目視によって同定する誘導体。
76.実施形態1〜75のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置を筆記及び目視によって同定する誘導体。
77.実施形態1〜76のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較してアミノ酸変化の総数を筆記及び目視によって同定する誘導体。
78.実施形態1〜77のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置を標準的タンパク質又はペプチドアラインメントプログラムの使用によって同定する誘導体。
79.実施形態1〜78のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置を標準的タンパク質又はペプチドアラインメントプログラムの使用によって同定する誘導体。
80.実施形態1〜79のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較してアミノ酸変化の数を標準的タンパク質又はペプチドアラインメントプログラムの使用によって同定する誘導体。
81.実施形態78〜80のいずれかの誘導体であって、アラインメントプログラムがNeedleman-Wunschアラインメントである誘導体。
82.実施形態78〜81のいずれかの誘導体であって、初期設定のスコアリングマトリックス及び初期設定の同一性マトリックスを使用する誘導体。
83.実施形態78〜82のいずれかの誘導体であって、スコアリングマトリックスがBLOSUM62である誘導体。
84.実施形態78〜83のいずれかの誘導体であって、ギャップにおける第1残基のペナルティが-10(マイナス10)である誘導体。
85.実施形態78〜84のいずれかの誘導体であって、ギャップにおける更なる残基のペナルティが-0.5(マイナス0.5)である誘導体。
86.実施形態1〜85のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドが、少なくとも置換R36K及びG37Kを含むGLP-1(7-37)(配列番号1)の類似体である誘導体。
87.実施形態1〜86のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドが36Lys及び37Lys以外のLys残基を含まない誘導体。
88.実施形態1〜87のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最大5個のアミノ酸変化を有する誘導体。
89.実施形態1〜87のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最大6個のアミノ酸変化を有する誘導体。
90.実施形態1〜87又は89のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最小5個のアミノ酸変化を有する誘導体。
91.実施形態1〜87のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最小6個のアミノ酸変化を有する誘導体。
92.実施形態1〜87のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最小7個のアミノ酸変化を有する誘導体。
93.実施形態1〜87のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して5、6又は7個のアミノ酸変化を有する誘導体。
94.実施形態1〜87のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して5個のアミノ酸変化を有する誘導体。
95.実施形態1〜87のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して6個のアミノ酸変化を有する誘導体。
96.実施形態1〜87のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して7個のアミノ酸変化を有する誘導体。
97.実施形態1〜96のいずれかの誘導体であって、アミノ酸変化の最大数、アミノ酸変化の最小数、及び/又はアミノ酸変化の数が、36Lys及び37Lysへの2個のアミノ酸変化を含む誘導体。
98.実施形態1〜97のいずれかの誘導体であって、アミノ酸変化がGLP-1(7-37)(配列番号1)の8、22、26、30、34、36及び37位の1個又は複数に対応する1個又は複数の位置である誘導体。
99.実施形態1〜98のいずれかの誘導体であって、ペプチドが36Lys及び37Lysを含み、場合によっては以下の更なるアミノ酸変化:8Gly、8Aib、22Glu、26Arg、30Glu及び/又は(34Arg若しくは34Gln)の1個又は複数を含む誘導体。
100.実施形態1〜99のいずれかの誘導体であって、ペプチドが8Aibを含む誘導体。
101.実施形態1〜99のいずれかの誘導体であって、ペプチドが8Glyを含む誘導体。
102.実施形態1〜99のいずれかの誘導体であって、ペプチドが8Glyを含まない誘導体。
103.実施形態1〜102のいずれかの誘導体であって、ペプチドが22Gluを含む誘導体。
104.実施形態1〜103のいずれかの誘導体であって、ペプチドが26Argを含む誘導体。
105.実施形態1〜104のいずれかの誘導体であって、ペプチドが30Gluを含む誘導体。
106.実施形態1〜105のいずれかの誘導体であって、ペプチドが34Argを含む誘導体。
107.実施形態1〜105のいずれかの誘導体であって、ペプチドが34Glnを含む誘導体。
108.実施形態1〜107のいずれかの誘導体であって、ペプチドにおける変化の決定のために、ペプチドのアミノ酸配列を天然のGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列と比較する誘導体。
109.実施形態1〜108のいずれかの誘導体であって、天然のGLP-1(7-37)(配列番号1)の特定の位置に対応するペプチドにおける位置の決定のために、ペプチドのアミノ酸配列を天然のGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列と比較する誘導体。
110.実施形態1〜109のいずれかの誘導体であって、ペプチドのアミノ酸配列とGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列との比較を筆記及び目視によって行う誘導体。
111.実施形態1〜110のいずれかの誘導体であって、ペプチドのアミノ酸配列とGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列との比較を、標準的タンパク質又はペプチドアラインメントプログラムの使用によって行う誘導体。
112.実施形態111の誘導体であって、アラインメントプログラムがNeedleman-Wunschアラインメントである誘導体。
113.実施形態111〜112のいずれかの誘導体であって、初期設定のスコアリングマトリックス及び初期設定の同一性マトリックスを使用する誘導体。
114.実施形態111〜113のいずれかの誘導体であって、スコアリングマトリックスがBLOSUM62である誘導体。
115.実施形態111〜114のいずれかの誘導体であって、ギャップにおける第1残基のペナルティが-10(マイナス10)である誘導体。
116.実施形態111〜115のいずれかの誘導体であって、ギャップにおける更なる残基のペナルティが-0.5(マイナス0.5)である誘導体。
117.実施形態1〜116のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)の指示した位置のいずれかに対応する位置を筆記及び目視によって同定する誘導体。
118.実施形態1〜117のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)の指示した位置のいずれかに対応する位置を実施形態78〜85のいずれかにおける36位及び37位について記載されたように同定する誘導体。
119.実施形態1〜118のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドが、a)式IのGLP-1化合物を含み、且つ/又はb)式IのGLP-1化合物である
式I:Xaa7-Xaa8-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Lys36-Lys37
(式中、
Xaa7はL-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デスアミノ-ヒスチジン(desH)、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジンであり;
Xaa8はAla、Gly、Ser、Aib、(1-アミノシクロプロピル)カルボン酸、(1-アミノシクロブチル)カルボン酸であり;
Xaa16はVal又はLeuであり;
Xaa18はSer又はArgであり;
Xaa19はTyr又はGlnであり;
Xaa20はLeu又はMetであり;
Xaa22はGly又はGluであり;
Xaa23はGln、Glu又はArgであり;
Xaa25はAla又はValであり;
Xaa26はArg又はLysであり;
Xaa27はGlu又はLeuであり;
Xaa30はAla又はGluであり;
Xaa31はTrp又はHisであり;
Xaa33はVal又はArgであり;
Xaa34はArg、Lys、His、Asn又はGlnであり;
Xaa35はGly又はAibである)誘導体。
120.実施形態119の誘導体であって、Xaa7はHisであり;Xaa8はGly又はAibであり;Xaa16はValであり;Xaa18はSerであり;Xaa19はTyrであり;Xaa20はLeuであり;Xaa22はGly又はGluであり;Xaa23はGlnであり;Xaa25はAlaであり;Xaa26はArgであり;Xaa27はGluであり;Xaa30はAla又はGluであり;Xaa31はTrpであり;Xaa33はValであり;Xaa34はArg又はGlnであり;Xaa35はGlyである誘導体。
121.実施形態1〜118のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドが、a)式IIのGLP-1化合物を含み、且つ/又はb)式IIのGLP-1化合物である
式II:Xaa7-Xaa8-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Lys36-Lys37
(式中、
Xaa7はL-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デスアミノ-ヒスチジン(desH)、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジンであり;
Xaa8はAla、Ser、Aib、(1-アミノシクロプロピル)カルボン酸、(1-アミノシクロブチル)カルボン酸であり;
Xaa16はVal又はLeuであり;
Xaa18はSer又はArgであり;
Xaa19はTyr又はGlnであり;
Xaa20はLeu又はMetであり;
Xaa22はGly又はGluであり;
Xaa23はGln、Glu又はArgであり;
Xaa25はAla又はValであり;
Xaa26はArg又はLysであり;
Xaa27はGlu又はLeuであり;
Xaa30はAla又はGluであり;
Xaa31はTrp又はHisであり;
Xaa33はVal又はArgであり;
Xaa34はArg、Lys、His、Asn又はGlnであり;
Xaa35はGly又はAibである)誘導体。
122.実施形態121の誘導体であって、Xaa7はHisであり;Xaa8はAibであり;Xaa16はValであり;Xaa18はSerであり;Xaa19はTyrであり;Xaa20はLeuであり;Xaa22はGly又はGluであり;Xaa23はGlnであり;Xaa25はAlaであり;Xaa26はArgであり;Xaa27はGluであり;Xaa30はAla又はGluであり;Xaa31はTrpであり;Xaa33はValであり;Xaa34はArg又はGlnであり;Xaa35はGlyである誘導体。
123.実施形態119〜122のいずれかの誘導体であって、式IのGLP-1化合物又は式IIのGLP-1化合物がそれぞれGLP-1(7-37)(配列番号1)の類似体である誘導体。
124.実施形態119〜123のいずれかの誘導体であって、Xaa7がHisである誘導体。
125.実施形態119〜124のいずれかの誘導体であって、Xaa8がAibである誘導体。
126.実施形態119〜120又は123〜124のいずれかの誘導体であって、Xaa8がGlyである誘導体。
127.実施形態119〜126のいずれかの誘導体であって、Xaa16がValである誘導体。
128.実施形態119〜126のいずれかの誘導体であって、Xaa18がSerである誘導体。
129.実施形態119〜128のいずれかの誘導体であって、Xaa19がTyrである誘導体。
130.実施形態119〜129のいずれかの誘導体であって、Xaa20がLeuである誘導体。
131.実施形態119〜130のいずれかの誘導体であって、Xaa22がGlyである誘導体。
132.実施形態119〜130のいずれかの誘導体であって、Xaa22がGluである誘導体。
133.実施形態119〜132のいずれかの誘導体であって、Xaa23がGlnである誘導体。
134.実施形態119〜133のいずれかの誘導体であって、Xaa25がAlaである誘導体。
135.実施形態119〜134のいずれかの誘導体であって、Xaa26がArgである誘導体。
136.実施形態119〜135のいずれかの誘導体であって、Xaa27がGluである誘導体。
137.実施形態119〜136のいずれかの誘導体であって、Xaa30がAlaである誘導体。
138.実施形態119〜136のいずれかの誘導体であって、Xaa30がGluである誘導体。
139.実施形態119〜138のいずれかの誘導体であって、Xaa31がTrpである誘導体。
140.実施形態119〜139のいずれかの誘導体であって、Xaa33がValである誘導体。
141.実施形態119〜140のいずれかの誘導体であって、Xaa34がArgである誘導体。
142.実施形態119〜140のいずれかの誘導体であって、Xaa34がGlnである誘導体。
143.実施形態119〜142のいずれかの誘導体であって、Xaa35がGlyである誘導体。
144.実施形態1〜143のいずれかの誘導体であって、ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して以下のアミノ酸変化:(i)8Aib、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;(ii)8Aib、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;(iii)8Aib、22Glu、26Arg、34Gln、36Lys及び37Lys;(iv)8Gly、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys、37Lys;又は(v)8Aib、22Glu、26Arg、30Glu、34Arg、36Lys、37Lysを含む誘導体。
145.実施形態1〜144のいずれかの誘導体であって、ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して以下のアミノ酸変化:(i)8Aib、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;(ii)8Aib、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;又は(iii)8Aib、22Glu、26Arg、34Gln、36Lys及び37Lys;(iv)8Gly、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys、37Lys;又は(v)8Aib、22Glu、26Arg、30Glu、34Arg、36Lys、37Lysを有する誘導体。
146.実施形態1〜145のいずれかの誘導体であって、ペプチドが配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5又は配列番号6である誘導体。
147.Chem.21、Chem.22、Chem.23、Chem.24、Chem.25、Chem.26、Chem.27、Chem.28、Chem.29、Chem.30、Chem.31、Chem.32、Chem.33、Chem.34、Chem.35、Chem.36、Chem.37、Chem.38、Chem.39、Chem.40、Chem.41、Chem.42、Chem.43、Chem.44、Chem.45、Chem.46、Chem.47又はChem.48から選択される化合物、好ましくは実施形態1〜146のいずれかによるGLP-1誘導体又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
148.その名称によって特徴付けられ、本明細書の実施例1〜28の化合物の名称のそれぞれのリストから選択される化合物、好ましくは実施形態147の化合物又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
149.実施形態1〜148のいずれかの誘導体であって、GLP-1活性を有する誘導体。
150.実施形態149の誘導体であって、GLP-1活性がヒトGLP-1受容体を活性化する能力を意味する誘導体。
151.実施形態150の誘導体であって、ヒトGLP-1受容体の活性化をインビトロアッセイにおいてcAMP産生の効力として測定する誘導体。
152.実施形態149〜151のいずれかの誘導体であって、ヒトGLP-1受容体の活性化をインビトロアッセイにおいてレポーター遺伝子アッセイにおいて測定する誘導体。
153.実施形態149〜152のいずれかの誘導体であって、アッセイが、ヒトGLP-1受容体を発現し、プロモーターにカップリングしたcAMP応答要素(CRE)のためのDNA及びホタルルシフェラーゼ(CREルシフェラーゼ)のための遺伝子を含有する、安定的にトランスフェクトされたBHK細胞系において実施される誘導体。
154.実施形態153の誘導体であって、アッセイインキュベーションを完了するとき、ルシフェリンを添加し、ルミネセンスを測定する誘導体。
155.実施形態149〜154のいずれかの誘導体であって、アッセイが血清アルブミンの非存在下(0% HSA、最終アッセイ濃度)で実施される誘導体。
156.実施形態149〜155のいずれかの誘導体であって、アッセイが血清アルブミンの存在下(1.0% HSA、最終アッセイ濃度)で実施される誘導体。
157.実施形態149〜156のいずれかの誘導体であって、細胞が親細胞系としてBHKTS13を含むBHK細胞である誘導体。
158.実施形態149〜157のいずれかの誘導体であって、細胞がクローンFCW467-12Aから得られる誘導体。
159.実施形態149〜158のいずれかの誘導体であって、細胞を細胞培養培地中で5% CO2で培養し、小分けし、液体窒素中で保存する誘導体。
160.実施形態159の誘導体であって、細胞培養培地が10% FBS(ウシ胎仔血清)、G418 1mg/ml、MTX(メトトレキセート)240nM及び1% pen/strep(ペニシリン/ストレプトマイシン)を含むDMEM培地である誘導体。
160.実施形態149〜159のいずれかの誘導体であって、各アッセイの前に細胞培養の一定量を採取し、PBSで2回洗浄してから、アッセイ専用の緩衝液中に所望する濃度で懸濁する誘導体。
161.実施形態149〜160のいずれかの誘導体であって、96ウェルプレートについて、最終濃度5×103細胞/ウェルになるように懸濁液を作製する誘導体。
162.実施形態160〜161のいずれかの誘導体であって、アッセイ専用の緩衝液がアッセイ培地中2%オボアルブミン、0.2%プルロニックF-68及び2% HSAからなる1%アッセイ緩衝液である誘導体。
163.実施形態160〜161のいずれかの誘導体であって、アッセイ緩衝液がアッセイ培地中2%オボアルブミン及び0.2%プルロニックF-68からなる0%アッセイ緩衝液である誘導体。
164.実施形態162〜163のいずれかの誘導体であって、アッセイ培地がDMEM w/oフェノールレッド、ヘペス10mM及び1×Glutamaxからなる誘導体。
165.実施形態149〜164のいずれかの誘導体であって、アッセイ方法が以下の工程:
i)細胞ストックを37℃水浴中で解凍し;
ii)細胞をPBSで3回洗浄し;
iii)細胞を計数し、アッセイ培地で5×103細胞/50μl(1×105細胞/ml)に調節し、細胞の一定量50μlをアッセイプレートの各ウェルに移し;
iv)試験化合物のストック及び、もしあるならば参照化合物を、0% HSAアッセイ用に0%アッセイ緩衝液で、1% HSAアッセイ用に1%アッセイ緩衝液で0.2μMの濃度に希釈し、化合物を10倍に希釈して適切な濃度範囲にし(例えば、2×10-7M、2×10-8M、2×10-9M、2×10-10M、2×10-11M、2×10-12M、2×10-13M及び2×10-14M)、各化合物についてブランクアッセイ緩衝液対照も含め;
v)化合物又はブランクの一定量50μlを3連で希釈プレートからアッセイプレートに移し、化合物を適切な濃度で試験し(例えば、以下の最終濃度:1×10-7M、1×10-8M;1×10-9M、1×10-10M、1×10-11M、1×10-12M、1×10-13M及び1×10-14M);
vi)アッセイプレートを5% CO2インキュベーター中で37℃で3時間インキュベートし;
vii)アッセイプレートをインキュベーターから取り出し、室温で15分間静置し;
viii)ルシフェリンの一定量100μl(例えば、steadylite plus試薬)をアッセイプレートの各ウェルに添加し;
ix)各アッセイプレートを覆って光から保護し、室温で30分間振盪し、並びに
x)各アッセイプレートを、例えば、Packard TopCount NXT装置で読み取る工程を含む誘導体。
166.実施形態165の誘導体であって、例えば、TopCount装置からのデータを所望する計算のためにGraphPad Prism 5等の適切なソフトウェアに送る誘導体。
167.実施形態149〜166のいずれかの誘導体であって、各3連の値を平均化し、非線形回帰を実施し、EC50値を計算する誘導体。
168.実施形態131〜167のいずれかの誘導体であって、回帰がlog(アゴニスト)対応答である誘導体。
169.実施形態149〜151のいずれかの誘導体であって、効力を実施形態152〜153のいずれかに記載したように決定する誘導体。
170.実施形態149〜169のいずれかの誘導体であって、効力を実施例29に記載したように決定する誘導体。
171.実施形態1〜170のいずれかの誘導体であって、0% HSAでのEC50
a)60pM未満、好ましくは40pM未満、より好ましくは20pM未満、更により好ましくは15pM未満、更により好ましくは10pM未満、又は最も好ましくは8.0pM未満;
b)7.0pM未満、好ましくは6.0pM未満、より好ましくは5.0pM未満、更により好ましくは4.0pM未満、又は最も好ましくは3.0pM未満;或いは
c)2.5pM未満、好ましくは2.0pM未満、より好ましくは1.5pM未満、更により好ましくは1.2pM未満、又は最も好ましくは1.0pM未満に対応する効力を有する誘導体。
172.実施形態1〜171のいずれかの誘導体であって、1.0% HSAでのEC50
a)600pM未満、好ましくは500pM未満、より好ましくは450pM未満、更により好ましくは400pM未満、又は最も好ましくは300pM未満;
b)270pM未満、好ましくは250pM未満、より好ましくは200pM未満、更により好ましくは150pM未満、更により好ましくは100pM未満、又は最も好ましくは50pM未満;或いは
c)40pM未満、好ましくは35pM未満、より好ましくは30pM未満、更により好ましくは25pM未満、又は最も好ましくは20pM未満に対応する効力を有する誘導体。
173.実施形態1〜172のいずれかの誘導体であって、0% HSAでのそのインビトロにおける効力EC50値がセマグルチドの効力の250%よりも低い誘導体。
174.実施形態1〜173のいずれかの誘導体であって、0% HSAでのそのインビトロにおける効力EC50値がセマグルチドの効力の200%よりも低い誘導体。
175.実施形態1〜174のいずれかの誘導体であって、0% HSA及び/又は1.0% HSAでのそのインビトロにおける効力EC50値がセマグルチドの効力よりも低い誘導体。
176.実施形態1〜175のいずれかの誘導体であって、0% HSA及び/又は1.0% HSAでのそのインビトロにおける効力EC50値がセマグルチドのEC50値の50%以下である誘導体。
177.実施形態1〜176のいずれかの誘導体であって、0% HSA及び/又は1.0% HSAでのそのインビトロにおける効力EC50値がセマグルチドのEC50値の30%以下である誘導体。
178.実施形態1〜177のいずれかの誘導体であって、0% HSA及び/又は1.0% HSAでのそのインビトロにおける効力EC50値がセマグルチドのEC50値の20%以下である誘導体。
179.実施形態1〜178のいずれかの誘導体であって、0% HSA及び/又は1.0% HSAでのそのインビトロにおける効力EC50値がセマグルチドのEC50値の10%以下である誘導体。
180.実施形態1〜179のいずれかの誘導体であって、ヒトGLP-1受容体に結合することができる誘導体。
181.実施形態180の誘導体であって、受容体結合活性をインビトロにおいて決定する誘導体。
182.実施形態180〜181のいずれかの誘導体であって、受容体結合を競合結合アッセイで測定し、125I-GLP-1等の標識したリガンドが受容体に結合し、誘導体を所望する一連の濃度で添加し、標識したリガンドの置換は、好ましくはSPA結合アッセイを使用してモニターする誘導体。
183.実施形態182の誘導体であって、受容体結合は標識したリガンドの半分が受容体から置換する濃度(IC50値)として報告する誘導体。
184.実施形態180〜183のいずれかの誘導体であって、ヒトGLP-1受容体の活性化を非常に低濃度の血清アルブミン(最大0.001% HSA、最終アッセイ濃度)、及び/又は非常に高濃度の血清アルブミン(2.0% HSA、最終アッセイ濃度)でのGLP-1受容体結合親和性(IC50)として測定する誘導体。
185.実施形態180〜185のいずれかの誘導体であって、単離されたヒトGLP-1受容体含有膜を使用する誘導体。
186.実施形態185の誘導体であって、膜がヒトGLP-1受容体を発現する細胞から調製される誘導体。
187.実施形態186の誘導体であって、細胞がBHK細胞である誘導体。
188.実施形態187の誘導体であって、BHK細胞が親細胞系としてBHKTS13を有する誘導体。
189.実施形態188の誘導体であって、細胞がクローンFCW467-12AのBHK細胞である誘導体。
190.実施形態180〜189のいずれかの誘導体であって、GLP-1受容体結合親和性(IC50)を実施例30に記載したように決定する誘導体。
191.実施形態1〜190のいずれかの誘導体であって、低アルブミン(約0.001% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのGLP-1受容体結合親和性(IC50)が
a)6.0nM未満、好ましくは3.0nM未満、より好ましくは2.1nM未満、更により好ましくは1.0nM未満、更により好ましくは0.8nM未満、又は最も好ましくは0.60nM未満;或いは
b)0.50nM未満、好ましくは0.40nM未満、更により好ましくは0.30nM未満、又は最も好ましくは0.20nM未満である誘導体。
192.実施形態1〜191のいずれかの誘導体であって、高アルブミン(2.0% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのGLP-1受容体結合親和性(IC50)が
a)1000nM未満、好ましくは600nM未満、より好ましくは500nM未満、又は最も好ましくは300nM未満;
b)200nM未満、好ましくは100nM未満、より好ましくは80nM未満、或いは、
c)70nM未満、好ましくは40nM未満、又はより好ましくは30nM未満である誘導体。
193.実施形態1〜192のいずれかの誘導体であって、低アルブミン(約0.001% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのそのGLP-1受容体結合親和性(IC50)がセマグルチドの結合親和性の350%よりも低い誘導体。
194.実施形態1〜193のいずれかの誘導体であって、低アルブミン(約0.001% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのそのGLP-1受容体結合親和性(IC50)がセマグルチドの結合親和性の200%よりも低い誘導体。
195.実施形態1〜194のいずれかの誘導体であって、低アルブミン(約0.001% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下、及び/又は高アルブミン(2.0% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのそのGLP-1受容体結合親和性(IC50)がセマグルチドの結合親和性の150%よりも低い誘導体。
196.実施形態1〜195のいずれかの誘導体であって、低アルブミン(約0.001% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下、及び/又は高アルブミン(2.0% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのそのGLP-1受容体結合親和性(IC50)がセマグルチドの結合親和性よりも低い誘導体。
197.実施形態1〜196のいずれかの誘導体であって、低アルブミン(約0.001% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下、及び/又は高アルブミン(2.0% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのそのGLP-1受容体結合親和性(IC50)がセマグルチドの結合親和性の75%よりも低い誘導体。
198.実施形態1〜197のいずれかの誘導体であって、低アルブミン(約0.001% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下、及び/又は高アルブミン(2.0% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのそのGLP-1受容体結合親和性(IC50)がセマグルチドの結合親和性の50%よりも低い誘導体。
199.実施形態1〜198のいずれかの誘導体であって、低アルブミン(約0.001% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下、及び/又は高アルブミン(2.0% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのそのGLP-1受容体結合親和性(IC50)がセマグルチドの結合親和性の35%よりも低い誘導体。
200.実施形態1〜199のいずれかの誘導体であって、高アルブミン(2.0% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのそのGLP-1受容体結合親和性(IC50)がセマグルチドの結合親和性の25%よりも低い誘導体。
201.実施形態1〜200のいずれかの誘導体であって、高アルブミン(2.0% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのそのGLP-1受容体結合親和性(IC50)がセマグルチドの結合親和性の10%よりも低い誘導体。
202.実施形態1〜201のいずれかの誘導体であって、高アルブミン(2.0% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのそのGLP-1受容体結合親和性(IC50)がセマグルチドの結合親和性の5%よりも低い誘導体。
203.実施形態1〜202のいずれかの誘導体であって、リラグルチド及び/又はセマグルチドよりも持続した作用プロファイルを有する誘導体。
204.実施形態203の誘導体であって、持続した作用プロファイルとは、適当な動物種、例えば、db/dbマウス、ラット、ブタ及びイヌ、好ましくはミニブタ及び/又はビーグル犬でのインビボにおける消失半減期を意味し、誘導体をi)s.c.、及び/又はii)i.v.;好ましくはii)i.v.で投与する誘導体。
205.実施形態1〜204のいずれかの誘導体であって、ミニブタへのi.v.投与後の消失半減期(t1/2)が
a)少なくとも55時間、好ましくは少なくとも60時間、より好ましくは少なくとも70時間、更により好ましくは少なくとも80時間、又は最も好ましくは少なくとも85時間;
b)少なくとも90時間、好ましくは少なくとも95時間、より好ましくは少なくとも100時間、更により好ましくは少なくとも105時間、又は最も好ましくは少なくとも110時間、或いは
c)少なくとも115時間、好ましくは少なくとも120時間、より好ましくは少なくとも125時間、更により好ましくは少なくとも130時間、更により好ましくは少なくとも135時間、又は最も好ましくは少なくとも140時間である誘導体。
206.実施形態1〜176のいずれかの誘導体であって、ミニブタへのi.v.投与後の消失半減期(t1/2)が
a)セマグルチドの半減期と少なくとも同等;
b)セマグルチドの半減期よりも少なくとも25%長い;
c)セマグルチドの半減期よりも少なくとも50%長い;
d)セマグルチドの半減期よりも少なくとも80%長い;
e)セマグルチドの半減期よりも少なくとも100%長い;又は
f)セマグルチドの半減期よりも少なくとも150%長い誘導体。
207.実施形態204〜206のいずれかの誘導体であって、ミニブタが雌であり、好ましくはEllegaard Gottingenミニブタから得られる誘導体。
208.実施形態204〜207のいずれかの誘導体であって、ミニブタが約5ヶ月齢であり、好ましくは体重約10kgである誘導体。
209.実施形態204〜208のいずれかの誘導体であって、床敷としてわらを敷いた小屋に、各小屋に4頭から6頭一緒にミニブタを収容し、1日に1回又は2回、好ましくはAltromin 9023ミニブタ食を給餌する誘導体。
210.実施形態204〜209のいずれかの誘導体であって、1週間の馴化期間後誘導体をi.v.投与する誘導体。
211.実施形態204〜210のいずれかの誘導体であって、GLP-1誘導体をリン酸ナトリウム50mM、塩化ナトリウム70mM、0.05% tween 80、pH7.4に適切な濃度、例えば、20nmol/mlで溶解する誘導体。
212.実施形態204〜211のいずれかの誘導体であって、誘導体の静脈内注射は、例えば、2nmol/kgに対応する体積で投与される誘導体。
213.実施形態204〜212のいずれかの誘導体であって、消失半減期(t1/2)は、例えば、実施例31に記載したように、ミニブタにおけるインビボ薬物動態研究で決定される誘導体。
214.実施形態1〜213のいずれかの誘導体であって、ビーグル犬へのi.v.投与後の消失半減期(t1/2)は
a)少なくとも56時間、好ましくは少なくとも60時間、より好ましくは少なくとも65時間、更により好ましくは少なくとも70時間、又は最も好ましくは少なくとも75時間;
b)少なくとも80時間、好ましくは少なくとも85時間、より好ましくは少なくとも90時間、更により好ましくは少なくとも100時間、更により好ましくは少なくとも105時間、又は最も好ましくは少なくとも115時間である誘導体。
215.実施形態1〜214のいずれかの誘導体であって、ビーグル犬へのi.v.投与後の消失半減期(t1/2)が
a)セマグルチドの半減期と少なくとも同等;
b)セマグルチドの半減期より少なくとも10%長い;
c)セマグルチドの半減期より少なくとも25%長い;
d)セマグルチドの半減期より少なくとも40%長い;
e)セマグルチドの半減期より少なくとも60%長い;
f)セマグルチドの半減期より少なくとも80%長い;
g)セマグルチドの半減期より少なくとも100%長い;
h)セマグルチドの半減期より少なくとも110%長い誘導体。
216.実施形態214〜215のいずれかの誘導体であって、ビーグル犬が社会集団中に収容され(12時間明:12時間暗)、個々に1日に1回に制限して給餌される誘導体。
217.実施形態214〜216のいずれかの誘導体であって、適切な馴化期間後、誘導体をi.v.投与する誘導体。
218.実施形態214〜217のいずれかの誘導体であって、GLP-1誘導体をリン酸ナトリウム50mM、塩化ナトリウム70mM、ポリソルベート20 70ppm、pH7.4に適切な濃度、例えば、20nmol/mlで溶解する誘導体。
219.実施形態214〜218のいずれかの誘導体であって、誘導体の静脈内注射は例えば、2nmol/kgに対応する体積で投与する誘導体。
220.実施形態214〜219のいずれかの誘導体であって、消失半減期(t1/2)は、例えば、実施例32に記載したように、ビーグル犬におけるインビボ薬物動態研究で決定する誘導体。
221.実施形態1〜220のいずれかの誘導体であって、実施例33に記載したような錠剤組成物におけるビーグル犬への経口投与後の誘導体の経口生物学的利用率が、
a)少なくとも1.5%、好ましくは少なくとも2.0%、又はより好ましくは少なくとも2.4%;或いは
b)少なくとも3.0%、より好ましくは少なくとも3.2%、又はより好ましくは少なくとも3.4%である誘導体。
222.実施形態1〜221のいずれかの誘導体であって、実施例33に記載したような錠剤組成物におけるビーグル犬への経口投与後の誘導体の経口生物学的利用率(F)が
a)セマグルチドの半減期と少なくとも同等;
b)セマグルチドの半減期より少なくとも10%高い;
c)セマグルチドの半減期より少なくとも25%高い;
d)セマグルチドの半減期より少なくとも50%高い;
e)セマグルチドの半減期より少なくとも75%高い;
f)セマグルチドの半減期より少なくとも100%高い;
g)セマグルチドの半減期より少なくとも150%高い;又は
h)セマグルチドの半減期より少なくとも200%高い誘導体。
223.実施形態221〜222のいずれかの誘導体であって、錠剤が
i)錠剤核、Pharmacoatサブコート、及び80:20 FS30D:L30D-55腸溶コーティング、又は
ii)錠剤核、Opadry Clearサブコート、及び80:20 FS30D:L30D-55腸溶コーティングを含み、錠剤が誘導体10mgを含有する誘導体。
224.実施形態221〜223のいずれかの誘導体であって、錠剤がi)表6又はii)表7で示したような最終組成物を有する誘導体。
225.実施形態221〜224のいずれかの誘導体であって、p.o.生物学的利用率が絶対的生物学的利用率(F)である誘導体。
226.実施形態225の誘導体であって、FはAUC/Divで除したAUC/Dpoとして計算し、式中、Dpoは、投与した量に基づいて計算した誘導体のkg当たりの予測経口用量で、Divは静脈内投与された誘導体のkg当たりの用量である誘導体。
227.実施形態226の誘導体であって、AUCが時間曲線に対する血漿濃度下の面積(単位=時間×濃度)で、経口投与及び静脈内投与の両方の後で計算される誘導体。
228.実施形態227の誘導体であって、AUCが投与後240〜288時間まで、又は最後に測定した濃度までの期間で計算される誘導体。
229.実施形態221〜227のいずれかの誘導体であって、ビーグル犬が社会集団中に収容され(12時間明:12時間暗)、個々に1日に1回に制限して給餌される誘導体。
230.実施形態221〜229のいずれかの誘導体であって、適切な馴化期間後、誘導体をまたi.v.投与する誘導体。
231.実施形態230の誘導体であって、GLP-1誘導体をリン酸ナトリウム50mM、塩化ナトリウム70mM、ポリソルベート20 70ppm、pH7.4に適切な濃度、例えば、20nmol/mlで溶解する誘導体。
232.実施形態230〜231のいずれかの誘導体であって、誘導体の静脈内注射を例えば、2nmol/kgに対応する体積で投与する誘導体。
233.実施形態221〜232のいずれかの誘導体であって、GLP-1誘導体を含有する錠剤を以下の方法:錠剤の経口投与の20分前に約4μg/kg体重(120μg/mL)の用量のペンタガストリンを頸部に皮下投与することによって胃酸分泌を誘導し、錠剤を咀嚼されないようにイヌの口の奥に置き、口を閉じ、錠剤の嚥下を容易にするためにシリンジによって水道水10mLを与える方法で投与する誘導体。
234.実施形態221〜233のいずれかの誘導体であって、p.o.生物学的利用率を基本的に実施例32に記載したように決定する誘導体。
235.実施形態1〜234のいずれかの誘導体であって、ブタにおける薬物動態(PD)研究において、単回用量として投与したときs.c.が媒体治療対照群と比較して食物摂取を減少させる作用を有する誘導体。
236.実施形態235の誘導体であって、ブタは雌のLandrace Yorkshire Duroc (LYD)ブタ又はLarge White hybridで、約3ヶ月齢及び体重約30〜35kg(好ましくは群当たりn=3〜4)である誘導体。
237.実施形態235〜236のいずれかの誘導体であって、ブタは動物施設に馴化させる間約1週間群で収容し、その後、実験期間中は、個々の食物摂取を測定するために、投与の少なくとも2日前及び全実験期間中は動物を個々の小屋に入れる誘導体。
238.実施形態235〜237のいずれかの誘導体であって、ブタに不断給餌するか又は毎朝に飼料を与え、24時間全期間中確実に利用させる誘導体。
239.実施形態235〜238のいずれかの誘導体であって、誘導体をリン酸緩衝液(リン酸ナトリウム50mM、塩化ナトリウム70mM、0.05% tween 80、pH7.4)に3nmol/kgの用量に対応する約120nmol/mlの濃度で溶解する誘導体。
240.実施形態239の誘導体であって、リン酸緩衝液を媒体として使用する誘導体。
241.実施形態235〜240のいずれかの誘導体であって、1日目の朝にブタにGLP-1誘導体又は媒体(用量体積0.025ml/kg)の皮下用量を1回投与し、投与後2〜4日間食物摂取を測定する誘導体。
242.実施形態235〜241のいずれかの誘導体であって、食物摂取を24時間間隔で計算し(0〜24時間、24〜48時間、48〜72時間及び72〜96時間)、平均食物摂取を同じ時間間隔における媒体群の平均食物摂取のパーセントとして計算する誘導体。
243.実施形態235〜242のいずれかの誘導体であって、食物摂取を基本的に実施例34に記載したように測定する誘導体。
244.実施形態235〜243のいずれかの誘導体であって、媒体群と比較して0〜24時間の食物摂取が
a)80%以下、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下、更により好ましくは60%以下、又は最も好ましくは50%以下、或いは
b)50%以下、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下、更により好ましくは20%以下、又は最も好ましくは10%以下である誘導体。
245.実施形態235〜244のいずれかの誘導体であって、媒体群と比較して24〜48時間の食物摂取が
a)70%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下、更により好ましくは40%以下、又は最も好ましくは30%以下、或いは
b)25%以下、又は好ましくは20%以下である誘導体。
246.実施形態235〜245のいずれかの誘導体であって、媒体群と比較して48〜72時間の食物摂取が70%以下、好ましくは65%以下である誘導体。
247.GLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置に第1のLys残基を含み、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置に第2のLys残基を含み、その他のLys残基を含まないGLP-1ペプチド、又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
248.GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最大7個のアミノ酸変化、好ましくは最大6個のアミノ酸変化、より好ましくは最大5個のアミノ酸変化を有する実施形態247のペプチド。
249.実施形態248のペプチドであって、最大5、6又は7個のアミノ酸変化には36Lys及び37Lysが含まれるペプチド。
250.GLP-1(7-37)ペプチドである、実施形態247〜249のいずれかのペプチド。
251.GLP-1(9-37)ペプチドである、実施形態247〜249のいずれかのペプチド。
252.実施形態251のペプチドであって、GLP-1(7-37)(配列番号1)の7及び8位に対応する位置のアミノ酸残基が欠失したペプチド。
253.実施形態247〜252のいずれかのペプチドであって、以下の更なるアミノ酸変化:(8Aib若しくは8Gly)、22Glu、26Arg、30Glu及び/又は(34Arg若しくは34Gln)の1個又は複数を含むペプチド。
254.実施形態247〜253のいずれかのペプチドであって、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して以下のアミノ酸変化:(i)8Aib、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;(ii)8Aib、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;(iii)8Aib、22Glu、26Arg、34Gln、36Lys及び37Lys;(iv)8Gly、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys、37Lys;又は(v)8Aib、22Glu、26Arg、30Glu、34Arg、36Lys、37Lysを含むペプチド。
255.実施形態247〜254のいずれかのペプチドであって、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して以下のアミノ酸変化:
(i)8Aib、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;(ii)8Aib、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;(iii)8Aib、22Glu、26Arg、34Gln、36Lys及び37Lys;(iv)8Gly、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys、37Lys;又は(v)8Aib、22Glu、26Arg、30Glu、34Arg、36Lys、37Lysを有するペプチド。
260.配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5又は配列番号6である、実施形態247〜259のいずれかのペプチド。
261.実施形態247〜260のいずれかのペプチドであって、GLP-1(7-37)(配列番号1)との比較を筆記及び目視によって行うペプチド。
262.実施形態247〜261のいずれかのペプチドであって、GLP-1(7-37)(配列番号1)との比較を標準的タンパク質又はペプチドアラインメントプログラムの使用によって行うペプチド。
263.実施形態262のペプチドであって、アラインメントプログラムがNeedleman-Wunschアラインメントであるペプチド。
264.実施形態262〜263のいずれかのペプチドであって、初期設定のスコアリングマトリックス及び初期設定の同一性マトリックスを使用するペプチド。
265.実施形態262〜264のいずれかのペプチドであって、スコアリングマトリックスがBLOSUM62であるペプチド。
266.実施形態262〜265のいずれかのペプチドであって、ギャップにおける第1残基のペナルティが-10(マイナス10)であるペプチド。
267.実施形態262〜266のいずれかのペプチドであって、ギャップにおける更なる残基のペナルティが-0.5(マイナス0.5)であるペプチド。
268.式IのGLP-1ペプチド:
式I:Xaa7-Xaa8-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Lys36-Lys37
(式中、
Xaa7はL-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デスアミノ-ヒスチジン(desH)、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジンであり;
Xaa8はAla、Gly、Ser、Aib、(1-アミノシクロプロピル)カルボン酸、(1-アミノシクロブチル)カルボン酸であり;
Xaa16はVal又はLeuであり;
Xaa18はSer又はArgであり;
Xaa19はTyr又はGlnであり;
Xaa20はLeu又はMetであり;
Xaa22はGly又はGluであり;
Xaa23はGln、Glu又はArgであり;
Xaa25はAla又はValであり;
Xaa26はArg又はLysであり;
Xaa27はGlu又はLeuであり;
Xaa30はAla又はGluであり;
Xaa31はTrp又はHisであり;
Xaa33はVal又はArgであり;
Xaa34はArg、Lys、His、Asn又はGlnであり;
Xaa35はGly又はAibである)。
269.実施形態268のGLP-1ペプチドであって、Xaa7はHisであり、;Xaa8はGly又はAibであり;Xaa16はValであり;Xaa18はSerであり;Xaa19はTyrであり;Xaa20はLeuであり;Xaa22はGly又はGluであり;Xaa23はGlnであり;Xaa25はAlaであり;Xaa26はArgであり;Xaa27はGluであり;Xaa30はAla又はGluであり;Xaa31はTrpであり;Xaa33はValであり;Xaa34はArg又はGlnであり;Xaa35はGlyであるペプチド。
270.式IIのGLP-1ペプチド:
式II:Xaa7-Xaa8-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Lys36-Lys37
(式中、Xaa7はL-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デスアミノ-ヒスチジン(desH)、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジンであり;
Xaa8はAla、Ser、Aib、(1-アミノシクロプロピル)カルボン酸、(1-アミノシクロブチル)カルボン酸であり;
Xaa16はVal又はLeuであり;
Xaa18はSer又はArgであり;
Xaa19はTyr又はGlnであり;
Xaa20はLeu又はMetであり;
Xaa22はGly又はGluであり;
Xaa23はGln、Glu又はArgであり;
Xaa25はAla又はValであり;
Xaa26はArg又はLysであり;
Xaa27はGlu又はLeuであり;
Xaa30はAla又はGluであり;
Xaa31はTrp又はHisであり;
Xaa33はVal又はArgであり;
Xaa34はArg、Lys、His、Asn又はGlnであり;
Xaa35はGly又はAibである)。
271.実施形態270のGLP-1ペプチドであって、Xaa7はHisであり、;Xaa8はAibであり;Xaa16はValであり;Xaa18はSerであり;Xaa19はTyrであり;Xaa20はLeuであり;Xaa22はGly又はGluであり;Xaa23はGlnであり;Xaa25はAlaであり;Xaa26はArgであり;Xaa27はGluであり;Xaa30はAla又はGluであり;Xaa31はTrpであり;Xaa33はValであり;Xaa34はArg又はGlnであり;Xaa35はGlyであるペプチド。
272.Xaa7及びXaa8が存在しないこと以外は、実施形態268〜271のいずれかで定義したペプチドであるGLP-1(9-37)ペプチド。
273.GLP-1(7-37)(配列番号1)の類似体である、実施形態247〜272のいずれかのペプチド。
274.GLP-1活性を有する、実施形態247〜273のいずれかのペプチド。
275.実施形態274のペプチドであって、GLP-1活性を、例えば、実施形態149〜202のいずれかに記載したような任意の適切な方法で決定することができるペプチド。
276.Chem.6の側鎖部分を含み、又はこれからなる中間体生成物:
Chem.6:
[式中、Lは*NH基及び*-CO基を組み込んでいるジラジカルである任意選択のリンカーであり(*-NH基は分子の左手末端にあり、*-CO基は分子の右手末端にある)、PGは保護基であり、末端のCOOH基(芳香族環のメタ位)及び/又は存在するならば任意のその他のCOOH基も場合によっては保護されている]
又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
277.実施形態276の中間体生成物であって、(Lが存在しないときは)CO-PGが、末端の
i)COOH基、又は
ii)活性化エステルであり、
或いは、(Lが存在するとき)L-PGが、末端の
i)COOH基、又は
ii)活性化エステルを含む、中間体生成物。
278.実施形態277の中間体生成物であって、活性化エステルがp-ニトロフェノール;2,4,5-トリクロロフェノール;N-ヒドロキシスクシンイミド;N-ヒドロキシスルホスクシンイミド;3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリアジン-4-オン;5-クロロ-8-ヒドロキシキノリン;N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸イミド;ペンタフルオロフェノール;p-スルホテトラフルオロフェノール;N-ヒドロキシフタルイミド;1-ヒドロキシベンゾトリアゾール;1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール;N-ヒドロキシマレイミド;4-ヒドロキシ-3-ニトロベンゼンスルホン酸のエステル又は当技術分野で公知の任意のその他の活性化エステルである中間体生成物。
279.実施形態278の中間体生成物であって、活性化エステルがN-ヒドロキシスクシンイミドである中間体生成物。
280.実施形態276〜279のいずれかの中間体生成物であって、リンカーが存在しない中間体生成物。
281.実施形態276〜279のいずれかの中間体生成物であって、リンカーが少なくとも1個のChem.3a、Chem.4a及びChem.5aを含み:
Chem.3a:
Chem.4a:
及び/又は
Chem.5a:
式中、kは1〜5の範囲の整数であり、nは1〜5の範囲の整数である中間体生成物。
282.実施形態276〜281のいずれかの中間体生成物であって、リンカーが実施形態12〜62のいずれかで定義した通りである中間体生成物。
283.実施形態276〜281のいずれかの中間体生成物であって、場合によっては、Chem.6の末端COOH基及び/又は、Chem.6のリンカー部分(L)に存在するならば、1個又は複数の更なるCOOH基も当技術分野で公知なように保護されている中間体生成物。
284.実施形態276〜283のいずれかの中間体生成物であって、場合によっては、Chem.6の末端COOH基及び/又は、Chem.6のリンカー部分(L)に存在するならば、1個又は複数の更なるCOOH基も非反応性エステルの形成によって保護されている中間体生成物。
285.実施形態284の中間体生成物であって、非反応性エステルが、i)アルコールと芳香族基等のかさ高い側鎖とのエステル、又はii)分枝状アルキル、好ましくは低級分枝状アルキルのアルコールのエステルである中間体生成物。
286.実施形態284の中間体生成物であって、非反応性エステルがtert.ブチルエステル(OtBu)、ベンゾイルエステル(OBz)等である中間体生成物。
287.実施形態285の中間体生成物であって、かさ高い芳香族基を有するアルコールがベンジルアルコールである中間体生成物。
288.実施形態285の中間体生成物であって、低級分枝状アルキルのアルコールがtert.ブチルアルコールである中間体生成物。
289.好ましくは実施形態276〜288のいずれかに記載の中間体生成物であって、Chem.7である:
Chem.7:
(式中、i)COOH基は全く保護されていないか、ii)末端COOH基のみ、iii)非末端COOH基のみ、又はiv)実施例284〜288のいずれかに記載したように両方のCOOH基が保護されている)中間体生成物;
又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
290.実施形態289の中間体生成物であって、COOH基が全く保護されていない中間体生成物。
291.実施形態289の中間体生成物であって、2個のCOOH基のぞれぞれがtert.ブチルエステルとして保護されている中間体生成物。
292.実施形態289の中間体生成物であって、2個のCOOH基のぞれぞれがベンゾイルエステルとして保護されている中間体生成物。
293.好ましくは実施形態276〜288のいずれかに記載の中間体生成物であって、Chem.8である:
Chem.8:
(式中、i)COOH基は全く保護されていないか、ii)末端COOH基のみ、iii)非末端COOH基のみ、又はiv)実施例284〜288のいずれかに記載したように両方のCOOH基が保護されている)中間体生成物;
又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
294.実施形態293の中間体生成物であって、COOH基が全く保護されていない中間体生成物。
295.実施形態293の中間体生成物であって、2個のCOOH基のぞれぞれがtert.ブチルエステルとして保護されている中間体生成物。
296.実施形態293の中間体生成物であって、2個のCOOH基のぞれぞれがベンゾイルエステルとして保護されている中間体生成物。
297.医薬として使用するための、実施形態1〜246のいずれかに記載の誘導体又は実施形態247〜275のいずれかに記載のペプチド。
298.全形態の糖尿病及び関連疾患、例えば摂食障害、心臓血管疾患、胃腸疾患、糖尿病合併症、重病、及び/若しくは多嚢胞性卵巣症候群等の治療及び/若しくは予防において使用するため、並びに/又は脂質パラメータの改善、β細胞機能の改善のため、並びに/又は糖尿病の進行の遅延若しくは阻止のための実施形態1〜246のいずれかに記載の誘導体又は実施形態247〜275のいずれかに記載のペプチド。
299.全形態の糖尿病及び関連疾患、例えば摂食障害、心臓血管疾患、胃腸疾患、糖尿病合併症、重病、及び/若しくは多嚢胞性卵巣症候群の治療及び/若しくは予防のため、並びに/又は脂質パラメータの改善、β細胞機能の改善のため、並びに/又は糖尿病の進行の遅延若しくは阻止のための医薬の製造における、実施形態1〜246のいずれかに記載の誘導体又は実施形態247〜275のいずれかに記載のペプチドの使用。
300.実施形態1〜246のいずれかに記載の誘導体又は実施形態247〜275のいずれかに記載のペプチドの薬学的に活性な量を投与することによる、全形態の糖尿病及び関連疾患、例えば摂食障害、心臓血管疾患、胃腸疾患、糖尿病合併症、重病、及び/若しくは多嚢胞性卵巣症候群の治療及び/若しくは予防のため、並びに/又は脂質パラメータの改善、β細胞機能の改善のため、並びに/又は糖尿病の進行の遅延若しくは阻止のための方法。
本発明はまた、GLP-1ペプチドの誘導体であって、ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置に第1のLys残基、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置に第2のLys残基、及びGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最大7個のアミノ酸変化を含み、前記第1及び第2のLys残基それぞれに、それぞれ第1及び第2のリンカーを介して結合した第1及び第2の延長部分を含み、第1及び第2の延長部分が、
Chem.1:HOOC-C6H4-O-(CH2)y-CO-*、及び
Chem.2:HOOC(CH2)x-CO-*から選択され、
式中、yが8〜11の範囲の整数であり、xが12であり、第1及び第2のリンカーが、
Chem.3:*-NH-CH(COOH)-(CH2)2-CO-*、
Chem.4:*-NH-CH((CH2)2-COOH)-CO-*、及び/又は
Chem.5:*NH-(CH2)2-[O-(CH2)2]k-O-[CH2]n-CO-*の少なくとも1個を含み、
式中、kが1〜5の範囲の整数であり、nが1〜5の範囲の整数である誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル、
並びに従属した実施形態として、必要に応じて変更を加えて、及び/又は類似の場面の本明細書に添付した上記実施形態2〜246のいずれかに関する。
以下は本発明の更なる特定の実施形態である。
1.GLP-1ペプチドの誘導体であって、
ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置に第1のLys残基、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置に第2のLys残基、及びGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最大7個のアミノ酸変化を含み、
誘導体が前記第1及び第2のLys残基それぞれに、それぞれリンカーを介して結合した2個の延長部分を含み、
延長部分が、
Chem.1:HOOC-C6H4-O-(CH2)y-CO-*、及び
Chem.2:HOOC(CH2)x-CO-*から選択され、
式中、yが9〜11の範囲の整数であり、xが12であり、リンカーが、
Chem.3:*-NH-CH(COOH)-(CH2)2-CO-*、
Chem.4:*-NH-CH((CH2)2-COOH)-CO-*、及び/又は
Chem.5:*NH-(CH2)2-[O-(CH2)2]k-O-[CH2]n-CO-*の少なくとも1個を含み、
式中、kが1〜5の範囲の整数であり、nが1〜5の範囲の整数である誘導体
又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
2.実施形態1の誘導体であって、延長部分がChem.1である誘導体。
3.実施形態1〜2のいずれかの誘導体であって、延長部分が、
Chem.1a:
又は
Chem. 1b:
である誘導体。
4.実施形態1〜3のいずれかの誘導体であって、延長部分が
Chem.1a:
である誘導体。
5.実施形態1〜3のいずれかの誘導体であって、延長部分が
Chem.1b:
である誘導体。
6.実施形態1〜5のいずれかの誘導体であって、yが9、10又は11である誘導体。
7.実施形態1〜6のいずれかの誘導体であって、yが9である誘導体。
8.実施形態1〜6のいずれかの誘導体であって、yが10である誘導体。
9.実施形態1〜6のいずれかの誘導体であって、yが11である誘導体。
10.実施形態1の誘導体であって、延長部分がChem.2である誘導体。
11.実施形態1〜10のいずれかの誘導体であって、リンカーがChem.5を含む誘導体。
12.実施形態1〜11のいずれかの誘導体であって、リンカーが
Chem.5a:
を含む誘導体。
13.実施形態1〜12のいずれかの誘導体であって、k=n=1である誘導体。
14.実施形態1〜13のいずれかの誘導体であって、リンカーがChem.5b:*NH-(CH2)2-O-(CH2)2-O-CH2-CO-*を含む誘導体。
15.実施形態1〜14のいずれかの誘導体であって、Chem.5が1回、2回又は3回含まれる誘導体。
16.実施形態1〜15のいずれかの誘導体であって、Chem.5が1回含まれる誘導体。
17.実施形態1〜15のいずれかの誘導体であって、Chem.5が2回含まれる誘導体。
18.実施形態1〜15のいずれかの誘導体であって、Chem.5が3回含まれる誘導体。
19.実施形態1〜15のいずれかの誘導体であって、Chem.5aが1回、2回又は3回含まれる誘導体。
20.実施形態1〜15のいずれかの誘導体であって、Chem.5aが1回含まれる誘導体。
21.実施形態1〜15のいずれかの誘導体であって、Chem.5aが2回含まれる誘導体。
22.実施形態1〜15のいずれかの誘導体であって、Chem.5aが3回含まれる誘導体。
23.実施形態1〜15のいずれかの誘導体であって、Chem.5bが1回、2回又は3回含まれる誘導体。
24.実施形態1〜15のいずれかの誘導体であって、Chem.5bが1回含まれる誘導体。
25.実施形態1〜15のいずれかの誘導体であって、Chem.5bが2回含まれる誘導体。
26.実施形態1〜15のいずれかの誘導体であって、Chem.5bが3回含まれる誘導体。
27.実施形態1〜26のいずれかの誘導体であって、リンカーがChem.3を含む誘導体。
28.の実施形態1〜27のいずれかの誘導体であって、リンカーが
Chem.3a:
を含む誘導体。
29.実施形態1〜28のいずれかの誘導体であって、Chem.3が含まれないか、1回含まれるか又は2回含まれる誘導体。
30.実施形態1〜29のいずれかの誘導体であって、Chem.3が含まれない誘導体。
31.実施形態1〜29のいずれかの誘導体であって、Chem.3が1回含まれる誘導体。
32.実施形態1〜29のいずれかの誘導体であって、Chem.3が2回含まれる誘導体。
33.実施形態1〜29のいずれかの誘導体であって、Chem.3aが含まれないか、1回含まれるか又は2回含まれる誘導体。
34.実施形態1〜29のいずれかの誘導体であって、Chem.3aが含まれない誘導体。
35.実施形態1〜29のいずれかの誘導体であって、Chem.3aが1回含まれる誘導体。
36.実施形態1〜29のいずれかの誘導体であって、Chem.3aが2回含まれる誘導体。
37.実施形態1〜36のいずれかの誘導体であって、リンカーがChem.4を含む誘導体。
38.実施形態1〜37のいずれかの誘導体であって、リンカーが
Chem.4a
を含む誘導体。
39.実施形態1〜38のいずれかの誘導体であって、Chem.4が含まれないか又は2回含まれる誘導体。
40.実施形態1〜39のいずれかの誘導体であって、Chem.4が含まれない誘導体。
41.実施形態1〜39のいずれかの誘導体であって、Chem.4が2回含まれる誘導体。
42.実施形態1〜39のいずれかの誘導体であって、Chem.4aが含まれないか又は2回含まれる誘導体。
43.実施形態1〜39のいずれかの誘導体であって、Chem.4aが含まれない誘導体。
44.実施形態1〜39のいずれかの誘導体であって、Chem.4aが2回含まれる誘導体。
45.実施形態1〜44のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、2個のChem.3要素及び2個のChem.5b要素(2×Chem.3-2×Chem.5b)からなる誘導体。
46.実施形態1〜44のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、2個のChem.3a要素及び2個のChem.5a要素(式中、n=k=1である)(2×Chem.3a-2×Chem.5a)からなる誘導体。
47.実施形態1〜44のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、1個のChem.3要素及び2個のChem.5b要素(Chem.3-2×Chem.5b)からなる誘導体。
48.実施形態1〜44のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、1個のChem.3a要素及び2個のChem.5a要素(式中、n=k=1である)(Chem.3a-2×Chem.5a)からなる誘導体。
49.実施形態1〜44のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、1個のChem.3要素及び3個のChem.5b要素(Chem.3-3×Chem.5b)からなる誘導体。
50.実施形態1〜44のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、1個のChem.3a要素及び3個のChem.5a要素(式中、n=k=1である)(Chem.3a-3×Chem.5a)からなる誘導体。
51.実施形態1〜44のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、2個のChem.4要素及び1個のChem.5b要素(2×Chem.4-Chem.5b)からなる誘導体。
52.実施形態1〜44のいずれかの誘導体であって、リンカーがアミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端で延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端でGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、2個のChem.4a要素及び1個のChem.5a要素(式中、n=k=1である)(2×Chem.4a-Chem.5a)からなる誘導体。
53.実施形態1〜52のいずれかの誘導体であって、リンカー及び延長部分がアミド結合を介して相互結合している誘導体。
54.実施形態1〜53のいずれかの誘導体であって、リンカー及びGLP-1ペプチドがアミド結合を介して相互結合している誘導体。
55.実施形態1〜54のいずれかの誘導体であって、リンカーのCO-*末端が、第1又は第2Lys残基のイプシロン-アミノ基とアミド結合を形成する誘導体。
56.実施形態1〜55のいずれかの誘導体であって、2個の延長部分が実質的に同一であり、好ましくは同一である誘導体。
57.実施形態1〜56のいずれかの誘導体であって、2個の延長部分が、少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.6、より好ましくは少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、更により好ましくは少なくとも0.9、又は最も好ましくは少なくとも0.99の類似性、例えば、1.0の類似性を有する誘導体。
58.実施形態1〜57のいずれかの誘導体であって、2個のリンカーが実質的に同一であり、好ましくは同一である誘導体。
59.実施形態1〜58のいずれかの誘導体であって、2個のリンカーが、少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.6、より好ましくは少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、更により好ましくは少なくとも0.9、又は最も好ましくは少なくとも0.99の類似性、例えば、1.0の類似性を有する誘導体。
60.実施形態1〜59のいずれかの誘導体であって、延長部分及びリンカーからなる2個の側鎖が実質的に同一であり、好ましくは同一である誘導体。
61.実施形態1〜60のいずれかの誘導体であって、延長部分及びリンカーからなる2個の側鎖が、少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.6、より好ましくは少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、更により好ましくは少なくとも0.9、又は最も好ましくは少なくとも0.99の類似性、例えば、1.0の類似性を有する誘導体。
62.実施形態56〜61のいずれかの誘導体であって、比較する2個の化学構造が、フィンガープリント、例えば、a)ECFP_6フィンガープリント、b)UNITYフィンガープリント、及び/又はc)MDLフィンガープリントとして表され、a)、b)及びc)のそれぞれについて、2つのフィンガープリントの類似性を計算するためにタニモト係数を使用することが好ましい誘導体。
63.実施形態1〜62のいずれかの誘導体であって、第1のLys残基を36Lysと称する誘導体。
64.実施形態1〜63のいずれかの誘導体であって、第2のLys残基を37Lysと称する誘導体。
65.実施形態1〜64のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置を筆記及び目視によって同定する誘導体。
66.実施形態1〜65のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置を筆記及び目視によって同定する誘導体。
67.実施形態1〜66のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較してアミノ酸変化の総数を筆記及び目視によって同定する誘導体。
68.実施形態1〜67のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較してアミノ酸変化の数を計数するとき、36Lys及び37Lysの2個のアミノ酸変化を含む誘導体。
69.実施形態1〜68のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置を標準的タンパク質又はペプチドアラインメントプログラムの使用によって同定する誘導体。
70.実施形態1〜69のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置を標準的タンパク質又はペプチドアラインメントプログラムの使用によって同定する誘導体。
71.実施形態1〜70のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較してアミノ酸変化の数を標準的タンパク質又はペプチドアラインメントプログラムの使用によって同定する誘導体。
72.実施形態69〜71のいずれかの誘導体であって、アラインメントプログラムがNeedleman-Wunschアラインメントである誘導体。
73.実施形態69〜72のいずれかの誘導体であって、初期設定のスコアリングマトリックス及び初期設定の同一性マトリックスを使用する誘導体。
74.実施形態69〜73のいずれかの誘導体であって、スコアリングマトリックスがBLOSUM62である誘導体。
75.実施形態69〜74のいずれかの誘導体であって、ギャップにおける第1残基のペナルティが-10(マイナス10)である誘導体。
76.実施形態69〜75のいずれかの誘導体であって、ギャップにおける更なる残基のペナルティが-0.5(マイナス0.5)である誘導体。
77.実施形態1〜76のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドが、少なくとも置換R36K及びG37Kを含むGLP-1(7-37)(配列番号1)の類似体である誘導体。
78.実施形態1〜77のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドが36Lys及び37Lys以外のLys残基を含まない誘導体。
79.実施形態1〜78のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最大5個のアミノ酸変化を有する誘導体。
80.実施形態1〜78のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最大6個のアミノ酸変化を有する誘導体。
81.実施形態1〜78のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最小5個のアミノ酸変化を有する誘導体。
82.実施形態1〜78のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最小6個のアミノ酸変化を有する誘導体。
83.実施形態1〜78のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して5個又は6個のアミノ酸変化を有する誘導体。
84.実施形態1〜78のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して5個のアミノ酸変化を有する誘導体。
85.実施形態1〜78のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して6個のアミノ酸変化を有する誘導体。
86.実施形態1〜85のいずれかの誘導体であって、アミノ酸変化がGLP-1(7-37)(配列番号1)の8、22、26、34、36及び37位の1個又は複数に対応する1個又は複数の位置である誘導体。
87.実施形態1〜86のいずれかの誘導体であって、ペプチドが36Lys及び37Lysを含み、場合によっては以下の更なるアミノ酸変化:8Aib、22Glu、26Arg及び/又は(34Arg若しくは34Gln)の1個又は複数を含む誘導体。
88.実施形態1〜87のいずれかの誘導体であって、ペプチドが8Aibを含む誘導体。
89.実施形態1〜88のいずれかの誘導体であって、ペプチドが22Gluを含む誘導体。
90.実施形態1〜89のいずれかの誘導体であって、ペプチドが26Argを含む誘導体。
91.実施形態1〜90のいずれかの誘導体であって、ペプチドが34Argを含む誘導体。
92.実施形態1〜90のいずれかの誘導体であって、ペプチドが34Glnを含む誘導体。
93.実施形態1〜92のいずれかの誘導体であって、ペプチドにおける変化の決定のために、ペプチドのアミノ酸配列を天然のGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列と比較する誘導体。
94.実施形態1〜93のいずれかの誘導体であって、天然のGLP-1(7-37)(配列番号1)の特定の位置に対応するペプチドにおける位置の決定のために、ペプチドのアミノ酸配列を天然のGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列と比較する誘導体。
95.実施形態1〜94のいずれかの誘導体であって、ペプチドのアミノ酸配列とGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列との比較を筆記及び目視によって行う誘導体。
96.実施形態1〜95のいずれかの誘導体であって、ペプチドのアミノ酸配列とGLP-1(7-37)(配列番号1)のアミノ酸配列との比較を、標準的タンパク質又はペプチドアラインメントプログラムの使用によって行う誘導体。
97.実施形態96の誘導体であって、アラインメントプログラムがNeedleman-Wunschアラインメントである誘導体。
98.実施形態96〜97のいずれかの誘導体であって、初期設定のスコアリングマトリックス及び初期設定の同一性マトリックスを使用する誘導体。
99.実施形態96〜98のいずれかの誘導体であって、スコアリングマトリックスがBLOSUM62である誘導体。
100.実施形態96〜99のいずれかの誘導体であって、ギャップにおける第1残基のペナルティが-10(マイナス10)である誘導体。
101.実施形態96〜100のいずれかの誘導体であって、ギャップにおける更なる残基のペナルティが-0.5(マイナス0.5)である誘導体。
102.実施形態1〜101のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)の指示した位置のいずれかに対応する位置を筆記及び目視によって同定する誘導体。
103.実施形態1〜102のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)の指示した位置のいずれかに対応する位置を実施形態69〜76のいずれかにおける36位及び37位について記載されたように同定する誘導体。
104.実施形態1〜103のいずれかの誘導体であって、GLP-1ペプチドが、a)式IのGLP-1化合物を含み、且つ/又はb)式IのGLP-1化合物である
式I:Xaa7-Xaa8-Glu-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Xaa16-Ser-Xaa18-Xaa19-Xaa20-Glu-Xaa22-Xaa23-Ala-Xaa25-Xaa26-Xaa27-Phe-Ile-Xaa30-Xaa31-Leu-Xaa33-Xaa34-Xaa35-Lys36-Lys37
(式中、
Xaa7はL-ヒスチジン、(S)-2-ヒドロキシ-3-(1H-イミダゾール-4-イル)-プロピオン酸、D-ヒスチジン、デスアミノ-ヒスチジン(desH)、Nα-アセチル-ヒスチジン、Nα-ホルミル-ヒスチジンであり;
Xaa8はAla、Gly、Ser、Aib、(1-アミノシクロプロピル)カルボン酸、(1-アミノシクロブチル)カルボン酸であり;
Xaa16はVal又はLeuであり;
Xaa18はSer又はArgであり;
Xaa19はTyr又はGlnであり;
Xaa20はLeu又はMetであり;
Xaa22はGly又はGluであり;
Xaa23はGln、Glu又はArgであり;
Xaa25はAla又はValであり;
Xaa26はArg又はLysであり;
Xaa27はGlu又はLeuであり;
Xaa30はAla又はGluであり;
Xaa31はTrp又はHisであり;
Xaa33はVal又はArgであり;
Xaa34はArg、Lys、His、Asn又はGlnであり;
Xaa35はGly又はAibである)誘導体。
105.実施形態104の誘導体であって、式IのGLP-1化合物がGLP-1(7-37)(配列番号1)の類似体である誘導体。
106.実施形態104〜105のいずれかの誘導体であって、Xaa7はHisであり;Xaa8はAibであり;Xaa16はValであり;Xaa18はSerであり;Xaa19はTyrであり;Xaa20はLeuであり;Xaa22はGly又はGluであり;Xaa23はGlnであり;Xaa25はAlaであり;Xaa26はArgであり;Xaa27はGluであり;Xaa30はAlaであり;Xaa31はTrpであり;Xaa33はValであり;Xaa34はArg又はGlnであり;Xaa35はGlyである誘導体。
107.実施形態104〜106のいずれかの誘導体であって、Xaa7がHisである誘導体。
108.実施形態104〜107のいずれかの誘導体であって、Xaa8がAibである誘導体。
109.実施形態104〜108のいずれかの誘導体であって、Xaa12sがPheである誘導体。
110.実施形態104〜109のいずれかの誘導体であって、Xaa16がValである誘導体。
111.実施形態104〜110のいずれかの誘導体であって、Xaa18がSerである誘導体。
112.実施形態104〜111のいずれかの誘導体であって、Xaa19がTyrである誘導体。
113.実施形態104〜112のいずれかの誘導体であって、Xaa20がLeuである誘導体。
114.実施形態104〜113のいずれかの誘導体であって、Xaa22がGlyである誘導体。
115.実施形態104〜113のいずれかの誘導体であって、Xaa22がGluである誘導体。
116.実施形態104〜115のいずれかの誘導体であって、Xaa23がGlnである誘導体。
117.実施形態104〜116のいずれかの誘導体であって、Xaa25がAlaである誘導体。
118.実施形態104〜117のいずれかの誘導体であって、Xaa26がArgである誘導体。
119.実施形態104〜118のいずれかの誘導体であって、Xaa27がGluである誘導体。
120.実施形態104〜119のいずれかの誘導体であって、Xaa30がAlaである誘導体。
121.実施形態104〜120のいずれかの誘導体であって、Xaa31がTrpである誘導体。
122.実施形態104〜121のいずれかの誘導体であって、Xaa33がValである誘導体。
123.実施形態104〜122のいずれかの誘導体であって、Xaa34がArgである誘導体。
124.実施形態104〜122のいずれかの誘導体であって、Xaa34がGlnである誘導体。
125.実施形態104〜124のいずれかの誘導体であって、Xaa35がGlyである誘導体。
126.実施形態1〜125のいずれかの誘導体であって、ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して以下のアミノ酸変化:(i)8Aib、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;(ii)8Aib、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;又は(iii)8Aib、22Glu、26Arg、34Gln、36Lys及び37Lysを含む誘導体。
127.実施形態1〜126のいずれかの誘導体であって、ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して以下のアミノ酸変化:(i)8Aib、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;(ii)8Aib、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;又は(iii)8Aib、22Glu、26Arg、34Gln、36Lys及び37Lysを有する誘導体。
128.実施形態1〜127のいずれかの誘導体であって、ペプチドが配列番号2、配列番号3又は配列番号4である誘導体。
129. Chem.21、Chem.22、Chem.23、Chem.24、Chem.25、Chem.26、Chem.27、Chem.28、Chem.29、Chem.30、Chem.31、Chem.32、Chem.33、Chem.34、Chem.35又はChem.36から選択される化合物、好ましくは実施形態1〜128のいずれかによるGLP-1誘導体又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
130.その名称によって特徴付けられ、本明細書の実施例1〜16の化合物の名称のそれぞれのリストから選択される化合物、好ましくは実施形態129の化合物又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
131.実施形態1〜130のいずれかの誘導体であって、GLP-1活性を有する誘導体。
132.実施形態131の誘導体であって、GLP-1活性がヒトGLP-1受容体を活性化する能力を意味する誘導体。
133.実施形態132の誘導体であって、ヒトGLP-1受容体の活性化をインビトロアッセイにおいてcAMP産生の効力として測定する誘導体。
134.実施形態131〜132のいずれかの誘導体であって、ヒトGLP-1受容体の活性化をインビトロアッセイにおいてレポーター遺伝子アッセイにおいて測定する誘導体。
135.実施形態131〜134のいずれかの誘導体であって、アッセイが、ヒトGLP-1受容体を発現し、プロモーターにカップリングしたcAMP応答要素(CRE)のためのDNA及びホタルルシフェラーゼ(CREルシフェラーゼ)のための遺伝子を含有する、安定的にトランスフェクトされたBHK細胞系において実施される誘導体。
136.実施形態135の誘導体であって、アッセイインキュベーションを完了するとき、ルシフェリンを添加し、ルミネセンスを測定する誘導体。
137.実施形態131〜136のいずれかの誘導体であって、アッセイが血清アルブミンの非存在下(0% HSA、最終アッセイ濃度)で実施される誘導体。
138.実施形態131〜137のいずれかの誘導体であって、アッセイが血清アルブミンの存在下(1.0% HSA、最終アッセイ濃度)で実施される誘導体。
139.実施形態131〜138のいずれかの誘導体であって、細胞が親細胞系としてBHKTS13を含むBHK細胞である誘導体。
140.実施形態131〜139のいずれかの誘導体であって、細胞がクローンFCW467-12Aから得られる誘導体。
141.実施形態131〜140のいずれかの誘導体であって、細胞を培養培地中で5% CO2で培養し、小分けし、液体窒素中で保存する誘導体。
142.実施形態141の誘導体であって、細胞培養培地が10% FBS(ウシ胎仔血清)、G418 1mg/ml、MTX(メトトレキセート)240nM及び1% pen/strep(ペニシリン/ストレプトマイシン)である誘導体。
143.実施形態131〜142のいずれかの誘導体であって、各アッセイの前に細胞培養の一定量を採取し、PBSで2回洗浄してから、アッセイ専用の緩衝液中に所望する濃度で懸濁する誘導体。
144.実施形態131〜143のいずれかの誘導体であって、96ウェルプレートについて、最終濃度5×103細胞/ウェルになるように懸濁液を作製する誘導体。
145.実施形態143〜144のいずれかの誘導体であって、アッセイ専用の緩衝液がアッセイ培地中2%オボアルブミン、0.2%プルロニックF-68及び2% HSAからなる1%アッセイ緩衝液である誘導体。
146.実施形態143〜144のいずれかの誘導体であって、アッセイ緩衝液がアッセイ培地中2%オボアルブミン及び0.2%プルロニックF-68からなる0%アッセイ緩衝液である誘導体。
147.実施形態145〜146のいずれかの誘導体であって、アッセイ培地がDMEM w/oフェノールレッド、ヘペス10mM及び1×Glutamaxからなる誘導体。
148.実施形態131〜147のいずれかの誘導体であって、アッセイ方法が以下の工程:
i)細胞ストックを37℃水浴中で解凍し;
ii)細胞をPBSで3回洗浄し;
iii)細胞を計数し、アッセイ培地で5×103細胞/50μl(1×105細胞/ml)に調節し、細胞の一定量50μlをアッセイプレートの各ウェルに移し;
iv)試験化合物のストック及び、もしあるならば参照化合物を、0% HSAアッセイ用に0%アッセイ緩衝液で、1% HSAアッセイ用に1%アッセイ緩衝液で0.2μMの濃度に希釈し、化合物を10倍に希釈して適切な濃度範囲にし(例えば、2×10-7M、2×10-8M、2×10-9M、2×10-10M、2×10-11M、2×10-12M、2×10-13M及び2×10-14M)、各化合物についてブランクアッセイ緩衝液対照も含め;
v)化合物又はブランクの一定量50μlを3連で希釈プレートからアッセイプレートに移し、化合物を適切な濃度で試験し(例えば、以下の最終濃度:1×10-7M、1×10-8M;1×10-9M、1×10-10M、1×10-11M、1×10-12M、1×10-13M及び1×10-14M);
vi)アッセイプレートを5% CO2インキュベーター中で37℃で3時間インキュベートし;
vii)アッセイプレートをインキュベーターから取り出し、室温で15分間静置し;
viii)ルシフェリンの一定量100μl(例えば、steadylite plus試薬)をアッセイプレートの各ウェルに添加し;
ix)各アッセイプレートを覆って光から保護し、室温で30分間振盪し、並びに
x)各アッセイプレートを、例えば、Packard TopCount NXT装置で読み取る工程を含む誘導体。
149.実施形態148の誘導体であって、例えば、TopCount装置からのデータを所望する計算のためにGraphPad Prism 5等の適切なソフトウェアに送る誘導体。
150.実施形態131〜149のいずれかの誘導体であって、各3連の値を平均化し、非線形回帰を実施し、EC50値を計算する誘導体。
151.実施形態149〜150のいずれかの誘導体であって、回帰がlog(アゴニスト)対応答である誘導体。
152.実施形態131〜133のいずれかの誘導体であって、効力を実施形態134〜151のいずれかで記載したように決定する誘導体。
153.実施形態131〜152のいずれかの誘導体であって、効力を実施例29で記載したように決定する誘導体。
154.実施形態1〜153のいずれかの誘導体であって、0% HSAでのEC50
a)60pM未満、好ましくは40pM未満、より好ましくは20pM未満、更により好ましくは10pM未満、又は最も好ましくは8.0pM未満;
b)7.0pM未満、好ましくは6.0pM未満、より好ましくは5.0pM未満、更により好ましくは4.0pM未満、又は最も好ましくは3.0pM未満;或いは
c)2.5pM未満、好ましくは2.0pM未満、より好ましくは1.5pM未満、更により好ましくは1.2pM未満、又は最も好ましくは1.0pM未満に対応する効力を有する誘導体。
155.実施形態1〜153のいずれかの誘導体であって、1.0% HSAでのEC50
a)600pM未満、好ましくは500pM未満、より好ましくは450pM未満、更により好ましくは400pM未満、又は最も好ましくは300pM未満;
b)270pM未満、好ましくは200pM未満、より好ましくは250pM未満、更により好ましくは100pM未満、又は最も好ましくは50pM未満;或いは
c)40pM未満、好ましくは35pM未満、より好ましくは30pM未満、更により好ましくは25pM未満、又は最も好ましくは20pM未満に対応する効力を有する誘導体。
156.実施形態1〜155のいずれかの誘導体であって、0% HSA及び/又は1.0% HSAでのそのインビトロにおける効力EC50値がセマグルチドの効力よりも低い誘導体。
157.実施形態1〜156のいずれかの誘導体であって、0% HSA及び/又は1.0% HSAでのそのインビトロにおける効力EC50値がセマグルチドのEC50値の50%以下である誘導体。
158.実施形態1〜157のいずれかの誘導体であって、0% HSA及び/又は1.0% HSAでのそのインビトロにおける効力EC50値がセマグルチドのEC50値の30%以下である誘導体。
159.実施形態1〜158のいずれかの誘導体であって、0% HSA及び/又は1.0% HSAでのそのインビトロにおける効力EC50値がセマグルチドのEC50値の20%以下である誘導体。
160.実施形態1〜159のいずれかの誘導体であって、0% HSA及び/又は1.0% HSAでのそのインビトロにおける効力EC50値がセマグルチドのEC50値の10%以下である誘導体。
161.実施形態1〜160のいずれかの誘導体であって、ヒトGLP-1受容体に結合することができる誘導体。
162.実施形態161の誘導体であって、受容体結合活性をインビトロにおいて決定する誘導体。
163.実施形態161〜162のいずれかの誘導体であって、受容体結合を競合結合アッセイで測定し、125I-GLP-1等の標識したリガンドが受容体に結合し、誘導体を所望する一連の濃度で添加し、標識したリガンドの置換は、好ましくはSPA結合アッセイを使用してモニターする誘導体。
164.実施形態163の誘導体であって、受容体結合は標識したリガンドの半分が受容体から置換する濃度(IC50値)として報告する誘導体。
165.実施形態161〜164のいずれかの誘導体であって、ヒトGLP-1受容体の活性化を非常に低濃度の血清アルブミン(約0.001% HSA、最終アッセイ濃度)、及び/又は非常に高濃度の血清アルブミン(2.0% HSA、最終アッセイ濃度)でのGLP-1受容体結合親和性(IC50)として測定する誘導体。
166.実施形態161〜165のいずれかの誘導体であって、単離されたヒトGLP-1受容体含有膜を使用する誘導体。
167.実施形態166の誘導体であって、膜がヒトGLP-1受容体を発現する細胞から調製される誘導体。
168.実施形態167の誘導体であって、細胞がBHK細胞である誘導体。
169.実施形態168の誘導体であって、BHK細胞が親細胞系としてBHKTS13を有する誘導体。
170.実施形態169の誘導体であって、細胞がクローンFCW467-12AのBHK細胞である誘導体。
171.実施形態161〜170のいずれかの誘導体であって、GLP-1受容体結合親和性(IC50)を実施例30で記載したように決定する誘導体。
172.実施形態1〜171のいずれかの誘導体であって、低アルブミン(約0.001% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのGLP-1受容体結合親和性(IC50)が
a)12nM未満、好ましくは6.0nM未満、より好ましくは3.0nM未満、更により好ましくは1.5nM未満、更により好ましくは1.0nM未満、又は最も好ましくは0.50nM未満;
b)0.20nM未満、好ましくは0.18nM未満、更により好ましくは0.16nM未満、又は最も好ましくは0.15nM未満、或いは
c)0.14nM未満、好ましくは0.13nM未満、又は最も好ましくは0.12nM未満である誘導体。
173.実施形態1〜172のいずれかの誘導体であって、高アルブミン(2.0% HSA、最終アッセイ濃度)の存在下でのGLP-1受容体結合親和性(IC50)が
a)1000nM未満、好ましくは500nM未満、最も好ましくは300nM未満;
b)200nM未満、好ましくは100nM未満、より好ましくは80nM未満、或いは、
c)70nM未満、好ましくは40nM未満、又はより好ましくは30nM未満である誘導体。
174.実施形態1〜173のいずれかの誘導体であって、リラグルチド及び/又はセマグルチドよりも持続した作用プロファイルを有する誘導体。
175.実施形態174の誘導体であって、持続した作用プロファイルとは、適当な動物種、例えば、db/dbマウス、ラット、ブタ及びイヌ、好ましくはミニブタ及び/又はビーグル犬でのインビボにおける消失半減期を意味し、誘導体をi)s.c.、及び/又はii)i.v.;好ましくはii)i.v.で投与する誘導体。
176.実施形態1〜175のいずれかの誘導体であって、ミニブタへのi.v.投与後の消失半減期(t1/2)が
a)少なくとも12時間、好ましくは少なくとも18時間、より好ましくは少なくとも24時間、更により好ましくは少なくとも30時間、又は最も好ましくは少なくとも36時間;
b)少なくとも50時間、好ましくは少なくとも55時間、より好ましくは少なくとも60時間、更により好ましくは少なくとも65時間、又は最も好ましくは少なくとも70時間、或いは
c)少なくとも74時間、好ましくは少なくとも80時間、より好ましくは少なくとも85時間、更により好ましくは少なくとも90時間、更により好ましくは少なくとも95時間、又は最も好ましくは少なくとも100時間である誘導体。
177.実施形態1〜176のいずれかの誘導体であって、ミニブタへのi.v.投与後の消失半減期(t1/2)が
a)セマグルチドの半減期と少なくとも同等;
b)セマグルチドの半減期よりも少なくとも25%長い;
c)セマグルチドの半減期よりも少なくとも50%長い;又は
d)セマグルチドの半減期よりも少なくとも80%長い誘導体。
178.実施形態175〜177のいずれかの誘導体であって、ミニブタが雌であり、好ましくはEllegaard Gottingenミニブタから得られる誘導体。
179.実施形態175〜178のいずれかの誘導体であって、ミニブタが約5ヶ月齢であり、好ましくは体重約10kgである誘導体。
180.実施形態175〜180のいずれかの誘導体であって、床敷としてわらを敷いた小屋に、各小屋に4頭から6頭一緒にミニブタを収容し、1日に1回又は2回、好ましくはAltromin 9023ミニブタ食を給餌する誘導体。
181.実施形態175〜180のいずれかの誘導体であって、1週間の馴化期間後誘導体をi.v.投与する誘導体。
182.実施形態175〜181のいずれかの誘導体であって、GLP-1誘導体をリン酸ナトリウム50mM、塩化ナトリウム70mM、0.05% tween 80、pH7.4に適切な濃度、例えば、20nmol/mlで溶解する誘導体。
183.実施形態175〜182のいずれかの誘導体であって、誘導体の静脈内注射は、例えば、2nmol/kgに対応する体積で投与される誘導体。
184.実施形態175〜183のいずれかの誘導体であって、消失半減期(t1/2)は、例えば、実施例31で記載したように、ミニブタにおけるインビボ薬物動態研究で決定される誘導体。
185.実施形態1〜184のいずれかの誘導体であって、ビーグル犬へのi.v.投与後の消失半減期(t1/2)は
a)少なくとも10時間、好ましくは少なくとも20時間、より好ましくは少なくとも30時間、更により好ましくは少なくとも40時間、又は最も好ましくは少なくとも50時間;又は
b)少なくとも60時間、好ましくは少なくとも65時間、より好ましくは少なくとも70時間、更により好ましくは少なくとも75時間、更により好ましくは少なくとも80時間、又は最も好ましくは少なくとも85時間である誘導体。
186.実施形態1〜185のいずれかの誘導体であって、ビーグル犬へのi.v.投与後の消失半減期(t1/2)が
a)セマグルチドの半減期と少なくとも同等;
b)セマグルチドの半減期より少なくとも10%長い;
c)セマグルチドの半減期より少なくとも25%長い;又は
d)セマグルチドの半減期より少なくとも40%長い誘導体。
187.実施形態185〜186のいずれかの誘導体であって、ビーグル犬が雄及び雌(50:50)であり、好ましくはHarlandから得られる誘導体。
188.実施形態185〜187のいずれかの誘導体であって、ビーグル犬が研究開始時に21から30ヶ月齢であり、体重約10〜12kgである誘導体。
189.実施形態185〜188のいずれかの誘導体であって、ビーグル犬を好ましくは床敷として軟木をベースにした顆粒を敷いた小屋に(12時間明:12時間暗)、各小屋に2頭一緒に収容し、1日1回、好ましくはSPECIFIC(商標)ストラバイト管理食を給餌する誘導体。
189.実施形態185〜188のいずれかの誘導体であって、4週間の馴化期間後誘導体をi.v.投与する誘導体。
190.実施形態185〜189のいずれかの誘導体であって、GLP-1誘導体をリン酸ナトリウム50mM、塩化ナトリウム70mM、ポリソルベート20 70ppm、pH7.4に適切な濃度、例えば、20nmol/mlで溶解する誘導体。
191.実施形態185〜190のいずれかの誘導体であって、誘導体の静脈内注射は例えば、2nmol/kgに対応する体積で投与する誘導体。
192.実施形態185〜191のいずれかの誘導体であって、消失半減期(t1/2)は、例えば、実施例32で記載したように、ビーグル犬におけるインビボ薬物動態研究で決定する誘導体。
193.GLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置に第1のLys残基を含み、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置に第2のLys残基を含み、その他のLys残基を含まないGLP-1ペプチド、又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
194.GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最大7個のアミノ酸変化、好ましくは最大6個のアミノ酸変化、より好ましくは最大5個のアミノ酸変化を有する実施形態193のペプチド。
195.実施形態193〜194のいずれかのペプチドであって、以下の更なるアミノ酸変化:8Aib、22Glu、26Arg及び/又は(34Arg若しくは34Gln)の1個又は複数を含むペプチド。
196.実施形態193〜195のいずれかのペプチドであって、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して以下のアミノ酸変化:(i)8Aib、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;(ii)8Aib、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;又は(iii)8Aib、22Glu、26Arg、34Gln、36Lys及び37Lysを含むペプチド。
197.実施形態193〜196のいずれかのペプチドであって、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して以下のアミノ酸変化:
(i)8Aib、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;(ii)8Aib、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;又は(iii)8Aib、22Glu、26Arg、34Gln、36Lys及び37Lysを有するペプチド。
198.配列番号2、配列番号3又は配列番号4である、実施形態193〜197のいずれかのペプチド。
199.実施形態193〜198のいずれかのペプチドであって、GLP-1(7-37)(配列番号1)との比較を筆記及び目視によって行うペプチド。
200.実施形態193〜199のいずれかのペプチドであって、GLP-1(7-37)(配列番号1)との比較を標準的タンパク質又はペプチドアラインメントプログラムの使用によって行うペプチド。
201.実施形態200のペプチドであって、アラインメントプログラムがNeedleman-Wunschアラインメントであるペプチド。
202.実施形態193〜201のいずれかのペプチドであって、初期設定のスコアリングマトリックス及び初期設定の同一性マトリックスを使用するペプチド。
203.実施形態193〜202のいずれかのペプチドであって、スコアリングマトリックスがBLOSUM62であるペプチド。
204.実施形態193〜203のいずれかのペプチドであって、ギャップにおける第1残基のペナルティが-10(マイナス10)であるペプチド。
205.実施形態193〜204のいずれかのペプチドであって、ギャップにおける更なる残基のペナルティが-0.5(マイナス0.5)であるペプチド。
206.医薬として使用するための、実施形態1〜192のいずれかに記載の誘導体又は実施形態193〜205のいずれかに記載のペプチド。
207.全形態の糖尿病及び関連疾患、例えば摂食障害、心臓血管疾患、胃腸疾患、糖尿病合併症、重病、及び/若しくは多嚢胞性卵巣症候群等の治療及び/若しくは予防において使用するため、並びに/又は脂質パラメータの改善、β細胞機能の改善のため、並びに/又は糖尿病の進行の遅延若しくは阻止のための実施形態1〜192のいずれかに記載の誘導体又は実施形態193〜205のいずれかに記載のペプチド。
208.全形態の糖尿病及び関連疾患、例えば摂食障害、心臓血管疾患、胃腸疾患、糖尿病合併症、重病、及び/若しくは多嚢胞性卵巣症候群の治療及び/若しくは予防のため、並びに/又は脂質パラメータの改善、β細胞機能の改善のため、並びに/又は糖尿病の進行の遅延若しくは阻止のための医薬の製造における、実施形態1〜192のいずれかに記載の誘導体又は実施形態193〜205のいずれかに記載のペプチドの使用。
209.実施形態1〜192のいずれかに記載の誘導体又は実施形態193〜205のいずれかに記載のペプチドの薬学的に活性な量を投与することによる、全形態の糖尿病及び関連疾患、例えば摂食障害、心臓血管疾患、胃腸疾患、糖尿病合併症、重病、及び/若しくは多嚢胞性卵巣症候群の治療及び/若しくは予防のため、並びに/又は脂質パラメータの改善、β細胞機能の改善のため、並びに/又は糖尿病の進行の遅延若しくは阻止のための方法。
本発明はまた、GLP-1ペプチドの誘導体であって、ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置に第1のLys残基、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置に第2のLys残基、及びGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最大7個のアミノ酸変化を含み、前記第1及び第2のLys残基それぞれに、それぞれ第1及び第2のリンカーを介して結合した第1及び第2の延長部分を含み、第1及び第2の延長部分が、
Chem.1:HOOC-C6H4-O-(CH2)y-CO-*、及び
Chem.2:HOOC(CH2)x-CO-*から選択され、
式中、yが9〜11の範囲の整数であり、xが12であり、第1及び第2のリンカーが、
Chem.3:*-NH-CH(COOH)-(CH2)2-CO-*、
Chem.4:*-NH-CH((CH2)2-COOH)-CO-*、及び/又は
Chem.5:*NH-(CH2)2-[O-(CH2)2]k-O-[CH2]n-CO-*の少なくとも1個を含み、
式中、kが1〜5の範囲の整数であり、nが1〜5の範囲の整数である誘導体、又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル、
並びに従属した実施形態として、必要に応じて変更を加えて、及び/又は類似の場面の本明細書に添付した上記実施形態2〜209のいずれかに関する。
以下は本発明の更なる特定の実施形態である。
i).GLP-1ペプチドの誘導体であって、
ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置に第1のLys残基、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置に第2のLys残基、及びGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最大7個のアミノ酸変化を含み、
誘導体が前記第1及び第2のLys残基それぞれに、それぞれリンカーを介して結合した2個の延長部分を含み、
延長部分が、
Chem.1:HOOC-C6H4-O-(CH2)y-CO-*、及び
Chem.2:HOOC(CH2)x-CO-*から選択され、
式中、yが9〜11の範囲の整数であり、xが12であり、リンカーが、
Chem.3:*-NH-CH(COOH)-(CH2)2-CO-*、
Chem.4:*-NH-CH((CH2)2-COOH)-CO-*、及び/又は
Chem.5:*NH-(CH2)2-[O-(CH2)2]k-O-[CH2]n-CO-*の少なくとも1個を含み、
式中、kが1〜5の範囲の整数であり、nが1〜5の範囲の整数である誘導体
又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
ii).実施形態i)の誘導体であって、Chem.5がChem.5b*:-NH-(CH2)2-O-(CH2)2-O-CH2-CO-*によって表され、リンカーが、アミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端が延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端がGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、2個のChem.3要素及び2個のChem.5b要素(2×Chem.3-2×Chem.5b)からなる誘導体。
iii).実施形態i)の誘導体であって、Chem.5がChem.5b*:-NH-(CH2)2-O-(CH2)2-O-CH2-CO-*によって表され、リンカーが、アミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端が延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端がGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、1個のChem.3要素及び2個のChem.5b要素(Chem.3-2×Chem.5b)からなる誘導体。
iv).実施形態i)の誘導体であって、Chem.5がChem.5b*:-NH-(CH2)2-O-(CH2)2-O-CH2-CO-*によって表され、リンカーが、アミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端が延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端がGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、1個のChem.3要素及び3個のChem.5b要素(Chem.3-3×Chem.5b)からなる誘導体。
v).実施形態i)の誘導体であって、Chem.5がChem.5b*:-NH-(CH2)2-O-(CH2)2-O-CH2-CO-*によって表され、リンカーが、アミド結合を介して相互結合し、示した配列において、その*-NH末端が延長部分のCO-*末端に連結しており、そのCO-*末端がGLP-1ペプチドの第1又は第2Lys残基のイプシロンアミノ基に連結している、2個のChem.4要素及び1個のChem.5b要素(2×Chem.4-Chem.5b)からなる誘導体。
vi).実施形態i)〜v)のいずれかの誘導体であって、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して、ペプチドが36Lys及び36Lysのアミノ酸変化を含み、以下の更なるアミノ酸変化:8Aib、22Glu、26Arg及び/又は(34Arg又は34Gln)の1個又は複数を含む誘導体。
vii).実施形態i)〜vi)のいずれかの誘導体であって、ペプチドがGLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して以下のアミノ酸変化:(i)8Aib、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;(ii)8Aib、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;又は(iii)8Aib、22Glu、26Arg、34Gln、36Lys及び37Lysを含む誘導体。
iix).実施形態i)〜vii)のいずれかの誘導体であって、ペプチドが配列番号2、配列番号3又は配列番号4である誘導体。
ix).以下から選択された化合物:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.21:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.22:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.23:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.24:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.25:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.26:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Gln34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.27:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.28:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド。
Chem.29:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.30:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.31:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.32:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.33:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[12-(4-カルボキシフェノキシ)ドデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[12-(4-カルボキシフェノキシ)ドデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.34:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
Chem.35:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[(2S)-4-カルボキシ-2-[[(2S)-4-カルボキシ-2-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[(2S)-4-カルボキシ-2-[[(2S)-4-カルボキシ-2-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド、
および
Chem.36:
又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
x).GLP-1(7-37)(配列番号1)の36位に対応する位置に第1のLys残基を含み、GLP-1(7-37)(配列番号1)の37位に対応する位置に第2のLys残基を含み、その他のLys残基を含まないGLP-1ペプチド、又はその薬学的に許容される塩、アミド若しくはエステル。
xi).GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して最大7個のアミノ酸変化を有する実施形態x)のペプチド。
xii).実施形態x)〜xi)のいずれかのペプチドであって、GLP-1(7-37)(配列番号1)と比較して以下のアミノ酸変化:(i)8Aib、22Glu、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;(ii)8Aib、26Arg、34Arg、36Lys及び37Lys;又は(iii)8Aib、22Glu、26Arg、34Gln、36Lys及び37Lysを含むペプチド。
xiiv).実施形態x)〜xii)のいずれかのペプチドであって、配列番号2、配列番号3又は配列番号4であるペプチド。
xiv).医薬として使用するための、実施形態i)〜ix)のいずれかに記載の誘導体又は実施形態x)〜xiii)のいずれかに記載のペプチド。
xv).全形態の糖尿病及び関連疾患、例えば摂食障害、心臓血管疾患、胃腸疾患、糖尿病合併症、重病、及び/若しくは多嚢胞性卵巣症候群等の治療及び/若しくは予防において使用するため、並びに/又は脂質パラメータの改善、β細胞機能の改善のため、並びに/又は糖尿病の進行の遅延若しくは阻止のための実施形態i)〜ix)のいずれかに記載の誘導体又は実施形態x)〜xiii)のいずれかに記載のペプチド。
この実験部分は、略語のリストから始まって、本発明の類似体及び誘導体を合成し特徴付けるための一般的方法を含む項が続く。次いで、特定のGLP-1誘導体の調製に関するいくつかの実施例が続き、最後に、これらの類似体及び誘導体の活性及び特性に関するいくつかの実施例(薬理学的方法と見出しがある項目)が含まれている。
実施例は本発明を例示する役割を果たす。
略語
以下のアルファベットの順番の略語は、以下において使用される:
Aib:α-アミノイソ酪酸
API:活性医薬成分
AUC:曲線下面積
BG:血中グルコース
BHK:ベビーハムスター腎臓
BW:体重
Bom:ベンジルオキシメチル
Boc:t-ブチルオキシルカルボニル
BSA:ウシ血清アルブミン
Bzl:ベンジル
CAS:ケミカルアブストラクツサービス
Clt:2-クロロトリチル
コリジン:2,4,6-トリメチルピリジン
DCM:ジクロロメタン
Dde:1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)エチル
DIC:ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
DMEM:ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
EGTA:エチレングリコール四酢酸
FCS:ウシ胎仔血清
Fmoc:9-フルオレニルメチルオキシカルボニル
HATU:(O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)
HBTU:(2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル-)-1,1,3,3テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)
HEPES:4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸
HFIP:1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール又はヘキサフルオロイソプロパノール
HOAt:1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
HSA:ヒト血清アルブミン
IBMX:3-イソブチル-1-メチルキサンチン
Imp:イミダゾプロピオン酸
i.v:静脈内
ivDde:1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-メチルブチル
IVGTT:静脈内グルコース負荷試験
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析
LYD:Landrace Yorkshire Duroc
MALDI-MS:MALDI-TOF MSを参照されたい
MALDI-TOF MS:マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析
MeOH:メタノール
Mmt:4-メトキシトリチル
Mtt:4-メチルトリチル
NMP:N-メチルピロリドン
OBn:ベンジルエステル
OBz:ベンゾイルエステル
Ado:8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸
OPfp:ペンタフルオロフェノキシ
OPnp:パラ-ニトロフェノキシ
OSu:O-スクシンイミジルエステル(ヒドロキシスクシンイミドエステル)
OSuc:2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イル
OtBu:tertブチルエステル
Oxyma Pure(登録商標):シアノ-ヒドロキシイミノ-酢酸エチルエステル
Pbf:2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル
PBS:リン酸緩衝生理食塩水
PD:薬力学
Pen/Strep:ペニシリン/ストレプトマイシン
PK:薬物動態
RP:逆相
RP-HPLC:逆相高速液体クロマトグラフィー
RT:室温
Rt:保持時間
s.c.:皮下
SD:標準偏差
SEC-HPLC:サイズ排除高速液体クロマトグラフィー
SEM:平均の標準誤差
SPA:シンチレーション近接アッセイ
SPPS:固相ペプチド合成
tBu:tertブチル
TFA:トリフルオロ酢酸
TIS:トリイソプロピルシラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
Tos:トシレート(又はパラ-トルエンスルホニル)
Tris:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又は2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-プロパン-1,3-ジオール
Trt:トリフェニルメチル(トリチル)
Trx:トラネキサム酸
UPLC:超高速液体クロマトグラフィー
調製方法
A.一般的方法
A1.調製方法
この項は、固相ペプチド合成のための方法(アミノ酸の脱保護のための方法、樹脂からペプチドを切断する方法、及びその精製の方法を含めた、SPPS法)、並びに得られたペプチドを検出し特徴付けるための方法(LCMS、MALDI、及びUPLC法)に関する。ペプチドの固相合成は、場合によっては、限定はしないが、2-Fmoc-オキシ-4-メトキシベンジル又は2,4,6-トリメトキシベンジル等の、酸性条件下において切断することができる基でジペプチドアミド結合を保護したジペプチドを使用することによって改善することができる。セリン又はトレオニンがペプチド中に存在する場合、疑似プロリンジペプチドを使用することができる(例えば、Novabiochem社から入手可能、W.R. Sampson(1999年)、J. Pep. Sci.、5、403も参照されたい)。使用したFmoc保護されたアミノ酸誘導体は、推奨標準であった:例えば、Anaspec, Bachem, Iris Biotech社又はNovabiochem社から供給されたFmoc-Ala-OH、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Asn(Trt)-OH、Fmoc-Asp(OtBu)-OH、Fmoc-Cys(Trt)-OH、Fmoc-Gln(Trt)-OH、Fmoc-Glu(OtBu)-OH、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-His(Trt)-OH、Fmoc-Ile-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Lys(Boc)-OH、Fmoc-Met-OH、Fmoc-Phe-OH、Fmoc-Pro-OH、Fmoc-Ser(tBu)-OH、Fmoc-Thr(tBu)-OH、Fmoc-Trp(Boc)-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OH又はFmoc-Val-OH等。他に何も特定していない場合、アミノ酸の天然L型を使用する。N末端アミノ酸は、アルファアミノ基でBoc保護されていた(例えば、N末端においてHisを有するペプチドでは、Boc-His(Boc)-OH、又はBoc-His(Trt)-OH)。SPPSを使用するモジュールアルブミン結合部分の付着の場合、以下の適切に保護された構造単位、例えば、限定はしないが、Fmoc-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸、Fmoc-トラネキサム酸、Fmoc-Glu-OtBu、オクタデカン二酸モノ-tert-ブチルエステル、ノナデカン二酸モノ-tert-ブチルエステル、テトラデカン二酸モノ-tert-ブチルエステル、又は4-(9-カルボキシノニルオキシ)安息香酸tert-ブチルエステルを使用した。以下で述べた全ての操作は、250μmolの合成規模で行った。
1.樹脂結合保護ペプチド骨格の合成
方法:SPPS_P
SPPS_Pを、樹脂充填に対して6倍過剰なFmoc-アミノ酸(HOAt又はOxyma Pure(登録商標)300mMを含むNMP中300mM)、例えば、低充填Fmoc-Gly-Wang(0.35mmol/g)を使用して、Protein Technologies社(Tucson、AZ85714、U.S.A.)のPrelude固相ペプチド合成機で250μmol規模で行った。NMPに溶かした20%ピペリジンを使用して、Fmoc脱保護を行った。NMPに溶かした3:3:3:4のアミノ酸/(HOAt又はOxyma Pure(登録商標))/DIC/コリジンを使用して、カップリングを行った。脱保護及びカップリングステップの間に、NMP及びDCMのトップ洗浄(7ml、0.5分、それぞれ2×2)を行った。カップリング時間は一般的に60分であった。限定はしないが、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Aib-OH又はBoc-His(Trt)-OHを含むいくつかのアミノ酸を「二重カップリング」させ、これは、最初のカップリングの後(例えば、60分)、樹脂から液体を排出させ、更なる試薬(アミノ酸、(HOAt又はOxyma Pure(登録商標))、DIC、及びコリジン)を添加し、混合物を再び反応させる(例えば、60分)ことを意味する。
方法:SPPS_L
SPPS_Lを、樹脂充填に対して6倍過剰なFmoc-アミノ酸(HOAt又はOxyma Pure(登録商標)300mMを含むNMP中300mM)、例えば、低充填Fmoc-lys(Mtt)-Wang(0.35mmol/g)を使用して、CEM Corp.社(Matthews、NC28106、U.S.A.)のマイクロ波ベースLibertyペプチド合成機で250μmol又は100μmol規模で行った。最高75℃で30秒間、NMPに溶かした5%ピペリジンを使用してFmoc脱保護を行い、樹脂から液体を排出させ、NMPで洗浄した後、Fmoc脱保護を今回は75℃で2分間繰り返した。NMP中の1:1:1のアミノ酸/(HOAt又はOxyma Pure(登録商標))/DICを使用して、カップリングを行った。カップリング時間及び温度は一般的に、最高75℃で5分であった。より大規模な反応のためにより長いカップリング時間、例えば、10分を使用した。ヒスチジンアミノ酸を、50℃で二重カップリングするか、又は前のアミノ酸に立体障害がある場合(例えば、Aib)、四重カップリングした。アルギニンアミノ酸をRTで25分間カップリングし、次いで、75℃に5分間加熱した。限定はしないが、Aib等のいくつかのアミノ酸を「二重カップリング」させ、これは最初のカップリング(例えば、75℃で5分)後に、樹脂から液体を排出させ、更なる試薬(アミノ酸、(HOAt又はOxyma Pure(登録商標))及びDIC)を添加し、混合物を再び加熱する(例えば、75℃で5分)ことを意味する。脱保護及びカップリング工程の間に、NMP洗浄(5×10ml)を行った。
2.側鎖の合成
二酸のモノエステル
トルエンに溶かしたBoc-無水DMAP t-ブタノールでC8、C10、C12、C14、C16及びC18二酸を一晩還流することによって、主にt-ブチルモノエステルを得る。得られるのは、後処理後の一酸、二酸及びジエステルの混合物である。精製は洗浄、ショートプラグシリカ濾過及び結晶化によって行う。
3.樹脂に結合した保護ペプチド骨格への側鎖の付着
アシル化がリシン側鎖上に存在するとき、アシル化されるリシンのイプシロンアミノ基を、延長部分及びリンカーの付着のための経路に応じて、Mtt、Mmt、Dde、ivDde又はBocのいずれかで保護した。NMPに溶かした2%ヒドラジン(2×20ml、各10分)、それに続くNMP洗浄(4×20ml)によって、Dde-又はivDde-脱保護を行った。DCMに溶かした2%TFA及び2〜3%TIS(5×20ml、各10分)、それに続くDCM(2×20ml)、DCMに溶かした10%MeOH及び5%DIPEA(2×20ml)、並びにNMP(4×20ml)洗浄によって、又はヘキサフルオロイソプロパノール/DCM(75:25、5×20ml、各10分)による処理、それに続く上記のような洗浄によって、Mtt-又はMmt-脱保護を行った。場合によっては、Mtt基はLibertyペプチド合成機の自動化工程によって除去した。室温で30分間ヘキサフルオロイソプロパノール又はヘキサフルオロイソプロパノール/DCM(75:25)によって、それに続くDCM(7ml×5)による洗浄、それに続くNMP洗浄(7m1×5)によって、Mtt脱保護を行った。延長部分及び/又はリンカーは、樹脂結合ペプチドのアシル化によって、又は保護されていないペプチドの溶液中におけるアシル化によって、ペプチドに結合させることができる。保護されたペプチジル樹脂への延長部分及び/又はリンカーの付着の場合、付着は、SPPSを使用したモジュール及び適切に保護された構造単位であってもよい。
方法:SC_P
N-ε-リシン保護基がMttの場合、Mtt基は適切なHFIP(3×15分)で除去し、その後DCMによって洗浄し、アシル化はPreludeペプチド合成機((Fmoc基を除去するためにFmoc-AA 10当量、DIC 10当量及びHOAt 10当量、コリジン10当量30分及びNMPに溶かした25%ピペリジン)で行った。Fmoc-Glu-OtBuを4時間二重カップリングさせた。末端残基は類似の条件を使用して結合させた。
方法:SC_L
N-ε-リシン保護基を、上記のように除去し、上記のような適切に保護された構造単位を使用して、Libertyペプチド合成機で1つ又は複数の自動化工程によってリシンの化学修飾を行った。二重カップリングはSPPS_Lに記載されているように行った。
4.結合した側鎖を有する、又は有さない樹脂結合ペプチドの切断、及び精製
方法:CP_M1
合成後、樹脂をDCMで洗浄し、TFA/TIS/水(95/2.5/2.5又は92.5/5/2.5)によって2〜3時間処理し、その後ジエチルエーテルによって沈殿させて、ペプチドを樹脂から切断した。ペプチドを適切な溶媒(例えば、30%酢酸等)に溶解し、C18、5μMのカラムで標準的RP-HPLCによってアセトニトリル/水/TFAを使用して精製した。画分を、UPLC、MALDI及びLCMS法の組合せによって分析し、適正な画分をプールし、凍結乾燥した。
A2.検出及び特徴付けのための一般的方法
1.LC-MS法
方法:LCMS_4
LCMS_4は、Micromass社のWaters Acquity UPLCシステム及びLCT Premier XE質量分析計からなる設定で行った。溶出液:A:水に溶かした0.1%ギ酸。B:アセトニトリルに溶かした0.1%ギ酸。分析は、RTで適正な体積の試料(好ましくは、2〜10μl)をカラムに注入し、A及びBの勾配で溶出することによって行った。UPLC条件、検出器の設定及び質量分析計の設定は、カラム:Waters Acquity UPLC BEH、C-18、1.7μm、2.1mm×50mm、勾配:直線的5%〜95%のアセトニトリル、4.0分(代わりに、8.0分)かけて0.4ml/分。検出:214nm(TUV(チューナブルUV検出器)による類似体の結果)MSイオン化モード:API-ES
スキャン:100〜2000原子質量単位(代わりに、500〜2000原子質量単位)、ステップ0.1原子質量単位。
2.UPLC法
方法:B4_1
RP-分析を、デュアルバンド検出器を装備したWaters UPLCシステムを使用して行った。214nm及び254nmでのUV検出を、ACQUITY UPLC BEH130、C18、130Å、1.7um、2.1mm×150mmカラム、40℃を使用して収集した。UPLCシステムを、A:99.95%H2O、0.05%TFA;B:99.95%CH3CN、0.05%TFAを含有する2つの溶出液貯蔵容器に連結した。以下の直線勾配を使用した:0.40ml/分の流量で16分かけて95%A、5%Bから5%A、95%B。
B.本発明の化合物の合成
(実施例1)
本発明の化合物は配列番号2のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.21:
調製方法:SPPS_P;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.2分 m/z:m/4=1248、m/3=1663
UPLC_B4_1:Rt=7.2分
(実施例2)
本発明の化合物は配列番号3のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.22:
調製方法:SPPS_P;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.2分 m/z:m/4=1230、m/3=1639
UPLC_B4_1:Rt=8.9分
(実施例3)
本発明の化合物は配列番号2のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.23:
調製方法:SPPS_L;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.2分 m/z:m/4=1241、m/3=1654
UPLC_B4_1:Rt=8.5分
(実施例4)
本発明の化合物は配列番号3のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.24:
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.3分 m/z:m/4=1223、m/3=1630
UPLC_B4_1:Rt=8.56分
(実施例5)
本発明の化合物は配列番号2のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.25:
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.3分 m/z:m/4=1216、m/3=1621
UPLC_B4_1:Rt=8.56分
(実施例6)
本発明の化合物は配列番号3のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.26:
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.3分 m/z:m/4=1198、m/3=1597
UPLC_B4_1:Rt=8.54分
(実施例7)
本発明の化合物は配列番号4のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Gln34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.27:
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.3分 m/z:m/4=1241、m/3=1654
UPLC_B4_1:Rt=9.3分
(実施例8)
本発明の化合物は配列番号3のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.28:
調製方法:SPPS_P;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.2分 m/z:m/4=1294、m/3=1726
UPLC_B4_1:Rt=8.58分
(実施例9)
本発明の化合物は配列番号3のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.29:
調製方法:SPPS_P;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.1分 m/z:m/4=1287、m/3=1716
UPLC_B4_1:Rt=8.25分
(実施例10)
本発明の化合物は配列番号3のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.30:
調製方法:SPPS_P;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.2分 m/z:m/4=1215、m/3=1619
UPLC_B4_1:Rt=8.45分
(実施例11)
本発明の化合物は配列番号3のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.31:
調製方法:SPPS_P;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.2分 m/z:m/4=1222、m/3=1629
UPLC_B4_1:Rt=8.76分
(実施例12)
本発明の化合物は配列番号2のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.32:
調製方法:SPPS_L;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.1分 m/z:m/4=1288、m/3=1718
UPLC_B4_1:Rt=8.53分
(実施例13)
本発明の化合物は配列番号2のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.33:
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.1分 m/z:m/4=1208、m/3=1610
UPLC_B4_1:Rt=8.56分
(実施例14)
本発明の化合物は配列番号3のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[12-(4-カルボキシフェノキシ)ドデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[12-(4-カルボキシフェノキシ)ドデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.34:
調製方法:SPPS_P;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.4分 m/z:m/4=1237、m/3=1648
UPLC_B4_1:Rt=9.2分
(実施例15)
本発明の化合物は配列番号2のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.35:
調製方法:SPPS_L;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.3分 m/z:m/4=1240、m/3=1654
UPLC_B4_1:Rt=8.9分
(実施例16)
本発明の化合物は配列番号3のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[(2S)-4-カルボキシ-2-[[(2S)-4-カルボキシ-2-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[(2S)-4-カルボキシ-2-[[(2S)-4-カルボキシ-2-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.36:
調製方法:SPPS_P;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.2分 m/z:m/4=1222、m/3=1629
UPLC_B4_1:Rt=8.71分
(実施例17)
本発明の化合物は配列番号5のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Gly8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.37:
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.4分 m/z:m/4=1241、m/3=1655
UPLC_B4_1:Rt=8.6分
(実施例18)
本発明の化合物は配列番号2のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.38:
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.4分 m/z:m/4=1312、m/3=1749
UPLC_B4_1:Rt=8.7分
(実施例19)
本発明の化合物は配列番号3のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[11-(4-カルボキシフェノキシ)ウンデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.39:
調製方法:SPPS_L;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.3分 m/z:m/4=1359、m/3=1811
UPLC_B4_1:Rt=8.4分
(実施例20)
本発明の化合物は配列番号2のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.40:
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.2分 m/z:m/4=1361、m/3=1814
UPLC_B4_1:Rt=8.2分
(実施例21)
本発明の化合物は配列番号2のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.41:
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.3分 m/z:m/4=1280、m/3=1707
UPLC_B4_1:Rt=8.4分
(実施例22)
本発明の化合物は配列番号2のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.42:
調製方法:SPPS_P;SC_P;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.1分 m/z:m/4=1386、m/3=1848
UPLC_B4_1:Rt=8.2分
(実施例23)
本発明の化合物は配列番号2のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[9-(3-カルボキシフェノキシ)ノナノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[9-(3-カルボキシフェノキシ)ノナノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.43:
調製方法:SPPS_L;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.1分 m/z:m/5=988、m/4=1234
UPLC_B4_1:Rt=8.0分
(実施例24)
本発明の化合物は配列番号3のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-(13-カルボキシトリデカノイルアミノ)ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.44:
調製方法:SPPS_L;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.1分 m/z:m/5=1075、m/4=1343
UPLC_B4_1:Rt=8.0分
(実施例25)
本発明の化合物は配列番号3のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.45:
調製方法:SPPS_L;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.2分 m/z:m/5=979、m/4=1223
UPLC_B4_1:Rt=8.4分
(実施例26)
本発明の化合物は配列番号2のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[12-(4-カルボキシフェノキシ)ドデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[12-(4-カルボキシフェノキシ)ドデカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.46:
調製方法:SPPS_L;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.3分 m/z:m/3=1673、m/4=1255
UPLC_B4_1:Rt=9.0分
(実施例27)
本発明の化合物は配列番号6のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.47:
調製方法:SPPS_L;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.2分 m/z:m/4=1256、m/3=1674
UPLC_B4_1:Rt=8.5分
(実施例28)
本発明の化合物は配列番号6のGLP-1類似体の誘導体である:
N{ε-36}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル],N{ε-37}-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(3-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys36,Lys37]-GLP-1-(7-37)-ペプチド
Chem.48:
調製方法:SPPS_L;SC_L;CP_M1
LCMS_4:Rt=2.1分 m/z:m/5=1121、m/4=1401
UPLC_B4_1:Rt=8.3分
薬理学的方法
(実施例29)
インビトロにおける効力
この実施例の目的は、GLP-1誘導体のインビトロにおける活性又は効力を試験することである。インビトロにおける効力は、全細胞アッセイにおけるヒトGLP-1受容体活性化の測定値である。
実施例1〜28のGLP-1誘導体の効力は、以下に記載したように決定した。
原理
インビトロにおける効力は、レポーター遺伝子アッセイにおいてヒトGLP-1受容体の応答を測定することによって決定した。アッセイは、ヒトGLP-1受容体を発現し、プロモーターにカップリングしたcAMP応答要素(CRE)のためのDNA及びホタルルシフェラーゼ(CREルシフェラーゼ)のための遺伝子を含有する、安定的にトランスフェクトされたBHK細胞系において行った。ヒトGLP-1受容体を活性化すると、cAMPの産生が引き起こされ、次にルシフェラーゼタンパク質の発現が引き起こされる。アッセイインキュベーションが完了するとき、ルシフェラーゼ基質(ルシフェリン)を加えると、酵素はルシフェリンをオキシルシフェリンに変換させ、生物発光を生じる。発光はアッセイの読み出し情報として測定する。
アルブミンへの誘導体の結合を試験するために、血清アルブミンの非存在下で、及びかなり高い濃度の血清アルブミンの存在下(1.0%最終アッセイ濃度)でアッセイを行った。血清アルブミンの存在下でのインビトロにおける効力であるEC50値の上昇は、血清アルブミンへの親和性を示し、動物モデルにおける試験物質の持続性薬物動態プロファイルを予測する方法となる。
細胞培養及び調製
このアッセイにおいて使用した細胞(クローンFCW467-12A/KZ10-1)は、親細胞系がBHKTS13であるBHK細胞であった。細胞は、ヒトGLP-1受容体を発現するクローン(FCW467-12A)に由来し、CREルシフェラーゼによる更なるトランスフェクションによって確立され、現在のクローンが得られた。
細胞は、細胞培養培地において5%CO2で培養した。これらを小分けし、液体窒素中で保存した。各アッセイの前に、一定量を取り出し、PBS中で2回洗浄し、その後所望の濃度でアッセイ特異的緩衝液中に懸濁した。96ウェルプレート用に、5×103個の細胞/ウェルの最終濃度を得るために懸濁液を作製した。
材料
以下の化学物質をアッセイにおいて使用した:Pluronic F-68(10%)(Gibco社2404)、ヒト血清アルブミン(HSA)(Sigma社A9511)、オボアルブミン(Sigma社A5503)、DMEM w/oフェノールレッド(Gibco社11880-028)、Hepes(Gibco社15630)1M、Glutamax100×(Gibco社35050)及びsteadylite plus(PerkinElmer社6016757)。
緩衝液
細胞培養培地は、10%FBS(ウシ胎仔血清、Invitrogen社16140-071)、G418(Invitrogen社15140-122)1mg/ml、MTX(メソトレキセート、Sigma M9929)240nM及び1%pen/strep(ペニシリン/ストレプトマイシン、Invitrogen社15140-122)から構成された。
アッセイ培地は、DMEM w/oフェノールレッド、Hepes 10mM及び1×Glutamaxから構成された。1%アッセイ緩衝液は、アッセイ培地に溶かした2%オボアルブミン、0.2%Pluronic F-68及び2%HSAから構成された。0%アッセイ緩衝液は、アッセイ培地に溶かした2%オボアルブミン及び0.2%Pluronic F-68から構成された。
手順
1)細胞ストックを37℃の水浴中で解凍した。
2)細胞をPBS中で3回洗浄した。
3)細胞を計数し、アッセイ培地で5×103個の細胞/50μl(1×105個の細胞/ml)に調節した。細胞の一定量50μlをアッセイプレート中の各ウェルに移した。
4)試験化合物及び参照化合物のストックを、0%HSA CREルシフェラーゼアッセイのために0%アッセイ緩衝液で、及び1%HSA CREルシフェラーゼアッセイのために1%アッセイ緩衝液で、0.2μMの濃度まで希釈した。化合物を10倍に希釈し、下記の濃度:2×10-7M、2×10-8M、2×10-9M、2×10-10M、2×10-11M、2×10-12M、2×10-13M及び2×10-14Mを得た。
5)一定量50μlの化合物又はブランクを希釈プレートからアッセイプレートに移した。化合物を、以下の最終濃度:1×10-7M、1×10-8M、1×10-9M、1×10-10M、1×10-11M、1×10-12M、1×10-13M及び1×10-14Mで試験した。
6)アッセイプレートを5%CO2インキュベーター中で37℃で3時間インキュベートした。
7)アッセイプレートをインキュベーターから取り出し、室温で15分間静置した。
8)一定量100μlのsteadylite plus試薬を、アッセイプレートの各ウェルに加えた(試薬は、光感受性であった)。
9)各アッセイプレートをアルミ箔で覆って、これを光から保護し、室温で30分間振盪した。
10)各アッセイプレートをPackard TopCount NXT装置で読み取った。
計算及び結果
TopCount装置からのデータを、GraphPad Prismソフトウェアに移した。このソフトウェアは、非線形回帰を行う(log(アゴニスト)対応答)。ソフトウェアによって計算し、pMで報告したEC50値を以下のTable 1(表2)に示す。
別々のアッセイプレートの各試料について最小限2連で測定した。報告された値は、2連の平均である。いくつかの実施例では、複数のアッセイを行い、この場合、報告されたデータは平均した2連の平均である。
本発明の誘導体は全て、0% HSAで20pM未満のEC50、1.0% HSAで265pM未満のEC50に対応する良好なインビトロにおける効力を有した。
(実施例30)
GLP-1受容体結合
この実施例の目的は、GLP-1誘導体のインビトロにおける受容体結合活性を試験することである。受容体結合は、ヒトGLP-1受容体への誘導体の親和性の指標である。
原理
実施例1〜28のGLP-1誘導体のヒトGLP-1受容体に対する受容体結合は、競合結合アッセイで測定した。この種のアッセイにおいて、標識したリガンド(この場合、125I-GLP-1)を受容体に結合させる。各誘導体は、ヒトGLP-1受容体を含有する単離した膜に一連の濃度で添加し、標識したリガンドの置換をモニターする。受容体結合は、標識したリガンドの半分が受容体から置換する濃度、IC50値として報告される。アルブミンへの誘導体の結合を試験するために、非常に低濃度の血清アルブミン中で(最終アッセイ濃度最大0.0001%)及びかなり高い濃度の血清アルブミンの存在下で(最終アッセイ濃度2.0%)アッセイを行う。血清アルブミンの存在下でのIC50値の上昇は血清アルブミンへの親和性を示し、動物モデルにおける試験物質の持続性薬物動態プロファイルを予測する方法となる。
材料
以下の化学物質をアッセイで使用した:ヒト血清アルブミン(HSA)(Sigma社A1653),DMEM w/oフェノールレッド(Gibco社11880-028)、Pen/strep(Invitrogen社15140-122)、G418(Invitrogen社10131-027)、Hepes(Gibco社15630)1M、EDTA(Invitrogen社15575-038)、PBS(Invitrogen社14190-094)、ウシ胎仔血清(Invitrogen社16140-071)、EGTA、MgCl2(Merck社1.05832.1000)、Tween 20(Amresco社0850C335)、SPA粒子(コムギ胚芽アグルチニン(WGA)SPAビーズ、Perkin Elmer社RPNQ0001)、[125I]-GLP-1]-(7-36)NH2(自家製)、OptiPlate(商標)-96(Packard社6005290)。
緩衝液1はNa-HEPES 20mM及びEDTA 10mMから構成され、pHは7.4に調節した。緩衝液2はNa-HEPES 20mM及びEDTA 0.1mMから構成され、pHは7.4に調節した。アッセイ緩衝液はEGTA 5mM、MgCl2 5mM、0.005% Tween20を補給したHEPES 50mMから構成され、pHは7.4に調節した。8%アルブミン保存液はアッセイ緩衝液に8%(w/v)で溶解したHSAから構成された。0.02%アルブミン保存液はアッセイ緩衝液に0.02%(w/v)で溶解したHSAから構成された。
細胞培養及び膜調製
このアッセイにおいて使用した細胞(クローンFCW467-12A)は、親細胞系がBHKTS13であるBHK細胞であった。細胞はヒトGLP-1受容体を発現する。
細胞は、DMEM、10%ウシ胎仔血清、1%Pen/Strep(ペニシリン/ストレプトマイシン)及び選択マーカーG418 1.0mg/ml中において5% CO2で増殖させた。膜調製物を作製するために、細胞を約80%コンフルエンスまで増殖させた。細胞をリン酸緩衝生理食塩水で2回洗浄し、収集した。短時間の遠心分離を使用して細胞をペレット状にし、細胞ペレットを氷上で維持した。細胞ペレットをULTRA-THURRAX(商標)分散装置で適切な量の緩衝液1(例えば、10ml)中で20〜30秒間ホモジナイズした。ホモジェネートを15分間遠心分離した。ペレットを10mlの緩衝液2に再懸濁し(ホモジナイズし)、遠心分離した。この工程をもう1回繰り返した。得られたペレットを緩衝液2に再懸濁し、タンパク質濃度を決定した。膜を小分けし、マイナス80℃で貯蔵した。
手順
1.受容体結合アッセイのために、低HSA(0.001%)の存在下で、アッセイ緩衝液50μlをアッセイプレートの各ウェルに添加した。アッセイは工程3に続けた。
2.受容体結合アッセイのために、高HSA(2.0%)の存在下で、8%アルブミン保存液50μlをアッセイプレートの各ウェルに添加した。アッセイは工程3に続けた。
3.以下の濃度を得るために試験化合物を連続希釈した:8×10-7M、8×10-8M、8×10-9M、8×10-10M、8×10-11M、8×10-12M及び8×10-13M。25μlをアッセイプレートの適切なウェルに添加した。
4.細胞膜の一定量を解凍し、作業濃度まで希釈した。50μlをアッセイプレートの各ウェルに添加した。
5.WGA SPAビーズをアッセイ緩衝液に20mg/mlで懸濁した。懸濁液は、アッセイプレートに添加する直前にアッセイ緩衝液で10mg/mlまで希釈した。50μlをアッセイプレートの各ウェルに添加した。
6.インキュベーションは、[125I]-GLP-1]-(7-36)NH2の480pM溶液25μlをアッセイプレートの各ウェルに添加することによって開始した。全カウント/ウェルを測定するために一定量25μlをとっておいた。
7.アッセイプレートは30℃で2時間インキュベートした。
8.アッセイプレートは10分間遠心分離した。
9.アッセイプレートはPackard TopCount NXT装置で読み取った。
計算
TopCount装置からのデータを、GraphPad Prismソフトウェアに移した。このソフトウェアで、反復の値を平均化し、非線形回帰を行った。IC50値をソフトウェアによって計算し、nMで報告した。
結果
以下の結果が得られた:
本発明の誘導体は全て、2.1nM未満のIC50(低アルブミン)を有した。IC50(高アルブミン)については、誘導体は全て540nM未満のIC50(高アルブミン)を有した。
(実施例31)
ミニブタにおける薬物動態研究
この研究の目的は、ミニブタへのi.v.投与後のGLP-1誘導体のインビボにおける持続、すなわち、体内でのそれらの時間の延長及びそれによるこれらの作用時間を決定することである。これは、薬物動態 (PK)研究において行われ、問題の誘導体の消失半減期が決定された。消失半減期とは一般的に、最初の分布相の後に測定した、ある一定の血漿濃度を半減させるのにかかる期間を意味する。
実施例1、2、3、5、7、8、12、13、14、15及び16の誘導体にPK研究を行った(以下を参照されたい)。
Ellegaard Gottingenミニブタ(Dalmose, Denmark)から得られた約5ヶ月齢及び体重約10kgの雌Gottingenミニブタをこの研究に使用した。ミニブタは床敷としてわらを敷いた小屋に、各小屋に4頭から6頭一緒に収容し、1日に1回又は2回、Altromin 9023ミニブタ食(Chr. Petersen A/S、DK-4100 Ringsted)を制限的に給餌した。GLP-1誘導体連続投与の間に適切な洗い出し期間を伴う反復薬物動態研究のためにこれらのブタを使用した。1週間の馴化期間を見込み、この間にミニブタは、血液採取のための背中の固定、i.v.投与のためのスリング内への固定を訓練した。動物の取り扱い、投与及び血液採取は全て、熟練の職員が行った。
GLP-1誘導体をリン酸ナトリウム50mM、塩化ナトリウム70mM、0.05% tween 80、pH7.4に約20nmol/mlの適切な濃度まで溶解した。動物を麻酔せずにスリング内に入れて、化合物の静脈内注射(通常2nmol/kgに対応する体積、例えば、0.1ml/kg)を、耳静脈に挿入されたVenflonを介して静脈内注射として投与した。用量体積は0.1ml/kgで、血液は投与後13日目まで予め決定した時点に採取した(試料は頸静脈からシリンジで採取した)。血液試料(例えば、0.8ml)をEDTA緩衝液(8mM)に収集し、その後、4℃で2000Gで10分間遠心分離した。
採取及び分析:
血漿をドライアイス上のMicronicチューブ中にピペットで移し、ELISA又はLOCI等の抗体をベースとした類似のアッセイ又はLC-MSを使用してそれぞれのGLP-1化合物の血漿濃度を分析するまで-20℃で保持した。個々の血漿濃度-時間プロファイルを、WinNonlin v.5.0又はPhoenix v.6.2.若しくは6.3(Pharsight Inc.社、Mountain View、CA、USA)でノンコンパートメントモデルによって、或いはPK分析用のその他の関連ソフトウェアによって分析し、得られた消失半減期を決定した。
結果
以下の結果が得られた:
結果は、最高144時間の非常に良好な半減期を示している。比較すると、ミニブタにおけるセマグルチドの静脈内投与後の平均半減期は55時間である(2つの別々の研究の平均、全体でn=12)。
(実施例32)
ビーグル犬における薬物動態研究
ビーグル犬における薬物動態(PK)は、a)i.v.投与後のGLP-1誘導体の持続、及びb)p.o.投与後のGLP-1誘導体の生物学的利用率を決定するために行った。
持続とは、体内における時間の延長及びそれによるGLP-1誘導体の作用時間の延長を意味する。これは、薬物動態(PK)研究において行われ、問題の誘導体の消失半減期が決定された。消失半減期とは一般的に、最初の分布相の後に測定した、ある一定の血漿濃度を半減させるのにかかる期間を意味する。
実施例1、2、8及び15のGLP-1誘導体に以下に記載したようにPK研究を行った。
実施形態1及び2のGLP-1誘導体による研究のために、研究開始時に21から30ヶ月齢及び体重約10〜12kgの雌及び雄のビーグル犬(50:50)を使用した。犬は床敷として軟木をベースにした顆粒を敷いた小屋に(12時間明:12時間暗)、各小屋に2頭一緒に収容し、1日に1回SPECIFIC(商標)ストラバイト管理食(Dechra Veterinary Products社、UK)を限定的に給餌した。毎日、可能ならばいつでも運動させた。連続的GLP-1誘導体投与の間に適切な洗い出し期間を伴う反復薬物動態研究のためにこれらのイヌを使用した。4週間の馴化期間を見込み、この期間中にイヌを訓練した。動物の取り扱い、投与及び血液採取は全て、熟練の職員が行った。イヌは投与前一晩及び投与後0から4時間絶食させたが、全期間中水は自由に取らせた。
実施形態8及び15の化合物による研究のために、更には実施例2の化合物による研究のために(p.o.生物学的利用率の決定のために)、ビーグル犬は研究開始時に1から5歳であり、体重約10〜12kgであった。イヌは社会集団中に収容し(12時間明:12時間暗)、個々に1日に1回Royal Canin Medium Adult dog(Royal Canin Products社、China Branch又はBrogaarden A/S、Denmark)を制限的に給餌した。毎日、可能ならばいつでも運動及び社会的集団を行わせた。連続的なGLP-1誘導体投与の間に適切な洗い出し期間を伴う反復薬物動態研究のためにこれらのイヌを使用した。最初の薬物動態研究の開始前に、適切な馴化期間を与えた。動物の取り扱い、投与及び血液採取は全て、熟練の職員が行った。イヌは研究の前に一晩、及び投与後0から4時間絶食させた。更に、イヌは投与前1時間、投与後4時間水を制限したが、それ以外は全期間中水を自由に取らせた。
錠剤の経口(p.o.)投与
p.o.研究のために使用したGLP-1錠剤は、実施例33に記載したように調製し、構成されるGLP-1誘導体約10mgを含むカプリン酸ナトリウム核を含有する腸溶コーティング錠剤であった。
GLP-1誘導体を含有する錠剤を以下の方法で投与した:錠剤の経口投与の20分前に約4μg/kg体重(120μg/mL)の用量でペンタガストリンを頸部に皮下投与することによって胃酸分泌を誘導した。
咀嚼しないようにするために錠剤をイヌの口の奥に置いた。次に口を閉じ、錠剤の嚥下を容易にするためにシリンジによって水道水10mLを与えた。
静脈内投与
i.v.研究において、リン酸ナトリウム50mM、塩化ナトリウム70mM、ポリソルベート20 70ppm、pH7.4に約20nmol/mlの濃度まで溶解したGLP-1誘導体を静脈内注射によってイヌの橈側皮静脈又は伏在静脈に投与した(通常、2nmol/kg、例えば、0.1ml/kgに対応する体積)によってイヌに投与した。投与量は0.1ml/kgであった。
血液採取
GLP-1誘導体の血漿濃度-時間プロファイル全体を適切に包含するために、血液は投与の10〜12日後まで予め決定した時点で採取した。
各血液試料採取時点について全血約0.8mLを1.5mL EDTAコーティングチューブに収集し、このチューブをゆっくり反転させて試料と抗凝固剤とを混合させた。血液試料(例えば、0.8ml)をEDTA緩衝液(8mM)に収集し、その後、4℃で2000Gで10分間遠心分離した。血漿をドライアイス上でMicronicチューブにピペットで移し、分析するまで-20℃で維持した。
血液試料は適切に、例えば、a)頸静脈から標準21G針及びシリンジを使用して、又はb)最初の2時間は前脚の橈側皮静脈のvenflonから、その後残りの時点は頸静脈からシリンジで採取した(試料中にvenflonからヘパリン生理食塩水が入るのを回避するためにvenflonからの最初の数滴は廃棄した)。
分析
それぞれのGLP-1誘導体の血漿濃度を、ELISA又はLOCI等の抗体をベースにした類似のアッセイ又はLC-MSを使用して分析した。個々の血漿濃度-時間プロファイルは、WinNonlin v. 5.0又はPhoenix v.6.2.若しくは6.3(Pharsight Inc.社、Mountain View、CA、USA)のノンコンパートメントモデルによって、或いはPK分析用のその他の関連ソフトウェアによって分析した。
得られた消失半減期はi.v.研究に基づいて決定した。
絶対的生物学的利用率(F)は以下の通り計算した:
血漿濃度対時間曲線下の面積(AUC、[時間×濃度])は、経口投与及び静脈内投与の後で、典型的には投与して240〜288時間後まで、又は最後に測定した濃度まで(Pharsightプログラムによって)計算した。
次に、用量修正AUC値、いわゆるAUC/Divによって除したAUC/Dpoに基づいて絶対的生物学的利用率(F)を計算した(式中、Dpoは投与した量に基づいて計算したkg当たりの予測経口用量であり[典型的な錠剤はGLP-1誘導体約10mgを含有する]、Divは静脈内に投与されたkg当たりの用量である)。
結果
以下の結果が得られた:
結果は、最高119時間の非常に良好な半減期を示している。比較すると、ビーグル犬におけるセマグルチドの静脈内投与後の平均半減期は55時間である(7つの別々の研究の平均、全体でn=30)。
Table 5(表6)で報告された生物学的利用率は、ビーグル犬研究では同じ錠剤組成物(活性薬学成分以外は同じ)を用いたセマグルチドよりも著しく高かった。
(実施例33)
経口GLP-1錠剤の調製及び組成物
この実施例は、実施例1及び実施例2のGLP-1誘導体の錠剤の製造について記載する。
実施例1の錠剤は錠剤核、Pharmacoatサブコート及び80:20 FS30D:L30D-55腸溶コーティングを含み、以下に記載した方法1、2c及び3bを使用して調製した。錠剤は、実施例1の活性医薬成分10mgを含有する。実施例1の錠剤の最終組成物を以下のTable 6(表7)に示す。錠剤核質量は710mgで、サブコートを有する腸溶錠剤の質量は771.1mgであった。
実施例2の錠剤は錠剤核、Opadry Clearサブコート及び80:20 FS30D:L30D-55腸溶コーティングを含み、以下に記載した方法1、2a及び3bを使用して調製した。錠剤は、実施例2の活性医薬成分10mgを含有する。実施例2の錠剤の最終組成物を以下のTable 7(表8)に示す。錠剤核質量は710mgで、サブコートを有する腸溶錠剤の質量は771.1mgであった。
材料
Evonik Industries社、Essen、Germanyによって2014年に販売されたEudragit(登録商標)FS 30 D、Eudragit(登録商標)L 30 D-55、Plasacryl(商標)T20を使用した。Colorcon社、PA、USAによって2014年に販売されたOpadry(登録商標)Clear 03K19229及びOpadry(登録商標)White 03F180011を使用した。Shin-Etsu Ltd.社、Tokyo、Japanによって2014によって販売されたPharmacoat(登録商標)603を使用した。
錠剤核の調製(方法1)
以下の組成を有する錠剤核材料:
a)GLP-1誘導体1.41%w/w、
b)カプリン酸ナトリウム77.46%w/w、
c)ソルビトール20.63%w/w、及び
d)ステアリン酸0.50%w/w
は以下の通り製造した:
正確な量のGLP-1を計量した。ソルビトール粉末をメッシュサイズ0.5mmで篩にかけ、続いて正確な量のソルビトールを計量した。
GLP-1及びソルビトールを小さな容器内で混合した。GLP-1の量と同等量のソルビトールを容器に添加し、手動で混合した。次に、前の添加に対して2倍量のソルビトールを添加し、GLP-1及び全ソルビトールがよく混合するまで手動で混合した。この工程に続いてTurbulaミキサーによる機械的混合で最終的に混合して、GLP-1及びソルビトールからなる均一なブレンドを得た。
次に、同量の原則に従ってカプリン酸ナトリウム(顆粒の形態)をGLP-1及びソルビトールからなるブレンドに添加した。カプリン酸ナトリウムの顆粒は、顆粒化によって調製することができる。これは2つの工程で行い、最終的にTurbulaミキサーによる機械的混合工程を行い、GLP-1、ソルビトール及びカプリン酸ナトリウムからなるブレンドを生じた。
最後に、ステアリン酸をメッシュサイズ0.3mmを使用して篩にかけ、次に正確な量のステアリン酸を計量し、それらをGLP-1、ソルビトール及びカプリン酸ナトリウムからなるブレンドに添加し、機械的に混合して最終的顆粒を得た。
次に、最終顆粒を錠剤プレスで圧縮し、本明細書で特に明記しない限り、標準的錠剤化方法によって、例えば、Fette 102I錠剤プレスを使用して710mgの質量の錠剤を形成した。錠剤は、例えば、コーティング等の他の加工を可能にする技術レベルで生成した。
錠剤核へのサブコートの添加
方法2a-Opadry(登録商標)Clear 03K19229
方法1によって調製した錠剤核は、Opadry(登録商標)Clear 03K19229を含むサブコートでコーティングした。コーティング懸濁液は、a)標準的マグネティックスターラーを使用して強力に混合しながらミネラル除去水94g中にOpadry(登録商標)Clear 03K19229コーティング材料(ポリマー粉末)6gを添加し、次にb)低強度で45分間撹拌し、最後にc)塊を除去するために懸濁液を篩にかけることによって調製した。錠剤核のコーティングは、開口部1.0mm、噴霧及びパターン空気圧0.55バール、流入空気温度40℃及び気流100kg/時間の従来のパターンのSchlickエアスプレーノズルを備えたパンサイズ8.5インチのパンコーターで行った。錠剤核に均等に分配されたコーティング懸濁液(ポリマー粉末の乾燥質量1.4%w/w、Table 7(表8)参照)の必要量を添加後、噴霧を中止し、錠剤をパン内で最高30分間乾燥させた。
方法2c-Pharmacoat(登録商標)603
方法1によって調製した錠剤核は、Pharmacoat(登録商標)603を含むサブコートでコーティングした。コーティング懸濁液は、a)Pharmacoat(登録商標)603 10gをスプーンで撹拌しながら沸騰水90gで湿らせ、b)トリアセチン2gをミネラル除去した水112gに溶解し、これをPharmacoat(登録商標)603ハイプロメロース懸濁液に添加し、続いてc)低強度で最高45分間撹拌することによって調製した。次に、d)タルク0.9gを懸濁液に添加し、最後にe)懸濁液を少なくとも15分間ホモジナイズした。錠剤核のコーティングは、方法2aで説明したのと同じ装置及び条件を使用して行った。錠剤に均等に分配されたコーティング懸濁液(Pharmacoat(登録商標)ハイプロメロースコーティング材料の乾燥質量1.4%w/w、Table 6(表7)参照)の必要量を添加後、噴霧を中止し、錠剤をパン内で最高30分間乾燥させた。
腸溶コーティングの添加(方法3b-Eudragit(登録商標)FS30D及びEudragit(登録商標)L30 D-55の組合せ)
以下の方法に従って、陰イオンコポリマーコーティングを、方法1及び方法2aによって調製したサブコートでコーティングした錠剤核に適用した:
PlasAcryl(商標)T20 17.4gをミネラル除去した水20.0gと撹拌しながら5分間混合した。クエン酸トリエチル1.7gをミネラル除去した水44.9gと5分間混合し、次にPlasAcryl(商標)T20に添加した。Eudragit(登録商標)FS 30 Dコーティング材料の水性分散体92.8gを適切な撹拌装置上に置いたビーカーに入れた。PlasAcryl(商標)T20懸濁液及びL30D-55コーティング材料23.2gを少なくとも10分間撹拌しながらFS30D懸濁液に添加した後、塊を除去するために0.24mmメッシュフィルターで濾過し、コーティング懸濁液を得た。本明細書に記載したEudragit(登録商標)FS 30 D及びEudragit(登録商標)L 30 D-55の量は、Eudragit(登録商標)FS 30 D及びEudragit(登録商標)L 30 D-55の比が80:20である。
コーティング懸濁液によるコーティングは、開口部1.0mm、噴霧及びパターン空気圧0.5〜0.7バール、流入空気温度37℃、気流100kg/時間の従来のパターンのSchlickエアスプレーノズルを備え、パンサイズ8.5インチのパンコーターで行った。錠剤に均等に分配されたコーティング懸濁液(Eudragit(登録商標)FS 30 D及びEudragit(登録商標)L 30 D-55コーティング材料の組合せの乾燥質量6.4%w/w、Table 7(表8)参照)の必要量を添加後、噴霧を中止し、錠剤をパン内で最高30分間乾燥させた。
(実施例34)
ブタにおける薬物動態(PD)研究
この実験の目的は、ブタの食物摂取に対するGLP-1誘導体の影響を調査することである。これは、以下に記載したように薬物動態(PD)研究において行い、食物摂取はGLP-1誘導体の単回用量投与の1から4日後に媒体処理対照群と比較して測定した。
約3ヶ月齢及び体重約30〜35kgの雌Landrace Yorkshire Duroc(LYD)ブタ又はLarge White hybridを使用した(群当たりn=3〜4)。動物は動物施設に馴化させる間約1週間群で収容した。実験期間中、動物は個々の食物摂取を測定するために、投与前少なくとも2日間及び全実験中、個々の小屋に入れた。
馴化及び実験の両期間中、動物にブタ飼料(Svinefoder Danish Top又はHRC Sow and Weaner Diet)を不断給餌した。食物摂取はMpigwinシステム(Ellegaard Systems社、Faaborg、Denmark)を使用して15分間隔で飼料の質量を記録することによってオンラインでモニターした。或いは、飼料は毎朝与え、24時間全期間中確実に利用させた。食べられなかった飼料は翌朝除去し、計量し(手動で)、新鮮な飼料と交換した。
GLP-1誘導体はリン酸緩衝液(リン酸ナトリウム50mM、塩化ナトリウム70mM、0.05% tween 80、pH7.4)に3nmol/kgに対応する約120nmol/mlの濃度で溶解した。リン酸緩衝液は媒体として役立てた。
1日目の朝に動物にGLP-1誘導体又は媒体(用量体積0.025ml/kg)の皮下用量を1回投与し、食物摂取を投与後2〜4日間測定した。各研究の最終日、投与の2又は4日後、GLP-1誘導体の血漿曝露を測定するための血液試料を麻酔した動物の心臓から採取した。その後動物はペントバルビタールの心臓内過剰投与によって安楽死させた。所望するならば、GLP-1誘導体の血漿含量を、ELISA又は抗体をベースにした類似のアッセイ又はLC-MSを使用して分析した。
食物摂取は、24時間間隔(0〜24時間、24〜48時間、48〜72時間及び72〜96時間で計算した。以下のTable 8(表9)において、得られた平均食物摂取は、同じ時間間隔の媒体群の平均食物摂取のパーセントとして示す。
データは、ブタにおける試験GLP-1誘導体の単回s.c.注射が、注射して2〜4日後までの食物摂取の減少を引き起こすことを示す。しかし、「NS」で示した結果については、本発明の試験条件下では減少が媒体群と比較してあまり異なっていなかった。実施例12及び実施例20の誘導体は、食物摂取の最大減少を示した(1及び2日目)。
本発明のある特定の特徴を本明細書では例示し記載しているが、当業者ならば多くの変更、置換、変化及び同等物に気づくであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の本質的精神内にあるこのような変更及び変化を全てを包含するものであることを理解されたい。