JP6765192B2 - レーザーマイクロダイセクター及びレーザーマイクロダイセクション方法 - Google Patents

レーザーマイクロダイセクター及びレーザーマイクロダイセクション方法 Download PDF

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Description

本発明は微細加工技術に関し、レーザーマイクロダイセクター及びレーザーマイクロダイセクション方法に関する。
病理検査は、疾患の診断において信頼度の高い検査方法である。例えば、がんの診断においては、病理診断が必要とされることが多い。病理検査は、組織検査と、細胞診検査と、に分類される。特に組織検査は、組織から様々な情報を得ることができるため、病理検査の中でも有用な検査方法である。組織検査においては、体内から採取した組織を数ミクロンの厚さにスライスして得られた病理切片を顕微鏡下で観察する。しかし、病理切片といえども、大部分が正常細胞や検査対象外の細胞から構成されていることが多い。そのため、病理切片に含まれる、検査対象となる病変細胞はごくわずかである。現状、病変細胞の分析手法は、顕微鏡下での観察が主であるが、病変細胞がごくわずかである場合、病変細胞の分析は困難である。
そのため、単に病変細胞を顕微鏡観察するだけではなく、組織から病変細胞を切除、及び採取し、例えば質量分析装置のような分析装置を用いて病変細胞を分析し、疾患を診断する方法が提案されている。
組織からの病変細胞の切除及び採取には、レーザーマイクロダイセクション法が用いられる。レーザーマイクロダイセクション法は、顕微鏡に接続したレーザー照射装置を用いて、顕微鏡下で組織切片を観察しながら標的とする病変細胞塊をレーザー光によって切り出し、採取、及び回収するための手法である(例えば、特許文献1から3参照。)。この方法は、複雑に混ざり合った組織標本の中から標的となる細胞群や単一細胞のみを回収することができるため、疾患や生命現象の解明にとって有用である。また、レーザーマイクロダイセクション法は、医療用途に限らず、工業製品等の試料から微小な標的部分を切り出すためにも用いられている。
特開2014−78008号公報 特表2015−517669号公報 特開2013−63336号公報
本発明は、試料の標的部分の周囲を正確に切断可能なレーザーマイクロダイセクター及びレーザーマイクロダイセクション方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の態様によれば、(a)試料が載せられるステージと、(b)試料の画像を取得する顕微鏡と、(c)画像から試料の標的部分の座標を特定する標的部分特定部と、(d)試料を切断する、深紫外レーザー光である切断レーザー光を発する切断レーザー光源と、(e)切断レーザー光を試料の標的部分に集束させるレンズと、(f)標的部分の座標に基づき、試料の標的部分の周囲が切断されるよう、試料に対する切断レーザーの入射位置を変化させる位置制御機構と、を備える、レーザーマイクロダイセクターが提供される。
上記のレーザーマイクロダイセクターにおいて、切断レーザー光の波長範囲が200nm以上300nm以下であってもよい。切断レーザー光の焦点サイズが400nm以上10μm以下であってもよい。
上記のレーザーマイクロダイセクターが、切断レーザー光で単離された標的部分を回収するマニピュレーターをさらに備えていてもよい。マニピュレーターが、標的部分を含む液体が毛細管現象により内部を上昇するキャピラリーを備えていてもよいし、標的部分を採取するカンチレバーを備えていてもよい。マニピュレーターが磁力を用いて標的部分を回収してもよいし、分子間の親和力を用いて標的部分を回収してもよい。
上記のレーザーマイクロダイセクターにおいて、顕微鏡が、共焦点レーザー顕微鏡、共焦点ラマン顕微分光装置、光学顕微鏡、蛍光顕微鏡、及び電子顕微鏡からなる群から選択されるいずれかであってもよい。
上記のレーザーマイクロダイセクターにおいて、試料が生体試料であってもよいし、生体組織であってもよい。
本発明の態様によれば、(a)試料の画像を取得することと、(b)画像から試料の標的部分の座標を特定することと、(c)試料を切断する、深紫外レーザー光である切断レーザー光を発し、切断レーザー光を試料の標的部分に集束し、標的部分の座標に基づき、試料の標的部分の周囲が切断されるよう、試料に対する切断レーザーの入射位置を変化させることと、を備える、レーザーマイクロダイセクション方法が提供される。
上記のレーザーマイクロダイセクション方法において、切断レーザー光の波長範囲が200nm以上300nm以下であってもよい。切断レーザー光の焦点サイズが400nm以上10μm以下であってもよい。
上記のレーザーマイクロダイセクション方法が、切断レーザー光で単離された標的部分をマニピュレーターで回収することを更に備えていてもよい。マニピュレーターが、標的部分を含む液体が毛細管現象により内部を上昇するキャピラリーを備えていてもよいし、標的部分を採取するカンチレバーを備えていてもよい。マニピュレーターが磁力を用いて標的部分を回収してもよいし、分子間の親和力を用いて標的部分を回収してもよい。
上記のレーザーマイクロダイセクション方法において、試料の画像を取得する顕微鏡が、共焦点レーザー顕微鏡、共焦点ラマン顕微分光装置、光学顕微鏡、蛍光顕微鏡、及び電子顕微鏡からなる群から選択されるいずれかであってもよい。
上記のレーザーマイクロダイセクション方法において、試料が生体試料であってもよいし、生体組織であってもよい。
本発明によれば、試料の標的部分の周囲を正確に切断可能なレーザーマイクロダイセクター及びレーザーマイクロダイセクション方法を提供可能である。
本発明の第1の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターの模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターのステージの模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る切断される前の試料の模式的断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る切断された試料の模式的断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターで切断される前の試料の模式的断面図である。 本発明の第1の実施の形態の比較例に係るレーザーマイクロダイセクターで切断された試料の模式的断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターで切断されている試料の模式的断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターで切断されている試料の模式的断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターの模式図である。 本発明の第3の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターの模式図である。 本発明の第3の実施の形態に係るキャピラリーの模式図である。 本発明の第3の実施の形態に係るキャピラリーの模式図である。 本発明の第3の実施の形態に係るマニピュレーターの模式図である。 本発明の第4の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターの模式図である。 本発明の第4の実施の形態に係るカンチレバーの模式図である。 本発明のその他の実施の形態に係る磁石の模式図である。
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターは、図1に示すように、試料1が載せられるステージ10と、試料1の画像を取得する顕微鏡20と、画像から試料1の標的部分の座標を特定する標的部分特定部301と、試料1を切断する、深紫外レーザー光である切断レーザー光を発する切断レーザー光源41と、切断レーザー光を試料の標的部分に集束させるレンズ46と、標的部分の座標に基づき、試料10の標的部分の周囲が切断されるよう、試料に対する切断レーザーの入射位置を変化させる位置制御機構47と、を備える。
試料は、例えば、培養細胞及びスライスされた生体組織等の生体試料である。ステージ10には、例えば、ステージ10を移動させるステージ駆動機構が接続される。ステージ駆動機構は、ステージ10を、ステージ10表面と平行方向(x方向及びy方向)に移動させたり、ステージ10表面に対して垂直方向(z方向)に移動させたりする。さらに、ステージ駆動装置は、ステージ10を、z方向を軸として傾斜させる。
顕微鏡20としては、例えば共焦点ラマン顕微分光装置が使用可能である。顕微鏡20は、励起光源21を備える。励起光源21は、ラマン散乱光を励起するレーザー光を照射するレーザーである。ラマン散乱光を励起するレーザー光の波長は、例えば532nm、633nm、及び785nmであるが、これらに限定されない。励起光源21から発せられた励起レーザー光は、例えば、ラインフィルター22を通過する。顕微鏡20は、試料1の二次元画像を取得してもよいし、三次元画像を取得してもよい。
顕微鏡20は、試料1に対して励起レーザー光を下方から照射するための倒立型の励起光光路と、試料1に対して励起レーザー光を上方から照射するための透過型の励起光光路と、の両方を備えていてもよい。
倒立型の励起光光路において、例えば、励起レーザー光は、反射鏡23で、ステージ10に対して垂直方向下側に反射され、さらに反射鏡24で、ステージ10と略平行方向に反射される。反射鏡24で反射された励起レーザー光は、レンズ25で集光される。レンズ25で集光された励起レーザー光は、励起レーザー光を反射し、ラマン散乱光を透過させるハーフミラー26で、ステージ10に向けて反射され、対物レンズ27を経てステージ10上の試料1に集光される。
透過型の励起光光路において、例えば、励起レーザー光は、反射鏡23で、ステージ10に対して垂直方向上側に反射され、さらに反射鏡44で、ステージ10と平行方向に反射される。励起レーザー光は、xyθアパーチャー45を経て、レンズ46で集光され、例えばガルバノスキャナーを備える位置制御機構47を経て、対物レンズ48に入射し、試料1に集光される。後述するように、透過型の励起光光路は、切断レーザー光の光路と少なくとも一部重複していてもよい。
励起レーザー光を照射された試料1で生じたラマン散乱光は、対物レンズ27を経てハーフミラー26を透過し、反射鏡28でステージ10と平行方向に反射される。反射鏡28で反射されたラマン散乱光は、レイリー散乱光を除去するバンドパスフィルタ29を透過し、レンズ30で集光されて、ラマン分光器50に入射する。
ラマン分光器50において、ラマン散乱光はレンズ51で集光され、対物レンズ27の焦点で生じたラマン散乱光のみがピンホール52を通過する。さらにラマン散乱光は反射鏡53で反射され、凹面反射鏡54で平行光にされる。平行光にされたラマン散乱光は回折格子55で分光され、分光されたラマン散乱光は凹面反射鏡56で集光される。集光されたラマン散乱光は、分光したラマン散乱光を波長ごとに検出可能なCCD(電荷結合素子)イメージセンサ等の検出器57で受光される。検出器57は、受光したラマン散乱光を光電変換し、電気信号を出力する。
ラマン分光器50の検出器57は、中央演算処理装置(CPU)300に接続されている。CPU300は、画像生成部302を備える。画像生成部302は、検出器57から電気信号を受け取り、試料1の画像を生成する。試料1の画像が二次元画像である場合、試料1の二次元画像は、二次元座標(x,y)情報を含んでいる。試料1の画像が三次元画像である場合、試料1の三次元画像は、三次元座標(x,y,z)情報を含んでいる。CPU300には、表示装置401が接続されている。表示装置401は、試料1の画像を表示する。
CPU300には、さらに入力装置402が接続されている。試料1の画像が二次元画像である場合、使用者は、マウス等の入力装置402を用いて、表示装置401に表示された試料1の二次元画像の任意の標的部分の輪郭をマウスポインタでなぞり、標的部分を二次元形状で取り囲む。CPU300に含まれる標的部分特定部301は、マウスポインタの軌跡である二次元形状の二次元座標を特定し、試料1の標的部分の輪郭の二次元座標として、記憶装置403に保存する。あるいは、標的部分特定部301は、パターン認識、及び明度の判別等により、標的部分の輪郭の二次元座標を自動的に抽出してもよい。
試料1の画像が三次元画像である場合、使用者は、マウス等の入力装置402を用いて、表示装置401に表示された試料1の三次元画像の任意の標的部分の輪郭をマウスポインタでなぞり、標的部分を三次元形状で取り囲む。CPU300に含まれる標的部分特定部301は、マウスポインタの軌跡である三次元形状の三次元座標を特定し、試料1の標的部分の輪郭の三次元座標として、記憶装置403に保存する。あるいは、標的部分特定部301は、パターン認識、及び明度の判別等により、標的部分の輪郭の三次元座標を自動的に抽出してもよい。
切断レーザー光源41は、波長範囲が200nm以上300nm以下である深紫外(DUV)レーザー光を切断レーザー光として発する。切断レーザー光源41から発せられた切断レーザー光は、例えば、ラインフィルター42を通過する。切断レーザー光は、反射鏡43で、ステージ10に対して垂直方向上側に反射され、さらに反射鏡44で、ステージ10と平行方向に反射される。切断レーザー光は、xyθアパーチャー45を経て、レンズ46で集光され、例えばガルバノスキャナーを備える位置制御機構47を経て、対物レンズ48に入射し、試料1の切断位置で集光される。
DUV光である切断レーザー光は、レンズ46で、焦点サイズ(直径)が、例えば400nm以上10μm以下にされる。これにより、試料をより正確に切断することが可能となる。なお、切断レーザー光の焦点サイズは、標的部分の大きさに応じて変化させてもよい。
切断レーザー光として、波長が355nmの紫外(UV)光を用いると、切断レーザー光を照射された試料の部分の温度が上昇し、高温により試料内の分子間結合が破壊され、試料が切断される。これに対し、切断レーザー光として、波長が266nm等のDUV光を用いると、試料内の分子間結合がDUV光によって直接切断される。そのため、DUV光による切断部位は、UV光による切断部位と比較して、発熱が抑制され、切削空間分解能が向上する。また、UV光により試料を切断する場合は、発熱を伴うため、パラフィン等により試料を固定する必要があるが、DUV光により試料を切断する場合は、試料を固定しなくともよい。
位置制御機構47は、試料1の画像から得られる標的部分の断面形状に基づき、例えばガルバノスキャナーを駆動して、試料1に対する切断レーザーの入射位置及び入射角を変化させる。例えば、位置制御機構47は、記憶装置403から、試料1の標的部分の輪郭の座標の情報を読み取り、切断レーザー光の焦点が試料1の標的部分の輪郭に沿って移動するよう、ガルバノミラー等を駆動する。ここで、試料1の標的部分の断面形状の輪郭がステージ10の表面に対して垂直であれば、位置制御機構47は、切断レーザー光を試料1に対して垂直に入射させる。また、試料1の画像が三次元画像である場合、試料1の標的部分の断面形状の輪郭がステージ10の表面に対して傾斜していれば、位置制御機構47は、切断レーザー光を試料1に対して斜めに入射させる。
ステージ10を移動させるステージ駆動機構が位置制御機構47に含まれていてもよい。図2に示すように、ステージ駆動機構がステージ10を傾斜させることによっても、試料1に対する切断レーザー光の入射角を変化させることが可能である。ステージ10とステージ駆動機構の組み合わせとしては、ゴニオステージ等が使用可能である。ガルバノスキャナーとステージ駆動機構が協調して、試料1に対する切断レーザーの入射位置及び入射角を変化させてもよい。試料1に対する切断レーザー光の入射角は、例えば0°以上90°以下の範囲で変化する。
例えば、図3に示すように、試料の二次元上面画像で観察された標的部分の輪郭が、試料の深さ方向において変化する場合がある。試料の深さ方向において、標的部分の輪郭が大きくなる場合、試料の二次元上面画像で観察された標的部分の輪郭に沿って試料を切断すると、深さ方向において輪郭が大きくなった部分を採取できない場合がある。
また、試料の二次元上面画像で観察された標的部分の輪郭からマージンをとって、周囲の部分を幅広く含むように試料を切断すると、採取された標的部分の周囲に、標的部分ではない不要な部分が付着する。例えば標的部分が正常細胞に囲まれた異常細胞である場合、採取された異常細胞に正常細胞が付着していると、異常細胞に含まれるタンパク質や核酸について分析する際に、正常細胞からのタンパク質や核酸が混在し、異常細胞のタンパク質や核酸を正確に分析することができない場合がある。
これに対し、図4に示すように、標的部分の深さ方向においても、標的の輪郭に沿って試料を切断レーザー光で切断することにより、試料から標的部分を正確に切り出すことが可能となる。
また、例えば、図5に示すように、標的部分が試料の断面方向に埋もれている場合も、切断レーザー光で試料を垂直に切断すると、図6に示すように、標的部分の上下に、標的部分以外の試料が付着する。これに対し、図7に示すように、ステージを傾斜させたり、図8に示すように、切断レーザー光の光学系を駆動させたりすることにより、標的部分の深さ方向の輪郭に沿って試料を切断レーザー光で切断して、試料から標的部分を正確に切り出すことが可能となる。
以上説明したように、第1の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターにおいて、試料1の三次元画像を取得すれば、標的部分の深さ方向において、標的の輪郭が四角のみならず、円や三角、多角形状であっても、正確に試料を切断することが可能となる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、図1に示すように、顕微鏡20として共焦点ラマン顕微分光装置を使用する例を説明した。これに対し、第2の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターでは、図9に示すように、顕微鏡20として共焦点顕微鏡ではない光学顕微鏡を用いてもよい。
光源121は、レーザー光又は白色光等の照明光を照射するレーザー又はハロゲンランプである。照明光は、例えば、対物レンズ48を経て、試料1に照射される。試料1を透過した透過照明光は、対物レンズ127を経て、反射鏡128でステージ10と平行方向に反射される。反射鏡128で反射された透過照明光は、レンズ130で集光されて、検出器131で受光される。検出器131は、受光した透過照明光を光電変換し、電気信号を出力する。
第2の実施の形態において、画像生成部302は、検出器131から電気信号を受け取り、試料1の二次元画像をまず生成する。さらに、任意により、画像生成部302は、デコンボリューション法等により、試料1の二次元画像から、試料1の三次元画像を生成する。ここで、デコンボリューション法とは、非焦点面以外で生じる光の拡散から、点像分布関数(PSF)を用いた数学的な演算により、二次元画像から三次元画像を生成する手法である。PSFは、例えばビーズ等の形状の分かっている物体の二次元画像を取得し、二次元画像における光のぼけ具合から得ることができる。
第2の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターのその他の構成要素は、第1の実施の形態と同様である。共焦点顕微鏡の照明光又は励起光よりも、共焦点顕微鏡ではない顕微鏡の照明光又は励起光は、エネルギーが弱い傾向にある。そのため、試料1の二次元画像又は三次元画像を取得する際に、共焦点顕微鏡ではない顕微鏡を用いれば、試料1へのダメージを抑制することが可能となる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターは、図10に示すように、切断レーザー光で単離された標的部分を採取及び回収するマニピュレーター60をさらに備える。マニピュレーター60は、例えば図11に示すように、標的部分を含む液体が毛細管現象により内部を上昇するキャピラリー61を備える。キャピラリー61は、例えば、アクリル樹脂、及びポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明材料からなる。
標的部分がキャピラリー61の内壁に付着しないよう、キャピラリー61の内壁は親水性であることが好ましい。例えば、図12に示すように、キャピラリー61の内壁に微細な凹凸を設けたり、粗面化したりすることにより、キャピラリー61の内壁を親水性にすることができる。あるいは、プラズマ処理及び化学蒸着(CVD)等によりキャピラリー61の内壁を親水性にしてもよい。また、親水性の程度を、キャピラリー61の導入口から奥に向けて上昇させることにより、標的部分を含む液体が毛細管現象によりキャピラリー61内部の奥深くまで上昇することが可能となる。
図13に示すように、マニピュレーター60は、例えば、図10に示す記憶装置403から試料1の標的部分の輪郭の座標の情報を読み取り、標的部分の近傍に図13に示すキャピラリー61の導入口を近づけてもよい。第3の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターのその他の構成要素は、第1又は第2の実施の形態と同様である。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターは、図14に示すように、切断レーザー光で単離された標的部分を採取及び回収するマニピュレーター60が、図15に示すカンチレバー62を備える。カンチレバー62としては、原子間力顕微鏡(AFM)で使用されるカンチレバーが使用可能である。
例えば、標的部分と特異的に結合する分子でカンチレバー62のチップを修飾することにより、分子間の親和力を用いて標的部分を回収することが可能である。例えば、予め、標的部分をビオチンで修飾し、カンチレバー62のチップをアビジンで修飾して、標的部分にカンチレバー62のチップを近づけることにより、ビオチン−アビジン結合により、標的部分を採取及び回収することが可能である。標的部分を採取及び回収には、その他のタンパク質相互作用、及び核酸相互作用等を用いてもよい。また、あるいは、標的部分を磁性粒子で修飾し、磁性を付与されたカンチレバー62のチップで標的部分を採取及び回収してもよい。
図14に示すマニピュレーター60は、例えば、記憶装置403から試料1の標的部分の輪郭の二次元画像又は三次元座標の情報を読み取り、標的部分の近傍に図15に示すカンチレバー62のチップを近づけてもよい。第4の実施の形態に係るレーザーマイクロダイセクターのその他の構成要素は、第1又は第2の実施の形態と同様である。
(その他の実施の形態)
上記のように本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば、第1の実施の形態では、顕微鏡として共焦点ラマン顕微分光装置を用いた例を示したが、二次元画像又は三次元画像を取得可能な共焦点レーザー顕微鏡、蛍光顕微鏡、及び電子顕微鏡等を用いてもよい。例えば、標的物質を蛍光物質や色素で染色すると、試料の二次元画像又は三次元画像において、標的部分の表面のみが光って観察される。例えば、二次元画像又は三次元画像を、明度に関して所定の値を基準にして二値化し、明るい部分のみを抽出することによって、標的部分の二次元画像又は三次元座標を得ることが可能となる。また、試料は、生体試料以外の人工物であってもよい。さらに、例えば、図16に示すように、標的部分を磁性粒子で修飾し、マニピュレーターとしての電磁石63で標的物質を回収してもよい。試料から複数単離された標的物質を、幅広の電磁石63で一度に回収してもよい。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。
1 試料
10 ステージ
20 顕微鏡
21 励起光源
22 ラインフィルター
23、24、28、43、44、53 反射鏡
25、30、46、51 レンズ
26 ハーフミラー
27、48 対物レンズ
29 バンドパスフィルタ
41 切断レーザー光源
42 ラインフィルター
45 アパーチャー
47 位置制御機構
50 ラマン分光器
52 ピンホール
54、56 凹面反射鏡
55 回折格子
57 検出器
60 マニピュレーター
61 キャピラリー
62 カンチレバー
63 電磁石
121 光源
127 対物レンズ
128 反射鏡
130 レンズ
131 検出器
301 標的部分特定部
302 画像生成部
401 表示装置
402 入力装置
403 記憶装置

Claims (30)

  1. 生体試料の三次元画像を取得する顕微鏡と、
    前記三次元画像から前記生体試料の標的部分の輪郭の三次元座標を特定する標的部分特定部と、
    前記生体試料を切断する、深紫外レーザー光である切断レーザー光を発する切断レーザー光源と、
    前記切断レーザー光を前記生体試料の標的部分に集束させるレンズと、
    前記標的部分の輪郭の三次元座標に基づき、前記生体試料の標的部分の周囲が切断されるよう、前記生体試料に対する前記切断レーザー光の入射位置を変化させる位置制御機構と、
    を備える、レーザーマイクロダイセクター。
  2. 前記切断レーザー光の波長範囲が200nm以上300nm以下である、請求項1に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  3. 前記切断レーザー光の焦点サイズが400nm以上10μm以下である、請求項1又は2に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  4. 前記切断レーザー光で単離された標的部分を回収するマニピュレーターを更に備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  5. 前記マニピュレーターが、前記標的部分を含む液体が毛細管現象により内部を上昇するキャピラリーを備える、請求項4に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  6. 前記キャピラリーの内壁が親水性である、請求項5に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  7. 前記キャピラリーの内壁に凹凸が設けられている、請求項6に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  8. 前記キャピラリーの内壁が粗面化されている、請求項6に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  9. 前記キャピラリーの内壁において、親水性の程度が導入口から奥に向けて上昇する、請求項6に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  10. 前記マニピュレーターが、前記標的部分を採取するカンチレバーを備える、請求項4に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  11. 前記マニピュレーターが磁力を用いて前記標的部分を回収する、請求項4に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  12. 前記マニピュレーターが分子間の親和力を用いて前記標的部分を回収する、請求項4に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  13. 前記顕微鏡が、共焦点レーザー顕微鏡、共焦点ラマン顕微分光装置、光学顕微鏡、蛍光顕微鏡、及び電子顕微鏡からなる群から選択されるいずれかである、請求項1から12のいずれか1項に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  14. 前記生体試料が固定されていない生体試料である、請求項1から13のいずれか1項に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  15. 前記生体試料が生体組織である、請求項1から14のいずれか1項に記載のレーザーマイクロダイセクター。
  16. 生体試料の三次元画像を取得することと、
    前記三次元画像から前記生体試料の標的部分の輪郭の三次元座標を特定することと、
    前記生体試料を切断する、深紫外レーザー光である切断レーザー光を発し、前記切断レーザー光を前記生体試料の標的部分に集束し、前記標的部分の輪郭の三次元座標に基づき、前記生体試料の標的部分の周囲が切断されるよう、前記生体試料に対する前記切断レーザー光の入射位置を変化させることと、
    を備える、レーザーマイクロダイセクション方法。
  17. 前記切断レーザー光の波長範囲が200nm以上300nm以下である、請求項16に
    記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
  18. 前記切断レーザー光の焦点サイズが400nm以上10μm以下である、請求項16又は17に記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
  19. 前記切断レーザー光で単離された標的部分をマニピュレーターで回収することを更に備える、請求項16から18のいずれか1項に記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
  20. 前記マニピュレーターが、前記標的部分を含む液体が毛細管現象により内部を上昇するキャピラリーを備える、請求項19に記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
  21. 前記キャピラリーの内壁が親水性である、請求項20に記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
  22. 前記キャピラリーの内壁に凹凸が設けられている、請求項21に記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
  23. 前記キャピラリーの内壁が粗面化されている、請求項21に記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
  24. 前記キャピラリーの内壁において、親水性の程度が導入口から奥に向けて上昇する、請求項21に記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
  25. 前記マニピュレーターが、前記標的部分を採取するカンチレバーを備える、請求項19に記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
  26. 前記マニピュレーターが磁力を用いて前記標的部分を回収する、請求項19に記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
  27. 前記マニピュレーターが分子間の親和力を用いて前記標的部分を回収する、請求項19に記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
  28. 前記生体試料の三次元画像を取得する顕微鏡が、共焦点レーザー顕微鏡、共焦点ラマン顕微分光装置、光学顕微鏡、蛍光顕微鏡、及び電子顕微鏡からなる群から選択されるいずれかである、請求項16から27のいずれか1項に記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
  29. 前記生体試料が固定されていない生体試料である、請求項16から28のいずれか1項に記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
  30. 前記生体試料が生体組織である、請求項16から29のいずれか1項に記載のレーザーマイクロダイセクション方法。
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