以下、スイッチング電源装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
スイッチング電源装置の一例としてのスイッチング電源装置1は、図1に示すように、直流入力部としての一対の直流入力端子2a,2b、直流出力部としての一対の直流出力端子3a,3b、一対の直流入力端子2a,2bと一対の直流出力端子3a,3bとの間に並列接続された複数(n個。nは2以上の整数)のコンバータ部41,42,・・・,4n、電圧比較部5および制御部6を備え、直流入力端子2a,2b間に入力される直流入力電圧Viに基づいて直流出力電圧Voを生成して直流出力端子3a,3bから負荷に出力可能に構成されている。なお、本例では一例として、直流入力電圧Viは、基準電位(本例では共通グランドG)に接続された直流入力端子2bを低電位側として、直流入力端子2a,2b間に入力される。また、本例では、直流出力端子3a,3bのうちの直流出力端子3bも共通グランドGに接続されて、スイッチング電源装置1が全体として非絶縁型コンバータ装置として構成されているため、直流出力電圧Voは、直流出力端子3bを低電位側として、直流出力端子3a,3b間から出力される。
コンバータ部41,42,・・・,4n(以下、特に区別しないときにはコンバータ部4ともいう)は、同一に(一例として、同一の構成の共振型コンバータとして)構成されている。以下では、コンバータ部4の構成について、コンバータ部41を例に挙げて説明する。
具体的には、図2に示すように、コンバータ部41は、スイッチング回路および整流平滑回路を備えている。スイッチング回路は、一例として、第1インダクタ411およびスイッチング素子421の直列回路、スイッチング素子421に並列接続された第1共振キャパシタ431、および一端が第1インダクタ411およびスイッチング素子421の接続点(第1接続点A)に接続された第2共振インダクタ441を備えている。また、スイッチング回路では、第1インダクタ411およびスイッチング素子421の直列回路が一対の直流入力端子2a,2b間に接続され、第1インダクタ411および第2共振インダクタ441の直列回路が一対の直流入力端子2a,2bのうちの一方の直流入力端子(この例では直流入力端子2a)に接続され、かつスイッチング素子421の一対の端子のうちの第1接続点Aに接続されていない端子が一対の直流入力端子2a,2bのうちの他方の直流入力端子(この例では直流入力端子2b)に接続されている。なお、第1共振キャパシタ431には、スイッチング素子421の出力容量(不図示)が含まれるものとする。また、スイッチング素子421は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)などの電界効果型トランジスタ、バイポーラトランジスタまたはGaN(窒化ガリウム)デバイスなどで構成されている。
以上の構成を備えてE級インバータ回路として構成されたスイッチング回路は、制御部6から供給される後述の駆動電圧Vp1,Vp2,・・・,Vpn(以下、特に区別しないときには駆動電圧Vpともいう)のうちの対応する駆動電圧Vp(この例では、駆動電圧Vp1)でスイッチング素子421が駆動されることにより、直流入力端子2a,2b間に入力される直流入力電圧Viを交流出力電圧Vacに変換して、第2共振インダクタ441の他端と直流入力端子2b(共通グランドG)との間に出力することが可能となっている。
整流平滑回路は、一例として、第2共振キャパシタ521および第3共振キャパシタ541の直列回路、第3共振キャパシタ541に並列接続された第3共振インダクタ551、第2共振キャパシタ521および第3共振キャパシタ541の接続点(第2接続点B)と直流出力端子3a,3b(本例では直流出力端子3a)との間に接続されたダイオード511、および直流出力端子3a,3b間に接続された平滑キャパシタ531を備えて、共振整流平滑回路として構成されている。具体的には、第2共振キャパシタ52および第3共振キャパシタ54の直列回路は、第2共振インダクタ441の他端と直流入力端子2b(共通グランドG)との間に接続されている。また、第2共振キャパシタ52およびダイオード51の直列回路が、第2共振インダクタ441の他端と直流出力端子3aとの間に接続されている。
以上の構成を備えた整流平滑回路は、スイッチング回路から出力される交流出力電圧Vacを直流出力電圧Voに変換して直流出力端子3a,3bに出力することが可能となっている。なお、コンバータ部41,42,・・・,4nの各整流平滑回路に含まれる平滑キャパシタ531,532,・・・,53n(なお、平滑キャパシタ531以外の平滑キャパシタ532,・・・,53nは図示を省略している)については、互いに並列に接続されている。このため、以下では、平滑キャパシタ531,532,・・・,53nの並列合成容量と同等の容量を有する1つの出力キャパシタCoが図1に示すように直流出力端子3a,3b間に接続されているものとして説明する。
電圧比較部5は、例えば、ヒステリシスコンパレータを備えて構成されて、直流出力電圧Voを検出しつつ、検出した直流出力電圧Voと、予め規定された基準電圧範囲(上限値VH1および下限値VL1で規定される電圧範囲)、予め規定された第1電圧値VH2および予め規定された第2電圧値VL2とを比較して、その比較結果を制御部6に出力する。この場合、第1電圧値VH2は、基準電圧範囲の上限値VH1より高い電圧値に規定され、第2電圧値VL2は、基準電圧範囲の下限値VL1より低い電圧値に規定されている。また、電圧比較部5は、ヒステリシスコンパレータと共に、ヒステリシスコンパレータの出力に基づいて上記の比較結果を示す情報を出力する他の回路(CPUなど)を備えて構成することもできる。また、ヒステリシスコンパレータを用いることなく、CPU、DSPおよびFPGAなどで電圧比較部5を構成することもできる。
制御部6は、n個のコンバータ部41,42,・・・,4nに一対一で対応するn個の駆動電圧Vp1,Vp2,・・・,Vpnを生成して、コンバータ部41,42,・・・,4nの各スイッチング素子421,422,・・・,42nに出力することにより、各コンバータ部41,42,・・・,4nに対する駆動制御を実行する。この場合、制御部6は、例えば図3に示すように、n個のコンバータ部4のうちのk1個(k1は、0以上n未満の整数)だけを駆動する第1駆動制御、およびn個のコンバータ部4のうちのk2個(k2は、k1を超えn以下の整数)だけを駆動する第2駆動制御を実行する。
具体的には、制御部6は、図3〜図15に示すように、負荷状態が一定のとき(重負荷状態で一定のとき、中負荷状態で一定のとき、および軽負荷状態で一定のとき)には、k2個のコンバータ部4を駆動する第2駆動制御の実行状態において、直流出力電圧Voが上昇して基準電圧範囲の上限値VH1に達したとの比較結果を電圧比較部5から取得したときには、第2駆動制御に代えて、k1個のコンバータ部4を駆動する第1駆動制御を実行するという動作と、第1駆動制御の実行状態において、直流出力電圧Voが低下して基準電圧範囲の下限値VL1に達したとの比較結果を電圧比較部5から取得したときには第2駆動制御を実行するという動作を繰り返すことで、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する(つまり、リップル(変動)の最大値が基準電圧範囲の上限値VH1となり、かつリップルの最小値が基準電圧範囲の下限値VL1となるように直流出力電圧Voを制御する)という定常動作を実行する。
また、制御部6は、図3,4に示すように、第2駆動制御の実行状態において、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を電圧比較部5から取得したときには、値k2を値k0(1以上k1未満の規定の整数。本例では一例として、k0=1)だけ増やして第2駆動制御での新たな値k2(つまり、k2←k2+k0)として第2駆動制御を継続すると共に、値k1を値k0(=1)だけ増やして第1駆動制御での新たな値k1(つまり、k1←k1+k0)とする。また、制御部6は、図5,6に示すように、第1駆動制御の実行状態において、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VH2に達したとの比較結果を電圧比較部5から取得したときには、現時点での値k1を予め規定された値k0(=1)だけ減らして第1駆動制御での新たな値k1(つまり、k1←k1−k0)として第1駆動制御を継続すると共に、値k2を値k0(=1)だけ減らして第2駆動制御での新たな値k2(つまり、k2←k2−k0)とする。
また、制御部6は、図7,8に示すように、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を電圧比較部5から取得した後の第2駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を下回るとの比較結果を電圧比較部5から一定期間Td継続して取得したときには、値k2を値k0だけさらに増やして第2駆動制御での新たな値k2(つまり、k2←k2+k0)として第2駆動制御を継続すると共に、値k1についても値k0だけさらに増やして第1駆動制御での新たな値k1(つまり、k1←k1+k0)とする。また、制御部6は、図9,10に示すように、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VH2に達したとの比較結果を電圧比較部5から取得した後の第1駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を上回るとの比較結果を電圧比較部5から一定期間Td継続して取得したときには、値k1を値k0(=1)だけさらに減らして第1駆動制御での新たな値k1(つまり、k1←k1−k0)として第1駆動制御を継続すると共に、値k2についても値k0だけさらに減らして第2駆動制御での新たな値k2(つまり、k2←k2−k0)とする。
これにより、制御部6は、図3〜図6に示すように負荷状態が小さく変化したとき(重負荷状態と中負荷状態との間で変化したときや、中負荷状態と軽負荷状態との間で変化したとき)、および図7〜図10に示すように負荷状態が大きく変化したとき(重負荷状態と軽負荷状態との間で変化したとき)には、第1駆動制御において駆動するコンバータ部4の個数k1を、変化前の負荷状態に対応する個数k1から変化後の負荷状態に対応する新たな個数k1に変更し、かつ第2駆動制御において駆動するコンバータ部4の個数k2を、変化前の負荷状態に対応する個数k2から変化後の負荷状態に対応する新たな個数k2に変更して、変化後の負荷状態において上記した負荷状態が一定のときと同じ駆動制御を実行することで(定常動作を行うことで)、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。
また、制御部6は、上記した第1駆動制御および第2駆動制御の各駆動制御において各コンバータ部4に出力する駆動電圧Vpについては、同一に構成された各コンバータ部4をゼロボルトスイッチング動作させ得るように固定時比率および固定周波数が予め規定された複数のスイッチングパルスを含む状態で生成する。これにより、各コンバータ部4は、この駆動電圧Vpによってバースト駆動される。
上記のように動作する制御部6は、例えば、スイッチングパルスを発生させる発振器、スイッチングパルスをそれぞれ入力するイネーブル制御可能なn個のゲート回路(n個のコンバータ部4に一対一で対応して設けられたゲート回路)、電圧比較部5からの比較結果に基づき第1駆動制御および第2駆動制御のいずれの駆動制御を各コンバータ部4に対して実行すべきかを決定すると共に、駆動すべきコンバータ部4に対応するゲート回路を駆動期間だけイネーブルにしてスイッチングパルスを駆動電圧Vpとして出力させ、かつ停止すべきコンバータ部4に対応するゲート回路をディスイネーブルにして駆動電圧Vpの出力を停止させる順序回路またはCPUで構成することができる。
次に、スイッチング電源装置1の軽負荷状態のときの定常動作、中負荷状態のときの定常動作、重負荷状態のときの定常動作、および負荷状態が小さく変化したとき(軽負荷状態と中負荷状態との間で変化したときや、中負荷状態と重負荷状態との間で変化したとき)の動作について図3〜図6および図11〜図13を参照して説明する。また、以下では、動作の理解を容易にするため、コンバータ部4の個数nを3とする。したがって、この例では、制御部6は、3個のコンバータ部41,42,43に一対一で対応する3個の駆動電圧Vp1,Vp2,Vp3を生成して出力するものとする。また、重負荷状態のときには、3個のコンバータ部4から出力される電流の合計がこの状態の負荷に供給される電流よりも大きくなり、2個のコンバータ部4から出力される電流の合計がこの状態の負荷に供給される電流よりも小さくなるものとする。また、中負荷状態のときには、2個のコンバータ部4から出力される電流の合計がこの状態の負荷に供給される電流よりも大きくなり、1個のコンバータ部4から出力される電流の合計がこの状態の負荷に供給される電流よりも小さくなるものとする。また、軽負荷状態のときには、1個のコンバータ部4から出力される電流がこの状態の負荷に供給される電流よりも大きくなるものとする。
最初に、図3を参照しつつ、スイッチング電源装置1の軽負荷状態のときの定常動作、軽負荷状態から中負荷状態に変化したときの動作、中負荷状態のときの定常動作、中負荷状態から重負荷状態に変化したときの動作、および重負荷状態のときの定常動作について説明する。
まず、時間t0から時間t4までの期間での軽負荷状態のときの定常動作について説明する。なお、制御部6は、時間t0の直前までは、第2駆動制御(駆動制御するコンバータ部4の数をk2(=1)とする制御)を各コンバータ部4に対して実行しているものとする。この場合、上記したように、1個のコンバータ部4から出力される電流は、軽負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きい。このため、時間t0の直前の期間では、1個のコンバータ部4から出力される電流と軽負荷状態の負荷に供給される電流との差分の電流によって出力キャパシタCoが充電されることから、図3に示すように、直流出力電圧Voが上昇する。
その後、時間t0において、上昇した直流出力電圧Voが基準電圧範囲の上限値VH1に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して基準電圧範囲の上限値VH1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、上記の第2駆動制御に代えて、駆動するコンバータ部4の数をk1(=0)とする第1駆動制御を時間t0から実行する。この場合、コンバータ部4のすべてが停止状態となっているため、出力キャパシタCoの放電によって負荷に対して電流が供給されることから、直流出力電圧Voは、上限値VH1から低下する。
その後、時間t1において、低下した直流出力電圧Voが基準電圧範囲の下限値VL1に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して基準電圧範囲の下限値VL1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、上記の第1駆動制御に代えて上記の第2駆動制御を時間t1から実行する。この場合、1個のコンバータ部4から出力される電流は軽負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きいため、この両電流の差分の電流によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、下限値VL1から上昇する。
その後、時間t2において、上昇した直流出力電圧Voが基準電圧範囲の上限値VH1に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して基準電圧範囲の上限値VH1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、上記の第2駆動制御に代えて上記の第1駆動制御を時間t2から実行する。この場合、コンバータ部4のすべてが停止状態となっているため、出力キャパシタCoの放電によって負荷に対して電流が供給されることから、直流出力電圧Voは、上限値VH1から低下する。
軽負荷状態が継続する時間t0から時間t4までの期間においては、制御部6が、上記した時間t0から時間t2までの動作を繰り返す(各コンバータ部4に対して、駆動するコンバータ部4の数をk1(=0)とする上記の第1駆動制御と、駆動するコンバータ部4の数をk2(=1)とする上記の第2駆動制御とを繰り返す)という軽負荷状態のときの定常動作を実行することにより、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。また、制御部6は、軽負荷状態(負荷が一定の状態)のときの定常動作の際に、図3に示すように(詳細には、図11に示すように)、3個のコンバータ部41,42,43の稼働率が平均化されるように、3個の駆動電圧Vp1,Vp2,Vp3を同じ周波数(バースト周波数)および同じ時比率で、かつ互いに所定時間(バースト周期の1/3の時間)だけずらした状態で生成して、コンバータ部41,42,43に出力して駆動する。これにより、図11に示すように、個々のコンバータ部4のバースト周期は、第1駆動制御と第2駆動制御の繰り返し周期(直流出力電圧Voのリップルの周期)のn倍(本例では、n=3であるため、3倍)となる。
次に、負荷が軽負荷状態から中負荷状態に変化し、かつその後にこの中負荷状態が継続するときのスイッチング電源装置1の動作について説明する。一例として、図3に示すように、スイッチング電源装置1が上記した軽負荷状態のときの定常動作を実行しているとき(この例では、駆動するコンバータ部4の個数をk1(=0)とする第1駆動制御の実行状態のとき)の時間t5において、負荷が軽負荷状態から中負荷状態に変化したとする。この場合、コンバータ部4のすべてが停止状態となっているため、出力キャパシタCoの放電によって負荷に対してより多くの電流が供給されることから、直流出力電圧Voが一層速く低下する。
その後、時間t6において、低下した直流出力電圧Voが基準電圧範囲の下限値VL1に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して基準電圧範囲の下限値VL1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第1駆動制御に代えて、駆動するコンバータ部4の個数をk2(=1)とする第2駆動制御を時間t6から実行する。しかしながら、上記したように1個のコンバータ部4から出力される電流は中負荷状態の負荷に供給される電流よりも小さい(つまり、1個のコンバータ部4から出力される電流だけでは中負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる)。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、下限値VL1からさらに低下する。
その後、時間t7において、低下した直流出力電圧Voが第2電圧値VL2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第2駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k2(=1)を値k0(=1)だけ増やして新たな個数k2(=2(=k2+k0))として、この新たな個数k2での第2駆動制御を継続する。また、制御部6は、第1駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k1(=0)についても値k0(=1)だけ増やして、新たな個数k1(=1(=k1+k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k2(=2)での第2駆動制御の継続を開始したときには、この個数k2をさらに増やす余地があるか否か(k2<nであるか否か)を判別して、増やす余地がある(k2=nでない)と判別したときには、この継続の開始時点(この例では時間t7)から予め規定された一定期間Td(例えば、数ms程度)だけ経過した時点において電圧比較部5から出力されている比較結果を取得すると共に、取得した比較結果に基づいて第1駆動制御での個数k1および第2駆動制御での個数k2を変更するか否かを判別する第1判別処理を実行する。この場合、個数k2をさらに増やす余地があるため(個数k2は2であり、n=3よりも小さいため)、制御部6は、この第1判別処理を実行する。
中負荷状態での駆動するコンバータ部4の個数k2を2とする第2駆動制御の継続状態においては、上記したように2個のコンバータ部4から出力される電流の合計は、中負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きい。このため、2個のコンバータ部4から出力される電流と中負荷状態の負荷に供給される電流との差分の電流によって出力キャパシタCoが充電されることから、図3に示すように、直流出力電圧Voは、第2電圧値VL2から上昇する。この場合、制御部6は、上記の第1判別処理において、上記の一定期間Tdの経過した時点(時間t8に達する前)において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を上回っているとの比較結果を電圧比較部5から取得する。また、これにより、制御部6は、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を取得した後の第2駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を下回る状態が一定期間Td継続しなかったと判別する。したがって、制御部6は、この一定期間Tdの経過した時点において、第1駆動制御での個数k1および第2駆動制御での個数k2に対する更なる変更は行わないと判別する。
その後、直流出力電圧Voは、基準電圧範囲の下限値VL1を超えて上昇し、時間t8において、基準電圧範囲の上限値VH1に達する。電圧比較部5は、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して基準電圧範囲の上限値VH1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、駆動するコンバータ部4の個数k2を2とする第2駆動制御に代えて、駆動するコンバータ部4の個数k1を1とする第1駆動制御を時間t8から実行する。この場合、上記したように1個のコンバータ部4から出力される電流は中負荷状態の負荷に供給される電流よりも小さいことから、1個のコンバータ部4から出力される電流だけでは中負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、上限値VH1から低下する。
その後、時間t9において、低下した直流出力電圧Voが基準電圧範囲の下限値VL1に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して下限値VL1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、この第1駆動制御に代えて上記の第2駆動制御を時間t9から実行する。この場合、この第2駆動制御の実行状態において駆動される2個のコンバータ部4から出力される電流の合計は中負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きいため、この両電流の差分の電流によって出力キャパシタCoが充電されて直流出力電圧Voは、下限値VL1から上昇する。
その後、時間t10において、上昇した直流出力電圧Voが基準電圧範囲の上限値VH1に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して基準電圧範囲の上限値VH1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、上記の第2駆動制御に代えて上記の第1駆動制御を時間t10から実行する。この場合、1個のコンバータ部4から出力される電流だけでは中負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、上限値VH1から低下する。
中負荷状態が継続する時間t8から時間t12までの期間においては、制御部6が、上記した時間t8から時間t10までの動作を繰り返す(各コンバータ部4に対して、駆動するコンバータ部4の個数をk1(=1)とする第1駆動制御と、駆動するコンバータ部4の個数をk2(=2)とする第2駆動制御とを繰り返す)という中負荷状態のときの定常動作を実行することにより、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。また、制御部6は、中負荷状態(負荷が一定の状態)のときの定常動作の際に、図3に示すように(詳細には、図12に示すように)、3個のコンバータ部41,42,43の稼働率が平均化されるように、3個の駆動電圧Vp1,Vp2,Vp3を同じ周波数(バースト周波数)および同じ時比率で、かつ互いに所定時間(バースト周期の1/3の時間)だけずらした状態で生成して、コンバータ部41,42,43に出力して駆動する。これにより、図12に示すように、個々のコンバータ部4のバースト周期は、第1駆動制御と第2駆動制御の繰り返し周期(直流出力電圧Voのリップルの周期)のn倍(本例では、n=3であるため、3倍)となる。
続いて、負荷が中負荷状態から重負荷状態に変化し、かつその後にこの重負荷状態が継続するときのスイッチング電源装置1の動作について説明する。一例として、図3に示すように、スイッチング電源装置1が上記した中負荷状態のときの定常動作を実行しているとき(この例では、駆動するコンバータ部4の個数をk1(=1)とする第1駆動制御の実行状態のとき)の時間t13において、負荷が中負荷状態から重負荷状態に変化したとする。この場合、1個のコンバータ部4から出力される電流だけでは中負荷状態の負荷に対しても供給すべき電流に不足が生じるため、重負荷状態の負荷に対しては供給すべき電流に一層不足が生じる。このため、出力キャパシタCoの放電によって負荷に対してより多くの電流が供給されることから、直流出力電圧Voが一層速く低下する。
その後、時間t14において、低下した直流出力電圧Voが基準電圧範囲の下限値VL1に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して基準電圧範囲の下限値VL1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第1駆動制御に代えて、駆動するコンバータ部4の個数をk2(=2)とする第2駆動制御を時間t14から実行する。しかしながら、上記したように2台のコンバータ部4から出力される電流の合計は重負荷状態の負荷に供給される電流よりも小さい(つまり、2台のコンバータ部4から出力される電流だけでは重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる)。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、下限値VL1からさらに低下する。
その後、時間t15において、低下した直流出力電圧Voが第2電圧値VL2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第2駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k2(=2)を値k0(=1)だけ増やして新たな個数k2(=3(=k2+k0))として、この新たな個数k2での第2駆動制御を継続する。また、制御部6は、第1駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k1(=1)についても値k0(=1)だけ増やして、新たな個数k1(=2(=k1+k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k2(=3)での第2駆動制御の継続を開始したときには、この個数k2をさらに増やす余地があるか否か(k2<nであるか否か)を判別して、増やす余地があると判別したときには、上記の第1判別処理を実行する。この場合、個数k2は3であり、この個数k2をさらに増やす余地はないため(k2<nではないため)、制御部6は、第1判別処理を実行しない。
重負荷状態での駆動するコンバータ部4の個数k2を3とする第2駆動制御の継続状態においては、上記したように3個のコンバータ部4から出力される電流の合計は、重負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きい。このため、3個のコンバータ部4から出力される電流と中負荷状態の負荷に供給される電流との差分の電流によって出力キャパシタCoが充電されることから、図3に示すように、直流出力電圧Voは、第2電圧値VL2から上昇する。
その後、直流出力電圧Voは、基準電圧範囲の下限値VL1を超えて上昇し、時間t16において、基準電圧範囲の上限値VH1に達する。電圧比較部5は、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して基準電圧範囲の上限値VH1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、駆動するコンバータ部4の個数k2を3とする第2駆動制御に代えて、駆動するコンバータ部4の個数k1を2とする第1駆動制御を時間t16から実行する。この場合、上記したように2個のコンバータ部4から出力される電流は重負荷状態の負荷に供給される電流よりも小さいことから、2個のコンバータ部4から出力される電流だけでは重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、上限値VH1から低下する。
その後、時間t17において、低下した直流出力電圧Voが基準電圧範囲の下限値VL1に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して下限値VL1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、この第1駆動制御に代えて上記の第2駆動制御を時間t17から実行する。この場合、この第2駆動制御の実行状態において駆動される3個のコンバータ部4から出力される電流の合計は重負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きいため、この両電流の差分の電流によって出力キャパシタCoが充電されて直流出力電圧Voは、下限値VL1から上昇する。
その後、時間t18において、上昇した直流出力電圧Voが基準電圧範囲の上限値VH1に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して基準電圧範囲の上限値VH1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、上記の第2駆動制御に代えて上記の第1駆動制御を時間t18から実行する。この場合、2個のコンバータ部4から出力される電流だけでは重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、上限値VH1から低下する。
重負荷状態が継続する時間t16以降の期間においては、制御部6が、上記した時間t16から時間t18までの動作を繰り返す(各コンバータ部4に対して、駆動するコンバータ部4の個数をk1(=2)とする第1駆動制御と、駆動するコンバータ部4の個数をk2(=3)とする第2駆動制御とを繰り返す)という重負荷状態のときの定常動作を実行することにより、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。また、制御部6は、重負荷状態(負荷が一定の状態)のときの定常動作の際に、図3に示すように(詳細には、図13に示すように)、3個のコンバータ部41,42,43の稼働率が平均化されるように、3個の駆動電圧Vp1,Vp2,Vp3を同じ周波数(バースト周波数)および同じ時比率で、かつ互いに所定時間(バースト周期の1/3の時間)だけずらした状態で生成して、コンバータ部41,42,43に出力して駆動する。これにより、同図に示すように、個々のコンバータ部4のバースト周期は、第1駆動制御と第2駆動制御の繰り返し周期(直流出力電圧Voのリップルの周期)のn倍(本例では、n=3であるため、3倍)となる。
なお、制御部6による軽負荷状態や中負荷状態のときの定常動作における第1駆動制御の実行時において、負荷が軽負荷状態から中負荷状態に変化したり、中負荷状態から重負荷状態に変化したりする例について上記したが、図4に示すように、制御部6による軽負荷状態や中負荷状態のときの定常動作における第2駆動制御の実行時において、負荷が軽負荷状態から中負荷状態に変化したり、中負荷状態から重負荷状態に変化したりする場合もある。
この場合のスイッチング電源装置1の動作について図4を参照して説明する。なお、軽負荷状態での定常動作、中負荷状態での定常動作、および重負荷状態での定常動作については、図3を参照して説明した上記の軽負荷状態、中負荷状態および重負荷状態での各定常動作と同じであるため説明を省略し、負荷が軽負荷状態から中負荷状態に変化したり、中負荷状態から重負荷状態に変化したりするときの動作について説明する。
例えば、図4に示すように、軽負荷状態の定常動作における第2駆動制御の実行中における時間t4において、負荷が中負荷状態に変化したときには、1台のコンバータ部4のみが駆動している状態において中負荷状態になることから、中負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、時間t4の時点での電圧値(下限値VL1を超え、上限値VH1未満の電圧値)から低下する。
その後、直流出力電圧Voが基準電圧範囲の下限値VL1に達した後もさらに低下して、時間t5において、低下した直流出力電圧Voが第2電圧値VL2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第2駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k2(=1)を値k0(=1)だけ増やして新たな個数k2(=2(=k2+k0))として、この新たな個数k2での第2駆動制御を継続する。また、制御部6は、第1駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k1(=0)についても値k0(=1)だけ増やして、新たな個数k1(=1(=k1+k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k2(=2)での第2駆動制御の継続を開始したときには、この個数k2をさらに増やす余地があるか否か(k2<nであるか否か)を判別して、増やす余地があると判別したときには、上記の第1判別処理を実行する。この場合、個数k2をさらに増やす余地があるため(個数k2は2であり、n=3よりも小さいため)、制御部6は、この第1判別処理を実行する。
中負荷状態での駆動するコンバータ部4の個数k2を2とする第2駆動制御の継続状態においては、上記したように2個のコンバータ部4から出力される電流の合計は、中負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きい。このため、2個のコンバータ部4から出力される電流と中負荷状態の負荷に供給される電流との差分の電流によって出力キャパシタCoが充電されることから、図4に示すように、直流出力電圧Voは、第2電圧値VL2から上昇する。この場合、制御部6は、上記の第1判別処理において、上記の一定期間Tdの経過した時点(時間t6に達する前)において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を上回っているとの比較結果を電圧比較部5から取得する。また、これにより、制御部6は、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を取得した後の第2駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を下回る状態が一定期間Td継続しなかったと判別する。したがって、制御部6は、この一定期間Tdの経過した時点において、第1駆動制御での個数k1および第2駆動制御での個数k2に対する更なる変更は行わないと判別する。
その後、直流出力電圧Voは、基準電圧範囲の下限値VL1を超えて上昇し、時間t6において、基準電圧範囲の上限値VH1に達する。この時間t6以降、時間t11までは、スイッチング電源装置1では、制御部6は、中負荷状態での定常動作を実行して、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。
また、例えば、図4に示すように、この中負荷状態の定常動作における第2駆動制御の実行中における時間t12において、負荷が重負荷状態に変化したときには、2台のコンバータ部4のみが駆動している状態において重負荷状態になることから、重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、時間t12の時点での電圧値(下限値VL1を超え、上限値VH1未満の電圧値)から低下する。
その後、直流出力電圧Voが基準電圧範囲の下限値VL1に達した後もさらに低下して、時間t13において、低下した直流出力電圧Voが第2電圧値VL2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第2駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k2(=2)を値k0(=1)だけ増やして新たな個数k2(=3(=k2+k0))として、この新たな個数k2での第2駆動制御を継続する。また、制御部6は、第1駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k1(=1)についても値k0(=1)だけ増やして、新たな個数k1(=2(=k1+k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k2(=3)での第2駆動制御の継続を開始したときには、この個数k2をさらに増やす余地があるか否か(k2<nであるか否か)を判別して、増やす余地があると判別したときには、上記の第1判別処理を実行する。この場合、個数k2は3であり、この個数k2をさらに増やす余地はないため(k2<nではないため)、制御部6は、第1判別処理を実行しない。
重負荷状態での駆動するコンバータ部4の個数k2を3とする第2駆動制御の継続状態においては、上記したように3個のコンバータ部4から出力される電流の合計は、重負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きい。このため、3個のコンバータ部4から出力される電流と重負荷状態の負荷に供給される電流との差分の電流によって出力キャパシタCoが充電されることから、図4に示すように、直流出力電圧Voは、第2電圧値VL2から上昇する。
その後、直流出力電圧Voは、基準電圧範囲の下限値VL1を超えて上昇し、時間t14において、基準電圧範囲の上限値VH1に達する。この時間t14以降は、スイッチング電源装置1では、制御部6は、重負荷状態での定常動作を実行して、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。
次に、負荷状態が重負荷状態から中負荷状態へ、また中負荷状態から軽負荷状態へと変化したときのスイッチング電源装置1の動作について図5,6を参照して説明する。なお、軽負荷状態での定常動作、中負荷状態での定常動作、および重負荷状態での定常動作については、図3を参照して説明した上記の軽負荷状態、中負荷状態および重負荷状態での各定常動作と同じであるため説明を省略し、負荷が重負荷状態から中負荷状態に変化したり、中負荷状態から軽負荷状態に変化したりするときの動作について説明する。
例えば、図5に示すように、重負荷状態の定常動作における第1駆動制御の実行中における時間t4において、負荷が中負荷状態に変化したときには、2台のコンバータ部4のみが駆動している状態において中負荷状態になることから、中負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、時間t4の時点での電圧値(下限値VL1を超え、上限値VH1未満の電圧値)から上昇する。
その後、直流出力電圧Voが基準電圧範囲の上限値VH1に達した後もさらに上昇して、時間t5において、上昇した直流出力電圧Voが第1電圧値VH2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VH2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第1駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k1(=2)を値k0(=1)だけ減らして新たな個数k1(=1(=k2−k0))として、この新たな個数k1での第1駆動制御を継続する。また、制御部6は、第2駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k2(=3)についても値k0(=1)だけ減らして、新たな個数k2(=2(=k1−k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k1(=1)での第1駆動制御の継続を開始したときには、この個数k1をさらに減らす余地があるか否か(k1=0でないか否か)を判別して、減らす余地がある(k1=0でない)と判別したときには、この継続の開始時点(この例では時間t5)から一定期間Tdだけ経過した時点において電圧比較部5から出力されている比較結果を取得すると共に、取得した比較結果に基づいて第1駆動制御での個数k1および第2駆動制御での個数k2を変更するか否かを判別する第2判別処理を実行する。この場合、個数k1をさらに減らす余地があるため(個数k1は1であり、0ではないため)、制御部6は、この第2判別処理を実行する。
中負荷状態での駆動するコンバータ部4の個数k1を1とする第1駆動制御の継続状態においては、上記したように1個のコンバータ部4から出力される電流は、中負荷状態の負荷に供給される電流よりも小さい。したがって、中負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、図5に示すように、第1電圧値VH2から低下する。この場合、制御部6は、上記の第2判別処理において、上記の一定期間Tdの経過した時点(時間t6に達する前)において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を下回っているとの比較結果を電圧比較部5から取得する。また、これにより、制御部6は、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VH2に達したとの比較結果を取得した後の第1駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を上回る状態が一定期間Td継続しなかったと判別する。したがって、制御部6は、この一定期間Tdの経過した時点において、第1駆動制御での個数k1および第2駆動制御での個数k2に対する更なる変更は行わないと判別する。
その後、直流出力電圧Voは、基準電圧範囲の上限値VH1に達した後もさらに低下し、時間t6において、基準電圧範囲の下限値VL1に達する。この時間t6以降、時間t11までは、スイッチング電源装置1では、制御部6は、中負荷状態での定常動作を実行して、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。
また、例えば、図5に示すように、この中負荷状態の定常動作における第1駆動制御の実行中における時間t12において、負荷が軽負荷状態に変化したときには、1台のコンバータ部4のみが駆動している状態において軽負荷状態になることから、軽負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、時間t12の時点での電圧値(下限値VL1を超え、上限値VH1未満の電圧値)から上昇する。
その後、直流出力電圧Voが基準電圧範囲の上限値VH1に達した後もさらに上昇して、時間t13において、上昇した直流出力電圧Voが第1電圧値VH2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VH2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第1駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k1(=1)を値k0(=1)だけ減らして新たな個数k1(=0(=k2−k0))として、この新たな個数k1での第1駆動制御を継続する。また、制御部6は、第2駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k2(=2)についても値k0(=1)だけ減らして、新たな個数k2(=1(=k1−k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k1(=0)での第1駆動制御の継続を開始したときには、この個数k1をさらに減らす余地があるか否か(k1=0でないか否か)を判別して、減らす余地があると判別したときには、上記の第2判別処理を実行する。この場合、個数k1は0であり、この個数k1をさらに減らす余地はないため、制御部6は、第2判別処理を実行しない。
軽負荷状態での駆動するコンバータ部4の個数k1を0とする第1駆動制御の継続状態においては、コンバータ部4のすべてが停止状態となっているため、出力キャパシタCoの放電によって負荷に対して電流が供給されることから、図5に示すように、直流出力電圧Voは、第1電圧値VH2から低下する。
その後、直流出力電圧Voは、基準電圧範囲の上限値VH1に達した後もさらに低下し、時間t14において、基準電圧範囲の下限値VL1に達する。この時間t14以降は、スイッチング電源装置1では、制御部6は、軽負荷状態での定常動作を実行して、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。
また、例えば、図6に示すように、重負荷状態の定常動作における第2駆動制御の実行中における時間t5において、負荷が中負荷状態に変化したときには、3台のコンバータ部4がすべて駆動している状態において中負荷状態になることから、中負荷状態の負荷に対して供給すべき電流により多くの過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、時間t5の時点での電圧値(下限値VL1を超え、上限値VH1未満の電圧値)から一層速く上昇する。
その後、直流出力電圧Voは、時間t6において、基準電圧範囲の上限値VH1に達する。電圧比較部5は、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して基準電圧範囲の上限値VH1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、駆動するコンバータ部4の個数k2を3とする第2駆動制御に代えて、駆動するコンバータ部4の個数k1を2とする第1駆動制御を時間t6から実行する。この場合、上記したように2個のコンバータ部4から出力される電流は中負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きいことから、中負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、上限値VH1からさらに上昇して、時間t7において第1電圧値VH2に達する
上昇した直流出力電圧Voが第1電圧値VH2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VH2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第1駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k1(=2)を値k0(=1)だけ減らして新たな個数k1(=1(=k2−k0))として、この新たな個数k1での第1駆動制御を継続する。また、制御部6は、第2駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k2(=3)についても値k0(=1)だけ減らして、新たな個数k2(=2(=k1−k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k1(=1)での第1駆動制御の継続を開始したときには、この個数k1をさらに減らす余地があるか否か(k1=0でないか否か)を判別して、減らす余地がある(k1=0でない)と判別したときには、上記の第2判別処理を実行する。この場合、個数k1をさらに減らす余地があるため(個数k1は1であり、0ではないため)、制御部6は、この第2判別処理を実行する。
中負荷状態での駆動するコンバータ部4の個数k1を1とする第1駆動制御の継続状態においては、上記したように1個のコンバータ部4から出力される電流は、中負荷状態の負荷に供給される電流よりも小さい。したがって、中負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、第1電圧値VH2から低下する。この場合、制御部6は、上記の第2判別処理において、上記の一定期間Tdの経過した時点(時間t8に達する前)において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を下回っているとの比較結果を電圧比較部5から取得する。また、これにより、制御部6は、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VH2に達したとの比較結果を取得した後の第1駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を上回る状態が一定期間Td継続しなかったと判別する。したがって、制御部6は、この一定期間Tdの経過した時点において、第1駆動制御での個数k1および第2駆動制御での個数k2に対する更なる変更は行わないと判別する。
その後、直流出力電圧Voは、基準電圧範囲の上限値VH1に達した後もさらに低下し、時間t8において、基準電圧範囲の下限値VL1に達する。この時間t8以降、時間t12までは、スイッチング電源装置1では、制御部6は、中負荷状態での定常動作を実行して、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。
また、例えば、図6に示すように、中負荷状態の定常動作における第2駆動制御の実行中における時間t13において、負荷が軽負荷状態に変化したときには、2台のコンバータ部4のみが駆動している状態において軽負荷状態になることから、軽負荷状態の負荷に対して供給すべき電流により多くの過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、時間t13の時点での電圧値(下限値VL1を超え、上限値VH1未満の電圧値)から一層速く上昇する。
その後、直流出力電圧Voは、時間t14において、基準電圧範囲の上限値VH1に達する。電圧比較部5は、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して基準電圧範囲の上限値VH1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、駆動するコンバータ部4の個数k2を2とする第2駆動制御に代えて、駆動するコンバータ部4の個数k1を1とする第1駆動制御を時間t14から実行する。この場合、上記したように1個のコンバータ部4から出力される電流は軽負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きいことから、軽負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、上限値VH1からさらに上昇して、時間t15において第1電圧値VH2に達する。
上昇した直流出力電圧Voが第1電圧値VH2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VH2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第1駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k1(=1)を値k0(=1)だけ減らして新たな個数k1(=0(=k2−k0))として、この新たな個数k1での第1駆動制御を継続する。また、制御部6は、第2駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k2(=2)についても値k0(=1)だけ減らして、新たな個数k2(=1(=k1−k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k1(=0)での第1駆動制御の継続を開始したときには、この個数k1をさらに減らす余地があるか否か(k1=0でないか否か)を判別して、減らす余地があると判別したときには、上記の第2判別処理を実行する。この場合、個数k1は0であり、この個数k1をさらに減らす余地はないため、制御部6は、第2判別処理を実行しない。
軽負荷状態での駆動するコンバータ部4の個数k1を0とする第1駆動制御の継続状態においては、コンバータ部4のすべてが停止状態となっているため、出力キャパシタCoの放電によって負荷に対して電流が供給されることから、直流出力電圧Voは、第1電圧値VH2から低下する。
その後、直流出力電圧Voは、基準電圧範囲の上限値VH1に達した後もさらに低下し、時間t16において、基準電圧範囲の下限値VL1に達する。この時間t16以降は、スイッチング電源装置1では、制御部6は、軽負荷状態での定常動作を実行して、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。
続いて、負荷状態が大きく変化したとき(軽負荷状態と重負荷状態との間で変化したとき)のスイッチング電源装置1の動作について図7〜図10を参照して説明する。なお、軽負荷状態での定常動作、および重負荷状態での定常動作については、図3を参照して説明した上記の軽負荷状態および重負荷状態での各定常動作と同じであるため説明を省略する。
例えば、図7に示すように、軽負荷状態の定常動作における第1駆動制御の実行中における時間t5において、負荷が重負荷状態に変化したときには、コンバータ部4のすべてが停止状態となっているため、出力キャパシタCoの放電によって負荷に対してより多くの電流が供給されることから、直流出力電圧Voが一層速く低下する。
その後、直流出力電圧Voは、時間t6において、基準電圧範囲の下限値VL1に達する。電圧比較部5は、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して基準電圧範囲の下限値VL1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、駆動するコンバータ部4の個数k1を0とする第1駆動制御に代えて、駆動するコンバータ部4の個数k2を1とする第2駆動制御を時間t6から実行する。この場合、上記したように1個のコンバータ部4から出力される電流は重負荷状態の負荷に供給される電流よりも小さいことから、重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、下限値VL1からさらに低下する。
その後、時間t7において、低下した直流出力電圧Voが第2電圧値VL2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第2駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k2(=1)を値k0(=1)だけ増やして新たな個数k2(=2(=k2+k0))として、この新たな個数k2での第2駆動制御を継続する。また、制御部6は、第1駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k1(=0)についても値k0(=1)だけ増やして、新たな個数k1(=1(=k1+k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k2(=2)での第2駆動制御の継続を開始したときには、この個数k2をさらに増やす余地があるか否か(k2<nであるか否か)を判別して、増やす余地がある(k2=nでない)と判別したときには、上記の第1判別処理を実行する。この場合、個数k2をさらに増やす余地があるため(個数k2は2であり、n=3よりも小さいため)、制御部6は、この第1判別処理を実行する。
重負荷状態では、駆動するコンバータ部4の個数k2を2とする第2駆動制御の継続状態においても、上記したように2個のコンバータ部4から出力される電流の合計は、重負荷状態の負荷に供給される電流よりも小さいことから、重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、第2電圧値VL2からさらに低下する。この場合、制御部6は、上記の第1判別処理において、上記の一定期間Tdの経過した時点(時間t8)において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を下回っているとの比較結果を電圧比較部5から取得する。また、これにより、制御部6は、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を取得した後の第2駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を下回る状態が一定期間Td継続したと判別する。
これにより、制御部6は、この時間t8において、第2駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k2(=2)を値k0(=1)だけさらに増やして新たな個数k2(=3(=k2+k0))として、この新たな個数k2での第2駆動制御を継続する。また、制御部6は、第1駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k1(=1)についても値k0(=1)だけさらに増やして、新たな個数k1(=2(=k1+k0))とする。この場合、上記したように3個のコンバータ部4から出力される電流は重負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きいことから、重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、時間t8の時点での電圧値(第2電圧値VL2を下回る電圧値)から上昇する。
その後、直流出力電圧Voは、第2電圧値VL2や基準電圧範囲の下限値VL1に達した後もさらに上昇して、時間t9において、基準電圧範囲の上限値VH1に達する。この時間t9以降は、スイッチング電源装置1では、制御部6は、重負荷状態での定常動作を実行して、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。
また、例えば、図8に示すように、軽負荷状態の定常動作における第2駆動制御の実行中における時間t6において、負荷が重負荷状態に変化したときには、1台のコンバータ部4のみが駆動している状態において重負荷状態になることから、重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に多くの不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、時間t6の時点での電圧値(上限値VH1未満の電圧値)から低下する。
その後、直流出力電圧Voが基準電圧範囲の下限値VL1に達した後もさらに低下して、時間t7において、低下した直流出力電圧Voが第2電圧値VL2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第2駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k2(=1)を値k0(=1)だけ増やして新たな個数k2(=2(=k2+k0))として、この新たな個数k2での第2駆動制御を継続する。また、制御部6は、第1駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k1(=0)についても値k0(=1)だけ増やして、新たな個数k1(=1(=k1+k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k2(=2)での第2駆動制御の継続を開始したときには、この個数k2をさらに増やす余地があるか否か(k2<nであるか否か)を判別して、増やす余地がある(k2=nでない)と判別したときには、上記の第1判別処理を実行する。この場合、個数k2をさらに増やす余地があるため(個数k2は2であり、n=3よりも小さいため)、制御部6は、この第1判別処理を実行する。
重負荷状態では、駆動するコンバータ部4の個数k2を2とする第2駆動制御の継続状態においても、上記したように2個のコンバータ部4から出力される電流の合計は、重負荷状態の負荷に供給される電流よりも小さいことから、重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、第2電圧値VL2からさらに低下する。この場合、制御部6は、上記の第1判別処理において、上記の一定期間Tdの経過した時点(時間t8)において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を下回っているとの比較結果を電圧比較部5から取得して、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を取得した後の第2駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を下回る状態が一定期間Td継続したと判別する。
これにより、制御部6は、この時間t8において、第2駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k2(=2)を値k0(=1)だけさらに増やして新たな個数k2(=3(=k2+k0))として、この新たな個数k2での第2駆動制御を継続する。また、制御部6は、第1駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k1(=1)についても値k0(=1)だけさらに増やして、新たな個数k1(=2(=k1+k0))とする。この場合、上記したように3個のコンバータ部4から出力される電流は重負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きいことから、重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、時間t8の時点での電圧値(第2電圧値VL2を下回る電圧値)から上昇する。
その後、直流出力電圧Voは、第2電圧値VL2や基準電圧範囲の下限値VL1に達した後もさらに上昇して、時間t9において、基準電圧範囲の上限値VH1に達する。この時間t9以降は、スイッチング電源装置1では、制御部6は、重負荷状態での定常動作を実行して、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。
また、例えば、図9に示すように、重負荷状態の定常動作における第1駆動制御の実行中における時間t6において、負荷が軽負荷状態に変化したときには、2台のコンバータ部4が駆動されている状態において軽負荷状態になることから、軽負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に多くの過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、時間t6の時点での電圧値(下限値VL1を超え、上限値VH1未満の電圧値)から上昇する。
その後、直流出力電圧Voが基準電圧範囲の上限値VH1に達した後もさらに上昇して、時間t7において、上昇した直流出力電圧Voが第1電圧値VH2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VH2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第1駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k1(=2)を値k0(=1)だけ減らして新たな個数k1(=1(=k1−k0))として、この新たな個数k1での第1駆動制御を継続する。また、制御部6は、第2駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k2(=3)についても値k0(=1)だけ減らして、新たな個数k2(=2(=k2−k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k1(=1)での第1駆動制御の継続を開始したときには、この個数k1をさらに減らす余地があるか否か(k1=0でないか否か)を判別して、減らす余地がある(k1=0でない)と判別したときには、上記の第2判別処理を実行する。この場合、個数k1をさらに減らす余地があるため(個数k1は1であり、0ではないため)、制御部6は、この第2判別処理を実行する。
軽負荷状態では、駆動するコンバータ部4の個数k1を1とする第1駆動制御の継続状態においても、上記したように1個のコンバータ部4から出力される電流は、軽負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きいことから、軽負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、第1電圧値VH2からさらに上昇する。この場合、制御部6は、上記の第2判別処理において、上記の一定期間Tdの経過した時点(時間t8)において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を上回っているとの比較結果を電圧比較部5から取得する。また、これにより、制御部6は、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VL2に達したとの比較結果を取得した後の第1駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を上回る状態が一定期間Td継続したと判別する。
これにより、制御部6は、この時間t8において、第1駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k1(=1)を値k0(=1)だけさらに減らして新たな個数k1(=0(=k1−k0))として、この新たな個数k1での第1駆動制御を継続する。また、制御部6は、第2駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k2(=2)についても値k0(=1)だけさらに減らして、新たな個数k2(=1(=k2−k0))とする。この場合、コンバータ部4のすべてが停止状態となるため、出力キャパシタCoの放電によって負荷に対して電流が供給されることから、直流出力電圧Voは、時間t8での電圧値(第1電圧値VH2を上回る電圧値)から低下する。
その後、直流出力電圧Voは、第1電圧値VH2や基準電圧範囲の上限値VH1に達した後もさらに低下して、時間t9において、基準電圧範囲の下限値VL1に達する。この時間t9以降は、スイッチング電源装置1では、制御部6は、軽負荷状態での定常動作を実行して、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。
また、例えば、図10に示すように、重負荷状態の定常動作における第2駆動制御の実行中における時間t5において、負荷が軽負荷状態に変化したときには、3台のコンバータ部4が駆動されている状態において軽負荷状態になることから、軽負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に多くの過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、時間t5の時点での電圧値(下限値VL1を超え、上限値VH1未満の電圧値)から上昇する。
その後、直流出力電圧Voが上昇して、時間t6において、基準電圧範囲の上限値VH1に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して基準電圧範囲の上限値VH1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、上記の第2駆動制御に代えて、駆動するコンバータ部4の数をk1(=2)とする第1駆動制御を時間t6から実行する。この場合、2台のコンバータ部4が駆動されている状態において軽負荷状態になることから、軽負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、上限値VH1からさらに上昇する。
また、その後、上昇した直流出力電圧Voが時間t7において第1電圧値VH2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VH2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第1駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k1(=2)を値k0(=1)だけ減らして新たな個数k1(=1(=k1−k0))として、この新たな個数k1での第1駆動制御を継続する。また、制御部6は、第2駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k2(=3)についても値k0(=1)だけ減らして、新たな個数k2(=2(=k2−k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k1(=1)での第1駆動制御の継続を開始したときには、この個数k1をさらに減らす余地があるか否か(k1=0でないか否か)を判別して、減らす余地がある(k1=0でない)と判別したときには、上記の第2判別処理を実行する。この場合、個数k1をさらに減らす余地があるため(個数k1は1であり、0ではないため)、制御部6は、この第2判別処理を実行する。
軽負荷状態では、駆動するコンバータ部4の個数k1を1とする第1駆動制御の継続状態においても、上記したように1個のコンバータ部4から出力される電流は、軽負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きいことから、軽負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、第1電圧値VH2からさらに上昇する。この場合、制御部6は、上記の第2判別処理において、上記の一定期間Tdの経過した時点(時間t8)において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を上回っているとの比較結果を電圧比較部5から取得して、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VL2に達したとの比較結果を取得した後の第1駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を上回る状態が一定期間Td継続したと判別する。
これにより、制御部6は、この時間t8において、第1駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k1(=1)を値k0(=1)だけさらに減らして新たな個数k1(=0(=k1−k0))として、この新たな個数k1での第1駆動制御を継続する。また、制御部6は、第2駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k2(=2)についても値k0(=1)だけさらに減らして、新たな個数k2(=1(=k2−k0))とする。この場合、コンバータ部4のすべてが停止状態となるため、出力キャパシタCoの放電によって負荷に対して電流が供給されることから、直流出力電圧Voは、時間t8での電圧値(第1電圧値VH2を上回る電圧値)から低下する。
その後、直流出力電圧Voは、第1電圧値VH2や基準電圧範囲の上限値VH1に達した後もさらに低下して、時間t9において、基準電圧範囲の下限値VL1に達する。この時間t9以降は、スイッチング電源装置1では、制御部6は、軽負荷状態での定常動作を実行して、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。
このように、このスイッチング電源装置1では、制御部6が、軽負荷状態、中負荷状態および重負荷状態での各定常動作において、コンバータ部4の個数(稼働台数)をk1(軽負荷状態では値0、中負荷状態では値1、重負荷状態では値2)とする第1駆動制御と、コンバータ部4の個数をk2(軽負荷状態では値1、中負荷状態では値2、重負荷状態では値3)とする第2駆動制御とを繰り返し実行することにより、直流出力電圧Voの変動(リップル)を基準電圧範囲となるように制御する。
したがって、このスイッチング電源装置1によれば、いずれの負荷状態のときにもすべてのコンバータ部4を同時に駆動し、また同時に停止させる駆動制御を行うことによって直流出力電圧の変動を1つの電圧範囲(1つの上限値および1つの下限値で規定される電圧範囲)となるように制御する従来のスイッチング電源装置と比較して、重負荷状態における出力電力を同等としつつ(コンバータ部4を並列接続することで出力電力を増加させつつ)、より軽い負荷状態ではコンバータ部4の個数(稼働台数)を減らすことで効率を向上させることができる。
また、このスイッチング電源装置1では、制御部6が、第1駆動制御の実行状態において、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VH2に達したとの比較結果を取得したときには、第1駆動制御でのコンバータ部4の個数k1を値k0(上記の例では値1)だけ減らして第1駆動制御での新たな個数k1として第1駆動制御を継続すると共に、第2駆動制御でのコンバータ部4の個数k2を値k0(=1)だけ減らして第2駆動制御での新たな個数k2とし、また第2駆動制御の実行状態において、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を取得したときには、個数k2を値k0(=1)だけ増やして第2駆動制御での新たな個数k2として第2駆動制御を継続すると共に、個数k1を値k0(=1)だけ増やして第1駆動制御での新たな個数k1とする。
したがって、このスイッチング電源装置1によれば、負荷状態が小さく変化したとしても(例えば、重負荷状態と中負荷状態との間で変化したときや、中負荷状態と軽負荷状態との間で変化したときであっても)、変化後の負荷状態での定常動作にスムーズに移行することができ、直流出力電圧Voの変動(リップル)を基準電圧範囲となるように制御することができる。
また、このスイッチング電源装置1では、制御部6が、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VH2に達したとの比較結果を取得した後の第1駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を上回るとの比較結果を一定期間Td継続して取得したときには、個数k1を値k0(=1)だけさらに減らして第1駆動制御での新たな個数k1として第1駆動制御を継続すると共に、個数k2を値k0(=1)だけさらに減らして第2駆動制御での新たな個数k2とし、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を取得した後の第2駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を下回るとの比較結果を一定期間Td継続して取得したときには、個数k2を値k0(=1)だけさらに増やして第2駆動制御での新たな個数k2として第2駆動制御を継続すると共に、個数k1を値k0(=1)だけさらに増やして第1駆動制御での新たな個数k1とする。
したがって、このスイッチング電源装置1によれば、負荷状態が大きく変化したとしても(例えば、重負荷状態と軽負荷状態との間で変化したときであっても)、変化後の負荷状態での定常動作にスムーズに移行することができる結果、直流出力電圧Voの変動(リップル)が基準電圧範囲となるように確実に制御することができる。
また、このスイッチング電源装置1では、制御部6は、負荷が一定の状態のときの定常動作(つまり、軽負荷状態での定常動作、中負荷状態での定常動作、および重負荷状態での定常動作)の際に、上記したように(図11〜図13を参照して説明したように)、3個の駆動電圧Vp1,Vp2,Vp3を同じ周波数(バースト周波数)および同じ時比率で、かつ互いに所定時間(バースト周期の1/3の時間)だけずらした状態で生成して、コンバータ部41,42,43に出力して駆動する。
したがって、このスイッチング電源装置1によれば、負荷が一定の状態のときの定常動作の際に、3個のコンバータ部41,42,43の稼働率を平均化することができ、これにより、1つのコンバータ部4に対する負担を低減することができる結果、小型の放熱器を用いることができる。また、このスイッチング電源装置1によれば、従来のスイッチング電源装置(負荷が一定の状態のときの定常動作の際に、すべてのコンバータ部4を同時に駆動し、また同時に停止させる駆動制御を行うことによって直流出力電圧の変動を1つの電圧範囲となるように制御するスイッチング電源装置)と比較して、直流出力電圧Voのリップルを同じ電圧幅とする場合における個々のコンバータ部4のバースト周期(駆動期間と停止期間の繰り返し周期)を長くすること(つまり、バースト周波数を低くすること)ができるため、さらなる効率の向上を図ることができる。
なお、上記のスイッチング電源装置1では、一例として並列接続するコンバータ部4の個数を3個とする構成を採用しているが、並列接続するコンバータ部4の個数は、4個、5個など、3個以上の任意の数とすることもできるし、2個とする構成を採用することもできる。例えば、並列接続された2個のコンバータ部4を備えた構成のスイッチング電源装置1では、制御部6は、図14に示すように、2個のコンバータ部4のうちのk1個(k1=0)だけを駆動する第1駆動制御、および2個のコンバータ部4のうちのk2個(k2=1)だけを駆動する第2駆動制御を繰り返し実行することで、軽負荷状態での定常動作が可能となり、図15に示すように、2個のコンバータ部4のうちのk1個(k1=1)だけを駆動する第1駆動制御、および2個のコンバータ部4のうちのk2個(k2=2)を駆動する第2駆動制御を繰り返し実行することで、重負荷状態での定常動作が可能となる。
この並列接続するコンバータ部4の個数を2個とする構成を採用したスイッチング電源装置1においても、並列接続するコンバータ部4の個数を3個とする構成を採用した上記のスイッチング電源装置1と同様の効果を奏することができ、したがって、上記した従来のスイッチング電源装置と比較して、直流出力電圧Voのリップルを同じ電圧幅とする場合における個々のコンバータ部4のバースト周期(駆動期間と停止期間の繰り返し周期)を長くすること(つまり、バースト周波数を低くすること)ができる。
次に、この並列接続するコンバータ部4の個数を2個とする構成を採用したスイッチング電源装置1を例に挙げて、このスイッチング電源装置1における図14に示す軽負荷状態および図15に示す重負荷状態での各定常動作時におけるバースト周波数と、図19を用いて説明した従来のスイッチング電源装置のバースト周波数との関係について説明する。なお、この比較例としての従来のスイッチング電源装置は、ハイレベル参照電圧VHおよびローレベル参照電圧VLと、出力電圧(直流出力電圧)Voとの比較に基づいて、駆動期間と停止期間とを繰り返す構成のE級コンバータ回路を複数個(この場合、n=2とした上記のスイッチング電源装置1についての実施の形態と同じコンバータ部41,42の2個)、単純に並列接続してなる構成とする。
この場合の前提条件として、出力キャパシタCoの容量をCとし、基準電圧範囲の幅(上限値VH1と下限値VL1の差)、およびハイレベル参照電圧VHとローレベル参照電圧VLの差を共にΔVとする。また、2個の各コンバータ部41,42から駆動時(稼働時)に出力される電流をそれぞれi41,i42とし、最大負荷電流iMAXをiMAX=i41+i42とする。また、i41=i42とする。また、負荷率をaとして、負荷電流i2=a×iMAXとする。
まず、2個のコンバータ部4
1,4
2で構成された本例のスイッチング電源装置1を軽負荷状態で動作させたときの図14の波形図において、駆動状態および停止状態の各期間の長さを求めて合計することで、コンバータ部4
1,4
2のそれぞれの駆動期間(稼働期間)と停止期間の繰り返し周期を求め、繰り返し周波数f
1(繰り返し周期の逆数)を求める。
最初に、時間t0〜t1の期間、時間t1〜t2の期間、時間t2〜t3の期間、および時間t3〜t4の期間の各長さを出力キャパシタCoに充放電する電流と電圧の変化量から求めると、下記の式(1)、(2)、(3)、(4)で表される。
次に、上記式(1)〜(4)を合計して時間t0〜t4の期間の長さを求めて整理すると下記の式(5)で表される。
また、時間t0〜t4の期間の長さの逆数である繰り返し周波数f
1は、下記の式(6)で表される。なお、この式(6)が成立する負荷率aの範囲は、下記の式(7)で表される。
また、2つのコンバータ部4
1,4
2で構成された本例のスイッチング電源装置1を重負荷状態で動作させたときの図15の波形図において、駆動状態および停止状態の各期間の長さを求めて合計することで、コンバータ部4
1,4
2のそれぞれの駆動期間と停止期間の繰り返し周期を求め、繰り返し周波数f
1(繰り返し周期の逆数)を求める。
最初に、時間t0〜t1の期間、時間t1〜t2の期間、時間t2〜t3の期間、および時間t3〜t4の期間の各長さを出力キャパシタCoに充放電する電流と電圧の変化量から求めると、下記の式(8)、(9)、(10)、(11)で表される。
次に、上記式(8)〜(11)を合計して時間t0〜t4の期間の長さを求めて整理すると下記の式(12)で表される。
また、時間t0〜t4の期間の長さの逆数である繰り返し周波数f
2は、下記の式(13)で表される。なお、この式(13)が成立する負荷率aの範囲は、下記の式(14)で表される。
また、並列に接続された2つのコンバータ部4
1,4
2を上記した図19を用いて説明したように動作させる比較例のスイッチング電源装置での各コンバータ部4
1,4
2の駆動状態および停止状態の各期間の長さを求めて合計することで、この場合のコンバータ部4
1,4
2の駆動期間と停止期間の繰り返し周期を求め、繰り返し周波数f
0(繰り返し周期の逆数)を求める。時間t0〜t1の期間、および時間t1〜t2の期間の各長さを出力キャパシタCoに充放電する電流と電圧の変化量から求めると、下記の式(15)、(16)で表される。
次に、上記式(15)、(16)を合計して時間t0〜t2の期間の長さを求めて整理すると下記の式(17)で表される。
また、時間t0〜t2の期間の長さの逆数である繰り返し周波数f
0は、下記の式(18)で表される。なお、この式(18)が成立する負荷率aの範囲は、0≦a≦1である。
本例のスイッチング電源装置1の各コンバータ部4の駆動期間と停止期間の繰り返し周波数f1およびf2と、比較例のスイッチング電源装置の各コンバータ部4の駆動期間と停止期間の繰り返し周波数f0を比較したグラフを図16に示す。図16では、横軸を負荷率aとし、縦軸を規格化した繰り返し周波数としている。縦軸の値にiMAX/(4CΔV)を乗算すると実際の周波数となる。
図16に示すように、本例のスイッチング電源装置1では、最大負荷電流i
MAX、出力キャパシタCoの容量C、および直流出力電圧Voのリップルの電圧範囲(上限値と下限値との差)ΔVを同じとする条件下において、比較例のスイッチング電源装置よりも各コンバータ部4の駆動期間と停止期間の繰り返し周波数を、負荷率aのほぼ全域(a=0およびその近傍と、a=1およびその近傍を除くほぼ全域)に亘って大幅に下げることができる。具体的には、本例のスイッチング電源装置1での繰り返し周波数f
1,f
2の最大値(負荷率aが、0.25または0.75のときの周波数)は下記の式(19)で表される。一方、比較例のスイッチング電源装置での繰り返し周波数f
0の最大値(負荷率aが、0.5のときの周波数)は下記の式(20)で表される。
また、図示はしないが、制御部6が、値k0=1との条件下において、n個のコンバータ部4のうちの個数k1として(k−1)個だけを駆動する第1駆動制御、およびn個のコンバータ部4のうちの個数k2としてk個だけを駆動する第2駆動制御を繰り返し実行する際のバースト周波数は下記の式(21)で表され、この式(21)が成立する負荷率aの範囲は下記の式(22)で表される。また、このバースト周波数の最大値は、下記の式(23)で表される。一例として、個数nを3としたときのバースト周波数と負荷率aとの関係、個数nを4としたときのバースト周波数と負荷率aとの関係についても図16に示す。
この種のコンバータ部4(E級コンバータ回路などの共振コンバータ回路)では、起動して共振動作が安定するまでに数スイッチング周期かかり、この共振動作が安定するまでの間の損失は、安定時の損失と比べて大きい。このため、コンバータ部4の駆動期間と停止期間の繰り返し周波数が高いと、コンバータ部4の起動や停止の頻度が多いために損失が増えるが、本例のスイッチング電源装置1では、上記したように駆動期間と停止期間の繰り返し周波数(つまり、バースト周波数)を低くできるため、装置の効率を向上させることができる。
なお、上記したスイッチング電源装置1では、第1駆動制御で駆動するコンバータ部4の個数k1および第2駆動制御で駆動するコンバータ部4の個数k2を増減する際の値k0を1とする構成を採用しているが、この値k0は1に限定されるものではなく、コンバータ部4の個数nの大きさに応じて、2個、3個など、複数個とすることもできる。
また、コンバータ部4の個数nを3個、2個とした例について上記したが、個数nが4以上のときにも、各負荷状態において、駆動制御するコンバータ部4の個数をk1とする第1駆動制御と駆動制御するコンバータ部4の個数をk2とする第2駆動制御とを繰り返す定常動作を、負荷状態に対応した個数k1および個数k2で実行することで、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御することができる。
例えば、スイッチング電源装置1では、負荷状態がより重い負荷状態に変化したときには、第1駆動制御で駆動制御するコンバータ部4の個数k1を値k0だけ増やして新たな個数k1(←k1+k0)とすると共に、第2駆動制御で駆動制御するコンバータ部4の個数k2を値k0だけ増やして新たな個数k2(←k2+k0)として、また第1判別処理において必要と判別したときにはこの個数k1,k2を値k0だけさらに増やして新たな個数k1,k2として、駆動制御するコンバータ部4の個数をこの新たな個数k1とする第1駆動制御と駆動制御するコンバータ部4の個数をこの新たな個数k2とする第2駆動制御とを、変化後の負荷状態において繰り返す定常動作を実行する。
また、スイッチング電源装置1では、負荷状態がより軽い負荷状態に変化したときには、第1駆動制御で駆動制御するコンバータ部4の個数k1を値k0だけ減らして新たな個数k1(←k1−k0)とすると共に、第2駆動制御で駆動制御するコンバータ部4の個数k2を値k0だけ減らして新たな個数k2(←k2−k0)として、また第2判別処理において必要と判別したときにはこの個数k1,k2を値k0だけさらに減らして新たな個数k1,k2として、駆動制御するコンバータ部4の個数をこの新たな個数k1とする第1駆動制御と駆動制御するコンバータ部4の個数をこの新たな個数k2とする第2駆動制御とを、変化後の負荷状態において繰り返す定常動作を実行する。
これにより、このスイッチング電源装置1では、負荷状態が変化する都度、第1駆動制御で駆動制御するコンバータ部4の個数k1と第2駆動制御で駆動制御するコンバータ部4の個数k2とを、変化後の負荷状態に対応する新たな個数k1,k2にそれぞれ変更(増減)して、駆動制御するコンバータ部4の個数をこの新たな個数k1とする第1駆動制御と駆動制御するコンバータ部4の個数をこの新たな個数k2とする第2駆動制御とを変化後の負荷状態において繰り返す定常動作を実行することで、すべての負荷状態において、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御することができる。
次に、コンバータ部4の個数nが4以上のスイッチング電源装置1の動作について、一例として、個数nが4で、かつ値k0が1の具体例を挙げて説明する。この場合、負荷状態は、軽負荷状態、第1中負荷状態、第2中負荷状態(第1中負荷状態よりも重い負荷状態)、および重負荷状態の4つであって、軽負荷状態のときには、駆動するコンバータ部4の個数をk1(=0)とする第1駆動制御と、駆動するコンバータ部4の個数をk2(=1)とする第2駆動制御とを繰り返すという軽負荷状態のときの定常動作を制御部6が実行することで直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御し、第1中負荷状態のときには、駆動するコンバータ部4の個数をk1(=1)とする第1駆動制御と、駆動するコンバータ部4の個数をk2(=2)とする第2駆動制御とを繰り返すという第1中負荷状態のときの定常動作を制御部6が実行することで直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御し、第2中負荷状態のときには、駆動するコンバータ部4の個数をk1(=2)とする第1駆動制御と、駆動するコンバータ部4の個数をk2(=3)とする第2駆動制御とを繰り返すという第2中負荷状態のときの定常動作を制御部6が実行することで直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御し、重負荷状態のときには、駆動するコンバータ部4の個数をk1(=3)とする第1駆動制御と、駆動するコンバータ部4の個数をk2(=4)とする第2駆動制御とを繰り返すという重負荷状態のときの定常動作を制御部6が実行することで直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御するものとする。
この構成のスイッチング電源装置1の動作については、上記した4つの各負荷状態での定常動作、負荷状態が1段階変化したとき(例えば、負荷状態が軽負荷状態と第1中負荷状態との間で変化したとき)の動作、および負荷状態が2段階変化したとき(例えば、負荷状態が、第1中負荷状態を飛び越えて、軽負荷状態と第2中負荷状態との間で変化したとき)の動作については、上記したコンバータ部4の個数nが3のスイッチング電源装置1の動作と同じであるため、説明を省略する。このため、以下では、コンバータ部4の個数nが3のスイッチング電源装置1においては生じ得ない負荷状態の変化での動作、つまり、負荷状態が3段階変化したとき(つまり、負荷状態が、第1中負荷状態および第2中負荷状態を飛び越えて、軽負荷状態と重負荷状態との間で変化したとき)の動作について説明する。
例えば、図17に示すように、軽負荷状態の定常動作における第1駆動制御の実行中における時間t5において、負荷が第1中負荷状態および第2中負荷状態を飛び越えて重負荷状態に変化したときには、コンバータ部4のすべてが停止状態となっているため、出力キャパシタCoの放電によって負荷に対してより多くの電流が供給されることから、直流出力電圧Voが一層速く低下する。
その後、直流出力電圧Voは、時間t6において、基準電圧範囲の下限値VL1に達する。電圧比較部5は、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して基準電圧範囲の下限値VL1に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、駆動するコンバータ部4の個数k1を0とする第1駆動制御に代えて、駆動するコンバータ部4の個数k2を1とする第2駆動制御を時間t6から実行する。この場合、1個のコンバータ部4から出力される電流は重負荷状態の負荷に供給される電流よりも小さいことから、重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、下限値VL1からさらに低下する。
その後、時間t7において、低下した直流出力電圧Voが第2電圧値VL2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第2駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第2駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k2(=1)を値k0(=1)だけ増やして新たな個数k2(=2(=k2+k0))として、この新たな個数k2での第2駆動制御を継続する。また、制御部6は、第1駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k1(=0)についても値k0(=1)だけ増やして、新たな個数k1(=1(=k1+k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k2(=2)での第2駆動制御の継続を開始したときには、この個数k2をさらに増やす余地があるか否か(k2<nであるか否か)を判別して、増やす余地がある(k2=nでない)と判別したときには、上記の第1判別処理を実行する。この場合、個数k2をさらに増やす余地があるため(個数k2は2であり、n=4よりも小さいため)、制御部6は、この第1判別処理を実行する。
重負荷状態では、駆動するコンバータ部4の個数k2を2とする第2駆動制御の継続状態においても、2個のコンバータ部4から出力される電流の合計は、重負荷状態の負荷に供給される電流よりも小さいことから、重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、第2電圧値VL2からさらに低下する。この場合、制御部6は、第1判別処理において、上記の一定期間Tdの経過した時点(時間t8)において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を下回っているとの比較結果を電圧比較部5から取得する。また、これにより、制御部6は、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を取得した後の第2駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を下回る状態が一定期間Td継続したと判別する。
これにより、制御部6は、この時間t8において、第2駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k2(=2)を値k0(=1)だけさらに増やして新たな個数k2(=3(=k2+k0))として、この新たな個数k2での第2駆動制御を継続する。また、制御部6は、第1駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k1(=1)についても値k0(=1)だけさらに増やして、新たな個数k1(=2(=k1+k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k2(=3)での第2駆動制御の継続を開始したときには、この個数k2をさらに増やす余地があるか否か(k2<nであるか否か)を判別して、増やす余地がある(k2=nでない)と判別したときには、新たな第1判別処理を実行する。この場合、個数k2をさらに増やす余地があるため(個数k2は3であり、n=4よりも小さいため)、制御部6は、この第1判別処理を実行する。
重負荷状態では、駆動するコンバータ部4の個数k2を3とする第2駆動制御の継続状態においても、3個のコンバータ部4から出力される電流の合計は、重負荷状態の負荷に供給される電流よりも小さいことから、重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に不足が生じる。このため、この不足分については出力キャパシタCoの放電によってまかなわれることから、直流出力電圧Voは、時間t8のときの電圧値からさらに低下する。この場合、制御部6は、第1判別処理において、更なる一定期間Tdの経過した時点(時間t9)において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を下回っているとの比較結果を電圧比較部5から取得する。また、これにより、制御部6は、直流出力電圧Voが低下して第2電圧値VL2に達したとの比較結果を取得した後の第2駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第2電圧値VL2を下回る状態がさらに一定期間Td継続したと判別する。
これにより、制御部6は、この時間t9において、第2駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k2(=3)を値k0(=1)だけさらに増やして新たな個数k2(=4(=k2+k0))として、この新たな個数k2での第2駆動制御を継続する。また、制御部6は、第1駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k1(=1)についても値k0(=1)だけさらに増やして、新たな個数k1(=3(=k1+k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k2(=3)での第2駆動制御の継続を開始したときには、この個数k2をさらに増やす余地があるか否か(k2<nであるか否か)を判別して、増やす余地がある(k2=nでない)と判別したときには、上記の第1判別処理を実行する。この場合、個数k2は4であり、この個数k2をさらに増やす余地はないため、制御部6は、第1判別処理を実行しない。
この場合、4個のコンバータ部4から出力される電流は重負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きいことから、重負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、時間t9の時点での電圧値(第2電圧値VL2を下回る電圧値)から上昇する。
その後、直流出力電圧Voは、第2電圧値VL2や下限値VL1に達した後もさらに上昇して、時間t10において、基準電圧範囲の上限値VH1に達する。この時間t10以降は、スイッチング電源装置1では、制御部6は、重負荷状態での定常動作を実行して、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。
また、例えば、図18に示すように、重負荷状態の定常動作における第1駆動制御の実行中における時間t6において、負荷が第2中負荷状態および第1中負荷状態を飛び越えて軽負荷状態に変化したときには、3台のコンバータ部4が駆動されている状態において軽負荷状態になることから、軽負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に多くの過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、時間t6の時点での電圧値(下限値VL1を超え、上限値VH1未満の電圧値)から上昇する。
その後、直流出力電圧Voが基準電圧範囲の上限値VH1に達した後もさらに上昇して、時間t7において、上昇した直流出力電圧Voが第1電圧値VH2に達すると、電圧比較部5が、これを検出して、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VH2に達したとの比較結果を制御部6に出力する。制御部6は、第1駆動制御の実行状態においてこの比較結果を取得して、第1駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k1(=3)を値k0(=1)だけ減らして新たな個数k1(=2(=k1−k0))として、この新たな個数k1での第1駆動制御を継続する。また、制御部6は、第2駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k2(=4)についても値k0(=1)だけ減らして、新たな個数k2(=3(=k2−k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k1(=2)での第1駆動制御の継続を開始したときには、この個数k1をさらに減らす余地があるか否か(k1=0でないか否か)を判別して、減らす余地がある(k1=0でない)と判別したときには、上記の第2判別処理を実行する。この場合、個数k1をさらに減らす余地があるため(個数k1は2であり、0ではないため)、制御部6は、この第2判別処理を実行する。
軽負荷状態では、駆動するコンバータ部4の個数k1を2とする第1駆動制御の継続状態においても、2個のコンバータ部4から出力される電流は、軽負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きいことから、軽負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、第1電圧値VH2からさらに上昇する。この場合、制御部6は、上記の第2判別処理において、上記の一定期間Tdの経過した時点(時間t8)において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を上回っているとの比較結果を電圧比較部5から取得する。また、これにより、制御部6は、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VL2に達したとの比較結果を取得した後の第1駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を上回る状態が一定期間Td継続したと判別する。
これにより、制御部6は、この時間t8において、第1駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k1(=2)を値k0(=1)だけさらに減らして新たな個数k1(=1(=k1−k0))として、この新たな個数k1での第1駆動制御を継続する。また、制御部6は、第2駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k2(=3)についても値k0(=1)だけさらに減らして、新たな個数k2(=2(=k2−k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k1(=1)での第1駆動制御の継続を開始したときには、この個数k1をさらに減らす余地があるか否か(k1=0でないか否か)を判別して、減らす余地がある(k1=0でない)と判別したときには、上記の第2判別処理を実行する。この場合、個数k1をさらに減らす余地があるため(個数k1は1であり、0ではないため)、制御部6は、この第2判別処理を実行する。
軽負荷状態では、駆動するコンバータ部4の個数k1を1とする第1駆動制御の継続状態においても、1個のコンバータ部4から出力される電流は、軽負荷状態の負荷に供給される電流よりも大きいことから、軽負荷状態の負荷に対して供給すべき電流に過剰が生じる。このため、この過剰分によって出力キャパシタCoが充電されることから、直流出力電圧Voは、時間t8の時点での電圧値からさらに上昇する。この場合、制御部6は、上記の第2判別処理において、更なる一定期間Tdの経過した時点(時間t9)において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を上回っているとの比較結果を電圧比較部5から取得する。また、これにより、制御部6は、直流出力電圧Voが上昇して第1電圧値VL2に達したとの比較結果を取得した後の第1駆動制御の継続状態において、直流出力電圧Voが第1電圧値VH2を上回る状態がさらに一定期間Td継続したと判別する。
これにより、制御部6は、この時間t9において、第1駆動制御において駆動している現在のコンバータ部4の個数k1(=1)を値k0(=1)だけさらに減らして新たな個数k1(=0(=k1−k0))として、この新たな個数k1での第1駆動制御を継続する。また、制御部6は、第2駆動制御において駆動する現在のコンバータ部4の個数k2(=2)についても値k0(=1)だけさらに減らして、新たな個数k2(=1(=k2−k0))とする。また、制御部6は、この新たな個数k1(=0)での第1駆動制御の継続を開始したときには、この個数k1をさらに減らす余地があるか否か(k1=0でないか否か)を判別して、減らす余地がある(k1=0でない)と判別したときには、上記の第2判別処理を実行する。この場合、個数k1は0であり、この個数k1をさらに減らす余地はないため、制御部6は、第2判別処理を実行しない。
軽負荷状態での駆動するコンバータ部4の個数k1を0とする第1駆動制御の継続状態においては、コンバータ部4のすべてが停止状態となっているため、出力キャパシタCoの放電によって負荷に対して電流が供給されることから、直流出力電圧Voは、時間t9の時点での電圧値からから低下する。
その後、直流出力電圧Voは、第1電圧値VH2や上限値VH1に達した後もさらに低下し、時間t10において、基準電圧範囲の下限値VL1に達する。この時間t10以降は、スイッチング電源装置1では、制御部6は、軽負荷状態での定常動作を実行して、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御する。
なお、第1駆動制御の実行中に負荷状態が変化した例を挙げて説明したが、第2駆動制御の実行中に負荷状態が変化した場合も同様であるため、説明を省略する。また、コンバータ部4の個数nが5以上のスイッチング電源装置1の動作については、負荷状態が4段階以上変化したときであっても、第1判別処理や第2判別処理を複数回(m段階変化したときには、(m−1)回)繰り返して、第1駆動制御において駆動するコンバータ部4の個数k1および第2駆動制御において駆動するコンバータ部4の個数k2を変化後の負荷状態に対応した個数に増減する。
このように、このコンバータ部4の個数nが4以上のスイッチング電源装置1によれば、負荷状態が3段階以上変化したときであっても、第1判別処理や第2判別処理を複数回(m段階変化したときには、(m−1)回)繰り返して、第1駆動制御において駆動するコンバータ部4の個数k1および第2駆動制御において駆動するコンバータ部4の個数k2を変化後の負荷状態に対応した個数に増減することができるため、この変化後の負荷状態においても、この変化後の負荷状態での定常動作を実行して、直流出力電圧Voを基準電圧範囲内に制御することができる。
また、上記の各実施の形態では、共振型コンバータとして構成した各コンバータ部4でのゼロボルトスイッチング条件を確実に満足させ得るように、制御部6が、各コンバータ部4をバースト駆動するための駆動電圧Vp(固定時比率および固定周波数が予め規定された複数のスイッチングパルスを含む電圧信号)を生成して出力する構成を採用したが、各コンバータ部4を非共振型コンバータとする場合には、各コンバータ部4を連続的にオン状態に駆動する1つのスイッチングパルスを駆動電圧Vpとして生成して出力する構成を採用することもできる。また、上記の各実施の形態では、コンバータ部4を共振型コンバータとして構成したが、これに限定されず、非共振型コンバータとすることもできる。