以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重畳した説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る印刷システムについて、図1〜図17を参照して説明する。本実施形態に係る印刷システムは、画像形成装置と、印刷サーバと、を備えるプル印刷システムである。印刷サーバは、ユーザにより印刷ジョブを登録され、登録された印刷ジョブの印刷ジョブデータを記憶する。画像形成装置は、印刷装置の一例であり、印刷サーバから印刷ジョブデータを受信し、印刷ジョブを実行する。
印刷ジョブデータは、印刷ジョブの実態データであり、印刷する画像の画像データと、印刷ジョブの属性を示す属性データと、を含む。印刷ジョブの属性には、印刷ジョブを登録したユーザのユーザID、ページ数、面数(両面印刷又は片面印刷)、カラー(モノクロ印刷又はカラー印刷)、登録日時、及び画像データのファイル形式などの情報が含まれる。
図1は、本実施形態に係る印刷システムの一例を示す図である。図1の印刷システムは、認証情報端末1と、認証サーバ2と、ユーザ端末3と、画像形成装置4と、印刷サーバ5と、を備える。
認証情報端末1は、ユーザが画像形成装置4にログインするための認証情報を、画像形成装置4に入力するための通信端末である。認証情報端末1は、例えば、IC(Integrated Circuit)カード、磁気カード、スマートフォンなどである。認証情報には、ユーザID、ユーザの所属、役職、及びパスワードなどの情報が含まれる。認証情報端末1は、ユーザごとに用意される。
図2は、認証情報端末1のハードウェア構成の一例を示す図である。図2の例では、認証情報端末1が、ICカードである場合を想定している。図2の認証情報端末1は、ROM(Read Only Memory)101と、通信インタフェース102と、バス103と、を備える。
ROM101は、認証情報などの情報を記憶する。通信インタフェース102は、画像形成装置4と通信する。バス103は、ROM101及び通信インタフェース102を接続する。
認証サーバ2は、認証情報端末1に記憶された認証情報に基づいて、認証処理を実行するサーバコンピュータである。認証サーバ2は、ネットワークを介して、画像形成装置4と接続される。
認証サーバ2は、画像形成装置4から認証情報を受信し、受信した認証情報に基づいて認証処理を実行し、認証処理の結果(以下、「認証結果」という)を画像形成装置4に返信する。認証サーバ2は、認証が成功した場合、認証結果と共に、ユーザ情報を画像形成装置4に返信する。ユーザ情報には、ユーザID、ユーザの所属、役職、ユーザが利用可能な印刷サーバ5のID、及びユーザが利用可能な印刷サーバ5のアドレスなどが含まれる。認証サーバ2による認証方法として、既存の任意の方法を利用できる。
図3は、認証サーバ2のハードウェア構成の一例を示す図である。図3の認証サーバ2は、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM202と、RAM(Random Access Memory)203と、HDD(Hard Disk Drive)204と、通信インタフェース205と、バス206と、を備える。
CPU201は、認証サーバ2の機能を実現するためのプログラムを実行する。ROM202は、CPU201が実行するプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201に作業領域を提供する。HDD204は、ユーザ認証のために利用される情報やユーザ情報などを記憶する。通信インタフェース205は、ネットワークを介して、画像形成装置4と通信する。バス206は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、及び通信インタフェース205を相互に接続する。
ユーザ端末3は、ユーザが印刷サーバ5に印刷ジョブを登録するためのクライアントコンピュータである。ユーザ端末3は、ネットワークを介して、印刷サーバ5に接続される。ユーザ端末3は、ユーザの操作に従って印刷ジョブ(印刷ジョブデータ)を生成し、生成した印刷ジョブデータを印刷サーバ5に送信する。
図4は、ユーザ端末3のハードウェア構成の一例を示す図である。図4のユーザ端末3は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、HDD304と、通信インタフェース305と、入力装置306と、表示装置307と、バス308と、を備える。
CPU301は、ユーザ端末3の機能を実現するためのプログラムを実行する。ROM302は、CPU301が実行するプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301に作業領域を提供する。HDD304は、印刷ジョブの生成に利用される各種の情報を記憶する。通信インタフェース305は、ネットワークを介して、画像形成装置4と通信する。入力装置306は、ユーザの操作に応じた情報をユーザ端末3に入力する。入力装置306は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネルなどである。表示装置307は、画像や動画を表示する。表示装置307は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、ブラウン管ディスプレイなどである。バス308は、CPU301、ROM302、RAM303、HDD304、通信インタフェース305、入力装置306、及び表示装置307を相互に接続する。
画像形成装置4は、印刷機能を備える装置であり、例えば、プリンタ装置や複合機などである。画像形成装置4は、ネットワークを介して、認証サーバ2、ユーザ端末3、及び印刷サーバ5と接続される。画像形成装置4は、認証サーバ2及び印刷サーバ5の少なくとも一方を備えていてもよい。画像形成装置4は、ログイン中のユーザが印刷サーバ5に登録した印刷ジョブを実行する。画像形成装置4の機能構成について、詳しくは後述する。
図5は、画像形成装置4のハードウェア構成の一例を示す図である。図5の例では、画像形成装置4がプリンタ装置を備えた複合機である場合を想定している。図5の画像形成装置4は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、通信インタフェース404と、操作パネル405と、プリンタ装置406と、認証情報読取装置407と、バス408と、を備える。
CPU401は、画像形成装置4の機能を実現するためのプログラムを実行する。ROM402は、CPU401が実行するプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401に作業領域を提供する。通信インタフェース404は、ネットワークを介して、認証サーバ2、ユーザ端末3、及び印刷サーバ5と通信する。操作パネル405は、タッチパネルであり、画像形成装置4の入出力装置を構成する。画像形成装置4は、操作パネル405以外の入出力装置を備えてもよい。プリンタ装置406は、CPU401により制御され、印刷媒体に画像を印刷する。認証情報読取装置407は、認証情報端末1から認証情報を読み取る。認証情報読取装置407は、例えば、ICカードリーダであるが、これに限られない。バス408は、CPU401、ROM402、RAM403、通信インタフェース404、操作パネル405、プリンタ装置406、及び認証情報読取装置407を相互に接続する。
印刷サーバ5は、画像形成装置4のユーザにより登録された印刷ジョブを蓄積するためのサーバコンピュータである。印刷サーバ5は、ネットワークを介して、ユーザ端末3及び画像形成装置4と接続される。印刷サーバ5は、ユーザにより登録された印刷ジョブの印刷ジョブデータを記憶する。また、印刷サーバ5は、画像形成装置4からの要求に応じて、画像形成装置4にログイン中のユーザが登録した印刷ジョブの印刷ジョブデータを、画像形成装置4に送信する。印刷サーバ5の機能構成について、詳しくは後述する。
図6は、印刷サーバ5のハードウェア構成の一例を示す図である。図6の印刷サーバ5は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、HDD504と、通信インタフェース505と、バス506と、を備える。
CPU501は、印刷サーバ5の機能を実現するためのプログラムを実行する。ROM502は、CPU501が実行するプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501に作業領域を提供する。HDD504は、ユーザ端末3から受信した印刷ジョブデータなどの情報を記憶する。通信インタフェース505は、ネットワークを介して、ユーザ端末3及び画像形成装置4と通信する。バス506は、CPU501、ROM502、RAM503、HDD504、及び通信インタフェース505を相互に接続する。
次に、画像形成装置4及び印刷サーバ5の機能構成について説明する。まず、画像形成装置4の機能構成について説明する。図1に示すように、画像形成装置4は、機能構成として、認証部41と、リスト取得部42と、ジョブ選択部43と、ジョブ実行部44と、設定条件記憶部45と、を備える。これらの各機能構成は、CPU401がプログラムを実行することにより実現される。
認証部41は、認証情報端末1からユーザの認証情報を取得し、取得した認証情報を認証サーバ2に送信し、認証サーバ2から認証結果を受信する。認証部41は、認証サーバ2による認証が失敗している場合、ユーザのログインを拒否する。一方、認証部41は、認証サーバ2による認証が成功している場合、認証結果と共にユーザ情報を受信し、受信したユーザ情報をリスト取得部42に渡し、ユーザのログインを許可する。
リスト取得部42は、画像形成装置4にログイン中のユーザが印刷サーバ5に登録した印刷ジョブを一覧したリスト(以下、「印刷ジョブリスト」という)を、印刷サーバ5から取得する。具体的には、リスト取得部42は、認証部41から受け取ったユーザ情報を含むリスト取得要求を印刷サーバ5に送信し、このリスト取得要求に応じて印刷サーバ5が生成した印刷ジョブリストを、印刷サーバ5から受信する。リスト取得部42は、取得した印刷ジョブリストを、ジョブ選択部43に渡す。
図7は、印刷ジョブリストの一例を示す図である。図7の印刷ジョブリストは、各印刷ジョブのジョブIDと、処理状態と、属性(ページ数、部数、面数、カラー、登録日時、及びファイル形式)と、を含む。処理状態は、その印刷ジョブが実行されたか否かを示す。未処理は実行されていないことを意味し、処理済みは実行されたことを意味する。印刷ジョブの処理状態は、印刷サーバ5により更新される。
また、図7に示すように、印刷ジョブリストには、ユーザIDが含まれなくてもよい。これは、印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブのユーザIDが、全て同じためである。
さらに、ユーザが利用可能な印刷サーバ5が複数存在する場合には、リスト取得部42は、各印刷サーバ5から印刷ジョブリストを受信し、受信した複数の印刷ジョブリストを統合することにより、印刷ジョブリストを生成してもよい。この場合、リスト取得部42は、印刷ジョブの属性として、その印刷ジョブが登録された印刷サーバ5のサーバIDやアドレスを追加するのが好ましい。
ジョブ選択部43は、印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブの中から、設定条件記憶部45に記憶された設定条件に従って、実行する印刷ジョブを選択する。ジョブ選択部43は、選択した印刷ジョブを、ジョブ実行部44に通知する。なお、設定条件については後述する。
ジョブ実行部44は、ジョブ選択部43から通知された印刷ジョブ、すなわち、ジョブ選択部43により選択された印刷ジョブを自動的に実行する。具体的には、ジョブ実行部44は、通知された印刷ジョブの印刷ジョブデータを印刷サーバ5から受信し、受信した印刷ジョブデータに含まれる画像データに所定の処理を施し、印刷ジョブを実行する。ジョブ実行部44は、印刷サーバ5に印刷ジョブデータを1つずつ要求し、印刷ジョブを1つずつ実行してもよい。また、ジョブ実行部44は、印刷サーバ5に印刷ジョブデータをまとめて要求し、印刷ジョブデータを受信した順に印刷ジョブを実行してもよい。
設定条件記憶部45は、予め設定された設定条件を記憶する。設定条件記憶部45は、設定条件を予め記憶していてもよいし、外部から受信した設定条件を記憶してもよい。例えば、設定条件記憶部45は、認証情報端末1から認証情報と共に設定条件を受信し、受信した設定条件を記憶してもよい。また、設定条件記憶部45は、認証サーバ2から認証結果と共に設定条件を受信し、受信した設定条件を記憶してもよい。さらに、設定条件記憶部45は、印刷サーバ5から印刷ジョブリストと共に設定条件を受信して記憶してもよいし、認証サーバ2による認証が成功した場合に、認証サーバ2から認証結果と共に設定条件を受信して記憶してもよい。
設定条件は、ユーザにより設定されてもよいし、デフォルトが設定されていてもよい。以下では、ユーザにより設定された設定条件をユーザ設定条件という。また、デフォルトで設定された設定条件を、システム設定条件という。設定条件記憶部45は、設定条件として、ユーザ設定条件と、システム設定条件と、の両方を記憶してもよい。
設定条件は、選択条件と、利用条件と、を含む。以下、選択条件及び利用条件についてそれぞれ説明する。
選択条件とは、印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブの中から、画像形成装置4が実行する印刷ジョブを選択するための条件である。ジョブ選択部43は、印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブの中から、選択条件を満たす印刷ジョブを選択する。選択条件の条件項目として、例えば、印刷ジョブ数、選択順序、処理状態、及び属性などが考えられる。
印刷ジョブ数は、選択する印刷ジョブの数である。印刷ジョブ数は、任意の自然数に設定し得る。選択順序は、印刷ジョブを選択する順序である。選択順序の設定値として、例えば、印刷ジョブの登録日時の昇順(古い順)及び降順(新しい順)などが考えられる。処理状態は、選択する印刷ジョブの処理状態である。処理状態の設定値として、未処理、処理済み、及び全てが考えられる。属性は、選択する印刷ジョブの属性である。属性の設定値として、ページ数、部数、モノクロ印刷、カラー印刷、片面印刷、両面印刷、画像データのファイル形式、及び登録日時などが考えられる。
図8は、設定条件記憶部45に記憶された選択条件の一例を示す図である。図8(A)は、システム設定条件であり、印刷部数が1部、選択順序が登録日時の降順、処理状態が未処理に設定されている。図8(A)の選択条件が利用される場合、ジョブ選択部43は、印刷ジョブリストに含まれる未処理の印刷ジョブの中から登録日時が最新の印刷ジョブを1つ選択する。そして、選択された印刷ジョブが、ジョブ実行部44により自動的に実行される。
図8(B)は、ユーザU1(ユーザIDがU1のユーザ)のユーザ設定条件であり、印刷部数が3部、選択順序が登録日時の降順、処理状態が未処理、要求属性がモノクロ印刷に設定されている。図8(B)の選択条件が利用される場合、ジョブ選択部43は、印刷ジョブリストに含まれる未処理かつモノクロ印刷の印刷ジョブの中から登録日時が新しい順に印刷ジョブを3つ選択する。そして、選択された印刷ジョブが、ジョブ実行部44により自動的に実行される。
このように、選択条件を予め設定しておくことにより、画像形成装置4は、選択条件を満たす印刷ジョブを自動的に実行することができる。なお、選択条件の条件項目や設定値は、上記の例に限られない。また、選択条件において、属性は、設定されなくてもよいし(図8(A)参照)、複数設定されてもよい。
ユーザは、このような選択条件を、ユーザ端末3から設定することができる。図9は、ユーザ端末3の表示装置307に表示される、選択条件の設定画面の一例を示す図である。図9の設定画面は、ユーザU1の選択条件の設定画面であり、図8(B)の選択条件に対応している。図9の例では、印刷ジョブ数は、テキストボックスに数値を入力することにより設定される。また、選択順序及び処理状態は、ラジオボックスを選択することにより設定される。また、属性は、チェックボックスを選択することにより設定される。一方で、システム設定条件は、例えば、管理者が図9の設定画面を介して設定すればよい。この場合、図9の設定画面は、システム設定条件の設定画面となる。
このような表示画面を介して設定された選択条件は、認証情報端末1、認証サーバ2、画像形成装置4、及び印刷サーバ5の少なくとも1つに記憶され、画像形成装置4が印刷ジョブを実行する際に、記憶先から受信され設定条件記憶部45に記憶される。また、ユーザごとの選択条件については、画像形成装置4にログインしているユーザに対応して設定された選択条件が記憶先から受信され、設定条件記憶部45に記憶されてもよい。例えば、ユーザごとの選択条件が認証サーバ2に記憶された場合に、認証サーバ2による認証が成功すれば、認証結果と共に認証が成功したユーザに対応して設定された選択条件を認証サーバ2から受信する。なお、認証情報端末1がスマートフォンである場合、選択条件は認証情報端末1から設定可能であってもよい。
利用条件とは、選択条件を利用するかを決定するための条件である。ジョブ選択部43は、利用条件に従って、選択条件を利用するかを決定する。利用条件の設定値として、「利用する」、及び「利用しない」の2値が考えられる。利用条件が「利用する」に設定されている場合、ジョブ選択部43は、選択条件を利用して印刷ジョブを選択する。また、利用条件が「利用しない」に設定されている場合、ジョブ選択部43は、選択条件を利用せず、印刷ジョブの選択を行わない。この場合、印刷ジョブの選択は、ユーザにより行われてもよい。
上記の利用条件(以下、「利用可否」という)の他に、利用条件の条件項目として、例えば、優先選択条件、装置属性、及び時間帯などが考えられる。
優先選択条件は、優先的に利用する選択条件である。優先選択条件の設定値として、ユーザ設定条件及びシステム設定条件が考えられる。装置属性は、選択条件を利用する(又は利用しない)画像形成装置4の属性である。装置属性の設定値として、画像形成装置4の機種、メーカ(製造元)、型番などが考えられる。また、複数機種、複数メーカ又は複数型番の画像形成装置4が設定されてもよい。さらに、装置属性の設定値として、画像形成装置4のIPアドレス、サブネット、機器のIDであってもよい。時間帯は、選択条件を利用する(又は利用しない)ユーザが画像形成装置4にログインする時間帯である。時間帯の設定値として、開始時刻及び終了時刻などが考えられる。また、日付や曜日を含む時間帯が設定されてもよいし、複数の時間帯が設定されてもよい。
利用可否、優先選択条件、装置属性、及び時間帯は、いずれか1つだけが利用されてもよいし、2つ以上が併用されてもよい。また、利用可否を上位の利用条件として利用し、他の利用条件を下位の利用条件として併用してもよい。この場合、利用可否が「利用する」に設定されている場合、ジョブ選択部43は、他の利用条件を利用して印刷ジョブを選択し、利用可否が「利用しない」に設定されている場合、他の利用条件に係わらず、印刷ジョブを選択しない。
図10は、設定条件記憶部45に記憶された利用条件の一例を示す図である。図10(A)は、システム設定条件であり、利用可否が「利用しない」、優先選択条件がシステム設定条件、時間帯が9:00(開始時刻)〜18:00(終了時刻)に設定されている。図10(A)の利用条件が設定されている場合、ジョブ選択部43は、9:00〜18:00の間、デフォルトで設定された選択条件を優先的に利用する。すなわち、ジョブ選択部43は、デフォルトで設定された選択条件が存在する場合、この選択条件に従って印刷ジョブを選択し、デフォルトで設定された選択条件が存在しない場合、ユーザにより設定された選択条件に従って印刷ジョブを選択する。そして、選択された印刷ジョブが、ジョブ実行部44により自動的に実行される。
これに対して、ジョブ選択部43は、9:00〜18:00を除く期間、選択条件を利用せず、印刷ジョブの選択を行わない。この場合、印刷ジョブの選択は、ユーザが操作パネル405を操作することにより行われてもよい。また、印刷ジョブの選択が行われず、印刷ジョブリストに含まれる全ての印刷ジョブが、ジョブ実行部44により自動的に実行されてもよい。
図10(B)は、ユーザ設定条件であり、利用可否が「利用する」、優先選択条件がユーザ設定条件、装置属性が4LineLCD機種に設定されている。図10(B)の利用条件が設定されている場合、4LineLCD機種の画像形成装置4のジョブ選択部43は、ユーザにより設定された選択条件を優先的に利用する。すなわち、ジョブ選択部43は、ユーザにより設定された選択条件が存在する場合、この選択条件に従って印刷ジョブを選択し、ユーザにより設定された選択条件が存在しない場合、デフォルトで設定された選択条件に従って印刷ジョブを選択する。そして、選択された印刷ジョブが、ジョブ実行部44により自動的に実行される。
これに対して、4LineLCD機種ではない画像形成装置4のジョブ選択部43は、選択条件を利用せず、印刷ジョブの選択を行わない。この場合、印刷ジョブの選択は、ユーザが操作パネル405を操作することにより行われてもよい。また、印刷ジョブの選択が行われず、印刷ジョブリストに含まれる全ての印刷ジョブが、ジョブ実行部44により自動的に実行されてもよい。
このように、利用条件を予め設定しておくことにより、画像形成装置4は、選択条件を利用するか自動的に決定することができる。例えば、操作パネル405の機能が乏しいために、操作パネル405を介してユーザが印刷ジョブを選択できない画像形成装置(以下、「プアな画像形成装置」という)4の機種を、選択条件を利用する装置属性として設定することが考えられる。
このような設定により、プアな画像形成装置4では、印刷ジョブが選択条件に従って選択され、自動的に実行される。これにより、ユーザによるプアな画像形成装置4の占有時間の長期化を抑制することができる。また、操作パネル405を介してユーザが印刷ジョブを選択できる画像形成装置(以下、「リッチな画像形成装置」という)4では、ユーザが操作パネル405を介して所望の印刷ジョブを選択し、実行することができる。
なお、利用条件の条件項目や設定値は、上記の例に限られない。また、設定条件には、利用条件が含まれなくてもよい。この場合、ジョブ選択部43は、選択条件を常に利用して、印刷ジョブを選択すればよい。また、本実施形態では、利用条件は、ユーザ設定条件が優先的に利用される。すなわち、ユーザ設定条件が設定されている場合、ユーザ設定条件が利用され、ユーザ設定条件が設定されていない場合、システム設定条件が利用される。
ユーザは、このような利用条件を、ユーザ端末3から設定することができる。図11は、ユーザ端末3の表示装置307に表示される、利用条件の設定画面の一例を示す図である。図11の設定画面は、ユーザU1の利用条件の設定画面であり、図10(B)の利用条件に対応している。図11の例では、利用可否及び優先選択条件は、ラジオボックスを選択することにより設定される。装置属性は、プルダウンメニューから設定値を選択することにより設定される。また、管理者がデフォルトの利用条件を設定し、一般ユーザが自身の利用条件を設定してもよいし、一般ユーザは設定せずに、管理者がデフォルトの利用条件及びユーザの利用条件を設定してもよい。
このような表示画面を介して設定された利用条件は、認証情報端末1、認証サーバ2、画像形成装置4、及び印刷サーバ5の少なくとも1つに記憶され、画像形成装置4が印刷ジョブを実行する際に、記憶先から受信され設定条件記憶部45に記憶される。また、ユーザごとの利用条件については、画像形成装置4にログインしているユーザに対応して設定された利用条件が記憶先から受信され、設定条件記憶部45に記憶されてもよい。例えば、ユーザごとの利用条件が認証サーバ2に記憶された場合に、認証サーバ2による認証が成功すれば、認証結果と共に認証が成功したユーザに対応して設定された利用条件を認証サーバ2から受信する。なお、認証情報端末1がスマートフォンである場合、利用条件は認証情報端末1から設定可能であってもよい。
次に、印刷サーバ5の機能構成について説明する。図1に示すように、印刷サーバ5は、機能構成として、ジョブ登録部51と、ジョブ記憶部52と、リスト生成部53と、ジョブ送信部54と、を備える。これらの各機能構成は、CPU501がプログラムを実行することにより実現される。
ジョブ登録部51は、ユーザ端末3が生成した印刷ジョブを印刷サーバ5に登録する。具体的には、ジョブ登録部51は、ユーザ端末3から印刷ジョブデータを受信し、受信した印刷ジョブデータをジョブ記憶部52に格納する。
また、ジョブ登録部51は、受信した印刷ジョブデータに含まれる属性データを、印刷サーバ5に登録された印刷ジョブのリスト(以下、「登録ジョブリスト」という)に追加する。これにより、受信した印刷ジョブデータに対応する新たな印刷ジョブが、印刷サーバ5に登録される。ジョブ登録部51は、ユーザ端末3から印刷ジョブデータを受信するたびに、登録ジョブリストを更新する。
図12は、登録ジョブリストの一例を示す図である。図12の登録ジョブリストは、各印刷ジョブのジョブIDと、処理状態と、属性(ユーザID、ページ数、部数、面数、カラー、登録日時、及びファイル形式)と、を含む。ジョブ登録部51は、新たな印刷ジョブを登録する際に、その印刷ジョブにジョブIDを割り当てる。
ジョブ記憶部52は、印刷サーバ5に登録された印刷ジョブの印刷ジョブデータと、登録ジョブリストと、を記憶する。
リスト生成部53は、リスト取得部42からリスト取得要求を受信し、このリスト取得要求に応じて印刷ジョブリストを生成し、生成した印刷ジョブリストをリスト取得部42に送信する。リスト生成部53は、ジョブ記憶部52を参照して、登録ジョブリストから、画像形成装置4にログイン中のユーザにより登録された印刷ジョブの情報を抽出することにより、印刷ジョブリストを生成する。リスト生成部53は、リスト取得要求に含まれるユーザIDと、印刷ジョブを登録したユーザのユーザIDと、を比較することにより、画像形成装置4にログイン中のユーザにより登録された印刷ジョブの情報を抽出することができる。
例えば、ジョブ記憶部52に図12の登録ジョブリストが記憶されており、ユーザU1が画像形成装置4にログインした場合について考える。この場合、リスト取得部42は、ユーザID(=U1)を含むリスト取得要求をリスト生成部53に送信する。リスト生成部53は、このリスト取得要求を受信すると、ユーザIDがU1である印刷ジョブの情報を、図12の登録ジョブリストから抽出する。これにより、印刷ジョブS0〜S2の情報が抽出される。リスト生成部53は、こうして抽出した情報を、印刷ジョブリストとしてリスト取得部42に送信してもよい。また、リスト生成部53は、抽出した情報に所定の処理を施して印刷ジョブリストを生成し、生成した印刷ジョブリストをリスト取得部42に送信してもよい。例えば、リスト生成部53は、印刷ジョブS0〜S2の情報からユーザIDを除去することにより、図7の印刷ジョブリストを生成することができる。
ジョブ送信部54は、ジョブ実行部44からの要求に応じて、ジョブ記憶部52から印刷ジョブデータを読み出し、読み出した印刷ジョブデータをジョブ実行部44に送信する。
次に、本実施形態に係る印刷システムの動作について説明する。図13は、本実施形態に係る印刷システムの動作の一例を示すフローチャートである。図14は、図13に対応するシーケンス図である。以下では、画像形成装置4をユーザU1が利用する場合を例に説明する。
まず、ユーザU1が、認証情報端末1から画像形成装置4に認証情報を送信する(ステップS101)。送信された認証情報は、画像形成装置4の認証部41により受信される。認証部41は、認証情報を受信すると、受信した認証情報を認証サーバ2に送信する(ステップS102)。
認証サーバ2は、認証情報を受信すると、受信した認証情報に基づいて、認証処理を実行する(ステップS103)。認証が失敗した場合(ステップS104のNO)、認証サーバ2は、画像形成装置4に認証結果(認証失敗)を送信する(ステップS105)。送信された認証結果は、画像形成装置4の認証部41に受信される。認証部41は、認証結果を受信すると、操作パネル405に認証が失敗したことを表示させる。以上で一連の処理が終了する。
一方、認証が成功した場合(ステップS104のYES)、認証サーバ2は、認証結果(認証成功)と、ユーザU1のユーザ情報と、を画像形成装置4に送信する(ステップS106)。送信された認証結果及びユーザ情報は、画像形成装置4の認証部41により受信される。認証部41は、認証結果及びユーザ情報を受信すると、操作パネル405に認証が成功したことを表示させると共に、受信したユーザ情報をリスト取得部42に渡す。
リスト取得部42は、ユーザU1のユーザ情報を受け取ると、このユーザ情報を含むリスト取得要求を印刷サーバ5に送信する(ステップS107)。リスト取得部42は、ユーザU1のユーザ情報を受け取ると、リスト取得要求を自動的に送信してもよい。また、リスト取得部42は、操作パネル405を介して入力されたユーザからの指示に従って、リスト取得要求を送信してもよい。送信されたリスト取得要求は、印刷サーバ5のリスト生成部53に受信される。
リスト生成部53は、リスト取得要求を受信すると、登録ジョブリストからユーザU1が登録した印刷ジョブの情報を抽出し、印刷ジョブリストを生成する(ステップS108)。リスト生成部53は、生成した印刷ジョブリストを画像形成装置4に送信する(ステップS109)。送信された印刷ジョブリストは、画像形成装置4のリスト取得部42に受信される。リスト取得部42は、印刷ジョブリストを受信すると、受信した印刷ジョブリストをジョブ選択部43に渡す。
ジョブ選択部43は、印刷ジョブリストを受け取ると、設定条件記憶部45に記憶された利用条件に従って、選択条件を利用するかを決定する(ステップS110)。この決定方法について、詳しくは後述する。ジョブ選択部43は、選択条件を利用する場合(ステップS110のYES)、選択条件に従って、印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブの中から、実行する印刷ジョブを選択する(ステップS111)。ジョブ選択部43は、印刷ジョブを選択すると、選択した印刷ジョブをジョブ実行部44に通知する。印刷ジョブの通知は、例えば、選択した印刷ジョブの情報(ジョブIDなど)を、ジョブ実行部44に渡すことにより行われる。
ジョブ実行部44は、印刷ジョブを通知されると、通知された印刷ジョブを自動的に実行する(ステップS112)。ジョブ実行部44は、印刷ジョブを実行すると、印刷サーバ5のジョブ送信部54に実行結果を送信する。ジョブ実行部44は、ある印刷ジョブを実行結果が成功である場合、ジョブ記憶部52に記憶された登録ジョブリストにおける、その印刷ジョブの処理状態を、処理済みに更新する。ジョブ実行部44は、1つの印刷ジョブを実行する毎に実行結果を送信してもよいし、全ての印刷ジョブの実行終了後に、まとめて実行結果を送信してもよい。なお、印刷ジョブの実行方法について、詳しくは後述する。
これに対して、ジョブ選択部43は、選択条件を利用しない場合(ステップS110のNO)、印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブをジョブ実行部44に通知する。ジョブ実行部44は、印刷ジョブを通知されると、通知された印刷ジョブを自動的に実行する(ステップS112)。すなわち、図13の例では、選択条件を利用しない場合、印刷ジョブリストに含まれる全ての印刷ジョブが自動的に実行される。
しかしながら、選択条件を利用しない場合の処理はこれに限られない。例えば、選択条件を利用しない場合、ジョブ選択部43は、印刷ジョブリストを操作パネル405に表示させ、実行する印刷ジョブをユーザU1に選択させてもよい。この場合、ジョブ実行部44は、ユーザU1が操作パネル405を介して選択した印刷ジョブを実行すればよい。
図15は、印刷ジョブの実行処理の一例を示すフローチャートである。図15のフローチャートは、図13のステップS112、及び図14のステップS112Aの内部処理に相当する。
まず、ジョブ実行部44は、通知された印刷ジョブの中から、1つの印刷ジョブを選択する(ステップS201)。印刷ジョブの選択方法は任意である。ジョブ実行部44は、例えば、選択順序の設定値(昇順又は降順)に従って、印刷ジョブの登録日時の昇順又は降順で印刷ジョブを選択してもよい。次に、ジョブ実行部44は、選択した印刷ジョブの印刷ジョブデータを要求するジョブ取得要求を、印刷サーバ5に送信する(ステップS202)。送信されたジョブ取得要求は、印刷サーバ5のジョブ送信部54に受信される。
ジョブ送信部54は、ジョブ取得要求を受信すると、要求された印刷ジョブの印刷ジョブデータをジョブ記憶部52から読み出し、読み出した印刷ジョブデータを画像形成装置4に送信する(ステップS203)。送信された印刷ジョブデータは、画像形成装置4のジョブ実行部44に受信される。
ジョブ実行部44は、印刷ジョブデータを受信すると、受信した印刷ジョブデータに基づいて、印刷ジョブを実行する(ステップS204)。ジョブ実行部44は、通知された印刷ジョブの中に、実行していない印刷ジョブがある場合(ステップS205のNO)、次に実行する印刷ジョブを1つ選択する(ステップS201)。一方、ジョブ実行部44は、通知された全ての印刷ジョブの実行が終了した場合(ステップS205のYES)、印刷ジョブの実行を終了する。
このように、図15の例では、通知された全ての印刷ジョブの実行が終了するまで、ステップS201〜S204の処理が繰り返される。すなわち、図15の例では、ジョブ実行部44は、印刷サーバ5に印刷ジョブデータを1つずつ要求しながら、印刷ジョブを実行する。
図16は、印刷ジョブの実行処理の他の例を示すフローチャートである。図16のフローチャートは、図13のステップS112、及び図14のステップS112Bの内部処理に相当する。
まず、ジョブ実行部44は、印刷ジョブの実行開始を要求するジョブ開始要求を、印刷サーバ5に送信する(ステップS301)。ジョブ実行部44は、実行開始する印刷ジョブとして、ジョブ選択部43により選択された全ての印刷ジョブを指定する。送信されたジョブ取得要求は、印刷サーバ5のジョブ送信部54に受信される。
ジョブ送信部54は、ジョブ開始要求を受信すると、ジョブ開始要求により指定された印刷ジョブの印刷ジョブデータを、ジョブ記憶部52から順次読み出し、読み出した印刷ジョブデータを画像形成装置4に順次送信する(ステップS302)。ジョブ送信部54が印刷ジョブデータを送信する印刷ジョブの順番は任意である。ジョブ送信部54は、例えば、選択順序の設定値(昇順又は降順)に従って、印刷ジョブの登録日時の昇順又は降順で印刷ジョブデータを送信してもよい。送信された印刷ジョブデータは、画像形成装置4のジョブ実行部44に受信される。
ジョブ実行部44は、印刷ジョブデータを受信すると、受信した印刷ジョブデータに基づいて、印刷ジョブを順次実行する(ステップS303)。ジョブ実行部44は、通知された印刷ジョブの中に、実行していない印刷ジョブがある場合(ステップS304のNO)、印刷ジョブデータの受信及び印刷ジョブの実行を継続する。一方、ジョブ実行部44は、通知された全ての印刷ジョブの実行が終了した場合(ステップS304のYES)、印刷ジョブの実行を終了する。
このように、図16の例では、通知された全ての印刷ジョブの実行が終了するまで、ステップS303の処理が繰り返される。また、ジョブ送信部54は、指定された全ての印刷ジョブの印刷ジョブデータの送信が終了するまで、ステップS302の処理を繰り返す。すなわち、図16の例では、ジョブ実行部44は、印刷サーバ5に印刷ジョブデータをまとめて要求し、印刷ジョブデータを受信した順に印刷ジョブを実行する。
図17は、選択条件を利用するかを決定する決定方法の一例を示すフローチャートである。図17のフローチャートは、図13のステップS110の内部処理に相当する。以下では、利用条件の条件項目に、利用可否、装置属性、時間帯及び優先選択条件が含まれるものとする。
まず、ジョブ選択部43は、利用条件における利用可否の設定値を確認する(ステップS401)。利用可否の設定値が「利用しない」である場合(ステップS401のNO)、ジョブ選択部43は、選択条件を利用しない、と決定する(ステップS411)。
一方、利用可否の設定値が「利用する」である場合(ステップS401のYES)、ジョブ選択部43は、利用条件における装置属性の設定値を確認する(ステップS402)。図10(A)の例のように、装置属性が設定されていない場合(ステップS402のNO)、処理はステップS405に進む。
一方、図10(B)の例のように、装置属性が設定されている場合(ステップS402のYES)、ジョブ選択部43は、ROM402などに記憶された自装置の装置属性を取得する(ステップS403)。そして、ジョブ選択部43は、取得した自装置の装置属性と、利用条件において設定された装置属性の設定値と、を比較する(ステップS404)。取得した自装置の装置属性と、利用条件において設定された装置属性の設定値と、が一致しない場合(ステップS404のNO)、ジョブ選択部43は、選択条件を利用しない、と決定する(ステップS411)。
一方、取得した自装置の装置属性と、利用条件において設定された装置属性の設定値と、が一致する場合(ステップS404のYES)、ジョブ選択部43は、利用条件における時間帯の設定値を確認する(ステップS405)。図10(B)の例のように、時間帯が設定されていない場合(ステップS405のNO)、処理はステップS408に進む。
一方、図10(A)の例のように、時間帯が設定されている場合(ステップS405のYES)、ジョブ選択部43は、現在時刻を取得する(ステップS406)。そして、ジョブ選択部43は、現在時刻と、利用条件において設定された時間帯の設定値と、を比較する(ステップS407)。現在時刻と、利用条件において設定された時間帯の設定値と、が一致しない場合(ステップS407のNO)、ジョブ選択部43は、選択条件を利用しない、と決定する(ステップS411)。
一方、現在時刻と、利用条件において設定された時間帯の設定値と、が一致する場合(ステップS407のYES)、ジョブ選択部43は、利用条件における優先選択条件の設定値を確認する(ステップS408)。図10(B)のように、優先選択条件がユーザ設定条件である場合(ステップS408のYES)、ジョブ選択部43は、選択条件のユーザ設定条件を利用する、と決定する(ステップS409)。
一方、図10(A)のように、優先選択条件がシステム設定条件である場合(ステップS408のNO)、ジョブ選択部43は、選択条件のシステム設定条件を利用する、と決定する(ステップS410)。
なお、優先選択条件がユーザ設定条件であるにもかかわらず、選択条件のユーザ設定条件が設定されていない場合には、ジョブ選択部43は、選択条件のシステム設定条件を利用する、と決定すればよい。同様に、優先選択条件がシステム設定条件であるにもかかわらず、選択条件のシステム設定条件が設定されていない場合には、ジョブ選択部43は、選択条件のユーザ設定条件を利用する、と決定すればよい。
以上説明した通り、本実施形態によれば、画像形成装置4により実行する印刷ジョブの選択条件を予め設定することができる。これにより、画像形成装置4は、設定された選択条件に従って印刷ジョブを自動的に選択し、選択した印刷ジョブを自動的に実行することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る印刷システムについて、図18及び図19を参照して説明する。本実施形態では、印刷ジョブの選択が印刷サーバ5により行われる印刷システムについて説明する。
図18は、本実施形態に係る印刷システムの一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置4は、ジョブ選択部43及び設定条件記憶部45を備えない。これに対して、本実施形態に係る印刷サーバ5は、ジョブ選択部55及び設定条件記憶部56を備える。他の構成は、第1実施形態と同様である。以下、ジョブ選択部55及び設定条件記憶部56について説明する。
ジョブ選択部55は、リスト生成部53が生成した印刷ジョブリスト(以下、「第1の印刷ジョブリスト」という)を、リスト生成部53から受け取る。ジョブ選択部55は、受け取った第1の印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブの中から、設定条件記憶部56に記憶された設定条件に従って、実行する印刷ジョブを選択する。ジョブ選択部55は、選択した印刷ジョブを一覧した印刷ジョブリスト(以下、「第2の印刷ジョブリスト」という)をリスト取得部42に送信する。
設定条件記憶部56は、予め設定された設定条件を記憶する。設定条件記憶部56は、設定条件を予め記憶していてもよいし、外部から受信した設定条件を記憶してもよい。例えば、設定条件記憶部56は、認証情報端末1から認証情報と共に画像形成装置4が受信した設定条件を、画像形成装置4から受信し、受信した設定条件を記憶してもよい。また、設定条件記憶部56は、認証サーバ2から認証結果と共に画像形成装置4が受信した設定条件を、画像形成装置4から受信し、受信した設定条件を記憶してもよい。設定条件については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
次に、本実施形態に係る印刷システムの動作について説明する。図19は、本実施形態に係る印刷システムの動作の一例を示すフローチャートである。図19のステップS101〜S108,S112は、第1実施形態(図13)と同様である。以下、ステップS113〜S115について説明する。
リスト生成部53は、第1の印刷ジョブリストを生成すると、生成した第1の印刷ジョブリストをジョブ選択部55に渡す。ジョブ選択部55は、第1の印刷ジョブリストを受け取ると、設定条件記憶部56に記憶された利用条件に従って、選択条件を利用するかを決定する。ジョブ選択部55は、選択条件を利用する場合(ステップS113のYES)、選択条件に従って、第1の印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブの中から、実行する印刷ジョブを選択する(ステップS114)。ジョブ選択部55は、印刷ジョブを選択すると、選択した印刷ジョブを一覧した第2の印刷ジョブリストを生成し、生成した第2の印刷ジョブリストを、画像形成装置4のリスト取得部42に送信する(ステップS115)。送信された第2の印刷ジョブリストは、リスト取得部42に受信される。
リスト取得部42は、第2の印刷ジョブリストを受信すると、受信した印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブを、ジョブ実行部44に通知する。ジョブ実行部44は、印刷ジョブを通知されると、通知された印刷ジョブを自動的に実行する(ステップS112)。ジョブ実行部44は、印刷ジョブを実行すると、印刷サーバ5のジョブ送信部54に実行結果を送信する。ジョブ送信部54は、ある印刷ジョブを実行結果が成功である場合、ジョブ記憶部52に記憶された登録ジョブリストにおける、その印刷ジョブの処理状態を、処理済みに更新する。ジョブ実行部44は、1つの印刷ジョブを実行する毎に実行結果を送信してもよいし、全ての印刷ジョブの実行終了後に、まとめて実行結果を送信してもよい。なお、印刷ジョブの実行方法について、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明した通り、本実施形態によれば、設定条件に従った印刷ジョブの選択を、印刷サーバ5により行うことができる。本実施形態に係る印刷サーバ5を利用することにより、画像形成装置4にジョブ選択部43や設定条件記憶部45を設ける必要がなくなるため、印刷ジョブの選択条件を設定可能な印刷システムを容易に構成することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る印刷システムについて、図20〜図23を参照して説明する。本実施形態では、選択された印刷ジョブの実行後、選択されなかった印刷ジョブを継続して実行可能な印刷システムについて説明する。
図20は、本実施形態に係る印刷システムの一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置4は、確認部46を備える。他の構成は、第1実施形態と同様である。以下、確認部46について説明する。
確認部46は、ジョブ選択部43から、選択条件に従って選択されなかった印刷ジョブ(以下、「非選択ジョブ」という)を通知される。確認部46は、ジョブ実行部44による、選択された印刷ジョブの実行後、ユーザに非選択ジョブを継続して実行するか確認する。確認部46は、非選択ジョブの一覧を、画像形成装置4の操作パネル405に表示させることにより、非選択ジョブを継続実行するかユーザに確認することができる。また、認証情報端末1がスマートフォンである場合、確認部46は、非選択ジョブの一覧を認証情報端末1に送信し、非選択ジョブを継続実行するかユーザに確認してもよい。
確認部46は、ユーザから、操作パネル405又は認証情報端末1を介して、非選択ジョブの継続実行を指示されると、非選択ジョブをジョブ実行部44に通知する。ジョブ実行部44は、非選択ジョブを通知されると、通知された非選択ジョブを自動的に実行する。
次に、本実施形態に係る印刷システムの動作について説明する。図21は、本実施形態に係る印刷システムの動作の一例を示すフローチャートである。図21のステップS101〜S112は、第1実施形態(図13)と同様である。以下、ステップS116〜S119について説明する。
ジョブ実行部44が選択された印刷ジョブを実行した後、確認部46は、非選択ジョブがあるか判定する(ステップS116)。具体的には、ステップS111において、ジョブ選択部43が、選択した印刷ジョブに対して選択されたことを示す選択済み情報を付与し、確認部46が、選択済み情報を付与されていない印刷ジョブの有無を確認すればよい。選択済み情報を付与されていない印刷ジョブが、非選択ジョブに相当する。非選択ジョブがない場合(ステップS116のNO)、印刷ジョブの実行処理は終了する。
なお、確認部46は、非選択ジョブの有無を確認するために、印刷サーバ5から再び印刷ジョブリストを取得してもよい。これは、ステップS109において、印刷サーバ5が印刷ジョブリストを送信した後、新たな印刷ジョブが印刷サーバ5に登録されている可能性があるためである。上記の新たな印刷ジョブは、非選択ジョブに相当する。具体的には、確認部46は、ステップS109において取得した印刷ジョブリストと、ステップS116において取得した印刷ジョブリストと、を比較し、上記の新たな印刷ジョブ(非選択ジョブ)の有無を確認すればよい。
一方、非選択ジョブがある場合(ステップS116のYES)、確認部46は、非選択ジョブを継続実行するかユーザに確認する(ステップS117)。この確認に対して、ユーザから継続実行の指示が所定時間以上入力されない場合、又は継続実行しない旨の指示が入力された場合(ステップS118のNO)、印刷ジョブの実行処理は終了する。
一方、確認部46からの確認に対して、ユーザから継続実行の指示が所定時間以内に入力された場合(ステップS118のYES)、確認部46は、非選択ジョブをジョブ実行部44に通知する。
ジョブ実行部44は、非選択ジョブを通知されると、通知された非選択ジョブを自動的に実行する(ステップS119)。ステップS119における非選択ジョブの実行方法は、ステップS112における印刷ジョブの実行方法と同様である。ジョブ実行部44は、非選択ジョブを実行すると、印刷サーバ5のジョブ送信部54に実行結果を送信する。
以上説明した通り、本実施形態によれば、選択条件に従って選択された印刷ジョブの実行後に、非選択ジョブを継続実行することが可能である。これにより、画像形成装置4にログイン中のユーザの他に、その画像形成装置4を利用するユーザがおらず、画像形成装置4を長時間占有可能な場合、ログイン中のユーザは、非選択ジョブまで実行することができる。
なお、本実施形態において、ジョブ実行部44が印刷ジョブを実行した後、ジョブ選択部43が非選択ジョブの中から設定条件に従って再び印刷ジョブを選択し、確認部46が選択された印刷ジョブの継続実行をユーザに確認することも可能である。
また、本実施形態において、ジョブ実行部44が印刷ジョブを実行した後、リスト取得部42が印刷サーバ5から印刷ジョブリストを再び取得することも可能である。この場合、取得された印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブの中から、ジョブ選択部43が設定条件に従って再び印刷ジョブを選択し、確認部46が選択された印刷ジョブの継続実行をユーザに確認すればよい。
さらに、本実施形態において、第2実施形態に係る画像形成装置4に確認部46を設けることも可能である。図22は、本実施形態に係る印刷システムの他の例を示す図である。図22の画像形成装置4は、第2実施形態に係る画像形成装置4に確認部46を設けたものである。図23は、図22の印刷システムの動作の一例を示すフローチャートである。図23のステップS101〜S115は、第2実施形態(図19)と同様である。また、図23のステップS116〜S119は、図21と同様である。ただし、図23の例では、図21におけるジョブ選択部43の動作は、ジョブ選択部55が実行する。図22の印刷システムが図23の動作を行うことにより、第2実施形態の効果と同時に、本実施形態の上記の効果が得られる。
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。