JP6761896B2 - 構造体および光センサ - Google Patents

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Description

本発明は、構造体および光センサに関する。
近年、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話等の普及から、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型金属酸化膜半導体)等の固体撮像素子の需要が大きく伸びている。ディスプレイや光学素子のキーデバイスとしてカラーフィルタが使用されている。
特許文献1には、透明基板上に光散乱層を形成し、この光散乱層上にインクジェット方式により硬化型インクを付与して着色画素を形成してカラーフィルタを製造することが記載されている。特許文献1によれば、隔壁で囲まれた画素領域内にインクを付与する際に、隣接する画素間での混色を防止し、且つ領域内での白抜け、色ムラのない画素が形成されたカラーフィルタを提供できるとされている。
一方、特許文献2には、電子ペーパー用のカラーフィルタであって、透明基材と、透明基材上に設けられた着色層と、着色層の透明基材と反対側に設けられた散乱層と、を備え、着色層は、マトリクス状に配置された複数の単位画素を有し、各単位画素は、3色の着色エリアを含み、散乱層は、各色の着色エリアに対応する複数の散乱層エリアを有し、3色のうち少なくとも2色の着色エリアに対応する散乱層エリアは、互いに異なる散乱特性を有し、これにより3色の着色エリアの散乱強度が互いに近づけられているカラーフィルタが記載されている。そして、特許文献2によれば、視野角特性を改善すると共に、観察方向に応じた色の変化を抑制できるとされている。
特開2015−34961号公報 特開2016−170313号公報
近年において、可視光、紫外線、近赤外線などの光(以下、これらを合わせて環境光ともいう)を用いて各種センシングやイメージングなどを行う光センサの開発が検討されている。例えば、環境光を検出することで周囲の明るさを検出し、ディスプレイや照明器具などの光量を調整するなどの試みがなされている。
また、近年では、一つの電子機器において、複数の光センサを組み込んで、複数のセンサ機能を付与することも検討されている。しかしながら、このような電子機器は、センサ機能を増やすに伴い、それに用いられる光センサの数も増加することになるので、電子機器が大型になり易い傾向にあった。
よって、本発明の目的は、光センサの多機能化を実現できる構造体および、光センサを提供することにある。
かかる状況のもと、本発明者らが鋭意検討を行った結果、後述する構造体とすることで上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下を提供する。
<1> 支持体と、
支持体上に設けられた第1の光学フィルタ層と、
第1の光学フィルタ層の光路上に設けられた光散乱層と、
支持体上であって、第1の光学フィルタ層が設けられた領域とは異なる領域上に設けられた第2の光学フィルタ層とを有し、
第2の光学フィルタ層の光路上には、光散乱層が設けられていない構造体。
<2> 第1の光学フィルタ層および第2の光学フィルタ層は、それぞれ独立して、着色層、透明層、紫外線カット層、近赤外線カット層および近赤外線透過層から選ばれる少なくとも1種を含む、<1>に記載の構造体。
<3> 第2の光学フィルタ層は、着色層および近赤外線透過層から選ばれる少なくとも1種を含む、<1>または<2>に記載の構造体。
<4> 第1の光学フィルタ層は、着色層、透明層および近赤外線カット層から選ばれる少なくとも1種を含み、
第2の光学フィルタ層は、着色層および近赤外線透過層から選ばれる少なくとも1種を含む、<1>に記載の構造体。
<5> 第1の光学フィルタ層は、近赤外線カット層を含み、
第2の光学フィルタ層は、着色層を含む、<1>に記載の構造体。
<6> 着色層は、緑色着色層、赤色着色層、青色着色層、シアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層から選ばれる着色層である、<2>〜<5>のいずれか1つに記載の構造体。
<7> 光散乱層は、第1の光学フィルタ層への光入射側に設けられている、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の構造体。
<8> 光散乱層は、CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*の値が35〜100、a*の値が−20〜20、b*の値が−40〜30である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の構造体。
<9> 光散乱層は、CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*の値が35〜100、a*の値が−10〜0、b*の値が−35〜0である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の構造体。
<10> 光散乱層は、白色顔料を含む、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の構造体。
<11> 白色顔料は、平均一次粒子径50〜150nmの粒子である、<10>に記載の構造体。
<12> 白色顔料が酸化チタンである、<10>または<11>に記載の構造体。
<13> 光散乱層は、平均一次粒子径50〜150nmの粒子を光散乱層の全固形分に対して30〜60質量%含有する、<1>〜<12>のいずれか1つに記載の構造体。
<14> 第1の光学フィルタ層の光路上に、波長800〜1500nmの範囲の光の少なくとも一部をカットする近赤外線カット層を更に有する、<1>〜<13>のいずれか1つに記載の構造体。
<15> 近赤外線カット層は、波長800〜1500nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物を含む、<14>に記載の構造体。
<16> 近赤外線カット層は、アルカリ金属を含有するタングステン酸化物、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、テトラアザポルフィリン化合物、ジイモニウム化合物、スクアリリウム化合物および銅錯体から選ばれる少なくとも1種を含有する、<14>または<15>に記載の構造体。
<17> 近赤外線カット層は、ピロロピロール化合物を含有する、<14>または<15>に記載の構造体。
<18> 支持体上に、第1の光学フィルタ層と第2の光学フィルタ層とが二次元配置されている、<1>〜<17>のいずれか1つに記載の構造体。
<19> <1>〜<18>のいずれか1つに記載の構造体を含む光センサ。
本発明によれば、光センサの多機能化を実現できる構造体および、光センサを提供することができる。
本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。 本発明の構造体の一実施形態を示す概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されない。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さない基(原子団)と共に置換基を有する基(原子団)を包含する。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)を包含する。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルを表す。
本明細書において、化学式中のMeはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、Phはフェニル基をそれぞれ表す。
本明細書において、「近赤外線」は、波長700〜2500nmの光(電磁波)をいう。
本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も露光に含める。また、露光に用いられる光としては、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線または放射線が挙げられる。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定したポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TOSOH TSKgel Super HZM−HとTOSOH TSKgel Super HZ4000とTOSOH TSKgel Super HZ2000とを連結したカラムを用い、展開溶媒としてテトラヒドロフランを用いることによって求めることができる。
<構造体>
本発明の構造体は、支持体と、支持体上に設けられた第1の光学フィルタ層と、第1の光学フィルタ層の光路上に設けられた光散乱層と、支持体上であって、第1の光学フィルタ層が設けられた領域とは異なる領域上に設けられた第2の光学フィルタ層とを有し、第2の光学フィルタ層の光路上には、光散乱層が設けられていないことを特徴とする。
本発明の構造体によれば、第1の光学フィルタ層の光路上に光散乱層が設けられているので、第1の光学フィルタ層に対して斜めから光が照射されても、光散乱層によって斜め方向の光を散乱させて、第1の光学フィルタ層に対して斜めからの光も効率よく光センサの受光部で検出できる。このため、本発明の構造体を光センサに組み込んだ場合において、第1の光学フィルタ層が設けられた領域は、第2の光学フィルタ層が設けられた領域よりも入射角範囲が広いセンサ部として機能させることができる。
例えば、第1の光学フィルタ層が設けられた領域については、環境光センサなどとして用い、第2の光学フィルタ層が設けられた領域については、第2の光学フィルタ層の種類に応じて種々の用途に用いることができる。例えば、第2の光学フィルタ層として着色層を用いた場合においては、第2の光学フィルタ層を透過した光を検出することでカラーの画像などを取り込むことなどができる。また、第2の光学フィルタ層として近赤外線透過層を用いた場合においては、第2の光学フィルタ層を透過した光を検出することで近赤外線を検出でき、距離計測、ジェスチャー認識、バイタル認識などを行うことができる。
このように、本発明の構造体は、第1の光学フィルタ層と、第2の光学フィルタ層とで異なる入射角特性を有しているので、光センサ機能の多機能化を図ることができる。
なお、本発明において、光学フィルタ層とは、光を透過するフィルタ層を意味する。光学フィルタ層が透過する光としては、特に限定は無く、紫外線、可視光、近赤外線などが挙げられる。本発明における光学フィルタ層は、入射光のうち少なくとも一部の波長の光を透過するものであればよい。すなわち、本発明における光学フィルタ層は、入射光のうち、特定の波長の光を選択的に透過または遮光するものであってもよく、入射光をほぼ全透過するものであってもよい。
(支持体)
本発明の構造体において、支持体としては特に限定はない。用途に応じて適宜選択できる。例えば、シリコン基板、ガラス基板、樹脂基板、ゲルマニウム基板、ヒ化ガリウム(GaAs)基板、ガリウム砒素リン基板、窒化ガリウム(GaN)基板、炭化珪素(SiC)基板、インジウムガリウム砒素(InGaAs)基板などが挙げられる。また、支持体上には、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、透明導電膜などが形成されていてもよい。また、支持体上には、ブラックマトリックスが形成されている場合もある。また、支持体上には、必要により、上部の層との密着性改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下地層が設けられていてもよい。
(第1の光学フィルタ層)
本発明の構造体において、第1の光学フィルタ層は、光を透過するフィルタ層であればよく、特に限定は無い。例えば、入射光のうち、特定の波長の光を選択的に透過または遮光するフィルタ層や、入射光をほぼ全透過するフィルタ層などが挙げられる。第1の光学フィルタ層としては、波長300〜2000nmの範囲の光において、特定の波長の光を選択的に透過または遮光するフィルタ層や、前述の範囲の光をほぼ全透過するフィルタ層などが好ましい例として挙げられる。第1の光学フィルタ層の具体例としては、着色層、透明層、紫外線カット層、近赤外線カット層および近赤外線透過層などが挙げられ、近赤外線由来のノイズが低減された光を検出し易いという理由から近赤外線カット層であることが好ましい。
なお、本発明において、紫外線カット層とは、紫外線の少なくとも一部を遮光する分光特性を有するフィルタ層である。紫外線カット層は、可視光および/または近赤外線を透過させるものであってもよく、遮光するものであってもよい。また、近赤外線カット層とは、可視光を透過させ、近赤外線の少なくとも一部を遮光する分光特性を有するフィルタ層を意味する。また、近赤外線透過層とは、可視光の少なくとも一部を遮光し、近赤外線の少なくとも一部を透過させる分光特性を有するフィルタ層を意味する。
着色層としては、例えば、緑色着色層、赤色着色層、青色着色層、シアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層などが挙げられる。
透明層としては、波長400〜600nmの範囲における透過率の最小値が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。
近赤外線透過層としては、可視光を遮光し、近赤外線の少なくとも一部を透過させる分光特性を有するフィルタ層であればよく、特に限定はされない。また、近赤外線透過層は、1層の膜(単層膜)で構成されていてもよく、2層以上の膜の積層体(多層膜)で構成されていてもよい。また、近赤外線透過層が多層膜で構成されている場合は、多層膜全体として上述の分光特性を有していればよく、1層の膜自体についてはそれぞれ上述の分光特性を有していなくてもよい。
近赤外線透過層の好ましい例として、例えば、以下の(1)〜(4)のいずれかの分光特性を有するフィルタ層が挙げられる。
(1):厚み方向における光の透過率の、波長400〜640nmの範囲における最大値が20%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)であり、厚み方向における光の透過率の、波長800〜1300nmの範囲における最小値が70%以上(好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上)であるフィルタ層。このフィルタ層によれば、波長400〜640nmの範囲の光を遮光して、波長670nmを超える光を透過させることができる。
(2):厚み方向における光の透過率の、波長400〜750nmの範囲における最大値が20%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)であり、厚み方向における光の透過率の、波長900〜1300nmの範囲における最小値が70%以上(好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上)であるフィルタ層。このフィルタ層によれば、波長400〜750nmの範囲の光を遮光して、波長850nmを超える光を透過させることができる。
(3):厚み方向における光の透過率の、波長400〜830nmの範囲における最大値が20%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)であり、厚み方向における光の透過率の、波長1000〜1300nmの範囲における最小値が70%以上(好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上)であるフィルタ層。このフィルタ層によれば、波長400〜830nmの範囲の光を遮光して、波長940nmを超える光を透過させることができる。
(4):厚み方向における光の透過率の、波長400〜950nmの範囲における最大値が20%以下(好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下)であり、厚み方向における光の透過率の、波長1100〜1300nmの範囲における最小値が70%以上(好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上)であるフィルタ層。このフィルタ層によれば、波長400〜950nmの範囲の光を遮光して、波長1040nmを超える光を透過させることができる。
近赤外線カット層としては、可視光を透過させ、近赤外線の少なくとも一部を遮光する分光特性を有するフィルタ層であればよく、特に限定はされない。近赤外線カット層は、可視光をすべて透過するものであってもよく、可視光のうち、特定の波長領域の光を透過させ、特定の波長領域の光を遮光するものであってもよい。近赤外線カット層は、波長800〜1500nmの範囲の光の少なくとも一部をカットするフィルタ層であることが好ましい。近赤外線カット層の好ましい分光特性については後述する。
紫外線カット層としては、紫外線の少なくとも一部を遮光する分光特性を有するフィルタ層であればよく、特に限定はされない。紫外線カット層は、可視光および/または近赤外線を透過させるものであってもよく、遮光するものであってもよい。紫外線カット層は、波長400〜700nmの範囲における透過率の最小値が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。また、波長300〜400nmの範囲における透過率の最小値が15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることが更に好ましい。
第1の光学フィルタ層は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。例えば、2色以上の着色層で構成されていてもよく、1色以上の着色層と、透明層および/または近赤外線カット層とで構成されていてもよい。
第1の光学フィルタ層の厚さとしては、特に限定はない。例えば、100μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましく、1μm以下が特に好ましい。また、第1の光学フィルタ層が複数のフィルタ層で構成されている場合、各フィルタ層の厚さは同一であってもよく、異なっていてもよい。平坦性、密着性および入射角特性の観点から各フィルタ層の膜厚はほぼ同一であることが好ましい。また、隣接するフィルタ層同士の上面の高低差はほぼ同一であることが好ましい。
(光散乱層)
本発明の構造体は、第1の光学フィルタ層の光路上に光散乱層を有する。光散乱層は、第1の光学フィルタ層への光入射側、および、第1の光学フィルタ層から射出光側のいずれに設けられていてもよいが、視野角特性をより向上できるという理由から第1の光学フィルタ層への光入射側に設けられていることが好ましい。なお、光入射側とは、第1の光学フィルタ層の、支持体が設けられた面とは逆の面側を意図し、射出光側とは、第1の光学フィルタ層の、支持体が設けられた面と同じ面側を意図する。
本発明の構造体において、光散乱層は、CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*の値が35〜100、a*の値が−20〜20、b*の値が−40〜30の分光特性を有することが好ましく、L*の値が35〜100、a*の値が−10〜0、b*の値が−35〜0であることがより好ましい。このような分光特性を有する光散乱層は、白度および光散乱性に優れている。更には、このような分光特性を有する光散乱層を用いることで、環境光などの目的の光を効率よく検出することができる。光散乱層のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*の値、a*の値およびb*の値は、分光測光器(X−rite528、X−rite社製)を用いて測定した。具体的には、光源としてD65光源を用い、観測視野を2°とし、白色基準は分光測光器に付属のキャリブレーション基準板のホワイトパッチを用いて設定した。
光散乱層のL*の値は、40以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましく、60以上であることが更に好ましい。この態様によれば、白度および光散乱性に優れた光散乱層とすることができる。また、光散乱層のL*の値は、95以下が好ましく、90以下がより好ましく、85以下が更に好ましい。この態様によれば、適度な可視透明性を有する光散乱層とすることができ、環境光などの目的の光を効率よく検出できる。
光散乱層のa*の値は、−15以上が好ましく、−10以上がより好ましく、−5以上が更に好ましい。また、光散乱層のa*の値は、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、0以下が更に好ましい。この態様によれば、白度に優れた光散乱層とすることができる。
光散乱層のb*の値は、−35以上が好ましく、−30以上がより好ましく、−25以上が更に好ましい。また、光散乱層のb*の値は、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、0以下が更に好ましい。この態様によれば、白度に優れた光散乱層とすることができる。
光散乱層の膜厚は、3〜40μmであることが好ましい。膜厚の上限は、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、15μm以下が更に好ましい。膜厚の下限は、5μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましく、9μm以上が更に好ましい。光散乱層の膜厚が上記範囲であれば、センサの薄膜化、クロストーク抑制によるデバイス光学感度の向上という効果が期待できる。
光散乱層の波長400〜700nmの範囲の光に対する平均透過率は1%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、30%以上であることが特に好ましい。平均透過率の上限は、50%以下であることが好ましい。
光散乱層は、白色顔料を含むことが好ましい。なお、本発明において、白色顔料は純白色の顔料のみならず、白に近い明るい灰色(例えば灰白色、薄灰色など)の顔料などを含むこととする。
光散乱層中における白色顔料の含有量は、光散乱層の全固形分に対して1〜75質量%が好ましい。下限は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、25質量%以上が更に好ましく、35質量%以上が特に好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましく、45質量%以下が一層好ましく、42質量%以下が特に好ましい。白色顔料の含有量が上記範囲であれば、光散乱層の白度および光散乱性が良好である。光散乱層は、白色顔料を1種類のみ含んでいてもよく、2種類以上含んでいてもよい。光散乱層が白色顔料を2種類以上含む場合、それらの合計量が上記範囲内であることが好ましい。
白色顔料は、波長589nmの光に対する屈折率が2.10以上の粒子であることが好ましい。前述の屈折率は、2.10〜3.00であることが好ましく、2.50〜2.75であることがより好ましい。粒子の波長589nmの光に対する屈折率が2.10以上であれば、光散乱層のL*の値を大きくすることができ、好ましい。
白色顔料の屈折率は以下の方法で測定することができる。まず、白色顔料と、屈折率が既知である樹脂(分散剤)と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとを用いて分散液を作製する。その後、作製した分散液と屈折率が既知の樹脂とを混合し、塗布液の全固形分中における白色顔料の濃度が10質量%、20質量%、30質量%、40質量%の塗布液を作製する。これらの塗布液をシリコンウエハ上に300nmの厚さで製膜した後、得られる膜の屈折率をエリプソメトリー(ラムダエースRE−3300(商品名)、大日本スクリーン製造(株))を用いて測定する。その後、白色顔料濃度と屈折率をグラフ上にプロットして、白色顔料の屈折率を導出する。
光散乱層から白色顔料を以下の方法で取り出した後、上記の方法にて白色顔料の屈折率を測定することもできる。光散乱層から白色顔料を取り出す方法として、例えば、光散乱層に対し、2〜6mol/Lの塩基性溶液を光散乱層の質量の10〜30質量%加え、12時間加熱還流後、ろ過および洗浄して白色顔料を取り出すことができる。
また、白色顔料の屈折率は、「産総研計量標準報告 Vol. 6, No. 1(P.11);固体屈折率の測定技術とその標準確立に関する調査研究」に記載の方法で測定することもできる。
白色顔料の平均一次粒子径は、50〜300nmであることが好ましく、50〜200nmであることがより好ましく、50〜150nmであることが更に好ましく、50〜130nmであることがより一層好ましく、50〜100nmであることが特に好ましい。白色顔料の平均一次粒子径が上記範囲であれば、白度および光散乱性が良好な光散乱層とすることができる。なかでも、白色顔料の平均一次粒子径が、50〜150nm(好ましくは50〜130nm、より好ましくは50〜100nm)であれば、可視透明性を高めつつ、白度および光散乱性の良好な光散乱層とすることができる。更には、光散乱層の形成に用いる組成物の経時安定性を高めることができる。例えば、白色顔料などの沈降などを効果的に抑制できる。白色顔料の平均一次粒子径は、白色顔料を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、白色顔料の粒子が凝集していない部分(一次粒子)を観測することで求めることができる。本発明において、白色顔料の粒度分布から算出された個数基準の算術平均径を、白色顔料の平均一次粒子径とした。本発明において、白色顔料の粒度分布は、白色顔料の一次粒子を透過型電子顕微鏡を用いて写真を撮影した後、その写真を用いて画像処理装置で粒度分布を測定して求める。透過型電子顕微鏡としては、(株)日立製作所製電子顕微鏡(H−7000)を用いることができる。画像処理装置としては、(株)ニレコ製ルーゼックスAPを用いることができる。
光散乱層における平均一次粒子径50〜150nmの粒子の含有量は、光散乱層の全固形分に対して30〜60質量%であることが好ましく、35〜50質量%であることがより好ましい。この態様によれば、光散乱層の可視透明性を高めることができる。更には、光散乱層の形成に用いる組成物の経時安定性を高めることができる。
白色顔料としては、例えば、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、中空樹脂粒子、硫化亜鉛などが挙げられる。白色顔料は、チタン原子を有する粒子が好ましく、酸化チタンがより好ましい。酸化チタンとしては「酸化チタン 物性と応用技術 清野学著 1991年6月25日発行 技報堂出版発行」に記載の酸化チタンも好適に使用できる。
酸化チタンは、二酸化チタン(TiO)の含有量(純度)が70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることが更に好ましい。酸化チタンは、Ti2n−1(nは2〜4の数を表す。)で表される低次酸化チタン、酸窒化チタン等の含有量が30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。
酸化チタンは、ルチル型酸化チタンであってもよく、アナターゼ型酸化チタンでもよい。着色性、組成物の経時安定性の観点から、ルチル型酸化チタンが好ましい。特にルチル型酸化チタンは加熱しても、色差の変化が少なく、良好な着色性を有している。また、酸化チタンのルチル化率は、95%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。
ルチル型酸化チタンとしては、公知のものを使用することができる。ルチル型酸化チタンの製造方法には、硫酸法と塩素法の2種類あり、本発明では、いずれの製造方法により製造された酸化チタンも好適に使用することができる。ここで、硫酸法は、イルメナイト鉱石やチタンスラグを原料とし、これを濃硫酸に溶解して鉄分を硫酸鉄として分離し、分離した溶液を加水分解して水酸化物の沈殿物を得て、これを高温で焼成してルチル型酸化チタンを取り出す製造方法をいう。また、塩素法は、合成ルチルや天然ルチルを原料とし、これを約1000℃の高温で塩素ガスとカーボンとを反応させて四塩化チタンを合成し、これを酸化してルチル型酸化チタンを取り出す製造方法をいう。ルチル型酸化チタンは、塩素法で得られるルチル型酸化チタンが好ましい。
酸化チタンの比表面積は、BET(Brunauer−Emmett−Teller)法にて測定した値が10〜400m/gであることが好ましく、10〜200m/gであることがより好ましく、10〜150m/gであることが更に好ましく、10〜40m/gであることが特に好ましく、10〜20m/gであることが最も好ましい。
酸化チタンのpHは、6〜8が好ましい。
酸化チタンの吸油量は、10〜60(g/100g)であることが好ましく、10〜40(g/100g)であることがより好ましい。
酸化チタンは、Fe、Al、SiO、Nb、NaOの合計量が、0.1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以下であることがより好ましく、0.02質量%以下であることがさらに好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。
酸化チタンの形状には特に制限はない。例えば、等方性形状(例えば、球状、多面体状等)、異方性形状(例えば、針状、棒状、板状等)、不定形状等の形状が挙げられる。
酸化チタンの硬度(モース硬度)は、5〜8であることが好ましく、7〜7.5であることがより好ましい。
酸化チタンの真比重(密度)は、1.0〜6.0g/cmであることが好ましく、3.9〜4.5g/cmであることがより好ましい。
酸化チタンの嵩比重は0.1g/cm〜1.0g/cmであることが好ましく、0.2g/cm〜0.4g/cmであることがより好ましい。
酸化チタンなどの白色顔料は、有機化合物などの表面処理剤により表面処理された材料であってもよい。白色顔料の表面処理に用いる表面処理剤としては、ポリオール、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ(酸化ケイ素)、含水シリカ、アルカノールアミン、ステアリン酸、オルガノシロキサン、酸化ジルコニウム、ハイドロゲンジメチコン、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などが挙げられる。中でもシランカップリング剤が好ましい。また、酸化チタンなどの白色顔料は、表面処理剤で処理された材料であることが好ましい。表面処理は、1種類単独の表面処理剤を用いて実施してもよく、2種類以上の表面処理剤を組み合わせて実施してもよい。また、酸化チタンなどの白色顔料の表面が、酸化アルミニウム、シリカ、酸化ジルコニウムなどの酸化物により覆われていることもまた好ましい。これにより、より耐光性および分散性が向上する。
酸化チタンなどの白色顔料は、塩基性金属酸化物又は塩基性金属水酸化物により被覆されていることも好ましい。塩基性金属酸化物又は塩基性金属水酸化物として、マグネシウム、ジルコニウム、セリウム、ストロンチウム、アンチモン、バリウム又はカルシウム等を含有する金属化合物が挙げられる。
塩基性金属酸化物又は塩基性金属水酸化物により被覆された白色顔料は、例えば以下のようにして得ることができる。
水又は水を主成分とする液中に白色顔料を分散させ、スラリーを得る。必要に応じてサンドミル又はボールミル等により、白色顔料を粉砕する。次いで、スラリーのpHを中性又はアルカリ性、場合によっては酸性にする。その後、被覆材料の原料となる水溶性塩をスラリーに添加し、白色顔料の表面を被覆する。その後、スラリーを中和し、白色顔料を回収する。回収した白色顔料は、乾燥又は乾式粉砕してもよい。
酸化チタンなどの白色顔料は、酸性部位を有する無機粒子の表面を、酸性部位と反応可能な化合物で処理してなる材料であってもよい。酸性部位と反応可能な化合物としては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンエトキシレートもしくはペンタエリスリトール等の多価アルコール、モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリエタノールアミンもしくはトリプロパノールアミン等のアルカノールアミン、クロロシラン又はアルコキシシラン等が挙げられる。酸性部位を有する無機粒子の表面を、酸性部位と反応可能な化合物で処理する方法としては、(1)流体エネルギー粉砕機もしくは衝撃粉砕機等の乾式粉砕機に上記化合物と無機粒子とを投入し、無機粒子を粉砕する方法、(2)ヘンシェルミキサーもしくはスーパーミキサー等の高速攪拌機を用いて、上記化合物と、乾式粉砕した無機粒子とを攪拌し、混合する方法、(3)無機粒子の水性スラリー中に上記化合物を添加し、撹拌する方法等が挙げられる。
また、酸化チタンとしては「酸化チタン 物性と応用技術 清野学著 13〜45ページ 1991年6月25日発行 技報堂出版発行」に記載の酸化チタンも好適に使用できる。
白色顔料は、市販されているものを好ましく用いることができる。市販品はそのまま使用してもよく、分級処理したものを用いてもよい。酸化チタンの市販品としては、例えば、石原産業(株)製の商品名タイペークR−550、R−580、R−630、R−670、R−680、R−780、R−780−2、R−820、R−830、R−850、R−855、R−930、R−980、CR−50、CR−50−2、CR−57、CR−58、CR−58−2、CR−60、CR−60−2、CR−63、CR−67、CR−Super70、CR−80、CR−85、CR−90、CR−90−2、CR−93、CR−95、CR−953、CR−97、PF−736、PF−737、PF−742、PF−690、PF−691、PF−711、PF−739、PF−740、PC−3、S−305、CR−EL、PT−301、PT−401M、PT−401L、PT−501A、PT−501R、UT771、TTO−51C、TTO−55C、TTO−80A、TTO−S−2、A−220、MPT−136、MPT−140、MPT−141;
堺化学工業(株)製の商品名R−3L、R−5N、R−7E、R−11P、R−21、R−25、R−32、R−42、R−44、R−45M、R−62N、R−310、R−650、SR−1、D−918、GTR−100、FTR−700、TCR−52、A−110、A−190、SA−1、SA−1L、STR−100A−LP、STR−100C−LP、TCA−123E;
テイカ(株)製の商品名JR、JRNC、JR−301、JR−403、JR−405、JR−600A、JR−600E、JR−603、JR−605、JR−701、JR−800、JR−805、JR−806、JR−1000、MT−01、MT−05、MT−10EX、MT−100S、MT−100TV、MT−100Z、MT−100AQ、MT−100WP、MT−100SA、MT−100HD、MT−150EX、MT−150W、MT−300HD、MT−500B、MT−500SA、MT−500HD、MT−600B、MT−600SA、MT−700B、MT−700BS、MT−700HD、MT−700Z;
チタン工業(株)製の商品名KR−310、KR−380、KR−380N、ST−485SA15;
富士チタン工業(株)製の商品名TR−600、TR−700、TR−750、TR−840、TR−900;
白石カルシウム(株)製の商品名Brilliant1500等が挙げられる。また、特開2015−67794号公報の段落番号0025〜0027に記載の酸化チタンを用いることもできる。
チタン酸ストロンチウムの市販品としては、SW−100(チタン工業(株)製)などが挙げられる。硫酸バリウムの市販品としては、BF−1L(堺化学工業(株)製)などが挙げられる。酸化亜鉛の市販品としては、Zincox Super F−1(ハクスイテック(株)製)などが挙げられる。酸化ジルコニウムの市販品としては、Z−NX(太陽鉱工(株)製)などが挙げられる。
本発明において、白色顔料は、単一の無機物からなるものだけでなく、他の素材と複合させた粒子を用いてもよい。例えば、内部に空孔や他の素材を有する粒子、コア粒子に無機粒子を多数付着させた粒子、ポリマー粒子からなるコア粒子と無機ナノ微粒子からなるシェル層とからなるコアおよびシェル複合粒子を用いることが好ましい。上記ポリマー粒子からなるコア粒子と無機ナノ微粒子からなるシェル層とからなるコアおよびシェル複合粒子としては、例えば、特開2015−47520号公報の段落番号0012〜0042の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明において、白色顔料として中空無機粒子を用いることもできる。中空無機粒子とは、内部に空洞を有する構造の無機粒子であり、外殻に包囲された空洞を有する無機粒子のことを言う。中空無機粒子としては、特開2011−75786号公報、国際公開WO2013−61621号公報、特開2015−164881号公報などに記載された中空無機粒子を用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
中空無機粒子の中空部の直径は特に制限はない。中空無機粒子の中空部の直径は5〜900nmであることが好ましく、20〜800nmであることがより好ましく、50〜500nmであることが特に好ましい。
中空無機粒子の外殻材料、すなわち中空無機粒子の中空部を取り囲む材料としては、特に限定されず、様々な無機物が用いられる。硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸鉛、酸化鉛、酸化アンチモン、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、及び酸化チタン等が挙げられ、酸化チタンが好ましい。
中空無機粒子の平均粒子径(好ましくは平均二次粒子径)は、100〜1000nmであることが好ましく、150〜600nmであることがより好ましく、200〜500nmであることが特に好ましい。
中空無機粒子の空隙率は5〜90体積%であることが好ましく、10〜80体積%であることがより好ましく、30〜70体積%であることが特に好ましい。なお、中空無機粒子の空隙率は、中空無機粒子の全体の体積を100体積%とした場合の、中空無機粒子の中空部の総体積%である。中空無機粒子の空隙率は、中空無機粒子の屈折率と、中空無機粒子の材料から計算した屈折率との理論値とを用いて、算出することができる。さらに、中空無機粒子の空隙率は、例えば、中空無機粒子を含む層(光散乱層)を切断し、切断面に現れている多数の中空無機粒子の形状並びに大きさ、および、中空無機粒子の中空部の形状ならびに大きさを観察し、中空無機粒子の総体積と、中空無機粒子の中空部の総体積とを算出することにより求めることもできる。
光散乱層が白色顔料として中空無機粒子を含有する場合、平均粒子径が100〜1000nmの中空無機粒子を、光散乱層の全固形分に対して35〜50質量%の割合で含有することがより好ましい。この態様によれば、白度および光散乱性に優れた光散乱層を形成しやすい。
光散乱層は、白色顔料を含む組成物(以下、光散乱層形成用組成物ともいう)を用いて形成できる。光散乱層形成用組成物の詳細については後述する。
(第2の光学フィルタ層)
本発明の構造体は、支持体上であって、第1の光学フィルタ層が設けられた領域とは異なる領域上に第2の光学フィルタ層を有する。この第2の光学フィルタ層の光路上には、光散乱層が設けられていない。本発明の構造体において、第1の光学フィルタ層と第2の光学フィルタ層は支持体上に二次元配置されていてもよく、両者が異なる平面上に配置されていてもよい。なかでも、ノイズがより低減された目的の光を検出し易いという理由から、第1の光学フィルタ層と第2の光学フィルタ層は支持体上に二次元配置されていることが好ましい。また、入射角特性等の観点から、第1の光学フィルタ層と第2の光学フィルタ層の上面の高低差はほぼ同一であることが好ましい。なお、本発明において、第1の光学フィルタ層と第2の光学フィルタ層が支持体上に二次元配置されているとは、第1の光学フィルタ層と第2の光学フィルタ層の一部が同一平面上に存在していることを意味する。
また、本発明の構造体において、第2の光学フィルタ層の少なくとも一部は、第1の光学フィルタ層と連続してつながっていてもよい。例えば、第1の光学フィルタ層に隣接する第2の光学フィルタ層の少なくとも一部が第1の光学フィルタ層と同種の光学フィルタ層である場合においては、第1の光学フィルタ層と第2の光学フィルタ層における同種の光学フィルタ層同士が連続してつながっていてもよい。また、本発明の構造体において、第1の光学フィルタ層と第2の光学フィルタ層は隣接していてもよく、両者の間に隔壁が設けられていてもよい。
第2の光学フィルタ層の種類としては、光を透過するフィルタ層であればよく、特に限定は無い。例えば、入射光のうち、特定の波長の光を選択的に透過または遮光するフィルタ層や、入射光をほぼ全透過するフィルタ層などが挙げられる。第2の光学フィルタ層としては、波長300〜2000nmの範囲の光において、特定の波長の光を選択的に透過または遮光するフィルタ層や、前述の範囲の光をほぼ全透過するフィルタ層などが好ましい例として挙げられる。第2の光学フィルタ層の好ましい具体例としては、着色層、透明層、紫外線カット層、近赤外線カット層および近赤外線透過層などが挙げられる。第2の光学フィルタ層は、可視光および近赤外線の少なくとも一部を透過するフィルタ層を含むことが好ましく、着色層および近赤外線透過層から選ばれる少なくとも1種のフィルタ層を含むことがより好ましい。また、第2の光学フィルタ層は、第1の光学フィルタ層と異なる種類(分光特性)のフィルタ層を含むことが好ましい。例えば、第1の光学フィルタ層が緑色着色層の場合、第2の光学フィルタ層は緑色着色層以外の層を少なくとも含むことが好ましい。また、第2の光学フィルタ層は、着色層および近赤外線透過層の他に、透明層、近赤外線カット層、紫外線カット層等を更に含んでいてもよい。また、第2の光学フィルタ層が複数のフィルタ層で構成されている場合、平坦性、密着性および入射角特性の観点から、隣接するフィルタ層同士の上面の高低差はほぼ同一であることが好ましい。
着色層としては、緑色着色層、赤色着色層、青色着色層、シアン色着色層、マゼンタ色着色層、イエロー色着色層が挙げられ、これらの着色層を1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、緑色着色層、赤色着色層および青色着色層から選ばれる2種を組み合わせて用いる態様、緑色着色層、赤色着色層および青色着色層を組み合わせて用いる態様、シアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層から選ばれる2種を組み合わせて用いる態様、および、シアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層を組み合わせて用いる態様が好ましく、緑色着色層、赤色着色層および青色着色層を組み合わせて用いる態様、および、シアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層を組み合わせて用いる態様がより好ましい。
透明層、近赤外線透過層、近赤外線カット層および紫外線カット層としては、上述した第1の光学フィルタ層で説明したフィルタ層が挙げられ、好ましい範囲も同様である。
第1の光学フィルタ層と第2の光学フィルタ層との組み合わせとしては、第1の光学フィルタ層が着色層、透明層および近赤外線カット層から選ばれる少なくとも1種を含み、第2の光学フィルタ層が着色層および近赤外線透過層から選ばれる少なくとも1種を含む組み合わせが好ましく、第1の光学フィルタ層が近赤外線カット層を含み、第2の光学フィルタ層が着色層を含む組み合わせがより好ましい。第1の光学フィルタ層と第2の光学フィルタ層との具体的な組み合わせとしては、以下が挙げられる。
(1)第1の光学フィルタ層が緑色着色層、赤色着色層および青色着色層から選ばれる1種または2種以上の着色層を含むフィルタ層であり、第2の光学フィルタ層が緑色着色層、赤色着色層および青色着色層から選ばれる1種または2種以上の着色層を含むフィルタ層である組み合わせ。この組み合わせにおいて、第2の光学フィルタ層は、第1の光学フィルタ層とは異なる色相の着色層を含んでいることが好ましい。
(2)第1の光学フィルタ層がシアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層から選ばれる1種または2種以上の着色層を含むフィルタ層であり、第2の光学フィルタ層がシアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層から選ばれる1種または2種以上の着色層を含むフィルタ層である組み合わせ。この組み合わせにおいて、第2の光学フィルタ層は、第1の光学フィルタ層とは異なる色相の着色層を含んでいることが好ましい。
(3)第1の光学フィルタ層がシアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層から選ばれる1種または2種以上の着色層を含むフィルタ層であり、第2の光学フィルタ層が緑色着色層、赤色着色層および青色着色層から選ばれる1種または2種以上の着色層を含むフィルタ層である組み合わせ。
(4)第1の光学フィルタ層が緑色着色層、赤色着色層および青色着色層から選ばれる1種または2種以上の着色層を含むフィルタ層であり、第2の光学フィルタ層がシアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層から選ばれる1種または2種以上の着色層を含むフィルタ層である組み合わせ。
(5)上記(1)〜(4)において、第2の光学フィルタ層がさらに近赤外線透過層を含むフィルタ層である組み合わせ。
(6)第1の光学フィルタ層が緑色着色層、赤色着色層、青色着色層、シアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層から選ばれる1種または2種以上の着色層を含むフィルタ層であり、第2の光学フィルタ層が近赤外線透過層を含むフィルタ層である組み合わせ。
(7)第1の光学フィルタ層が透明層を含むフィルタ層であり、第2の光学フィルタ層が緑色着色層、赤色着色層、青色着色層、シアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層から選ばれる1種または2種以上の着色層を含むフィルタ層である組み合わせ。
(8)第1の光学フィルタ層が透明層を含むフィルタ層であり、第2の光学フィルタ層が近赤外線透過層を含むフィルタ層である組み合わせ。
(9)第1の光学フィルタ層が透明層を含むフィルタ層であり、第2の光学フィルタ層が緑色着色層、赤色着色層、青色着色層、シアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層から選ばれる1種または2種以上の着色層と、近赤外線透過層とを含むフィルタ層である組み合わせ。
(10)第1の光学フィルタ層が近赤外線カット層を含むフィルタ層であり、第2の光学フィルタ層が緑色着色層、赤色着色層、青色着色層、シアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層から選ばれる1種または2種以上の着色層を含むフィルタ層である組み合わせ。
(11)第1の光学フィルタ層が近赤外線カット層を含むフィルタ層であり、第2の光学フィルタ層が近赤外線透過層を含むフィルタ層である組み合わせ。
(12)第1の光学フィルタ層が近赤外線カット層を含むフィルタ層であり、第2の光学フィルタ層が緑色着色層、赤色着色層、青色着色層、シアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層から選ばれる1種または2種以上の着色層と、近赤外線透過層とを含むフィルタ層である組み合わせ。
(13)上記(1)〜(12)において、第2の光学フィルタ層がさらに透明層、近赤外線カット層および紫外線カット層から選ばれる少なくとも1種を含むフィルタ層である含む組み合わせ。
第2の光学フィルタ層の厚さとしては、特に限定はない。例えば、100μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましく、1μm以下が特に好ましい。第2の光学フィルタ層が複数のフィルタ層で構成されている場合においては、各フィルタ層の厚さは同一であってもよく、異なっていてもよい。各フィルタの特性に応じて適宜調整できる。
本発明の構造体において、支持体上における第1の光学フィルタ層と第2の光学フィルタ層との面積の割合は、第1の光学フィルタ層/第2の光学フィルタ層=1/100〜50/50であることが好ましく、5/95〜50/50であることがより好ましく、10/90〜50/50であることが更に好ましい。面積の割合が上記範囲であれば、各フィルタ層における目的の光の感度が良好である。
(近赤外線カット層)
本発明の構造体は、第1の光学フィルタ層の光路上に、更に、波長800〜1500nmの範囲の光の少なくとも一部をカットする近赤外線カット層を有することが好ましい。この態様によれば、近赤外線由来のノイズが低減された光などを検出することできる。なお、第1の光学フィルタ層自体が近赤外線カット層である場合は、近赤外線カット層を設けなくても同様の効果が期待できるので、第1の光学フィルタ層の光路上に、近赤外線カット層を設ける場合、第1の光学フィルタ層は、近赤外線カット層以外のフィルタ層であることが好ましい。
本発明の構造体が近赤外線カット層を有する場合、近赤外線カット層は、第1の光学フィルタ層の光路上にのみ設けられていてもよく、第2の光学フィルタ層の光路上にも設けられていてもよい。また、第2の光学フィルタ層の光路上にのみ近赤外線カット層が設けられていてもよい。また、第1の光学フィルタ層と、光散乱層と、近赤外線カット層との積層順序は特に限定はないが、以下の(1)〜(3)が好ましく、(1)または(2)がより好ましく、(2)が更に好ましい。(1)または(2)の態様によれば、第1の光学フィルタ層における視野角特性をより向上できる。また、(2)の態様によれば、構造体の製造時において、近赤外線カット層によって、第1の光学フィルタ層と光散乱層との混色を抑制でき、ノイズがより低減された目的の光を検出し易い。
(1)入射光側から、光散乱層、近赤外線カット層、第1の光学フィルタ層の順に積層した態様。
(2)入射光側から、光散乱層、第1の光学フィルタ層、近赤外線カット層の順に積層した態様。
(3)入射光側から、近赤外線カット層、光散乱層、第1の光学フィルタ層の順に積層した態様。
近赤外線カット層は、波長800〜1200nmの範囲の光の少なくとも一部を遮光する層であることが好ましい。また、近赤外線カット層は、波長800〜1200nmの範囲の少なくとも一部の波長の光に対する透過率が50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。
近赤外線カット層は、以下のいずれかの分光特性を有することが好ましい。
(1)波長800nm以上850nm未満の範囲の少なくとも一部の波長の光の透過率が50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。また、波長800nm以上850nm未満の範囲の光の平均透過率は、50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。
(2)波長850nm以上900nm未満の範囲の少なくとも一部の波長の光の透過率が50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。また、波長850nm以上900nm未満の光の平均透過率は、50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。
(3)波長900nm以上950nm未満の範囲の少なくとも一部の波長の光の透過率が50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。また、波長900nm以上950nm未満の光の平均透過率は、50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。
(4)波長950nm以上1000nm未満の範囲の少なくとも一部の波長の光の透過率が50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。また、波長950nm以上1000nm未満の光の平均透過率は、50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。
(5)波長1000nm以上1050nm未満の範囲の少なくとも一部の波長の光の透過率が50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。また、波長1000nm以上1050nm未満の光の平均透過率は、50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。
(6)波長1050nm以上1100nm未満の範囲の少なくとも一部の波長の光の透過率が50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。また、波長1050nm以上1100nm未満の光の平均透過率は、50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。
(7)波長1100nm以上1150nm未満の範囲の少なくとも一部の波長の光の透過率が50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。また、波長1100nm以上1150nm未満の光の平均透過率は、50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。
(8)波長1150nm以上1200nm未満の範囲の少なくとも一部の波長の光の透過率が50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。また、波長1150nm以上1200nm未満の光の平均透過率は、50%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、10%以下であることが更に好ましい。
近赤外線カット層に対する波長400〜700nmの範囲の光の平均透過率は60〜100%であることが好ましく、70〜100%であることがより好ましく、80〜100%であることが特に好ましい。この波長領域における平均透過率は高いことが好ましい。
本発明の構造体において、近赤外線カット層は、上述した分光特性を有する層であればいずれの層であっても好ましく用いることができる。例えば、近赤外線カット層としては、近赤外線吸収剤を含む層、誘電体多層膜などが挙げられる。また、近赤外線カット層として、近赤外線吸収剤を含む層と誘電体多層膜とを併用することもできる。以下、近赤外線吸収剤を含む層、誘電体多層膜について説明する。
[近赤外線吸収剤を含む層]
近赤外線吸収剤を含む層に用いる近赤外線吸収剤としては、700〜1500nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物などが挙げられる。近赤外線吸収剤は、800〜1500nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物が好ましく、800〜1300nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物がより好ましく、800〜1200nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物が更に好ましい。また、近赤外線吸収剤を含む層に用いる近赤外線吸収剤は、アルカリ金属を含有するタングステン酸化物、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、テトラアザポルフィリン化合物、ジイモニウム化合物、スクアリリウム化合物および銅錯体から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、アルカリ金属を含有するタングステン酸化物、ピロロピロール化合物および銅錯体がより好ましく、ピロロピロール化合物およびアルカリ金属を含有するタングステン酸化物が更に好ましく、ピロロピロール化合物が特に好ましい。この態様によれば、耐光性や耐熱性に優れた構造体とすることができる。
本発明において、アルカリ金属を含有するタングステン酸化物(以下、タングステン酸化物ともいう)としては、セシウム酸化タングステンであることが好ましい。また、タングステン酸化物は、下記式(組成式)(I)で表される化合物であることも好ましい。
・・・(I)
Mはアルカリ金属、Wはタングステン、Oは酸素を表す。
0.001≦x/y≦1.1
2.2≦z/y≦3.0
Mが表すアルカリ金属としては、RbまたはCsが好ましく、Csがより好ましい。
x/yの値が0.001以上であることにより、近赤外線を十分に遮蔽することができ、1.1以下であることにより、タングステン酸化物中に不純物相が生成されることを回避することができる。x/yの値は、0.22以上0.5以下が好ましい。
z/yの値が2.2以上であることにより、材料としての化学的安定性を向上させることができ、3.0以下であることにより近赤外線を十分に遮蔽することができる。z/yの値は、2.45以上3.00以下が好ましい。
式(I)で表される化合物の具体例としては、Cs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WOなどが挙げられ、Cs0.33WO又はRb0.33WOが好ましく、Cs0.33WOが更に好ましい。
タングステン酸化物の市販品は、例えば、住友金属鉱山株式会社製のYMS−01A−2(セシウム酸化タングステン粒子の分散液)などが挙げられる。
タングステン酸化物の平均二次粒子径(D90)は、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、25nm以下が更に好ましい。タングステン酸化物の平均二次粒子径がこのような範囲であることによって、可視透明性を良好にできる。光散乱を回避する観点からは、タングステン酸化物の平均粒子径は小さいほど好ましいが、製造時における取り扱い容易性などの理由から、タングステン酸化物の平均二次粒子径(D90)は、1nm以上であることが好ましい。タングステン酸化物の平均二次粒子径は、日機装株式会社製マイクロトラックUPA−EX150を用いて行って得られた体積基準での粒子径(粒度分布の積算値が90%での値(D90))のことである。
タングステン酸化物については、特開2009−62411号公報の段落番号0050〜0072の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明においてピロロピロール化合物としては、例えば、特開2009−263614号公報の段落番号0016〜0058に記載の化合物、特開2011−68731号公報の段落番号0037〜0052に記載の化合物、国際公開WO2015/166873号公報の段落番号0010〜0033に記載の化合物などが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。スクアリリウム化合物としては、例えば、特開2011−208101号公報の段落番号0044〜0049に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。シアニン化合物としては、例えば、特開2009−108267号公報の段落番号0044〜0045に記載の化合物、特開2002−194040号公報の段落番号0026〜0030に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。ジイモニウム化合物としては、例えば、特表2008−528706号公報に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。フタロシアニン化合物およびテトラアザポルフィリン化合物としては、例えば、特開2012−77153号公報の段落番号0093に記載の化合物、特開2006−343631号公報に記載のオキシチタニウムフタロシアニン、特開2013−195480号公報の段落番号0013〜0029に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。ナフタロシアニン化合物としては、例えば、特開2012−77153号公報の段落番号0093に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。また、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、テトラアザポルフィリン化合物、ジイモニウム化合物およびスクアリリウム化合物は、特開2010−111750号公報の段落番号0010〜0081に記載の化合物を使用してもよく、この内容は本明細書に組み込まれる。また、シアニン系化合物は、例えば、「機能性色素、大河原信/松岡賢/北尾悌次郎/平嶋恒亮・著、講談社サイエンティフィック」を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。銅錯体としては、国際公開WO2016/068037号公報の段落番号0009〜0049に記載された銅錯体、特開2014−41318号公報の段落0022〜0042に記載されたリン酸エステル銅錯体、特開2015−43063号公報の段落番号0021〜0039に記載されたスルホン酸銅錯体などが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明において、ピロロピロール化合物は、式(PP)で表される化合物であることが好ましい。この態様によれば、耐熱性や耐光性に優れた構造体が得られやすい。

式中、R1aおよびR1bは、各々独立にアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、RおよびRは、各々独立に水素原子または置換基を表し、RおよびRは、互いに結合して環を形成してもよく、Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、−BR4A4B、または金属原子を表し、Rは、R1a、R1bおよびRから選ばれる少なくとも一つと、共有結合もしくは配位結合していてもよく、R4AおよびR4Bは、各々独立に置換基を表す。式(PP)の詳細については、特開2009−263614号公報の段落番号0017〜0047、特開2011−68731号公報の段落番号0011〜0036、国際公開WO2015/166873号公報の段落番号0010〜0024の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
式(PP)で表される化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。以下の構造式中、Phはフェニル基を表す。
本発明において、ジイモニウム化合物としては、下記式(Im)で表される化合物が好ましい。
式(Im)

式中、R11〜R18は、それぞれ独立に、アルキル基またはアリール基を表し、V11〜V15は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基またはシアノ基を表し、Xはアニオンを表し、cは電荷のバランスを取るために必要な数を表し、n1〜n5は、それぞれ独立に、0〜4の整数である。式(Im)の詳細については、特表2008−528706号公報の段落番号0034〜0058の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
式(Im)で表される化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。以下の構造式中、Buはブチル基を表す。
本発明において、スクアリリウム化合物としては、下記式(SQ)で表される化合物が好ましい。

式(SQ)中、AおよびAは、それぞれ独立に、アリール基、ヘテロアリール基または式(A−1)で表される基を表す;

式(A−1)中、Zは、含窒素複素環を形成する非金属原子団を表し、Rは、アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基を表し、dは、0または1を表し、波線は連結手を表す。
式(SQ)の詳細については、特開2011−208101号公報の段落番号0020〜0049の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
なお、式(SQ)においてカチオンは、以下のように非局在化して存在している。
下記式(SQ)で表される化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
本発明において、銅錯体としては、銅と、銅に対する配位部位を1個以上有する化合物(配位子)との錯体が好ましい。銅に対する配位部位としては、銅に対してアニオンで配位する配位部位、銅に対して非共有電子対で配位する配位原子が挙げられる。銅錯体は、配位子を2つ以上有していてもよい。配位子を2つ以上有する場合は、それぞれの配位子は同一であってもよく、異なっていてもよい。銅錯体は、4配位、5配位および6配位が例示され、4配位および5配位がより好ましく、5配位がさらに好ましい。また、銅錯体は、銅と配位子によって、5員環および/または6員環が形成されていることが好ましい。このような銅錯体は、形状が安定であり、錯体安定性に優れる。
銅錯体は、例えば銅成分(銅または銅を含む化合物)に対して、銅に対する配位部位を有する化合物(配位子)を混合・反応等させて得ることができる。銅に対する配位部位を有する化合物(配位子)は、低分子化合物であってもよく、ポリマーであってもよい。両者を併用することもできる。
銅成分は、2価の銅を含む化合物が好ましい。銅成分は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。銅成分としては、例えば、酸化銅や銅塩を用いることができる。銅塩は、例えば、カルボン酸銅(例えば、酢酸銅、エチルアセト酢酸銅、ギ酸銅、安息香酸銅、ステアリン酸銅、ナフテン酸銅、クエン酸銅、2−エチルヘキサン酸銅など)、スルホン酸銅(例えば、メタンスルホン酸銅など)、リン酸銅、リン酸エステル銅、ホスホン酸銅、ホスホン酸エステル銅、ホスフィン酸銅、アミド銅、スルホンアミド銅、イミド銅、アシルスルホンイミド銅、ビススルホンイミド銅、メチド銅、アルコキシ銅、フェノキシ銅、水酸化銅、炭酸銅、硫酸銅、硝酸銅、過塩素酸銅、フッ化銅、塩化銅、臭化銅が好ましく、カルボン酸銅、スルホン酸銅、スルホンアミド銅、イミド銅、アシルスルホンイミド銅、ビススルホンイミド銅、アルコキシ銅、フェノキシ銅、水酸化銅、炭酸銅、フッ化銅、塩化銅、硫酸銅、硝酸銅がより好ましく、カルボン酸銅、アシルスルホンイミド銅、フェノキシ銅、塩化銅、硫酸銅、硝酸銅が更に好ましく、カルボン酸銅、アシルスルホンイミド銅、塩化銅、硫酸銅が特に好ましい。
銅錯体としては、例えば、式(Cu−1)で表される銅錯体を用いることができる。この銅錯体は、中心金属の銅に配位子Lが配位した銅錯体であり、銅は、通常2価の銅である。この銅錯体は、例えば銅成分に対して、配位子Lとなる化合物またはその塩を反応等させて得ることができる。
Cu(L)n1・(X)n2 式(Cu−1)
上記式中、Lは、銅に配位する配位子を表し、Xは、対イオンを表す。n1は、1〜4の整数を表す。n2は、0〜4の整数を表す。
Xは、対イオンを表す。銅錯体は、電荷を持たない中性錯体のほか、カチオン錯体、アニオン錯体になることもある。この場合、銅錯体の電荷を中和するよう、必要に応じて対イオンが存在する。
対イオンが負の電荷をもつ対イオン(対アニオン)の場合、対アニオンは、例えば、無機陰イオンでもよく、有機陰イオンでもよい。
また、対アニオンは、低求核性アニオンであることが好ましい。低求核性アニオンとは、一般的に超酸(super acid)と呼ばれるpKaの低い酸がプロトンを解離してなるアニオンである。超酸の定義は、文献によっても異なるがメタンスルホン酸よりpKaが低い酸の総称であり、J.Org.Chem.2011,76,391−395 Equilibrium Acidities of Super acidsに記載される構造が知られている。低求核性アニオンのpKaは、例えば、−11以下が好ましく、−11〜−18が好ましい。pKaは、例えば、J.Org.Chem.2011,76,391−395に記載の方法により測定することができる。本明細書におけるpKaは、特に断りがない場合、1,2−ジクロロエタン中でのpKaである。対アニオンが、低求核性アニオンであると、銅錯体や樹脂の分解反応が生じにくく、耐熱性が良好である。低求核性アニオンは、テトラフルオロホウ酸イオン、テトラアリールホウ酸イオン(ハロゲン原子やフルオロアルキル基で置換されたアリールを含む)、ヘキサフルオロホスフェートイオン、イミドイオン(アシル基やスルホニル基で置換されたアミドを含む)、メチドイオン(アシル基やスルホニル基で置換されたメチドを含む)がより好ましく、テトラアリールホウ酸イオン(ハロゲン原子やフルオロアルキル基で置換されたアリールを含む)、イミドイオン(スルホニル基で置換されたアミドを含む)、メチドイオン(スルホニル基で置換されたメチドを含む)が特に好ましい。
また、本発明において、対アニオンは、ハロゲン陰イオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、ホウ素酸イオン、スルホネートイオン、イミドイオンであることも好ましい。
対イオンが正の電荷をもつ対イオン(対カチオン)の場合、例えば、対カチオンは、無機もしくは有機のアンモニウムイオン(例えば、テトラブチルアンモニウムイオンなどのテトラアルキルアンモニウムイオン、トリエチルベンジルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)、ホスホニウムイオン(例えば、テトラブチルホスホニウムイオンなどのテトラアルキルホスホニウムイオン、アルキルトリフェニルホスホニウムイオン、トリエチルフェニルホスホニウムイオン等)、アルカリ金属イオンまたはプロトンが挙げられる。
また、対イオンは金属錯体イオン(例えば銅錯体イオンなど)であってもよい。
配位子Lは、銅に対する配位部位を有する化合物であり、銅に対してアニオンで配位する配位部位、および、銅に対して非共有電子対で配位する配位原子から選ばれる1種以上を有する化合物が挙げられる。銅に対してアニオンで配位する配位部位は、解離していてもよく、非解離でも良い。配位子Lは、銅に対する配位部位を2個以上有する化合物(多座配位子)が好ましい。また、配位子Lは、可視透明性を向上させるために、芳香族などのπ共役系が連続して複数結合していないことが好ましい。配位子Lは、銅に対する配位部位を1個有する化合物(単座配位子)と、銅に対する配位部位を2個以上有する化合物(多座配位子)とを併用することもできる。単座配位子としては、アニオンまたは非共有電子対で配位する単座配位子が挙げられる。
上記配位子Lが有するアニオンは、銅原子に配位可能なものであればよく、酸素アニオン、窒素アニオンまたは硫黄アニオンが好ましい。
アニオンで配位する配位部位の例として、モノアニオン性配位部位も挙げられる。モノアニオン性配位部位は、1つの負電荷を有する官能基を介して銅原子と配位する部位を表す。例えば、酸解離定数(pKa)が12以下の酸基が挙げられる。具体的には、リン原子を含有する酸基(リン酸ジエステル基、ホスホン酸モノエステル基、ホスフィン酸基等)、スルホ基、カルボキシ基、イミド酸基等が挙げられ、スルホ基、カルボキシ基が好ましい。
非共有電子対で配位する配位原子は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子またはリン原子が好ましく、酸素原子、窒素原子または硫黄原子がより好ましく、酸素原子、窒素原子がさらに好ましく、窒素原子が特に好ましい。非共有電子対で配位する配位原子が窒素原子である場合、窒素原子に隣接する原子が炭素原子、または、窒素原子であることが好ましく、炭素原子がより好ましい。
銅錯体は、例えば、以下の(1)〜(5)の態様が好ましい一例として挙げられ、(2)〜(5)がより好ましく、(3)〜(5)が更に好ましく、(4)または(5)が一層好ましい。
(1)2つの配位部位を有する化合物の1つまたは2つを配位子として有する銅錯体。
(2)3つの配位部位を有する化合物を配位子として有する銅錯体。
(3)3つの配位部位を有する化合物と2つの配位部位を有する化合物とを配位子として有する銅錯体。
(4)4つの配位部位を有する化合物を配位子として有する銅錯体。
(5)5つの配位部位を有する化合物を配位子として有する銅錯体。
銅錯体の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
本発明において、銅錯体として、ポリマー側鎖に銅錯体部位を有する銅含有ポリマーを用いることができる。銅錯体部位としては、銅と、銅に対して配位する部位(配位部位)とを有するものが挙げられる。銅に対して配位する部位としては、アニオンまたは非共有電子対で配位する部位が挙げられる。また、銅錯体部位は、銅に対して4座配位または5座配位する部位を有することが好ましい。配位部位の詳細については、上述したものが挙げられ、好ましい範囲も同様である。
銅含有ポリマーは、配位部位を含むポリマー(ポリマー(B1)ともいう)と、銅成分との反応で得られるポリマーや、ポリマー側鎖に反応性部位を有するポリマー(以下ポリマー(B2)ともいう)と、ポリマー(B2)が有する反応性部位と反応可能な官能基を有する銅錯体とを反応させて得られるポリマーが挙げられる。銅含有ポリマーの重量平均分子量は、2,000以上が好ましく、2,000〜200万がより好ましく、6,000〜200,000がさらに好ましい。
近赤外線吸収剤を含む層における近赤外線吸収剤の含有量は、近赤外線吸収剤の種類に応じて適宜調整することができる。例えば、アルカリ金属を含有するタングステン酸化物の場合、近赤外線吸収剤を含む層の全固形分に対して10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。また、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、テトラアザポルフィリン化合物、ジイモニウム化合物、スクアリリウム化合物などの有機色素の場合、近赤外線吸収剤を含む層の全固形分に対して10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。また、銅錯体の場合、近赤外線吸収剤を含む層の全固形分に対して10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
近赤外線吸収剤を含む層の膜厚は、近赤外線吸収剤の種類に応じて適宜調整することができる。例えば、アルカリ金属を含有するタングステン酸化物の場合、近赤外線吸収剤を含む層の膜厚は0.5〜10.0μmであることが好ましく、2.0〜5.0μmであることがより好ましい。また、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、テトラアザポルフィリン化合物、ジイモニウム化合物、スクアリリウム化合物などの有機色素の場合、近赤外線吸収剤を含む層の膜厚は0.1〜5.0μmであることが好ましく、0.5〜2.0μmであることがより好ましい。また、銅錯体の場合、近赤外線吸収剤を含む層の膜厚は10〜300μmであることが好ましく、50〜200μmであることがより好ましい。膜厚が上記範囲であれば、近赤外線遮蔽性が良好である。更には、透過光が光散乱層に拡散されることなくフォトダイオードで検出できるという効果が期待できる。
近赤外線吸収剤を含む層は、近赤外線吸収剤を含む組成物(以下、近赤外線カット層形成用組成物ともいう)を用いて形成できる。近赤外線カット層形成用組成物の詳細については後述する。
[誘電体多層膜]
本発明において、誘電体多層膜は、光の干渉の効果を利用して近赤外線などを遮光する膜である。具体的には、屈折率の異なる誘電体層(高屈折率層と低屈折率層)を、交互に2層以上積層してなる膜である。誘電体多層膜は、例えば、CVD(chemical vapor deposition)法、スパッタ法、真空蒸着法などの方法により、支持体上などに高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層して形成できる。また、高屈折率層形成用組成物と、低屈折率層形成用組成物とを支持体上などに交互に塗布し、乾燥することによっても得ることができる。
高屈折率層を構成する材料としては、屈折率が1.7以上の材料(好ましくは屈折率が1.7〜2.5の材料)を用いることができる。例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛または酸化インジウムを主成分とし酸化チタン、酸化錫および/または酸化セリウムなどを少量含有させた材料などが挙げられる。
低屈折率層を構成する材料としては、屈折率が1.6以下の材料(好ましくは屈折率が1.2〜1.6の材料)を用いることができる。例えば、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウムおよび六フッ化アルミニウムナトリウムが挙げられる。
高屈折率層および低屈折率層の各層の厚みは、遮断しようとする近赤外線の波長λ(nm)の0.1λ〜0.5λの厚みであることが好ましい。厚みを上記範囲とすることにより、特定波長の光の遮断および/または透過をコントロールしやすい。また、誘電体多層膜における積層数は、2〜100層が好ましく、2〜60層がより好ましく、2〜40層が更に好ましい。
誘電体多層膜の膜厚(高屈折率層と低屈折率層との合計膜厚)は、高屈折率層および低屈折率層の屈折率、分光設計によって適宜設計される。
本発明の構造体は、第1の光学フィルタ層、第2の光学フィルタ層または光散乱層上に、反射防止膜、オーバコート層、レンズなどが設けられていてもよい。また、第1の光学フィルタ層と光散乱層との間に中間層が設けられていてもよい。また、反射防止膜はレンズの表面に設けられていてもよい。
本発明の構造体について、以下図面を用いて詳細に説明する。図1に示す構造体101においては、支持体10上に、フィルタ層21〜26が設けられている。また、フィルタ層24上に光散乱層50が設けられている。そして、フィルタ層21〜23、25、26上にはレンズ80が設けられている。この実施形態において、フィルタ層24が第1の光学フィルタ層であり、フィルタ層21〜23、25、26が第2の光学フィルタ層である。フィルタ層21〜26は光を透過するフィルタ層であればよい。着色層、透明層、紫外線カット層、近赤外線カット層および近赤外線透過層などが挙げられる。例えば、第1の光学フィルタ層(図1においてはフィルタ層24)が着色層であり、第2の光学フィルタ層(図1においてはフィルタ層21、22、23、25、26)がそれぞれ独立して着色層または近赤外線透過層である態様、第1の光学フィルタ層(図1においてはフィルタ層24)が透明層であり、第2の光学フィルタ層(図1においてはフィルタ層21、22、23、25、26)がそれぞれ独立して着色層または近赤外線透過層である態様、第1の光学フィルタ層(図1においてはフィルタ層24)が近赤外線カット層であり、第2の光学フィルタ層(図1においてはフィルタ層21、22、23、25、26)がそれぞれ独立して着色層または近赤外線透過層である態様、上記各態様において、第2の光学フィルタ層が更に透明層、紫外線カット層および近赤外線カット層から選ばれる少なくとも1種を含む態様などが好ましい態様として挙げられる。
構造体101において、フィルタ層21〜23、25、26の少なくとも一つは、フィルタ層24と同一種類のフィルタ層であってもよい。また、フィルタ層21〜23、25、26のそれぞれは、フィルタ層24と異なる種類のフィルタ層であってもよい。また、フィルタ層21〜23、25、26は、同一のフィルタ層であってもよく、異なるフィルタ層であってもよい。なかでも、フィルタ層21〜23、25、26の少なくとも一つは、フィルタ層24と異なる種類のフィルタ層であることが好ましい。
なお、図1において、フィルタ層21〜26の厚みは同一であるが、各フィルタ層の厚みは異なっていてもよい。また、図1において、フィルタ層21〜26の幅は同一であるが、各フィルタ層の幅は異なっていてもよい。また、図1において、隣接するフィルタ層同士は接しているが、隣接するフィルタ層同士は接していなくてもよい。また、隣接するフィルタ層同士の間に隔壁が設けられていてもよい。また、図1において、フィルタ層21〜26の上面の高低差はほぼ一致しているが、各フィルタ層の上面同士に高低差があってもよい。平坦性確保、プロセス簡易化の観点から、フィルタ層21〜26の上面の高低差はほぼ一致していることが好ましい。また、図1において、フィルタ層24と光散乱層50の積層順序を入れ替えて、フィルタ層21〜23、25、26と、光散乱層50とを支持体10上に二次元配置してもよい。また、支持体10とフィルタ層21〜26との間に下地膜が設けられていてもよい。また、フィルタ層21〜23、25、26とレンズ80との間、フィルタ層24と光散乱層50との間に中間層が設けられていてもよい。また、光散乱層50の表面および/またはレンズ80の表面に反射防止膜が設けられていてもよい。また、光散乱層50上にレンズ80が設けられていてもよい。また、光散乱層50およびレンズ80上にオーバコート層が設けられていてもよい。
図2に示す構造体102は、支持体10上に、フィルタ層21a〜26aが設けられている。また、フィルタ層23a、24a上に光散乱層50が設けられている。そして、フィルタ層21a、22a、25a、26a上にはレンズ80が設けられている。この実施形態において、フィルタ層23a、24aが第1の光学フィルタ層であり、フィルタ層21a、22a、25a、26aが第2の光学フィルタ層である。第1の光学フィルタ層および第2の光学フィルタ層については、図1で説明した内容と同義である。構造体102において、フィルタ層23a、24aは、同一のフィルタ層であってもよく、異なるフィルタ層であってもよい。また、フィルタ層21a、22a、25a、26aは、同一のフィルタ層であってもよく、異なるフィルタ層であってもよいが、フィルタ層21a、22a、25a、26aの少なくとも一つは、フィルタ層23aおよび24aと異なる種類のフィルタ層であることが好ましい。また、図2において、フィルタ層23a、24aと光散乱層50の積層順序を入れ替えてもよい。また、図2において、フィルタ層21a〜26aの厚みは同一であるが、各フィルタ層の厚みは異なっていてもよい。また、図2において、フィルタ層21a〜26aの幅は同一であるが、各フィルタ層の幅は異なっていてもよい。また、図2において、隣接するフィルタ層同士は接しているが、隣接するフィルタ層同士は接していなくてもよい。また、隣接するフィルタ層同士の間に隔壁が設けられていてもよい。また、図2において、フィルタ層21a〜26aの上面の高低差はほぼ一致しているが、各フィルタ層の上面同士に高低差があってもよい。平坦性確保、プロセス簡易化の観点から、フィルタ層21a〜26aの上面の高低差はほぼ一致していることが好ましい。
図3に示す構造体103は、支持体10上にフィルタ層21b〜26bが設けられている。また、フィルタ層22b〜24b上に光散乱層50が設けられている。そして、フィルタ層21b、25b、26b上にはレンズ80が設けられている。この実施形態において、フィルタ層22b〜24bが第1の光学フィルタ層であり、フィルタ層21b、25b、26bが第2の光学フィルタ層である。第1の光学フィルタ層および第2の光学フィルタ層については、図1で説明した内容と同義である。構造体103において、フィルタ層22b〜24bは、同一のフィルタ層であってもよく、異なるフィルタ層であってもよい。また、フィルタ層21b、25b、26bは、同一のフィルタ層であってもよく、異なるフィルタ層であってもよいが、フィルタ層21b、25b、26bの少なくとも一つは、フィルタ層22b〜24bと異なる種類のフィルタ層であることが好ましい。また、図3において、フィルタ層22b〜24bと光散乱層50の積層順序を入れ替えてもよい。また、図3において、隣接するフィルタ層同士は接しているが、隣接するフィルタ層同士は接していなくてもよい。また、隣接するフィルタ層同士の間に隔壁が設けられていてもよい。また、図3において、フィルタ層21b〜26bの上面の高低差はほぼ一致しているが、各フィルタ層の上面同士に高低差があってもよい。平坦性確保、プロセス簡易化の観点から、フィルタ層21b〜26bの上面の高低差はほぼ一致していることが好ましい。
図4に示す構造体104は、光散乱層50とフィルタ層24との間に近赤外線カット層60が設けられている以外は図1に示す構造体101と同様の構成をなしている。図示しないが、光散乱層50と近赤外線カット層60との間、および/または、フィルタ層24と近赤外線カット層60との間に中間層をさらに有していてもよい。
図5に示す構造体105は、光散乱層50の表面に近赤外線カット層60が設けられている以外は図1に示す構造体101と同様の構成をなしている。図示しないが、光散乱層50と近赤外線カット層60との間に中間層をさらに有していてもよい。
図6に示す構造体106は、支持体10とフィルタ層24との間に近赤外線カット層60が設けられている以外は、図1と同様の構成をなしている。図示しないが、支持体10と近赤外線カット層60との間、および/または、フィルタ層24と近赤外線カット層60との間に中間層をさらに有していてもよい。
図7に示す構造体107は、支持体10とフィルタ層21〜26との間に近赤外線カット層60が設けられている以外は図1に示す構造体101と同様の構成をなしている。図8に示す構造体108は、支持体10とフィルタ層21〜25との間に近赤外線カット層60が設けられている以外は図1に示す構造体101と同様の構成をなしている。なお、図8に示す構造体は、第2の光学フィルタ層のうち、フィルタ層26の光射出側の光路上にのみ近赤外線カット層60が設けられていないが、支持体10とフィルタ層26との間に近赤外線カット層60を設け、フィルタ層21〜23、25のいずれかのフィルタ層と支持体10との間に近赤外線カット層60を設けない態様とすることもできる。また、フィルタ層21〜23、25、26のうち、2個以上のフィルタ層と支持体10との間に近赤外線カット層60を有さない態様とすることもできる。図9に示す構造体109は、フィルタ層21〜26の表面に近赤外線カット層60が設けられている以外は図1に示す構造体101と同様の構成をなしている。図9に示す構造体109は、フィルタ層21〜26の表面に近赤外線カット層60が設けられているが、第2の光学フィルタ層であるフィルタ層21〜23、25、26のうち、1個以上のフィルタ層の表面に近赤外線カット層60を有さない態様とすることもできる。
図10に示す構造体110は、光散乱層50とフィルタ層23a、24aとの間に近赤外線カット層60が設けられている以外は図2に示す構造体102と同様の構成をなしている。図10において、近赤外線カット層60と光散乱層50との積層順序を入れ替えて、光散乱層50の表面に近赤外線カット層60を設けてもよい。また、図示しないが、光散乱層50と近赤外線カット層60との間、および/または、フィルタ層23a、24aと近赤外線カット層60との間に中間層をさらに有していてもよい。
図11に示す構造体111は、フィルタ層21a〜26aの表面に近赤外線カット層60が設けられている以外は図2に示す構造体102と同様の構成をなしている。なお、図11に示す構造体111は、第2の光学フィルタ層である、フィルタ層21a、22a、25a、26aの少なくとも1つのフィルタ層の表面に近赤外線カット層60を有さない態様とすることもできる。例えば、フィルタ層21a〜25aの表面に近赤外線カット層60を設け、フィルタ層26aの表面には近赤外線カット層60を設けない態様とすることができる。
図12に示す構造体112は、支持体10とフィルタ層23a、24aとの間に近赤外線カット層60が設けられている以外は図2に示す構造体102と同様の構成をなしている。なお、図示しないが、支持体10と近赤外線カット層60との間、および/または、フィルタ層23a、24aと近赤外線カット層60との間に中間層をさらに有していてもよい。
図13に示す構造体113は、支持体10とフィルタ層21a〜26aとの間に近赤外線カット層60が設けられている以外は図2に示す構造体102と同様の構成をなしている。図14に示す構造体114は、支持体10とフィルタ層21a〜25aとの間に近赤外線カット層60が設けられている以外は図2に示す構造体102と同様の構成をなしている。なお、図14に示す構造体114は、第2の光学フィルタ層のうち、フィルタ層26aの光射出側の光路上にのみ近赤外線カット層60が設けられていないが、支持体10とフィルタ層26aとの間に近赤外線カット層60を設け、フィルタ層21a、22a、25aのいずれかのフィルタ層と支持体10との間に近赤外線カット層60を設けない態様とすることもできる。また、フィルタ層21a、22a、25a、26aのうち、2個以上のフィルタ層と支持体10との間に近赤外線カット層60を有さない態様とすることもできる。
図15に示す構造体115は、光散乱層50と、フィルタ層22b〜24bとの間に近赤外線カット層60が設けられている以外は図3に示す構造体103と同様の構成をなしている。図15において、近赤外線カット層60と光散乱層50との積層順序を入れ替えて、光散乱層50の表面に近赤外線カット層60を設けてもよい。また、図示しないが、光散乱層50と近赤外線カット層60との間、および/または、フィルタ層22b〜24bと近赤外線カット層60との間に中間層をさらに有していてもよい。
図16に示す構造体116は、フィルタ層21b〜26b上に近赤外線カット層60が設けられている以外は図3に示す構造体103と同様の構成をなしている。なお、図16に示す構造体116は、第2の光学フィルタ層である、フィルタ層21b、25b、26bの少なくとも1つのフィルタ層上に近赤外線カット層60を有さない態様とすることもできる。例えば、フィルタ層21b〜25b上に近赤外線カット層60を有し、フィルタ層26b上には近赤外線カット層60を有さない態様とすることができる。
図17に示す構造体117は、支持体10とフィルタ層21b〜26bとの間に近赤外線カット層60が設けられている以外は図3に示す構造体103と同様の構成をなしている。なお、図17に示す構造体117において、近赤外線カット層60は、第1の光学フィルタ層である、フィルタ層22b〜24bと、支持体10との間にのみ設けてもよい。また、第2の光学フィルタ層である、フィルタ層21b、25b、26bの少なくとも1つのフィルタ層と支持体10との間に近赤外線カット層60を有さない態様とすることもできる。
本発明の構造体は、固体撮像素子などの各種類の光センサや、画像表示装置(例えば、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置など)に組み込んで用いることができる。例えば、本発明の構造体が組み込まれた光センサは、特に限定はないが、生体認証用途、監視用途、モバイル用途、自動車用途、農業用途、医療用途、距離計測用途、ジェスチャー認識用途などに好ましく用いることができる。
<光センサ>
本発明の光センサは、本発明の積層体を有する。光センサとしては、固体撮像素子などが挙げられる。
<光散乱層形成用組成物>
次に、本発明の構造体における光散乱層の形成に好ましく用いることができる組成物(光散乱層形成用組成物)について説明する。
<<白色顔料>>
光散乱層形成用組成物は、白色顔料を含有することが好ましい。白色顔料の詳細については、上述した光散乱層の項で説明した白色顔料が挙げられ、好ましい範囲も同様である。白色顔料の含有量は、光散乱層形成用組成物の全固形分に対して1〜75質量%が好ましい。下限は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、25質量%以上が更に好ましく、35質量%以上が特に好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、55質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更に好ましく、45質量%以下が一層好ましく、42質量%以下が特に好ましい。白色顔料の含有量が上記範囲であれば、白度および光散乱性の良好な光散乱層を形成できる。更には、第1の光学フィルタ層上に光散乱層を形成した際における光散乱層の混色などを効果的に抑制できる。光散乱層形成用組成物は、白色顔料を1種類のみ含んでいてもよく、2種類以上含んでいてもよい。光散乱層形成用組成物が白色顔料を2種類以上含む場合、それらの合計量が上記範囲内であることが好ましい。
<<その他の着色剤>>
光散乱層形成用組成物は、白色顔料以外の、その他の着色剤を含有してもよい。その他の着色剤を含有することで、組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるa*およびb*を好ましい範囲に制御しやすい。その他の着色剤としては、有彩色着色剤や黒色着色剤などが挙げられる。
(有彩色着色剤)
光散乱層形成用組成物は、有彩色着色剤を含有することができる。本発明において、有彩色着色剤とは、白色着色剤(白色顔料を含む)および黒色着色剤以外の着色剤を意味する。光散乱層形成用組成物が有彩色着色剤を含有することで、例えば経時、加熱などによる組成物の色味(CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*、a*およびb*)の目視評価の変動を安定させることができる。有彩色着色剤は、波長400nm以上650nm未満の範囲に極大吸収を有する着色剤であることが好ましい。
有彩色着色剤は、有彩色顔料であってもよく、染料であってもよい。有彩色顔料は、有機顔料であることが好ましい。有機顔料としては特に限定されず、公知の有彩色顔料を用いることができる。有機顔料として、例えば、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されない。
カラーインデックス(C.I.)Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等(以上、黄色顔料)、
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等(以上、オレンジ色顔料)、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279等(以上、赤色顔料)、
C.I.Pigment Green 7,10,36,37,58,59等(以上、緑色顔料)、
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42等(以上、紫色顔料)、
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80等(以上、青色顔料)。
有機顔料は、単独で用いてもよく、2つ以上を組合せて用いることができる。
染料としては特に制限はなく、公知の染料が使用できる。化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリアリールメタン系、アントラキノン系、アントラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピロメテン系等の染料が使用できる。また、これらの染料の多量体を用いてもよい。また、特開2015−028144号公報、特開2015−34966号公報に記載の染料を用いることもできる。また、染料は、酸性染料およびその誘導体を用いることができる。その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および、これらの誘導体等も有用に使用することができる。以下に酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されない。例えば、以下の染料、及び、これらの染料の誘導体が挙げられる。
Acid Alizarin violet N、
Acid Blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40〜45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1、
Acid Chrome violet K、
Acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50、
Acid Orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95、
Acid Red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274、
Acid Violet 6B,7,9,17,19、
Acid Yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243、
Food Yellow 3。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料及びこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
光散乱層形成用組成物が、有彩色着色剤を含有する場合、有彩色着色剤の含有量は、光散乱層形成用組成物の全固形分中0.1〜70質量%とすることが好ましい。下限は、0.5質量%以上がより好ましく、1.0質量%以上が特に好ましい。上限は、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。光散乱層形成用組成物が、有彩色着色剤を2種類以上含む場合、それらの合計量が上記範囲内であることが好ましい。
(黒色着色剤)
光散乱層形成用組成物は、黒色着色剤を含有することができる。黒色着色剤としては、無機系黒色着色剤であってもよく、有機系黒色着色剤であってもよい。
有機系黒色着色剤としては、例えば、ビスベンゾフラノン化合物、アゾメチン化合物、ペリレン化合物、アゾ系化合物などが挙げられ、ビスベンゾフラノン化合物、ペリレン化合物が好ましい。ビスベンゾフラノン化合物としては、特表2010−534726号公報、特表2012−515233号公報、特表2012−515234号公報などに記載の化合物が挙げられ、例えば、BASF社製の「Irgaphor Black」として入手可能である。ペリレン化合物としては、C.I.Pigment Black 31、32などが挙げられる。アゾメチン化合物としては、特開平1−170601号公報、特開平2−34664号公報などに記載の化合物が挙げられ、例えば、大日精化社製の「クロモファインブラックA1103」として入手できる。
無機系黒色着色剤としては、特に限定されず、公知の無機系黒色着色剤を用いることができる。例えば、カーボンブラック、チタンブラック、グラファイト等が挙げられ、カーボンブラック、チタンブラックが好ましく、チタンブラックがより好ましい。チタンブラックとは、チタン原子を含有する黒色粒子であり、低次酸化チタンや酸窒化チタンが好ましい。チタンブラックは、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、表面を修飾することが可能である。例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、又は、酸化ジルコニウムでチタンブラックの表面を被覆することが可能である。また、特開2007−302836号公報に表されるような撥水性物質での処理も可能である。黒色顔料として、具体的には、C.I.Pigment Black 1,7、チタンブラック顔料等が挙げられる。
チタンブラックは、個々の粒子の一次粒子径及び平均一次粒子径のいずれもが小さいものが好ましい。具体的には、平均一次粒子径が10〜45nmであることが好ましい。
チタンブラックの比表面積は特に制限されず、BET(Brunauer, Emmett, Teller)法にて測定した値が5〜150m/gであることが好ましく、20〜120m/gであることがより好ましい。チタンブラックの市販品としては、チタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C、13R−N、13M−T(商品名:三菱マテリアル(株)製)、ティラック(Tilack)D(商品名:赤穂化成(株)製)などが挙げられる。
チタンブラックは、分散物として用いることもできる。例えば、チタンブラック粒子とシリカ粒子とを含み、分散物中のSi原子とTi原子との含有比を0.20〜0.50の範囲に制御した分散物などが挙げられる。上記分散物については、特開2012−169556号公報の段落番号0020〜0105の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
<<樹脂>>
光散乱層形成用組成物は、樹脂を含むことが好ましい。樹脂は、例えば、顔料などの粒子を組成物中で分散させる用途、バインダーの用途で配合される。なお、主に粒子を組成物中で分散させるために用いられる樹脂を分散剤ともいう。ただし、樹脂のこのような用途は一例であって、このような用途以外の目的で樹脂を使用することもできる。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1000〜200000が好ましく、より好ましくは2000〜100000である。これらの範囲であると、相溶性と白味の観点から好ましい。
樹脂の含有量は、光散乱層形成用組成物の全固形分に対して5〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。これらの範囲であるとパターン形状、耐熱性、L*の観点から好ましい。樹脂を、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
(バインダー)
光散乱層形成用組成物は、樹脂としてバインダーを含有することが好ましい。バインダーを含有することで、膜特性が向上する。バインダーは、公知のものを任意に使用できる。例えば、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルフォスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、シロキサン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂から1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。環状オレフィン樹脂としては、耐熱性向上の観点からノルボルネン樹脂が好ましく用いることができる。ノルボルネン樹脂の市販品としては、例えば、JSR(株)製のARTONシリーズ(例えば、ARTON F4520)などが挙げられる。また、エポキシ樹脂としては、マープルーフG−0150M、G−0105SA、G−0130SP、G−0250SP、G−1005S、G−1005SA、G−1010S、G−2050M、G−01100、G−01758(日油(株)製、エポキシ基含有ポリマー)を用いることもできる。樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1000〜200000が好ましく、より好ましくは2000〜100000である。
本発明において、バインダーとして、波長589nmの光に対する屈折率が1.5以下である樹脂を用いることも好ましい。この態様によれば、白色度に優れた膜を製造しやすい。このような樹脂としては、フッ素系樹脂や、ポリシロキサン系樹脂などを挙げることができ、ポリシロキサン系樹脂(ポリシロキサンが主骨格であることが好ましい)であることが好ましい。ポリシロキサン系樹脂としては、下記式(1)で示される化合物を単独で加水分解および縮合して得られるポリシロキサン系樹脂や、下記式(1)で示される化合物と他のシラン化合物と加水分解および縮合して得られるポリシロキサン系樹脂を用いることができる。ポリシロキサン系樹脂の詳細については、特開2014−66988号公報の段落番号0014〜0035の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
Si(OR ・・・式(1)
式(1)におけるRはそれぞれ独立してアルキル基またはフェニル基を表し、Rはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基を表す。
本発明にいて、バインダーとしては、アルカリ可溶性樹脂を用いることもできる。アルカリ可溶性樹脂を用いることで、アルカリ現像可能な組成物とすることができる。アルカリ可溶性樹脂としては、酸基を有する樹脂が挙げられる。酸基としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホ基、フェノール性水酸基などが挙げられ、カルボキシル基が好ましい。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂の酸価としては、30〜500mgKOH/gであることが好ましい。下限は、50mgKOH/g以上がより好ましく、70mgKOH/g以上が更に好ましい。上限は、400mgKOH/g以下がより好ましく、200mgKOH/g以下がさらに好ましく、150mgKOH/g以下が特に好ましく、120mgKOH/g以下が最も好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、側鎖にカルボキシル基を有するポリマーが好ましい。具体例としては、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、ノボラック樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂、側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシル基を有するポリマーに酸無水物を付加させた樹脂が挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他のモノマーとの共重合体が、アルカリ可溶性樹脂として好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他のモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートおよびアリール(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等、ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等が挙げられる。また他のモノマーは、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマー、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を用いることもできる。なお、これらの(メタ)アクリル酸と共重合可能な他のモノマーは1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂は、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好ましく用いることができる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを共重合したもの、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体なども好ましく用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂を使用してもよい。この態様によれば、得られる膜の耐溶剤性が向上する傾向にある。重合性基としては、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂は、重合性基を側鎖に有するアルカリ可溶性樹脂等が有用である。重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、ダイヤナールNRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、Photomer6173(COOH含有 polyurethane acrylic oligomer.Diamond Shamrock Co.,Ltd.製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(例えば、ACA230AA)、プラクセル CF200シリーズ(いずれも(株)ダイセル製)、Ebecryl3800(ダイセル・オルネクス(株)製)、アクリキュアーRD−F8(日本触媒(株)製)などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、下記式(ED1)で示される化合物および/または下記式(ED2)で表される化合物(以下、これらの化合物を「エーテルダイマー」と称することもある。)を含むモノマー成分を重合してなるポリマーを含むことも好ましい。エーテルダイマーを含むモノマー成分を重合してなるポリマーの詳細については、特開2015−34961号公報の段落0022〜0031を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
式(ED1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。

式(ED2)中、Rは、水素原子または炭素数1〜30の有機基を表す。式(ED2)の具体例としては、特開2010−168539号公報の記載を参酌できる。
エーテルダイマーの具体例としては、例えば、特開2013−29760号公報の段落番号0317を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。エーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂は、下記式(X)で示される化合物に由来する繰り返し単位を含んでいてもよい。

式(X)において、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数2〜10のアルキレン基を表し、Rは、水素原子またはベンゼン環を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。nは1〜15の整数を表す。
アルカリ可溶性樹脂の具体例としては、例えば、下記の樹脂が挙げられる。また、特開2015−34961号公報の段落番号0037に記載の樹脂も挙げられる。これらの樹脂の中でも、下記C−2などの重合性基を有するアルカリ可溶性樹脂であることが、耐溶剤性の観点から好ましい。
(分散剤)
光散乱層形成用組成物は、樹脂として分散剤を含有することができる。分散剤は、酸性樹脂、塩基性樹脂および両性樹脂から選ばれる1種類以上を含むことが好ましく、酸性樹脂および両性樹脂から選ばれる少なくとも1種類がより好ましい。この態様によれば、顔料の分散性が良好である。
本発明において、酸性樹脂とは、酸基を有する樹脂であって、酸価が5mgKOH/g以上、アミン価が5mgKOH/g未満の樹脂を意味する。酸性樹脂は、塩基性基を有さないことが好ましい。酸性樹脂が有する酸基としては、例えば、カルボキシ基、リン酸基、スルホ基、フェノール性ヒドロキシ基などが挙げられ、リン酸基、カルボキシ基が好ましい。酸性樹脂の酸価は、5〜200mgKOH/gが好ましい。下限は、10mgKOH/g以上がより好ましく、20mgKOH/g以上がさらに好ましい。上限は、100mgKOH/g以下がより好ましく、60mgKOH/g以下がさらに好ましい。また、酸性樹脂のアミン価は、2mgKOH/g以下が好ましく、1mgKOH/g以下がより好ましい。
本発明において、塩基性樹脂とは、塩基性基を有する樹脂であって、アミン価が5mgKOH/g以上、酸価が5mgKOH/g未満の樹脂を意味する。塩基性樹脂は、酸基を有さないことが好ましい。塩基性樹脂が有する塩基性基としては、アミノ基が好ましい。塩基性樹脂のアミン価は、5〜200mgKOH/gが好ましく、5〜150mgKOH/gがより好ましく、5〜100mgKOH/gがさらに好ましい。
本発明において、両性樹脂とは、酸基と塩基性基を有する樹脂であって、酸価が5mgKOH/g以上で、アミン価が5mgKOH/g以上である樹脂を意味する。酸基としては、前述したものが挙げられ、カルボキシ基が好ましい。塩基性基としては、アミノ基が好ましい。両性樹脂は、酸価が5mgKOH/g以上で、アミン価が5mgKOH/g以上であることが好ましい。酸価は、5〜200mgKOH/gが好ましい。下限は、10mgKOH/g以上がより好ましく、20mgKOH/g以上がさらに好ましい。上限は、150mgKOH/g以下がより好ましく、100mgKOH/g以下がさらに好ましい。アミン価は、5〜200mgKOH/gが好ましい。下限は、10mgKOH/g以上がより好ましく、20mgKOH/g以上がさらに好ましい。上限は、150mgKOH/g以下がより好ましく、100mgKOH/g以下がさらに好ましい。両性樹脂の酸価とアミン価の比率は、酸価:アミン価=1:4〜4:1が好ましく、1:3〜3:1がより好ましい。
分散剤としては、高分子分散剤〔例えば、アミン基を有する樹脂(ポリアミドアミンとその塩など)、オリゴイミン系樹脂、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物〕等を挙げることができる。高分子分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
分散剤は、顔料に対する吸着能を有する部位を有する樹脂であることが好ましい(以下、「吸着部位」と総称する)。吸着部位としては、酸基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボキシ基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種類有する1価の置換基等が挙げられる。吸着部位は、酸基であることが好ましい。なかでも、吸着部位がリン原子含有基およびカルボキシ基の少なくとも一方であることが好ましい。リン原子含有基としては、リン酸エステル基、ポリリン酸エステル基、リン酸基等が挙げられる。吸着部位の詳細については、特開2015−34961号公報の段落番号0073〜0080を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明において、樹脂(分散剤)は、下記式(111)で表される樹脂が好ましい。
上記式(111)中、Rは、(m+n)価の連結基を表し、Rは単結合又は2価の連結基を表す。Aは、酸基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボキシ基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種類有する1価の置換基を表す。n個のA及びRは、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。mは8以下の正の数を表し、nは1〜9の整数を表し、m+nは3〜10の整数を満たす。Pは1価のポリマー鎖を表す。m個のPは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(111)で表される樹脂は、特開2007−277514号公報の段落番号0039(対応する米国特許出願公開第2010/0233595号明細書の段落番号0053)の記載、特開2015−34961号公報の段落番号0081〜0117の記載、特許第5909468号公報、特許第5894943号公報、および特許第5894944号公報の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明において、樹脂(分散剤)は、下記式(11)〜式(14)のいずれかで表される繰り返し単位を含むグラフト共重合体を用いることもできる。
式(11)〜式(14)において、W、W、W、及びWはそれぞれ独立に酸素原子、または、NHを表し、X、X、X、X、及びXはそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表し、Y、Y、Y、及びYはそれぞれ独立に2価の連結基を表し、Z、Z、Z、及びZはそれぞれ独立に1価の基を表し、Rはアルキレン基を表し、Rは水素原子又は1価の基を表し、n、m、p、及びqはそれぞれ独立に1〜500の整数を表し、j及びkはそれぞれ独立に2〜8の整数を表す。式(13)において、pが2〜500のとき、複数存在するRは互いに同じであっても異なっていてもよく、式(14)において、qが2〜500のとき、複数存在するX及びRは互いに同じであっても異なっていてもよい。
上記グラフト共重合体については、特開2012−255128号公報の段落番号0025〜0094の記載を参酌でき、本明細書には上記内容が組み込まれる。上記グラフト共重合体の具体例としては、例えば、以下の樹脂が挙げられる。また、特開2012−255128号公報の段落番号0072〜0094に記載の樹脂が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明において、樹脂(分散剤)は、主鎖及び側鎖の少なくとも一方に塩基性窒素原子を含むオリゴイミン系分散剤も好ましい。オリゴイミン系分散剤としては、pKa14以下の官能基を有する部分構造Xを有する繰り返し単位と、原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yを含む側鎖とを有し、かつ主鎖及び側鎖の少なくとも一方に塩基性窒素原子を有する樹脂が好ましい。この樹脂は、窒素原子と、部分構造Xが有するpKa14以下の官能基との双方で、顔料と相互作用し、オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yが立体反発基として機能することにより、良好な分散性を発揮して、組成物中において顔料を均一に分散することができる。また、オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yと溶剤とが相互作用することにより、白色顔料の沈降を長期間抑制することができる。
ここで、塩基性窒素原子とは、塩基性を呈する窒素原子であれば特に制限はなく、樹脂がpKb14以下の窒素原子を有する構造を含有することが好ましく、pKb10以下の窒素原子を有する構造を含有することがより好ましい。本発明においてpKb(塩基強度)とは、水温25℃でのpKbをいい、塩基の強さを定量的に表すための指標のひとつであり、塩基性度定数と同義である。塩基強度pKbと、酸強度pKaとは、pKb=14−pKaの関係にある。
オリゴイミン系分散剤については、特開2015−34961号公報の段落番号0118〜0190の記載を参酌でき、本明細書には上記内容が組み込まれる。オリゴイミン系分散剤の具体例としては、例えば、下記の樹脂や、特開2015−34961号公報の段落番号0169〜0190に記載の樹脂を用いることができる。
分散剤は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、Solsperse 36000、41000(以上、Lubrizol(株)製)、ライトエステルP−1M、ライトエステルP−2M(以上、共栄社化学(株)製)などが挙げられる。また、特開2014−130338号公報の段落番号0041〜0130に記載された顔料分散剤を用いることもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。分散剤は、1種類単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。分散剤は、上述したバインダーで説明した樹脂を用いることもできる。また、分散剤は、波長589nmの光に対する屈折率が1.5以下である樹脂を用いてもよい。
分散剤の含有量は、光散乱層形成用組成物の全固形分に対して、1〜80質量%であることがパターン形状および密着性の観点から好ましい。上限は、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。下限は、1.5質量%以上が好ましく、2質量%以上がさらに好ましい。
また、分散剤の含有量は、顔料100質量部に対して、1〜100質量部が好ましい。上限は、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がさらに好ましい。下限は、2.5質量部以上が好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。
また、分散剤の含有量は、白色顔料100質量部に対して、1〜100質量部が好ましい。上限は、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がさらに好ましい。下限は、2.5質量部以上が好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。
また、分散剤の含有量は、酸化チタン100質量部に対して、1〜100質量部が好ましい。上限は、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がさらに好ましい。下限は、2.5質量部以上が好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。
<<溶剤>>
光散乱層形成用組成物は溶剤を含有することが好ましい。溶剤は種々の有機溶剤を用いて構成することができる。有機溶剤の例としては、例えば、エステル類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらの詳細については、国際公開WO2015/166779号公報の段落番号0223を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、環状アルキル基が置換したエステル系溶剤、環状アルキル基が置換したケトン系溶剤を好ましく用いることもできる。有機溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、酢酸シクロヘキシル、シクロペンタノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル、ブチルジグリコールアセテート、3−メトキシブチルアセテートなどが挙げられる。また、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドも溶解性向上の観点から好ましい。これらの有機溶剤は、単独にて、あるいは混合して使用することができる。ただし溶剤としての芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等)は、環境面等の理由により低減したほうがよい場合がある(例えば、有機溶剤全量に対して、50質量ppm(parts per million)以下、10質量ppm以下、あるいは1質量ppm以下とすることができる)。
本発明において、溶剤は、金属含有量が少ない溶剤を用いることが好ましい。溶剤の金属含有量は、例えば、10質量ppb(parts per billion)以下であることが好ましい。必要に応じて質量ppt(parts per trillion)レベルのものを用いてもよく、そのような高純度溶剤は、例えば、東洋合成社が提供している(化学工業日報、2015年11月13日)。
溶剤から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、蒸留(分子蒸留や薄膜蒸留等)やフィルタを用いた濾過を挙げることができる。濾過に用いるフィルタのフィルタ孔径としては、ポアサイズ10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下が更に好ましい。フィルタとしては、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、または、ナイロン製のフィルタが好ましい。
溶剤には、異性体(同じ原子数で異なる構造の化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種類のみが含まれていてもよいし、複数種類含まれていてもよい。
溶剤の含有量は、光散乱層形成用組成物の固形分濃度が25〜70質量%となる量が好ましく、光散乱層形成用組成物の固形分濃度が30〜60質量%となる量がより好ましい。
<<硬化性化合物>>
光散乱層形成用組成物は、硬化性化合物を含有することが好ましい。
硬化性化合物としては、ラジカル、酸、熱により架橋(重合および縮合を含む)可能な化合物を用いることができる。本発明で用いる硬化性化合物は、例えば、エチレン性不飽和結合を有する基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物、メチロール基を有する化合物などが挙げられ、エチレン性不飽和結合を有する基を有する化合物が好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
本発明において、硬化性化合物は、ラジカル重合性化合物が好ましい。ラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有する基を有する化合物などが挙げられる。以下において、特に断りが無く重合性化合物という場合は、ラジカル重合性化合物のことを言う。
硬化性化合物の含有量は、光散乱層形成用組成物の全固形分に対して、1〜70質量%が好ましい。下限は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。これらの範囲であるとパターン形状、耐熱性、L*の観点から好ましい。光散乱層形成用組成物に用いられる硬化性化合物は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
硬化性化合物として重合性化合物を用いる場合、重合性化合物の含有量は、光散乱層形成用組成物の全固形分に対し、1〜70質量%が好ましい。下限は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。光散乱層形成用組成物に用いられる重合性化合物は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、重合性化合物の含有量は、硬化性化合物の全質量に対して、10〜100質量%が好ましく、30〜100質量%がより好ましい。
(重合性化合物)
重合性化合物としては、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する基を有する化合物が好ましく、末端エチレン性不飽和結合を有する基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物がより好ましい。また、重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を有する基を6個以上有する化合物であるか、エチレン性不飽和結合を有する基を3〜4個有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合を有する基を3〜4個有する化合物がより好ましい。
重合性化合物は、モノマー、ポリマーのいずれの形態であってもよいがモノマーが好ましい。モノマータイプの重合性化合物は、分子量が100〜3000であることが好ましい。上限は、2000以下が好ましく、1500以下が更に好ましい。下限は、150以上が好ましく、250以上が更に好ましい。
重合性化合物は、3〜15官能の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、3〜6官能の(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましく、3〜4官能の(メタ)アクリレート化合物であることがパターン形状の観点からさらに好ましい。この態様によれば、得られる膜の耐溶剤性や、基材との密着性、パターン形状を改善できる。また、重合性化合物は、6官能以上の(メタ)アクリレート化合物であることも好ましい。
重合性化合物の具体例としては、特開2007−269779号公報の段落番号0248〜0251に記載されている化合物が挙げられる。
また、特開平10−62986号公報に記載の、多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性化合物として用いることができる。
重合性化合物は、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては、NKエステル A−TMMT;新中村化学工業(株)製)、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては、KAYARAD D−330;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては、KAYARAD D−320;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては、KAYARAD D−310;日本化薬(株)製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては、KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製)が好ましく、ペンタエリスリトールテトラアクリレートがパターン形状の観点からより好ましい。また、重合性化合物は、アロニックスTO−2349(東亞合成(株)製)、NKエステル A−DPH−12E(新中村化学工業(株)製)などを用いることも好ましい。
重合性化合物は、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基等の酸基を有していてもよい。酸基を有する重合性化合物の市販品としては、例えば、東亞合成(株)製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、アロニックスシリーズのM−305、M−510、M−520などが挙げられる。酸基を有する重合性化合物の酸価は、0.1〜40mgKOH/gが好ましい。下限は5mgKOH/g以上が好ましい。上限は、30mgKOH/g以下が好ましい。
また、重合性化合物は、カプロラクトン構造を有する重合性化合物も好ましい態様である。カプロラクトン構造を有する重合性化合物としては、分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されない。例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸及びε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。カプロラクトン構造を有する重合性化合物は、特開2016−006475号公報の段落番号0091〜0107の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。市販品としては、例えばサートマー(株)製のエチレンオキシ基を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬(株)製のペンチレンオキシ基を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ基を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
重合性化合物は、特公昭48−41708号公報、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載のウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。また、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載の分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類も好ましい。
重合性化合物は市販品である、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ(株)製)、U−4HA、U−6LPA、UA−32P、U−10HA、U−10PA、UA−122P、UA−1100H、UA−7200(新中村化学工業(株)製)、DPHA−40H(日本化薬(株)製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社化学(株)製)、UA−9050、UA−9048(BASF(株)UA製)、8UH−1006、8UH−1012(大成ファインケミカル(株)製)などを用いることもできる。
また、重合性化合物としては、分子内にSi原子を有する重合性化合物も好ましい態様である。分子内にSi原子を有する重合性化合物の市販品としては、シロキサン結合含有の多官能アクリレートであるEBECRYL1360(ダイセルオルネクス(株)製)、Si原子含有多官能ビニル化合物であるVINYLTRIISOPROPENOXYSILANE(アズマックス株式会社製)などが挙げられる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、感度の観点では、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高める観点では、3官能以上の化合物が好ましく、さらに、官能数および重合性基のうち少なくとも一方が異なる化合物を併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。さらに、3官能以上の化合物であって、エチレンオキサイド鎖長の異なる重合性化合物を併用することも好ましい。この態様によれば、光散乱層形成用組成物の現像性を調節することができ、優れたパターン形成が得られる。また、光散乱層形成用組成物に含まれる他の成分(例えば、光重合開始剤、樹脂等)との相溶性および分散性のうち少なくとも一方に対しても、重合性化合物の選択および使用方法のうち少なくとも一方は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種類以上の併用により、相溶性などを向上することができる。
(エポキシ基を有する化合物)
光散乱層形成用組成物は、硬化性化合物としてエポキシ基を有する化合物を用いることもできる。この態様によれば、得られる膜の耐溶剤性を向上できる。エポキシ基を有する化合物としては、単官能または多官能グリシジルエーテル化合物や、多官能脂肪族グリシジルエーテル化合物などが挙げられる。また、脂環式エポキシ基を有する化合物を用いることもできる。
エポキシ基を有する化合物としては、1分子にエポキシ基を1つ以上有する化合物が挙げられる。エポキシ基は、1分子に1〜100個有することが好ましい。上限は、例えば、10個以下とすることもでき、5個以下とすることもできる。下限は、2個以上が好ましい。
エポキシ基を有する化合物は、エポキシ当量(=エポキシ基を有する化合物の分子量/エポキシ基の数)が500g/当量以下であることが好ましく、100〜400g/当量であることがより好ましく、100〜300g/当量であることがさらに好ましい。
エポキシ基を有する化合物は、低分子化合物(例えば、分子量1000未満)でもよいし、高分子化合物(macromolecule)(例えば、分子量1000以上、ポリマーの場合は、重量平均分子量が1000以上)のいずれでもよい。エポキシ基を有する化合物の重量平均分子量は、200〜100000が好ましく、500〜50000がより好ましい。重量平均分子量の上限は、10000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、3000以下が更に好ましい。エポキシ基を有する化合物は、脂肪族エポキシ樹脂であることが、耐溶剤性の観点から好ましい。
エポキシ基を有する化合物の市販品としては、EHPE3150((株)ダイセル製)、EPICLON N−695(DIC(株)製)などが挙げられる。また、エポキシ基を有する化合物は、特開2013−011869号公報の段落番号0034〜0036、特開2014−043556号公報の段落番号0147〜0156、特開2014−089408号公報の段落番号0085〜0092に記載された化合物を用いることもでき、これらの内容は、本明細書に組み込まれる。
<<重合開始剤>>
光散乱層形成用組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤の含有量は、光散乱層形成用組成物の全固形分に対し0.1〜50質量%であることが耐溶剤性、着色性の観点から好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%であり、さらに好ましくは1〜20質量%である。組成物は、重合開始剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、それらの合計量が上記範囲となることが好ましい。
重合開始剤としては、光重合開始剤または熱重合開始剤が好ましく、光重合開始剤が好ましい。熱重合開始剤としては特に制限は無く、公知の化合物を用いることができる。
(光重合開始剤)
光散乱層形成用組成物は、光重合開始剤を含有することができる。特に、光散乱層形成用組成物が、重合性化合物を含む場合、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視領域の光線に対して感光性を有する化合物が好ましい。光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤は、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有する化合物、オキサジアゾール骨格を有する化合物など)、アシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物などが挙げられる。光ラジカル重合開始剤は、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリールイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体、ハロメチルオキサジアゾール化合物および3−アリール置換クマリン化合物が好ましく、オキシム化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、および、アシルホスフィン化合物から選ばれる化合物がより好ましく、オキシム化合物が更に好ましい。光重合開始剤としては、特開2014−130173号公報の段落0065〜0111の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。また、光重合開始剤は、KAYACURE DETX−S(日本化薬(株)製)を用いることもできる。
α−ヒドロキシケトン化合物の市販品としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959、IRGACURE−127(以上、BASF社製)などが挙げられる。α−アミノケトン化合物の市販品としては、IRGACURE−907、IRGACURE−369、IRGACURE−379、及び、IRGACURE−379EG(以上、BASF社製)などが挙げられる。アシルホスフィン化合物の市販品としては、IRGACURE−819、DAROCUR−TPO(以上、BASF社製)などが挙げられる。
オキシム化合物としては、特開2001−233842号公報に記載の化合物、特開2000−80068号公報に記載の化合物、特開2006−342166号公報に記載の化合物、特開2016−21012号公報に記載の化合物などを用いることができる。本発明において好適に用いることができるオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイルオキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。また、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年、pp.156−162)、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年、pp.202−232)、特開2000−66385号公報、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報に記載の化合物等も挙げられる。市販品としては、IRGACURE−OXE01、IRGACURE−OXE02、IRGACURE−OXE03、IRGACURE−OXE04(以上、BASF社製)も好適に用いられる。また、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカオプトマーN−1919((株)ADEKA製、特開2012−14052号公報に記載の光重合開始剤2)も用いることができる。また、オキシム化合物としては、着色性が無い化合物や、透明性が高く変色し難い化合物を用いることも好ましい。市販品としては、アデカアークルズNCI−730、NCI−831、NCI−930(以上、(株)ADEKA製)などが挙げられる。
本発明において、光重合開始剤として、フルオレン環を有するオキシム化合物を用いることもできる。フルオレン環を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2014−137466号公報に記載の化合物が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明において、光重合開始剤として、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報に記載の化合物、特表2014−500852号公報に記載の化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報に記載の化合物(C−3)などが挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明において、光重合開始剤として、ニトロ基を有するオキシム化合物を用いることができる。ニトロ基を有するオキシム化合物は、二量体とすることも好ましい。ニトロ基を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2013−114249号公報の段落番号0031〜0047、特開2014−137466号公報の段落番号0008〜0012、0070〜0079に記載されている化合物、特許第4223071号公報の段落番号0007〜0025に記載されている化合物、アデカアークルズNCI−831((株)ADEKA製)が挙げられる。
本発明において好ましく使用されるオキシム化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。

オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収を有する化合物が好ましく、360nm〜480nmの波長領域に極大吸収を有する化合物がより好ましい。また、オキシム化合物は、365nm及び405nmの吸光度が高い化合物が好ましい。
オキシム化合物の365nm又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いて測定することができる。例えば、分光光度計(Varian社製Cary−5 spectrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
本発明において、光重合開始剤は、2種類以上併用することも好ましい。例えば、メタノール中での365nmの吸光係数が1.0×10mL/gcm以上の光重合開始剤と、メタノール中での365nmの吸光係数が1.0×10mL/gcm以下であり、254nmの吸光係数が1.0×10mL/gcm以上の光重合開始剤とを併用することも好ましい。具体例として、α−アミノケトン化合物と、オキシム化合物との併用が挙げられる。この態様によれば、低温条件下であっても、硬化性に優れた膜を製造することができる。例えば、パターン形成工程において、現像工程前および現像工程後の2段階で光散乱層形成用組成物を露光することにより、最初の露光で光散乱層形成用組成物を適度に硬化させることができ、次の露光で光散乱層形成用組成物全体をほぼ硬化させることができる。このため、低温条件でも、光散乱層形成用組成物の硬化性を向上させることができる。
<<着色防止剤>>
光散乱層形成用組成物は、着色防止剤を含有することができる。本明細書に記載の着色防止剤は酸化防止剤や重合禁止剤としても使用できる。着色防止剤としては、フェノール化合物、亜リン酸エステル化合物、チオエーテル化合物などが挙げられ、分子量500以上のフェノール化合物、分子量500以上の亜リン酸エステル化合物又は分子量500以上のチオエーテル化合物がより好ましい。また、着色防止剤は、フェノール化合物が好ましく、分子量500以上のフェノール化合物がより好ましい。
フェノール化合物としては、フェノール系着色防止剤として知られる任意のフェノール化合物を使用することができる。好ましいフェノール化合物としては、ヒンダードフェノール化合物が挙げられる。特に、フェノール性水酸基に隣接する部位(オルト位)に置換基を有する化合物が好ましい。前述の置換基としては炭素数1〜22の置換又は無置換のアルキル基が好ましい。また、同一分子内にフェノール基と亜リン酸エステル基を有する化合物も好ましい。
フェノール系水酸基含有化合物類としては、特に多置換フェノール系化合物が好適に用いられる。多置換フェノール系化合物には、安定なフェノキシラジカル生成に起因する捕捉するパーオキシラジカルへの反応性から、置換位置および構造の異なる3種類(下記式(A)ヒンダードタイプ、式(B)セミヒンダードタイプおよび式(C)レスヒンダードタイプ)がある。

式(A)〜(C)において、Rは水素原子または置換基である。Rは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基が好ましく、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基がより好ましい。
さらに好ましい形態は、上記式(A)〜(C)で表される着色防止機能を発現する構造が同一分子内に複数存在する複合系着色防止剤であり、具体的には上記式(A)〜(C)で表される着色防止機能を発現する構造が同一分子内に2〜4個存在する化合物が好ましい。これらの中では、式(B)セミヒンダードタイプが着色性の観点からより好ましい。
フェノール系水酸基含有化合物としては、例えばパラメトキシフェノール、ジ−t−ブチル−パラクレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、フェノール樹脂類、及びクレゾール樹脂類からなる群より選択される化合物などが挙げられる。
市販品として入手できる代表例には、(A)としてはSumilizer BHT(住友化学(株)製)、Irganox 1010、1222(BASF社製)、アデカスタブAO−20、AO−50、AO−60((株)ADEKA製)などがある。(B)としてはSumilizer BBM−S(住友化学(株)製)、Irganox 245(BASF社製)、アデカスタブAO−80((株)ADEKA製)などがある。(C)としてはアデカスタブAO−30、AO−40((株)ADEKA製)などがある。
亜リン酸エステル化合物としてはトリス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、トリス[2−[(4,6,9,11−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−2−イル)オキシ]エチル]アミン、および亜リン酸エチルビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)からなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物が挙げられる。
市販品として入手できる亜リン酸エステル化合物の代表例には、アデカスタブ PEP−36A((株)ADEKA製)を挙げることができる。
チオエーテル化合物としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類、および、ペンタエリスリトールテトラ(β−アルキルチオプロピオン酸)エステル類;ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート等;テトラキス[メチレン−3−(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン、ビス(メチル−4−[3−n−アルキル(C12/C14)チオプロピオニルオキシ]5−t−ブチルフェニル)スルファイド、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ラウリル/ステアリルチオジプロピオネート、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−メタクレゾール)、2,2’−チオビス(6−t−ブチル−パラクレゾール)、ジステアリル−ジサルファイドが好ましい。
市販品として入手できるチオエーテル化合物の代表例には、アデカスタブ AO−412S(CAS:29598−76−3、(株)ADEKA製)、アデカスタブ AO−503(CAS:10595−72−9、(株)ADEKA製)、KEMINOX PLS(CAS:29598−76−3、ケミプロ化成(株)製)を挙げることができる。
着色防止剤の市販品としては、上述の代表例のほかに、アデカスタブ AO−50F、アデカスタブ AO−60G、アデカスタブ AO−330((株)ADEKA製)などが挙げられる。
また、着色防止剤としては、
5,5−ジメチル−1−ピロリンN−オキシド、4−メチルモルホリンN−オキシド、ピリジンN−オキシド、4−ニトロピリジンN−オキシド、3−ヒドロキシピリジンN−オキシド、ピコリン酸N−オキシド、ニコチン酸N−オキシド、及びイソニコチン酸N−オキシドなどのN−オキシド化合物類;
ピペリジン−1−オキシルフリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル、4−マレイミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル、及び4−ホスホノオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカルなどのピペリジン−1−オキシルフリーラジカル化合物類;
3−カルボキシプロキシルフリーラジカル、3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン1−オキシルフリーラジカルなどのピロリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類;
N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩及びN−ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩などのN−ニトロソフェニルヒドロキシアミン類;
4−ジアゾフェニルジメチルアミンの硫酸水素塩、4−ジアゾジフェニルアミンのテトラフルオロホウ酸塩、及び3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミンのヘキサフルオロリン酸塩などのジアゾニウム化合物類;
カチオン染料;
ニトロ基含有化合物類;
FeCl、CuCl等の遷移金属化合物類を用いることもできる。これらの詳細については、特開2015−34961号公報の段落0211〜0223に記載の化合物が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれる。
着色防止剤の含有量は、光散乱層形成用組成物の全固形分に対して、0.01〜20質量%であることが着色性および耐溶剤性の観点から好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.3〜5質量%が特に好ましい。着色防止剤は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<紫外線吸収剤>>
光散乱層形成用組成物は、紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤は、共役ジエン系化合物が好ましく、下記式(I)で表される化合物がより好ましい。
式(I)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数6〜20のアリール基を表し、RとRとは互いに同一でも異なっていてもよいが、同時に水素原子を表すことはない。
及びRは、各々独立に、電子求引性基を表す。R及びRは、アシル基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、スルファモイル基が好ましく、アシル基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、スルファモイル基がより好ましい。また、R及びRは、互いに結合して環状の電子求引性基を形成してもよい。RおよびRが互いに結合して形成する環状の電子求引性基としては、例えば、2個のカルボニル基を含む6員環を挙げることができる。
式(I)で示される紫外線吸収剤の置換基の説明は、WO2009/123109号公報の段落番号0024〜0033(対応する米国特許出願公開第2011/0039195号明細書の段落番号0040〜0059)の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。式(I)で表される化合物の好ましい具体例は、WO2009/123109号公報の段落番号0034〜0037(対応する米国特許出願公開第2011/0039195号明細書の段落番号0060)の例示化合物(1)〜(14)の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。式(I)で示される紫外線吸収剤の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、光散乱層形成用組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることがパターン形状および耐溶剤性の観点から好ましく、0.1〜7質量%であることがより好ましく、0.1〜5質量%であることが特に好ましく、0.1〜3質量%であることがより特に好ましい。また、本発明においては、紫外線吸収剤は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
紫外線吸収剤は、ユビナールA(BASF社製)を用いることもできる。また、紫外線吸収剤は、アミノジエン化合物、サリシレート化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、アクリロニトリル化合物、トリアジン化合物等の紫外線吸収剤を用いることができ、具体例としては特開2013−68814号公報に記載の化合物が挙げられる。ベンゾトリアゾール化合物としてはミヨシ油脂製のMYUAシリーズ(化学工業日報、2016年2月1日)を用いてもよい。
<<密着剤>>
光散乱層形成用組成物は、密着剤を含有することができる。密着剤としては特に制限は無く、公知の密着剤が使用できる。密着剤としては、例えば、シランカップリング剤を挙げることができる。
本発明において、シランカップリング剤は、加水分解性基とそれ以外の官能基とを有するシラン化合物を意味する。また、加水分解性基とは、ケイ素原子に直結し、加水分解反応および縮合反応のうち少なくとも一方によってシロキサン結合を生じ得る置換基をいう。加水分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基などが挙げられ、アルコキシ基が好ましい。すなわち、シランカップリング剤は、アルコキシシリル基を有する化合物が好ましい。また、加水分解性基以外の官能基は、樹脂との間で相互作用するか、もしくは結合を形成して親和性を示す基を有することが好ましい。例えば、(メタ)アクリロイル基、フェニル基、メルカプト基、エポキシ基、オキセタニル基が挙げられ、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基が好ましい。即ち、シランカップリング剤は、アルコキシシリル基と、(メタ)アクリロイル基およびエポキシ基のうち少なくとも一方と、を有する化合物が好ましい。アルコキシシリル基におけるアルコキシ基の炭素数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1または2が特に好ましい。アルコキシシリル基は、同一分子内に2個以上有することが好ましく、2〜3個有することがさらに好ましい。また、シランカップリング剤は、特開2009−288703号公報の段落番号0018〜0036に記載の化合物、特開2009−242604号公報の段落番号0056〜0066に記載の化合物、特開2009−288703号公報の段落番号0011〜0037に化合物を用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
密着剤の含有量は、光散乱層形成用組成物の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜7質量%がより好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。これらの範囲であると密着性と欠陥の観点から好ましい。また、本発明においては、組成物が含有する密着剤は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<連鎖移動剤>>
光散乱層形成用組成物は、連鎖移動剤を含有することができる。連鎖移動剤としては、N,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステルや、チオール化合物などが挙げられ、チオール化合物が好ましい。チオール化合物は、分子内に2個以上(好ましくは2〜8個、より好ましくは3〜6個)のメルカプト基を有する化合物が好ましい。チオール化合物の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、N−フェニルメルカプトベンゾイミダゾール、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどの複素環を有するチオール化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタンなどの脂肪族系のチオール化合物などが挙げられる。また、連鎖移動剤の市販品としては、PEMP(SC有機化学株式会社製、チオール化合物)、サンセラー M(三新化学工業(株)製、チオール化合物)、カレンズMT BD1(昭和電工(株)製、チオール化合物)などが挙げられる。また、下記構造の化合物を用いることも好ましい。
連鎖移動剤の含有量は、光散乱層形成用組成物の全固形分に対して0.2〜5.0質量%であることが好ましく、0.4〜3.0質量%であることがより好ましい。また、連鎖移動剤の含有量は、重合性化合物の100質量部に対し、1〜40質量部であることが好ましく、2〜20質量部であることがより好ましい。連鎖移動剤は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<増感剤>>
光散乱層形成用組成物は、光重合開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。増感剤としては、光重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。増感剤は、300〜450nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物が挙げられる。具体的には、特開2010−106268号公報の段落番号0231〜0253(対応する米国特許出願公開第2011/0124824号明細書の段落番号0256〜0273)の説明を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
増感剤の含有量は、光散乱層形成用組成物の全固形分に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましい。増感剤は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<共増感剤>>
光散乱層形成用組成物は、更に共増感剤を含有することも好ましい。共増感剤は、光重合開始剤や増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは、酸素の重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。共増感剤としては、具体的には、特開2010−106268号公報の段落番号0254〜0257(対応する米国特許出願公開第2011/0124824号明細書の段落番号0277〜0279)の説明を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
共増感剤の含有量は、重合成長速度と硬化速度の向上の観点から、光散乱層形成用組成物の全固形分に対して、0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、1.5〜20質量%であることが更に好ましい。共増感剤は1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。2種類以上の場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<界面活性剤>>
光散乱層形成用組成物は、塗布適性をより向上させる観点から、各種類の界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種類の界面活性剤を使用できる。
光散乱層形成用組成物にフッ素系界面活性剤を含有させることで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上し、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。即ち、フッ素系界面活性剤を含有する組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力が低下して、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布適性が向上する。このため、厚さムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行うことができる。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは7〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤として具体的には、特開2014−41318号公報の段落0060〜0064(対応する国際公開WO2014/17669号パンフレットの段落0060〜0064)等に記載の界面活性剤、特開2011−132503号公報の段落0117〜0132に記載の界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−1068、同SC−381、同SC−383、同S−393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PolyFox PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を含有する官能基を持つ分子構造で、熱を加えるとフッ素原子を含有する官能基の部分が切断されてフッ素原子が揮発するアクリル系化合物も好適に使用できる。このようなフッ素系界面活性剤としては、DIC(株)製のメガファックDSシリーズ(化学工業日報、2016年2月22日)(日経産業新聞、2016年2月23日)、例えばメガファックDS−21が挙げられ、これらを用いることができる。
フッ素系界面活性剤は、ブロックポリマーを用いることもできる。例えば特開2011−89090号公報に記載された化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、アルキレンオキシ基(好ましくはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基)を2以上(好ましくは5以上)有する(メタ)アクリレート化合物に由来する繰り返し単位と、を含む含フッ素高分子化合物も好ましく用いることができる。下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。

上記の化合物の重量平均分子量は、好ましくは3,000〜50,000であり、例えば、14,000である。繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。
また、フッ素系界面活性剤は、エチレン性不飽和基を側鎖に有する含フッ素重合体を用いることもできる。具体例としては、特開2010−164965号公報の段落番号0050〜0090および段落番号0289〜0295に記載された化合物、例えばDIC(株)製のメガファックRS−101、RS−102、RS−718K、RS−72−K等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、特開2015−117327号公報の段落番号0015〜0158に記載の化合物を用いることもできる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、トーレシリコーンDC3PA、トーレシリコーンSH7PA、トーレシリコーンDC11PA、トーレシリコーンSH21PA、トーレシリコーンSH28PA、トーレシリコーンSH29PA、トーレシリコーンSH30PA、トーレシリコーンSH8400(以上、東レ・ダウコーニング(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4460、TSF−4452(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、KP−341、KF6001、KF6002(以上、信越シリコーン株式会社製)、BYK307、BYK323、BYK330(以上、ビックケミー社製)等が挙げられる。
界面活性剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。界面活性剤の含有量は、光散乱層形成用組成物の全固形分に対して、0.001〜2.0質量%であることが好ましく、0.005〜1.0質量%であることがより好ましい。
<<その他の添加剤>>
光散乱層形成用組成物は、可塑剤や感脂化剤等の公知の添加剤を含有してもよい。可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等が挙げられる。可塑剤の含有量は、重合性化合物と樹脂との合計量に対し10質量%以下であることが好ましい。
なお、上述した本発明に係る光散乱層形成用組成物は、本発明の構造体以外の光散乱層形成用途に用いることもできる。例えば、この光散乱層形成用組成物を用いて、光センサ(特に、紫外線、近赤外線などの可視光以外の光の検出用の光センサ)の光路上に光拡散層を形成してもよい。光センサの光路上に光拡散層を形成することで、例えば、各波長における入射角依存を減らし、どの角度においても、入射光強度を均一化することができ、より適切なセンシング性能が得られる。特に入射光の種類が多いマルチスペクトル光センサに好適に用いられる。
また、この光散乱層形成用組成物を用いて発光素子上に光拡散層を形成してもよい。発光素子上に光拡散層を形成することで、例えば、光源を強度の揃った面光源にすることが可能になり、面に対して情報入手が必要な認証等の用途に用いるセンサ光源として好適である。
本発明に関する光散乱層形成用組成物を、上記用途に使う場合は、散乱させたい波長に応じて光散乱層形成用組成物中の顔料粒子径などを適時調整することが望ましい。
<着色層形成用組成物>
次に、本発明の構造体における着色層の形成に好ましく用いることができる組成物(着色層形成用組成物)について説明する。着色層形成用組成物は、有彩色着色剤を含むことが好ましい。有彩色着色剤としては、顔料であってもよく、染料であってもよい。有彩色着色剤の詳細については、上述したものが挙げられる。有彩色着色剤の含有量は、着色層形成用組成物の全固形分に対して0.1〜70質量%が好ましい。下限は、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましい。上限は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
着色層形成用組成物は、更に、樹脂、硬化性化合物、重合開始剤、溶剤、界面活性剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、密着剤、連鎖移動剤、増感剤、共増感剤などの添加剤を含んでいてもよい。これらの詳細については、上述した光散乱層形成用組成物に用いられる前述の材料が挙げられ、好ましい範囲も同様である。また、これらの材料の好ましい含有量についても光散乱層形成用組成物における含有量と同様である。
<透明層形成用組成物>
次に、本発明の構造体における透明層の形成に好ましく用いることができる組成物(透明層形成用組成物)について説明する。透明層形成用組成物は、樹脂を含有することが好ましい。樹脂としては、上述した光散乱層形成用組成物に用いられる前述の材料が挙げられ、好ましい範囲も同様である。また、樹脂の好ましい含有量についても光散乱層形成用組成物における含有量と同様である。透明層形成用組成物は、更に、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、PおよびSから選択される少なくとも一種の元素を含む酸化物の粒子(無機粒子ともいう)を含有することもできる。前述の無機粒子を含有する場合、無機粒子の含有量は、透明層形成用組成物の全固形分に対して、20〜70質量%であることが好ましい。下限は、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。上限は、65質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。透明層形成用組成物は、更に、樹脂、硬化性化合物、重合開始剤、溶剤、界面活性剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、密着剤、連鎖移動剤、増感剤、共増感剤などの添加剤を含んでいてもよい。これらの詳細については、上述した光散乱層形成用組成物に用いられる前述の材料が挙げられ、好ましい範囲も同様である。また、これらの材料の好ましい含有量についても光散乱層形成用組成物における含有量と同様である。
<近赤外線透過層形成用組成物>
次に、本発明の構造体における近赤外線透過層の形成に好ましく用いることができる近赤外線透過層形成用組成物について説明する。近赤外線透過層形成用組成物は、波長400〜640nmの範囲における吸光度の最小値Aminと、波長1100〜1300nmの範囲における吸光度の最大値Bmaxとの比であるAmin/Bmaxが5以上であることが好ましく、7.5以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましく、30以上であることが更に好ましい。
近赤外線透過層形成用組成物において、上記吸光度の条件は、例えば、後述する遮光材の種類およびその含有量を調整することにより、上記吸光度の条件を好適に達成できる。
ある波長λにおける吸光度Aλは、以下の式(1)により定義される。
Aλ=−log(Tλ/100) ・・・(1)
Aλは、波長λにおける吸光度であり、Tλは、波長λにおける透過率(%)である。
本発明において、吸光度の値は、溶液の状態で測定した値であってもよく、組成物を用いて製膜した膜での値であってもよい。膜の状態で吸光度を測定する場合は、ガラス基板上にスピンコート等の方法により、乾燥後の膜の厚さが所定の厚さとなるように組成物を塗布し、ホットプレートを用いて100℃、120秒間乾燥して調製した膜を用いて測定することが好ましい。膜の厚さは、膜を有する基板について、触針式表面形状測定器(ULVAC社製 DEKTAK150)を用いて測定することができる。
また、吸光度は、従来公知の分光光度計を用いて測定できる。吸光度の測定条件は特に限定はなく、波長400〜640nmの範囲における吸光度の最小値Aが、0.1〜3.0になるように調整した条件で、波長1100〜1300nmの範囲における吸光度の最大値Bを測定することが好ましい。このような条件で吸光度を測定することで、測定誤差をより小さくできる。波長400〜640nmの範囲における吸光度の最小値Aが、0.1〜3.0になるように調整する方法としては、特に限定はない。例えば、組成物の状態で吸光度を測定する場合は、試料セルの光路長を調整する方法が挙げられる。また、膜の状態で吸光度を測定する場合は、膜厚を調整する方法などが挙げられる。
近赤外線透過層形成用組成物は遮光材を含有することが好ましい。遮光材は、紫色から赤色の波長領域の光を吸収する色材であることが好ましい。また、遮光材は、波長400〜640nmの波長領域の光を遮光する色材であることが好ましい。また、遮光材は、波長1100〜1300nmの光を透過させる色材であることが好ましい。遮光材は、以下の(A)および(B)の少なくとも一方の要件を満たすことが好ましい。
(1):2種類以上の有彩色着色剤を含み、2種以上の有彩色着色剤の組み合わせで黒色を形成している。
(2):有機系黒色着色剤を含む。(2)の態様において、更に有彩色着色剤を含有することも好ましい。
遮光材は、例えば、波長400〜640nmの範囲における吸光度の最小値Aと、波長1100〜1300nmの範囲における吸光度の最小値Bとの比であるA/Bが4.5以上であることが好ましい。上記の特性は、1種類の素材で満たしていてもよく、複数の素材の組み合わせで満たしていてもよい。例えば、上記(1)の態様の場合、複数の有彩色着色剤を組み合わせて上記分光特性を満たしていることが好ましい。また、上記(2)の態様の場合、有機系黒色着色剤が上記分光特性を満たしていてもよい。また、有機系黒色着色剤と有彩色着色剤との組み合わせで上記の分光特性を満たしていてもよい。
遮光材は、赤色着色剤、青色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤および緑色着色剤から選ばれる2種以上を含むことが好ましい。すなわち、遮光材は、赤色着色剤、青色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤および緑色着色剤から選ばれる2種類以上の着色剤の組み合わせで黒色を形成していることが好ましい。好ましい組み合わせとしては、例えば以下が挙げられる。
(1)赤色着色剤と青色着色剤とを含有する態様。
(2)赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤とを含有する態様。
(3)赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤と紫色着色剤とを含有する態様。
(4)赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤と紫色着色剤と緑色着色剤とを含有する態様。
(5)赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤と緑色着色剤とを含有する態様。
(6)赤色着色剤と青色着色剤と緑色着色剤とを含有する態様。
(7)黄色着色剤と紫色着色剤とを含有する態様。
上記(1)の態様において、赤色着色剤と青色着色剤との質量比は、赤色着色剤:青色着色剤=20〜80:20〜80であることが好ましく、20〜60:40〜80であることがより好ましく、20〜50:50〜80であることが更に好ましい。
上記(2)の態様において、赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤の質量比は、赤色着色剤:青色着色剤:黄色着色剤=10〜80:20〜80:10〜40であることが好ましく、10〜60:30〜80:10〜30であることがより好ましく、10〜40:40〜80:10〜20であることが更に好ましい。
上記(3)の態様において、赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤と紫色着色剤との質量比は、赤色着色剤:青色着色剤:黄色着色剤:紫色着色剤=10〜80:20〜80:5〜40:5〜40であることが好ましく、10〜60:30〜80:5〜30:5〜30であることがより好ましく、10〜40:40〜80:5〜20:5〜20であることが更に好ましい。
上記(4)の態様において、赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤と紫色着色剤と緑色着色剤の質量比は、赤色着色剤:青色着色剤:黄色着色剤:紫色着色剤:緑色着色剤=10〜80:20〜80:5〜40:5〜40:5〜40であることが好ましく、10〜60:30〜80:5〜30:5〜30:5〜30であることがより好ましく、10〜40:40〜80:5〜20:5〜20:5〜20であることが更に好ましい。
上記(5)の態様において、赤色着色剤と青色着色剤と黄色着色剤と緑色着色剤の質量比は、赤色着色剤:青色着色剤:黄色着色剤:緑色着色剤=10〜80:20〜80:5〜40:5〜40であることが好ましく、10〜60:30〜80:5〜30:5〜30であることがより好ましく、10〜40:40〜80:5〜20:5〜20であることが更に好ましい。
上記(6)の態様において、赤色着色剤と青色着色剤と緑色着色剤の質量比は、赤色着色剤:青色着色剤:緑色着色剤=10〜80:20〜80:10〜40であることが好ましく、10〜60:30〜80:10〜30であることがより好ましく、10〜40:40〜80:10〜20であることが更に好ましい。
上記(7)の態様において、黄色着色剤と紫色着色剤の質量比は、黄色着色剤:紫色着色剤=10〜50:40〜80であることが好ましく、20〜40:50〜70であることがより好ましく、30〜40:60〜70であることが更に好ましい。
黄色着色剤としては、C.I.Pigment Yellow 139,150,185が好ましく、C.I.Pigment Yellow 139,150がより好ましく、C.I.Pigment Yellow 139が更に好ましい。青色着色剤としては、C.I.Pigment Blue 15:6が好ましい。紫色着色剤としては、C.I.Pigment Violet 23が好ましい。赤色着色剤としては、Pigment Red 122,177,224,254が好ましく、Pigment Red 122,177,254がより好ましく、Pigment Red 254が更に好ましい。緑色着色剤としては、C.I.Pigment Green 7,36,58,59が好ましい。
本発明において、遮光材として有機系黒色着色剤を用いる場合、有彩色着色剤と組み合わせて使用することが好ましい。有機系黒色着色剤と有彩色着色剤とを併用することで、優れた分光特性が得られ易い。有機系黒色着色剤と組み合わせて用いる有彩色着色剤としては、例えば、赤色着色剤、青色着色剤、紫色着色剤などが挙げられ、赤色着色剤および青色着色剤が好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、有彩色着色剤と有機系黒色着色剤との混合割合は、有機系黒色着色剤100質量部に対して、有彩色着色剤が10〜200質量部が好ましく、15〜150質量部がより好ましい。
本発明において、遮光材における顔料の含有量は、遮光材の全量に対して95質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが更に好ましい。
近赤外線透過層形成用組成物において、遮光材の含有量は、近赤外線透過層形成用組成物の全固形分に対して5〜50質量%であることが好ましい。下限は、9質量%以上が好ましく、13質量%以上がより好ましい。上限は、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
近赤外線透過層形成用組成物は、更に、近赤外線吸収剤を含有することもできる。近赤外線透過層形成用組成物において、近赤外線吸収剤は透過する光(近赤外線)をより長波長側に限定する役割を有している。近赤外線吸収剤としては、上述した近赤外線カット層にて説明した近赤外線吸収剤が挙げられ、好ましい範囲も同様である。赤外線透過層形成用組成物が近赤外線吸収剤を含有する場合、近赤外線吸収剤の含有量は、近赤外線透過層形成用組成物の全固形分に対して1〜30質量%であることが好ましい。上限は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。下限は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。また、近赤外線吸収剤と遮光材との合計量は、近赤外線透過層形成用組成物の全固形分の10〜70質量%であることが好ましい。下限は、20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましい。また、近赤外線吸収剤と遮光材との合計量中における、近赤外線吸収剤の含有量は、5〜40質量%であることが好ましい。上限は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。下限は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。
近赤外線透過層形成用組成物は、更に、樹脂、硬化性化合物、重合開始剤、溶剤、界面活性剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、密着剤、連鎖移動剤、増感剤、共増感剤などの添加剤を含んでいてもよい。これらの詳細については、上述した光散乱層形成用組成物に用いられる前述の材料が挙げられ、好ましい範囲も同様である。また、これらの材料の好ましい含有量についても光散乱層形成用組成物における含有量と同様である。
<近赤外線カット層形成用組成物>
次に、本発明の構造体における近赤外線吸収剤を含む層で構成された近赤外線カット層の形成に好ましく用いることができる組成物(近赤外線カット層形成用組成物)について説明する。近赤外線カット層形成用組成物は、近赤外線吸収剤を含有する。近赤外線吸収剤としては、波長700〜1500nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物などが挙げられる。近赤外線吸収剤の詳細については上述した材料が挙げられ、好ましい範囲も同様である。近赤外線吸収剤の含有量は、近赤外線吸収剤の種類に応じて適宜調整することができる。例えば、近赤外線カット層形成用組成物の全固形分に対して10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。また、例えば、アルカリ金属を含有するタングステン酸化物の場合、近赤外線カット層形成用組成物の全固形分に対して10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。また、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、テトラアザポルフィリン化合物、ジイモニウム化合物、スクアリリウム化合物などの有機色素の場合、近赤外線カット層形成用組成物の全固形分に対して10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。また、銅錯体の場合、近赤外線カット層形成用組成物の全固形分に対して10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
近赤外線カット層形成用組成物は、更に、樹脂、硬化性化合物、重合開始剤、溶剤、界面活性剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、密着剤、連鎖移動剤、増感剤、共増感剤などの添加剤を含んでいてもよい。これらの詳細については、上述した光散乱層形成用組成物に用いられる前述の材料が挙げられ、好ましい範囲も同様である。また、これらの材料の好ましい含有量についても光散乱層形成用組成物における含有量と同様である。
<紫外線カット層形成用組成物>
次に、紫外線カット層の形成に好ましく用いることができる紫外線カット層形成用組成物について説明する。紫外線カット層形成用組成物は、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤としては、上述した材料が挙げられる。紫外線吸収剤の含有量は、紫外線カット層形成用組成物の全固形分に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
紫外線カット層形成用組成物は、更に、樹脂、硬化性化合物、重合開始剤、溶剤、界面活性剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、密着剤、連鎖移動剤、増感剤、共増感剤などの添加剤を含んでいてもよい。これらの詳細については、上述した光散乱層形成用組成物に用いられる前述の材料が挙げられ、好ましい範囲も同様である。また、これらの材料の好ましい含有量についても光散乱層形成用組成物における含有量と同様である。
<組成物の収容容器>
上述した各組成物の収容容器としては、特に限定はなく、公知の収容容器を用いることができる。また、収容容器として、原材料や組成物中への不純物混入を抑制することを目的に、容器内壁を6種6層の樹脂で構成する多層ボトルや6種の樹脂を7層構造にしたボトルを使用することも好ましい。このような容器としては例えば特開2015−123351号公報に記載の容器が挙げられる。
<組成物の調製方法>
上述した各組成物は、前述の成分を混合して調製できる。組成物の調製に際しては、全成分を同時に溶剤に溶解または分散して組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜配合した2つ以上の溶液または分散液をあらかじめ調製し、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
<構造体の製造方法>
本発明の構造体は、第1の光学フィルタ層を形成する工程と、第2の光学フィルタ層を形成する工程と、光散乱層を形成する工程とを経て製造できる。各層の形成順序は特に限定は無い。例えば、第1の光学フィルタ層、第2の光学フィルタ層、光散乱層の順に各層を形成する態様、第2の光学フィルタ層、第1の光学フィルタ層、光散乱層の順に各層を形成する態様、光散乱層、第1の光学フィルタ層、第2の光学フィルタ層の順に各層を形成する態様、光散乱層、第2の光学フィルタ層、第1の光学フィルタ層の順に各層を形成する態様などが挙げられる。なかでも、塗布適性および加工適性の観点から、第1の光学フィルタ層、第2の光学フィルタ層、光散乱層の順に各層を形成する態様が好ましい。また、第1の光学フィルタ層と第2の光学フィルタ層は同時に形成してもよい。また、更に、近赤外線カット層を形成する工程を含んでいてもよい。
本発明の構造体における各層は、各層を形成する組成物を支持体などに適用して組成物層を形成する工程と、組成物層を乾燥する工程などを経て製造することができる。さらにパターンを形成する工程を有していてもよい。
組成物の適用方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、滴下法(ドロップキャスト);スリットコート法;スプレー法;ロールコート法;回転塗布法(スピンコーティング);流延塗布法;スリットアンドスピン法;プリウェット法(たとえば、特開2009−145395号公報に記載されている方法);インクジェット(例えばオンデマンド方式、ピエゾ方式、サーマル方式)、ノズルジェット等の吐出系印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、反転オフセット印刷、メタルマスク印刷法などの各種類の印刷法;金型等を用いた転写法;ナノインプリント法などが挙げられる。インクジェットを用いた適用方法としては、例えば「広がる・使えるインクジェット−特許に見る無限の可能性−、2005年2月発行、住ベテクノリサーチ」に示された特許公報に記載の方法(特に115ページ〜133ページ)や、特開2003−262716号公報、特開2003−185831号公報、特開2003−261827号公報、特開2012−126830号公報、特開2006−169325号公報などに記載された方法が挙げられる。
組成物層を乾燥する工程において、乾燥条件は、各成分の種類や配合量等によって変化させることが好ましい。乾燥条件は、例えば、60〜150℃の温度、30秒間〜15分間が好ましい。
乾燥後の組成物層に対し、必要に応じてさらにパターンを形成する工程を行ってもよい。パターン形成方法としては、フォトリソグラフィ法を用いたパターン形成方法やドライエッチング法を用いたパターン形成方法が挙げられる。フォトリソグラフィ法を用いたパターン形成方法としては、組成物層をパターン形状に露光する工程と、未露光部を現像除去してパターンを形成する工程とを含む方法などが挙げられる。また、ドライエッチング法によるパターン形成方法としては、組成物層を硬化して硬化物層を形成する工程と、硬化物層上にフォトレジスト層を形成する工程と、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程と、レジストパターンをエッチングマスクとして硬化物層をドライエッチングしてパターンを形成する工程とを含むことが好ましい。
フォトリソグラフィ法でパターン形成をする場合、次に、組成物層をパターン形状に露光する。例えば、ステッパー等の露光装置を用いて、所定のマスクパターンを有するマスクを介して組成物層に対して露光することで、組成物層をパターン形状に露光することができる。これにより、露光部分を硬化することができる。露光に際して用いることができる放射線(光)としては、g線、i線等の紫外線が好ましく(特に好ましくはi線)用いられる。照射量(露光量)は、例えば、0.03〜2.5J/cm2が好ましく、0.05〜1.0J/cm2がより好ましい。露光時における酸素濃度については適宜選択することができ、大気下で行う他に、例えば酸素濃度が19体積%以下の低酸素雰囲気下(例えば、15体積%以下、さらには5体積%以下、特には実質的に無酸素)で露光してもよく、酸素濃度が21体積%を超える高酸素雰囲気下(例えば、22体積%以上、さらには30体積%以上、特には50体積%以上)で露光してもよい。また、露光照度は適宜設定することが可能であり、通常1000W/m2〜100000W/m2(例えば、5000W/m2以上、さらには15000W/m2以上、特には35000W/m2以上)の範囲から選択することができる。酸素濃度と露光照度は適宜条件を組み合わせてよく、例えば、酸素濃度10体積%で照度10000W/m2、酸素濃度35体積%で照度20000W/m2などとすることができる。
次に、未露光部を現像除去してパターンを形成する。未露光部の現像除去は、現像液を用いて行うことができる。これにより、未露光部の組成物層が現像液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、アルカリ現像液が望ましい。現像液として、本明細書に記載の溶剤を用いて現像してもよい。現像液の温度は、例えば、20〜30℃が好ましい。現像時間は、20〜180秒間が好ましく、20〜90秒間がより好ましい。
現像液としては、アルカリ剤を純水で希釈したアルカリ性水溶液が好ましく使用される。例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、ヒドロキシアミン、エチレンジアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルビス(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの無機アルカリ性化合物が挙げられる。アルカリ剤は、分子量が大きい化合物の方が環境面および安全面で好ましい。アルカリ性水溶液中のアルカリ剤の濃度は、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。また、現像液には、界面活性剤をさらに含んでいてもよい。界面活性剤の例としては、上述した組成物で説明した界面活性剤が挙げられる。現像液は、移送や保管の便宜などの観点より、一旦濃縮液として製造し、使用時に必要な濃度に希釈してもよい。希釈倍率は特に限定されず、例えば1.5〜100倍の範囲に設定することができる。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、現像後純水で洗浄(リンス)することが好ましい。
現像後に、更に、加熱(ポストベーク)および露光のうち少なくとも一方を行ってもよい。この態様によれば、膜の硬化をさらに進行させて、より強固に硬化した膜を製造できる。ポストベークを行う場合、加熱温度は、100〜260℃が好ましい。下限は120℃以上がより好ましく、160℃以上が特に好ましい。上限は240℃以下がより好ましく、220℃以下が特に好ましい。加熱温度が上記範囲であれば、強度に優れた膜が得られやすい。加熱時間は、1〜180分間が好ましい。下限は3分間以上がより好ましい。上限は120分間以下がより好ましい。加熱装置としては、特に制限はなく、公知の装置の中から、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドライオーブン、ホットプレート、赤外線ヒータなどが挙げられる。
ドライエッチング法でのパターン形成は、支持体上の組成物層を硬化して硬化物層を形成し、次いで、この硬化物層上にパターニングされたフォトレジスト層を形成し、次いで、パターニングされたフォトレジスト層をマスクとして硬化物層に対してエッチングガスを用いてドライエッチングするなどの方法で行うことができる。フォトレジスト層の形成においては、更にプリベーク処理を施すことが好ましい。特に、フォトレジストの形成プロセスとしては、露光後の加熱処理、現像後の加熱処理(ポストベーク処理)を実施する形態が望ましい。ドライエッチング法でのパターン形成については、特開2013−064993号公報の段落番号0010〜0067の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、以下の方法で測定した。
カラムの種類:TOSOH TSKgel Super HZM−Hと、TOSOH TSKgel Super HZ4000と、TOSOH TSKgel Super HZ2000とを連結したカラム
展開溶媒:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流量(サンプル注入量):1.0μL(サンプル濃度:0.1質量%)
装置名:東ソー(株)製 HLC−8220GPC
検出器:RI(屈折率)検出器
検量線ベース樹脂:ポリスチレン
<酸価の測定方法>
酸価は、固形分1gあたりの酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムの質量を表したものである。測定サンプルをテトラヒドロフラン/水=9/1(質量比)混合溶媒に溶解し、電位差滴定装置(商品名:AT−510、京都電子工業製)を用いて、得られた溶液を、25℃にて、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定した。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点として、次式により酸価を算出した。
A=56.11×Vs×0.5×f/w
A:酸価(mgKOH/g)
Vs:滴定に要した0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液の使用量(mL)
f:0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液の力価
w:測定サンプル質量(g)(固形分換算)
<アミン価の測定>
アミン価は、固形分1gあたりの塩基性成分と当量の水酸化カリウム(KOH)の質量を表したものである。測定サンプルを酢酸に溶解し、得られた溶液を、電位差滴定装置(商品名:AT−510、京都電子工業製)を用いて、25℃にて、0.1mol/L過塩素酸/酢酸溶液で中和滴定した。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点として次式によりアミン価を算出した。
B=56.11×Vs×0.1×f/w
B:アミン価(mgKOH/g)
Vs:滴定に要した0.1mol/L過塩素酸/酢酸溶液の使用量(mL)
f:0.1mol/L過塩素酸/酢酸溶液の力価
w:測定サンプルの質量(g)(固形分換算)
<白色顔料の平均一次粒子径の測定>
白色顔料の平均一次粒子径は、白色顔料を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、白色顔料の粒子が凝集していない部分(一次粒子)を観測して求めた。具体的には、白色顔料の一次粒子を、透過型電子顕微鏡を用いて撮影した後、その写真を用いて画像処理装置で画像処理を行って白色顔料の粒度分布を測定した。白色顔料の平均一次粒子径は、粒度分布から算出された個数基準の算術平均径をもって平均一次粒子径とした。透過型電子顕微鏡として(株)日立製作所製電子顕微鏡(H−7000)を用い、画像処理装置として(株)ニレコ製ルーゼックスAPを用いた。
<白色顔料の屈折率の測定>
白色顔料と、屈折率が既知である樹脂(分散剤)と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を用いて分散を行った。その後、作製した分散液と屈折率が既知の樹脂とを混合し、塗布液の全固形分中における白色顔料の濃度が10質量%、20質量%、30質量%、40質量%の塗布液を作製した。これらの塗布液をシリコンウエハ上に300nmで製膜した後、得られた膜の屈折率をエリプソメトリー(ラムダエースRE−3300(商品名)、大日本スクリーン製造(株))を用いて測定した。その後、白色顔料の濃度と屈折率をグラフ上にプロットして白色顔料の屈折率を導出した。
<光散乱層形成用組成物>
(分散液の製造)
下記の表に記載の原料を含む混合液に対し、循環型分散装置(ビーズミル)として、寿工業(株)製ウルトラアペックスミルを用いて、以下の条件で分散処理を行い、分散液を製造した。分散開始後、30分間隔で、粒子の平均粒子径の測定を行った。粒子の平均粒子径は分散時間とともに減少していったが、次第にその変化量が少なくなっていった。粒度分布におけるd50(積算値50%)の変化量がなくなった時点で分散を終了した。
ビーズ径:直径0.2mm
ビーズ充填率:65体積%
周速:6m/秒
ポンプ供給量:10.8kg/時
冷却水:水道水
ビーズミル環状通路内容積:0.15L
分散処理する混合液量:0.65kg
(白色顔料)
白色顔料として以下の白色顔料を用いた。
(分散剤)
H−1:Solsperse 36000 Lubrizol(株)製
H−2:Solsperse 41000 Lubrizol(株)製
H−3:下記構造の樹脂(酸価=32mgKOH/g、Mw=15000)。各繰り返し単位に併記した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。側鎖の繰り返し部位に併記される数値は、繰り返し部位の繰り返し数を示す。
H−4:下記構造の樹脂(酸価=32mgKOH/g、アミン価=45mgKOH/g、Mw=15000)。各繰り返し単位に併記した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。側鎖の繰り返し部位に併記される数値は、繰り返し部位の繰り返し数を示す。波線結合は、シス/トランスの混合を表す。
H−5:ライトエステルP−1M、共栄社化学(株)製
H−6:ライトエステルP−2M、共栄社化学(株)製
(溶剤)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
BDGAC:ブチルジグリコールアセテート
(光散乱層形成用組成物の調製)
下記表に記載の原料を混合して、光散乱層形成用組成物を調製した。
上記表に記載の原料は以下のとおりである。
(分散液)
分散液1〜34:上記分散液1〜34。
(アルカリ可溶性樹脂)
C−1:下記構造の樹脂(酸価113mgKOH/g、Mw=33000)。各繰り返し単位に併記した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。
C−2:下記構造の樹脂(酸価32mgKOH/g、Mw=14000)。各繰り返し単位に併記した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。

(重合性化合物)
D−1:KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)
D−2:NKエステル A−TMMT(新中村化学工業(株)製)
(光重合開始剤)
E−1:下記化合物

E−2:IRGACURE 379(BASF社製)
E−3:IRGACURE TPO(BASF社製)
E−4:IRGACURE 819(BASF社製)
(溶剤)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(着色防止剤)
F−1:アデカスタブ PEP−36A((株)ADEKA製、下記構造の化合物)
F−2:アデカスタブ AO−50((株)ADEKA製、下記構造の化合物)
F−3:アデカスタブ AO−80((株)ADEKA製、下記構造の化合物)
F−4:アデカスタブ AO−412S((株)ADEKA製、下記構造の化合物)

(エポキシ基を有する化合物)
G−1:EHPE3150((株)ダイセル製)
G−2:EPICLON N−695(DIC(株)製)
(紫外線吸収剤)
J−1:下記構造の化合物
(密着剤)
I−1:下記構造の化合物
(連鎖移動剤)
K−1:下記構造の化合物
<近赤外線カット層形成用組成物>
以下に示す原料を混合して、組成物A〜Fを調製した。なお、下記YMS−01A−2、銅錯体(Cu−1)、銅錯体(Cu−2)、ピロロピロール化合物(pp−1)、ピロロピロール化合物(pp−2)、ジイモニウム化合物(im−1)、および、スクアリリウム化合物(sq−1)は、いずれも波長800〜1500nmに極大吸収波長を有する。
(組成物A)
PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート):1.1質量部
樹脂(I)の40質量%PGMEA溶液:39.5質量部
NKエステル A−TMMT(新中村化学工業(株)製):6.8質量部
IRGACURE 369(BASF社製):1.6質量部
KAYACURE DETX−S(日本化薬(株)製):0.6質量部
紫外線吸収剤(上記(J−1)):0.4質量部
界面活性剤(下記ポリマー(Mw=14,000、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。)の0.2質量%PGMEA溶液):0.1質量部

YMS−01A−2(セシウム酸化タングステン分散液、住友金属鉱山(株)製):49.9質量部
(組成物B)
銅錯体(Cu−1):3.3質量部
銅錯体(Cu−2):9.8質量部
樹脂(II):31質量部
KBM−3066(信越シリコーン製) :3.4質量部
アセチルアセトン酸アルミニウム(シグマ−アルドリッチ製):0.01質量部
IRGACURE OXE−01(BASF社製):2.5質量部
シクロペンタノン:50質量部
(組成物C)
シクロヘキサノン:64.8質量部
樹脂(I)の40質量%PGMEA溶液:22.6質量部
KAYARAD DPHA (日本化薬(株)製):1.7質量部
IRGACURE OXE−01(BASF社製):1.9質量部
メガファックRS−72K(DIC(株)製):6.6質量部
ピロロピロール化合物(pp−1):2.4質量部
(組成物D)
シクロヘキサノン:64.8質量部
樹脂(I)の40質量%PGMEA溶液:22.6質量部
KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製):1.7質量部
IRGACURE OXE−01(BASF社製):1.9質量部
メガファックRS−72K(DIC(株)製):6.6質量部
ピロロピロール化合物(pp−2):2.4質量部
(組成物E)
シクロヘキサノン:64.8質量部
樹脂(I)の40質量%PGMEA溶液:22.6質量部
KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製):1.7質量部
IRGACURE OXE−01(BASF社製):1.9質量部
メガファックRS−72K(DIC(株)製):6.6質量部
ジイモニウム化合物(im−1):2.4質量部
(組成物F)
シクロヘキサノン:68.7質量部
樹脂(I)の40質量%PGMEA溶液:16.1質量部
KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製):1.7 質量部
IRGACURE OXE−01(BASF社製):1.9質量部
メガファックRS−72K(DIC(株)製):6.6質量部
スクアリリウム化合物(sq−1):5質量部
樹脂(I):下記構造の樹脂(酸価=70mgKOH/g、Mw=11000)。各繰り返し単位に併記した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。

樹脂(II):下記構造の樹脂(Mw=16000)。各繰り返し単位に併記した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。

銅錯体(Cu−1)、銅錯体(Cu−2)、ピロロピロール化合物(pp−1)、ピロロピロール化合物(pp−2)、ジイモニウム化合物(im−1)、スクアリリウム化合物(sq−1):下記化合物
以下の原料を混合して、各組成物を調製した。
<緑色着色層形成用組成物(Green組成物)>
PGMEA :25.49質量部
樹脂1 :0.2質量部
重合性化合物1 :0.9質量部
重合性化合物2 :0.3質量部
光重合開始剤1 :0.7質量部
紫外線吸収剤1 :0.4質量部
界面活性剤1 :0.01質量部
Green分散液 :72質量部
<赤色着色層形成用組成物(Red組成物)>
PGMEA :47.29質量部
樹脂1 :0.6質量部
重合性化合物3 :0.7質量部
光重合開始剤1 :0.4質量部
界面活性剤1 :0.01質量部
Red分散液 :51質量部
<青色着色層形成用組成物(Blue組成物)>
PGMEA :51.19質量部
樹脂1 :0.8質量部
重合性化合物1 :1.4質量部
重合性化合物3 :0.7質量部
光重合開始剤1 :0.9質量部
界面活性剤1 :0.01質量部
Blue分散液 :45質量部
<シアン色着色層形成用組成物(Cyan組成物)>
PGMEA :58.88質量部
樹脂2 :5.6質量部
重合性化合物4 :7.5質量部
光重合開始剤1 :1.2質量部
紫外線吸収剤1 :0.3質量部
界面活性剤1 :0.01質量部
界面活性剤2 :0.01質量部
Cyan分散液 :26.5質量部
<マゼンタ色着色層形成用組成物(Magenta組成物)>
PGMEA :80.99質量部
樹脂1 :7質量部
重合性化合物4 :8.4質量部
光重合開始剤1 :2.3質量部
紫外線吸収剤1 :1.3質量部
界面活性剤1 :0.01質量部
Magenta分散液 :21質量部
<イエロー着色層形成用組成物(Yellow組成物)>
PGMEA :45.69質量部
樹脂2 :5.6質量部
重合性化合物4 :6.9質量部
光重合開始剤1 :1.1質量部
紫外線吸収剤1 :1質量部
界面活性剤1 :0.01質量部
界面活性剤2 :0.7質量部
Yellow分散液 :39質量部
<近赤外線透過層形成用組成物(IR−Pass組成物)>
PGMEA :14.79質量部
樹脂2 :1.3質量部
重合性化合物4 :1.9質量部
光重合開始剤1 :1質量部
界面活性剤1 :0.01
Red分散液 :44質量部
Blue分散液 :37質量部
<透明層形成用組成物(Clear組成物)>
PGMEA :75.89質量部
樹脂1:8.3質量部
重合性化合物5 :12.5質量部
光重合開始剤1 :1.3質量部
紫外線吸収剤1 :2質量部
界面活性剤1 :0.01質量部
<オーバコート層形成用組成物>
PGMEA :87.99質量部
樹脂3 :12質量部
界面活性剤1 :0.01質量部
<下地層形成用組成物の調製>
PGMEA :87.99質量部
樹脂3 :12質量部
界面活性剤1 :0.01質量部
上記組成物に用いた原料は以下の通りである。
Green分散液、Red分散液、Blue分散液、Magenta分散液、Cyan分散液、Yellow分散液:以下に記載の原料をそれぞれ下記の表の分散液の欄に記載の質量部で混合し、更に直径0.3mmのジルコニアビーズ230質量部を加えて、ペイントシェーカーを用いて5時間分散処理を行い、ビーズをろ過で分離して製造した分散液を用いた。
(Green分散液)
PGMEA :83質量部
C.I.Pigment Green36 :8質量部
C.I.Pigment Yellow 150 :5.5質量部
樹脂4 :3質量部
樹脂1 :0.5質量部
(Red分散液)
PGMEA :77.7質量部
C.I.Pigment Red254 :8.5質量部
C.I.Pigment Yellow 139 :3.8質量部
顔料誘導体1 :2質量部
樹脂5 :6質量部
樹脂1 :2質量部
(Blue分散液)
PGMEA :82.7質量部
C.I.Pigment Blue 15:6 :11質量部
C.I.Pigment Violet 23 :3質量部
樹脂6 :2質量部
樹脂1 :1.3質量部
(Cyan分散液)
PGMEA :77.6質量部
C.I.Pigment Green 7 :14質量部
顔料誘導体1 :1.4質量部
樹脂4 :7質量部
(Magenta分散液)
PGMEA :69.6質量部
C.I.Pigment Red 177 :19質量部
顔料誘導体1 :1.9質量部
樹脂5 :9.5質量部
(Yellow分散液)
PGMEA :74.4質量部
C.I.Pigment Yellow 150 :16質量部
顔料誘導体1 :1.6質量部
樹脂5 :8質量部
樹脂1:下記構造の樹脂(酸価=32mgKOH/g、Mw=11000)。各繰り返し単位に併記した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。

樹脂2:下記構造の樹脂(酸価=112mgKOH/g、Mw=30000)。各繰り返し単位に併記した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。

樹脂3:サイクロマーP(ダイセル・オルネクス製)
樹脂4:下記構造の樹脂(酸価=36mgKOH/g、Mw=21000)。各繰り返し単位に併記した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。側鎖の繰り返し部位に併記される数値は、繰り返し部位の繰り返し数を示す。

樹脂5:下記構造の樹脂(酸価=77mgKOH/g、Mw=20000)。各繰り返し単位に併記した数値は、各繰り返し単位のモル比を表す。側鎖の繰り返し部位に併記される数値は、繰り返し部位の繰り返し数を示す。

樹脂6:Solsperse 36000 Lubrizol(株)製
顔料誘導体1:下記構造の化合物

重合性化合物1:アロニックスTO−2349(東亞合成(株)製)
重合性化合物2:NKオリゴUA−7200(新中村化学工業(株)製)
重合性化合物3:NKエステル A−DPH−12E(新中村化学工業(株)製)
重合性化合物4:KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)
重合性化合物5:アロニックスM−510(東亞合成(株)製)
光重合開始剤1:IRGACURE OXE−01(BASF社製)
紫外線吸収剤1:上述した紫外線吸収剤(J−1)
界面活性剤1:下記混合物(Mw=14,000、繰り返し単位の割合を示す%はモル%である。)

界面活性剤2: パイオニンD6315(竹本油脂(株)製)
<構造体の製造>
シリコンウエハ上に、下地層形成用組成物を、乾燥後の膜厚が0.1μmとなるようにスピンコータを用いて塗布し、230℃で10分加熱して下地層を形成した。下地層を形成したシリコンウエハ上に各組成物を用いて第1の光学フィルタ層、第2の光学フィルタ層、光散乱層および近赤外線カット層を形成して構造体を製造した。なお、光散乱層は、組成物1−1を用いて、フォトリソグラフィ法により厚さ9μmの光散乱層を形成した。また、実施例21〜44、46、47において、近赤外線カット層は組成物Aを用い、フォトリソグラフィ法により厚さ1.5μmの近赤外線カット層を形成した。また、フィルタ層21〜26、21a〜26a、21b〜26bは、下記表に記載の組成物を用いてフォトリソグラフィ法により形成した。このうち、Green組成物を用いて形成したフィルタ層(緑色着色層)は、膜厚が0.8μmであった。また、Red組成物を用いて形成したフィルタ層(赤色着色層)の膜厚は0.8μmであった。また、Blue組成物を用いて形成したフィルタ層(青色着色層)の膜厚は0.8μmであった。また、Yellow組成物を用いて形成したフィルタ層(イエロー色着色層)の膜厚は0.8μmであった。また、Magenta組成物を用いて形成したフィルタ層(マゼンタ色着色層)の膜厚は0.8μmであった。また、Cyan組成物を用いて形成したフィルタ層(シアン色着色層)の膜厚は0.8μmであった。また、Clear組成物を用いて形成したフィルタ層(透明層)の膜厚は0.8μmであった。また、IR−Pass組成物を用いて形成したフィルタ層(近赤外線透過層)の膜厚は0.8μmであった。組成物Aを用いて形成したフィルタ層(近赤外線カット層)の膜厚は1.5μmであった。また、各フィルタ層(21〜26、21a〜26a、21b〜26b)の画素サイズは、1.4μm四方であった。


実施例の構造体を公知の方法に従い光センサに組み込んだところ、第1の光学フィルタ層が設けられた領域は、第2の光学フィルタ層が設けられた領域よりも入射角範囲が広いセンサ部として機能させることができた。また、第1の光学フィルタ層が設けられた領域は、例えば環境光センサとして好適に用いることができ、周囲の明るさなどを感度よく検出できた。また、第2の光学フィルタ層が設けられた領域については、可視光や近赤外線を利用したセンシングやイメージングを好適に行うことができた。また、各実施例において、シリコンウエハ上に下地層を形成しなかった場合においても各実施例と同様の良好な効果が得られた。また、各実施例において、構造体の表面にオーバコート層形成用組成物を用いてオーバコート層を形成した場合であっても、各実施例と同様の良好な効果が得られた。各実施例において、光散乱層として、組成物1−1のかわりに、組成物1−2〜1−41のいずれかの組成物を用いて形成した場合であっても、各実施例と同様の効果が得られた。また、実施例21〜44、46、47において、近赤外線カット層として、組成物Aのかわりに、組成物B〜Fのいずれかの組成物を用いて形成した場合であっても、各実施例と同様の効果が得られた。また、実施例48〜56において、組成物Aのかわりに、組成物B〜Fのいずれかの組成物を用いて近赤外線カット層を形成した場合であっても、各実施例と同様の効果が得られた。
なお、組成物1−1〜1−41を用いて形成した各光散乱層は、いずれもCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*の値が35〜100、a*の値が−20〜20、b*の値が−40〜30であった。
10:支持体
21〜26、21a〜26a、21b〜26b:フィルタ層
50:光散乱層
60:近赤外線カット層
80:レンズ
101〜117:構造体

Claims (21)

  1. 支持体と、
    前記支持体上に設けられた第1の光学フィルタ層と、
    前記第1の光学フィルタ層の光路上に設けられた白色顔料を含む光散乱層と、
    前記支持体上であって、前記第1の光学フィルタ層が設けられた領域とは異なる領域上に設けられた第2の光学フィルタ層と、
    前記第1の光学フィルタ層の光路上に設けられた、波長800〜1500nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物を含み、かつ、波長800〜1500nmの範囲の光の少なくとも一部をカットする近赤外線カット層とを有し、
    前記第2の光学フィルタ層の光路上には、前記光散乱層が設けられていない構造体。
  2. 支持体と、
    前記支持体上に設けられた第1の光学フィルタ層と、
    前記第1の光学フィルタ層の光路上に設けられた光散乱層と、
    前記支持体上であって、前記第1の光学フィルタ層が設けられた領域とは異なる領域上に設けられた第2の光学フィルタ層と、
    前記第1の光学フィルタ層の光路上に設けられた、波長800〜1500nmの範囲に極大吸収波長を有する化合物を含み、かつ、波長800〜1500nmの範囲の光の少なくとも一部をカットする近赤外線カット層とを有し、
    前記光散乱層は、前記第1の光学フィルタ層への光入射側に設けられており、
    前記第2の光学フィルタ層の光路上には、前記光散乱層が設けられていない構造体。
  3. 前記第1の光学フィルタ層および前記第2の光学フィルタ層は、それぞれ独立して、着色層、透明層、紫外線カット層、近赤外線カット層および近赤外線透過層から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の構造体。
  4. 前記第2の光学フィルタ層は、着色層および近赤外線透過層から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の構造体。
  5. 前記第1の光学フィルタ層は、着色層、透明層および近赤外線カット層から選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記第2の光学フィルタ層は、着色層および近赤外線透過層から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の構造体。
  6. 前記第1の光学フィルタ層は、近赤外線カット層を含み、
    前記第2の光学フィルタ層は、着色層を含む、請求項1または2に記載の構造体。
  7. 前記着色層は、緑色着色層、赤色着色層、青色着色層、シアン色着色層、マゼンタ色着色層およびイエロー色着色層から選ばれる着色層である、請求項3〜6のいずれか1項に記載の構造体。
  8. 前記光散乱層は、CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*の値が35〜100、a*の値が−20〜20、b*の値が−40〜30である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の構造体。
  9. 前記光散乱層は、CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*の値が35〜100、a*の値が−10〜0、b*の値が−35〜0である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の構造体。
  10. 前記光散乱層は、白色顔料を含む、請求項に記載の構造体。
  11. 前記白色顔料は、平均一次粒子径50〜150nmの粒子である、請求項1または10に記載の構造体。
  12. 前記白色顔料が酸化チタンである、請求項1、10または11に記載の構造体。
  13. 前記光散乱層は、平均一次粒子径50〜150nmの粒子を前記光散乱層の全固形分に対して30〜60質量%含有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の構造体。
  14. 前記近赤外線カット層は、アルカリ金属を含有するタングステン酸化物、ピロロピロール化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、テトラアザポルフィリン化合物、ジイモニウム化合物、スクアリリウム化合物および銅錯体から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の構造体。
  15. 前記近赤外線カット層は、ピロロピロール化合物を含有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の構造体。
  16. 前記支持体上に、前記第1の光学フィルタ層と前記第2の光学フィルタ層とが二次元配置されている、請求項1〜15のいずれか1項に記載の構造体。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の構造体を含む光センサ。
  18. 支持体と、前記支持体上に設けられた第1の光学フィルタ層と、前記第1の光学フィルタ層の光路上に設けられた白色顔料を含む光散乱層と、前記支持体上であって、前記第1の光学フィルタ層が設けられた領域とは異なる領域上に設けられた第2の光学フィルタ層とを有し、前記第2の光学フィルタ層の光路上には、前記光散乱層が設けられていない構造体を含む光センサ。
  19. 支持体と、前記支持体上に設けられた第1の光学フィルタ層と、前記第1の光学フィルタ層の光路上に設けられた光散乱層と、前記支持体上であって、前記第1の光学フィルタ層が設けられた領域とは異なる領域上に設けられた第2の光学フィルタ層とを有し、前記光散乱層は、前記第1の光学フィルタ層への光入射側に設けられており、前記第2の光学フィルタ層の光路上には、前記光散乱層が設けられていない構造体を含む光センサ。
  20. 前記第1の光学フィルタ層および前記第2の光学フィルタ層は、それぞれ独立して、着色層、透明層、紫外線カット層、近赤外線カット層および近赤外線透過層から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項18または19に記載の光センサ。
  21. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の構造体の製造方法であって、
    第1の光学フィルタ層を形成する工程と、第2の光学フィルタ層を形成する工程と、光散乱層を形成する工程と、近赤外線カット層を形成する工程とを含み、
    前記光散乱層を形成する工程は、光散乱層形成用組成物を適用して組成物層を形成する工程と、前記組成物層を乾燥する工程とを含む、
    構造体の製造方法。
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