JP6760002B2 - 鋼板の冷却方法 - Google Patents

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Description

本発明は鋼板の冷却方法に関する。
溶融めっき鋼板は、鋼素材を熱間圧延処理、冷間圧延処理、および焼鈍処理を経た鋼板(すなわちめっき原板)を、溶融めっき槽に浸漬し必要に応じてめっきを合金化して溶融めっき層を形成した後に、冷却することにより製造されるが、製品にストレッチャーストレイン(しわ状の表面欠陥)が発生する場合がある。
このような溶融めっき鋼板を製造する際のストレッチャーストレインの発生を抑制するための技術としては、例えば、溶融めっき層を形成した後に鋼板を冷却する装置として特定のミスト冷却装置を用いる技術がある(特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたミスト冷却装置を用いることによりストレッチャーストレインの発生を抑制することができるが、例えば炭素含有量が非常に少ない極低炭素鋼をめっき原板とした場合はストレッチャーストレインが特に発生しやすく、さらにストレッチャーストレインの発生を抑制できる方法が望まれている。
ここで、溶融めっき層を形成した後にミスト冷却等することにより、鋼板温度は例えば50〜300℃程度の低温になる。そして、このような低温の鋼板の冷却には、設備が安価であるためスプレー水冷却方式、具体的には、ヘッダー管に複数の孔が配置されたノズル等のスプレーノズルによって水滴を鋼板に噴射する冷却方法が用いられる。低温の鋼板の冷却において、スプレー水冷却方式を用いると、遷移沸騰領域から核沸騰領域へと変化する遷移温度(以下、単に遷移温度と記載することもある)が低いため、鋼板の冷却ムラが大きく、鋼板にストレッチャーストレインが発生する。
また、その他の冷却方法としては、水槽に鋼板を浸漬する浸漬水冷却方式がある。50〜300℃の低温の鋼板の冷却において、浸漬水冷却方式を用いることにより、遷移温度が高くなり、ストレッチャーストレインの発生を抑制することができると考えられる。
特開2015−4080号公報
しかしながら、浸漬水冷却方式では、水槽設備など大量の水が必要であり、設備が高価になるという問題が生じる。また、水槽中に鋼板を搬送するためのパスラインロールを設置することにより、パスラインロールに汚れが付着する汚れのロール巻込みが発生して、該汚れが鋼板に付着することにより鋼板表面の品質を悪化させてしまうおそれがあるという問題も生じる。
なお、このような冷却によりストレッチャーストレインが発生してしまうという問題、および、浸漬水冷却方式では高価であり鋼板表面の品質を悪化させてしまうという問題は、溶融めっき鋼板を製造する際の低温の鋼板の冷却だけでなく、勿論、その他の低温の鋼板の冷却においても同様に存在する。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、安価であり且つ鋼板表面の品質を悪化させることなく、ストレッチャーストレインの発生を抑制することができる低温の鋼板の冷却方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために検討した結果、スリットノズル水冷却方式を用い、鉛直方向に搬送される50〜300℃の鋼板の両面に対して鋼板の幅方向に亘ってスリットノズルにより水を噴射することによって、仮想的な水槽冷却(浸漬水冷却方式)とすることができ、冷却効率が高められ、鋼板の板幅方向の冷却ムラによって発生するストレッチャーストレインを抑制することができることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は上記の知見に基づき完成されたものであり、その要旨は次のとおりである。
[1] 鉛直方向に搬送される50〜300℃の鋼板を冷却する鋼板の冷却方法であって、
前記鋼板を挟んで設けられ、開口部が前記鋼板の幅方向に亘って配設された少なくとも2つのスリットノズルから、水を前記鋼板の両面に前記鋼板の幅方向に亘って噴流することを特徴とする鋼板の冷却方法。
[2] 前記鋼板の温度が遷移沸騰領域から核沸騰領域へと変化する遷移温度以下となるように調整して冷却することを特徴とする[1]に記載する鋼板の冷却方法。
[3] 前記鋼板が、溶融めっき処理、合金化処理、水ミスト冷却およびエア冷却をこの順に経た後の鋼板であることを特徴とする[1]または[2]に記載する鋼板の冷却方法。
[4] 前記鋼板は、鉛直方向下向きに搬送されることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一つに記載する鋼板の冷却方法。
[5] 各スリットノズルの開口部の形状が長辺1m〜2mで短辺1mm〜5mmの矩形であり、
スリットノズルが鋼板を挟んで両面側に2つずつ配置され、
各スリットノズルから吐出する水の流量が、鋼板幅方向の開口部の長さ2mあたり5×10−3/s〜10×10−3/sで、スリットノズルの開口部の出口速度が1.25m/s〜2.50m/sであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一つに記載する鋼板の冷却方法。
本発明によれば、スリットノズル水冷却方式を用い、鉛直方向に搬送される50〜300℃の鋼板の両面に対して鋼板の幅方向に亘ってスリットノズルにより水を噴射することによって、仮想的な水槽冷却(浸漬水冷却方式)とすることができ、冷却効率が高められ、鋼板の板幅方向の冷却ムラによって発生するストレッチャーストレインを抑制することができる。そして、本発明の冷却方法は浸漬水冷却方式のように水槽設備など大量の水を必要とせず、設備が高価となる問題も生じないため、安価な冷却方法である。また、水槽およびパスラインロールも不要であるため汚れのロール巻込みが発生することによる鋼板表面の品質を悪化させてしまうという問題も生じない。したがって、本発明の鋼板の冷却方法を用いることにより、ストレッチャーストレインが少なく、安価であり且つ鋼板表面の品質を悪化させることなく、例えば溶融めっき鋼板を製造することができる。また、本発明によれば、冷却効率も向上するため、冷却効率向上により、製造ラインの能率向上という効果も奏する。
本発明の鋼板の冷却方法を示す概略図(図1(a))およびスリットノズルの断面斜視図(図1(b))である。 鋼板を冷却するスプレー水冷却方式を示す概略図(図2(a))およびスプレーノズルの断面斜視図(図2(b))である。 水冷却方式の違いによる冷却効率の違いを示す概念図である。 合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する連続式溶融亜鉛めっき設備の模式図である。 実施例および比較例で用いた冷却設備の模式図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の鋼板の冷却方法は、鉛直方向に搬送される50〜300℃の鋼板を冷却する鋼板の冷却方法であって、鋼板を挟んで設けられ、開口部が鋼板の幅方向に亘って配設された少なくとも2つのスリットノズルから、水を鋼板の両面に鋼板の幅方向に亘って噴流するものである。
本発明の鋼板の冷却方法を、図1を用いて説明する。図1は本発明の鋼板の冷却方法を示す概略図(図1(a))およびスリットノズルの断面斜視図(図1(b))である。図1に示すように、スリットノズル10はヘッダー管11に、細長い矩形の開口部(スリット)12が設けられている。そして、スリットノズル10が、鉛直方向下向きに連続的に搬送される鋼板1の鋼板を挟んで配置される。このとき、スリットノズル10の開口部12が鋼板1の幅方向に亘って配置されるようにする、すなわち鋼板1の全幅に開口部12が面するようにして、スリットノズル10から噴射される水が鋼板1の全幅に亘ってあたるようスリットノズル10を配置する。換言すると、スリットノズル10は鋼板1の幅方向に対して平行な開口部12を有し、スリットノズル10の開口部12の長手方向は鋼板1の幅と同じか鋼板1の幅よりも長く、開口部12の長手方向が鋼板1の幅方向になるように、スリットノズル10を、鋼板1が通過する鋼板通過ラインに配置する。
そして、図示しない水供給管からスリットノズル10に水を供給し、スリットノズル10の開口部12から鋼板1に向かって水を吐出することにより、鋼板1の両面に鋼板1の幅方向に亘って水流13が均一にあたり、且つ鋼板1にあたった水が重力により垂直方向に流下することにより、鋼板1が冷却される。開口部12はスリットなので、スプレーノズルから吐出される水滴とは異なり、水は例えば板状になって鋼板1の幅方向に亘って均一に接触し流下する。したがって、鋼板1を均一に冷却することができる。
本発明の鋼板の冷却方法において冷却対象とする鋼板1は、鉛直方向に搬送される鋼板である。搬送方向は鉛直方向であれば下向きでも上向きでもよいが、鉛直方向下向きに搬送される鋼板であることが好ましい。
また、本発明の鋼板の冷却方法において冷却対象とする鋼板1は、表面温度が50〜300℃の鋼板、好ましくは表面温度が200〜280℃の鋼板である。具体的には、本発明の鋼板の冷却方法において冷却対象とする鋼板1は、例えば、溶融めっき処理、合金化処理、水ミスト冷却およびエア冷却をこの順に経た後の鋼板である。
ここで、50〜300℃という低温の鋼板の冷却には、通常設備が安価であるためスプレー水冷却方式が用いられることが多い。図2を用いて、スプレー水冷却方式について説明する。図2は。鋼板を冷却するスプレー水冷却方式を示す概略図(図2(a))およびスプレーノズルの断面斜視図(図2(b))である。図2に示すように、スプレーノズル20はヘッダー管21に水を噴射する複数の孔22が配置されている。このスプレーノズル20は、例えば鉛直方向下向きに連続的に搬送される鋼板1の鋼板通過ラインを挟んで配置され、スプレーノズル20から吐出された水滴23が鋼板1にあたる、すなわち、すなわち鋼板1に部分的に水があたることにより、鋼板1が冷却される。
このように、低温の鋼板の冷却においてスプレー水冷却方式を用いると、遷移温度(遷移沸騰領域から核沸騰領域へと遷移(変化)する温度)が低いため、鋼板1にストレッチャーストレインが発生する。
また、50〜300℃の鋼板を浸漬水冷却方式で冷却することにより、冷却効率が高められ遷移温度が高くなり、ストレッチャーストレインの発生を抑制することができると考えられる。浸漬水冷却方式は、水が貯留された水槽に鋼板を浸漬することによって、鋼板を冷却する方法である。しかしながら、浸漬水冷却方式を用いると、水槽設備など大量の水が必要であり設備が高価となるという問題がある。また、浸漬水冷却方式では水槽中で鋼板を搬送する必要があり、そのため、水槽中にパスラインロールを設置することによる汚れのロール巻込みが発生して、鋼板表面の品質を悪化させてしまうという問題も生じる。
しかしながら、本発明においては、図1に示すように、鋼板を鉛直方向に搬送し、該鋼板を挟んで設けられると共に開口部が鋼板の幅方向に亘って配設された少なくとも2つのスリットノズルから、水を鋼板の両面に鋼板の幅方向に亘って噴流する。これにより、鋼板の両面において、鋼板幅方向に亘って均一に水があたり且つ幅方向に亘って均一にあたった水が重力により下方に流れていくため、鋼板を水槽に浸漬させる上記浸漬水冷却方式で冷却した場合と同様な冷却をすることができる、すなわち、仮想的な水槽冷却(浸漬水冷却方式)とすることができる。したがって、冷却効率が高められ遷移温度が高くなり、鋼板の板幅方向の冷却ムラによって発生するストレッチャーストレインを抑制することができる。なお、仮想的な水槽冷却とする水量等の水の制御のしやすさの観点から、鋼板の搬送方向は下向きが好ましい。
仮想的な水槽冷却(浸漬水冷却方式)とすることができると、冷却効率が高められ遷移温度が高くなり、鋼板の板幅方向の冷却ムラによって発生するストレッチャーストレインを抑制することができるメカニズムについて、図3を用いて説明する。
図3は、水冷却方式の違いによる冷却効率の違いを示す概念図である。図3において、横軸は鋼板温度を表し、右に行くにつれて高くなる。また、図3において、縦軸は冷却効率を表し、上に行くにつれて高くなる。そして、図3において、実線がスプレー水冷却における冷却効率を示し、点線が本発明のスリットノズル水冷却における冷却効率を示す。
図3示すように、鋼板が冷却されて鋼板温度が低くなるにつれて冷却効率が高くなる温度範囲(遷移沸騰領域)がある。そして、遷移沸騰領域からさらに冷却されると鋼板温度が低くなるにつれて冷却効率が低くなる温度域(核沸騰領域)がある。該遷移沸騰領域から該核沸騰領域に遷移する温度、すなわち、図3においてピークトップ温度が遷移温度である。
そして、本発明において冷却対象としている50〜300℃の鋼板をスプレー水冷却で冷却した場合は、まず遷移沸騰領域での冷却になる。
スプレー水冷却方式では水滴が鋼板にあたり該水滴があたった箇所において極所的に温度が低下する。そして、遷移沸騰領域では温度が低いほど冷却効率が高いため、水滴があたった箇所は温度が顕著に低下していくので鋼板温度偏差が拡大していき、鋼板温度の不均一性が増加する。その後、核沸騰領域まで冷却されることにより温度が高いほど冷却効率が高くなるため鋼板の温度不均一性は小さくなるが、上記遷移沸騰領域で生じた鋼板温度の不均一性が大きいため、最終的に得られる鋼板の温度は不均一になる。その結果、ストレッチャーストレインが発生する。
これに対し、本発明においては、上述した特定のスリットノズル水冷却方式で冷却する。このように本発明により低温の鋼板を冷却すると、図3の点線(曲線)に示すように、冷却効率の挙動がスプレーノズルの場合よりも高温側にシフトし、遷移温度が高くなる。したがって、本発明の鋼板の冷却方法による冷却を開始する際の鋼板温度を核沸騰領域とすることができ、遷移沸騰領域での冷却を行わないようにすることができるため、鋼板の表面温度を均一にすることができる。また、本発明の鋼板の冷却方法による冷却を開始する際の鋼板温度が遷移温度以上であっても、遷移温度が高いためすぐに遷移温度にすることができる、すなわち、遷移沸騰領域での冷却期間を短くできるため、鋼板の表面温度を均一にすることができる。したがって、ストレッチャーストレインの発生を抑制することができる。例えば、C含有量が0.0030質量%以下の極低炭鋼の場合は、特にストレッチャーストレインが発生しやすいが、本発明の鋼板の冷却方法を用いることにより、ストレッチャーストレインの発生が抑制され均一性に優れた極低炭鋼を製造することができる。
なお、浸漬水冷却方式で鋼板を冷却した場合は、図3において本発明で用いたスリットノズル水冷却方式と同様になり、遷移温度が高い。
本発明において、遷移温度は、水量、水の流速等で調整することができ、これらを調整することにより、鋼板温度を遷移温度以下に調整することができる。そして、鋼板温度を遷移温度以下になるように調整することにより、核沸騰領域で冷却することができる。これにより、鋼板の表面温度がより均一になり、よりストレッチャーストレインの発生を抑制することができる。
また、本発明の鋼板の冷却方法は、浸漬水冷却方式ではないため水量も多量ではなく、例えばスプレー冷却と同等程度の水量で冷却することもできるため、安価な冷却方法である。
また、本発明の鋼板の冷却方法は、浸漬水冷却方式ではないため、水槽中にパスラインロールを設置することによって汚れのロール巻込みが発生することによる鋼板表面の品質を悪化させてしまうという問題も生じないため、鋼板表面の品質も良好である。
図1においては、スリットノズル10を、鋼板を挟んで両面側に2つずつ設けた例を示したが、鋼板の両側に少なくとも一つずつ配置されていればよい。
各スリットノズルの形状は、例えば開口部の形状が長辺1m〜2mで短辺(スリット幅)1mm〜5mmの矩形であることが好ましい。
また、スリットノズルが鋼板を挟んで両面側に2個ずつ配置されることが好ましい。
スリットノズルから吐出される水は、流量が鋼板幅方向の開口部の長さ2mあたり5×10−3/s〜10×10−3/sであることが好ましい。
スリットノズルから吐出される水は、スリットノズルの開口部の出口速度(流出速度)が1.25m/s〜2.50m/sであることが好ましい。
また、本発明の冷却対象の鋼板の材質(成分組成)は特に限定されないが、特に、ストレッチャーストレインが発生しやすい鋼板、例えば、C含有量が0.0030質量%以下の極低炭鋼に対して、好適に冷却することができる。
本発明の鋼板の冷却方法を用いて、溶融めっき鋼板を製造することができる。本発明の鋼板の冷却方法を適用した合金化された溶融めっき鋼板(合金化溶融めっき鋼板)の製造方法の一例を、図4を用いて説明する。図4は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する連続式溶融亜鉛めっき設備の模式図である。図4において、矢印は鋼板1の搬送方向を示す。図4に示すように、連続式溶融亜鉛めっき設備50は、鋼板1の搬送方向上流側から、溶融亜鉛めっきが貯留される溶融亜鉛めっき浴51、余剰のめっきを鋼板1の表面から除去するワイピングノズル52、鋼板1の表面のめっきを誘導加熱等により加熱して合金化する合金化処理装置53、合金化めっきを表面に有する鋼板1を所定温度に保って合金を安定化させる保熱装置54、水ミストを鋼板1に吹き付けて鋼板1を冷却する水ミスト冷却装置55、空気を鋼板1に吹き付けて鋼板1を冷却するエア冷却装置56、水を用いて鋼板1を冷却する水冷却装置57を有する。
このような連続式溶融亜鉛めっき設備50では、図4の矢印の方向に鋼板1が搬送され、焼鈍された鋼板1が溶融亜鉛めっき浴51に浸漬されることにより溶融亜鉛めっき処理が施される。そして、溶融亜鉛めっき浴51から引き上げられた鋼板1は、ガスワイピングノズル等のワイピングノズル52によって余剰なめっきが除去されてめっきの付着量が制御される。次いで、鋼板1は合金化処理装置53により加熱され合金化され、保熱装置54により合金が安定化される。その後、水ミスト冷却装置55により水ミストが鋼板1に噴射されて冷却される。続いて、トップロール71により鋼板1の搬送方向が鉛直方向下向きになるように方向転換された後、エア冷却装置56により空気が鋼板1に吹き付けられて鋼板1が冷却される。これらの冷却により、後段の水冷却装置57に導入される鋼板1の表面温度は50〜300℃となるようにする。そして、水冷却装置57で水を用いて冷却されることにより、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができる。なお、合金化されていない溶融亜鉛めっき層を有する鋼板を製造する場合は、合金化処理装置53による合金化処理および保熱装置54による合金化の安定化を行わない。
そして、水冷却装置57は、本発明の鋼板の冷却方法を適用した装置であり、上流側に、本発明の鋼板の冷却方法を行うスリットノズル10が、鋼板通過ラインを挟んで両側鉛直方向に2つずつ設けられている。
このような水冷却装置57に導入される鋼板は、上述したように水冷却装置57よりも上流側で冷却されることにより表面温度が50〜300℃になった鋼板である。水冷却装置57では、本発明の鋼板の冷却方法により、スリットノズル10から水が鋼板1に吐出され、鋼板1が冷却される。本発明の鋼板の冷却方法は、ストレッチャーストレインの発生を抑制することができるため、水処理装置57で処理された鋼板1はストレッチャーストレインが無いか少ない鋼板となる。
図4では、溶融めっきとして亜鉛を例示したが、亜鉛に限定されず、めっきとしては、例えば、Zn系めっきやAl系めっき系が挙げられる。Zn系めっきとしては、一般的な溶融亜鉛めっき(GI)、Zn−Ni系めっき、Zn−Al系めっきなどが挙げられる。また、Al系めっきとしては、Al−Si系めっき(例えば、10〜20質量%のSiを含むAl−Si系めっき)などが例示できる。溶融めっき層は、合金化された合金化溶融めっき層であってもよい。合金化溶融めっき層としては、例えば、合金化溶融亜鉛めっき(GA)層が挙げられる。
以下に、本発明の更なる理解のために実施例を用いて説明するが、実施例はなんら本発明を限定するものではない。
(実施例1および比較例1)
図5に実施例および比較例で用いた冷却設備の模式図を示す。図5に示すように、冷却設備80は、鋼板1の搬送方向に連続してスリットノズル10とスプレーノズル20が設置されている。また、スリットノズル10およびスプレーノズル20はそれぞれ、鋼板1を挟んで両側に二つずつ設置されている。そして、水配管81に設けられた切替弁82により、鋼板1の通板中にスリットノズル10を用いたスリットノズル水冷却とスプレーノズル20を用いたスプレー水冷却を切替えることができる。
このような図5の冷却設備を用いて、サイズが厚さ0.75mm×幅1298mmで、C含有量が0.0020質量%の鋼板1を鉛直方向下向きに搬送し、該通板時、冷却前の鋼板の表面温度条件を一定として、スリットノズル水冷却(実施例1)とスプレー水冷却(比較例1)の切替えを実施した。なお、実施例1で用いたスリットノズル10は、開口部の形状が長辺2mで短辺(スリット幅)2mmの矩形であり、スリットノズルから吐出する水の流量が、鋼板幅方向の開口部の長さ2mあたり7×10−3/sで、スリットノズルの開口部の出口速度(流出速度)が1.75m/sである。
各冷却終了後の鋼板の切板を採取し、プレス成形を実施した。その結果、本発明のスリットノズル水冷却を行った実施例1ではストレッチャーストレインの発生は認められなかったが、比較例1ではストレッチャーストレインが発生した。したがって、本発明の鋼板の冷却方法により、スプレー水冷却を用いた比較例1と同程度の水量でストレッチャーストレインの発生を抑制することができた。
Figure 0006760002
1 鋼板
10 スリットノズル
11、21 ヘッダー管
12 開口部(スリット)
13 水流
20 スプレーノズル
22 孔
23 水滴
50 連続式溶融亜鉛めっき設備
51 溶融亜鉛めっき浴
52 ワイピングノズル
53 合金化処理装置
54 保熱装置
55 水ミスト冷却装置
56 エア冷却装置
57 水冷却装置
71 トップロール

Claims (3)

  1. 鉛直方向に搬送される50〜300℃の鋼板を冷却する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の冷却方法であって、
    前記鋼板は、溶融めっき処理、合金化処理、水ミスト冷却およびエア冷却をこの順に経た後の鋼板であり、
    前記鋼板を挟んで設けられ、開口部が前記鋼板の幅方向に亘って配設された少なくとも2つのスリットノズルから、水を前記鋼板の両面に前記鋼板の幅方向に亘って噴流し、
    前記鋼板は、鉛直方向に搬送され、
    冷却を開始する際の前記鋼板の温度が遷移沸騰領域から核沸騰領域へと変化する遷移温度以下となるように調整して冷却することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の冷却方法。
  2. 前記鋼板は、鉛直方向下向きに搬送されることを特徴とする請求項に記載する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の冷却方法。
  3. 各スリットノズルの開口部の形状が長辺1m〜2mで短辺1mm〜5mmの矩形であり、
    スリットノズルが鋼板を挟んで両面側に2つずつ配置され、
    各スリットノズルから吐出する水の流量が、鋼板幅方向の開口部の長さ2mあたり5×10−3/s〜10×10−3/sで、スリットノズルの開口部の出口速度が1.25m/s〜2.50m/sであることを特徴とする請求項1または2に記載する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の冷却方法。
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