JP6759416B1 - ポリウレタン発泡体 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、従来のポリウレタン発泡体は、密度(JIS K7222:2005に基づく)を0.25〜0.45g/cm3に下げて軽量化を図ると、耐久性が悪くなる問題がある。
反発性(%)=跳ね返されたボールの速度/衝突前のボールの速度×100
衝突前のボールの速度及び跳ね返されたボールの速度は、以下の条件で算出する。
・ボールは、全日本軟式野球連盟公認球 M号を使用する。
・ボールの直径よりも面積の大きいポリウレタン発泡体を壁に固定する。
・壁とピッチングマシーンの発射口との距離を1mに設定する。
・ポリウレタン発泡体の表面にボールがぶつかる際の速度が、時速100km/hとなるようにピッチングマシーンからの発射速度を調整する。
・ボールの先端が、壁から500mm離れた位置から200mm離れた位置までの距離(300mm)を通過するまでの時間から衝突前のボール速度を算出する。
・壁に固定されたポリウレタン発泡体にボールが衝突し、跳ね返されたボールの先端が、壁から200mm離れた位置から500mm離れた位置までの距離(300mm)を通過するまでの時間から跳ね返されたボール速度を算出する。
ポリテトラメチレングリコールの数平均分子量が前記範囲よりも小さく、水酸基価が大であると、架橋密度が高くなり、柔軟性が低くなることでポリウレタン発泡体の反発性が劣るようになる。一方、ポリテトラメチレングリコールの数平均分子量が前記範囲よりも大きく、水酸基価が小であると、架橋密度が低くなり、十分な強度(引張強度)が得られ難くなり、耐久性が劣るようになる。
ポリカプロラクトンポリオールの製造時に使用される開始剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール等の2価のアルコールや、トリメチロールプロパン、グリセリン等の3価のアルコールが挙げられる。
ポリカプロラクトンポリオールの数平均分子量が前記範囲よりも小さく、水酸基価が大であると、架橋密度が高くなり、柔軟性が低くなることでポリウレタン発泡体の反発性が劣るようになる。一方、ポリカプロラクトンポリオールの数平均分子量が前記範囲よりも大きく、水酸基価が小であると、架橋密度が低くなり、十分な強度(引張強度)が得られ難くなり、耐久性が劣るようになる。
脂環族イソシアネートとしては、シロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添MDI等が挙げられる。
脂肪族イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート等が挙げられる。
水の配合量は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100重量部に対して0.3〜5重量部が好ましい。一方、乳化剤の配合量は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましい。
さらに、前記ポリウレタン発泡体用組成物には、酸化防止剤や光安定剤等の合成樹脂安定剤、整泡剤、充填材(フィラー)、着色剤、可塑剤、難燃剤等を配合してもよい。
発泡は、スラブ発泡あるいはモールド発泡のいずれでもよい。スラブ発泡は、混合したポリウレタン発泡体用組成物をベルトコンベア上に吐出し、大気圧下、常温で発泡させる方法であり、一方、モールド発泡は、混合したポリウレタン発泡体用組成物をモールド(金型)に充填してモールド内で発泡させる方法である。
反発性(%)=跳ね返されたボールの速度/衝突前のボールの速度×100
テストピースへの衝突前のボールの速度と衝突により跳ね返されたボールの速度の測定は、テストピース近くにおけるボールの通り道(球道)の側方に、コンクリート壁から500mmの位置から200mmの位置まで100mm間隔で縦線が引かれた速度測定ボードを設置し、ボールの先端が速度測定ボードの縦線を横切ってテストピースに衝突し、跳ね返されたボールの先端がコンクリート壁から500mmの位置を通過するまでを高速撮影カメラで撮影し、ボールの先端がテストピースに衝突する前の300mmの距離(コンクリート壁から500mmの位置から200mmの位置までの距離)を通過するのに要した時間と、テストピースで跳ね返されてテストピースから300mmの距離(コンクリート壁から200mmの位置から500mmの位置までの距離)を通過するのに要した時間を、高速撮影カメラの再生時に計測し、通過距離300mmと要した時間から速度を計算する。
また、引張強度(JIS K6251:2017(ダンベル状2号形)に準拠)は、2.5MPa以上が好ましく、より好ましくは3.0MPa以上であり、上限は特に限定されないが、5MPaが挙げられる。
・PO−1(ポリオール);ポリエステルポリオール、官能基数2、水酸基価56mgKOH/g、数平均分子量2000、品番;ポリライトODX−102、DIC社製
・PTMG−1(ポリオール);ポリテトラメチレングリコール、官能基数2、水酸基価56mgKOH/g、数平均分子量2000、品番;PTG2000、保土谷化学工業社製
・PTMG−2(ポリオール);ポリテトラメチレングリコール、官能基数2、水酸基価37mgKOH/g、数平均分子量3000、品番;PTG3000、保土谷化学工業社製
・PCL−1(ポリオール);ポリカプロラクトンポリオール、官能基数2、水酸基価56mgKOH/g、数平均分子量2000、品番;プラクセル220、ダイセル社製
・ポリロタキサン;水酸基を有する環状分子を構成体に含むポリロタキサン、分子量;180000、水酸基価;85mgKOH/g、品名;スーパーポリマー SH1300P(融点;約40℃)、アドバンスト・マテリアル社製
・イソシアネート(NDI);1,5−ナフタレンジイソシアネート、NCO%;40%、品番;コスモネートND、三井化学社製
・イソシアネート(MDI);ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、NCO%;33%、品番;ミリオネートMT、東ソー社製
作製したNCO末端ウレタンポリマー(B液)と次の発泡液(A液)を用い、各参考例、各実施例及び各比較例のテストピースを後述の方法で作製した。
発泡液は、発泡剤:可塑剤:触媒=300:300:1の割合で配合・混合することで作製した。
・発泡剤:水と乳化剤(スルホン化ヒマシ油のナトリウム塩、高スルホン化脂肪酸のナトリウム塩等の混合物)とを含む混合液、品番;アドベードSV(水と乳化剤の重量比50:50)、ラインケミージャパン社製)
・可塑剤:ジイソノニルアジペート(DINA)、大八化学社製
・触媒:アミン触媒、品番;Addocat PP、ラインケミージャパン社製
なお、可塑剤は、NCO末端ウレタンポリマーと発泡液の配合比率を適切にし、安定して混合・撹拌するために添加されている。
反発性の判定は、反発性の測定結果が70%以上の場合に「◎」、60%〜70%未満の場合に「〇」、55%〜60%未満の場合に「△」、55%未満の場合に「×」とした。
引張強度の判定は、引張強度の測定結果が3MPa以上の場合に「◎」、2.5〜3MPa未満の場合に「〇」、2.5MPa未満の場合に「×」とした。
耐久性の判定は、測定用テストピースの少なくとも一部が破損するまでの回数が360回以上の場合に「◎」、330回〜360回未満の場合に「〇」、300回〜330回未満の場合に「△」、300回未満の場合に「×」とした。
総合判定は、反発性、引張強度及び耐久性の何れの判定も「◎」の場合に総合判定を「◎」とし、反発性、引張強度及び耐久性の何れかの判定が「〇」で他の判定が「◎」の場合、または全ての判定が「〇」の場合に総合判定を「〇」とし、反発性、引張強度及び耐久性の判定に「×」がなく、かつ少なくとも一つの判定に「△」がある場合に総合判定を「△」とし、反発性、引張強度及び耐久性の判定の一つにでも「×」がある場合に総合判定を「×」とした。
11 バット本体
12 グリップエンド
13 先端部分
15 打球部
Claims (9)
- バットの打球部に用いられるポリウレタン発泡体であって、
前記ポリウレタン発泡体は、イソシアネート成分と、発泡剤と、触媒とを含むポリウレタン発泡体用組成物から得られ、
前記イソシアネート成分は、ポリオール成分と、活性水素基を有する環状分子を構成体に含むポリロタキサンと、イソシアネートと、から得られたイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーであり、
前記ポリオール成分は、ポリテトラメチレングリコール及びポリカプロラクトンポリオールを含み、
前記ポリテトラメチレングリコールと前記ポリカプロラクトンポリオールの配合比率(重量比率)は、ポリテトラメチレングリコール:ポリカプロラクトンポリオール=10〜90:90〜10である
ことを特徴とするポリウレタン発泡体。 - 前記イソシアネートは、1,5−ナフタレンジイソシアネートであることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン発泡体。
- 前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのNCO%が2.5〜5.5%であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタン発泡体。
- 前記ポリロタキサンは、前記イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100重量部に対し、0.5〜6重量部であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のポリウレタン発泡体。
- 前記ポリテトラメチレングリコールは、平均官能基数が2、水酸基価が25〜125mgKOH/gであり、
前記ポリカプロラクトンポリオールは、平均官能基数が2〜3、水酸基価が25〜187mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のポリウレタン発泡体。 - 前記ポリウレタン発泡体からなる外径30mm、内径10mm、高さ30mmの環状のテストピースの上方110mmの位置から、50kgの重りを1分間に6回の間隔で自然落下させて前記テストピースの上面に衝突させ、前記テストピースが破損するまでの衝突回数を測定する落すい衝撃試験の結果が300回以上であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のポリウレタン発泡体。
- 次式から求められる前記ポリウレタン発泡体の反発性が、55%以上であることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のポリウレタン発泡体。
反発性(%)=跳ね返されたボールの速度/衝突前のボールの速度×100
衝突前のボールの速度及び跳ね返されたボールの速度は、以下の条件で算出する。
・ボールは、全日本軟式野球連盟公認球 M号を使用する。
・ボールの直径よりも面積の大きいポリウレタン発泡体を壁に固定する。
・壁とピッチングマシーンの発射口との距離を1mに設定する。
・ポリウレタン発泡体の表面にボールがぶつかる際の速度が、時速100km/hとなるようにピッチングマシーンからの発射速度を調整する。
・ボールの先端が、壁から500mm離れた位置から200mm離れた位置までの距離(300mm)を通過するまでの時間から衝突前のボール速度を算出する。
・壁に固定されたポリウレタン発泡体にボールが衝突し、跳ね返されたボールの先端が、壁から200mm離れた位置から500mm離れた位置までの距離(300mm)を通過するまでの時間から跳ね返されたボール速度を算出する。 - 前記ポリウレタン発泡体の密度(JIS K7222:2005に基づく)が0.25〜0.45g/cm 3 であることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載のポリウレタン発泡体。
- 前記ポリウレタン発泡体の引張強度(JIS K6251:2017(ダンベル状2号形)に準拠)が2.5MPa以上であることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載のポリウレタン発泡体。
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