JP6756929B2 - 測定ガス室内の測定ガスの少なくとも1つの特性を検出するセンサを動作させる方法 - Google Patents

測定ガス室内の測定ガスの少なくとも1つの特性を検出するセンサを動作させる方法 Download PDF

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Description

従来技術
従来技術においては、測定ガス室内の測定ガスの少なくとも1つの特性を検出する多数のセンサ及び方法が公知である。測定ガス室内の測定ガスの少なくとも1つの特性は、基本的には、測定ガスの任意の物理的及び/又は化学的な特性であってよく、単数又は複数の特性を検出することができる。以下においては、本発明について、特に測定ガスのガス成分の割合の定性的及び/又は定量的な検出、特に測定ガス部分中の酸素割合の検出に関連付けて説明する。酸素割合は、例えば分圧及び/又は百分率の形で検出することができる。しかしながら、代替的又は付加的に、測定ガスの他の特性、例えば温度も検出可能である。
従来技術においては、特定の固体の電解質特性の利用、即ち、これらの固体のイオン伝導性の特性をベースとする特にセラミックのセンサが公知である。特にこれらの固体は、少量の添加剤としての酸化アルミニウム(Al)及び/又は酸化ケイ素(SiO)を含み得るセラミックの固体電解質、例えば、二酸化ジルコニウム(ZrO)、特にイットリウム安定化二酸化ジルコニウム(YSZ)及びスカンジウムをドープした二酸化ジルコニウム(ScSZ)であり得る。
例えばこの種のセンサは、いわゆるラムダセンサ又は窒素酸化物センサとして構成されていることができ、例えば「Kraftfahrtechnisches Taschenbuch(自動車工学ポケット版)(K. Reif, Deitsche, K-H. et al., Springer Vieweg, Wiesbaden, 2014, p. 1338-1347)」において公知である。広帯域ラムダセンサ、特にプレーナ形の広帯域ラムダセンサにより、例えば排ガス中の酸素濃度を広範に特定し、ひいては燃焼室内の空燃比を推定することが可能である。空気率λ(ラムダ)は、この空燃比を表している。窒素酸化物センサは、排ガス中の窒素酸化物濃度も、酸素濃度も特定する。
ポンプセル、測定セルと、酸素参照セル、ネルンストセルとを組み合わせることにより、周囲ガス中の酸素含有量を測定するセンサを構築することができる。アンペロメトリックポンプ原理に基づいて働くポンプセル内においては、それぞれ異なるガスに接している複数のポンプ電極に電圧又は電流を印加すると、酸素イオン電流が、ガスを互いに隔離しているセラミック体(酸素伝導性の固体電解質)を通って拡散する(「ポンプ作用」)。周囲ガスが拡散し得る中空室内の酸素分圧を一定に保持するようにポンプセルが使用される場合、電流を測定することにより、輸送される酸素の量を推定することができる。このポンプ電流は、拡散の法則に従って周囲ガス中の酸素分圧に直に比例している。ネルンストセルにより、中空室内の酸素分圧の、他の参照ガス室内の酸素分圧に対する比は、生じるネルンスト電圧を介して特定することができる。
この種のセンサの電気化学的なユニットは、閉ループ制御回路内の閉ループ制御区間とみなされ得る。この閉ループ制御回路の制御変数は、ポンプ電極ペアにおける電圧、又は、任意選択的には電流である。制御量は、測定されるネルンスト電圧である。閉ループ制御の目的は、排ガス中の酸素含有量の変化にもかかわらず、中空室内の酸素分圧を、指定した又は予め決めた値の可能な限り近くに保持することである。中空室内の酸素分圧、又は、中空室内の酸素分圧の、参照セル内の分圧に対する比を測定するためには、ネルンスト電圧が用いられる。ポンプ電極ペアに印加される電圧を介して、中空室内の酸素分圧は制御可能である。酸素イオンを中空室内に運搬したり、中空室から取り除いたりすること(このことをポンプ作用ともいう)により、ガス濃度に対して、印加されるポンプ電圧又はポンプ電流を介して能動的に影響を及ぼすことができる。中空室内に設けられたすべての電極は、1つの共通の帰線を有している。負の電圧も実現することができるように、この仮想質量は、電気質量に対して高められた電位にある。ネルンスト電圧又は第1の電極における電圧は、この電圧に関連付けられる。
酸素分圧又は酸素含有量を特定すべく、広帯域ラムダセンサ及び窒素酸化物センサにおいては、ポンプ電流信号が評価される。ポンプ電流信号は、(周囲ガスの)存在している酸素濃度に対して略線形である。
いくつかのセンサタイプにおいては、センサの構造や、制御装置側のセンサの電気配線に応じて、リーン−リッチ−切り換わり及びリッチ−リーン−切り換わり時にラムダ=1点(0% O)を通過する際に、ポンプ電流信号に顕著な乱れが生じる。この乱れは、ラムダ=1リップルともいう。
この原因は、ポンプセルの電極における電荷反転効果であり、電荷反転効果は、ポンプ電流信号を損ね、ポンプセルの閉ループ制御を乱してしまう。ポンプセルにおける電荷反転電流及び電圧の、制御量であるネルンスト電圧Uvsとの連結は、センサ素子のネルンストセルと、ポンプセルとネルンストセルとの間の外部の電気配線とを介して行われる。制御量の乱れにより、その後、ポンプ電流を制御する制御部操作量は、まず、Oの変化とは逆方向に閉ループ制御され、その後、ポンプ電流の方向は、突然逆転される。
ラムダ=1リップルのこのメカニズムにより、酸素信号は、ラムダ=1通過時、ディーゼルエンジンとNSC触媒とを有する車両又はガソリンエンジンを有する車両のために酸素信号を評価することが不可能なほど強く乱されてしまうことがある。
ラムダ=1リップルは、典型的には、制御電子システムの特別な設計、又は、手間若しくはコストのかかるセンサ構造により回避され得る。ラムダ=1リップルを減じる代替的なアプローチは、センサ素子のポンプセルにおける電荷反転効果を補償するというコンセプトに基づいている。センサにおける測定された信号は、特別な信号処理によって、ラムダ=1外乱を補償すべく、使用される。この場合、付加的な信号後処理ステップにおいて、ラムダ=1リップルの外乱が評価され、その後、ポンプ電流、即ち、酸素測定信号から取り除かれる。
外部ポンプ電極における電圧を、ポンプ電流に対して等価の量に正確にマッピングすることは、ラムダ=1リップルを補償する関数が、ラムダ=1領域外で測定信号の誤補正を引き起こさないための前提である。そして、ポンプ電流当量は、外部ポンプ電極における電圧から、固定的に格納された特性線により算出される。即ち、格納された固定的なインピーダンス特性線は、外部ポンプ電極における電圧から算出される、電流に対して等価の量が、測定されるポンプ電流に等しいというセンサの特性を表している。それにもかかわらず、インピーダンス特性線の偏差は起こり得る。しかしながら、信号処理部内に格納されたインピーダンス特性線が、センサの特性から偏差すると、算出される電流に対して等価の量も、測定されるポンプ電流から偏差し、アルゴリズムの機能面は、ラムダ=1通過が行われていないにもかかわらず、補償信号が発生されてしまうほど、著しく損なわれることがある。即ち、測定信号の誤補正が生じることがある。
「Kraftfahrtechnisches Taschenbuch(自動車工学ポケット版)(K. Reif, Deitsche, K-H. et al., Springer Vieweg, Wiesbaden, 2014, p. 1338-1347)」
発明の開示
それゆえ、測定ガス室内の測定ガスの少なくとも1つの特性を検出するセンサを動作させる方法であって、これらのセンサを動作させる公知の方法の欠点を少なくとも大幅に回避し、特に、改善された信号評価によって、ラムダ=1リップルが、取り除かれ又は補正された信号が、現に存在する酸素含有量に特にラムダ=1付近の領域で略相当するように明らかに減じられ、かつ、ラムダ=1付近の領域における測定信号の誤補正が回避される方法を提案する。
測定ガス室内の測定ガスの少なくとも1つの特性を検出する、特に測定ガス中のガス成分の割合又は測定ガスの温度を検出するセンサを動作させる本発明に係る方法は、測定ガスの特性を検出するセンサ素子を含み、センサ素子は、固体電解質、第1の電極、第2の電極、第3の電極及び第4の電極を有し、第1の電極及び第2の電極は、第1の電極、第2の電極及び固体電解質がポンプセルを形成するように固体電解質に接続されており、第3の電極及び第4の電極は、第3の電極、第4の電極及び固体電解質がネルンストセルを形成するように固体電解質に接続されており、ネルンストセルのネルンスト電圧を閉ループ制御し、センサ素子の測定信号をポンプ電流に基づいて特定し、さらに信号処理により補償量を特定し、測定信号及び補償量から、少なくとも1つの補正された測定信号を特定し、補正された測定信号から測定ガス室内の測定ガスの特性を特定し、このとき、補償量は、少なくとも部分的にポンプ電流と、ポンプセルに印加される電圧とに依存しており、補償量を特定する信号処理は、ポンプ電流と、ポンプセルに印加される電圧との、ローパスフィルタを用いたローパスフィルタ処理を含み、ローパスフィルタの時定数及び/又は増幅率を、ポンプセルに印加される電圧、又は、ポンプセルに印加される電圧の、時間的に変化する成分に応じて制御する。
ポンプセルに印加される電圧、及び/又は、ポンプセルに印加される電圧の、時間的に変化する成分が、予め決定した値に達した場合、ローパスフィルタの時定数及び/又は増幅率を増加させることができる。予め決定した値は、特に測定ガスの予め決定した組成である。予め決定した組成は、好ましくはラムダ=1である。時定数及び/又は増幅率を、マッピング関数を用いて、ポンプセルに印加される電圧に応じて変化させることができる。マッピング関数を、補間、特に線形補間と、特性マップとにより形成することができる。ポンプセルに印加される電圧の、時間的に変化する成分を、ハイパスフィルタを用いて、ポンプセルに印加される電圧からフィルタ処理により取り出すことができる。
加えて、本発明に係る方法の各ステップを実施するために構成されたコンピュータプログラムを提案する。
さらに、本発明に係る方法を実施するコンピュータプログラムが記憶された電子記憶媒体を提案する。
本発明は、さらに、本発明に係る方法を実施する上述のコンピュータプログラムを含む本発明に係る電子記憶媒体を備える電子制御装置を含む。
最後に本発明は、測定ガス室内の測定ガスの少なくとも1つの特性を検出する、特に測定ガス中のガス成分の割合又は測定ガスの温度を検出するセンサであって、測定ガスの特性を検出するセンサ素子を備え、センサ素子は、固体電解質、第1の電極、第2の電極、第3の電極及び第4の電極を有し、第1の電極及び第2の電極は、第1の電極、第2の電極及び固体電解質がポンプセルを形成するように固体電解質に接続されており、第3の電極及び第4の電極は、第3の電極、第4の電極及び固体電解質がネルンストセルを形成するように固体電解質に接続されており、センサは、さらに、本発明に係る方法を実施する本発明に係るコンピュータプログラムを含む電子制御装置を備える、測定ガス室内の測定ガスの少なくとも1つの特性を検出する、特に測定ガス中のガス成分の割合又は測定ガスの温度を検出するセンサにも関する。
固体電解質とは、本発明の範囲内において、電解質特性、即ち、イオン伝導性の特性を有する体又は物と解すべきである。特に固体電解質は、セラミックの固体電解質であってよい。これは、固体電解質の原料も含み、それゆえ、焼結されて初めて固体電解質となるいわゆるグリーン体又はブラウン体として形成されているものも含む。特に固体電解質は、固体電解質層として、又は、複数の固体電解質層から形成され得る。層とは、本発明の範囲内において、他の素子の上、下又は間に位置し、或る高さの面状の広がりをもったひとまとまりの質量体と解すべきである。
電極とは、本発明の範囲内において、全般的に、固体電解質と電極とを通して電流が維持され得るように固体電解質を接点接続させることが可能な素子と解すべきである。これに応じて、電極は、そこでイオンが固体電解質内に注入され得る及び/又は固体電解質から放出され得る素子を有し得る。典型的には、電極は、貴金属電極を含み、貴金属電極は、例えば金属−セラミック−電極として固体電解質上に被着され得る、又は、他の方法により固体電解質に接続され得る。典型的な電極材料は、白金−サーメット−電極である。しかしながら、他の貴金属、例えば金又はパラジウムも、基本的には使用可能である。
加熱素子とは、本発明の範囲内において、固体電解質及び電極を少なくともそれらの機能温度、好ましくは動作温度に加熱するために用いられる素子と解すべきである。機能温度は、固体電解質がイオン伝導性になる約350℃の温度である。機能温度と動作温度とは区別すべきである。動作温度は、センサ素子が通常動作される温度であって、機能温度より高い温度である。動作温度は、例えば700℃乃至950℃であり得る。加熱素子は、加熱領域と、少なくとも1つの供給路とを有し得る。加熱領域とは、本発明の範囲内において、加熱素子の、層構造内においてセンサ素子の表面に対して垂直な方向に沿って電極とオーバラップしている領域と解すべきである。一般的に加熱領域は、動作中、供給路より強く加熱されるので、加熱領域と供給路とは、区別可能である。それぞれ異なる加熱は、例えば、加熱領域が供給路より高い電気抵抗を有することにより実現可能である。加熱領域及び/又は供給線は、例えば電気的な抵抗路として形成されており、電圧の印加により加熱される。加熱素子は、例えば白金−サーメットから製造されていてもよい。
閉ループ制御回路とは、本発明の範囲内において、或る技術的なプロセスにおける物理量に影響を及ぼすそれ自体は閉じた作用フローと解すべきである。ここで重要であるのは、実際値ともいう現在の値を閉ループ制御装置にフィードバックすることであり、閉ループ制御装置は、目標値からの偏差を継続的に抑制する。閉ループ制御回路は、閉ループ制御区間と、閉ループ制御装置と、制御量としての実際値の負帰還とからなっている。制御量は、基準量としての目標値と比較される。実際値と目標値との間の閉ループ制御偏差は、閉ループ制御装置に供給され、閉ループ制御装置は、そこから閉ループ制御回路の所望のダイナミクスに応じて閉ループ制御区間のための制御変数を形成する。閉ループ制御区間とは、本発明の範囲内において、閉ループ制御回路のうちの、閉ループ制御装置が制御変数又は操作量を介して介入することになる制御量を含む部分と解すべきである。本発明の範囲内においては、センサの電気化学的なユニットが、閉ループ制御区間である。
測定量とは、本発明の範囲内において、基本的には、任意の物理量及び/又は化学量並びにこの又はこれらの量を等価に表示する信号、即ち、等価の信号と解すべきである。好ましくは、測定量は、センサ素子の少なくとも1つの測定信号である。好ましくは、測定量は、少なくとも1つのポンプ電流、例えば限界電流であり得る。しかしながら、測定量は、ポンプ電流に依存した量であってもよい。例えば測定量は、ポンプ電圧及び/又は転換された電荷であってもよい。この関連での「検出される」なる表現は、本発明の範囲内において、測定量が例えば測定信号としてセンサ素子から出力される及び/又は測定量が制御装置により処理及び/又は評価及び/又は記憶されると解すべきである。
補償量とは、本発明の範囲内において、基本的には、任意の化学量及び/又は物理量並びにこの又はこれらの量を等価に表示する信号、即ち、等価の信号と解すべきである。好ましくは、補償量は、測定量と同様の物理量及び/又は化学量を含み得る。好ましくは、補償量は、ポンプ電流偏差であり得る。例えば補償量は、少なくとも1つの電荷反転電流及び/又は少なくとも1つの電極電荷であり得る。補償量は、少なくとも部分的に、ポンプ電流、及び、ポンプセルに印加される電圧に依存している。特に補償量は、少なくとも部分的に、ポンプ電流、及び、ポンプセルに印加される電圧の、時間的な変化に依存している。例えば補償量は、ポンプセルの電極におけるラムダ=1通過時の電気化学的な電荷反転効果に起因する測定量の毀損に関する尺度である。
測定信号及び補償量から、少なくとも1つの補正された測定信号を特定する。補正された測定信号は、原理的には、任意の化学量及び/又は物理量並びにこの又はこれらの量を等価に表示する信号、即ち、等価の信号であり得る。好ましくは、補正された測定量は、同様の物理量及び/又は化学量及び/又は補償量であり得る。補正された測定信号は、特に、外乱効果を取り除いた量であり得る。測定ガス室内のガスの割合は、好ましくは、補正された測定信号から、補正前の測定信号から特定するよりも正確に特定され得る。補正された測定信号を測定信号及び補償量から特定することは、例えば算出及び/又は割り当ての形の信号処理であり得る。対応して、測定ガス室内の測定ガスの割合は、補正された測定信号から、例えば算出及び/又は割り当てにより特定され得る。
例えば測定ガス室内の測定ガスの割合を補正された測定信号から特定する際、少なくとも1つの特性線が使用可能である。特性線は、例えば、補正された測定信号の、測定ガスの割合に対する割り当てであり得る。例えば特性線は、補正されたポンプ電流と、測定ガス中の酸素の割合、例えば酸素分圧との間の割り当てであり得る。
測定量は、少なくとも1つのポンプ電流を含み得る。例えばポンプ電流は、ポンプセルを介して転換された、単位時間あたりの全電荷であり得る。例えば、測定量は、直にポンプ電流であり、又は、ポンプ電流を表示する信号であり得る。例えばポンプ電流は、ポンプ電流に依存した測定量であってもよい。例えば測定量は、ポンプ電流に依存した量であり得る。例えば測定量は、少なくともポンプ電流を含み得る。補償量は、少なくとも電荷反転電流に依存し得る。電荷反転電流は、充電プロセス及び/又は放電プロセスにより、例えば測定ガス室内の測定ガスの割合の変化時に発生し得る電流であり得る。電荷反転電流は、ラムダ=1通過時に発生し得る電流であり得る。補償量は、電荷反転効果により引き起こされる電荷反転電流と、制御部操作量の外乱とを補償する。
測定量、補償量及び補正された測定量は、前述の説明に応じて、絶対的な量として存在している必要はない。本発明は、明示するならば、代替的又は付加的に、信号処理のレベルでの測定量の補正又は電荷反転の補償が可能であるため、測定量、補償量及び補正された測定量は、対応してこれらを特徴付ける信号であり得る。
ポンプセルのインピーダンスとは、本発明の範囲内において、ポンプセルのオーム抵抗ではなく、ポンプ電圧と、ポンプ電圧の電流当量との間のセンサ素子固有の関係、特に、周波数に依存した関係と解すべきである。特定の動作条件下においては、ポンプ電圧の電流当量は、ポンプ電圧に等しい(例えば排ガス中のO濃度の時間的な変化が僅かであるとき)。ここで観察するDCの場合(限界電流動作)、インピーダンスは、排ガス中の酸素濃度に依存しているが、他の排ガス条件、例えばガス速度にも依存している。インピーダンスは、本発明の範囲内において、特にポンプ電圧の電流当量とポンプ電圧との比を表している。ポンプセルのインピーダンスは、一般に複素数値として規定し得る。ポンプセルのインピーダンスは、これにより周波数依存性であることもある。本発明の範囲内において、ポンプセルのインピーダンスは、適応アルゴリズムを用いてポンプセルにおける電圧とポンプ電流との組み合わせから特定され得る。ポンプセルのインピーダンスは、ポンプセルにかかっている電圧の関数として(又は代替的にはポンプ電流の関数として)特定され得る。
本発明に係る方法の他のステップにおいて、ポンプセルに印加される電圧及び電流の、変化する成分を示す信号を生成する。このことは、例えば、時間微分又は別種のハイパスフィルタ処理により実施可能である。ここでは、一般的にハイパスフィルタ処理が実施される。ハイパスとは、本発明の範囲内において、その限界周波数を上回る高周波の信号成分を通過させる一方、低周波の信号成分を減衰させるフィルタと解すべきである。而して、一定の又はゆっくりとしか変化しない信号成分は、取り除かれ得る。フィルタ処理により信号の位相も変更可能である。例えば微分器は、90°の位相を有している。ハイパスフィルタは、本発明の範囲内において、再帰型のフィルタ又は非再帰型のフィルタとして実現され得る。ハイパスフィルタは、有限又は無限のインパルス応答を有し得る。
ラムダ=1リップル時、ポンプ電流信号と、ポンプセルにおける電圧とは、それぞれ異なる推移を示す。ポンプセルに印加される電圧と電流との乖離に関する情報は、ポンプセルに印加される電圧及び電流の変化信号の差にある。これらの差信号は、電気化学的なセルの電荷反転時の電荷の移動に関する尺度でもある。電気化学的なセルの電荷反転は、ポンプセルに印加される電圧の変化なしに電流に変化を引き起こす。ポンプセルの電極におけるネルンスト電圧の変化により、電荷反転電流が発生される。この電荷反転電流は、限界電流動作からの本来の信号に重畳される。差信号内には、而して電荷反転電流の変化のみがマッピングされる。
ポンプ電流の変化と、ポンプ電圧の電流当量の変化との差信号は、時間インターバルにわたって合算される一方、この合計信号は、再び逓減される。これにより、電荷反転電流に等価の信号、即ち、電荷反転補償信号が得られる。このために差信号は、ローパスフィルタによりフィルタ処理され得る。
ローパスフィルタとは、本発明の範囲内において、その限界周波数を下回る低周波の信号成分を通過させる一方、高周波の信号成分を減衰させるフィルタと解すべきである。ローパスフィルタの役割は、外乱の時間インターバルにわたって差信号の信号の推移を合算することである。差信号が小さいとき、補償電流信号は0に近付く。簡単なローパスの実現は、例えば漏れ積分器により達成され得る。代替的な実現においては、ローパスの特性が入力信号の大きさに応じて変更され得る。
続くステップにおいて、電荷反転補償信号を、測定されたポンプ電流信号から減じる又は差し引く。而るに、補正されたポンプ電流信号から、周囲ガスの酸素含有量の時間的な変化及び濃度を示す信号を導出することができる。後続のステップにおいて、特性マップを用いて、補正されたポンプ電流信号から、校正された酸素信号を導出することができる。
ハイパスフィルタとは、本発明の範囲内において、限界周波数を上回る周波数をほとんど弱めることなく通過させ、より低い周波数を減衰させるフィルタと解すべきである。
本発明の基本思想は、改善された信号評価によりラムダ=1リップルを取り除き又は強く減じ、その際、測定信号の誤補正を回避することである。
本発明は、センサのラムダ=1リップルを補償する信号処理が、ラムダ=1通過時、測定信号の外乱を明らかに減じるという認識に基づいている。リーンにおける強いダイナミクス時、この信号処理は、しかしながら、センサのポンプセルのインピーダンス特性と、信号処理における対応する特性線とが互いに偏差しているとき、誤った補正信号を発生させてしまうことがある。この場合、補償信号は、センサの測定信号を劣化させてしまう。このような誤補正は、一方では、インピーダンス特性線が、手間又はコストのかかる適応型の信号処理によりセンサ特性に適合されることで回避され得る。本発明の範囲内において、代替的には、ラムダ=1領域外の誤補正を、このときは補償信号を発生させないことによっても回避し得ることを提案する。即ち、電荷反転効果を補償する信号処理は、実質的にラムダ=1点の領域で有効であることが望ましい。
即ち、電荷反転エラー信号を評価する信号処理は、補償信号を発生させる能力が、ラムダ=1外乱も発生し得るときこそ、特に大きいように、制御され得る必要がある。他方、この能力は、ラムダ=1外乱は発生し得ないが、エラーを伴った補償信号により測定信号が損なわれる恐れがある動作状態においては、使用されない。
即ち、このためには、測定ガスの酸素濃度がラムダ=1点の付近にあることを確実に識別する基準が必要である。代替的には、ラムダ=1リップルが発生することを識別する基準が使用されてもよい。1つの可能な基準は、外部ポンプ電極における電圧Uの測定信号から導出され得る。而して、信号処理なしには、電圧Uが、ラムダ=1点の領域において、ひいては0% Oの付近において、約0ボルトである一方、UIP信号は、明確なラムダ=1リップルを有している。UIP信号からは、補償関数がラムダ=1点の周囲においては有効であるが、他の動作点、特にリーンにおいては補償信号が発生され得ないように、ラムダ=1リップルを補償する信号処理を制御する量が導出され得る。
冒頭で説明した電荷反転補償のための信号処理と比較して本発明において説明する追加点及び変更点の重要な利点は、アルゴリズムの説明した変化態様と比較して簡単なその実現である。センサは、正確、かつ、センサキャラクタの変化に対してロバストな信号をリーンにおいて提供する一方、特性線の手間又はコストのかかる複雑な適応機能は、実現される必要がない。特にここでは、適応機能のための、オンボード診断のレギュレーションにより必要な手間又はコストのかかる診断機能は、回避され得る。ソフトウェアの複雑性が比較的低い点に加え、このことは、特に、かなりの検証手間及び試験手間が回避されるという利点を有している。
ポンプセルのインピーダンスの変化に基づく誤補正に関するラムダ=1リップル補償の信号処理のロバスト性は、本願で説明する信号処理により明らかに改善され得る。ラムダ=1リップルの補償をラムダ=1点の周囲でのみ実施する制御機能により、アルゴリズムのインピーダンス特性線がセンサの特性から偏差しても、測定信号の誤補正が生じることは回避され得る。而して例えばリーンにおいて、ラムダ=1リップルを補償する信号処理は、信号を発生させず、ひいては誤補正も起こり得ない。
本発明の任意選択的なさらなる詳細及び特徴は、図面に概略的に示す好ましい実施例の以下の説明から看取可能である。
本発明に係るセンサの原理構造を示す図である。 センサにおける電荷反転補正を伴う信号評価のブロックダイヤグラムである。 電荷反転補正における信号加工のブロックダイヤグラムである。 ローパスフィルタの信号を示す図である。 様々な測定信号推移を時間にわたってプロットした図である。 ポンプセルにおける電圧と、測定抵抗における電圧降下との推移を示す図である。 代替的な信号処理を伴うブロック線図である。
発明の実施の形態
図1は、本発明に係るセンサ10の原理構造を示している。図1に示すセンサ10は、測定ガスの物理的及び/又は化学的な特性を把握するために使用可能であり、単数又は複数の特性を検出することができる。以下においては、本発明について、特に測定ガスのガス成分の定性的及び/又は定量的な検出、特に測定ガス中の酸素割合の検出に関連付けて説明する。酸素割合は、例えば分圧及び/又は百分率の形で検出することができる。しかしながら、基本的には、別種のガス成分、例えば窒素酸化物、炭化水素及び/又は水素も検出可能である。しかし、代替的又は付加的に、測定ガスの他の特性も検出可能である。本発明は、特に自動車技術の分野で使用可能である。それゆえ、測定ガス室は、特に内燃機関の排ガス流路であり、測定ガスは、特に排ガスであり得る。
センサ10は、センサ素子12を備えている。センサ素子12は、追って詳述するように、セラミックの層構造として形成され得る。センサ素子12は、固体電解質14、第1の電極16、第2の電極18、第3の電極20及び第4の電極22を有している。固体電解質14は、固体電解質層の形態の複数のセラミックの層から構成され得る、又は、複数の固体電解質層を有し得る。例えば固体電解質14は、重ね合わせに又は互いに上下に配置されているポンプシート又はポンプ層と、中間シート又は中間層と、加熱シート又は加熱層とを有している。電極16,18,20,22の符号は、それらの重要性の順位を示すものではなく、電極16,18,20,22を概念上区別することができるようにするだけのものである。
センサ素子12は、さらにガス進入路24を有している。ガス進入路24は、ガス進入穴26を有し、ガス進入穴26は、固体電解質14の表面28からセンサ素子12の層構造の内部へと延在している。固体電解質14内には、電極中空室30が設けられており、電極中空室30は、ガス進入穴26を例えば環形又は矩形に包囲している。電極中空室30は、ガス進入路24の一部であり、ガス進入穴26を介して測定ガス室に連通している。例えばガス進入穴26は、筒状の止まり穴として固体電解質14の表面28に対して垂直にセンサ素子12の層構造の内部へと延在している。特に電極中空室30は、略環形又は矩形に形成されており、横断面図で見て三方より固体電解質14により画定されている。ガス進入穴26と電極中空室30との間には、通路32が配置されており、通路32は、同様にガス進入路24の構成部分である。この通路32内には、拡散バリア34が配置されており、拡散バリア34は、ガスが測定ガス室から電極中空室30内に流れ込むのを減じ又はそれどころか阻止し、拡散のみを実現する。
第1の電極16は、固体電解質14の表面28上に配置されている。第1の電極16は、ガス進入穴26を環形に包囲し、測定ガス室から例えば、詳細には図示しないガス透過性の保護層により隔離され得る。第2の電極18は、電極中空室30内に配置されている。第2の電極18は、同様に環形に構成され、ガス進入穴26を中心に回転対称に配置され得る。例えば第1の電極16及び第2の電極18は、ガス進入穴26に対して同軸に配置されている。第1の電極16及び第2の電極18は、第1の電極16、第2の電極18及び固体電解質14がポンプセル36を形成するように固体電解質14、特にポンプ層に接続、特に電気的に接続されている。対応して、第1の電極16は、外部ポンプ電極、第2の電極18は、内部ポンプ電極と称呼してもよい。拡散バリア34を介してポンプセル36の限界電流(Grenzstrom)が調整される。これにより限界電流は、第1の電極16と第2の電極18との間で固体電解質14を介して流れる電流である。
センサ素子12は、さらに参照ガス室38を有している。参照ガス室38は、ガス進入穴26の延在方向に対して垂直に固体電解質14の内部へと延在し得る。上述したように、ガス進入穴26は、筒状に形成されているので、ガス進入穴26の延在方向は、ガス進入穴26の筒軸線に対して平行に延在している。この場合、参照ガス室38は、ガス進入穴26の筒軸線に対して垂直に延在している。念のため明記しておくと、参照ガス室38は、ガス進入穴26の仮想の延長線上に、ひいては固体電解質14のさらに内部に配置されていてもよい。参照ガス室38は、巨視的な参照ガス室として形成されている必要はない。例えば参照ガス室38は、「ポンピング参照(gepumpte Referenz)」、即ち、人工的な参照として構成されていてもよい。
第3の電極20は、同様に電極中空室30内に配置されている。例えば第3の電極20は、第2の電極18に対向している。第4の電極22は、参照ガス室38内に配置されている。第3の電極20及び第4の電極22は、第3の電極20、第4の電極22及び第3の電極22と第4の電極22との間の固体電解質14の部分がネルンストセル40を形成するように固体電解質14に接続されている。ポンプセル36により、例えばポンプセル36を通るポンプ電流は、電極中空室30内に条件λ(ラムダ)=1又は他の既知の組成が支配しているように調整され得る。この組成は、他方、第3の電極20と第4の電極22との間のネルンスト電圧Uvsが測定されることにより、ネルンストセル40により検出される。参照ガス室38内には、既知のガス組成が存在している、又は、ガス組成は、所定の酸素過剰に曝されているので、測定される電圧を基に、電極中空室30内の組成を推定することができる。
ガス進入穴26の延在方向の延長線上には、加熱素子42がセンサ素子12の層構造内に配置されている。加熱素子42は、加熱領域44及び電気的な供給路46を有している。加熱領域44は、例えばメアンダ形に形成されている。加熱素子42は、固体電解質14内で中間層と加熱層との間に配置されている。念のため明記しておくと、加熱素子42は、図面に詳細に示していなくても、両側で電気絶縁性の材料、例えば酸化アルミニウムからなる薄い層により包囲されている。換言すれば、中間層と加熱素子42との間及び加熱素子42と加熱層との間には、電気絶縁性の材料からなる薄い層が配置されている。この種の層は、例えば上述の従来技術において公知であるので、詳細には説明しない。電気絶縁性の材料からなる層に関するさらなる詳細については、それゆえ上述の従来技術を参照されたい。上述の従来技術の、電気的な材料からなる層に関する内容は、参照による引用により本明細書に取り込まれたものとする。
図2は、センサ10における電荷反転補正を伴う信号評価のブロックダイヤグラムを示している。図2に示すように、センサ10は、電子制御装置48を有している。電子制御装置48は、ネルンストセル40のネルンスト電圧Uvsを閉ループ制御する閉ループ制御装置50を有している。閉ループ制御装置50と第1の電極16との間には、測定抵抗52が配置されている。さらに任意選択的にRCブリッジ54、即ち、抵抗とコンデンサとからなる直列回路が、第1の電極16と第3の電極20との間に配置されている。さらに電子制御装置48は、信号後処理ユニット56及びデータインタフェース58を有している。図2に示すように、かつ、概略的に示す信号の流れを基に看取可能であるように、電子制御装置48の操作量は、ポンプセル36に供給される電圧URSである。制御量は、ネルンスト電圧Uvsである。ポンプセル36に供給される電圧URsと、ポンプセル36に印加される電圧Uとに基づいて、測定抵抗52を介した電圧降下UIPは、閉ループ制御装置50により特定することができる。而して測定抵抗52を介した電圧降下UIPは、操作量URSと、ポンプセルに印加される電圧Uとの差である。さらに、こうして、ポンプセル36内に流入する又はポンプセル36から流出する酸素濃度に依存した電流IO2は、測定抵抗52が、閉ループ制御装置50の出力部と、第1の電極16との間に配置されているので、測定抵抗52を介した電圧降下UIPから特定することができる。信号の流れを基に、本発明の特徴は看取可能である。そして信号後処理ユニット56には、測定抵抗52を介した電圧降下UIPが供給されるだけでなく、ポンプセル36に印加される電圧Uも供給される。ポンプセル36に印加される電圧Uと、後処理ユニット56からの信号とを基に、データインタフェース58には、酸素含有量を示す信号が供給される。
図3は、信号後処理ユニット56内での電荷反転補正の信号処理を概略的に示している。信号後処理ユニット56は、ポンプ電流Iに依存した測定抵抗52における電圧降下UIPとしての第1の入力信号と、ポンプセル36に印加される電圧Uとしての第2の入力信号とを受信している。
ポンプ電流Iは、
Figure 0006756929
と表現し得る。ここで、RShunt[Ω]は、第1の電極16又は第2の電極18における測定抵抗52の抵抗である。電圧降下UIPは、ポンプ電流Iに比例する。補償量(Kompensationsgroesse)を特定するべく、ポンプセル36に印加される電圧Uの電流当量IUPが形成される。電流当量IUPは、ポンプセル36のインピーダンスZに基づいて形成される。ポンプセル36のインピーダンスZは、ポンプセル36に印加される電圧Uと、ポンプ電流Iとに基づいて、例えば:
Figure 0006756929
の形で特定される。
ポンプセル36のインピーダンスZは、
Figure 0006756929
の形でポンプ電圧の電流当量とポンプ電圧との比を表している。
ポンプセル36のインピーダンスZは、一般に複素数値として規定し得る。ポンプセル36のインピーダンスZは、これにより周波数依存性であることもある。ポンプセル36のインピーダンスZは、適応アルゴリズムにより特定され得る。
而して電圧降下UIPから変換される信号は、第1のハイパスフィルタ60に供給され、ポンプセル36に印加される電圧Uから変換される信号は、ハイパスフィルタ62に供給される。ポンプセル36に印加される電圧Uの、時間的に変化する成分dUと、電圧降下UIPの、時間的に変化する成分dUとが、ハイパスフィルタ60,62内において特定される。ポンプセル36に印加される電圧Uの、時間的に変化する成分dUは、ポンプセル36に印加される電圧Uの電流当量IUPの時間微分又は別種のハイパスフィルタ処理により特定することができ、電圧降下UIPの、時間的に変化する成分dUは、電圧降下UIPの時間微分又は別種のハイパスフィルタ処理により特定することができる。
次に、電圧降下UIPの、時間的に変化する成分dUと、ポンプセル36に印加される電圧Uの、時間的に変化する成分dUとの間の差信号DUO2が、例えば:
Figure 0006756929
の形で形成される。この差信号DUO2は、電気化学的なセルの電荷反転時の電荷の移動に関する尺度でもある。電気化学的なセルの電荷反転は、ポンプセル36に印加される電圧Uの変化なしに電流に変化を引き起こす。ポンプセルの電極16,18におけるネルンスト電圧の変化により、電荷反転電流が発生される。この電荷反転電流は、限界電流動作からの本来の信号に重畳される。差信号DUO2内には、而して電荷反転電流の変化のみがマッピングされる。
補償量は、差信号DUO2のローパスフィルタ処理により特定される。このために差信号DUO2は、ローパスフィルタ64によりフィルタ処理され得る。ローパスフィルタ64は、入力信号を合算するが、その内側の状態に含まれる信号を時間にわたって再び逓減させるコンポーネントである。ローパスフィルタ64の出力は、電荷反転補償電流信号UKompである。ローパスフィルタ64の役割は、外乱の時間インターバルにわたって差信号DUO2の推移を合算することである。差信号DUO2が小さいとき、補償電流信号UKompは約0になる。
補正された測定量は、最終的に測定量から補償量を減算することにより特定される。而して、特に電荷反転補償信号IKompは、例えば:
Figure 0006756929
の形で、測定されたポンプ電流信号Iから差し引かれる。
而るに、補正されたポンプ電流信号I O2から、測定ガスの酸素含有量の時間的な変化及び濃度を示す信号が導出され得る。次いで、少なくとも1つの特性マップ65により、補正されたポンプ電流信号I O2から、校正された酸素信号が、補正された測定量として導出され得る。
前述の方法で基本的にいえることは、ポンプセルのポンプ電流と、ポンプセルに印加される電圧とが互いに関連付けられねばならないことである。その他の計算ステップは、必ずしも等価の電流で行われる必要はない。電圧をインピーダンスで除算することは、回避され得る。代替的には、それらの逆数又は他の等価の係数を乗算してもよい。
本発明により、ラムダ=1通過時の電荷反転効果を補償する信号処理の前述の関数は、以下の関数:箇所66における制御される時定数を有するローパスフィルタ及び箇所68におけるフィルタ時定数を制御する増幅関数により拡張される。箇所66及び68は、この順序でローパスフィルタ64の入力部に接続されている。
ポンプセル36の第1の電極16における電圧信号Uを、ポンプ電流に対して等価の量に変換する関数は、ここでは適応形ではなく、固定的な特性マップによってマッピングが行われる。
信号処理時に使用されるアルゴリズムを実現すべく、特別な再帰型のローパスフィルタ64が使用され、その構造は、指数平均化フィルタ又はPT1フィルタの構造に類似するが、その伝達特性に基本的な相違点を有している。指数平均化フィルタ又はPT1ローパスフィルタは、入力信号に対して出力信号を増幅しない。指数平均化フィルタ又はPT1ローパスフィルタが有している増幅は、典型的には1である。これに対してローパスフィルタ64は、ラムダ=1リップルの補償の信号処理において、可変の増幅率G=b/(1−a(k))を有している。増幅率は、再帰経路内でのその都度の係数a(k)に依存している。ここで、kは、デジタル信号処理のクロックインターバルである。再帰経路内のパラメータa(k)又は応答時定数τ(k)に対するローパスフィルタ64の増幅率のこの依存性は、インパルス応答により看取可能である。時定数が大きければ大きいほど、ローパスフィルタ64の増幅率も大きい。これに対して、指数平均化フィルタの場合は、係数(1−a)がインパルス応答の増幅を1にスケーリングする。
ラムダ=1リップルを補償するアルゴリズムとの関連において、ローパスフィルタ64は、
Figure 0006756929
と表されている。ここで、伝達関数は、
Figure 0006756929
である。ここで、a(k)は、時定数及びフィルタの増幅を制御する係数であり、bは、一定の定数、例えばb=1である。
図4は、一例として、制御される応答時定数及び増幅率を有するローパスフィルタ64の信号を示しており、これらは、ローパスフィルタ64の機能を明らかにする。上側のグラフは、ローパスフィルタ64の入力部での信号70を時間にわたってプロットしたものを示している。中央のグラフは、時定数72を時間にわたってプロットしたものを示している。下側のグラフは、増幅率74及びローパスフィルタ64の出力部での信号76を時間にわたってプロットしたものを示している。ここに示すそれぞれの時間の単位は、秒である。
上側のグラフから看取可能であるように、ローパスフィルタ64の入力部には、3つの一連の矩形パルスが印加されている。中央のグラフに示すように、ローパスフィルタ64の時定数τ(k)又はそのパラメータa(k)は、パルス間でその都度変更される。下側のグラフに示すように、これにより、その都度、ローパスフィルタ64の増幅率G=1/(1−a(k))も変化する。出力部での信号76の推移には、一方では、ステップ応答の応答時間がどのように変化し、同時に、出力部での信号76の増幅率G=1/(1−a(k))もどのように変化するかが、明瞭に看取可能である。而して、ローパスフィルタ64の入力部での信号70の、時間的に見て1番目の矩形パルスにおいては、時定数がτ=0.25、フィルタパラメータがa=0.9608であり、ローパスフィルタ64の入力部での信号70の、時間的に見て2番目の矩形パルスにおいては、時定数がτ=1.0、フィルタパラメータがa=0.9900である。ローパスフィルタ64の入力部での信号70の、時間的に見て3番目の矩形パルスの場合にそうであるように、ローパスフィルタ64の時定数72が0に等しければ、ローパスフィルタ64の出力部での信号76も0に等しい。
増幅率G(=ゲイン)及び応答時定数τ並びにローパスフィルタ64の遅延は、ローパスフィルタ64の再帰経路内の重み係数a(k)の値に依存している。これにより、このローパスフィルタ64は、その機能面において、PT1フィルタ、再帰型のローパスフィルタ及び典型的な指数平均化フィルタとは根本的に相違している。
ラムダ=1リップルを減じる電荷反転補償のための信号処理におけるローパスフィルタ64の効果及び機能は、応答時定数τ、又は、この特別なローパスフィルタ64の再帰経路内のパラメータa(k)に極めて強く依存している。フィルタパラメータa(k)は、
Figure 0006756929
により、ローパスフィルタ64の応答時間τ及びデジタル信号処理の走査インターバル時間Tに依存している。フィルタパラメータaは、前述のように、この特別なローパスフィルタ64の応答時間及び増幅率を定めている。
図5は、様々な測定信号推移を時間にわたってプロットしたものを示している。ここに示す時間の単位は、秒である。X軸には、時間を、Y軸には、測定信号の値をとり、測定信号の値は、ここに示す例においては、酸素含有量(パーセント)である。曲線78は、時定数をτ=0.25としたときの測定信号の推移を示している。曲線80は、時定数をτ=0.5としたときの測定信号の推移を示している。曲線82は、時定数をτ=0.75としたときの測定信号の推移を示している。曲線84は、時定数をτ=1.0としたときの測定信号の推移を示している。曲線86は、時定数をτ=1.25としたときの測定信号の推移を示している。曲線78,80,82,84,86からは、ローパスフィルタ64の時定数τの、一方では、ラムダ=1リップルの減少に関する効果と、他方では、リーンにおける起こり得る誤補正に関する効果とが良好に看取可能である。而して箇所88には、より大きな時定数τがラムダ=1リップルの減少を改善することが看取可能である。しかし、同時に、箇所90に看取可能であるように、より大きな時定数τは、リーンにおける誤補正を拡大してしまうことがある。この関係に基づいて本発明は、ラムダ=1点の付近においては、ローパスフィルタ64に対して、より大きな時定数τを有するパラメータをデータ入力することを提案する一方、通常の動作領域、特にリーンにおいては、可能な限り小さな時定数τが有利である。
特別なローパスフィルタ64の時定数及び増幅率の、動作点及び測定ガスの濃度に応じてそれぞれ異なる利点を利用することができるように、フィルタパラメータa(k)、即ち、再帰経路内の重み係数を、いつ、どのように変更するかを特定する基準が必要である。それゆえ本発明は、フィルタパラメータa(k)の制御を提案する。1つの可能な基準は、第1の電極16における電圧Uから導出し得る。
図6は、ポンプセルにおける電圧Uの推移と、測定抵抗52における電圧降下UIPの推移とを示している。X軸には、時間を、Y軸には、測定抵抗52における電圧降下UIP及びポンプセル36における電圧Uの値(mV)をとっている。例示的にのみ、NSC触媒の再生中の、測定抵抗52における電圧降下UIPの推移と、ポンプセル36における電圧Uの推移とを示している。図6に示す信号を例にとり、第1の電極16における電圧Uと、ポンプ電流Iに比例する測定抵抗52における電圧降下UIPとを観察すると、電圧Uは、測定ガスの濃度とともに連続的に変化し、ラムダ=1リップルにより乱されていないことを確認することができる。しかし、電圧Uは、測定ガスの濃度に比例しない。電圧信号Uからは、ローパスフィルタ64のより大きな時定数がラムダ=1リップルの補償のために必要とされるラムダ=1点付近の測定ガスの濃度を示す基準が導き出される。
電圧U(k)に応じたフィルタパラメータa(k)の制御は、フィルタパラメータa(k)に対する電圧信号U(k)のマッピング関数を用いて実現され得る。図4に示すブロック線図は、どのように電圧Uが、マッピング関数を用いて箇所66及び68において、時定数τ(k)、又は、ローパスフィルタ64の再帰経路内のパラメータa(k)にマッピングされ得るかを示している。
このようなマッピング関数は、例えば簡単に線形補間及び格納された特性マップにより実現可能である。このようなマッピング関数を用いて、時定数τ(k)は、U(k)の関数として制御可能である。これに加えてポンプ電流Iの特性線は、ポンプ電圧Uの関数として使用可能である。固定的な特性線I=f(U)の誤適合が、誤補正に至らしめかねないリーンにおけるUの領域においては、フィルタの時定数τが極めて小さい。これらの電圧時には、補償信号が発生されず、ひいては誤補正も起こり得ない。図4に示すように、ローパスフィルタ64の時定数τ(k)又はパラメータa(k)は、デジタル信号処理のクロックインターバルk毎に変更可能である。
前述のフィルタ構造に代えて、類似の伝達特性を有する他のローパスフィルタを使用してもよい。而して、例えばより高次のフィルタにより、その時定数又は帯域幅及び増幅率をフィルタパラメータの変更により制御し得るローパスフィルタが実現されてもよい。電圧Uの他に、他の信号を、ローパスフィルタの時定数を制御するために使用してもよい。例えば時定数の変更は、差信号DIO2によりトリガ可能である。
図7は、代替的な信号処理を伴うブロック線図を示している。その際、図3に示す実施の形態との相違点についてのみ説明し、同一の構成要素には、同一の符号を付した。ポンプセルにおける電圧Uの値に代えて、第1の電極16における電圧Uの値の時間的な変化も、ラムダ=1補償信号を発生させるために必要なローパスフィルタ64の時定数及び増幅率を制御する基準として使用可能である。図6に示すブロック線図は、ハイパスフィルタ92を用いて、第1の電極16における電圧Uの信号の、時間的に速く変化する成分がどのようにフィルタ処理されて取り出されるかを示している。第1の電極16における電圧Uのより高周波の成分の関数として、信号が形成され、この信号により、ローパスフィルタ64の時定数及び増幅率は、ラムダ=1リップルを補償すべく、制御され得る。U信号から一定成分及びゆっくりと変化する成分がフィルタ処理されて取り出される一方、時間的に変化する成分は、略不変にとどまる。
測定抵抗52における電圧降下UIPは、リーン及びリッチにおいて略線形に測定ガスの酸素含有量(又は所要酸素量)に依存している。このとき、リッチにおける所要酸素量への依存性は、リーンにおける酸素含有量への依存性とは他の係数により表すことができる。0% O、ポンプセル36における電圧U=0V及び測定抵抗52における電圧降下UIP=0Vを有するラムダ=1点を通過するリーン−リッチ−切り換わり時、UIP1信号がラムダリップルにより乱されない限り、酸素含有量に対するUIPの線形の依存性が観察される。ポンプセル36における電圧Uは、リーン(>1% O)及びリッチ(<約1% O)において略線形の特性を示す。これに対して、0% Oを有するラムダ=1点の付近においては、第1の電極16における電圧Uは、強い非線形の特性を酸素含有量の関数として有している。
第1の電極16における電圧Uが、ラムダ=1点の付近で極めて強く酸素含有量の関数として変化する一方、この変化は、ラムダ=1点の外においては、はるかに少ないというこの特性は、第1の電極16における電圧Uが、ラムダ=1点の通過時、極めて速くかつ極めて強く変化することに至らしめる。信号Uがハイパスフィルタ92を用いてフィルタ処理されると、時間的に速く変化する成分は、通過され得る一方、信号の一定成分は、フィルタ処理により取り出され得る。この信号は、ラムダ=1通過時、それぞれ1つの比較的高い値を有する一方、この信号は、ラムダ=1点の外においては、略0に等しい。第1の電極16における電圧Uの信号の、ハイパスフィルタ92を用いてフィルタ処理された成分は、ラムダ=1リップルの補償においてローパスフィルタ64の時定数及び増幅率を制御すべく、基準として使用され得る。図7に示すラムダ=1リップルの補償の信号処理のブロック線図においては、第1の電極16における電圧Uも、第1の電極16におけるUの、ハイパスフィルタ92を用いてフィルタ処理された成分も、ラムダ=1リップル補償においてローパスフィルタ64の時定数及び増幅率を制御すべく、使用される。

Claims (13)

  1. 測定ガス室内の測定ガスの少なくとも1つの特性を検出すセンサ(10)であって、前記測定ガスの前記特性を検出するセンサ素子(12)を備えるセンサ(10)を動作させる方法において、
    前記センサ素子(12)は、固体電解質(14)、第1の電極(16)、第2の電極(18)、第3の電極(20)及び第4の電極(22)を備え、前記第1の電極(16)及び前記第2の電極(18)は、前記第1の電極(16)、前記第2の電極(18)及び前記固体電解質(14)がポンプセル(36)を形成するように前記固体電解質(14)に接続されており、前記第3の電極(20)及び前記第4の電極(22)は、前記第3の電極(20)、前記第4の電極(22)及び前記固体電解質(14)がネルンストセル(40)を形成するように前記固体電解質(14)に接続されており、
    前記ネルンストセル(40)のネルンスト電圧(Uvs)を閉ループ制御し、
    前記センサ素子(12)の測定信号をポンプ電流(I)に基づいて特定し、
    さらに信号処理により補償量を特定し、
    前記測定信号及び前記補償量から、少なくとも1つの補正された測定信号を特定し、
    前記補正された測定信号から前記測定ガス室内の前記測定ガスの前記特性を特定し、
    ここで、前記補償量は、少なくとも部分的に、前記ポンプ電流(I)と、前記ポンプセル(36)に印加される電圧(U)とに依存しており、
    前記補償量を特定する前記信号処理は、前記ポンプ電流(I)と、前記ポンプセル(36)に印加される前記電圧(U)との、ローパスフィルタ(64)を用いたローパスフィルタ処理を含み、
    前記ローパスフィルタ(64)の時定数(τ)及び/又は増幅率(G)を、前記ポンプセル(36)に印加される前記電圧(U)、又は、前記ポンプセル(36)に印加される前記電圧(U)の、時間的に変化する成分(dU)に応じて制御する、
    センサ(10)を動作させる方法。
  2. 前記ポンプセル(36)に印加される前記電圧(U)、及び/又は、前記ポンプセル(36)に印加される前記電圧(U)の、時間的に変化する前記成分(dU)が、予め決定した値に達した場合、前記ローパスフィルタ(64)の前記時定数(τ)及び/又は前記増幅率(G)を増加させる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記予め決定した値は、前記測定ガスの予め決定した組成である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記時定数(τ)及び/又は前記増幅率(G)を、マッピング関数を用いて、前記ポンプセル(36)に印加される前記電圧(U)に応じて変化させる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記マッピング関数を、補間、特性マップとにより形成する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記補間は、線形補間である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ポンプセル(36)に印加される前記電圧(U)の、時間的に変化する前記成分(dU)を、ハイパスフィルタ(92)を用いて、前記ポンプセル(36)に印加される前記電圧(U)からフィルタ処理により取り出す、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記センサ(10)は、前記測定ガス中のガス成分の割合又は前記測定ガスの温度を検出するセンサ(10)である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 請求項乃至のいずれか一項に記載の方法の各ステップを実施するために構成されたコンピュータプログラム。
  10. 請求項に記載のコンピュータプログラムが記憶された電子記憶媒体。
  11. 請求項10に記載の電子記憶媒体を備える電子制御装置(48)。
  12. 測定ガス室内の測定ガスの少なくとも1つの特性を検出すセンサ(10)であって、前記測定ガスの前記特性を検出するセンサ素子(12)を備えるセンサ(10)において、
    前記センサ素子(12)は、固体電解質(14)、第1の電極(16)、第2の電極(18)、第3の電極(20)及び第4の電極(22)を備え、前記第1の電極(16)及び前記第2の電極(18)は、前記第1の電極(16)、前記第2の電極(18)及び前記固体電解質(14)がポンプセル(36)を形成するように前記固体電解質(14)に接続されており、前記第3の電極(20)及び前記第4の電極(22)は、前記第3の電極(20)、前記第4の電極(22)及び前記固体電解質(14)がネルンストセル(40)を形成するように前記固体電解質(14)に接続されており、
    前記センサ(10)は、さらに、請求項11に記載の電子制御装置(48)を備える、
    センサ(10)。
  13. 前記センサ(10)は、前記測定ガス中のガス成分の割合又は前記測定ガスの温度を検出するセンサ(10)である、請求項12に記載のセンサ(10)。
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