JP6754615B2 - インセンティブ計算システムおよびインセンティブ計算システムの制御方法 - Google Patents

インセンティブ計算システムおよびインセンティブ計算システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、インセンティブ計算システムおよびインセンティブ計算システムの制御方法に関する。
近年、需要家に設置される蓄電設備が増えている。蓄電設備の設置によって、電力のピークシフトが可能になるので、負荷平準化が促進され、電力の小売電気事業者や、送配電事業者、発電事業者の事業運営効率化に寄与する。一方で、蓄電設備を設置した需要家は、非常時、即ち商用電力の停電時にも電力供給が可能となり蓄電設備の恩恵を受ける。また、電力の小売電気事業者が設定する電気料金が安価な時間帯に、商用電力を購入して蓄電設備へ蓄電し、電気料金が高額な時間帯に蓄電した電力を使用し、経済的なメリットを得ることができる(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2014−30334号公報 特許第5576218号公報
しかしながら、発電事業者の電源構成の変化や、発電事業、送配電事業、小売電気事業への分割を背景に、現在の安価な夜間時間帯料金の設定がなくなることが考えられ、その場合、需要家の蓄電設備を設置するメリットが減少する。また、需要家に供給する電力の料金を安価に抑えるために、発電事業者、送配電事業者、小売電気事業者らが、需要家の蓄電設備を制御し、事業採算性を向上させる方法も検討されている。さらに、今後、蓄電池を、電気の需要家が自らの費用で設置するほか、発電事業者、送配電事業者、小売電気事業者、エネルギーリソースアグリゲータ、エネルギーマネジメント事業者等が費用を全部または一部負担し、電気の需要家敷地に設置するケースも考えられている。
これらの場合、蓄電設備を設置した蓄電設備の設置者が享受できるインセンティブを生み出す仕組みが必要となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、納得性の高い継続可能な、蓄電池を活用した電力需給の仕組みを実現することができるインセンティブ計算システムおよびインセンティブ計算システムの制御方法を提供することを目的とする。
本発明のインセンティブ計算システムの制御方法の一態様は、蓄電設備の設置者に対するインセンティブを計算するインセンティブ計算システムであって、前記設置者からの意向に応じて当該設置者の需要家施設の機器から非提供蓄電容量を含むデータを送信することで変更可能な非提供蓄電容量であり前記蓄電設備に確保する非提供蓄電容量と、前記非提供蓄電容量を含んだ蓄電容量とに基づいて、前記蓄電容量から前記非提供蓄電容量を減算することで、提供可能蓄電容量を算出し、当該提供可能蓄電容量に第1係数を乗じた上で第2係数を加えることでインセンティブを計算する演算部と、定められた期間毎に、前記設置者からの意向に応じて設定される非提供蓄電容量を受信する受信部と、を有し、前記演算部は、前記受信部が非提供蓄電容量を受信すると当該受信した非提供蓄電容量を前記蓄電容量から減算することで提供可能蓄電容量を算出し、当該提供可能蓄電容量に第1係数を乗じた上で第2係数を加える
本発明のインセンティブ計算システムの制御方法の一態様は、上述のインセンティブ計算システムにおいて、前記需要家施設における買電用電力計での計量値である第1計量値と、売電用電力計の計量値である第2計量値とに基づいて、予め決められた計算方法に従い、前記需要家施設の需要家が購入した電力の買電料金と、売電した売電料金とを算出する電気料金算出部と、前記電気料金算出部が算出した買電料金と売電料金と、前記演算部が計算したインセンティブとに基づいて、請求費用を算出する請求額算出部と、を有する。
本発明のインセンティブ計算システムの制御方法の一態様は、蓄電設備の設置者に対するインセンティブを計算する演算部と受信部とを有するインセンティブ計算システムの制御方法であって、前記演算部は、前記設置者からの意向に応じて当該設置者の需要家施設の機器から非提供蓄電容量を含むデータを送信することで変更可能な非提供蓄電容量であり前記蓄電設備に確保する非提供蓄電容量と、前記非提供蓄電容量を含んだ蓄電容量とに基づいて、前記蓄電容量から前記非提供蓄電容量を減算することで、提供可能蓄電容量を算出し、当該提供可能蓄電容量に第1係数を乗じた上で第2係数を加えることでインセンティブを計算し、前記受信部は、定められた期間毎に、前記設置者からの意向に応じて設定される非提供蓄電容量を受信し、前記演算部は、前記受信部が非提供蓄電容量を受信すると当該受信した非提供蓄電容量を前記蓄電容量から減算することで提供可能蓄電容量を算出し、当該提供可能蓄電容量に第1係数を乗じた上で第2係数を加える
また、本発明のインセンティブ計算システムの制御方法の一態様は、上述のインセンティブ計算システムの制御方法において、前記インセンティブ計算システムは、電気料金算出部と、請求額算出部と、をさらに有し、前記電気料金算出部は、前記需要家施設における買電用電力計での計量値である第1計量値と、売電用電力計の計量値である第2計量値とに基づいて、予め決められた計算方法に従い、前記需要家施設の需要家が購入した電力の買電料金と、売電した売電料金とを算出し、前記請求額算出部は、前記電気料金算出部が算出した買電料金と売電料金と、前記演算部が計算したインセンティブとに基づいて、請求費用を算出する。
本発明は、蓄電設備を設置した需要家、発電事業者、送配電事業者、小売電気事業者、エネルギーリソースアグリゲータ、エネルギーマネジメント事業者等に対し、蓄電設備の設置による発電事業者、送配電事業者、小売電気事業者らの恩恵を還元する対価として、蓄電池の容量[kWh]に応じて、インセンティブを算定するインセンティブ計算システムに関するものであり、これによれば、需要家等はインセンティブ(経済的メリット)を享受することができる。例えば、発電事業者、送配電事業者、小売電気事業者らが、自らの事業運営のために需要家の蓄電設備を制御する場合には、需要家に対し、蓄電設備使用の対価の意を含むことができる。蓄電設備の容量が大きい方が、負荷平準化効果や、蓄電設備を制御することで得られる需給調整効果が大きいことから、蓄電池の容量に応じて、割引額が算出されることは理にかなっている。
更に、本発明により、需要家、事業者双方のメリットが生み出されるので、納得性の高い継続可能な、蓄電池を活用した電力需給の仕組みを実現することができる。
これにより、本発明によれば、納得性の高い継続可能な、蓄電池を活用した電力需給の仕組みを実現することができるインセンティブ計算システムおよびインセンティブ計算システムの制御方法を提供することができる。
第1の実施形態における需要家施設10の構成例を示す図である。 第1の実施形態におけるインセンティブ計算システム20の構成例を示す図である。 割引額テーブルの一例を示す図である。 第2の実施形態における需要家施設10の構成例を示す図である。 第2の実施形態におけるインセンティブ計算システム20aの構成例を示す図である。 第1の実施形態におけるインセンティブ計算システム20の構成例を示す図である。 図6に示すインセンティブ計算システム20の動作例を示すフローチャートである。 第1の実施形態におけるインセンティブ計算システム20の他の構成例を示す図である。 図8に示すインセンティブ計算システム20の動作例を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるインセンティブ計算システム20aおよび蓄電設備11aの構成例を示す図である。 図10に示すインセンティブ計算システム20aおよび蓄電設備11aの動作例を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるインセンティブ計算システム20aおよび蓄電設備11aの他の構成例を示す図である。 図12に示すインセンティブ計算システム20aおよび蓄電設備11aの動作例を示すフローチャートである。 第3の実施形態におけるインセンティブ計算システム20bおよび蓄電設備11bの構成例を示す図である。
<第1の実施形態>
小売電気事業者は、発電事業者から電力を調達し、複数の需要家に販売する。複数の需要家全体の電力消費は日中に多く、夜間に少ないため、所定時間単位、例えば30分間単位の時間帯別にその電力消費に相当する量の電力を発電事業者から調達する。しかし、小売電気事業者は一日を通して一定の発電量で発電機を運転する方が設備効率は良いため、小売電気事業者は昼夜の電力調達量に差が少ない場合に、安価な値で電力を調達することができる。そこで小売電気事業者は、需要家のうち、蓄電設備を設置している需要家に夜間に商用電力を蓄電してもらい、日中に蓄電した電力を使用してもらうことで負荷平準化を果たしたいというニーズがある。蓄電設備の容量が大きい方が負荷平準化に貢献できることになるので、小売電気事業者は蓄電設備の容量に応じた対価を、電気料金から割引く。
なお、第1の実施形態においては、小売電気事業者が蓄電設備を設置している需要家に対して蓄電設備の容量に応じた対価を、電気料金から割引く経済的メリット(インセンティブ)について説明する。しかしながら、インセンティブとしては、電気料金の割引の他、翌月以降の使用電気量のサービス、蓄電池が劣化した際の交換、ポイント付与、その他サービスへの還元等も考えられる。また、今後、蓄電設備を、電気の需要家が自らの費用で設置する他、発電事業者、送配電事業者、小売電気事業者、エネルギーリソースアグリゲータ、エネルギーマネジメント事業者等が費用を全部または一部負担し、電気の需要家敷地に設置するケースも考えられる。そこで、第1、第2の実施形態では、小売電気事業者が蓄電設備を設置している需要家に対して蓄電設備の容量に応じた対価を、電気料金から割引くインセンティブについて説明するが、第3、第4の実施形態では、蓄電設備の設置者に対する電気料金の割引以外のインセンティブについて説明する。
第1の実施形態を説明するための需要家として、一般住宅の需要家施設を想定する。図1は、第1の実施形態における需要家施設10の構成例を示す図である。
需要家施設10は、蓄電設備11、太陽光発電設備12、分電盤13、負荷14、買電用電力計Mp、売電用電力計Mqを含んで構成される。
蓄電設備11は、充電のために入力される電力を蓄積し、また、蓄積した電力を放電して出力する。蓄電設備11の構成に限定はなく、蓄電池であったり、リチウムイオンキャパシタであったり、フライホイールなどであっても良い。
太陽光発電設備12は、再生可能エネルギーである太陽光を利用する発電装置の1つであり、光起電力効果により光エネルギーを電力に変換することにより発電を行う。太陽光発電設備12は、例えば需要家施設10の屋根などのように、太陽光が他の建物に遮蔽されにくい場所に設置されている。これにより、太陽光発電設備12は、発電素子が配置されている面に対し、太陽光が遮蔽されずに照射され、この照射された太陽光を効率的に電力に変換する。
分電盤13は、電力経路を分岐し、蓄電設備、商用系統、太陽光発電設備、宅内負荷等を電気的に接続する。
分電盤13は、需要家施設10において、電力経路を分岐し、外部から供給される商用電力を負荷14に供給するように、商用系統と負荷14とを電気的に接続する。
また、分電盤13は、需要家施設10において、電力経路を分岐し、太陽光発電設備12により発生された電力を負荷14に供給するように、太陽光発電設備12と負荷14とを電気的に接続する。
また、分電盤13は、需要家施設10において、電力経路を分岐し、商用電力と太陽光発電設備12の一方または両方から供給される電力を蓄電設備11に充電するように、商用系統と太陽光発電設備12との一方または両方と蓄電設備11とを電気的に接続する。
また、分電盤13は、需要家施設10において、電力経路を分岐し、蓄電設備11から放電により出力させた電力を、負荷14に供給するように、蓄電設備11と負荷14とを電気的に接続する。
さらに、分電盤13は、需要家施設10において、電力経路を分岐し、太陽光発電設備12により発生された電力を、例えば商用電力の電力系統を経由して、他の需要家施設10における蓄電設備11に対して供給するように、太陽光発電設備12と他の需要家施設10における蓄電設備11とを電気的に接続する。
また、分電盤13は、需要家施設10において、電力経路を分岐し、蓄電設備11の放電により出力される電力を、他の需要家施設10における負荷14に供給するように、蓄電設備11と他の需要家施設10における負荷14とを電気的に接続する。
負荷14は、需要家施設10において自己が動作するために電力を消費する機器や設備などが一つ以上含まれて構成されている。
買電用電力計Mpは、購入した商用電力の量を計量する。
売電用電力計Mqは、太陽光発電設備12により発生された電力(太陽光発電電力)のうち、宅内の負荷14の電力消費を補った上で余剰分として発生する余剰電力の量を計量する。
次に、本実施形態におけるインセンティブ計算システムであるインセンティブ計算システム20について図面を参照して説明する。なお、第1、第2の実施形態の説明では、小売電気事業者が蓄電設備を設置している需要家に対して蓄電設備の容量に応じた対価を、電気料金から割引くインセンティブについて説明する。
図2は、第1の実施形態におけるインセンティブ計算システム20の構成例を示す図である。
インセンティブ計算システム20は、演算部21、検針値受信部22、メモリ23を含んで構成される。
また、演算部21は、電気料金算出部211、割引額算出部212、請求額算出部213を含んで構成される。
需要家施設10における買電用電力計Mpでの計量値(検針値P)と、売電用電力計Mqでの計量値(検針値Q)とは、送配電事業者により検針され、その確定値が月ごとにインターネット回線を介して小売電気事業者のインセンティブ計算システム20にデータ送信される。検針値受信部22は、検針値Pと、検針値Qとを受信し、電気料金算出部211に出力する。
小売電気事業者は自らが電気を供給する複数の需要家の検針データを受信し、インセンティブ計算システム20の電気料金算出部211において、予め決められた計算方法に従い電気料金を算出する。電気料金算出部211が算出する電気料金は、需要家が購入した電力の買電料金と、売電した売電料金に大別される。
また、インセンティブ計算システム20には、予め需要家ごとにその需要家に設置されている蓄電設備11の「非提供蓄電容量」と「蓄電容量」とが登録されサーバーのメモリ23に記憶されている。ここでは、オペレータがインセンティブ計算システム20に手入力することを想定している。オペレータは、需要家との契約時に、契約者氏名、連絡先、非提供蓄電容量、蓄電容量等の契約情報をメモリ23に入力する。メモリ23は、非提供蓄電容量が登録される第1の記憶部231と、蓄電容量が登録される第2の記憶部232と、から構成される。
ここで、「非提供蓄電容量」とは、停電等非常時や、電気の需要家などの蓄電池設置者が利用するために確保する電力量である。
家庭用の蓄電設備11には、非常時即ち停電時に備え、確保しておく電力量を設定できるものがある。常時は設定された電力量を残して放電され蓄電した電力が使われる。非常時には設定された電力量も使われる。これにより、需要家は、いざ停電した際、最低でも設定しておいた「非提供蓄電容量」を使用することができる。
なお、需要家による設定値変更の際には、小売電気事業者に連絡をするか、或いは小売電気事業者によるパスワード入力など立会いの下でしか、「非提供蓄電容量」を変更できない仕組みが蓄電設備11に備わっていることが望ましい。
また、「蓄電容量」とは、蓄電設備11に蓄えておける電力で、「非提供蓄電容量」を含む。
「蓄電容量」をメモリ23へ記憶させるに当たり、オペレータが手入力でインセンティブ計算システム20を入力することが上述のように考えられるが、この手法には限定されない。
なぜなら、「蓄電容量」は、蓄電設備11の型式によるメーカーの定格値(カタログ値)でも良いし、充放電効率を勘案し差し引いて設定しても良い。また、将来、経年劣化によって容量が減ってきた場合を勘案し、ある一定期間、例えば10年間に劣化すると考えられる容量の平均をとって「蓄電容量」とすることなどが考えられる。
このように、「蓄電容量」は製品の型式で決まるため、インセンティブ計算システム20内に、製品の型式と「蓄電容量」とを紐付けるテーブルを設け、型式番号を入力することで型式番号を「蓄電容量」に置き換えて割引額を算出することが考えられる。
また、「提供可能蓄電容量」とは、発電事業者、送配電事業者、小売電気事業者、エネルギーマネジメント事業者、エネルギーリソースアグリゲータらが、電気の需要地に設置された蓄電設備を制御することにより利用できる蓄電量である。
ここで、「提供可能蓄電容量」とは、「蓄電容量」から「非提供蓄電容量」を減算した電力量であり、実際に負荷平準化に寄与する蓄電設備の電力量である。なお、「非提供蓄電容量」が0の場合、「蓄電容量」は「提供可能蓄電容量」と同一となる。
また、「提供可能蓄電容量」、「非提供蓄電容量」は、日毎、月毎、季節毎、平日/休日、時間帯別等に変更或いは設定することもできる。また、「蓄電設備から提供可能な提供可能蓄電容量」の提供先は、当該蓄電設備を制御する発電事業者、送配電事業者、小売電気事業者、エネルギーマネジメント事業者、エネルギーリソースアグリゲータらを通して、電力を提供する先のことを指し、例えば、他の需要家、発電事業者、送配電事業者、小売電気事業者、エネルギーマネジメント事業者らが考えられる。
割引額算出部212は、予め設定した割引額テーブルを参照し、「提供可能蓄電容量」に対応する割引額を算出する。図3は、割引額テーブルの一例を示す図である。
請求額算出部213は、電気料金算出部211が算出した買電料金、売電料金と、割引額算出部212が算出した割引額と、に基づく請求費用を算出する。
本実施形態では、蓄電容量を10kWhとし、非提供蓄電容量を4kWhとする。非提供蓄電容量を4kWhとすると、蓄電設備11は、常に4kWhを蓄電しておき、放電する際も4kWhを残して放電を停止する。すると、実際に負荷平準化に寄与する提供可能蓄電容量は、蓄電容量10kWhから非提供蓄電容量4kWhを減算した6kWhとなる。
インセンティブ計算システム20の演算部21では、前述の買電料金や売電料金を電気料金算出部211が計算するほか、需要家の蓄電設備11の設置の対価としての割引額を割引額算出部212が計算する。
割引額算出部212が実行する計算過程として、まず、蓄電容量10kWhから非提供蓄電容量4kWhを減算し、提供可能蓄電容量6kWhを算出する。次に、割引額算出部212は、予め設定した割引額テーブル(図3)に従って、割引額を計算する。図3に示す割引額テーブルによれば、提供可能蓄電容量6kWhの場合、割引額は1,000[円/月]と算定される。
請求額算出部213は、前述の買電料金からこの割引額を差引き、燃料調整費等の全需要家に負担の義務がある費用を加算して、需要家に請求する。請求書には蓄電設備11の設置による割引額が分かるよう明示するのが望ましい。
<第2の実施形態>
小売電気事業者は、発電事業者から電力を調達し、複数の需要家に販売する。この調達電力量を減らすことができれば、調達額を減らし、それにより需要家から徴収する電気代を安価に設定することが可能となる。調達電力量を削減する手法として、例えば特開2014−30334に示されたような蓄電設備内部のインバータロスを低減させる技術があり、また、特許第5576218号に示された、地域内需要家群の自然エネルギーによる電力自給率を高める技術などの応用が考えられる。これらはいずれも需要家施設に設置された蓄電設備を外部から制御することで、蓄電設備の損失低減、電力自給率の向上を実現するものである。小売電気事業者が調達電力量を抑えるために、需要家が設置した蓄電設備を外部から制御するニーズはここにある。
この他にも、小売電気事業者や発電事業者によるインバランス調整、送配電事業者による送配電網の負担軽減を目的とした需要家の蓄電設備の活用なども考えられる。
このように、小売電気事業者等が需要家の蓄電池を自らの目的のために制御する場合、需要家への対価の支払いが望まれる。蓄電設備の容量が大きい方が小売電気事業者等の目的に貢献できる割合が大きいので、小売電気事業者は蓄電設備の容量に応じた対価を、電気料金から割引く形で支払う。
実施例説明のための需要家として、太陽光発電設備、蓄電設備付きの一般住宅を想定する。需要家の蓄電設備には、非提供蓄電容量を任意に設定できる機能が備えられていて、需要家が設定することができる。また、蓄電設備の経時劣化で蓄電容量が変化するため、定期的に蓄電容量を推定する機能が備えられている。現在実用化されている推定方法では、蓄電設備に蓄電された電力を一旦全て放電し、満充電状態になるまで充電して、その時に充電できた電力量から蓄電容量を推定するものがある。
蓄電容量は、厳密には経年劣化により減少する。蓄電設備のメーカー補償は、例えば、「10年後に蓄電容量50%以上維持」である。蓄電設備をエネルギーマネジメントに使用する場合、どのくらいの容量が使えるかが、蓄電設備の制御計画を立てる上で重要な情報となる。リアルタイムに蓄電池の状態を把握し、現在時点の蓄電池容量を推定する機能の研究・開発がなされており、このような技術を取り込むことで、蓄電容量を随時更新することができる。蓄電池容量を推定方法で実用化されている方法は、年に一度のメンテナンス運転で、蓄電設備の蓄電電力を全て放電させ、満充電になるまで充電し、その充電電力をもとに推定するものである。
蓄電設備には、需要家が設定した非提供蓄電容量と、推定された蓄電容量(蓄電可能推定量)を、メモリに記憶する記憶部が設けられている。また、メモリに記憶された非提供蓄電容量と蓄電容量を外部へ送信する送信部を有する。
図4は、第2の実施形態における需要家施設10の構成例を示す図である。
需要家施設10は、蓄電設備11a、太陽光発電設備12、分電盤13、負荷14、買電用電力計Mp、売電用電力計Mq、HEMS(Home Energy Management System)15、モデム16を含んで構成される。
HEMS15は、蓄電設備11aのコントローラー機能と、小売電気事業者が保有する外部の電力管理システム30との連携機能を有している。
蓄電設備11aとHEMS15間の通信手段は、例えばMAC層・物理層をIEEE802.11b/g/n、IEEE802.15.4などで行い、通信プロトコルにはECHONET Liteなどが考えられる。蓄電設備11aとHEMS15間の通信により、蓄電設備11aからHEMS15に非提供蓄電容量と蓄電容量のデータが送信され、また、HEMS15から蓄電設備11aに蓄電設備11aへの制御指令が送信される。制御指令は、予め取り決められた蓄電設備11aの動作モード、例えば、「定電力充電」、「定電力放電」、「負荷追従放電」、「待機」などが挙げられ、いずれかの制御指令を受信した蓄電設備11aは、取り決められた所定の動作を行う。
モデム16は、公衆インターネット回線を介して、蓄電設備11aと電力管理システム30との間の通信を行うための送受信部である。
なお、蓄電設備11aは、非提供蓄電容量を保存する第1の記憶部101、蓄電容量(または蓄電可能推定量)を保存する第2の記憶部102、或いは蓄電容量から非提供蓄電容量を減算した提供可能蓄電容量を保存する記憶部100(いずれの記憶部も図4においては不図示である)を有している。
図5は、第2の実施形態におけるインセンティブ計算システム20aの構成例を示す図である。
インセンティブ計算システム20aは、演算部21、検針値受信部22、受信部24を含んで構成される。
メモリ23を含まず、受信部24を含む点が、第1の実施形態におけるインセンティブ計算システム20との相違点である。すなわち、図5は、インセンティブ計算システム20にオペレータが入力するのではなく、蓄電設備11aに提供可能蓄電容量等の情報が記憶されていて、通信により自動でインセンティブ計算システム20aに情報が電力管理システム30を介して送られる形態について示している。
また、演算部21は、インセンティブ計算システム20と同様に、電気料金算出部211、割引額算出部212、請求額算出部213を含んで構成される。
電力管理システム30は、情報収集部31、蓄電池制御決定部32、送受信部33、送信部34を含んで構成される。
需要家施設10におけるHEMS15と電力管理システム30との間の通信は、モデム16および公衆インターネット回線を介して行われる。HEMS15からユーザーID、蓄電設備11aの非提供蓄電容量と蓄電容量とを含むデータが送信され、電力管理システム30における送受信部33がこれを受信する。
電力管理システム30では、複数の需要家のHEMS15から送受信部33により受信したデータを情報収集部31が演算し、複数の需要家が保有する各々の蓄電設備11aの動作を蓄電池制御決定部32が決定し、制御指令として送受信部33がHEMS15に送信する。また、電力管理システム30は、インセンティブ計算システム20aに非提供蓄電容量と蓄電容量のデータを送信部34が送信し、インセンティブ計算システム20aの受信部24がこれを受信する。
つまり、インセンティブ計算システム20aは、蓄電設備11aから、HEMS15、電力管理システム30を介し、間接的に非提供蓄電容量と蓄電容量のデータを受信することとなる。なお、インセンティブ計算システム20aが、電力管理システム30を介さないで、蓄電設備11aから、HEMS15、モデム16、インターネット回線を介して、直接的に非提供蓄電容量と蓄電容量のデータを受信部24により受信することも可能である。
第1の実施形態と同様、インセンティブ計算システム20aは、送配電事業者から受信した検針値P、Qをもとに電気料金を電気料金算出部211において算出し、また、非提供蓄電容量と蓄電容量から割引額を割引額算出部212において算出する。
割引額は、例えば下記式(1)で算出される。
D=85.5×R+800…(1)
ここで、Dは割引額[円]を表す。
また、Rは、割引額算出部212が、提供可能蓄電容量[kWh]=蓄電容量−非提供蓄電容量の式に基づいて算出する。ただし、Rが、2.5kWh未満の場合はD=0円とする。また、Dの上限値は、1,600円とする。また、Dの算出値は、小数点以下を切り捨てて算出される。
例えば、蓄電容量が6.08kWhで非提供蓄電容量が3.5kWhであった場合、式(1)によれば、割引額Dは1,020円となる。非提供蓄電容量は、需要家が任意の時点で任意の設定が可能なことから、毎日一度データ取得し、日割り計算にて割引額を算出することも考えられる。
続いて、上記に説明した第1の実施形態および第2の実施形態におけるインセンティブ計算システムの動作例について説明する。
図6は、第1の実施形態におけるインセンティブ計算システム20の構成例を示す図である。また、図7は、図6に示すインセンティブ計算システム20の動作例を示すフローチャートである。
インセンティブ計算システム20は、演算部21、メモリ23(第1の記憶部231と第2の記憶部232)を含んで構成される。
オペレータは、ユーザーの契約情報のうち、蓄電容量をインセンティブ計算システム20へ入力する(ステップST1)。
第2の記憶部232は、入力された蓄電容量を保存する(ステップST2)。
オペレータは、ユーザーの契約情報のうち、非提供蓄電容量をインセンティブ計算システム20へ入力する(ステップST3)。
第1の記憶部231は、入力された非提供蓄電容量を保存する(ステップST4)。
演算部21は、蓄電容量に従って割引額を演算する(ステップST5)。
演算部21における割引額算出部212は、蓄電容量から非提供蓄電容量を減算し、提供可能蓄電容量を算出する。
演算部21は、割引額を算出する(ステップST6)。
演算部21における割引額算出部212は、予め設定した割引額テーブルを参照し、提供可能蓄電容量に対応する割引額を算出する。
図8は、第1の実施形態におけるインセンティブ計算システム20の他の構成例を示す図である。また、図9は、図8に示すインセンティブ計算システム20の動作例を示すフローチャートである。
インセンティブ計算システム20は、演算部21、メモリ23を含んで構成される。
上記図6と相違する点は、メモリ23には、ユーザーの契約情報のうち、非提供蓄電容量がユーザーにより入力される点である。上述したように、蓄電容量は、製品の型式で決まるため、インセンティブ計算システム20は、製品の型式と蓄電容量とを紐付けるテーブルを有している。インセンティブ計算システム20は、型式番号をテーブルへ入力することで蓄電容量を入手し、割引額を算出する。なお、型式番号は、例えば、ユーザーの契約情報の中に含まれ、予めインセンティブ計算システム20に入力されておく構成とすればよい。これにより、型式番号をテーブルへ入力することで、型式番号を「蓄電容量」に置き換えることができる。
オペレータは、ユーザーの契約情報のうち、非提供蓄電容量をインセンティブ計算システム20へ入力する(ステップST11)。
メモリ23は、入力された非提供蓄電容量を保存する(ステップST12)。
演算部21は、蓄電容量に従って割引額を演算する(ステップST13)。
演算部21における割引額算出部212は、蓄電容量から非提供蓄電容量を減算し、提供可能蓄電容量を算出する。
演算部21は、割引額を算出する(ステップST14)。
演算部21における割引額算出部212は、予め設定した割引額テーブルを参照し、提供可能蓄電容量に対応する割引額を算出する。
図10は、第2の実施形態におけるインセンティブ計算システム20aおよび蓄電設備11aの構成例を示す図である。また、図11は、図10に示すインセンティブ計算システム20aおよび蓄電設備11aの動作例を示すフローチャートである。
蓄電設備11aは、非提供蓄電容量を保存する第1の記憶部101、蓄電容量を保存する第2の記憶部102、送信部160(モデム16およびHEMS15)を含んで構成される。
インセンティブ計算システム20aは、演算部21、受信部24を含んで構成される。
本構成は、インセンティブ計算システム20aが、電力管理システム30を介さないで、蓄電設備11aから、HEMS15、モデム16、インターネット回線を介して、直接的に非提供蓄電容量と蓄電容量のデータを受信部24により受信する構成である。もちろん、インセンティブ計算システム20aが、インセンティブ計算システム20aと蓄電設備11aとの間の電力管理システム30を介して、間接的に非提供蓄電容量と蓄電容量のデータを受信部24により受信する構成であってもよい。
蓄電設備11aにおいて、第2の記憶部102は、蓄電容量を保存する(ステップST21)。
蓄電設備11aにおいて、第1の記憶部101は、非提供蓄電容量を保存する(ステップST22)。
蓄電設備11aにおいて、送信部160は、蓄電容量と非提供蓄電容量とを、インセンティブ計算システム20aに対して送信する(ステップST23)。
インセンティブ計算システム20aにおいて、受信部24は、蓄電容量と非提供蓄電容量とを、蓄電設備11aから受信する(ステップST24)。
インセンティブ計算システム20aにおいて、演算部21は、蓄電容量と非提供蓄電容量とに従って割引額を演算する(ステップST25)。
演算部21における割引額算出部212は、蓄電容量から非提供蓄電容量を減算し、提供可能蓄電容量を算出する。
インセンティブ計算システム20aにおいて、演算部21は、割引額を算出する(ステップST26)。
演算部21における割引額算出部212は、式(1)に基づいて割引額を算出する。
なお、蓄電容量は蓄電設備11aの第2の記憶部102に記憶されるとなっているが、蓄電容量は蓄電設備11aの型式で決まるため、予めインセンティブ計算システム20aに入力しておき、蓄電設備11aとの通信では、非提供蓄電容量のみを受信すればよい、というケースも考えられる。
図12は、第2の実施形態におけるインセンティブ計算システム20aおよび蓄電設備11aの他の構成例を示す図である。また、図13は、図12に示すインセンティブ計算システム20aおよび蓄電設備11aの動作例を示すフローチャートである。
蓄電設備11aは、蓄電容量から非提供蓄電容量を減算した提供可能蓄電容量を保存する記憶部100、送信部160(モデム16およびHEMS15)を含んで構成される。
インセンティブ計算システム20aは、演算部21、受信部24を含んで構成される。
本構成は、インセンティブ計算システム20aが、蓄電設備11aから、直接的または間接的に提供可能蓄電容量のデータを受信部24により受信する構成である。
蓄電設備11aにおいて、第2の記憶部は、出願時において記憶済の蓄電容量を保存する(ステップST31)。
蓄電設備11aにおいて、第1の記憶部は、需要家設定により記憶済の非提供蓄電容量を保存する(ステップST32)。
蓄電設備11aにおいて、HEMS15は、蓄電容量から非提供蓄電容量を減算し、提供可能蓄電容量を算出する(ステップST33)。
蓄電設備11aにおいて、記憶部100は、提供可能蓄電容量を保存する(ステップST34)。
蓄電設備11aにおいて、送信部160は、提供可能蓄電容量を、インセンティブ計算システム20aに対して送信する(ステップST35)。
インセンティブ計算システム20aにおいて、受信部24は、提供可能蓄電容量を、蓄電設備11aから受信する(ステップST36)。
インセンティブ計算システム20aにおいて、演算部21は、提供可能蓄電容量に従って割引額を演算する(ステップST37)。
インセンティブ計算システム20aにおいて、演算部21は、割引額を算出する(ステップST38)。
演算部21における割引額算出部212は、式(1)に基づいて割引額を算出する。
<第3の実施形態>
第3の実施形態では、インセンティブの例として、翌月の電気使用量から、予め定めた計算式による分だけサービスするというインセンティブについて説明する。
図14は、第3の実施形態におけるインセンティブ計算システム20bおよび蓄電設備11bの構成例を示す図である。
図14に示すように、蓄電設備11bは太陽光発電付きの戸建住宅(需要家施設10)に設置される。ここで、蓄電設備11bの費用負担者、所有権者は、その住宅に住む住人と電気の需給契約を結んだ小売電気事業者である。すなわち、当該小売電気事業者は複数の住宅に、自らの費用で蓄電設備11bを設置する。住人からは蓄電池使用料を定期的に徴収する。蓄電設備リースの形態をとっても良い。また、蓄電設備11bを制御するのは、エネルギーリソースアグリゲータである。
また、蓄電設備11bが設置された需要家施設10には、HEMS15bが設置され、HEMS15bのメモリ(記憶部100b)に、設置された蓄電設備11bの蓄電容量と、住人が任意に設定した非提供蓄電容量が記憶されている。
HEMS15bは、インターネットを介してHEMS15bの情報を管理する管理サーバー30bに電力情報などを送信する。管理サーバー30bでは、HEMS15bからの電力情報を逐次蓄積し、過去の毎日の電気の使用量や、太陽光発電量、蓄電池の充放電量、蓄電残量などの時間別データを需要家施設10の住人に提供する。住人は、インターネットを介してパソコンやスマートフォンなどでこれを確認することができる。また、管理サーバー30bは、電力情報や蓄電容量、非提供蓄電容量を蓄電設備11bに予め付与された設備IDとともに、エネルギーリソースアグリゲータの保有する制御サーバー40に送信する。
制御サーバー40は、管理サーバー30bに蓄電設備11bの制御情報を送信する。制御情報は、例えば、(対象蓄電設備ID、運転モード、電力)として、(12345、放電、3kW)、(23456、放電、2kW)、(34567、待機、0kW)のように、複数の蓄電設備11bの制御情報が送信される。
これを受けた管理サーバー30bは、各蓄電設備11bが設置されている需要家施設10のHEMS15bに対象となる制御情報を送信する。HEMS15bは、この制御情報を受け、蓄電設備11bの蓄電池を制御サーバー40からの指示通りに制御する。
エネルギーリソースアグリゲータは、小売電気事業者から、蓄電設備11bを設置した住宅(需要家施設10)の需要量の増加または減少の要請を、その大きさ[kW]とともに受ける。或いは、発電量の増加または減少の要請を同様に受ける。
エネルギーリソースアグリゲータは、その要請に基づき制御可能な範囲で蓄電設備11bを制御し、充電もしくは放電によってこの要請に応える。
小売電気事業者は、その業務である需給管理において、所定時間単位、例えば30分間単位で事前に提出した需給計画通りに運用する責務があり、実績値が計画値を逸脱した分(インバランス)に応じて、送配電事業者に支払う料金(インバランス料金)が発生するが、このようにエネルギーリソースアグリゲータが需要地である需要家施設10に設置された蓄電設備11bを制御することによって、インバランス料金を低減させることができる。
小売電気事業者は、インセンティブ計算システム20bを保有し、制御サーバー40から、蓄電容量、非提供蓄電容量を、蓄電設備11bに予め付与された設備IDとともに受信部24bにより取得する。インセンティブ計算システム20bの演算部21bは、提供可能蓄電容量=蓄電容量−非提供蓄電容量の式によって、提供可能蓄電容量を算出する。インセンティブ計算システム20bにより算出された提供可能蓄電容量に応じて、小売電気事業者は、翌月の電気使用量から、予め定めた計算式による分だけサービスするというインセンティブを与える。
例えば、これが、予め、インセンティブ量[kWh]=提供可能蓄電容量×10 と取り決めていた場合、提供可能蓄電容量=蓄電容量10kWh−非提供蓄電容量4kWh=6kWhとすると、翌月の電気使用量から6[kWh]×10=60[kWh]をサービスしてインセンティブとする。
尚、本実施の形態において、蓄電設備11bの所有者を小売電気事業者としたが、これがエネルギーリソースアグリゲータの場合や住人の場合も考えられ、そのいずれの場合であっても本発明の範囲とする。
<第4の実施形態>
第4の実施形態では、第2の実施形態において、インセンティブを電気料金の割引ではなく、蓄電池が劣化した際の交換費用として付与する場合について説明する。
実施例説明のための需要家として、太陽光発電設備、蓄電設備11a付きの一般住宅を想定する。需要家の蓄電設備11aには、非提供蓄電容量を任意に設定できる機能が備えられていて、需要家が設定することができる。また、蓄電設備11aの経時劣化で蓄電容量が変化するため、定期的に蓄電容量を推定する蓄電可能推定量推定部が備えられている。
蓄電池システム(蓄電設備11a)の構成は、複数の蓄電池モジュール、パワーコンディショナー、蓄電池の状態監視及び制御を行なうバッテリーマネジメントユニット、ケースからなる。蓄電池モジュールは、更に複数の蓄電池セルより構成される。
ある蓄電設備11aにおいて、30Ahの容量を持つリチウムイオン電池のセルが、電気的に8個直列に接続され1モジュールを形成し、更に7モジュールが電気的に直列接続された場合、合計56個のセルが使われた6kWhの蓄電池システムとなる。
蓄電設備11aを15年間使用した時点で、経年劣化により蓄電池システムの容量が3kWhとなったため、蓄電池セルの交換を実施する。この15年間の推定された蓄電容量(現在時点における蓄電容量を推定する機能により蓄電可能推定量推定部が推定した蓄電可能推定量)と、設定された非提供蓄電容量との履歴から求めた提供可能蓄電容量の平均値を算出し、予め決めた式によって交換する蓄電池セルのサービス個数を計算する。これらの計算はインセンティブ計算システム20aで演算される。
例えば、インセンティブ計算システム20aは、次式により蓄電池セルのサービス個数を演算する。
サービスするセル数[個]=提供可能蓄電容量の平均値[kWh]×蓄電池の使用日数×乗率[個/kWh]
ここで、演算結果の端数の切捨てを行う。また、乗率は、セルの仕入れコストなどによって異なる。また、蓄電池の使用日数は、蓄電電力の提供を開始した日からセルの交換日の前日までとする。
計算の一例として、提供可能蓄電容量の平均値を4.2[kWh]、蓄電設備使用日数を5405日、乗率を0.00036とした場合、上式よりサービスするセル個数は8個となる。
上述したように、本発明のインセンティブ計算システム20(インセンティブ計算システム)は、蓄電設備11の設置者に対するインセンティブを計算するインセンティブ計算システムであって、前記蓄電設備11に確保する非提供蓄電容量と、前記非提供蓄電容量を含んだ蓄電容量とに応じてインセンティブを計算する演算部21を有する。
また、本発明のインセンティブ計算システム20(インセンティブ計算システム)は、蓄電設備11の設置者に対するインセンティブを計算するインセンティブ計算システムであって、前記蓄電設備11から提供可能な提供可能蓄電容量に応じてインセンティブを計算する演算部21を有する。
また、本発明のインセンティブ計算システム20a,20b(インセンティブ計算システム)は、非提供蓄電容量と、前記非提供蓄電容量を含んだ蓄電容量を外部へ送信する送信部(送信部160、HEMS15b)が設けられ、前記送信部が送信した前記非提供蓄電容量と前記蓄電容量を直接的又は間接的に受信する受信部(受信部24、24b)と、前記受信部で受信した前記非提供蓄電容量と前記蓄電容量に応じてインセンティブを計算する演算部(演算部21、21b)と、を有する。
また、本発明のインセンティブ計算システム20a,20b(インセンティブ計算システム)は、提供可能蓄電容量を外部へ送信する送信部(送信部160、HEMS15b)が設けられ、前記送信部が送信した前記提供可能蓄電容量を直接的又は間接的に受信する受信部(受信部24、24b)と、前記受信部で受信した前記提供可能蓄電容量に応じてインセンティブを計算する演算部(演算部21、21b)と、を有する。
本発明のインセンティブ計算システム20、20a、20b(インセンティブ計算システム)によれば、蓄電池の容量[kWh](蓄電設備11、11aの提供可能蓄電容量、HEMS15bの提供可能蓄電容量)に応じて、電気料金の割引額(課金)などのインセンティブを算定することができる。すなわち、本発明のインセンティブ計算システム20、20a、20b(インセンティブ計算システム)によれば、需要家、事業者双方のメリットが生み出されるので、納得性の高い継続可能な、蓄電池を活用した電力需給の仕組みを実現することができる。
これにより、本発明によれば、納得性の高い継続可能な、蓄電池を活用した電力需給の仕組みを実現することができるインセンティブ計算システムおよびインセンティブ計算システムの制御方法を提供することができる。
また、インセンティブ計算システム20、20a、20bの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより課金を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の変更等も含まれる。
10…需要家施設、11,11a,11b…蓄電設備、12…太陽光発電設備、13…分電盤、14…負荷、15,15b…HEMS、16…モデム、20,20a,20b…インセンティブ計算システム、21,21b…演算部、22…検針値受信部、23…メモリ、24,24b…受信部、30…電力管理システム、30b…管理サーバー、31…情報収集部、32…蓄電池制御決定部、33…送受信部、34,160…送信部、40…制御サーバー、100,100b…記憶部、101,231…第1の記憶部、102,232…第2の記憶部、211…電気料金算出部、212…割引額算出部、213…請求額算出部、Mp…買電用電力計、Mq…売電用電力計

Claims (4)

  1. 蓄電設備の設置者に対するインセンティブを計算するインセンティブ計算システムであって、
    前記設置者からの意向に応じて当該設置者の需要家施設の機器から非提供蓄電容量を含むデータを送信することで変更可能な非提供蓄電容量であり前記蓄電設備に確保する非提供蓄電容量と、前記非提供蓄電容量を含んだ蓄電容量とに基づいて、前記蓄電容量から前記非提供蓄電容量を減算することで、提供可能蓄電容量を算出し、当該提供可能蓄電容量に第1係数を乗じた上で第2係数を加えることでインセンティブを計算する演算部と、
    定められた期間毎に、前記設置者からの意向に応じて設定される非提供蓄電容量を受信する受信部と、を有し、
    前記演算部は、前記受信部が非提供蓄電容量を受信すると当該受信した非提供蓄電容量を前記蓄電容量から減算することで提供可能蓄電容量を算出し、当該提供可能蓄電容量に第1係数を乗じた上で第2係数を加える
    インセンティブ計算システム。
  2. 前記需要家施設における買電用電力計での計量値である第1計量値と、売電用電力計の計量値である第2計量値とに基づいて、予め決められた計算方法に従い、前記需要家施設の需要家が購入した電力の買電料金と、売電した売電料金とを算出する電気料金算出部と、
    前記電気料金算出部が算出した買電料金と売電料金と、前記演算部が計算したインセンティブとに基づいて、請求費用を算出する請求額算出部と、
    を有する請求項1に記載のインセンティブ計算システム。
  3. 蓄電設備の設置者に対するインセンティブを計算する演算部と受信部とを有するインセンティブ計算システムの制御方法であって、
    前記演算部は、
    前記設置者からの意向に応じて当該設置者の需要家施設の機器から非提供蓄電容量を含むデータを送信することで変更可能な非提供蓄電容量であり前記蓄電設備に確保する非提供蓄電容量と、前記非提供蓄電容量を含んだ蓄電容量とに基づいて、前記蓄電容量から前記非提供蓄電容量を減算することで、提供可能蓄電容量を算出し、当該提供可能蓄電容量に第1係数を乗じた上で第2係数を加えることでインセンティブを計算し、
    前記受信部は、
    定められた期間毎に、前記設置者からの意向に応じて設定される非提供蓄電容量を受信し、
    前記演算部は、
    前記受信部が非提供蓄電容量を受信すると当該受信した非提供蓄電容量を前記蓄電容量から減算することで提供可能蓄電容量を算出し、当該提供可能蓄電容量に第1係数を乗じた上で第2係数を加える
    インセンティブ計算システムの制御方法。
  4. 前記インセンティブ計算システムは、電気料金算出部と、請求額算出部と、をさらに有し、
    前記電気料金算出部は、
    前記需要家施設における買電用電力計での計量値である第1計量値と、売電用電力計の計量値である第2計量値とに基づいて、予め決められた計算方法に従い、前記需要家施設の需要家が購入した電力の買電料金と、売電した売電料金とを算出し、
    前記請求額算出部は、
    前記電気料金算出部が算出した買電料金と売電料金と、前記演算部が計算したインセンティブとに基づいて、請求費用を算出する
    請求項3に記載のインセンティブ計算システムの制御方法。
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