JP6753129B2 - インプリント用モールド及びその製造方法、並びにこのインプリント用モールドを用いた構造体の製造方法 - Google Patents

インプリント用モールド及びその製造方法、並びにこのインプリント用モールドを用いた構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体デバイスや光導波路や回折格子等の光学部品、バイオ・化学関連の分析用チップ、ハードディスクやDVD等の記録媒体、モスアイによる反射防止効果やハスの葉形状による撥水効果を利用した機能性材料といった各種製品の製造工程において、インプリント技術によるパターン形成の際に使用されるインプリント用モールド及びその製造方法、並びにこのインプリント用モールドを用いた構造体の製造方法及び構造体に関する。
これまで、電子回路パターン等のナノレベルの微細加工にはリソグラフィ技術が用いられてきた。リソグラフィ工程で必要な描画、エッチング、洗浄等の各種装置は、非常に高価であるため、実際に微細加工を必要とする商材開発を行なう場合、製造設備導入や周辺技術開発のため、莫大なコストが必要となり、迅速に開発を進めることが困難となっている。
このような状況で、ナノレベルの微細加工をスタンプの要領で簡便に行えるインプリント技術が注目されている。インプリント技術は樹脂への加工が可能であるため、エレクトロニクス分野、バイオ分野、フォトニクス分野等、応用範囲は広い。例えば、半導体デバイスや記録媒体の製造に際して、ステファン Y.チョウらは、基材の表面に微細な凹凸パターンを転写した樹脂層を形成する方法を提案している(非特許文献1)。このインプリント法は、原版(モールド)に形成したナノメートルサイズの凹凸部を基材表面の樹脂層に押し当てることによってモールドの凹凸形状を樹脂層に転写する。
主なインプリント法としては、加工プロセスや材料の違いから、熱インプリント法、光インプリント法、室温インプリント法等が挙げられる。特に、紫外線硬化樹脂によりパターンを形成する光インプリント法は、連続転写が可能なロールtoロール法と合わせて量産プロセスへ展開されることも多い。
ロールtoロール法では、ロール状のモールドを使用する。所望のパターンサイズが数十μm以上であれば、切削加工やレーザー加工等でロール表面に直接パターンを加工することができるが、1μm以下の微細なパターンの場合は、電子線リソグラフィによる加工が必要となる。よって、電子線リソグラフィを用いて作製した石英やシリコンから成るマスターモールドからインプリント法やNi電鋳法等を用いて、複製版であるレプリカモールドを作製し、それをロールに巻きつけて転写用モールドとして使用するといった方法が報告されている(特許文献1)。
近年、インプリント技術の応用として、バイオミメティクスを組み合わせた機能性部材が紹介されている。例としては、蛾の複眼構造を模したモスアイと呼ばれる反射防止体、ハスの葉構造を模した撥水体、モルフォ蝶の翅構造を模した構造発色体等が知られている。モスアイやハスの葉構造は、図7に示すように、平坦な基材11上に、微細パターン12が形成された一段構造で模倣することができ、反射防止や撥水等、一定の機能を発現させることができる。これらは一段構造であるため、リソグラフィを用いたマスターモールドの作製は比較的容易である。
モルフォ蝶の翅構造については、その燐粉が非常に複雑な形状であり、完全に模倣することは難しいが、特許文献2ではサブミクロンサイズの散乱パターンを電子線リソグラフィにより形成し、その上に多層膜を積層することで、モルフォ蝶のような青色発色体を得られたという報告がなされている。
このような方法で作製された発色体に対し、変角光度計等を用いて角度を変化させて光を入射すると、反射光は正反射成分のみが突出して強く検出され、反射光の角度拡がりが小さい傾向があることが分かる。実際のモルフォ蝶の翅構造は、翅脈や翅室といったミリサイズの凹凸構造上にサブミクロンサイズの微細構造を有する燐粉が存在するため、様々な方向へ光が反射し、特徴的な美しい青色を発色すると推測される。
ミリサイズの下地構造の上に、サブミクロンサイズの微細構造を有する二段構造の散乱パターンを形成し、その上に多層膜を積層すれば、反射光の角度拡がりが大きくなり、より美しい発色体を得ることができると考えられる。また、このような二段構造を容易に作製することができれば、一段構造で発現される特性(反射防止、撥水、親水機能等)の向上に繋がる可能性がある。
しかし、二段構造体の場合、マスターモールド作製が難しい。ミリサイズの凹凸構造を有する下地構造体の上に、サブミクロンサイズの微細構造が形成されたマスターモールドを作製する際、二段階の工程が必要となる。サブミクロンサイズの微細構造を高精度で形成するためには電子線リソグラフィを用いるが、下地構造体の凹凸構造上にサブミクロンサイズの微細パターンを形成しようとする場合、均一なレジストコートや電子線による描画を正確に行なうことができず、所望の二段構造体を得られないためである。
下地構造体の凹凸構造を先に転写し、次に微細構造を転写するという連続した二段階転写を行なえば、二段構造体を得ることは可能であるが、例えば、ロールtoロール法で実施しようとすると、転写のみでなく、基材への樹脂コート等、工程が増加するため、コストがかかる。また、下地構造体の凹凸構造上へコートされる樹脂が不均一になるといった問題や、または、基材のたわみ等により、下地構造体の所望の位置に微細構造を正確に転写できないといった問題が生じる。
国際公開第2014/080857号 特許第4228058号公報
Stephen Y.Chou, "Imprint of sub 25nm vias and trenches in polymers",Applied Physics Letters, 67(21),(1995),3114−6
このような問題を解決するために、以下の方法を提案する。
まず、ミリサイズのパターンが形成された下地構造体と、熱可塑性を有する基材上にサブミクロンサイズのパターンが形成された微細構造体とを個別に準備する。それらを微細構造体のサブミクロンサイズのパターンが最表面になるように重ねてから、サブミクロンパターンが破損しないように微細構造体上に保護材をのせる。この状態で、加熱しながらプレスし、加熱して軟化した微細構造体の基材を下地構造体のミリサイズのパターンに追従するように変形させる。最後に表面の保護材を剥離することで、二段構造を有するインプリント用モールドが得られる。
本発明は、ミリサイズのパターン上に、サブミクロンサイズの微細パターンを有する二段構造体を一回の転写で形成することができるインプリント用モールド及びその製造方法を提供することを目的とする。また、このインプリント用モールドを用いた構造体の製造方法及び構造体を提供することを目的とする。
本発明は、第一の凹凸パターンが設けられた下地構造体と、下地構造体上に積層された基材とを備え、基材の下地構造体と反対側の表面には、第二の凹凸パターンからなる微細構造体が形成されており、第一の凹凸パターンの高さが、第二の凹凸パターンの高さより高いことを特徴とする、インプリント用モールドである。
また、基材は熱可塑性を有する樹脂で形成されていてもよい。
また、下地構造体の荷重たわみ温度が、基材の荷重たわみ温度よりも高いことが好ましいである。
また、本発明は、上記のインプリント用モールド上に転写樹脂を滴下する工程と、転写樹脂上に転写用基材を積層し、プレスして転写を行う工程と、転写樹脂を硬化する工程と、インプリント用モールドから硬化した転写樹脂を剥離する工程とを含むことを特徴とする、構造体の製造方法である。
また、本発明は、下地構造体の表面に第一の凹凸パターンを形成する工程と、微細構造体の表面に第二の凹凸パターンを形成する工程と、下地構造体の第一の凹凸パターン側の面と、微細構造体の第二の凹凸パターンが形成されていない側の面とを対向させて積層する工程と、第二の凹凸パターン上に保護材を積層する工程と、微細構造体を下地構造体にプレスする工程と、保護材を硬化する工程と、微細構造体から保護材を剥離する工程とを含み、第一の凹凸パターンの高さが、第二の凹凸パターンの高さより高いことを特徴とする、インプリント用モールドの製造方法である。
また、本発明は、第一の凹凸パターンを有する硬化樹脂層を備え、第一の凹凸パターンの少なくとも一部の領域には、第一の凹凸パターンの高さより高さが小さい第二の凹凸パターンが設けられ、断面において、第一の凹凸パターンの角部が湾曲状であることを特徴とする、構造体である。
また、第一の凹凸パターンの高さは0.1mm以上10mm以下であり、第二の凹凸パターンの高さは10nm以上100μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、ミリサイズのパターン上に、サブミクロンサイズの微細パターンを有する二段構造体を一回の転写で形成することができるインプリント用モールド及びその製造方法を実現できる。また、このインプリント用モールドを用いた構造体の製造方法及び構造体を実現できる。その結果、複雑な微細構造により発現される高い機能を持つ部材を低コストで提供することが可能となる。
本発明の実施形態に係るインプリント用モールドの作製方法を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る転写方法を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る転写方法を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る構造物の拡大図である。 本発明の実施形態に係るインプリント用モールドで得られる構造体の断面の輪郭のみを描画した概略図である。 基材上に微細パターンが形成された一段構造の転写物を示す概略構成図である。 基材上に微細パターンが形成された一段構造を示す概略構成図である。
以下、本発明のインプリント用モールドについて、実施形態の一例を、図1を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るインプリント用モールドの作製方法を示す概略構成図である。本発明の実施の形態に係るインプリント用モールド100は、図1に示すような流れで作製される。まず、ミリサイズの凹凸パターン201が形成された下地構造体200と、基材301上にサブミクロンサイズの微細パターン302が形成された微細構造体300とを、微細パターン302が最表面となるように重ね、冶具、接着材、テープ等で固定する(図1(a))。
下地構造体200は、少なくとも、基材301よりも荷重たわみ温度が高い材料から構成される。下地構造体200に形成される凹凸パターン201は、石英製もしくはシリコン製のマスターモールドのように、基材に直接加工したパターン、もしくは、マスターモールドから複製したパターンでもよい。下地構造体200の形状は、図1では平板形状となっているが、ロール形状でも構わない。凹凸パターン201の加工方法は、特に限定されない。例としてはリソグラフィ法、インプリント法、エンボス法、切削法等が挙げられる。
下地構造体200の凹凸パターン201のサイズは、少なくとも、微細構造体300の微細パターン302のサイズより大きければよく、0.1mm以上10mm以下が好適である。加熱プレスする際、微細パターン302の破損がないように、且つ、微細構造体300が下地構造体200の凹凸パターン201に追従しやすいように、パターン高さについては、アスペクト比(高さ/幅)が1以下となるように設定する。また、上記と同じ理由で、下地構造体200の凹凸パターン201はテーパー形状であることが好ましく、ホール形状は不適当である。
微細構造体300は、基材301と微細パターン302とから構成される。基材301は、加熱してプレスすることにより、下地構造体200の凹凸パターン201に追従して変形するように、熱可塑性樹脂を用いる。例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。基材301の厚さについては、加熱プレスする際に下地構造体200に追従しやすいよう、できる限り薄いものがよく、例としては、10〜100μm程度である。
微細パターン302のサイズは、10nm以上100μm以下とすることができる。パターン高さについては、離型時にパターンが倒壊せず、形状を保持できるアスペクト比であれば構わないが、アスペクト比(高さ/幅)が5以下が好ましい。
微細構造体300の作製には、まず、微細パターン302の反転パターンが形成された石英製、もしくは、シリコン製のマスターモールドを準備する必要がある。マスターモールドの作製には、電子線リソグラフィが用いられる。そのマスターモールドから光インプリント法等を用いて、基材301上に微細パターン302を形成する。離型性を向上させるため、微細パターン302を形成する樹脂にはフッ素系成分やシリコン成分等が含有されるものを用いることが好ましい。もしくは、微細パターン302の表面に離型剤をコートし、離型層を付与してもよい。
続いて、微細パターン302を保護するため、保護材400を微細構造体300の上に載せる(図1(b))。
保護材400は、基材402と樹脂401とから構成される。樹脂401は、少なくとも紫外線硬化性を有する材料である。また、加熱プレス時に微細構造体300にプレス圧が伝わりやすいように、熱可塑性も兼ね備えている材料であることが好ましい。保護材400は、あらかじめ樹脂401を基材402にコートして、フィルム形状となっているものを用いてもよい。もしくは、樹脂401を微細構造体300にコートした後、基材402を上から載せて、保護材400としてもよい。
基材402は、少なくとも紫外線を透過し、樹脂401が密着する材料であれば、特に限定されない。樹脂401と密着する表面に、易接着層が形成されていても構わない。基材402の厚さについては、加熱プレス後に樹脂401と共に微細構造体300から剥離する際に、破損しない程度に強度があればよく、例としては10μm以上100μm以下とする。
次に、保護材400側から微細構造体300を下地構造体200側へ、加熱しながらプレスする(図1(c))。プレス方法としては、特に限定はされないが、気泡の内包を抑制しやすいロールプレス法が好ましい。
プレス圧は、微細パターン302が破損しない程度に強い圧力であればよい。例としては、0.1〜10MPaとする。加熱温度は、基材301の荷重たわみ温度により決まるが、80〜180℃とする。熱が効率よく伝わるように、使用するプレス用ロール700や下地構造体200自体もヒーター等により加熱することが好ましい。
続けて、保護材400側から紫外光を照射し、樹脂401を硬化させ(図1(d))、保護材400を剥離することで、二段構造を有するインプリント用モールド100が得られる(図1(e))。
以下にインプリント用モールド100を用いた転写方法の一例を、ロールtoプレート法(平板状モールドを用い、ロールにより加圧しながら転写を行なう方法)の場合と、ロールtoロール法(ロール状モールドを用い、ロールにより加圧しながら転写を行なう方法)の場合について示す。
<ロールtoプレート法>
ロールtoプレート法について、図2を参照しつつ、説明する。
まず、転写前の準備としてインプリント用モールド100をロールtoプレート装置の所定位置に冶具、接着剤、テープ等を用いて固定する。次に紫外線硬化性の転写樹脂501をインクジェット法、スプレー法等によりモールドの端部、もしくは、全面に滴下する(図2(a))。滴下した樹脂の上に、紫外線を透過可能な基材502を載せ、その上からプレス用ロール700を走査させ、インプリント用モールド100へ押し付けながら転写樹脂501をのばし、転写を行なう(図2(b))。この際の樹脂層の厚さは、0.5μm以上50μm以下とする。続けて、基材502側から紫外光を照射する(図2(c))。その後、インプリント用モールド100から基材502及び硬化した転写樹脂601を剥離し、二段構造を備える構造体600を得ることができる(図2(d))。
<ロールtoロール法>
ロールtoロール法について、図3を参照しつつ、説明する。
まず、インプリント用モールド100がフィルムのような柔軟性のある形状の場合は、ロールtoロール装置のロール位置に冶具、接着剤、テープ等を用いて固定する。インプリント用モールド100の下地構造体200がロール形状の基材を切削法等により直接加工した形状の場合は、そのまま装置に設置する。次に、紫外線を透過可能なフィルムを基材502とし、その表面に紫外線硬化樹脂の転写樹脂501をダイコート法、インクジェット法、スプレー法、マイクログラビア法等を用いてコートする。樹脂層の厚さは、0.5〜50μmとする。その後、プレス用ロール700で基材502上の転写樹脂501をインプリント用モールド100へ押し付ける。続けて、基材502側から紫外光を照射し、転写樹脂501を硬化させることで、二段構造を備える構造体600が得られる。
図4は、本発明の実施形態に係る構造物600の拡大図である。上述した下地構造体200の凹凸パターン201のサイズとは、図4に示す凹凸の最大高さ差H1を指し、微細構造体300の微細パターン302のサイズとは、図4に示す凹凸の最大高さ差H2を指す。
図5は、本発明の実施形態に係るインプリント用モールドで得られる構造体の断面の輪郭のみを描画した概略図である。即ち、構造体600は、ミリオーダーの下地構造体200及びサブミクロンオーダーの微細構造体300の反転構造を備えており、図5は下地構造体200の反転構造の断面の輪郭600aの形状を表している。図5に示すように、本発明のインプリント用モールド100を用いて上述の転写を行った構造体600は、下地構造体200の反転構造の角部において鋭角を有さない(ほぼ存在しない)湾曲形状または曲面形状とすることができる。換言すると、構造体600は、略湾曲形状の土台に対してサブミクロンオーダーの凹凸パターンが形成されている。
自然界に存在する蛾やハスの葉、モルフォ蝶の構造は図7に示すような単純な矩形状ではなく、一部にうねりのある湾曲形状で構成されている。そのため、本発明の構造体600のように、下地構造体200の反転構造の断面の輪郭600aが湾曲形状を有することで、形状が自然物により近づき、より高精度な生体模倣が可能となる。
本発明のインプリント用モールドの製造方法及びインプリント用モールドを用いた構造体の製造方法について実施例を以下に示す。しかし、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
まず、ステンレス製平板に切削法によりパターンを加工した下地構造体200を用意した。下地パターンのサイズは、幅1000μm、ピッチ3000μm、深さ300μmとした。また、転写に影響しない周辺部にアライメントマークを形成した。
次に、電子線リソグラフィにより、幅0.3〜1μmの微細パターンを深さ0.1μmで形成した石英製マスターモールドを作製した。微細パターンの他に、転写に影響しない周辺部にアライメントマークを形成した。この石英製マスターモールドを用いて、光インプリント法により、微細構造体300を得た。基材301には、熱可塑性のPETフィルム(コスモシャイン(東洋紡製))(厚さ38μm)を用い、微細パターン302は、アクリル系紫外線硬化樹脂にフッ素系の離型成分を混合した樹脂を用いて形成した。
下地構造体200上に、微細パターン302を上にして微細構造体300をアライメントマークに合わせて重ね、フィルムの端部を耐熱性テープで固定した(図1(a))。
次に、微細パターン302を保護するため、樹脂401として紫外線硬化樹脂(PAK02(東洋合成製))を厚さ1μmで微細構造体300上にコートし、その上に基材402として熱可塑性のPETフィルム(コスモシャイン(東洋紡製))を載せて、保護材400として微細構造体300の上に形成した(図1(b))。
続いて、95℃まで加熱したシリコンゴム製のプレス用ロール700を用いて、保護材400側から微細構造体300を下地構造体200へ押し付けた(図1(c))。この際、下地構造体200は120℃になるようにヒーターで加熱した。プレス圧力は1MPaとし、ロール送り速度は0.5m/minとした。
続いて、高圧水銀灯を紫外光源800として用いて365nmを主波長とする紫外光を照射し、樹脂402を硬化させた(図1(d))。次に、保護材400を剥離し、二段構造を有するインプリント用モールド100を得た(図1(e))。
次に、得られたインプリント用モールド100を用いた構造体600の製造方法について、一例を示す。
ロールtoプレート装置の所定位置にインプリント用モールド100を設置した。インクジェット法により、紫外線硬化樹脂(PAK02(東洋合成製))を転写樹脂501として、転写面の端部に滴下した。次に、紫外線透過性のPETフィルム(コスモシャイン(東洋紡製))を基材502とし、転写樹脂501の上側へ設置した。次に、基材502の上から、プレス用ローラー700を転写領域全体に走査させた。プレス圧力は、0.2MPaとし、ローラー送り速度は1m/minとした。続いて、高圧水銀灯を紫外光源800として用いて365nmを主波長とする紫外光を照射し、転写樹脂501を硬化させ、インプリント用モールド100から剥離することで、二段構造体を持つ構造体600を得た。
得られた構造体600の表面構造を走査型プローブ顕微鏡で測定した結果、所望のサブミクロンサイズの微細パターンが形成されていることを確認できた。また、構造体600に、真空蒸着法を用いて、酸化チタン(膜厚80nm)を7層と、酸化シリコン(膜厚150nm)を7層とを、それぞれ交互に積層させた多層膜を形成し、青色発色体を作製した。作製した青色発色体の光学特性を変角光度計により測定したところ、図6に示すような微細パターンが一段構造で形成されている転写物と比較し、反射光の角度依存性が小さくなり、より魅力的な青色発色を発現できた。
(実施例2)
まず、ステンレス製ロールに切削法によりパターンを加工した下地構造体200を用意した。下地パターンのサイズは、幅1000μm、ピッチ3000μm、深さ300μmとした。また、下地構造体200には、転写に影響しない周辺部にアライメントマークを形成した。
次に、電子線リソグラフィにより、幅0.3〜1μmの微細パターンを深さ0.1μmで形成した石英製マスターモールドを作製した。微細パターンの他に、アライメントマークも転写に影響しない周辺部に形成した。この石英製マスターモールドを用いて、光インプリント法により、微細構造体300を得た。基材301には、熱可塑性のPETフィルム(コスモシャイン(東洋紡製))(厚さ38μm)を用い、微細パターン302は、アクリル系紫外線硬化樹脂にフッ素系の離型成分を混合した樹脂を用いて形成した。
下地構造体200上に、微細パターン302を上にして微細構造体300をアライメントマークに合わせて巻きつけて重ね、フィルムの端部を耐熱性テープで固定した。
次に、微細パターン301を保護するため、紫外線透過性PETフィルム基材402上にあらかじめ紫外線硬化性アクリル樹脂401を厚さ2〜3μmでコートしたものを、保護材400として微細構造体300上に重ねた。
続いて、ロール状の下地構造体200を120℃になるようにヒーターで加熱した状態で、95℃まで加熱したシリコンゴム製のプレス用ロール700を、保護材400側から微細構造体300及び下地構造体200へ押し付けた。この際、プレス圧力は1MPaとし、ロール送り速度は0.5m/minとした。
続いて、高圧水銀灯を紫外光源800として用いて365nmを主波長とする紫外光を照射し、樹脂402を硬化させた後、保護材400を剥離し、二段構造を有するロール状のインプリント用モールド100を得た。
次に、得られたインプリント用モールド100を用いた構造体600の製造方法について、一例を示す。
ロールtoロール装置の所定位置にインプリント用モールド100を設置した。ダイコート法により、紫外線硬化樹脂(PAK02(東洋合成製))501を、紫外線透過性のPETフィルム(コスモシャイン(東洋紡製))基材502上へコートした。転写樹脂501がコートされた状態で基材502は送り方向へ流れていき、プレス用ローラー700で基材502の上からインプリント用モールドに押し付けられた。この際の、プレス圧力は、0.2MPaとし、ローラー送り速度は1m/minとした。続いて、高圧水銀灯を紫外光源800として用いて365nmを主波長とする紫外光を照射し、転写樹脂501を硬化させ、インプリント用モールド100から剥離することで、二段構造体である構造体600を得た。
得られた構造体600の表面構造を走査型プローブ顕微鏡で測定した結果、所望のサブミクロンサイズの微細パターンが形成されていることを確認できた。また、得られた構造体600に、真空蒸着法を用いて、酸化チタン(膜厚80nm)を7層と、酸化シリコン(膜厚150nm)を7層とを、それぞれ交互に積層させた多層膜を形成し、青色発色体を作製した。青色発色体の光学特性を変角光度計により測定したところ、図6に示すように微細パターンが一段構造で形成されている転写物と比較し、反射光の角度依存性が小さくなり、より魅力的な青色発色を発現できた。
本発明は、半導体デバイスや光導波路や回折格子等の光学部品、バイオ・化学関連の分析用チップ、ハードディスクやDVD等の記録媒体、モスアイによる反射防止効果やハスの葉形状による撥水効果を利用した機能性材料といった各種製品の製造工程において、インプリント技術によるパターン形成を行う際に使用されるインプリント用モールドおよび構造体として好適に使用することができる。
10 …… 一段構造体
11 …… 基材
12 …… 微細パターン
20 …… 一段構造体
21 …… 基材
22 …… 微細パターン
100 …… インプリント用モールド
200 …… 下地構造体
201 …… 凹凸パターン
300 …… 微細構造体
301 …… 基材
302 …… 微細パターン
400 …… 保護材
401 …… 樹脂
402 …… 基材
501 …… 転写樹脂(紫外線硬化前)
502 …… 基材
600 …… 構造体
600a…… 構造体の輪郭
601 …… 転写樹脂(紫外線硬化後)
700 …… プレス用ロール
800 …… 紫外線硬化用光源

Claims (5)

  1. 第一の凹凸パターンが設けられた下地構造体と、
    前記下地構造体上に積層された基材とを備え、
    前記基材の前記下地構造体と反対側の表面には、第二の凹凸パターンからなる微細構造体が形成されており、
    前記第一の凹凸パターンの高さが、前記第二の凹凸パターンの高さより高いことを特徴とする、インプリント用モールド。
  2. 記基材は熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインプリント用モールド。
  3. 前記下地構造体の荷重たわみ温度が、前記基材の荷重たわみ温度よりも高いことを特徴とする、請求項1又は2に記載のインプリント用モールド。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のインプリント用モールド上に転写樹脂を滴下する工程と、
    前記転写樹脂上に転写用基材を積層し、プレスして転写を行う工程と、
    前記転写樹脂を硬化する工程と、
    前記インプリント用モールドから硬化した前記転写樹脂を剥離する工程とを含むことを特徴とする、構造体の製造方法。
  5. 下地構造体の表面に第一の凹凸パターンを形成する工程と、
    微細構造体の表面に第二の凹凸パターンを形成する工程と、
    前記下地構造体の前記第一の凹凸パターン側の面と前記微細構造体の前記第二の凹凸パターンが形成されていない側の面とを対向させて積層する工程と、
    前記第二の凹凸パターン上に保護材を積層する工程と、
    前記微細構造体を前記下地構造体にプレスする工程と、
    前記保護材を硬化する工程と、
    前記微細構造体から前記保護材を剥離する工程とを含み、
    前記第一の凹凸パターンの高さが、前記第二の凹凸パターンの高さより高いことを特徴とする、インプリント用モールドの製造方法。
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