JP6752300B2 - 放射性廃液処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、放射性廃液処理システムに関する。
現在保管されている原子力施設において発生する放射性核種を含む放射性廃液は、百万トン規模であり、廃液処理による減容化が求められている。その処理方法の一つとして、イオン交換樹脂等を用いた吸着処理方法がある。
一方、放射性廃液が高濃度のナトリウム、カルシウム又はマグネシウムを含む場合、これらのイオンが放射性核種の吸着を妨害する場合がある。また、それにより固体廃棄物の増加も懸念されている。
例えば、非特許文献1によれば、吸着材は、放射性核種以外の元素であるナトリウムイオンやカルシウムイオンなどが処理する廃液に含まれていると、放射性核種の吸着を妨害するため、吸着性能が低下するとされている。
特許文献1では、放射性核種で汚染された海水成分を含む廃液から、当該廃液に含まれるにがり成分を、沈殿させるかあるいは膜分離によって分離・除去し、ついで電気透析および電気分解により、当該廃液中の塩化ナトリウムを分離・回収する処理方法が述べられている。
また、特許文献2には、放射性廃液の処理に関して、陽電極と陰電極の間に2枚のバイポーラ膜を配置し、該バイポーラ膜間の陽電極側に陰イオン交換膜、陰電極側にナトリウムイオン選択透過膜をそれぞれ配置して電気透析を行うことにより、放射性廃液からナトリウムイオンを水酸化ナトリウムとして、陰イオンを酸としてそれぞれ分離・回収する処理方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、放射性汚染水に共存するCa及びMgを不透過とし、選択透過したSr及びBaを吸着する方法が記載されている。
特開2013−124918号公報 特開2000−321395号公報 特開2014−1952号公報
Teresia Moller et al.: "Ion exchange of 85Sr, 134Cs and 57Co in sodium titanosilicate and the effect of crystallinity on selectivity", Separation and Purification Technology, Vol.28, pp.13-23, (2002).
非特許文献1に記載されている、吸着材による放射性核種の吸着を妨害するナトリウムイオン等は、吸着性能向上及び放射性廃棄物の減容化の観点から、吸着処理の前に放射性廃液から除去することが望ましい。
塩化ナトリウムを含む放射性廃液に対して、特許文献1及び2に記載されているような電気透析を行うと、陽イオン交換膜側にはナトリウムイオンが、陰イオン交換膜側には塩素イオンが移行する。この際、元素の移動に伴いpHの変化が生じ、沈殿物が発生し、装置の詰まりが生じる場合がある。これが運転不良の原因ともなる。そのため、沈殿物の発生を抑制しつつ、塩化ナトリウムを分離する必要がある。
また、特許文献3に記載の方法においては、Ca及びMgを不透過としているが、その際に沈殿物や処理不可能な廃液が生じてしまう点で改善の余地がある。
本発明の目的は、放射性核種含有海水、特に、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウムを含む放射性核種含有海水におけるこれらのイオンの濃度を制御し、放射性核種含有海水の処理を可能とするシステムを提供することにある。
本発明の放射性廃液処理システムは、放射性核種を含む放射性廃液に含まれるナトリウムイオン、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンの濃度を低減する電気透析装置と、電気透析装置から得られる、前記濃度が低くなった希溶液から、希溶液に含まれる放射性核種を除去する放射性核種除去装置と、希釈装置と、を含み、電気透析装置による処理は、放射性廃液に酸を添加することによりpHを低下させた状態で行うように構成され、電気透析装置から得られる、前記濃度が高くなった濃溶液は、希釈装置にて水を混合して希釈され、放射性核種除去装置に送られる。
本発明によれば、放射性核種含有海水、特に、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウムを含む放射性核種含有海水におけるこれらのイオンの濃度を制御し、放射性核種含有海水の処理をすることができる。
実施例1の処理プロセスの概要を示すフロー図である。 図1の電気透析工程2Bで用いる電気透析装置を示す概略構成図である。 電気透析装置における沈殿物の発生に及ぼす酸注入の影響を示すグラフである。 Sr吸着材の性能に対するナトリウム濃度の影響を示すグラフである。 Sr吸着材の性能に対するカルシウム濃度の影響を示すグラフである。 Sr吸着材の性能に対するマグネシウム濃度の影響を示すグラフである。 実施例2の処理プロセスの概要を示すフロー図である。
本発明は、放射性廃液処理システムに係り、特に、放射性核種を含む廃液からナトリウム、カルシウム、マグネシウムおよび放射性核種を分離するのに好適な放射性廃液処理システムに関する。
まず、本実施例の処理プロセスの概要について説明する。本実施例は、RO処理装置による循環処理を含む。
図1は、本実施例の処理プロセスの概要を示したものである。
本図に示すように、放射性核種含有海水1から塩化ナトリウム等を除去する前処理工程2の後、放射性核種除去工程3を行う。放射性核種除去工程3は、RO循環処理工程3A及び吸着処理工程3Bを含む。処理済みの液については、保管もしくは散水4の処分とする。これにより、固体廃棄物(放射性廃棄物)の発生量を低減することができる。ここで、放射性核種含有海水1は、放射性核種で汚染された海水成分を含む廃液である。本明細書においては、この廃液を「放射性廃液」を呼ぶ。
放射性核種含有海水1に含まれる元素としては、例えば、ルテニウム、テクネチウム、ニオブなどの遷移金属、セシウムなどのアルカリ金属、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属、セリウムなどの希土類といった金属元素、アンチモン、テルル、ヨウ素などのハロゲン、炭素、ホウ素といった非金属元素がある。放射性核種含有海水1には、海水成分である塩化ナトリウム等も含まれる。
前処理工程2は、酸処理工程2A及び電気透析工程2Bを含む。
前処理工程2においては、その後段の放射性核種除去工程3における放射性核種の除去性能を向上するため、上記元素の中から塩化ナトリウム、すなわちナトリウムイオン及び塩素イオンの分離・回収をする。
酸処理工程2Aにおいては、放射性核種含有海水1に酸を添加する。添加する酸としては、塩酸(HCl)を用いることが望ましい。また、硝酸(HNO)を用いてもよい。
電気透析工程2Bにおいては、酸を添加した放射性核種含有海水1を、イオン交換膜を配置した容器に入れ、液に電圧を印加することにより、液に含まれる陽イオン及び陰イオンを異なる方向に移動させ、イオン交換膜の特定のイオンを透過する性質を利用して、所定のイオンの分離を行う。具体的には、放射性核種含有海水1から塩化物イオン、ナトリウムイオン等を分離する。
電気透析工程2Bの前に酸処理工程2Aを行うことにより、電気透析工程2Bにおける沈殿物の発生を抑制することができる。
電気透析工程2Bによりナトリウムイオン等の濃度が低くなった液(希溶液)は、RO循環処理工程3Aに送られる。RO循環処理工程3Aに用いられるRO処理装置は、逆浸透膜(Reverse Osmotic Membrane:RO膜)を用いて、液中の放射性核種その他の不純物を除去する装置である。RO循環処理工程3Aにおいて放射性核種その他の不純物が除去された液については、ステンレス鋼製の容器などに保管もしくは散水4の処理がなされる。RO循環処理工程3Aにおいて放射性核種その他の不純物が濃縮された液(濃縮溶液)は、放射性核種含有海水1と混合され、再度処理される。
一方、電気透析工程2Bによりナトリウムイオン等の濃度が高くなった液(濃縮中性溶液)は、濃度制御処理工程18に送られる。濃度制御処理工程18においては、濃縮中性溶液に水を混合して希釈することにより、放射性核種の濃度を低下させる。その後、吸着処理工程3Bにおいて、濃縮中性溶液を希釈した液(希釈溶液)に含まれる放射性核種を吸着・除去する。その後、処理された液については、ステンレス鋼製の容器などに保管もしくは散水4がなされる。これにより、放射性核種含有海水1の減容化が可能となる。ここで、濃縮中性溶液を希釈するために混合する水は、地下水、河川水、雨水等であってもよい。なお、濃縮中性溶液は、「濃溶液」とも呼ぶ。また、濃度制御処理工程18は、「希釈装置」にて行う。
なお、保管もしくは散水4は、ステンレス鋼製の容器などに保管されるか、所定の基準に従って所定の場所に散水されることを意味する。この場合の基準は、トリチウムなどの放射性核種の濃度が所定の値以下となることとしてもよい。
酸処理工程2Aは、電気透析工程2Bの前にあらかじめ放射性核種含有海水1に酸を添加しておき、その液を電気透析装置に供給する方式でもよいし、電気透析装置に付設されている容器に放射性核種含有海水1を貯留し、その容器に酸を添加する方式でもよい。また、電気透析装置の透析槽に供給した放射性核種含有海水1に酸を添加する方式でもよい。酸処理工程2Aを行う酸処理装置は、電気透析装置とは別に設置してもよい。
以下、図1の電気透析工程2Bを行うための装置構成について説明する。
図2は、図1の電気透析工程2Bで用いる電気透析装置を示したものである。
図2において、電気透析装置200は、容器17(透析槽)内に陽極12、陰極13、陽イオン交換膜14、陰イオン交換膜15及びバイポーラ膜16、16Aを配置した装置である。容器17内は、陽イオン交換膜14とこれに隣接する陰イオン交換膜15との間に設けられた領域6A(脱塩室)、陽イオン交換膜14とこれに隣接するバイポーラ膜16(第一のバイポーラ膜)との間に設けられた領域7A(アルカリ室)、陰イオン交換膜15とこれに隣接するバイポーラ膜16A(第二のバイポーラ膜)との間に設けられた領域5A(酸室)、陰極13とこれに隣接するバイポーラ膜16との間に設けられた領域8C(中性室)、バイポーラ膜16Aとこれに隣接する陽極12との間に設けられた領域8B(中性室)に分割されている。
ここで、陽イオン交換膜14としては一価陽イオン選択透過膜を、陰イオン交換膜15としては一価陰イオン選択透過膜を用いることができる。一価陽イオン選択透過膜を用いた場合、ストロンチウム等の二価の放射性核種がRO循環処理工程3Aに送られる。このため、電気透析工程2Bによりナトリウムイオン等の濃度が高くなった濃縮中性溶液には、ストロンチウム等が含まれないことになる。この場合、濃度制御処理工程18において希釈のために混合する水の必要量が少なくて済むという効果がある。
領域6Aには、配管10A及びポンプ9Aを通じて放射性核種含有海水6が供給され、循環するようになっている。なお、供給される前の放射性核種含有海水6に酸を添加してもよいし、領域6Aに酸を添加してもよい。領域7Aには、配管10B及びポンプ9Bを通じてアルカリ性溶液7が供給され、循環するようになっている。領域5Aには、配管10及びポンプ9を通じて酸性溶液5が供給され、循環するようになっている。領域8Cには、配管10D及びポンプ9Dを通じて中性溶液8Aが供給され、循環するようになっている。領域8Bには、配管10C及びポンプ9Cを通じて中性溶液8が供給され、循環するようになっている。陽極12と陰極13との間には、電源11により定電流もしくは定電圧が印加されるようになっている。これにより、電気透析が可能となり、塩化ナトリウム等の分離・回収を行うことができる。
酸性溶液5としては、塩酸や硝酸、硫酸などの水溶液を、アルカリ性溶液7としては、水酸化ナトリウムなどの水溶液を、中性溶液8、8Aとしては、硫酸ナトリウムなどの水溶液を用いることができる。
陽極12及び陰極13に関しては、強酸及び強アルカリに耐性のある材料を用いる必要がある。例えば、ステンレス鋼やチタニウム、白金を蒸着した金属、白金の板状もしくは棒状のものが挙げられる。
陽イオン交換膜14及び陰イオン交換膜15に関しては、有機膜を用いることができる。実験においては、有機膜として(株)アストム製のネオセプタ(登録商標)を用いた。
上記の溶液、電極、イオン交換膜等を用いて電気透析を実施すると、容器17内においては、次のように元素(イオン)が移行する。なお、以下では、元素の移行例として、ナトリウムイオン、セシウムイオン、塩素イオン等を対象とする。
電源11により、陽極12と陰極13との間に電流もしくは電位を印加すると、領域6Aの放射性核種含有海水に含まれるナトリウムイオン、セシウムイオン等は、陽イオン交換膜14を透過し、領域7Aに移行する。一方、領域6Aの放射性核種含有海水に含まれる塩素イオン等は、陰イオン交換膜15を透過し、領域5Aに移行する。
循環していたアルカリ性溶液7は、放射性核種であるセシウムイオンが含まれているため、ステンレス鋼製の容器などに保管する。一方、循環していた酸性溶液5は、ステンレス鋼製の容器などに保管してもよいが、放射性核種を含まないアルカリ性溶液で中和し、所定の場所に散水してもよい。これにより、放射性廃棄物の低減が可能となる。
なお、上記の電気透析装置200は、バイポーラ膜16Aを有するため、陽極12への電流もしくは電位印加による領域5Aからの塩素ガスなどの発生を抑制することが可能である。ここで、バイポーラ膜は、陰イオン交換層と陽イオン交換層とを貼り合わせた構成を有するイオン交換膜である。実験においては、(株)アストム製のものを用いた。
また、符号16に配置する膜には、バイポーラ膜の代わりに、耐アルカリ性陽イオン交換膜を用いることが望ましい。
また、上記の説明においては、具体例として、アルカリ金属のナトリウムイオン及びセシウムイオンに関して述べたが、陽イオン交換膜14の特性を活用し、アルカリ土類金属などの二価陽イオンを分離・回収の対象としてもよい。
上述のとおり、図2においては、領域6Aには放射性核種含有海水6が、領域7Aにはアルカリ性溶液7が供給されるように構成されているが、領域6A、7Aは、沈殿物の発生を防止する観点から、pH7以下とすることが望ましい。この場合、領域7Aには、アルカリ性溶液7の代わりに、中性溶液又は酸性溶液を供給するようにする。ここで、pHは、水素イオン指数である。
領域6Aにおいて処理された放射性核種含有海水6は、図1の放射性核種除去工程3で処理される。
以下、領域6Aにおいて設定したpHにより、領域7Aにおいて沈殿物が発生するかどうかについて説明する。
表1は、領域6AにおけるpHに対する、領域7Aにおける沈殿物の発生の有無について、化学平衡計算により得た結果を示したものである。表中、〇印は沈殿物の発生がないことを、×印は沈殿物の発生があることを示している。それぞれ、炭酸塩及び硫酸塩について示している。また、「基準」とは、海水の塩分濃度相当の液の場合を表している。「2倍濃縮」とは、海水濃度を基準として2倍の濃度に濃縮した液の場合を表している。「3倍濃縮」とは、海水濃度を基準として3倍の濃度に濃縮した液の場合を表している。
Figure 0006752300
本表から、pH8の場合、「基準」であっても、炭酸塩の沈殿が発生すること、pH7の場合、炭酸塩の沈殿は、「基準」では発生せず「2倍濃縮」で発生すること、pH6の場合、「3倍濃縮」でも炭酸塩の沈殿が発生しないことがわかる。一方、硫酸塩の沈殿は、pH6〜8のいずれの場合も、「2倍濃縮」では発生せず、「3倍濃縮」で発生することがわかる。
以上より、図2の放射性核種含有海水6に酸を注入してpHを6まで低下させることにより、沈殿物を発生させることなく溶液を「2倍濃縮」とすることができ、放射性核種含有海水6の減容化が可能となる。なお、硫酸塩は、酸の注入によるpHの低下では抑制することはできない。このため、硫酸塩が生成しない濃度までの濃縮にとどめることが望ましい。
図3は、図2の電気透析装置200を用いて実験により沈殿物の発生の有無を確認した結果を示すグラフである。横軸には経過時間、縦軸には貯留されている放射性核種含有海水6に含まれるイオンのうち、液性をアルカリ性とした場合には通常の条件で炭酸塩、硫酸塩等の沈殿物となりうるものの全体量に対する、実際に沈殿物となったイオンの比率(沈殿物発生率)をとっている。
図3から、本実験においては、酸を注入しない場合、実験開始後24時間で沈殿物発生率が約90%に達していることがわかる。これに対して、酸を注入した場合、実験開始後24時間における沈殿物発生率はほぼ0%である。
このように、酸の注入により、実際に沈殿物の発生を抑制できることが確認されている。
本実施例によれば、沈殿物の発生による電気透析装置、RO処理装置及び吸着処理装置の目詰まりを抑制し、RO処理装置及び吸着処理装置の高性能化及び長寿命化を実現することができる。また、高濃度の塩化ナトリウム等を含む放射性廃液の処理が可能となり、固体廃棄物の減容化が可能となる。
なお、脱塩水は、ナトリウムイオン、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンを分離した水溶液であり、濃縮水は、ナトリウムイオン、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンが濃縮された水溶液である。
つぎに、吸着処理工程3Bに用いられるSr吸着材であるケイチタン酸塩の性能について説明する。
図4は、Sr吸着材の性能に対するナトリウム濃度の影響を示したものである。
図5は、Sr吸着材の性能に対するカルシウム濃度の影響を示したものである。
図6は、Sr吸着材の性能に対するマグネシウム濃度の影響を示したものである。
これらの図においては、横軸にそれぞれのイオンの濃度をとり、縦軸にSr出入口濃度比0.1以下で通水可能な日数をとっている。
図4〜6のいずれにおいても、横軸の濃度が高くなると、Sr吸着材の性能低下が速くなっている。
実機運転可能条件として通水可能な日数を14日とした場合、吸着処理工程3Bにおいて、ナトリウムイオンが25000ppm以下、カルシウムイオンが100ppm以下、マグネシウムイオンが200ppm以下となるようにする必要がある。そのためには、濃度制御処理工程18において上記濃度範囲となるように希釈する必要がある。このような条件を満たすように運転することにより、吸着処理工程3Bによる放射性核種の除去処理が可能となる。
本実施例によれば、放射性核種の除去性能を低下させる元素を制御することができ、RO処理装置の高性能化および長寿命化を実現することができる。また、高濃度のナトリウム、カルシウム及びマグネシウムを含む放射性核種含有海水の処理が可能となり、ランニングコストの低下および固体廃棄物の減容化が可能となる。
図7は、本実施例の処理プロセスの概要を示したものである。
本実施例において実施例1と異なる点は、図1のRO循環処理工程3Aの代わりに、吸着処理工程3Cを行う点である。吸着処理であるため、図1のように処理後に発生した液をRO循環処理工程3Aから放射性核種含有海水1に戻す工程は、必要ない。吸着処理工程3Cに用いられるSr吸着材としては、吸着処理工程3Bと同様に、ケイチタン酸塩を用いることができる。
なお、本実施例の場合、実施例1とは異なり、電気透析工程2Bにおいて一価陽イオン選択透過膜を用いる場合は、ストロンチウムイオン等の二価の陽イオンの処理に関して注意が必要である。
電気透析工程2Bにおいて一価陽イオン選択透過膜を用いると、電気透析工程2Bによりナトリウムイオン等の濃度が低くなった液に、ストロンチウムイオン等の二価の陽イオンが含まれることになり、吸着処理工程3Cにおいてストロンチウムイオン等の除去が不十分となるおそれがある。この場合は、吸着処理工程3Cにおいて用いるSr吸着材の充填量を増やし、ストロンチウムイオン等の除去を行う必要がある。これに伴い、吸着処理工程3Bにおいて用いるSr吸着材の充填量は、減らすことができる。吸着処理工程3Bにおいて処理するストロンチウムイオン等の量が減少するためである。
本実施例においては、通常の陽イオン交換膜を用いた場合は、実施例1と同様の濃度制御処理工程18及び吸着処理工程3Bによる処理で対応する。
本実施例の説明においては、実施例1と同様の部分に関する説明は省略する。
なお、吸着処理工程3Bを行う装置は「第一の吸着処理装置」と呼び、吸着処理工程3Cを行う装置は「第二の吸着処理装置」と呼ぶ。
1、6:放射性核種含有海水、2:前処理工程、2A:酸処理工程、2B:電気透析工程、3:放射性核種除去工程、3A:RO循環処理工程、3B:吸着処理工程、3C:吸着処理工程、4:保管もしくは散水、5:酸性溶液、5A、6A、7A、8B、8C:領域、7:アルカリ性溶液、8、8A:中性溶液、9、9A、9B、9C、9D:ポンプ、10、10A、10B、10C、10D:配管、11:電源、12:陽極、13:陰極、14:陽イオン交換膜、15:陰イオン交換膜、16、16A:バイポーラ膜、17:容器、18:濃度制御処理工程、200:電気透析装置。

Claims (8)

  1. 放射性核種を含む放射性廃液に含まれるナトリウムイオン、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンの濃度を低減する電気透析装置と、
    前記電気透析装置から得られる、前記濃度が低くなった希溶液から、前記希溶液に含まれる前記放射性核種を除去する放射性核種除去装置と、
    希釈装置と、を含み、
    前記電気透析装置による処理は、前記放射性廃液に酸を添加することによりpHを低下させた状態で行うように構成され、
    前記放射性核種除去装置は、RO処理装置及び吸着処理装置を含み、
    前記電気透析装置から得られる、前記濃度が高くなった濃溶液は、前記希釈装置にて水を混合して希釈され、前記放射性核種除去装置に送られ、
    前記希溶液は、前記RO処理装置に送られ、
    前記濃溶液は、前記希釈装置にて水を混合して希釈され、前記放射性核種除去装置の前記吸着処理装置に送られる、放射性廃液処理システム。
  2. 放射性核種を含む放射性廃液に含まれるナトリウムイオン、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンの濃度を低減する電気透析装置と、
    前記電気透析装置から得られる、前記濃度が低くなった希溶液から、前記希溶液に含まれる前記放射性核種を除去する放射性核種除去装置と、
    希釈装置と、を含み、
    前記電気透析装置による処理は、前記放射性廃液に酸を添加することによりpHを低下させた状態で行うように構成され、
    前記放射性核種除去装置は、第一の吸着処理装置及び第二の吸着処理装置を含み、
    前記電気透析装置から得られる、前記濃度が高くなった濃溶液は、前記希釈装置にて水を混合して希釈され、前記放射性核種除去装置に送られ、
    前記希溶液は、前記第二の吸着処理装置に送られ、
    前記濃溶液は、前記希釈装置にて水を混合して希釈され、前記放射性核種除去装置の前記第一の吸着処理装置に送られる、放射性廃液処理システム。
  3. 前記電気透析装置は、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜及びバイポーラ膜を有する、請求項1又は2に記載の放射性廃液処理システム。
  4. 前記電気透析装置は、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜及び耐アルカリ性陽イオン交換膜を有する、請求項1又は2に記載の放射性廃液処理システム。
  5. 前記陽イオン交換膜は、一価陽イオン選択透過膜であり、
    前記陰イオン交換膜は、一価陰イオン選択透過膜である、請求項又はに記載の放射性廃液処理システム。
  6. 前記電気透析装置は、前記放射性廃液から少なくともナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、ストロンチウムイオン、塩素イオン及びヨウ素イオンを分離するものであり、
    前記放射性核種除去装置は、前記電気透析装置の後段に接続されている、請求項記載の放射性廃液処理システム。
  7. 前記RO処理装置により前記放射性核種を濃縮した濃縮溶液は、前記放射性廃液に混合される、請求項記載の放射性廃液処理システム。
  8. 前記希釈装置にて水を混合して得られた希釈溶液に含まれるイオンは、ナトリウムイオンの濃度が25000ppm以下であり、カルシウムイオンの濃度が100ppm以下であり、前記マグネシウムイオンの濃度が200ppm以下である、請求項1又は2に記載の放射性廃液処理システム。
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