JP6752274B2 - 吸収分光測定用の光吸収測定装置およびこれを用いた吸収分光測定システム - Google Patents

吸収分光測定用の光吸収測定装置およびこれを用いた吸収分光測定システム Download PDF

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Description

本発明は、送受一体型ファイバプローブを用いた吸収分光測定用の光吸収測定装置および吸収分光測定システムに関するものである。
近年において、燃料電池を始めとして各種の分野で、微小空間内の物質の状態を高速、高精度で測定したいという要望が高まっている。
微小空間内のガス成分をプローブを用いて測定する手段として、従来からガスクロマトグラフィー法が広く使用されている。また、光学的な計測手法として、赤外吸収分光法(特許文献1〜3、5、6)やラマン散乱分光法(特許文献4、7)が知られている。
特開昭58−192529号公報 特開平10−074628号公報 特開2004−296233号公報 特開2004−309143号公報 特開2006−184180号公報 特開2006−337068号公報 特開2014−38069号公報
しかしながら、ガスクロマトグラフィー法によるガス分析の場合、プローブを用いて測定ガスをサンプリングした後、カラムにガスを取込み、熱伝導度検出器で定量分析を行う必要があるため、最短でも90秒〜2分程度の分析時間を要し、時間応答性には優れていないうえに、測定対象部位の状態に影響を及ぼし、測定精度も悪くなる。また、赤外吸収分光法により狭い領域内でレーザ分光測定を行う場合、レーザ光路中の光学素子等での光反射により干渉ノイズが著しく発生し、それが検出信号の不安定さ、ひいては測定精度の悪化の主たる原因となる。この場合、余分な光をカットするために光学的にアパーチャなどの光学絞りを入れることも考えられるが、このようにするとそもそも狭い領域への適用が困難となる。
本発明は、以上のような課題に着目してなされたものであって、光学的手法(レーザ吸収分光法)に基づいて、微小空間内における物質の状態を高速・高精度でモニタリングできる吸収分光測定用の光吸収測定装置、およびこれを用いた吸収分光測定システムを実現することを目的としている。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明に係る吸収分光測定用の光吸収測定装置は、投光用ファイバと受光用ファイバからなる送受一体型ファイバプローブと、この送受一体型ファイバプローブを通じ、前記投光用ファイバから光を照射し、前記照射した光が互いに異なる経路をたどることで位相異なるものとなっている複数の反射光を受光して電気的な検出信号に変換する受発光機構と、前記検出信号を抽出対象信号として特定波長の光吸収に対応する信号を抽出する吸収波形抽出部と、前記吸収波形抽出部の前段又は後段に配置されて前記抽出対象信号同士又は前記抽出信号同士を合波する合成部とを備え、前記合波する信号のゲインを個別に調整可能な位置にゲイン調整部を設けていることを特徴とする。
このように構成すると、送受一体型ファイバプローブの採用により狭い空間へ適用してリアルタイムの測定が可能となり、また狭い空間へ適用することにより干渉ノイズが発生しても、複数の抽出対象信号又は抽出信号を合成する合成部を設けたことにより干渉ノイズを効果的に低減することが可能となる。
また、上記の構成によると、前記合波する信号のゲインを個別に調整可能な位置にゲイン調整部を設けているので、ノイズ低減効果を高めることが可能となる。
プローブ先端から反射面までにある程度の光路長がある場合には、前記プローブの先端に、前記投光用ファイバから照射される光を平行にする光学レンズを設けていることが望ましい。
適切な反射が期待できない場所に適用する場合には、前記プローブを、前記投光用ファイバの先端から照射光に沿った方向へ隔てた位置に反射面を有する反射面一体構造とし、前記先端から前記反射面までの空間を測定対象物を導入する測定空間としていることが効果的である。
好ましい実施の一態様としては、前記送受一体型ファイバプローブが同軸多分岐構造をなし、前記受発光機構が、前記ファイバプローブのうち投光用となる一つのファイバに半導体レーザ発生器を接続し、受光用となる他の複数のファイバにそれぞれ光電変換機能を備えた検出器を接続して構成されるものが挙げられる。
この場合、信号抽出部の負荷軽減を図るためには、前記合成部を、各々の検出器と共通の吸収波形抽出部の間に配置していることが望ましい。
以上のような分光測定装置を用いて、抽出した光吸収に対応する信号を演算処理装置に入力し、演算部で赤外線吸収分光法に基づいて光路中の測定対象物質の状態を算出する構成により、高精度、高分解能の吸収分光測定システムを実現することができる。
本発明によれば、送受一体型ファイバ、受発光機構及び吸収波形抽出部を用いた分光法による時間分解能および検出感度の改善と、合成部による干渉ノイズのキャンセリング作用により、狭い空間内(例えば、土壌環境、電池・半導体デバイス、血管内部など)の微量物質成分でも高速かつ高精度な定量分析を行うことが可能な、新規有用な吸収分光測定用の光吸収測定装置、およびこれを用いた吸収分光測定システムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る光吸収測定装置を含んだ吸収分光測定システムを示すシステム構成図。 同光吸収測定装置の構成図。 図1のD部拡大図。 同実施形態の測定対象となる燃料電池の要部説明図。 同実施形態において干渉ノイズがキャンセルされるプロセスを説明する説明図。 本発明に係る光吸収測定装置の他の構成例を示す図2に対応した図。 本発明に係る光吸収測定装置に使用するプローブの変形例を示す図。 本発明に係る光吸収測定装置に使用するプローブの他の変形例を示す図。 本発明に係る光吸収測定装置を構成する送受信部の変形例を示す図。 本発明に係る光吸収測定装置を構成する送受信部の他の変形例を示す図。 本発明に係る光吸収測定装置に使用するプローブの上記以外の変形例を示す図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示す吸収分光測定システムAは、光吸収測定装置Bと、この光吸収測定装置Bで抽出した光吸収の濃度に対応する光吸収信号を入力して測定対象物TGの濃度測定を行う演算処理装置PCとから構成される。
光吸収測定装置Bは、図1及び図2に示すように、送受一体型ファイバプローブ1と、この送受一体型ファイバプローブ1を通じ、プローブ先端1xから光を照射し、前記照射光が前記測定対象物TGを通過し反射、散乱して戻ってきた位相の異なる複数の光を受光して電気的な検出信号に変換する受発光機構2と、前記検出信号から測定対象波長の信号を抽出する信号処理を行なう吸収波形抽出部としてのロックインアンプ3とを少なくとも備えている。
送受一体型ファイバプローブ1は、1つの投光(照射光)用ファイバ11の周囲に同径の複数(この実施形態では6つ)の受光用ファイバ12を配置した細密構造のプローブ本体1a(ここでは直径1.5mm)と、このプローブ本体1aから投光用ファイバ11と受光用ファイバ12を分岐させる分岐部1bとを備えた同軸多分岐構造からなる。この実施形態では、投光用ファイバ11にシングルモードファイバを用い、受光用ファイバ12にマルチモードファイバを用いているが、組み合わせはこれに限定されない。また、プローブ本体には必要に応じてより細径なもの又はより太径なものを用いることができる。
受発光機構2は、投光用ファイバ11に接続される半導体レーザ発生器21と、各受光用ファイバ12のそれぞれに接続される複数(この実施形態では6つ)の検出器22a〜22fとから構成される。半導体レーザ発生器21は、発振器である関数発生器21aから例えば三角波を入力し、さらに注入電流を所定周波数に変調させることによって、特定波長(例えば1.39μm)付近で波長の掃引と変調を行い、測定用の光を出力する。関数発生器21aからの入力は正弦波やランプ波(のこぎり波)等であっても構わない。検出器22a〜22fはフォトダイオードを備え、受光した光を光電変換して電気信号である受信信号Sa〜Sfを生成する。検出器22a〜22fにはそれぞれ受信信号Sa〜Sfのゲインを調整するゲイン調整部23a〜23fが接続されている。
ロックインアンプ3は、帯域フィルタと吸収波形抽出の機能を有し、前記検出器22a〜22fからゲイン調整部23a〜23fを介して受信信号Sa〜Sfが入力されると、抽出対象信号すなわち受信信号Sa〜Sfに参照信号SRefを掛け合わせて変調することで、その参照信号SRefと同期した吸収波長波形(2f信号)をSa´〜Sf´として取り出す。このロックインアンプの機能自体は周知のものであるため詳細な説明を省略する。この実施形態における参照信号SRefは前記半導体レーザ発生器21で用いられる変調周波数である。
演算処理装置PCは、ロックインアンプ3から出力される抽出信号Sa´〜Sf´を入力して所定の演算処理を行なう。演算処理には、複数の検出器22a〜22fからゲイン調整部23a〜23f及びロックインアンプ3を経て生成される抽出信号Sa´〜Sf´同士を電気的に重畳させる合成部4と、重畳後の信号Stに基づいて測定対象物TGの解析に必要な演算処理を行なう測定部5とがメモリに格納したソフトウェアによって実現されている。合成部4は本発明の光吸収測定装置Bを構成するものであり、この合成部4が抽出信号Sa´〜Sf´を相互に重畳させる際の作用は図5に基づいて後述するが、測定対象となる吸収光に対応する信号R同士は足し合わされ、測定対象となる吸収光に対して位相の異なる干渉波w1〜w6同士は減衰される。そして、合波後の信号Stが演算部5に入力される。
演算部5は、物質が分子種に特有の波長の赤外線を吸収する性質を有し、特定波長、強度の入射レーザ光がある光路長の一様な物質媒体を通過するときに透過光強度がLambert-Beerの法則に従うことを利用して、受信信号から物質成分を算出するプログラムを実行することにより測定を行う。
なお、前記演算処理装置PCは、各検出器22a〜22fごとの受信信号の波形や合波後の信号波形、演算結果等をモニタm上に表示させ、或いは図示しないプリンタに出力する機能を備える。
図1及び図3は、狭小な空間におけるガス検出を行う場合の測定例として、燃料電池6のうちの測定空間Sとなる微小流路61内のガス濃度測定を行う場合を併記している。勿論、この吸収分光測定システムAの用途は、燃料電池に限られるものではなく、また測定対象物TGはガスに限定されるものでもない。燃料電池6は、白金触媒を担持したガス拡散電極62aおよび高分子電解質膜62bから成る膜電極接合体(MEA)62の両側、より具体的には図4に示すカソード側のガス拡散電極62a1及びアノード側のガス拡散電極62a2の両側をセパレータ65、66で挟んで構成される。供給ガスは水素および空気(または酸素)とし、ガス拡散電極62a2、62a1の両側の各セパレータ65、66の内部にそれぞれ供給される。セパレータ65、66内に供給された水素および空気(または酸素)はガス拡散電極62a(アノード側62a2、カソード側62a1)へ送り込まれる。カソード側ガス流路61にはレーザ光を照射させるため,カソード側のセパレータ65の測定が必要な複数個所にプローブ挿通孔65aが設けてあり、プローブ先端1xがガス流路61内に差し込まれる。勿論、必要であれば、アノード側のセパレータ66にも測定が必要な箇所にもプローブ挿通孔を設けて、アノード側ガス流路内のガス測定ができるようにする。図4において、符号m、nで示す箇所はそれぞれ触媒層、ガス拡散層である。
この測定例における測定対象物TGは酸素と水蒸気であり、測定量はガス濃度である。測定にあたり、半導体レーザ発生器21から投光用ファイバ11を経由してプローブ先端1xよりレーザ光Lを照射させ、測定箇所であるガス流路61の壁面Zで乱反射した光の一部を受光用ファイバ12で受光し、その後、受光した光を検出器22で電流値に変換してロックインアンプ3に入力し、信号処理を行なうことで、光の吸収度を算出し、測定箇所における酸素や水蒸気の濃度を定量的に測定する。
この例に見られるように、狭い空間での測定は、ガス流路61内におけるプローブ先端1xから反射面Z(図3参照)までの光路長が短く受光面積も小さいため、抽出対象となる周波数の近くに干渉によるノイズ波形が出てくる。これを光学系や機械系で取り除こうとするとプローブや周辺機材が大きくなるジレンマがある。
これに対して、この実施形態では前記合成部4で電気信号同士を電気的に重畳させているため、干渉ノイズが簡単に、しかも効果的にキャンセルされる。すなわち、この装置では先ず、検出器22a〜22fで検出された抽出対象信号Sa〜S6がロックインアンプ3で吸収波形信号Sa´〜Sf´として取り出される。この吸収波形信号Sa´〜Sf´は、図5(a)に示すように測定対象となる吸収線R(吸収スペクトル)の近くに干渉ノイズw1〜w6を含み、吸収線Rがノイズw1〜w6に埋もれている。原理的にはロックインアンプ3で測定対象となる吸収光に対応する信号のみを取り出せるはずであるが、実際には吸収線に混入している干渉ノイズは吸収波長に一致若しくはそれに近く、反射面の凹凸等に起因して位相が少しずつずれているために、ロックインアンプ3で処理した後にも完全には除去されない。しかしながら、次の合成部4でこれを電気的に重ね合わせた際に、図5(b)に示すように位相の異なる干渉波同士が混合して相殺し合い(Σw)、その結果、測定対象となる吸収線R´の吸収スペクトルが明瞭な波となって残る。R´としているのは吸収線Rのゲインがn倍(この実施形態では6倍)になっているためである。分光演算部5はこのようなS/N比が改善した光吸収R´の吸収スペクトルRに基づいて測定を行うので、精度の高い測定結果を得ることができる。
特に合成部4では、単純に重ね合わせても1/n(この実施形態では1/6)程度にS/N比を改善することが期待できるが、この実施形態では前記ロックインアンプ3の前段にゲイン調整部23a〜23fを設けて配合比を調整できるようにしており、演算処理装置PCの画面m上で合波後の波形を確認しながら、干渉ノイズが最小となるような調整が可能となっている。勿論、周知のランダムウォーク等の自動チューニング機能を有するソフトを搭載することによって、ノイズキャンセルの自動化、短時間化を図ることも有効である。
なお、この実施形態では、ロックインアンプ3が内部に複数のロックインアンプ回路を設けるか、若しくは複数のロックインアンプを併設する必要がある。そこで、図6に示すように、ロックインアンプ3の前段において、検出器22a〜22fで受光される受信信号をゲイン調整部23a〜23fを経て先にオペアンプ等により構成される合成部104で合波し、合波後の信号をロックインアンプ3に入力する構成を採用することも有効である。同図において図2と対応する部分には同一符号を付して説明を省略している。
これにより、ロックインアンプ3が1つで済むため、前記実施形態のように各検出器22a〜22fごとの受信信号の波形を見ることはできないとしても、装置の簡易化と演算処理装置の負荷軽減を図ることができる。
この測定例において、送受一体型ファイバプローブ1を2以上を使用して複数のプローブ挿通孔65aに挿入することで、複数個所での対象物質の状態を同時に測定することが可能である。
以上のように、本実施形態は、レーザを用いた変調分光法により測定時間分解能および検出感度(S/N比)を大幅に改善し、また、送受一体型光ファイバプローブ1の採用により微小領域内の物質成分の局所測定を可能にする。さらに、光学系や機械系では除去することが難しい光学的干渉ノイズを、電気的な処理を通じて効果的に除去し、出力信号のS/N比を高める効果を奏する。
なお、前記実施形態の図2においては、受光用ファイバのそれぞれの出力をロックインアンプ3に通し必要な周波数成分を取り出した後に、演算処理装置PCの合成部4に入力しているが、演算処理装置PCに合成部4を設ける代わりに、ロックインアンプ3と演算処理装置PCの間にロックインアンプ3の出力信号を合成する合成部を設けた場合には、ロックインアンプ3の数は減らせないまでも、複数の検出器間のレベル合せや、フリンジノイズ最小化の為のソフト処理も行い易くなる。
また、吸収分光測定法では、計測したい物質の濃度や成分で光路長を変える必要がある。例えば、吸収の弱い物質を測ろうとすると長い光路長が必要になる。このような場合には、図7に示すように、プローブ本体1aの先端1xに投光用ファイバ11から照射される光を平行にする光学レンズ13を設けてもよい。これにより光の拡散を防止すれば、光路長が長くなっても受光強度が高いままであり、高いS/N比の実現が可能である。この種の光学レンズ13の一例としては、いわゆるグレーデッドインデックス(GRIN)レンズ(GRIN LENS)と称されるものが挙げられる。このような対策は、壁面Zまでの光路長(片道)がcmオーダーになったときに有効性が大きくなり、発明者の実験では片道30cm程度のときに有効な効果を確認している。
さらに、測定空間Sにおいて照射光に対する適切な反射光が少なく、期待する受光が困難な場合や、測定空間が広すぎて受光が期待できない場合には、図8に示すようにプローブ本体1aの先端1xから照射方向へ所定距離隔てた位置に反射面14aが位置するように資料採取用キャップ14を取り付けて反射面一体構造とし、資料採取用キャップ14の一部に窓14bを設けて、先端1xから反射面14aまでの空間に測定対象物TGを導入して測定空間Sとすることも有効である。このような構成においては、反射面14aの自由な設計が可能となるため、受光用ファイバ12が適切な位相差をもった反射光を受光するための最適設計を追求することもできる。この時には、測定空間に大きな影響を与えないように資料採取用キャップ14を設計すること、また、測定対象物TGを容易に導入できる適切な窓14bの設計が重要である。
また、図9に示すように、受信信号の合波によるS/N比の向上を図るためにプローブ1の一部(例えばプローブ本体1a)に加振手段7を設けてもよい。加振手段7によって受発光の角度を変えれば、位相の異なる複数の受光を得ることができるので、例え、投光用ファイバ11や受信用ファイバ12が1つであっても、検出器122の先に積分回路等の合成部102を設けて受信信号を合波すれば、上記実施形態に準じた作用効果が奏される。投光用ファイバ11や受信用ファイバ12が複数の時は上記の効果は更に大きくなる。
同様の趣旨で、図10に示すように投光用ファイバ11を複数本にすれば、投光用ファイバ11のそれぞれの照射光による受光用ファイバ12の出力ノイズの出方が変わるので、受光用ファイバ12が1つであっても、検出器122で受光して積分器等の合成部204で合成すれば、上記実施形態に準じた作用効果が奏される。この場合、光源は投光用ファイバ11のそれぞれに対応して複数を準備してもよいが、図示のように単一光源から分岐させて投光用ファイバ11のそれぞれに入光して使用することも有効であり、投光用ファイバ11の途中に減衰器8を介在させて光強度のゲインを変えることも有効である。
その他、反射面をモーターなどのアクチュエータで回転させたり、投受光の光路の一部にシャッタを設けても、位相の異なる複数の光を受光する受発光機構を実現することができる。
さらに、上記実施形態では細密構造の送受一体型ファイバプローブを採用することで複数の受光用ファイバ12の全てを使用しているが、図11(a)に示すように、このうちの一部(例えば符号12で示す3つ)を受光用ファイバとして使用し、残りの一部(例えば符号12´で示す3つ)をダミー若しくは他の目的で使用してもよい。また、複数の受光用ファイバのうちの1又は2以上を適宜使用することもできる。或いは、上記実施形態では中心部を投光用ファイバ11として使用しているが、図11(b)のように投光用ファイバ11が中心である必要はなく、投光用ファイバ11も前述したように1つである必要はない。両ファイバ11、12の配置もランダムに設定することができる。反射面が均一である場合があることを想定すれば、図8の構成において反射光が同一位相で帰って来ないように投光用ファイバや受光用ファイバの位置関係を設定することも好適である。つまり、測定システムにおいてS/Nができるだけ高くなるように投光用ファイバや受光用ファイバの位置関係を設定すれば良い。送受一体型プローブを構成するファイバの数も上記に限定されず、細密構造も必須ではない。ファイバのコーティング材やこれを収容している保護管の材質次第では、耐熱性を有効に高めることができる。
さらに、上記実施形態では吸収波形抽出部であるロックインアンプを変調波でロックインするように構成したが、位相でロックインするように構成することもできる。半導体レーザ発生器に関しても、上記実施形態では単一のものを用いているが、複数の半導体レーザ発生器を用い、色々な波長の異なるレーザ光を同時に局所に導入して、複数の物質ならびに温度を解析するように構成することも可能である。
さらにまた、測定対象物質は、光を照射して測定対象物質中を透過して反射して受光用ファイバに帰ってくるものであれば固体、液体、気体のいずれであっても良い。
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、燃料電池への適用を中心に説明したが、以下の用途に適用して極めて有用なものとなる。
(i)土壌環境中の成分測定(農業分野、土砂災害検知)
(ii)開発段階や量産プロセスでの装置・機器内の局所測定(電池・半導体等の生産プロセス装置内の局所成分測定、マイクロリアクター内での化学反応モニタリング、配管中や実験装置内での反応モニタや水分観察、温度計測)
(iii)医療計測・診断(カテーテルでの血中ガス診断への利用、術中における体内臓器内のその場での液体・ガス成分分析、敗血症・菌血症の迅速診断、血液培養における微生物のCO2産生量モニタリング)
1…送受一体型ファイバプローブ
1x…プローブ先端
3…吸収波形抽出部(ロックインアンプ)
4、104、204…合成部
5…演算部
11…投光用ファイバ
12…受光用ファイバ
13…光学レンズ
14a…反射面
21…半導体レーザ発生器(単一又は複数波長)
22a〜22f…検出器
23a〜23f…ゲイン調整部
A…吸収分光測定システム
B…光吸収測定装置
PC…演算処理装置
S…測定空間
Sa〜Sf…検出信号(抽出対象信号)
Sa´〜Sf´…ロックインアンプ3から出力される抽出信号
TG…測定対象物
R…吸収線に対応する信号

Claims (6)

  1. 投光用ファイバと受光用ファイバから成る送受一体型ファイバプローブと、
    前記送受一体型ファイバプローブを通じ、前記投光用ファイバから光を照射し、前記照射した光が互いに異なる経路をたどることで位相異なるものとなっている複数の反射光を前記受光用ファイバで受光して電気的な検出信号に変換する受発光機構と、
    前記検出信号を抽出対象信号として特定波長の光吸収に対応する信号を抽出する吸収波形抽出部と、
    前記吸収波形抽出部の前段又は後段に配置されて前記抽出対象信号同士又は前記抽出信号同士を合波する合成部とを備え
    前記合波する信号のゲインを個別に調整可能な位置にゲイン調整部を設けていることを特徴とする吸収分光測定用の光吸収測定装置。
  2. 前記プローブの先端に、前記投光用ファイバから照射される光を平行にする光学レンズを設けている請求項1に記載の吸収分光測定用の光吸収測定装置。
  3. 前記プローブを、前記投光用ファイバの先端から照射光に沿った方向へ隔てた位置に反射面を有する反射面一体構造とし、前記先端から前記反射面までの空間を測定対象物を導入する測定空間としている請求項1又は2に記載の吸収分光測定用の光吸収測定装置。
  4. 前記送受一体型ファイバプローブが同軸多分岐構造をなし、前記受発光機構が、前記ファイバプローブのうち投光用となる一つのファイバに半導体レーザ発生器を接続し、受光用となる他の複数のファイバにそれぞれ光電変換機能を備えた検出器を接続して構成される請求項1〜3の何れかに記載の吸収分光測定用の光吸収測定装置。
  5. 前記合成部を、各々の検出器と共通の吸収波形抽出部の間に配置している請求項4に記載の吸収分光測定用の光吸収測定装置。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の吸収分光測定用の光吸収測定装置を用いて抽出した光吸収に対応する信号を演算処理装置に入力し、演算部で赤外線吸収分光法に基づいて光路中の測定対象物質の状態を算出することを特徴とする吸収分光測定システム。
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