JP6749745B2 - アマドリアーゼ含有組成物の安定化方法、熱安定性が向上したアマドリアーゼ含有組成物及びこれを用いた糖化ヘモグロビン測定用組成物 - Google Patents
アマドリアーゼ含有組成物の安定化方法、熱安定性が向上したアマドリアーゼ含有組成物及びこれを用いた糖化ヘモグロビン測定用組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6749745B2 JP6749745B2 JP2015038640A JP2015038640A JP6749745B2 JP 6749745 B2 JP6749745 B2 JP 6749745B2 JP 2015038640 A JP2015038640 A JP 2015038640A JP 2015038640 A JP2015038640 A JP 2015038640A JP 6749745 B2 JP6749745 B2 JP 6749745B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- amadoriase
- thermal stability
- seq
- amino acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Description
[1] 配列番号1に示すアミノ酸配列と80%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号1における312位のアミノ酸に対応する位置のアミノ酸がヒスチジンであるアマドリアーゼを含む組成物に2mM以上のアニオンを共存させる工程を含むことを特徴とする、アマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる方法。
[2] 配列番号30に示すアミノ酸配列と80%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号30における310位のアミノ酸に対応する位置のアミノ酸がヒスチジンであるアマドリアーゼを含む組成物に2mM以上のアニオンを共存させる工程を含むことを特徴とする、アマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる方法。
[3] アマドリアーゼが糖化ジペプチドに作用するアマドリアーゼである[1]または[2]記載のアマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる方法。
[4] アニオンが1種類以上のジカルボン酸、トリカルボン酸、ポリカルボン酸、リン酸もしくはリン酸エステルまたはこれらの塩を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載のアマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる方法。
[5] ジカルボン酸がリンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、スクシン酸、コハク酸、グルタル酸、α−ケトグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グルタコン酸、酒石酸、タルトロン酸、オキサロ酢酸、マレイン酸、ムコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、メコン酸、3−3’ジメチルグルタル酸、イタコン酸、グルタミン酸、及びアスパラギン酸からなる群より選択され、
トリカルボン酸がクエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、トリメシン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸からなる群より選択され、
ポリカルボン酸がポリグルタミン酸からなる群より選択され、
リン酸がリン酸塩及びピロリン酸塩からなる群より選択され、リン酸エステルがホスホグリセリン酸及びホスホエノールピルビン酸からなる群より選択される、[4]に記載のアマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる方法。
[6] 前記アマドリアーゼを含む組成物が、アセトアミドグリシン、ACES(N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸)、ADA(N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸)、BES(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸)、Bicin(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン)、Bis−Tris(ビス(2-ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン)、コラミン塩酸、EPPS(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンプロパンスルホン酸)、グリシンアミド、HEPES(4-2-ヒドロキシエチル-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、HEPPSO(N-(ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)、MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、MOPSO(2-ヒドロキシ-3-モルホリノプロパンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン-N,N'-ビス(2-エタンスルホン酸))、POPSO(ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸))、TAPS(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸)、TAPSO(3-[N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、TES(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸)、トリシン(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン)、AMPSO(N-(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-3-アミノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、CABS(4-(シクロヘキシルアミノ)-1-ブタンスルホン酸)、CAPS(N-シクロヘキシル-3-アミノプロパンスルホン酸)、CHES(N-シクロヘキシル-2-アミノエタンスルホン酸)、CAPSO(N-シクロヘキシル-2-ヒドロキシル-3-アミノプロパンスルホン酸)、DIPSO(3-(N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]アミノ)-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)及びこれらの混合物からなる群より選択されるグッド緩衝剤を含むものである、[1]〜[5]のいずれかに記載のアマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる方法。
[7] 緩衝剤の濃度が20mM以上である、[6]に記載のアマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる方法。
[8] 配列番号1に示すアミノ酸配列と80%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号1における312位のアミノ酸に対応する位置のアミノ酸がヒスチジンであるアマドリアーゼおよび2mM以上のアニオンを含む、熱安定性が向上したアマドリアーゼ含有組成物。
[9] 配列番号30に示すアミノ酸配列と80%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号30における310位のアミノ酸に対応する位置のアミノ酸がヒスチジンであるアマドリアーゼおよび2mM以上のアニオンを含む、熱安定性が向上したアマドリアーゼ含有組成物。
[10] アニオンが1種類以上のジカルボン酸、トリカルボン酸、ポリカルボン酸、リン酸もしくはリン酸エステルまたはこれらの塩を含有する、[8]または[9]に記載のアマドリアーゼ含有組成物。
[11] ジカルボン酸がリンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、スクシン酸、コハク酸、グルタル酸、α−ケトグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グルタコン酸、酒石酸、タルトロン酸、オキサロ酢酸、マレイン酸、ムコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、メコン酸、3−3’ジメチルグルタル酸、イタコン酸、グルタミン酸、及びアスパラギン酸からなる群より選択され、
トリカルボン酸がクエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、トリメシン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸からなる群より選択され、
ポリカルボン酸がポリグルタミン酸からなる群より選択され、
リン酸がリン酸塩及びピロリン酸塩からなる群より選択され、リン酸エステルがホスホグリセリン酸及びホスホエノールピルビン酸からなる群より選択される、[10]記載のアマドリアーゼ含有組成物。
[12] アセトアミドグリシン、ACES(N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸)、ADA(N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸)、BES(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸)、Bicin(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン)、Bis−Tris(ビス(2-ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン)、コラミン塩酸、EPPS(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンプロパンスルホン酸)、グリシンアミド、HEPES(4-2-ヒドロキシエチル-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、HEPPSO(N-(ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)、MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、MOPSO(2-ヒドロキシ-3-モルホリノプロパンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン-N,N'-ビス(2-エタンスルホン酸))、POPSO(ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸))、TAPS(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸)、TAPSO(3-[N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、TES(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸)、トリシン(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン)、AMPSO(N-(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-3-アミノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、CABS(4-(シクロヘキシルアミノ)-1-ブタンスルホン酸)、CAPS(N-シクロヘキシル-3-アミノプロパンスルホン酸)、CHES(N-シクロヘキシル-2-アミノエタンスルホン酸)、CAPSO(N-シクロヘキシル-2-ヒドロキシル-3-アミノプロパンスルホン酸)、DIPSO(3-(N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]アミノ)-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)及びこれらの混合物からなる群より選択されるグッド緩衝剤を含む、[8]〜[11]のいずれかに記載のアマドリアーゼ含有組成物。
[13] 緩衝剤の濃度が20mM以上である[12]に記載のアマドリアーゼ含有組成物。
[14] [8]〜[13]のいずれかに記載のアマドリアーゼ組成物を用いる糖化ヘモグロビンの測定方法。
[15] [8]〜[13]のいずれかに記載のアマドリアーゼ組成物を含む糖化ヘモグロビン測定用組成物。
本発明のアマドリアーゼ含有組成物は、常温流通や長距離輸送等、酵素が処方されたキットがより過酷な温度条件にさらされることを想定した場合、あるいは、製造工程において加熱処理等を施すことが想定される酵素センサーとしての用途等を考えた場合等において、これまでに提案されたアマドリアーゼ含有組成物よりも、さらに優れた耐熱性、保存性を有することが期待され、糖化ヘモグロビン測定用組成物およびキットの流通において、また、センサー等の用途開発において、多大に貢献することが期待される。
(アマドリアーゼ)
アマドリアーゼは、ケトアミンオキシダーゼ、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ、フルクトシルペプチドオキシダーゼ、フルクトシルアミンオキシダーゼ等とも称され、酸素の存在下で、イミノ2酢酸またはその誘導体(アマドリ化合物)を酸化して、グリオキシル酸またはα−ケトアルデヒド、アミノ酸またはペプチドおよび過酸化水素を生成する反応を触媒する酵素のことをいう。アマドリアーゼは、自然界に広く分布しており、微生物や、動物または植物起源の酵素を探索することにより、得ることができる。微生物においては、例えば、糸状菌、酵母または細菌等から得ることができる。
アミノ酸配列の同一性は、GENETYX Ver.11(ゼネティックス社製)のマキシマムマッチングやサーチホモロジー等のプログラムまたはDNASIS Pro(日立ソフト社製)のマキシマムマッチングやマルチプルアライメント等のプログラムにより計算することができる。
「アミノ酸に対応する位置」とは、配列番号1または配列番号30に示すアマドリアーゼのアミノ酸配列の特定の位置のアミノ酸に対応する他の生物種由来のアマドリアーゼのアミノ酸配列における位置をいう。
本発明において、「配列番号1における312位のヒスチジン、または配列番号30における310位のヒスチジンに対応する位置」とは、確定したアマドリアーゼのアミノ酸配列を、配列番号1または配列番号30に示されるアマドリアーゼのアミノ酸配列と比較した場合に、配列番号1のアマドリアーゼの312位のヒスチジン、または配列番号30のアマドリアーゼの310位のヒスチジンに対応するアミノ酸を意味するものである。これにより、上記の「対応する位置のアミノ酸残基」を特定する方法でアミノ酸配列を整列させた図1により特定することができる。
本発明は、上述の任意のアマドリアーゼに対し、任意の添加成分を共存させることにより、アマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上できることを特徴とする。これまでに、アマドリアーゼ自体を改変して熱安定性を向上させる試みや、あるいは、天然型の状態で比較的熱安定性が高いアマドリアーゼを探索する試みが多く行われてきた一方で、各種アマドリアーゼに対して効果的な熱安定性向上剤や、組成物として熱安定性が向上しているアマドリアーゼ含有組成物の知見は乏しかった。本発明は、特定の1変異体に限定的な知見ではなく、ある特定のアミノ酸残基に着目して、一定の同一性を有する複数のアマドリアーゼに共通の効果を奏する熱安定性向上成分として、アニオンが有効であることを見出した。
上記のアニオンを、単独で、あるいは複数組み合わせて、本発明に使用することができる。これらのアニオンを共存させることにより、特定モチーフを有する各種アマドリアーゼの熱安定性を向上させることができる。本発明におけるアニオンとしては、本発明のアマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させるものであれば特に制限は無く、例えば、カルボキシル基含有化合物、ハロゲン化合物、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、タンパク質、ペプチド、アミノ酸などが挙げられる。カルボキシル基含有化合物としては、ジカルボン酸、トリカルボン酸、ポリカルボン酸化合物などが挙げられる。特に、本発明に用いる好ましいアニオンは、1種類以上のジカルボン酸、トリカルボン酸もしくはリン酸またはこれらの塩である。
上述のアニオンを各種任意のアマドリアーゼと共存させることにより、熱安定性が向上したアマドリアーゼ含有組成物及が得られる。
本発明において、アニオンとアマドリアーゼを共存させる方法は、限定されるものではないが、例えば、溶液中で両成分を混合する方法が挙げられる。
本発明のアマドリアーゼ及びアニオンを含むアマドリアーゼ含有組成物には、本発明の効果を妨げない限り、その他の各種目的で混合される任意の成分が添加されていてもよい。例えば、pH調整剤(緩衝剤)、界面活性剤による影響を低減する化合物等が挙げられる。
上述のアマドリアーゼ含有組成物に、その他の糖化ヘモグロビン測定試薬、糖化ヘモグロビン測定用キットに必要とされる各種成分をさらに組み合わせて、糖化ヘモグロビン測定用組成物を得ることができる。
例えば、本発明のアマドリアーゼ含有組成物に対し、αFVH測定用試薬、αFVHを切り出すためのプロテアーゼまたはペプチダーゼ、その他公知の安定化物質や緩衝溶液を組み合わせて、糖化ヘモグロビン測定用組成物を製造できる。
本発明において、アニオンを共存させることによるアマドリアーゼの熱安定性の向上とは、アニオンを共存させないものと比較した場合に、例えば、55℃、10分間の熱処理後の熱安定性が向上していることをいう。具体的には、アニオンを共存させないものと比較して、本明細書中に記載の活性測定方法および熱安定性評価方法に記載した反応条件下で、所定の熱処理、例えば、「55℃、10分間」等の熱処理後の残存活性(%)が、本発明の変異を導入する前と比較して3%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上、最も好ましくは40%以上向上していることを特徴とする。
アマドリアーゼの活性測定および残存活性測定方法については後述する。
本発明における、アマドリアーゼ含有組成物中のアマドリアーゼの濃度は限定されるものではないが、例えば、保存中あるいは糖化ヘモグロビン測定時における終濃度として、アニオン10mM当たり0.01μg/ml〜1000μg/ml、好ましくは0.1μg/ml〜500μg/ml、より好ましくは0.5μg/ml〜200μg/mlである。
ここで、測定時における終濃度、とは最終的に成分を希釈して糖化ヘモグロビン測定を行うときの濃度をいう。したがってキット中では、測定時における終濃度よりも高濃度のストック溶液を用いてもよい。
本発明のキット又は組成物には、アマドリアーゼの活性が失活しない範囲であるpH5.0〜pH10.0、好ましくはpH6.0〜pH8.0の範囲で緩衝能を有する緩衝剤又は緩衝液を適宜加えてよい。本明細書において緩衝剤というとき、特に断らない限り、この用語は1以上の緩衝剤を包含するものとする。緩衝液とは溶液のpHを一定範囲に保つ緩衝作用(緩衝能)のある溶液のことをいい、緩衝剤とは溶液に緩衝作用を付与する物質をいう。緩衝剤は、弱酸を例にとると、弱酸とその塩から構成され、この場合、当該塩を共役塩と呼ぶ。ある緩衝剤についての濃度は、当該緩衝剤のベースとなる化合物の単独形態とその共役塩の形態とを合計したベース化合物についての濃度をいう。例えば100mMのグッド緩衝剤というとき、これは終濃度として溶液に含まれるグッド緩衝剤化合物及びその共役塩を合計したグッド緩衝剤化合物濃度が100mMであることをいう。
塩としてはベース化合物のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩及びアンモニウム塩が挙げられるがこれに限らない。
なお、組成物に用いる緩衝剤の量は、組成物にアマドリアーゼの熱安定性を向上させる安定化剤も添加する場合、当該安定化剤の量に応じて変化させてもよい。
本発明におけるアマドリアーゼの酵素活性の測定方法としては、酵素の反応により生成する過酸化水素量を測定する方法や酵素反応により消費する酸素量を測定する方法などが主な測定方法として挙げられる。以下に、一例として、過酸化水素量を測定する方法について示す。本発明におけるアマドリアーゼの活性測定には、断りのない限り、フルクトシルバリンを基質として用いる。なお、酵素力価は、フルクトシルバリンを基質として測定したとき、1分間に1μmolの過酸化水素を生成する酵素量を1Uと定義する。フルクトシルバリンは、阪上らの方法に基づき合成、精製することができる(特開2001−95598号公報参照)。
(1)試薬1:POD−4−AA溶液
4.0kUのパーオキシダーゼ(キッコーマンバイオケミファ社製)、100mgの4−アミノアンチピリン(東京化成社製)を0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)に溶解し、1Lに定容する。
(2)試薬2:TOOS溶液
500mgのTOOS(N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジンナトリウム、同仁化学社製)をイオン交換水に溶解し、100mlに定容する。
(3)試薬3:基質溶液(150mM;終濃度 5mM)
フルクトシルバリン417mgをイオン交換水に溶解して10mlに定容する。
2.7mlの試薬1、100μlの試薬2、および100μlの酵素液を混和し、37℃で5分間予備加温する。その後、試薬3を100μl加えて良く混ぜた後、分光光度計(U−3010A、日立ハイテクノロジーズ社製)により、555nmにおける吸光度の経時変化を観測し、555nmにおける吸光度の1分間あたりの変化量(ΔAs)を測定した。なお、対照液は、100μlの試薬3の代わりに100μlのイオン交換水を加える以外は前記と同様にして、555nmにおける吸光度の1分間あたりの変化量(ΔA0)を測定した。37℃で1分間あたりに生成される過酸化水素のマイクロモル数を酵素液中の活性単位(U)とし、下記の式に従って算出する。
活性(U/ml)= {(ΔAs−ΔA0)×3.0×df}÷(39.2×0.5×0.1)
ΔAs : 反応液の1分間あたりの吸光度変化
ΔA0 : 対照液の1分間あたりの吸光度変化
39.2: 反応により生成されるキノンイミン色素の
ミリモル吸光係数(mM−1・cm−1)
0.5 : 1molの過酸化水素による生成されるキノンイミン色素のmol数
df : 希釈係数
1M HEPES緩衝液(pH7.0)を用いて、500mM HEPES緩衝液に約0.5U/mlのアマドリアーゼ粗酵素液、またはアマドリアーゼ精製標品が含まれる溶液を600μl調製し、この希釈溶液100μlを55℃にて10分間加温する。上述のB.の方法を用いて加熱前と加熱後のサンプルの酵素活性を測定し、加熱前の活性を100とした場合の残加熱後の活性の割合、すなわち、残存活性(%)を求めることにより、熱安定性を評価する。
上記の熱安定性測定方法において、500mM HEPES緩衝液の代わりに種々の緩衝剤を用いてアマドリアーゼの残存活性の測定を行うことで、緩衝剤によるアマドリアーゼの活性残存への寄与を評価することができる。例えば500mM HEPES緩衝液(pH7.0)の代わりに、リン酸緩衝液(pH7.0)等を用いることができる。他の条件及び手順は上記の熱安定性測定方法と同様としうる。
上記の熱安定性測定方法において、種々の安定化剤をさらに添加してアマドリアーゼの残存活性の測定を行うことで、当該安定化剤の作用を評価することができる。具体的には、例えば、5mMの添加成分を安定化剤として評価するということは、上述の熱安定性測定法において、添加成分を共存させない状態で55℃にて10分間加温した際の残存活性(%)を1とした場合の、終濃度5mMの添加成分を共存させた状態で加温した際の残存活性(%)の割合を比率として算出することで評価できる。添加成分がアマドリアーゼの熱安定性を向上させる安定化剤として効果があるということは、該比率が、1より大きい、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、4以上、さらに好ましくは5以上、6以上、向上していることをいう。評価対象であるアマドリアーゼの熱安定性を向上させる安定化剤が緩衝作用をも有する化合物である場合、緩衝剤を溶液に緩衝能を付与するのに十分な濃度で使用しつつ(例えばHEPES緩衝剤を500mM(pH 7.0)にて使用)、該安定化剤を低濃度で、すなわち溶液のpHを変化させるには十分でない低濃度で用いることができる。溶液に緩衝能を付与するのに十分な濃度とは、当該溶液に添加する他の試薬に起因するpH変動が生じることなく、pHが一定の範囲に保たれる濃度のことをいう。pHの設定値は、アマドリアーゼが安定に存在し得る範囲(例えば、pH5〜10、より好ましくはpH6〜8)ならばいずれでもよい。溶液に緩衝能を付与するには十分でない濃度とは、当該溶液に他の試薬を添加するとpH変動が生じpHが一定範囲から逸脱する濃度をいう。これらの濃度は溶液に添加される他の試薬の種類及び量に応じて変化するが、当業者であれば慣用法により該濃度を適宜決定することができる。他の条件及び手順は上記の熱安定性測定方法と同様とする。
緩衝剤と、本発明のアマドリアーゼの熱安定性を向上させる安定化剤とを併用した場合のアマドリアーゼ安定作用(熱安定性)を評価するために、対応する特定の位置にヒスチジンを有するアマドリアーゼを含む溶液に、アマドリアーゼの熱安定性を向上させる安定化剤及び緩衝剤を、適宜濃度調整しつつ添加し、アマドリアーゼの残存活性を測定することもできる。他の条件及び手順は、上記の熱安定性測定方法と同様としうる。
(Coniochaeta属由来のアマドリアーゼに対する本発明の熱安定性向上効果の確認)
(1)組換え体プラスミドpKK223−3−CFP−T9−98A/103H/154N/263M/265F/ΔPTS1 DNAの調製およびアマドリアーゼの生産
配列番号1は基質特異性改善型変異(E98A、G103H、S154N、G263M)と熱安定性向上型変異(G184D、N272D、H302R、H388Y、カルボキシ末端3アミノ酸欠失(ΔPTS1))を導入したConiochaeta属由来アマドリアーゼのアミノ酸配列であり、配列番号2の遺伝子にコードされている(特開2013−176351号公報参照、以下、CFP−T9−98A/103H/154N/263M/265F/ΔPTS1)。このCFP−T9−98A/103H/154N/263M/265F/ΔPTS1遺伝子(配列番号2)を含む組換え体プラスミドを有する大腸菌JM109(pKK223−3−CFP−T9−98A/103H/154N/263M/265F/ΔPTS1)株(特開2013−176351号公報参照)を、LB−amp培地[1%(W/V) バクトトリプトン、0.5%(W/V) ペプトン、0.5%(W/V) NaCl、50μg/ml Ampicilin]2.5mlに接種して、37℃で20時間振とう培養し、培養物を得た。
HEPES緩衝剤(pH7.0)とリン酸カリウム緩衝剤(pH7.0)を用いた場合の、緩衝剤の濃度によるアマドリアーゼの熱安定性の変化に関し、検討を行った。
上記の方法により取得したCFP−T9−98A/103H/154N/263M/265F/ΔPTS1粗酵素液をサンプルとし、各種緩衝剤、具体的にはリン酸とリン酸カリウムとを含むリン酸緩衝剤(pH7.0)、HEPESとそのナトリウム塩とを含むHEPES緩衝剤(pH7.0)を、複数の濃度で存在させた場合の熱安定性評価を行った。熱安定性の評価は、上述の「熱安定性測定法」および「緩衝剤評価方法」に従った。結果を表1に示す。
上記のように得られたアマドリアーゼの粗酵素液をサンプルとし、上述の「アマドリアーゼ活性の測定方法」「熱安定性評価方法」「アマドリアーゼの熱安定性を向上させる安定化剤の評価方法」法に従って、種々の添加成分を共存させた場合のアマドリアーゼの熱安定性評価を行った。
(人為的に特定アミノ酸に変異を導入することによる熱安定性向上効果の確認)
次に、実施例1で見出されたCFP−T9−98A/103H/154N/263M/265F/ΔPTS1に対する本発明に係るアマドリアーゼの熱安定性を向上させる安定化剤の効果が、312位のヒスチジンに起因するものであることを確認する目的で、312位のヒスチジンを別のアミノ酸へと置換する変異を導入させた改変型アマドリアーゼを作製し、その効果を確認した。また、比較例として、312位のヒスチジン以外のヒスチジン、具体的には26位のヒスチジンと90位のヒスチジンをアスパラギンへと置換する変異を導入させた改変型アマドリアーゼを作製し、本発明に係るアマドリアーゼの熱安定性を向上させる安定化剤の効果を確認した。具体的には、下記の手順により、各変異体を作製した。
得られた組換え体プラスミドpKK223−3−CFP−T9−98A/103H/154N/263M/265F/ΔPTS1 DNAを鋳型として、配列番号3、4の合成オリゴヌクレオチド、KOD−Plus−(東洋紡績社製)を用い、以下の条件でPCR反応を行った。
上記のようにして得られた21種の改変型アマドリアーゼ生産能を有する大腸菌JM109株を、実施例1記載の方法で培養して、各種改変型アマドリアーゼの粗酵素液1.5mlを調製した。得られた各粗酵素液をサンプルとし、実施例1に準じた熱安定性測定方法に従って、種々の酸を添加した際のアマドリアーゼの熱安定性を評価した。その結果、312位のヒスチジンをフェニルアラニン、チロシン、アスパラギン、スレオニン、システイン、トリプトファン、アルギニン、リジン、グルタミン、バリン、セリンに置換した変異体において、熱処理を55℃にて10分間加温で行ったところ、50mM リン酸を添加しても、残存活性が5%以下となり、熱安定性が著しく低下した。変異体の種類によって、安定化剤を添加しない場合の残存活性も変化することと、安定化剤の効果を一定の条件で比較しやすくする目的を考慮し、安定化剤を添加しない場合の残存活性を約8〜20%とするために、必要に応じ熱処理の条件を変化させた。各変異体の具体的な熱処理温度は表7に示す通りであり、熱処理時間はいずれも10分で行った。結果の一部を表7〜9に示す。
(グッド緩衝液とアニオンの併用による熱安定性向上効果の確認)
上記、表1、2に示される通り、50mM リン酸緩衝液下におけるCFP−T9−98A/103H/154N/263M/265F/ΔPTS1の残存活性は31%であり、500mM HEPES緩衝液下における残存活性は10%であるのに対し、50mM リン酸を添加した500mM HEPES緩衝液下における残存活性は74%であった。したがって、リン酸とHEPES緩衝液を併用することにより、相乗的にアマドリアーゼの熱安定性向上効果が得られるといえる。
HEPES緩衝液以外のグッド緩衝液として、TES緩衝液及びBES緩衝液を用いて上記と同様にCFP−T9−98A/103H/154N/263M/265F/ΔPTS1の熱安定性を評価した。その結果を、表11、12に示す。
(Curvularia clavata由来のケトアミンオキシダーゼにおける本発明の熱安定性向上効果の確認)
実施例1、2に示したConiochaeta属由来アマドリアーゼにおける312位のヒスチジンに対応する同様のアミノ酸残基を有する別種のアマドリアーゼについても、本発明の熱安定性向上効果が奏されるか否かの検証を行った。別種の他のアマドリアーゼの一例として、Curvularia clavata由来のケトアミンオキシダーゼ(CcFX)に対し、上記の安定化剤による熱安定性向上効果を確認した。
配列番号30はCcFXのアミノ酸配列であり、配列番号30で示される440アミノ酸をコードし、且つ、大腸菌発現用にコドンを最適化した、配列番号37で示す1323bpの遺伝子(終止コドンTAAを含む)を、定法である遺伝子断片のPCRによる全合成により、cDNAを全合成することによって取得した。このとき、配列番号37の5´末端、3´末端にはそれぞれEcoRIサイトとHindIIIサイトを付加した。また、クローニングした遺伝子配列から予想されたアミノ酸配列全長は図1のCurvularia clavata由来のケトアミンオキシダーゼの配列と一致していることを確認した。
熱安定性を向上させる安定化剤は実施例1および実施例2と同様のものを用い、実施例1および2と同様に、各安定化剤添加時におけるアマドリアーゼの熱安定性評価を行った。ただし、安定化剤を添加しない場合の残存活性を約8〜20%とするために、熱処理を60℃、10分加温で行った。各種安定化剤を添加した際に、pHの変化を防ぐ目的から、緩衝液は500mM HEPES(pH7.0)を用い、安定化剤を添加した際のpHは実際に7.0を示すことを確認後に、熱処理を行った。結果の一部を表14、15に示す。本発明の効果の傾向を参照する目的で、実施例1に示したCFP−T9−98A/103H/154N/263M/265F/ΔPTS1の結果も並べて示す。表中の「比率」は、添加成分を共存させなかった場合の残存活性(%)を1とした場合の、添加成分を共存させた場合の残存活性(%)の相対値である。
アマドリアーゼとして、配列番号1における312位のアミノ酸に対応する位置のアミノ酸がヒスチジンであるものを使用する。緩衝液としてHEPES緩衝液、TES緩衝液またはBES緩衝液を20〜500mM、例えば500mMにて使用する(pH7.0)。安定化剤として、マレイン酸、シトラコン酸、マロン酸、酒石酸、コハク酸、またはイソクエン酸を2mM〜50mM、例えば20mMにて使用する。以下に調製例を示す:
調製例1
アマドリアーゼ 0.5U
HEPES緩衝液(pH7.0) 500mM
マレイン酸 20mM
調製例2
アマドリアーゼ 0.5U
HEPES緩衝液(pH7.0) 500mM
シトラコン酸 20mM
調製例3
アマドリアーゼ 0.5U
HEPES緩衝液(pH7.0) 500mM
マロン酸 20mM
調製例4
アマドリアーゼ 0.5U
HEPES緩衝液(pH7.0) 500mM
酒石酸 20mM
調製例5
アマドリアーゼ 0.5U
HEPES緩衝液(pH7.0) 500mM
コハク酸 20mM
調製例6
アマドリアーゼ 0.5U
HEPES緩衝液(pH7.0) 500mM
イソクエン酸 20mM
1MのHEPES緩衝液(pH7.0)を用いて、500mMのHEPES緩衝液に約0.5U/mlのアマドリアーゼ粗酵素液、またはアマドリアーゼ精製標品が含まれ、かつ安定化剤が添加された溶液を600μl調製する。また対照には安定化剤を添加しない。この溶液100μlを55℃にて10分間加温する。上述のB.の方法を用いて加熱前と加熱後のサンプルの酵素活性を測定し、加熱前の活性を100とした場合の残加熱後の活性の割合、すなわち、残存活性(%)を求める。
安定化剤を添加せずに55℃にて10分間加温した際の残存活性(%)を1とした場合の、安定化剤を添加し加温した後の残存活性(%)の割合を比率として算出する。熱安定性の評価は、上述の「熱安定性測定法」および「アマドリアーゼの熱安定性を向上させる安定化剤の評価方法」に従う。
配列番号1. CFP−T9−98A/103H/154N/263M/265F/ΔPTS1のアミノ酸配列
配列番号2. CFP−T9−98A/103H/154N/263M/265F/ΔPTS1の遺伝子配列
配列番号3. H312F導入プライマーFw
配列番号4. H312X導入プライマーRv
配列番号5. H312Y導入プライマーFw
配列番号6. H312N導入プライマーFw
配列番号7. H312T導入プライマーFw
配列番号8. H312C導入プライマーFw
配列番号9. H312W導入プライマーFw
配列番号10.H312R導入プライマーFw
配列番号11. H312K導入プライマーFw
配列番号12. H312Q導入プライマーFw
配列番号13. H312V導入プライマーFw
配列番号14. H312S導入プライマーFw
配列番号15. H312P導入プライマーFw
配列番号16. H312G導入プライマーFw
配列番号17. H312A導入プライマーFw
配列番号18. H312D導入プライマーFw
配列番号19. H312E導入プライマーFw
配列番号20. H312L導入プライマーFw
配列番号21. H312I導入プライマーFw
配列番号22. H312M導入プライマーFw
配列番号23. H26N導入プライマーFw
配列番号24. H26N導入プライマーRv
配列番号25. H90N導入プライマーFw
配列番号26. H90N導入プライマーRv
配列番号27. Eupenicillium terrenum由来のアマドリアーゼ
配列番号28. Pyrenochaeta sp.由来のケトアミンオキシダーゼ
配列番号29. Arthrinium sp.由来のケトアミンオキシダーゼ
配列番号30. Curvularia clavata由来のケトアミンオキシダーゼ
配列番号31. Neocosmospora vasinfecta由来のケトアミンオキシダーゼ
配列番号32. Cryptococcus neoformans由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ
配列番号33. Phaeosphaeria nodorum由来のフルクトシルペプチドオキシダーゼ
配列番号34. Aspergillus nidulans由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ
配列番号35. Ulocladium sp.由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ
配列番号36. Penicillium crysogenum由来のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ
配列番号37. Curvularia clavata由来のケトアミンオキシダーゼの遺伝子
Claims (6)
- 配列番号1に示すアミノ酸配列と90%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、アマドリアーゼ活性を有し、配列番号1における312位のアミノ酸に対応する位置のアミノ酸がヒスチジンであるアマドリアーゼを含む組成物に2mM以上のジカルボン酸、トリカルボン酸、リン酸またはこれらの塩からなる群より選択されるアニオンを1種類以上共存させることによりアマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる工程を含む、アマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる方法。
- 配列番号30に示すアミノ酸配列と90%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、アマドリアーゼ活性を有し、配列番号30における310位のアミノ酸に対応する位置のアミノ酸がヒスチジンであるアマドリアーゼを含む組成物に2mM以上のジカルボン酸、トリカルボン酸、リン酸またはこれらの塩からなる群より選択されるアニオンを1種類以上共存させることによりアマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる工程を含む、アマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる方法。
- アマドリアーゼが糖化ジペプチドに作用するアマドリアーゼである、請求項1または請求項2に記載のアマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる方法。
- ジカルボン酸がリンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、スクシン酸、コハク酸、グルタル酸、α−ケトグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グルタコン酸、酒石酸、タルトロン酸、オキサロ酢酸、マレイン酸、ムコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、メコン酸、3−3’ジメチルグルタル酸、イタコン酸、グルタミン酸、及びアスパラギン酸からなる群より選択され、
トリカルボン酸がクエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、トリメシン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、及び2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸からなる群より選択され、
リン酸がリン酸塩及びピロリン酸塩からなる群より選択される、請求項1、2または3に記載のアマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる方法。 - 前記アマドリアーゼを含む組成物が、アセトアミドグリシン、ACES(N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸)、ADA(N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸)、BES(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸)、Bicin(N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン)、Bis−Tris(ビス(2-ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン)、コラミン塩酸、EPPS(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンプロパンスルホン酸)、グリシンアミド、HEPES(4-2-ヒドロキシエチル-1-ピペラジンエタンスルホン酸)、HEPPSO(N-(ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、MES(2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸)、MOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、MOPSO(2-ヒドロキシ-3-モルホリノプロパンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン-N,N'-ビス(2-エタンスルホン酸))、POPSO(ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸))、TAPS(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸)、TAPSO(3-[N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、TES(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸)、トリシン(N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン)、AMPSO(N-(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-3-アミノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、CABS(4-(シクロヘキシルアミノ)-1-ブタンスルホン酸)、CAPS(N-シクロヘキシル-3-アミノプロパンスルホン酸)、CHES(N-シクロヘキシル-2-アミノエタンスルホン酸)、CAPSO(N-シクロヘキシル-2-ヒドロキシル-3-アミノプロパンスルホン酸)、DIPSO(3-(N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]アミノ)-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)及びこれらの混合物からなる群より選択されるグッド緩衝剤を含むものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる方法。
- 緩衝剤の濃度が20mM以上である、請求項5に記載のアマドリアーゼ含有組成物の熱安定性を向上させる方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015038640A JP6749745B2 (ja) | 2014-02-27 | 2015-02-27 | アマドリアーゼ含有組成物の安定化方法、熱安定性が向上したアマドリアーゼ含有組成物及びこれを用いた糖化ヘモグロビン測定用組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014036877 | 2014-02-27 | ||
JP2014036877 | 2014-02-27 | ||
JP2015038640A JP6749745B2 (ja) | 2014-02-27 | 2015-02-27 | アマドリアーゼ含有組成物の安定化方法、熱安定性が向上したアマドリアーゼ含有組成物及びこれを用いた糖化ヘモグロビン測定用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015177790A JP2015177790A (ja) | 2015-10-08 |
JP6749745B2 true JP6749745B2 (ja) | 2020-09-02 |
Family
ID=54262333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015038640A Active JP6749745B2 (ja) | 2014-02-27 | 2015-02-27 | アマドリアーゼ含有組成物の安定化方法、熱安定性が向上したアマドリアーゼ含有組成物及びこれを用いた糖化ヘモグロビン測定用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6749745B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109438628B (zh) * | 2018-10-29 | 2020-12-01 | 科之杰新材料集团(广东)有限公司 | 一种超缓释型聚羧酸保坍剂及其制备方法 |
CN109535339B (zh) * | 2018-10-29 | 2020-12-22 | 科之杰新材料集团(广东)有限公司 | 一种高适应性超缓释型聚羧酸保坍剂及其制备方法 |
JPWO2022071417A1 (ja) * | 2020-09-29 | 2022-04-07 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4231668B2 (ja) * | 2001-09-04 | 2009-03-04 | キッコーマン株式会社 | 新規なフルクトシルペプチドオキシダーゼ |
CA2476890C (en) * | 2002-02-26 | 2013-07-16 | Genencor International, Inc. | Subtilisin carlsberg proteins with reduced immunogenicity |
JP4381369B2 (ja) * | 2005-11-11 | 2009-12-09 | 東洋紡績株式会社 | 可溶性補酵素結合型のグルコースデヒドロゲナーゼ(gdh)を含む組成物の熱安定性を向上する方法 |
JP5927771B2 (ja) * | 2010-04-09 | 2016-06-01 | 東洋紡株式会社 | ヘモグロビンA1cの測定方法 |
WO2012018094A1 (ja) * | 2010-08-06 | 2012-02-09 | キッコーマン株式会社 | 基質特異性が改変されたアマドリアーゼ |
TW201312119A (zh) * | 2011-09-15 | 2013-03-16 | Toyo Boseki | 糖化血紅素測量用多層試驗片、及使用它之測量方法 |
JP6068916B2 (ja) * | 2012-02-02 | 2017-01-25 | キッコーマン株式会社 | 糖化ヘモグロビン測定用試薬組成物および糖化ヘモグロビン測定方法 |
-
2015
- 2015-02-27 JP JP2015038640A patent/JP6749745B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015177790A (ja) | 2015-10-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11549134B2 (en) | Modified amadoriase and method for producing the same, agent for improving surfactant resistance of amadoriase and composition for measuring HbA1c using the same | |
JP6538101B2 (ja) | 基質特異性が改変されたアマドリアーゼ | |
KR102390390B1 (ko) | 헤모글로빈 A1c의 측정 방법 및 측정 키트 | |
JP6749745B2 (ja) | アマドリアーゼ含有組成物の安定化方法、熱安定性が向上したアマドリアーゼ含有組成物及びこれを用いた糖化ヘモグロビン測定用組成物 | |
WO2013100006A1 (ja) | 熱安定性が向上したアマドリアーゼ、その遺伝子および組換えdnaならびに熱安定性が向上したアマドリアーゼの製造法 | |
JP2022119761A (ja) | アニオン性界面活性剤耐性が向上したアマドリアーゼ | |
JP6843740B2 (ja) | 比活性が向上したアマドリアーゼ | |
JP6068916B2 (ja) | 糖化ヘモグロビン測定用試薬組成物および糖化ヘモグロビン測定方法 | |
JP6764219B2 (ja) | グッド緩衝液に対して安定なアマドリアーゼ | |
WO2021070943A1 (ja) | 改変フェニルアラニン脱水素酵素 | |
JPWO2012043601A1 (ja) | アマドリアーゼ改変体 | |
JP2015100345A (ja) | アマドリアーゼ含有組成物の安定化方法、アマドリアーゼ含有組成物の製造方法、熱安定性が向上したアマドリアーゼ含有組成物及びこれを用いた糖化ヘモグロビン測定用組成物 | |
JP6363327B2 (ja) | 改変アマドリアーゼ | |
JP6818718B2 (ja) | 改変アマドリアーゼ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
AA64 | Notification of invalidation of claim of internal priority (with term) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764 Effective date: 20150317 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20171201 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180911 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180925 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20181121 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190124 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190611 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20190809 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191008 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200317 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200612 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20200619 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200804 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200812 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6749745 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |