JP6746999B2 - ポリロタキサン架橋ゴム質重合体及びゴム強化熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

ポリロタキサン架橋ゴム質重合体及びゴム強化熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、グラフト重合が可能なポリロタキサン架橋ゴム質重合体と、このポリロタキサン架橋ゴム質重合体にビニル系単量体をグラフト重合してなるグラフト重合体と、このグラフト重合体を含むゴム強化熱可塑性樹脂組成物及びその成形品に関する。本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物は、発色性、成形外観が良好で、さらに耐衝撃性が著しく優れたものである。
ゴム強化熱可塑性樹脂は、ゴム質重合体にマトリックス樹脂と相溶性を付与させるような単量体をグラフト重合して得られるグラフト重合体を、マトリックス樹脂に配合したものであり、耐衝撃性、成形加工性、2次加工性(めっき、塗装等)に優れることから幅広い分野で使用されている。
このようなグラフト重合体におけるゴム質重合体の架橋度は、得られるゴム強化熱可塑性樹脂の耐衝撃性に大きく影響を与えることから、これを制御することは重要である。例えば、特許文献1,2には、特定の架橋度を持つEPDMやアクリルゴムを用いたゴム強化熱可塑性樹脂が高い衝撃性を発現することが報告されている。
アクリルゴムにおける架橋度を調整する方法としては、アクリルゴムの重合時に、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等の官能基を有する多官能化合物を架橋剤として用い、アクリル酸エステルと共重合する方法がある。しかしながら、架橋度を高くするために架橋剤を増量するとゴム自体が硬くなる傾向にある。また、このような架橋剤を用いたアクリルゴムに応力がかかった場合、架橋点間分子量の短い所に応力が集中し、分子鎖が切れやすくなる。このため、ゴム強化熱可塑性樹脂のゴム質重合体として、性能を十分に発揮することができない。
また、ゴム強化熱可塑性樹脂におけるゴム質重合体は数十nm〜数μmの大きさでマトリックス樹脂に分散しているのが一般的である。このゴム質重合体の大きさはマトリックスにより最適な範囲があり、例えば、AS樹脂では700nm前後、ポリスチレンでは1〜2μm程度が良好といわれている(非特許文献1)。しかしながら、このような可視光の波長以上の大きさのゴム質重合体は、マトリックスとの屈折率の差から、ゴム強化熱可塑性樹脂およびその成形品の発色性や光沢といった成形外観に悪影響を与える。このことから、なるべく微分散状態でも耐衝撃性を発揮するゴム質重合体が求められている。
一方、環状分子の開口部に直鎖状分子が串刺し状に貫入され、この直鎖状分子の両末端に環状分子が脱離しないようにブロック基を配置してなるポリロタキサンは、環状分子が相対的に直鎖状分子上を移動することができる。
そこで、最近の研究において、このようなポリロタキサンを架橋剤として利用することで架橋点が動くようにした環動架橋を利用したゲルやエラストマー、粘着剤の研究が盛んになされている(非特許文献2,特許文献3)。このような環動架橋は、架橋部分が動くことで応力集中を緩和し、柔らかく、伸びが優れる特徴がある。このため、この環動架橋をゴム強化熱可塑性樹脂のゴム質重合体に用いれば、架橋度を高くしても柔らかく、さらに分子鎖も切れにくいことから、耐衝撃性が向上することが期待できる。
しかしながら、従来において、ポリロタキサンをゴム強化熱可塑性樹脂のゴム質重合体の架橋剤として利用したもの、更にはグラフト重合体やゴム強化熱可塑性樹脂に応用したものは提案されていない。
特開2012−224670号公報 特開2002−284823号公報 特開2013−56963号公報
高分子刊行会 耐衝撃性高分子材料(上) 高分子学会 13−1ポリマーフロンティア21 講演要旨集
本発明は、グラフト重合可能なポリロタキサン架橋ゴム質重合体、このポリロタキサン架橋ゴム質重合体を用いた、成形外観及び耐衝撃性等に優れたゴム強化熱可塑性樹脂組成物を与えるグラフト共重合体、このグラフト共重合体を含むゴム強化熱可塑性樹脂組成物及びその成形品を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、環状分子の少なくとも一部に炭素−炭素二重結合を有する変性ポリロタキサン(A)と、ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)と、炭素−炭素二重結合を2つ以上有する多官能性単量体(C)とを共重合してなるポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)がグラフト重合可能であり、上記課題を解決することができることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 環状分子の開口部に直鎖状分子が貫通し、該直鎖状分子の両末端にブロック基を有するポリロタキサンであって、該環状分子の少なくとも一部に炭素−炭素二重結合を有する変性ポリロタキサン(A)と、ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)と、炭素−炭素二重結合を2つ以上有する多官能性単量体(C)とを共重合してなるポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)。
[2] 変性ポリロタキサン(A)0.1〜30質量部と、ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)67〜99.8質量部と、炭素−炭素二重結合を2つ以上有する多官能性単量体(C)0.1〜5質量部とを共重合してなる[1]に記載のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)(ただし、変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)と多官能性単量体(C)との合計が100質量部)。
[3] ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)がアクリル酸エステルである[1]又は[2]に記載のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)。
[4] [1]ないし[3]のいずれかに記載のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)に、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル、シアン化ビニル、マレイミド、及び無水マレイン酸より選ばれる1種以上のビニル系単量体(e)がグラフト重合してなるグラフト重合体(E)。
[5] ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)10〜80質量%に、ビニル系単量体(e)20〜90質量%がグラフト重合してなる[4]に記載のグラフト重合体(E)(ただし、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)とビニル系単量体(e)との合計で100質量%)。
[6] グラフト率が23%以上である[4]又は[5]に記載のグラフト重合体(E)。
[7] [4]ないし[6]のいずれかに記載のグラフト重合体(E)と他の熱可塑性樹脂(F)とを含むゴム強化熱可塑性樹脂組成物。
[8] グラフト重合体(E)3〜70質量部と他の熱可塑性樹脂(F)30〜97質量部とを含む[7]に記載のゴム強化熱可塑性樹脂組成物(ただし、グラフト重合体(E)と熱可塑性樹脂(F)との合計で100質量部)。
[9] [7]又は[8]に記載のゴム強化熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
本発明によれば、グラフト重合可能なポリロタキサン架橋ゴム質重合体が提供される。このポリロタキサン架橋ゴム質重合体にビニル系単量体をグラフト重合してなる本発明のグラフト重合体は、架橋部分が動くことで応力集中を緩和することができ、柔らかく、伸びが優れるため、架橋度を高くしても柔らかく、さらに分子鎖も切れにくいものである。このため、本発明のグラフト重合体を配合することで、成形外観を高く維持した上で、耐衝撃性を大幅に向上させることができ、成形外観、耐衝撃性に優れたゴム強化熱可塑性樹脂組成物及びその成形品が提供される。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)]
本発明のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)は、環状分子の開口部に直鎖状分子が貫通し、該直鎖状分子の両末端にブロック基を有するポリロタキサンであって、該環状分子の少なくとも一部に有する変性ポリロタキサン(A)(以下、「本発明の変性ポリロタキサン(A)」と称す場合がある。)と、ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)(以下、単に「単量体(B)」と称す場合がある。)と、炭素−炭素二重結合を2つ以上有する多官能性単量体(C)(以下、単に「多官能性単量体(C)」と称す場合がある。)とを共重合してなるものである。
<変性ポリロタキサン(A)>
本発明の変性ポリロタキサン(A)は、環状分子の開口部に直鎖状分子が貫通し、この直鎖状分子の両末端にブロック基を有し、その環状分子の少なくとも一部に炭素−炭素二重結合を有するものである。
なお、ここで、環状分子の少なくとも一部に炭素−炭素二重結合を有するとは、炭素−炭素二重結合が環状分子の環構造部分に存在する態様、即ち環構成炭素原子が炭素−炭素二重結合を有する態様に限定されず、環状分子に導入された置換基や重合体部に炭素−炭素二重結合を有するものであってもよい。
このような本発明の変性ポリロタキサン(A)は、環状分子に炭素−炭素二重結合を有していない通常のポリロタキサンに炭素−炭素二重結合を導入する変性を行うことにより得ることができる。
以下、本発明の変性ポリロタキサン(A)の変性前のポリロタキサン(炭素−炭素二重結合が導入される前のポリロタキサン)を「ポリロタキサン(a)」と称す。
ポリロタキサン(a)は、通常少なくとも2つの環状分子の開口部に直鎖状分子が貫通し、かつ、直鎖状分子の両末端にブロック基を有してなる化合物であり、ポリロタキサン(a)においては、環状分子は直鎖状分子上を自由に移動することができるものであるが、ブロック基により環状分子は直鎖状分子から抜け出せない構造となっている。
ポリロタキサン(a)の環状分子は特に限定されるものではなく、直鎖状分子を包接でき、直鎖状分子上を移動できればよく、代表的なものとしては、クラウンエーテル、環状シロキサンや環状オリゴ糖が知られている。これらの環状分子には、種々の置換基や重合体部が導入されていてもよい。上記の環状分子の中でも、環状オリゴ糖は、入手も容易であり、適切な環径の選択が可能であり、さらには水酸基を有することから様々な置換基や重合体部を導入することができる点において、好適である。
環状分子としての環状オリゴ糖としては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等が挙げられ、中でも特にα−シクロデキストリンが好ましい。
ポリロタキサン(a)は、1種類の環状分子のみを有するものであってもよく、環構造、置換基の有無、置換基の種類、重合体部の有無、重合体部の種類などの異なる環状分子の2種以上を有するものであってもよい。
ポリロタキサン(a)の直鎖状分子は、環状分子に包接されるものであり、共有結合などの化学的結合ではなく、物理的な結合で一体化できる分子であって、直鎖状のものであれば特に限定されない。本発明における直鎖状は実質的に直鎖状であればよく、環状分子が移動することができれば、直鎖状分子は分岐鎖を有しても良い。
ポリロタキサン(a)の直鎖状分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリテトラヒドロフラン、ポリアクリル酸エステル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を併用しても良い。
直鎖状分子の数平均分子量は、通常3000〜300000であり、好ましくは10000〜200000であることが好ましく、20000〜100000であることがより好ましい。直鎖分子の数平均分子量が、上記範囲未満であると環状分子の移動量が小さくなり、得られるグラフト重合体(E)およびゴム強化熱可塑性樹脂組成物に十分な耐衝撃性が得られないおそれがあり、上記範囲を超えると、ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)との相溶性が悪くなるおそれがある。
ポリロタキサン(a)の直鎖状分子の両末端のブロック基は、環状分子に直鎖状分子が貫通した状態を維持できる基であればよく、特に限定されない。このようなブロック基としては、嵩高い基やイオン性基が挙げられ、例えば、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、ピレン類、アントラセン類等が挙げられる。
直鎖状分子の両末端のブロック基は、互いに同一であってもよく、異なるものであってもよい。
環状分子の開口部に貫通している直鎖状分子に対する環状分子の数は、該直鎖状分子に貫通されて直鎖状分子の両末端のブロック基同士の間に存在し得る環状分子の最大限を100%とし、この最大限100%に対する環状分子の割合(以下、この割合を「包接率」と称す場合がある。)として、0.1〜60%、特に1〜50%、とりわけ5〜40%であることが好ましい。
環状分子の包接率が上記の範囲内であれば、環状分子が直鎖状分子上を移動し易く、かつ環状分子を有することによる機能性も有効に発揮されるため、得られるグラフト重合体(E)およびゴム強化熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が高くなる。
なお、直鎖状分子に貫通されて、直鎖状分子上に存在し得る環状分子の最大限は、直鎖状分子の長さと環状分子の厚さとにより決定され、例えば、直鎖状分子がポリエチレングリコールであり、環状分子がα−シクロデキストリンである場合のこの最大限量は実験的に求められている(Macromolecules,1993,26,5698参照)。
本発明の変性ポリロタキサン(A)は、このようなポリロタキサン(a)の環状分子または環状分子からのびる重合体部の一部または全部が炭素−炭素二重結合を有するものである。環状分子に導入される重合体部の例として、ポリエーテル、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート又はポリエン、もしくはそれらの共重合体、もしくはそれらの混合体を挙げることができる。より具体的には、ポリエチレングリコールジオール、ポリエチレングリコールジカルボン酸末端、ポリエチレングリコールジチオール酸末端、ポリプロピレンジオール、ポリテトラヒドロフラン、ポリ(テトラヒドロフラン)ビス(3−アミノプロピル)末端、ポリプロピレングリコールビス(2−アミノプロピルエーテル)、グリセロールプロポキシレート、グリセロールトリス[ポリ(プロピレングリコール)アミノ末端]、ペンタエリトリトールエトキシレート、ペンタエリトリトールプロポキシレートなどのポリエーテル類;ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1、3−プロピレンアジペート)ジオール末端、ポリ(1、4−ブチレンアジペート)ジオール末端、ポリラクトンなどのポリエステル類;変性ポリブタジエン、変性ポリイソプレンなどのポリエン類;ポリジメチルシロキサンジシラノール末端、ポリジメチルシロキサン水素化末端、ポリジメチルシロキサンビス(アミノプロピル)末端、ポリジメチルシロキサンジグリシジルエーテル末端、ポリジメチルシロキサンジカルビノール末端、ポリジメチルシロキサンジビニール末端、ポリジメチルシロキサンジカルボン酸末端などのシロキサン類;を挙げることができるが、これらに限定されない。特に、重合体部は、ポリエーテル類又はポリエステル類であるのがよい。
環状分子に重合体部を導入する方法としては、特に限定されるものではなく、環状分子から直接重合してもよいし、重合体部と環状分子の官能基のいずれとも反応しうる反応性官能基を2つ以上有した化合物を介して導入しても良い。
反応性官能基としては、例えば、イソシアネート基、チオイソシアネート基、オキシラン基、オキセタン基、カルボジイミド基、シラノール基、オキサゾリン基、アジリジン基、エポキシ基、無水マレイン酸基等が挙げられる。これらの反応性官能基を2つ以上有する化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、トリレン2、4−ジイソシアネート、ジイソシアン酸イソホロン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、(4,4’−メチレンジシクロヘキシル)ジイソシアネートなどの多官能イソシアネート、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどのオキシラン化合物、3−(クロロメチル)−3−メチルオキセタンなどのオキセタン化合物2、2’−ビス(2−オキサゾリン)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ポリロタキサン(a)の環状分子または環状分子からのびる重合体部に炭素−炭素二重結合を導入する方法としては、特に限定はされないが、例えば、環状分子や重合体部の官能基と反応しうる反応性官能基と炭素−炭素二重結合を有する化合物(以下、「変性剤」と称す場合がある。)を、環状分子や重合体部の官能基と反応させることで導入することができる。
変性剤の、環状分子や重合体部の官能基と反応しうる反応性官能基としては、上記の重合体部と環状分子の官能基のいずれとも反応しうる反応性官能基と同様のものが使用でき、例えば、イソシアネート基、チオイソシアネート基、オキシラン基、オキセタン基、カルボジイミド基、シラノール基、オキサゾリン基、アジリジン基、エポキシ基、無水マレイン酸基等が挙げられる。
変性剤としては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクロイルオキシエチルイソシアネート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の変性ポリロタキサン(A)は、変性ポリロタキサン(A)の1分子当たり炭素−炭素二重結合を少なくとも2つ有していればよいが、変性ポリロタキサン(A)の1分子当たりの炭素−炭素二重結合の数は耐衝撃が発現しやすいことから2〜10000個、特に4〜3000個であることが好ましい。
本発明の変性ポリロタキサン(A)の数平均分子量には特に制限はないが、前述の直鎖状分子の数平均分子量と、上記の環状分子の包接率、炭素−炭素二重結合の数を満たすポリロタキサン(A)の数平均分子量は通常3,500〜5,000,000、好ましくは15,000〜2,000,000である。
このような変性ポリロタキサン(A)は、1種のみを用いてもよく、環状分子や重合体部、直鎖状分子等の異なるものを2種以上組み合わせて用いても良い。
本発明のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)を製造する際の変性ポリロタキサン(A)の配合量は、変性ポリロタキサン(A)と、後述のゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)と、後述の多官能性単量体(C)との合計を100質量部とした場合、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。変性ポリロタキサン(A)の配合量が上記範囲内であると、得られるグラフト重合体(E)およびゴム強化熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が優れたものとなる傾向がある。
<ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)>
本発明におけるゴム質重合体としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、ポリアクリル酸エステルなどが挙げられる。
これらのゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)としては、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、α−オレフィン、アクリル酸エステルなどが挙げられ、これらの中でも、アクリル酸エステルが変性ポリロタキサン(A)との相溶性、反応性の点から好ましい。
本発明におけるアクリル酸エステルとしては、炭素数1〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルが好ましい。このようなアクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸と炭素数が1〜12の直鎖或いは側鎖を有するアルコールのエステルが使用され、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらの中でも、特にアルキル基の炭素数が1〜8のものが好ましい。これらは単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)を製造する際のゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)の配合量は、変性ポリロタキサン(A)と、ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)と、後述の多官能性単量体(C)との合計を100質量部とした場合、好ましくは67〜99.8質量部、より好ましくは70〜97質量部である。ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)の配合量が上記範囲内であると、得られるグラフト重合体(E)およびゴム強化熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が優れたものとなる傾向がある。
<多官能性単量体(C)>
本発明における多官能性単量体(C)は、分子内に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するものである。例えば、2個の炭素−炭素二重結合を有するものとして、メタクリル酸アリル、エチレングリコールジメタクリル酸エステル、1,3−ブタンジオールジメタクリル酸エステル、1,6−ヘキサンジオールジアクリル酸エステル等のジオールのジ(メタ)アクリル酸エステル、アクリル酸2−プロペニル、ジビニルベンゼン等が挙げられ、3個以上の不飽和結合を有する多官能性単量体としては、芳香族環を有するイソシアヌル酸トリアリル、シアヌル酸トリアリル、トリメット酸トリアリル等が挙げられる。なかでも、メタクリル酸アリル、アクリル酸2−プロペニル、イソシアヌル酸トリアリル、シアヌル酸トリアリルが耐衝撃性の改良効果、重合安定性の点から好ましい。これらの多官能性単量体(C)は単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)を製造する際の多官能性単量体(C)の配合量は、変性ポリロタキサン(A)と、ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)と、多官能性単量体(C)との合計を100質量部とした場合、好ましくは0.1〜5質量部であり、0.1〜2質量部がより好ましく、0.2〜1.5質量部がさらに好ましい。多官能性単量体(C)の配合量が上記下限以上であると、グラフト重合体(E)を製造する際に後述のビニル系単量体(e)を効率的にグラフト重合することができ、得られるグラフト重合体(E)およびゴム強化熱可塑性樹脂組成物の成形外観および耐衝撃性が良好なものとなる傾向がある。ビニル系単量体(e)の配合量が上記上限以下であると、得られるグラフト重合体(E)およびゴム強化熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が良好なものとなる傾向がある。
<その他の共重合成分>
本発明のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)は、変性ポリロタキサン(A)と、ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)と、多官能性単量体(C)とを共重合したものであるが、変性ポリロタキサン(A)、単量体(B)及び多官能性単量体(C)以外に、その性能を損なわない範囲でこれらと共重合可能な他の単量体が共重合されたものであっても良い。共重合可能な他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル系単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル系単量体、イタコン酸、イタコン酸メチル、イタコン酸ブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチルなどのイタコン酸誘導体、マレイン酸、無水マレイン酸などのマレイン酸類、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド類等が挙げられるが、これらに限定されたものではない。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの他の共重合成分は、変性ポリロタキサン(A)、単量体(B)、多官能性単量体(C)及び他の共重合成分の合計100質量部中に70質量部以下の範囲で用いることができる。
また、本発明のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)は、他のゴム質重合体との複合ゴムとして用いることもできる。この場合、他のゴム質重合体としては、例えば、エチレン・プロピレンゴム(EPR)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体(EPDM)、エチレン−αオレフィン共重合体、ジエン系ゴム、ポリオルガノシロキサン、ポリアクリル酸エステル等が例示される。複合ゴムを得る手法としては、例えば、他のゴム質重合体の存在下にポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)を構成する成分を重合する手法、他のゴム質重合体とポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)を共肥大化する手法等、公知の手法を用いることができる。
<体積平均粒子径>
本発明のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)の体積平均粒子径は通常50〜500nm、好ましくは80〜400nm、より好ましくは80〜200nmである。ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)の体積平均粒子径が上記範囲内であると、得られるグラフト重合体(E)およびゴム強化熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性、成形外観が優れたものとなる傾向がある。
ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)の体積平均粒子径を制御する方法としては、特に限定されず公知のものが使用できる。例えば、乳化重合時に使用する乳化剤の添加量や、小粒子径の乳化ラテックスを酸や酸基含有共重合体ラテックスで肥大化する方法などがある。
<ゲル含有量>
本発明のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)のゲル含有量は通常40〜100%、好ましくは50〜95%、より好ましくは70〜95%である。ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)のゲル含有量が上記範囲内であると、得られるグラフト重合体(E)およびゴム強化熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が優れたものとなる傾向がある。
なお、本発明のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)のゲル含有量は、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)の架橋度を示し、具体的には、秤量したポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)を溶媒に20時間かけて溶解させ、次いで、200メッシュ金網で分取し、金網に残った不溶分を乾燥させた後秤量し、溶媒に溶解させる前のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)に対する乾燥させた不溶分の割合(質量%)で求められる。ここで、用いる溶媒としては、ゴム質重合体がポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体の場合にはトルエンが好ましく、ポリアクリル酸エステルの場合にはアセトンが好ましい。
<製造方法>
本発明のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)は、変性ポリロタキサン(A)、ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)及び多官能性単量体(C)、場合によって、更にその他の共重合成分や他のゴム質重合体を所定の割合で配合した原料混合物から、塊状重合法、溶液重合法、塊状懸濁重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の方法により製造することができるが、粒子径を制御しやすい点では、乳化重合法によることが好ましい。
[グラフト重合体(E)]
本発明のグラフト重合体(E)は、本発明のポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)に、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル、シアン化ビニル、マレイミド、及び無水マレイン酸より選ばれる1種以上のビニル系単量体(e)をグラフト重合したものである。
ビニル系単量体(e)のうち、アクリル酸エステルとしては、ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)として用いるアクリル酸エステルとして例示したものと同様のものを使用することができる。
メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル等が挙げられる。芳香族ビニルとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−,m−もしくはp−メチルスチレン、ビニルキシレン、p−t−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。シアン化ビニルとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。マレイミドとしては、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのN−置換マレイミド類が挙げられる。
グラフト重合時に用いるポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)の量は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは40〜75質量%であり、ビニル系単量体(e)の量は、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは25〜60質量%である(ただし、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)とビニル系単量体(e)の合計を100質量%とする。)。ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)とビニル系単量体(e)の使用量が上記範囲内であれば、得られるグラフト重合体(E)の生産性、耐衝撃性が良好であるとともに、これらを配合してなるゴム強化熱可塑性樹脂やその成形品の成形外観、耐衝撃性が向上する傾向がある。
本発明のグラフト重合体(E)のグラフト率は23%以上であることが好ましく、より好ましくは27%以上である。グラフト重合体(E)のグラフト率が23%以上であると、後述の熱可塑性樹脂(F)との相溶性が良好となり、得られるゴム強化熱可塑性樹脂組成物やその成形品の成形外観、耐衝撃性が良好となる傾向がある。
なお、本発明におけるグラフト重合体(E)のグラフト率(G)は、下記式より求められる。
G=100(P−Q)/Q
P:アセトン不溶分の質量(グラフト重合体(E)またはゴム強化熱可塑性樹脂組成物をメタノールで洗浄した後、アセトンで抽出し、遠心分離機でアセトン可溶分とアセトン不溶分に分離し、得られたアセトン不溶分を真空乾燥した後の質量(g))
Q:グラフト重合体(E)の製造に用いたポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)の質量(g)
本発明のグラフト重合体(E)の製造方法としては、塊状重合法、溶液重合法、塊状懸濁重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の方法が挙げられ、容易に重合できる点では、乳化重合が好ましい。
[ゴム強化熱可塑性樹脂組成物]
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物は、本発明のグラフト重合体(E)と他の熱可塑性樹脂(F)とを含むものである。
<熱可塑性樹脂(F)>
本発明における熱可塑性樹脂(F)としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリメタクリレートやポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリカプロラクトン、芳香族ポリエステルエラストマー、ポリアミド系エラストマー、ASグラフトポリエチレン、ASグラフトポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂等が挙げられ、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<配合量>
用いる熱可塑性樹脂(F)の種類によっても異なるが、本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物におけるグラフト重合体(E)の配合量は好ましくは3〜70質量部、より好ましくは5〜50質量部であり、熱可塑性樹脂(F)の配合量は好ましくは30〜97質量部、より好ましくは50〜95質量部である(ただし、グラフト重合体(E)と熱可塑性樹脂(F)との合計を100質量部とする。)。グラフト重合体(E)の配合量が上記上限以上で、熱可塑性樹脂(F)の配合量が上記上限以下であると、得られるゴム強化熱可塑性樹脂組成物およびその成形品の耐衝撃性が良好なものとなり、グラフト重合体(E)の配合量が上記上限以下で、熱可塑性樹脂(F)の配合量が上記下限以上であると、得られるゴム強化熱可塑性樹脂組成物およびその成形品の成形外観が良好なものとなる。
特に、熱可塑性樹脂(F)が、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂やポリメタクリレートの場合には、グラフト重合体(E)20〜70質量部に対して熱可塑性樹脂(F)を30〜80質量部含むことが好ましく、熱可塑性樹脂(F)がポリカーボネートやポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミドを含む場合は、グラフト重合体(E)3〜50質量部に対して熱可塑性樹脂(F)を50〜97質量部含むことが好ましい。
<添加剤>
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物には、グラフト重合体(E)とその他の熱可塑性樹脂(F)の他に、ゴム強化熱可塑性樹脂組成物や成形品の物性を損なわない範囲において、製造時(混合時)、成形時に、慣用の他の添加剤、例えば滑材、顔料、染料、充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、カーボンナノチューブ、タルク等)、耐熱剤、酸化劣化防止剤、耐候剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤等を配合することができる。
<ゴム強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法>
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物は、公知の装置を使用した公知の方法で製造できる。例えば、一般的な方法として溶融混合法があり、この方法で使用する装置としては、押出機、バンバリーミキサー、ローラー、ニーダー等が挙げられる。混合には回分式、連続式のいずれを採用してもよい。また、各成分の混合順序などにも特に制限はなく、全ての成分が均一に混合されればよい。
[成形品]
本発明の成形品は、本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物を成形してなるものである。その成形方法としては、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出法、ブロー成形法、真空成形法、圧空成形法、カレンダー成形法及びインフレーション成形法等が挙げられる。これらのなかでも、量産性に優れ、高い寸法精度の成形品を得ることができるため、射出成形法、射出圧縮成形法が好ましい。
本発明の成形品は、成形外観、耐衝撃性に優れ、耐候性にも優れることから、屋外で長期にわたって使用する建築部材や自動車内外装部品などに好適に使用できる。
以下、本発明について、実施例を示して具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
以下の例における各値の測定は、下記のように行った。
(1)体積平均粒子径
日機装株式会社製「ナノトラック150」を用い、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)の体積平均粒子径を測定した。
(2)グラフト率
グラフト重合体(E)をメタノールで洗浄した後、アセトンで抽出を行い、遠心分離機でアセトン可溶分とアセトン不溶分に分離した。次いで、アセトン不溶分を真空乾燥することで、グラフト重合体(E)のアセトン不溶分を得た。グラフト率は下記式より算出した。
G=100(P−Q)/Q
P:アセトン不溶分の質量(グラフト重合体(E)をメタノールで洗浄した後、アセトンで抽出し、遠心分離機でアセトン可溶分とアセトン不溶分に分離し、得られたアセトン不溶分を真空乾燥した後の質量(g))
Q:グラフト重合体(E)の製造に用いた変性ポリロタキサン(A)の質量(g)
ポリロタキサン(a)としては、アドバンスト・ソフトマテリアル社製「セルム スーパーポリマー A1000」を使用した。
ここで用いた「セルム スーパーポリマー A1000」の詳細は、以下の通りである。
直鎖状分子:ブロック基として両端にアダマンタン基を有する数平均分子量35,000のポリエチレングリコール
環状分子:α−シクロデキストリン
環状分子の重合体部:ポリカプロラクトン
ポリロタキサンの水酸基価:72mg−KOH/g
ポリロタキサンの数平均分子量:700,000
[製造例1:ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−1)]
アクリル酸ブチル99.1質量部に、変性剤である2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート0.2質量部、メタクリル酸アリル0.6質量部、ポリロタキサン0.1質量部を溶解させ、60℃で8時間反応させて、変性ポリロタキサンが溶解したアクリル酸ブチル溶液を得た。
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応容器に、脱イオン水310質量部とアルケニルコハク酸ジカリウム1質量部、t−ブチルヒドロパーオキシド0.2質量部と、得られた変性ポリロタキサンのアクリル酸ブチル溶液を仕込み、反応容器を窒素置換した後、55℃に昇温した。次いで、ナトリウムホルムアルデヒトスルホキシレート0.3質量部、硫酸第一鉄七水塩0.0001質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0003質量部、脱イオン水10質量部を添加し、重合を開始させた。重合発熱が確認された後、ジャケット温度を75℃にし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続し、さらに1時間保持することで、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−1)のラテックスを得た。
得られたポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−1)の体積平均粒子径は103nmであった。
[製造例2:グラフト重合体(E−1)]
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および撹拌装置を備えた反応容器に、脱イオン水230質量部(ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−1)のラテックス中の脱イオン水を含む)、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−1)ラテックス50質量部(固形分換算)、アルケニルコハク酸ジカリウム0.5質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3質量部を仕込み、反応容器を窒素置換した後、撹拌しながら70℃まで昇温した。
次いで、アクリロニトリル15質量部、スチレン35質量部、t−ブチルヒドロパーオキサイド0.5質量部からなる混合液を100分にわたって滴下しながら、80℃まで昇温した。滴下終了後、80℃の状態で保持した後、冷却して、グラフト重合体(E−1)のラテックスを得た。次いで、1.5%硫酸水溶液で凝固し、脱水、洗浄、乾燥することで粉末状のグラフト重合体(E−1)を得た。グラフト重合体(E−1)のグラフト率は58%であった。
アクリル酸ブチル、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリル酸アリルの配合量を表1の配合量とした以外は、製造例1と同様の反応条件にて、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−2)〜(D−13)を得た。ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−2)〜(D−13)の体積平均粒子径は表1に示す通りであった。
ただし、(D−6)は多官能性単量体(C)を用いておらず、架橋構造となっていない。また、(D−12)はポリロタキサンを用いておらず、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体には該当しない。(D−13)もポリロタキサンを変性しておらず、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体には該当しない。
次いで、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−1)の代りに、それぞれポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−2)〜(D−13)を用いたこと以外は、製造例2と同様の反応条件でグラフト重合することで、グラフト重合体(E−2)〜(E−13)を得た。グラフト重合体(E−2)〜(E−13)のグラフト率は表2に示す通りであった。
[製造例3:グラフト重合体(E−14)]
ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−3)を用い、アクリロニトリル15質量部、スチレン35質量部のかわりに、メタクリル酸メチル45質量部とアクリル酸メチル5質量部を用いた以外は、製造例2と同様の反応条件で重合することでグラフト重合体(E−14)を得た。グラフト重合体(E−14)のグラフト率は53%であった。
[製造例4:グラフト重合体(E−15)]
ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−3)70質量部(固形分換算)、アルケニルコハク酸ジカリウム0.3質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.18質量部、スチレン21質量部、アクリロニトリル9質量部、t−ブチルヒドロパーオキサイド0.3質量部とした以外は、製造例2と同様の反応条件で重合することで、グラフト重合体(E−15)を得た。グラフト重合体(E−15)のグラフト率は28%であった。
[製造例5:グラフト重合体(E−16)]
ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−3)を80質量部(固形分換算)、アルケニルコハク酸ジカリウム0.2質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.12質量部、スチレン14質量部、アクリロニトリル6質量部、t−ブチルヒドロパーオキサイド0.2質量部とした以外は、製造例2と同様の反応条件で重合することで、グラフト重合体(E−16)を得た。グラフト重合体(E−16)のグラフト率は20%であった。
[製造例6:グラフト重合体(E−17)]
ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−3)を40質量部(固形分換算)、アルケニルコハク酸ジカリウム0.6質量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.4質量部、スチレン42質量部、アクリロニトリル18質量部、t−ブチルヒドロパーオキサイド0.6質量部とした以外は、製造例2と同様の反応条件で重合することで、グラフト重合体(E−17)を得た。グラフト重合体(E−17)のグラフト率は82%であった。
[製造例7:グラフト重合体(E−18)]
変性ポリロタキサンのアクリル酸ブチル溶液の代りに、アクリル酸ブチル99.4質量部とイソシアヌル酸トリアリル0.6質量部を用いた以外は、製造例1と同様の反応条件で、架橋アクリル酸エステル(D−14)を得た。
次いで、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−1)の代りに架橋アクリル酸エステル(D−14)を用いたいこと以外は、製造例2と同様の反応条件で重合することで、グラフト重合体(E−18)を得た。
架橋アクリル酸エステル(D−14)の体積平均粒子径は105nmであり、グラフト重合体(E−18)のグラフト率は56%であった。
[製造例8:グラフト重合体(E−19)]
変性ポリロタキサンのアクリル酸ブチル溶液の代りに、アクリル酸ブチル99質量部、1,3−ブタンジオールジメタクリル酸エステル0.4質量部とメタクリル酸アリル0.6質量部を用いた以外は、製造例1同様の反応条件で架橋アクリル酸エステル(D−15)を得た。
次いで、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−1)の代りに架橋アクリル酸エステル(D−15)を用いたいこと以外は、製造例2と同様の反応条件で重合することで、グラフト重合体(E−19)を得た。
架橋アクリル酸エステル(D−15)の体積平均粒子径は107nmであり、グラフト重合体(E−19)のグラフト率は58%であった。
[製造例9:グラフト重合体(E−20)]
ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−3)100質量部(固形分換算)に、アクリル酸ブチル82質量%とメタクリル酸18質量%との共重合体のラテックスを肥大化剤として4質量部(固形分換算)添加し、70℃で30分間撹拌することで、肥大化したポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−16)を得た。
ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−1)の代わりに、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−16)を用いた以外は、製造例2と同様の反応条件で重合することで、グラフト重合体(E−20)を得た。
ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−16)の体積平均粒子径は330nmであり、グラフト重合体(E−20)のグラフト率は51%であった。
[製造例10:グラフト重合体(E−21)]
架橋アクリル酸エステル(D−15)100質量部(固形分換算)に、アクリル酸ブチル82質量%とメタクリル酸18質量%との共重合体のラテックスを肥大化剤として4質量部(固形分換算)添加し、70℃で30分間撹拌することで、肥大化した架橋アクリル酸エステル(D−17)を得た。
ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−1)の代わりに、架橋アクリル酸エステル(D−17)を用いた以外は、製造例2と同様の反応条件で重合することで、グラフト重合体(E−21)を得た。
架橋アクリル酸エステル(D−17)の体積平均粒子径は340nmであり、グラフト重合体(E−21)のグラフト率は53%であった。
Figure 0006746999
Figure 0006746999
[製造例11:熱可塑性樹脂(F−1)]
耐圧反応容器に、脱イオン水120質量部と、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.003質量部と、スチレン68質量部およびアクリロニトリル32質量部と、t−ドデシルメルカプタン0.35質量部と、過酸化ベンゾイル0.15質量部と、リン酸カルシウム0.5質量部とを添加して、内温を110℃で10時間反応させることで懸濁重合を完結させた。内容物を遠心脱水機で洗浄、脱水を繰り返し、乾燥させて、アクリロニトリル−スチレン共重合体である熱可塑性樹脂(F−1)を得た。
[製造例12:熱可塑性樹脂(F−2)]
耐圧反応容器に、蒸留水150質量部と、メタクリル酸メチル99質量部およびアクリル酸メチル1質量部の混合物と、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.2質量部と、n−オクチルメルカプタン0.33質量部と、リン酸カルシウム0.47質量部と、アルケニルコハク酸カリウム0.003質量部とを仕込み、内温を75℃まで昇温し、3時間反応を行った。その後、90℃まで昇温し、60分間保持することで反応を完結させた。内容物を遠心脱水機で洗浄、脱水を繰り返し、乾燥させてポリメチルメタクリレートである熱可塑性樹脂(F−2)を得た。
熱可塑性樹脂(F−3)として、ポリカーボネート樹脂(ユーピロン S−3000、三菱エンジニアプラスチック(株)製)を用いた。
[実施例1〜22、比較例1〜8]
表3,4に示す組成(質量部)で各成分を混合し、28mm二軸押出機(日本製鋼所製「TEX−28V」)を用い、220℃(実施例1〜16、比較例1〜6)又は260℃(実施例17〜22、比較例7,8)で溶融混練し、ペレット状のゴム強化性熱可塑性樹脂組成物を得た。
得られたゴム強化熱可塑性樹脂組成物を射出成形した成形品(ISO試験片、4mm厚さ)について、曲げ弾性率、耐衝撃性を以下の方法により評価した。
別に、表3,4に示す組成(質量部)で各成分を混合すると共に、更にカーボンブラック0.8質量部を混合し、28mm二軸押出機(日本製鋼所製「TEX−28V」)を用い、220℃(実施例1〜16、比較例1〜6)又は260℃(実施例17〜22、比較例7,8)で溶融混練し、ペレット状の着色ゴム強化性熱可塑性樹脂組成物を得た。
得られた着色ゴム強化熱可塑性樹脂組成物を射出成形した成形品(100mm×100mm×3mm)について、光沢度、発色性を以下の方法により評価した。
<曲げ弾性率>
ISO試験法178に準拠し、23℃において、4mm厚さの曲げ弾性率(MPa)を測定した。
<耐衝撃性>
ISO試験法179に準拠し、23℃において、4mm厚さのVノッチ付きシャルピー衝撃強さ(KJ/m)を測定した。
<光沢度>
スガ試験器社製のデジタル変角光計UGV−5Dを用い、入射角60°、反射角60°での反射率から光沢度を求めた。光沢度が高いほど成形外観が良好である。
<発色性>
色差計でL*を測定した。L*が低いほど黒色となり、発色性が良好である。
評価結果を表3,4に示す。
Figure 0006746999
Figure 0006746999
表3の実勢例1〜16に示すように、本発明によれば、グラフト重合可能なポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)を用いて、成形外観に優れ、耐衝撃性にも優れたゴム強化熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。また、表4の実施例17〜22に示すように、熱可塑性樹脂としてポリカーボネートを用いた場合にも、本発明によれば、成形外観に優れ、耐衝撃性にも優れたゴム強化熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
比較例1は、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−6)に多官能性単量体が含まれておらず、グラフト重合用のビニル系単量体がポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D−6)にほとんどグラフトすることができず、成形外観、耐衝撃性に劣る。比較例2,3は変性ポリロタキサンを用いていない或いはポリロタキサンが変性されていないことから、アクリルゴムの架橋ができず、耐衝撃性に劣る。比較例4〜8は架橋に変性ポリロタキサンを使用していないことから耐衝撃性に劣る。

Claims (5)

  1. 環状分子の開口部に直鎖状分子が貫通し、該直鎖状分子の両末端にブロック基を有するポリロタキサンであって、該環状分子の少なくとも一部に炭素−炭素二重結合を有する変性ポリロタキサン(A)と、ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)と、炭素−炭素二重結合を2つ以上有する多官能性単量体(C)とを共重合してなるポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)に、
    アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル、シアン化ビニル、マレイミド、及び無水マレイン酸より選ばれる1種以上のビニル系単量体(e)がグラフト重合してなるグラフト重合体(E)であって、
    該ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)が、アクリル酸と直鎖或いは側鎖を有するアルコールとのエステルであって、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸エステルであり、
    該ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)は、変性ポリロタキサン(A)0.1〜30質量部と、ゴム質重合体を形成できる炭素−炭素二重結合を有する単量体(B)67〜99.8質量部と、炭素−炭素二重結合を2つ以上有する多官能性単量体(C)0.1〜5質量部とを共重合してなるポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)(ただし、変性ポリロタキサン(A)と単量体(B)と多官能性単量体(C)との合計が100質量部)であり、
    該ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)10〜80質量%に、該ビニル系単量体(e)20〜90質量%がグラフト重合してなるグラフト重合体(E)(ただし、ポリロタキサン架橋ゴム質重合体(D)とビニル系単量体(e)との合計で100質量%)。
  2. グラフト率が23%以上である請求項1に記載のグラフト重合体(E)。
  3. 請求項1又は2に記載のグラフト重合体(E)と他の熱可塑性樹脂(F)とを含むゴム強化熱可塑性樹脂組成物。
  4. グラフト重合体(E)3〜70質量部と他の熱可塑性樹脂(F)30〜97質量部とを含む請求項に記載のゴム強化熱可塑性樹脂組成物(ただし、グラフト重合体(E)と熱可塑性樹脂(F)との合計で100質量部)。
  5. 請求項又はに記載のゴム強化熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
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