<1.苗移植機の全体構成>
以下に、本発明に係る苗移植機の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。また、下記の実施形態における構成要素は、適宜組み合わせることができる。
図1は、実施形態に係る苗移植機1の側面図であり、図2は、苗移植機1の平面図である。なお、以下の説明における前後左右については、図1に示す走行車体2に設けられた操縦席31からみての進行方向を方向基準としており、かかる基準にしたがって前後左右を定めている。なお、走行車体2を指して機体と呼ぶ場合がある。
苗移植機1は、走行車体2の後方に昇降リンク機構3を介して苗植付部4が昇降可能に装着される。また、走行車体2の後部上側には、施肥装置5の本体部分が設けられる。
走行車体2は、左右一対の前輪10および左右一対の後輪11を駆動輪として備える四輪駆動車両である。走行車体2は、原動機部であるエンジン20を機枠15上に搭載しており、このエンジン20の回転動力は、ベルト伝達装置21およびHST(Hydro Static Transmission)23を介して、機体前部に搭載されたミッションケース12へ伝達される。
HST23は、主変速機として機能する静油圧式の無段変速機であり、かかるHST23においては、エンジン20の動力で駆動する油圧ポンプによって油圧を発生させ、その油圧を油圧モータで機械的な力(回転力)に変換して出力する。変換された力は、ミッションケース12の動力入力軸であるミッション入力軸83(図3参照)に伝達される。
ミッションケース12の左右側方には前輪ファイナルケース13が設けられ、かかる前輪ファイナルケース13から突出する左右一対の前輪車軸に、前輪10が操向方向を変更自在に取付けられる。
ミッションケース12に伝達された力は、内部に設けられた動力伝達部7(図3参照)に伝わって変速され、駆動輪(前輪10および後輪11)への走行用動力と、苗植付部4への駆動用動力となる外部取出動力とに分けて出力される。なお、ミッションケース12の内部に設けられた動力伝達部7の詳細については後述する。
走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13へ伝達されて前輪10を駆動し、残りが後輪ギアケース18へ伝達されて後輪11を駆動する。後輪ギアケース18は、機枠15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にしてローリング自在に支持されており、かかる後輪ギアケース18から機体の外向きへ突出する後輪車軸に後輪11が取り付けられる。
一方、外部取出動力は、苗植付部4側の入力軸である植付伝動軸85(図3参照)によって苗植付部4へ伝動されるとともに、施肥伝動機構(不図示)によって施肥装置5へ伝動される。
また、図1に示すように、エンジン20の上部は、エンジンカバー30によって覆われており、このエンジンカバー30の上部に操縦席31が配設される。操縦席31の前方には、各種操作機構を内蔵するフロントカバー32が配設され、かかるフロントカバー32の左右には、補給用の苗を載せておく一対の予備苗枠38が配設される。また、フロントカバー32の上部には前輪10を操向操作するハンドル34が配設されるとともに、各種計器類330(図8および図9を参照)が設けられたフロントパネル33が設けられる。
エンジンカバー30およびフロントカバー32の下端左右両側は、水平上のフロアステップ35が設けられている。フロアステップ35は、一部が格子状であり(図2参照)、たとえば作業者の靴に付着した泥などを圃場へ落下させることができる。フロアステップ35の左右両端には、フロアステップ35の上面よりも低く設けられた補助ステップ35aが配設されており、作業者による苗移植機1への乗降を容易にしている。
苗植付部4を昇降可能に連結した昇降リンク機構3は、平行リンク機構により構成されており、上リンク40と、下リンク41とを有する。上リンク40および下リンク41の先端側は、機枠15の後端部に立設され、背面視門型のリンクベースフレーム42に上下方向へそれぞれ回動自在に設けられる。また、上リンク40および下リンク41の後端側には、縦リンク43が連結される。縦リンク43の下端部には、苗植付部4に回転自在に支持されて走行車体2の前後方向へ延伸する連結軸44が連結される。こうして、苗植付部4は、連結軸44まわりにローリング自在に設けられる。
また、機枠15の後部には、昇降油圧シリンダ46が取り付けられる。昇降油圧シリンダ46の先端は、上リンク40の先端部に連結される。昇降油圧シリンダ46の伸縮によって、上リンク40が上下方向へ回動することにより、苗植付部4が略一定の姿勢を保ちつつ昇降する。
本実施形態に係る苗移植機1が有する苗植付部4は、6条植の構成を例にとって示しており(図2参照)、植付伝動ケース50と、苗載置部51と、苗植付装置52と、線引きマーカ19とを備える。植付伝動ケース50は、苗植付装置52へ動力を伝達する植付駆動軸(不図示)を内蔵する。苗載置部51は、マット苗を載置して左右方向へ往復して苗を一株分ずつ各条の苗取出口51aへ供給するとともに、横一列分の苗が苗取出口51aへ供給されると苗送りベルト51bによって苗を下方へ移送する。線引きマーカ19は、苗移植機1の左右一対に設けられ、次工程における苗移植機1の進路を圃場面に線引きする。
本実施形態における植付伝動ケース50の後部は3つに分岐しており、分岐したそれぞれの後端部に植付駆動軸が回転自在に設けられる。かかる植付駆動軸の左右突出部に、ロータリーケース16の中央部が一体回転するように固定して取り付けられている。ロータリーケース16の両端部には、植付回動軸が回動自在に設けられる。そして、2つの植付回動軸のそれぞれに苗植付具54が取り付けられる。
苗植付部4の下部には、中央にセンターフロート55が、左右両端にはサイドフロート56が設けられる。センターフロート55やサイドフロート56を圃場の泥面に設置させた状態で機体を進行させると、センターフロート55やサイドフロート56は、泥面上を滑走しつつ整地する。苗は、かかる整地された圃場面に苗植付装置52によって植え付けられる。なお、センターフロート55およびサイドフロート56は、圃場の表土面の凹凸に対応して上下動するように、たとえば左右方向の支軸まわりに回動自在に設けられる。
施肥装置5は、繰出部61によって肥料を一定量ずつ繰り出すことができる。肥料は、たとえば粒状の肥料であり、走行車体2の左右に一対配設された肥料タンク60に貯留されている。繰出部61によって繰り出された肥料は、施肥ホース62によってセンターフロート55やサイドフロート56の左右両端にそれぞれ取り付けられた施肥ガイド(不図示)まで導かれる。施肥ガイドまで導かれた肥料は、施肥ガイドの前側に設けた作溝体(不図示)によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥溝内に落とし込まれる。
また、施肥装置5は、モータ53によって駆動されるブロア58を有する。ブロア58で発生したエアは、チャンバ59から施肥ホース62へ吹き込まれ、施肥ホース62内の肥料は、風圧によって搬送される。
チャンバ59は、図2に示すように、走行車体2の左右方向の端部において前後方向に延伸する一対の枝部59aと、左右方向に延伸しつつ一対の枝部59aどうしを連結する連結部59bとを有する。枝部59aは、肥料タンク60の下方に配設され、一対の枝部59aのうちの一方の前端にブロア58が接続される。本実施形態に係る苗移植機1では、図2に示すように、ブロア58が走行車体2の左端側に位置する枝部59aに接続された場合を例示している。
これにより、ブロア58で発生したエアは、走行車体2の左端側に位置する枝部59aから、連結部59bを介して走行車体2の右端側に位置する枝部59aへ送られる。枝部59aには、施肥ホース62が接続されており、ブロア58で発生したエアは、チャンバ59から施肥ホース62へ吹き込まれる(図2の矢印202参照)。
本実施形態に係る苗移植機1は、6条植の構成であるため、施肥ホース62は、各条に対応させて6つ設けられる。なお、ここでは、図2に示すように、かかる施肥ホース62の配索経路の一例を点線で示している。
<2.動力伝達部7>
図3は、苗移植機1におけるミッションケース12の内部構造を展開して示す説明図である。なお、図3に示す各伝動軸は、実際には同一平面上に配置されるとは限らないが、説明の便宜上、同一平面上に配置したように示している。そして、図4は、ミッションケース12内の植付出力軸82の説明図、図5は、ミッションケース12内の回転速度切替軸84の説明図、図6は、回転速度切替軸84の出力切替ギヤ840と植付出力軸82の出力ギヤ820との噛合状態を示す説明図である。
図3に示すように、ミッションケース12は、HST23を経由して入力経路P0から入力されるエンジン20の動力を作業動力経路P1へ伝達する動力伝達部7を収納している。作業動力経路P1から伝達される動力は、ここでは苗植付部4へ伝達される。なお、HST23からの動力は、図示しないギヤ機構を介して変速機構830から入力され、動力入力軸であるミッション入力軸83に伝達されるが、かかる動力の入力経路P0を、図3では、便宜上、ミッション入力軸83の軸線上に示している。
他方、ミッション入力軸83からは、一端側に設けられた走行伝動ギヤ834から図示しないデフ機構などを介してフロントアクスル軸やリヤアクスル軸に伝達され、前輪10や後輪11などを駆動する。
動力伝達部7は、HST23からの動力伝達経路の上手側から、上述したミッション入力軸83が設けられ、下手側に向かって中継軸76と、回転速度切替軸84と、植付出力軸82とが設けられる。各軸83,76,84,82は、隣接する軸同士がそれぞれ後述するギヤにより噛合することで動力が伝達される。なお、HST23は前述したように、エンジン20の出力を油圧ポンプおよび油圧モータを介して回転力として出力する。
動力入力軸であるミッション入力軸83は、前述したように、HST23からの回転が伝達される軸であり、結果的にはエンジン20からの動力により回転駆動されることになる。
ミッション入力軸83に設けられる変速機構830は、当該ミッション入力軸83に対して相対回転不能であり、かつ軸方向へスライド自在に設けられた切替部材833と、この切替部材833を軸方向へ移動させるシフタ121を備える。そして、ハンドル34の近傍に設けた主変速レバー90(図8参照)の操作により、シフタ121が備えるフォーク122によって切替部材833を移動し、この切替部材833に設けられた複数段のギヤや変速ギヤ835が入力経路P0に設けられたギヤ機構(不図示)と選択的に噛合する。
また、ミッション入力軸83には、互いにギヤ比の異なる第1伝動ギヤ831と第2伝動ギヤ832が取付けられており、中継軸76にスライド自在に設けられた中継ギヤ762と選択的に噛合可能となっている。すなわち、苗植付部4に伝達するギヤの回転数は多段に変更可能であるが、第1伝動ギヤ831と第2伝動ギヤ832とが第1段目の回転数変更手段となる。
ミッション入力軸83からの動力を回転速度切替軸84を介して植付出力軸82に伝達する中継軸76は、ミッション入力軸83と回転速度切替軸84との間に配置される。回転速度切替軸84は、植付出力軸82と一定の距離Dを隔てて配置されており、中継軸76を介して伝達された回転速度を、所定の速度となるように複数段に切り替えて植付出力軸82へ伝達する。
植付出力軸82の一端側には出力べベルギヤ825が設けられており、植付クラッチ部26の植付伝動軸85の基端に設けた入力べベルギヤ855と噛合している。
植付クラッチ部26は、動力伝達経路の上手側から、クラッチ軸261、クラッチ262、およびバネ263を備えており、回転部材264の軸周りの回転により、クラッチ262とクラッチ軸261との係脱が行われ、苗植付部4への動力の伝達の入・切がなされる。
こうして、HST23から動力伝達部7に入力された動力は、図3に示すように、ミッション入力軸83→中継軸76→回転速度切替軸84→植付出力軸82→植付クラッチ部26→植付伝動軸85→作業動力経路P1と伝達される。
ところで、本実施形態に係る苗移植機1は、苗株の植付けを、3.3m2当たりの株数が例えば、50〜70株の「通常植モード」のみで行う仕様の機種として当初購入したものを、植付出力軸82に取付けられる出力ギヤ820(図4)を取り換え、3.3m2当たりの株数を、例えば37〜47株に抑えた「疎植モード」と上述の「通常植モード」とを選択可能な仕様に変更したものとしている。
すなわち、本実施形態に係る植付出力軸82は、回転速度切替軸84に設けられた複数の出力切替ギヤ840(図5参照)と1対1で対応して噛合するとともに、それぞれ着脱自在かつ交換自在に取付けられた複数の出力ギヤ820を備えている。
そして、出力ギヤ820を交換する際に、その一部を、少なくとも楕円形状、卵形形状などの非円心ギヤとすることにより、植付出力軸82と回転速度切替軸84との間の距離Dを変更することなく、疎植可能な程度までギヤ比を大きくしたギヤ、すなわち歯数の多いギヤを出力ギヤ820として植付出力軸82に取付けることができる。このとき、回転速度切替軸84に取付けられ、非円形とした出力ギヤ820と1対1で対応して噛合する出力切替ギヤ840についても非円形のギヤに変更することは当然である。
すなわち、植付出力軸82と回転速度切替軸84との間の軸間が一定の距離Dである場合、植付出力軸82と回転速度切替軸84との間で噛合可能なギヤは、平歯車同士よりも非円形ギヤ同士で噛合させる方が、相対的に歯数を多くすることができる。植付出力軸82に取付けられる出力ギヤ820のうち、所定のギヤの歯数を他のギヤの歯数よりも多くするということは、そのギヤで植付出力軸82が回転する場合、他のギヤが噛合して回転するよりも回転速度が遅くなるため、その分植付時の株間距離が長くなって疎植が可能となる。このように、本実施形態に係る苗移植機1では、植付出力軸82および回転速度切替軸84の各ギヤを変更するだけで、株間距離が広がる「疎植モード」による苗の植付けが可能となる。
つまり、本実施形態に係る苗移植機1は、簡便なオプション対応によって、構成を大きく変更することなく、通常移植専用機から通常・疎植切替機に変更可能となっている。しかも、非円形ギヤとしては、オーバルギヤなどの市販製品を用いることができるため、コストの増加を抑えることができる。なお、図3に示した状態は、オプション対応が行われて通常・疎植切替機に変更されている。
以下、オプション対応によって通常・疎植切替機へ変更された本実施形態に係る苗移植機1における動力伝達部7の各軸83,76,84,82について、ギヤの構成を含めてより詳細に説明する。
<2−1.植付出力軸82>
図3および図4(a)に示すように、植付出力軸82には、一端側に設けられた出力べベルギヤ825の他に、複数の出力ギヤ820が設けられている。本実施形態では、かかる複数の出力ギヤ820の一部を、非円形ギヤにより形成している。
すなわち、出力べベルギヤ825の側から、第1の非円形出力ギヤ821a、第1の円形出力ギヤ822a、第2の円形出力ギヤ822b、および第2の非円形出力ギヤ821bを、隣接するもの同士、互いに所定間隔をあけて着脱自在に取付けている。
ここでは、第1、第2の円形出力ギヤ822a,822bとして平歯車を用いており、第1の円形出力ギヤ822aの歯数を17、第2の円形出力ギヤ822bの歯数を14としている。
一方、第1、第2の非円形出力ギヤ821a,821bは、例えば市販のオーバルギヤを用いており、第1、第2の円形出力ギヤ822a,822bよりも相対的に歯数が多く、かつ互いに歯数を異ならせている。ここでは、第1の非円形出力ギヤ821aの歯数を42、第2の非円形出力ギヤ821bの歯数を37としている。
なお、本実施形態では、これらの2つの非円形出力ギヤ821a,821bおよび2つの円形出力ギヤ822a,822bを総称する場合は出力ギヤ820と記す。
図4(a)に示すように、植付出力軸82は、一端に、植付伝動軸85の入力べベルギヤ855と噛合する出力べベルギヤ825を設けている。また、4つの出力ギヤ820(第1、第2の非円形出力ギヤ821a,821b、第1、第2の円形出力ギヤ822a,822b)は、植付出力軸82に位置決め部材となる第1〜第4カラー827a,827b,827c,827dを介してスプライン嵌合している。そして、この植付出力軸82の端部側に位置する第1の非円形出力ギヤ821aと出力べベルギヤ825との間には、第1カラー827aとともに止め輪828を設けている。かかる第1カラー827aと止め輪828は、スラスト荷重緩衝部材として機能し、植付出力軸82に加わるスラスト力を可及的に抑制することができる。なお、以下では、第1〜第4カラー827a,827b,827c,827dを総称してカラー827と記載する場合がある。
なお、図4(b)には、仕様変更前の植付出力軸82を示す。図示するように、仕様変更前の植付出力軸82は、一端側には出力べベルギヤ825が設けられ、この出力べベルギヤ825から他端側に向けて、それぞれ円形の平歯車からなる複数の出力ギヤ823が設けられている。
すなわち、出力べベルギヤ825の側から、第1円形出力ギヤ823a、第2円形出力ギヤ823b、第3円形出力ギヤ823cを、隣接するもの同士、互いに所定間隔をあけて着脱自在に取付けている。
ここでは、第2円形出力ギヤ823bを、互いに歯数が異なる2つのギヤ列、すなわち第1列ギヤ823b1および第2列ギヤ823b2が一体的に形成された構成としている。なお、この例では、第1円形出力ギヤ823aの歯数を15、第2円形出力ギヤ823bの第1列ギヤ823b1の歯数を22、第2列ギヤ823b2の歯数を15、第3円形出力ギヤ823cの歯数を13としている。
また、3つの出力ギヤ823(第1、第2、第3円形出力ギヤ823a,823b,823c)は、位置決め部材となる第1〜第3カラー827e,827f,827gを介して植付出力軸82にスプライン嵌合している。
なお、図4中、符号826は軸受を示しており、植付出力軸82は軸受826を介してミッションケース12内に回転自在に支持されて取付けられる。
<2−2.回転速度切替軸84>
植付出力軸82と一定の距離Dを隔てて配置され、ミッション入力軸83からの回転を、複数段の回転速度に切替えて植付出力軸82に伝達する回転速度切替軸84が設けられている。かかる回転速度切替軸84には、植付出力軸82に設けられた出力ギヤ820と1対1で噛合する出力切替ギヤ840が設けられる。
すなわち、図3および図5(a)に示すように、回転速度切替軸84には、一端側に中継軸76に設けた伝達ギヤ761と噛合する入力ギヤ845が、回転速度切替軸84と相対回転不能に固着されている。つまり、入力ギヤ845は、回転速度切替軸84の回転と同調して回転する。そして、かかる入力ギヤ845の側から順に、第1の非円形切替ギヤ841a、円形切替ギヤ842、第2の非円形切替ギヤ841bが設けられる。なお、第1の非円形切替ギヤ841aは、植付出力軸82の第1の非円形出力ギヤ821aに対応する非円形ギヤにより形成される。
第1の非円形切替ギヤ841aと第2の非円形切替ギヤ841bとに挟まれるように設けられた円形切替ギヤ842は、互いに歯数が異なるギヤ列、すなわち第1列ギヤ842aおよび第2列ギヤ842bが一体的に形成される。そして、回転速度切替軸84に対しスプライン嵌合されることで、スライド可能、かつ相対回転不能に取り付けられる。また、かかる円形切替ギヤ842の両側端面には凸部843が形成されている。
円形切替ギヤ842は、図示しない移動手段によって軸方向へスライド可能に構成されている。そのため、当該円形切替ギヤ842が回転速度切替軸84に沿ってスライドすることにより、凸部843が第1の非円形切替ギヤ841aまたは第2の非円形切替ギヤ841bと係合可能となっている。かかる円形切替ギヤ842の第1列ギヤ842aおよび第2列ギヤ842bは、植付出力軸82の第1の円形出力ギヤ822aおよび第2の円形出力ギヤ822bにそれぞれ対応する円形ギヤにより形成される。
なお、第1の非円形切替ギヤ841aおよび第2の非円形切替ギヤ841bは、回転速度切替軸84に、相対回転可能に取付けられるとともに、これら第1の非円形切替ギヤ841aおよび第2の非円形切替ギヤ841bには、それぞれ凸部843に対応する凹部844が形成されている。
このように、回転速度切替軸84に、相対回転可能に取付けた第1、第2の非円形切替ギヤ841a,841bを、凸部843を介して円形切替ギヤ842と係合させた状態で第1、第2の非円形出力ギヤ821a,821bに噛合させることにより、回転速度切替軸84の回転を、植付出力軸82に選択的に伝達することができる。
なお、本実施形態では、第1、第2の非円形切替ギヤ841a,841bおよび円形切替ギヤ842の第1列ギヤ842aおよび第2列ギヤ842bを総称する場合は出力切替ギヤ840と記す。
ところで、本実施形態では、入力ギヤ845の歯数を23、第1の非円形切替ギヤ841aの歯数を42、円形切替ギヤ842の第1列ギヤ842aの歯数を22、第2列ギヤ842bの歯数を29、第2の非円形切替ギヤ841bの歯数を37としている。
図5(b)に、変更前の回転速度切替軸84を示す。図示するように、変更前の回転速度切替軸84には、一端側に中継軸76に設けた伝達ギヤ761と噛合する入力ギヤ842cが相対回転不能に設けられ、この入力ギヤ842cから他端側に向けて、それぞれ円形の平歯車からなる第1の円形切替ギヤ842dが相対回転可能に,第2の円形切替ギヤ842eが相対回転不能に、第3の円形切替ギヤ842fが相対回転可能に設けられている。なお、第2の円形切替ギヤ842eは、図5(a)に示した円形切替ギヤ842同様、互いに歯数が異なる第1、第2列ギヤ842e1,842e2が一体的に形成されるとともに、回転速度切替軸84に対しスプライン嵌合されることで、スライド可能、かつ相対回転不能に取り付けられている。そして、円形切替ギヤ842の両側端面には凸部843が形成されている。
また、ここでは、入力ギヤ842cの歯数を20、第1の円形切替ギヤ842dの歯数を22、第2の円形切替ギヤ842eの第1列ギヤ842e1の歯数を22、第2列ギヤ842e2の歯数を21、第3の円形切替ギヤ842fの歯数を24としている。
なお、図5中、符号846は軸受を示しており、回転速度切替軸84は軸受846を介してミッションケース12内に回転自在に支持されて取付けられる。
ここで、出力切替ギヤ840と出力ギヤ820との噛合形態について、第1の非円形切替ギヤ841aを植付出力軸82の第1の非円形出力ギヤ821aに噛合させる場合を例示して説明する。
この場合、図6に示すように、円形切替ギヤ842をスライドさせて凸部843を第1の非円形切替ギヤ841aの凹部844に嵌入する。こうして、回転速度切替軸84の回転と同調する円形切替ギヤ842と、回転速度切替軸84と相対回転可能に取付けられた第1の非円形切替ギヤ841aとが係合し、第1の非円形切替ギヤ841aについても回転速度切替軸84の回転と同調して回転することになり、その回転が第1の非円形出力ギヤ821aを介して植付出力軸82に伝達される。図6に示すように、このとき、第2の非円形切替ギヤ841bも植付出力軸82の第2の非円形出力ギヤ821bと噛合しているが、第2の非円形切替ギヤ841bは回転速度切替軸84に対して相対回転可能であるため、回転速度切替軸84の回転に影響を与えることはない。
図7は、識別マークを用いた非円形出力ギヤと非円形切替ギヤとの組付態様を示す説明図である。上述してきたように、本実施形態に係る苗移植機1は、「通常植モード」のみで苗植付けを行う通常植専用機から、「疎植モード」を選択することもできる機種へと軸交換で組み替え可能としている。植付出力軸82や回転速度切替軸84に設けるべき非円形ギヤについては、図7に示すように、識別マークM1,M2を設けることで、組み替えの際の誤組を防止している。
例えば、回転速度切替軸84の第1、第2の非円形切替ギヤ841a,841bの歯と歯の間の凹部近傍に識別マークM1を付すとともに、かかる識別マークM1に対応する識別マークM2を、植付出力軸82の第1、第2の非円形出力ギヤ821a,821bの歯の根元近傍に設けることができる。そして、非円形ギヤ同士の組付時には、これら識別マークM1,M2を対応させながら組み付けるとよい。なお、識別マークM1,M2の形態や形状、色などは適宜設定することができる。また、図7中、符号Sは植付出力軸82の第1、第2の非円形出力ギヤ821a,821bに形成したボス部であり、植付出力軸82に形成されたスプライン部に対応する複数の溝部が形成されている。
また、本実施形態に係る苗移植機1の走行車体2には、車速を調整する主変速レバー90と、この主変速レバー90における増速操作側の作動範囲を規制する規制部材9とが、ハンドル34の近傍に設けられる。すなわち、「通常植モード」から「疎植モード」に切り替えて苗の植付けを行う場合、植付出力軸82において動力伝達に関与するギヤは非円形ギヤとなる。このとき、非円形ギヤによる回転は、所定の位相位置において不等速となる、いわゆるクイックアンドスローの動きとなるため、車速が必要以上に早い場合は、植付精度に悪影響を与えるおそれがある。そこで、非円形ギヤのより確実な作動を実現するために、円形ギヤを用いる「通常植モード」よりも車速を落とすようにしている。
図8は、実施形態における規制部材9の取付状態を側面視で示す説明図、図9は、同じく平面視で示す説明図である。本実施形態では、図8および図9に示すように、各種計器類330が配置されたフロントパネル33の上面に、主変速レバー90の操作方向における前方(増速方向)位置に規制部材9を設けている。すなわち、主変速レバー90が変位自在に突設されたレバー操作溝331の前端部に、主変速レバー90に当接するアーム部91と、このアーム部91を支持する支持板92とを備える規制部材9が設けられる。
したがって、図8に示すように、主変速レバー90を増速側にシフトしても、アーム部91に形成されたレバー当接部911に当たり、これ以上の移動が叶わず、車速も最大速度に達することがない。このように、主変速レバー90の進路が規制部材9により規制されるため、主変速レバー90の操作量は最大増速位置の手前までに簡便に規制されることになる。
以下、規制部材9の構成について、具体的に説明する。図10は、規制部材9における支持板92とアーム部91との組み付け状態を示す説明図、図11は、アーム部91の斜視図、図12は、支持板92の斜視図である。
規制部材9は、アーム部91と、このアーム部91を支持する支持板92とから構成される。アーム部91は、所定形状に成形されたバネ材が所定形状に屈曲されて形成されており、主変速レバー90に当接するレバー当接部911を有する。また、支持板92は、例えば鋼板を所定形状に屈曲形成し、アーム部91を、その保持位置を変更自在に支持可能な構成としている。なお、アーム部91の先端部918は、合成樹脂製のエッジカバー915により被覆されているが、図11においては、エッジカバー915を省略してアーム部本体のみを示している。
図10および図11に示すように、アーム部91は、例えばバネ鋼材を所定形状に打ち抜き、必要個所を折曲して成形し、苗移植機1の作業者が指で摘まめる先端部918と、この先端部918から斜め下方へ傾斜する傾斜部910が形成されている。そして、この傾斜部910から略直角に折曲されて略垂直に起立したレバー当接部911、およびこのレバー当接部911から略直角に折曲して略水平に延在する水平部916が形成されている。水平部916の終端部分は、縮幅部917を介して係止部914,914が形成されている。そして、水平部916には、支持板92の先端部に形成された係止片921が挿通される2つの係合長穴912,913が形成されている。
一方、支持板92は、図10および図12に示すように、例えば鋼材を所定形状に打ち抜き、必要箇所を折曲して成形し、略逆U字形状の本体部920を形成している。本体部920の両側に形成される垂下片927,927のうち、一方の垂下片927の先端部には、所定の段差を介して固定部925が形成され、この固定部925を介してフロントパネル33の内部に配設した連結フレーム(不図示)に連結可能としている。固定部925には、ボルトを挿通するボルト穴926が形成される。
また、垂下片927,927には、フロントパネル33の内部に配設した連結バー332に係合する半円状の切欠部924がそれぞれ形成されており、支持板92を1本のボルトで固定する際のガイド部として機能するようにしている。本体部920の上面部には、後部開放の長穴状切込部923が形成されるとともに、この長穴状切込部923を挟むように、本体部920の上面部に左右の係止穴922,922が形成されている。この係止穴922には、アーム部91の係止部914,914が係合する。また、本体部920の上面部には、長穴状切込部923の前方に係止片921が斜め方向へ向けて突設されている。
かかる構成の支持板92を、フロントパネル33の内部の所定位置に取付けた後、図10(a)に示すように、アーム部91の縮幅部917を支持板92の長穴状切込部923に通しながら係止部914,914を係止穴922,922に係止し、係合長穴912に支持板92の係止片921を挿通させて係合する。こうして、規制部材9は、フロントパネル33におけるレバー操作溝331の前端部に、容易に取付けられる。また、アーム部91の先端部918を摘み、上方へ引き上げながら、係合長穴912(913)から支持板92の係止片921を外せばアーム部91をフリーにすることができるため、当該アーム部91の取り外しも容易に行える。
図10(b)に示すように、アーム部91をフリーな状態にした後、支持板92の係止片921を係合長穴913に挿通させるようにすれば、主変速レバー90の規制を解除することが可能となる。このように、複数の、係合長穴912,913を設けることで、規制部材9を取付けた状態であっても、「通常植モード」と「疎植モード」との切替えを容易に行うことができる。なお、例えば、2つの係合長穴912,913の間に、別箇係合長穴を設けることで、苗移植機1の車速の規制量を調節可能とすることもできる。
規制部材9を上記のように構成したことで、フロントパネル33が樹脂製であっても、規制部材9を確実かつ簡単に後付けすることができる。そして、アーム部91がバネ材により形成されているため、主変速レバー90の衝突に十分耐える強度を有し、しかも、小型軽量であるため、後付けが容易である。
ところで、規制部材9を取付ける場合、図9に示すように、「通常植モード」と「疎植モード」とにおける主変速レバー90の規制位置を示すラベル333を、規制部材9の近傍に設けるとよい。かかるラベル333を設けることで、「通常植モード」にあるのか「疎植モード」にあるのかを確認し易くなる。また、ラベル333は、作業者からの視認性が損なわれないように、主変速レバー90よりも機体中心側に位置させることが好ましい。
<3.その他の構成>
次に、本実施形態に係る苗移植機1が備える前輪10の泥落とし構造について説明する。図13は、実施形態に係る泥落とし部材の説明図である。
本実施形態に係る苗移植機1は、走行車体2のフロアステップ35の下部に、前輪10の泥を落とすためのプレート状に形成された泥落とし部材14が、前輪10のタイヤ10aの幅方向に沿って設けられている。泥落とし部材14には、タイヤ10aをタイヤ周面と所定間隔をあけて内包可能な凹部140が形成されており、図13に示すように、泥落とし部材14は、タイヤ10aを内容するように覆った状態で配設される。
したがって、例えばタイヤ10aの周面に泥が付着した前輪10が回転すると、泥は泥落とし部材14により剥離されて圃場へ落下する。こうして、いわゆる泥抱き、泥つまりによる車輪のスリップや、特に前輪10における旋回時のトルクロスの増加を未然に防止することができる。
ところで、図13(a)および図13(b)から分かるように、苗移植機1では、前輪10のフランジ部10bを逆向きにして車軸に取付けることで、トレッドを変更することができる。このようなトレッド違いの機種にも、1つの泥落とし部材14で対応可能とするように、本実施形態に係る泥落とし部材14は、図示するように、フロアステップ35側に設けた車体側取付穴351に対応する部材側取付穴141が、泥落とし部材14の長手方向における端部側に偏倚して設けられている。
したがって、泥落とし部材14を長手方向に反転して取り付けると、タイヤ10aに付着した泥を剥離させる機能を有する凹部140の位置を、トレッドに合わせてずらすことができる。すなわち、図13(a)に示すように、トレッドが狭い場合であっても、あるいは図13(b)に示すように、トレッドが広い場合であっても、同一の泥落とし部材14の取付態様によって、前輪10のタイヤ10aの位置に泥落とし部材14の凹部140の位置を合わせることができる。
このように、本実施形態に係る苗移植機1は、前輪10のタイヤ10aに付着した泥を簡単な構成で効率よく落としてスリップを抑え、トルクロスを低減するとともに、トレッド違いの異機種にも同一の泥落とし部材14で共用することができ、コスト低減にも寄与することができる。
ところで、図13に示した泥落とし部材14は、例えば合成樹脂やステンレスなどの金属をプレート状に形成した構成としたが、図14に示すように、線条材や棒材を利用して構成することもできる。図14は、変形例に係る泥落とし部材の説明図である。
図14に示すように、変形例に係る泥落とし部材14は、線条材、あるいは棒材状からなる本体部を折曲形成してタイヤ10aを覆う凹部140を形成し、かかる本体部を、部材側取付穴141を設けた取付板142に固着している。本体部と取付板142とが金属であれば、例えば溶接などにより連結することができる。
かかる構成であっても、前輪10のタイヤ10aに付着した泥を簡単な構成で効率よく落としてスリップを抑え、トルクロスを低減するとともに、トレッド違いの異機種にも同一の泥落とし部材14で共用することができる。
上述した実施形態から以下の苗移植機1が実現する。
(1)圃場を走行する走行車体2と、走行車体2の後部に取付けられ、圃場へ苗を植付可能な苗植付部4と、エンジン20からの動力を苗植付部4に伝達する動力伝達部7とを備え、動力伝達部7は、エンジン20からの動力により回転駆動されるミッション入力軸83と、このミッション入力軸83の回転に連動して回転し、苗植付部4側の植付伝動軸85を回転駆動する植付出力軸82と、この植付出力軸82と一定の距離Dを隔てて配置され、ミッション入力軸83からの回転を、複数段の回転速度に切替えて植付出力軸82に伝達可能な回転速度切替軸84とを備え、植付出力軸82は、回転速度切替軸84に設けられた複数の出力切替ギヤ840とそれぞれ1対1で対応して噛合するとともに、それぞれ着脱自在かつ交換自在に取付けられた複数の出力ギヤ820を備え、これら複数の出力ギヤ820の一部は、少なくとも非円形ギヤにより形成されている苗移植機1。
(2)上記(1)の構成において、複数の出力ギヤ820は、互いに歯数が異なる円形ギヤにより形成された複数の円形出力ギヤ822a,822bと、複数の円形出力ギヤ822a,822bよりも相対的に歯数が多く、かつ互いに歯数が異なる非円形ギヤにより形成された複数の非円形出力ギヤ821a,821bとを含み、出力切替ギヤ840を非円形出力ギヤ821a,821bに噛合させた場合、出力切替ギヤ840を円形出力ギヤ822a,822bに噛合させた場合よりも植え付ける苗の株間距離が大きな疎植動作を行う苗移植機1。
(3)上記(2)の構成において、複数の出力切替ギヤ840は、植付出力軸82の円形出力ギヤ822a,822bに対応する円形ギヤにより形成され、回転速度切替軸84に対しスライド可能、かつ相対回転不能に取り付けられた円形切替ギヤ842と、植付出力軸82の非円形出力ギヤ821a,821bに対応する非円形ギヤにより形成され、円形切替ギヤ842を挟むように、回転速度切替軸84の端部側にそれぞれ相対回転可能に取付けられた非円形切替ギヤ841a,841bとを含む苗移植機1。
(4)上記(3)に記載の構成において、円形切替ギヤ842は、互いに歯数が異なるギヤ列が一体的に形成されるとともに、回転速度切替軸84に沿ってスライドして非円形切替ギヤ841a,841bと係合する凸部843を有し、非円形切替ギヤ841a,841bを、凸部843を介して円形切替ギヤ842と係合させた状態で非円形出力ギヤ821a,821bに噛合させることにより、回転速度切替軸84の回転を植付出力軸82に伝達可能とした苗移植機1。
(5)上記(2)から(4)のいずれかに記載の構成において、植付出力軸82は、一端に設けた出力べベルギヤ825を介して苗植付部4側の入力軸85に連動連結しており、出力ギヤ820は、植付出力軸82に位置決め部材827を介してスプライン嵌合するとともに、この植付出力軸82の端部側に位置する非円形出力ギヤ821aと出力べベルギヤ825との間に、スラスト荷重緩衝部材827a,828を設けた苗移植機1。
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載の構成において、走行車体2は、車速を調整する主変速レバー90と、この主変速レバー90における増速操作側の作動範囲を規制する規制部材9とをさらに備える苗移植機(1)。
(7)上記(6)に記載の構成において、規制部材9は、バネ材により形成され、主変速レバー90に当接する当接部911を有するアーム部91と、このアーム部91の保持位置を変更自在に支持する支持板92とを備える苗移植機1。
(8)上記(1)から(7)のいずれかに記載の構成において、走行車体2のフロアステップ35の下部に、前輪10の泥を落とす泥落とし部材14が、前輪10のタイヤ幅方向に沿って設けられており、泥落とし部材14は、フロアステップ35側に設けた車体側取付穴351に対応する部材側取付穴141が、泥落とし部材14の長手方向における端部側に偏倚して設けられている苗移植機1。
上述してきた各実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した実施形態から導かれるさらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、表示要素などのスペック(構造、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質など)は、適宜に変更して実施することができる。