以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、説明する部分が認識可能な程度の大きさとなるように、適宜拡大または縮小して表示している。
1.第1実施形態
1−1.電気光学装置
本実施形態の電気光学装置として、アクティブ駆動型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、後述する電子機器としての投射型表示装置の光変調手段として用いられるマイクロディスプレイである。
図1は第1実施形態の電気光学装置としての液晶装置を示す斜視図、図2は第1実施形態の電気光学装置としての液晶装置の構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置1は、電気光学パネルとしての液晶パネル100と、液晶パネル100に電気的に接続された第1実装基板51及び第2実装基板52と、液晶パネル100を挟んで保持する額縁状のホルダー70とを備えている。ホルダー70は、例えば、アルミニウムなどの金属、あるいは合金を用いて形成された第1ホルダー部材71と第2ホルダー部材72とにより構成されている。
以降、液晶パネル100の一辺に沿った一方向をX方向とし、該一辺と交差する他の一辺に沿った一方向をY方向とし、液晶パネル100に入射する光Laの進行方向をZ方向として説明する。X方向とY方向とは直交している。Z方向は、X方向及びY方向に対して直交している。また、Z方向に沿って見ることを「平面視」と言う。
液晶パネル100に電気的に接続された第1実装基板51及び第2実装基板52は、ホルダー70から+Y方向に突出し、図示していない外部回路に電気的に接続される。
図2に示すように、本実施形態の液晶パネル100は、透過型であって、例えば、石英基板などの透光性基板を用いて構成され、対向して配置された素子基板101及び対向基板102と、この一対の基板の間に挟持された液晶層とを有する。対向基板102は、素子基板101に対して光Laの入射側に配置されている。液晶パネル100は、+X方向と+Y方向とにマトリックス状に配置された複数の画素111を有する。複数の画素111がマトリックス状に配置された領域が表示領域110である。なお、表示領域110は、表示に寄与しないダミー画素を含んでいてもよい。
対向基板102の光Laの入射側に第1防塵基板103が配置され、入射した光Laが変調されて表示光として素子基板101から射出される側に第2防塵基板104が配置されている。第1防塵基板103及び第2防塵基板104は、液晶パネル100の表示が拡大投射されたときに、付着した異物の影響を受け難くするために設けられたものである。第1防塵基板103及び第2防塵基板104は、熱膨張・収縮による寸法変化を考慮して、素子基板101や対向基板102と同じ、例えば、石英基板などの透光性基板が用いられる。
液晶パネル100の対向基板102から+Y方向に突出した素子基板101の部分が端子部105である。端子部105には、外部接続用の第1端子群161と第2端子群162とが表示領域110側から+Y方向に間隔を置いて順に設けられている。第1端子群161及び第2端子群162は、それぞれ+X方向に所定のピッチで配列した複数の端子を含む。素子基板101の一辺である端子部105の一辺105aに沿って第2端子群162が配置され、第2端子群162と表示領域110との間に第1端子群161が配置されている。第1端子群161及び第2端子群162が配置された端子部105の詳しい構成については、後述する。
第1実装基板51は、第1駆動用IC21が実装された第1フレキシブル配線基板31と、第1フレキシブル配線基板31に電気的に接続された第1延長基板41とを有する。同じく、第2実装基板52は、第2駆動用IC22が実装された第2フレキシブル配線基板32と、第2フレキシブル配線基板32に電気的に接続された第2延長基板42とを有する。
液晶パネル100の端子部105に設けられた第1端子群161に第1フレキシブル配線基板31が電気的に接続されている。同じく、液晶パネル100の端子部105に設けられた第2端子群162に第2フレキシブル配線基板32が電気的に接続されている。液晶パネル100の端子部105において、第2フレキシブル配線基板32に対して−Z方向側に第1フレキシブル配線基板31が重なって実装されている。
ホルダー70を構成する第1ホルダー部材71は、四角形の本体部71aと、本体部71aから+Y方向に突出する板状の第1放熱部73とを有する。第1放熱部73の+Z方向側には、+Y方向に沿って延在すると共に、+X方向に所定の間隔で配列する複数の放熱フィン730が設けられている。本体部71aには、液晶パネル100の表示領域110に対応する部分に四角形の開口部712が設けられている。本体部71aの四隅のそれぞれに孔711が設けられている。
ホルダー70を構成するもう一方の第2ホルダー部材72は、四角形の本体部72aと、本体部72aから+Y方向に突出する門構え状の第2放熱部74とを有する。第2放熱部74の−Z方向側には、+Y方向に沿って延在すると共に、+X方向に所定の間隔で配列する複数の放熱フィン740が設けられている。本体部72aには、液晶パネル100の表示領域110に対応する部分に四角形の開口部722が設けられている。本体部72aの四隅のそれぞれに孔721が設けられている。第2ホルダー部材72の+Z方向側は凹んだ凹部となっている。
つまり、第2ホルダー部材72の凹部に、第1防塵基板103及び第2防塵基板104が貼り付けられた液晶パネル100を収容して、第1ホルダー部材71で蓋をするように挟み込まれている。第1ホルダー部材71の本体部71aと、第2ホルダー部材72の本体部72aとは、四隅に設けられた孔711,721に、例えば、ボルトを挿入してネジ止めされる。また、第1放熱部73と第2放熱部74との間に第1実装基板51と第2実装基板52とが挟み込まれた状態で、第2放熱部74に対して第1放熱部73が固定部材75により固定される。第2放熱部74の+X方向側の側面と−X方向側の側面とには、固定部材75が脱着可能に係止される係止部74aが設けられている。
なお、本実施形態では、ホルダー70を含めた液晶装置1を電気光学装置の一例としているが、電気光学装置においてホルダー70は必須の構成ではない。
図3は第1実施形態の第1実装基板及び第2実装基板が電気的に接続された液晶パネルを示す平面図、図4は第1実装基板及び第2実装基板が電気的に接続された液晶パネルを示す側面図である。図3に示すように、液晶パネル100は、表示領域110において行方向である+X方向と列方向である+Y方向とにマトリックス状に配置された複数の画素111を有する。液晶パネル100は、アクティブ駆動型であって、画素111には、画素電極(図示省略)と、画素電極をスイッチング制御するスイッチング素子(図示省略)と、液晶層を挟んで画素電極に対向する対向電極(図示省略)と、保持容量とが設けられている。画素電極と、スイッチング素子と、保持容量とは素子基板101に形成されている。スイッチング素子は、例えば、薄膜トランジスター(TFT;Thin Film Transistor)である。対向電極は、複数の画素電極と対向するように少なくとも表示領域110に亘って対向基板102に形成されている。画素電極及び対向電極は、例えば、ITOやIZOなどの透明導電膜を用いて形成されている。
素子基板101の端子部105には、第1端子群161と第2端子群162が設けられている。第1端子群161に第1実装基板51の第1フレキシブル配線基板31が電気的に接続されている。第2端子群162に第2実装基板52の第2フレキシブル配線基板32が電気的に接続されている。第1フレキシブル配線基板31に電気的に接続された第1延長基板41は、+Y方向の端部が、+X方向に屈曲している。これに対して、第2フレキシブル配線基板32に電気的に接続された第2延長基板42は、+Y方向の端部が、−X方向に屈曲している。第1延長基板41の+Y方向の端部には第1入力端子45が設けられている。第2延長基板42の+Y方向の端部には第2入力端子46が設けられている。平面視で、第2入力端子46と、第1入力端子45とは、+X方向に直線的に並んだ状態となっている。このような、第1実装基板51及び第2実装基板52によれば、外部回路基板に平置きされた2つのコネクターのうち一方のコネクターに第1延長基板41の第1入力端子45を接続し、他方のコネクターに第2延長基板42の第2入力端子46を接続することができる。つまり、一方のコネクターに第1延長基板41を接続するときに、第2延長基板42が邪魔にならない構成となっている。なお、第1延長基板41及び第2延長基板42の形状は屈曲した状態であることに限定されず、直線的な形状であってもよい。
図4に示すように、第1フレキシブル配線基板31の一方の基板面31mに第1駆動用IC21が実装されている。第1フレキシブル配線基板31の一方の基板面31mの端部に接続用端子群31tが設けられている。第2フレキシブル配線基板32の一方の基板面32mに第2駆動用IC22が実装されている。第2フレキシブル配線基板32の一方の基板面32mの端部に接続用端子群32tが設けられている。つまり、本実施形態において、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32は、いずれもフレキシブルな片面配線基板である。
対向基板102から+Y方向に張り出した素子基板101の端子部105に、+Y方向において、第1端子群161と第2端子群162とがこの順に設けられている。第1端子群161と第1フレキシブル配線基板31の接続用端子群31tとは、例えば、異方性導電フィルム(ACF;Anisotropic Conductive Film)を介して電気的に接続されている。第2端子群162と第2フレキシブル配線基板32の接続用端子群32tとは、同じく、例えば、ACFを介して電気的に接続されている。
素子基板101の端子部105に、先に実装された第2フレキシブル配線基板32に対して、−Z方向に重なるように第1フレキシブル配線基板31が実装されている。また、第2フレキシブル配線基板32は、端子部105における第2端子群162の配置に対応して、第1フレキシブル配線基板31に対して+Y方向にずれて端子部105に実装されている。したがって、素子基板101の端子部105に第1フレキシブル配線基板31と第2フレキシブル配線基板32とが実装された状態では、第2フレキシブル配線基板32の他方の基板面32nと、第1フレキシブル配線基板31の一方の基板面31mとが対向した状態となっている。
第1延長基板41及び第2延長基板42もまた、フレキシブルな片面配線基板である。第1延長基板41の一方の基板面41mにおける+Y方向の端部に第1入力端子45が設けられ、−Y方向の端部に接続用端子(図示省略)が設けられている。同様に、第2延長基板42の一方の基板面42mにおける+Y方向の端部に第2入力端子46が設けられ、−Y方向の端部に接続用端子(図示省略)が設けられている。第1延長基板41は−Y方向の端部に設けられた接続用端子を介して第1フレキシブル配線基板31と電気的に接続されている。第2延長基板42は−Y方向の端部に設けられた接続用端子を介して第2フレキシブル配線基板32と電気的に接続されている。
図4では、図示を省略しているが、第1フレキシブル配線基板31の一方の基板面31mには、複数の配線と、当該複数の配線を被覆する例えばレジスト層またはカバーレイとが設けられている。同様に、第2フレキシブル配線基板32の一方の基板面32mには、複数の配線と、当該複数の配線を被覆する例えばレジスト層またはカバーレイとが設けられている。第1延長基板41及び第2延長基板42のそれぞれにおいても、複数の配線と、当該複数の配線を被覆する例えばレジスト層またはカバーレイとが設けられている。
また、図4には図示していないが、第1駆動用IC21は、ベアチップであって、外周がモールドされた状態で、第1フレキシブル配線基板31に実装されている。第2駆動用IC22もまた、ベアチップであって、外周がモールドされた状態で、第2フレキシブル配線基板32に実装されている。さらには、端子部105において、第1端子群161と接続用端子群31tとの接続信頼性、及び第2端子群162と接続用端子群32tとの接続信頼性を確保すべく、絶縁性を有するモールド材を用いて第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32が実装された端子部105の部分を封着(モールド)することが好ましい。なお、第1フレキシブル配線基板31には、第1駆動用IC21以外に、例えば、チップ抵抗やチップコンデンサーなどの電子部品が実装されていてもよい。第2フレキシブル配線基板32も同様に第2駆動用IC22以外の電子部品が実装されていてもよい。
1−2.液晶装置の電気的な構成
図5は電気光学装置としての液晶装置の電気的な構成を示す回路図である。
図5に示すように、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置1の液晶パネル100は、表示領域110、走査線駆動回路130、データ線選択回路150(選択回路)、n本の映像信号線160と、n個の映像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)と、k本の選択信号線140と、k個の選択信号入力端子145と、複数の電源端子171,172,173と、電源端子171,172,173に対応する電源線174,175,176とを有している。nは、1以上の整数であり、kは2以上の整数である。本実施形態では、図5に示すように、4本の選択信号線140を有し、k=4であるが、これに限定されるものではない。これらの要素は、図2に示す素子基板101上に形成されている。素子基板101には、表示領域110と第1端子群161及び第2端子群162との間に、+X方向に沿ってデータ線選択回路150が形成され、データ線選択回路150が形成された一辺と交差する他の辺と表示領域110との間に、+Y方向に沿って走査線駆動回路130が形成されている。
第1フレキシブル配線基板31に実装された第1駆動用IC21、及び第2フレキシブル配線基板32に実装された第2駆動用IC22は、外部の上位回路(図示せず)から第1延長基板41及び第2延長基板42(図4参照)を介して入力されるクロック信号、制御信号、及び映像データなどに従って、液晶パネル100に表示させる映像を示す映像信号や制御信号などを出力する。液晶パネル100は、第1駆動用IC21及び第2駆動用IC22から入力されるクロック信号及び映像信号に基づいて映像を表示する。第1駆動用IC21及び第2駆動用IC22は、同一の構成を有しており、映像信号以外は同一の信号を出力する。必要に応じて第1駆動用IC21及び第2駆動用IC22の仕様により一部の駆動に係る信号を異ならしめてもよい。
表示領域110には、m本の走査線112、(k×n)本のデータ線114、及び(m×k×n)個の画素111が設けられている。mは、1以上の整数である。画素111は、走査線112とデータ線114との交差に対応して設けられ、m行×(k×n)列のマトリックス状に配列される。走査線112は、走査信号Y1,Y2,Y3,〜Ymを伝送する信号線であり、走査線駆動回路130から行方向であるX方向に沿って設けられている。データ線114は、データ信号を伝送する信号線であり、データ線選択回路150から列方向であるY方向に沿って設けられている。
表示領域110において、k本(列)のデータ線114に対応するk×m個の画素111が、1つの画素群(ブロック)を形成している。例えば、複数(m個)の第1画素111aがY方向に沿って配列された第1画素列111eがX方向に沿って複数(k列)配列された第1画素群111hと、複数(m個)の第2画素111bがY方向に沿って配列された第2画素列111fがX方向に沿って複数(k列)配列された第2画素群111iとが設けられている。ここで、同一の画素群に属する画素111は、データ線選択回路150を介して同一の映像信号線160に接続されている。したがって、液晶パネル100は、n本(列)の映像信号線160あるいはn個の映像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)によってn個のブロックに区分されたn個(列)の画素群を有することになる。
走査線駆動回路130は、マトリックス状に配置された複数の画素111の中から、データを書き込む行を選択する。具体的には、走査線駆動回路130は、複数の走査線112の中から1本の走査線112を選択するための走査信号を出力する。走査線駆動回路130は、第1行、第2行、第3行、〜第m行の走査線112に、走査信号Y1,Y2,Y3,〜Ymを供給する。走査信号Y1,Y2,Y3,〜Ymは、例えば、順次排他的にハイレベルとなる信号である。
データ線選択回路150は、各画素群において、映像信号を書き込む画素111の列(画素列)を選択する。具体的には、データ線選択回路150は、その画素群に属するk本のデータ線114の中から少なくとも1本のデータ線114を、選択信号SEL[1]〜SEL[k]に応じて選択する。データ線114は、k本を単位として、データ線選択回路150により、1本ずつ1本の映像信号線160に接続される。本実施形態において、データ線選択回路150は、n個の画素群の各々に対応するn個のデマルチプレクサー151を有する。
映像信号線160は、映像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)とデータ線選択回路150とを接続する。映像信号線160は、映像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)を介して、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32から入力された映像信号S(S[1]〜S[n])を、データ線選択回路150に伝送する信号線であり、n個の映像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)あるいはn個の画素群の各々に対応して、n列(本)設けられている。映像信号Sは、画素111に書き込まれるデータを示す信号である。ここで、「映像」は静止画または動画をいう。1本の映像信号線160は、データ線選択回路150を介してk本のデータ線114に接続される。従って、映像信号Sにおいては、これらk本のデータ線114に供給されるデータが時分割多重されている。
選択信号線140は、選択信号入力端子145とデータ線選択回路150のデマルチプレクサー151とを電気的に接続する。選択信号線140(140[1]〜140[k])は、選択信号入力端子145(145[1]〜145[k])から入力された選択信号SEL(SEL[1]〜SEL[k])を伝送する信号線であり、k本設けられる。選択信号SELは、順次ハイレベルとなる信号である。
映像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)は、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32が電気的に接続される端子であり、映像信号S[j]が供給される(jは、1≦j≦nを満たす整数)。この例では、第1駆動用IC21から、第2列、第4列、第6列、…第(2t)列の偶数列の映像信号線160に対応する映像信号入力端子(第1端子群161)に、映像信号S[2t]が供給される。第2駆動用IC22から、第1列、第3列、第5列、…第(2t−1)列の奇数列の映像信号線160に対応する映像信号入力端子(第2端子群162)に、映像信号S[2t−1]が供給される(tは1≦t≦n/2の整数)。また、映像信号Sは、いわゆるデータ信号であり、映像信号入力端子(第1端子群161及び第2端子群162)には、映像の表示に応じた異なる波形のアナログ信号が供給される。
選択信号入力端子145は、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32に電気的に接続される端子であり、パルス信号からなる選択信号SELが供給される。選択信号SELは、データ線選択回路150において、データ線114を選択するタイミング信号である。選択信号入力端子145は、第1フレキシブル配線基板31が電気的に接続される端子、及び第2フレキシブル配線基板32に電気的に接続される端子が含まれており、第1フレキシブル配線基板31の第1駆動用IC21及び第2フレキシブル配線基板32の第2駆動用IC22の両方あるいは一方から選択信号SELが供給される。本実施形態では、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32の各々に対応する選択信号入力端子145には、同じ波形の選択信号SELが供給される。従って、選択信号入力端子145については、第1フレキシブル配線基板31が電気的に接続される端子、及び第2フレキシブル配線基板32に電気的に接続される端子を区別せずに示してあるが、第1フレキシブル配線基板31が電気的に接続される端子、及び第2フレキシブル配線基板32に電気的に接続される端子として、第1端子群161、及び第2端子群162とに区別してもよい。
電源端子171、電源端子172、及び電源端子173は、第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32に電気的に接続される端子であり、第1駆動用IC21及び第2駆動用IC22を経由せずに、上位回路から第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32を介して電源電圧が供給される。電源電圧とは、液晶パネル100において電源として用いられる電圧であり、この例では直流電圧である。電源端子171は共通電圧LCCOMを供給するための端子であり、電源端子172は基準電圧VSSYを供給するための端子であり、電源端子173は駆動電圧VDDYを供給するための端子である。共通電圧LCCOMは、液晶層に印加される電圧の基準電位となる電圧である。基準電圧VSSYは、走査線駆動回路130における低電圧側の電源電位となる電圧である。駆動電圧VDDYは、走査線駆動回路130における高電圧側の電源電位となる電圧である。電源端子171,172,173については、第1フレキシブル配線基板31が電気的に接続される端子、及び第2フレキシブル配線基板32に電気的に接続される端子を区別せずに示してあるが、第1フレキシブル配線基板31が電気的に接続される端子、及び第2フレキシブル配線基板32に電気的に接続される端子として、第1端子群161、及び第2端子群162とに区別してもよい。
本実施形態では、素子基板101において、走査線駆動回路130が1つだけ設けられているため、電源端子172,173は、+X方向の片側だけに設けられている。なお、走査線駆動回路130の配置はこれに限定されず、X方向に表示領域110を挟んだ両側に走査線駆動回路130を設けてもよい。その場合は、電源端子171,172,173は各々、素子基板101のX方向の両側に設けられる構成となる。
本実施形態では、映像信号S[j]には、対応する画素群の第[k×j−k+1]〜第[k×j]列の画素111に書き込まれるデータが時分割多重されている。また、S[j]が奇数番目のS[2t−1]である場合は、第2駆動用IC22から奇数番目の画素群のデータ線114に供給される。また、S[j]が偶数番目のS[2t]である場合は、第1駆動用IC21から偶数番目の画素群のデータ線114に供給される。かかる構成によれば、第1駆動用IC21及び第2駆動用IC22の2つの駆動用ICを用いているため、1つの駆動用ICを用いた場合と比較して1周期で2倍の画素111に対してデータの書き込みを行うことができる。そして、上述のように、第1端子群161及び第2端子群162が配置されることにより、高精細で高品位な小型の液晶装置1を実現できる。なお、第1端子群161及び第2端子群162と画素群のデータ線114との接続は、これに限定されず、第1駆動用IC21から奇数番目の画素群のデータ線114に映像信号S[J]が供給され、第2駆動用IC22から偶数番目の画素群のデータ線114に映像信号S[J]が供給されるように、接続してもよい。
1−3.端子部の構成
図6は端子部における第1端子群及び第2端子群の配置を示す概略平面図である。
図6に示すように、素子基板101の端子部105には、第1端子群161と、第2端子群162と、前述した第1フレキシブル配線基板31及び第2フレキシブル配線基板32の実装に係る4つのアライメントマークAL1〜AL4とが配置されている。Y方向において、第1端子群161は対向基板102の一辺102a側、言い換えれば表示領域110側に設けられ、第2端子群162は端子部105の一辺105a側に設けられている。本実施形態におけるアライメントマークAL1〜AL4の外形は円形であるが、これに限定されるものではなく、四角形や十字形などであってもよい。
第1端子群161は、+X方向に等間隔で配置されたn個の第1端子としての、端子161(1)、端子161(2)、・・・、端子161(n-1)、端子161(n)を含んで構成されている。第1端子群161の各端子は、+Y方向に長い矩形状であって、X方向の幅Lは例えば40μm(マイクロメートル)、Y方向の長さhは例えば500μmである。+X方向に隣り合う端子の間の長さ、つまり端子間スペースSは例えば16μmである。すなわち、端子ピッチP1は例えば56μmである。端子数nを例えば333とすると、+X方向に配列する端子161(1)〜端子161(n)までの距離L1は、P1×(n−1)=56×332=18592μmである。
第2端子群162は、+X方向に等間隔で配置されたn個の第2端子としての、端子162(1)、端子162(2)、・・・、端子162(n-1)、端子162(n)を含んで構成されている。第2端子群162の各端子もまた、+Y方向に長い矩形状であって、X方向の幅L及びY方向の長さh並びに端子間スペースSは、第1端子群161における端子間スペースSと同じである。第2端子群162の第2端子は、第1端子群161の第1端子に対して対向基板102の一辺102a側とは反対側に配置されている。
第1端子群161と第2端子群162とは+Y方向に距離L2を置いて並列するように配置されている。第1端子群161の−Y方向側の端部と対向基板102の一辺102aとの間の距離L3は、例えば1600μmである。第2端子群162の+Y方向側の端部と端子部105の一辺105aとの間の距離L4は例えば150μmである。
第1端子群161を+X方向に挟むようにして、一対のアライメントマークAL1,AL2が設けられている。同じく、第2端子群162を+X方向に挟むようにして、一対のアライメントマークAL3,AL4が設けられている。双方のアライメントマーク中心間距離L5は例えば19000μmである。アライメントマークAL1とアライメントマークAL3との中心間距離L6は例えば2100μmである。
このような第1端子群161における複数の第1端子のそれぞれと、第2端子群162における複数の第2端子のそれぞれとに、図5に示したように映像信号線160が電気的に接続される。実際には、第1端子群161の方が第2端子群162に比べてデータ線選択回路150側、つまり表示領域110側に配置されることになる。したがって、第1端子群161の第1端子及び第2端子群162の第2端子のそれぞれに、データ線選択回路150から映像信号線160を最短で接続すると、第1端子に電気的に接続された映像信号線160と、第2端子に電気的に接続された映像信号線160とでは長さが異なることになる。このように映像信号線160の長さが異なると、映像信号線160により伝送される映像信号の電位や、画素111への映像信号の伝達時間、言い換えれば、映像信号の応答時間などの電気特性におけるバラツキが生じて表示ムラを生じさせる。発明者らは、このような表示ムラを改善すべく、第1端子群161の第1端子と第2端子群162の第2端子とにそれぞれ電気的に接続される映像信号線160について見直しを行って新たな設計仕様を見出した。以降、具体的な実施例を挙げて説明する。
1−4.映像信号線の実施例
第1端子群161の第1端子及び第2端子群162の第2端子のそれぞれに電気的に接続される映像信号線160として、実施例1〜実施例4を挙げ、図7〜図10を参照して説明する。
図7は実施例1の映像信号線の配置を示す概略平面図、図8は実施例2の映像信号線の配置を示す概略平面図、図9は実施例3の映像信号線の配置を示す概略平面図、図10は実施例4の映像信号線の配置を示す概略平面図である。なお、図7〜図10のそれぞれは、第1端子群161のうちの端子161(1)及び端子161(2)と、第2端子群162のうちの端子162(1)及び端子162(2)と、これらの端子に電気的に接続される映像信号線とを図示したものである。他の端子に電気的に接続される映像信号線の配置は、これらの端子に電気的に接続される映像信号線の配置と同じであるため、図示を省略する。実施例1〜実施例4において映像信号線の形態が異なることから、実施例1〜実施例4の映像信号線についてそれぞれ異なる符号を付して説明する。
1−4−1.実施例1
図7に示すように、実施例1では、第1端子群161の端子161(1)に第1映像信号線163が電気的に接続されている。また、第2端子群162の端子162(1)に第2映像信号線164が電気的に接続されている。同様に、第1端子群161の端子161(2)に第1映像信号線163が電気的に接続されている。また、第2端子群162の端子162(2)に第2映像信号線164が電気的に接続されている。
第1映像信号線163は、端子161(1)から第2端子群162側、つまり+Y方向へ延在する第1部分163aと、第1部分163aから第1部分163aと交差する−X方向へ延在する第2部分163bと、第2部分163bから−Y方向にデータ線選択回路150側へ延在する第3部分163cとを有している。データ線選択回路150は、図5に示したように、液晶パネル100において、表示領域110と、第1端子群161及び第2端子群162との間に配置されていることから、第3部分163cは、表示領域110側へ延在していると言える。
第2映像信号線164は、端子162(1)から第1端子群161側、つまり−Y方向へ延在する第4部分164aと、第4部分164aから第4部分164aと交差する−X方向へ延在する第5部分164bと、第5部分164bから−Y方向にデータ線選択回路150側へ延在する第6部分164cとを有している。第6部分164cもまた第3部分163cと同様に、表示領域110側へ延在していると言える。
以降、説明の都合上、端子161(1)の符号をt11とし、端子161(1)に対して+X方向に隣り合う他の端子161(2)の符号をt12とする。同様に、端子162(1)の符号をt21とし、端子162(1)に対して+X方向に隣り合う他の端子162(2)の符号をt22とする。
図7に示すように、第1映像信号線163の第1部分163aの長さは、端子t12との接続点Aから第2部分163bとの接続点Bまでである。第1映像信号線163の第2部分163bの長さは、第1部分163aとの接続点Bから第3部分163cとの接続点Cまでである。第1映像信号線163の第3部分163cの長さは、第2部分163bとの接続点Cから中間点Dまでである。Y方向における第1映像信号線163の中間点Dの位置は、端子t12の−Y方向側の端部の位置と同じである。このような第1映像信号線163の長さに関する定義は、端子t12に隣り合う端子t11に対しても同じである。
図7に示すように、第2映像信号線164の第4部分164aの長さは、端子t22との接続点Eから第5部分164bとの接続点Fまでである。第2映像信号線164の第5部分164bの長さは、第4部分164aとの接続点Fから第6部分164cとの接続点Gまでである。第2映像信号線164の第6部分164cの長さは、第5部分164bとの接続点Gから中間点Hまでである。Y方向における第2映像信号線164の中間点Hの位置は、隣り合う第1映像信号線163の中間点Dの位置と同じである。このような第2映像信号線164の長さに関する定義は、端子t22に隣り合う端子t21に対しても同じである。
Y方向における端子t11と端子t21との間の距離を2分割する仮想のセンターラインCL1を設けると、接続点AとセンターラインCL1との間の距離D1は、接続点EとセンターラインCL1との間の距離D2と同じである。実施例1では、第1映像信号線163の第1部分163aの長さと、第2映像信号線164の第4部分164aの長さとは同じである。第1映像信号線163の第2部分163bと第2映像信号線164の第5部分164bとは、センターラインCL1を挟んで並行して配置されているが、第2部分163bの長さは第5部分164bの長さよりもわずかに短い。第1映像信号線163の第3部分163cと第2映像信号線164の第6部分164cとは、X方向に隣り合ってY方向へ延在しているが、第3部分163cの長さは第6部分164cの長さよりもわずかに短い。
なお、第1映像信号線163のうち中間点Dからデータ線選択回路150に向かう部分は単純な直線でなく斜め配線であってもよい。第1端子群161の端子ピッチP1とデータ線選択回路150を構成するデマルチプレクサー151の配置ピッチとは異なることが一般的であり、第1端子群161の第1端子とデマルチプレクサー151とを電気的に接続するために上記のような斜め配線の束線が使用される。同様に、第2映像信号線164のうち中間点Hからデータ線選択回路150に向かう束線は単純な直線でなく、第1映像信号線163に沿った斜め配線であってもよい。
この場合、上記斜め配線の配線長は、データ線選択回路150のX方向における左側部、中央部、右側部で異なることになる。上記斜め配線の配線長は隣り合う映像信号線間で滑らかに微小変化するので表示上の不具合は見え難い。本願は、図6に示したように、端子部105において隣り合う映像信号線間で配線長の差がアライメントマークAL1とアライメントマークAL3との中心間距離L6に相当する2100μmも生じることによる表示の不具合を解決するものである。
第1映像信号線163の線幅と第2映像信号線164の線幅とは同一であって、例えば、5μmである。図6において端子間スペースSを16μmとした例と合わせて考えれば、端子t12と第1映像信号線163の第3部分163cとの間隙、第1映像信号線163の第3部分163cと第2映像信号線164の第6部分164cとの間隙、第2映像信号線164の第6部分164cと端子t11との間隙のそれぞれを2μmとすることができる。素子基板101において、第1映像信号線163と第2映像信号線164とは、同一の配線材料を用い、同一の配線層に形成されている。したがって、データ線選択回路150のデマルチプレクサー151から端子t11と端子t21とにそれぞれ最短で接続するように映像信号線を配置する場合に比べて、実施例1の第1映像信号線163と第2映像信号線164とは、電気的にほぼ同じ抵抗となる。また、第2部分163bと第5部分164bとはX方向に沿って並行しており、データ線選択回路150側へ延在する第3部分163cと第6部分164cとは端子t11の−X方向側の長辺に沿って並行している。したがって、第2部分163bと第5部分164bとの間、及び第3部分163cと第6部分164cとの間に生ずる寄生容量を含む第1映像信号線163の配線容量は、同じく上記の寄生容量を含む第2映像信号線164の配線容量とほぼ同じになる。つまり、第1映像信号線163と第2映像信号線164とは電気的な性質がほぼ同じになっている。なお、実施例1では、第1映像信号線163の第1部分163aに対して−X方向へ延在するように第2部分163bを配置し、同じく第2映像信号線164の第4部分164aに対して−X方向へ延在するように第5部分164bを配置したが、これに限定されない。第1部分163aに対して+X方向へ延在するように第2部分163bを配置し、第4部分164aに対して同じく+X方向へ延在するように第5部分164bを配置してもよい。
また、第1映像信号線163の第2部分163bの長さと第2映像信号線164の第5部分164bの長さとの差異、及び第1映像信号線163の第3部分163cの長さと第2映像信号線164の第6部分164cの長さとの差異による抵抗値の差を補正するために、接続点B,C,F,Gを仮想のセンターラインCL1より端子t22側に寄せて配置してもよい。例えば接続点B,C,F,Gを仮想のセンターラインCL1より端子t22側に5μmオフセットさせると、第1映像信号線163について接続点Aから中間点Dまでの経路長は10μm延長される。一方で第2映像信号線164について接続点Eから中間点Hまでの経路長は変わらない。これは第1映像信号線163に第1部分163aを設けた構成による効果の1つである。このようにすると第1映像信号線163と第2映像信号線164とは、抵抗値について同一性が高まるのでさらに好ましい形態となる。
1−4−2.実施例2
図8に示すように、実施例2では、第1端子群161の端子t11に第1映像信号線165が電気的に接続されている。また、第2端子群162の端子t21に第2映像信号線166が電気的に接続されている。同様に、第1端子群161の端子t12に第1映像信号線165が電気的に接続されている。また、第2端子群162の端子t22に第2映像信号線166が電気的に接続されている。
第1映像信号線165は、端子t11から第2端子群162側、つまり+Y方向へ延在する第1部分165aと、第1部分165aから第1部分165aに対して斜め45度の方向に交差して延在する第2部分165bと、第2部分165bから−Y方向にデータ線選択回路150側へ延在する第3部分165cとを有している。第3部分165cは、端子t11の+X方向側の長辺に沿って−Y方向へ延在している。
第2映像信号線166は、端子t21から第1端子群161側、つまり−Y方向へ延在する第4部分166aと、第4部分166aから第4部分166aに対して斜め45度の方向に交差し、第1映像信号線165の第2部分165bと並行して延在する第5部分166bと、第5部分166bから−Y方向にデータ線選択回路150側へ延在する第6部分166cとを有している。第6部分166cは、端子t11の−X方向側の長辺に沿って−Y方向へ延在している。実施例2では、X方向に隣り合う端子t11と端子t12との間において、第1映像信号線165の第3部分165cと第2映像信号線166の第6部分166cとが並行して−Y方向へ延在している。
図8に示すように、第1映像信号線165の第1部分165aの長さは、端子t12との接続点Aから第2部分165bとの接続点Bまでである。第1映像信号線165の第2部分165bの長さは、第1部分165aとの接続点Bから第3部分165cとの接続点Cまでである。実施例2における接続点Cは仮想のセンターラインCL1上に位置している。第1映像信号線165の第3部分165cの長さは、第2部分165bとの接続点Cから中間点Dまでである。この場合、Y方向における第1映像信号線165の中間点Dの位置は、端子t12の−Y方向側の端部の位置と同じである。このような実施例2の第1映像信号線165の長さに関する定義は、端子t12に隣り合う端子t11に対しても同じである。
図8に示すように、Y方向における端子t11と端子t21との間の距離を2分割する仮想のセンターラインCL1を設けると、接続点AとセンターラインCL1との間の距離D1は、接続点EとセンターラインCL1との間の距離D2と同じである。第2映像信号線166の第4部分166aの長さは、端子t22との接続点Eから第5部分166bとの接続点Fまでである。第2映像信号線166の第5部分166bの長さは、第4部分166aとの接続点Fから第6部分166cとの接続点Gまでである。実施例2の接続点Gは仮想のセンターラインCL1上に位置している。第2映像信号線166の第6部分166cの長さは、第5部分166bとの接続点Gから中間点Hまでである。この場合、Y方向における第2映像信号線166の中間点Hの位置は、隣り合う端子t12の−Y方向側の端部の位置と同じである。このような実施例2の第2映像信号線166の長さに関する定義は、端子t22に隣り合う端子t21に対しても同じである。
実施例2では、第1映像信号線165の第1部分165aの長さと、第2映像信号線166の第4部分166aの長さとは同じである。また、第1映像信号線165の第2部分165bの長さと第2映像信号線166の第5部分166bの長さとは同じである。さらに、第1映像信号線165の第3部分165cの長さと第2映像信号線166の第6部分166cの長さとは同じである。つまり、第1映像信号線165の長さと第2映像信号線166の長さとは同じである。
なお、第1映像信号線165のうち中間点Dからデータ線選択回路150に向かう束線は単純な直線でなく斜め配線であってもよい。同様に、第2映像信号線166のうち中間点Hからデータ線選択回路150に向かう束線は単純な直線でなく、第1映像信号線165に沿った斜め配線であってもよい。
第1映像信号線165の線幅と第2映像信号線166の線幅とは同一であって、例えば、5μmである。素子基板101において、第1映像信号線165と第2映像信号線166とは、同一の配線材料を用い、同一の配線層に形成されている。したがって、実施例2の第1映像信号線165と第2映像信号線166とは、電気的に同じ抵抗となる。また、第2部分165bと第5部分166bとはX方向に対して斜め45度に傾斜して並行しており、データ線選択回路150側へ延在する第3部分165cと第6部分166cとは端子t11の長辺に沿って並行している。したがって、第2部分165bと第5部分166bとの間、及び第3部分165cと第6部分166cとの間に生ずる寄生容量を含む第1映像信号線165の配線容量は、同じく上記の寄生容量を含む第2映像信号線166の配線容量とほぼ同じになる。つまり、第1映像信号線165と第2映像信号線166とは電気的な性質がほぼ同じになっている。なお、第2部分165b及び第5部分166bの傾斜角度は45度に限定されない。
1−4−3.実施例3
図9に示すように、実施例3では、第1端子群161の端子t11に第1映像信号線165Eが電気的に接続されている。また、第2端子群162の端子t21に第2映像信号線166Eが電気的に接続されている。同様に、第1端子群161の端子t12に第1映像信号線165Eが電気的に接続されている。また、第2端子群162の端子t22に第2映像信号線166Eが電気的に接続されている。実施例3は実施例2の変形例であり、実施例2と同じ構成には同じ符号を付して説明する。
第1映像信号線165Eは、端子t11から第2端子群162側、つまり+Y方向へ延在する第1部分165aと、第1部分165aから第1部分165aに対して斜め45度の方向に交差して延在する第2部分165bと、第2部分165bから−Y方向にデータ線選択回路150側へ延在する第3部分165cと、第3部分165cからデータ線選択回路150と反対側の+Y方向へ延在する第1延在部165dとを有している。第3部分165cは、端子t11の+X方向側の長辺に沿って−Y方向へ延在し、第1延在部165dは、端子t21の+X方向側の長辺に沿って+Y方向へ延在している。
第2映像信号線166Eは、端子t21から第1端子群161側、つまり−Y方向へ延在する第4部分166aと、第4部分166aから第4部分166aに対して斜め45度の方向に交差し、第1映像信号線165Eの第2部分165bと並行して延在する第5部分166bと、第5部分166bから−Y方向にデータ線選択回路150側へ延在する第6部分166cと、第6部分166cからデータ線選択回路150と反対側の+Y方向へ延在する第2延在部166dとを有している。第6部分166cは、端子t11の−X方向側の長辺に沿って−Y方向へ延在し、第2延在部166dは、端子t21の−X方向側の長辺に沿って+Y方向へ延在している。実施例3では、X方向に隣り合う端子t11と端子t12との間において、第1映像信号線165Eの第3部分165cと、第2映像信号線166Eの第6部分166cとが並行して延在している。また、X方向に隣り合う端子t21と端子t22との間において、第1映像信号線165Eの第1延在部165dと、第2映像信号線166Eの第2延在部166dとが並行して延在している。
図9に示すように、第1映像信号線165Eの第1部分165aの長さは、端子t12との接続点Aから第2部分165bとの接続点Bまでである。第1映像信号線165Eの第2部分165bの長さは、第1部分165aとの接続点Bから第3部分165cとの接続点Cまでである。実施例3における接続点Cは仮想のセンターラインCL1上に位置している。第1映像信号線165Eの第3部分165cの長さは、第2部分165bとの接続点Cから中間点Dまでである。この場合、Y方向における第1映像信号線165の中間点Dの位置は、端子t12の−Y方向側の端部の位置と同じである。第1映像信号線165Eの第1延在部165dの長さは、第3部分165cとの接続点Cからデータ線選択回路150と反対側の端部Jまでである。+Y方向における端部Jの位置は、+Y方向における端子t22の端部の位置と同じである。言い換えれば、端部Jと端子部105の一辺105aとの間の距離は、図6に示したように、距離L4であり、例えば150μmである。このような実施例3の第1映像信号線165Eの長さに関する定義は、端子t12に隣り合う端子t11に対しても同じである。
図9に示すように、第2映像信号線166Eの第4部分166aの長さは、端子t22との接続点Eから第5部分166bとの接続点Fまでである。第2映像信号線166Eの第5部分166bの長さは、第4部分166aとの接続点Fから第6部分166cとの接続点Gまでである。実施例3の接続点Gは仮想のセンターラインCL1上に位置している。第2映像信号線166Eの第6部分166cの長さは、第5部分166bとの接続点Gから中間点Hまでである。この場合、Y方向における第2映像信号線166Eの中間点Hの位置は、隣り合う端子t12の−Y方向側の端部の位置と同じである。第2映像信号線166Eの第2延在部166dの長さは、第6部分166cとの接続点Gからデータ線選択回路150と反対側の端部Kまでである。+Y方向における端部Kの位置は、+Y方向における端子t22の端部の位置と同じである。言い換えれば、端部Kと端子部105の一辺105aとの間の距離は、図6に示したように、距離L4であり、例えば150μmである。このような実施例3の第2映像信号線166Eの長さに関する定義は、端子t22に隣り合う端子t21に対しても同じである。
なお、第1延在部165dの端部J及び第2延在部166dの端部Kは、端子部105の一辺105aに到達してもよく、図示しない検査信号線や、静電破壊抑制のためのガードリングに接続する構成であってもよい。
実施例3では、第1映像信号線165Eの第1部分165aの長さと、第2映像信号線166Eの第4部分166aの長さとは同じである。また、第1映像信号線165Eの第2部分165bの長さと第2映像信号線166Eの第5部分166bの長さとは同じである。さらに、第1映像信号線165Eの第3部分165c及び第1延在部165dの長さと第2映像信号線166Eの第6部分166c及び第2延在部166dの長さとは同じである。
第1映像信号線165Eの線幅と第2映像信号線166Eの線幅とは同一であって、例えば、5μmである。素子基板101において、第1映像信号線165Eと第2映像信号線166Eとは、同一の配線材料を用い、同一の配線層に形成されている。したがって、実施例3の第1映像信号線165Eと第2映像信号線166Eとは、電気的に同じ抵抗となる。また、実施例3は、実施例2に対して第1延在部165dと第2延在部166dとを加えた構成となっている。そのため、実施例2では第2映像信号線166の第4部分166aに対してX方向に隣り合う配線が存在していなかったのに対して、実施例3では第4部分166aに対して+X方向側に第1延在部165dが隣り合って配置され、−X方向側に第2延在部166dが隣り合って配置されている。それゆえに、実施例2の第1映像信号線165及び第2映像信号線166に対して、実施例3の第1映像信号線165E及び第2映像信号線166Eのほうが、配線容量を同じにする点において優れている。つまり、実施例3は実施例2に比べて、第1端子群161のデータ線選択回路150側の端部から第2端子群162の端子部105の一辺105a側の端部までの領域において、第1映像信号線165Eと第2映像信号線166Eとにおける電気的な性質を同じにすることができる。すなわち、端子部105において第1端子群161と第2端子群162とがY方向に隔離して配置された構成をとりながらも、同等の電気的性質を有する映像信号線の引き出しを実現している。
1−4−4.実施例4
図10に示すように、実施例4では、第1端子群161の端子t11に第1映像信号線167が電気的に接続されている。また、第2端子群162の端子t21に第2映像信号線168が電気的に接続されている。同様に、第1端子群161の端子t12に第1映像信号線167が電気的に接続されている。また、第2端子群162の端子t22に第2映像信号線168が電気的に接続されている。実施例4は実施例3の変形例である。
第1映像信号線167は、端子t11から第2端子群162側、つまり+Y方向へ延在する第1部分167aと、第1部分167aから第1部分167aと交差し+X方向へ延在する第2部分167bと、第2部分167bから−Y方向にデータ線選択回路150側へ延在する第3部分167cと、第3部分167cからデータ線選択回路150と反対側の+Y方向へ延在する第1延在部167dとを有している。第3部分167cは、端子t11の+X方向側の長辺に沿って−Y方向へ延在し、第1延在部167dは、端子t21の+X方向側の長辺に沿って+Y方向へ延在している。
第2映像信号線168は、端子t21から第1端子群161側、つまり−Y方向へ延在する第4部分168aと、第4部分168aから第4部分168aに交差し、第1映像信号線167の第2部分167bと反対方向の−X方向へ延在する第5部分168bと、第5部分168bから−Y方向にデータ線選択回路150側へ延在する第6部分168cと、第6部分168cからデータ線選択回路150と反対側の+Y方向へ延在する第2延在部168dとを有している。第6部分168cは、端子t11の−X方向側の長辺に沿って−Y方向へ延在し、第2延在部168dは、端子t21の−X方向側の長辺に沿って+Y方向へ延在している。X方向に隣り合う端子t11と端子t12との間において、第1映像信号線167の第3部分167cと、第2映像信号線168の第6部分168cとが並行して延在している。また、X方向に隣り合う端子t21と端子t22との間において、第1映像信号線167の第1延在部167dと、第2映像信号線168の第2延在部168dとが並行して延在している。
図10に示すように、Y方向における端子t11と端子t21との間の距離を2分割する仮想のセンターラインCL1を設けると、接続点AとセンターラインCL1との間の距離D1は、接続点EとセンターラインCL1との間の距離D2と同じである。第1映像信号線167の第1部分167aの長さは、端子t12との接続点Aから第2部分167bとの接続点Bまでである。第1映像信号線167の第2部分167bの長さは、第1部分167aとの接続点Bから第3部分167cとの接続点Cまでである。実施例4における接続点B及び接続点Cは仮想のセンターラインCL1上に位置している。第1映像信号線167の第3部分167cの長さは、第2部分167bとの接続点Cから中間点Dまでである。この場合、Y方向における第1映像信号線167の中間点Dの位置は、端子t12の−Y方向側の端部の位置と同じである。第1映像信号線167の第1延在部167dの長さは、第3部分167cとの接続点Cから表示領域110と反対側の端部Jまでである。+Y方向における端部Jの位置は、+Y方向における端子t22の端部の位置と同じである。このような実施例4の第1映像信号線167の長さに関する定義は、端子t11に対しても同じである。
図10に示すように、第2映像信号線168の第4部分168aの長さは、端子t22との接続点Eから第5部分168bとの接続点Fまでである。第2映像信号線168の第5部分168bの長さは、第4部分168aとの接続点Fから第6部分168cとの接続点Gまでである。実施例4の接続点F及び接続点Gは仮想のセンターラインCL1上に位置している。第2映像信号線168の第6部分168cの長さは、第5部分168bとの接続点Gから中間点Hまでである。第2映像信号線168の第2延在部168dの長さは、第6部分168cとの接続点Gからデータ線選択回路150と反対側の端部Kまでである。+Y方向における端部Kの位置は、+Y方向における端子t22の端部の位置と同じである。このような実施例4の第2映像信号線168の長さに関する定義は、端子t21に対しても同じである。
図10に示すように、実施例4では、第1映像信号線167の第1部分167aの長さは距離D1であり、第2映像信号線168の第4部分168aの長さは距離D2であって、D1=D2であることから双方の長さは同じである。また、第1映像信号線167の第2部分167bの長さと第2映像信号線168の第5部分168bの長さとは同じである。さらに、第1映像信号線167の第3部分167c及び第1延在部167dの長さと第2映像信号線168の第6部分168c及び第2延在部168dの長さとは同じである。つまり、第1映像信号線167の長さと第2映像信号線168の長さとは同じである。
なお、第1映像信号線167のうち中間点Dからデータ線選択回路150に向かう束線は単純な直線でなく斜め配線であってもよい。同様に、第2映像信号線168のうち中間点Hからデータ線選択回路150に向かう束線は単純な直線でなく、第1映像信号線167に沿った斜め配線であってもよい。
また、第1延在部167dの端部J及び第2延在部168dの端部Kは、端子部105の一辺105aに到達してもよく、図示しない検査信号線や、静電破壊抑制のためのガードリングに接続する構成であってもよい。
第1映像信号線167の線幅と第2映像信号線168の線幅とは同一であって、例えば、5μmである。素子基板101において、第1映像信号線167と第2映像信号線168とは、同一の配線材料を用い、同一の配線層に形成されている。したがって、実施例4の第1映像信号線167と第2映像信号線168とは、電気的に同じ抵抗となる。また、実施例4は実施例3と同様に第1延在部167d及び第2延在部168dを有していることから、第1映像信号線167の配線容量と第2映像信号線168の配線容量とを同じにすることができる。加えて、実施例4では、第1映像信号線167の第2部分167bと第2映像信号線168の第5部分168bとは、仮想のセンターラインCL1上において直線的に配置されていることから、実施例3に比べて、第2部分167bと第5部分168bとの間の寄生容量が小さくなるため、第1映像信号線167及び第2映像信号線168の配線容量を小さくすることができる。また、実施例3に比べて、第1映像信号線167の第1部分167aと第2映像信号線168の第6部分168cとの間隔が大きくなったので、この領域の寄生容量も小さくなる。一方で第1映像信号線167の第1部分167aと第3部分167cとの間隔が狭まっているが、同じノード(第1映像信号線167)であるため寄生容量は問題にならない。
上記の実施例1〜実施例4のうち、実施例2〜実施例4では、第1端子群161のうち+X方向側の端に位置する端子161(n)に電気的に接続される第1映像信号線の第3部分には隣り合う映像信号線が存在しない。また、第2端子群162のうち−X方向側の端に位置する端子162(1)に電気的に接続される第2映像信号線の第6部分には隣り合う映像信号線が存在しない。そうするとX方向に第1端子群161及び第2端子群162を挟んで両端側に位置する映像信号線における配線容量が、他の映像信号線の配線容量と異なることになる。そのような場合、当該両端側に位置する映像信号線が電気的に接続される画素を表示に寄与しないダミー画素とすれば、映像信号線の配線容量の違いに起因する表示ムラを視認されないようにすることが可能である。
上記第1実施形態の液晶装置1によれば、以下の効果が得られる。
(1)素子基板101の端子部105において、データ線選択回路150側に配置される第1端子群161の第1端子に電気的に接続される第1映像信号線は、第1端子群161よりもデータ線選択回路150から遠い位置に配置される第2端子群162側へ延在する第1部分を含んで構成される。また、第2端子群162の第2端子に電気的に接続される第2映像信号線は、第1端子群161側へ延在する第4部分を含んで構成される。第1部分及び第4部分は、並列する第1端子群161と第2端子群162との間に配置され、線幅と長さとが同じである。したがって、第1端子群161の第1端子のデータ線選択回路150側に向いた短辺に第1映像信号線を接続し、第2端子群162の第2端子のデータ線選択回路150側に向いた短辺に第2映像信号線を配置する場合に比べて、第1映像信号線及び第2映像信号線における電気的な性質をほぼ同じとすることができる。ゆえに、第1映像信号線と第2映像信号線との電気的な性質が異なることに起因する表示ムラが改善された電気光学装置としての液晶装置1を提供することができる。また、第1映像信号線と第2映像信号線とは、同じ線幅で、同一の配線層に形成されることから、設計上の負荷を軽減することができる。
(2)第1映像信号線のうち第1部分に対して交差する第2部分と、第2映像信号線のうち第4部分に対して交差する第5部分とを、実施例2及び実施例3のようにX方向に対して傾斜させ対向するように配置する、あるいは実施例4のようにX方向へ延在する仮想のセンターラインCL1上に直線的に配置することが好ましい。これによって、第2部分の長さと第5部分の長さとを同じにし、さらに第3部分の長さと第6部分の長さとを同じにすることができる。ゆえに、第1映像信号線の電気抵抗と第2映像信号線の電気抵抗とが同じになるため、第1映像信号線と第2映像信号線との電気抵抗の違いに起因する表示ムラをさらに改善することができる。
(3)第1端子群161の第1端子と第1端子に隣り合う他の端子との間において、第1映像信号線のうちデータ線選択回路150側へ延在する第3部分と、第2映像信号線のうち同じくデータ線選択回路150側へ延在する第6部分とは、第1端子の長辺に沿って並行して配置されている。したがって、隣り合う配線部分に生ずる寄生容量を含む第1映像信号線と第2映像信号線との配線容量をほぼ同じにすることができる。これによって、第1映像信号線と第2映像信号線との配線容量(配線時定数)の違いに起因する表示ムラを改善することができる。
(4)第1映像信号線の第3部分にデータ線選択回路150と反対側へ延在する第1延在部を設け、同じく第2映像信号線の第6部分にデータ線選択回路150と反対側へ延在する第2延在部を設けることにより、隣り合う配線部分に生ずる寄生容量を含む第1映像信号線と第2映像信号線との配線容量を同じにすることができる。これによって、第1映像信号線と第2映像信号線との配線容量(配線時定数)の違いに起因する表示ムラをさらに改善することができる。
2.第2実施形態
2−1.電気光学装置
第2実施形態の電気光学装置として、上記第1実施形態と同様に液晶装置を例に挙げて説明する。第2実施形態の電気光学装置としての液晶装置は、上記第1実施形態の液晶装置1の素子基板101において、映像信号線に静電気保護回路を設けたものである。したがって、上記第1実施形態の液晶装置1と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。また、映像信号線及び静電気保護回路を含む構成について、具体的な実施例5及び実施例6を挙げ、図11〜図17を参照して説明する。
2−1−5.実施例5
図11は第2実施形態の実施例5の映像信号線及び静電気保護回路の配置を示す概略平面図、図12は静電気保護回路の電気的な構成例を示す回路図、図13は実施例5の静電気保護回路のトランジスターの配置を示す概略平面図、図14は端子の配線構造を示す概略断面図、図15は静電気保護回路のトランジスターに係る配線構造を示す概略断面図である。実施例5は、上記第1実施形態において示した実施例3の映像信号線に対して静電気保護回路を設けたものである。したがって、実施例3と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図11に示すように、実施例5では、第1端子群161の第1端子としての端子t11に第1映像信号線165Eが電気的に接続されている。また、第2端子群162の第2端子としての端子t21に第2映像信号線166Eが電気的に接続されている。同様に、第1端子群161の第1端子としての端子t12に第1映像信号線165Eが電気的に接続されている。また、第2端子群162の第2端子としての端子t22に第2映像信号線166Eが電気的に接続されている。
第1映像信号線165Eは、端子t11から第2端子群162側、つまり+Y方向へ延在する第1部分165aと、第1部分165aから第1部分165aに対して斜め45度の方向に交差して延在する第2部分165bと、第2部分165bから−Y方向にデータ線選択回路150側へ延在する第3部分165cと、第3部分165cからデータ線選択回路150と反対側の+Y方向へ延在する第1延在部165dとを有している。第3部分165cは、端子t11の+X方向側の長辺に沿って−Y方向へ延在し、第1延在部165dは、端子t21の+X方向側の長辺に沿って+Y方向へ延在している。
第2映像信号線166Eは、端子t21から第1端子群161側、つまり−Y方向へ延在する第4部分166aと、第4部分166aから第4部分166aに対して斜め45度の方向に交差し、第1映像信号線165Eの第2部分165bと並行して延在する第5部分166bと、第5部分166bから−Y方向にデータ線選択回路150側へ延在する第6部分166cと、第6部分166cからデータ線選択回路150と反対側の+Y方向へ延在する第2延在部166dとを有している。第6部分166cは、端子t11の−X方向側の長辺に沿って−Y方向へ延在し、第2延在部166dは、端子t21の−X方向側の長辺に沿って+Y方向へ延在している。X方向に隣り合う端子t11と端子t12との間において、第1映像信号線165Eの第3部分165cと、第2映像信号線166Eの第6部分166cとが並行して延在している。また、X方向に隣り合う端子t21と端子t22との間において、第1映像信号線165Eの第1延在部165dと、第2映像信号線166Eの第2延在部166dとが並行して延在している。
第1映像信号線165Eと第2映像信号線166Eとは同じ線幅で、同一配線層に形成されている。第1映像信号線165Eの第1部分165aと第2映像信号線166Eの第4部分166aとは同じ長さである。第1映像信号線165Eの第2部分165bと第2映像信号線166Eの第5部分166bとは同じ長さである。第1映像信号線165Eの第3部分165cと第2映像信号線166Eの第6部分166cとは同じ長さである。第1映像信号線165Eの第1延在部165dと第2映像信号線166Eの第2延在部166dとは同じ長さである。つまり、第1映像信号線165Eと第2映像信号線166Eとは同じ長さである。
なお、第1映像信号線165Eのうち第3部分165cからデータ線選択回路150に向かう束線は単純な直線でなく斜め配線であってもよい。同様に、第2映像信号線166Eのうち第6部分166cからデータ線選択回路150に向かう束線は単純な直線でなく、第1映像信号線165Eに沿った斜め配線であってもよい。
また、第1映像信号線165Eの第1延在部165d及び第2映像信号線166Eの第2延在部166dの+Y方向側の端部は、端子部105の一辺105aに到達してもよく、図示しない検査信号線や、静電破壊抑制のためのガードリングに接続する構成であってもよい。
図11に示すように、各端子t11,t12,t21,t22に近接した破線で示す範囲に、第1映像信号線165Eの第1部分165aに電気的に接続された第1静電気保護回路181が設けられている。同様に、第2映像信号線166Eの第4部分166aに電気的に接続された第2静電気保護回路182が設けられている。第1静電気保護回路181と第2静電気保護回路182とは電気的に同じ構成となっていることから、それぞれを静電気保護回路180と呼ぶこともある。静電気保護回路180は、Y方向において第1端子群161と第2端子群162との間に配置されている。第1映像信号線165E及び第2映像信号線166Eのそれぞれに静電気保護回路180が設けられていることから、第1端子群161の第1端子及び第2端子群162の第2端子のそれぞれに静電気が侵入しても、静電気によって第1映像信号線165E及び第2映像信号線166Eのそれぞれが損傷することが防止される。
図12に示すように、第1静電気保護回路181(静電気保護回路180)は、端子t11に電気的に接続された抵抗素子R1と、P型のトランジスター185と、N型のトランジスター186とを含んで構成されている。本実施形態において、P型のトランジスター185及びN型のトランジスター186は、いずれも素子基板101に設けられた薄膜トランジスター(TFT)であって、以降、省略して、P−TFT185、N−TFT186と呼ぶこととする。なお、P型のトランジスター185及びN型のトランジスター186は、TFTであることに限定されない。
抵抗素子R1は、端子t11と第1映像信号線165Eの第1部分165aとの間に設けられている。P−TFT185は、VDDが供給される電源配線183と、第1映像信号線165Eの第1部分165aとの間に設けられている。P−TFT185のゲート電極185gとソース電極185sとが電源配線183に電気的に接続されている。P−TFT185のドレイン電極185dが第1映像信号線165Eの第1部分165aに電気的に接続されている。
一方、N−TFT186は、VSS(GND)が供給される電源配線184と、第1映像信号線165Eの第1部分165aとの間に設けられている。N−TFT186のゲート電極186gとソース電極186sとが電源配線184に電気的に接続されている。N−TFT186のドレイン電極186dが第1映像信号線165Eの第1部分165aに電気的に接続されている。
このような第1静電気保護回路181の構成によれば、VSS(GND)の電位を基準としてVDDよりも高い電位、つまり正電位の静電気が端子t11に侵入すると、抵抗素子R1によって減衰した後、P−TFT185を介して電源配線183に接地される。また、VSS(GND)よりも低い電位、つまり負電位の静電気が端子t11に侵入すると、抵抗素子R1によって減衰した後、N−TFT186を介して電源配線184に接地される。つまり、端子t11に侵入した静電気は抵抗素子R1で減衰した後、電源配線183または電源配線184に導かれるため、静電気により第1映像信号線165Eが損傷することを防止することができる。また、静電気が第1映像信号線165Eを介して表示領域110の画素111(図5参照)に到達することはない。第2映像信号線166Eの第4部分166aに電気的に接続される第2静電気保護回路182の電気的な構成も、第1静電気保護回路181の電気的な構成と同じである。
図13は、第1端子群161の端子t11に電気的に接続された第1静電気保護回路181と、第2端子群162の端子t21に電気的に接続された第2静電気保護回路182とにおける電気的な構成の配置を具体的に示す平面図である。なお、図示の関係上、実際にはY方向に長い矩形状の端子t11及び端子t21の形状を縮めて表示している。
図13に示すように、第1映像信号線165Eのうち第3部分165c及び第1延在部165dと、第2映像信号線166Eのうち第6部分166c及び第2延在部166dとは、X方向に間隔を置いて並行して配置されている。第3部分165cと第6部分166cとの間に、第1静電気保護回路181の抵抗素子R1と、P−TFT185及びN−TFT186とが配置されている。また、第1延在部165dと第2延在部166dとの間に第2静電気保護回路182の抵抗素子R1と、P−TFT185及びN−TFT186とが配置されている。抵抗素子R1は、平面的に配線を蛇行させることにより所定の電気抵抗を実現させたものである。抵抗素子R1の電気抵抗値は保護されるノードの容量値にもよるが0.5kΩ〜5kΩ程度であり、例えば2kΩである。第1静電気保護回路181では、蛇行させた配線の一方の端がコンタクト部CNT1及びコンタクト部CNT2を介して端子t11と電気的に接続されている。また、蛇行させた配線の他方の端がコンタクト部CNT4を介して第1部分165aに電気的に接続されている。第2静電気保護回路182では、蛇行させた配線の一方の端がコンタクト部CNT1及びコンタクト部CNT2を介して端子t21と電気的に接続されている。また、蛇行させた配線の他方の端がコンタクト部CNT4を介して第4部分166aに電気的に接続されている。なお、端子t11及び端子t12のそれぞれは、コンタクト部CNT3を介して下層に位置する配線層と電気的に接続されている。
X方向に所定の間隔を置いて配置された第3部分165cと第6部分166cとの間に、Y方向へ延在する仮想のセンターラインCL2を設けると、第1部分165aと第4部分166aとはセンターラインCL2上に配置されている。第2部分165bは第1部分165aに対して斜め45度の方向に交差して延在し、接続点Cで第3部分165cと第1延在部165dとに電気的に接続されている。第5部分166bは第4部分166aに対して斜め45度の方向に交差して延在し、接続点Gで第6部分166cと第2延在部166dとに電気的に接続されている。接続点C及び接続点GはX方向へ延在する仮想のセンターラインCL1上に配置されている。
第1静電気保護回路181では、第3部分165cと第6部分166cとの間において、第6部分166c側にP−TFT185が配置され、第3部分165c側にN−TFT186が配置されている。電源配線183と電源配線184とは、P−TFT185及びN−TFT186を挟むようにY方向に所定の間隔においてX方向へ延在している。VSS(GND)が供給される電源配線184が端子t11側に配置されている。P−TFT185のソース電極185sとゲート電極185gとは、コンタクト部CNT6とコンタクト部CNT7とを介して電源配線183に電気的に接続されている。N−TFT186のソース電極186sとゲート電極186gとは、コンタクト部CNT8とコンタクト部CNT9とを介して電源配線184に電気的に接続されている。P−TFT185のドレイン電極185dとN−TFT186のドレイン電極186dとは、コンタクト部CNT5を介して第1映像信号線165Eの第1部分165aに電気的に接続されている。
このようなP−TFT185及びN−TFT186の配置は、端子t21に電気的に接続される第2静電気保護回路182も同様である。具体的には、第2静電気保護回路182では、第1延在部165dと第2延在部166dとの間において、第1延在部165d側にP−TFT185が配置され、第2延在部166d側にN−TFT186が配置されている。電源配線183と電源配線184とは、P−TFT185及びN−TFT186を挟むようにY方向に所定の間隔においてX方向へ延在している。VSS(GND)が供給される電源配線184が端子t21側に配置されている。P−TFT185のソース電極185sとゲート電極185gとは、コンタクト部CNT6とコンタクト部CNT7とを介して電源配線183に電気的に接続されている。N−TFT186のソース電極186sとゲート電極186gとは、コンタクト部CNT8とコンタクト部CNT9とを介して電源配線184に電気的に接続されている。P−TFT185のドレイン電極185dとN−TFT186のドレイン電極186dとは、コンタクト部CNT5を介して第2映像信号線166Eの第4部分166aに電気的に接続されている。
本実施形態では、電気的な接続における信頼性を確保するため、コンタクト部CNT1,CNT2,CNT4,CNT5,CNT6,CNT7,CNT8,CNT9のそれぞれを複数設ける構成としている。特に、電源配線183,184との電気的な接続に係るコンタクト部CNT7,CNT9は、複数設けることが好ましい。
図14に示すように、素子基板101の基材101s上には、第1配線層61、第1絶縁層101a、ゲート絶縁層101b、第2配線層62、第2絶縁層101c、第3配線層63、第3絶縁層101d、第4配線層64、第4絶縁層101e、第5配線層65がこの順に設けられている。第1配線層61は遮光層として機能する例えばタングステンなどの金属や当該金属のシリサイドなどの配線材料が用いられている。第2配線層62は、ゲート電極や抵抗素子R1を構成する例えば導電性のポリシリコンなどの配線材料が用いられている。第3配線層63は、第1映像信号線165Eや第2映像信号線166Eを構成する例えば、アルミニウムやチタンなどの低抵抗配線材料が用いられている。第4配線層64は、電源配線183,184を構成する例えば、アルミニウムやチタンなどの低抵抗配線材料が用いられている。第5配線層65は、画素電極を構成する例えばITOやIZOなどの透明導電材料が用いられている。第1絶縁層101a、ゲート絶縁層101b、第2絶縁層101c、第3絶縁層101d、第4絶縁層101eは、例えば酸化シリコンや窒化シリコンなどの絶縁材料を用いて構成されている。
第1端子群161の第1端子としての端子t11は、第3配線層63、第4配線層64、第5配線層65を用いて構成されており、端子t11において第3配線層63と第4配線層64とは第3絶縁層101dを貫通する複数のコンタクト部CNT2を介して電気的に接続され、第4配線層64と第5配線層65とは第4絶縁層101eを貫通するコンタクト部CNT3を介して電気的に接続されている。第2端子群162の第2端子としての端子t21の配線構造は、第1端子群161の第1端子としての端子t11と同じである。なお、端子構造において、端子t11は第2配線層62とは接続していないが、別途コンタクト部を設けて第2配線層62と第3配線層63とを電気的に接続してもよい。
図15に示すように、第1静電気保護回路181のP−TFT185の半導体層185a及びN−TFT186の半導体層186aは、第1絶縁層101a上にそれぞれ島状に独立して形成される。半導体層185a及び半導体層186aは、例えばポリシリコンからなり、P型あるいはN型の不純物イオンが選択的に注入されて形成された低濃度不純物領域と高濃度不純物領域とを含んで構成されている。基材101s上には第1配線層61が設けられている。第1配線層61は平面視で半導体層185a及び半導体層186aと重なるように配置されている。
半導体層185aの低濃度不純物領域であるチャネル領域に対してゲート絶縁層101bを挟んで対向する位置にゲート電極185gが設けられている。同じく、半導体層186aの低濃度不純物領域であるチャネル領域に対してゲート絶縁層101bを挟んで対向する位置にゲート電極186gが設けられている。
ゲート電極185g,186gとゲート絶縁層101bとを覆うように第2絶縁層101cが設けられている。第2絶縁層101cのうち半導体層185aの高濃度不純物領域であるソース領域と重なる位置に貫通孔が形成され、該貫通孔を埋めるようにして配線63aが形成され、配線63aによってP−TFT185のソース電極185sとして機能するコンタクト部CNT6が構成されている。第2絶縁層101cのうち半導体層186aの高濃度不純物領域であるソース領域と重なる位置に貫通孔が形成され、該貫通孔を埋めるようにして配線63cが形成され、配線63cによってN−TFT186のソース電極186sとして機能するコンタクト部CNT8が構成されている。第2絶縁層101cのうち半導体層185aの高濃度不純物領域であるドレイン領域と半導体層186aの高濃度不純物領域であるドレイン領域とに重なる位置にそれぞれ貫通孔が形成され、2つの貫通孔を埋めるようにして配線63bが形成されている。配線63bによって、P−TFT185のドレイン電極185d及びN−TFT186のドレイン電極186dとして機能するコンタクト部CNT5と、第1映像信号線165Eの第1部分165aとして機能する部分とが構成されている。配線63a,63b,63cは第3配線層63に含まれている。配線63a,63b,63cと第2絶縁層101cとを覆うように第3絶縁層101dが形成され、第3絶縁層101d上に第4配線層64が形成される。第4配線層64は、電源配線183,184を含むものであり、例えば電源配線183は第3絶縁層101dを貫通して配線63aに至るコンタクト部CNT7を介してP−TFT185のソース電極185sとして機能する配線63aに電気的に接続される。なお、図示しないが、第2配線層62に設けられたゲート電極185gと第3配線層63に設けられVDDが供給される配線とはコンタクト部CNT6の形成時に同時に形成されるコンタクト部によって電気的に接続される。第2配線層62に設けられたゲート電極186gと第3配線層63に設けられVSSが供給される配線とはコンタクト部CNT8の形成時に同時に形成されるコンタクト部によって電気的に接続される。
このような基材101s上における配線層及びP−TFT185、N−TFT186の配置は、第2静電気保護回路182も同様である。
2−1−6.実施例6
図16は第2実施形態の実施例6の映像信号線及び静電気保護回路の配置を示す概略平面図、図17は実施例6の静電気保護回路のトランジスターの配置を示す概略平面図である。実施例6は、上記第1実施形態において示した実施例4の映像信号線に対して静電気保護回路を設けたものである。したがって、実施例4と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図16に示すように、実施例6では、第1端子群161の端子t11に第1映像信号線167が電気的に接続されている。また、第2端子群162の端子t21に第2映像信号線168が電気的に接続されている。同様に、第1端子群161の端子t12に第1映像信号線167が電気的に接続されている。また、第2端子群162の端子t22に第2映像信号線168が電気的に接続されている。
第1映像信号線167は、端子t11から第2端子群162側、つまり+Y方向へ延在する第1部分167aと、第1部分167aから第1部分167aと交差し+X方向へ延在する第2部分167bと、第2部分167bから−Y方向にデータ線選択回路150側へ延在する第3部分167cと、第3部分167cからデータ線選択回路150と反対側の+Y方向へ延在する第1延在部167dとを有している。第3部分167cは、端子t11の+X方向側の長辺に沿って−Y方向へ延在し、第1延在部167dは、端子t21の+X方向側の長辺に沿って+Y方向へ延在している。
第2映像信号線168は、端子t21から第1端子群161側、つまり−Y方向へ延在する第4部分168aと、第4部分168aから第4部分168aに交差し、第1映像信号線167の第2部分167bと反対方向の−X方向へ延在する第5部分168bと、第5部分168bから−Y方向にデータ線選択回路150側へ延在する第6部分168cと、第6部分168cからデータ線選択回路150と反対側の+Y方向へ延在する第2延在部168dとを有している。第6部分168cは、端子t11の−X方向側の長辺に沿って−Y方向へ延在し、第2延在部168dは、端子t21の−X方向側の長辺に沿って+Y方向へ延在している。X方向に隣り合う端子t11と端子t12との間において、第1映像信号線167の第3部分167cと、第2映像信号線168の第6部分168cとが並行して延在している。また、X方向に隣り合う端子t21と端子t22との間において、第1映像信号線167の第1延在部167dと、第2映像信号線168の第2延在部168dとが並行して延在している。
第1映像信号線167の第2部分167bと、第2映像信号線168の第5部分168bとは、X方向へ延在する仮想のセンターラインCL1上に位置している。また、第1映像信号線167の第2部分167bと第3部分167c及び第1延在部167dとの接続点Cと、第2映像信号線168の第5部分168bと第6部分168c及び第2延在部168dとの接続点Gとは、X方向へ延在する仮想のセンターラインCL1上に位置している。
第1映像信号線167と第2映像信号線168とは同じ線幅で、同一配線層に形成されている。第1映像信号線167の第1部分167aと第2映像信号線168の第4部分168aとは同じ長さである。第1映像信号線167の第2部分167bと第2映像信号線168の第5部分168bとは同じ長さである。第1映像信号線167の第3部分167cと第2映像信号線168の第6部分168cとは同じ長さである。第1映像信号線167の第1延在部167dと第2映像信号線168の第2延在部168dとは同じ長さである。つまり、第1映像信号線167と第2映像信号線168とは同じ長さである。
なお、第1映像信号線167のうち第3部分167cからデータ線選択回路150に向かう束線は単純な直線でなく斜め配線であってもよい。同様に、第2映像信号線168のうち第6部分168cからデータ線選択回路150に向かう束線は単純な直線でなく、第1映像信号線167に沿った斜め配線であってもよい。
また、第1映像信号線167の第1延在部167d及び第2映像信号線168の第2延在部168dの+Y方向側の端部は、端子部105の一辺105aに到達してもよく、図示しない検査信号線や、静電破壊抑制のためのガードリングに接続する構成であってもよい。
図16に示すように、各端子t11,t12,t21,t22に近接した破線で示す範囲に、第1映像信号線167の第1部分167aに電気的に接続された第1静電気保護回路181が設けられている。同様に、第2映像信号線168の第4部分168aに電気的に接続された第2静電気保護回路182が設けられている。第1静電気保護回路181と第2静電気保護回路182とは電気的に同じ構成となっている。
図17は、実施例6における、第1端子群161の端子t11に電気的に接続された第1静電気保護回路181と、第2端子群162の端子t21に電気的に接続された第2静電気保護回路182とにおける電気的な構成の配置を具体的に示す平面図である。なお、図示の関係上、実際にはY方向に長い矩形状の端子t11及び端子t21の形状を縮めて表示している。
図17に示すように、第1映像信号線167のうち第3部分167c及び第1延在部167dと、第2映像信号線168のうち第6部分168c及び第2延在部168dとは、X方向に間隔を置いて並行して配置されている。第3部分167cと第6部分168cとの間の仮想のセンターラインCL2上に、第1静電気保護回路181の抵抗素子R1と、P−TFT185及びN−TFT186とが配置されている。また、第1延在部167dと第2延在部168dとの間の仮想のセンターラインCL2上に第2静電気保護回路182の抵抗素子R1と、P−TFT185及びN−TFT186とが配置されている。抵抗素子R1は、平面的に配線を蛇行させることにより所定の電気抵抗を実現させたものである。第1静電気保護回路181では、蛇行させた配線の一方の端がコンタクト部CNT1及びコンタクト部CNT2を介して端子t11と電気的に接続されている。また、蛇行させた配線の他方の端がコンタクト部CNT4を介して第1部分167aに電気的に接続されている。第2静電気保護回路182では、蛇行させた配線の一方の端がコンタクト部CNT1及びコンタクト部CNT2を介して端子t21と電気的に接続されている。また、蛇行させた配線の他方の端がコンタクト部CNT4を介して第4部分168aに電気的に接続されている。なお、端子t11及び端子t21のそれぞれは、コンタクト部CNT3を介して下層に位置する配線層と接続されている。
第1映像信号線167の第1部分167aと、第2映像信号線168の第4部分168aとは、それぞれY方向へ延在するセンターラインCL2に沿って配置されている。第1映像信号線167の第2部分167bは第1部分167aに対して直交して+X方向へ延在し、接続点Cで第3部分167cと第1延在部167dとに電気的に接続されている。第2映像信号線168の第5部分168bは第4部分168aに対して直交して−X方向へ延在し、接続点Gで第6部分168cと第2延在部168dとに電気的に接続されている。第2部分167b及び第5部分168bはX方向へ延在する仮想のセンターラインCL1上に配置されている。
第1静電気保護回路181では、第3部分167cと第6部分168cとの間において、電源配線183と電源配線184とは、Y方向に所定の間隔においてX方向へ延在している。VSS(GND)が供給される電源配線184が端子t11側に配置されている。また、電源配線183と電源配線184との間において、電源配線183側にP−TFT185が配置され、電源配線184側にN−TFT186が配置されている。P−TFT185のソース電極185sとゲート電極185gとは、コンタクト部CNT6とコンタクト部CNT7とを介して電源配線183に電気的に接続されている。N−TFT186のソース電極186sとゲート電極186gとは、コンタクト部CNT8とコンタクト部CNT9とを介して電源配線184に電気的に接続されている。P−TFT185のドレイン電極185dとN−TFT186のドレイン電極186dとは、コンタクト部CNT5を介して第1映像信号線167の第1部分167aに電気的に接続されている。
このようなP−TFT185及びN−TFT186の配置は、端子t21に電気的に接続される第2静電気保護回路182も同様である。具体的には、第2静電気保護回路182では、第1延在部167dと第2延在部168dとの間において、電源配線183と電源配線184とは、Y方向に所定の間隔においてX方向へ延在している。VSS(GND)が供給される電源配線184が端子t21側に配置されている。また、電源配線183と電源配線184との間において、電源配線183側にP−TFT185が配置され、電源配線184側にN−TFT186が配置されている。P−TFT185のソース電極185sとゲート電極185gとは、コンタクト部CNT6とコンタクト部CNT7とを介して電源配線183に電気的に接続されている。N−TFT186のソース電極186sとゲート電極186gとは、コンタクト部CNT8とコンタクト部CNT9とを介して電源配線184に電気的に接続されている。P−TFT185のドレイン電極185dとN−TFT186のドレイン電極186dとは、コンタクト部CNT5を介して第2映像信号線168の第4部分168aに電気的に接続されている。
実施例6は、実施例5に比べて、X方向へ延在する仮想のセンターラインCL1を挟んで隣り合う2つの電源配線183の間の距離を狭めることができる。これによって、電源配線183と電源配線184とにおけるY方向の間隔を広くすることができ、電源配線183と電源配線184との間において、Y方向へ延在するセンターラインCL2上にP−TFT185とN−TFT186とを配置することができる。したがって、実施例6では、第1静電気保護回路181のP−TFT185及びN−TFT186と第3部分167c及び第6部分168cとの間隔を広くでき、第2静電気保護回路182のP−TFT185及びN−TFT186と第1延在部167d及び第2延在部168dとの間隔を広くできる。ゆえに、端子t11に侵入して第1静電気保護回路181を流れる静電気が途中で他の配線にリークし難くなり、静電気を電源配線183,184へと確実に導くことができる。同様に、端子t21に侵入して第2静電気保護回路182を流れる静電気が途中で他の配線にリークし難くなり、静電気を電源配線183,184へと確実に導くことができる。また、P−TFT185とN−TFT186とをセンターラインCL2上に並べたので、実施例5のようにX方向に2個のトランジスターを配置する場合と比べて、第1端子群161及び第2端子群162において複数の端子がX方向に狭ピッチで配置されていても第1静電気保護回路181及び第2静電気保護回路182を設けることができる。
なお、上記に示した実施例5や実施例6の静電気保護回路180は、上記第1実施形態に示した実施例1や実施例2における映像信号線に対しても適用することが可能である。
上記第2実施形態の液晶装置によれば、上記第1実施形態の効果(1)、(2)、(4)に加えて、以下の効果が得られる。
(5)第1映像信号線の第1部分に第1静電気保護回路181が電気的に接続され、第2映像信号線の第4部分に第2静電気保護回路182が電気的に接続されている。したがって、第1端子群161の第1端子または第2端子群162の第2端子に侵入した静電気は抵抗素子R1で減衰した後に、P−TFT185またはN−TFT186を経て、電源配線183または電源配線184に接地される。つまり、第1端子に侵入した静電気により第1映像信号線が損傷したり、第2端子に侵入した静電気により第2映像信号線が損傷したりすることを防止することができる。
(6)第1静電気保護回路181及び第2静電気保護回路182は、Y方向において第1端子群161と第2端子群162との間に配置されることから、データ線選択回路150と第1端子群161との間に第1静電気保護回路181を配置する場合に比べて、素子基板101の端子部105における面積を省スペース化することができる。言い換えれば、映像信号線のそれぞれに静電気保護回路180を設けたとしても小型な液晶装置を実現できる。
3.第3実施形態
3−1.電子機器
次に、本実施形態の電子機器について、投射型表示装置を例に挙げ、図18を参照して説明する。図18は第3実施形態の電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図18に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、光源としてのランプユニット1001と、色光分離手段としてのダイクロイックミラー1011,1012と、3つの光変調手段としての液晶装置1B,1G,1Rと、3つの反射ミラー1111,1112,1113と、3つのリレーレンズ1121,1122,1123と、色光合成手段としてのダイクロイックプリズム1130と、投射光学系としての投射レンズ群1140と、を備えている。
ランプユニット1001は、白色光をシステム光軸に沿って射出する、例えば、超高圧水銀灯などの光源である。ランプユニット1001から射出された白色光は、内部に配置された2枚のダイクロイックミラー1011,1012によって赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色光に分離される。具体的には、ダイクロイックミラー1011に入射した白色光のうち赤色光(R)は、ダイクロイックミラー1011を透過し、赤色光(R)よりも波長が短い緑色光(G)及び青色光(B)は反射する。反射した緑色光(G)及び青色光(B)はダイクロイックミラー1012に入射する。ダイクロイックミラー1012に入射した緑色光(G)及び青色光(B)のうち波長が短い青色光(B)は、ダイクロイックミラー1012を透過し、波長が長い緑色光(G)は反射される。分離された色光のうち赤色光(R)は、反射ミラー1111で反射して色光に対応する液晶装置1Rに導かれる。ダイクロイックミラー1012で反射した緑色光(G)は色光に対応する液晶装置1Gに入射する。ダイクロイックミラー1012を透過した青色光(B)は、2つの反射ミラー1112,1113と、3つのリレーレンズ1121,1122,1123とを含むリレーレンズ系1120を介して、色光に対応する液晶装置1Bに導かれる。なお、青色光(B)は、赤色光(R)や緑色光(G)と比較すると光路が長いので、その損失を防ぐために、リレーレンズ系1120を介して導かれる。
投射型表示装置1000において、光変調手段としての液晶装置1B,1G,1Rは、前述した第1実施形態の液晶装置1を適用したものである。液晶装置1B,1G,1Rのそれぞれは、第1延長基板41及び第2延長基板42を介して投射型表示装置1000内の上位回路と接続される。赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)のそれぞれの色光成分の階調レベルを指定する映像信号がそれぞれ外部回路から供給されて、投射型表示装置1000内の上位回路で処理され、液晶装置1B,1G,1Rがそれぞれ駆動される。液晶装置1B,1G,1Rによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム1130に3方向から入射する。そして、ダイクロイックプリズム1130において、変調された赤色光(R)及び青色光(B)は90度に反射し、変調された緑色光(G)は透過する。したがって、各色光の画像がダイクロイックプリズム1130で合成された後、投射レンズ群1140によって拡大され、スクリーン1200にカラー画像が投射される。
光変調手段として上記第1実施形態の液晶装置1を用いていることから、第1端子群161及び第2端子群162のそれぞれの端子に電気的に接続される映像信号線の電気的な性質が異なることに起因する表示ムラが生じ難く、見栄えのよい表示品質を有する投射型表示装置1000が実現されている。
なお、光変調手段として上記第2実施形態の液晶装置を用いてもよい。また、投射型表示装置1000については、光源として、各色の光を出射するLED光源などを用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の光変調手段に供給するように構成してもよい。
本発明を適用した電気光学装置としての液晶装置1を備えた電子機器は、上記第3実施形態の投射型表示装置1000に限定されない。例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ等の電子機器に用いてもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)静電気保護回路180(第1静電気保護回路181及び第2静電気保護回路182)における電気的な構成は、P型のトランジスター185とN型のトランジスター186とを備えることに限定されない。図19は変形例の第1静電気保護回路の電気的な構成を示す回路図である。具体的には、実施例5の変形例である。図19に示すように、変形例の第1静電気保護回路181B(静電気保護回路180B)は、抵抗素子R1と、2つのN型のトランジスター187,188とを含んで構成されている。抵抗素子R1の一端は、第1端子群161の第1端子としての端子t11に電気的に接続され、抵抗素子R1の他端は、第1映像信号線165Eの第1部分165aに電気的に接続されている。一方のN型のトランジスター187は、VDDが供給される電源配線183と第1部分165aとの間に設けられている。N型のトランジスター187のドレイン電極187dは電源配線183に電気的に接続され、ゲート電極187gとソース電極187sとが第1部分165aに電気的に接続されている。他方のN型のトランジスター188は、VSS(GND)が供給される電源配線184と第1部分165aとの間に設けられている。N型のトランジスター188のドレイン電極188dは第1部分165aに電気的に接続され、ゲート電極188gとソース電極188sとが電源配線184に電気的に接続されている。端子t11に侵入した正電位の静電気は、抵抗素子R1で減衰した後に、N型のトランジスター187を経由して電源配線183に接地される。端子t11に侵入した負電位の静電気は、抵抗素子R1で減衰した後に、N型のトランジスター188を経由して電源配線184に接地される。なお、このような第1静電気保護回路181Bの構成は、第2静電気保護回路182にも適用できる。また、静電気保護回路を構成するトランジスターの数は2つに限定されず、例えば、4つのトランジスターを用いて構成することも可能である。また、抵抗素子R1は、端子t11と第1部分165aとの間だけでなく、例えば、第1映像信号線163の第2部分163bと第3部分163cとの間にも抵抗素子を備える構成としてもよい。
(変形例2)第1端子群161の第1端子に接続される第1映像信号線と、第2端子群162の第2端子に接続される第2映像信号線とにおける電気的な性質(電気抵抗、配線容量(配線時定数))を同じにする観点では、端子部105において第1端子群161と第2端子群162とをY方向に並列して配置することが好ましいが、第1端子群161及び第2端子群162の配置は、これに限定されるものではない。例えば、実施例1に示した第1映像信号線163と第2映像信号線164の配置では、第1端子群161に対して第2端子群162を−X方向にずらして配置することにより、第1映像信号線163の第2部分163bの長さと、第2映像信号線164の第5部分164bの長さとを同じにすることができる。なお、実施例1において、第1端子群161と第2端子群162との相対的な位置をそのままにして、第2端子群162の第2端子に接続される第2映像信号線164の第4部分164aの位置を−X方向にずらしても、上記の変形例2と同様に、第1映像信号線163の第2部分163bの長さと、第2映像信号線164の第5部分164bの長さとを同じにすることができる。
(変形例3)本発明が適用される電気光学装置は、上記第1実施形態や上記第2実施形態に示した透過型の液晶装置に限定されず、反射型の液晶装置にも適用可能である。また、受光型の液晶装置に限らず、例えば、画素に有機EL素子などの発光素子を備えた発光装置にも適用可能である。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
本願の電気光学装置は、表示領域と、第1端子を有する第1端子群と、第1端子に対して表示領域側とは反対側に配置された第2端子を有する第2端子群と、第1端子と電気的に接続された第1映像信号線と、第2端子と電気的に接続された第2映像信号線と、を備え、第1映像信号線は、第1端子から第2端子群側へ延在する第1部分と、第1部分から第1部分と交差する方向へ延在する第2部分と、第2部分から表示領域側へ延在する第3部分とを有し、第2映像信号線は、第2端子から第1端子群側へ延在する第4部分と、第4部分から第1映像信号線の第2部分に沿って延在する第5部分と、第5部分から第1映像信号線の第3部分に沿って表示領域側へ延在する第6部分とを有することを特徴とする。
本願の構成によれば、第1映像信号線の第2部分に沿って延在する第5部分は、その延在方向における長さが第2部分とほぼ同じになる。また、第1映像信号線の第1部分と第2映像信号線の第4部分とは、第1端子群と第2端子群との間において相対するように延在し、第2映像信号線の第6部分は第1映像信号線の第3部分に沿って同一方向へ延在することから、第1部分及び第4部分、並びに第3部分及び第6部分のそれぞれを設計上で同じ仕様とすることができる。つまり、第1端子群及び第2端子群が配置された領域における第1映像信号線と第2映像信号線との電気的な性質の差を小さくすることができ、且つ、双方の映像信号線の設計をシンプルな構成とすることができる。すなわち、第1端子群の第1端子に接続される第1映像信号線と第2端子群の第2端子に接続される第2映像信号線との電気的な性質が異なることに起因する表示品質の低下を抑制しつつ、設計上でシンプルな構成の第1映像信号線及び第2映像信号線を備えた電気光学装置を提供することができる。
また、本願の他の電気光学装置は、表示領域と、第1端子を有する第1端子群と、第1端子に対して表示領域側とは反対側に配置された第2端子を有する第2端子群と、第1端子と電気的に接続された第1映像信号線と、第2端子と電気的に接続された第2映像信号線と、を備え、第1映像信号線は、第1端子から第2端子群側へ延在する第1部分と、第1部分から第1部分と交差する方向へ延在する第2部分と、第2部分から表示領域側へ延在する第3部分とを有し、第2映像信号線は、第2端子から第1端子群側へ延在する第4部分と、第4部分から第1映像信号線の第2部分と反対方向へ延在する第5部分と、第5部分から第1映像信号線の第3部分に沿って表示領域側へ延在する第6部分とを有することを特徴とする。
本願の他の電気光学装置の構成によれば、第1映像信号線の第1部分と第2映像信号線の第4部分とは、第1端子群と第2端子群との間において相対するように延在し、第2映像信号線の第6部分は第1映像信号線の第3部分に沿って同一方向へ延在する。また、第2映像信号線の第5部分は第1映像信号線の第2部分と反対方向へ延在することから、第1部分及び第4部分、第2部分及び第5部分、並びに第3部分及び第6部分をそれぞれ設計上で同じ仕様とすることができる。つまり、第1端子群及び第2端子群が配置された領域における第1映像信号線と第2映像信号線の電気的な性質の差をほぼ無くすことができ、且つ、双方の映像信号線の設計をシンプルな構成とすることができる。すなわち、第1端子群の第1端子に接続される第1映像信号線と第2端子群の第2端子に接続される第2映像信号線との電気的な性質が異なることに起因する表示品質の低下を抑制しつつ、設計上でシンプルな構成の第1映像信号線及び第2映像信号線を備えた電気光学装置を提供することができる。
上記に記載の電気光学装置において、第1映像信号線の第3部分と第2映像信号線の第6部分とは、第1端子群の第1端子と、第1端子と隣り合う他の端子との間に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、第1端子と隣り合う他の端子との間で、それぞれ表示領域側へ延在する第1映像信号線の第3部分と第2映像信号線の第6部分とが並列することになる。したがって、第1映像信号線の配線容量と第2映像信号配線の配線容量との差、言い換えれば配線時定数の差を小さくすることができる。すなわち、第1映像信号線と第2映像信号線との配線時定数の差に起因する表示品質の低下を抑制することができる。
上記に記載の電気光学装置において、第1映像信号線の第3部分は、第1端子の一辺に沿って延在し、第2映像信号線の第6部分は、第1端子の一辺に対向する他の辺に沿って配置されていることが好ましい。
この構成によれば、それぞれに表示領域側へ延在する第1映像信号線の第3部分と第2映像信号線の第6部分とは、第1端子を挟んで並列することになる。したがって、第1映像信号線の配線容量と第2映像信号配線の配線容量との差、言い換えれば配線時定数の差を小さくすることができる。すなわち、第1映像信号線と第2映像信号線との配線時定数の差に起因する表示品質の低下を抑制することができる。
上記に記載の電気光学装置において、第1映像信号線の第3部分から表示領域と反対側へ延在する第1延在部と、第2映像信号線の第6部分から表示領域と反対側へ延在する第2延在部と、を有することが好ましい。
この構成によれば、第1映像信号線の第3部分に第1延在部を加えた部分の配線容量と、第2映像信号線の第6部分に第2延在部を加えた部分の配線容量とが同じになる。したがって、第1映像信号線の配線時定数と第2映像信号配線の配線時定数とを同等とすることができる。すなわち、第1映像信号線と第2映像信号線との配線時定数の差に起因する表示品質の低下を防止することができる。
上記に記載の電気光学装置において、第1映像信号線の第1部分に電気的に接続された第1静電気保護回路と、第2映像信号線の第4部分に電気的に接続された第2静電気保護回路と、を備えることが好ましい。
この構成によれば、第1静電気保護回路と第2静電気保護回路とを備えることにより、第1端子及び第2端子のそれぞれに侵入した静電気により第1映像信号線及び第2映像信号線が損傷することが防止され、静電気に対して耐性を有する電気光学装置を提供できる。また、第1端子群と第2端子群との間に第1静電気保護回路及び第2静電気保護回路が配置されることになり、第1端子群と表示領域との間に第1静電気保護回路を配置する場合に比べて、第1端子群や第2端子群が配置される端子部の省スペース化を図ることができる。
本願の電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
本願の構成によれば、第1映像信号線と第2映像信号線との電気的な性質の差に起因する表示品質の低下が抑制された電気光学装置を備えているため、見栄えが良い表示が可能な電子機器を提供することができる。