JP6737727B2 - 内燃機関の燃料供給系診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射弁に対して、燃料タンクの燃料を燃料ポンプによって供給する燃料供給系に異常があるか否かを診断する、内燃機関の燃料供給系診断装置に関する。
従来の内燃機関の燃料供給系診断装置として、例えば特許文献1のように、車両の衝突により燃料配管等の燃料供給系に破損(異常)が発生しているか否かを診断するために、燃料ポンプが作動しない状態で検出された燃料圧力が、所定値を超えている場合には燃料供給系に破損が発生していないと診断する一方、所定値以下である場合には燃料供給系に破損が発生していると診断するものが知られている。
特開平11−280515号公報
しかしながら、燃料供給系に比較的小さい微小な破損が生じている場合には、燃料漏れによる燃料圧力の低下速度は遅くなるため、燃料圧力の検出タイミングによっては燃料圧力が所定値を超えた状態となって、燃料供給系に破損が生じていないと診断されるおそれがある。
そこで、本発明は以上のような問題点に鑑み、内燃機関の燃料供給系における異常の検出精度を向上させた、内燃機関の燃料供給系診断装置を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る内燃機関の燃料供給系診断装置は、内燃機関の燃料噴射弁に対して燃料タンクの燃料を燃料ポンプによって供給する燃料供給系に異常があるか否かを診断するものであって、内燃機関を始動する前に、燃料ポンプを所定時間作動させて停止し、燃料ポンプを停止してからの実際の燃料圧力の低下速度に基づいて、燃料供給系における異常の有無を複数回診断し、燃料供給系に異常があると診断した場合には内燃機関の始動を制限し、各回の診断において燃料ポンプを所定時間作動させたときの実際の燃料圧力が診断回数を重ねるに従って段階的に昇圧するように、燃料ポンプを作動させる
本発明の内燃機関の燃料供給系診断装置によれば、内燃機関の燃料供給系における異常の検出精度を向上させることができる。
第1実施形態による車両用内燃機関の燃料供給系を示す概略図である。 同実施形態による燃料供給系の診断処理を示すフローチャートである。 同実施形態による主燃料漏れ診断の基本的内容を説明するタイムチャートである。 同実施形態による主燃料漏れ診断の内容を示すフローチャートである。 同実施形態による主燃料漏れ診断の具体例を示すタイムチャートである。 同実施形態による目標燃圧の設定パターン1を示すタイムチャートである。 同実施形態による目標燃圧の設定パターン2を示すタイムチャートである。 同実施形態による目標燃圧の設定パターン3を示すタイムチャートである。 同実施形態による診断時間の変形例を示すタイムチャートである。 第2実施形態による主燃料漏れ診断の基本的内容を説明するタイムチャートである。 同実施形態による主燃料漏れ診断の具体例を示すフローチャートである。 燃料供給系の診断処理の変形例を示すフローチャートである。
[第1実施形態]
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための第1実施形態について詳述する。
図1は、第1実施形態に係る燃料供給系診断装置を車両用内燃機関の燃料供給系に適用した適用例を示す。
内燃機関1は、車両に動力源として搭載されたエンジンであり、そのシリンダヘッド1aには、シリンダブロック1bの各気筒内に燃料を噴射する、電子制御式の燃料噴射弁(インジェクタ)2が取り付けられている。燃料噴射弁2は、外部からの作動信号に応答して、スプリングにより閉弁方向に付勢されているプランジャがリフトすることで、先端部の噴口から燃料を気筒内に噴射する。ここで、内燃機関1としては、例えば、直列4気筒の筒内噴射式のガソリンエンジン又はディーゼルエンジンを使用することができる。
車両には、燃料を貯留する燃料タンク3から燃料噴射弁2に対して燃料を燃料ポンプ4によって供給する燃料供給系(燃料供給装置)が設けられている。
燃料供給系には、燃料タンク3、燃料ポンプ4、吐出側燃料フィルタ(F/F)5、圧力調整弁6、オリフィス7、ジェットポンプ8、燃料ギャラリー配管9、燃料供給配管10、燃料戻し配管11、燃料移送配管12が含まれる。
燃料ポンプ4は、図示省略のモータで回転駆動されて吐出量の可変制御が可能な電動ポンプであり、燃料タンク3内に配置される。
燃料ポンプ4の吐出口4aには燃料供給配管10の一端が接続され、燃料供給配管10の他端は燃料ギャラリー配管9に接続される。燃料ギャラリー配管9には燃料噴射弁2の燃料供給口が接続される。なお、燃料ギャラリー配管9の下流端は閉塞され、燃料ギャラリー配管9から燃料タンク3への燃料戻しが行われないシステム(ノンリターンシステム)が採用されている。
燃料供給配管10の途上には吐出側燃料フィルタ5が介装され、この吐出側燃料フィルタ5で燃料ポンプ4から吐出された燃料のろ過が行われる。また、燃料ポンプ4の吸入口4bから燃料タンク3の内部空間の底面3aに向けて延びる燃料導入管13の先端開口には、吸入側燃料フィルタ14が付設され、この吸入側燃料フィルタ14により、燃料ポンプ4が燃料中に混入するごみ等を吸い込まないようにしている。
吐出側燃料フィルタ5よりも燃料噴射弁2側において燃料供給配管10から分岐して燃料戻し配管11が延設され、燃料戻し配管11の延設端11aは、燃料タンク3内に開口される。燃料戻し配管11には上流側(燃料供給配管10側)から順に、圧力調整弁6、オリフィス7及びジェットポンプ8が介装される。また、ジェットポンプ8には燃料移送配管12の一端12aが接続され、燃料移送配管12の他端12bは、燃料タンク3内に開口される。
燃料タンク3は、内部空間の底側を2領域に仕切る凸部3bが底面3aから突出形成されたいわゆる鞍型形状をなし、燃料導入管13及び燃料戻し配管11は第1領域3c内に開口し、燃料移送配管12は第2領域3dに開口するようにしてある。このように燃料導入管13、燃料戻し配管11及び燃料移送配管12の開口位置を設定することで、燃料戻し配管11を介して第1領域3c側に戻される燃料の流れを利用するジェットポンプ8の作用によって燃料移送配管12内に負圧を作用させ、燃料移送配管12を介して第2領域3d内の燃料を第1領域3c側に移送させている。
なお、燃料タンク3が鞍型形状に形成されていない場合には、ジェットポンプ8及び燃料移送配管12を省略することができる。
燃料ポンプ4の内部には、燃料を加圧する加圧室4cから吐出口4aに向かう流路に、燃料ポンプ4から燃料供給配管10を介して燃料噴射弁2に向かう燃料の流れのみを許容し、燃料噴射弁2から燃料ポンプ4に向かう燃料の逆流を阻止する機械式のチェックバルブ4dが介装される。また、燃料ポンプ4の内部には、加圧室4cとチェックバルブ4dとの間から分岐する流路に、加圧燃料の圧力が最大許容圧FPmax(例えば900kPa)を超えたときに開弁し、排出口4eを介して燃料を燃料タンク3内にリリーフする機械式のリリーフバルブ4fが介装されている。なお、リリーフバルブ4f及びチェックバルブ4dは、例えば燃料供給配管10に介装する等、燃料ポンプ4の外部に設けてもよい。
圧力調整弁6は、燃料戻し配管11を開閉する弁体と、この弁体を燃料戻し配管11の上流側(燃料供給配管10側)の弁座に向けて押圧する弾性部材とから概略構成されており、燃料噴射弁2に供給される燃料圧力の最小圧力FPmin(例えば200kPa)を補償するものである。すなわち、圧力調整弁6は、燃料噴射弁2に供給される燃料圧力(噴射圧、燃料ポンプ4の吐出側圧)が最小圧力FPmin以下であるときは閉弁し、最小圧力FPminよりも高くなると開弁する構成となっている。
車両には、内燃機関1を制御するエンジン制御装置として、マイクロコンピュータを備えるECM(Engine Control Module)15が設けられる。また、車両には、燃料ポンプ4を制御する燃料ポンプ4制御装置として、マイクロコンピュータを備えるFPCM(Fuel Pump Control Module)16が設けられる。ECM15とFPCM16とは、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介して相互に通信可能に構成される。
ECM15及びFPCM16は、マイクロコンピュータの他に、ROM(Read Only Memory)等の書き込み不可能な不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の書き込み可能な不揮発性メモリ、A/D(Analog/Digital)コンバータ、及び入出力インタフェース回路等をそれぞれ適宜備え、これらがそれぞれバスラインで相互に接続されてデータの授受を行うように構成される。
ECM15は、燃料供給配管10内の実際の燃料圧力(以下「実燃圧」という)FPを検出する燃圧センサ17や、燃料に浮かぶフロート18aの位置によって燃料タンク3内の燃料液位FLを検出する燃料レベルゲージ18等、内燃機関1の運転状態(内燃機関1の負荷・回転速度等)を検出する各種センサが出力する検出信号を入力し、これらの検出信号に基づいて燃料噴射弁2の噴射パルス信号等を演算して出力する。ここで、内燃機関1の負荷としては、例えば、吸気流量、吸入負圧、過給圧、アクセル開度等、内燃機関1のトルクと密接に関連する状態量を使用することができる。
また、ECM15は、各種センサからの検出信号に基づいて検出される内燃機関1の運転状態に応じて、燃料噴射弁2に供給される燃料圧力の目標値である目標燃料圧力(以下「目標燃圧」という)FPtg(FPmin≦FPtg<FPmax)を演算し、燃圧センサ17で検出された実燃圧FPが目標燃圧FPtgに近づくようにフィードバック制御を行う。実燃圧FPはフィードバック制御における制御量に相当する。具体的には、ECM15は、目標燃圧FPtgと燃圧センサ17で検出される実燃圧FPとの差に基づいて、燃料ポンプ4のPWM(Pulse Width Modulation)制御におけるPWM信号のデューティを決定する。PWM信号のデューティはフィードバック制御における操作量に相当する。ECM15は、決定されたデューティに対応するパルス信号を、燃料ポンプ4の駆動指示信号としてFPCM16に送信する。そして、FPCM16は、ECM15から受信したパルス信号に基づいて、ECM15で決定されたデューティでPWM信号を生成し、このPWM信号を操作信号として燃料ポンプ4へ出力する。これにより燃料ポンプ4はデューティに応じた吐出量で燃料を吐出する。
ここで、ECM15は、例えば車両衝突等、燃料供給系に破損(異常)が発生したと推測される衝撃が車両に加わった後に、内燃機関1の始動を許可してよいか否かを判断するために、燃料供給系における破損の有無を診断する燃料供給系診断装置をなす。燃料供給系に破損が発生したと推測される衝撃が車両に加わったか否かは、例えば加速度センサの加速度信号やエアバッグの展開信号等、様々な車両状態信号に基づいて判断可能である。また、燃料供給系診断装置としてのECM15は、車両衝突等と関係なく、内燃機関1の始動時に定期的に、内燃機関1の始動を許可してよいか否かを判断するために、燃料供給系における破損の有無を診断してもよい。ECM15は、燃料供給系における破損の有無を診断するために、内蔵するROM等の不揮発性メモリに格納した燃料供給系診断プログラムをRAM等の揮発性メモリに読み出して、燃料供給系の診断処理を実行する。以下では、この診断処理について詳細に説明する。
図2は、ECM15において、例えばイグニッションスイッチがオフからオンになったとき等、内燃機関1の始動要求が発生したことを契機として実行される、燃料供給系の診断処理のメインルーチンを示す。なお、内燃機関1の始動要求発生を、例えば車両衝突等、燃料供給系に破損が発生したと推測される衝撃が車両に加わった後のものに限定してもよい。
ステップS101(図中では「S101」と略記。以下同様である。)では、燃料レベルゲージ18の検出信号に基づいて検出された燃料液位FLが、燃料タンク3内の燃料残存量が略零を示す所定液位FLlimよりも高いか否かを判定する。すなわち、燃料タンク3内の燃料が殆ど漏出してしまったか否かを判定する。これにより、内燃機関1の燃料供給系のうち燃料タンク3に破損が発生しているか否かを診断する。
ステップS101により、燃料液位FLが所定液位FLlimよりも高いと判定した場合には(YES)、燃料タンク3に破損が発生しているか否かの診断を確定すべく、ステップS102へ進む。一方、燃料液位FLが所定液位FLlim以下であると判定した場合には(NO)、燃料タンク3に破損が発生していると診断して、ステップS105へ進み、内燃機関1の始動要求をキャンセルして、内燃機関1の始動を制限する(例えば、内燃機関1の始動禁止等である。以下同様)。
なお、ステップS101において、燃料液位FLが所定液位FLlim以下と判定されるのは、燃料タンク3の破損による燃料漏れ以外に、内燃機関1の運転による燃料消費の結果とも考えられる。したがって、燃料供給系に破損が発生したと推測される衝撃が車両に加わった後であることを、燃料供給系の診断処理を開始する条件としていない場合には、本ステップを省略してもよい。
ステップS102では、燃料液位FLが現在低下中であるか否かを判定する。すなわち、燃料タンク3からの燃料漏れが現在進行しているか否かを判定する。これにより、燃料供給系のうち燃料タンク3に破損が発生したか否かについての診断を確定することができる。
ステップS102では、具体的に、燃料供給系の診断処理を開始してから本ステップの実行時までの異なる時間において検出された複数の燃料液位FLの時間変化に基づいて、燃料液位FLが現在低下中であるか否かを判定する。例えば、ステップS101及びステップS102の各実行時において検出された2つの燃料液位FLの変化量、変化率等に基づいて、燃料液位FLが現在低下中であるか否かを判定することができる。
ステップS102により、燃料液位FLが現在低下中であると判定した場合には(YES)、燃料タンク3の燃料漏れが進行しているので、燃料タンク3に破損が発生していると診断して、ステップS105へ進み、内燃機関1の始動要求をキャンセルして、内燃機関1の始動を制限する。一方、燃料液位FLが現在低下していないと判定した場合には(NO)、燃料タンク3に破損は発生していないと診断して、燃料タンク3以外の燃料供給系(以下、「主燃料供給系」という)における破損の有無を診断すべく、ステップS103へ進む。なお、ステップS101及びステップS102は実行順を逆にしてもよい。
ステップS103では、主燃料供給系における破損の有無を診断すべく、主燃料供給系に燃料漏れが発生しているか否かを診断する主燃料漏れ診断を行う。本ステップの主燃料漏れ診断の内容については後に詳細に説明する。
ステップS104では、ステップS103における主燃料漏れ診断によって、燃料漏れが発生していると診断されたか否かを判定する。そして、ステップS103の主燃料漏れ診断によって燃料漏れが発生していると診断された場合には(YES)、主燃料供給系に破損が発生しているものとして、ステップS105へ進み、内燃機関1の始動要求をキャンセルして、内燃機関1の始動を制限する。一方、ステップS103の主燃料漏れ診断によって燃料漏れが発生していないと診断された場合には(NO)、主燃料供給系に破損が発生していないものとして、ステップS106へ進み、内燃機関1の始動を許可する。
ここで、図3を参照して、図2のステップS103による主燃料漏れ診断(第1実施形態)の基本的内容について説明する。
本実施形態の主燃料漏れ診断では、実燃圧FPが、内燃機関1の運転状態にかかわらず(FPmin≦FPtg<FPmax)の関係を満たしつつ強制的に設定される目標燃圧FPtgとなるように、燃料ポンプ4を所定時間作動させ、燃料供給系に加圧燃料を圧送する。目標燃圧FPtgとしては、例えば、内燃機関1の運転時に燃料噴射弁2に対して供給する燃料の燃料圧力であるシステム燃圧とすることができる。
図3に示されるように、燃料ポンプ4を所定時間作動した後に停止すると、燃料供給系に破損が発生していない正常時には、燃料ポンプ4から圧送された加圧燃料の一部が圧力調整弁6を開弁させて燃料戻し配管11を通って燃料タンク3へ戻り、正常時の実燃圧FP(図中の太破線)は、圧力調整弁6によって補償される最小圧力FPminまで比較的緩やかに低下していく。しかし、燃料供給系に破損が発生している異常時には、燃料ポンプ4から圧送された加圧燃料の一部が、圧力調整弁6を開弁させて燃料戻し配管11を介して燃料タンク3に戻るだけでなく、破損箇所からも漏出するため、異常時の実燃圧FP(図中の太実線)は、正常時の実燃圧FPに対して比較的速やかに低下する。したがって、所定時間経過後に燃料ポンプ4を停止してから検出される実燃圧FPの低下速度と、正常時の実燃圧FPの低下速度と、を比較することで、主燃料供給系における燃料漏れの有無を診断することができる。なお、燃料ポンプ4の作動により実燃圧FPが所定時間内に目標燃圧力FPtg又はその近傍値に到達しない場合には、燃料漏れが発生していると診断してもよい。
主燃料漏れ診断における目標燃圧FPtgと、燃料ポンプ4の作動を開始してから燃料漏れが発生しているか否かの診断が可能になるまで(すなわち実燃圧FPの低下速度が演算されるまで)の診断時間T(>所定時間)と、は後述するように適宜設定する。また、正常時における実燃圧FPの低下速度は、実験又はシミュレーション等によって予めROM等の不揮発性メモリに記憶される。
主燃料漏れ診断により、例えば、燃料ポンプ4を停止してから検出された実燃圧FPの低下速度が、正常時の実燃圧FPの低下速度よりも速い場合には、燃料漏れが発生していると診断できる一方、燃料ポンプ4を停止してから検出された実燃圧FPの低下速度が、正常時の実燃圧FPの低下速度以下である場合には、主燃料供給系に燃料漏れが発生していないと診断できる。
燃料漏れが発生していないと診断した場合には、前述のように、内燃機関1の始動を許可し、これに伴って燃料ポンプ4の作動も再開する(図中の正常時)。一方、燃料漏れが発生していると診断した場合には、前述のように、内燃機関1の始動要求をキャンセルして内燃機関1の始動を制限し、これに伴って燃料ポンプ4の作動停止を継続する。
図4は、図2のステップS103による主燃料供給系における主燃料漏れ診断(第1実施形態)の具体例を示すサブルーチンである。
ステップS1001では、主燃料漏れ診断において燃料ポンプ4を作動させる際の目標燃圧FPtgを設定する。
ステップS1001において、図3に示すように、燃料漏れの有無を診断する診断回数を1回として、診断前に燃料ポンプ4を所定時間作動させる際の目標燃圧FPtgを1つ設定することができる。しかし、目標燃圧FPtgを1つ設定して、1回の診断回数で燃料漏れの有無を診断するようにすると、燃料供給系に破損が発生している場合には、目標燃圧FPtgによっては破損箇所から漏出する燃料が増大してしまう。
そこで、ステップS1001において、図5に示すように、主燃料漏れ診断において燃料漏れの有無を診断する診断回数を複数回設定して、各回において診断前に燃料ポンプ4を所定時間作動させる際の目標燃圧FPtgを、診断回数を重ねるに従って、段階的に昇圧させるように設定してもよい。例えば、診断1回目についての目標燃圧FPtg1、診断2回目についての目標燃圧FPtg2、及び診断3回目についての目標燃圧FPtg3では、FPtg1<FPtg2<FPtg3の関係を満たすようにする。各回の目標燃圧FPtgはROM等の不揮発性メモリに予め格納される。各回の燃料漏れ診断では、図3と同様に、実燃圧FPが目標燃圧FPtgとなるように燃料ポンプ4を所定時間作動して停止した後に、実燃圧FPの低下速度と正常時の実燃圧FPの低下速度とを比較することで、燃料漏れの有無を診断する。これにより、目標燃圧FPtgが比較的低く(例えばFPtg1)設定された状態で燃料ポンプ4を作動させて燃料漏れが発生していると診断した場合には、以降の診断を行わないようにすることができるので、目標燃圧FPtgが比較的高く(例えばFPtg2又はFPtg3)設定された状態で燃料ポンプ4を作動させる頻度を可及的に減少させて、主燃料漏れ診断における燃料漏出を低減することを可能にしている。
主燃料漏れ診断における診断回数を複数回設定する場合において、目標燃圧FPtgの設定パターンには、例えば以下の3通りがある。
図6に示すように、設定パターン1では、診断回数を重ねるに従って昇圧させる目標燃圧FPtgの圧力上昇量ΔFPtgを等しくする。例えば、診断1回目についての目標燃圧FPtg1から診断2回目についての目標燃圧FPtg2への圧力上昇量ΔFPtg1-2、及び診断2回目についての目標燃圧FPtg2から診断3回目についての目標燃圧FPtg3への圧力上昇量ΔFPtg2-3が、ΔFPtg1-2=ΔFPtg2-3の関係を満たすようにする。
図7に示すように、設定パターン2では、診断回数を重ねるに従って昇圧させる目標燃圧FPtgの圧力上昇量ΔFPtgが段階的に増大する。例えば、診断1回目についての目標燃圧FPtg1から診断2回目についての目標燃圧FPtg2への圧力上昇量ΔFPtg1-2、及び診断2回目についての目標燃圧FPtg2から診断3回目についての目標燃圧FPtg3への圧力上昇量ΔFPtg2-3が、ΔFPtg1-2<ΔFPtg2-3の関係を満たすようにする。
図8に示すように、設定パターン3では、診断回数を重ねるに従って上昇させる目標燃圧FPtgの圧力上昇量ΔFPtgが段階的に減少する。例えば、診断1回目についての目標燃圧FPtg1から診断2回目についての目標燃圧FPtg2への圧力上昇量ΔFPtg1-2、及び診断2回目についての目標燃圧FPtg2から診断3回目についての目標燃圧FPtg3への圧力上昇量ΔFPtg2-3が、ΔFPtg1-2>ΔFPtg2-3の関係を満たすようにする。
ステップS1002では、燃料ポンプ4の作動を開始してから燃料漏れが発生しているか否かの診断が可能になるまでの診断時間Tを設定する。
診断時間Tは、その時間内に、実燃圧FPの低下速度の演算ができるように設定され、主燃料漏れ診断における診断回数を複数回設定する場合には、各回の診断についての診断時間Tを共通に設定することができる(図4の設定パターンA参照)。
一方、主燃料漏れ診断における診断回数を複数回設定して各回で診断時間Tを共通にすると、主燃料供給系に破損が発生している場合には、目標燃圧FPtgによっては破損箇所から漏出する燃料が増大してしまう。そこで、図9に示すように、主燃料漏れ診断における診断回数を複数回設定する場合には、診断回数を重ねるに従って(すなわち目標燃圧FPtgが上昇するに従って)、診断時間Tを段階的に短くして設定してもよい(図4の設定パターンB参照)。例えば、診断1回目についての診断可能時間T1、診断2回目についての診断可能時間T2及び診断3回目についての診断可能時間T3が、T1>T2>T3の関係を満たすようにする。各回の診断時間TはROM等の不揮発性メモリに予め格納される。これにより、目標燃圧FPtgが上昇するに従って、燃料ポンプ4から主燃料供給系に対して加圧燃料が圧送される時間を短くすることで、主燃料漏れ診断における燃料漏出を抑制するとともに、全診断時間の短縮を図っている。
なお、主燃料漏れ診断における診断回数を複数回設定する場合、燃料ポンプ4の作動時間を規定する所定時間は各回の診断で共通とすることができるが、目標燃圧FPtgが上昇するに従って、実燃圧FPが目標燃圧FPtgに到達するまでの時間が長くなる場合には、診断回数を重ねるに従って、燃料ポンプ4の作動時間を規定する所定時間を段階的に長くして設定してもよい。
ステップS1003では、実燃圧FPが目標燃圧FPtgとなるように燃料ポンプ4を作動させる。
ステップS1004では、燃料ポンプ4の作動を開始してから所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したと判定した場合には、燃料ポンプ4を停止してステップS1005へ進む(YES)。一方、所定時間が経過していないと判定した場合には、燃料ポンプ4の作動を継続すべく、ステップS1003へ戻る(NO)。なお、前述のように、所定時間経過後に、実燃圧FPが目標燃圧FPtg又はその近傍値に到達しない場合には、ステップS1009へ進み、主燃料供給系に燃料漏れが発生していると診断してもよい。
ステップS1005では、実燃圧FPの低下速度を演算する。実燃圧FPの低下速度は、実燃圧FPの時間変化に基づいて演算される。例えば、実燃圧FPの低下速度は、燃料ポンプ4が停止してから実燃圧FPが低下して安定するまで、あるいは、燃料ポンプ4が停止していから固定時間が経過するまでの実燃圧FPの変化量又は時間変化率から演算可能である。
ステップS1006では、ステップS1002で設定した診断時間Tが経過したか否かを判定する。診断時間Tが経過したと判定した場合には、ステップS1007へ進む(YES)。一方、診断時間Tが経過していないと判定した場合には、実燃圧FPの低下速度の演算を継続すべく、ステップS1005へ戻る(NO)。
ステップS1007では、実燃圧FPの低下速度が正常時の実燃圧FPの低下速度(所定速度)以下であるか否かを判定する。
実燃圧FPの低下速度が、正常時の実燃圧FPの低下速度以下である場合には、ステップS1008へ進む(YES)。一方、実燃圧FPの低下速度が、正常時の実燃圧FPの低下速度よりも速い場合には、ステップS1009へ進み(NO)、主燃料供給系に燃料漏れが発生していると診断して、主燃料漏れ診断を終了する。
ステップS1008では、現在の診断回数が、ステップS1001で複数回設定した診断回数のうちの最終回に到達したか否かを判定する。
現在の診断回数が最終回に到達したと判定した場合にはステップS1010へ進み(YES)、主燃料供給系に燃料漏れが発生していないと診断して、主燃料漏れ診断を終了する。一方、現在の診断回数が最終回に到達していないと判定した場合にはステップS1011へ進んで(NO)、現在の診断回数を更新し、さらに、次回の燃料漏れ診断を行うべく、ステップS1001へ戻る。現在の診断回数は、例えば、初期値を1とするパラメータが、ステップS1011で現在の診断回数を更新する度に1を加算されつつ、RAM等の揮発性メモリに格納されることで特定可能である。なお、主燃料漏れ診断における診断回数を複数回設定していない場合には、本ステップ及びステップS1011を省略することができる。
このような第1実施形態のECM15によれば、内燃機関1の始動要求が発生した場合に、内燃機関1を始動する前に、燃料ポンプ4を所定時間作動させて加圧燃料を主燃料供給系に圧送してから燃料ポンプ4を停止し、燃料ポンプ4が停止してからの実燃圧FPの低下速度と、予め記憶された正常時の実燃圧FPの低下速度と、を比較することで、主燃料供給系における燃料漏れの有無を診断している。したがって、燃料ポンプ4を作動させない状態での実燃圧FPと正常時の実燃圧FPとを比較しただけでは検出困難な主燃料供給系の微小な破損を検出し易くなるので、内燃機関1の燃料供給系における異常の検出精度を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明を実施するための第2実施形態について詳述する。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付すことでその説明を省略又は簡潔にする。
第2実施形態のECM15は、第1実施形態と同様に、燃料供給系における破損の有無を診断するために、内蔵するROM等の不揮発性メモリに格納した燃料供給系診断プログラムをRAM等の揮発性メモリに読み出して、図2の燃料供給系の診断処理を実行するが、図2のステップS103による主燃料漏れ診断の内容が第1実施形態と異なる。
ここで、図2のステップS103による主燃料漏れ診断(第2実施形態)の基本的内容について説明する。
第2実施形態の主燃料漏れ診断では、第1実施形態と同様に、実燃圧FPが、内燃機関1の運転状態にかかわらず強制的に設定される目標燃圧FPtg(FPmin≦FPtg<FPmax)となるように、燃料ポンプ4を所定時間作動させる。主燃料供給系に破損が発生していない正常時に燃料ポンプ4を作動させると、燃料ポンプ4から圧送された加圧燃料の一部は圧力調整弁6を開弁させて燃料戻し配管11を介して燃料タンク3へ戻る。FPCM16から燃料ポンプ4へ出力されるPWM信号の実際のデューティ(以下「実デューティ」という)Dは、燃料タンク3へ戻る燃料の戻り量を補うべく、略一定のデューティに収束する。このデューティを目標燃圧FPtgに対応する目標デューティDtgというものとする。なお、実デューティDがフィードバック制御における実際の操作量に相当する。
図10に示されるように、燃料ポンプ4を所定時間作動させると、主燃料供給系に破損が発生していない正常時の実デューティD(図中の太破線)は目標デューティDtgに近づく。しかし、主燃料供給系に破損が発生している異常時には、燃料ポンプ4から圧送された加圧燃料の一部が、圧力調整弁6を開弁させて燃料戻し配管11を介して燃料タンク3に戻るだけでなく、破損箇所からも漏出するため、異常時の実ディーティD(図中の太実線)は、燃料ポンプ4の吐出量を増大させて燃料の漏出分を補うべく、目標デューティDtgに対して大きくなる。したがって、燃料ポンプ4を作動させる所定時間中の実デューティDと目標デューティDtgとを比較することで、主燃料供給系における燃料漏れの有無を診断することができる。
主燃料漏れ診断における目標デューティDtgは、実験又はシミュレーション等の結果により目標燃圧FPtgと予め関連付けられて、ROM等の不揮発性メモリに記憶されている。また、燃料ポンプ4の作動を開始してから燃料漏れが発生しているか否かの診断が可能になるまで(すなわち実デューティDと目標デューティDtgとの差分が演算されるまで)の診断時間T(>所定時間)は後述するように適宜設定する。
主燃料漏れ診断により、例えば、実デューティDと目標デューティDtgとの差分が所定値よりも大きい場合には、燃料漏れが発生していると診断できる一方、実デューティDと目標デューティDtgとの差分が所定値以下である場合には、主燃料供給系に燃料漏れが発生していないと診断できる。
図11は、図2のステップS103による主燃料供給系における主燃料漏れ診断(第2実施形態)の具体例を示すサブルーチンである。
ステップS2001は、第1実施形態におけるステップS1001と同様にして、主燃料漏れ診断において燃料ポンプ4を作動させる際の目標燃圧FPtgを設定するが、この目標燃圧FPtgに基づいて、ROM等の不揮発性メモリに目標燃圧FPtgと関連付けられて記憶された目標デューティDtgを参照して、目標デューティDtgを設定する。
ステップS2001において、図10に示すように、燃料漏れの有無を診断する診断回数を1回として、診断前に燃料ポンプ4を所定時間作動させる際の目標燃圧FPtgを1つ設定(したがって目標デューティDtgを1つ設定)することができる。
あるいは、ステップ2001において、主燃料漏れ診断において燃料漏れの有無を診断する診断回数を複数回設定して、各回において診断前に燃料ポンプ4を所定時間作動させるときの目標燃圧FPtgを、診断回数を重ねるに従って、段階的に昇圧するように設定することもできる。したがって、目標デューティDtgを、診断回数を重ねるに従って段階的に増大するように設定することもできる。これにより第1実施形態のステップS1001と同様に、燃料漏れ診断における燃料漏出を低減することを可能にしている。
主燃料漏れ診断における診断回数を複数回設定する場合の目標デューティDtgの設定パターンとして、図11に示すように、例えば、診断回数を重ねるに従って増大させる目標デューティDtgのデューティ増大量ΔDtgを等しくする設定パターン1、診断回数を重ねるに従って増大させる目標デューティDtgのデューティ増大量ΔDtgが段階的に増大する設定パターン2、診断回数を重ねるに従って増大させる目標デューティDtgのデューティ増大量ΔDtgが段階的に減少する設定パターン3がある。
ステップS2002では、第1実施形態のステップS1002と同様にして、燃料ポンプ4の作動を開始してから燃料漏れが発生しているか否かの診断が可能になるまでの診断時間Tを設定する。
診断時間Tは、その時間内に、実デューティDと目標デューティDtgとの差分を演算できるように設定され、燃料ポンプ4の作動時間を規定する所定時間は、設定された診断時間Tと連動して変化する。すなわち、診断時間Tが長くなれば所定時間も長くなり、診断時間Tが短くなれば所定時間も短くなる。所定時間が経過してから診断時間Tが経過するまでの時間は、固定時間であるか、又は診断時間Tに比例して変化する時間として設定してもよい。
診断時間Tは、主燃料漏れ診断における診断回数を複数回設定する場合には、各回の診断で診断時間Tを共通にすることができる(図11の設定パターンA参照)。あるいは、診断時間Tは、主燃料漏れ診断における診断回数を複数回設定する場合には、診断回数を重ねるに従って(すなわち目標デューティDtgの増大に従って)、段階的に短くして設定することもできる(図11の設定パターンB参照)。これにより、第1実施形態のステップS1002と同様に、燃料漏れ診断における燃料漏出を抑制するとともに、全診断時間の短縮を図っている。
ステップS2003では、第1実施形態のステップS1003と同様にして、実燃圧FPが目標燃圧FPtgとなるように燃料ポンプ4を作動させる。ECM15のRAM等の揮発性メモリには、燃料ポンプ4を作動させている所定時間内に、燃料ポンプ4に出力されるPWM信号の実デューティDが、遂次又は所定のタイミングでデータとして書き込まれる。
ステップS2004では、第1実施形態のステップS1004と同様にして、燃料ポンプ4の作動を開始してから所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したと判定した場合には、燃料ポンプ4を停止してステップS2005へ進む(YES)。一方、所定時間が経過していないと判定した場合には、燃料ポンプ4の作動を継続すべく、ステップS2003へ戻る(NO)。
ステップS2005では、目標デューティDtgと実デューティDとの差分を演算する。例えば、S2001で設定した目標デューティDtgと、ステップS2003において所定時間中にRAM等の揮発性メモリに記憶した各実デューティDと、の差分を逐次演算して記憶することができる。
ステップS2006では、第1実施形態のステップS1006と同様にして、ステップS2002で設定した診断時間Tが経過したか否かを判定する。診断時間Tが経過したと判定した場合には、ステップS2007へ進む(YES)。一方、診断時間Tが経過していないと判定した場合には、目標デューティDtgと実デューティDとの差分をさらに演算すべく、ステップS2005へ戻る(NO)。
ステップS2007では、目標デューティDtgと実デューティDとの差分が所定値以下であるか否かを判定する、すなわち当該差分についての大小判定を行う。所定値は、製造公差や周囲環境による燃料ポンプ4の吐出量のばらつき等を考慮した値である。本ステップの判定に用いる目標デューティDtgと実デューティDとの差分は、ステップS2005で演算された複数の差分を平均化してもよい。あるいは、ステップS2005で演算された各差分と所定値との大小判定を逐次行い、各差分が所定値以下になった回数に基づいて、目標デューティDtgと実デューティDとの差分が所定値以下になったか否かを判定してもよい。
ステップS2007により、目標デューティDtgと実デューティDとの差分が所定値以下である判定した場合には、ステップS2008へ進む(YES)。一方、目標デューティDtgと実デューティDとの差分が所定値よりも大きいと判定した場合には、ステップS2009へ進み(NO)、主燃料供給系に燃料漏れが発生していると診断して、主燃料漏れ診断を終了する。
ステップS2008では、第1実施形態のステップS1008と同様にして、現在の診断回数が、ステップS2001で複数回設定した診断回数のうちの最終回に到達したか否かを判定する。
ステップS2008により、現在の診断回数が最終回に到達したと判定した場合にはステップS2010へ進み(YES)、主燃料供給系に燃料漏れが発生していないと診断して、主燃料漏れ診断を終了する。一方、現在の診断回数が最終回に到達していないと判定した場合にはステップS2011へ進んで(NO)、現在の診断回数を更新し、さらに、次回の燃料漏れ診断を行うべく、ステップS2001へ戻る。なお、主燃料漏れ診断における診断回数を複数回設定していない場合には、本ステップ及びステップS2011を省略することができる。
このような第2実施形態のECM15によれば、内燃機関1の始動要求が発生した場合に、内燃機関1を始動する前に、実燃圧FPが目標燃圧FPtgとなるように燃料ポンプ4を所定時間作動させて、所定時間中にFPCM16から燃料ポンプ4へ出力されるPWM信号の実デューティDと、目標燃圧FPtgに対応する目標デューティDtgと、を比較することで主燃料供給系における燃料漏れの有無を診断している。したがって、第1実施形態と同様に、燃料ポンプ4を作動させない状態での実燃圧FPと正常時の実燃圧FPとを比較しただけでは検出困難な主燃料供給系の微小な破損を検出し易くなるので、内燃機関1の燃料供給系における異常の検出精度を向上させることができる。
また、第1実施形態では燃料ポンプ4を所定時間作動して停止した後に実燃圧FPの時間変化を検出する必要があるのに対し、第2実施形態では燃料ポンプ4を作動させる所定時間中に実デューティDを検出しているので、第1実施形態と比較すると診断時間の短縮が期待できる。
以上、本発明者によってなされた発明を第1実施形態及び第2実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
図12に示すように、第1実施形態及び第2実施形態において、図2のステップS102を実行した後に、ステップS102aとして実燃圧FPが所定圧力以上であるか否かを判定することができる。所定圧力は、主燃料供給系に比較的大きな破損が発生していると推定可能な実燃圧FPの上限値である。ステップS102aにより、実燃圧FPが所定圧力以上であると判定した場合には、主燃料供給系において比較的小さい微小な破損が発生しているか否かを診断すべく、ステップS103の燃料漏れ診断へ進み(YES)、一方、実燃圧FPが所定圧力未満であると判定した場合には、主燃料供給系に破損が発生していると診断して、ステップS105へ進み(NO)、内燃機関1の始動要求をキャンセルして、内燃機関1の始動を制限する。これにより、主燃料供給系に比較的大きい破損があればステップS102aで検出し、ステップS102aで検出できない比較的小さい微小な破損があれば、ステップS103で検出可能となる。したがって、主燃料供給系に比較的大きな破損がある場合には、ステップS103の燃料漏れ診断を実施して燃料ポンプ4を作動させる可能性が低下するので、破損箇所からの燃料の漏出を低減することができる。
ECM15の機能及びFPCM16の機能は、ECM15とFPCM16とを統合した1つの制御装置で実現されてもよい。したがって、ECM15及びFPCM16が一体となって内燃機関1の燃料供給系診断装置を構成していてもよい。
あるいは、FPCM16単体で内燃機関1の燃料供給系診断装置を構成してもよい。この場合、FPCM16は、燃料漏れ診断における目標燃圧FPtg及び診断時間T等の設定パラメータをROM等の不揮発メモリに格納するとともに、実燃圧FP及び燃料液位FLに対応する信号をECM15から受信して、燃料供給系の診断処理を実行する。
第2実施形態のステップS1002において、燃料漏れ診断の診断回数を複数回設定する場合に、診断回数を重ねるに従って、診断時間Tを段階的に短くして設定するものとして説明したが、これに代えて、燃料ポンプ4の作動時間を規定する所定時間を段階的に短く設定してもよい。このように設定したとき、ステップS2005における目標デューティDtgと実デューティDとの差分を所定時間内に演算して、所定時間の経過後、ステップS2007へ進んで当該差分の大小判定を行うこともできる。
1 内燃機関
2 燃料噴射弁
3 燃料タンク
4 燃料ポンプ
6 圧力調整弁
10 燃料供給配管
11 燃料戻し配管
15 ECM
16 FPCM
17 燃圧センサ
FP 実燃圧
FPtg 目標燃圧
FL 燃料液位
FLlim 所定液位
T 診断時間
D 実デューティ
Dtg 目標デューティ

Claims (5)

  1. 内燃機関の燃料噴射弁に対して燃料タンクの燃料を燃料ポンプによって供給する燃料供給系に異常があるか否かを診断する、内燃機関の燃料供給系診断装置であって、
    前記内燃機関を始動する前に、前記燃料ポンプを所定時間作動させて停止し、前記燃料ポンプを停止してからの実際の燃料圧力の低下速度に基づいて、前記燃料供給系における異常の有無を複数回診断し、前記燃料供給系に異常があると診断した場合には前記内燃機関の始動を制限し、
    各回の診断において前記燃料ポンプを前記所定時間作動させたときの前記実際の燃料圧力が診断回数を重ねるに従って段階的に昇圧するように、前記燃料ポンプを作動させる、内燃機関の燃料供給系診断装置。
  2. 各回の診断において前記燃料ポンプを前記所定時間作動させたときの前記実際の燃料圧力が目標燃料圧力となるように前記燃料ポンプを作動させ、
    前記目標燃料圧力は、診断回数を重ねるに従って、段階的に昇圧して設定される、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給系診断装置。
  3. 前記目標燃料圧力が段階的に上昇するときの圧力上昇量は、前記診断回数を重ねるに従って増大する、請求項2に記載の内燃機関の燃料供給系診断装置。
  4. 前記目標燃料圧力が段階的に上昇するときの圧力上昇量は、前記診断回数を重ねるに従って減少する、請求項2に記載の内燃機関の燃料供給系診断装置。
  5. 前記燃料タンクの燃料液位が所定液位以下である場合には、前記燃料ポンプを前記所定時間作動させずに、前記内燃機関の始動を制限する、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料供給系診断装置。
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