JP6735252B2 - 樹脂着色用マスターバッチ及びその製造方法、液状着色剤、着色樹脂組成物、並びに着色樹脂成形体 - Google Patents

樹脂着色用マスターバッチ及びその製造方法、液状着色剤、着色樹脂組成物、並びに着色樹脂成形体 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂着色用マスターバッチ、樹脂着色用マスターバッチの製造方法、液状着色剤、着色樹脂組成物、及び着色樹脂成形体に関する。
近年、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、ユリア樹脂などの熱硬化性樹脂をはじめとする各種合成樹脂は、工業材料だけでなく、日常の家庭生活においても便利で有用な材料として広く利用されている。
これらの樹脂を着色する方法としては、従来、押出機などを使用して樹脂と顔料を溶融混練し、得た着色樹脂ペレットを成形する方法;未着色の樹脂ペレットと顔料を成形時に混練し、成形加工と同時に着色する方法などがある。これらの方法では、顔料と金属石鹸を混合して得たドライカラーや、樹脂ペレットに顔料を最終着色濃度で付着させたものを押出機で混練して得たカラードペレットなどが用いられている。さらに、近年、顔料を樹脂中により均一に存在させるべく、最終着色濃度よりも高濃度の顔料を樹脂中又は樹脂混合物中に予め分散させた、いわゆるマスターバッチが主に用いられている。マスターバッチは、例えば、樹脂と顔料に必要に応じて各種添加剤などを加えたものを、混練機などを使用して混練することで製造される。
ほとんどの顔料は粉末であるとともに、主として水中で合成される。生成した顔料は水中では微細な一次粒子の状態で存在しているが、乾燥時の熱により一次粒子が凝集して固く粗大な二次粒子を多数含んだ状態となる。凝集した二次粒子を含む顔料を用いて、樹脂中に微細な一次粒子の顔料を再分散させるのは困難である。このため、凝集した二次粒子を含む顔料を用いると、得られるマスターバッチ中には顔料の粗大粒子が多数残存することになる。顔料の粗大粒子を多数含有するマスターバッチを用いて着色した樹脂成形品(特に、フィルムや繊維など)を製造すると、成形品の表面にブツが生ずる、フィルムの透明性が低下する、繊維の紡糸時や加工時に糸切れが発生する等の課題が生じやすい。
また、従来のマスターバッチの製造方法として、水中で合成した顔料の水性ペーストと樹脂を、樹脂の軟化点以上かつ水の沸点以下の温度で混練し、水相の顔料を樹脂相に移行させた後に水を除去する方法(いわゆる、フラッシング法)がある。このフラッシング法によれば、顔料を二次凝集させることなく、樹脂中に微細に分散させことができる。
しかし、フラッシング法は、カーボンブラックや二酸化チタンなどの水性ペーストの状態で存在できない顔料に適用することができない。また、フラッシング法は、樹脂の軟化点が水の沸点以下でなければ適用することができない。このため、6−ナイロン、6,6−ナイロン、及びポリエチレンテレフタレートなどの軟化点は水の沸点よりも顕著に高いため、フラッシング法に適用することができない。
マスターバッチを製造する上記以外の方法として、例えば、樹脂と粉末顔料を混練する際に、各種ワックス類、可塑剤、界面活性剤などの内部滑剤;濡れ剤や分散剤などを添加する方法がある。この方法では、粉末顔料が凝集した固い二次粒子がほぐれやすいため、マスターバッチ中における顔料の分散性を向上させることができる。この方法は、塩化ビニル系樹脂やポリオレフィン系樹脂などの樹脂を用いたマスターバッチや、これらの樹脂を着色する方法として知られている(特許文献1)。
さらに、近年、樹脂と顔料の相溶性を改善すべく、成形用の樹脂と同一の樹脂又は類似した樹脂と顔料を、ポリエチレンワックス等の分散剤と混練して着色剤組成物を調製しておき、この着色剤組成物と成形用の樹脂を混練して、顔料を均一に分散させる着色方法が広く工業的に利用されている。この着色剤組成物は、樹脂中に顔料を高濃度に分散させた、ペレット状、板状、フレーク状等の着色剤(マスターバッチ)である。なお、ポリエチレン系ワックス等の分散剤は、成形体中での顔料の分散性を向上させるための必須成分として配合されている(特許文献2)。
特開2003−183447号公報 特開2002−179891号公報
しかし、ワックス系分散剤を含有するマスターバッチを用いると、ワックス系分散剤が得られるフィルムや繊維などの着色成形体の表面に滲み出してきたり、ワックス系分散剤の影響により樹脂の物性が低下したりすることがある。樹脂の物性が低下すると、延伸加工等の加工時に破れや糸切れなどが起こりやすくなることがある。
さらに、樹脂の種類によっては、ワックス系分散剤との相溶性が乏しいことがある。このため、相溶性を改善するために他の添加剤を配合したりすると、マスターバッチに顔料を高濃度に含有させることが困難になる場合がある。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、顔料が凝集した粗大な二次粒子がほとんど含まれず、顔料の分散性が良好であり、色ムラなく良好に着色された樹脂着色用マスターバッチを提供することにある。また、本発明の課題とするところは、上記樹脂着色用マスターバッチの製造方法、上記樹脂着色用マスターバッチを製造するための液状着色剤、上記樹脂着色用マスターバッチを用いて得られる着色樹脂組成物、及び着色樹脂成形体を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、樹脂を含有する樹脂成分と、顔料を含む着色剤及びヨウ素価が90以上の植物油脂を含有する液状着色剤とを、溶融混練する工程を有し、前記樹脂成分及び前記液状着色剤の少なくともいずれかが、0.1質量%水溶液の表面張力が50mN/m以下であるとともに、フェルト自然沈降法により測定される沈降時間が300秒以下である界面活性剤をさらに含有し、前記樹脂成分及び前記液状着色剤の少なくともいずれかが、金属石鹸をさらに含有する樹脂着色用マスターバッチの製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記の製造方法によって製造される樹脂着色用マスターバッチが提供される。
さらに、本発明によれば、顔料を含む着色剤、ヨウ素価が90以上の植物油脂、0.1質量%水溶液の表面張力が50mN/m以下であるとともに、フェルト自然沈降法により測定される沈降時間が300秒以下である界面活性剤、及び金属石鹸を含有し、前記着色剤100質量部に対する、前記植物油脂の含有量が、60〜2,000質量部である液状着色剤が提供される。
また、本発明によれば、ベース樹脂と、上記樹脂着色用マスターバッチと、を含有する着色樹脂組成物が提供される。さらに、本発明によれば、上記着色樹脂組成物からなる着色樹脂成形体が提供される。
本発明によれば、顔料が凝集した粗大な二次粒子がほとんど含まれず、顔料の分散性が良好であり、色ムラなく良好に着色された樹脂着色用マスターバッチを提供することができる。また、本発明によれば、上記樹脂着色用マスターバッチの製造方法、上記樹脂着色用マスターバッチを製造するための液状着色剤、上記樹脂着色用マスターバッチを用いて得られる着色樹脂組成物、及び着色樹脂成形体を提供することができる。
本発明の樹脂着色用マスターバッチには、ワックス系分散剤を実質的に用いる必要がない。このため、ワックス系分散剤との相溶性に乏しい樹脂であっても、マスターバッチ用の樹脂として用いることができるとともに、顔料等の着色剤を高濃度に含有させた樹脂着色用マスターバッチとすることができる。さらに、ワックス系分散剤を実質的に用いる必要がない本発明の樹脂着色用マスターバッチを用いれば、得られる着色成形体の表面にワックス系分散剤が滲み出したり、得られる着色成形体の物性が低下したりする等の不具合が生じにくい。
<樹脂着色用マスターバッチ及びその製造方法>
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明の樹脂着色用マスターバッチ(以下、単に「マスターバッチ」とも記す)の製造方法は、樹脂を含有する樹脂成分と、顔料を含む着色剤(色材)及びヨウ素価が90以上の植物油脂を含有する液状着色剤とを、溶融混練する工程(溶融混練工程)を有する。樹脂成分及び液状着色剤の少なくともいずれかは、0.1質量%水溶液の表面張力が50mN/m以下であるとともに、フェルト自然沈降法により測定される沈降時間が300秒以下である界面活性剤をさらに含有する。そして、樹脂成分及び液状着色剤の少なくともいずれかは、金属石鹸をさらに含有する。また、本発明のマスターバッチは、上記のマスターバッチの製造方法により製造されるものである。以下、本発明のマスターバッチ及びその製造方法の詳細について説明する。
(樹脂)
マスターバッチに用いる樹脂(マスターバッチ用の樹脂)としては、熱可塑性樹脂を挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂(PE樹脂)、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合樹脂(AES樹脂)等の汎用の樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(着色剤)
着色剤は、顔料を含む。なお、調色等を目的として染料を併用してもよい。顔料及び染料としては、印刷インキ、塗料、及び熱可塑性樹脂の着色に従来使用されている公知の有機顔料、無機顔料、及び染料を用いることができる。
有機顔料としては、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、イソインドリノン系、ジオキサン系、インジゴ系顔料などを挙げることができる。より具体的には、ジスアゾイエロー、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料;リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントイエロー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の溶性アゾ顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料;キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料;ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料;イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料;ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料;チオインジゴ系顔料;縮合アゾ系顔料;ベンズイミダゾロン系顔料;キノフタロンエロー;ニッケルアゾエロー;ペリノンオレンジ;アンスロンオレンジ;ジアンスラキノニルレッド;ジオキサジンバイオレットなどを挙げることができる。
無機顔料としては、体質顔料、酸化チタン系顔料、酸化鉄系顔料、スピンネル顔料などを挙げることができる。より具体的には、カーボンブラック、酸化チタン、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、フェライト、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化アンチモン、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化ビスマス、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、水酸化亜鉛、水酸化セリウム、水酸化ランタン、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸化マンガン、酸化バナジウム、炭酸亜鉛、炭酸コバルト、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタンイエロー、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトブルー、コバルトアルミクロムブルー、コバルトクロムグリーン、セルリアンブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、銅クロムブラック、銅−鉄マンガンブラック、クロムスズピンク、クロムアルミナピンク、バナジウムブルー、プラセオジウムイエロー、バナジン酸ビスマスイエロー、ビクトリアグリーン、ケイ酸コバルト、ケイ酸ジルコニウム、タルク、カオリン、ゼオライトなどを挙げることができる。
顔料の一次平均粒子径は、通常、10μm以下であり、好ましくは1〜1,000nm、さらに好ましくは10〜100nmである。着色剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、染料としては、直接染料、塩基性染料、カチオン染料、酸性染料、媒染染料、酸性媒染染料、硫化染料、ナフトール染料、分散染料、反応染料などを挙げることができる。
顔料は、種類、粒子径、及び処理方法を用途に応じて選択して用いることが好ましい。例えば、隠蔽力を必要とする場合や、着色物に透明性を付与する場合には、顔料の種類や粒子径等を適宜選択すればよい。光輝剤は、得られる成形物表面に再帰反射特性や光散乱性を付与し、見る角度で色調が変化する材料として有効な顔料である。パールマイカ顔料としては、天然雲母(マイカ)や合成マイカを、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化すず、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト等の金属酸化物等で被覆したものを用いることができる。
(植物油脂)
植物油脂のヨウ素価は90以上、好ましくは90〜200である。植物油脂としては、不乾性油、半乾性油、及び乾性油を用いることができる。これらの植物油脂は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。植物油脂の具体例としては、亜麻仁油、なたね油、大豆油、綿実油などを挙げることができる。植物油脂としては、着色剤の分散しやすさや、着色剤の添加量などに応じて好適なものを選択して用いることができる。なかでも、ヨウ素価が100〜140の半乾性油や乾性油を用いることが好ましく、ヨウ素価が120〜135の植物油脂(例えば、大豆油)を用いることがさらに好ましい。なお、植物油脂の使用量は、全成分中、35質量%以下とすることが好ましく、25質量%以下とすることがさらに好ましく、20質量%以下とすることが特に好ましい。
(金属石鹸)
金属石鹸は、樹脂に対する植物油脂の親和性を高める成分である。金属石鹸としては、脂肪酸の金属塩を用いることができる。脂肪酸の金属塩を構成する金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、アルミニウム、タリウムなどを挙げることができる。金属石鹸の具体例としては、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸バナジウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸バリウム、2−エチルヘキサン酸亜鉛、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛などを挙げることができる。なかでも、顔料等の着色剤や樹脂との親和性の観点から、ステアリン酸(炭素数18)の金属塩が好ましい。
金属石鹸の量は、着色剤及び植物油脂の量に応じて適宜設定することが好ましい。金属石鹸の量が少なすぎると、樹脂に対する油脂の親和性が低下しやすく、着色剤の分散性がやや低下する場合がある。一方、金属石鹸の量が多すぎると、混練時にシェアがかかりにくくなり、樹脂中における着色剤の分散性が低下する場合がある。さらに、邂逅性が低下する傾向にあるとともに、希釈時に色別れの原因になることがある。
着色剤1質量部に対する、金属石鹸の使用量は、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜2.5質量部であることがさらに好ましく、0.25〜1質量部であることが特に好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤の0.1質量%水溶液の表面張力は、50mN/m以下であり、好ましくは20〜40mN/mである。界面活性剤の0.1質量%水溶液の表面張力が50mN/m超であると、樹脂中への浸透力が低下してしまい、分散性を向上させることができない。また、フェルト自然沈降法により測定される界面活性剤の沈降時間は300秒以下であり、好ましくは150秒以下である。フェルト自然沈降法により測定される界面活性剤の沈降時間が300秒超であると、顔料への浸透力が低下してしまう。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤などを用いることができる。これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソトリデシルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩;ジ(ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル)スルホコハク酸ナトリウム、ジ(ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル)スルホコハク酸ナトリウム等のジポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸塩;オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム等の脂肪酸塩などを挙げることができる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩;塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩等のアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリル酸ジエタノールアミド等のアルキロールアミド;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のポリオキシアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ジステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノカプリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;グリコールエーテルなどを挙げることができる。
両性界面活性剤としては、ヤシ油アルキルベタイン等のアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルアミドベタイン;Z−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等のイミダゾリン類;ポリオクチルポリアミノエチルグリシン等のグリシン類;アセチレン系の界面活性剤などを挙げることができる。
界面活性剤の量は、金属石鹸、着色剤、及び植物油脂の量に応じて適宜設定することが好ましい。界面活性剤の量が多すぎると発泡しやすくなり、植物油脂の樹脂への分散性がやや低下したり、混練時にシェアがかかりにくくなって着色剤の分散性が低下したりする場合がある。さらに、邂逅性が低下する傾向にあるとともに、希釈時に色別れの原因になることがある。一方、界面活性剤の量が少なすぎると、金属石鹸、着色剤、及び植物油脂を良好な状態で樹脂に分散させることがやや困難になる場合がある。
着色剤1質量部に対する、界面活性剤の使用量は、0.05〜5質量部であることが好ましく、0.15〜5質量部であることがさらに好ましく、0.25〜1質量部であることが特に好ましい。
(樹脂成分、液状着色剤)
樹脂成分は、前述のマスターバッチ用の樹脂を含有する。また、液状着色剤は、マスターバッチ用の樹脂を着色するための成分であり、前述の着色剤と、ヨウ素価90以上の植物油脂とを含有する。なお、液状着色剤は、通常、室温(25℃)条件下で液状又は半液状である。樹脂成分及び液状着色剤の少なくともいずれかは、前述の金属石鹸をさらに含有する。また、樹脂成分及び液状着色剤の少なくともいずれかは、前述の界面活性剤をさらに含有する。界面活性剤を用いることで、着色剤、金属石鹸、及び植物油脂の樹脂への分散性を高めることができるため、分散性の良好なマスターバッチを製造することができる。
金属石鹸と界面活性剤は、樹脂成分及び液状着色剤のいずれに含有されていてもよい。なかでも、金属石鹸及び界面活性剤を含有する液状着色剤を用いることが好ましい。すなわち、溶融混練工程では、着色剤、植物油脂、金属石鹸、及び界面活性剤を含有する液状着色剤と、樹脂成分とを溶融混練することが好ましい。これにより、顔料の分散性により優れているとともに、さらに色ムラなく良好に着色された樹脂着色用マスターバッチを製造することができる。
前述の通り、液状着色剤は、通常、室温(25℃)条件下で液状又は半液状であるため、サンプリングが容易であり、作業性を改善することができ、正確に着色調整をすることができる。顔料の表面と高い親和性を有する植物油脂を用いることで流動性を確保しつつ、さらに金属石鹸を用いることで、溶融混練時に樹脂に対する植物油脂の親和性を向上させ、顔料を高度に分散させたマスターバッチとすることができる。さらに、界面活性剤を液状組成物に配合することで、各成分をより均一に分散させることができる。すなわち、液状着色剤を用いることで、ワックス系分散剤を実質的に含有させなくとも、顔料の分散性が良好であり、色ムラなく良好に着色された樹脂着色用マスターバッチを得ることができる。
(溶融混練工程)
溶融混練工程では、樹脂成分と液状着色剤とを、好ましくは樹脂の軟化点を超える温度で溶融混練する。溶融混練することで、本発明のマスターバッチとすることができる。なお、必要に応じて、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ディゾルバー等の分散機を使用して各成分を分散させてもよい。各成分を分散させる際には、ポリカルボン酸系の分散剤、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーン系分散剤、有機共重合体系の分散剤などの各種分散剤を併用してもよい。
樹脂成分と液状着色剤を溶融混練する際には、混練機を使用することができる。混練機としては、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、単軸押出機、同方向多軸押出機、異方向多軸押出機、二本ロール、三本ロール、連続式ニーダー、連続式二本ロールなどを挙げることができる。
樹脂成分と液状着色剤を溶融混練する際には、例えば、以下に示す(a)〜(e)の態様とすることができる。なかでも、(a)の態様とすることが、コスト面及び分散性の面で好ましい。
(a)着色剤、植物性油脂、金属石鹸及び/又は界面活性剤を含有する液状着色剤を樹脂に練り込む。
(b)着色剤、植物性油脂、金属石鹸及び/又は界面活性剤を含有する液状着色剤を、樹脂及び界面活性剤を含有する樹脂成分に練り込む。
(c)着色剤、植物性油脂、金属石鹸及び/又は界面活性剤を含有する液状着色剤を、樹脂及び金属石鹸を含有する樹脂成分に練り込む。
(d)着色剤、植物性油脂、金属石鹸及び/又は界面活性剤を含有する液状着色剤を、樹脂、界面活性剤、及び金属石鹸を含有する樹脂成分に練り込む。
(e)着色剤、植物性油脂を含有する液状着色剤を、樹脂、界面活性剤及び金属石鹸を含有する樹脂成分に練り込む。
(その他の工程)
上記の溶融混練工程で得られた溶融混練物を冷却した後、粉砕機等を使用して微粉砕し、得られた微粉砕物を再度混練することが好ましい。粉砕機として、例えば、ピンミル、ディスクミル、スクリーンミル、ターボミル、ジェットミルなどを挙げることができる。粉砕機を使用する前に、カッターミル、ハンマーミルなどの粗粉砕機を使用して溶融混練物を予備粉砕しておくと、粉砕機の負荷を減らすことができるために好ましい。さらに、造粒機を使用して溶融混練物をペレット状のマスターバッチに造粒することができる。造粒機としては、一軸、二軸等の押出機や、圧縮造粒機などを用いることができる。
(樹脂着色用マスターバッチ)
本発明の樹脂着色用マスターバッチは、上述の樹脂着色用マスターバッチの製造方法によって製造される。すなわち、本発明のマスターバッチは、樹脂を含有する樹脂成分と、着色剤及び所定の植物油脂を含有する液状着色剤とを、溶融混練することによって製造することができる。
マスターバッチ中の樹脂の含有量は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。マスターバッチ中の着色剤の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。マスターバッチ中の樹脂及び着色剤の含有量を上記の範囲とすることで、各成分をより良好な状態で邂逅させることができるとともに、物性により優れたマスターバッチとすることができる。樹脂の含有量が30質量%未満であると、樹脂の形態を保つのがやや困難になる場合がある。また、着色剤の含有量が40質量%超であると、樹脂と着色剤がより良好な状態で一体化した混練物を得ることが困難になる場合がある。
(その他の成分)
本発明のマスターバッチには、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の成分を含有させることができる。その他の成分としては、例えば、光安定化剤、重合禁止剤、帯電防止剤、無機充填剤、有機充填剤、可塑剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を挙げることができる。
<着色樹脂組成物及び着色樹脂成形体>
本発明のマスターバッチは、樹脂を着色するために用いられる従来公知のマスターバッチと同様に用いることができる。すなわち、上述のマスターバッチをベース樹脂と組み合わせることで、ベース樹脂と、マスターバッチとを含有する着色樹脂組成物とすることができる。さらに、この着色樹脂組成物を所望の形状に成形することで、繊維、フィルム、各種成形物、粉体塗料などの着色樹脂成形体とすることができる。なお、マスターバッチを水や溶剤などに懸濁又は溶解させて、塗料、インキ、電子写真用現像剤などを調製することもできる。
ポリプロピレン系樹脂等のベース樹脂によってマスターバッチを適当な濃度に希釈した後、インフレーション装置やT−ダイ装置等を使用して成形することで、着色樹脂成形体を得ることができる。ベース樹脂として用いられるポリプロピレン系樹脂は、マスターバッチに用いた樹脂(マスターバッチ用の樹脂)と同一種類(同一品質)のものであることが好ましい。また、インフレーション装置やT−ダイ装置等のシリンダー及びダイスの温度は、例えば180〜320℃とすればよい。
マスターバッチを用いることで、成形加工と同時にベース樹脂を着色することができる。ベース樹脂100質量部に対する、マスターバッチの量は、0.5〜20質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがさらに好ましい。ベース樹脂に対するマスターバッチの量を上記範囲とすることで、着色剤の分散性がより良好になるとともに、さらに安定した着色効果を得ることができる。また、着色樹脂成形体中の着色剤の含有量は、着色樹脂成形体の全質量を基準として、0.1〜10質量%とすることが好ましく、0.2〜5質量%とすることがさらに好ましい。
着色樹脂組成物を成形する方法(成形方法)は特に限定されない。成形方法としては、例えば、一般な射出成形法の他、射出発泡成形法、超臨界射出発泡成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、サンドイッチ成形法、サンドイッチ発泡成形法などを挙げることができる。
成形機を使用し、一般的なフィルム成形方法やシート成形方法によって着色樹脂組成物を成形することで、フィルム状又はシート状の成形体を製造することができる。成形機としては、押出成形機、中空成形機、真空成形機、圧空成形機、圧縮成形機、カレンダー成形機などを使用することができる。フィルム状成形体及びシート状成形体の厚みは、用途に応じて適宜調整すればよい。具体的には、0.1〜500μmとすることが好ましく、1〜100μmとすることがさらに好ましい。
また、紡糸機を使用して着色樹脂組成物を紡糸することで、繊維状の成形体を製造することができる。繊維状の成形体の繊維径は、用途に応じて適宜調整すればよい。具体的には、1〜1,000μmとすることが好ましく、1〜500μmとすることがさらに好ましく、5〜200μmとすることが特に好ましい。繊維状の成形体は、適当な長さに裁断してもよいし、束ねて繊維束としてもよい。さらに、布や不織布に加工することもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
<各成分>
(樹脂)
樹脂として、低密度ポリエチレン(商品名「サンテックLDPE M2270」、旭化成社製)を用意した。
(顔料)
顔料として、フタロシアニン系の顔料(商品名「シアニンブルー4920」、大日精化工業社製)を用意した。
(植物油脂)
表1に示す種類の植物油脂を用意した。
Figure 0006735252
(ワックス)
ワックス系分散剤(ワックス)として、低分子量のポリエチレンワックス(商品名「サンワックス151−P」、三洋化成工業社製)を用意した。
(界面活性剤)
表2に示す種類の界面活性剤を用意した。
Figure 0006735252
<マスターバッチの製造>
(実施例1)
顔料4部、大豆油5部、金属石鹸(Mg−St)2部、及び界面活性剤A 4部を混合し、室温条件下、三本ロールを用いて分散させて液状着色剤を調製した。樹脂85部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、液状着色剤の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(実施例2〜20、比較例1〜5)
表3−1〜3−3に示す配合としたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてマスターバッチを得た。
(実施例21)
顔料4部及び大豆油5部を混合し、室温条件下、三本ロールを用いて分散させて液状着色剤を調製した。金属石鹸(Mg−St)2部、界面活性剤D 4部、及び樹脂85部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、液状着色剤の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(実施例22)
顔料4部、大豆油5部、及び金属石鹸(Mg−St)2部を混合し、室温条件下、三本ロールを用いて分散させて液状着色剤を調製した。界面活性剤D 4部及び樹脂85部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、液状着色剤の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(実施例23)
顔料4部、大豆油5部、及び界面活性剤D 4部を混合し、室温条件下、三本ロールを用いて分散させて液状着色剤を調製した。金属石鹸(Mg−St)2部及び樹脂85部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、液状着色剤の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(実施例24)
顔料4部、大豆油5部、金属石鹸(Mg−St)1部、及び界面活性剤D 4部を混合し、室温条件下、三本ロールを用いて分散させて液状着色剤を調製した。金属石鹸(Zn−St)1部及び樹脂85部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、液状着色剤の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(実施例25)
顔料4部、大豆油5部、金属石鹸(Mg−St)2部、及び界面活性剤D 2部を混合し、室温条件下、三本ロールを用いて分散させて液状着色剤を調製した。界面活性剤C 2部、及び樹脂85部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、液状着色剤の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(実施例26)
顔料4部、大豆油5部、金属石鹸(Mg−St)1部、及び界面活性剤D 2部を混合し、室温条件下、三本ロールを用いて分散させて液状着色剤を調製した。金属石鹸(Zn−St)1部、界面活性剤C 2部、及び樹脂85部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、液状着色剤の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(実施例27)
顔料4部、大豆油5部、金属石鹸(Mg−St)1部、及び界面活性剤D 2部を混合し、室温条件下、三本ロールを用いて分散させて液状着色剤を調製した。金属石鹸(Zn−St)2部、界面活性剤C 1部、及び樹脂85部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、液状着色剤の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(比較例6)
顔料4部及び金属石鹸(Zn−St)4部を混合して粉末状の顔料分散体を調製した。樹脂92部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、適量の水及び顔料分散体の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(比較例7)
顔料4部及び金属石鹸(Zn−St)4部を混合して粉末状の顔料分散体を調製した。樹脂88部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、適量の水、界面活性剤D 4部、及び顔料分散体の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(比較例8)
顔料4部及びワックス4部を混合し、100℃の温度条件下、三本ロールを用いて分散させてフレーク状の顔料分散体を調製した。樹脂92部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、顔料分散体の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(比較例9)
樹脂84部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、顔料4部、大豆油2部、金属石鹸(Zn−St)2部、ワックス4部、及び界面活性剤D 4部を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(比較例10)
大豆油2部、金属石鹸(Mg−St)2部、及び界面活性剤D 4部を混合し、室温条件下、三本ロールを用いて分散させて混練物を調製した。顔料4部、金属石鹸(Zn−St)4部、及び樹脂84部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、混練物の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(比較例11)
顔料4部及び大豆油5部を混合し、室温条件下、三本ロールを用いて分散させて液状着色剤を調製した。金属石鹸(Mg−St)6部及び樹脂85部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、液状着色剤の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(比較例12)
顔料4部及び大豆油5部を混合し、室温条件下、三本ロールを用いて分散させて液状着色剤を調製した。界面活性剤D 6部及び樹脂85部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、液状着色剤の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(比較例13)
大豆油5部、金属石鹸(Mg−St)2部、及び界面活性剤D 4部を混合し、室温条件下、三本ロールを用いて分散させて混練物を調製した。顔料4部及び樹脂85部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練して溶融状態とした後、混練物の全量を添加してさらに混練し、マスターバッチを得た。
(比較例14)
顔料4部、大豆油5部、金属石鹸(Mg−St)2部、界面活性剤D 4部、及び樹脂85部をニーダーに入れ、120〜140℃で混練してマスターバッチを得た。
<評価>
(分散性)
製造したマスターバッチの少量をホットプレート上にのせ、上から圧力をかけて膜厚0.05mmの薄膜を形成した。形成した薄膜を光学顕微鏡で観察し、1cm×1cmの範囲内における粒子(30μm未満、30μm以上)の個数を計測した。そして、以下に示す評価基準にしたがって分散性を評価した。結果を表3−1〜3−3に示す。
A:0個以上10個未満
B:10個以上25個未満
C:25個以上50個未満
D:50個以上
(着色性)
JIS Z 9080に準拠した官能評価分析を行った。具体的には、射出成形機(商品名「70Z」、名機製作所社製)を使用して、製造したマスターバッチを射出成形し、50mm×90mm×20mmのテストピース(n=10)を作製した。そして、作製したテストピース表面の色ムラ発生状況を観察し、以下に示す評価基準にしたがって着色性を評価した。結果を表3−1〜3−3に示す。
◎:発生しなかった。
○:ほとんど発生しなかった。
△:わずかに発生した。
×:全体に発生した。
Figure 0006735252
Figure 0006735252
Figure 0006735252
(その他の実施例及び比較例)
フタロシアニン系の顔料に代えて、キナクリドン系及びアゾイエロー系の顔料をそれぞれ用いたこと以外は、前述の実施例1〜27及び比較例1〜14と同様にしてマスターバッチを得た。得られたマスターバッチについて、上記と同様に分散性及び着色性を評価したところ、フタロシアニン系の顔料を用いた前述の実施例1〜27及び比較例1〜14と同様の結果が得られた。
本発明の樹脂着色用マスターバッチを用いれば、色ムラのないフィルムや繊維などの各種着色成形体を製造することができる。

Claims (10)

  1. 樹脂を含有する樹脂成分と、顔料を含む着色剤及びヨウ素価が90以上の植物油脂を含有する液状着色剤とを、溶融混練する工程を有し、
    前記樹脂成分及び前記液状着色剤の少なくともいずれかが、0.1質量%水溶液の表面張力が50mN/m以下であるとともに、フェルト自然沈降法により測定される沈降時間が300秒以下である界面活性剤をさらに含有し、
    前記樹脂成分及び前記液状着色剤の少なくともいずれかが、金属石鹸をさらに含有する樹脂着色用マスターバッチの製造方法。
  2. 前記液状着色剤が、前記界面活性剤及び前記金属石鹸をさらに含有する請求項1に記載の樹脂着色用マスターバッチの製造方法。
  3. 前記樹脂成分と、前記液状着色剤とを、前記樹脂の軟化点を超える温度で溶融混練する請求項1又は2に記載の樹脂着色用マスターバッチの製造方法。
  4. 前記液状着色剤中、前記着色剤100質量部に対する、前記植物油脂の含有量が、60〜2,000質量部である請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂着色用マスターバッチの製造方法。
  5. 前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂着色用マスターバッチの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法によって製造される樹脂着色用マスターバッチ。
  7. ワックス系分散剤を実質的に含有しない請求項6に記載の樹脂着色用マスターバッチ。
  8. 顔料を含む着色剤、ヨウ素価が90以上の植物油脂、0.1質量%水溶液の表面張力が50mN/m以下であるとともに、フェルト自然沈降法により測定される沈降時間が300秒以下である界面活性剤、及び金属石鹸を含有し、
    前記着色剤100質量部に対する、前記植物油脂の含有量が、60〜2,000質量部である液状着色剤。
  9. ベース樹脂と、請求項6又は7に記載の樹脂着色用マスターバッチと、を含有する着色樹脂組成物。
  10. 請求項9に記載の着色樹脂組成物からなる着色樹脂成形体。
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