JP6735076B2 - パネル部に補強壁面を設けたボトル - Google Patents
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Description
また、補強壁面を含む傾斜壁面が底壁面側に向かうにしたがって漸次上記径方向内側に向かうように傾斜しているので、傾斜壁面のうち補強壁面とこれに隣接する部分との間に例えば谷線などの境界部分が形成されていても、ボトル内の減圧時にパネル部が上記径方向内側に向けて変形することを阻害しない。これにより、パネル部の減圧吸収性能を維持できる。
以上のように、パネル部の減圧吸収性能を維持しつつボトルの落下時にラベルが破れにくいボトルとすることができ、ボトルの取り扱い性を向上させることができる。
この場合では、傾斜壁面の下端部において傾斜壁面の上端部よりも周方向の大きさが小さくなっているので、上述した落下衝撃によって傾斜壁面の下端部が上記径方向外側により膨らみにくくなる。これにより、胴部に巻き付けられているラベルがより破れにくくなる。
ここで、口部11、肩部12、胴部13及び底部14は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置する状態で配設されている。以下、この共通軸をボトル軸Oと称し、図1においてボトル軸Oに沿って底部14から口部11に向かう方向を上方、その逆方向を下方とする。また、ボトル軸O方向から見た平面視でボトル軸Oに直交する方向を径方向、ボトル軸O回りに周回する方向を周方向とする。
肩部12は、口部11の下端に連設されており、内径及び外径が下方に向かうにしたがって漸次拡径する円錐台状をなしている。
内傾斜壁面32は、底壁面31を囲んでおり、底壁面31の上端及び下端に各別に連なる上端部及び下端部に各別に設けられた上補強壁面41及び下補強壁面(補強壁面)42と、底壁面31の両側縁に各別に連なる2つの側壁面43、44と、を有する。
なお、内傾斜壁面32の上端部における周方向の幅は、内傾斜壁面32の下端部における周方向の幅よりも広くなっている。
外傾斜壁面34は、内傾斜壁面32の外周縁における下端及び中傾斜壁面33の外周縁を全周にわたって囲んでおり、底壁面31側に向かうにしたがって漸次径方向内側に向かうように傾斜している。外傾斜壁面34の上端における内周縁と中傾斜壁面33の上端における外周縁とは、平坦接続壁面49によって接続されている。
また、胴部13と肩部12との接続部分には、図1に示すように、径方向内側に向けて窪む第1周溝51が全周にわたって形成されている。
また、ボトル1には、肩部12の下端部から底部14にかけて、ラベル55が巻き付けられている。ラベル55には、上下方向の全長にわたって延在し、破断することによってボトル1からラベル55を剥がすことを容易とする1本のミシン目(図示略)が形成されている。このミシン目は、パネル部21の周方向中央を上下方向に延在している。
さらに、内傾斜壁面32の上端部にも上補強壁面41を設けることによって、ボトル1の内圧変動に伴うパネル部21全体の動きを安定させると共に、パネル部21全体の外観バランスを維持できる。
実施例として、内傾斜壁面32に上補強壁面41及び下補強壁面42が形成されているボトルを採用した。一方、比較例として、内傾斜壁面に補強壁面が形成されていないボトルを採用した。
このような実施例及び比較例にかかるボトルに対して、正立姿勢とした状態で落下させ、落下衝撃によってラベルが破れる落下高さを測定するボトル落下試験を行った。
また、カートンに複数のボトルを連立させた状態で収容し、ボトルを正立姿勢とした状態で落下させるカートン落下試験を行った。カートン落下試験では、3回連続してカートンごと60cmの高さ位置から落下させたときにラベルに破れが発生しているか判定する60cm落下累積試験と、ラベルが破れるまで10cmずつ落下高さを増やしながら累積的に落下させたときにラベルが破れたときの高さを測定する落下試験と、を行った。
さらに、実施例及び比較例にかかるボトルそれぞれに対して、87℃の水を充填したときのパネル部の径方向における変化量を測定した(サンプル数はそれぞれ5つ)。
なお、ボトルの87℃の水の満注容量は、例えば542mlとなっている。
なお、補強壁面を設けても、ボトルの座屈強度や胴部の剛性、耐減圧性などの物性は大きく変化しなかった。
すべてのパネル部の内傾斜壁面に補強壁面を形成しているが、パネル部が複数ある場合には、少なくとも1つのパネル部の内傾斜壁面に補強壁面が形成されていればよい。
補強壁面の形状は、必ずしも二等辺三角形状である必要はなく、上方に向かうにしたがって周方向の幅が短くなる形状であれば、他の三角形状であってもよい。
補強壁面と側壁面との境界部分には、谷線が形成されているが、三角形状の補強壁面を認識できる程度であれば、明確な谷線が形成されている必要はない。
補強壁面は、内傾斜壁面のうち少なくとも下端部に形成されていればよい。
補強壁面は、平面として形成されているが、底壁面に向かうにしたがって上記径方向内側に向かうように傾斜していれば、平面でなくてもよい。
内傾斜壁面の下端部は、内傾斜壁面の上端部よりも周方向の大きさを小さくしているが、内傾斜壁面の上端部と周方向の大きさを同等としてもよく、内傾斜壁面の上端部よりも周方向の大きさを大きくしてもよい。
ラベルは、少なくとも胴部の下端部に巻き付けられていればよい。
Claims (2)
- 口部、肩部、胴部及び底部がボトル軸に沿う上方から下方に向けてこの順に連設され、前記ボトル軸に直交する横断面視で円形状を呈し、前記胴部のうち少なくとも下端部にラベルが巻き付けられるボトルであって、
前記胴部には、前記ボトル軸方向から見た平面視で前記ボトル軸に直交する径方向内側に向けて窪み、前記ボトル軸方向に沿って当該胴部の下端部まで延在するパネル部が形成され、
前記パネル部が、中央に位置し、かつ前記ボトル軸方向に延在する底壁面と、前記底壁面の外周縁に連なり、前記底壁面側に向かうにしたがって漸次前記径方向内側に向かうように傾斜する傾斜壁面と、前記傾斜壁面の外周縁に連なり、前記底壁面に向かうにしたがって漸次径方向外側に向かうように傾斜し、下方に向けて開口するコ字状の中傾斜壁面と、を備え、
前記傾斜壁面のうち前記底壁面の下端に連なる下端部には、前記底壁面側に向かうにしたがって漸次前記ボトル軸回りに沿う周方向の大きさが短くなり、前記径方向外側から見て三角形状を呈する補強壁面が形成され、
前記補強壁面の3つの角部のうちの1つが、前記底壁面の下端に接続されていることを特徴とするボトル。 - 前記傾斜壁面の下端部が、当該傾斜壁面のうち前記底壁面の上端に連なる上端部よりも前記周方向の大きさが小さいことを特徴とする請求項1に記載のボトル。
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