しかしながら、そのような手法は、例えばキッチン機器のワイヤレス電力供給のための改善されたサポートを提供するが、依然としていくつかの未解決の問題、課題、及び難題がある。
例えば、キッチン用のワイヤレス電力供給デバイス及び市場の電力送信機の受け入れは、いわゆる卵が先か鶏が先かという問題に悩まされるが、その理由は、ワイヤレス電力供給の新しい機器は、電力送信機の使用可能性及び設置を必要とし、電力送信機の設置は、機器が使用可能である場合にのみ意味があるからである。それゆえに、ワイヤレス電力伝送をサポートするための機器への要件を減少させることは有利である。実際、ワイヤレス電力に向けて特別には開発されていない従来の機器を使用できるのは非常に魅力的である。例えば、従来の鍋が(加熱要素に配置されることによる従来の加熱に加えて)、さらに、電磁信号からのワイヤレス電力伝送によって電力を供給されるならば非常に望ましい。WO2015062947A1に記載されているような熱障壁は、多くの実用的な用途で助けとなるが、すべてのシナリオにおいて最適であるとは限らない。例えば、いくつかのシナリオでは、熱出力がより多くの機能を与えることは有利である。しかしながら、同時に、例えば価格を低減し信頼性を向上させるために熱障壁の複雑さが低いことが望ましい。
それゆえに、改善されたワイヤレス電力伝送手法は有利であり、特に、汎用性の向上、異なる用途及び使用シナリオのサポートの改善、追加又は強化された機能、容易なユーザ操作、及び/又は性能の改善を可能にする手法は有利である。
それゆえに、本発明は、好ましくは、上記の欠点の1つ又は複数を単独で又は任意の組合せで緩和、軽減、又は除去しようとする。
本発明の一態様によれば、電力伝送モードにあるとき電力伝送電磁信号を供給する電力伝送コイルを含む電力送信機から電磁負荷への電力伝送をサポートするためのデバイスが提供され、デバイスが、第1の表面区域と第2の表面区域とを有し、インダクタ及びキャパシタを含む共振回路であって、インダクタが、第1の表面区域を通して電力送信機に結合し、第2の表面区域を通して電磁負荷に結合するように構成され、共振回路が、電力伝送電磁信号のエネルギーを第1の表面区域から第2の表面区域の方に集中させるように構成される、共振回路と、メッセージを電力送信機と交換するコミュニケータであって、測定電磁信号を生成させるという電力送信機への要求を含む要求メッセージを電力送信機に送信するように構成される、コミュニケータと、測定電磁信号のローディングを示す負荷指標を決定する負荷指標プロセッサと、負荷指標に応じて電磁負荷の存在を検出する検出器とを含む。
本発明は、電力送信機からの電力伝送のために、電磁負荷が存在するかどうかを中間デバイスが検出するための効果的なそして多くの実施形態において非常に実用的な手法を提供する。この手法は、電磁負荷が存在するか否かに依存にしてデバイスが動作を適応させることを可能にする。中間デバイスは、電磁負荷の存在の検出に応じて、ワイヤレス電力伝送システム、特に中間デバイスの動作を適応させるコントローラを含む。多くの実施形態において、中間デバイスは、電磁負荷の存在の検出に応じて電力伝送動作を適応させるように構成される。具体的には、中間デバイスは、電磁負荷の存在の検出に応じて電力伝送を開始するように構成される。
具体的には、この手法は、多くのシステムにおいて、デバイスが、電力送信機から電磁負荷への電力伝送を初期化し、及び/又は制御するのを可能にし、実際、いくつかの実施形態において、電力送信機と対話する機能を有していない電磁負荷への電力伝送を可能にする。いくつかの実施形態では、デバイスは、例えば従来の鍋などの従来の加熱プレートへの電力伝送さえ可能にする。
本発明は、そのような動作を容易にし、可能にし、及び/又はサポートし、一方、複雑さの低いデバイスを可能にする。特に、この手法により、多くの実施形態において、デバイスが、電力送信機によって供給される電力以外の追加の電力を必要としないことが可能になる。例えば、デバイスは、バッテリにプラグ接続すること又はバッテリを含むことを必要としない三脚台又はコースターとして実施される。この手法は、多くの実施形態において、測定電磁信号が、電力送信機によって生成され、したがって、一般に高い信号強度で生成されるので、信頼性の高い検出を可能にする。
本発明は、ワイヤレス電力伝送のさらなる多様な異なる使用シナリオに対して汎用性及びサポートの向上を可能にする。例えば、本発明は、例えばキッチン使用シナリオのためのサポートの改善を提供する。
デバイスは、具体的には、熱障壁であり、電磁負荷の高温から電力送信機を保護する。デバイスは、例えば、ワイヤレス電力伝送によって加熱される電磁負荷が、不十分な熱保護に関連するワイヤレス電力送信機とともに使用されるのを可能にし、一方、同時に効率的な電力伝送を保証する。
共振回路は、第2の表面区域の磁束密度を増加させる(電力中継器、すなわち共振回路が存在しない場合の磁束密度と比較して)ように構成されることによって、電力伝送電磁信号のエネルギー/電力を第1の表面区域から第2の表面区域の方に集中させるように構成された電力中継器として動作する。共振回路は、デバイスが、例えば、電力送信機と電磁負荷との間に挿入されるのを可能にし、一方、依然として強い磁場が電磁負荷に供給されるのを可能にする。例えば、従来の熱障壁を使用すると、ほとんどのシナリオにおいて、電力送信機の送信コイルと電磁負荷の間の距離の増加と結合の低下のために、電力伝送性能が大幅に劣化することになる。しかしながら、デバイスは、例えば、送信コイルと電磁負荷との間の距離の増加を可能にすることによって効率的な熱保護を行い、一方、依然として、送信コイルと電磁負荷との間の効率的で効果的な結合を保証する。特に、共振回路は、増加した磁束が電磁負荷を通過する、すなわち、磁束密度が増加するように磁場を集中させる。共振回路は、第2の電磁信号からの磁力線を第2の表面区域の方に誘導する、バイアスをかける、又は移動させることによってエネルギーを第2の表面区域の方に集中させる。共振回路は、磁気レンズとして効果的に機能する。具体的には、共振回路は、第2の表面区域/電磁負荷を通る磁束を増加させるように電力送信機からの磁場を変形させる。それにより、共振回路は、第2の表面区域の磁束密度を増加させる。
第1の表面区域と第2の表面区域とは、デバイスの反対の(場合によっては実質的に平行な)表面上にある。
第1の表面区域は、具体的には、電力送信機を受け取るように構成されることによって電力送信機に結合するように構成される。第1の表面区域は、電力送信機の表面に接触する、付着する、接続する、若しくは載るように構成されるか、又は電力送信機が配置されるか若しくは電力送信機に配置される表面区域を提供する。
第2の表面区域は、具体的には、電磁負荷を受け取るように構成されることによって電磁負荷に結合するように構成される。第2の表面区域は、電磁負荷の表面に接触する、付着する、接続する、若しくは載るように構成されるか、又は電磁負荷が配置される表面区域若しくは電力送信機が配置される表面区域を提供する。
電磁負荷は、電力伝送電磁信号から電力を抽出するエンティティである。電磁負荷は、具体的には、潜在的に(少なくとも部分的に)電力送信機と対話する機能がない電力受信機である。電磁負荷は、電力伝送電磁信号のローディングを行う。このようにして、電力は、電力伝送電磁信号によって、電気エネルギーへの中間変換なしに電力送信機から電磁負荷に直接伝送される。電磁負荷は、電力伝送信号によって生成される磁場に負荷をかける。こうして、電力伝送磁場/信号は、電流を電磁負荷に誘導させ、それにより、電力が電磁負荷によって磁場から抽出されることになる。
電磁負荷は、いくつかの実施形態では、導電性要素、具体的には導電性加熱要素を含むか又はそれに存する。具体的には、電力は、電力伝送電磁信号が電磁負荷の導電性要素に渦電流を引き起こすことによって受け取られる。電磁負荷は、多くの実施形態において、例えば、鍋、やかん、ポット、又は同様のキッチン加熱機器の加熱プレートである。
デバイスは、電磁負荷の存在の検出に応じて動作を適応させるように構成される。特に、デバイスは、電磁負荷の存在の検出に応じて電力伝送動作を初期化するように構成されたイニシエータを含む。初期化は、例えば、電力送信機からの電力伝送動作を初期化するために電力送信機に1つ又は複数のメッセージを送信することを含む。デバイスは、電磁負荷の存在の検出に応じて電力送信機に1つ又は複数のメッセージを送信するように構成される。電力送信機とのメッセージ交換は、電磁負荷の存在の検出に依存する。
測定電磁信号のローディングは、抽出された電力である。負荷指標は、測定電磁信号から抽出される電力を示す。負荷指標は、ローディングの直接的な測定値として決定されるか、又は、間接的に、電磁信号のローディングに依存する尺度として決定される。例えば、負荷指標は、デバイスの共振回路又は電力送信機の共振回路のインピーダンスを反映する。
インダクタは、デバイスが使用中であり電磁負荷が存在する場合、第1の表面区域を通って電力送信機に及び第2の表面区域を通って電磁負荷に結合するように構成される。
本発明のオプションの特徴によれば、デバイスは、電力伝送制御メッセージを電力送信機と交換することによって電力送信機の電力伝送動作を制御するように構成された電力伝送コントローラをさらに含み、電力伝送制御メッセージの交換の特性は電磁負荷の存在の検出に依存する。
デバイスは、具体的には、電磁負荷への電力伝送を制御する電力制御機能を制御する。これは、多くの実施形態において、従来のキッチン加熱機器などの従来のデバイスがそのような伝送のための制御機能を有していないか又は十分な機能を有していないにもかかわらず、そのデバイスがワイヤレス電力送信機とともに使用されるのを可能にする。実際には、必要な制御機能が中間デバイスに含まれることによって、制御機能のない電磁負荷を使用することができる。例えば、電力送信機と相互動作して電力伝送を行うために電力受信機が必要とするすべての制御機能を三脚台が含む状態で、従来の鍋を使用することができる。
しかしながら、そのようなシナリオのための制御機能及びメッセージ交換の大部分は、対応する仕様(例えば、Qi仕様)に従う一般的な電力受信機の仕様及び原理に従うが、その構成は、デバイスが、電磁負荷がないモードと電磁負荷があるモードの両方で動作する必要があることによって複雑さが増す。それゆえに、現在の手法は、電磁負荷が存在するかどうかの信頼性の高い検出を可能にし(一方、低い複雑さを可能にし、他の電力供給を必ずしも必要とせず)、それによって、これに応じてデバイスが電力制御動作を適応させることができる。特に、それにより、デバイスは、異なる動作モードの間を切り換えることができる。具体的には、デバイスは、電磁負荷の存在が検出されているか否かに応じてアクティブ電力伝送モードと非電力伝送モードとの間を切り換える。次いで、その結果、それぞれ非アクティブモード及びアクティブ電力伝送モードに関連するメッセージ交換(又はメッセージ交換なし)が、適応される。
電力伝送コントローラは、電磁負荷の存在が検出されているか否かに応じてメッセージ交換を変更するか又は適応させるように構成される。
いくつかの実施形態では、電磁負荷は、電力送信機と通信するための機能を含まない取外し可能なデバイスの一部である。いくつかの実施形態では、電磁負荷は、ワイヤレス電力送信機からの電力伝送を制御する能力がない。したがって、いくつかの実施形態では、電力送信機から電磁負荷への電力伝送は、デバイス(及び電力送信機)によって完全に制御される。
本発明のオプションの特徴によれば、デバイスは、電力制御メッセージを電力送信機に送信することによって電力伝送電磁信号の電力レベルを制御するように構成された電力伝送コントローラをさらに含む。
デバイスは、多くの実施形態では、電磁負荷に供給される電力の電力レベルを制御することができる。具体的には、電力伝送コントローラは、電力伝送フェーズ中に電力制御メッセージを電力送信機に送信することによって電力伝送電磁信号の電力レベルを制御するように構成される。
本発明のオプションの特徴によれば、デバイスは、第2の表面の温度指標を決定するための温度センサをさらに含み、電力伝送コントローラは、温度指標に応じて電力制御メッセージを生成するように構成される。
デバイスは、例えば加熱要素へのワイヤレス電力伝送を可能にするか又は容易にし、一方、この電力伝送を、所望の加熱効果を与えるように制御することができる。例えば、この手法により、従来の鍋は、ワイヤレス電力送信機から供給された電力によって所望の温度まで熱くなることができる。
例えば、加熱プレートは、電力伝送信号によって電力を供給され、温度は、電力受信機から電力送信機への電力制御ループによって制御される。
温度インジケータは、測定された温度を示す値であり、その結果、値の増加は温度の上昇を示す。温度センサは、温度指標が、電磁負荷の要素の温度を示す、具体的には、電力伝送電磁信号によって加熱された加熱要素の温度を示すように配置される。温度センサは、例えば、使用時に電磁負荷の要素が接触する表面である第2の表面の近くに配置される。
本発明のオプションの特徴によれば、デバイスは、電磁信号の存在の検出に応じて、電力伝送制御メッセージを電力送信機と交換することによって電力伝送フェーズを初期化するように構成された電力伝送コントローラをさらに含む。
これは、効率的な動作を提供し、その上、デバイスの複雑さを低くすることができる。この手法は、特に、多くのシナリオにおいて、デバイスが、電力送信機以外の他の手段から供給される電力を必要としないようにすることができる、すなわち、この手法は、デバイスが、電気的に電力を供給されるか又はバッテリを含む必要性を除くことができる。デバイスは、少なくとも電力伝送コントローラに電力を供給するために電磁信号から電力を抽出するように構成される。
電力伝送コントローラは、例えば、電力伝送要求メッセージ、又は電力送信機からの問合せへの応答メッセージなどの1つ又は複数の電力伝送初期化メッセージを電力送信機に送信する、例えば電力伝送パラメータ情報を電力送信機に供給することによって、電力伝送動作を初期化する。
電磁信号は、具体的には、電力伝送電磁信号、又は電力送信機による通信のために供給される通信電磁信号(例えば、デバイスによる負荷変調のための通信キャリア)である。
本発明のオプションの特徴によれば、デバイスは、電磁負荷が存在することを負荷指標が示していないと検出器が決定したことに応じて、電力伝送終了メッセージを電力送信機に送信すること及び電力送信機のための電力伝送制御メッセージを抑制することの少なくとも一方によって、電力伝送動作を終了するように構成された電力伝送コントローラをさらに含む。
これは、効果的な動作を提供し、特に、電磁負荷が存在しないときに強い磁場が生成されるリスクを低減し、したがって、それは、例えば、外部物体の意図していない加熱のリスクを低減する。
いくつかの実施形態では、デバイスは、測定電磁信号の特性の測定値に応じて負荷指標を生成するための測定ユニットをさらに含み、検出器は、負荷指標と基準値の比較に応じて電磁負荷が存在するか否かを決定するように構成される。
これは、多くの実施形態において効率的な動作を提供し、具体的には、電力送信機への変更の要求を減少させ、それによって、後方互換性の強化を行う。多くの実施形態において、この手法は、負荷指標のより速い決定、したがって、電磁負荷の存在のより速い検出を可能にする。
いくつかの実施形態では、デバイスは、実質的に、自律的に及び独立に、測定電磁信号のローディングを反映する特性の測定値に基づいて電磁負荷が存在するかどうかを検出する。
基準値は、測定電磁信号の以前の供給から決定された値であってもよい。測定電磁信号は、以前の測定電磁信号と実質的に同じ特性を有するように電力送信機によって生成される。いくつかの実施形態では、基準値は所定の値であってもよい。例えば、電力送信機は、同じ所定の特性を有する測定電磁信号を常に生成するように構成される。
いくつかの実施形態では、負荷プロセッサは、電力中継器の動作の特性に応じて負荷指標を生成するように構成される。
本発明のオプションの特徴によれば、デバイスは、デバイスを少なくとも部分的にパワーアップするために、電力送信機によって生成された電磁信号から電力を抽出するように構成された電力抽出器をさらに含み、コミュニケータは、パワーアップすることの一部として電力送信機に要求メッセージを送信するように構成される。
これは、効率的な動作を提供し、その上、デバイスの複雑さを低くすることができる。この手法は、特に、多くのシナリオにおいて、デバイスが、電力送信機以外の他の手段から供給される電力を必要としないようにすることができる、すなわち、この手法は、デバイスが電気的に電力を供給されるか又はバッテリを含む必要性を除く。
いくつかの実施形態では、デバイスは、ユーザ入力を受信するユーザインタフェースと、電磁負荷の存在を検出するための基準、及び電磁負荷が存在するかどうかを示すユーザ入力を受信したことに応じた負荷指標の決定の少なくとも一方の較正を初期化するように構成された較正器とをさらに含む。
これは、多くの実施形態において、動作を容易にし、及び/又は改善する。特に、それは、多くの用途において、より信頼性の高い及び/又は正確な検出を提供する。
本発明のオプションの特徴によれば、コミュニケータは、電力送信機によって決定された測定電磁信号のローディングを示す負荷データを含む電力送信機からの負荷メッセージを受信するように構成され、負荷指標プロセッサは、負荷データに応じて負荷指標を決定するように構成される。
これは、多くの実施形態において、動作及び/又は実施を容易にする。特に、それは、多くの実施形態において、デバイスの複雑さを低減させる。
本発明のオプションの特徴によれば、検出器は、負荷指標と以前の負荷指標の比較に応じて電磁負荷が存在するかどうかを検出するように構成される。
これは、多くの実施形態において、動作を容易にし、及び/又は改善する。特に、それは、多くの用途において、より信頼性の高い及び/又は正確な検出を提供する。
本発明の一態様によれば、中間デバイスを介して電磁負荷にワイヤレス電力を供給する電力送信機が提供され、電力送信機は、容量性インピーダンスと誘導性インピーダンスとを含む共振回路であって、誘導性インピーダンスが、電力を電磁負荷にワイヤレスで伝送するための電力伝送電磁信号を生成する送信機コイルを含む、共振回路と、共振回路のための駆動信号を生成するドライバと、メッセージを中間デバイスと通信するメッセージコミュニケータと、測定電磁信号を生成させるという電力送信機への要求を含む中間デバイスから受信した要求メッセージを検出するメッセージプロセッサと、要求メッセージの検出に応じて測定電磁信号を生成するための電磁信号発生器とを含む。
電力送信機は、前述のように電力伝送動作又は実施を改善し、及び/又は容易にするのを可能にする。
いくつかの実施形態では、電磁信号発生器は、電力伝送電磁信号を生成するための共振回路を駆動することによって測定電磁信号を生成するように構成される。
これは、多くの実施形態において、性能を改善し、及び/又は実施を容易にする。例えば、それは、測定電磁信号の供給を実施するために必要な回路を削減する。それは、多くの実施形態において、複数の目的のために回路(例えば、送信機コイル)の再使用を拡大することができる。
本発明のオプションの特徴によれば、電力送信機は測定コイルをさらに含み、電磁信号発生器は、測定コイルを使用して電力伝送電磁信号の周波数帯と異なる周波数帯において測定電磁信号を生成するように構成される。
これは、多くの実施形態において、性能を改善し、及び/又は実施を容易にする。いくつかの実施形態において、それは、より正確な検出を可能にする。
いくつかの実施形態では、電力送信機は、電力伝送電磁信号の周波数帯と異なる第1の周波数帯を使用して中間デバイスと通信するための通信コイルを含み、電磁信号発生器は、通信コイルを使用して第1の周波数帯の測定電磁信号を生成するように構成される。
本発明のオプションの特徴によれば、電磁信号発生器は、以前に生成された測定電磁信号に対応する特性を有する測定電磁信号を生成するように構成される。
これは、多くの実施形態において、検出を容易にし、及び/又は改善する。
いくつかの実施形態では、ワイヤレス電力伝送システムは、前述のようなデバイスと電力送信機とを含む。
本発明の一態様によれば、電力伝送モードにあるとき電力伝送電磁信号を供給する電力伝送コイルを含む電力送信機から電磁負荷への電力伝送をデバイスがサポートするための方法が提供され、デバイスが、第1の表面区域と第2の表面区域とを有し、インダクタとキャパシタとを含む共振回路であって、インダクタが、第1の表面区域を通して電力送信機に結合し、第2の表面区域を通して電磁負荷に結合し、共振回路が、電力伝送電磁信号のエネルギーを第1の表面区域から第2の表面区域の方に集中させるように構成される、共振回路を含み、この方法は、測定電磁信号を生成させるという電力送信機への要求を含む要求メッセージを電力送信機に送信することを含む、メッセージを電力送信機と交換するステップと、測定電磁信号のローディングを示す負荷指標を決定するステップと、負荷指標に応じて電磁負荷の存在を検出するステップとを有する。
本発明の一態様によれば、中間デバイスを介して電磁負荷にワイヤレス電力を供給する電力送信機を動作させる方法が提供され、電力送信機が、容量性インピーダンスと誘導性インピーダンスとを含む共振回路を含み、誘導性インピーダンスが、電力を電磁負荷にワイヤレスで伝送するための電力伝送電磁信号を生成する送信機コイルを含み、この方法は、共振回路のための駆動信号を生成するステップと、メッセージを中間デバイスと通信するステップと、測定電磁信号を生成させるという電力送信機への要求を含む中間デバイスから受信した要求メッセージを検出するステップと、要求メッセージの検出に応じて測定電磁信号を生成するステップとを有する。
本発明のいくつかの実施形態によれば、中間デバイスを介した電力送信機から電磁負荷への電力伝送をサポートするためのワイヤレス電力伝送システムが提供され、電力送信機は、容量性インピーダンスと誘導性インピーダンスとを含む共振回路であって、誘導性インピーダンスが、電力を電磁負荷にワイヤレスで伝送するための電力伝送電磁信号を生成する送信機コイルを含む、共振回路と、共振回路のための駆動信号を生成するドライバと、メッセージを中間デバイスと通信するメッセージコミュニケータと、測定電磁信号を生成させるという電力送信機への要求を含む中間デバイスから受信した要求メッセージを検出するメッセージプロセッサと、要求メッセージの検出に応じて測定電磁信号を生成する電磁信号発生器とを含み、中間デバイスが、第1の表面区域と第2の表面区域とを有し、インダクタとキャパシタとを含む共振回路であって、インダクタが、第1の表面区域を通して電力送信機に結合し、第2の表面区域を通して電磁負荷に結合するように構成され、共振回路が、電力伝送電磁信号のエネルギーを第1の表面区域から第2の表面区域の方に集中させるように構成される、共振回路と、メッセージを電力送信機と交換するコミュニケータであって、測定電磁信号を生成させるという電力送信機への要求を含む要求メッセージを電力送信機に送信するように構成される、コミュニケータと、測定電磁信号のローディングを示す負荷指標を決定する負荷指標プロセッサと、負荷指標に応じて電磁負荷の存在を検出する検出器とを含む。
本発明のこれら及び他の態様、特徴、及び利点は、以下で説明する実施形態から明らかになり、以下で説明する実施形態を参照して解明される。
図面を参照して本発明の実施形態を単なる例として説明する。
以下の説明は、キッチン用途に、特に、鍋などのキッチン機器の加熱要素へのワイヤレス電力伝送に適用可能な本発明の実施形態に焦点を当てる。しかしながら、本発明は、この用途に限定されるのではなく、多くの他の用途及びワイヤレス電力伝送システムに適用されることが理解されよう。説明は、さらに、Qiワイヤレス電力伝送システムの多くの態様に適合する実施形態に焦点を当てるが、これは、単に一例であり、説明する原理及び手法はそのような用途に限定されないことが理解されよう。
図2は、電力伝送システムの一例を示す。電力伝送システムは、送信機コイル/インダクタ203を含む(又はそれに結合される)電力送信機201を含む。システムは、受信機コイル/インダクタ207を含む(又はそれに結合される)電力受信機205をさらに含む。
システムは、電力送信機201から電力受信機205へのワイヤレス誘導電力伝送を行う。具体的には、電力送信機201は、送信機コイル203によって磁束として伝播される電力伝送電磁信号(簡単のために、電力信号又は電力伝送信号とも呼ばれる)を生成する。電力信号は、一般に、約20kHzから200kHzの間の周波数を有する。送信機コイル203と受信機コイル207とは疎結合され、それにより、受信機コイル207は電力送信機201からの電力伝送信号(の少なくとも一部)をピックアップする。したがって、電力は、送信機コイル203から受信機コイル207へのワイヤレス誘導結合を介して、電力送信機201から電力受信機205に伝送される。電力信号/電力伝送信号又は電力伝送電磁信号という用語は、送信機コイル203と電力受信エンティティとの間の磁気又は誘導信号(磁束信号)を参照するために使用されるが、同義的に、さらに、送信機コイル203に供給される電気信号への参照として考えられ使用されることが理解されよう。
以下において、電力送信機201及び電力受信機205の動作を、特定のQi仕様を参照して説明する。特に、電力送信機201及び電力受信機205は、Qi仕様バージョン1.0又は1.1に実質的に準拠する(本明細書で説明する(又は結果として生じる)変更及び拡張を除いて)。
電力伝送を制御するために、システムは、様々なフェーズ、特に、選択フェーズ、ピングフェーズ、識別及び構成フェーズ、並びに電力伝送フェーズを介して進行する。より多くの情報が、Qiワイヤレス電力仕様のパート1の5章に見いだされる。
最初に、電力送信機201は、電力受信機の存在の可能性を単にモニタする選択フェーズにある。電力送信機201は、この目的のため、例えばQiワイヤレス電力仕様に記載されているような様々な方法を使用する。そのような存在の可能性が検出された場合、電力送信機201は、電力信号を一時的に生成するピングフェーズに入る。電力受信機205は、その電子機器をパワーアップするために受信信号を適用する。電力信号を受信した後、電力受信機205は、初期パケットを電力送信機201に伝達する。具体的には、電力送信機と電力受信機との間の結合度を示す信号強度パケットが送信される。より多くの情報が、Qiワイヤレス電力仕様のパート1の6.3.1章に見いだされる。それにより、ピングフェーズにおいて、電力受信機205が電力送信機201の界面に存在するかどうかが決定される。
信号強度メッセージを受信すると、電力送信機201は識別及び構成フェーズに移る。このフェーズでは、電力受信機205は、出力負荷を切り離したままにし、負荷変調を使用して電力送信機201に伝達する。電力送信機201は、この目的のために一定の振幅、周波数、及び位相の電力信号(負荷変調によって引き起こされる変化を除いて)を供給する。メッセージは、電力受信機205によって要求されたように電力送信機201自体を構成するために電力送信機201によって使用される。電力受信機205からのメッセージは連続的に伝達されるのではなく、間隔をおいて伝達される。
識別及び構成フェーズに続いて、システムは、実際の電力伝送が行われる電力伝送フェーズに移る。具体的には、電力受信機205は、電力要求を伝達した後、出力負荷を接続し、それに受信電力を供給する。電力受信機205は、出力負荷をモニタし、特定の動作点の実際の値と所望の値との間の制御誤差を測定する。電力受信機205は、そのような制御誤差を電力送信機201に、例えば250msごとの最小速度で伝達して、これらの誤差並びに電力信号の変更の要望又は変更なしの要望を電力送信機201に示す。したがって、電力伝送フェーズでは、電力受信機205は、さらに、情報を電力送信機201に伝達するために負荷変調区間で電力信号の負荷変調を実行する。他の通信手法が代替として又は追加として使用されてもよいことが理解されよう。
図3は、具体的には加熱要素(例えば鍋)などの電磁負荷への電力伝送を行うための電力供給経路の一例を示す。電力設備は、図2を参照して説明したような電力送信機201を含む。電力送信機201は、入力交流電圧(例えば、電源(mains))を整流するAC/DCコンバータの形態の電源301を含む。整流された電源信号は、送信機コイルを含む共振タンク305(同調L−C回路)に供給される高周波駆動信号を生成するインバータ303の形態のDC/ACコンバータに供給される。システムは、加熱鍋の形態の電磁負荷を含む。電磁負荷は、受信機コイル307及び負荷R_Sole309(電磁負荷のローディング、具体的には加熱要素の渦電流損失を表す)によって表される。
図4は、図3の電力経路の電圧波形を示す。電源電圧Umainsは、AC/DCコンバータ303によって電圧Udc_absに整流される。整流された電源電圧をバッファするために使用される大容量キャパシタは、これらの種類の用途では通常適用されないが、その理由は、それがこの用途の全電源高調波歪みを増やすからである。結果として、変動するDC電圧が、AC/DCコンバータ303によって生成される。
整流された電圧Udc_absの特性のために、インバータ303の出力電圧Uac_HFは、図4に示すように成形される。インバータの通常動作周波数は約20kHzから100kHzである。
送信機コイルは、受信機コイル307及び抵抗R_Sole309とともに、本質的に、インバータ303の負荷である。しかしながら、この負荷の特性(誘導性と抵抗性の両方)のために、共振回路が、一般に、負荷の誘導性部分をキャンセルするためにインバータ303とこの負荷との間で使用される。さらに、共振ネットワークは、一般に、インバータ303のスイッチング損失の減少をもたらす。
したがって、この例では、電力送信機201は、電力を外部負荷に供給するために電力を従来の電力受信機に伝送するのではなく、代わりに、電力伝送システムによって生成された電磁場から直接エネルギーを引き出す電磁負荷に電力を供給する。電磁負荷は、具体的には、電磁信号が渦電流を生成し、次いで、熱を生成する導電性要素を含むか又は導電性要素に存する。
さらに、多くの実施形態では、電磁負荷デバイス又はエンティティは、電力送信機と通信するための機能、したがって、電力伝送動作を制御するための機能を含まない。実際、電磁負荷は、単に、関連する電子機器又は機能を有していない加熱プレートなどの導電性要素である。
それゆえに、同じ電力送信機201が異なるシナリオで使用される。具体的には、電力送信機201は、図2の例の従来の電力受信機205で使用されるか、又は電力送信機201と連結するための機能が限定されているか若しくは場合によっては機能がない簡単な電磁負荷で使用される。
例示的なシナリオでは、電力送信機201は、ブレンダ、フードプロセッサ、やかん、ポット、鍋などを含む様々なキッチン機器にワイヤレス電力を供給するためにキッチン環境で使用される。この例では、電力送信機201は、複数の機器に電力を同時に供給する一群の電力送信機の一部であってもよい。電力送信機のあるものは、耐熱材料(セラミック材料など)から製作された調理ゾーンに設けられる。電力送信機の他のものは、熱耐性のない材料から製作された準備ゾーン(例えば木製のキッチン調理台など)に設けられる。したがって、ユーザは、利用可能ないくつかの電源位置を有する状況にあり、ある電源位置は熱くなる機器に適しており、一方、他の電源位置はこれらの位置には不適切である。しかしながら、これらの位置が、熱くなる加熱機器に電力を供給するためにも使用されるならば、ユーザにとって時には有用である。
具体的には、電力送信機201は、熱耐性のない調理台の直下に配置される(又は熱耐性のない調理台の一部である)ことがあるが、その結果、調理台は、やかん、ポット、及び鍋などの加熱機器の加熱には不適切になる。しかしながら、そのような加熱機器、具体的には、導電性熱要素に渦電流を誘導することによって熱を供給する加熱機器に電力を供給するためにこの電力送信機を使用することが望ましい。しかしながら、電力効率を最大にするために、そのような加熱要素は、多くの場合、電力送信機にぴったりと接触する機器の部分に配置される。具体的には、調理台表面の電力送信機の場合、機器は、加熱要素が底部にあるように設計される。それゆえに、使用時に、加熱要素も調理台表面に接触することになる(図1に示したように)。これは、一般に熱耐性にされていない調理台に損傷をもたらす。
この問題に対処するために、熱障壁を形成する中間デバイス501が、図5に示すように、調理台503と加熱プレート/電磁負荷505との間に導入される。中間デバイス501は、好適な耐熱材料から、例えば好適なセラミック材料などから製作される。中間デバイス501は、例えば、ユーザが調理台に置くことができるコースター又は三脚台として実装され、次いで、機器(例えば、ポット又は鍋)がユーザによってコースター/三脚台上に配置される。
しかしながら、これにより、加熱デバイスに電力を供給するのに、保護されていない電源位置(電力送信機)が使用できるようになるが、一般に、電力送信機201と電磁負荷201との間の距離Zも大幅に増加する。それにより、電力送信機コイルと加熱プレートとの間の距離が大幅に増加し、そのため、これらの間の結合が大幅に減少することになる。
これにより、電磁負荷505が同じ量の磁束場を捕捉するのを実現するには、電力送信機コイル305により高い電流が必要であることになる。電流が高いほど、インバータ303及び送信機コイル305の損失が多くなる。さらに、より高い電流と、電力送信機201と電磁負荷505との間の増加した距離とは、より多くの漏れ磁束をもたらす。これは、電磁干渉(EMI)及び電磁力(EMF)に関する問題につながる。例えば、国際電気標準会議(IEC)は、ワイヤレス電力伝送システムで考慮されなければならない放射及び伝導電磁干渉の国際規格を設定しており、これらの要件は、電力受信機と電力送信機との間の距離が増加すると満たすことがますます困難になる。
そのような問題に対処するために、本発明のいくつかの実施形態による中間デバイス501は、インダクタとキャパシタとを含む共振回路を含む。共振回路は、磁場を電磁負荷の方に導く電力中継器として効果的に機能する。共振回路は、多くの場合、単一のインダクタと単一のキャパシタとによって形成される。しかしながら、実施形態によっては、共振回路は複数のインダクタ及び/又はキャパシタを含むことが理解されよう。一般に、そのような回路は、単一のキャパシタ及びインダクタを含む共振回路と等価である。共振回路は、例えば抵抗器又は時にはスイッチ要素などの他の構成要素を含むことも理解されよう。
一般に、回路は、図6に示すもの(概略的に及びインダクタの断面図により、両方で示している)などの簡単な(等価)並列共振回路を形成する。
これらの問題は熱障壁を形成する中間デバイス501に特有ではなく、中間デバイス501が熱障壁を備えない場合にも該当することが理解されよう。例えば、中間デバイス501は、調理台503と同じ材料(具体的には木材)から製作され、低温加熱用途で(又は非加熱用途で)しか使用されないことがある。実際は、いくつかの実施形態では、加熱要素によって損傷される中間デバイス501を使用することが許容されることさえある。例えば、中間デバイス501は調理台503と同じ材料から製作されるが、これが、調理台503とは対照的に、低コストで容易に取替え可能であるとき、例えば、過度の加熱に起因して傷跡をつけられることが許容されることがある。したがって、中間デバイス501の熱障壁の存在又は機能は、多くの実施形態において有利であるが、決して必須ではなく、多くの実際的な実施形態では避けることができる。
図5は、この場合、インダクタLrep(断面で示している)とキャパシタCrepとによって形成された共振回路を含む電力中継器507を含む中間デバイス501を示す。
中間デバイス501は、システムが使用中であるとき電力送信機201に近接して調理台503に接触する第1の表面区域509を有する。したがって、中間デバイス501、具体的には電力中継器/共振回路507は、第1の表面区域509を通して電力送信機201に結合する。それゆえに、電力送信機201は、電力中継器507が第1の表面区域509を介して主として結合する第1の電磁信号/電磁場/磁束を生成する。
さらに、中間デバイス501は、使用時に、電磁負荷505に接触するように意図された第2の表面区域511を含む。具体的には、加熱デバイスの加熱要素が、第2の表面区域511に配置される。
ワイヤレス電力は、第2の表面区域511を通して主に供給される第2の磁気信号/磁場/磁束を通して電磁負荷505に供給される。したがって、電磁負荷505から中間デバイス501/電力中継器507への結合は、主として第2の表面区域511を介して行われる。
第2の表面区域511は、具体的には、電磁負荷を受け取るように構成されることによって電磁負荷505に結合するように構成される。第2の表面区域511は、電磁負荷505の表面に接触する、付着する、接続する、若しくは載るように構成されるか、又は電磁負荷505が配置される表面区域を提供する。
第1の表面区域509は、具体的には、電力送信機201を受け取るように構成されることによって電力送信機201に結合するように構成される。第1の表面区域509は、電力送信機201の表面に接触する、付着する、接続する、若しくは載るように構成されるか、又は電力送信機201が配置される表面区域を提供する。
中間デバイス501において、共振回路はインダクタとキャパシタとを含み、インダクタは、第1の表面区域509を通して電力送信機201に、及び第2の表面区域511を通して電磁負荷505に結合するように構成される。共振回路には、電力伝送電磁信号のエネルギーを第1の表面区域509から第2の表面区域511の方に集中させる効果がある。具体的には、共振回路には、第2の表面区域を通る電磁束密度を集中させる/増加させる効果がある(共振回路がない状況と比較して)。
特定の例では、電力中継器/共振回路、具体的にはインダクタLrepに達する磁束の大部分は、第1の表面区域509を介して達する。この磁束は第1の磁気信号に対応すると考えられる。同様に、電力中継器/共振回路から、具体的にはインダクタLから電磁負荷505に達する磁束の大部分は、第2の表面区域511を介して達する。この磁束は第2の磁気信号に対応すると考えられる。
熱障壁の深さが一般に重要であり、実際には、多くの実施形態において、第2の表面区域511と第1の表面区域509との間の距離は、少なくとも1cm、2cm、3cm、又はさらに5cmである。そのようなかなり大きい深さは、極めて有効な熱絶縁及び保護を与える。実際、それにより、一般に、非常に熱い加熱要素を、熱に敏感な調理台から熱的に切り離すことが可能になる。しかしながら、それに伴う欠点は、電力送信機201と電磁負荷505との間の直接結合が大幅に減少し、それにより、電力損失の増加などが引き起こされることである。記載の手法において、これらの欠点は、熱障壁が電力中継器507を含むことによって緩和される。
具体的には、電力中継器507は、第2の電磁信号のエネルギーを第2の表面区域511の方に集中させるように構成される。具体的には、電力中継器507は、第2の電磁信号を供給するために第1の電磁信号からの磁束を集中させる磁気レンズとして効果的に働く。電力中継器507は、共振回路が第1の電磁信号から誘導された電流により振動することによって磁場の集中を達成する。効果的に、共振回路は電力送信機201と電磁負荷505とに結合し、それによって、電力送信機201からの磁束が、電磁負荷505に供給されるとき、集中することになる。この手法は、電力送信機コイルと電磁負荷505との間に全結合が、電力送信機コイルと電磁負荷505との間の総距離によってではなく、電力送信機コイルと電力中継器507との間の距離及び電力中継器507と電磁負荷505との間の距離によって決定されることを可能にする。
共振回路は、電力送信機によって生成された電力信号の周波数で又はその近くで共振することによって送信機コイルと電磁負荷(加熱要素)との間の距離を効果的に橋絡する。共振回路の共振周波数frepeaterは、以下の式を使用して、インダクタLrep及びキャパシタCrepによって決定される。
共振回路のインダクタンス値Lrepは、電磁負荷又は電力送信機201が近くにない状態で、空気中で測定される。Lrep及びCrepの典型的な値は、それぞれ、200μH及び200nFであり、それは、25kHzの共振周波数frepeaterをもたらす。しかしながら、特定の値は個々の実施形態及び特定の共振周波数に依存することが理解されよう。
共振回路の共振周波数が電力信号の周波数に適切に調整されると、共振電流Irepが共振回路に誘導される。この状態の下では、ループ区域の内部の磁力線は、電力送信機201によって生成された磁力線と正確に同相である。結果として、第1の表面の磁力線は第2の表面の方に導かれる、すなわち、電力送信機201からの磁力線は電磁負荷505の方に導かれる。
典型的な動作では、電力中継器の共振回路の共振周波数は、例えば、負荷の存在、熱変動などに起因してシフトする。いくつかの実施形態では、システム、特に電力送信機は、そのような変化に動的に適応するように構成される。例えば、動作/駆動周波数は、シフトされた共振周波数と一致するように適応される(例えば、電力送信機の共振回路の実効インピーダンスの測定値の極値を見いだすことに基づいて)。
図7は、電力中継器/共振回路507の実施態様の3次元概観の画像を示す。インダクタの典型的な直径は10cm〜25cmの範囲にある。
したがって、記載の手法は、例えば、電力伝送への影響を低減し緩和しながら電力送信機201と電磁負荷505との間の熱絶縁及び保護を行うために熱障壁を使用するための手段を提供する。具体的には、熱障壁を作り出すのに必要とされる電力送信機201と電磁負荷505との間の増加した距離は、熱障壁の体積内の電力中継器によって橋絡される。
この例では、第2の表面区域511と第1の表面区域509とは、中間デバイス501の反対側の表面にある、すなわち、それらは互いに反対側にある。しかしながら、これは多くのシナリオでは実際的な実施態様であるが、表面間の幾何学的相互関係は他の実施形態では異なってもよいことが理解されよう。
同様に、第1の表面区域509は、この例では、中間デバイス501が電力送信機201/調理台に接触する、具体的には載ることができるように構成される。同様に、第2の表面区域511は、具体的には加熱機器である電磁負荷505を受け取るように構成される。第2の表面区域511は、具体的には、電力が供給されるとき電磁負荷505が載っているように構成される。さらに、この例では、第2の表面区域511及び第1の表面区域509は両方とも使用時に実質的に水平である。しかしながら、他の実施形態では、表面が、他の特徴を有し、他のやり方で電力送信機201及び電磁負荷505に結合してもよいことが理解されよう。
このシステムにおいて、中間デバイス501は、電力送信機201及び電磁負荷505とは別のエンティティである。これは、例えば、中間デバイス501が、これらが加熱機器で使用されるときのキッチン準備ゾーンの電力供給位置に置かれる三脚台の形態の熱障壁として実施されることを可能にする。
中間デバイス501は、このように、熱絶縁を行い、加えて、電力送信機201と電磁負荷505との間の距離を、電力信号を調理器具に橋絡する共振コイル(電力中継器)で橋絡する。しかしながら、中間デバイスの(オプションの)熱保護(熱保護を行うことは必須の機能ではない)と、電力中継器によって達成される電力伝送効率の改善とに加えて、中間デバイス501は、電力伝送の動作及び制御を支援する機能をさらに備える。
図8は、本発明のいくつかの実施形態による中間デバイス501のいくつかの要素の例を示す。中間デバイス501は、インダクタ801(Lrep)とキャパシタ803(Crep)とを含む共振回路507を含む。説明したように、共振回路507は、第2の表面区域511を通る磁束密度を集中させるように、すなわち、電力送信機201からの電磁信号を電磁負荷505の方に集中させるように構成される。
中間デバイス501は、1つ又は複数のメッセージを電力送信機201と交換することによって電力送信機201の電力制御動作を適応させるように構成されるコントローラ805をさらに含む。
コントローラ805は、メッセージを電力送信機201と交換するように構成されたコミュニケータ807に結合される。この例では、コミュニケータ807は、電力送信機201によって生成された電力伝送電磁信号を負荷変調することによってメッセージを電力送信機201に送信するように構成される。それゆえに、コミュニケータ807には、共振回路に負荷をかけ、特定の例では並列共振回路の共振構成要素と並列に結合される可変インピーダンス809が含まれる。可変インピーダンス809はコミュニケータ807によって制御され、コミュニケータ807は、インピーダンスを変化させることによって、当業者には知られているように電力送信機201によって検出される負荷変調変動を生成する。
この例では、コミュニケータ807は、さらに、電力送信機201からのメッセージを受信するように構成される。この例では、電力送信機201は、電力伝送電磁信号を変調することによって、例えば、振幅変調又は周波数変調を適用することによって通信する。
中間デバイス501は、共振回路の信号の特性を測定するように構成された信号測定器811を含む。例えば、インダクタ電流が測定される。信号測定器811は、例えば、瞬時電流振幅又は周波数を測定し、これらの値をコミュニケータ807に供給し、コミュニケータ807は、次いで、信号を復調して受信メッセージを生成することに進む。
したがって、この例では、電力伝送コントローラ805は、メッセージを電力送信機201と交換することによって電力伝送動作の要素を制御するように構成される。そうするために制御される電力伝送動作及びそうするために採用されるメッセージは、異なる実施形態間で異なる。
多くの実施形態において、中間デバイス501は、電磁負荷505が交換することができないメッセージを交換することによって、電力伝送を開始するか又は電力伝送の開始をサポートするように構成される。例えば、電力送信機201は、電力伝送を初期化するために識別及び構成設定メッセージを送信するように構成される。
代替として又は追加として、中間デバイス501は、電力伝送フェーズの間、電磁負荷505が交換することができない電力伝送フェーズメッセージを交換することによって、電力伝送をサポートするように構成される。例えば、中間デバイス501は、電力伝送フェーズの間、電力制御ループ誤差メッセージを送信するように構成される。
実際、いくつかの実施形態において、中間デバイス501は、電力送信機201によって必要とされる電力伝送制御及びサポートをすべて実行するように構成され、実際、中間デバイス501は、電力送信機201が対話する唯一のデバイスである。このように、いくつかの実施形態では、電磁負荷505は、単に、他の機能のない導電性要素などの加熱要素であり、中間デバイス501は、電力伝送動作のために電力送信機201によって必要とされる機能をすべて備えている。実際、中間デバイス501は、いくつかのそのような例において、事実上、全部の電力受信機機能を実施すると考えられるが、実際に核となる電力抽出は、中間デバイス501によって行われるのではなく、代わりに、これが電力伝送電磁負荷505にさらされることにより電磁負荷505において直接行われる。
以下の説明は、電磁負荷505が電力伝送動作をサポートするための機能を含まず、すべての制御と、電力送信機201との対話とが、中間デバイス501によって行われる例に焦点を当てる。しかしながら、他の実施形態では、電磁負荷505が、電力伝送をサポートするための機能を少なくとも部分的に含み、具体的には、少なくともいくつかのメッセージを送信するための機能を備えてもよいことが理解されよう。
中間デバイス501が動作を効果的にサポートし制御するために、中間デバイス501は、電磁負荷505が確かに存在するか否かを決定する必要がある。例えば、確かに加熱要素(例えば、鍋)が存在する場合にのみ、電力伝送が実行されるべきである。それゆえに、中間デバイス501は、それ自体、電磁負荷505が存在するか否かを検出することができる機能を備えるべきである。
しかしながら、同時に、中間デバイス501の複雑さをできるだけ低く保つことが望ましく、中間デバイス501の動作が、これが外部電源に接続される必要なしに、又はそれがバッテリなどの局所エネルギーストレージを有する必要なしに達成されるならば特に望ましい。
図8の中間デバイス501は、電磁負荷505の存在を検出することができる機能を含み、さらに、これは、多くの実施形態において、電力送信機201によって供給される電力以外の他の電力を中間デバイス501が必要とすることなしに達成される。
図8の中間デバイス501において、コミュニケータ807は電力送信機201に要求メッセージを送信するように構成され、要求メッセージは、測定電磁信号を生成させるという電力送信機201への要求を含む(又は形成する)。一般に、この要求メッセージは、電力伝送動作が進行中でないときに、すなわち、インアクティブ/スタンバイ/スリープモード中に生成され電力送信機201に送信される。
要求メッセージの受信に応じて、電力送信機201は測定電磁信号を生成し始める。
中間デバイス501は、測定電磁信号のローディングを示す負荷指標を決定するように構成された負荷指標プロセッサ813をさらに含む。
いくつかの実施形態では、測定電磁信号は、電力伝送電磁信号と同じ特性(すなわち、周波数/オリジン(origin))などを有するように生成される、すなわち、測定電磁信号は、事実上、適切な振幅をもつ電力伝送信号である。そのような場合、負荷指標は、電気信号の特性に応じて生成される。例えば、負荷指標は、例えばインダクタ801の電流の測定値(例えば、信号測定器811による)に基づいて生成される。
例えば、測定電磁信号が共振の近くで動作する場合、一般に、電流が低いほど、測定電磁信号のローディングが高くなる(すなわち、測定電磁信号からの電力抽出が高くなる)という場合がある。
負荷が存在しない(すなわち、電力抽出がない)場合、共振回路は負荷によって減衰させられず、それは、電力中継器の共振回路のインダクタにより高い電流をもたらす。負荷が存在する(すなわち、電力抽出がある)場合、共振回路は減衰させられ、それはインダクタに低い電流をもたらす。
別の選択肢は、負荷が存在しない間に中継器インダクタの電流が最大になるように測定信号の周波数を調整することである。次いで負荷が導入されると、これにより、回路共振が離調され、それにより、電力中継器の共振回路のインダクタの電流が減少することになる。
したがって、いくつかの場合には、インダクタ電流の減少は、電磁負荷が存在することを示す。
いくつかの実施形態では、上述の減衰係数及び上述の離調係数は、負荷が電磁場に入ったときの電力中継器のインダクタの電流の減少を検出するために組み合わされる。このように、そのような電流は、負荷指標の減少が電磁負荷の存在を示す負荷指標として使用される。
この場合、したがって、負荷指標は、中間デバイス501自体による測定値から決定される。
他の実施形態では、負荷指標は、例えば、電力送信機201から受信したメッセージに応じて生成される。例えば、電力送信機201は、送信機共振回路のローディングを示すパラメータ、例えば送信機コイル電流などを測定し、これを中間デバイス501に送信する。次いで、コミュニケータ807は、この情報を負荷指標プロセッサ813に転送し、負荷指標プロセッサ813は、これらの値を使用して、負荷指標を決定することに進む。他の実施形態では、電力送信機201は、負荷値を計算し、これを中間デバイス501に送信し、中間デバイス501は、例えば受信した値を直接使用することによって負荷指標を導き出す。
負荷指標プロセッサ813は、負荷指標に応じて電磁負荷505の存在を検出するように構成された検出器815に結合される。例えば、測定電磁信号のローディングが所与の閾値を超えていることを負荷指標が示す場合、電磁負荷505が存在すると見なされ、そうでない場合は、存在しないと見なされる。
検出器815はコントローラ805に結合され、コントローラ805はその動作を検出結果に応じて適応させる。具体的には、電磁負荷の存在が検出されているか否かによって、メッセージ交換の特性が変更されるか又は適応される。例えば、電磁負荷505が存在することを検出器815が検出した場合、電力伝送コントローラ805は、電力を電磁負荷505に供給するために新しい電力伝送動作の開始を進める。例えば、電力伝送コントローラ805は、電力伝送要求メッセージを電力送信機201に送信するようにコミュニケータ807を制御する。
図9は、本発明のいくつかの実施形態による電力送信機201のいくつかの要素の一例を示す。
電力送信機201は、容量性インピーダンス903と、電力を電磁負荷505にワイヤレスで伝送するための電力伝送電磁信号を生成する送信機コイル905を含む誘導性インピーダンスとを含む共振回路を含む。したがって、ドライバ901は、前に説明したものと同じやり方で送信機コイル905を含む共振回路のための駆動信号を生成する(例えば、図2〜図5を参照)。
加えて、電力送信機201は、メッセージを中間デバイス501と通信するように構成されたメッセージコミュニケータ又はトランシーバ907を含む。メッセージトランシーバ907は、具体的には、例えば振幅又は周波数変調(インバータ動作を制御することによる)を使用して駆動信号を変調することによってメッセージを中間デバイス501に送信するように構成され、電力伝送信号の負荷変調を検出することによって中間デバイス501からのメッセージを受信することができる。例えば、メッセージトランシーバ907は、送信機コイル905を通る電流の変動を検出し、これに応じて負荷変調を検出する。
メッセージトランシーバ907は、受信メッセージを決定し処理するように構成されたメッセージプロセッサ909に結合される。特に、メッセージプロセッサ909は、測定電磁信号を生成するように電力送信機201に要求する要求メッセージが受信されたときを検出するように構成される。具体的には、メッセージプロセッサ909は、受信メッセージのデータを評価して、それがそのような要求メッセージのデータに対応しているかどうかを調べる。
電力送信機201は電磁信号発生器901、911をさらに含み、電磁信号発生器901、911はメッセージプロセッサ909に結合され、電磁信号発生器901、911は要求メッセージの検出に応じて測定電磁信号を生成するように構成される。したがって、メッセージプロセッサ909は、測定要求メッセージが受信されたことを検出すると、電磁信号発生器901、911に通知し、電磁信号発生器901、911は、次いで、測定電磁信号を生成し始める。この場合、電磁信号発生器901、911は信号発生器コントローラ911とインバータ901とによって形成され、信号発生器コントローラ911は駆動信号を生成するようにインバータ901を制御し、駆動信号は測定電磁信号を生成するために共振回路に印加される。
したがって、記載のシステムでは、中間デバイス501は、電磁負荷505が存在するか否かを検出するように構成され、それに応じて電力制御動作を適応させる。電力制御動作の適応は、電磁負荷の存在が検出されているか否かに依存するメッセージ交換によって達成される。しかしながら、検出は、中間デバイス501によって生成される信号に基づくのではなく、むしろ中間デバイス501の制御下で電力送信機201によって生成された信号に基づく。この手法は、機能の有利な分配をもつ効率的な手法を提供し、具体的には、例えば中間デバイス501に電力を別個に供給する必要なしに、中間デバイス501が電力伝送動作を制御するのを可能にする。
特定の例では、測定電磁信号は、電力伝送電磁信号に対応するように生成される。具体的には、測定電磁信号は、電力伝送電磁信号(簡単のために、電力伝送信号と呼ぶ)を生成するためにも使用される送信機コイル905を使用して生成される。さらに、測定電磁信号は、電力伝送信号と同じ周波数帯/区間/範囲に属するように生成される。具体的には、電力伝送信号は、一般に50kHz〜200kHzの範囲内にあり、測定電磁信号もこの範囲内にあるように生成される。実際、多くの実施形態において、測定電磁信号は、電力伝送信号と区別できないように生成される(場合によっては、より低い電力レベルではあるが)。
電力伝送信号に対応する測定電磁信号を使用すると、多くの実施形態において、例えば電力伝送でも使用される回路の再使用を可能にすることを含む様々な利点が提供される。したがって、この手法は、多くの実施形態において複雑さの低い手法を可能にする。
負荷指標を決定するための異なる手法及びパラメータが異なる実施形態では使用されることが理解されよう。多くの実施形態において、負荷指標は、電力送信機201の共振回路及び中間デバイス501の共振回路のうちの少なくとも1つのインピーダンスを示すように決定される。これらの共振回路のインピーダンスは、電力送信機201によって生成される電磁場のローディングが変化すると変化する。特に、共振回路のインピーダンスは、電磁負荷505が存在するか否かによって変化する。
いくつかの実施形態では、中間デバイス501は、測定電磁信号に関連する局所的に決定された特性に基づいて負荷指標を生成するように構成される。具体的には、負荷指標プロセッサ813は、電力伝送電磁信号の特性の測定値に応じて負荷指標を決定するように構成され、具体的には、負荷指標プロセッサ813は、中間デバイス501の共振回路の信号(信号は測定電磁信号のローディングに依存する)の測定値に応じて負荷指標を決定する。
特に、負荷指標プロセッサ813は、インダクタ801を通る電流、及び/又はインダクタ801/キャパシタ803にわたる電圧を感知する。測定値に基づいて、負荷指標は、すなわち、これにわたる電圧とそれを通る電流との間の位相として決定されるインダクタ801の実効インピーダンスとして計算される。いくつかの実施形態では、負荷指標は、例えばインダクタ801を通る電流又はインダクタ801にわたる電圧の尺度として直接決定される。負荷指標は、例えば、インダクタ801のインピーダンスの抵抗要素を示し、より高い抵抗(オーミック)値はより低いローディングを反映する。
検出器815は、続いて、負荷指標と基準値との比較に基づいて電磁負荷505が存在するか否かを決定することに進む。例えば、負荷指標が、基準値と異なる測定電磁信号のローディングを示す場合、これは、電磁負荷505が存在することを示し、負荷指標が基準値未満である場合、これは、電磁負荷505が存在しないことを示すと考えられる。したがって、いくつかの実施形態では、基準値は検出閾値である。
電磁負荷が存在することが検出されるのは、ある実施形態では、検出閾値が超えられた結果であり、他の実施形態では、負荷指標が検出閾値を下回った結果であることが理解されよう。例えば、多くの実施形態では、電力中継器のインダクタ電流は、電磁負荷が存在しない場合よりも電磁負荷が存在する場合に低くなる。そのようなシナリオでは、インダクタ電流を反映する負荷指標が閾値未満である場合、電磁負荷が存在することが検出される。
いくつかの実施形態では、基準値は、所定の値、例えば、設計又は製造段階中に決定される値などである。そのような静的な手法は、例えば、検出が実行されているシナリオが毎回同じであると十分に考えられる用途に適している。例えば、電力送信機201は、所定の電力レベルをもつ測定電磁信号を生成するように構成され、中間デバイス501は、物理的配置が常に実質的に同じであるように電力送信機201(送信機コイル905)と電磁負荷505(例えば、鍋)の両方に物理的に連結し(例えば、ロックし)、電磁負荷505の特性は十分に静的であると考えられる(例えば、中間デバイス501が、常に、同じタイプの鍋で使用される)。したがって、そのような例では、基準値は一定の値であり、それは、例えば、検出器815にプログラムされる。
しかしながら、多くの実施形態では、基準値は、以前の測定値に基づいて動的に決定される。具体的には、検出器815は、測定電磁信号の特性の以前の測定値、具体的にはインダクタ801のインピーダンス又は電流の測定値などに基づいて、基準値を決定するように構成される。
例えば、負荷指標プロセッサ813は、検出を周期的に実行し、それにより、インダクタのコイル電流などの負荷指標を周期的に決定する。検出器815は、平均負荷指標(適切な時間間隔にわたる)を決定するために負荷指標値を低域フィルタ処理し、この低域フィルタ処理された/平均化された負荷指標値を、検出のための基準値として使用する。したがって、インダクタ電流が平均を超えている場合、検出器815は、それを、電磁負荷505が存在している指標と見なし、そうでない場合は、それを、電磁負荷505が存在していない指標と見なす。
いくつかの実施形態では、基準値は、電磁負荷505が存在しない場合の状況を反映する可能性がある測定値に応じて選択的に決定される。例えば、インダクタ電流の平均値は、電磁負荷505が存在しないことを検出器815が示すインダクタ値のみに応じて決定される。したがって、いくつかの実施形態では、検出器815は、負荷指標と、電磁負荷505が存在しなかった以前の負荷指標との比較に応じて、電磁負荷505が存在するかどうかを検出するように構成される。
多くの実施形態において、電磁信号発生器901、911は、以前に生成された測定電磁信号に対応する特性を有するように測定電磁信号を生成するように構成される。具体的には、測定電磁信号は、それが生成されるたびに実質的に同じ特性を有するように生成される。特に、生成される電磁信号の周波数及び/又は特に電力レベルは、測定電磁信号が生成されるときは常に同じである。
この特性は、いくつかの実施形態において、予め決定されるか、又は、例えば、中間デバイス501による特定の要求に応じて決定される。
同じ特性を使用すると、より正確な検出が可能になり、特に、現在の値と以前の値の比較が、外部環境の変化、具体的には電磁負荷505が存在するか否かをより正確に反映することができる。
いくつかの実施形態では、システムは、測定電磁信号と(予想される)測定信号との間の関係を確立するように構成される。具体的には、電磁負荷が存在する場合の状況及び電磁負荷が存在しない場合の状況の少なくとも一方に対して、測定電磁信号の特性の関数として負荷指標がどのように変化すると予想されるかを反映する関係が決定される(一般に、それは、電磁負荷が存在しないときの予想される関係を反映するが、その理由は、これが、一般に、予測することがより容易であるからである)。
そのような関係が測定電磁信号の特性の一定の範囲に対して確立される場合、基準信号が一貫した特性を有することは、検出において変動を補償することができるのでさほど重要ではない。例えば、測定電磁信号の既知の特性と、測定値に基づいて決定された負荷指標との間の関係が、予想される関係と異なる場合、負荷の存在が検出されたと見なされる。
電磁負荷505が存在するか否かの信頼性の高い検出により、中間デバイス501が電力伝送動作を効率的に制御することを可能にする。特に、それにより、中間デバイス501が、電磁負荷505が存在することなしにこれを行う危険を冒すことなく電力伝送を開始することを可能にする。
多くの実施形態において、電力伝送コントローラ805は、電磁信号の存在の検出に応じて電力伝送制御メッセージを電力送信機201と交換することによって電力伝送フェーズを初期化するように構成される。具体的には、電力伝送コントローラ805は、電力初期化要求を電力送信機201に送信するようにコミュニケータ807を制御する。多くの実施形態では、電力伝送コントローラ805は、続いて、電力伝送の初期化に必要な電力送信機201との対話を実行することによって電力伝送の完全な初期化をサポートするように構成される。
例えば、Qi準拠システムでは、電力伝送コントローラ805は、必要な設定及び構成メッセージを交換することによって識別及び構成をサポートするように構成される。
いくつかの実施形態では、中間デバイス501は、中間デバイス501を少なくとも部分的にパワーアップするために、電力送信機201によって生成された電磁信号から電力を抽出するように構成された電力抽出器(図示せず)を含み、コミュニケータは、パワーアップすることの一部として要求メッセージを電力送信機201に送信するように構成される。
したがって、そのような実施形態では、中間デバイス501は、例えば、電力送信機201が電磁信号を生成するとき起動し、次いで、測定電磁信号を生成させるという電力送信機201への要求を生成することに進む。例えば、Qiの例では、電力送信機201は、選択フェーズの間、物体が存在するかどうかを検出するために電磁信号を定期的に生成する。この信号は、中間デバイス501によって検出され、電力供給信号を生成するために使用され、それにより、これが、測定電磁信号の生成を要求するのに必要とされる機能に電力を供給することを可能にする。それに応じて、電力送信機201は測定電磁信号を生成し、中間デバイス501は、検出プロセスを実行することに進む。この動作に関して、電力は、測定電磁信号から抽出される。
特定の例として、中間デバイス501がQi準拠電力送信機201の上に置かれると、これは、インピーダンス変化の測定によって物体の存在を検出し、それに応じて、それはスタンバイから起動する。中間デバイス501は、必要な回路(電力伝送コントローラ805の少なくとも一部を含む)をパワーアップするために、電力送信機201によって生成された電磁信号の電力(例えば、以前の物体検出信号、又は通信のために供給された通信キャリア)を使用する。電力伝送コントローラ805は、コミュニケータ807を制御して、電磁信号を負荷変調し、それにより、初期メッセージを電力送信機201に伝達し、それによって、それが正当な電力受信機であることを電力送信機201に示す。電力伝送コントローラ805は、電力送信機201が測定電磁信号を生成し、それによって、電磁負荷505が存在するかどうかの検出を可能にする(これは、さらに、中間デバイス501への電力を供給する)ことを要求する。
電力伝送コントローラ805が、電磁負荷505(例えば、鍋)が中間デバイス501の上に存在するという指標を有していない場合、中間デバイス501は、対応するメッセージを伝達することによって電力を必要としないこと、及び/又はメッセージの通信を停止することを電力送信機201に示す。そのような指標を受信したとき、及び/又は中間デバイス501からメッセージを受信していない一定時間の後、電力送信機201は、電磁信号の生成を終了し、物体によって引き起こされるインピーダンス変化をモニタし続けるスタンバイモードに戻る。
しかしながら、中間デバイス501の存在は、電力送信機201が、電磁負荷505が存在するか否かを信頼性高く検出できないことを意味する可能性がある。中間デバイス501の存在のため、けれども、電力送信機201は、物体が潜在的に存在すると考えることになり、その結果、電力送信機201は、そのような物体が確かに電力受信機かどうかを決定するプロセスを初期化することに進む。
物体検出信号に応じて、中間デバイス501は、起動し、電力伝送を初期化し始めるために電磁負荷505が存在するかどうかを決定しようと努める。しかしながら、物体検出信号は、これには不十分であることがあり、及び/又は十分長い間存在しないことがある。それゆえに、中間デバイス501は、測定電磁信号の生成を要求することに進み、それに基づいて、中間デバイス501は、電磁負荷505が存在するか否かを決定することができる。
電磁負荷が存在する場合、中間デバイス501は、必要なメッセージを電力送信機201と交換することよって電力伝送を初期化することに進み、それによって、電力伝送を初期化させる。しかしながら、検出動作が、電磁負荷505が存在しないことを示す場合、中間デバイス501は、電力伝送動作を終了することに進む。したがって、この場合、電力伝送の初期化は終了し、電力送信機201、実際には中間デバイス501は、スタンバイ又はスリープフェーズ(具体的には選択フェーズに対応する)に戻る。
いくつかの実施形態では、そのような物体検出信号は、中間デバイス501への電力供給には適していない。例えば、それは、必要な電力を供給するには十分な強さでない。いくつかのそのようなシナリオでは(又は実際はより広義には)、中間デバイス501の電力供給は、物体検出信号(例えば、Qiシステムの選択フェーズにおいて供給されるもの)に基づくのではなく、例えば、電力送信機による物体の潜在的な検出に応じて供給されるより強力な電磁信号から電力を抽出することに基づく。
例えば、中間デバイス501への電力供給は、Qiの識別及び構成フェーズに適用されるピング電力信号に基づく。
電力送信機によって生成された物体検出電磁信号が、中間デバイス501を起動し中間デバイス501に電力を供給するには十分な強さでない場合でさえ、物体検出電磁信号は、依然として、中間デバイスの存在に加えて負荷の存在を評価するために電力送信機によって使用される。実際、多くの実施形態において、電力送信機は、インピーダンスの変化を検出し、次のフェーズ、すなわち、Qiのピングフェーズに進む。しかしながら、これは、多くの場合、専用の測定電磁信号を使用するよりも正確でない決定であることがあり、中間デバイスとの容易な相互運用を可能にしないことがある。それゆえに、そのような手法は、中間デバイス501の要求に応じて専用の測定電磁信号の生成と組み合わされる。
上記のように、中間デバイス501は、検出器815が、電磁負荷505が存在することを負荷指標が示していないと決定したことに応じて、電力伝送動作を終了する。これは、具体的には、電力伝送初期化の一部としてのものであるが、さらに、電力が電磁負荷505に能動的に供給される電力伝送フェーズ中の検出に応じるものである。例えば、中間デバイス501が、電磁負荷505が取り除かれたことを検出した場合、電力伝送は終了する。
いくつかの実施形態では、終了は、電力送信機201への特定の電力伝送終了要求メッセージの送信によって行われる。電力送信機201は、この要求を受信し、それに応じて、続いて、電力伝送(初期化)を終了し、スタンバイ状態に戻る。
他の実施形態では、終了は、中間デバイス501が1つ又は複数の電力伝送制御メッセージを抑制することによって行われる。例えば、初期化の間、中間デバイス501は、電力伝送を初期化するために必要とされる初期化メッセージ又は構成メッセージのうちの1つ、複数、又は一般にすべてを抑制する(送信しない)。中間デバイス501は、事実上、単に単純な外部物体のように作用し、それにより、電力初期化は電力送信機201によって廃棄されることになる。
電力伝送フェーズの間、中間デバイス501は、例えば、電力制御ループ誤差メッセージの送信を抑制する。Qiなどのシステムでは、そのようなメッセージは、250msec以下の間隔で必要とされる。電力制御ループ誤差メッセージが十分に長い時間間隔内に受信されない場合、電力送信機201は電力伝送動作を終了する。
多くの実施形態において、中間デバイス501は、特に電力伝送フェーズの間、電力制御メッセージを電力送信機201に送信することによって電力伝送電磁信号の電力レベルを制御するように構成される。したがって、電力伝送信号の電力制御は、具体的には単純に他の機能をもたない加熱プレートである電磁負荷505によってではなく中間デバイス501によって達成される。したがって、そのような実施形態では、電力伝送は、従来の鍋の加熱要素などの単純な導電性要素で効果的に使用され、中間デバイス501が事実上電力受信機制御機能を備える。
それゆえに、確立された電力制御ループは、電力送信機201と電磁負荷505との間ではなく電力送信機201と中間デバイス501との間にある。
いくつかの実施形態では、電力制御は、例えば、インダクタ/コイル801を通る磁束の測定に基づいて、すなわち、インダクタ801の電流に応じて行われる。電力伝送コントローラ805は、例えば電流レベルをモニタし、インダクタ801を通る電流が所与の基準値より上であるか下であるかによって電力レベルの増加又は減少を要求する。
しかしながら、多くの実施形態において、電力制御は、電磁負荷505のための温度制御を導入するために使用される。具体的には、中間デバイス501は、第2の表面、すなわち、電磁負荷505の近位にある又は一般に電磁負荷505に接触する表面の温度指標を決定するように構成された温度センサ817を含む。
温度センサは、例えば、第2の表面区域511の極めて近くに、又は第2の表面区域511に接触して配置される。したがって、温度センサは、第2の表面区域511の温度を、それにより、例えば電磁負荷505の加熱要素の温度を間接的に効果的に測定する。
次いで、電力伝送コントローラ805は、測定した温度を基準温度と比較することによって電力制御ループ誤差メッセージを生成する。測定した温度が基準温度よりも高い場合、電力伝送コントローラ805は電力低下要求メッセージを生成し送信し、測定された温度が基準温度未満である場合、電力伝送コントローラ805は電力増加要求メッセージを生成し送信する。このようにして、中間デバイス501は、電磁負荷505の温度、具体的には鍋などの従来の機器の導電性加熱要素の温度を制御することができる。
したがって、いくつかの実施形態では、中間デバイス501は、第2の電磁信号のエネルギーレベルを制御するように構成される。具体的には、中間デバイス501は、温度測定情報に基づいて電磁負荷505における電磁束/電磁場強度を制御する。
特定の例として、電力伝送コントローラ805は、鍋が配置されている場所の表面温度を測定する温度センサ817に結合され、温度設定点は、鍋を加熱するのに必要とされる電力レベルを決定するために使用される。その情報に基づいて、電力伝送コントローラ805は、必要とされる電力レベルに従って制御データを電力送信機201に供給する。
例えば、複雑さの低い温度制御は、電力伝送コントローラ805が、 測定した温度が温度設定点よりも低い場合電力を必要とし、測定した温度が温度設定点よりも高い場合電力を必要としないと決定することに基づく。
温度設定点(すなわち、基準温度)は、例えば、手動ユーザ入力によって与えられる。
前の例では、負荷指標は、中間デバイス501のパラメータの測定値に基づいて中間デバイス501によって生成された。しかしながら、いくつかの実施形態では、負荷指標は、電力送信機201から受信したデータに応じて決定される。
具体的には、電力送信機201は、負荷メッセージを中間デバイス501に送信し、これは、測定電磁信号のローディングを反映する負荷データを含む。負荷データは、例えば、測定電磁信号のローディングに依存する値、例えば、共振回路/送信機コイル905のインピーダンスを反映するパラメータの値などを反映する。具体的には、負荷データは、送信機コイル905又はキャパシタ903の電流及び/又は電圧の測定値のデータを含み、又は、例えば、信号ドライバ(901)の入力電力に関する情報を提供する。
負荷指標プロセッサ813は、これらの値を抽出し、続いて、適切な負荷指標を決定する。例えば、負荷指標プロセッサ813は、送信機コイル905のインピーダンスを計算する。
他の実施形態では、電力送信機201が、それ自体、例えばインピーダンスを計算し、この情報を中間デバイス501に送信する。いくつかのそのような場合、中間デバイス501は、情報を抽出し、これを負荷指標として直接使用する。
そのような手法は、中間デバイス501の複雑さを低減し、多くのシナリオにおいてより正確な検出を行う。
前の例は、電力伝送電磁信号を生成するための共振回路を駆動することによって測定電磁信号が生成された例に焦点を当てた。実際、生成された測定電磁信号は、電力伝送信号と同じ特性を有し、同じ周波数などを含む。
しかしながら、他の実施形態では、測定電磁信号は、別のコイルを使用し、電力伝送信号とは異なる特性により生成される。
実際、図10の例において、図8の電力送信機201は、測定電磁信号を生成するように構成された別個の測定コイル1001を含むように変更されている。この例では、測定コイル1001は電磁信号発生器1003に直接結合され、電磁信号発生器1003は、ドライバ901から完全に分離しており、測定コイル1001のための駆動信号を生成するように直接構成される。電磁信号発生器1003はメッセージプロセッサ909に結合され、電磁信号発生器1003は、測定電磁信号の要求を検出すると、測定コイル1001のための駆動信号を生成し始め、それによって、測定電磁信号が生成される。
測定電磁信号を生成するために別個のコイルを使用すると、これを、検出のために個々に最適化することができる。特に、測定電磁信号は、電力伝送信号とは異なる周波数帯/範囲にあるように生成される。多くの実施形態では、測定電磁信号の最小周波数は、電力伝送信号の最大周波数の少なくとも2倍である。いくつかの実施形態では、測定電磁信号の最小周波数は、200kHz、500kHz、1MHz、又は10MHz以上である。例えば、13.56MHzの周波数が使用され、それによって、測定電磁信号と電力伝送信号との間の非常に大きい分離が行われる。
いくつかの実施形態では、測定コイル1001は、具体的には、電力送信機201と中間デバイス501との間の通信のために(も)使用される通信コイルである。そのような実施形態では、中間デバイス501は、図11に示すように、電力中継器のインダクタ801に加えて、電力送信機201との通信のための通信コイル1101をさらに含む。
この例では、電力送信機201は、測定コイル1001(したがって、通信コイルでもある)を使用して専用の通信キャリアを生成する。測定コイル1001は通信コイル1101に結合され、通信が、例えばキャリアの周波数又は振幅変調(電力送信機201から中間デバイス501への通信のための)及び負荷変調(中間デバイス501から電力送信機201への通信のための)によって行われる。
通信キャリアの周波数は、一般に、電力伝送信号とは異なる周波数帯にある。多くの実施形態において、通信キャリアの最小周波数は、電力伝送信号の最大周波数の少なくとも2倍である。いくつかの実施形態では、通信キャリアの最小周波数は、200kHz、500kHz、1MHz、又は10MHz以上である。いくつかの実施形態では、13.56MHzの通信周波数が使用され、それによって、電力伝送と通信信号の非常に大きい分離が行われ、したがって、相互干渉が減少する。測定電磁信号の生成のために別個の通信コイルを使用する多くの実施形態では、測定電磁信号は、通信信号の特性に対応するように本質的に生成される。
別個の通信コイル及びキャリアが使用される実施形態では、中間デバイス501は、いくつかの実施形態において、少なくとも最初は、通信信号から電力を抽出するように構成される。例えば、スタンバイフェーズ中のある時点に、電力送信機201は、通信キャリアを生成するように構成される。中間デバイス501が存在する場合、これは、それに応じて、測定電磁信号の生成への要求を生成する。この要求を送信するのに必要とされる電力は、それを中間デバイス501が通信キャリアから抽出することによって得られる。要求の受信に応じて、電力送信機201は、次いで、例えば通信キャリア又は電力伝送信号に対応するように、測定電磁信号を生成する。次いで、中間デバイス501は、電磁負荷505が存在するか否かを検出することに進む。中間デバイス501は、これを行うために測定電磁信号から電力を抽出する。
いくつかの実施形態では、中間デバイス501はユーザインタフェースをさらに含む。ユーザインタフェースは、例えば、現在の動作モード、電磁負荷が検出されているかどうか、電磁負荷の測定された温度、所望の設定点温度などのような情報をユーザに与えるディスプレイを含む。
加えて、ユーザインタフェースは、ユーザ入力部を含み、具体的には、電磁負荷505が存在するか否かを示すためにユーザによって使用されるユーザ入力部を含む。それゆえに、ユーザは、電磁負荷505が存在するか否かを明確に規定し、この確実さは検出動作を較正するために使用される。
それゆえに、較正器は、電磁負荷505が存在するか否かを規定する情報の受信に応じて検出動作の較正を初期化する。較正は、例えば、検出基準を較正する。例えば、検出が負荷指標と基準値の比較に基づく場合、この基準値は、情報に応じて較正される(すなわち、適応される)。例えば、電磁負荷505が存在しないことをユーザが示すシナリオと電磁負荷505が存在することをユーザが示すシナリオの両方について負荷指標が決定される場合、基準値は、2つの値の中間として決定される。
他の実施形態では、負荷指標の計算は、提供された情報に基づいて較正される/適応される。例えば、負荷指標がインダクタ801の電流として決定される場合、これは、電磁負荷が存在しないシナリオに対して測定される。次いで、測定された電流は基準電流となり、それは、将来の測定において測定された電流から減じられる。次いで、結果として生じるオフセット又は差の電流は、電磁負荷が存在しないシナリオからの偏りのよりよい推定を提供する。
前の説明は、電磁負荷が、加熱デバイスであり、具体的には渦電流が電力伝送信号によって直接誘導される加熱要素である実施形態に焦点を当てた。多くのそのような実施形態では、中間デバイス501が、加熱要素の潜在的に高い温度から保護する熱障壁を含むことが望ましい。しかしながら、そのような熱障壁は、例えば加熱要素が比較的低い温度にしか達しない実施形態では必要でないことが理解されよう。
例えば、中間デバイス501は、いくつかの実施形態では、温度上昇が比較的低い温度に制限される実験室環境の薬浴の加熱を可能にするように構成される。例えば、中間デバイス501は、動作中に加熱要素に接触する(又は例えば薬浴に挿入される)温度センサを含む。それは、測定された温度が約40°を超えないように加熱要素に供給される電力を制限する(例えば、送信電力制御メッセージを送信することによって)ための機能をさらに含む。そのような実施形態では、中間デバイス501は、一般に、熱障壁を必要としない、又は、実際、熱障壁から利益を得ない。むしろ、中間デバイス501は、例えば木材、プラスチックなどのような好適な日常材料で物理的に形成される/構成される。
さらに、記載の手法は、加熱用途に、具体的には、金属要素の渦電流を直接誘導する電力伝送信号によって加熱が行われる場合に特に適しており有益であるが、この手法はそのような用途に限定されないことが理解されよう。実際、この手法は、電力がワイヤレスで伝送される非加熱用途でも使用される。
例えば、単純な金属要素ではなく、電磁負荷が、例えば電気モータに接続された電力受信コイルによって形成されることがある。例えば、ブレンダは電力受信コイルを含み、電力受信コイルに誘導された電流が電気モータを直接駆動する。ブレンダは、例えば、電力送信機と連結するための特定の制御機能を含まない。しかしながら、この機能は、加熱要素の例について前に説明したように、中間デバイス501に導入することによって提供される。一例として、中間デバイス501は、モータの回転速度を示す簡単な電気信号を受信し、それに応じて、電力伝送信号を制御する電力制御メッセージを生成する。したがって、このようにして、中間デバイス501は、ブレンダの動作を制御する。加熱要素について説明したように、ブレンダの存在を検出する(中間デバイス501によって)ための記載の手法は、そのような実施形態に準用することができることが理解されよう。前の説明は、電磁負荷が検出されているか否かに基づいて、システムの動作がどのように適応されるかの特定の例に焦点を当てた。具体的には、システムは、検出結果に基づいて電力伝送動作を開始するか又は実際に終了する。しかしながら、電磁負荷が存在するかどうかを検出するための記載の手法の多くの他の使用法を想定できることが理解されよう。例えば、他の実施形態では、システムは、ユーザ出力を生成する、警報を他のデバイスに伝達する(例えば、モバイルフォンに通知を送る)、所定のプロセスを開始する、別のデバイス又は電力伝送動作をオフに切り換える、などを行うように構成される。実際、電磁負荷が存在するか否かの検出が、本発明を損なうことなく好適なやり方で使用されることが理解されよう。
上述の説明は、明瞭にするために、様々な機能回路、ユニット、及びプロセッサを参照して本発明の実施形態を説明したことが理解されよう。しかしながら、様々な機能回路、ユニット、又はプロセッサの間で機能を好適に分配することが本発明を損なうことなく使用され得ることは明らかであろう。例えば、別個のプロセッサ又はコントローラによって実行されるように示された機能は、同じプロセッサ又はコントローラによって実行されてもよい。それゆえに、特定の機能ユニット又は回路への言及は、厳密な論理的又は物理的な構造又は組織を示すのではなく説明した機能を提供するための好適な手段への言及と単に見なされるべきである。
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組合せを含む任意の好適な形態で実施される。本発明は、オプションとして、1つ又は複数のデータプロセッサ及び/又はデジタルシグナルプロセッサで動作するコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実施される。本発明の一実施形態の要素及び構成要素は、物理的に、機能的に、及び論理的に任意の好適なやり方で実施される。実際、機能は、単一のユニットで、複数のユニットで、又は他の機能ユニットの一部として実施される。そのため、本発明は、単一のユニットで実施されてもよく、又は物理的に及び機能的に様々なユニット、回路、及びプロセッサの間で分配されてもよい。
本発明をいくつかの実施形態に関連して説明したが、本発明は本明細書に記載した特定の形態に限定されるものではない。むしろ、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。追加として、特徴が特定の実施形態に関連して説明されたように見えることがあるが、当業者は、説明した実施形態の様々な特徴が本発明に従って組み合わされ得ることを認識されよう。特許請求の範囲において、含んでいる(comprising)という用語は、他の要素又はステップの存在を排除しない。
その上、別々に列挙されているが、複数の手段、要素、回路、又は方法のステップは、例えば、単一の回路、ユニット、又はプロセッサによって実施されてもよい。追加として、個々の特徴が異なる請求項に含まれることがあるが、これらは、場合によっては、有利に組み合わされ、異なる請求項に含まれていることが、特徴の組合せが実現可能でない及び/又は有利でないことを意味しない。さらに、ある特徴が請求項の1つのカテゴリに含まれることは、このカテゴリへの限定を意味するのではなく、その特徴が、適宜、他の請求項のカテゴリに等しく適用可能であることを示す。その上、特許請求の範囲における特徴の順序は、特徴が機能すると考えられるいかなる特定の順序も意味せず、特に、方法請求項における個々のステップの順序は、ステップがこの順序で実行されなければならないことを意味しない。むしろ、ステップは、任意の好適な順序で実行される。加えて、単数の言及は複数を排除しない。したがって、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「第1の(first)」、「第2の(second)」などへの言及は、複数を排除しない。特許請求の範囲における参照符号は、明瞭化の例がいかなる意味でも特許請求の範囲の範囲を限定するものと解釈されるべきでないので、単に提供されているにすぎない。