JP6731025B2 - 有機性廃水または汚泥の処理方法及び処理装置 - Google Patents

有機性廃水または汚泥の処理方法及び処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機性廃水または汚泥の処理方法及び処理装置に関し、特に、有機性廃水または汚泥中の有機物を嫌気性微生物の働きによって嫌気性処理する設備を含む有機物処理システムにおいて、有機物中のリン成分をリン酸マグネシウムアンモニウム(以下、「MAP」と称す)等のリン化合物として回収することが可能な有機性廃水または汚泥の処理方法及び処理装置に関する。
有機性廃水または汚泥から窒素成分及びリン成分を分離する方法として、有機性廃水または汚泥にマグネシウムイオンなどを添加して、廃水中に含まれるリン、アンモニア及びマグネシウムイオンを反応させてMAPの結晶を成長させ、MAP粒子として分離回収する方法(「MAP処理法」と称する)が知られている。
このようなMAP処理法は、薬剤使用量、機械動力、熱エネルギーも比較的少なく安価な晶析法であり、リン成分の回収を安定的に行うことが出来る上、回収されるMAPは優れた肥料としての付加価値があるため、資源の有効利用の点からも優れたリン及び窒素の回収兼除去技術である。
MAP処理法に関しては、例えば特許文献1において有機性廃水を嫌気性処理する嫌気性消化工程において汚泥中に発生するMAP粒子を液体サイクロンなどによって分離し、該MAP粒子を含むMAP分離濃縮液を得た後、該MAP分離濃縮液にマグネシウムイオンを新たに添加し、溶解しているリン成分との反応によって、該MAP濃縮液に存在するMAP粒子の表面に新たなMAPを積層させてMAP粒子として回収し、MAP粒子回収後のMAP脱離汚泥は脱水して脱水ケーキとして排出させる方法が提案されている。
また、特許文献2では有機性廃水または汚泥を嫌気性処理する嫌気性消化工程において、該嫌気性処理の前段に有機性汚泥を濃縮汚泥と濃縮脱離液に固液分離する工程、該濃縮汚泥のみを嫌気性処理する工程、該嫌気性処理汚泥からMAP粒子を分離する工程、及び該嫌気性処理汚泥を濃縮・脱水処理する工程をそれぞれ有する処理方式において、該嫌気性処理前段濃縮脱離水、該嫌気性処理汚泥から分離した該MAP粒子、該嫌気性処理後濃縮・脱水分離水、及びマグネシウム源を混合することでMAP生成しMAPを分離回収する方法が提案されている。
また、特許文献3では有機性汚泥を固液分離して4−12wt%の濃縮汚泥と濃縮分離液に分離し、該濃縮汚泥を嫌気性消化し、該嫌気性消化汚泥と先の濃縮分離水を混合後、脱水処理を行う方法が提案されている。
特開2004−160304号公報 特開2004−941号公報 特開2016−117066号公報
しかしながら、特許文献1〜3のいずれも回収対象となる有機物の嫌気性処理とリン回収をともに効率良く行うための処理に関してはまだ検討の余地がある。
本発明者らはこれまで様々な有機性廃水または汚泥を対象として有機物中の溶解性リン成分をMAP粒子として回収する研究を行ってきたところ、回収対象となる有機物の嫌気性処理とリン回収がともに効率良く行われるプロセスを設計するための基本的な情報となる知見として、以下の(1)〜(5)に示す事項を見出した。なお、これらの知見はいずれも様々なパイロット試験等で定量的に確認された事項である。
(1)下水処理場等で発生する嫌気性消化汚泥中のリンの形態は、水処理系でリン固定用に使用される無機凝集剤の種類と添加率により変化するが、該汚泥中リンの約5〜8割がPO4−P、またはMAPの形態で存在することからこれらのリンを汚泥から回収することにより汚泥中のリンは減少し汚泥固形物排出量が10%以上削減できる場合があること。
(2)メタン発酵等の嫌気性処理に投入される有機物はある程度までは高濃度化する方が、メタン発酵槽容量が小さくなり滞留日数も10−15日程度と比較的短くでき、ガス発電などに利用可能な余剰メタンガス生成量が投入有機物VSあたりで比較的多くなりメタン発酵効率が良いこと。
(3)固形物濃度がTS:10〜50g/L程度の高濃度有機性汚泥中においても一定以上の種晶MAP粒子が存在する環境下では嫌気性処理投入溶解性リン成分の8割以上を粒子径10μm以上の比較的大きなMAP粒子として形成することができること。
(4)MAP粒子径が10μm以上のMAP粒子は液体サイクロン等を使用することで汚泥濃度10g/L以上の汚泥中から90%以上の回収率で分離回収することが可能であること。
(5)高濃度消化汚泥と消化槽投入前汚泥の濃縮分離水の混合液は脱水性が比較的良好であること。
上記知見に基づいて嫌気性処理とリン回収をより効率化するプロセスを模索する中で、本発明者らが更に鋭意検討したところある課題が浮かび上がった。高濃度消化処理を行う場合、嫌気性消化プロセスに投入する有機物の前処理としての濃縮処理が行われるが、分離された濃縮分離水中に溶解性リン、溶解性Mgが比較的多い場合がある。そのため、嫌気性消化汚泥からのリン回収のみでは、これら嫌気性処理前分離水中の溶解性成分を回収すること、及びそれらを効率良く比較的粒子径の大きいMAP粒子に晶析させて回収することが困難になる場合がある。
汚泥の嫌気性消化処理を行わない、又は行う前の水処理プロセスにおけるリン回収方法としては、嫌気好気法の活用によりリン酸を多く含む分離水等を作成しCa塩を添加してリン酸カルシウム:Ca3(PO42として回収する方法や、吸着材によりリン酸を吸着し、リン脱着工程を経て最終的には同様にリン酸カルシウムとして回収する方法等が知られている。
しかしながら、嫌気性消化処理前の液体と嫌気性消化処理後汚泥の混合液からのリン回収方式はほとんど報告されていない。その理由は、嫌気性消化を行わない条件下では、反応性も高く、比重も3.14g/cm3と比較的沈降分離しやすいリン酸カルシウム等のCa系沈澱物として分離回収するのが一般的であるが、嫌気性消化を行った後では消化汚泥中に炭酸イオンが多く存在することからCaを添加するとリン酸カルシウムよりも先に炭酸カルシウムが生成し易く効率が悪くなるためである。
嫌気性消化処理を行う場合、嫌気性消化槽に投入される汚泥中の溶解性リン、及び溶解性Mgは消化槽に投入された直後に、約1000mg/L程度のNH4−Nと接触し、さらにpHも急激にアルカリ性領域まで上昇するため、瞬時に微細なMAP粒子が生成される。消化槽内でのMAP生成反応の反応性が各基質成分の溶解度積で決まることは自明ではあるものの、消化槽に投入された直後の槽内の流動条件における汚泥中のMAP溶解度積の変化速度、微細MAP結晶核の新規生成量、及び既存種MAP粒子への付着晶析量等に関しては現時点では依然として不明な部分が多く、これまでどの程度の溶解性リンや溶解性Mgの供給量が消化槽内でどの程度の粒子径のMAP粒子を形成することになるかという研究はほとんど報告されていない。
その理由としては、汚泥から直接MAP粒子を回収しようとする取り組みが現時点でまだ少ない事、消化槽内で生成されるMAP粒子の粒子径分布が後段でMAP分離回収する液体サイクロン等のMAP分離性を左右する重要因子となっていくということがまだ広く認識されていない事、そもそも有機性汚泥中に存在する無機性微粒子の種類や形状や物性に関する報告が非常に少ない事等が挙げられる。
この点に関し、例えば、特許文献1の方式では、嫌気性処理前の汚泥から直接MAP粒子を回収しようとする手法については記載も示唆もされていない。一方、特許文献2の方式では、嫌気性処理する前の汚泥を濃縮分離した濃縮分離水をMAP造粒反応装置へ供給することは一応記載されているが、特許文献2に記載される発明にも、嫌気性処理前の汚泥から直接MAP粒子を回収しようとする手法については記載も示唆もされていない。
さらに、特許文献2では、MAP造粒反応装置へ供給される晶析対象液は有機性汚泥固形分をほとんど含まない固液分離後のろ液が主体であり、晶析処理水を水処理系である最初沈殿池へ返送している図3の記載からしても、晶析処理水は濁度が低いことは明らかであり、MAP造粒反応装置へ嫌気性消化処理前の汚泥を積極的に供給するという記載は見当たらない。
また、特許文献2では消化汚泥中に残留するリン酸イオンからのMAP回収方法として消化汚泥の脱水処理後の脱水ろ液をMAP反応槽に供給する方式を採用しているが、この方法では脱水処理時に使用される凝集剤や脱水機洗浄排水により汚泥が希釈されるためMAP反応槽に供給される時点でのろ液中リン酸イオン濃度、及びMgイオン濃度が2/3程度に希釈されることが多く、MAP反応が溶解度積による化学反応であることからリン回収率としては消化汚泥を直接MAP反応槽に供給してリン回収する方法と比較して大幅に低下する場合がある。
また、特許文献3の方式は、汚泥濃度4〜12wt%の汚泥を用いた高効率な高濃度嫌気性消化の例が開示されているだけで、有機物の嫌気性処理とリン回収率の向上をより効率的に両立させる手法については記載も示唆もされていない。
上記課題を鑑み、本発明は、回収対象となる有機物の嫌気性処理とリン回収とをともに効率良く行うことが可能な有機性廃水または汚泥の処理方法及び処理装置を提供する。
本願発明者らは上記課題を解決すべく嫌気性処理工程で生成されるMAP粒子の粒子径を左右する因子に関して、基質濃度、VS濃度、各種共存イオン、温度、pH、ORP、粘性、種晶表面積、流動条件、基質供給方式、有機物分解速度等に関して様々な実験を通じて鋭意研究した結果、嫌気性処理工程へ供給される直前の汚泥中の「リン酸イオン」、及び「Mgイオン」の総量が生成MAP粒子径に影響を及ぼしていることを見出した。
言い換えれば、供給汚泥中のリン酸イオンとMgイオンが嫌気性処理工程内の定常時のリン酸イオン濃度とMgイオン濃度と比較してそれぞれ大きく、その差が大きいほど微細MAPを形成し易いということであり、この差は定常時の嫌気性処理工程のリン酸とMgの濃度を基準とした比較となるため、必ずしも投入汚泥中のリン酸イオン濃度やMgイオン濃度の値だけで決まるものでは無いというものである。本発明者らはこのΔPO4−P(投入汚泥リン酸−嫌気性処理工程リン酸)とΔS−Mg(投入汚泥Mgイオン−嫌気性処理工程Mgイオン)、及び[ΔPO4−P/投入汚泥T−P]、[ΔS−Mg/投入汚泥T−Mg]等を指標とすることによってより最適な処理プロセスを選択でき、目標リン回収率を達成できることを見出した。
ここで仮に消化槽への投入汚泥のPO4−P濃度、S−Mg濃度をそれぞれ[PO4−P−in]、[S−Mg−in]とし、消化槽内定常時完全混合状態の汚泥のPO4−P濃度、S−Mg濃度をそれぞれ[PO4−P−out]、[S−Mg−out]とし、さらに該投入汚泥のT−P濃度、T−Mg濃度をそれぞれ[T−P−in]、[T−Mg−in]とした場合の以下の(1)、(2)式で示される数値をそれぞれL値(P)とL値(Mg)とすると、消化汚泥中の微細MAP率(=微細MAP−P/T−P)に関して図1、図2に示すような相関関係がある。
L値(P)=([PO4−P−in]−[PO4−P−out])/[T−P−in] …(1)
L値(Mg)=([S−Mg−in]−[S−Mg−out])/[T−Mg−in] …(2)
より具体的には、有機性廃水または汚泥を効率的に嫌気性処理およびリン回収する方法として、嫌気性処理工程に供給する汚泥に対して嫌気性処理工程に供給する前に、供給汚泥中の溶解性リン、及び溶解性Mgの量を大幅に軽減するための所定の処置を施し、溶解性リン及び溶解性Mgの嫌気性処理工程への供給量を大幅に軽減した状態で、嫌気性処理を行う。そして、嫌気性処理汚泥及び嫌気性処理工程に直接供給しなかった溶解性リン及び溶解性Mgを含む液をともにMAP晶析リアクターに供給し、液体サイクロン等のMAP分離装置を使用してMAP晶析リアクター内のMAP濃度を所定濃度に維持するようにMAP分離装置とMAP晶析リアクターとの間で循環ラインを形成し、必要に応じて該リアクター内にMg源を供給することで有機性廃水または汚泥に含まれる溶解性リンを軽減しMAP回収量を最大化する方式が好ましい手法の一つであることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明の実施の形態に係る有機性廃水又は汚泥の処理方法は、一側面において、有機性廃水または汚泥に対して嫌気性処理を行う工程と、有機性廃水または汚泥中のリン成分をリン酸マグネシウムアンモニウム粒子の形態で回収する工程を含む有機性廃水または汚泥の処理方法であって、有機性廃水または汚泥を濃縮分離せずに嫌気性処理した後の嫌気性処理液体と、嫌気性処理する前段の有機性廃水または汚泥を濃縮分離しない状態でリン酸マグネシウムアンモニウム粒子が存在する液体内で混合し、混合液のpHを調整することによりリン酸マグネシウムアンモニウム粒子を晶析させることと、該リン酸マグネシウムアンモニウム粒子を分離濃縮した後のMAP濃縮液を晶析させる工程に戻すことと、リン酸マグネシウムアンモニウム粒子を分離濃縮した後のMAP脱離汚泥の少なくとも一部を嫌気性処理へ循環返送することを特徴とする有機性廃水または汚泥の処理方法である。
本発明の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理方法は別の一実施態様において、嫌気性処理後の嫌気性処理液体をMAP濃縮液とMAP脱離汚泥とに分離し、MAP濃縮液をMAP晶析リアクターに導入し、MAP脱離汚泥をMAP晶析リアクターの処理系外へ排出することを含む。
本発明の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理方法は別の一実施態様において、有機性廃水または汚泥を嫌気性処理した後の嫌気性処理液体と、嫌気性処理する前段の有機性廃水または汚泥に含まれる溶解性リンまたは溶解性マグネシウムを導入するMAP晶析リアクター内または該MAP晶析リアクターの前段において物理的脱炭酸処理を施す。
本発明の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理方法は別の一実施態様において、嫌気性処理する前段の有機性廃水または汚泥に含まれる溶解性リンまたは溶解性マグネシウムを、粒子径10μm以上のリン酸マグネシウムアンモニウム粒子が5g/L以上存在する液体内で混合する。
本発明の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理方法は別の一実施態様において、混合液のpHが6.8以上となるようにpHを調整する。
本発明は更に別の一側面において、嫌気性処理装置と、嫌気性処理装置において有機性廃水または汚泥を濃縮分離せずに嫌気性処理した後の嫌気性処理液体と、嫌気性処理を行う前段の有機性廃水または汚泥とを濃縮分離しない状態で共に導入し、リン酸マグネシウムアンモニウム粒子が存在する液体内で混合液のpHを調整してリン酸マグネシウムアンモニウム粒子を晶析させるMAP晶析リアクターと、MAP晶析リアクターで得られたMAP晶析処理水からリン酸マグネシウムアンモニウム粒子を分離濃縮し、MAP濃縮液及びMAP脱離汚泥を得るMAP分離装置と、MAP脱離汚泥を嫌気性処理装置へ返送する配管ラインとを備えることを特徴とする有機性廃水または汚泥の処理装置である。
本発明によれば、回収対象となる有機物の嫌気性処理とリン回収とをともに効率良く行うことが可能な有機性廃水または汚泥の処理方法及び処理装置が提供できる。
嫌気性処理装置へ投入される有機物中のPO4−PのL値と微細MAP(%)の発生率の関係を表すグラフである。 嫌気性処理装置へ投入される有機物中のS−MgのL値と微細MAP(%)の発生率の関係を表すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理装置及び処理方法を表す概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理装置及び処理方法を表す概略図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係る有機性廃水または汚泥の処理装置及び処理を表す概略図である。 従来の有機性廃水または汚泥の処理装置及び処理方法を表す概略図である。 図6の処理装置及び処理方法に対して従来のリン回収装置を組み合わせた場合の例表す概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであってこの発明の技術的思想は構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
本明細書では、水処理系として標準活性汚泥処理を採用し、汚泥処理系として嫌気性消化処理と脱水処理をそれぞれ採用する一般的な下水処理場を一例として説明する。しかしながら、当業者であれば、有機性廃液または有機物を処理する施設として嫌気的処理を組み込む食品系廃水処理、し尿系廃水処理、生ごみや有機廃材系廃水処理等のあらゆる処理プロセスに適応または応用が可能であり、例示する下水処理に限定されるものではないことは勿論である。
また、本明細書における「微細MAP」とは、液体サイクロン等の分離装置によって汚泥から分離することが困難な粒径10μm以下の微粒子状のMAPを意味し、「粗MAP」とは、液体サイクロン等の分離装置によって汚泥から分離可能な粒径10μm以下の微粒子状のMAPを意味する。「全MAP」とは、上記微細MAPと粗MAPとを合わせたものを意味し、「種晶MAP」とは、粒径は粗MAPサイズを有し、MAP晶析反応を促進させるために予め槽内に一定量充填し流動させておくMAP粒子を意味する。種晶MAPが十分存在すると、MAP反応は種晶MAP表面上で種晶MAPをコーティングする形で晶析するので、反応したPO4−PやS−Mgの成分は粗MAPの粒径サイズのMAPとなり、液体サイクロン等の分離装置で分離回収が可能となる。
下水処理場に流入する有機成分は、水処理系において最初沈澱池で沈降分離した有機酸を多く含む初沈汚泥と最終沈澱池で沈降分離した活性汚泥性微生物を多く含む余剰汚泥の二種類の汚泥に取り込まれ、これらを混合した混合生汚泥として汚泥処理系へ送られる。この混合生汚泥は汚泥処理系において嫌気性消化処理等により有機物の分解、可燃性ガス回収、脱水処理により減量化、場合によっては乾燥処理、焼却処理により更に減量化を行った後に脱水ケーキ、または焼却灰の形態で場外に搬出されるのが一般的である。これら汚泥減量化工程において分離される分離水は一般的には返流水として水処理系の最初沈澱池等に返送される。
嫌気性消化処理に供給される混合生汚泥の溶解成分中には、初沈汚泥由来の有機酸とトレードする形で活性汚泥系微生物が放出したリン酸イオンとマグネシウムイオン、及び初沈汚泥由来のマグネシウムイオンが多く存在する。有機酸はできるだけ嫌気性消化処理に導入してメタン等の可燃ガスとして回収することが望ましいが、リン酸イオンやマグネシウムイオンは嫌気性消化処理に導入されると有機物分解副産物である炭酸イオン(解離すると水酸イオン)とアンモニアイオンによりMAPとして晶析し易くなり消化槽内や後段設備のスケールリスク要因となる。
一般的な下水汚泥の消化槽内の消化汚泥はpHが7.0−7.5程度の弱アルカリ性で、汚泥中にはNH4−Nが600−1200mg/L程度、PO4−Pが50−300mg/L程度、Mgイオンが1.0−30mg/L程度存在する場合が多い。MgNH4・PO4OH・5H2Oの構造式を持つリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)分子は、消化槽内で生成し、Mg律速でMAP生成が抑えられている場合が多く、消化槽内の消化汚泥中に存在するMAP量はMAP−P換算で200−450mg/L程度存在する場合が多い。
また、このMAP粒子は粒子径が0.1μm以下〜1mm以上まで幅広く存在し、液体サイクロン等を使用して消化汚泥11から直接、MAP粒子(比重:1.7)を回収するために必要な粗MAP粒子サイズのMAP粒子存在比率は10〜35%程度である。
本発明者らの研究により、消化槽内のこのようなMAP溶解成分のバランスの中に一般的な混合生汚泥が投入されると、混合生汚泥中のPO4−PやMgイオンが消化槽内のpH、NH4−NとのバランスでMAP生成が急速に進行し、消化槽内の混合生汚泥投入部において微細な新規のMAP粒子が大量に生成されることが分かってきた。微細MAP粒子を生成する要因としては、PO4 3-、Mg+、NH4+、OH-等の基質成分以外に、種晶MAP量、種晶粒子径、流動条件等が関係するが、既存の消化槽内の環境ではこの投入汚泥由来のPO4−PやMgイオンが起因となる消化槽内での微細MAP生成を抑制することが困難であることが分かってきた。
既存の消化槽の環境で生成した微細MAPは後段のMAP晶析リアクターに直接導入しても短時間で微細MAP粒子全量を粗MAPレベルに肥大化させることが困難であるため、最終的に消化槽内で生成した微細MAPの多くは最終的に回収できない場合が多い。そこで、発明者らは消化槽内での微細MAP生成にとって最も寄与率の高い、消化槽投入液中の「PO4−PとMgイオン」を消化槽に投入する前に粗MAPとして回収する方法を実証検討していく中で以下の知見を得た。
すなわち、この消化槽に供給されるリン酸イオンとMgイオンの各濃度と消化槽内定常時のリン酸イオンとMgイオンの各濃度との落差が大きく、それらの値が投入汚泥のT−P、T−Mgに対して比率が大きいほど、該消化槽内で生成されるMAP粒子の粒径が小さくなり、最終的にはリン回収率が低下することが判明した。
具体的な態様としては、以下に示す第1の実施の形態(参考例)及び第2の実施の形態の二つの方式が利用可能であり、汚泥性状等の諸条件に応じていずれかを選択することが有効である。
(第1の実施の形態:濃縮分離水−消化汚泥混合リン回収方式)
第1の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理装置は、図3に示すように、流入水1を処理する最初沈澱池21、曝気槽22、最終沈澱池23を含む水処理系2の処理設備と、最初沈澱池21で得られる初沈汚泥5及び最終沈澱池23で得られる余剰汚泥7を混合して混合生汚泥8とし、混合生汚泥8を処理する汚泥処理系3の処理設備とを備える。
最初沈澱池21では、流入水1から有機酸を多く含む初沈汚泥5と流出水4とに分離される。流出水4は曝気槽22において活性汚泥微生物と共に好気処理が行われ、活性汚泥を含む活性汚泥混合液6が得られる。活性汚泥混合液は、最終沈澱池23において固液分離されて余剰汚泥7と処理水が得られる。
最終沈澱池23で沈降分離した活性汚泥性微生物を多く含む余剰汚泥7と初沈汚泥5は、混合槽31において混合され、混合生汚泥8が得られる。混合槽31で得られた混合生汚泥8は、濃縮装置32に供給され、濃縮装置32において凝集剤などが添加されることにより、後段の消化槽33による嫌気性処理に適した汚泥濃度に濃縮処理されて濃縮汚泥9と濃縮分離水10とに分離される。
濃縮装置32において濃縮汚泥は典型的には汚泥(TS)濃度2wt%以上、より典型的には4〜12wt%、更に典型的には7〜10wt%程度に濃縮される。濃縮装置32で混合生汚泥8を濃縮して高濃度化することにより、後段の消化槽33に投入される汚泥の体積を小さくすることができるため消化槽33を小型化することができる。濃縮分離水10の一部は最初沈澱池21へ返送することができる。濃縮分離水10の他の一部は配管ラインを介してMAP晶析リアクター34へ供給される。また、濃縮分離水10のリン酸、Mg、有機酸などの成分量によっては全量を最初沈澱池21に返送しても良いし、全量をMAP晶析リアクター34に供給しても良い。
濃縮汚泥9は消化槽33に投入され、消化槽33において濃縮汚泥9に対する嫌気性処理が行われて嫌気性消化液体(消化汚泥11)が得られる。本明細書において「嫌気性処理」とは、主に絶対嫌気性微生物によるメタン発酵もしくはメタン発酵を主体とする処理を意味する。消化汚泥11の一部又は全部は消化槽33内から引き抜かれ、MAP晶析リアクター34へ導入される。
MAP晶析リアクター34は、粒子径10μm以上のリン酸マグネシウムアンモニウム粒子が少なくとも5g/L存在する液体内で混合液のpHが6.8以上となるようにpHを調整してリン酸マグネシウムアンモニウム粒子を晶析させる装置である。
図示を省略するが、MAP晶析リアクター34は、晶析対象液のpHを調整するためのpH調整機構、リアクター内のMAP粒子の濃度を調節するための粒子濃度調節機構、必要に応じてMgイオンを供給するためのMg供給機構を備えている。MAP晶析リアクター34には、濃縮装置32で得られた濃縮分離水10と消化汚泥11との混合液が導入され、MAP晶析リアクター34内においてはMAP粒子の晶析反応が進行する。MAP晶析リアクター34で処理されたMAP晶析処理水12は、MAP晶析リアクター34の外部へ排出され、MAP分離装置35へ導入される。
MAP分離装置35は、MAP晶析リアクター34で得られたMAP晶析処理水12からリン酸マグネシウムアンモニウム粒子を分離、回収するための装置であり、例えば、液体サイクロン等が好適に用いられる。
MAP分離装置35においては、粗MAP粒子が分離濃縮されたMAP濃縮液14と粗MAP粒子が取り除かれたMAP脱離汚泥13とが得られる。粗MAP粒子が分離濃縮されたMAP濃縮液14は、汚泥処理系3の設備の一つであるMAP晶析リアクター34とMAP分離装置35との間に設けられた配管ラインを介してMAP晶析リアクター34内へ循環返送されるとともに、一部が回収MAPとして系外に排出され、洗浄、乾燥後種々の用途に利用される。
このように、配管ラインを通じてMAP分離装置35で得られた粗MAP粒子が分離濃縮MAP濃縮液14を返送することにより、MAP晶析リアクター34内のMAP濃度を所定濃度に安定的に維持することができるため、MAP晶析リアクター34内のMAPの晶析反応を安定的に進行させることができる。MAP分離装置35で得られたMAP脱離汚泥13は、脱水装置36に導入され、脱水装置36において脱水処理が行われ、脱水ケーキが得られる。
上述の図3に示す処理装置を用いて、第1の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理方法を実施することができる。すなわち、第1の実施の形態に係る処理方法は、有機性廃水または汚泥に対して嫌気性処理を行う工程と、有機性廃水または汚泥中のリン成分をリン酸マグネシウムアンモニウム粒子の形態で回収する工程を含む処理方法である。
本方法は、有機性廃水または汚泥を含む混合生汚泥8を消化槽33において嫌気性処理した後の嫌気性処理液体(消化汚泥11)と、嫌気性処理する前段の混合生汚泥8に含まれる溶解性リンまたは溶解性マグネシウムを、好適には粒子径10μm以上のリン酸マグネシウムアンモニウム粒子が5g/L以上存在する液体を収容したMAP晶析リアクター34内で混合し、混合液のpHが好適には6.8以上となるように、更に好ましくはpH7.1〜7.8にpHを調整することによりリン酸マグネシウムアンモニウム粒子を晶析させ、晶析したリン酸マグネシウムアンモニウム粒子をMAP分離装置35において分離濃縮した後のMAP濃縮液14をMAP晶析リアクター34に戻し、MAP脱離汚泥13を脱水装置36に送ることを含む。MAP濃縮液14の一部からはMAPが回収される。
嫌気性処理を行う前段の有機性廃水または汚泥、即ち混合生汚泥8は、濃縮装置32において固液分離して濃縮汚泥9と濃縮分離水10とに分離する工程を含むことが好ましい。濃縮汚泥9は嫌気性処理工程に導入し、濃縮分離水10と嫌気性処理後の嫌気性処理液体である消化汚泥11は共に、MAP晶析リアクター34に導入することが好ましい。これにより、嫌気性処理工程に供給される汚泥中の溶解性リンおよび溶解性マグネシウムの量を嫌気性処理工程にその汚泥が供給される前に予め低減させることができるため、嫌気性処理工程において生成されるその後の晶析反応に寄与しにくい微細なMAPの生成を抑え、汚泥中の溶解性リンを回収MAPとしてより回収しやすい形態に制御することができる。
このように、第1の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理装置及び処理方法によれば、嫌気性処理の対象となる溶解性有機物が比較的少ない混合生汚泥8を処理する場合であっても、濃縮装置32において混合生汚泥8を消化槽33における嫌気性処理に適切な汚泥濃度に濃縮することができるため、小型の消化槽33においてより多くの有用性ガスを効率的に発生させることができる。
さらに、濃縮装置32で得られる濃縮分離水と消化槽33から排出される消化汚泥11とをMAP晶析リアクター34へ導入し、晶析反応を進行させることで、従来は水処理系2へと供給されていた溶解性リン及び溶解性マグネシウムを汚泥処理系におけるMAPの晶析反応に利用することが可能となり、MAP分離装置35で回収されるリンの回収率をより向上させることが可能となる。
さらに、MAP分離装置35から排出されるMAP濃縮液14を必要に応じてMAP晶析リアクター34へ循環返送させることにより、MAP晶析リアクター34内のMAP濃度を粗MAP粒子の晶析に好適な所定濃度に維持することができ、さらに必要に応じてMAP晶析リアクター34内にMg源を供給することで、MAP晶析リアクター34内における晶析反応をより安定的に進行させることができるため、安定したリン回収率が得られるようになる。Mg源の供給量は具体的にはMAP晶析リアクター34内に供給されるPO4−Pとのモル比としての「Mg/P比」ベースで0.5〜1.3の範囲内になるようにMg源を供給することが微細MAP生成防止、コスト軽減、及び後段のスケール防止の観点からも望ましい。
さらに、第1の実施の形態によれば、混合生汚泥8に含まれる溶解性リンまたは溶解性マグネシウムを最大限に利用して、MAP晶析リアクター34内でより多くのMAP粒子を晶析させることができる。そのため、図6及び図7に示すような従来法では存在していたMAP粒子の多くが、本実施形態の脱水ケーキ中には除去されているため、脱水ケーキとしての固形物の排出量を小さくすることができる。その結果、ケーキ処分コストも大幅に軽減できる。
また、脱水処理により分離された脱水分離水は従来法よりもPO4−PとMgイオンが大幅に軽減していることから、脱水分離水を返流水として水処理系2に戻しても水処理系2でのリン負荷増加率は従来法と比較して小さくすることができる。
第1の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理装置及び処理方法は、混合生汚泥8中の溶解性有機物が比較的少ない場合に特に好適に適応できる。その際、混合生汚泥8を濃縮分離する際に、濃縮汚泥9になるべく有機物が多く濃縮され、且つ溶解性リンと溶解性マグネシウムの濃度をできるだけ少なくなるように、初沈汚泥5と余剰汚泥7を混合する前後における撹拌条件や曝気条件を適正に調整することも有効である。
以下に限定されるものではないが、例えば、MAP晶析リアクター34に導入する消化汚泥11の1日当たりの供給量を1Qとした場合、濃縮分離水10を0.5〜2.0Qとすることが好ましく、一実施態様では、消化汚泥11の1日当たりの供給量を0.3Qとした場合に濃縮分離水10を0.7Qとすることで、より効率的な処理を行うことができる。
(第2の実施の形態:混合生汚泥の嫌気性処理前リン回収方式)
第2の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理装置は、図4に示すように、混合生汚泥8を消化槽33へ供給する前に、MAP晶析リアクター34へ供給する点が、第1の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理装置と異なる。
即ち、第2の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理装置は、嫌気性処理を行う消化槽33と、嫌気性処理を行う前段の混合生汚泥8と消化槽33で得られる消化汚泥11の少なくとも一部とを共に導入し、リン酸マグネシウムアンモニウム粒子を晶析させるMAP晶析リアクター34と、MAP晶析リアクター34で得られたMAP晶析処理水17からリン酸マグネシウムアンモニウム粒子を濃縮分離するMAP分離装置35と、MAP分離装置35においてリン酸マグネシウムアンモニウム粒子を分離濃縮した後のMAP濃縮液14をMAP晶析リアクター34に循環させるかまたは一部系外に排出して回収し、MAP脱離汚泥16を汚泥処理系3の消化槽33へと返送する配管ラインとを備える。
MAP晶析リアクター34で回収すべき混合生汚泥8中のターゲットの成分はリン酸イオンとMgイオンであることから、なるべく混合生汚泥8の全量を対象とすることが望ましく、少なくとも混合生汚泥8の50%以上を、MAP晶析リアクター34に導入することが好ましい。但し、混合生汚泥8中には髪の毛、トイレットペーパー残査、ゴマ等の植物種子系残査等、比較的粒径の大きい固形物がある程度含まれる場合があり、これらは後段のMAP分離装置での目詰まりの原因となる場合もある。よって、沈降分離装置または分離スクリーン等を用いてそれら比較的粒径の大きい固形物を主体とした汚泥の一部を消化槽33に直接投入しても良いし、MAP脱離汚泥16と混合して消化槽33へ供給させても良く、それにより消化槽33における有機物の分解効率及びメタンガス等の有用性ガスの生成効率を向上させることができ効果的である。
なお、分離スクリーン等を使用する場合の開口径またはスクリーン幅は0.25mm〜5mm程度が望ましい。ただし、この沈澱分離装置または分離スクリーン等を使用する場合は凝集剤を使用しない物理的な分離方法で行う方が良く、前述の第1の実施の形態において凝集剤を使用する濃縮方法を採用した場合よりも、比較的薬品コストの軽減効果が望める。
消化槽33で処理された消化汚泥11は、液体サイクロン等のMAP分離装置37へ供給されてMAP粒子が分離濃縮され、MAP濃縮液15とMAP脱離汚泥13とに分離される。MAP濃縮液15は混合槽31からの混合生汚泥8とともにMAP晶析リアクター34へ導入される。MAP脱離汚泥13は配管ラインを介して脱水装置36へ導入され、脱水装置36において脱水処理が行われて脱水ケーキが生成される。
MAP晶析リアクター34内では、粒子径10μm以上のリン酸マグネシウムアンモニウム粒子が少なくとも5g/L以上存在する液体内で混合液のpHが6.8以上となるようにpHが調整されてMAP粒子の晶析反応が進行する。MAP晶析リアクター34で処理されたMAP晶析処理水17は、液体サイクロン等のMAP分離装置35へ導入され、サイクロン分離によってMAP粒子が分離される。MAP粒子回収後に得られるMAP濃縮液14はMAP晶析リアクター34へ循環返送され、一部が回収される。
MAP脱離汚泥16は、配管ラインを介して消化槽33への投入汚泥として利用される。なお、図示していないが、MAP濃縮液14の一部を種晶MAPとして必要に応じて消化槽33へ供給する配管ラインが設けられていても構わない。
上述の図4に示す処理装置を用いて、第2の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理方法を実施することができる。すなわち、第2の実施の形態に係る処理方法は、混合生汚泥8と、消化槽33から得られる消化汚泥11の少なくとも一部とを共に、MAP晶析リアクター34に導入し、MAP晶析リアクター34内で晶析したMAP粒子を分離濃縮した後のMAP濃縮液14またはMAP脱離汚泥16の少なくとも一部を消化槽33における嫌気性処理に循環返送することを含む。
第2の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理方法は、更に、消化汚泥11をMAP分離装置37においてMAP濃縮液15とMAP脱離汚泥13とに分離し、MAP濃縮液15をMAP晶析リアクター34に導入し、MAP脱離汚泥13をMAP晶析リアクター34の処理系外である脱水装置36へと排出することを含むことができる。また、消化汚泥11に存在する粗MAP量が十分に少ない場合、例えば100mg−P/L以下程度で、且つ処理施設サイドの要望等がある場合はMAP分離装置37を省略して、消化汚泥11の所定量をMAP晶析リアクター34に導入し、かつ別の所定量を脱水装置36へと送る装置で代用することも可能である。
また、消化汚泥11に存在するPO4−Pが必要以上に大きい場合、例えば50mg−P/L以上程度で、且つ処理施設サイドの要望等がある場合は、MAP晶析リアクター34とは別のもう一つのMAP晶析リアクター(図示せず)を設けて、脱水装置36へ送る汚泥からPO4−Pを除去しMAPとして回収することも有効である場合がある。
嫌気性処理の本来の目的である「有機物の分解率最大化及びそれに付随して発生するCH4等の有用性ガス回収量最大化」という観点と、有機物からのリン回収効率化を両立するためには、嫌気性処理工程に導入する物質中にはできるだけ有機物を残し、溶解性リン及び溶解性Mgは除去することが望ましい。
第2の実施の形態に係る有機性廃水または汚泥の処理装置及び処理方法によれば、混合生汚泥8を嫌気性処理する前に直接、MAP晶析リアクター34に供給し、MAP晶析リアクター34内で混合生汚泥8中の溶解性リン及び溶解性マグネシウムをMAP粒子に晶析化して分離し、MAP粒子を分離した後のMAP脱離汚泥13を消化槽33へ供給することにより、嫌気性処理をより効率的に行えるとともに、リンの回収率を同時に向上させることが可能となる。
MAP晶析リアクター34で晶析反応をより安定的に進行させるためにはpHを6.8以上、更には7.1〜7.8のアルカリ領域とすることが望ましい。一方で、一般的な下水の混合生汚泥8は、pHが4.5〜6.5程度の弱酸性であるため、図4に示す処理装置のように、混合生汚泥8をMAP晶析リアクター34へ導入することによって、MAP晶析リアクター34へ供給すべきpH調整剤の添加量が多くなる場合がある。
第2の実施の形態に係る処理装置においては、消化汚泥11の少なくとも一部をアルカリ剤、NH4、PO4−P、及びMAP種晶の供給剤として利用するために、混合生汚泥8の供給と同時に消化汚泥11をMAP晶析リアクター34に導入し消化汚泥11の供給量を適宜調整することによって、MAP晶析リアクター34へ供給すべき薬剤の添加量を低減させることができる。汚泥性状により異なるため以下は例示であるが、例えば、混合生汚泥8を一日当たり1Q程度添加する場合、MAP濃縮液15の一日当たりの供給量を0.5〜3Qとすることで、MAP濃縮液15の一日当たりの供給量を2Qとする場合、混合生汚泥8を1Q程度添加することで、MAP晶析リアクター34へ供給する薬剤の供給量を少なくしながらより多くのMAPを回収することができる。
混合生汚泥8と消化汚泥11のMAP晶析リアクター34への供給量の比率はそれぞれの汚泥性状によって異なるが、MAP晶析リアクター34内のMAP晶析環境としてpH:6.7〜7.6、Mgイオン濃度:0.1〜60mg/L、粗MAP粒子濃度:7〜70g/Lの範囲となるように、混合生汚泥8と消化汚泥11の2種類の汚泥ブレンド比、Mg系薬剤添加量、該リアクター内曝気量、MAP引き抜き量等を調整することが望ましい。
また、MAP晶析リアクター34に導入する混合生汚泥8と消化汚泥11は、MAP晶析リアクター34内に導入する前段で一部先に混合しておいても良い場合がある。消化汚泥11中の一部微細MAPは弱酸性の混合生汚泥と先に接触することで溶解させることができ、これによりMAP晶析リアクター34へのPO4−P及びS−Mg負荷量を増大させ、リン回収率を向上することができる。
消化汚泥11のMAP晶析リアクター34への供給に際しては、一旦MAP分離装置37で消化汚泥11からMAPを回収して、MAP濃縮液15とMAP脱離汚泥13とに分離し、MAP濃縮液15の方をMAP晶析リアクター34に導入し、MAP脱離汚泥13の方を系外に排出し脱水処理等を行う方法がリン回収率及び脱水ケーキの排出量低減の観点からはより効率的で好ましい。
MAP晶析リアクター34を経由して嫌気性処理工程に導入されたMAP脱離汚泥16は、消化槽33内の嫌気性微生物により有機物が分解され、同時に分解代謝物としてPO4−P、S−Mg、NH4−Nが増加し、嫌気性処理工程内でMAP粒子が生成される。しかし、嫌気性処理工程内のこれらMAP基質成分濃度は、特にPO4−P、S−Mgの汚泥流入部等での急激な濃度変動が少ないことから消化槽33内におけるMAP晶析反応は比較的低濃度でゆっくりと進行し、比較的大きなMAP粒子を形成することが分かっている。すなわち、従来法では嫌気性処理工程で大量に発生していた微細MAPの生成が、本願発明では抑制されているために、リン回収率としては飛躍的に向上する。
(変形例)
混合生汚泥8を嫌気性処理した後の消化汚泥11と、濃縮分離水10または濃縮してない状態の混合生汚泥8とを共にMAP晶析リアクター34へ供給する前に混合し、消化汚泥11と濃縮分離水10または濃縮してない状態の混合生汚泥8に対して物理的脱炭酸処理を行うことが好ましい場合がある。このため、図5に示すように、消化槽33とMAP晶析リアクター34との間、あるいはMAP晶析リアクター34内に物理的脱炭酸処理装置38が設けられていてもよい。
物理的脱炭酸処理装置38としては、曝気装置や機械撹拌装置等を用いることができる。図5に示す処理装置によれば、物理的脱炭酸処理装置38において消化汚泥11と濃縮分離水10または濃縮してない状態の混合生汚泥8とに対して物理的脱炭酸処理を行うことによって、pHが上昇するためpH調整剤の使用量を軽減できるとともに、脱炭酸により上昇したpH環境下においてMAP晶析がより進行した後の後段のプロセスにおいてスケールリスクが軽減できる。加えてMAP晶析リアクター34におけるMAP粒子の回収率を高めることができるとともに、脱水ケーキの生成量を少なくすることができる。
図示を省略しているが、物理的脱炭酸処理装置38は、図4のMAP分離装置37の後段且つMAP晶析リアクター34の前段に配置し、MAP濃縮液15と混合生汚泥8とを脱炭酸処理するようにすることも勿論可能である。
下水処理場等の処理施設において嫌気性処理工程に導入される有機性汚泥は、水処理系2における運転方式の違い等により汚泥性状が大きく異なり、それにより汚泥中に存在する有機酸、溶解性リン、溶解性Mgの量は様々である。
一概には言えない場合もあるが、例えば下水処理場において嫌気性消化槽に導入される汚泥が、初沈汚泥比率が活性汚泥由来余剰汚泥比率よりも大きい場合、その汚泥は有機酸含有率が比較的高く、逆に活性汚泥由来余剰汚泥の比率が大きい場合は溶解性リン、溶解性マグネシウムが比較的高い。汚泥が前者の場合、嫌気性処理投入汚泥を濃縮分離して濃縮分離水を嫌気性処理に導入しないプロセスでは濃縮分離水の有機酸からのCH4ガス回収が見込めないためにガス回収としては不利になる。汚泥が後者の場合は、嫌気性処理投入汚泥を濃縮分離して濃縮分離水を嫌気性処理に導入しないプロセスでもCH4ガス回収としてはほとんど影響が無く、逆に高濃度メタン発酵が可能となりメタン発酵槽のコンパクト化が可能となり有効である。このように、嫌気性工程に導入する汚泥性状によって、第1の実施の形態、第2の実施の形態及び変形例のいずれかの方式を選択することが好ましい。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
下水処理場の水処理系で発生した初沈汚泥、余剰汚泥を用いて、複数の運転条件に切り替えられるパイロットプラントを使用してリン回収を行った。混合生汚泥の嫌気性消化設備としては全て35℃中温消化を採用し、消化槽水理学的滞留日数は25日とし、MAP分離装置は全て液体サイクロンを使用し、各流量バランスに応じて液体サイクロンのアンダーとオーバーの口径は適宜調節した。液体サイクロン投入液に粒径10mm以上の夾雑物が存在する場合は篩で除去し該除去物をサイクロンオーバー液に混合した。
実施例1(参考例)は、図3に示す構成のパイロットプラントに基づいて運転した場合を示し、実施例1のみ他の比較例1等の消化槽の1/3の容量の消化槽を採用し、消化槽への投入汚泥は混合生汚泥に対して対固形物当たり凝集剤を0.2%添加して汚泥濃度を3倍にした状態で消化槽に投入する方式とした。実施例2は、図4に示す構成のパイロットプラントに基づいて運転した場合を示し、流量バランスとしては種々の条件より13MAP脱離汚泥:15MAP濃縮液:8混合生汚泥=2:3:2となるように設定した。実施例3は、図4に示す構成のパイロットプラントが備えるMAP晶析リアクターにエアリフト循環型曝気装置を付加して脱炭酸処理を行った場合を示す。
比較例1は、図7に示す構成のパイロットプラントに基づいて運転した場合を示し、比較例2は図7に示す構成のパイロットプラントにおいて混合生汚泥の初沈汚泥と余剰汚泥の混合比を変更して運転した場合を示す。
運転条件の詳細を表1に示し、比較例1のリン回収率、回収リン当たりの使用薬剤コスト、プラント動力、プラント設置面積、余剰メタンガス回収量、排出固形量(脱水ケーキ重量)をそれぞれ100とした場合の各実施例及び各比較例の比較結果を表2に示す。なお、リン回収当たりの使用薬剤コストはMAPを晶析させるためのMg源、pH調整剤、及び混合生汚泥を濃縮する場合にはその際に使用する凝集剤を含めたコストとした。
実施例1〜3のいずれも、混合生汚泥に対して嫌気性処理を行い、その後脱水処理を行った比較例1に比べて、リン回収率を高くすることができた。また、実施例1〜3のいずれも、比較例1に比べて回収したリン当たりの使用薬剤コストを低減することができた。また、排出固形物量に関しても、比較例1では排出ケーキ中に固形物として含まれていたMAP粒子を実施例1〜3では分離回収していることから大幅に削減することが可能で処分コスト軽減効果があった。
さらに、実施例1では、混合生汚泥を濃縮処理した濃縮汚泥を用いて嫌気性処理を行ったため、消化槽の大きさを小さくすることができ、これによりプラント設置面積も小さくすることができた。特に消化槽が1/3となることから、該消化槽の加温処理のためのボイラー使用分の回収CH4が大幅に削減することから、発電に使用できる余剰CH4が100→105に増加した。リン回収に関しては、想定どおりに消化槽内での微細MAP率が80%→55%大幅に低下し、その分粗MAP化率が上昇したことからリン回収率が増加した。消化槽に投入する混合生汚泥を3倍に濃縮するために使用した凝集剤コスト分が比較例1よりも余分にかかったが、リン回収量が1.3倍に増加したことで回収リンあたりの薬品コストとしては比較例1よりも小さくなった。
比較例2、実施例2、3は混合生汚泥の初沈汚泥と余剰汚泥の比率が8:2であり、初沈汚泥由来の有機物が多いことから、実施例1の方式を採用してしまうと混合生汚泥の濃縮処理において分離する濃縮分離水中の有機酸等の有機物からCH4ガスを回収できなくなる。そのため混合生汚泥の濃縮処理は行わず、通常サイズの消化槽を用いたが、活性汚泥処理等での微生物分解処理を受けていない初沈汚泥由来の有機物が多いことから消化槽での余剰ガス回収量はやや増加した。また、理由は定かではないが、MAP晶析においては余剰汚泥由来のリンの方が、初沈汚泥由来のリンよりもやや粗MAP化しやすい傾向がある事から比較例1と2はプラントとしては同一のものであるが、リン回収率は比較例2の方がやや小さかった。
実施例2では、消化槽に投入される混合生汚泥から溶解性リン及び溶解性Mgを大幅に軽減した後で投入していることから、消化槽内での微細MAP生成率は80%→45%まで低下し、その分粗MAPとして後段で回収できたことからリン回収率は大幅に上昇した。また、回収リンあたり使用薬剤コストとしては、実施例1で使用した混合生汚泥の濃縮処理用凝集剤の使用が無かったことから実施例1と比較しても大幅に薬剤コストが軽減した。
実施例3では曝気による脱炭酸効果でpH調整剤の使用量が軽減でき、リン回収率、薬品コストともに実施例2よりも改善した。実施例2,3のプラント動力、及びプラント設置面積に関しては、比較例2よりも装置点数が増えた分やや増加したものの、その差は大きくなかった。
混合生汚泥又は濃縮分離液をMAP晶析リアクターへ供給していない比較例1、2では、MAP晶析リアクターにおける薬剤の添加量が多くなるとともに、消化槽において回収されるMAP粒子の生成に寄与しない微細なMAP粒子が消化槽内で生成されてしまったため、リン回収率及び回収リン当たりの薬剤コストが実施例1〜3に比べて低下した。
1…流入水
2…水処理系
3…汚泥処理系
4…流出水
5…初沈汚泥
6…活性汚泥混合液
7…余剰汚泥
8…混合生汚泥
9…濃縮汚泥
10…濃縮分離水
11…消化汚泥
12…MAP晶析処理水
13…MAP脱離汚泥
14…MAP濃縮液
15…MAP濃縮液
16…MAP脱離汚泥
17…MAP晶析処理水
21…最初沈澱池
22…曝気槽
23…最終沈澱池
31…混合槽
32…濃縮装置
33…消化槽
34…MAP晶析リアクター
35…MAP分離装置
36…脱水装置
37…MAP分離装置
38…物理的脱炭酸処理装置

Claims (7)

  1. 有機性廃水または汚泥に対して嫌気性処理を行う工程と、前記有機性廃水または汚泥中のリン成分をリン酸マグネシウムアンモニウム粒子の形態で回収する工程を含む有機性廃水または汚泥の処理方法であって、
    前記有機性廃水または汚泥を濃縮分離せずに前記嫌気性処理した後の嫌気性処理液体と、前記嫌気性処理する前段の前記有機性廃水または汚泥を濃縮分離しない状態でリン酸マグネシウムアンモニウム粒子が存在する液体内で混合し、前記混合液のpHを調整することによりリン酸マグネシウムアンモニウム粒子を晶析させることと、該リン酸マグネシウムアンモニウム粒子を分離濃縮した後のMAP濃縮液を前記晶析させる工程に戻すことと、リン酸マグネシウムアンモニウム粒子を分離濃縮した後のMAP脱離汚泥の少なくとも一部を前記嫌気性処理へ循環返送することを特徴とする有機性廃水または汚泥の処理方法。
  2. 前記有機性廃水または汚泥の50%以上を、前記嫌気性処理する前に、MAP晶析リアクターに導入し、前記有機性廃水または汚泥中のリン成分をリン酸マグネシウムアンモニウム粒子の形態で晶析させて回収する工程を有することを特徴とする請求項1の有機性廃水または汚泥の処理方法
  3. 記MAP脱離汚泥を前記MAP晶析リアクターの処理系外へ排出することを更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機性廃水又は汚泥の処理方法。
  4. 前記有機性廃水または汚泥を嫌気性処理した後の嫌気性処理液体と、前記嫌気性処理する前段の前記有機性廃水または汚泥に含まれる溶解性リンまたは溶解性マグネシウムを導入するMAP晶析リアクター内または該MAP晶析リアクターの前段において物理的脱炭酸処理を施すことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機性廃水または汚泥の処理方法。
  5. 前記嫌気性処理する前段の前記有機性廃水または汚泥に含まれる溶解性リンまたは溶解性マグネシウムを、粒子径10μm以上のリン酸マグネシウムアンモニウム粒子が5g/L以上存在する液体内で混合することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機性廃水または汚泥の処理方法。
  6. 前記混合液のpHが6.8以上となるようにpHを調整することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機性廃水または汚泥の処理方法。
  7. 気性処理装置と、
    前記嫌気性処理装置において有機性廃水または汚泥を濃縮分離せずに嫌気性処理した後の嫌気性処理液体と、前記嫌気性処理を行う前段の前記有機性廃水または汚泥とを濃縮分離しない状態で共に導入し、リン酸マグネシウムアンモニウム粒子が存在する液体内で混合液のpHを調整して前記リン酸マグネシウムアンモニウム粒子を晶析させるMAP晶析リアクターと、
    前記MAP晶析リアクターで得られたMAP晶析処理水から前記リン酸マグネシウムアンモニウム粒子を分離濃縮し、MAP濃縮液及びMAP脱離汚泥を得るMAP分離装置と、
    前記MAP脱離汚泥を前記嫌気性処理装置へ返送する配管ラインと
    を備えることを特徴とする有機性廃水または汚泥の処理装置。
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