JP6730767B2 - 位置検出機能付きシリンダ装置 - Google Patents
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Description
従来技術の第1実施例(特許文献1の図1を参照)では、ハウジング内に形成されたシリンダ孔に、ピストン(出力部材)が左右方向に移動可能に挿入される。ピストンの外周部に磁石が装着される。ハウジングの周壁の外周面に検出弁が装着される。検出弁の弁ケース内に収容孔が形成されると共に、その収容孔の上壁面に弁座が形成される。その弁座の中央に流路の入口部が形成される。収容孔内に弁部材としてのボールが、ピストンの進退方向(左右方向)に直交する上下方向に移動可能に挿入され、そのボールがバネによって閉弁方向に付勢されている。そして、ピストンがボールに対面する位置に移動されたときに、磁性体であるボールが磁石の磁力によって下方に移動されることにより、検出弁が開弁される。
従来技術の第2実施例(特許文献1の図2を参照)では、検出弁の弁ケース内に収容孔が形成される。その収容孔に、磁石によって形成された検出部材が挿入される。その検出部材が、引っ張りバネによって弁ケースの上端壁から吊り下げられている。収容孔の下端壁の上面に形成された弁座に、検出部材の下面に形成された弁面が当接可能に対面される。弁ケースの下端壁内に流路の入口部が形成され、その入口部が弁座の中央に開口される。また、弁ケースの周壁に流路の出口部が形成される。そして、ピストンが検出部材に対面する位置に移動されたときに、磁石である検出部材が磁性体のピストンに引き寄せられることにより、検出弁が流路を閉じる。
前記の磁石の磁力は、検出部材とピストンとの間でシリンダ孔とピストンの外周面との摺動部分に作用する。このため、その摺動部分に、シリンダ孔内の圧油などの作動流体に含入される摩擦粉等の異物が磁気吸着されて集積される。この場合、ピストンが左右方向に移動することにより、上記異物が上記の摺動部分を過度に摩耗させたり破損させたりする。
本発明の目的は、出力部材等の摺動部分が過度に摩耗されたり破損されたりするのを防止することにある。
ハウジング1に形成されたシリンダ孔2に出力部材3が軸方向に移動可能に挿入される。前記出力部材3が、磁性体によって構成された操作部6を有する。前記ハウジング1に形成された流路14に位置検出用の圧力流体が供給される。検出弁16が前記流路14を開閉する。前記検出弁16は、前記ハウジング1の先端壁1aまたは基端壁1bに形成された収容孔19を有する。非磁性体によって構成された隔壁20を挟んで前記シリンダ孔2とは軸方向の反対側で前記ハウジング1の先端壁1aまたは基端壁1bに収容孔19が形成される。前記収容孔19に検出部材21が軸方向に移動可能となるように挿入される。その検出部材21の少なくとも一部が磁石25によって構成される。前記検出部材21を付勢手段26によって前記操作部6から遠ざける方向へ付勢する。そして、前記出力部材3が前記検出部材21に近づくように所定の位置に移動したときに、その検出部材21が前記磁石25の磁力によって前記操作部6に引き寄せられることにより、前記検出弁16が前記流路14を開閉する。
上記の出力部材が検出弁に近づくように所定の位置に移動されたときに、出力部材の操作部に検出部材が磁石の磁力によって引き寄せられる。これにより、検出弁が開弁または閉弁される。
また、出力部材が上記の所定の位置から遠ざかるように移動されときに、検出弁の付勢手段の付勢力によって検出部材が隔壁から離間される。これにより、検出弁が閉弁または開弁される。
上記の磁石を有する検出部材がハウジングの先端壁または基端壁の収容孔に挿入されると共に、その磁石に対面する操作部が出力部材に設けられることにより、磁石の磁力が検出弁と出力部材との間で軸方向に作用する。このため、従来技術のように、磁石の磁力がシリンダ孔の内周面と出力部材の外周面との摺動部分に軸方向と交差する方向に作用する場合とは異なり、本発明では、摺動部分に摩擦粉等の異物が磁気吸着されないので、堆積もされない。その結果、その異物によって出力部材やシリンダ孔との摺動部分が過度に摩耗されたり破損されたりすることを防止できる。
(1) 例えば、図1から図2Bに示すように、前記隔壁20の前記収容孔19側の壁面に弁座35が形成される。その弁座35に、前記検出部材21に形成された弁面36が当接可能に対面される。前記弁面36の中央に筒孔23が形成され、前記筒孔23が前記流路14の一部を構成する。
この場合、弁面の中央に、流路の一部を構成する筒孔が形成されるので、従来技術の第2実施例のように、隔壁に流路を設ける必要がない。従って、隔壁の厚みを薄くすることができるので、磁石の磁力を操作部に強力に作用させることができる。その結果、検出弁によって流路を確実に開閉する。
この場合、出力部材が検出弁に近接したときに、磁石の磁力によって検出部材が出力部材に向けて移動され隔壁に受け止められる。これにより、検出部材の弁面が収容孔の端壁の弁座から離間され、検出弁が流路を確実に開ける。また、出力部材が検出弁から離間される方向に移動されたときに、付勢手段の付勢力によって検出部材が隔壁から遠ざけられる方向に移動される。これにより、検出部材の弁面が、収容孔の端壁に形成された弁座に当接され、検出弁が流路を確実に閉じる。
この場合、出力部材が検出弁に近接したときに、磁石の磁力によって検出部材が出力部材に向けて移動され隔壁に受け止められる。これにより、検出部材の押部が検出部材から離間され、検出部材の弁面が弁室の弁座に当接される。その結果、検出弁が流路を確実に閉じる。また、出力部材が検出弁から離間されたときに、付勢手段の付勢力によって検出部材が隔壁から離間される方向に移動される。これにより、検出部材の押部が検出部材の弁面を弁室の弁座から離間させる。その結果、検出弁が流路を確実に開ける。
この場合、出力部材が基端側限界位置および先端側限界位置以外の所定の途中位置に移動したときに、前記検出弁が磁石の磁力によって前記流路を確実に開閉する。
固定台としてのテーブルTにシリンダ装置のハウジング1が固定される。そのハウジング1は、その上端部に形成された上壁(先端壁)1aと下端部に形成された下壁(基端壁)1bとを備える。そのハウジング1内にシリンダ孔2が形成され、そのシリンダ孔2に出力部材3が上下方向に移動可能で保密状に挿入される。その出力部材3は、ピストン4と、そのピストン4から上方に突設された出力ロッド5とを有する。本実施形態では、ピストン4の全体が磁性体によって構成され、そのピストン4の下部の一部分が操作部6を構成する。
図2Aに示すように、装着孔15の上寄り部分に弁ケース17が保密状に挿入される。装着孔15の下寄り部分に蓋部材18がネジ固定される。その蓋部材18によって弁ケース17が装着孔15に固定される。弁ケース17には、下方に向けて開口される収容孔19が形成される。その弁ケース17の上壁が、上下方向に隣接するシリンダ孔2と収容孔19とを隔離する隔壁20を構成する。その隔壁20は、磁石に吸着されにくいアルミ等の被磁性体によって構成される。その収容孔19に筒状の検出部材21が上下方向に移動可能に挿入されると共に、蓋部材18から上方に突設された小径部22に検出部材21の筒孔23が上下方向に移動可能で保密状に外嵌めされる。その検出部材21の上部にネオジウム磁石等からなる磁石25が装着される。その検出部材21が、当該検出部材21と隔壁20との間に装着された復帰バネ(付勢手段)26によって下方に付勢される。
図1および図2Aの初期状態では、第1作動室8から圧油が排出されると共に、第2作動室9に圧油が供給され、出力部材3のピストン4が上限位置に移動されている。このとき、ピストン4の操作部6が検出弁16の磁石25に対して上方に離間されている。これにより、検出弁16の検出部材21が、復帰バネ26によって下方へ移動されて蓋部材18の上部に受け止められている。
前記の弁面36の中央に、流路14の一部を構成する筒孔23の上部が開口されるので、前述した従来技術の第2実施例のように、隔壁に流路を設ける必要がない。従って、隔壁20の厚みを薄くすることができる。これにより、出力部材3のピストン4が検出部材21に近接したときに、操作部6から検出部材21までの距離を短くできるので、磁石25の磁力が操作部6に強力に作用する。その結果、検出弁16が流路14を確実に閉じる。
前記の検出部材21の下面に凹部39が下方に向けて開口され、その凹部39にボール40が挿入される。そのボール40の下面に弁面36が形成される。蓋部材18の上面に、第1流路29の一部を構成する弁孔29aが形成され、その弁孔29aの周縁に弁座35が形成される。その弁面36が弁座35に当接可能に上側から対面される。
図3の初期状態では、第1作動室8から圧油が排出されると共に、第2作動室9に圧油が供給され、出力部材3のピストン4が上限位置に移動されている。このとき、ピストン4の操作部6が検出弁16の磁石25から離間されていることにより、検出弁16の検出部材21が復帰バネ26によって下方へ移動されて蓋部材18の上面に受け止められている。
前記シリンダ孔2と前記収容孔19と弁室43とがハウジング1に上側から順に直線状に設けられる。その弁室43が蓋部材18内に形成され、その弁室43と弁ケース17の収容孔19とが連結する部分に連結部43aが形成される。前記の収容孔19に挿入された検出部材21から押部44が下方に突設され、その押部43が弁室43に挿入可能となっている。弁室43の上壁であって連結部43aの周縁に弁座35が形成される。弁室43にボール(弁部材)45が挿入され、そのボール45の上面に弁面36が形成される。また、そのボール45が弁室43内に装着された閉弁バネ46によって閉弁方向(上方)へ付勢されると共に、押部44に当接可能となっている。
図4の初期状態では、第1作動室8から圧油が排出されると共に、第2作動室9に圧油が供給され、出力部材3のピストン4が上限位置に移動されている。このとき、ピストン4の操作部6が検出弁16の磁石25から離間されていることにより、検出弁16の検出部材21が、復帰バネ26によって下方へ移動されて蓋部材18の上面に受け止められている。
ピストン4の下面に挿入孔49が開口され、その挿入孔49に上下方向に移動可能に操作部材50が挿入される。その操作部材50は進出バネ51によって下方に付勢されている。その操作部材50の先端部に操作部6が形成され、その操作部6が磁性体によって構成されている。
ハウジング1の下壁1bに形成された装着孔15に、図2Aおよび図2Bで示した検出弁16と同じ検出弁が装着されている。
図5Aの初期状態では、第1作動室8から圧油が排出されると共に、第2作動室9に圧油が供給され、出力部材3のピストン4が上限位置に移動されている。このとき、操作部材50が進出バネ51の付勢力によって下方に付勢され、操作部材50の操作部6が検出弁16の磁石25に対して上方に離間されている。これにより、検出弁16は開弁されている。
引き続いて、ピストン4が下降途中位置(所定の途中位置)から下限位置に移動されると、操作部材50が進出バネ51の付勢力に抗してピストン4の挿入孔49に挿入されていく。このとき、検出弁16は、上記の閉弁状態が維持される。
本発明のシリンダ装置は、クランプ装置に適用することが好ましいが、そのクランプ装置の技術分野に限定されず、クランプの技術分野とは異なる技術分野に利用することも可能である。
上記の作動流体は、例示した圧油に代えて、他の液体または圧縮エア等の気体であってもよい。
上記の位置検出用の圧力流体は、圧縮エアに代えて、他の気体又は圧油等の液体であってもよい。
上記の操作部6は、ピストン4に設けられるのに代えて、出力ロッド5に設けられてもよい。出力部材の全体を磁性体によって構成するのに代えて、出力部材の一部分を磁性体の部材によって構成してもよい。
上記の検出弁16は、ハウジング1の下壁1bに形成された装着孔15に設けられるのに代えて、ハウジング1の上壁1aに形成された装着孔に設けられてもよい。
上記の隔壁20は、ハウジング1の装着孔15に挿入された弁ケース17の一部分によって構成されるのに代えて、ハウジング1の下壁の一部分によって構成されてもよい。また、隔壁20は、アルミで構成されることに限定されず、他の非磁性体、例えば、アルミ合金や銅や銅合金やステンレス鋼等であってもよい。
上記の検出部材21は、非磁性体によって構成された検出部材21に磁石25が装着されるのに代えて、検出部材21の全体が磁石によって構成されてもよい。
上記の磁石25は、例示したネオジウム磁石に限定されず、フェライト磁石やサマリウムコバルト磁石やアルニコ磁石等であってもよい。
上記の付勢手段は、例示した復帰バネ26に代えて、流体圧シリンダによって構成してもよい。
上記の検出弁16は、例示したポペット式の開閉弁に限定されず、他の開閉弁、例えばスプール式の開閉弁であってもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
Claims (5)
- ハウジング(1)に形成されたシリンダ孔(2)に軸方向に移動可能に挿入されると共に、磁性体によって構成された操作部(6)を有する出力部材(3)と、
位置検出用の圧力流体が供給されるように前記ハウジング(1)に形成された流路(14)と、
前記ハウジング(1)の先端壁(1a)または基端壁(1b)に前記シリンダ孔(2)の軸方向に形成されると共に、前記シリンダ孔(2)に連通する装着孔(15)と、
前記流路(14)を開閉すると共に、前記装着孔(15)に装着される検出弁(16)と、を備え、
前記検出弁(16)は、
前記装着孔(15)に挿入される弁ケース(17)と、
前記弁ケース(17)の先端壁によって構成されると共に、非磁性体によって構成された隔壁(20)と、
前記隔壁(20)を挟んで前記シリンダ孔(2)とは軸方向の反対側で前記弁ケース(17)内に形成された収容孔(19)と、
前記収容孔(19)に軸方向に移動可能となるように挿入される検出部材(21)であって、その少なくとも一部が磁石(25)によって構成された検出部材(21)と、
前記検出部材(21)を前記操作部(6)から遠ざける方向へ付勢する付勢手段(26)と、を備え、
前記出力部材(3)が前記検出部材(21)に近づくように所定の位置に移動したときに、その検出部材(21)が前記磁石(25)の磁力によって前記操作部(6)に引き寄せられることにより、前記検出弁(16)が前記流路(14)を開閉する、
ことを特徴とする位置検出機能付きシリンダ装置。 - 請求項1の位置検出機能付きシリンダ装置において、
前記隔壁(20)の前記収容孔(19)側の壁面に形成された弁座(35)に、前記検出部材(21)に形成された弁面(36)が当接可能に対面され、
前記弁面(36)の中央に開口された筒孔(23)が、前記流路(14)の一部を構成する、
ことを特徴とする位置検出機能付きシリンダ装置。 - 請求項1の位置検出機能付きシリンダ装置において、
前記検出部材(21)を挟んで前記隔壁(20)の反対側に形成された前記収容孔(19)の端壁に弁座(35)が形成され、
前記弁座(35)に当接可能に対面する弁面(36)が前記検出部材(21)に形成され、
前記弁座(35)の中央に形成された弁孔(29a)が前記流路(14)の一部を構成する、
ことを特徴とする位置検出機能付きシリンダ装置。 - ハウジング(1)に形成されたシリンダ孔(2)に軸方向に移動可能に挿入されると共に、磁性体によって構成された操作部(6)を有する出力部材(3)と、
位置検出用の圧力流体が供給されるように前記ハウジング(1)に形成された流路(14)と、
前記流路(14)を開閉する検出弁(16)と、を備え、
前記検出弁(16)は、
非磁性体によって構成された隔壁(20)を挟んで前記シリンダ孔(2)とは軸方向の反対側で前記ハウジング(1)の先端壁(1a)または基端壁(1b)に形成された収容孔(19)と、
前記収容孔(19)に軸方向に移動可能となるように挿入される検出部材(21)であって、その少なくとも一部が磁石(25)によって構成された検出部材(21)と、
前記検出部材(21)を前記操作部(6)から遠ざける方向へ付勢する付勢手段(26)と、を備え、
前記出力部材(3)が前記検出部材(21)に近づくように所定の位置に移動したときに、その検出部材(21)が前記磁石(25)の磁力によって前記操作部(6)に引き寄せられることにより、前記検出弁(16)が前記流路(14)を開閉し、
前記シリンダ孔(2)と前記収容孔(19)と弁室(43)とが前記ハウジング(1)内に直線状に並べられて配置され、
前記弁室(43)が連結部(43a)を介して前記収容孔(19)に連通され、
前記収容孔(19)に挿入された前記検出部材(21)から押部(44)が前記弁室(43)に挿入可能となるように突設され、
前記押部(44)に当接可能な弁部材(45)が、前記弁室(43)に軸方向に移動可能に挿入され、
前記連結部(43a)の周縁に形成された弁座(35)に向けて、前記弁部材(45)に形成された弁面(36)が閉弁バネ(46)によって付勢される、
ことを特徴とする位置検出機能付きシリンダ装置。 - 請求項1の位置検出機能付きシリンダ装置において、
前記検出弁(16)に対面するように挿入孔(49)が前記出力部材(3)の壁面に開口され、
前記挿入孔(49)に操作部材(50)が軸方向に移動可能に挿入され、
前記操作部材(50)が進出バネ(51)によって前記検出弁(16)に向けて付勢され、
前記操作部材(50)の先端部に前記操作部(6)が設けられ、
前記出力部材(3)が基端側限界位置と先端側限界位置との間の所定の途中位置に移動したときに、前記操作部(6)が前記検出部材(21)に近接したことにより、前記検出部材(21)が前記磁石(25)の磁力によって前記操作部(6)側に移動され、前記検出弁(16)が前記流路(14)を開閉する、
ことを特徴とする位置検出機能付きのシリンダ装置。
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