以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係るシステム10を示す。システム10は、テレビ番組等のブロードキャスト情報の利用履歴に基づき、特定の対象者のブロードキャスト情報の利用傾向が比較対象となる基準者に対して異なる時間帯を特定して出力する。システム10は、複数の視聴装置20と、複数の放送局26と、ブロードキャスト情報データベース28と、複数の店舗端末40と、購入履歴データベース44と、履歴管理サーバ46と、利用管理サーバ50と、利用履歴データベース52と、装置100とを備える。
視聴装置20は、ブロードキャスト情報を受信し、受信したブロードキャスト情報を対象者に利用させる。例えば、視聴装置20は、テレビ受像機であってよく、映像及び音声等の情報を含むテレビ番組をブロードキャスト情報として受信して、対象者にテレビ番組を視聴させる。視聴装置20は、専らテレビ放送を受信するためのテレビ装置、テレビ放送を受信可能なパーソナルコンピュータおよびノート型コンピュータ等のコンピュータ、並びに、テレビ放送を受信可能な携帯電話、スマートフォン及びタブレット端末等の携帯端末であってよい。
視聴装置20は、対象者がブロードキャスト情報を利用したことに応じて、利用情報を利用管理サーバ50に送信する。例えば、視聴装置20は、ブロードキャスト情報がライブ視聴又は録画後に再生視聴(本明細書において「録画視聴」とも言う)されると、ブロードキャスト情報の視聴に関する情報を、ブロードキャスト情報の利用情報として、ネットワーク22を介して利用管理サーバ50へと送信する。ここで、「ライブ視聴」と「録画視聴」を合わせて「利用」と言う。視聴装置20は、ブロードキャスト情報としてラジオ放送を受信するラジオ受信機であってよく、利用情報としてラジオ番組の聴取に関する情報を送信してもよい。
ネットワーク22は、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク等の各種ネットワークまたはその組み合わせを含んで構成される。ネットワーク22は、有線ネットワークまたは無線ネットワークの少なくとも一方による接続を各接続ポイントに含んでよい。例えば、ネットワーク22は、インターネットにより実現されてよい。
放送局26は、ブロードキャスト情報を複数の視聴装置20に向けてブロードキャストする。例えば、放送局26は、無線放送又は有線放送により、テレビ番組又はラジオ番組等のブロードキャスト情報を、同時に又は異なる時間に、複数の視聴装置20に向けて送信する。
ブロードキャスト情報データベース28は、放送局26がブロードキャストするブロードキャスト情報に付随して提供される広告に関連する情報を予め格納する。例えば、ブロードキャスト情報データベース28は、ブロードキャスト情報がブロードキャストされる時間帯ごとの広告の出稿枠数、及び、特定の広告(例えば、装置100のユーザが指定する広告主の広告)の出稿枠数の情報を格納する。また、ブロードキャスト情報データベース28は、ブロードキャスト情報に含まれるコンテンツのタイムテーブルを放送局26等から取得して予め格納してよい。
店舗端末40は、1つ又は複数がネットワーク42を介して装置100に接続され、各種の店舗に設けられたPOS端末または同等の機能を有するコンピュータ等である。店舗端末40は、対象者が商品及び/又はサービス等(合わせて「購入対象」ともいう)を購入する場合に、購入対象の購入に関する購入情報を履歴管理サーバ46へと送信する。
ネットワーク42は、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク等の各種ネットワークまたはその組み合わせを含んで構成される。ネットワーク42は、有線ネットワークまたは無線ネットワークの少なくとも一方による接続を各接続ポイントに含んでよい。例えば、ネットワーク42は、ネットワーク22と分離された専用回線により実現されてよい。また、ネットワーク22およびネットワーク42は同一のネットワーク(例えば、インターネット)であってもよい。
購入履歴データベース44は、対象者による購入対象の購入に関する購入情報を、履歴管理サーバ46から受け取って購入履歴として格納する。例えば、購入履歴データベース44は、対象者ごとに、対象者の識別情報、購入対象の情報、及び、購入した日時、及び、購入した場所等を含む購入データを格納してよい。
また、購入履歴データベース44は、購入履歴に含まれる各対象者の属性データを格納してもよい。例えば、購入履歴データベース44は、各対象者の年令または年代、性別、居住地域、既婚/未婚、子供の有無、職種、年収帯、自動車の所有有無、および住居の所有有無等の情報を格納してもよい。
履歴管理サーバ46は、例えばサーバ・コンピュータ等のコンピュータであり、ネットワーク42を介して店舗端末40および装置100に接続され、各店舗に設けられた1または複数の店舗端末40を管理する。履歴管理サーバ46は、店舗端末40から送信された購入情報に基づく購入処理を行うと共に、購入情報を購入履歴として購入履歴データベース44に記録してよい。
履歴管理サーバ46は、装置100からの要求に応じて、対象者の購入履歴を購入履歴データベース44から装置100に提供する。また、履歴管理サーバ46は、1又は複数の対象者の属性データを購入履歴データベース44で管理し、装置100に属性データを提供してもよい。
利用管理サーバ50は、例えばサーバ・コンピュータ等のコンピュータであり、各視聴装置20によるブロードキャスト情報の利用履歴を管理する。例えば、利用管理サーバ50は、各視聴装置20からテレビ番組の利用情報を受信して、当該利用情報を利用履歴として利用履歴データベース52に格納する。一例として、利用管理サーバ50は、ブロードキャスト情報データベース28に格納されたブロードキャスト情報のコンテンツのタイムテーブルに基づき、各視聴装置20のコンテンツごとの利用情報を利用履歴として利用履歴データベース52に格納してよい。また、利用管理サーバ50は、装置100からの要求に応じて複数の視聴装置20に係る利用履歴を提供する。
また、利用管理サーバ50は、システム10の外部の調査機関等からブロードキャスト情報の利用傾向に関する情報を装置100に提供してよい。例えば、利用管理サーバ50は、視聴率調査会社等から提供されたテレビ番組の視聴率の情報を装置100に提供してよい。
また、利用管理サーバ50は、利用履歴において、各視聴装置20を識別する識別情報に、購入履歴における各対象者の識別情報を対応づけて利用履歴データベース52に格納してよい。
利用履歴データベース52は、各視聴装置20によるブロードキャスト情報の利用履歴を格納する。例えば、利用履歴データベース52は、視聴装置20ごとに、視聴装置20の識別情報、対象者が利用したブロードキャスト情報、及び/又は、対象者の利用時間帯を特定する情報を利用履歴として格納する。一例として、利用履歴データベース52は、視聴装置20ごとに、選局された放送局(例えば、テレビ放送局)、ライブ視聴及び/又は録画視聴の種別、ブロードキャストの開始時刻(例えば、テレビ番組の放送開始時刻)、及び/又は、ブロードキャスト情報内の各コンテンツの視聴有無等を含む視聴履歴を、利用履歴の少なくとも一部として格納してよい。
装置100は、例えばサーバ・コンピュータ等のコンピュータであり、指定条件を満たす対象者のブロードキャスト情報の利用傾向を分析し、指定条件を満たす対象者が比較対象と異なる利用傾向で利用するブロードキャスト情報のブロードキャストの時間帯を特定して出力する。例えば、装置100は、特定の商品等を購入した対象者の視聴率が、視聴者全体の視聴率と異なるテレビ番組を特定する。装置100は、条件入力部110、履歴取得部120、割合算出部130、特定部140、出稿取得部160、優先度決定部170、集計部180、広告効果算出部185、レコメンド部190、及び、出力部195を有する。
条件入力部110は、複数の対象者のうちの一部を指定するための指定条件を入力する。例えば、条件入力部110は、装置100のユーザから装置100の入力インターフェイスを介して、対象者が特定の購入対象を購入したことを指定条件の少なくとも一部として入力する。条件入力部110は、入力された指定条件を履歴取得部120に提供する。
また、条件入力部110は、装置100の処理においてユーザが指定すべき他の情報を入力してもよい。例えば、条件入力部110は、広告効果を算出しようとする広告の指定を入力し、広告効果算出部185に提供してよい。
履歴取得部120は、複数の対象者のうち指定条件を満たす対象者による、ブロードキャスト情報の利用履歴を取得する。例えば、履歴取得部120は、購入履歴データベース44の購入履歴に基づき、利用履歴データベース52から複数の対象者のうち特定の購入対象を購入した対象者のテレビ番組の視聴履歴を、指定条件を満たす対象者のブロードキャスト情報の利用履歴として取得する。
履歴取得部120は、購入履歴データベース44の購入履歴を利用して、利用履歴データベース52から比較対象となる複数の基準者(例えば、指定条件を満たす対象者を含む全対象者)によるブロードキャスト情報の利用履歴を取得してよい。
また、履歴取得部120は、購入履歴データベース44の購入履歴を利用して、利用履歴データベース52から指定条件を満たさない対象者によるブロードキャスト情報の利用履歴を取得してよい。履歴取得部120は、取得した利用履歴等を割合算出部130、広告効果算出部185、及び、レコメンド部190の少なくとも1つに提供する。
割合算出部130は、指定条件を満たす対象者の利用履歴に基づいて、指定条件を満たす対象者がブロードキャスト情報を利用する利用割合を、時間帯ごとに算出する。更に割合算出部130は、指定条件を満たす対象者の比較対象となる複数の基準者(例えば、指定条件を満たす対象者を含む利用履歴データベースの全対象者)の利用履歴に基づいて、複数の基準者が各ブロードキャスト情報を利用する利用割合を、時間帯ごとに算出する。
割合算出部130は、指定条件を満たす対象者の利用履歴に基づいて、指定条件を満たす対象者が、テレビ番組をライブ視聴するライブ視聴割合、及び、録画視聴する録画視聴割合を時間帯ごとに算出してもよい。割合算出部130は、算出した利用割合を特定部140及び出力部195に供給する。
特定部140は、指定条件を満たす対象者が、比較対象となる複数の基準者に対して、異なる利用傾向で利用するブロードキャスト情報のブロードキャストの時間帯を、複数の時間帯から特定する。例えば、特定部140は、指定条件を満たす対象者のブロードキャスト情報の利用割合が、比較対象となる複数の基準者のブロードキャスト情報の利用割合とが異なるブロードキャスト情報がブロードキャストされた時間帯を特定する。特定部140は、特定した時間帯を出力部195に供給する。
出稿取得部160は、ブロードキャスト情報の広告出稿に関する情報を取得する。例えば、出稿取得部160は、ブロードキャスト情報に付帯する、予め定められた広告の出稿数、及び、予め定められた広告の出稿枠に対する出稿割合の少なくとも一方を、時間帯ごとに取得する。一例として、出稿取得部160は、利用管理サーバ50を介してブロードキャスト情報データベースブロードキャスト情報データベース28から時間帯ごとの広告の出稿枠数、及び、装置100のユーザに指定された広告主による広告の出稿数を時間帯ごとに取得し、時間帯ごとの特定の広告主による広告の数/時間が占める出稿枠全体に占める割合を出稿割合として算出してよい。
また、出稿取得部160は、時間帯ごとの広告枠あたりの広告の出稿費用を取得してよい。出稿取得部160は、出稿数、出稿割合、及び/又は出稿費用をユーザから入力を受けることにより取得してよい。出稿取得部160は取得した広告出稿に関する情報を、集計部180、レコメンド部190及び出力部195に供給する。
優先度決定部170は、複数の基準者におけるブロードキャスト情報の利用割合と、指定条件を満たす対象者のブロードキャスト情報の利用割合とに基づいて、複数の時間帯ごとの広告出稿の優先度を決定する。例えば、優先度決定部170は、指定条件を満たす対象者のブロードキャスト情報の利用割合と、複数の比較対象となる基準者におけるブロードキャスト情報の利用割合と、の差の大きさに応じた優先度を付与してよい。優先度決定部170は、算出した優先度を集計部180に供給する。
集計部180は、出稿取得部160から得た出稿数及び出稿割合、及び、優先度決定部170から得た優先度に基づき、優先度ごとに、当該優先度が割り当てられた時間帯に視聴されたブロードキャスト情報に対する出稿枠数及び予め定められた広告の出稿数を集計する。集計部180による具体的な処理内容は後述する。集計部180は、算出した集計結果を、広告効果算出部185及び出力部195に供給する。
広告効果算出部185は、集計部180が集計した放送局26及び優先度ごとの予め定められた広告の出稿数に基づいて、放送局26ごとの広告出稿評価を算出する。また、広告効果算出部185は、ブロードキャスト情報に付帯する指定された一の購入対象に係る広告の広告効果を算出してよい。
更に、広告効果算出部185は、広告効果、及び、広告が付帯するブロードキャスト情報の複数の基準者の利用割合の延べ数に基づいて、広告の出稿効率を算出してよい。広告効果算出部185による具体的な処理内容は後述する。広告効果算出部185は、算出した広告出稿評価及び広告効果を、レコメンド部190及び出力部195に供給する。
レコメンド部190は、放送局26ごとの広告出稿評価、及び、放送局26ごとの広告の出稿費用に基づき、広告の出稿計画の提案を作成する。レコメンド部190は、作成した提案を出力部195に供給する。
出力部195は、装置100の各要素から受け取った処理結果の情報を、装置100に内蔵され、又は、外付けされ、又は、無線接続されたディスプレイに出力して表示させる。例えば、出力部195は、特定部140が特定した、指定条件を満たす対象者が基準者と異なる利用傾向で利用するブロードキャスト情報のブロードキャストの時間帯を識別可能に出力する。
また、出力部195は、広告効果算出部185が算出した広告出稿評価、広告効果、及び/又は、出稿効率を出力してよい。また、例えば、出力部195は、ライブ視聴割合及び録画視聴割合を時間帯ごとに表示してよい。また、例えば、出力部195は、出稿取得部160が取得した予め定められた広告の出稿数及び予め定められた広告の出稿枠に対する出稿割合の少なくとも一方を時間帯ごとに出力してよい。
また、例えば、出力部195は、集計された優先度ごとの出稿数及び出稿割合の少なくとも一方を出力してよい。また、例えば、出力部195は、割合算出部130が算出した期間ごとの利用割合を出力してよい。また、例えば、出力部195は、レコメンド部190が生成した提案を出力してよい。
このように装置100を含むシステム10によると、テレビ番組等の利用履歴と商品等の購入履歴とを対応づけることにより、特定の商品等を購入した対象者が特定のテレビ番組等を視聴する傾向、及び、特定のテレビ番組等の視聴が特定の商品の購入に与える影響等を算出し、装置100のユーザに提示することができる。これにより、装置100によれば、特定の商品等を広告する上で効果的なテレビ番組等をブロードキャストする時間帯を特定し、テレビ番組等に付帯する広告の効果の算出することができる。
なお、システム10に含まれる1又は複数の要素は、複数のコンピュータによる分散システムであってもよい。例えば、履歴管理サーバ46及び利用管理サーバ50は、それぞれ複数のコンピュータにより実現されてもよい。また、システム10に含まれる複数の要素が、1つのコンピュータにより実現されてもよい。例えば、利用管理サーバ50の少なくとも一部の機能と装置100の機能は1つのコンピュータにより実現されてもよい。
図2は、本実施形態に係る装置100の処理フローの一例を示す。装置100は、S110〜S190の処理を実行することにより、ブロードキャスト情報の利用履歴を分析し、広告の評価等を行う。
まず、S110において、条件入力部110は、複数の対象者のうちの一部を指定するための指定条件を入力する。例えば、条件入力部110は、装置100のユーザから装置100の入力インターフェイスを介して、対象者が1又は複数の特定の購入対象(例えば、「ワインa」又は「酒類に分類される飲料」等)を特定の期間に購入したことを指定条件の少なくとも一部として入力する。また、これに加えて/代えて、条件入力部110は、対象者が有すべき属性を指定条件の少なくとも一部として入力する。条件入力部110は、入力された指定条件を履歴取得部120に提供する。
次に、S130において、履歴取得部120は、S110で取得した指定条件を満たす購入履歴を取得する。例えば、履歴取得部120は、履歴管理サーバ46を介して購入履歴データベース44から複数の対象者による複数の購入対象の購入履歴を取得し、複数の購入履歴の中から指定条件を満たす購入履歴に含まれる対象者を特定する。ここで、履歴取得部120の処理の一例を図3の例を用いて説明する。
図3は、購入履歴データベース44に格納される購入履歴の一例を示す。図示するように、購入履歴データベースは、購入対象を購入した対象者の識別情報(図中では購入IDと示す)、購入対象の名称、購入対象の分類、購入対象の製造者、購入対象の購入日時、購入対象の購入金額、及び、購入対象の購入場所を含む購入履歴を、購入機会ごとに格納してよい。
例えば、図3には、購入ID「yy1」で示される対象者が、購入対象「ワインa」を「20xx/xx/xx 15:01」に「700円」で、「スーパーX AA店」で購入したことを表す購入履歴が示される。更に購入履歴データベース44は、対象者の属性データを購入履歴の一部として含んでもよい。購入履歴データベース44は、対象者の購入IDとして、対象者が購入対象の購入時に店舗端末40に読み取らせる会員カードのID等を用いてよい。
S130の処理において、例えば、S110で入力された指定条件が特定の購入対象(例えば、「ワインa」)の購入を含む場合、履歴取得部120は、図3に示す購入履歴データベース44から、特定の購入対象(例えば、「ワインa」)の購入を示す全ての購入履歴に含まれる対象者の購入ID(例えば、「yy1」)を取得してよい。また、購入履歴データベース44が対象者の属性データを含み、指定条件が属性の指定を含む場合、履歴取得部120は、購入履歴データベース44の購入履歴において指定条件で指定された属性を有する全ての対象者の購入IDを取得してよい。
次に、S140において、履歴取得部120は、複数の対象者のうち指定条件を満たす対象者による、ブロードキャスト情報の利用履歴を取得する。例えば、履歴取得部120は、利用管理サーバ50を介して利用履歴データベース52から、複数の視聴装置20に対応する複数の利用履歴を取得し、当該複数の利用履歴から指定条件を満たす対象者に対応付けられた利用履歴を特定し、特定した利用履歴を、指定条件を満たす対象者によるブロードキャスト情報の利用履歴として取得する。ここで、履歴取得部120の処理の一例を図4の例を用いて説明する。
図4は、利用履歴データベース52に格納される利用履歴の一例を示す。図示するように、利用履歴データベース52は、各対象者が視聴する視聴装置20の識別情報(図中では視聴IDと示す)、ブロードキャスト情報をブロードキャストした放送局、ブロードキャスト情報の名称、ブロードキャスト情報に含まれる各コンテンツ(例えば、ニュース番組における導入部分、CM部分又は各CM、及び、各ニュース等)、各コンテンツの開始時刻、各コンテンツの視聴有無、及び、各コンテンツの録画視聴及びライブ視聴の区別を含む利用履歴を格納してよい。
例えば、利用履歴データベース52は、各コンテンツが所定の割合(例えば、50%)以上視聴された場合、当該コンテンツを視聴したことを示す値(例えば「1」)を記録してよい。図4の例では、視聴ID「xx1」に対応する視聴装置20により、20xx年xx月xx日13:00から放送局Aにブロードキャストされる「報道番組xx」の「導入部」、「CM1」、「ニュース2」及び「CM2」が50%以上ライブ視聴により視聴され、「ニュース」が50%未満視聴されたこと(又は全く視聴しなかったこと)を示す。
例えば、利用管理サーバ50は、視聴装置20から受信した視聴装置20の操作情報、操作時刻、及び/又は、視聴時刻等のローデータ等を含む利用情報から、ブロードキャスト情報データベース28に格納された各ブロードキャスト情報のタイムテーブルを参照して、図4に示す利用履歴を生成し、これを利用履歴データベース52に格納してよい。
なお、視聴IDは、視聴装置20を利用する対象者個人に割り当てられた識別情報を含んでもよい。この場合、1つの視聴装置20に対して複数の視聴IDが割り当てられてよい。例えば、視聴装置20が利用中の対象者を特定可能な場合、視聴装置20は対象者ごとに異なる視聴IDを含む利用履歴を、利用管理サーバ50を介して、利用履歴データベース52に記録してよい。
また、利用履歴データベース52は、視聴IDに対応する購入IDを利用履歴の一部として格納してよい。例えば、利用管理サーバ50は、予め、各視聴装置20又は各視聴装置20を視聴する対象者の他の端末から、各視聴装置20を視聴する対象者の購入履歴データベース上の識別情報(例えば、購入ID)を取得し、これを各視聴装置20の視聴IDに対応付けて利用履歴データベース52に格納しておいてよい。
S140の処理において、例えば、履歴取得部120は、図4に示す利用履歴データベース52の利用履歴から、S130で取得した購入ID(例えば、「yy1」)を含む利用履歴に係る利用履歴(例えば、購入ID「yy1」及び視聴ID「xx1」を含む「放送局A」に係る利用履歴)を、指定条件を満たす対象者によるブロードキャスト情報の利用履歴として取得してよい。
次に、S150の処理において、履歴取得部120は、指定条件を満たす対象者の比較対象となる複数の基準者によるブロードキャスト情報の利用履歴を取得する。例えば、履歴取得部120は、利用履歴データベース52の全ての利用履歴、又は、全ての利用履歴から予め定められた割合(例えば、1/10)でランダムに選択した一部の利用履歴を、複数の基準者によるブロードキャスト情報の利用履歴として取得してよい。これに代えて、履歴取得部120は、利用管理サーバ50から視聴率調査会社等が提供する各テレビ番組の視聴率等の情報を取得してもよい。履歴取得部120は、取得した利用履歴等を割合算出部130、広告効果算出部185、及び、レコメンド部190に提供する。
次に、S160において、割合算出部130は、S140で取得した指定条件を満たす対象者の利用履歴に基づいて、指定条件を満たす対象者が各ブロードキャスト情報を利用する利用割合を算出する。例えば、割合算出部130は、S140で取得した利用履歴に含まれる複数の対象者のうち、ブロードキャスト情報を利用した対象者の割合を、時間帯(例えば、特定の月、週、日にち、曜日、時刻帯(一例として、10分、30分、1時間、2時間、3時間、又は6時間等)、または、これらの複数の組み合わせ)ごと、及び、ブロードキャスト情報をブロードキャストする放送局ごとに算出する。
ここで、「ブロードキャスト情報を利用した対象者」とは、利用履歴においてブロードキャスト情報に含まれる1又は複数のコンテンツのうちの予め定められた数又は割合以上を視聴した対象者であってよい。例えば、「ブロードキャスト情報を利用した対象者」は、ブロードキャスト情報に含まれる1以上のコンテンツ、2以上のコンテンツ、過半数以上のコンテンツ、全コンテンツ、又は、予め定められた数又は割合以上のCMに係るコンテンツを視聴した対象者であってよい。
図5は、指定条件を満たす対象者のブロードキャスト情報の利用割合の一例を示す。例えば、図5によると、指定条件を満たす対象者(例えば、「ワインa」を購入した対象者)のうち、「月曜日の5:00〜5:30」の時間帯に放送局Aのブロードキャスト情報をライブ視聴又は録画視聴した対象者の割合は2.40%であり、「金曜日の7:00〜7:30」の時間帯に放送局Aのブロードキャスト情報をライブ視聴又は録画視聴した対象者の割合は10.54%である。割合算出部130は、算出した指定条件を満たす対象者の利用割合を特定部140、及び、優先度決定部170に供給する。
次に、S165において、割合算出部130は、S150で取得した比較対象となる複数の基準者の利用履歴に基づいて、複数の基準者が各ブロードキャスト情報を利用する利用割合を算出する。例えば、割合算出部130は、S150で取得した利用履歴に含まれる複数の基準者のうち、各ブロードキャスト情報を利用する対象者の割合を、時間帯ごと、及び、ブロードキャスト情報をブロードキャストする放送局ごとに算出する。これに代えて、割合算出部130は、履歴取得部120が取得した視聴率の値を、複数の基準者が各ブロードキャスト情報を利用する利用割合として用いてもよい。
図6は、複数の基準者のブロードキャスト情報の利用割合の一例を示す。例えば、図6によると、複数の基準者(例えば、利用履歴データベース52に利用履歴が格納された全ての対象者)のうち、「月曜日の5:00〜5:30」の時間帯に放送局Aのブロードキャスト情報をライブ視聴又は録画視聴した対象者の割合は1.46%であり、「金曜日の7:00〜7:30」の時間帯に放送局Aのブロードキャスト情報をライブ視聴又は録画視聴した対象者の割合は9.41%である。割合算出部130は、算出した複数の基準者による利用割合を特定部140、及び、優先度決定部170に供給する。
次に、S170において、特定部140は、指定条件を満たす対象者が、比較対象となる複数の基準者に対して、異なる利用傾向で利用するブロードキャスト情報のブロードキャストの時間帯を特定する。例えば、特定部140は、ブロードキャスト情報ごとに、指定条件を満たす対象者のブロードキャスト情報の利用割合と、比較対象となる複数の基準者のブロードキャスト情報の利用割合を比較し、指定条件を満たす対象者が、複数の基準者に対して、予め定められた基準以上多く利用するブロードキャスト情報のブロードキャストの時間帯を特定してよい。
一例として、特定部140は、指定条件を満たす対象者の利用割合の複数の基準者の利用割合に対する大きさを示す利用割合比較値(例えば、指定条件を満たす対象者の利用割合を複数の基準者の利用割合で除した除算値又は減じた減算値)が、予め定められた基準(例えば、除算値に対して120%、減算値に対して20%)以上大きい時間帯を特定してよい。これにより、特定部140は、特定の商品を購入等した対象者が一般的な視聴者と比較して視聴する割合が高いテレビ番組等の放送時間帯を特定することができる。
また、例えば、特定部140は、指定条件を満たす対象者の利用割合が複数の基準者による利用割合よりも予め定められた基準以上高いこと(すなわち、利用割合比較値が基準値以上になること)に加え、複数の基準者による利用割合が予め定められた基準(例えば、10%、又は、全放送局の同時間帯の利用割合の平均)よりも高いブロードキャスト情報のブロードキャストの時間帯を特定してもよい。これにより、特定部140は、特定の商品を購入等した対象者が一般的な視聴者と比較して視聴する割合が高く、かつ、視聴率が基準以上のテレビ番組の放送時間帯を特定することができる。
特定部140は、算出した時間帯ごとの利用割合比較値、及び、特定した時間帯を出力部195に供給する。また、特定部140は、比較対象となる複数の基準者のブロードキャスト情報の利用割合、及び、時間帯ごとの利用割合比較値を優先度決定部170に供給する。
次に、S175において、出力部195は、S170で特定部140が特定した時間帯をディスプレイに出力して、ディスプレイ上で識別可能に表示させる。例えば、出力部195は、特定部140が特定した複数の時間帯を含むテーブルを出力し、当該テーブルにおいて当該特定された時間帯をディスプレイ上に識別可能に表示させる。
図7は、出力部195が出力する複数の時間帯を含むテーブルの一例を示す。図示するように、出力部195は、曜日及び30分ごとに区切られた時刻帯を含む複数の時間帯を含むテーブルを出力し、各テーブルにおいて対応する時間帯における利用割合比較値を出力する。例えば、図7によると、「月曜日の5:00〜5:30」の時間帯の放送局Aのブロードキャスト情報の利用割合比較値は164%であり、「金曜日の7:00〜7:30」の時間帯の放送局Aのブロードキャスト情報の利用割合比較値は112%である。
ここで、出力部195は、基準値(例えば120%)よりも高い利用割合比較値を有する時間帯(例えば、月曜5:00〜5:30)が識別可能になるように、基準値未満の利用割合比較値を有する時間帯(例えば、金曜7:00〜7:30)に対して強調等の処理を施して表示してよい。例えば、出力部195は、テーブル上で基準値よりも高い利用割合比較値を有する時間帯について、フォントを太字にする、フォントの大きさを変える、フォントの色を変える、フォントに下線を付す、フォントの種類を変える、背景色又は背景パターンを変える、及び、これらの組み合わせ等を実行することで、当該時間帯を識別可能に出力してよい。
これにより、出力部195は、指定条件を満たす対象者(例えば、ワインaの購入履歴のある対象者)のテレビ番組等の視聴傾向を装置100のユーザにわかりやすく提示できる。例えば、図7によると、平日(特に火水曜日)の朝及び土日曜日において、指定条件を満たす対象者の視聴の割合が比較的高いことが示されている。従って、本例では、装置100により、ワインa又は類似する製品のテレビCMは、平日の朝及び土日曜日の時間帯に出稿することが望ましいことが示される。
広告出稿費用は、当該広告が付帯するブロードキャスト情報の複数の基準者の利用割合の延べ数(例えば、視聴率の延べ数を示すGRP:Gross Rating Point)に、単価を乗じて決定されることがある。ここで、本実施形態の装置100によれば、所定数のGRPの広告を投入する際に、利用割合比較値が低い非効率な時間帯にGRPを消費することを避け、利用割合比較値の高い効率的な時間帯に的を絞ってテレビCM等を出稿することができる。
次に、S180において、装置100は、S160及びS170で算出した利用割合に基づいて、ブロードキャスト情報を放送する各放送局の評価を算出する。また、装置100は、算出した各放送局の評価に基づいて広告の出稿計画の提案を生成してよい。S180の処理の詳細は後述する。
次に、S190において、装置100は、ブロードキャスト情報に付帯する広告ごとの出稿効率を算出する。S190の処理の詳細は後述する。
図8は、本実施形態に係る装置100によるS180の処理の一例を示す。装置100は、図8のS181〜S189の処理にことにより、S180の処理を実行してよい。
まず、S181において、優先度決定部170は、複数の基準者におけるブロードキャスト情報の利用割合と、指定条件を満たす対象者のブロードキャスト情報の利用割合とに基づいて、複数の時間帯ごとのブロードキャスト情報に対する広告出稿の優先度を決定する。例えば、優先度決定部170は、複数の基準者におけるブロードキャスト情報の利用割合、及び、指定条件を満たす対象者のブロードキャスト情報の利用割合に基づいて決定される時間帯ごとの利用割合比較値に基づいて、複数の時間帯ごとのブロードキャスト情報に対する広告出稿の優先度を決定してよい。
図9は、優先度決定部170が優先度を決定する方法の一例を示す。本例において、優先度決定部170は、複数の基準者におけるブロードキャスト情報の利用割合の値を、2つの閾値(例えば、7.15%と2.36%)を用いて「高」、「中」、「低」に分類し、利用割合比較値の値を2つの閾値(例えば、87%と119%)を用いて「高」、「中」、「低」に分類する。
そして、優先度決定部170は、2つの分類結果の組み合わせに基づいて、優先度を決定する。例えば、ある時間帯にブロードキャストされたブロードキャスト情報の複数の基準者による利用割合の値が「高」であり、当該時間帯の利用割合比較値の値が「高」である場合、優先度決定部170は優先度を最も高い「◎」とする。また、利用割合の値及び利用割合比較値のうち一方が「高」で他方が「中」の場合、優先度決定部170は優先度を次に高い「○」とし、利用割合の値及び利用割合比較値のうち一方が「高」で他方が「小」の場合及び両者が「中」の場合、優先度決定部170は、優先度を3番目に高い「△」とし、それ以外の場合、優先度決定部170は、優先度を最低の「×」とする。
図10は、優先度決定部170に決定された時間帯ごとの優先度の一例を示す。図10の例では、優先度決定部170は、図6に示す複数の基準者の利用割合、図7に示す利用割合比較値、及び、図9で説明した優先度決定方法に基づき、複数の時間帯ごとのブロードキャスト情報に対する広告出稿の優先度を決定した結果を示す。図中では、「土曜日の7:00〜7:30」の時間帯が最も優先度が高い「◎」の時間帯であることが示されている。
次にS183において、出稿取得部160は、ブロードキャスト情報に付帯する広告の出稿数を時間帯ごとに取得する。例えば、出稿取得部160は、利用管理サーバ50を介してブロードキャスト情報データベース28から、時間帯ごとの広告(例えば、テレビCM等)の出稿枠数、及び、時間帯ごとの特定の広告(例えば、特定の広告主又は特定の製品に係る広告)の出稿数を取得する。出稿取得部160は、条件入力部110を介して、装置100のユーザから対象となる広告の指定を受け取り、当該指定された広告の出稿数等を取得してよい。
図11は、出稿取得部160が取得する特定の広告の時間帯ごとの出稿数を取得する。図11の例では、各曜日について30分ごとの特定の広告(例えば、ワインaを製造販売する広告主Aによる広告)の出稿数を示す。例えば、図11では、月曜日には5:30〜6:00の枠において1本の広告が出稿され、火曜日には5:30〜6:00に1本、6:30〜7:00の枠において2本の広告が出稿されていることが示されている。出稿取得部160は取得した出稿枠数及び出稿数を、集計部180に供給する。
また、出稿取得部160は、図11に示す出稿数を示すテーブルを出力部195に提供して、出力部195に出力させてよい。また、出稿取得部160は、予め定められた広告の出稿枠に対する出稿割合を時間帯ごとに算出し、時間帯ごとの出稿割合を示すテーブルを出力部195に提供して、出力部195に出力させてよい。
次に、S185において、集計部180は、出稿取得部160から得た出稿数、及び、優先度決定部170から得た優先度に基づき、優先度ごとに、当該優先度が割り当てられた時間帯に視聴されたブロードキャスト情報に対する予め定められた広告の出稿数を集計する。例えば、集計部180は、優先度が◎になる全ての時間帯における、予め定められたテレビCM(例えば、広告主Aによる広告)の出稿数の合計を集計し、優先度○△×についても同様にそれぞれ出稿数を集計する。
また、集計部180は、出稿取得部160から得た出稿枠数、及び、優先度決定部170から得た優先度に基づき、優先度ごとに、当該優先度が割り当てられた時間帯に視聴されたブロードキャスト情報に対する予め定められた広告の出稿枠数を集計する。集計部180は、算出した集計結果を、広告効果算出部185に供給する。例えば、集計部180は、優先度が◎になる全ての時間帯における出稿枠数の合計を集計し、優先度○△×についても同様にそれぞれ出稿枠数を集計する。
次に、S187において、広告効果算出部185は、放送局26及び優先度ごとの予め定められた広告の出稿数及び出稿枠数に基づいて、放送局26ごとの広告出稿評価を算出する。例えば、まず、広告効果算出部185は、各優先度の出稿枠数が占める比率、及び、各優先度の予め定められた広告の出稿数が占める比率を算出する。次に、広告効果算出部185は、優先度ごとに、予め定められた広告の出稿数が占める比率に対する出稿枠数が占める比率の比率を本数効率として算出する。次に、広告効果算出部185は、上位の優先度の本数効率の合計(例えば、上位半分の優先度の本数効率の合計)から、下位の優先度の本数効率の合計(例えば、下位半分の優先度の本数効率の合計)を減じた値を、放送局26の広告出稿評価としてよい。
図12は、広告効果算出部185が算出する広告出稿評価の一例を示す。図12の例では、放送局Aがブロードキャストするブロードキャスト情報に付帯する出稿枠数の合計のうち、優先度◎となる時間帯のブロードキャスト情報に付帯する広告の出稿枠数は33であり出稿枠数合計に占める比率は9.8%であり、優先度○となる時間帯のブロードキャスト情報に付帯する広告の出稿枠数は88であり出稿枠数合計に占める比率は26.2%であり、優先度△となる時間帯のブロードキャスト情報に付帯する広告の出稿枠数は96であり出稿枠数合計に占める比率は28.6%であり、優先度×となる時間帯のブロードキャスト情報に付帯する広告の出稿枠数は119であり出稿枠数合計に占める比率は35.4%である。
また、図12の例では、放送局Aがブロードキャストするブロードキャスト情報に対して特定の広告主(例えば、広告主A)の広告の出稿数の合計のうち、優先度◎となる時間帯のブロードキャスト情報に付帯する広告の出稿数は23であり出稿数合計に占める比率は20.7%であり、優先度○となる時間帯のブロードキャスト情報に付帯する広告の出稿数は34であり出稿数合計に占める比率は30.6%であり、優先度△となる時間帯のブロードキャスト情報に付帯する広告の出稿数は24であり出稿数合計に占める比率は21.6%であり、優先度×となる時間帯のブロードキャスト情報に付帯する広告の出稿数は30であり出稿数合計に占める比率は27.0%である。
図12の例において、優先度◎の本数効率は、優先度◎における出稿数の比率(20.7%)の優先度◎における出稿枠数の比率(9.8%)に対する比率から211.0%と算出され、優先度○の本数効率は、優先度○における出稿数の比率(30.6%)の優先度○における出稿枠数の比率(26.2%)に対する比率から117.0%と算出され、優先度△の本数効率は、優先度△における出稿数の比率(21.6%)の優先度△における出稿枠数の比率(28.6%)に対する比率から75.7%と算出され、優先度×の本数効率は、優先度×における出稿数の比率(27.0%)の優先度×における出稿枠数の比率(35.4%)に対する比率から76.3%と算出される。
従って、図12の例において、広告効果算出部185は、上位2つの優先度(◎及び○)の本数効率の合計(328.0%)から下位2つの優先度(△及び×)の本数効率の合計(152.0%)を減じ、その結果、放送局Aの広告出稿評価を176.0と算出する。広告効果算出部185は、他の放送局26についても同様に広告出稿評価を算出することができる。
なお、広告効果算出部185は、出稿枠数合計に占める各優先度の出稿枠数の比率を算出することに代えて、各優先度ごとに広告の出稿枠が設定されたブロードキャスト情報の複数の基準者の利用割合の延べ数(例えば、広告のGRP)の比率を、各優先度の出稿枠ごとに算出してよい。例えば、図12の例において放送局Aの優先度◎となる時間帯の出稿枠のブロードキャスト情報のGRPが300で、優先度○となる時間帯の出稿枠のブロードキャスト情報のGRPが700で、優先度△となる時間帯の出稿枠のブロードキャスト情報のGRPが500で、優先度×となる時間帯の出稿枠のブロードキャスト情報のGRPが500となる場合、優先度◎の比率は15%で、優先度○の比率は35%で、優先度△と優先度×の比率はそれぞれ25%となる。
また、広告効果算出部185は、出稿数合計に占める各優先度の出稿数の比率を算出することに代えて、各優先度ごとに広告が出稿されたブロードキャスト情報の複数の基準者の利用割合の延べ数(例えば、広告のGRP)の比率を算出してよい。広告効果算出部185は、本数効率(%)の算出と同様の手法により各優先度ごとのGRP効率を算出し、更にGRPに基づいて広告出稿評価を算出してよい。広告効果算出部185は、算出した広告出稿評価をレコメンド部190に供給する。また、広告効果算出部185は、算出した広告出稿評価を出力部195に供給し、出力部195に図12に示す放送局26ごとの広告出稿評価の算出結果を含むテーブルを出力させてよい。
次に、S189において、レコメンド部190は、放送局26ごとの広告出稿評価、及び、放送局26ごとの広告の出稿費用に基づき、広告の出稿計画の提案を作成する。例えば、レコメンド部190は、放送局26ごとの広告出稿評価を放送局26ごとの広告出稿単価で除したコストパフォーマンス値を算出し、予め定められた予算を当該値が大きい放送局26に優先して広告の出稿を配分する出稿計画の提案を作成してよい。また、例えば、レコメンド部190は、コストパフォーマンス値が最大の放送局26に、予め定められた予算を全て配分する出稿計画の提案を作成してよい。レコメンド部190は、生成した提案を出力部195に供給して、出力部195に出力させてよい。
図13は、本実施形態に係る装置100によるS190の処理の一例を示す。装置100は、図13のS192〜S196の処理にことにより、S190の処理を実行してよい。 まず、S192において、条件入力部110は、ブロードキャスト情報に付帯する一の購入対象に係る広告(例えば、ワインaの広告)の指定を入力する。条件入力部110は、広告効果算出部185に提供する。
次に、S194において、広告効果算出部185は、S192で指定された広告の広告効果を算出する。例えば、広告効果算出部185は、複数の対象者のうち、一の購入対象に係る広告を視聴した後に一の購入対象を購入した対象者による平均購入金額と、複数の対象者のうち、一の購入対象に係る広告を視聴せずに一の購入対象を購入した対象者による平均購入金額とに基づいて、一の購入対象に係る広告の広告効果を算出する。
一例として、広告効果算出部185は、購入履歴データベース44から一の購入対象を購入した対象者の購入履歴を取得する。次に、広告効果算出部185は、購入ID等を利用して、購入履歴に含まれる対象者と同一の対象者を含む利用履歴を、利用履歴データベース52から取得する。
そして、広告効果算出部185は、取得した利用履歴を、一の購入対象に係る広告を視聴した又は視聴したと推定される利用履歴と、一の購入対象に係る広告を視聴していない又は視聴していないと推定される利用履歴に分類する。広告効果算出部185は、利用履歴に含まれるブロードキャスト情報中のコンテンツの視聴有無の情報が当該一の購入対象に係る広告の視聴を示すか否かを判断することにより、当該分類を実行してもよい。
次に、広告効果算出部185は、一の購入対象に係る広告を視聴した又は視聴したと推定される利用履歴中の購入IDを有する1又は複数の購入履歴における、一の購入対象の購入金額の平均を、視聴平均購入金額として算出する。同様に、広告効果算出部185は、一の購入対象に係る広告を視聴していない又は視聴していないと推定される利用履歴中の購入IDを有する1又は複数の購入履歴における、一の購入対象の購入金額の平均を、未視聴平均購入金額として算出する。そして、広告効果算出部185は、視聴平均購入金額の未視聴平均購入金額に対する割合を、一の購入対象に係る広告の広告効果として算出してよい。
これにより、広告効果算出部185は、一の購入対象に係る広告により、一の購入対象の販促効果がどの程度あったかを推定することができる。なお、広告効果算出部185は、一の購入対象の購入金額の平均を利用する代わりに、一の購入対象の1回あたり/所定期間内の購入数の平均を利用して、広告効果を算出してもよい。また、広告効果算出部185は、一の購入対象に係る広告を視聴した対象者の当該一の購入対象の購入率(すなわち、広告を視聴した後に購入した対象者の数/広告を視聴した全対象者数)と、一の購入対象に係る広告を未視聴の対象者の当該一の購入対象の購入率(すなわち、広告を未視聴で購入した対象者数/広告を未視聴の全対象者数)との差分又は比率に基づいて、広告効果を算出してもよい。なお、広告効果算出部185は、S194の処理内容の少なくとも一部を履歴管理サーバ46及び/又は利用管理サーバ50に分担させてもよい。
次に、S196において、広告効果算出部185は、S194で算出した広告効果、及び、広告が付帯するブロードキャスト情報の複数の基準者の利用割合の延べ数に基づいて、広告の出稿効率を算出する。例えば、広告効果算出部185は、S194で算出した一の購入対象に係る広告の広告効果を、当該広告が付帯するブロードキャスト情報の複数の基準者の利用割合の延べ数(例えば、当該広告のGRP)により除することにより、出稿効率を算出してよい。広告効果算出部185は、算出した結果を出力部195に供給して、出力部195に出力させてよい。
このように、S110〜S190の処理を実行することにより、装置100は、商品等の購入履歴、及び、テレビ番組の視聴履歴等に基づいて、特定の購入履歴を有する対象者がどのようなテレビ番組の視聴傾向を有するかを特定することができ、また、広告効果の観点からテレビ放送局を評価することができる。更に、装置100によると、特定の広告が当該広告に係る商品等の購入に与える影響、及び、当該広告の出稿効率を算出することができる。
図14は、ライブ視聴割合及び録画視聴割合の算出結果の一例を示す。S110〜S190の処理に加えて、割合算出部130は、指定条件を満たす対象者の利用履歴に基づいて、指定条件を満たす対象者が、テレビ番組をライブ視聴するライブ視聴割合、及び、録画視聴する録画視聴割合を算出してよい。
例えば、図14に示すように、割合算出部130は、指定条件を満たす対象者の利用履歴に含まれるライブ視聴又は録画視聴の種別を示す情報に基づき、指定条件を満たす対象者のテレビ番組の本編のライブ視聴割合、及び、録画視聴割合を算出し、指定条件を満たす対象者のテレビ番組のテレビCMのライブ視聴割合、及び、録画視聴割合を算出してよい。割合算出部130は、指定条件を満たす対象者のテレビ番組の全体におけるライブ視聴割合、及び、録画視聴割合を算出してよい。また、割合算出部130は、ライブ視聴/録画視聴における本編の利用割合に対するCMの視聴割合を、CM注視率として算出してよい。
割合算出部130は、算出結果を出力部195に供給し、出力部195に出力させてよい。これにより、割合算出部130は、特定のテレビ番組等において、ライブ視聴及び録画視聴のそれぞれにおいて、どの程度テレビCMが対象者に到達しているかを提示することができる。
また、割合算出部130は、指定条件を満たす対象者が、テレビ番組をライブ視聴するライブ視聴割合、録画視聴する録画視聴割合、及び/又は、CM注視率を時間帯ごとに算出してよい。そして、割合算出部130は、時間帯ごとの算出結果を出力部195に供給し、出力部195に算出結果をグラフ等で表示させてよい。これにより、装置100は、テレビCMが対象者に到達する程度の時間帯による変化を提示することができる。
図15は、期間ごとの指定条件を満たす対象者の利用割合の一例を示す。S110〜S190の処理に加えて、割合算出部130は、指定条件を満たす対象者が各ブロードキャスト情報を利用する利用割合を期間ごと(例えば、1日、1週、又は1月ごと)に算出してよい。
例えば、図15に示すように割合算出部130は、商品Aを購入した対象者による特定のブロードキャスト情報の利用割合と、商品Bを購入した対象者による特定のブロードキャスト情報の利用割合とを1週間ごとに算出し、これを出力部195に供給して比較可能に表示させてよい。これにより、装置100は、特定の広告主の製品の購入者と競合製品の購入者等の異なる指定条件を満たす対象者による利用割合同士(すなわち、特定のテレビ番組の視聴率等)を比較し、その結果を提供することができる。
図16は、本実施形態に係るコンピュータ1900の構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1900は、装置100として機能する。これに加えて、利用管理サーバ50および/または視聴装置20としてネットワーク22と接続されるコンピュータ、店舗端末40および/または履歴管理サーバ46としてネットワーク42と接続されるコンピュータは、コンピュータ1900と同様の構成を採ってよい。
本実施形態に係るコンピュータ1900は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、及び表示装置2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、及びDVDドライブ2060を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、フラッシュメモリ・ドライブ2050、及び入出力チップ2070を有するレガシー入出力部を備える。
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000及びグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010及びRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示装置2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040、DVDドライブ2060を接続する。通信インターフェイス2030は、有線又は無線によりネットワークを介して他の装置と通信する。また、通信インターフェイスは、通信を行うハードウェアとして機能する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ1900内のCPU2000が使用するプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ2060は、DVD2095からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、フラッシュメモリ・ドライブ2050、及び入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ1900が起動時に実行するブート・プログラム、及び/又は、コンピュータ1900のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フラッシュメモリ・ドライブ2050は、フラッシュメモリ2090からプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、フラッシュメモリ・ドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続するとともに、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、フラッシュメモリ2090、DVD2095、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ1900内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
コンピュータ1900にインストールされ、コンピュータ1900を装置100の少なくとも一部として機能させるプログラムは、条件入力モジュール、履歴取得モジュール、割合算出モジュール、特定モジュール、出稿取得モジュール、優先度決定モジュール、集計モジュール、広告効果算出モジュール、レコメンドモジュール、及び、出力モジュールのうち少なくとも1つを備える。これらのプログラム又はモジュールは、CPU2000等に働きかけて、コンピュータ1900を、条件入力部110、履歴取得部120、割合算出部130、特定部140、出稿取得部160、優先度決定部170、集計部180、広告効果算出部185、レコメンド部190、及び、出力部195としてそれぞれ機能させてよい。
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1900に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段であるCPU2000等に働きかけて、コンピュータ1900を、条件入力部110、履歴取得部120、割合算出部130、特定部140、出稿取得部160、優先度決定部170、集計部180、広告効果算出部185、レコメンド部190、及び、出力部195として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1900の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の装置100が構築される。
一例として、コンピュータ1900と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、フラッシュメモリ2090、又はDVD2095等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置又は通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、DVDドライブ2060(DVD2095)、フラッシュメモリ・ドライブ2050(フラッシュメモリ2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020及び外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。
例えば、装置100の記憶部は、条件入力部110、履歴取得部120、割合算出部130、特定部140、出稿取得部160、優先度決定部170、集計部180、広告効果算出部185、レコメンド部190、及び、出力部195から受け取った及び/又はこれらへ提供するデータを適宜記憶してよい。例えば、記憶部は、条件入力部110が履歴取得部120に供給する指定条件を受け取って記憶してよい。また、記憶部は、集計部180等が算出した集計結果等を記憶してよい。
本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすか否かを判断し、条件が成立した場合(又は不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。
また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU2000は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
また、実施形態の説明において複数の要素が列挙された場合には、列挙された要素以外の要素を用いてもよい。例えば、「Xは、A、B及びCを用いてYを実行する」と記載される場合、Xは、A、B及びCに加え、Dを用いてYを実行してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。