JP6725192B2 - 木質系バイオマスの炭化処理装置 - Google Patents

木質系バイオマスの炭化処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6725192B2
JP6725192B2 JP2016205602A JP2016205602A JP6725192B2 JP 6725192 B2 JP6725192 B2 JP 6725192B2 JP 2016205602 A JP2016205602 A JP 2016205602A JP 2016205602 A JP2016205602 A JP 2016205602A JP 6725192 B2 JP6725192 B2 JP 6725192B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot air
combustion
furnace
carbonization
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016205602A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018065939A (ja
Inventor
秀人 蓬莱
秀人 蓬莱
昌宏 神尾
昌宏 神尾
雄司 今田
雄司 今田
有貴 謝
有貴 謝
裕樹 北野
裕樹 北野
佳孝 姫路
佳孝 姫路
Original Assignee
日工株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日工株式会社 filed Critical 日工株式会社
Priority to JP2016205602A priority Critical patent/JP6725192B2/ja
Publication of JP2018065939A publication Critical patent/JP2018065939A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6725192B2 publication Critical patent/JP6725192B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

Landscapes

  • Coke Industry (AREA)

Description

本発明は、木質系バイオマスを還元雰囲気下で間接加熱することにより炭化処理する木質系バイオマスの炭化処理装置に関する。
近年、地球温暖化防止、資源の有効利用等を目的として、従来であれば山林より未利用材として切り出されて廃棄処分されていた廃木材や間伐材等の木質系バイオマスをチップ化処理し、これをバイオマス燃料としてボイラで燃焼させ、それによって発生させた高圧蒸気でもって蒸気タービンを回転させて発電を行うバイオマス発電システムが注目されている。一方、同じ木質系バイオマスではあっても、例えば山林や公園等の整備に伴って発生し、難利用材とも呼ばれる剪定枝や抜根材、樹皮(バーク)、また建築現場等で発生する端材、或いは建築物の解体現場等で発生する建築廃材等は、大きさや性状等が一様でなく、発熱量にもバラツキがある上、不純物等も混入しやすいため、バイオマス燃料として利用するにはあまり適さず、依然としてその多くが産業廃棄物として有償にて廃棄処分されているのが実情である。
なお、このような難利用材等の木質系バイオマスをそのまま燃焼させるのではなく、例えば炭化炉等を用いて炭化処理を行えば、一定の発熱量に調整できて安定して燃焼させることが可能となり、更にそれを微粉化処理等することでバーナ等の燃料としても利用可能な木炭燃料として回収できると考えられる。しかしながら、あまり多くのコスト(例えば、炭化炉にて使用される重油等の燃料コスト)を掛けてまで前記炭化処理を行うことは現実的ではない。一方、このような問題に関し、例えば特許文献1(特開2012−224677号公報)には、バイオマスの中でも特に含水率が高くそのままでは燃焼させづらい、例えば食品加工残渣や食品廃棄物、家畜糞尿、下水汚泥等の湿潤系バイオマスを処理対象とした湿潤バイオマスの炭化処理システムが記載されている。前記炭化処理システムでは、先ず好気性発酵により前記湿潤系バイオマスを乾燥処理した上で、間接加熱方式の炭化炉へ供給して炭化処理して炭化物として回収する一方、前記炭化炉での炭化処理に伴って発生する揮発成分であるタール成分を燃焼炉にて燃焼分解させると共に、その際に生じる熱風を前記炭化炉の間接加熱源として有効利用するようにし、できるだけ重油等の化石燃料を使用せずに炭化処理するようにしている。
特開2012−224677号公報
しかしながら、上記従来装置では、炭化処理する対象物が食品廃棄物や下水汚泥等の湿潤系バイオマスであるため、高含水状態のままで炭化処理したり、また従来一般的に行われていた比較的高温域で炭化処理したりすると発生するタール量が乏しく、それを全て燃焼分解させて熱風を生じさせても炭化炉の間接加熱源として利用するには熱量的に不足する。したがって、前記不足分を補うべく予め好気性発酵にて乾燥処理し、かつ比較的低温域で炭化処理することによりできるだけ多くのタール成分を発生させるように図っている。
一方、炭化処理する対象物が前記のような木質系バイオマスの場合には、バイオマス中のタール含有量が元々多いため、炭化処理する温度域等にかかわらず比較的多くのタール成分が発生しやすく上記のような熱量不足といった不具合は生じにくい。ただし、多量に発生するタール成分を燃焼炉にて燃焼分解させると場合によっては熱量過多を来たし、それを炭化炉へ間接加熱源として供給すると処理対象である木質系バイオマスの炭化処理温度が高くなり過ぎる。その結果、タール成分が揮発しきってほとんど残っていないような炭化物しか回収されず、例えば比較的高い着火性を求められるバーナ用の木炭燃料等としてはあまり適さないなど、回収される炭化物の用途が限られてしまう懸念がある。なお、燃焼炉から炭化炉へ供給される熱風中へ、例えば外気等を導入して強制的に冷却することにより熱風温度を所望の炭化物を炭化処理するのに適した温度に調整することもできるが、熱エネルギー的に見れば単なる無駄となってしまう。
また、湿潤系バイオマスに対して比較的多くのタール成分を発生しやすい木質系バイオマスであっても、性状が不安定な剪定枝や抜根材、樹皮等の難利用材の場合にはタール成分の発生量が大きく変動することも少なくない。そして、仮に熱風発生炉へ供給されるタール成分が一時的にでも少なくなると燃焼状態を維持できずに失火する可能性もあり、そうなると炭化炉へ熱風を安定して供給できないだけでなく、場合によっては再着火時に炉内に充満したタール成分に引火して爆発するといった不測の事態を招く可能性もある。
本発明は上記の点に鑑み、木質系バイオマスの炭化処理に伴って発生するタール成分量が過剰な場合に余剰熱量分を分離回収してタール燃焼量を調整できると共に、タール成分量が少ない場合でも燃焼状態を維持でき、所望性状の炭化物を炭化処理するのに見合った熱風を安定して供給可能とした木質系バイオマスの炭化処理装置を提供することを課題とする。
本発明に係る請求項1記載の木質系バイオマスの炭化処理装置では、木質系バイオマスを還元雰囲気下で間接加熱して炭化処理する炭化炉と、前記炭化処理に伴って生じる木ガスを予熱バーナを有した燃焼室内に導入し燃焼分解して熱風を発生させる熱風発生炉とを併設し、前記熱風を前記炭化炉へ間接加熱用の熱源として供給するようにした木質系バイオマスの炭化処理装置であって、前記炭化炉と熱風発生炉との間に炭化炉から導出する木ガスと外気供給ファンから供給する外気とを熱交換させて木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収可能とする空冷熱交換器を備えると共に、前記炭化炉内の炭化物温度または熱風発生炉下流の熱風温度を所定温度に維持するように前記外気供給ファンの外気供給量を調整して熱風発生炉でのタール燃焼量を調整制御するタール燃焼量制御器を備える一方、前記熱風発生炉の燃焼室の木ガス導入口付近には木ガス着火用の着火バーナを備え、該着火バーナと前記予熱バーナとを燃焼制御するバーナ燃焼制御器を備えたことを特徴としている。
また、請求項2記載の木質系バイオマスの炭化処理装置では、前記熱風発生炉の燃焼室の接線方向から前記木ガス導入口と燃焼用空気導入口とを接続し、前記燃焼室内に供給した木ガスと燃焼用空気とが合流する領域に前記着火バーナを配置したことを特徴としている。
また、請求項3記載の木質系バイオマスの炭化処理装置では、前記外気供給ファンから空冷熱交換器に供給した外気を前記熱風発生炉内へと導く燃焼用空気供給ダクトを備えたことを特徴としている。
また、請求項4記載の木質系バイオマスの炭化処理装置では、前記燃焼用空気供給ダクトの空冷熱交換器よりも下流側には外気導入口を開閉自在に備え、前記熱風発生炉下流の熱風中の残存酸素濃度が予め設定した下限残存酸素濃度よりも低ければ前記外気導入口を開放させて外気を熱風発生炉へ導入させるようにしたことを特徴としている。
本発明に係る請求項1記載の木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、炭化炉と熱風発生炉との間に炭化炉から導出する木ガスと外気供給ファンから供給する外気とを熱交換させて木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収可能とする空冷熱交換器を備えると共に、前記炭化炉内の炭化物温度または熱風発生炉下流の熱風温度を所定温度に維持するように前記外気供給ファンの外気供給量を調整して熱風発生炉でのタール燃焼量を調整制御するタール燃焼量制御器を備える一方、前記熱風発生炉の燃焼室の木ガス導入口付近には木ガス着火用の着火バーナを備え、該着火バーナと予熱バーナとを燃焼制御するバーナ燃焼制御器を備えたので、木質系バイオマスの炭化処理に伴って発生するタール成分量が過剰な場合に余剰熱量分を分離回収してタール燃焼量を調整できると共に、予熱バーナを消火して自燃状態としたときに着火バーナを点火して木ガス導入口付近に着火用の火種を形成させておけば、例えタール成分量が少ない場合でも燃焼状態を維持でき、木質系バイオマスから所望性状の炭化物を炭化処理するのに見合った温度の熱風を安定して供給でき、例えばタール成分を適度に残すようにして着火性に優れたバーナ用の木炭燃料等に適した炭化物を回収するといったことも可能となる。
また、請求項2記載の木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、熱風発生炉の燃焼室の接線方向から前記木ガス導入口と燃焼用空気導入口とを接続し、前記燃焼室内に供給した木ガスと燃焼用空気とが合流する領域に前記着火バーナを配置したので、木ガスと燃焼用空気とを十分に予混合しながら着火バーナの火炎に直接晒せ、例え木ガス中のタール成分量が少なくなった場合でも燃焼状態を維持でき、炭化炉へ熱風を安定して供給できる。
また、請求項3記載の木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、前記外気供給ファンから空冷熱交換器に供給した外気を前記熱風発生炉内に供給する燃焼用空気供給ダクトを備えたので、木ガスとの熱交換によって昇温した外気をそのまま熱風発生炉の温度調整用や燃焼用空気として無駄なく有効利用でき、熱風発生炉における燃焼効率を効果的に高められる。
また、請求項4記載の木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、前記燃焼用空気供給ダクトの空冷熱交換器よりも下流側には外気導入口を開閉自在に備え、前記熱風発生炉下流の熱風中の残存酸素濃度が予め設定した下限残存酸素濃度よりも低ければ前記外気導入口を開放させて外気を熱風発生炉へ導入させるようにしたので、例え炭化物温度や熱風温度が低くて外気供給ファンから空冷熱交換器に外気が供給されないときや、空冷熱交換器に供給した外気が熱交換により昇温されて熱膨張を生じて酸素濃度の低下を来したときでも、熱風発生炉には木ガスの燃焼に必要とされる酸素量を安定供給でき、不完全燃焼や失火等の不具合を未然に防止できる。
本発明に係る木質系バイオマスの炭化処理装置の一実施例を示す概略説明図である。 図1の炭化処理装置に備えた熱風発生炉の要部拡大図である。 図2の一部を省略したA−A断面図である。 前記炭化処理装置の熱風発生炉におけるバーナ燃焼を制御する際の制御処理手順を示すフローチャートである。 前記炭化処理装置の熱風発生炉におけるタール燃焼量を調整制御する際の制御処理手順を示すフローチャートである。 本発明に係る木質系バイオマスの炭化処理装置にて木質系バイオマスと高含水率の砂を処理して炭化物、タール及び乾燥砂として回収し、アスファルト混合物製造工場にて有効利用を図るようにした説明図である。
本発明に係る木質系バイオマスの炭化処理装置にあっては、木質系バイオマスを還元雰囲気下で間接加熱して炭化処理する炭化炉と、該炭化炉での炭化処理に伴って生じる可燃性の木ガスを予熱バーナを有した略円筒状の燃焼室内に導入し燃焼分解して熱風を発生させる熱風発生炉とを併設し、該熱風発生炉にて発生させた熱風を前記炭化炉へ間接加熱用の熱源として供給するようにする。
また、前記炭化炉と熱風発生炉との間には、炭化炉から導出する木ガスと外気供給ファンから供給する外気とを熱交換させ、木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収する空冷熱交換器を備えると共に、前記炭化炉内の炭化物温度または熱風発生炉下流の熱風温度を所定温度に維持するように前記外気供給ファンの外気供給量を調整して熱風発生炉でのタール燃焼量を調整制御するタール燃焼量制御器を備える。
前記タール燃焼量制御器では、例えば、前記炭化物温度または熱風温度が所望性状の炭化物を炭化処理するのに適した処理温度範囲よりも高ければ相当量の外気を供給し、木ガス温度を低下させて高沸点のタール成分を分離回収し、熱風発生炉内でのタール燃焼による発熱量を減じるようにする。
このとき、炭化物温度と熱風温度との相関性(例えば、相関マップや相関係数等)を予め燃焼試験等を行って求めておくと共に、炭化物温度が上限温度を示すときの熱風温度を前記相関マップや相関係数等から求めて熱風温度の上限温度として前記タール燃焼量制御器に設定登録しておき、熱風温度が前記上限温度より高ければ炭化物温度も同様に上限温度より高いものと判断し、外気供給ファンを稼働させてタール燃焼量を減じるように調整するようにしておくと良い。なお、運転初期時のように、熱風温度は上限温度より高くても炭化物温度がまだ十分に昇温されていないような場合には、外気供給ファンの運転を行わないように手動または自動にて制御するようにすると好ましい。
また、前記熱風発生炉の燃焼室基端部には、例えばA重油等を燃料とし、前記炭化炉内を予熱処理する前記予熱バーナを備えると共に、前記燃焼室の木ガス導入口付近には、例えばLPG等を燃料とし、木ガス着火用の種火程度の火炎を形成させるのに適した小型の着火バーナを備え、該着火バーナと前記予熱バーナとをそれぞれ燃焼制御するバーナ燃焼制御器を備える。
前記バーナ燃焼制御器では、例えば、運転初期時では前記予熱バーナを燃焼して炭化炉内を所定温度に予熱処理する一方、炉内の予熱を完了すれば前記予熱バーナを消火すると共に前記着火バーナを点火燃焼して木ガス導入口付近に火炎(種火)を形成させ、炭化処理中に木ガス導入口から燃焼室内に導入される木ガスをほぼ自燃に近い状態ながら燃焼維持しやすいようにする。
また、前記熱風発生炉の略円筒状の燃焼室の接線方向から前記木ガス導入口と燃焼用空気導入口とをそれぞれ接続し、前記燃焼室内に導入した木ガスと燃焼用空気とが合流する領域に前記着火バーナを配置し、炉内壁に沿って旋回する木ガスと燃焼用空気とを十分に予混合させながら着火バーナの種火に直接晒すようにして着火性を高め、木ガス中のタール成分量に多少のバラツキがあっても燃焼状態を維持しやすいようにすると好ましい。
さらに、前記外気供給ファンから空冷熱交換器に供給して木ガスとの熱交換によって昇温した外気を前記熱風発生炉内へと導く燃焼用空気供給ダクトを備え、昇温した外気を熱風発生炉にて温度調整用や燃焼用空気として利用するようにしても好ましい。
さらにまた、前記燃焼用空気導入ダクトの空冷熱交換器よりも下流側に外気導入口を開閉自在に備え、前記熱風発生炉下流の熱風中の残存酸素濃度が予め設定した下限残存酸素濃度よりも低ければ前記外気導入口を開放させて外気を熱風発生炉へ導入させるようにしても好ましい。
そして、上記構成の木質系バイオマスの炭化処理装置において、例えば難利用材等の木質系バイオマスからバーナ用の木炭燃料等に適した炭化物を炭化処理するときには、先ず、炭化物中にある程度のタール成分が残るような処理温度範囲として、例えば約400〜500℃、またそのときの熱風温度として、例えば約1000℃をそれぞれタール燃焼量制御器に予め設定登録した後、予熱バーナを燃焼して炭化炉内を予熱処理する。炭化炉内の予熱を完了すると前記炭化炉内へ木質系バイオマスを供給し、前記木質系バイオマスの炉出口付近における温度が木ガス発生温度、例えば約400℃以上に達すれば前記予熱バーナを消火すると共に木ガス着火用の着火バーナのみを点火燃焼して定常運転に移行する。そして、前記定常運転下で炭化炉内へ木質系バイオマスを所定量ずつ供給して還元雰囲気下で間接的に加熱しながら炭化処理し、タール成分がある程度残った状態の所望の性状を有する炭化物として回収する。一方、この炭化処理に伴って発生する可燃性のタール成分を含んだ木ガスは、空冷熱交換器を介して前記熱風発生炉の燃焼室へ導入して燃焼分解させ、その際に発生する高温の熱風は前記炭化炉へ間接加熱源として供給する。
このとき、炭化炉内の炭化物温度または熱風発生炉下流の熱風温度が前記設定温度よりも高くなれば、木ガス中のタール成分量は過剰と判断し、前記タール燃焼量制御器は外気供給ファンにて空冷熱交換器へ供給する外気量を増加させ、木ガスからのタール成分の分離回収量を多くし、熱風発生炉でのタール燃焼量を減じるように熱量調整を行う。一方、木質系バイオマスの性状のバラツキ等の影響から、木ガス中のタール成分量が一時的に少なくなった場合でも、燃焼室に接続した木ガス導入口付近に着火バーナの種火を常時形成させ、燃焼室内に導入した木ガスを前記種火に直接晒すように構成しているため、ほぼ自燃に近い状態ながら燃焼維持しやすくて失火等の不具合を回避でき、炭化炉へ間接加熱源である熱風を安定して供給できる。なお、炭化物温度または熱風温度が前記設定値を下回るようであれば、前記予熱バーナを一時的に再燃焼させて不足する熱量を補うようにしても良い。
また、空冷熱交換器に外気供給ファンより供給した外気を燃焼用空気供給ダクトを介して熱風発生炉へ燃焼用空気として供給するようにした場合には、炭化物温度や熱風温度が前記設定温度に満たない間は外気供給ファンからは外気の供給が行われないため熱風発生炉にて酸素不足を来すおそれがある。その場合、熱風発生炉下流に備えた酸素濃度センサにて検出する残存酸素濃度が予め設定した下限残存酸素濃度を下回れば、燃焼用空気供給ダクトの途中に備えた外気導入口を開放させて熱風発生炉内へ外気を導入させ、不完全燃焼や失火等の不具合を回避する。
このように、上記木質系バイオマスの炭化処理装置によれば、前記空冷熱交換器は、タール成分の分離回収による熱風発生炉内の熱量調整、さらには空冷用の外気を利用しての燃焼用空気の供給及び熱風発生炉の温度調整の役目を果たすものであり、これによって熱風温度をコントロールできて所望性状の炭化物を製造できる。また、炭化処理する木質系バイオマスの性状のバラツキ等の影響から、炭化炉でのタール生成量が一時的にでも少なくなった場合、炭化物温度や熱風温度等に基づいて空冷用の外気量を調整する空冷熱交換器では前記各温度が低下するまでの間は木ガスから一定量のタール成分を回収し続けるため、その間はタール成分の回収のし過ぎとなり、場合によっては一時的に熱量不足を来す可能性がある。しかしながら、上記装置によれば、予熱バーナを消火して自燃状態としたときに小型の着火バーナを点火して燃焼室の木ガス導入口付近に着火用の火種を常時形成させ、木ガスを前記着火バーナの種火に直接晒しながら燃焼室内へ導入する構成としているため、燃焼状態を維持しやすくて失火等の不具合を回避でき、炭化炉へ熱風を安定供給できる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図中の1は木質系バイオマスの炭化処理装置であって、例えば難利用材とも呼ばれる剪定枝や抜根材、樹皮等の木質系バイオマスを還元雰囲気下で間接加熱して炭化処理する炭化炉2と、該炭化炉2での炭化処理に伴って生じる可燃性のタール成分を含んだ木ガスを自燃にて燃焼分解させて熱風を発生させる熱風発生炉3とを併設し、これら炭化炉2と熱風発生炉3とを木ガス導出ダクト4及び熱風供給ダクト5にて連結し、前記炭化炉2で生じる木ガスを前記木ガス導出ダクト4を介して熱風発生炉3に供給する一方、前記熱風発生炉3にて発生させた熱風は前記熱風供給ダクト5を介して炭化炉2へ間接加熱源として供給するようにしている。また、前記炭化炉2には間接加熱源として供給した熱風を排気する排気ダクト6を連結している。
前記炭化炉2は、円筒状の鋼板の内壁面に複数の掻き上げ羽根7を周設してなる内筒8を回転自在に傾斜支持し、その一端部には隔壁9を介して木質系バイオマス供給用の供給ホッパ10とスクリューコンベヤ11とを備えている一方、他端部には木質系バイオマスを炭化処理することで生成した炭化物を排出する排出ホッパ12を備えている。
前記排出ホッパ12下部の排出シュート13の途中には開閉ダンパー14を上下に二段備えていると共に、前記排出シュート13の下端部には炭化物排出用のスクリューコンベヤ15を連結しており、排出ホッパ12内に払い出した炭化物を排出する際には、前記各開閉ダンパー14を順次開閉操作させて常に上下何れかの開閉ダンパー14を閉鎖状態に保ちながら排出すると共に、スクリューコンベヤ15内を排出中の炭化物で常時満たすようにすることにより、コンベヤ終端の排出口16からの内筒8内への外気(酸素)の侵入を極力遮断し、内筒8内部を炭化処理に適した還元雰囲気下に維持可能なように図っている。
また、前記スクリューコンベヤ15の途中には水噴射ノズル17を備えており、近傍に設置した貯水タンク18内の冷却水を給水配管19を介して前記水噴射ノズル17に供給し、スクリューコンベヤ15内を流下する高温の炭化物に対して冷却水を所定量ずつ噴射して適度に湿潤・冷却させ、排出した炭化物の飛散や自然発火等の不具合防止を図っている。
図中の20は前記内筒8内に供給した木質系バイオマスを間接加熱する熱風を通過させる外筒であって、内筒8の長手方向の中間部分の外周を適当な隙間間隔を保持して囲うように形成しており、該外筒20の一端部には熱風導入口21を、他端部には熱風排出口22を備え、前記熱風導入口21より導入する熱風は内筒8内の木質系バイオマスの流下方向と並流方向に内筒8外周部に沿って流下する間に内筒8内の木質系バイオマスを間接的に加熱した後、他端部の熱風排出口22より排出するようにしている。また、前記外筒20の内周壁には保温用のキャスター23を周設しており、熱風の保有熱量を内筒8内の木質系バイオマスの加熱に極力有効利用するように図っている。
一方、前記熱風発生炉3は、前記炭化炉2より導出する可燃性のタール成分を含んだ木ガスを木ガス導出ダクト4を介して導入させて燃焼分解する略L字形状の炉本体24を備え、該炉本体24は導入する木ガスが通過するのに約2秒程度以上かかる炉長としており、木質系バイオマスの炭化処理に伴って生じる木ガス中に含まれる可燃性のタール成分や、細かい炭化物等の飛散性未燃分等を高温雰囲気に維持した前記炉本体24内を通過させる間に自燃にて完全に燃焼分解させると共に、その際に生じる高温の熱風を前記熱風供給ダクト5を介して炭化炉2へ間接加熱源として供給するようにしている。また、前記炉本体24の前半部を横置き型の略円筒状の燃焼室25としており、該燃焼室25を含めて炉本体24の内壁面には、図3に示すように、耐熱性のキャスター26を周設し、熱風発生炉3の炉内を高温雰囲気に維持可能としている。
また、前記燃焼室25の基端部には、例えばA重油や灯油等を燃料とし、前記炭化炉2内を予熱処理する予熱バーナ27を備えると共に、前記燃焼室25の木ガス導入口28付近には、例えばLPGやLNG等を燃料とし、木ガス着火用の種火程度の火炎を形成させるのに適した比較的小型の着火バーナ29を備え、前記予熱バーナ27には近傍に設置した燃料油タンク30から燃料油配管31を介してA重油等を供給する一方、前記着火バーナ29にはガスボンベ32からガス供給配管33を介してLPG等を供給するようにしている。
図中の34は、前記予熱バーナ27と着火バーナ29の燃焼を制御するバーナ燃焼制御器であって、例えば、運転初期時等では前記燃料油配管31に介在させた開閉バルブ35を開いて前記予熱バーナ27を燃焼して炭化炉2内を所定温度に予熱処理する一方、炭化炉2内の予熱を完了すれば前記開閉バルブ35を閉じて前記予熱バーナ27を消火すると共に前記ガス供給配管33に介在させた開閉バルブ36を開いて前記着火バーナ29のみを点火燃焼して木ガス導入口28付近に種火を形成し、炭化処理中に前記木ガス導入口28から燃焼室25内に導入する木ガスをほぼ自燃に近い状態ながら安定して燃焼維持しやすいようにしている。
前記予熱バーナ27を燃焼する予熱運転状態から着火バーナ29を単独で燃焼する定常運転状態に移行する契機としては、例えば、炭化炉2内に供給した被炭化処理物である木質系バイオマスの炉出口付近における温度が木ガス発生温度(例えば約400℃)に達したか否か、即ち、熱風発生炉3にて自燃可能な状態になったか否かによって行うと良い。
また、略円筒状の前記燃焼室25の基端側の側面部には、図3に示すように、燃焼室25の接線方向から前記木ガス導入口28と燃焼用空気導入口37とをそれぞれ接続していると共に、前記木ガス導入口28と燃焼用空気導入口37とから前記燃焼室25内に導入した木ガスと燃焼用空気とが合流する領域に前記着火バーナ29を配置しており、燃焼室25の炉内壁に沿って旋回する木ガスと燃焼用空気とを十分に予混合させながら着火バーナ29にて形成する種火に直接晒すようにして着火性を高め、木ガス中のタール成分量に多少のバラツキがあっても、例えば熱量的に若干乏しいような場合でも燃焼状態を安定して維持できるように図っている。
また、前記炭化炉2の内筒8と熱風発生炉3とを連結する木ガス導出ダクト4の途中には、炭化炉2の内筒8から導出する木ガスと外気とを熱交換させ、木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収可能とした空冷熱交換器38を介在させている。
前記空冷熱交換器38は、内部を上・中・下層の三室に分割した縦長のケーシング39内に複数の所定径の鋼管40をその長手方向が垂直方向と略平行になるように配管し、該鋼管40の上端開口部を上層室41a内に開口させる一方、鋼管40の下端開口部を下層室41c内に開口させ、前記木ガス導出ダクト4より前記上層室41a内に導入した木ガスを鋼管40内を流下させて前記下層室41c内へ導出するようにしている。
また、図中の42は外気供給ファンであって、好ましくはインバータ付きとして送風量を可変できるようにすると好ましい。前記外気供給ファン42より供給する外気を前記中層室41b内に導入し、鋼管40中間部の周囲を通過する間に鋼管40内を流下する高温の木ガスを空冷し、高沸点のタール成分の一部を凝縮させて木ガスから分離させ、前記下層室41c底部に設けた回収タンク43に滴下させ、開閉弁44を有した排出管45を介して下位に備えたドラム缶46等にて回収する一方、タール成分の一部を分離除去した木ガスは下流側の木ガス導出ダクト4から熱風発生炉3へと送り出すようにしている。また、外気供給ファン42より中層室41b内に供給して木ガスとの熱交換によって昇温した外気は、基端部を中層室41bに連結した燃焼用空気供給ダクト47を介して前記熱風発生炉3へ燃焼用空気として供給するようにしている。
また、前記燃焼用空気供給ダクト47の途中には外気導入口48を備えていると共に、該外気導入口48は開閉ダンパー49にて開度調整自在としており、該開閉ダンパー49を開放操作した場合には、前記外気導入口48より適宜量の外気が燃焼用空気供給ダクト47を介して熱風発生炉3へと導入されるようにしている。
また、前記炭化炉2の内筒8の内部には、炉内の炭化物温度を検出する熱電対等の炭化物温度センサ50を備えている。前記炭化物温度センサ50は、単体でも複数でも良いが、少なくとも炉内の炭化物の炭化処理が完了する内筒8終端部付近に備えるようにすると好ましい。また、回転体である内筒8の外周面には前記炭化物温度センサ50にて検出した炭化物温度の信号データを取り込んで無線送信する送信機51を固着している一方、内筒8から離間した地上面等には前記送信機51より送信される前記信号データを非接触にて受信する受信機52を設置していると共に、該受信機52にて受信した炭化物温度の信号データを後述するタール燃焼量制御器及びバーナ燃焼制御器34へ逐次出力するように構成した無線テレメータ装置53を備えている。なお、内筒8に備える炭化物温度センサ50としては、前記熱電対に代えて非接触にて炭化物温度を検出可能な放射温度計等も採用できるが、炭化処理に伴って内筒8内に充満するダスト等の影響による測定誤差の可能性を考慮すると本実施例のような熱電対等で炭化物温度を直接測定する方がより好ましい。
また、前記熱風発生炉3下流側の熱風供給ダクト5の途中には、熱風発生炉3より導出する熱風温度を検出する熱風温度センサ54と、熱風中の残存酸素濃度を検出する酸素濃度センサ55とを備えている。
図中の56は、炭化炉2より導出する木ガスから余剰熱量分のタール成分を分離回収して熱風発生炉3でのタール燃焼量を減じるように調整制御するタール燃焼量制御器であって、前記炭化物温度センサ50にて検出する炭化物温度や、前記熱風温度センサ54にて検出する熱風温度、前記酸素濃度センサ55にて検出する残存酸素濃度等の各検出データを取り込み、かつ各種機器への操作・制御信号を出力する入出力部57と、予め設定登録される各種の設定値を記憶格納する設定記憶部58と、これら各検出データと設定値とを比較演算し、その演算結果に基づいて各種の制御を実行する制御部59とを備えている。
前記設定記憶部58には、例えば所望性状の炭化物を炭化処理するのに適した処理温度範囲に対し、例えばその上限値である上限炭化物温度や、炭化炉2より導出する木ガスを自燃にて必要最小限度の酸素濃度で完全燃焼させたときの排ガス中に残存する残存酸素濃度である下限残存酸素濃度等を予め設定登録している。一方、前記制御部59では、前記炭化物温度センサ50にて検出する炭化物温度が、前記設定記憶部58に予め設定登録した上限炭化物温度より高いと判断すれば、前記空冷熱交換器38の外気供給ファン42を稼働させて前記ケーシング39の中層室41b内へ外気を供給し、鋼管40内を流下する木ガスから余剰熱量分のタール成分を分離回収し、熱風発生炉3でのタール燃焼量を減じるように調整制御している。
なお、炭化炉2の内筒8内の炭化物温度に基づいて間接加熱源である上流側の熱風発生炉3からの熱風温度を調整すべく、更に上流側に位置する空冷熱交換器38にて木ガス中のタール量を調整するようにすると、どうしても制御遅れが生じやすいため、炭化物温度に代えて間接加熱源である熱風温度に基づいて木ガス中のタール量を調整するようにした方が制御遅れを抑制できてより好ましいものとなる。
このとき、炭化物温度と間接加熱源である熱風温度との相関性を予め燃焼試験等を行って求めておくと共に、炭化物温度が上限温度を示すときの熱風温度を上限熱風温度として設定記憶部58に設定登録しておき、熱風温度センサ54にて検出する熱風温度が前記上限熱風温度より高ければ炭化物温度も同様に上限温度より高いものと判断し、外気供給ファン42を稼働させて空冷熱交換器38に外気を供給して木ガス中の余剰熱量分のタール成分を分離回収し、熱風発生炉3でのタール燃焼量を減じるような制御を行うようにしておくと良い。
なお、上記の場合でも、炭化物温度センサ50にて検出する炭化物温度も一緒に取り込んで参考値等としてモニタリングするようにしても良く、また例えば運転初期時のように、熱風温度だけが上限温度より高く、炭化物温度がまだ十分に高くなっておらず、仮にこのままタール燃焼量を減じると炭化処理の不十分な炭化物を排出してしまうおそれのあるときに限り、外気供給ファン42の稼働を行わないように手動または自動にて制御するようにするとより好ましいものとなる。
また、前記熱風発生炉3に自燃用の燃焼用空気を供給する燃焼用空気供給ファン等を別途備え、前記外気供給ファン42より空冷熱交換器38に供給した外気を大気放出させるようにしても良いが、本実施例のように、木ガスとの熱交換によって昇温した外気を燃焼用空気供給ダクト47を介して熱風発生炉3へ供給して自燃用の燃焼用空気として利用するようにすれば、効果的に燃焼効率を高めることが可能となる。
ただし、この場合、例えば前記炭化物温度や熱風温度が予め設定した上限炭化物温度や上限熱風温度に満たなければ、前記タール燃焼量制御器56では余剰熱量が無いものと判断して前記外気供給ファン42を稼働させず、外気の供給を行わないような制御を行うため、熱風発生炉3には燃焼用空気は供給されずに酸素濃度不足を生じ、また例え外気供給ファン42の稼働条件が揃って外気を供給した場合でも、この外気は高温の木ガスとの熱交換によって昇温されることで熱膨張し、単位空気量あたりの酸素量(酸素濃度)が低下してやはり酸素濃度不足を生じ、場合によっては不完全燃焼や失火等を来すおそれがあるが、タール燃焼量制御器56では酸素濃度センサ55にて検出する熱風中の残存酸素濃度を逐次取り込み、それが予め設定した下限残存酸素濃度よりも低い場合には酸素濃度不足と判断し、熱風温度や炭化物温度にかかわらず前記外気導入口48の開閉ダンパー49を開放させ、常温の外気を熱風発生炉3内へ導入させるようにしている。
なお、前記木ガス導出ダクト4の途中を分岐させ、一方を前記空冷熱交換器38に連結する一方、他方を空冷熱交換器38へ通さずにバイパスダクト60として下流側の木ガス導出ダクト4に連結し、各ダクトの途中には切替ダンパー61、62を開閉自在に備えるようにしても良く、例えば熱風温度が上限熱風温度に満たない場合や、空冷熱交換器38の鋼管40内部に付着するタール成分を取り除くなどのメンテナンスを行う場合には、各切替ダンパー61、62を開閉制御して木ガスをバイパスダクト60側に流下させるようにすると良い。
また、前記炭化炉2の外筒20内に間接加熱源として供給した熱風は、熱風排出口22より排出する時点においてもなお相当な熱量を保有しており、例えば、前記排気ダクト6の途中に炭化処理前の木質系バイオマスを乾燥処理する乾燥炉等を備え、該乾燥炉に前記排ガスを供給するようにすれば、排ガスの保有熱量をより無駄なく有効利用可能となる。また、前記乾燥炉に代えて、例えばアスファルト混合物の素材である砂を乾燥処理する砂ドライヤを介在させるようにしても、前記同様に排ガスの保有熱量を有効利用できる。
そして、上記構成の木質系バイオマスの炭化処理装置1を使用して、例えば難利用材等の木質系バイオマスからバーナ用の木炭燃料等に適した炭化物を炭化処理するときには、先ず、炭化物中にある程度のタール成分が残るような処理温度範囲(例えば約400〜500℃)を燃焼試験等により予め求め、その上限値(例えば500℃)を上限炭化物温度とし、またそのときの熱風温度(例えば約1000℃)を上限熱風温度とし、下限残存酸素濃度と共に前記タール燃焼量制御器56の設定記憶部58に設定登録する。また、熱風発生炉3にて予熱バーナ27を燃焼する予熱運転から着火バーナ29を単独燃焼する定常運転への移行契機となる木質系バイオマスの木ガス発生温度(例えば約400℃)を前記バーナ燃焼制御器34に設定登録する。
そして、バーナ燃焼制御器34では、図4のフローチャートにて示すように、先ず、予熱バーナ27を点火して予熱運転を行い(S1)、炭化炉2内の予熱を完了すると前記炭化炉2内へ木質系バイオマスを供給する。そして、前記炭化炉2出口付近に備えた炭化物温度センサ50にて検出する炭化物温度を取り込み(S2)、前記炭化物温度と予め設定登録した木ガス発生温度とを比較し(S3)、炭化物温度が木ガス発生温度未満であればS2に戻り、炭化物温度が木ガス発生温度以上に達すれば(熱風発生炉3にて自燃可能な状態となれば)、予熱バーナ27を消火すると共に(S4)、木ガス着火用の着火バーナ29のみを点火して定常運転に移行する(S5)。
次いで、前記定常運転下では、前記炭化炉2内へ木質系バイオマスを所定量ずつ供給し、複数の掻き上げ羽根7によって掻き上げながら流下する間に熱風発生炉3より外筒20内に供給する高温の熱風により間接的にかつ還元雰囲気下で上記温度まで加熱し、徐々に炭化処理していってタール成分がある程度残った状態の炭化物として排出ホッパ12より排出する。前記排出ホッパ12に排出した炭化物は、スクリューコンベヤ15にて順次送り出す間に水噴射ノズル17より噴射する冷却水によって適度に湿潤・冷却し、飛散や自然発火等のおそれがないように処理した上で回収する。
また、上記定常運転中においてもバーナ燃焼制御器34では、前記同様に、前記炭化物温度センサ50にて検出する炭化物温度を逐次取り込み(S6)、前記炭化物温度と前記木ガス発生温度とを比較し(S7)、炭化物温度が木ガス発生温度未満であれば着火バーナ29を消火し(S8)、S1に戻って予熱バーナ27を再点火させる一方、炭化物温度が木ガス発生温度以上を維持しておれば、運転を終了するか否かを判断し(S9)、終了する場合は着火バーナ29を消火し(S10)、ENDに進み、運転を継続する場合には再びS6に戻るといった制御を行う。
一方、この炭化処理に伴って発生する可燃性のタール成分を含んだ木ガスは、木ガス導出ダクト4を介して熱風発生炉3の燃焼室25へと供給して自燃にて燃焼分解し、その際に発生する高温の熱風は前記炭化炉2へ間接加熱源として供給する。
このとき、タール燃焼量制御器56では、図5のフローチャートにて示すように、熱風温度センサ54にて検出する熱風温度を逐次取り込み(S11)、この熱風温度と予め設定登録した上限熱風温度とを比較し(S12)、仮に熱風温度の方が上限熱風温度よりも高いと判断すれば、外気供給ファン42を稼働させて空冷熱交換器38に外気を供給し(S13)、木ガスから余剰熱量分のタール成分を分離回収して熱風発生炉3でのタール燃焼量を減じる一方、木質系バイオマスの性状のバラツキ等の影響から木ガス中のタール成分量が一時的に少なくなり、熱量不足から前記熱風温度が上限熱風温度に満たなければ、外気供給ファン42を停止して空冷熱交換器38への外気の供給を停止する(S14)。
この場合、熱風発生炉3に供給する木ガスの着火性は比較的低い状態ではあるものの、燃焼室25内に着火バーナ29の種火を常時形成させ、前記木ガスを前記種火に直接晒すように供給する構成としているため、燃焼維持しやすくて失火等の不具合を回避できる。
次いで、熱風発生炉3下流の酸素濃度センサ55にて検出する熱風中の残存酸素濃度を取り込み(S15)、この残存酸素濃度と予め設定登録した下限残存酸素濃度とを比較し(S16)、仮に残存酸素濃度の方が下限残存酸素濃度よりも高いと判断すれば、外気導入口48の開閉ダンパー49を閉鎖する一方(S17)、残存酸素濃度が下限残存酸素濃度を下回れば、外気導入口48の開閉ダンパー49を開放し(S18)、熱風発生炉3内部へ常温の外気を導入させて不完全燃焼や失火等の不具合を防止する。そして、運転を終了するか否かを判断し(S19)、終了する場合にはENDへ進む一方、運転を続ける場合には再びS11に戻るといった制御を実行する。
なお、上記実施例では上限熱風温度を設定し、熱風温度がその上限温度よりも高くなれば、外気供給ファン42を稼働させて空冷熱交換器38に外気を供給するようにしたが、前記外気供給ファン42の送風量を可変とし、炭化炉2内の炭化物温度または熱風発生炉3下流の熱風温度を所定温度に維持するように外気供給ファン42の供給する外気量を調整するようにすると好ましい。また、残存酸素濃度が下限残存酸素濃度を下回れば、外気導入口48の開閉ダンパー49の開度を微調整しながら外気を取り込むようにすると好ましい。
このように、本発明の木質系バイオマスの炭化処理装置1では、例えば、図6に示すように、森林や公園等から排出される難利用材等の木質系バイオマスと、砕石場から産出される高含水率の砂とを受け入れ、木質系バイオマスは炭化処理することで有用な、例えばバーナ用の木炭燃料や、アスファルト増量材となるタールとして回収できると共に、炭化処理時の排熱を利用しながら高含水率の砂を乾燥処理して利用しやすい乾燥砂として回収できる。そして、これら回収した木炭燃料やタール、乾燥砂は、例えばアスファルト混合物製造工場に供給することにより、アスファルト混合物を製造する際の材料の一部や燃料として有効に利用することができ、従来使い道がなく廃棄処分されていた剪定枝や抜根材、樹皮等の難利用材の利用用途を確立でき、林業の活性化に大きく寄与できるものとなる。一方、アスファルト混合物製造業においても、材料や燃料の一部を代替できて低コスト化が図れ、また前記燃料は木質系バイオマス由来のものであるため、カーボンニュートラルに基づくCO2の削減も期待できるものとなって好適である。
本発明は、剪定枝や抜根材、樹皮等の難利用材を含め、各種の木質系バイオマスの炭化処理装置として広く利用できる。
1…木質系バイオマスの炭化処理装置
2…炭化炉 3…熱風発生炉
4…木ガス導出ダクト 5…熱風供給ダクト
6…排気ダクト 8…内筒
20…外筒 24…炉本体
25…燃焼室 27…予熱バーナ
28…木ガス導入口 29…着火バーナ
34…バーナ燃焼制御器 37…燃焼用空気導入口
38…空冷熱交換器 40…鋼管
42…外気供給ファン 43…回収タンク
47…燃焼用空気供給ダクト 48…外気導入口
49…開閉ダンパー 50…炭化物温度センサ
54…熱風温度センサ 55…酸素濃度センサ
56…タール燃焼量制御器

Claims (4)

  1. 木質系バイオマスを還元雰囲気下で間接加熱して炭化処理する炭化炉と、前記炭化処理に伴って生じる木ガスを予熱バーナを有した燃焼室内に導入し燃焼分解して熱風を発生させる熱風発生炉とを併設し、前記熱風を前記炭化炉へ間接加熱用の熱源として供給するようにした木質系バイオマスの炭化処理装置であって、前記炭化炉と熱風発生炉との間に炭化炉から導出する木ガスと外気供給ファンから供給する外気とを熱交換させて木ガス中に含まれる高沸点のタール成分の一部を凝縮させて分離回収可能とする空冷熱交換器を備えると共に、前記炭化炉内の炭化物温度または熱風発生炉下流の熱風温度を所定温度に維持するように前記外気供給ファンの外気供給量を調整して熱風発生炉でのタール燃焼量を調整制御するタール燃焼量制御器を備える一方、前記熱風発生炉の燃焼室の木ガス導入口付近には木ガス着火用の着火バーナを備え、該着火バーナと前記予熱バーナとを燃焼制御するバーナ燃焼制御器を備えたことを特徴とする木質系バイオマスの炭化処理装置。
  2. 請求項1記載の木質系バイオマスの炭化処理装置において、前記熱風発生炉の燃焼室の接線方向から前記木ガス導入口と燃焼用空気導入口とを接続し、前記燃焼室内に供給した木ガスと燃焼用空気とが合流する領域に前記着火バーナを配置したことを特徴とする木質系バイオマスの炭化処理装置。
  3. 請求項1または2記載の木質系バイオマスの炭化処理装置において、前記外気供給ファンから空冷熱交換器に供給した外気を前記熱風発生炉内へと導く燃焼用空気供給ダクトを備えたことを特徴とする木質系バイオマスの炭化処理装置。
  4. 請求項3記載の木質系バイオマスの炭化処理装置において、前記燃焼用空気供給ダクトの空冷熱交換器よりも下流側には外気導入口を開閉自在に備え、前記熱風発生炉下流の熱風中の残存酸素濃度が予め設定した下限残存酸素濃度よりも低ければ前記外気導入口を開放させて外気を熱風発生炉へ導入させるようにしたことを特徴とする木質系バイオマスの炭化処理装置。
JP2016205602A 2016-10-20 2016-10-20 木質系バイオマスの炭化処理装置 Active JP6725192B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016205602A JP6725192B2 (ja) 2016-10-20 2016-10-20 木質系バイオマスの炭化処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016205602A JP6725192B2 (ja) 2016-10-20 2016-10-20 木質系バイオマスの炭化処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018065939A JP2018065939A (ja) 2018-04-26
JP6725192B2 true JP6725192B2 (ja) 2020-07-15

Family

ID=62085712

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016205602A Active JP6725192B2 (ja) 2016-10-20 2016-10-20 木質系バイオマスの炭化処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6725192B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4130826B2 (ja) * 2005-04-26 2008-08-06 ハイウッド株式会社 燃料用成形木炭の製造方法
JP2010242035A (ja) * 2009-04-10 2010-10-28 Jfe Steel Corp バイオマス炭の製造方法
JP5729997B2 (ja) * 2010-12-15 2015-06-03 前田道路株式会社 木質タール製造装置および方法
JP5906348B1 (ja) * 2015-08-24 2016-04-20 春男 上原 半炭化物製造装置及び発電システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018065939A (ja) 2018-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6813249B2 (ja) 木質系バイオマスの炭化処理装置及び炭化処理方法
CA2101263C (en) Controlled clean-emission biomass gasification heating system/method
JP4008414B2 (ja) 無煙式多孔質炭の製造方法及びその製造装置
JP2016099023A (ja) バイオマス燃焼装置
JPH10185139A (ja) 廃棄物質からガスを発生させて利用するための方法と装置
CN101691493A (zh) 一种外燃内热式煤干馏炉
US20180112868A1 (en) Smokeless incinerator and system using same
JP6690877B2 (ja) 木質系バイオマスの炭化処理装置
JP2008088310A (ja) 高温炭化方法および高温炭化装置
JP2007163078A (ja) 廃棄物処理方法及び装置
JP2006152193A (ja) ガス化処理方法とその装置
JP6725192B2 (ja) 木質系バイオマスの炭化処理装置
JP2004277464A (ja) 有機物含有汚泥の炭化処理装置
CN101691492A (zh) 一种煤干馏工艺
JP4373263B2 (ja) 有機物含有汚泥の炭化処理方法
JP2006193622A (ja) 炭化製品及びその製造方法
KR20100131739A (ko) 왕겨 탄화 장치
JP7231528B2 (ja) バッチ式炭化装置
JP5227749B2 (ja) バイオマス発電施設にて発生する熱を利用したアスファルトプラントおよび骨材加熱乾燥方法
JPH08157832A (ja) 竹材等の処理方法
JP2004277465A (ja) 有機物含有汚泥の炭化処理装置
JP3921169B2 (ja) コークス乾式消火方法
JP4309240B2 (ja) 廃棄物ガス化燃焼システム
JP2004277551A (ja) 熱分解ガス配管
JP3477572B2 (ja) 炭化炉を兼ねたストーブ及びボイラー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200624

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200624

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6725192

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250