以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
図1は、一実施例による収容体1が開いた状態を概略的に示す図であり、(A)は、斜視図であり、(B)は、正面図であり、(C)は、側面図である。図2は、図1に示す収容体1の本体部が折られた状態を概略的に示す図であり、(A)は、斜視図であり、(B)は、正面図であり、(C)は、側面図である。図3は、図1に示す収容体1が閉じた状態を概略的に示す図であり、(A)は、斜視図であり、(B)は、正面図であり、(C)は、側面図である。尚、図1乃至図3は、概略図であるため、見易さの観点から、幾つかの部材の板厚の表現は省略されている。これについては、他の図(図4等)も同様である。また、図1乃至図3では、見易さの観点から、表示デバイス2が収容されていない状態を示し、従って、後述の保護カバー600についても図示されていない。
以下では、右利き用のユーザのための収容体1の構成について説明する。左利き用の収容体の構成については、右利き用のユーザのための収容体1の構成と同一であってもよいし、肩掛バンド150の本体部120への取り付き方が左右対称であってよい。以下では、便宜上、上下方向、前後方向、及び、左右方向については、図1(A)に示すように定義する。これらの上下方向、前後方向、及び、左右方向は、斜め肩掛けした収容体1をお腹側に保持するユーザ(図16(A)参照)から見た方向に対応する。また、本体部材100に関する"上下方向"については、図1(A)に示す状態(収容体1の本体部が折られていない状態)を基準とする。また、展開部材200に関する"前後方向"及び"上下方向"については、収容体1が開いた状態(展開部材200が展開位置にある状態)を基準とする。
収容体1は、斜め肩掛けにて携帯可能である。収容体1は、斜め肩掛け可能なバックの形態(例えば、ボディーバックと称される形態)を有する。収容体1には、表示デバイス2(図16(B)参照)が取り外し可能に収容される。取り外し可能な収容方法については後述する。表示デバイス2は、任意であるが、例えばタブレット端末のような、平面状の表示デバイスが好適である。即ち、ノート型のパーソナルコンピューターのような表示面が本体部に対して折畳み可能なデバイスではなく、通常状態で表示面が露出されているデバイスが好適である。また、表示デバイス2としては、表示面がタッチパネルにより形成されるデバイスが好適である。
収容体1は、複数種類の表示デバイス2を選択的に収容可能であってよい。例えば、表示デバイス2は、種類に応じてサイズが異なる場合がある。このため、収容体1は、サイズの異なる表示デバイス2を収容できる仕組みを有してよい。この仕組みについては後述する。収容体1は、直接収容してもよいが、好ましくは、表示デバイス2が保護カバー600内に入った状態で表示デバイス2を収容する。以下では、収容体1が保護カバー600を有する例について説明する。保護カバー600については後述する。
収容体1は、本体部材100と、展開部材200と、支持部材300とを含む。
本体部材100は、本体部120と、肩掛バンド150とを含む。
本体部120は、収容体1を斜め肩掛けしたユーザの身体(お腹又は背中)に後側表面がほぼ密着する部位を含む。従って、本体部120は、好ましくは、汗による湿気対策としてウレタン等のクッション材を含む。また、本体部120の前側表面は、表示デバイス2を収容した収容体1が閉じた状態では、表示デバイス2の表示面側に対向する。
本体部120は、上下方向で3つのセクション、即ち本体下側部(第1本体部の一例)122と、本体中間部(第2本体部の一例)124と、本体上側部(第3本体部の一例)126とを含む。本体下側部122及び本体中間部124の高さ方向の長さの合計は、展開部材200の前後方向の長さに対応する。
本体中間部124は、折れ線L1に沿って、本体下側部122に対して前方に折り返し可能(折り曲がり可能)に形成される。同様に、本体上側部126は、折れ線L2に沿って、本体中間部124に対して前方に折り返し可能に形成される。本体下側部122、本体中間部124、及び本体上側部126のそれぞれは、別々の芯材122a,124a,126aを含んでよい。本体部120は、例えば、芯材122a,124a,126aをナイロン素材により包み込むことにより形成される。この場合、芯材122a及び124aの間に、折れ線L1に沿って折り返し可能な低剛性部が形成され、芯材124a及び126aの間に、折れ線L2に沿って折り返し可能な低剛性部が形成される。
本体部120は、3つ状態(第1乃至第3状態)を形成できる。第1状態は、図1に示すように、本体中間部124及び本体上側部126が折り返されていない状態であり、以下、「本体部120の非折り曲げ状態」とも称する。第2状態は、図2に示すように、本体部120が折られた状態であり、以下、「本体部120の折り曲げ状態」とも称する。尚、本体部120の折り曲げ状態では、本体中間部124が、折れ線L1に沿って本体下側部122に対して前方に折り返されるが、本体上側部126と本体中間部124との間は折り返されない。第3状態は、図3に示すように、収容体1が閉じた状態である。収容体1が閉じた状態では、本体上側部126は、折れ線L2に沿って本体中間部124に対して前方に折り返されるが、本体中間部124と本体下側部122との間は折り返されない。収容体1が閉じた状態では、本体上側部126は、図3に示すように、展開部材200を本体中間部124との間に挟む態様で折り返される。
本体上側部126の上部には、バックル部(保持部材の一例)800が設けられる。バックル部800は、雄型であってよい。バックル部800は、図3に示す収容体1が閉じた状態において、展開部材200側に設けられる雌型のバックル部(保持部材の一例)802と結合される。尚、バックル800,802の雄型及び雌型は逆であってもよい。また、バックル800,802に代えて、他の結合部材(例えば、スナップ、ボタン等)が使用されてもよい。
また、本体中間部124の後側表面には、面ファスナー804が設けられる。面ファスナー804は、マジックテープ(Magic Tape)(登録商標)やベルクロ(Velcro)(登録商標)であってよい。これは、後述する他の面ファスナー806等についても同様である。面ファスナー804は、本体部120の非折り曲げ状態では、肩掛バンド150側の対応する位置に設けられる面ファスナー806に結合される。尚、結合しあう面ファスナー804、806は、いずれか一方が雄型(フック)であり他方が雌型(ループ)であるが、いずれが雄型であってもよい。これは、後述の、結合し合う他の面ファスナーの組についても同様である。
肩掛バンド150は、斜め肩掛け用のバンドであり、両端が本体部120に接続される。例えば、図1に示すように、肩掛バンド150は、一端が本体部120の左上側に接続され、他端が本体部120の右下側に接続される。この接続方法は、任意であるが、例えば縫い付け等により実現されてよい。本体部120の左上側の接続箇所は、図1(C)に示すように、本体下側部122の上部である。これにより、図2に示す本体部120の折り曲げ状態を形成する際に、肩掛バンド150が邪魔にならない。
図1に示す例では、肩掛バンド150は、幅広バンド151と、調整バンド154とを含む。幅広バンド151には、例えばクッション部等の緩衝材が設けられてもよい。調整バンド154は、折り返し部155で折り返すことが可能であり、折り返す長さを変化させることで、肩掛バンド150の長さが調整可能となる。調整バンド154の先端には、調整バンド154の先端のぶらつきを防止するためのぶらつき防止機構700が設けられる。ぶらつき防止機構700の機能は後述する。
展開部材200は、表示デバイス2の表示面の反対側の面を支持する板状の部位202を含む。板状の部位202の大きさ(左右方向及び前後方向の各寸法)は、表示デバイス2の外形サイズ(複数種類の表示デバイス2を選択的に収容可能な場合はその最大サイズ)と同じ又はそれよりも若干大きくてもよい。展開部材200は、表示デバイス2を安定的に支持できるような剛性の比較的高い部材である。展開部材200は、例えば、プラスティック板等の固い板をナイロン素材により包み込むことにより形成される。
展開部材200は、好ましくは、開口部203が設けられる。開口部203は、載置される表示デバイス2のカメラのレンズに対応する位置に形成される。載置される表示デバイス2の種類が複数想定される場合、開口部203は、展開部材200の必要な剛性が確保される場合は、全ての種類の表示デバイス2のカメラ位置をカバーできる比較的広い範囲に形成されてよい。開口部203は、好ましくは、収容体1が閉じた状態で展開部材200における本体上側部126にカバーされる領域R1(図3(C)参照)内に形成される。これにより、収容体1が閉じた状態において、本体上側部126が開口部203を塞ぐので、本体上側部126により表示デバイス2を保護できる。また、開口部203から例えば雨や泥など異物が保護カバー600内に入り込むことを防止できる。
展開部材200の上側表面には、表示デバイス2を内部に収容して保護する保護カバー600(図11乃至図14参照)が取り外し可能に設けられる。図1に示す例では、展開部材200の上側表面には、左右方向に長い2つの面ファスナー808,810が前後方向に隣接して設けられる。保護カバー600は、面ファスナー808及び/又は810に取り外し可能に結合されることで、展開部材200に対して取り外し可能に結合される。保護カバー600の詳細は後述する。
展開部材200は、本体部120に対して展開可能に接続される。収容体1が開いた状態は、展開部材200が展開位置にある状態に対応し、収容体1が閉じた状態は、展開部材200が非展開位置にある状態に対応する。展開方向は、本体部120に対して展開部材200の前端が前方且つ下方に倒れる方向である。即ち、展開時の軸201(以下、「回転軸201」という)は、左右方向に延在する。例えば、回転軸201は、左右方向に延在する本体部材100の下端部と左右方向に延在する展開部材200の後端部との間に左右方向に画成される。回転軸201は、本体部120の下端部と展開部材200の後端部との間に形成される低剛性部により実現されてもよい。例えば、回転軸201は、本体部120の下端部と展開部材200の後端部との間を、変形可能な素材により接続することにより形成されてもよい。
展開部材200が展開位置にあるとき、図1(C)に示すように、側面視で展開部材200は本体部120に対して角度αをなす。角度αは、角度調整機構400により調整可能である。角度αは、角度調整機構400により段階的な態様で調整可能であってもよいし、無段階的な態様で調整可能であってもよい。角度調整機構400は、支持部材300と展開部材200との間に設けられる。角度αは、展開部材200に対する支持部材300の結合位置が変化すると変化する。角度調整機構400は、展開部材200に対する支持部材300の結合位置を変化させることを可能とする機構である。角度調整機構400により調整可能な角度αの範囲は、好ましくは、90度未満の下限角度から90度より大きい上限角度までの範囲に対応する。角度調整機構400の詳細は任意であるが、いくつかの例について後述する。
展開部材200が非展開位置にあるとき、図3(C)に示すように、側面視で展開部材200は本体部120に対して略0度(即ちα≒0)をなす。即ち、展開部材200の上側表面と本体部120の前側表面とが対向しあう(表示デバイス2及び保護カバー600を介して重なる)。従って、収容体1内に表示デバイス2が収容されているときは、展開部材200の上側表面と本体部120の前側表面との間に表示デバイス2及び保護カバー600が挟まれることになる。
支持部材300は、展開位置で展開部材200を本体部120に対して保持する。支持部材300は、左側に設けられる左側支持部材300Lと、右側に設けられる右側支持部材300Rとを含む。左側支持部材300L及び右側支持部材300Rは、例えば、ナイロン素材のような変形可能(例えば折畳み可能)な素材により形成される。左側支持部材300L及び右側支持部材300Rは、展開部材200が展開位置から非展開位置へと回転される際に変形(折り畳み)が可能なように、薄い板状であり、曲げ剛性が低い。左側支持部材300L及び右側支持部材300Rは、例えば図1に示すように、ベルトの形態を有する。
左側支持部材300Lは、本体部120の左側端部と展開部材200の左側端部との間に設けられる。左側支持部材300Lは、本体部120の左側端部に対しては縫い付け等により固定される。左側支持部材300Lは、展開部材200の左側端部に対しては、展開部材200の形成される穴204(図5(A)参照)を通って、展開部材200の上側から下側に至り、展開部材200の下側で取り外し可能に結合される。
右側支持部材300Rは、左側支持部材300Lに対して左右対称に形成される。但し、右側支持部材300Rは、左側支持部材300Lに対して左右非対称に形成されてもよい。例えば、右側支持部材300Rおよび左側支持部材300Lは、回転軸201に近すぎると支持する作用が弱まるため、ある程度、回転軸201から離れた位置に設けることが考えられる。一方で、右利きのユーザが収容体1に収容された表示デバイス2を操作することを考えると、右手側にある右側支持部材300Rが操作の邪魔になることが考えられる。そこで、左側支持部材300Lよりも右側支持部材300Rを回転軸201により近い位置に設ければ、右側支持部材300Rが操作の邪魔になることを抑止または軽減できる。同様に、左利きのユーザに対する利便性を向上させる場合には、右側支持部材300Rよりも左側支持部材300Lを回転軸201により近い位置に設けることが考えられる。
右側支持部材300Rと展開部材200の右側端部との間の取り外し可能な結合方法は、後述の角度調整機構400と関連して後述する。
図1乃至図3に示す例によれば、収容体1が開いた状態において、上述の如く、図1に示す本体部120の非折り曲げ状態と、図2に示す本体部120の折り曲げ状態とを選択的に実現できる。図1に示す本体部120の非折り曲げ状態では、本体部120の略全体がユーザのお腹側に接触する。これにより、ユーザに対する収容体1の密着度が高まり、収容体1の安定感を高めることができる。他方、図2に示す本体部120の折り曲げ状態では、上述の如く、本体部120の上側(本体上側部126)が前側に折り返されるので、本体部120の非折り曲げ状態に比べて、ユーザに対する本体部120の接触領域を低減できる。ユーザに対する本体部120の接触領域が低減すると、安定感の観点からは不利となるが、ユーザの体型によっては、かかる低減された接触面積が有利に作用する。例えば、ユーザが女性の場合、本体部120の折り曲げ状態では、女性の胸部に本体上側部126及び本体中間部124が当たらず(図17(C)参照)、女性にとって使い易さが向上する。尚、この観点から、本体中間部124と本体下側部122との間(即ち折れ線L1)は、平均的な女性の胸部の下方に来るように設計されてよい。
また、図1乃至図3に示す例によれば、本体部120の非折り曲げ状態では、図1に示すように、面ファスナー804と面ファスナー806とが結合し、本体中間部124が本体下側部122に対して折れ線L1に沿って前側に折れ曲がるのが防止される。即ち、肩掛バンド150が本体中間部124の前側への倒れを抑止する。従って、図1乃至図3に示す例によれば、図2に示す本体部120の折り曲げ状態を可能としつつ、本体部120の非折り曲げ状態における本体中間部124の前側への倒れを防止可能とすることができる。これにより、本体部120の非折り曲げ状態において、肩掛バンド150によって収容体1を安定的に保持できる。
尚、図1乃至図3に示す例では、本体上側部126と肩掛バンド150との間には、同様の面ファスナーが設けられていない。このため、実際の使用状態では、本体部120の非折り曲げ状態においても、本体上側部126が自重により前側への倒れ、本体上側部126が本体中間部124に対して折れ曲がり得る(図17(A)参照)。これに対して、本体上側部126と肩掛バンド150との間に、同様の面ファスナーを設けることも可能である。
また、図1乃至図3に示す例によれば、肩掛バンド150は両端共、本体下側部122に接続される。また、肩掛バンド150と本体下側部122との左上側の接続箇所は、本体下側部122の上部に設定される。これにより、図2に示す本体部120の折り曲げ状態において、肩掛バンド150によって収容体1を安定的に保持できる。
次に、図1に示す収容体1の好ましい保管方法に関連した構成について、図4を参照して説明する。図4は、図1に示す収容体の保管時の保管状態を概略的に示す図であり、(A)は、保管状態に至る直前の状態を示し、(B)は、保管状態を示す。
収容体1は、好ましくは、肩掛バンド150が図4(B)に示すような本体部120及び展開部材200に巻き付いて保持された状態で、保管される。この目的のため、収容体1は、収容体1が閉じた状態で本体部120及び展開部材200に巻き付けられた肩掛バンド150を、本体部120に取り外し可能に結合する結合部材を含む。図4に示す例では、結合部材は、留め具812,814である。具体的には、本体上側部126の後側表面に留め具814が設けられ、肩掛バンド150に、対応する留め具812が設けられる。留め具812,814は、図4に示すように、例えば嵌合しあうボタンであってよい。ただし、結合部材は、留め具812,814に代えて又は加えて、面ファスナーを含んでよい。
図4に示す保管方法によれば、保管時、ユーザは、まず、図4にて矢印Pで示すように、収容体1が閉じた状態で本体部120及び展開部材200に巻き付けられた肩掛バンド150を、本体部120に巻き付ける。そして、本体部120に巻き付けた肩掛バンド150の留め具812を、本体上側部126の後側表面に留め具814に留める。このようにして肩掛バンド150が本体部120及び展開部材200に巻き付いた状態が留め具812,814により保持される。従って、図4に示す保管方法によれば、肩掛バンド150が収容体1の保管時に邪魔にならず、利便性が向上する。また、収容体1の全体としてのかさばりが低減され、収容体1の保管に必要なスペースを低減できる。
尚、図4に示す保管状態は、収容体1が表示デバイス2を収容した状態で形成されてもよいし、表示デバイス2(及び保護カバー600)を収容体1から取り外した状態で形成されてもよい。また、収容体1が表示デバイス2を収容した状態で保管される場合、収容体1は、表示デバイス2の充電コードを取り出せる構造を有してよい。この場合、充電しながら収容体1を保管できる。
尚、図4に示す例では、本体上側部126の後側表面に留め具814が設けられているが、本体上側部126の後側表面に代えて、展開部材200の下側表面に、留め具814に相当する留め具が設けられてもよい。この場合、収容体1の保管時、収容体1が閉じた状態で本体部120及び展開部材200に巻き付けられた肩掛バンド150は、展開部材200に取り外し可能に結合される。また、留め具812,814に代えて又は加えて、他の結合部材(例えば面ファスナー)が使用されてもよい。
次に、図5乃至図8を参照して一例による角度調整機構400を説明する。
図5は、角度α=α1である状態で展開部材200が展開位置に保持されている状態を概略的に示す図であり、(A)は、側面図であり、(B)は、(A)の矢印Y1方向に視た図である。図6は、角度α=α1である状態での角度調整機構400の結合方法を概略的に示す図であり、図5(A)の矢印Y2方向に視た図であり、(A)は、結合前の状態を示し、(B)は、結合された状態を示す。図7は、角度α=α3である状態で展開部材200が展開位置に保持されている状態を概略的に示す図であり、(A)は、側面図であり、(B)は、(A)の矢印Y1方向に視た図である。図8は、角度α=α3である状態での角度調整機構400の結合方法を概略的に示す図であり、図7(A)の矢印Y2方向に視た図であり、(A)は、結合前の状態を示し、(B)は、結合された状態を示す。
図5乃至図8に示す例では、角度調整機構400は、3段階の角度α1、α2、α3で展開部材200を展開位置に保持させることができる。α1<α2<α3である。但し、角度α2での保持状態は図示を省略している。角度α1は、好ましくは、90度より小さい。また、角度α3は、好ましくは、90度より大きい。角度α2は、例えば約90度であってよい。尚、角度調整機構400による角度調整の段階数は任意であり、例えば2段階であってもよいし、4段階以上であってもよい。
角度調整機構400は、左側支持部材300L及び右側支持部材300Rのそれぞれに対して設けられる。以下では、右側支持部材300Rに関する角度調整機構400を説明する。左側支持部材300Lに関する角度調整機構400は、右側支持部材300Rに関する角度調整機構400と左右対称であってよい。
図5乃至図8に示す例では、角度調整機構400は、留め具401と、面ファスナー402と、調整結合部410とを含む。
留め具401は、右側支持部材300Rの自由端側に設けられる。留め具401は、右側支持部材300Rの自由端における上側表面に設けられる。図5に示す例では、留め具401は、ボタンである。尚、右側支持部材300Rの自由端は、展開部材200に形成される穴204(図5(A)参照)を通って、展開部材200の上側から下側に至る。右側支持部材300Rの自由端は、穴204からの展開部材200の上側への抜けを防止する構造(図示せず)を有してよい。かかる構造は、例えば、右側支持部材300Rの自由端の幅及び/又は厚さを他の領域の幅及び/又は厚さよりも大きくすることで実現されてもよい。
面ファスナー402は、留め具401の近傍に設けられる。例えば、面ファスナー402は、図6(A)に示すように、留め具401の左右方向両側に隣接して設けられてよい。
調整結合部410は、展開部材200の下側表面の右側に設けられる。調整結合部410は、展開部材200の右側の穴204の左側に設けられる。調整結合部410は、3つの留め具411乃至413と、面ファスナー414とを含む。
留め具411乃至413は、右側支持部材300Rの留め具401とそれぞれが嵌合可能である。図5に示す例では、留め具411乃至413のそれぞれはボタンである。留め具411乃至413は、左右方向に並んで設けられる。
面ファスナー414は、留め具411乃至413の近傍に設けられる。例えば、面ファスナー414は、図6(A)に示すように、留め具411乃至413のそれぞれの左右方向両側に隣接して設けられてよい。
角度調整機構400は、留め具401が調整結合部410の3つの留め具411乃至413のうちのいずれかに嵌合することで結合状態となる。右側支持部材300Rの自由端は、図6(A)に示すように、調整結合部410に対して前後方向に対向する(矢印Q1参照)。このとき、留め具401を調整結合部410に対して後方向に押すことで、留め具401が調整結合部410の3つの留め具411乃至413のうちの、前後方向に対向するいずれか1つの留め具に嵌合する。図6に示す例では、留め具401は、3つの留め具411乃至413のうちの最も左側の留め具413と嵌合する。この場合、右側支持部材300Rにおける穴204から上側の出る部分の長さは、比較的短くなる。これにより、最も小さい角度α1が実現される。また、図8に示す例では、留め具401は、3つの留め具411乃至413のうちの最も右側の留め具411と嵌合する。この場合、右側支持部材300Rにおける穴204から上側の出る部分の長さは、比較的長くなる。これにより、最も大きい角度α3が実現される。尚、図示しないが、留め具401が留め具412と嵌合するときは、右側支持部材300Rにおける穴204から上側の出る部分の長さは、図6に示す例と図8に示す例との中間値となる。従って、この場合、角度α1と角度α3の間の角度α2が実現される。
角度調整機構400は、結合状態では、面ファスナー414と面ファスナー402とが互いに引っ付き合い結合される。これにより、角度調整機構400の結合状態を強固にできる。しかしながら、図9及び図10に示す変形例のように、面ファスナー414と面ファスナー402は省略されてもよい。尚、図9は、面ファスナー402及び414を省略した変形例による角度調整機構400−2を角度α=α1である状態で示す図であり、図6に対応する方向視の図である。図10は、面ファスナー402及び414を省略した変形例による角度調整機構400−2を角度α=α3である状態で示す図であり、図8に対応する方向視の図である。
図5乃至図10に示す角度調整機構400又は400−2によれば、左側支持部材300L及び右側支持部材300Rを利用した簡易な構造で、展開部材200の本体部120に対する角度αを調整できる。これにより、ユーザの好みや体型等に応じた角度調整が簡易な構造で可能となる。
尚、図5乃至図10に示す例では、角度調整機構400又は400−2は、留め具401及び留め具411乃至413を備えているが、面ファスナー414及び面ファスナー402のみで角度調整機構を形成してもよい。この場合、面ファスナー414と面ファスナー402とを結合させる結合位置を左右方向で調整することで、角度調整が可能である。但し、左側支持部材300Lと右側支持部材300Rとで同一の角度αを実現するのを容易にするためには、留め具401及び留め具411乃至413を備えることが有利となる。
また、図5乃至図10に示す例では、角度調整機構400又は400−2は、展開部材200側に3つの留め具411乃至413を備え、支持部材300側に留め具401を備えているが、逆であってもよい。即ち、右側支持部材300R(左側支持部材300Lについても同様)が長手方向に沿って離間した位置に3つの留め具を備え、展開部材200側に、対応する1つの留め具を有してもよい。
次に、図11乃至図14を参照して一例による保護カバー600について説明する。以下では、保護カバー600の種類を区別するときは、異なる符号"600−1"及び"600−2"等を用いる。
保護カバー600の上下方向及び前後方向については、展開部材200に関する"前後方向"及び"上下方向"と同様、展開位置にある展開部材200上に保護カバー600を載置した状態を基準とする。
図11は、単品状態の保護カバー600の上側を示す図であり、(A)は、平面図であり、(B)は、斜視図である。図12は、単品状態の保護カバー600の下側を示す図であり、(A)は、平面図であり、(B)は、斜視図である。
保護カバー600は、表示デバイス2を内部に収容するために、表示デバイス2の外形よりも僅かに大きい外形を有する。保護カバー600は、表示デバイス2の外形に対応した矩形の外形を有する。保護カバー600は、内部に表示デバイス2を収容できる袋の形態であり、4つの辺601乃至604のうちの、3つの辺601乃至603は閉じられており、辺604が開口する。好ましい実施例では、表示デバイス2と保護カバー600の上面610との密着性を高めるために、3辺601乃至603における保護カバー600の厚み、いわゆる"まち幅"は最小値(例えば0)である。
保護カバー600は、開口する辺604側において、閉じ機構640を有する。閉じ機構640は、好ましくは、ジッパー(ファスナー、チャックとも称される)である。閉じ機構640は、その他、面ファスナーやボタン等のような密閉度合いの低い機構であってもよい。
保護カバー600は、上面610と、下面620とを含む。保護カバー600は、下面620側が展開部材200の上側表面と接触する向きで、展開部材200上に載置される。即ち、保護カバー600は、展開部材200上に載置された状態では、上面610が露出した状態となる。
上面610は、透明な素材により形成される。透明な素材は、上面610の下方の表示デバイス2の操作面(表示面)に対する上面610越しの操作(例えばタッチ操作)を阻害しない特性を有する。例えば、透明な素材は、タッチペンにより操作可能なビニール素材であってよい。上面610は、全体が透明な素材により形成されてよいし、周辺を除く所定領域(表示デバイス2の表示面のサイズに対応した領域)が透明な素材により形成されてもよい。上面610は、図11に示すように、穴612を有してもよい。上面610の穴612は、例えばユーザが保護カバー600内部の表示デバイス2を取り出すときに、例えば親指などを入れるために利用されてもよい。また、上面610の穴612は、表示デバイス2に繋がる充電コードを外部に引き出す際に利用されてもよい。
下面620は、任意の素材(例えば不透明な素材)により形成される。下面620には、面ファスナー622,624が設けられる。面ファスナー622,624は、左右方向に平行に延在する態様で、前後方向に並んで設けられる。面ファスナー622,624は、それぞれ、展開部材200の面ファスナー808,810(図1参照)に対応して設けられる。即ち、保護カバー600が展開部材200上に載置された状態では、面ファスナー622が面ファスナー808と結合し、面ファスナー624が面ファスナー810と結合する。これにより、保護カバー600が展開部材200に対して取り外し可能に結合される。保護カバー600の下面620には、開口部626が形成される。開口部626は、保護カバー600内に収容される表示デバイス2のカメラのレンズに対応する位置に形成される。従って、開口部626は、展開部材200の開口部203に対応した位置に形成される。保護カバー600内に収容される表示デバイス2の種類が複数想定される場合、開口部626は、全ての種類の表示デバイス2のカメラ位置をカバーできる範囲に形成されてもよい。或いは、各種の表示デバイス2のカメラ位置の相違に応じて、複数種類の保護カバー600が用意されてもよい。例えば、図13には、開口部626の位置が図12に示す保護カバー600−1とは異なる保護カバー600−2が図示されている。このように、保護カバー600は、収容体1に収容される表示デバイス2の種類に応じて複数種類用意されてもよい。この場合、各種類の保護カバー600は、対応する種類の表示デバイス2のカメラ位置に対応した位置に開口部626を有してよい。
図11乃至図13に示す保護カバー600によれば、表示デバイス2の全体が外部に直接的に露出しないので、表示デバイス2を保護できる。また、保護カバー600によれば、表示デバイス2を展開部材200に対して固定できるので、表示デバイス2をそのまま展開部材200上に載置する場合に比べて、展開部材200上の表示デバイス2の安定感が向上する。従って、ユーザは、表示デバイス2を安定した状態で使用できる。また、保護カバー600が展開部材200に安定的に結合されるので、展開部材200を展開する際や収容体1を開いた状態でユーザが動き回る際等に表示デバイス2が展開部材200から前方に飛び出すことを抑制できる。また、保護カバー600によれば、例えば長期間の使用により保護カバー600が傷んだ場合でも、保護カバー600のみを交換できるので、収容体1全体としての耐久性や長期可用性を高めることができる。また、新たな表示デバイス2の種類に対しても、その種類に対応できる構造(サイズや開口部626の位置等)の保護カバー600を用意することで、機動的に対応できる。
図14は、保護カバー600の他のバリエーションの説明図であり、(A)は、保護カバー600−3の下側を示す平面図であり、(B)は、保護カバー600−4の下側を示す平面図である。
図14(A)に示す例では、保護カバー600−3は、保護カバー600−1に対してサイズが小さい点が異なり、他の構成は実質的に同様であってよい。このように、保護カバー600は、収容体1に収容される表示デバイス2のサイズの相違に応じて複数種類用意されてもよい。この場合、各種類の保護カバー600は、対応する表示デバイス2の種類に応じたサイズを有すると共に、対応する表示デバイス2のカメラの位置に対応した位置に開口部626を有してもよい。
図14(B)に示す例では、保護カバー600−4は、保護カバー600−1に対して、面ファスナー622,624が面ファスナー628乃至632に置換された点が異なり、他の構成は実質的に同様であってよい。面ファスナー628乃至632は、前後方向に平行に延在する態様で、左右方向に並んで設けられる。このように、保護カバー600は、展開部材200の面ファスナー808,810に結合可能な面ファスナーを任意の配置パターンで有してよい。即ち、保護カバー600は、種類に応じて異なる配置パターンで面ファスナーを有してよい。面ファスナーの異なる配置パターンは、例えば保護カバー600に設けられる面ファスナーの大きさ、長さ、幅、配置位置、数等を異ならせることにより実現されてよい。これについては、展開部材200の面ファスナー808,810についても同様である。
次に、図15を参照して一例によるぶらつき防止機構700について説明する。図15は、ぶらつき防止機構700の説明図であり、(A)は、斜視図を示し、(B)は、調整バンド154の余長部分を折り畳んで纏めた状態を示し、(C)は、使用状態を示す図である。
ぶらつき防止機構700は、上述の如く、調整バンド154の端部に設けられる。ぶらつき防止機構700は、留めバンド702と、留め具704,706とを含む。
留めバンド702は、調整バンド154の長手方向に対してほぼ垂直方向に延在する。留めバンド702は、可撓性のある任意の素材により形成されてよく、調整バンド154と同一の素材により形成されてもよい。留めバンド702の長さは、任意であるが、想定される最長の調整バンド154の余長部分を折り畳んで纏めて留めること(図15(B)参照)ができる長さに設定される。
留め具704,706は、留めバンド702の両端にそれぞれ設けられる。留め具704,706は、互いに嵌合するボタンであってよい。留めバンド702は、留め具704,706同士を結合させることで、リング状の形態になる。
ぶらつき防止機構700は、調整バンド154の余長部分のぶらつき(又はばたつき)を防止する機能を有する。調整バンド154の余長部分とは、調整バンド154のうち、折り返し部155で折り返された自由端側(留めバンド702側)の部分を指す。また、調整バンド154の非余長部分とは、調整バンド154の余長部分以外の部分を指す。ぶらつき防止機構700は、図15(C)に示すように、留めバンド702を調整バンド154の非余長部分に留めることにより機能する。即ち、留め具704,706同士を結合させることで形成される留めバンド702のリング内に、調整バンド154の非余長部分が入る態様で、留めバンド702が調整バンド154の非余長部分に対して支持される。これにより、留めバンド702、及び調整バンド154の余長部分のぶらつきが防止される。
留めバンド702は、図15(B)に示すように、調整バンド154の余長部分を折り畳んだ状態で保持しつつ、調整バンド154の非余長部分に留められてもよい。これにより、調整バンド154の余長部分が長い場合でも、調整バンド154の余長部分のぶらつきを適切に防止できる。
図15に示すぶらつき防止機構700によれば、調整バンド154により肩掛バンド150の実効長さを調整可能としつつ、調整により生じる調整バンド154の余長部分のぶらつきを防止できる。
例えば、表示デバイス2を搭載した状態の収容体1をユーザが利用し、工場内の複数の設備を点検するような用途に用いることが考えられる。回転動作したり、物を引き込んだりする動作を行う設備を点検する場合、点検を行うユーザが身に着けている物などが設備に巻き込まれると、事故につながる恐れがある。点検用途に限らずとも、余長部分がユーザの体から離れてぶらつくことは好ましくない。ぶらつき防止機構700によれば、調整バンド154の余長部分の機械等への巻き込まれの可能性を低減できる。
尚、図15に示す例では、ぶらつき防止機構700は、留めバンド702及び留め具704,706を備えているが、より簡易な構造のぶらつき防止機構が実現されてもよい。例えば、簡易な構造のぶらつき防止機構は、調整バンド154の先端に留め具(例えば、ボタンや面ファスナー)を設け、当該留め具が嵌合する留め具を、調整バンド154を含む本体部材100の任意の個所に設けることで実現されてもよい。また、留め具704,706に代えて、留めバンド702に形成した穴と凸部の係合機構が使用されてもよい。
次に、図16及び図17を参照して使用時の収容体1の各種状態について説明する。
図16は、収容体1の使用態様を概略的に示す図であり、(A)は、ユーザが斜め肩掛けした収容体1を閉じた状態でお腹側に保持する状態を示す斜視図であり、(B)は、ユーザが斜め肩掛けした収容体1を開いた状態でお腹側に保持する状態を示す斜視図である。また、(C)は、ユーザが斜め肩掛けした収容体1を閉じた状態で背中側に保持する状態を示す背面図である。図17は、収容体1の使用態様を概略的に示す図であり、(A)及び(B)は、ユーザが収容体1を本体部120の非折り曲げ状態でお腹側に保持する状態を示す側面図であり、(A)は角度αがα2であり、(B)は角度αがα3である。また、(C)は、ユーザ(女性)が収容体1を本体部120の折り曲げ状態でお腹側に保持する状態を示す側面図である。
図16(A)に示すように、ユーザが斜め肩掛けした収容体1を閉じた状態でお腹側に保持する状態では、ユーザの両手は、収容体1を保持するために必要とされない。従って、ユーザの両手が自由となり、収容体1の携帯時の利便性が高くなる。尚、ユーザが斜め肩掛けした収容体1を閉じた状態でお腹側に保持する状態では、収容体1の左右方向が略水平方向に対応する。図16(B)に示すように、ユーザが斜め肩掛けした収容体1を開いた状態でお腹側に保持する状態でも、ユーザの両手は、収容体1を保持するために必要とされない。但し、ユーザは、例えば左手を用いて展開部材200を安定的に保持することも可能である。また、ユーザが斜め肩掛けした収容体1を開いた状態でお腹側に保持する状態では、図16(B)で保護カバー600の中に収納された状態の表示デバイス2が、展開部材200上に載置された状態が示されているように、展開部材200上の表示デバイス2の表示面が上を向いている。従って、ユーザは、表示デバイス2の表示面を容易に目視することができる。また、ユーザは、斜め肩掛けした収容体1を開いた状態でお腹側に保持した状態で、展開部材200上の表示デバイス2に対して各種操作を行うことができる。例えば、右手にタッチペンを持ち、表示デバイス2の表示面(タッチ操作面)に対してタッチ操作を行うことができる。また、例えば、表示デバイス2がカメラ機能を有する場合は、表示デバイス2を両手で取り出して、写真を取ることも可能である。或いは、展開部材200に開口部203が設けられる場合、ユーザは、表示デバイス2を展開部材200から取り出すことなく、写真を取ることも可能である。例えば、展開部材200と共に表示デバイス2を持ち上げて被写体にカメラを向けることができる。
図16(C)に示すように、ユーザが斜め肩掛けした収容体1を閉じた状態で背中側に保持する状態では、ユーザの両手は、収容体1を保持するために必要とされない。また、収容体1がユーザの前側に存在しない。これにより、収容体1の不使用時の快適性が高くなる。尚、ユーザが斜め肩掛けした収容体1を閉じた状態で背中側に保持する状態では、収容体1は、左右方向が略重力方向に対応する向きとなる。尚、ユーザは、背中側にある収容体1をお腹側に持ってくるときは、肩掛バンド150の裏側に左手を入れて、そのまま左手を引き出すようにすればよい。この目的のため、肩掛バンド150の裏側に、ゴム部材等が設けられてもよい。この場合、ユーザは、ゴム部材との摩擦力を利用して収容体1を容易にお腹側に持ってくることができる。但し、ユーザは、収容体1の所望の部位(例えば、肩掛バンド150、展開部材200等)を掴んでお腹側に持ってくることは可能である。
例えば、表示デバイス2を搭載した状態の収容体1をユーザが利用し、工場内の複数の設備を点検するような用途に用いることが考えられる。点検作業の中で、点検のために設備を操作したり、点検や記録のために表示デバイス2に対する操作を行ったりする場合や、設備の設置場所へ赴くために梯子を利用する等、手による支えが必要になる場合などが考えられる。このような場合であっても、収容体1によればユーザの両手を自由にできるので、利便性が高くなる。また作業の安全性向上にも寄与できる。
図17(A)に示すように、ユーザが斜め肩掛けした収容体1を開いた状態でお腹側に保持する状態において、α2が90度未満である場合は、展開部材200の前端側が上に来る傾斜方向で水平面に対して傾斜する。尚、これは、角度α=α1のときも同様である。これにより、表示デバイス2の表面をユーザの視線方向に対応した適切な角度で保持できる。
図17(B)に示すように、ユーザが比較的太っているとき(お腹が出ているとき)、α3が90度より大きい場合でも、展開部材200の前端側が上に来る傾斜方向で水平面に対して傾斜する。換言すると、ユーザが比較的太っているときは、αがα1やα2である場合は、展開部材200の前端側が上側に傾斜しすぎて、表示デバイス2の表面が見辛くなる。この点、α3を90度よりも大きく設定することで、ユーザが比較的太っているときでも、表示デバイス2の表面をユーザの視線方向に対応した適切な角度で保持することが可能である。
図17(C)に示すように、ユーザが女性であるとき、収容体1を本体部120の折り曲げ状態でお腹側に保持することで、本体部120に胸が当たらず、収容体1を保持しやすくなる。尚、収容体1を本体部120の折り曲げ状態でお腹側に保持することは、ユーザが女性であるときが好適であるが、ユーザが女性以外でも、ユーザの好みに合う場合もある。このようにして、ユーザの体型や好み等に応じて、多様な態様で収容体1を保持できる。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施例では、本体部120の折り曲げ状態は、一の折り曲げ状態しかないが、2段階以上の折り曲げ状態を有してよい。即ち、本体部120の折り曲げ可能な範囲は、2段階以上で調整可能であってもよい。例えば、本体中間部124を上下で2分割し、本体中間部124を2通りのパターンで折り曲げ可能としてもよい。この場合、芯材124aは、上下で2分割されてよい。
また、上述した実施例においては、肩掛バンド150と本体中間部124とを取り外し可能に結合するために面ファスナー804、806が使用されているが、これに限られない。例えば、面ファスナー804、806に代えて又は加えて、ボタンなどの他の取り外し可能な結合部材が用いられてもよい。
また、上述した実施例では、右側支持部材300R(左側支持部材300Lについても同様)の自由端は、展開部材200に形成される穴204を通って、展開部材200の上側から下側に至るが、これに限られない。例えば、右側支持部材300R(左側支持部材300Lについても同様)の自由端は、展開部材200の側方に形成されるループを通って、展開部材200の上側から下側に至ってもよい。ループは、展開部材200の側方にベルト状の部材を取り付けることで形成されてもよい。
また、上述した実施例では、支持部材300はベルトの形態を有しているが、略三角形の外形を有し、略三角形の外形の2辺のそれぞれに沿って本体下側部122及び展開部材200が接続されてもよい。かかる構成では、角度調整機構400のような角度調整機構は、省略されてもよいし、略三角形の外形の支持部材を利用しない別の態様で実現されてもよい。
また、上述した実施例では、本体上側部126を備えているが、本体上側部126は省略されてもよい。この場合、バックル部800が本体中間部124に設けられてもよいし、バックル部800,802が省略され、ベルト等の他の保持部材によって、収容体1の閉じた状態が保持されてもよい。
なお、以上の実施例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
斜め肩掛けにて携帯可能な、表示デバイスの収容体であって、
斜め肩掛け用の肩掛バンドと、前記肩掛バンドの両端が接続され折り曲がり可能である本体部とを含む本体部材と、
前記表示デバイスの表示面の反対側の面を支持する板状の部位を含み、前記本体部に対して展開可能に接続される展開部材と、
前記本体部及び前記展開部材の双方に取り付けられ、前記表示デバイスの表示面を上にして露出させる展開位置で前記展開部材を前記本体部に対して保持する支持部材とを含む、収容体。
(付記2)
斜め肩掛けした前記収容体をお腹側に保持するユーザから見た方向を基準としたとき、前記本体部は、第1芯材を含む第1本体部と、前記第1本体部の上側に形成され、前記第1芯材とは異なる第2芯材を含む第2本体部とを含み、前記第2本体部は、前記第1本体部に対して前側に折り曲り可能である、付記1に記載の収容体。
(付記3)
前記肩掛バンドの両端は、前記第1本体部に接続される、付記2に記載の収容体。
(付記4)
前記肩掛バンドと前記第2本体部との間を取り外し可能に結合する結合部材を更に含む、付記2に記載の収容体。
(付記5)
斜め肩掛けにて携帯可能な、表示デバイスの収容体であって、
斜め肩掛け用の肩掛バンドと、前記肩掛バンドの両端が接続される本体部とを含む本体部材と、
前記表示デバイスの表示面の反対側の面を支持する板状の部位を含み、前記本体部に対して展開可能に接続される展開部材と、
前記本体部及び前記展開部材の双方に取り付けられ、前記表示デバイスの表示面を上にして露出させる展開位置で前記展開部材を前記本体部に対して保持する支持部材と、
前記展開位置における前記展開部材と前記本体部とのなす角度を調整可能とする調整機構とを含む、収容体。
(付記6)
前記調整機構は、前記本体部と前記展開部材との間に設けられる、付記5に記載の収容体。
(付記7)
前記支持部材は、ベルトの形態を有し、一端が前記本体部に結合され、他端が前記展開部材に取り外し可能に結合され、
前記調整機構は、前記展開部材に対する前記支持部材の結合位置を可変とする機構である、付記5又は6に記載の収容体。
(付記8)
前記調整機構は、前記展開位置における前記展開部材と前記本体部とのなす角度が、側面視で90度未満となる第1状態と、前記展開位置における前記展開部材と前記本体部とのなす角度が、側面視で90度よりも大きくなる第2状態とを選択的に形成する、付記5〜7のうちのいずれか1項に記載の収容体。
(付記9)
前記調整機構は、前記展開部材に設けられる複数の第1留め具と、前記支持部材の前記他端に設けられ、前記展開部材の前記複数の第1留め具のうちの1つに選択的に結合可能な第2留め具とを含む、付記7に記載の収容体。
(付記10)
前記調整機構は、更に、前記展開部材に設けられる第1面ファスナーと、前記支持部材の前記他端に設けられる第2面ファスナーとを含む、付記9に記載の収容体。
(付記11)
斜め肩掛けにて携帯可能な、表示デバイスの収容体であって、
長さ調整のための折り返しが可能な斜め肩掛け用の肩掛バンドと、前記肩掛バンドの両端が接続される本体部とを含む本体部材と、
前記表示デバイスの表示面の反対側の面を支持する板状の部位を含み、前記本体部に対して展開可能に接続される展開部材と、
前記本体部及び前記展開部材の双方に取り付けられ、前記表示デバイスの表示面を上にして露出させる展開位置で前記展開部材を前記本体部に対して保持する支持部材と、
前記肩掛バンドの折り返しによる余長部分の端部に設けられ、前記余長部分のぶらつきを防止する機構とを含む、収容体。
(付記12)
前記機構は、前記余長部分の端部に形成される留めバンドと、前記留めバンドの両端同士を取り外し可能に結合する結合部材とを含む、付記11に記載の収容体。
(付記13)
斜め肩掛けにて携帯可能な、表示デバイスの収容体であって、
斜め肩掛け用の肩掛バンドと、前記肩掛バンドの両端が接続される本体部とを含む本体部材と、
前記表示デバイスの表示面の反対側の面を支持する板状の部位を含み、前記本体部に対して展開可能に接続される展開部材と、
前記本体部及び前記展開部材の双方に取り付けられ、前記表示デバイスの表示面を上にして露出させる展開位置で前記展開部材を前記本体部に対して保持する支持部材と、
前記表示デバイスを収容する袋の形態であり、前記展開部材に取り外し可能に結合される保護カバーとを含む、収容体。
(付記14)
前記保護カバーは、前記展開部材に結合される側とは逆の表面が透明な素材により形成される、付記13に記載の収容体。
(付記15)
前記保護カバーは、矩形の外形を有し、矩形の4つの辺のうちの3辺において、まち幅が0で閉じており、残りの1辺において、開口し、ジッパーを備える、付記13又は14に記載の収容体。
(付記16)
前記保護カバーは、複数種類ある、付記13〜15のうちのいずれか1項に記載の収容体。
(付記17)
前記保護カバーは、前記展開部材に結合される側の表面に、開口部と、前記展開部材に取り外し可能に結合される面ファスナーとを有する、付記13〜16のうちのいずれか1項に記載の収容体。
(付記18)
前記保護カバーは、前記展開部材に結合される側の表面に、開口部と、前記展開部材に取り外し可能に結合される面ファスナーとを有し、
前記保護カバーは、複数種類あり、種類に応じて、前記開口部の位置、前記面ファスナーの配置パターン、及び、前記保護カバーのサイズのうちの少なくともいずれかが異なる、付記13に記載の収容体。
(付記19)
斜め肩掛けにて携帯可能な、表示デバイスの収容体であって、
斜め肩掛け用の肩掛バンドと、前記肩掛バンドの両端が接続される本体部とを含む本体部材と、
前記表示デバイスの表示面の反対側の面を支持する板状の部位を含み、前記本体部に対して展開可能に接続される展開部材と、
前記本体部及び前記展開部材の双方に取り付けられ、前記表示デバイスの表示面を上にして露出させる展開位置で前記展開部材を前記本体部に対して保持する支持部材と、
前記表示デバイスを前記本体部と前記展開部材との間に挟む非展開位置で前記本体部及び前記展開部材に巻き付けられた前記肩掛バンドを、前記本体部又は前記展開部材に取り外し可能に結合する結合部材とを含む、収容体。
(付記20)
前記表示デバイスを前記本体部と前記展開部材との間に挟む非展開位置で前記展開部材を前記本体部に対して保持する保持部材を更に含む、付記1〜19のうちのいずれか1項に記載の収容体。
(付記21)
斜め肩掛けした前記収容体をお腹側に保持するユーザから見た方向を基準としたとき、前記本体部は、第1芯材を含む第1本体部と、前記第1本体部の上側に形成され、前記第1芯材とは異なる第2芯材を含む第2本体部とを含み、前記第2本体部は、前記第1本体部に対して前側に折り曲り可能である、付記5,11,13及び19のうちのいずれか1項に記載の収容体。
(付記22)
前記本体部は、更に、前記第2本体部の上側に形成され、前記第2芯材とは異なる第3芯材を含む第3本体部を含み、前記第3本体部は、前記第2本体部に対して前側に折り曲り可能である、付記2又は21に記載の収容体。
(付記23)
前記展開部材は、開口部を有し、
前記第3本体部は、前記表示デバイスを前記本体部と前記展開部材との間に挟む非展開位置で、前記第2本体部に対して前側に折り曲げられ、該折り曲げられた状態では、前記展開部材の前記開口部を覆う、付記22に記載の収容体。