JP6722342B2 - 眼鏡用累進レンズ、眼鏡用累進レンズの製造方法、及び眼鏡用累進レンズの設計方法 - Google Patents

眼鏡用累進レンズ、眼鏡用累進レンズの製造方法、及び眼鏡用累進レンズの設計方法 Download PDF

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Description

本発明は、近視管理用の眼鏡用累進レンズに関する。さらに、本発明は眼鏡用累進レンズを製造する方法及びそれを設計するコンピュータ実装方法に関する。
ピントの合った視野を提供するために、眼は光を網膜に集束させることができなければならない。光を網膜に集束させる眼の能力は、眼球の形状に大きく依存する。眼球が眼の視軸上の焦点距離に関して長すぎると、遠くの物体の像は網膜の前で形成され、これが近視と呼ばれる状態である。その結果、このような眼は、近視眼と呼ばれ、遠くの物のピントを網膜上に合わせることが難しい。
通常、近視の矯正には、焦点距離を長くして、遠くの物の像が網膜上で形成されるようにする発散レンズを備える眼鏡が使用される。
多くの東南アジア諸国で、近視は幾つかの大都市中心部において大流行しており、18〜19歳の近視の有病率は100%近いとの報告がある(Jung S−K et al., Prevalence of myopia and its association with the body stature and educational level in 19−year−old male conscripts in Seoul, South Korea, Invest Ophthalmol Vis Sci.2012,53,5579−5583)。2010年の世界の近視人口は約20億人と推定されており、最近の疫学モデルの中には、この数字が2050年には50億人まで増加すると示唆しているものもある(Holden BA et al., Global Prevalence of Myopia and High Myopia and Temporal Trends from 2000 through 2050, Ophthalmology 2016,in press)。さらに、年少者が強度近視(SER≦−5.00Dと定義され、SERは等価球面屈折率(spherical equivalent refraction)の略語である)を進行させる傾向が高まっており、これは白内障、緑内障、網膜剥離、近視性黄斑変等の眼病のリスクを実質的に高め、そのすべてが不可逆的な視力障害の原因となり得る(Wong TY et al., Epidemiology and disease burden of pathologic myopia and myopic choroidal neovascularization: an evidence−based systematic review, Am J Ophthalmol 2014,157:9−25.e12)。疫学モデルは、世界で強度近視は2010年の約3億人から2050年に10億人に増加すると予測している(Holden BA et al., Global Prevalence of Myopia and High Myopia and Temporal Trends from 2000 through 2050, Ophthalmology 2016,in press)。これは社会にとって視覚障害及び喪失の生産的な治療のためのきわめて高額なコストの発生につながることが必至である。
2焦点及び累進レンズは、一般的に小学校入学時と一致する年少者の近視の進行の主原因の1つと考えられる近見作業中の調節ラグを減少させることを目的として、臨床的に試されている。このような試行の中には効果がなかったもの(例えば、Edwards MH et al., The Hong Kong progressive lens myopia control study: study design and main findings, Invest Ophthalmol Vis Sci.2002, 43, 2852−2858)もあれば、より長期にわたる試行において、1年目に飽和を伴う近視進行の有意な抑制を示したもの(例えば、Gwiazda J et al., A randomized clinical trial of progressive addition lenses versus single vision lenses on the progression of myopia in children, Invest Ophthalmol Vis Sci. 2003, 44,1492−1500、Hasebe S et al., Myopia control with positively aspherized progressive addition lenses: a 2−year, multicentre randomized controlled trial, Invest Ophthalmol Vis Sci. 2014, 55, 7177−7188)もある。飽和の問題は、加入屈折力の使用を回避するための視覚的挙動のある種の適応又は、加入屈折力の存在に合わせた調節系の適応によるものであるかもしれず、これは調節動作の弛緩につながる。調節ラグをより有効に減少させ、近視進行管理のその効能の飽和を克服するのを助けることができるようにするために、PAL(累進加入度レンズ(progressive−addition lens))の設計を改良する必要がある。
眼鏡用累進レンズは通常、レンズを製作するための予備成形材料のセミフィニッシュト区分、すなわちセミフィニッシュトレンズブランクを提供することによって形成される。セミフィニッシュトレンズブランクは、前又は後面上に特定の表面曲率を持つフィニッシュトレンズ表面を有し、反対表面はまだ仕上げられていない。まだ仕上げられていない表面には、自由曲面が形成される。これに関して、「自由曲面」という用語は、例えばスプライン等の区分別に規定される機能により構成されてもよい表面を意味し、典型的に点対称又は軸対称を示さない。自由曲面を形成することによって、眼鏡用累進レンズには上側使用領域、すなわち遠見のための第一の屈折力を有する部分、下側使用領域、すなわち、近見のための第二の屈折力を有する部分、及び累進帯、すなわち第一及び第二の屈折力間の屈折力範囲のために明瞭な視野を提供する部分が設けられる。しかしながら、未加工要素、すなわちフィニッシュトレンズ表面をまったく持たない要素が眼鏡用累進レンズの形成に使用されることも想定可能である。本明細書全体を通じて、「レンズブランク」という用語は、セミフィニッシュトレズブランクの他、未加工レンズを含むものとする。
米国特許第8,162,477 B2号明細書は、近視矯正のための眼科眼鏡用累進レンズを開示している。この眼科眼鏡用累進レンズは、矯正力が装用者の周辺視野に合わせられる上側領域を含む。
欧州特許第2 069 854 B1号明細書には眼科眼鏡用累進レンズが記載されており、周辺領域全体の平均加入屈折力がプラスで、この眼科眼鏡用累進レンズの幾何学中心から20mmを超えるすべての半径方向の範囲において、0.50D〜3.00Dの範囲である。
欧州特許第1 034 453 B1号明細書には、中間累進帯の長さが15mm以下である眼科眼鏡用累進レンズが記載されている。
米国特許第8,807,747 B2号明細書には、近視の子供のために設計された累進加入屈折力型の眼鏡が記載されている。この目的のために、子供が日常生活の中で遭遇する視覚条件を勘案してエルゴラマが構成された。特に、この眼鏡では、2つの基準視線方向間の光学パワーの増加が限定されており、光学パワーの増加の開始点は眼鏡のかなり下方に位置付けられ、子午線のオフセット値は大人用に設計された眼鏡のそれより高い。
米国特許第8,833,936 B2号明細書には、上側使用領域、下側使用領域、累進帯、及び下側使用領域の両側に設置された周辺領域を含む眼鏡用累進レンズが記載されている。上側使用領域は、遠方基準点とフィッティングクロスを含み、遠見用の第一の屈折力を提供する。下側使用領域は、近見用であり、第一の屈折力に関する加入屈折力を提供する。累進帯は、上側及び下側領域を接続し、上側使用領域のそれから下側使用領域のそれへと変化する屈折力を提供する。各周辺領域は加入屈折力に関してプラスの度数の領域を含み、これはその中で下側使用領域の屈折力に関してプラスの屈折力を提供する。相対的にプラスの度数の領域は、下側使用領域に隣接して設置され、それによって下側使用領域は相対的にプラスの度数の領域の中に介在することになる。
現在市販されている従来の眼鏡用累進レンズのほとんどは、かなり広い近見領域が確保されるように努められ、眼鏡用レンズの下側部分の平均加入屈折力がスムーズに分布し(スムーズな勾配)、近見領域の両側の周辺領域の屈折力低下部の大きさと深さが縮小されている。
国際公開第97/26579 A1号パンフレットには、ソフトデザインとハードデザインを重ねることによって複合的な累進屈折力表面を画定する方法が記載されている。国際公開第97/26579 A1号パンフレットは、ハードデザインと、遠見領域、左側周辺領域、及び右側周辺領域の中に平均屈折力が0.130Dを超えない区域を有する複合デザインとを示している。
国際公開第2011/054058 A1号パンフレットには、近視矯正のための眼科眼鏡用累進レンズが記載されている。この眼科眼鏡用累進レンズは周辺領域を含み、その中で平均加入屈折力が近用基準点の加入屈折力より高いピークがその眼科眼鏡用累進レンズの近用部分に隣接して位置付けられている。これらのピークは少なくとも20mmだけ横方向に分離されている。さらに、平均加入屈折力は非常に低い値まで急激に低下し、マイナスにまでなるかもしれない。
国際公開第2011/054058 A1号パンフレットから、本発明は、近見作業中の調節ラグの排除又は少なくともより大幅な軽減を通じて、より有効な近視管理を可能とする、近視管理のための眼鏡用累進レンズを提供することを目的とする。本発明の別の目的は、眼鏡用累進レンズの有利な製造方法及び眼鏡用累進レンズの有利な設計方法を提供することである。
第一の目的は、特許請求項1、21、22、28、及び31に記載されている眼鏡用累進レンズにより達成され、第二の目的は、請求項18に記載されている眼鏡用累進レンズの設計方法により達成され、第三の目的は、請求項19、23、24、25、29、及び32に記載されている眼鏡用累進レンズの設計方法を実行するコンピュータにより達成される。従属項には本発明の別の発展形が含まれている。
本発明について論じる前に、明細書中で使用される幾つかの表現の説明を以下に示す。
「トロイダル面」とは、相互に垂直な異なる曲率の主子午線を有し、両方の主子午線の断面が名目上円形である表面である。
「眼鏡用レンズ」という用語は、眼科分野で利用される個別の屈折力を有するあらゆる形態の光学体を含むべきであり、これには眼鏡フレームに嵌め込まれた眼鏡用レンズ、特定の眼鏡フレームに適応された眼鏡用レンズ、又はグレージング前の眼鏡レンズが含まれるが、これらに限定されない。
「フィッティングポイント」という用語は、レンズ又はセミフィニッシュトレンズブランクの前面上の、レンズを眼の正面で位置決めするための基準点として製造者が定める点を示す。
「視線」という用語は、中心窩を眼の射出瞳の中心をつなぐ線と、入射瞳の中心から前方の物体空間へのその連続とを指す。
「第一眼位」という用語は、正面を向いて前方にある眼の高さの物体を見ている時の頭部に関する眼の位置を意味する。
「装用時前傾角」という用語は、垂直面内の、眼鏡用レンズの前面に対するそのボクシング中心、すなわち水平及び垂直中心線の交点における法線と、第一眼位にある眼の、一般的に水平とみなされる視線との間の角度を指す(DIN EN ISO 13666:2013−10の第6.18項参照)。
「そり角又はフロント角」という用語は、眼鏡フロントの平面と右側レンズ形状の、又は左側レンズ形状の平面との間の角度を指す(DIN EN ISO 13666:2013−10の第17.3項参照)。右側又は左側フロント角は、右側又は左側レンズ平面のこめかみ側が、眼鏡フロントの平面より頭に近い場合、プラスとみなされる。右側及び左側フロント角は異なっているかもしれないが、実際には、フロント角は右側及び左側フロント角の平均として測定され、明示されることが多い。
「装用位置」という用語は、装用中の眼鏡の眼及び顔面に関する位置と向きを指し、少なくとも眼の回旋点とレンズの後面頂点との間の距離、そり角、及び装用時前傾角の値を含む。本発明において、装用位置は、眼の回旋点とレンズの後面頂点との間の距離の特定の値、そり角の特定の値、及び装用時前傾角の特定の値の組合せにより与えられ、眼の回旋点とレンズの後面頂点との間の距離の特定の値は20mm〜30mmの範囲からとられた値であってもよく、そり角の特定の値は−5度〜+15度の範囲からとられた値であってもよく、装用時前傾角の特定の値は−20度〜+30度の範囲からとられた値であってもよい。
本発明の第一の態様によれば、本発明の眼鏡用累進レンズは、ある装用者のための特定の装用位置に個別に適応されてもよく、上側使用領域と、下側使用領域と、上側使用領域と下側使用領域との間の累進帯と、左側及び右側周辺領域と、を含む。左側周辺領域及び右側周辺領域は、下側使用領域と累進帯によって分離される。特定の装用位置は、個々の装用位置、すなわち、ある個人の装用者について得られる装用位置か、特定の装用者集合の平均装用位置であるデフォルトの装用位置の何れであってもよい。デフォルトの装用位置は市場の違いで異なっていてもよく、例えば、装用時前傾角とそり角のデフォルト値は、アジア人とコーカサス人の顔の物理的特徴の違いにより、アジアにおいてはヨーロッパのそれらと異なっているかもしれない。
上側使用領域は、特定の装用位置において、遠見に適応された、以下において遠用屈折力と呼ばれる第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する遠用基準点を含み、下側使用領域は、特定の装用位置において、近見に適応された第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供する近用基準点を含む。第二の屈折力、特に第二の平均屈折力は、以下において近用屈折力と呼ばれ、第一の屈折力、特に第一の平均屈折力(すなわち、遠用屈折力)に関する加入屈折力を表し、すなわち、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力と第一の屈折力、特に第一の平均屈折力との差は加入屈折力である。上側使用領域と下側使用領域との間の累進帯において、屈折力は特定の装用位置において、遠用屈折力から近用屈折力へと徐々に変化し、すなわち、加入屈折力は0から近用屈折力を提供する加入屈折力へと変化する。
本発明によれば、低平均屈折力領域は上側使用領域、左側周辺領域、及び右側周辺領域内にある。左側周辺領域内の低平均屈折力領域と右側周辺領域内の低平均屈折力領域との間の距離、好ましくは水平距離は、好ましくは25mmを超えず、本発明の幾つかの実施形態において、好ましくは20mmを超えない。左側周辺領域内の低平均屈折力領域と右側周辺領域内の低平均屈折力領域との間の距離は、左側周辺領域の0.125等高線と右側周辺領域内の0.125等高線との間の最小距離、すなわち、左側周辺領域内の0.125D等高線と右側周辺領域内の0.125D等高線との間に引くことのできる最短の直線の長さである。左側周辺領域内の低平均屈折力領域と右側周辺領域内の低平均屈折力領域との間の水平距離は、左側周辺領域内の0.125等高線と右側周辺領域内の0.125等高線との間の最小水平距離、すなわち左側周辺領域内の0.125D等高線と右側周辺領域内の0.125D等高線との間に引くことのできる最短の水平直線の長さである。水平方向は、眼鏡用累進レンズの表面上又はバルク内にある刻印に基づいて特定できる。前記低屈折力領域において、平均屈折力は第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えない。それに加えて、低平均屈折力領域は、眼科眼鏡用レンズの少なくとも40%、好ましくは少なくとも45%を占める。眼科眼鏡用レンズが、グレージング前に直径少なくとも40mmの丸い眼科眼鏡用レンズである場合、低平均屈折力領域は、眼鏡用レンズの面積の少なくとも40%を占め、これはその眼鏡用レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm内にある。本明細書に関して、「眼鏡用レンズの面積」という表現は、眼鏡用レンズの前面及び後面の一方の面積を指す。
好ましくは、左側周辺領域及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域は、眼鏡用レンズの面積の少なくとも10%、有利な態様では少なくとも15%、更により有利な態様では少なくとも25%を占める。
好ましくは、装用者が左側周辺領域内及び右側周辺領域内で経験する平均屈折力は常に第二の屈折力、特に第二の平均屈折力より低い。
本発明の眼鏡用レンズの第二の屈折力、特に第二の平均屈折力により第一の屈折力、特に第一の平均屈折力に関して提供される加入屈折力は、1.0D〜3.0Dの範囲、特に1.5D〜2.5Dの範囲内にあってもよい。
本発明のある実施形態による眼科眼鏡用累進レンズは、前面(すなわち、眼から最も遠い面)と後面(すなわち、眼に最も近い面)を含む。前面及び/又は後面は、上側使用領域、下側使用領域、及び累進帯のための適当な屈折力及び乱視度数の等高線を提供するように成形されてよい。
レンズの前面及び後面は、何れの適当な形状を有していてもよい。ある実施形態において、前面は自由曲面であり、後面は球面又はトーリック面である。他の実施形態において、前面は球面又はトーリック面であり、後面は自由曲面である。
また別の実施形態において、前面及び後面の両方が自由曲面である。自由曲面は、例えば非トーリック面、累進面、又はその組合せを含んでいてもよいことがわかるであろう。
本発明は、発明の背景の項で述べた問題を、加入領域内の安定屈折力の大きさを変化させ、この領域の周辺横方向屈折力勾配を操作することによって克服する。眼鏡用累進レンズへのこれらの変更は、下側使用領域内のプラスの屈折の存在が、プラスの屈折力によりカバーされる空間面積がより小さくなるために装用者にとってわかりにくくなることから、調節動作の増進を刺激し、時間を追ったその弛緩を阻止するとの仮説が立てられる。さらに、近見領域の両側での屈折力のマイナスの勾配は、調節に対するこれらの周辺領域のキューが十分に強力であれば、調節動作の増進に役立つはずである(Charman WN & Radhakrishnan H, Peripheral refraction and the development of refractive error: a review, Ophthalmic Physiol Opt 2010, 30, 321−338)。
上述の仮説に基づき、本発明の眼科眼鏡用累進レンズは、新規で有効な近視管理を提供するために開発された。この累進レンズの理想的な効果は、レンズが、近見作業中に子供の調節反応を、眼が単焦点レンズ(遠見用の処方)を用いたときに示す通常の反応に関して変化させずに、中心窩の正面又はその上で結像するか、少なくとも中心窩上での調節ラグを最小化する、というものである。これに対して、標準的な累進屈折力レンズ(PAL:progressive addition lens)では、装用者には通常、レンズの下側部分においてプラスの屈折力を持つ大きい面積が見え、それによって調節反応が調整(低下)されるかもしれない。
本発明の眼鏡用累進レンズを用いると、同等の近視管理累進屈折力レンズ(PAL)の近見領域を通常より狭くすることができ、横方向に、レンズの遠用屈折力と同程度の比較的低い平均屈折力で取り囲むことができる。したがって、近見領域をできるだけ狭くしながら、近見領域の両側の周辺領域の屈折力低下部を可能な限り広くすることができる。これは、左右で近見領域へと比較的急峻な勾配があることを意味する。これに対して、現在市販されている従来のPALは、レンズの下側部分において加入平均屈折力がスムーズに分布する(スムーズな勾配)比較的広い近見領域が確保されるように努められており、近見領域の両側の周辺領域の屈折力低下部の大きさと深さが最小化されている。
本発明の眼鏡用累進レンズにおいて、左側及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域は、有利な点として、近用基準点を通って延びる水平線より下の位置まで延び、下側使用領域の左側及び右側を十分に取り囲む。前述のように、水平方向は、眼鏡用累進レンズの表面上にある刻印に基づいて特定できる。特に、左側及び右側周辺領域の中の、眼鏡レンズの近用基準点を通って延びる水平線の上下5mmに位置付けられている水平線まで延びる低平均屈折力領域が有利である。この区画により、下側使用領域のほとんどが、前記低屈折力領域により横方向に取り囲まれる。
本発明において、上側使用領域内の低平均屈折領域は、遠用基準点を通って延びる水平線より上にある眼鏡用レンズの面積(眼鏡用レンズの幾何学中心の周囲の前記直径40mmの円の中)の全部をカバーしてもよい。
本発明の幾つかの実施形態において、例えば第二の屈折力、特に第二の平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力への1.5D(ディオプトリ)まで、又はそれ以下の加入屈折力を表す実施形態において、上側使用領域内の低平均屈折力領域、左側周辺領域内の低平均屈折力領域、及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域は、連続する低屈折力領域を形成してよい。この区画により、特に大きい低屈折力領域が提供される。特に、このような大きい低平均屈折力領域は、眼鏡用レンズの、眼鏡用レンズの幾何学中心の周囲の直径40mmの円の中の前記面積の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%を占めてもよい。
眼鏡用レンズのある実施形態において、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力は1.5Dから2.0Dまでの範囲内の加入屈折力を表す。この実施形態において、左側及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域は、上側使用領域内の低平均屈折力領域から分離される。平均加入屈折力が遠用屈折力プラス0.125D以下であるが、遠用屈折力プラス0.5D未満である区域が、上側使用領域内の低平均屈折力領域を左側及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域の各々と接続する。この実施形態において、低平均屈折力領域は、眼鏡用レンズの、眼鏡用レンズの幾何学中心の周囲の直径40mmの円の中の前記面積の少なくとも45%を占めてもよい。
眼鏡用累進レンズの他の実施形態において、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力は2.0Dから2.5Dまでの範囲内の加入屈折力を表し、左側及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域は、上側使用領域内の低平均屈折力領域から分離される。平均加入屈折力が遠用屈折力プラス0.125D以下であるが、遠用屈折力プラス0.5D未満である区域が、上側使用領域内の低平均屈折力領域を左側及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域の少なくとも一方と接続する。この実施形態において、低平均屈折力領域は、眼鏡用レンズの前記面積の、特に、その眼鏡用レンズが直径少なくとも40mmの丸い眼鏡用レンズである場合に眼鏡用レンズの幾何学中心の周囲の直径40mmの円の中の少なくとも45%を占めてもよい。
好ましくは、眼鏡用累進レンズの、特に、その眼鏡用レンズが直径少なくとも40mmの丸い眼鏡用レンズである場合に眼鏡用レンズの幾何学中心の周囲の直径40mmの円の中の表面乱視屈折力は、周辺領域の収差をできるだけ低く保つために、5.5Dを超えない。加入屈折力が1.5Dを超えて2.0Dまでの範囲内である場合、特に表面乱視屈折力、特に、その眼鏡用レンズが直径少なくとも40mmの丸い眼鏡用レンズである場合に眼鏡用レンズの幾何学中心の周囲の直径40mmの円の中の表面乱視屈折力は、好ましくは4.5Dを超えず、加入屈折力が1.5D以下である場合、直径40mm内の表面乱視屈折力は、好ましくは3.5Dを超えない。
特定の装用位置を持つ特定の装用者に適応される本発明による眼鏡用累進レンズの製造方法は、
−装用者の特定の装用位置を取得又は提供するステップと、
−装用者の遠見用の屈折力を取得又は提供するステップと、
−装用者の近見用の屈折力を取得又は提供するステップと、
−レンズブランクを提供するステップと、
−装用者の特定の装用位置、遠見用の屈折力、及び近見用の屈折力に基づいて、レンズブランクの前面及び/又は後面に、特定の装用位置において第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する遠用基準点を持つ上側使用領域と、特定の装用位置において第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供する近用基準点を有する下側使用領域と、上側使用領域と下側使用領域との間の累進帯と、累進帯と下側使用領域により分離される左側周辺領域及び右側周辺領域と、を画定する少なくとも1つの自由曲面を形成するステップであって、自由曲面は、低平均屈折力領域が上側使用領域及び、左側周辺領域と右側周辺領域のうちの少なくとも一方の中にあるように形成され、前記低平均屈折力領域内では、特定の装用位置において、装用者が経験する平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えず、前記少なくとも1つの自由曲面は、低平均屈折力領域が眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも40%を占めるように形成される。好ましくは左側周辺領域及び右側周辺領域内で装用者が経験する平均屈折力は、常に第二の屈折力、特に第二の平均屈折力より低い。本発明の方法により製造される眼鏡用レンズは、直径少なくとも40mmのグレージング前の丸い眼鏡用レンズであってもよい。この場合、低平均屈折力領域は、直径40mm内にある面積の少なくとも40%を占める。特に、上側使用領域内の低平均屈折力領域は、眼鏡用レンズの、眼鏡用レンズの幾何学中心の周囲の前記直径40mm内の、遠用基準点を通って延びる水平線より上の面積の全体をカバーしてもよい。レンズブランクの前面及び/又は後面上に少なくとも1つの自由曲面を形成するステップは、レンズブランクの自由曲面の形状が最適化される最適化工程を含んでいてもよい。最適化工程は、最適化された自由曲面により実現されるべき表面特性及び/又は光学特性を定める標的レンズ設計に基づく。最適化工程において、自由曲面は、自由曲面で実現される表面特性及び/又は光学特性と、標的レンズ設計により定められる表面特性及び/又は光学特性との間の相違を最小化することによって最適化される。標的レンズ設計は、最適化工程により得られた自由曲面が、低平均屈折力領域が眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも40%を占めることになるような形状を有するように選択される。
特定の装用位置を持つ特定の装用者に適応される眼鏡用累進レンズを設計するコンピュータ実装方法は、
−装用者の特定の装用位置を取得又は提供するステップと、
−装用者の遠見用の屈折力を取得又は提供するステップと、
−装用者の近見用の屈折力を取得又は提供するステップと、
−装用者の特定の装用位置、遠見用の屈折力、及び近見用の屈折力に基づいて、眼鏡用累進レンズにより実現されるべき光学特性を定める標的レンズ設計を提供するステップと、
−自由曲面で実現される光学特性と標的レンズ設計により定められる光学特性との相違を最小化するように、レンズブランク上に形成されるべき自由曲面を最適化するステップと、
を含む。
標的レンズ設計は、最適化によって、レンズブランクの前面及び/又は後面のための少なくとも1つの最適化された自由曲面を提供するように選択され、少なくとも1つの最適化された自由曲面は、特定の装用位置において、第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する遠用基準点を有する上側使用領域と、特定の装用位置において、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供する近用基準点を有する下側使用領域と、上側使用領域と下側使用領域との間の累進帯と、累進帯及び下側使用領域によって分離される左側周辺領域及び右側周辺領域と、を画定する。それに加えて、最適化された自由曲面は、低平均屈折力領域が上側使用領域及び、左側周辺領域と右側周辺領域の少なくとも一方の中にあるように形成され、前記低平均屈折力領域では、特定の装用位置において、装用者が経験する平均屈折力は第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えない。さらに、標的レンズ設計は、前記少なくとも1つの自由曲面の最適化の後に、低平均屈折力領域が眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも40%を占めるように選択される。
特に、標的レンズ設計は、最適化により提供される少なくとも1つの自由曲面において、左側周辺領域内の低平均屈折力領域と右側周辺領域内の低平均屈折力領域との間の距離が25mmを超えず、幾つかの実施形態において、20mmを超えないように選択されてもよい。
さらに、標的レンズ設計は、最適化により提供される少なくとも1つの自由曲面において、上側使用領域内の低平均屈折力領域、左側周辺領域内の低平均屈折力、及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域が連続する低屈折力領域を形成するように選択されてもよい。
特に、標的レンズ設計は、最適化により提供される少なくとも1つの自由曲面において、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力により提供される第一の屈折力、特に第一の平均屈折力に関する加入屈折力は、1.0D〜3.0Dの範囲内にあるように選択されてもよい。
標的レンズ設計は、最適化により提供される少なくとも1つの自由曲面において、左側及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域が近用基準点を通って延びる水平線より下のある位置まで延びるように選択されてもよい。特に、標的レンズ設計は、最適化により提供される少なくとも1つの自由曲面において、左側及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域が少なくとも、近用基準点を通って延びる水平線の上下5mmにある水平線まで延びるように選択されてもよい。
眼鏡用累進レンズを設計するための上述の方法の第一の変形型において、標的レンズ設計は、最適化により提供される少なくとも1つの自由曲面において、上側使用領域内の低平均屈折力領域、左側周辺領域内の低平均屈折力領域、及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域が連続する低屈折力領域を形成するように選択される。この場合、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力は、第一の屈折力、特に第一の平均屈折力に対する1.5D以下の加入屈折力を表してもよい。さらに、標的レンズ設計は、最適化により提供される少なくとも1つの自由曲面において、連続する低平均屈折力領域が、眼鏡用レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm以内にある、眼鏡レンズの前記面積の少なくとも50%を占めるように選択されている。
眼鏡用累進レンズを設計するための本発明の方法の第二の変形型において、標的レンズ設計は、最適化により提供される少なくとも1つの自由曲面において、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力が、第一の屈折力、特に第一の平均屈折力に対する1.5Dを超えて2.0Dまでの加入屈折力を表し、左側及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域は、上側使用領域内の低平均屈折力領域から分離され、平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dより大きく、第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.5Dを超えない区域は、上側使用領域内の低平均屈折力領域を左側及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域の各々と接続するように選択される。
眼鏡用累進レンズを設計するための本発明の方法の第二の変形型において、標的レンズ設計は、最適化により提供される少なくとも1つの自由曲面において、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力が、第一の屈折力、特に第一の平均屈折力に対する2.0Dを超えて2.5Dまでの加入屈折力を表し、左側及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域は、上側使用領域内の低平均屈折力領域から分離され、平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dより大きく、第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.5Dを超えない区域は、上側使用領域内の低平均屈折力領域を左側及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域の少なくとも一方と接続するように選択される。
標的レンズ設計は、最適化により提供される少なくとも1つの自由曲面において、レンズの直径40mm以内の表面乱視屈折力が5.5Dを超えないように選択されてもよい。
コンピュータ実装方法は、レンズブランクを提供するステップと、レンズブランクから、最適化された自由曲面を持つ眼鏡用累進レンズを形成するステップとをさらに含んでいてもよい。
本発明の方法により、本発明の眼鏡用累進レンズの、本発明の眼鏡用累進レンズについて上述した利点を伴う設計及び製造が可能となる。したがって、本発明の方法の利点については、本発明の眼鏡用累進レンズについて述べた利点に参照されたい。
それに加えて、本発明は、特定の装用位置を持つ装用者に適応された眼鏡用累進レンズを設計するための別のコンピュータ実装方法を提供し、前記眼鏡レンズは前面及び後面を有する。この方法は、
−装用者の特定の装用位置を取得又は提供するステップと、
−装用者の遠見のための第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を取得又は提供するステップと、
−装用者の近見のための第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を取得又は提供するステップと、
−標的レンズ設計であって、
−遠見のための第一の屈折力、特に第一の平均屈折力と、近見のための第二の屈折力、特に第二の平均屈折力とを含む、眼鏡用累進レンズの屈折力分布と、
−遠見に適応された、第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する遠用基準点を持つ上側使用領域と、
−近見に適応された、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供し、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力に関する加入屈折力を提供する、近用基準点を持つ下側使用領域と、
−上側使用領域と下側使用領域との間の、屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力から第二の屈折力、特に第二の平均屈折力へと徐々に変化する累進帯と、
−累進帯及び下側使用領域により分離される左側周辺領域及び右側周辺領域と、
を画定し、
−低平均屈折力領域が上側使用領域、左側周辺領域、及び右側周辺領域内にあり、前記低平均屈折力領域では、装用者が特定の装用位置において装用者が経験する平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えず、
−低平均屈折力領域は眼鏡用レンズの面積の少なくとも40%を占めるような、
標的レンズ設計を提供するステップと、
−標的レンズ設計に基づいて、特定の装用位置において前面又は後面の少なくとも一方の形状を最適化するステップと、
を含む。
本発明の他の態様によれば、眼鏡用累進レンズが提供され、これは、
−特定の装用位置において、遠見に適応された第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する遠用基準点を持つ上側使用領域と、
−特定の装用位置において、近見に適応された第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供し、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力は第一の屈折力、特に第一の平均屈折力に関する加入屈折力を表す近用基準点を持つ下側使用領域と、
−上側使用領域と下側使用領域との間の、特定の装用位置において屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力から第二の屈折力、特に第二の平均屈折力へと徐々に変化する累進帯と、
−累進帯及び下側使用領域により分離される左側周辺領域及び右側周辺領域と、
−上側使用領域、左側周辺領域、及び右側周辺領域の中の低平均屈折力領域であって、前記低平均屈折力領域では特定の装用位置において装用者が経験する平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えない低平均屈折力領域と、
を含む。
本発明のこの態様によれば、低平均屈折力領域は眼鏡用レンズの面積の少なくとも40%を占め、左側周辺領域内の低平均屈折力領域と右側周辺領域内の低平均屈折力領域との間の距離、特に水平距離は、25mmを超えない。本発明のこの態様による眼鏡用累進レンズは、直径が少なくとも40mmの丸い眼鏡用累進レンズであってもよい。この場合、低平均屈折力領域は、眼鏡用累進レンズの、眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm以内にある面積の少なくとも40%を占める。
それに加えて、本発明のこの態様によれば、特定の装用位置によって特定の装用者に適応される眼鏡用累進レンズを設計するためのコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、
−装用者の特定の装用位置を取得又は提供するステップと、
−装用者の遠見のための屈折力を取得又は提供するステップと、
−装用者の近見のための屈折力を取得又は提供するステップと、
−装用者の特定の装用位置、遠見のための屈折力、及び近見のための屈折力に基づいて、眼鏡用累進レンズにより実現されるべき表面特性又は光学特性を定める標的レンズ設計を提供するステップと、
−レンズブランク上に形成されるべき自由曲線を、自由曲面の表面特性又は自由曲面で実現される光学特性と、それぞれ標的レンズ設計により定められる表面特性又は光学特性との相違を最小化するように最適化するステップと、
を含む。
標的レンズ設計は、最適化により、レンズブランクの前面及び/又は後面のための少なくとも1つの最適化された自由曲線が提供されるように選択され、少なくとも1つの最適化された自由曲面は、特定の装用位置において第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する遠用基準点を持つ上側使用領域と、特定の装用位置において、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供する近用基準点を持つ下側使用領域と、上側使用領域と下側使用領域との間の累進帯と、累進帯及び下側使用領域により分離される左側周辺領域及び右側周辺領域と、を画定する。それに加えて、標的レンズ設計は、最適化された自由曲面が、低平均屈折力が上側使用領域及び、左側周辺領域と右側周辺領域の少なくとも一方の中にあり、前記低平均屈折力領域内で、装用者が経験する平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えないように形成されるように選択される。さらに、標的レンズ設計は、前記少なくとも1つの自由曲面の最適化の後に、低平均屈折力領域が眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも40%を占め、左側周辺領域内の低平均屈折力領域と右側周辺領域内の低平均屈折力領域との間の距離、特に水平距離が25mmを超えないように選択される。
本発明のこの態様によれば、眼鏡用累進レンズは、直径が少なくとも40mmの丸い眼鏡用累進レンズであってもよい。この場合、標的レンズ設計は、低平均屈折力領域が眼鏡用累進レンズの、眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm以内にある面積の少なくとも40%を占めるように選択される。
本発明のこの態様による本発明の眼鏡用累進レンズにおいて、近視管理のための累進屈折力レンズ(PAL)要素の近見領域は通常より狭く、横方向に、レンズの遠用屈折力と同程度の比較的低い平均屈折力で取り囲まれる。したがって、近見領域はできるだけ狭く、それと同時に近見領域の両側の周辺屈折力低下部は可能な限り広くなる。これは、近見領域の左右で比較的急峻な勾配があることを意味する。それと反対に、現在市販されている従来のPALでは、レンズの下側部分における加入平均屈折力のスムーズに分布する(スムーズな勾配)かなり広い近見領域が確保されるように努められ、近見領域の両側の周辺屈折力低下部の大きさと深さが縮小されている。
本発明のまた別の態様によれば、眼鏡用累進レンズが提供され、これは、
−特定の装用位置において、遠見に適応された第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する遠用基準点を持つ上側使用領域と、
−特定の装用位置において、近見に適応された第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供し、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力は第一の屈折力、特に第一の平均屈折力に関する加入屈折力を表す近用基準点を持つ下側使用領域と、
−上側使用領域と下側使用領域との間の、特定の装用位置において屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力から第二の屈折力、特に第二の平均屈折力へと徐々に変化する累進帯と、
−累進帯及び下側使用領域により分離される左側周辺領域及び右側周辺領域と、
−上側使用領域、左側周辺領域、及び右側周辺領域の中の低平均屈折力領域であって、前記低平均屈折力領域では特定の装用位置において装用者が経験する平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えない低平均屈折力領域と、
を含む。
本発明のこの態様によれば、眼鏡用累進レンズは直径が少なくとも40mmの丸い眼鏡用累進レンズであり、低平均屈折力領域は眼鏡用累進レンズの、眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm以内にある面積の少なくとも40%を占める。
それに加えて、本発明のこの態様によれば、特定の装用位置によって特定の装用者に適応される丸い眼鏡用累進レンズを設計するためのコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、
−装用者の特定の装用位置を取得又は提供するステップと、
−装用者の遠見のための屈折力を取得又は提供するステップと、
−装用者の近見用の屈折力を取得又は提供するステップと、
−装用者の特定の装用位置、遠見のための屈折力、及び近見のための屈折力に基づいて、眼鏡用累進レンズにより実現されるべき表面特性又は光学特性を定める標的レンズ設計を提供するステップと、
−レンズブランク上に形成されるべき自由曲面を、自由曲面の表面特性又は自由曲面で実現される光学特性と、それぞれ標的レンズ設計により定められる表面特性又は光学特性との相違を最小化するように最適化するステップと、
を含む。
標的レンズ設計は、最適化によってレンズブランクの前面及び/又は後面のための少なくとも1つの最適化された自由曲面が提供されるように選択され、少なくとも1つの最適化された自由曲面は、特定の装用位置において屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する遠用基準点を持つ上側使用領域と、特定の装用位置において第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供する近用基準点を持つ下側使用領域と、上側使用領域と下側使用領域との間の累進帯と、累進帯及び下側使用領域により分離される左側周辺領域及び右側周辺領域と、を画定する。それに加えて、標的レンズ設計は、最適化された自由曲面が、上側使用領域及び、左側周辺領域と右側周辺領域のうちの少なくとも一方の中に低平均屈折力領域があり、前記低平均屈折力領域では、特定の装用位置において装用者が経験する平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えないように形成されるように選択される。
さらに、標的レンズ設計は、前記少なくとも1つの自由曲面の最適化の後に、低平均屈折力領域が眼鏡用累進レンズの、丸い眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm以内にある面積の少なくとも40%を占めるように選択される。
本発明のさらに別の態様によれば、眼鏡用累進レンズが提供され、これは、
−特定の装用位置において、遠見に適応された第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する遠用基準点を持つ上側使用領域と、
−特定の装用位置において、近見に適応された第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供し、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力は第一の屈折力、特に第一の平均屈折力に関する加入屈折力を表す近用基準点を持つ下側使用領域と、
−上側使用領域と下側使用領域との間の、特定の装用位置において屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力から第二の屈折力、特に第二の平均屈折力へと徐々に変化する累進帯と、
−累進帯及び下側使用領域により分離される左側周辺領域及び右側周辺領域と、
−上側使用領域、左側周辺領域、及び右側周辺領域の中の低平均屈折力領域であって、前記低平均屈折力領域では特定の装用位置において装用者が経験する平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えない低平均屈折力領域と、
を含む。
本発明のこの態様によれば、低平均屈折力領域は、眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも40%を占め、左側周辺領域及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域は、眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも10%%、有利な態様では少なくとも15%、さらに有利な態様では少なくとも25%を占める。本発明のこの態様による眼鏡用累進レンズは、直径が少なくとも40mmの丸い眼鏡用累進レンズであってもよい。この場合、低平均屈折力領域は、眼鏡用累進レンズの、眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm以内にある面積の少なくとも40%を占める。
それに加えて、本発明のこの態様によれば、特定の装用位置により特定の装用者に適応された丸い眼鏡用累進レンズを設計するためのコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、
−装用者の特定の装用位置を取得し、又は提供し、又は導き出すステップと、
−装用者の遠見のための屈折力を取得又は提供するステップと、
−装用者の近見のための屈折力を取得又は提供するステップと、
−装用者の特定の装用位置、遠見のための屈折力、及び近見のための屈折力に基づいて、眼鏡用累進レンズにより実現されるべき表面特性又は光学特性を定める標的レンズ設計を提供するステップと、
−レンズブランク上に形成されるべき自由曲面を、自由曲面の表面特性又は自由曲面により実現される光学特性と、それぞれ標的レンズ設計により定められる表面特性又は光学特性との相違を最小化するように最適化するステップと、
を含む。
標的レンズ設計は、最適化によってレンズブランクの前面及び/又は後面のための少なくとも1つの最適化された自由曲面が提供されるように選択され、少なくとも1つの最適化された自由曲面は、特定の装用位置において第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する遠用基準点を持つ上側使用領域と、特定の装用位置において第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供する近用基準点を持つ下側使用領域と、上側使用領域と下側使用領域との間の累進帯と、累進帯及び下側使用領域により分離される左側周辺領域及び右側周辺領域と、を画定する。それに加えて、最適化された自由曲面は、上側使用領域及び、左側周辺領域と右側周辺領域のうちの少なくとも一方の中に低平均屈折力領域があり、前記低平均屈折力領域では、特定の装用位置において装用者が経験する平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えないように形成される。さらに、標的レンズ設計は、前記少なくとも1つの自由曲面の最適化の後に、低平均屈折力領域が眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも40%を占め、左側周辺領域及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域が眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも10%、有利な態様では少なくとも15%、さらに有利な態様では少なくとも25%を占めるように選択される。
本発明のこの態様によれば、直径が少なくとも40mmの丸い眼鏡用累進レンズであってもよい。この場合、標的レンズ設計は、低平均屈折力領域が、眼鏡用累進レンズの、眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm以内にある面積の少なくとも40%を占めるように選択される。
本発明のさらに別の態様によれば、眼鏡用累進レンズが提供され、これは、
−特定の装用位置において、遠見に適応された第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する遠用基準点を持つ上側使用領域と、
−特定の装用位置において、近見に適応された第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供し、第二の屈折力、特に第二の平均屈折力は第一の屈折力、特に第一の平均屈折力に関する加入屈折力を表す近用基準点を持つ下側使用領域と、
−上側使用領域と下側使用領域との間の、特定の装用位置において屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力から第二の屈折力、特に第二の平均屈折力へと徐々に変化する累進帯と、
−累進帯及び下側使用領域により分離される左側周辺領域及び右側周辺領域と、
−上側使用領域、左側周辺領域、及び右側周辺領域の中の低平均屈折力領域であって、前記低平均屈折力領域では特定の装用位置において装用者が経験する平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えない低平均屈折力領域と、
を含む。
本発明のこの態様によれば、低平均屈折力領域は、眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも40%を占め、低平均屈折力の領域は、左側周辺領域及び/又は右側周辺領域の、特定の装用位置において、装用者の調節反応が近見作業中に、遠用処方による単焦点レンズで眼が示す通常の反応に関して変化せず、中心窩の正面又はその上に結像されるか、少なくとも中心窩での調節ラグが最小化されるような面積を占める。
本発明のこの態様による眼鏡用累進レンズは、直径が少なくとも40mmの丸い眼鏡用累進レンズであってもよい。この場合、低平均屈折力領域は、眼鏡用累進レンズの、眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm以内にある面積の少なくとも40%を占める。
それに加えて、本発明のこの態様によれば、特定の装用位置によって特定の装用者に適応された丸い眼鏡用累進レンズを設計するためのコンピュータ実装方法が提供される。この方法は、
−装用者の特定の装用位置を取得し、又は提供し、又は導き出すステップと、
−装用者の遠見のための屈折力を取得又は提供するステップと、
−装用者の近見のための屈折力を取得又は提供するステップと、
−装用者の特定の装用位置、遠見のための屈折力、及び近見のための屈折力に基づいて、眼鏡用累進レンズにより実現されるべき表面特性又は光学特性を定める標的レンズ設計を提供するステップと、
−レンズブランク上に形成されるべき自由曲面を、自由曲面の表面特性又は自由曲面により実現される光学特性と、それぞれ標的レンズ設計により定められる表面特性又は光学特性との相違を最小化するように最適化するステップと、
を含む。
標的レンズ設計は、最適化によってレンズブランクの前面及び/又は後面のための少なくとも1つの最適化された自由曲面が提供されるように選択され、少なくとも1つの最適化された自由曲面は、特定の装用位置において第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する遠用基準点を持つ上側使用領域と、特定の装用位置において第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供する近用基準点を持つ下側使用領域と、上側使用領域と下側使用領域との間の累進帯と、累進帯及び下側使用領域により分離される左側周辺領域及び右側周辺領域と、を画定し、最適化された自由曲面は、上側使用領域及び、左側周辺領域と右側周辺領域のうちの少なくとも一方の中に低平均屈折力領域があり、前記低平均屈折力領域では、特定の装用位置において、装用者が経験する平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えないように形成される。さらに、標的レンズ設計は、前記少なくとも1つの自由曲面の最適化の後に、低平均屈折力領域が眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも40%を占め、低平均屈折力の領域は、左側周辺領域及び/又は右側周辺領域の、特定の装用位置において、装用者の調節反応が近見作業中に、遠用処方による単焦点レンズで眼が示す通常の反応に関して変化せず、中心窩の正面又はその上の像が形成されるか、少なくとも中心窩での調節ラグが最小化されるような面積を占めるように選択される。
本発明のこの態様によれば、直径が少なくとも40mmの丸い眼鏡用累進レンズであってもよい。この場合、標的レンズ設計は、低平均屈折力領域が、眼鏡用累進レンズの、眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm以内にある面積の少なくとも40%を占めるように選択される。
本発明はさらに、コンピュータプログラムを提供し、これは、コンピュータプログラムがコンピュータにおいてロードされ、又は実行されたときに、眼鏡用累進レンズを設計するための本発明のコンピュータ実装方法のすべての方法ステップを実行するプログラムコードを伴う。
眼鏡用累進レンズの、及び眼鏡用累進レンズを設計するためのコンピュータ実装方法の幾つかのさらなる発展形は、本発明の幾つかの態様に関してのみ説明したが、当業者であれば、本発明の前記幾つかの態様に関して説明したものと同じさらなる発展形が、本発明の他の態様による眼鏡用累進レンズ、及び眼鏡用累進レンズを設計するためのコンピュータ実装方法にも当てはまることがわかる。
本発明のその他の特徴、特性、及び利点は、添付の図面と併せた本発明の実施形態に関する以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
加入屈折力が約1.5Dの眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mmの円の中の、彷徨する眼球に関するレイトレーシングによる平均加入屈折力の等高線を示す。 図1の眼鏡用累進レンズの表面乱視屈折力の等高線プロットを示す。 図2に示される黙示的な眼球経路に沿った図1の眼鏡用累進レンズのレイトレーシングによる平均加入屈折力のプロットを示す。 図1の眼鏡用累進レンズの平均表面加入屈折力の等高線プロットを示す。 図4に示される複数の水平線に沿った図1の眼鏡用累進レンズの平均表面加入屈折力のプロットを示す。 加入屈折力が約2.0Dの眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mmの円の中の、彷徨する眼球に関するレイトレーシングによる平均加入屈折力の等高線を示す。 図6の眼鏡用累進レンズの表面乱視屈折力の等高線プロットを示す。 図7に示される黙示的な眼球経路に沿った図6の眼鏡用累進レンズのレイトレーシングによる平均加入屈折力のプロットを示す。 図6の眼鏡用累進レンズの平均表面加入屈折力の等高線プロットを示す。 図9に示される複数の水平線に沿った図6の眼鏡用累進レンズの平均表面加入屈折力のプロットを示す。 加入屈折力が約2.5Dの眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mmの円の中の、彷徨する眼球に関するレイトレーシングによる平均加入屈折力の等高線を示す。 図11の眼鏡用累進レンズの表面乱視屈折力の等高線プロットを示す。 図12に示される経路に沿った図11の眼鏡用累進レンズのレイトレーシングによる平均加入屈折力のプロットを示す。 図11の眼鏡用累進レンズの平均表面加入屈折力の等高線プロットを示す。 図14に示される複数の水平線に沿った図11の眼鏡用累進レンズの平均表面加入屈折力のプロットを示す。 レンズの眼側に累進面を有する、加入屈折力が約1.5Dの眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mmの円の中の、彷徨する眼球に関するレイトレーシングによる平均加入屈折力の等高線を示す。 図16の眼鏡用累進レンズの後面乱視屈折力の等高線プロットを示す。 図17に示される黙示的な眼球経路に沿った図16の眼鏡用累進レンズのレイトレーシングによる平均加入屈折力のプロットを示す。 図16の眼鏡用累進レンズの後面上の平均表面加入屈折力の等高線プロットを示す。 図19に示される複数の水平線に沿った図16の眼鏡用累進レンズの平均表面加入屈折力のプロットを示す。 先行技術による眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mmの円の中の、彷徨する眼球に関するレイトレーシングによる平均加入屈折力の等高線を示す。 図21の先行技術による眼鏡用累進レンズの表面乱視屈折力の等高線プロットを示す。 図22に示される黙示的な眼球経路に沿った図21の先行技術による眼鏡用累進レンズのレイトレーシングによる平均表面加入屈折力のプロットを示す。 図21の先行技術による眼鏡用累進レンズの平均表面加入屈折力の等高線プロットを示す。 図24に示される複数の水平線に沿った図16の先行技術による眼鏡用累進レンズの平均表面加入屈折力のプロットを示す。
本発明の実施形態の説明を読む前に、以下の明細書中で使用される幾つかの表現の説明を以下に示す。
「自由曲面」という用語は、製造工程中に自由に形成されてもよく、軸対称又は回転対称を示す必要のない表面を指す。特に、自由曲面により、表面の異なる区画内で屈折力が異なることになってもよい。自由曲面の使用によって、装用者が体験する結像品質に関する眼鏡用レンズの品質を改善することができ、これは、眼鏡レンズを装用者の個々の処方値に関して、ならびに個々の心出し及びフレームのデータに関して最適化できるからである。累進屈折力レンズの自由曲面は、単焦点レンズのための自由曲面を計算する場合より表面の計算時に考慮に入れられるかもしれないパラメータをより多く含み、これは例えば累進長さ又は加入屈折力である。
「眼鏡用累進レンズ」という用語は、少なくとも1つの累進面を有し、遠見のための上側使用領域から近見のための下側使用領域へと平均加入屈折力を増大させる眼鏡用レンズを指す。本発明に関して、眼鏡用累進レンズは、眼鏡フレームに枠入れするための玉形加工の前又は玉形加工の後の眼鏡用レンズであってもよい。
「表面乱視屈折力」という用語は、レンズの曲率が、表面のある点においてレンズ表面に垂直である交差する平面によってどこまで異なるかの度合いを指す。表面乱視屈折力は、これらの交差する平面の何れかにおけるレンズ表面の最小及び最大曲率の差に(n−1)を乗じたものと等しく、nは基準屈折率である。
「フィッティングクロス」という用語は、眼鏡用累進レンズの表面上の、製造者が眼鏡用累進レンズを装用者の眼の正面に位置付けるための基準点として定めるある点にあるマークを指す。これは、「フィッティングクロス」が、製造者により提供されるレンズ表面上の「フィッティングポイント」のマークであることを意味する。
「屈折力」という用語は、瞳孔中心をフィッティングクロス及びレンズの後面頂点の後方27mmにある眼の回旋点と整列させるために枠入れされたレンズで無限遠にある物体を見ている、彷徨する眼球のために設定された光学レイトレーシングから計算された正味パワーエラーを意味する。このパワーは、眼球の回旋点を原点とし、レンズの後面頂点と接触する、「参照球面」として知られる球に関する。屈折力は、レンズにより参照球面で提供される輻輳開散を計算し、鮮鋭な像が見えるようにするために眼が必要とする、それに対応する輻輳開散を差し引くことによって特定される。これは、レンズが選択された眼−レンズモデルの条件下で眼の焦点に関するニーズをどれだけ満たすかの度合いを示す。モデルは眼の回旋のListingの法則による回旋モデルを含み、レンズがフィッティングクロスにおいて7°の典型的装用時前傾角と、0°のそり角を有すると仮定される。眼科光学において、眼鏡用累進レンズ等のレンズの所与の位置(これは通常、眼の回旋点に中心を置き、レンズの後面頂点と接触する参照球面上のある位置である)における屈折力は通常、3つのスカラ値、すなわち球面屈折力、円柱屈折力(乱視屈折力)及び円柱軸の組合せとして明示される。レンズの平均屈折力は、球面屈折力に円柱屈折力の値の半分を加えたものと等しく、すなわち、
M=S+C/2
であり、式中、Mは平均屈折力、S−球面屈折力、C−円柱すなわち乱視屈折力である。これに関して、球面屈折力とは、平行光の近軸光線束を1つの焦点にもたらすレンズのパワーであり、平行光の近軸光線束は、光の光線束に含まれる光線のレンズの光軸からの距離が短い光の光線束であり、光軸に関する光の光線の角度は、sinα≒αにより概算でき、円柱屈折力は、眼鏡用レンズが、平行光の近軸光線束を相互に直角の2つの別々の線焦点にもたらす能力を指す。これに関して、「主子午線」という用語は、2つの線焦点に平行な、円柱屈折力レンズの相互に垂直な2つの子午線の一方を指し、「子午線」という用語は、表面の曲率中心と、曲率中心における法線ベクトルを含む平面を指す。乱視屈折力には「円柱屈折力」が関係し、これは2つの主子午線における屈折力の差を表す。円柱屈折力のための基準として選択される主子午線の方向は、「円柱軸」と呼ばれる。
「遠用基準点」(DRP:distance reference point)という用語は、眼鏡用累進レンズの上半分の表面上の、遠見のための屈折力が適用される点を指す。
「上側使用領域」とは、遠用基準点の周囲の、遠見屈折力に対応する、又はそれに近い屈折力を有し、特定の装用位置における装用者にとっての乱視屈折力誤差が0.5D未満の領域を指す。
「近位基準点」(NRP:near reference point)という用語は、眼鏡用累進レンズの下半分の表面上の、近見の屈折力が適用される点を指す。
「下側使用領域」とは、近用基準点の周囲の、近見屈折力に対応する、又はそれに近い屈折力を有し、特定の装用位置における装用者にとっての乱視屈折力誤差が0.5D未満の領域を指す。
「累進帯」という用語は、上側使用領域と下側使用領域との間の、屈折力が遠用屈折力から近用屈折力へと徐々に変化し、表面乱視屈折力が0.5D未満である区域を表す。
「周辺領域」という用語は、特定の装用位置における装用者にとっての乱視屈折力誤差が0.5D以上であり、累進帯及び下側使用領域の左側及び右側にある領域を指す。
「平均加入屈折力」という用語は、レンズの所与の位置におけるレイトレーシングによる屈折力から遠用基準点における平均屈折力を引いたものを指すものとする。
「表面加入屈折力」という用語は、所与の位置におけるレンズの表面屈折力から、遠用基準点における表面屈折力を引いたものを指す。表面加入屈折力のスカラ変数が使用される場合、このスカラ変数は、表面屈折力が一般的に2×2テンソルであることから、「平均表面加入屈折力」と呼ばれる。
「眼球経路」という用語は、眼鏡用累進レンズが装用者にとって正しく設計された場合に、装用者が遠い物体、すなわち遠視野物体から近い物体、すなわち近視野物体へと固視を調節するときの鼻側及びこめかみ側の0.5Dの乱視屈折力等高線間の水平中心点の軌跡と典型的に一致する固視軌跡を指す。
ここで、本発明の眼鏡用累進レンズの第一の実施形態を図1〜5に関して説明する。第一の実施形態は、加入屈折力が約1.50Dの眼鏡用累進レンズを表す。
図1は、眼鏡用累進レンズの幾何学中心に中心を置く、第一の実施形態の眼鏡用累進レンズの直径40mmの丸い枠内で彷徨する眼球に関するレイトレーシングによる加入屈折力等高線を示す。これは、フィッティングクロス1の他に、中心が遠用基準点2Aにより与えられる部分円2及びその中心に近用基準点3Aを有する半円3を示す。図1に示される等高線は、眼鏡用累進レンズの平均加入屈折力がそれぞれ0.25D、0.5D、及び1.0Dの線を表す。図1の中のドット領域は、平均加入屈折力が0.125Dを超えない領域を表す。この領域は、以下、低平均屈折力領域と呼ばれる。したがって、低平均屈折力領域では、眼鏡用累進レンズの平均屈折力、すなわち遠用屈折力プラス平均加入屈折力が、遠用屈折力プラス0.125Dを超えない。低平均屈折力領域では、眼鏡用累進レンズの平均屈折力が遠用屈折力よりはるかに低くてもよいことに留意されたい。
図2は、図1の眼鏡用累進レンズの前面の表面乱視屈折力を示す等高線プロットである。表面乱視屈折力は、0.5D刻みの等高線が示されている。図2からわかるように、0.5Dの表面乱視屈折力を表し、左側及び右側周辺領域4L、4Rと境界を接する累進帯の右手側及び左手側に等高線がある。左側及び右側周辺領域4L、4Rにおいて到達される乱視屈折力の最大値は約3.5Dである。
左側及び右側周辺領域4L、4Rは、眼鏡用累進レンズの下側使用領域5及び累進帯6により分離される。表面乱視屈折力の0.5D等高線より上の領域は、この眼鏡用累進レンズの上側使用領域7である。
図2はまた、眼鏡用累進レンズの想定される眼球経路線8も示す。眼鏡経路線に沿ったレンズ前面のレイトレーシングによる平均加入屈折力の分布が、図3のプロットに示されている。この図において、横軸は、眼球経路線8と、y=0にある眼鏡用累進レンズの幾何学中心を通って延びる水平線との交点からの垂直距離yを表し、横軸は眼鏡用累進レンズの遠用屈折力に付加される屈折力をディオプトリ(D)で表す。0Dの平均加入屈折力の値は、この特定の位置における屈折力がゼロであることを意味するのではなく、この特定の位置における屈折力が患者の処方に応じた遠用屈折力に対応することを意味する点に留意されたい。
図3のプロットからわかるように、遠用基準点DRPはy=0から眼鏡用累進レンズの上端に向かって8mmの距離、すなわちy=−8mmの位置にある。本実施形態の上側使用領域は、約y=4mm(フィッティングクロスの位置)から始まる。さらに図1のプロットからわかるように、レイトレーシングによる平均加入屈折力は、眼鏡用累進レンズの垂直上端まで0.125D未満である。
近用基準点NRPは約y=−8mmにあり、下側使用領域は約y=−6.1mm(眼球経路に沿った名目上の平均加入屈折力の95%の位置)から始まる。下側使用領域は、約y=−8mmから約y=−20mmまで延びる、レイトレーシングによる平均加入屈折力の平坦部を含み、その中ではレイトレーシングによる平均加入屈折力は1.5Dでほとんど一定である。したがって、近用基準屈折力は、遠用基準屈折力より約1.5D高い。
約y=4mmから約y=−8mmの間で、レイトレーシングによる平均加入屈折力は約0.125Dから約1.5Dへと急峻に上昇する。平均加入屈折力が急峻に上昇する区域は、累進帯6に対応する。
図4は、0.5D刻みの等高線で平均表面加入屈折力を表す等高線プロットを示す。それに加えて、図4は、眼球経路線8に垂直に延びる近見領域と交差する水平線9A〜9Dを示す。
図5は、図4に示される水平線9A〜9Dに沿った表面加入屈折力を表すプロットを示す。このプロットにおいて、横軸は、眼鏡用累進レンズの幾何学中心を通って延びる垂直線からの距離xを表し、縦軸は平均加入屈折力をディオプトリ(D)で表す。眼球経路線8は、近い物体を見る時の眼の輻輳により歪められ、この線は水平線9A〜9Dの区域において図5の横軸のゼロの値と一致しない。図5から、平均加入屈折力は眼球経路線において最高(1.5D)であり、眼鏡用累進レンズの左右の縁に向かって、約x=−8mm及び約x=12mmにおいて0.125D未満の値まで低下することがわかる。これらの点間の距離は、本実施形態においては20mmである。眼鏡用累進レンズの累進帯に向かって、及び下側の縁に向かって、左側及び右側周辺領域4L、4Rの低平均屈折力領域間の距離はより小さくなり(図1参照)、それによって、本実施形態では20mmの距離が最大距離であることに留意されたい。
本実施形態において、平均表面加入屈折力は、遠用基準屈折力未満の値までさらに低下し、その後、再び上昇して、最終的にそれぞれ約x=−16mm及び約x=19mmで0.125Dの値を超える。それに対して、約x=−8mm〜約x=−16mmの間及び約12mm〜約19mmの間の領域は、図1に示される低平均屈折力領域の一部である。
図1から明らかとなるように、本実施形態の低平均屈折力領域は連続しており、上側使用領域の略全体と左側及び右側周辺領域の大きな部分とを含む。さらに、平均加入屈折力が下側使用領域5から左側及び右側周辺領域4L、4Rに向かって低下する際の勾配は、図16〜20に関して後で例示的に説明する従来の眼科眼鏡用累進レンズと比較して急峻である。
前述のように、図1のプロットは直径40mmの円を表す。この円の総面積は1256.65mmである。低平均屈折力領域によりカバーされる面積は758.9mmであり、これは円の総面積の60.4%に対応する。したがって、第一の実施形態の累進眼科眼鏡用累進レンズの大きな部分が事実上まったく平均加入屈折力を提供しない。
ここで、本発明の第二の実施形態を図6〜10に関して説明する。第二の実施形態の説明は、繰返しを回避するために第一の実施形態との相違点に焦点を当てる。したがって、第一の実施形態の特徴と実質的に同様の第二の実施形態の特徴については、第一の実施形態と同じ参照番号で示し、再び説明しない。第二の実施形態は、近見領域内の加入屈折力が約1.5Dではなく、約2.00Dである眼鏡用累進レンズを表す。
図6は、第二の実施形態の眼鏡用累進レンズの直径40mmの丸い枠を示す。この図は、第一の実施形態の図1に対応する。第一の実施形態と同様に、ドット領域内のレイトレーシングによる平均加入屈折もマイナスであってもよく、すなわち、低屈折力領域内にある平均屈折力は遠用屈折力より低くてもよい。
図7は、第一の実施形態の図2に対応し、表面乱視屈折力を表す等高線プロットを示す。図7からわかるように、第二の実施形態の眼鏡用累進レンズにおいて到達される乱視屈折力の最大値は、右側周辺領域において約4.5である。
図8は、第一の実施形態の図3に対応し、図7に示される眼球経路線8に沿ったレイトレーシングによる平均加入屈折力を示す。遠用基準点DRPの位置、近用基準点NRP、及び累進帯の位置は、第一の実施形態と同じである。レイトレーシングによる平均加入屈折力は、眼球線8の方向に、図7に示される直径50mmの円の下側縁まで略一定のままである点に留意されたい。
図9は、第一の実施形態の図4に対応し、眼鏡用累進レンズの直径50mmの円の中の、眼鏡用累進レンズの平均表面加入屈折力を表す等高線プロットを示す。
図10は、第一の実施形態の図5に対応し、図9に示される4つの水平線9A〜9Dに沿った平均表面加入屈折力を表すプロットを示す。図10からわかるように、平均表面加入屈折力は、−x方向及び+x方向に、x=2mm(眼球線の位置に対応する)における2.0Dから0.125Dへと低下する。0.125Dの値には、それぞれ約x=−11mm及び約x=+12mmで到達される。したがって、左側及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域は、約23mmだけ分離される。累進帯に向かって、左側及び右側周辺領域4L、4R内の低平均屈折力領域間の距離は短くなり、左側及び右側周辺領域4L、4R内の低平均屈折力領域11、12間の距離は、眼鏡用累進レンズの下側縁に向かってわずかのみ増大する(図6参照)点に留意されたい。左側及び右側周辺領域4L、4R内の低平均屈折力領域間の距離は、約25mmを超えない。平均表面加入屈折力が下側使用領域5から左側及び右側周辺領域4L、4Rに向かって低下する際の勾配は、第一の実施形態よりわずかに急峻である。
第二の実施形態において、右側周辺領域4Rの加入屈折力は遠用基準屈折力より低い値にさらに低下し、その後、再び上昇して、約x=22mmにおいて遠用屈折力に再び到達する。したがって、右側周辺領域内の水平線9A〜9Dに沿った低平均屈折力領域の幅は10mmを超える。左側周辺領域4Lにおいて、平均表面加入屈折力は、図9に示される水平線9A〜9D沿ってゼロ未満には低下せず、約x=−14mmにおいて再び0.125Dに到達し、それによって低平均屈折力領域の幅は約3mであり、その結果、低平均屈折力領域は右側周辺領域4Rより狭くなる。この非対称性は眼球線8がx=0からずれていることによる。しかしながら、図6から、左側周辺領域4L内の低平均屈折力領域の幅が水平線9A〜9Dの領域内で最も狭く、それによって、約3mmの幅は、左側周辺領域内の低平均屈折力領域の最小幅を表す点に留意されたい。
図6からわかるように、本実施形態の低平均屈折力領域は連続的ではなく、3つのつながっていない小領域10、11、12を含み、第一の小領域10は上側使用領域7と多少一致し、第二の小領域11は左側周辺領域4Lの中にあり、第三の小領域12は右側周辺領域4Lの中にある。第一の小領域10は、第二の小領域11及び第三の小領域12と、眼鏡用累進レンズのうち、レイトレーシングによる平均加入屈折力が0.125D〜0.5Dの部分により接続される。
第二の実施形態において、図6に示される直径40mmの円の中の低平均屈折力領域の面積は589.4mmである。したがって、第二の実施形態の低平均屈折力領域は、図6に示される直径40mmの円の中の面積の46.9%を占める。
ここで、本発明の眼鏡用累進レンズの第三の実施形態を図11〜15に関して説明する。再び、第一の実施形態に示される要素と実質的に違わない要素は、第一の実施形態と同じ参照番号で示され、繰返しを回避するために再び説明しない。第三の実施形態は、加入屈折力が約2.50Dの眼鏡用累進レンズを表す。
図11は、第三の実施形態の眼鏡用累進レンズの直径40mmの丸い枠を示す。この図は第一の実施形態の図1に対応する。ドット領域は、第三の実施形態の低平均屈折力領域である。
図12は、第一の実施形態の図2に対応し、本発明の第三の実施形態による眼鏡用累進レンズの表面乱視屈折力の等高線プロットを示す。この眼鏡用累進レンズにおいて到達される乱視屈折力の最大値は、右側周辺領域4Rにおいて約5.5である。
図13は、第一の実施形態の図3に対応し、眼球経路線8に沿ったレイトレーシングによる平均加入屈折力のプロットを示す。遠用基準点DRP、近用基準点NRP、及び累進帯の位置は、第一の実施形態と同じである。
図14は、第一の実施形態の図4に対応し、直径50mmの円の中の平均表面加入屈折力を表す等高線プロットを示し、図15は、第一の実施形態の図5に対応し、図14の水平線9A〜9Dに沿った平均表面加入屈折力を示す。最大平均表面加入屈折力から、平均表面加入屈折力は左右に低下し、最終的に0.125Dの平均表面加入屈折力に到達する。左側、すなわち−x方向に、プロットは4つの線9A〜9Dのうちの3つについて、0.125Dより高い平均表面加入屈折力を示している点に留意されたい。これは、左側周辺領域4Lにおける低平均屈折力領域11が2つの分離された部分1A、11Bを含んでいるからであり、これらは左側周辺領域4Lのうち、平均表面加入屈折力が0.125Dより高く、約0.25Dに到達する部分によって分割される。4つの縦線9A〜9Dのうちの3つは、左側周辺領域4Lの低平均屈折力領域11の2つの部分間の領域を通って延びる。
0.125Dの値は、それぞれ約x=−11mm及び約x=+12mmにおいて到達される。したがって、左側及び右側周辺領域内の低平均屈折力領域は約23mmだけ分離される。平均表面加入屈折力が下側使用領域5から左側及び右側周辺領域4L、4Rに向かって低下する際の勾配は、第二の実施形態よりはるかに急峻である。
左側周辺両領域4L内の低平均屈折力領域と右側周辺領域4R内の低平均屈折力領域間の距離は、約23mmである。累進帯に向かって、右側及び左側周辺領域4L、4R内の低平均屈折力領域間の距離は短くなり、左側及び右側周辺領域4L、4R内の低平均屈折力領域間の距離は、眼鏡用累進レンズの下側縁に向かってわずかに増大するだけである。左側及び右側周辺領域4L、4R内の低平均屈折力領域間の距離は、約25mmを超えない。
図11からわかるように、上側使用領域7、左側周辺領域4L、及び右側周辺領域4R内の低平均屈折力領域10、11A、11B、12は、第二の実施形態と同様に、つながっていない。さらに、左側周辺領域内の低平均屈折力領域は、つながっていない2つの部分11A、11Bにより形成される。しかしながら、平均表面加入屈折力は、これら2つの部分の間で0.25Dを超えない。左側周辺領域4L内の低平均屈折力領域11A、11Bは、上側使用領域7の中の低平均屈折力領域10に、眼鏡用累進レンズのうち、平均表面加入屈折力が0.125D〜0.5Dである部分を介して接続される。右側周辺領域4Rの中の低平均屈折力領域12は、上側使用領域7の中の低平均屈折力領域10に、眼鏡用累進レンズのうち、平均表面加入屈折力が0.125D〜1.0Dである部分を介して接続される。
図11に示される直径40mmの円の、低平均屈折力領域により占められる面積は567.1mmであり、これは直径40mmの円の中の総面積の45%の部分に対応する。
ここまで説明した眼鏡用累進レンズの実施形態において、遠用基準点における屈折力は−2.5DS(球面屈折力のディオプトリ)であり、平均加入屈折力を提供する自由曲面は眼鏡用累進レンズの前面にあり、その一方で、裏面は、眼鏡用累進レンズの材料の屈折率は1.594であるものの、屈折率1.530において2.4Dの球を持つ球面である(レンズ、特に球面レンズの表面屈折力は、レンズ材料に関係なく、基準屈折率1.530で示すことが従来の慣習である)。しかしながら、平均加入屈折力を提供する自由曲面はまた、眼鏡用累進レンズの後面にあってもよく、前面は球面である。トーリック後面(自由曲面が前面に形成されている場合)又はトーリック前面(自由曲面が後面に形成されている場合)もまた可能である点に留意されたい。後面及び前面の両方に自由曲面を与え、自由曲面の後面と自由曲面の前面とが一緒にレンズの加入屈折力を提供するという別の選択肢もある。
以下に、第四の実施形態を図16〜20に関して説明する。第四の実施形態は、屈折率1.594の眼鏡用累進レンズを表し、遠用基準点における屈折力は−2.5DS(球面屈折力のディオプトリ)であり、近見領域の平均加入屈折力は、第一の実施形態と同様に約1.5Dである。第一の実施形態と第四の実施形態との主な違いは、第四の実施形態の平均加入屈折力が、第一の実施形態の場合のように累進的自由曲面の前面によるのではなく、累進的自由曲面の後面により提供されることである。第四の実施形態の前面は、基準屈折率1.530における2.4Dの球である。第一の実施形態の特徴と実質的に同様の第四の実施形態の特徴は、第一の実施形態と同じ参照番号で示し、再び説明しない。
図16は、第二の実施形態の眼鏡用累進レンズの直径40mmの丸い枠を示す。この図は第一の実施形態の図1に対応する。第一の実施形態と同様に、ドット領域内のレイトレーシングによる平均加入屈折力は、遠見屈折力を0.125Dより大きく超過しない平均屈折力を有する。
図17は、第一の実施形態の図2に対応し、裏面の表面乱視屈折力を表す等高線プロットを示す。図17を図2と比較することからわかるように、第四の実施形態の裏面の表面乱視屈折力は、第一の実施形態の前面の表面乱視屈折力とほとんど同じである。
図18は、第一の実施形態の図3に対応し、図17に示される眼球経路線8に沿ったレイトレーシングによる平均加入屈折力を示す。遠用基準点DRP、近用基準点NRP、及び累進帯の位置は、第一の実施形態と同じである。全体として、眼球経路線に沿ったレイトレーシングによる平均加入屈折力の特徴は、第一の実施形態の眼球経路線に沿ったレイトレーシングによる平均加入屈折力と非常に類似している。
図19は、第一の実施形態の図4に対応し、眼鏡用累進レンズの直径50mmの円の中の第四の実施形態の眼鏡用累進レンズの後面の平均表面加入屈折力を表す等高線プロットを示す。
図20は、第一の実施形態の図5に対応し、図19に示される4本の水平線9A〜9Dに沿った眼鏡用累進レンズの後面の平均表面加入屈折力を表すプロットを示す。
図16に示される直径40mmの円の中の低平均屈折力領域の面積は、第四の実施形態において764.4mmである。したがって、第四の実施形態の低平均屈折力領域は、図16に示される直径40mmの円の中の面積の60.8%を占める。
比較として、平均加入屈折力1.5Dで屈折率1.594の典型的な先行技術による眼鏡用累進レンズが図21〜25に示されており、これらはそれぞれ第一の実施形態の図1〜5に対応する。
図21からわかるように、周辺領域のレイトレーシングによる平均加入屈折力は常に0.125Dより高く、周辺領域のうちの大きな面積はまた、0.5Dより高く、それに対して、第一及び第四の実施形態の眼鏡用累進レンズ(そのレイトレーシングによる平均加入屈折力もまた1.5Dである)においては、周辺領域のうちの大きな部分が0.125Dのレイトレーシングによる平均加入屈折力を超過しない(図1及び16と比較)。図21に示される先行技術による眼鏡用累進レンズの直径40mmの円の中の低平均屈折力領域(ドット領域)の面積は401.2mmである。したがって、先行技術による眼鏡用累進レンズの低平均屈折力領域は、直径40mmの円の中の面積の約32%しか占めず、それに対し、本発明の第一の実施形態による本発明の眼鏡用累進レンズにおいては、低平均屈折力領域は直径40mmの円の中の面積の約60%を占め、これは先行技術による眼鏡用累進レンズの場合のほぼ2倍である。図21〜25に示される先行技術による眼鏡用累進レンズより高い、レイトレーシングによる平均加入屈折力を有する第二及び第三の実施形態の眼鏡用累進レンズであっても、45%の低平均屈折力領域は先行技術による眼鏡用累進レンズの低平均屈折力領域より、直径40mmの円の中の面積の中のはるかに大きい部分を占める。それに加えて、図5、10、15、及び20を図25と比較すると、平均表面加入屈折力が下側使用領域から左側及び右側周辺領域へと変化する際の勾配は、先行技術による眼鏡用累進レンズの場合より本発明の眼鏡用累進レンズにおいてはるかに急峻であることがわかる。
本発明は、レイトレーシングによる平均加入屈折力が0.125Dを超えない、大きい低平均屈折力領域が存在し、それが眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mmの円の中の面積の少なくとも45%を占める眼鏡用累進レンズを提供する。図示されているすべての実施形態において、低平均屈折率領域は下側使用領域及び累進帯の両側の周辺領域内にある。それに対して、最新技術による眼鏡用累進レンズの低平均屈折力領域の部分は、それぞれの眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mmの円の中の面積の約35%を超えない。さらに、最新技術による眼鏡用累進レンズは、周辺領域において、レイトレーシングによる平均加入屈折力が0.125D未満の低平均屈折力領域を示さないか、又はこのような低平均屈折力領域が周辺領域内にある場合、これらは右側及び左側周辺領域の一方にしかなく、これらはそれぞれの周辺領域の無視できる程度の面積部分しか占めない。
眼鏡用累進レンズを製造するための本発明の方法の実施形態によれば、本発明の眼鏡用累進レンズは装用者のために個々に製造されてもよい。方法は、装用者の特定の装用位置を取得するステップと、装用者の遠見のための第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を取得するステップと、装用者の近見のための第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を取得するステップと、レンズブランクとしてセミフィニッシュトレンズブランクを提供するステップと、を含む。セミフィニッシュトレンズブランクの中で、一方のレンズ面はすでに仕上げられている。この表面は典型的に、球面又はトーリック面である。この実施形態において、仕上げ済みのレンズ面は前面である。しかしながら、自由曲面が前面に形成される予定である場合、それは後面であってもよい。
装用者の特定の装用位置、第一の屈折力、特に第一の平均屈折力、及び第二の屈折力、特に第二の平均屈折力に基づいて、セミフィニッシュトレンズブランクの後面上に自由曲面が形成される。この自由曲面は、遠用基準点(2A)を有する上側使用領域(7)と、近用基準点(3A)を有する下側使用領域(5)と、累進帯(6)であって、上側使用領域(7)、下側使用領域(5)及び、累進帯(6)と下側使用領域(5)によって分離される左側周辺領域(4L)及び右側周辺領域(4R)との間にある累進帯(6)と、を画定する。自由曲面は、低平均屈折力領域(10、11、12)が上側使用領域(7)及び、左側周辺領域(4L)と右側周辺領域(4R)のうちの少なくとも一方の中に存在するように形成される。前記低平均屈折力領域(10、11、12)では、特定の装用位置において装用者が経験する平均屈折力は、第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えない。さらに、前記少なくとも1つの自由曲面は、低平均屈折力領域(10、11、12)が眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも40%を占めるように形成される。
本発明の方法のこの実施形態では、自由曲面はセミフィニッシュトレンズブランクの後面に形成されるが、自由曲面は前面に形成されてもよい。この場合、セミフィニッシュトレンズブランクの後面は球面又はトーリック面であろう。
レンズブランクはセミフィニッシュトレンズブランクである必要はなく、眼鏡用レンズを形成するための開始点として適当な何れの形態の原材料であってもよい点に留意されたい。
眼鏡用レンズは、コンピュータ実装方法を使って設計されてもよい。この方法において、装用者のための特定の装用位置、装用者の遠見のための第一の屈折力、特に第一の平均屈折力、装用者の近見のための第二の屈折力、特に第二の平均屈折力は、標的レンズ設計と共に取得又は提供される。この標的レンズ設計は、
−遠見のための第一の屈折力、特に第一の平均屈折力と、近見のための第二の屈折力、特に第二の平均屈折力とを含む眼鏡用累進レンズの屈折力分布、
−遠見に適応された第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する、遠用基準点(2A)を有する上側使用領域(7)、
−第一の屈折力、特に第一の平均屈折力に関する加入屈折力を提供する、近見に適応された第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供する、近用基準点(3A)を有する下側使用領域(5)、
−上側使用領域(7)と下側使用領域(5)との間の、屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力から第二の屈折力、特に第二の平均屈折力へと徐々に変化する累進帯(6)、
−累進帯及び下側使用領域(5)により分離された左側周辺領域(4L)と右側周辺領域(4R)、
を画定し、
−低平均屈折力領域(10、11、12)が上側使用領域(7)、左側周辺領域(4L)、及び右側周辺領域(4R)の中にあり、前記低平均屈折力領域(10、11、12)では、特定の装用位置において装用者が経験する平均屈折力が第一の屈折力、特に第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えない。低平均屈折力領域(10、11、12)は、眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも40%を占める。
眼鏡レンズの設計は、特定の装用位置における前面又は後面のうちの少なくとも一方の形状を、標的レンズ設計に基づいて最適化するステップを含む。眼鏡用レンズ表面の形状をどのように最適化するかに関する情報は、欧州特許第0 857 993 A2号明細書又はWerner Koeppen, “Konzeption und Entwicklung von Gleitsichtglaesern” DOZ 10/95、42−46ページに記載されている。
本発明を例示の理由によって4つの実施形態に関して説明したが、当業者にとっては、図示された実施形態とは異なる実施形態も可能であることが明らかである。例えば、この実施形態は、最大平均加入屈折力が約1.5D、2.0D、及び2.5Dの眼鏡用累進レンズを示している。しかしながら、その他の最大平均加入屈折力も可能である。典型的な最大平均加入屈折力は1.0〜3.0Dの間にあり、1.5D〜2.5Dの加入屈折力が最も一般的である。したがって、本発明は上述の特定の実施形態に限定されず、付属の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
参照番号
1 フィッティングクロス
2 部分円
3 半円
4L、R 左側、右側周辺領域
5 下側使用領域
6 累進帯
7 上側使用領域
8 眼球線
9A−D 水平線
10 小領域
11 小領域
12 小領域

Claims (24)

  1. 眼鏡用累進レンズであって、
    −特定の装用位置において、遠見に適応された第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する、遠用基準点(2A)を有する上側使用領域(7)と、
    −前記特定の装用位置において、近見に適応された第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供する、近用基準点(3A)を有する下側使用領域(5)であって、前記第二の屈折力、特に前記第二の平均屈折力は、前記第一の屈折力、特に前記第一の平均屈折力に関する加入屈折力を表す下側使用領域(5)と、
    −前記上側使用領域(7)と前記下側使用領域(5)との間の、前記特定の装用位置において屈折力、特に平均屈折力が前記第一の屈折力、特に前記第一の平均屈折力から前記第二の屈折力、特に前記第二の平均屈折力へと徐々に変化する累進帯(6)と、
    −前記累進帯及び前記下側使用領域(5)により分離された左側周辺領域(4L)及び右側周辺領域(4R)と、
    −前記上側使用領域(7)、前記左側周辺領域(4L)、及び前記右側周辺領域(4R)の中の低平均屈折力領域(10、11、12)と、を含み、前記低平均屈折力領域(10、11、12)では、前記特定の装用位置において前記装用者が経験する平均屈折力が前記第一の屈折力、特に前記第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えない、
    眼鏡用累進レンズにおいて、
    −前記低平均屈折力領域(10、11、12)は、前記眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも40%を占めることと、
    −前記左側周辺領域(4L)内の前記低平均屈折力領域(11)と前記右側周辺領域(4R)内の前記低平均屈折力領域(12)との間の距離は25mm以下であることを特徴とする、を特徴とする眼鏡用累進レンズ。
  2. 前記装用者の前記特定の装用位置における前記屈折力、特に前記平均屈折力は、その回旋点の周囲で彷徨する眼球をシミュレートすることによって規定され、それによって前記屈折力、特に前記平均屈折力は、前記眼が第一眼位にあるときに、瞳孔中心をフィッティングポイント及び、前記レンズの後面頂点の後方20mm〜30mmの範囲内の特定の距離にある前記眼の回旋点と整列させるために枠入れされた前記眼鏡用累進レンズで無限遠にある物体を見ている、前記彷徨する眼球のために設定された光学レイトレーシングから計算され、前記屈折力、特に前記平均屈折力は、前記眼の前記回旋点を原点とし、前記眼鏡用累進レンズの前記後面頂点と接触する球に関し、前記シミュレーションは、眼球回旋のListingの法則による回旋モデルを含み、前記レンズが前記フィッティングポイントにおいて−20°〜+30°の範囲から選択される装用前傾角と、前記フィッティングポイントにおいて−5°〜+15°の間の範囲から選択されるそり角を有すると仮定されることを特徴とする、請求項1に記載の眼鏡用累進レンズ。
  3. 前記左側周辺領域(4L)と前記右側周辺領域(4R)において装用者が経験する前記平均屈折力は、常に前記第二の屈折力、特に前記第二の平均屈折力より低いことを特徴とする、請求項1又は2に記載の眼鏡用累進レンズ。
  4. 前記眼鏡用累進レンズは直径が少なくとも40mmの丸い眼鏡用累進レンズであり、前記低平均屈折力領域(10、11、12)は、前記眼鏡用累進レンズのうち、前記眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm以内にある面積の少なくとも40%を占めることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の眼鏡用累進レンズ。
  5. 前記第二の屈折力、特に前記第二の平均屈折力により提供される、前記第一の屈折力、特に前記第一の平均屈折力に関する前記加入屈折力は、1.0D〜3.0Dの範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼鏡用累進レンズ。
  6. 前記左側及び右側周辺領域(4,L、4R)内の前記低平均屈折力領域(11、12)は、前記近用基準点(3A)を通って延びる水平線より下の位置まで延びることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の眼鏡用累進レンズ。
  7. 前記左側及び右側周辺領域(4L、4R)内の前記低平均屈折力領域(11、12)は、少なくとも前記近用基準点(3A)を通って延びる水平線の上下5mmに位置付けられている水平線まで延びることを特徴とする、請求項に記載の眼鏡用累進レンズ。
  8. 前記上側使用領域(7)内の前記低平均屈折力領域(10)は、前記眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm以内の、前記遠用基準点(2A)を取って延びる水平線より上にある、前記眼鏡用累進レンズ面積の全部をカバーすることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の眼鏡用累進レンズ。
  9. 前記上側使用領域(7)内の前記低平均屈折力領域(10)、前記左側周辺領域(4L)内の前記低平均屈折力領域(11)、前記右側周辺領域(4R)内の低平均屈折力領域(12)は、連続する低屈折力領域を形成することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の眼鏡用累進レンズ。
  10. 前記第二の屈折力、特に前記第二の平均屈折力は、前記第一の屈折力、特に前記第一の平均屈折力に対する1.5D以下の加入屈折力を表すことを特徴とする、請求項に記載の眼鏡用累進レンズ。
  11. 前記連続する低平均屈折力領域(10、11、12)は、前記眼鏡用累進レンズの、前記眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm以内にある前記面積の少なくとも50%を占めることを特徴とする、請求項2及び請求項又は請求項2及び請求項10に記載の眼鏡用累進レンズ。
  12. 前記第二の屈折力、特に前記第二の平均屈折力は、前記第一の屈折力、特に前記第一の平均屈折力に対する1.5Dより高く、2.0Dまでの加入屈折力を表し、前記左側及び右側周辺領域(4L、4R)内の前記低平均屈折力領域(11、12)は、前記上側使用領域(7)内の前記低平均屈折力領域(10)から分離され、前記平均屈折力が前記第一の屈折力、特に前記第一の平均屈折力プラス0.125Dより大きいが、前記第一の屈折力、特に前記第一の平均屈折力プラス0.5Dを超えない区域が、前記上側使用領域(7)内の前記低平均屈折力領域(10)を前記左側及び右側周辺領域(4L、4R)内の前記低平均屈折力領域(11、12)の各々と接続することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の眼鏡用累進レンズ。
  13. 前記第二の屈折力、特に前記第二の平均屈折力は、前記第一の屈折力、特に前記第一の平均屈折力に対する2.0Dより高く、2.5Dまでの加入屈折力を表し、前記左側及び右側周辺領域内の前記低平均屈折力領域(11、12)は、前記上側使用領域(7)内の前記低平均屈折力領域(10)から分離され、前記平均屈折力が前記第一の屈折力、特に前記第一の平均屈折力プラス0.125Dより大きいが、前記第一の屈折力、特に前記第一の平均屈折力プラス0.5Dを超えない区域が、前記上側使用領域(7)内の前記低平均屈折力領域(10)を前記左側及び右側周辺領域(4L、4R)内の前記低平均屈折力領域(11、12)の少なくとも一方と接続することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の眼鏡用累進レンズ。
  14. 前記レンズの前記直径40mm以内の表面乱視屈折力は5.5Dを超えないことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項又は請求項4に記載の眼鏡用累進レンズ。
  15. 前記レンズの前記直径40mm以内の表面乱視屈折力は3.5Dを超えないことを特徴とする、請求項14又は請求項10又は請求項11に記載の眼鏡用累進レンズ。
  16. 前記レンズの前記直径40mm以内の前記表面乱視屈折力は4.5Dを超えないことを特徴とする、請求項14又は請求項12に記載の眼鏡用累進レンズ。
  17. 特定の装用位置によって特定の装用者に適応される眼鏡用累進レンズの製造方法において、
    −前記装用者の前記特定の装用位置を取得又は提供するステップと、
    −前記装用者の遠見用の屈折力を取得又は提供するステップと、
    −前記装用者の近見用の屈折力を取得又は提供するステップと、
    −レンズブランクを提供するステップと、
    −前記装用者の前記特定の装用位置、前記遠見用の屈折力、及び前記近見用の屈折力に基づいて、前記レンズブランクの前面及び/又は後面に、前記特定の装用位置において、遠見用に適応された第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する遠用基準点(2A)を有する上側使用領域(7)と、前記特定の装用位置において、近見用に適応された第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供する近用基準点(3A)を有する下側使用領域(5)と、前記上側使用領域(7)と前記下側使用領域(5)との間の累進帯(6)と、前記累進帯(6)と前記下側使用領域(5)から分離される左側周辺領域(4L)及び右側周辺領域(4R)と、を画定する少なくとも1つの自由曲面を形成するステップであって、前記自由曲面は、低平均屈折力領域(10、11、12)が前記上側使用領域(7)及び、前記左側周辺領域(4L)と前記右側周辺領域(4R)のうちの少なくとも一方の中にあるように形成され、前記低平均屈折力領域(10、11、12)内では、前記特定の装用位置において、装用者が経験する平均屈折力が前記第一の屈折力、特に前記第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えず、前記少なくとも1つの自由曲面は、前記低平均屈折力領域(10、11、12)が前記眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも40%を占めるように形成され、ここで、前記左側周辺領域(4L)内の前記低平均屈折力領域(11)と前記右側周辺領域(4R)内の前記低平均屈折力領域(12)との間の距離は25mm以下であるステップと、
    を含む方法。
  18. 特定の装用位置によって特定の装用者に適応される眼鏡用累進レンズを設計するコンピュータ実装方法において、
    −前記装用者の前記特定の装用位置を取得又は提供するステップと、
    −前記装用者の遠見用の屈折力を取得又は提供するステップと、
    −前記装用者の近見用の屈折力を取得又は提供するステップと、
    −前記装用者の前記特定の装用位置、前記遠見用の屈折力、及び前記近見用の屈折力に基づいて、前記眼鏡用累進レンズにより実現されるべき表面特性又は光学特性を定める標的レンズ設計を提供するステップと、
    −レンズブランク上に形成されるべき自由曲面を、前記自由曲面の表面特性又は前記自由曲面で実現される光学特性とそれぞれ前記標的レンズ設計により定められる前記表面特性又は光学特性との相違を最小化するように最適化するステップであって、前記標的レンズ設計は、前記最適化によって、前記レンズブランクの前面及び/又は後面のための少なくとも1つの最適化された自由曲面を提供するように選択され、少なくとも1つの最適化された自由曲面は、前記特定の装用位置において、遠見に適応された第一の屈折力、特に第一の平均屈折力を提供する、遠用基準点(2A)を有する上側使用領域(7)と、前記特定の装用位置において、近見に適応された第二の屈折力、特に第二の平均屈折力を提供する、近用基準点(3A)を有する下側使用領域(5)と、前記上側使用領域(7)と前記下側使用領域(5)との間の累進帯(6)と、前記累進帯(6)及び前記下側使用領域(5)により分離される左側周辺領域(4L)及び右側周辺領域(4R)と、を画定し、前記最適化された自由曲面は、前記上側使用領域(7)及び、前記左側周辺領域(4L)と前記右側周辺領域(4R)のうちの少なくとも一方の中に低平均屈折力領域(10、11、12)が存在するように形成され、前記低平均屈折力領域(10、11、12)では、前記特定の装用位置において、装用者が経験する平均屈折力が前記第一の屈折力、特に前記第一の平均屈折力プラス0.125Dを超えず、前記標的レンズ設計は、前記少なくとも1つの自由曲面の前記最適化の後に、前記低平均屈折力領域(10、11、12)が前記眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも40%を占めるように選択され、ここで、前記左側周辺領域(4L)内の前記低平均屈折力領域(11)と前記右側周辺領域(4R)内の前記低平均屈折力領域(12)との間の距離は25mm以下であるステップと、を含むコンピュータ実装方法。
  19. 前記眼鏡用累進レンズは丸い眼鏡用累進レンズであり、前記標的レンズ設計は、前記少なくとも1つの自由曲面の前記最適化の後に、前記低平均屈折力領域(10、11、12)は、前記眼鏡用累進レンズの、前記丸い眼鏡用累進レンズの幾何学中心の周囲の直径40mm以内にある面積の少なくとも40%を占めるように選択される、請求項18に記載のコンピュータ実装方法。
  20. 前記左側周辺領域(4L)内及び前記右側周辺領域(4R)内の前記低平均屈折力領域(11、12)は、前記眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも10%を占める、請求項1〜16の何れか1項に記載の眼鏡用累進レンズ。
  21. 前記標的レンズ設計は、前記少なくとも1つの自由曲面の前記最適化の後に、前記左側周辺領域(4L)内及び前記右側周辺領域(4R)内の前記低平均屈折力領域(11、12)は、前記眼鏡用累進レンズの面積の少なくとも10%を占めるように選択される、請求項18に記載の眼鏡用累進レンズを設計するコンピュータ実装方法。
  22. 前記低平均屈折力領域(10、11、12)は、前記左側周辺領域(4L)及び/又は前記右側周辺領域(4R)の、前記特定の装用位置において、前記装用者の調節反応が近見作業中に遠用処方による単焦点レンズで眼が示す通常の反応に関して変化せず、中心窩の正面又はその上に結像される、又は少なくとも前記中心窩での調節ラグが最小化されるような面積を占める、請求項1に記載の眼鏡用累進レンズ。
  23. 前記標的レンズ設計は、前記少なくとも1つの自由曲面の前記最適化の後に、前記低平均屈折力領域(10、11、12)が、前記左側周辺領域(4L)及び/又は前記右側周辺領域(4R)の、前記特定の装用位置において、前記装用者の調節反応が近見作業中に遠用処方による単焦点レンズで眼が示す通常の反応に関して変化せず、中心窩の正面又はその上に結像される、又は少なくとも前記中心窩での調節ラグが最小化されるような面積を占めるように選択される、請求項18に記載の眼鏡用累進レンズを設計するコンピュータ実装方法。
  24. レンズブランクを提供するステップと、前記レンズブランクから、前記最適化された自由曲面を有する眼鏡用累進レンズを形成するステップとをさらに含む、請求項23に記載のコンピュータ実装方法。
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