JP6721262B1 - 帯電状態の検知装置並びに地震の予知方法、落雷の予知方法及び静電気放電の予知方法 - Google Patents

帯電状態の検知装置並びに地震の予知方法、落雷の予知方法及び静電気放電の予知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易且つ小型の装置で、容易に地震の予知又は予測を行うことができ、しかも、落雷も予知・予測することができる地表の帯電状態の検知装置並びに地震の予知方法、落雷の予知方法及び静電気放電の予知方法を提供する。【解決手段】検出部100から、電波を地表に設置された誘電体部材102に照射し、定在波レーダーの差分距離スペクトルから、地表の誘電体部材102における誘電率の変化(帯電量の変化)を測定する。このとき、地表の測定部における静電気量の増減があると、これが誘電率の変化となって現れる。一方、地震又は落雷が生じる前段階で、地表の静電気量が変化する。そこで、この誘電率の増減が検知されたときに、それは静電気量が増減したことに起因するので、それを、地震又は落雷の予知に利用する。また、本発明は衣服への静電気の耐電量の増加による静電気放電の予知にも利用できる。【選択図】図1

Description

本発明は、定在波レーダーを使用して地表上等の帯電状態を検知する装置に関し、特に、それを使用して、地震及び落雷を予知する方法並びに静電気の放電を予知する方法に関する。
従来、地震の予知又は予報の技術として、種々の測定原理を利用するものが提案されている。例えば、特許文献1には、地震の前段階として、地殻変動が生じるが、この地殻変動に起因して生じる地表における電荷の変動を測定して、これを地震予知に利用する装置が提案されている。この地表電位測定装置においては、地表に地表極板を設置し、この地表極板に対向するように、地表極板とは反対電荷に帯電する測定極板を設け、両者間の電位を測定する。また、特許文献2には、地震の前段階として、地殻破壊の発生に関連して観測される特殊な波形パターンを利用して地震予測を行う方法が開示されている。この方法においては、地中に対電極を埋設する。特許文献3に開示された海溝型地震の予知情報発信システムは、海溝型地震が想定される震源域の複数の観測点と、これと遠く離れた観測点の海底に夫々地磁気検出手段を設け、地磁気変動値を観測する。そして、想定震源域の地磁気全磁力変動値が予め定めた基準値を超えた場合に、その変動を異常と判断して地震予知情報を出力する。特許文献4には、任意の衛星から2種類以上の周波数の電波を受信し、当該電波が通った経路の全電子数(STEC)を算出し、このSTECが経時的に正への異常変化が生じたか否かを判断し、その判断結果に応じて地震発生のアラートを出力する地震発生予測装置が開示されている。特許文献5には、一の地点に対応する電子基準点の位置に関する情報であって、2以上の各時刻での位置に関する情報である電子基準点位置情報を求め、第一期間での電子基準点位置情報の変化に関する変化情報を取得し、地震発生の直前に電子基準点位置情報の変化が小さくなる現象を利用して、地震予測を行う装置が開示されている。
特開2010−91557号公報 特開2013−195411号公報 特開2014−174128号公報 特開2016−218069号公報 特許第6397972号公報
しかしながら、これらの従来技術においては、地震を観測すべき位置に予め測定装置を設置しておく必要がある。このため、日本全国に多数の測定装置を設置する必要がある。また、その測定には、複雑且つ大がかりな装置が必要である。一方、自動車を運転した後、下車しようとして、ドアノブを操作した時に、放電が発生する。このような放電は、人体に対して著しく不快な影響を与える。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、簡易且つ小型の装置で、容易に地震の予知又は予測を行うことができ、しかも、落雷も予知・予測することができ、更に静電気の放電も予知・予測することができる帯電状態の検知装置並びに地震の予知方法、落雷の予知方法及び静電気放電の予知方法を提供することを目的とする。
なお、本発明において、地表上といった場合は、地面から、大地にて発生した電荷が帯電可能な高さまでの領域のことをいい、地面又はその近傍に限定されるものではない。
本発明に係る帯電状態の検知装置は、
周波数掃引された電波を外部に送信し、誘電体部材にて反射した反射波を送信波長に基づく一定距離だけ離隔した2点にて検出し、送信波及び受信波から合成される定在波を検知する定在波検知部と、
前記定在波検知部が検知した合成波の周波数の強度分布から、その直流成分を除去し、フーリエ変換して、距離スペクトルを求める距離スペクトル演算部と、
前記距離スペクトルから、基準時の距離スペクトルを減算して、距離スペクトルの差分を演算し、この差分距離スペクトルを経時的に求める差分検出部と、
前記差分距離スペクトルの振幅が、前記誘電体部材の誘電率の変化に基づいて変化する経緯を監視し、その振幅の変化に基づいて、前記誘電体部材の誘電率の増減を監視する監視部と、
前記監視部が前記誘電体部材の誘電率の増減を検知したときに、前記誘電体部材の帯電状態を検知する検知部と、
を有し、
前記誘電体部材は、電波吸収素材からなる電波吸収部と、誘電体素材からなる誘電体部との積層体であり、前記誘電体部を帯電測定側にして、配置されることを特徴とする。
本発明に係る他の帯電状態の検知装置は、
周波数掃引された電波を外部に送信し、誘電体部材にて反射した反射波を送信波長に基づく一定距離だけ離隔した2点にて検出し、送信波及び受信波から合成される定在波を検知する定在波検知部と、
前記定在波検知部が検知した合成波の周波数の強度分布から、その直流成分を除去し、フーリエ変換して、距離スペクトルを一定のサンプリング時間毎に求める距離スペクトル演算部と、
前記距離スペクトルから、前回又は所定回前のサンプリング時の距離スペクトルを減算して、距離スペクトルの差分を演算し、この差分距離スペクトルを経時的に求める差分検出部と、
前記差分距離スペクトルの振幅が、前記誘電体部材の誘電率の変化に基づいて変化する経緯を監視し、その振幅の変化に基づいて、前記誘電体部材の誘電率の増減を監視する監視部と、
前記監視部が前記誘電体部材の誘電率の増減を検知したときに、前記誘電体部材の帯電状態を検知する検知部と、
を有し、
前記誘電体部材は、電波吸収素材からなる電波吸収部と、誘電体素材からなる誘電体部との積層体であり、前記誘電体部を帯電測定側にして、配置されることを特徴とする。
この場合に、
前記監視部は、前記差分距離スペクトルの振幅の変化により誘電率を求め、この誘電率の変化から、前記誘電体部材の静電気量の増減を求めることができる。
また、前記帯電状態の検知装置は、
更に、前記差分距離スペクトルの距離成分により前記誘電体部材までの距離を求める距離演算部を有することができる。
本発明に係る地震の予知方法は、前記帯電状態の検知装置を使用し、
地表上に前記誘電体部材を設け、
地表上の帯電状態を検知して、地震を予知することを特徴とする。
本発明に係る落雷の予知方法は、前記帯電状態の検知装置を使用し、
地表上に前記誘電体部材を設け、
地表上の帯電状態を検知して、落雷を予知することを特徴とする。
本発明に係る静電気放電の予知方法は、前記帯電状態の検知装置を使用し、
自動車の車内に前記誘電体部材を設け、その帯電状態に基づいて、前記自動車運転手又は乗員の静電気放電を予知することを特徴とする。
本発明によれば、電波を地表上の帯電測定部に照射し、定在波レーダーの差分距離スペクトルから、前記帯電測定部における誘電率の変化を測定する。このとき、地表上の帯電測定部における静電気量の増減があると、これが誘電率の変化となって現れる。一方、地震又は落雷が生じる前段階で、地表上の静電気量が変化する。そこで、この誘電率の増減が検知されたときに、それは静電気量が増減したことに起因するので、それを、地震又は落雷の予知に利用する。よって、地震又は落雷の予知に際して、予め、大がかりな装置を地表上又は地中に設置しておく必要はない。更に、自動車内に定在波検知部を設け、運転手等の乗員の帯電量を測定することにより、この乗員が下車する際に、ドアノブに触れた場合に静電気放電が発生する可能性を予知することができるので、これを予知した場合に、警報を発生する等により静電気放電を予防できる。
本発明の実施形態の地表上の帯電状態の検知装置の使用状態を示す図である。 図2(a)は地表上に設置された誘電体部材102の表面の帯電状態を検知したときの地震発生との関係を模式的に示す図であり、図2(b)は誘電体部材102の表面の帯電状態を検知したときの落雷発生との関係を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態の定在波レーダーによる状態検知装置を示す図である。 本発明の第2実施形態の定在波レーダーによる状態検知装置を示す図である。 定在波レーダーの基本構成を示す図である。 送信波の波長を示す図である。 合成波のパワーを示す図である。 フーリエ変換後の図である。 合成波のパワーを示す図である。 複数個のターゲットに対する定在波レーダーの基本構成を示す図である。 目的の成分pa(fd、0)を示すスペクトル図である。 差分検知部の構成を示す波形図である。 ターゲットが2個の場合の距離スペクトルを示す図である。 合成波のスペクトルの真数部分と虚数部分を示す図である。 球状の放射波面を示す模式図である。 電磁ホーンを説明する模式的斜視図である。 電磁ホーンにより放射された波面の平面性を示す模式図である。 本発明の他の実施形態に係る帯電状態の検知装置の使用状態を示す図である。 本発明の更に他の実施形態に係る帯電状態の検知装置の使用状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本実施形態の地表上の帯電状態の検知装置の使用状態を示す図である。地表101上に設置された誘電体部材102に向けて、検出器100から電波を照射し、定在波を検知して、誘電体部材102の誘電率を計測する。
電波は、導体では反射するが、誘電体では、誘電率により電波の反射率が異なり、誘電率が高いほど電波は反射し、誘電率が低い物体においては、電波は透過する。また、この誘電体の表面に静電気が発生すると、その静電気量に応じて電波の反射率が異なってくる。即ち、地表101に設置された誘電体部材102の表面の静電気量が少ない場合は、電波の反射が少なく、静電気量が多くなると、導体と同様に電波の強い反射が発生する。この誘電体には、静電気が保持されて、帯電しやすい。そして、帯電の状況は、誘電率の電子分極の現象と類似の状態になることから、レーダー電波を照射してその反射レベルを検知することにより、帯電の状況及び量等を検出することができる。
本発明においては、電波を地表の測定部(誘電体部材102)に照射し、定在波レーダーの差分距離スペクトルから、地表の測定部における誘電率の変化を測定する。このとき、地表の測定部における静電気量の増減があると、これが誘電率の変化となって現れる。一方、地震又は落雷が生じる前段階で、地表の静電気量が変化する。そして、この静電気量の増減に応じて、誘電率が変化するので、この誘電率の変化を検出することにより、地震又は落雷を予知することができる。
次に、定在波レーダーによる地表の誘電率の検出器100について具体的に説明する。図3はこの検出器100を含む定在波レーダーによる誘電率検出装置のブロック図である。定在波検知部2は、定在波レーダーモジュールとして構成され、この定在波レーダーモジュールには、24GHz高周波送受信部4が設けられている。この24GHz高周波送受信部4は、24GHz帯VCO(電圧制御発振器)と平面アンテナ3とが一体化されたモジュールである。そして、この送受信部4は、VCOにより平面アンテナ3から電波1を発信し、測定対象としての被反射体からの反射波がアンテナ3に検出される。送受信部4には2個の検波器5a、5bが内蔵されており、検波器5a、5bは送信波及び受信波を検波する。
アンテナ3から電波1を送信すると、反射物体がある場合は、アンテナ3に反射波が戻ってきて、周波数が同じで進行方向が異なる波が重なり、合成波である定在波が発生する。VCOとアンテナ3とを接続する線路上及びアンテナ給電部には、送信信号(進行波)と受信信号(反射波)が混在し、それらの合成で定在波が発生する。この場合に、VCOに供給するスイープ電圧を、少なくとも発信電波が被反射体に反射して戻ってくるまでの時間は一定に保持する必要があるため、前記スイープ電圧は、ステップ状に変化させる必要がある。そして、VCOを制御して周波数を順次切り替えることにより、複数の周波数に対する混合波の信号レベルが検波器5a、5bにより検出される。検波器5a、5bでは、送信波の電力と、反射波の電力と、定在波によって生じた成分とが検出される。得られた検波信号は、オペアンプ6a、6bで400kHz以下の必要な帯域が増幅されて、信号処理部8に入力される。
レーダー制御モジュール基板として構成された信号処理部8は、変調信号生成部10にてFM変調された周波数制御電圧を生成する。この周波数制御電圧はDA変換部9にてアナログ信号に変換され、更に、この周波数制御信号がオペアンプ7を介して増幅された後、24GHz高周波モジュール4のVCOの制御入力に入力される。この周波数制御信号により、VCOは発信電波の周波数をスイープさせる。
信号処理部8においては、オペアンプ6a、6bで増幅された検波信号がAD変換部11に入力された後、距離スペクトル演算部12に入力される。この距離スペクトル演算部12は、定在波検知部2が検知した合成波の周波数の強度分布から、その直流成分を除去し、フーリエ変換して、距離スペクトルを求める。この距離スペクトルは、差分検出部13に入力される。差分検出部13は、前記距離スペクトルから、基準時の距離スペクトルを減算して、距離スペクトルの差分を演算し、この差分距離スペクトルを経時的に求める。この差分距離スペクトルは、距離演算部14に入力される。そして、距離演算部14は、前記差分距離スペクトルの距離成分により測定対象までの距離を求める。そして、判定部15は、差分距離スペクトルの振幅が、測定対象の誘電率の変化に基づいて変化する経緯を監視し、その振幅の変化に基づいて、測定部(誘電体部材102)における静電気量の変化を判定する。
信号処理部8においては、検波信号が、AD変換部11によりデジタル信号に変換された後、距離スペクトル演算部12に入力される。距離スペクトル演算部12においては、入力される信号は周期関数で、その周期は被反射体からの距離に逆比例しているので、これをフーリエ変換することにより、周期の逆数である周波数を求めることによって、この周波数から被反射体までの距離を求めることができる。また、得られた波形の位相を基に、被反射体の微小変位情報を検出することができる。例えば、24GHzの場合は、微小変位は光速を4πfで除算した値となり、約±3.125mmの範囲の変位を検出することができる。このように、検波器5a、5bから検出された信号を信号処理することにより、被反射体からの距離、被反射体の速度及び変位を演算し、その経時変化を計測することにより、被反射体の状態を検出することができる。
判定部15では、測定対象の水分の変化を検知し、その判定結果は、有線又は無線で、外部の警報装置に出力して警報信号を発し、又は外部の表示装置に出力して、この表示装置に表示させる。
次に、信号処理部8の構成について更に詳細に説明する。定在波は、図5に示すように、信号源であるVCOから生成した送信波VTと、各ターゲットからの反射波VR1,VR2,VR3、・・・VRnとの干渉によって生じる。定在波レーダーは、この定在波を利用することによって、測定対象の水分の量を検知すると共に、各測定対象までの距離d1,d2,d3・・・dnを測定する。
送信波(進行波)は、信号源の振幅をA、周波数をf(t)、光速をc(3×10m/s)とすると、下記数式1で表される。但し、周波数f(t)は、図6に示すように、f0とfdで表される。
Figure 0006721262
k番目のターゲットの距離をdk、x軸上の任意の点における送信波に対する反射波の大きさの比をγk(反射係数の大きさ)、位相差をφk(反射係数の位相)とすれば、そのターゲットからの反射波は下記数式2にて表すことができる。
Figure 0006721262
アンテナから検出される検波出力は、合成波になるので、振幅Vcは下記数式3で表され、パワーは振幅の2乗であるので、合成波のパワーは、下記数式4で表される。
Figure 0006721262
Figure 0006721262
送信波の大きさは、反射波の大きさより桁違いに大きいので、γkは1より極めて小さい。そこで、数式4に数式1及び数式2を代入して近似値をとると、下記数式5が得られる。
Figure 0006721262
この数式5において、{}内の第1項は、送信波のパワーを示し、第2項は、反射波のパワーを示し、第3項は、定在波によるパワーの変化分を示す。従来のレーダーは、第2項の反射波を受信して、信号処理を行うが、本発明においては、第3項の信号を信号処理する。このため、第1項目と第2項目を削除するため、合成波パワーp(fd、xs)をfdで微分して、この第1項目及び第2項目を除去する。
ここで、ターゲット(被反射体)の数が1であるとすると、n=1を数式5に代入して、下記数式6が得られる。この数式6をグラフ化すると、図7のようになる。即ち、合成波のパワーは、固定値1+γと、周期関数との和となる。この図7において、周期関数の周波数(周期の逆数)はc/2dとなり、距離dの成分が入る。このため、周期から周波数を求めれば、距離dが求まることになる。数式6から、直流成分1+γを除去して、フーリエ変換すると、図8に示すように、距離スペクトルP(x)が求まる。
Figure 0006721262
先ず、下記数式7に示すフーリエ変換公式に対し、変数の置き換えをし、更に、観測位置を原点として、フーリエ変換すると、下記数式8に示す距離スペクトルが得られる。但し、Sa(z)=sin(z)/zとする。なお、数式8では、直流分がカットされていない。周期のある関数をフーリエ展開すると、その関数に含まれる直流成分と、振動成分(sin、cos)に分解されてしまう。距離スペクトルは、その公式上、下記数式8のように表示される。
Figure 0006721262
Figure 0006721262
なお、数式8のA2(1+Σγ )Sa(2πf/c)x)は、直流成分であるが、この直流成分は、実際の回路において、コンデンサにより除去される。
この数式8の最後の式で表される距離スペクトルP(x)をグラフ図でみると、図9に示すようになる。そして、数式8の{}内の第1項目の直流分を除去し、第3項目をcos成分を複素正弦波(解析信号)に変換して除去し、定在波成分である第2項目の成分を抽出することができる。しかし、図8に破線にて示すように、数式8の{}内の第2項目の成分には、虚数側の信号が漏れ込んでしまう。つまり、この部分の定在波成分には、虚数側の信号が漏れ込んだ値になってしまう。
このような問題点を解消するためには、例えば、図10に示すように、送信波とその反射波を合成した信号を検出する際に、送信波の波長をλとして、λ/8だけ離隔した2点にて、信号レベルを検出するように構成することができる。つまり、レーダーの進行方向をx軸にとった場合に、被反射体であるn個(nは自然数、図示は2個のみ)のターゲットからの反射波をアンテナが受信し、これを送信波と共に、x軸方向にλ/8だけ離隔した2個のパワーディテクタで検出し、これを信号処理する。このとき、この2個のディテクタが検出したパワーレベルをp(f,x)、p(f,x)とすると、x=0の位置に置かれたディテクタの出力は、検出パワーを示す数式5に、x=x=0を代入して、下記数式9に示すp(f、0)として求まり、x=−λ/8の位置に置かれたディテクタの出力は、検出パワーを示す数式5に、x=x=−λ/8を代入して、下記数式9に示すp(f、−λ/8)として求まる。この数式9に示すように、λ/8だけ離隔した2点で定在波を検出することにより、各位置(0,−λ/8)に置かれたディテクタの出力の定在波成分に、cosとsinの直交成分が得られ、これにより、虚像信号を消去することができ、虚像側から漏れ込む信号の影響を解消することができる。即ち、cosとsinの直交成分(X軸成分とY軸成分)から合成されるベクトルが求める解析信号である。通常、虚軸側の信号は測定できないのであるが、−λ/8の位置に、虚軸側の信号が計測できることになり、ベクトル合成信号を形成できる。このベクトルの回転速度が周波数になるので、本実施形態では、この周波数と位相を解析することになる。
Figure 0006721262
この数式9におけるx=0の位置のディテクタの出力のうちの定在波成分をa、x=−λ/8の位置のディテクタの出力のうちの定在波成分をbとすると、a、bは下記数式10にて表される。そして、数式8の3項からなる最後の式を下記数式11に基づいて置き換えをすると、下記数式12及び数式13が得られる。即ち、数式10が求めるX軸、Y軸(実信号、虚軸信号)を実信号に変換された形に置き換えることが可能になる。数式13は、まさに、時間方向の信号と、回転軸での信号を表現しているが、結局、この数式13により、回転する解析信号を計算できることがわかる。
Figure 0006721262
Figure 0006721262
Figure 0006721262
Figure 0006721262
数式12の右辺のPDCは直流成分であり、m(f)cos(θ(f)−4π(f+f)/c・x)は周期的に変化する定在波成分である。この定在波成分は、前述のごとく、x=0の位置の成分aと、x=−λ/8の位置の成分bとの合成成分a+jbは、sinとcosとの直交成分となり、aとbとから解析信号を合成することにより、不要の信号(図9に示す虚数側から漏れ込んだ信号)による影響が除去される。よって、この値(数式13の信号)を解析することにより、図11に示す目的の成分p(f,0)が得られる。
而して、数式13の解析信号において、反射係数γkの大きさに依存して、検出される信号強度が変化する。換言すれば、解析信号の信号強度の時間的推移を測定すれば、強度の変化が生じた場合に、その要因の一つとして、反射係数γkの変化があったことを挙げることができる。即ち、周波数分布の各周波数のγk(反射係数の大きさ)が変化することで生じる信号強度の変化が、測定対象の帯電状態の変化を示している。
誘電率が異なる2物質の境界面での反射係数γは、その誘電率を、ε1、ε2とすると、下記数式14にて表される。
Figure 0006721262
このように、境界面での反射強度は、境界面を形成している各媒体が有する固有の比誘電率の差によって決定され、反射波形の極性も比誘電率の大小関係により決まる。よって、電波の反射強度は、反射係数γの大きさにより異なり、反射係数γは、誘電率により異なるため、反射面の物質の変化により、反射強度が変化する。
従って、上記数式13により反射係数が求められ、数式14により誘電率が求められる。この誘電率は、地表上の帯電状態を示す測定値である。
上述のごとく、距離スペクトル演算部12が求めた距離スペクトルの振幅の強度の変化により、誘電体部材102の帯電状態を検知することができるが、この距離スペクトルには、静電気量の変化がない物体からの反射波に起因する定在波の距離スペクトルが含まれている。そこで、差分検出部13は、測定された距離スペクトルから、基準時の距離スペクトルを削除して、差分距離スペクトルを演算する。図12(a)は、距離スペクトル演算部12が求めた距離スペクトルP(x)を示す。この測定結果には、静電気を含む測定部が存在せずに、環境からの反射波に起因するものが含められている。そこで、特定の基準時に得られた距離スペクトルをP(x)として、以後の各サンプリング時点に得られた距離スペクトルP(x)から、基準時の距離スペクトルP(x)を減算する。即ち、各サンプリング時点で得られた距離スペクトルP(x)に対し、図12(b)に示す−P(x)を加算する。このため、差分検出部13からは、静電気の帯電がない場合は、図12(c)に示すように、0信号が得られる。そこで、あるサンプリング時点で、測定部に静電気が帯電している場合には、図12(d)に示すように、その帯電の距離スペクトルの振幅が現れる。このサンプリング時点の距離スペクトルに対しても、図12(b)の基準スペクトル−P(x)を加算すると、図12(e)に示すように、P(x)−P(x)の距離スペクトルが得られ、この距離スペクトルには、帯電に起因するピーク強度の振幅のみが現れる。このようにして、差分検出部13にて、距離スペクトルの差分をとることにより、測定部の環境からの反射の影響を低減して、帯電の変化に起因する距離スペクトルの振幅の強度を求めることができる。
なお、測定対象が2個の場合の距離スペクトルは、図13に示すように、x=0のパワーp(f、0)とx=−λ/8のパワーp(f,−λ/8)との合成波から直流分を除去して、フーリエ変換することにより、距離に対応する周波数が得られ、距離d,dが求まる。
図14は合成波の真数のスペクトルと、虚数のスペクトルを示す図である。電波の速度cは、約30万km/秒である。発信波の周波数のスイープを、75MHz幅(fw)で行った場合、この75MHzの波長は、c/fw=4mである。しかし、波形を標本化するためのスイープは、往復で4mのため、行きはその半分の2mとなる。この2mを1周期と呼ぶ。そこで、スイープ幅75MHzで20mを計測した場合、10周期を計測することになる。スイープ時間が256μsであるとすると、観測する波形の周波数は、10/256μs=39kHzとなる。同様に、200mを計測した場合、100周期であるので、100/256μs=390kHzとなる。そして、図14に示す検出されたスペクトルの周波数のレベルは反射の強さを示し、周波数は距離に置き換えられる。よって、図13に示すように、フーリエ変換して39kHzのところにピークが現れると、それは、距離d=10mの位置からの反射波であることがわかり、390kHzのところにピークが現れると、それは、距離d=100mの位置からの反射波であることがわかる。このようにして、ディテクタの合成波の検出パワーpa(fd)を微分して直流成分を除去し、フーリエ変換すると、測定対象までの距離を求めることができる。
スイープ幅が200MHzの場合、1周期が0.75mになるので、10mの計測は10/0.75=13.3周期を観測することになり、スイープ時間が256μsである場合は、13.3/256=51.9kHzとなる。つまり、スイープ幅が200MHzの場合は、51.9kHzにピークが現れた場合に、被反射体までの距離が10mと観測される。従って、スイープ幅を調整し、スイープ時間を調整することにより、検波出力の周波数を調整することができ、電波法の規制により帯域幅が制限されているので、一般的には、スイープ時間を可変とすることにより、被反射体までの距離を測定する。
次に、微小変位計測について説明する。数式8において、位相に着目すると、k番目のターゲットに対する位相Ψkは、下記数式15の第1式のsinの角度として求まり、φは初期位相であるから変化分では消えるので、距離dの変化分をΔd、位相の変化分をΔΨとすると、数式14の第2式が得られ、これを変形して、下記数式16が得られる。
Figure 0006721262
Figure 0006721262
この数式16から、距離dの微小変位が求まる。周波数が24GHzの場合は、±3.125mmの変位を検知することが可能となる。
以上のように、被反射体からの反射波を送信波に合成した定在波の分析により、被反射体の距離及び微小変位を計測することができる。この計測結果を経時的に把握すれば、被反射体の距離、速度及び変位を計測することができ、結局、被反射体の動きを計測できる。従来のレーダーであると、1〜2m以下は距離の測定が困難であったのに対し、本発明により、0mに近い至近距離から、200mの遠距離迄、距離の測定が可能である。また、本発明の場合は、微小変位の検知が可能であり、相対変位分解能は0.01mmにも及ぶ。
なお、前述の如く、本発明は、数式13で示す距離スペクトルのピーク強度が、反射係数γkの大きさに依存して変化し、測定部にて帯電量が増大すると、水分の誘電率εが高いため、数式14で示す反射係数γkが上昇し、距離スペクトルのピーク強度が上昇することにより、水分を検知することを測定原理とする。このように、ピーク強度を見ているので、測定部が複数ある場合でも、水分の検知は容易である。しかし、この測定部が多数となり、しかも、各測定部の相互間の間隔が短いと、例えば,図13に示す複数個(図示例は2個)の距離スペクトルが相互に重なりあい、各距離スペクトルを分離できなくなる可能性がある。この場合、各測定対象について、上述の微小変位の測定に必要な位相差を求めることができなくなる。このような場合は、2個の距離スペクトルに対し、帯域通過フィルタをかけて、分離することができる。
図4は、この場合の実施形態を示すブロック図である。差分検出部13から出力された差分距離スペクトルは、この帯域通過フィルタ16に入力される。この帯域通過フィルタ16は、差分検出部13の差分距離スペクトルからその複数のピーク位置に対応する中心周波数の中間の周波数にて最小ゲインとなる信号を出力するノッチ型の帯域通過フィルタである。この帯域通過フィルタ16から出力された差分距離スペクトルは、ピーク位置間で分離された複数個の差分距離スペクトルとなる。これら各差分距離スペクトルは、距離演算部14に入力され、位相差から、微小変位を求めることが可能となる。
次に、本発明の実施形態に係る定在波レーダーによる帯電状態の検知装置の動作について、利用例と共に説明する。先ず、検出器100を、帯電測定部(誘電体部材102)に向けて設置する。そうすると、定在波検知部2により、送信波と受信波との合成波である定在波が検知される。この定在波の検出信号は、AD変換部11を介して、距離スペクトル演算部12に入力され、距離スペクトルが演算される。そして、この距離スペクトルから、差分検出部13にて、差分距離スペクトルが求められる。距離演算部14は、この差分距離スペクトルから、前述の如くして、センサと測定対象との間の距離を演算する。その結果、この差分距離スペクトルのピーク位置は、図12(d)に示すように、センサと、測定対象との間の距離(例えば、2.5m)であることがわかる。そして、判定部15は、この2.5mの位置にピーク位置をもつ差分距離スペクトルについて、そのピーク強度の経時変化を監視する。そうすると、判定部15は、このピーク強度が上昇した場合は、測定対象の誘電体部材102の帯電量(静電気量)の変化により、誘電率が変化し、反射強度が増大したことに起因するものであることを検知することができ、このピーク強度が増大した時点を、帯電量が増大した時点であると判定することができる。
また、測定部(誘電体部材102)が距離d1及び距離d2にある場合、これらの測定対象に対し、センサからレーダー波が照射され、センサにて、測定対象(d1,d2)からの反射波が検出される。そして、差分検出部13は、距離d1の距離スペクトルに対し、ある特定の時点の距離スペクトルを基準時の距離スペクトルとし、一定のサンプリング時点毎に、得られた距離スペクトル(図12(a))から、基準時の距離スペクトル(図12(b))を減算し、差分距離スペクトル(図12(c))を演算する。その結果、基準時の距離スペクトルP0(x)からの変化がなければ、サンプリング時点毎に得られた差分距離スペクトルは、図12(c)に示すように、0となる。そして、図12(d)に示すように、測定部の誘電体部材102に静電気が存在する場合は、その静電気に起因するスペクトルを含む距離スペクトルP(x)が得られる。その結果、図12(e)に示すように、差分距離スペクトルP(x)−P0(x)には、静電気に起因する距離スペクトルのみが出現する。従って、判定部15は、この差分距離スペクトルを監視し、差分距離スペクトルが0になった時点を乾燥完了時点と判断することができる。このようにして、測定部(誘電体部材102)の静電気量の状態を、個別に検知することができる。
本実施形態においては、上述の如く、検出器100により、誘電体部材102の静電気量の状態を検知する。次に、この静電気量(帯電量)検知の利用例について説明する。先ず、本発明の定在波レーダーによる帯電状態の検知装置を地震の予知に利用した例について説明する。電離層は、大気圏の上層部にあって地球を取り巻くようにして存在する層であり、分子及び原子が紫外線又はエックス線等により電離し、イオンと電子が存在する領域である。そして、この電離層は、通常は安定状態にあるが、地震の前段階で、電荷の分離状態が変化する。この電離層における変化は、地震の前段階で、地面の擦れ合いが発生し、この地面の擦れ合いでイオンが放出されることに起因する。つまり、地面の擦れ合いでイオンが放出されると、この地面に対向する電離層では、地面の電荷の分離状況に応じて電荷の分離状態が変化する。従来は、この電離層における電荷の状態を計測することにより、これを地震の予知に利用しようとしていた。一方、本発明においては、地表上に設置された誘電体部材102における電荷帯電状態を検知することにより、これを地震予知に利用する。地震の予兆として、地面の擦れ合いが生じたときに、先ず、電荷が地表上に発生する。この地表上に発生した電荷が、誘電体部材102の表面に滞留し、誘電体部材102の表面が帯電する。そこで、この誘電体部材102の帯電状態を、レーダー電波を誘電体部材102に照射することにより、その反射レベルを計測する。これにより、地震発生の危険度を推測することが可能となる。
本発明においては、図1に示すように、レーダー電波を電離層に向けて照射するのではなく、地表101に設置された誘電体部材102に向けて照射する。レーダーを電離層に向けて照射するためには、遠距離を探索できる高出力のレーダー送信機が必要であるが、本発明は、地表101に設置した誘電体部材102をターゲットとするため、小出力のレーダーで地震の予測を行うことができる。また、地震の予兆として地面の擦れ合いが生じた場合、先ず、地表上に電荷が発生するが、この地表上の電荷発生に対応して遅れて生じる電離層における電荷分離状況を計測する場合よりも、地表上における帯電状態の変化を測定した方が早く地震の予兆を検知することができる。なお、電離層では、太陽光線により電離した領域の電荷密度が変化する。つまり、日の出と共に電荷密度は上昇し、日の入りで活動は休止状態になる。しかし、地震の予兆として知られる地表の擦れ合い等が生じると、イオンが発生し、夜間でもインパルス状のイオンが放出される。このため、地表上の帯電状態に乱れが生じる。よって、電離層よりも、地表上の帯電状態を地震の指標とした方が、より高精度に地震を予知することができる。
このようにして、地表の誘電体部材102の帯電状態に通常とは異なる変化を検知した場合に、これを近い将来に地震が発生する兆候であるとして、地震予知に利用することができる。図2(a)は地表に設置された誘電体部材102の表面の帯電状態を検知したときの地震発生との関係を模式的に示す図である。地震の前段階において、誘電体部材102の帯電量が徐々に上昇し、ある程度大きな傾斜で帯電量の増大が生じたときに、地震が発生する可能性が極めて高くなる。この地表の誘電体部材102の帯電量の増加が所定の閾値を超えた場合、又は帯電量の増加速度が所定の閾値を超えた場合に、近い将来(数時間又は数日等)に、地震が発生すると予測することは合理的である。
なお、地震発生可能性が高い帯電量の閾値又は帯電量増加速度の前記所定の閾値は、人工知能の機械学習により求めることができる。この場合、検出器100で検知された誘電体部材102の誘電率に関するデータを、教師あり学習により、統計分析して、将来の未知のデータを予測することもできる。前述の如く、地震の予兆である地面の擦り合いが生じると、誘電体部材102の帯電推移に現れるので、検出器100によりこの帯電推移を検知することにより、地震が実際に生じたときの帯電量の閾値及び/又は帯電量の増加速度(図2(a)の傾斜角度)と地震発生の有無とを対比したデータを取得し、得られたデータを統計分析する。そして、データ推移のパターンを学習しておき、日々の検出器100による帯電状態の監視により、機械学習によって得られたデータ推移のパターンにおいて、地震発生時の帯電初期段階のデータパターン(地震発生の前段階の推移データ)と一致するデータ推移が計測されたときに、地震発生予測の警報を出力する。
次に、本発明の定在波レーダーによる帯電状態の検知装置を落雷の予知に利用した例について説明する。地上の水蒸気を含む上昇気流は、上空の冷たい空気で冷却されて細かい氷の結晶になる。この結晶は、気流の中でぶつかり合い、正負の電荷に分離しながら雷雲になる。この雷雲は複数のセルから形成され、同時に雲底と逆極性の正電荷(拘束電荷)が架空線路又は大地に誘起される。この状態で、電界強度が限界に達すると、雲内(雲間)の正負の電荷間(セル間)で放電が生じ、雲内(雲間)放電を頻繁に発生させることになる。雲内(雲間)放電の頻度は高く、放電が繰り返されることによって、雷雲の電荷が消滅する。
一方、落雷を時間経過で見ると、雲底から大地に向けて先駆放電(ステップトリーダ)が繰り返し生じ、大気の絶縁が破壊される。そして、その先駆放電が大地に近づくと、大地側から上向きの放電(リーダ)が生じ、先駆放電及び上向き放電によって絶縁破壊された大気に、大量の電荷が注入されて、落雷が発生する。
図2(b)に示すように、落雷が発生しようとすると、数分の単位で帯電量が変化する。そして、この帯電量が急速に増大して、帯電量が所定の閾値を超えるか、又は帯電量の増加速度が所定の閾値を超えた場合に、落雷が発生する。しかし、この帯電量の増加速度が低い場合は(傾斜角度が小さい場合は)、落雷の発生までには至らず、電荷は消滅する。そこで、人工知能の機械学習により、雷雲直下の地表上で、短時間で段階的に急激に変化する電荷の推移データを学習し、統計処理により、パターンに分類する。検出器100が地表の誘電体部材102の帯電状態を監視しているときに、この統計分析により得られた落雷パターン(落雷が発生する直前のパターン)と一致する推移データが計測された場合に、落雷の発生を予測する警報を出力する。この落雷予知の場合も、地表に設置した誘電体部材102の帯電量を測定し、この帯電量の変化により落雷を予知することは合理的である。
なお、本実施形態においては、地面の擦り合わせ又は落雷の先駆放電により地表101の誘電体部材102が帯電したときに、地震又は落雷を予知する。しかし、誘電体部材102は、必ずしも、地表101に設置する必要はない。例えば、電柱、信号機、街路灯の上部等、地表101から若干離れた高い位置に誘電体部材102を設置してもよい。大地から発生する電荷は、地表101に限らず、地表101より若干上方の位置まで帯電する。そこで、例えば、日本全国の至る所に設けられている電柱、信号機又は街路灯の上部に誘電体部材102及び検出器100を設置し、誘電体部材102の帯電量を監視することとしてもよい。このように、地表101ではなく、電柱、信号機又は街路灯等の高い位置に誘電体部材102及び検出器101を設ける方が、装置の設置が人の動きに邪魔になることがない。このような誘電体部材102及び検出器101は、地表101の可及的多数の位置に設置することが好ましい。帯電量を監視すべき位置は、例えば、間隔が10m〜1kmとなるようにすることが好ましいが、地震又は落雷の発生が頻繁に生じているような場所に、重点的にこれらの装置を設置することとしても良い。上述の如く、本発明において、帯電測定部を地表上に設置し、地表上の帯電状態を検知するが、本発明において地表上といった場合は、地面から、大地にて発生した電荷が帯電可能な高さまでの領域のことをいい、地面又はその近傍に限定されるものではない。
本実施形態においては、アンテナ3から電波を送信し、2地点において反射波を検出することにより定在波を合成している。このアンテナ3として、電磁ホーンを使用すると、定在波の位相をきれいにそろえることができる。図15は送信点から出射された電波の放射方向に同一位相の面を結んで形成される放射面を示す図である。このように、放射面は、球状をなす。この図に示すように、放射方向の中心の位相に対し、縁端部の位相は遅れて伝搬される。このため、電波が送信されてくる正面からみると、この電波の位相がそろわず、位相のずれが生じるため、位相偏移計測の精度が出ない。
これに対し、図16に示す電磁ホーン120を使用することにより、位相が同一の放射面を平面にすることができる。図17は図16の16−16線による模式的断面図である。電磁ホーン120は、横長のラッパ状の凹部121が形成されており、凹部121の傾斜面の先端(凹部121の底部)には、2個のアンテナ122,123が横方向に離隔して設けられている。パッチアンテナ122は送信側アンテナであり、パッチアンテナ123は受信側アンテナである。アンテナ122から出射された電波は、電磁ホーン120の凹部121の斜面で反射しつつ、前方に伝搬する。即ち、電磁ホーンといわれるラッパ状の部材は、電波を反射する導体素材で作成されており、球状の電波の波面が放射される際に、図17に示すように、波面が平行になる。よって、この電磁ホーンを使用すると、波面が平行になる現象を利用して、位相面が同相になるように電波を放射することができる。これにより、反射波の位相を精度良く検出することができる。
但し、従来の電磁ホーンは、送信と受信を1カ所のアンテナで行っているため、構造は簡素な円錐状である。よって、1個のパッチアンテナで送信アンテナ及び受信アンテナを兼用した場合、通常の円筒形又は方形タイプのホーンでは送信と受信の中心が異なり、ビーム形状がアンバランスとなり、放射方向が左右でずれてしまい、前面への放射性能がでないおそれがある。
一方、本実施形態においては、送信用アンテナ124と受信用アンテナ125とを、専用に設けている。そして、送信用アンテナ124と受信用アンテナ125とが対向する方向に垂直の方向に関して、アンテナ122を間に挟んで対向するホーン斜面が、電波が反射する導波構造を形成する。これにより、図17の上下方向において、位相面がそろう。一方、左右方向(アンテナ122,123が対向する方向)については、四方を取り囲むホーン形状ではない。このように、本実施形態では、片側だけで導波構造を形成し、上下方向の位相面をそろえる。つまり、バッチアンテナ122から、上下方向へ電波を放射し、その放射を図17に示すように、平面状の電波波面で前方に放射する。このため、図16に示す電磁ホーン120は、平面状の波面をもつ電波を前方へ高効率で放射することができる。受信アンテナ123も高効率で受信することができる。即ち、平面状に位相がそろった平面波を送信することで、対象物からの反射波の波形の微少な変位を精度良く検出することが可能となる。
次に、本発明の定在波レーダーによる帯電状態の検知装置を静電気放電の予知に利用した例について説明する。自動車を運転したり、助手席等に乗員として乗車していると、その人の衣服の擦れにより、その人に静電気が帯電する。この静電気が帯電した状態で下車しようとすると、乗員がドアハンドルに接触した時に、静電気放電が発生し、乗員には極めて不快な感覚を与える。
そこで、本発明の定在波検知部としての検出器100を、車内のダッシュボードの内部又は天井に設置し、運転手等の乗員に向けて電波を照射するように構成する。そして、第1実施形態と同様にして定在波を検知して差分距離スペクトルを演算することにより、乗員の衣服等に帯電している静電気の増大を検知する。そして、この静電気の量が所定の閾値を超えた場合に、その人がドアハンドルに接触すると静電気放電が生じると予測する。この予測が行われた場合に、例えば、警報音を発することにより、乗員は、衣服に帯電した静電気を放電させる措置をとった後、ドアハンドルを操作する。これにより、下車時の静電気放電の発生を防止することができる。
次に、本発明の他の実施形態について、図18を参照して説明する。本実施形態においては、誘電体部材として、2層構造の誘電体部材103を使用する。即ち、この誘電体部材103は、電波吸収素材からなる電波吸収部105と、この電波吸収部105上に積層された誘電体部104とから構成されている。電波吸収部105の電波吸収素材は、入射した電波のエネルギの殆どを吸収部内部で熱エネルギに変換して電波を吸収する。このような電波吸収素材としては、主成分を炭素とする炭素質材料、発泡ポリエチレンにグラファイト(炭素粒子)を含有した材料、又はゴムに炭素粒子を含有した材料等がある。また、誘電体部104は、プラスチック等の誘電体材料で形成されている。
このように構成された帯電検出装置においては、帯電状態を測定すべき位置に誘電体部材103を設置する。本実施形態においては、地表101上に電波吸収部105を下方にして載置する。このため、誘電体部104は地表の上方を向く。そして、検出器100を、帯電測定部(誘電体部材103)の上面、即ち、誘電体部104の上面に向けて設置する。そうすると、定在波検知部2により、送信波と受信波との合成波である定在波が検知される。これにより、図1の実施形態と同様に、誘電体部材103の誘電体部104の誘電率の増減を検知することができる。
本実施形態においては、電波(送信波)は、検知機100から誘電体部104に照射され、誘電体部103にて反射して、反射波は検知機100に入射する。そして、電波は誘電体部104を透過し、電波吸収部105に到達して、この電波吸収部105で吸収される。従って、誘電体部104を透過した電波は、検知機100に向けて反射することはない。このため、検知機100に入射する反射波は、帯電状態を反映する誘電体部104の表面に帯電した電荷の量を高精度で検知したものとなり、他の部位で反射したノイズとなる電波は検知機100に入射することはない。例えば、この誘電体部材103の下方に水分が存在した場合、図1の実施形態のように、誘電体部材102が誘電体素材のみで成形されている場合、この誘電体部材102を透過した電波は、誘電体部材102の表面の電荷の他に、水分でも反射して、この水分で反射した電波がノイズとなって検知器100に入射する。しかし、本実施形態においては、このように、誘電体部104を透過した電波は、電波吸収部105で吸収されるので、誘電体部104の下方で反射した電波が検知機00に入射したノイズとなることはない。よって、帯電電荷量の測定精度は図1の実施形態よりも高い。
次に、本発明の更に他の実施形態について、図19を参照して説明する。本実施形態においては、帯電測定部(誘電体部材103)の4辺が、角筒状の電波吸収部106に囲まれている。本実施形態においては、誘電体部材103の下面(電波吸収部105)にて電波が吸収されると共に、誘電体部材103の側方でも、電波が吸収される。このため、帯電測定部の近辺から誘電体部材103内に電波が侵入することが防止され、この電波侵入に起因するノイズが低減される。よって、誘電体部材103の誘電体部104の上面に帯電した電荷で反射した電波のみが検知器100に入射する。このため、検知機100における帯電状態の検知がより高精度になる。
なお、上記各実施形態においては、誘電体部材102,103は、矩形の板状をなしているが、この誘電体部材の形状については、任意である。誘電体部材102については、地震の前駆状態において地表の上方に漂う電荷のうち、正又は負の電荷が付着できるような表面形状を有していればよい。この誘電体部材102の表面形状は、平面の他、二次元的に凹凸状に変化するもの、又は四角錐形状が二次元的に配置されたもの等がある。また、誘電体部材103は、電波吸収部105を下方にし、誘電体部104を地表上に漂う電荷に向けて配置するものであり、電波吸収部105が誘電体部104を間に挟んで検知器100の反対側になるように配置する。この誘電体部104もその表面形状は誘電体部材102と同様に任意であり、電荷が帯電できるような形状にする。また、誘電体部材103は、誘電体部104と電波吸収部105との2層構造に限らず、金属板等を含めた3層以上の構造でも良い。
本発明によれば、地震及び落雷のような天災を、地表上の帯電状態を簡素な装置で簡便に検出することにより、予測することができる。本発明は、地震計のような高額な装置を使用することなく、低廉な装置(定在波レーダーによる帯電検知装置)を設置するだけで、地震・落雷を予知することができる。しかも、この検出器100の検出方向を走査した場合は、広範な領域の地震・落雷の可能性を1台の装置で検知することができる。よって、本発明を利用することにより、地震及び落雷の予知が容易となり、天災による被害を低減することができる。また、本発明の帯電状態の検知装置は、自動車乗車時の静電気放電を予知してこれを防止することができ、自動車運転中の乗員の快適性にとって有益である。
2:定在波検知部
3:アンテナ
4:高周波送受信部
8:信号処理部
100:検出器
101:地表
102、103:誘電体部材
104:誘電体部
105、106:電波吸収部
120:電磁ホーン
122,123:アンテナ

Claims (7)

  1. 周波数掃引された電波を外部に送信し、誘電体部材にて反射した反射波を送信波長に基づく一定距離だけ離隔した2点にて検出し、送信波及び受信波から合成される定在波を検知する定在波検知部と、
    前記定在波検知部が検知した合成波の周波数の強度分布から、その直流成分を除去し、フーリエ変換して、距離スペクトルを求める距離スペクトル演算部と、
    前記距離スペクトルから、基準時の距離スペクトルを減算して、距離スペクトルの差分を演算し、この差分距離スペクトルを経時的に求める差分検出部と、
    前記差分距離スペクトルの振幅が、前記誘電体部材の誘電率の変化に基づいて変化する経緯を監視し、その振幅の変化に基づいて、前記誘電体部材の誘電率の増減を監視する監視部と、
    前記監視部が前記誘電体部材の誘電率の増減を検知したときに、前記誘電体部材の帯電状態を検知する検知部と、
    を有し、
    前記誘電体部材は、電波吸収素材からなる電波吸収部と、誘電体素材からなる誘電体部との積層体であり、前記誘電体部を帯電測定側にして、配置されることを特徴とする帯電状態の検知装置。
  2. 周波数掃引された電波を外部に送信し、誘電体部材にて反射した反射波を送信波長に基づく一定距離だけ離隔した2点にて検出し、送信波及び受信波から合成される定在波を検知する定在波検知部と、
    前記定在波検知部が検知した合成波の周波数の強度分布から、その直流成分を除去し、フーリエ変換して、距離スペクトルを一定のサンプリング時間毎に求める距離スペクトル演算部と、
    前記距離スペクトルから、前回又は所定回前のサンプリング時の距離スペクトルを減算して、距離スペクトルの差分を演算し、この差分距離スペクトルを経時的に求める差分検出部と、
    前記差分距離スペクトルの振幅が、前記誘電体部材の誘電率の変化に基づいて変化する経緯を監視し、その振幅の変化に基づいて、前記誘電体部材の誘電率の増減を監視する監視部と、
    前記監視部が前記誘電体部材の誘電率の増減を検知したときに、前記誘電体部材の帯電状態を検知する検知部と、
    を有し、
    前記誘電体部材は、電波吸収素材からなる電波吸収部と、誘電体素材からなる誘電体部との積層体であり、前記誘電体部を帯電測定側にして、配置されることを特徴とする帯電状態の検知装置。
  3. 前記監視部は、前記差分距離スペクトルの振幅の変化により誘電率を求め、この誘電率の変化から、前記誘電体部材の静電気量の増減を求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電状態の検知装置。
  4. 前記差分距離スペクトルの距離成分により前記誘電体部材までの距離を求める距離演算部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の帯電状態の検知装置。
  5. 前記請求項1乃至のいずれか1項に記載の帯電状態の検知装置を使用し、
    地表上に前記誘電体部材を設け、
    地表上の帯電状態を検知して、地震を予知することを特徴とする地震の予知方法。
  6. 前記請求項1乃至のいずれか1項に記載の帯電状態の検知装置を使用し、
    地表上に前記誘電体部材を設け、
    地表上の帯電状態を検知して、落雷を予知することを特徴とする落雷の予知方法。
  7. 前記請求項1乃至のいずれか1項に記載の帯電状態の検知装置を使用し、
    自動車の車内に前記誘電体部材を設け、その帯電状態に基づいて、前記自動車運転手又は乗員の静電気放電を予知することを特徴とする静電気放電の予知方法。
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