以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。また、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係るプロジェクタの構成を模式的に示す図である。図2は、図1に示すII線に示す方向から見たプロジェクタに具備される光源装置を模式的に示す図である。図1および図2を参照して、本実施の形態に係るプロジェクタについて説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態に係るプロジェクタ600は、光源装置100と、照明光学系200、TIRプリズムユニット300、カラープリズムユニット400、画像表示素子としてのDMD450および投影光学系500を備える。
光源装置100は、励起光源10A、励起光源10B、コリメート手段20、蛍光体ホイール30、集光手段40、および合成手段50を含む。
励起光源10Aは、複数のレーザー光源11を有する。励起光源10Aは、たとえば、図1中において基台上に縦8個×横7個のレーザー光源11を並べて、これらを電気的に接続することにより構成される。レーザー光源11としては、370nm〜380nmの波長を有する紫外光(励起光)を出射する半導体レーザーを採用することができる。レーザー光源11は、紫外光を出射し、後述の折り返しミラー群23、PBSミラーに対しP偏光となるように配置されている。
複数のレーザー光源11のうち、励起光源10Aの一端側(図1中において左側)から2列のレーザー光源11aから出射される紫外光は、後述する赤色蛍光体層33Rに集光される。複数のレーザー光源11のうち、励起光源10Aの略中央部に位置する3列のレーザー光源11bから出射される紫外光は、後述する緑色蛍光体層33Gに集光される。複数のレーザー光源11のうち、励起光源10Aの他端側(図1中において左側)から2列のレーザー光源11cから出射される紫外光は、後述する青色蛍光体層33Bに集光される。
励起光源10Bは、複数のレーザー光源12を有する。励起光源10Bは、たとえば、図1中において基台上に縦4個×横6個のレーザー光源12を並べて、これらを電気的に接続することにより構成される。レーザー光源12としては、370nm〜380nmの波長を有する紫外光を出射する半導体レーザーを採用することができる。レーザー光源12は、紫外光を出射し、後述の折り返しミラー群23、PBSミラーに対しS偏光となるように配置されている。
複数のレーザー光源12のうち、励起光源10Bの一端側(図1中において左側)から2列のレーザー光源12aから出射される紫外光は、後述する赤色蛍光体層33Rに集光される。複数のレーザー光源12のうち、励起光源10Aの略中央部に位置する2列のレーザー光源12bから出射される紫外光は、後述する緑色蛍光体層33Gに集光される。複数のレーザー光源12のうち、励起光源10Bの他端側(図1中において右側)から2列のレーザー光源12cから出射される紫外光は、後述する青色蛍光体層33Bに集光される。
コリメート手段20は、複数のコリメートレンズ21、折り返しミラー群23、PBSミラー25を含む。コリメート手段20は、複数のレーザー光源11,12から出射された励起光を進行方位の異なる複数の略平行光束群に変換する第2コリメート手段に相当する。
複数のコリメートレンズ21のそれぞれは、複数のレーザー光源11,12のそれぞれに対応して配置されている。複数のコリメートレンズ21は、複数のレーザー光源11,12と対峙するように配置されている。
図3から図6は、レーザー光源とコリメートレンズとの配置の第1例から第4例を示す図である。図3から図6を参照して、レーザー光源11とコリメートレンズ21との位置関係について説明する。レーザー光源とコリメートレンズとの配置の第1例から第4例のいずれにおいても、レーザー光源11およびコリメートレンズ21はアレイ状に配置されている。
図1および図3に示すように、レーザー光源11とコリメートレンズ21との配置の第1例にあっては、励起光源10Aの一端側および他端側に位置するレーザー光源11a,11cが、これに対応するコリメートレンズ21a,21cの中心線からずれた位置に配置されている。この場合においては、レーザー光源11は、同一平面上に配置され、コリメートレンズ21もレーザー光源11から離れて位置する同一平面上に配置される。
具体的には、コリメートレンズ21aの中心線に沿って見た場合に、レーザー光源11aは、励起光源10Aの一端側に近づく方向にコリメートレンズ21aの中心線から離れて配置される。レーザー光源11bは、コリメートレンズ21bの中心線とレーザー光源11bの中心とが重なるように配置されている。レーザー光源11cは、励起光源10Aの他端側に近づくようにコリメートレンズ21cの中心線から離れて配置される。
図4に示すように、レーザー光源11とコリメートレンズ21との配置の第2例にあっては、励起光源10Aの一端側および他端側に位置するレーザー光源11a,11cが、これに対応するコリメートレンズ21a,21cに対して傾斜している。具体的には、各行に配置されたレーザー光源11a,11cは、各行における励起光源10Aの中心線に向くように傾斜する。
図5に示すように、レーザー光源11とコリメートレンズ21との配置の第3例にあっては、励起光源10Aの一端側および他端側のレーザー光源11a,11cに対応するコリメートレンズ21a,21cが、レーザー光源11a,11cに対して傾斜している。具体的には、各行に配置されたコリメートレンズ21a,21cは、これに対応する各行における励起光源10Aの中心線を向くように傾斜する。
図6に示すように、レーザー光源11とコリメートレンズ21との配置の第4例にあっては、励起光源10Aの一端側および他端側のレーザー光源11a,11cおよびこれらに対応するコリメートレンズ21a,21cの両方が傾斜している。
具体的には、各行に配置されたレーザー光源11a,11cおよびこれに対応するコリメートレンズ21a,21cは、各行における励起光源10Aの中心線を向くように傾斜する。
図3から図6に示すように、励起光源10A,10Bの一端側、中央側、他端側においてレーザー光源11とコリメートレンズ21の相対位置をそれぞれ変更することにより、励起光源10A,10Bから出射された紫外光を進行角度の異なる3種類の平行光束に変換することができる。たとえば、3種類の平行光束は、5°ずつ進行方位が異なる。
具体的には、複数のレーザー光源11aから出射された紫外光のそれぞれは、コリメートレンズ21aによって進行方向DR1に進行する平行光束に変換される。複数のレーザー光源11bから出射された紫外光のそれぞれは、コリメートレンズ21bによって進行方向DR2に進行する平行光束に変換される。複数のレーザー光源11cから出射された紫外光のそれぞれは、コリメートレンズ21cによって進行方向DR3に進行する平行光束に変換される。
進行方向DR2は、複数のレーザー光源11が配列される行方向および列方向に直交する方向にほぼ一致する。進行方向DR1および進行方向DR3のそれぞれは、進行方向DR2に対して5°の交差角を持って交差する。進行方向DR1と進行方向DR3とは10°の交差角を持って交差する。
レーザー光源12およびコリメートレンズ21も、レーザー光源11とコリメートレンズ21との配置と同様に配置される。これにより、複数のレーザー光源12a,12b,12cから出射された紫外光のそれぞれは、コリメートレンズ21a,21b,21cによって進行方向DR1,DR2,DR3に平行な方向に進行する平行光束に変換される。
図2に示すように、折り返しミラー群23は、複数の折り返しミラー22が階段状に配列されることにより構成される。レーザー光源11からのP偏光方向の出射角はS偏光方向の出射角より小さく光束幅が狭くなるため、このように折り返しミラー22を配置することにより、コリメートレンズ21よって変換された複数の平行光束間の間隔を狭めることができる。この場合においては、複数の平行光束間の間隔が無いことが好ましい。
図1および図2に示すように、折り返しミラー群23は、複数の平行光束から成る平行光束群を光束断面積が縮小された平行光束群に変換しつつ、これを集光手段40に向けて反射する。具体的には、複数のレーザー光源11aから出射された紫外光は、光束断面積が縮小された平行光束群L1に変換される。複数のレーザー光源11bから出射された紫外光は、光束断面積が縮小された平行光束群L2に変換される。複数のレーザー光源11cから出射された紫外光は、光束断面積が縮小された平行光束群L3に変換される。これら複数の平行光束群L1,L2,L3は、光軸C1,C2,C3を有し、互いに進行方位が異なる。
光軸C2は、後述するコリメーターレンズ41の光軸と一致する。光軸C1および光軸C3は、光軸C2に対して5°の交差角を持って交差する。光軸C1および光軸C3は、10°の交差角を持って交差する。
折り返しミラー群23から集光手段40に至るまでの紫外光の光路上には、PBSミラー25、ならびに、赤反射ミラー51R、緑反射ミラー51Gおよび青反射ミラー51Bを含む合成手段50が配置されている。
PBSミラー25は、S偏光を合成手段50に向けて反射して、P偏光を合成手段50に向けて透過させるように構成されている。PBSミラー25は、平行光束群L2に対して45°、平行光束群L1,L3に対して45.22°と略45°で交差する。また、PBSミラー25は、レーザー光源12a,12b,12cから出射され、コリメートレンズ21a,21b,21cによって異なる方位に進行するように変換された平行光束に対しても同様に略45°で交差する。
図7は、図2に示すPBSミラーにおいて、P偏光およびS偏光の波長と透過率との関係を示す図である。図7は、PBSミラーの反射面に45°の交差角を持って光を進入させた場合における、PBSミラー25の透過率特性を示している。図7を参照して、PBSミラーの透過率特性について説明する。
図7に示すように、PBSミラー25は、たとえば、370nm〜410nmの波長域において、交差角45°で交差するP偏光を透過させ、350nm〜380nmの波長域において、交差角45°で交差するS偏光を反射させる。このようなPBSミラー25は、レーザー光源11が上述の波長を有する紫外光を出射する場合に好適に用いることができる。
上述の特性を有するPBSを用いることにより、複数のレーザー光源11a,11b,11cから出射されコリメートレンズ21a,21b,21cによって変換された複数の平行光束群L1,L2,L3は、PBSミラー25を透過する際に、レーザー光源12a,12b,12cから出射され、コリメートレンズ21a,21b,21cによって異なる方位に進行するように変換された平行光束と合成される。これにより、PBSミラー25を通過した平行光束群L1,L2,L3は、S偏光成分とP偏光成分の両方を含むこととなる。
再び、図1に示すように、赤反射ミラー51R、緑反射ミラー51Gおよび青反射ミラー51Bは、ダイクロイックフィルターによって構成され、所定の波長域を有する光を透過させるとともに、他の所定の波長域を有する光を反射可能に構成されている。
赤反射ミラー51R、緑反射ミラー51Gおよび青反射ミラー51Bは、赤反射ミラー51R、緑反射ミラー51Gおよび青反射ミラー51Bの反射面の法線方向のそれぞれが集光手段40に含まれるコリメーターレンズ41の光軸に対して42.5°、45.0°、47.5°の角度を成すように配置される。赤反射ミラー51R、緑反射ミラー51Gおよび青反射ミラー51Bは、コリメーターレンズ41に近い側からこの順で配置される。
PBSミラー25を透過した平行光束群L1,L2,L3は、青反射ミラー51Bに42.5°、47.5°、52.5°の入射角を持ってそれぞれ入射して、これを透過する。
青反射ミラー51Bを透過した平行光束群L1,L2,L3は、緑反射ミラー51Gに40.0°、45.0°、50.0°の入射角を持ってそれぞれ入射して、これを透過する。
緑反射ミラー51Gを透過した平行光束群L1,L2,L3は、赤反射ミラー51Rに37.5°、42.5°、47.5°の入射角を持ってそれぞれ入射して、これを透過する。
図8から図10は、赤反射ミラー、青反射ミラーおよび緑反射ミラーにおける波長と透過率との関係を示す図である。図8から図10を参照して、赤反射ミラー51R、緑反射ミラー51Gおよび青反射ミラー51Bの透過率特性について説明する。
図8に示すように、赤反射ミラー51Rは、370nm〜570nmの波長域において交差角37.5°,42.5°,47.5°で交差する光をほぼ透過させ、620nm〜670nmの波長域において、交差角37.5°,42.5°,47.5°で交差する光を反射する。
赤反射ミラー51Rがこのような透過率特性を有することにより、赤反射ミラー51Rは、紫外光からなる複数の平行光束群L1,L2,L3を上述のように透過させることができる。
図9に示すように、緑反射ミラー51Gは、370nm〜480nmの波長域において交差角40.0°,45.0°,50.0°で交差する光をほぼ透過させ、520nm〜560nmの波長域において、交差角40.0°,45.0°,50.0°で交差する光を反射する。
緑反射ミラー51Gがこのような透過率特性を有することにより、緑反射ミラー51Gは、紫外光からなる複数の平行光束群L1,L2,L3を上述のように透過させることができる。
図10に示すように、青反射ミラー51Bは、370nm〜410nmの波長域において交差角42.5°,47.5°,52.5°で交差する光をほぼ透過させ、430nm〜470nmの波長域において、交差角42.5°,47.5°,52.5°で交差する光を反射する。
青反射ミラー51Bがこのような透過率特性を有することにより、青反射ミラー51Bは、紫外光からなる複数の平行光束群L1,L2,L3を上述のように透過させることができる。
再び図1に示すように、青反射ミラー51B、緑反射ミラー51G、および赤反射ミラー51Rを透過した複数の平行光束群L1,L2,L3は、それぞれ集光手段40に到達する。集光手段40は、コリメーターレンズ41およびフィールドレンズ42を含む。
平行光束群L1,L2,L3は、コリメーターレンズ41およびフィールドレンズ42を通過し、進行方位に応じて蛍光体ホイール30上のそれぞれ異なる位置に集光される。具体的には、平行光束群L1は、後述する赤色蛍光体層33R上に集光される。平行光束群L2は、後述する緑色蛍光体層33G上に集光される。平行光束群L3は、後述する青色蛍光体層33B上に集光される。
図11は、図1に示す蛍光体ホイールを示す図である。図1および図11を参照して、蛍光体ホイール30について説明する。
図1および図11に示すように、蛍光体ホイール30は、いわゆる反射型のものであり、紫外光が入射する側に向けて蛍光を出射するように構成されている。蛍光体ホイール30は、表面に反射膜32が設けられた回転板(基板)31、複数の蛍光体層としての赤色蛍光体層33R、緑色蛍光体層33G、青色蛍光体層33Bおよび駆動機構35を含む。
回転板31は、各種の蛍光体層を塗布するための部位である。回転板31としては、各種の金属や樹脂から成る基板を採用することができる。たとえば、回転板31として、アルミニウムから成る基板を採用することができる。
反射膜32としては、たとえば蒸着等によって形成された銀のコーティング層を採用することができる。反射膜32は、赤色蛍光体層33R、緑色蛍光体層33G、青色蛍光体層33Bから発光された各色の蛍光をフィールドレンズ42に向けて反射する。
赤色蛍光体層33R、緑色蛍光体層33Gおよび青色蛍光体層33Bは、それぞれ反射膜32上に設けられている。赤色蛍光体層33R、緑色蛍光体層33Gおよび青色蛍光体層33Bは、それぞれ輪帯状に設けられている。
赤色蛍光体層33Rは、回転板31の中央に設けられた駆動機構35を囲むように設けられている。緑色蛍光体層33Gは、赤色蛍光体層33Rの径方向外側にてこれに隣接するように設けられている。青色蛍光体層33Bは、緑色蛍光体層33Gの径方向外側にてこれに隣接するように設けられている。
赤色蛍光体層33R、緑色蛍光体層33Gおよび青色蛍光体層33Bは、紫外光(励起光)を赤色光、緑色光および青色光に変換できる赤蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体を所望の濃度で含む合成樹脂溶液を反射膜32上に塗布することにより形成される。
赤色蛍光体層33Rに含まる赤色蛍光体は、赤色蛍光体層33Rに集光された平行光束群L1の紫外光によって励起される。これにより、赤色蛍光体層33Rから赤色の蛍光が発光される。
緑色蛍光体層33Gに含まる赤色蛍光体は、緑色蛍光体層33Gに集光された平行光束群L2の紫外光によって励起される。これにより、緑色蛍光体層33Gから緑色の蛍光が発光される。
青色蛍光体層33Bに含まる青色蛍光体は、青色蛍光体層33Bに集光された平行光束群L3の紫外光によって励起される。これにより、青色蛍光体層33Bから青色の蛍光が発光される。
駆動機構35は、モータを含み、回転板31を回転させる。回転板31が回転することにより、常に発光していない蛍光体に紫外光を照射することができる。これにより、効率の良い発光を維持することができる。
また、上述のように反射膜32が設けられることにより、赤色蛍光体層33R、緑色蛍光体層33Gおよび青色蛍光体層33Bから発光された各色の蛍光をフィールドレンズ42側に向けて反射することができる。これにより、光の利用効率が向上する。
各色の蛍光体層から発光された各色の蛍光は、フィールドレンズ42によってコリメーターレンズ41に効率よく入射される。コリメーターレンズ41に入射した各色の蛍光は、コリメーターレンズ41によって互いに進行方位の異なる複数の平行光に変換される。
このように、フィールドレンズ42およびコリメーターレンズ41は、赤色蛍光体層33R、緑色蛍光体層33Gおよび青色蛍光体層33Bから発光され、互いに異なる波長域を有する複数の蛍光を互いに進行方位の異なる複数の略平行光にする第1コリメート手段としても機能する。
コリメーターレンズ41に入射した緑色の蛍光は、コリメーターレンズ41の光軸に平行な方向(光軸C2方向)に進行する。コリメーターレンズ41に入射した赤色の蛍光および青色の蛍光は、それぞれ光軸C2に対して+5°および−5°の交差角を有する光軸C1および光軸C3と平行な方向に進行する。
略平行光に変換された各色の蛍光は、合成手段50に入射する。合成手段50は、上述のような透過率特性を有する赤反射ミラー51R、緑反射ミラー51Gおよび青反射ミラー51Bによって構成されている。合成手段50は、進行方位の異なる複数の略平行光を同一光路に合成する。
具体的には、平行光に変換された赤色の蛍光は、赤反射ミラー51Rに入射角47.5°で入射して、コリメーターレンズ41の光軸と直交する方向に反射される。
平行光に変換された緑色の蛍光は、赤反射ミラー51Rに入射角42.5°で入射してこれを透過し、緑反射ミラー51Gに入射角45°で入射してコリメーターレンズ41の光軸と直交する方向に反射される。
緑反射ミラー51Gによって反射された緑色の蛍光は、赤反射ミラー51Rに入射角47.5°で入射してこれを透過し、赤色の蛍光と略同一光軸に合成される。
平行光に変換された青色の蛍光は、赤反射ミラー51Rに入射角37.5°で入射してこれを透過し、緑反射ミラー51Gに入射角40.0°で入射してこれを透過し、青反射ミラー51Bに入射角42.5°で入射してコリメーターレンズ41の光軸と直交する方向に反射される。
青反射ミラー51Bによって反射された青色の蛍光は、緑反射ミラー51Gに入射角45.0で入射してこれを透過し、赤反射ミラー51Rに入射角47.5°で入射してこれを透過し、赤色の蛍光および緑色の蛍光と略同一光軸(略同一光路)に合成される。
このように、長波長側から順次反射させることにより、赤反射ミラー51R、緑反射ミラー51G、青反射ミラー51Bを構成するダイクロイックフィルターの特性をバンドパスやバンドカットではなく、ショートカットの単純な特性にできる。これにより、赤反射ミラー51R、緑反射ミラー51G、青反射ミラー51Bが製造しやすくなるとともに、効率よく各色の蛍光を合成することができる。
略同一光軸に合成された各色の蛍光は、白色の照明光として、照明光学系200に入射して、TIRプリズムユニット300を通って、カラープリズムユニット400に入射する。カラープリズムユニット400に入射した照明光は、赤色、緑色、青色の各色光に色分離されて、DMD(デジタルミラーデバイス)450に入射する。DMD450によって反射された各色光は、カラープリズムユニット400、TIRプリズムユニット300および投影光学系500を順に通過してスクリーンに投影される。
照明光学系200は、第1レンズアレイ201、第2レンズアレイ202、重ね合わせレンズ203、折り返しミラー204およびエントランスレンズ205を含む。
第1レンズアレイ201および第2レンズアレイ202は、インテグレータ光学系を構成する。第1レンズアレイ201は、合成された各色の蛍光(照明光)を多数の光束に分割するための複数のレンズセル201aを有する。複数のレンズセル201aは、照明光と直交する面内にマトリクス状に配置されている。レンズセル201aは、DMD450の表示部と略相似な形状を有する。
第2レンズアレイ202は、第1レンズアレイ201の複数のレンズセル201aに対応する複数のレンズセル202aを有する。第2レンズアレイ202は、重ね合わせレンズ203とともに、レンズセル201aの像をDMD450上に重ね合わせる。これにより、DMD450上での照度分布が均一化する。
エントランスレンズ205は、照明光をテレセントリックな光束にし、これをTIRプリズムユニット300に入射させる。
TIRプリズムユニット300は、それぞれ略三角柱状の第1プリズム310と第2プリズム320とから成っており、各プリズム斜面間にエアギャップ層310gが設けてある。このTIRプリズムユニット300によって、DMD450に対する入力光である照明光と出力光である投影光(画像光)との分離が行なわれる。
照明光学系200から出射した照明光は、エアギャップ層311gを形成する斜面に全反射条件を満たす角度で第2プリズム320に入射し、当該斜面にて全反射してカラープリズムユニット400に入射する。
図12は、図1に示すプロジェクタの一部を構成するカラープリズムユニットを示す正面図である。図12を参照して、カラープリズムユニット400について説明する。
図12に示すように、カラープリズムユニット400は、各色の蛍光によって構成される照明光を赤色、緑色、青色の各色光に分解するとともに、後述のように各色の画像光を同一光軸に合成する。すなわち、カラープリズムユニット400は、色分解機能と色合成機能とを兼用する。
カラープリズムユニット400は、略三角柱形状を有するクリアプリズム410、赤プリズム420Rおよび青プリズム420B、ならびにブロック状の緑プリズム420Gが順次組み合わされることにより構成される。
赤プリズム420Rは、クリアプリズム410に対向する斜面421R、青プリズム420Bに対向する赤ダイクロイック面422Rおよび後述する赤用DMD450Rに対向するプリズム端面423Rを有する。赤ダイクロイック面422Rは、赤色光を反射しつつ、青色光、緑色光を透過させるように構成されている。
青プリズム420Bは、赤プリズム420Rに対向する斜面421B、緑プリズム420Gに対向する青ダイクロイック面422Bおよび後述する青用DMD450Bに対向するプリズム端面423Bを有する。青ダイクロイック面422Bは、青色光を反射しつつ、緑色光を透過させるように構成されている。
緑プリズム420Gは、青プリズム420Bに対向する斜面421Gおよび後述する緑用DMD450Gに対向するプリズム端面423Gを有する。
クリアプリズム410と赤プリズム420Rとの間には、エアギャップ層411gが設けられている。このエアギャップ層411gは、投影光軸AXに対して傾斜している。投影光軸AXとエアギャップ層411gの法線からなる面は、TIRプリズムユニット300のエアギャップ層311gの法線と投影光軸AXを含む面と直交している。
赤プリズム420Rと青プリズム420Bとの間には、エアギャップ層412gが設けられている。このエアギャップ層412gは、投影光軸に対して傾斜している。投影光軸AXとエアギャップ層412gの法線からなる面は、TIRプリズムユニット300のエアギャップ層311gと投影光軸AXからなる面と直交している。
エアギャップ層412gの傾斜方向は、クリアプリズム410と赤プリズム420Rによるエアギャップ層411gの傾斜方向とは逆方向である。
青プリズム420Bと緑プリズム420Gとの間には、エアギャップ層413gが設けられている。このエアギャップ層413gも投影光軸AXに対して傾斜している。投影光軸AXとエアギャップ層413gの法線からなる面は、TIRプリズムユニット300のエアギャップ層311gの法線と投影光軸AXを含む面と直交している。
エアギャップ層413gの傾斜方向は、クリアプリズム410と赤プリズム420Rによるエアギャップ層411gの傾き方向と同じ方向である。
クリアプリズム410の入出射面より入射した照明光は、クリアプリズム410を通過後、赤プリズム420Rに入射する。赤プリズム420Rに入射した照明光のうち、赤色光が赤ダイクロイック面422Rで赤色光が反射され、他の緑色光及び青色光はこれを透過する。
赤ダイクロイック面422Rで反射された赤色光は、クリアプリズム410側のエアギャップ層411gにより全反射され、赤プリズム420Rのプリズム端面423Rより射出して赤用DMD450Rに入射する。
赤ダイクロイック面422Rを透過した緑色光と青色光のうち青色光は、青ダイクロイック面422Bで反射される。青ダイクロイック面422Bで反射された青色光は、赤ダイクロイック面422Rに隣接して設けられたエアギャップ層412gにより全反射され、青プリズム420Bのプリズム端面423Bより射出して青用DMD450Bに入射する。
赤ダイクロイック面422Rを透過した緑色光と青色光のうち緑色光は、青ダイクロイック面422Bを透過して緑プリズム420Gのプリズム端面423Gより射出して緑用DMD450Gに入射する。
赤用DMD450R、青用DMD450B、および緑用DMD450Gは、反射型表示素子により構成される。赤用DMD450R、青用DMD450B、および緑用DMD450Gは、多数のマイクロミラー(不図示)を含む。多数のマイクロミラーのそれぞれは、DMDの画像表示面において各画素(1画素)を構成する。個々のマイクロミラーの傾斜角度ないし姿勢は2つの状態に切換可能である。
2つの状態のうちの一方の状態(オン状態)のマイクロミラーは、TIRプリズムユニット300を介して、後述する投影光学系500に向かう画像光(投影光)となるように照明光を反射する。他方の状態(オフ状態)のマイクロミラーは、TIRプリズムユニット300から外れた方向に向かう非投影光となるように照明光を反射する。
所望の画像情報に基づいて画素ごとに2つの状態を切り換えることにより、画像が表示される。各色の照明光は、当該画像に応じて変調されることにより画像光として上述の用に、TIRプリズムユニット300に向けて射出される。
赤用DMD450Rで反射された赤色の画像光は、赤プリズム420Rのプリズム端面423Rに入射してクリアプリズム410側のエアギャップ層411gで全反射された後、赤ダイクロイック面422Rで反射される。
青用DMD450Bで反射された青色の画像光は、青プリズム420Bのプリズム端面423Bに入射して赤プリズム420R側のエアギャップ層412gで全反射された後、青ダイクロイック面422Bで反射される。青ダイクロイック面422Bで反射された画像光は、さらに赤ダイクロイック面422Rを透過する。
緑用DMD450Gで反射された緑色の画像光は、緑プリズム420Gのプリズム端面423Gに入射して、青ダイクロイック面422Bおよび赤ダイクロイック面422Rを透過する。
そして、赤ダイクロイック面422Rを透過した赤色、青色、緑色の各色の画像光は、同一光軸に合成される。再び図1に示すように、クリアプリズム410の入射面410aから射出して、TIRプリズムユニット300に入射する。
TIRプリズムユニット300に入射した画像光は、ここでは全反射条件を満たさないのでエアギャップ層311gを透過し、投影光学系(投影レンズ)500によってスクリーンに投影される。
以上のような構成を有することにより、本実施の形態に係る光源装置100にあっては、1つの蛍光体ホイール30によって複数の蛍光を発生させ、これら蛍光を共通のコリメート手段によって互いに進行方位の異なる複数の略平行光に変換し、これら平行光を合成手段50によって同一光路に合成することができる。
これにより、光源装置100およびこれを備えたプロジェクタ600にあっては、蛍光体ホイール30から発散する蛍光を平行光に変換しつつ、蛍光体ホイール30の数および光学経路を少なできるため、エタンデューが大きくならず、部品点数を削減し小型化が可能となる。また、蛍光体ホイール30の数が少なくなることにより、駆動源となるモータも少なくなるため、より静かに光源装置100を駆動させることができる。
また、本実施の形態においては、レーザー光源11とコリメートレンズ21の相対的な位置関係を変更することにより、共通の励起光源から出射される励起光を進行方位の異なる複数の平行光束群に変換することができる。これにより、平行光束群毎に励起光源(固体光源)を準備する必要がなくなるため、さらに部品点数を削減し小型化が可能となる。また、レーザー光源を使用することにより、蛍光体層上の限定した領域に集光しやすくなるため、光学系のエタンデューを小さくすることができる。
さらに、進行方位の異なる複数の平行光束群を蛍光体ホイール30に集光するための集光手段と、蛍光体ホイール30から発光された各色の蛍光をそれぞれ進行方位の異なる複数の略平行光に変換するコリメート手段とを共通にすることにより、より一層部品点数を削減し小型化が可能となる。
加えて、励起光源から蛍光体ホイール30に至るまでの励起光の光路上に合成手段50を配置する構成とすることにより、励起光の光路と、発光された蛍光の光路の空間を共有できる。これにより、さらに小型化が可能となる。
(実施の形態2)
図13は、本実施の形態に係るプロジェクタの構成を模式的に示す図である。図13を参照して、本実施の形態に係るプロジェクタ600Aについて説明する。
図13に示すように、本実施の形態に係るプロジェクタ600Aは、実施の形態1に係るプロジェクタ600と比較した場合に、光源装置100Aの構成が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
光源装置100Aにあっては、励起光源10A,10Bとして440nm〜450nmの波長の青色光を出射するものが採用されている。これに伴い、PBSミラーの透過率特性が実施の形態1に係るPBSミラー25と相違する。
図14は、図13に示すプロジェクタに具備されるPBSミラーにおいて、P偏光およびS偏光の波長と透過率との関係を示す図である。図14は、PBSミラーの反射面に45°の交差角を持って光を進入させた場合における、PBSミラーの透過率特性を示している。図14を参照して、PBSミラーの透過率特性について説明する。
図14に示すように、PBSミラーは、たとえば、430nm〜450nmの波長域において、交差角45°で交差するP偏光を透過させ、400nm〜450nmの波長域において、交差角45°で交差するS偏光を反射させる。このようなPBSミラーは、レーザー光源11が上述の波長を有する青色光を出射する場合に好適に用いることができる。
このような透過率特性を有するPBSミラーを使用することにより、PBSミラーを通過した平行光束群L1,L2,L3は、S偏光成分とP偏光成分の両方を含むこととなる。これら平行光束群L1,L2,L3は、集光手段としてのコンデンサーレンズ70により、蛍光体ホイール30A上のそれぞれ異なる位置に集光される。
また、光源装置100Aにあっては、蛍光体ホイール30Aは、いわゆる透過型のものであり、青色光が入射する側とは反対側に向けて蛍光を出射するように構成されている。
図15は、図13に示す蛍光体ホイールを示す図である。図13および図15を参照して、蛍光体ホイール30Aについて説明する。
図13および図15に示すように、蛍光体ホイール30Aは、青色光が入射する側とは反対側の表面にダイクロイック膜32Aが設けられた回転板31A、複数の蛍光体層としての赤色蛍光体層33R、緑色蛍光体層33Gおよび拡散部33Tおよび駆動機構35を含む。
回転板31Aは、青色光を透過可能に構成されている。回転板31Aは、たとえば、ガラス、透明樹脂等から成る基板を採用することができる。ダイクロイック膜32Aは、たとえば、誘電体多層膜によって構成される。ダイクロイック膜32Aは、青色光を透過し赤色光及び緑色光を反射する。ダイクロイック膜32Aは、蛍光体層が形成される領域に設けられることが好ましい。
赤色蛍光体層33R、緑色蛍光体層33Gは、それぞれダイクロイック膜32A上に設けられている。赤色蛍光体層33R、緑色蛍光体層33Gおよび拡散部33Tは、それぞれ輪帯状に設けられている。
拡散部33Tは、すりガラス等で構成される。拡散部33Tは、集光された青色光のスペックルを軽減しつつ、青色光を拡散させる。
赤色蛍光体層33Rは、回転板31Aの中央に設けられた駆動機構35を囲むように設けられている。緑色蛍光体層33Gは、赤色蛍光体層33Rの径方向外側にてこれに隣接するように設けられている。拡散部33Tは、緑色蛍光体層33Gの径方向外側にてこれに隣接するように設けられている。なお、各色の蛍光を発光する複数の蛍光体層および青色光を透過、拡散させる拡散部33Tの配置は、上述のように限定されず、適宜変更することができる。
回転板31Aおよびダイクロイック膜32Aと透過して赤色蛍光体層33Rおよび緑色蛍光体層33Gに集光した平行光束群L1,L2は、赤色蛍光体層33Rおよび緑色蛍光体層33Gに含まれる蛍光体を励起する。これにより、赤色蛍光体層33Rおよび緑色蛍光体層33Gから赤色および緑色の蛍光が発光される。
回転板31Aを透過して拡散部33Tに集光した平行光束群L3は、拡散部33Tに拡散されながらこれを透過する。
図16は、図15に示す蛍光体ホイールの回転板表面におけるダイクロイック膜の波長と透過率との関係を示す図である。図16を参照して、回転板表面の透過率特性について説明する。
図16に示すように、ダイクロイック膜32Aが設けられた回転板31の表面にあっては、430nm〜470nmの波長域の光をほぼ透過させ、510nm以上の波長を有する光を反射する。
回転板31Aの表面がこのような透過率特性を有することにより、赤色蛍光体層33Rおよび緑色蛍光体層33Gによって発光された赤色および緑色の蛍光を効率よくフィールドレンズ42側に向けて反射することができる。また、青色光を拡散部33Tに導き、これをフィールドレンズ42側に向けて透過させることができる。
再び図13に示すように、赤色蛍光体層33Rおよび緑色蛍光体層33Gから発光された赤色および緑色の蛍光、ならびに拡散部33Tによって拡散された青色光は、第1コリメート手段としてのフィールドレンズ42およびコリメーターレンズ41によってそれぞれ平行光束に変換される。
平行光束に変換された赤色および緑色の蛍光ならびに青色光は、合成手段50によって同一光軸の光束に合成され、照明光として照明光学系200に向けて出射される。照明光学系200に入射された照明光は、TIRプリズムユニット300を通過し、カラープリズムユニット400によって色分解される。
カラープリズムユニット400によって色分解された各色の照明光は、DMD450によって反射され、画像光としてからカラープリズムユニット400に入射する。カラープリズムユニット400に入射した各色の画像光は、同一光軸に合成され、TIRプリズムユニット300を通過して、投影光学系500によってスクリーンに投影される。
本実施の形態にあっても、蛍光体ホイール30Aは1つのみ設けられており、蛍光体ホイール30Aによって複数の蛍光を発生させ、これら蛍光を共通のコリメート手段によって互いに進行方位の異なる複数の略平行光に変換し、これら平行光を合成手段50によって同一光路に合成することができる。これにより、光源装置100Aおよびこれを備えたプロジェクタ600Aにあっては、エタンデューが大きくならず、部品点数を削減し小型化が可能となる。
また、励起光が合成手段50を透過しないため、合成手段の各ミラーに励起光を透過させる機能が不要となり、より製造しやく簡素化された構成を有するミラーを使用することができる。
なお、本実施の形態においては、レーザー光源12として、青色のレーザー光源を使用することにより蛍光体ホイールにおいて青色蛍光体層を省略する場合を例示して説明したが、これに限定されず、紫外光のレーザー光源を使用してもよい。この場合には、蛍光体ホイール30Aにおいて、拡散部33Tに代えて青色蛍光体層33Bを設けて、ダイクロイック膜32Aとして紫外光を透過し、赤色、緑色、青色の波長域を有する光を反射する特性を有するものを使用することが好ましい。
(実施の形態3)
図17は、本実施の形態に係るプロジェクタの構成を模式的に示す図である。図17を参照して、本実施の形態に係るプロジェクタ600Bについて説明する。
図17に示すように、本実施の形態に係るプロジェクタ600Bは、実施の形態1に係るプロジェクタ600と比較した場合に、光源装置100Bの蛍光体ホイール30Bの構成および照明光学系200Bから投影光学系500までの構成が相違する。
プロジェクタ600Bは、光源装置100B、照明光学系200Bと、色分離手段としての色分離光学系250、画像表示素子としての液晶パネル470R,470G,470Bと、色合成手段としてのクロスダイクロイックプリズム480および投影光学系500を備える。
光源装置100Bは、実施の形態1の光源装置100と比較した場合に、蛍光体ホイール30Bの構成および位置が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
図18は、図17に示す蛍光体ホイールを示す図である。図18を参照して、蛍光体ホイール30Bについて説明する。
図18に示すように、回転板31の中央側から径方向外側に向けて、青色蛍光体層33B、緑色蛍光体層33G、赤色蛍光体層33Rが順に設けられていてもよい。この場合においては、青色蛍光体層33Bは、回転板31の中央に設けられた駆動機構35を囲むように設けられる。緑色蛍光体層33Gは、青色蛍光体層33Bの径方向外側にてこれに隣接するように設けられる。赤色蛍光体層33Rは、緑色蛍光体層33Gの径方向外側にてこれに隣接するように設けられる。
また、蛍光体ホイール30Bの中心位置は、コリメーターレンズ41の光軸よりも第1レンズアレイ201側に位置する。
このように、蛍光体ホイール30Bを構成および配置した場合であっても、各蛍光体層から発光された各色の蛍光を、フィールドレンズ42、コリメーターレンズ41赤反射ミラー51R、緑反射ミラー51Gおよび青反射ミラー51Bを用いて略同一光軸に合成することができる。
再び図17に示すように、照明光学系200Bは、第1レンズアレイ201、第2レンズアレイ202、重ね合わせレンズ203、偏光変換プリズムアレイ207を含む。
第1レンズアレイ201と第2レンズアレイ202とによって、インテグレータ光学系を構成している。第1レンズアレイ201は、液晶パネル470R,470G,470Bの表示部と略相似な形状のレンズセルで蛍光光束を多数の光束に分割し、第2レンズアレイ202のレンズセルに集光させている。
第2レンズアレイ202の各レンズセルは、対応する第1レンズアレイ201のレンズセルの像を液晶パネル470R,470G,470Bの表示部に形成し、重ね合わせレンズ203によって各レンズセルの像を液晶パネル470R,470G,470B上で重ね合せている。これにより、液晶パネル470R,470G,470B上での照度分布を均一化することができる。
第2レンズアレイ202と蛍光体光源が略共役であるため、第2レンズアレイ202近傍には複数の2次光源像が形成されている。偏光変換プリズムアレイ207は、偏光分離コートがなされたプリズムアレイを接合して製造され、これらの2次光源像を偏光方向の異なる2つの直線偏光に分離し、偏光分離面でS偏光と反射しP偏光を透過させる。そして、偏光変換プリズムアレイ207のP偏光の光路上に貼られた位相板によって、2次光源像のP偏光をS偏光に揃えて照明光を直線偏光へと変換し、色分離光学系250に出射する。
色分離光学系250は、照明光学系200Bから出射された照明光を赤、緑、青色に3つの色光に分離して、それぞれ液晶パネル470R,470G,470Bに入射させるものである。
色分離光学系250は、赤透過ダイクロイックミラー251R、青透過ダイクロイックミラー251B、反射ミラー256,257,258、リレーレンズ261,262およびフィールドレンズ265R,265G,265Bを含む。
赤透過ダイクロイックミラー251Rは、赤色光を透過させ、緑色光および青色光を反射させる。青透過ダイクロイックミラー251Bは、青色光を透過させ、緑色光を反射させる。
照明光学系200Bから出射した照明光のうち赤色光は、赤透過ダイクロイックミラー251Rを透過する。赤透過ダイクロイックミラー251Rを透過した赤色光は、反射ミラー256によって反射され、フィールドレンズ265Rを通過する。フィールドレンズ265Rを通過した赤色光は、赤色光用の液晶パネル470Rの表示部に入射する。
照明光学系200Bから出射した照明光のうち緑色光および青色光は、赤透過ダイクロイックミラー251Rによって反射される。赤透過ダイクロイックミラー251Rによって反射された緑色光および青色光のうち緑色光は、青透過ダイクロイックミラー251Bによって反射され、フィールドレンズ265Gを通過する。フィールドレンズ265Gを通過した緑色光は、緑色光用の液晶パネル470Gの表示部に入射する。
赤透過ダイクロイックミラー251Rによって反射された緑色光および青色光のうち青色光は、青透過ダイクロイックミラー251Bを透過して、リレーレンズ261、反射ミラー257、リレーレンズ262、反射ミラー258を順に経てフィールドレンズ265Bを通過する。フィールドレンズ265Bを通過した青色光は、青色光用の液晶パネル470Bの表示部に入射する。
青色光の光路の長さは、他の色の光路の長さよりも長いため、他の色光と等価な条件になるように、等倍系のリレーレンズ261,262(リレー光学系)を配置している。
また、フィールドレンズ265R,265G,265Bは、各色に分離された照明光をテレセントリックな光束にしており、各液晶パネル470R,470G,470Bへは、入射角度特性も含めてほぼ均質な照明光が入射する。
液晶パネル470R,470G,470Bは、画像情報に応じて表示部に各色光の画像を表示する。液晶パネル470R,470G,470Bは、偏光板(不図示)に挟まれている。入射側偏光板、液晶パネル470R,470G,470Bおよび出射側偏光板によって、画素ごとに入射された各色光の光変調が行われ、特定の偏光方向の光のみが画像光としてクロスダイクロイックプリズム480に向けて射出される。
クロスダイクロイックプリズム480は、各液晶パネル470R,470G,470Bから射出された画像光を同一光軸に合成して、合成した画像光を投影光学系500に向けて射出する。
クロスダイクロイックプリズム480は、4つの三角プリズムが組み合わされることにより構成される。クロスダイクロイックプリズム480は、赤色反射面481Rおよび青色反射面481Bを有する。赤色反射面481Rおよび青色反射面481Bは、誘電体多層膜によって構成される。
クロスダイクロイックプリズム480に入射した赤色の画像光は、赤色反射面481Rによって反射され出射面480aから出射される。クロスダイクロイックプリズム480に入射した青色の画像光は、青色反射面481Bによって反射され射出面480aから射出される。クロスダイクロイックプリズム480に入射した緑色の画像光は、赤色反射面481Rおよび青色反射面481Bを透過して射出面480aから射出される。これにより、赤色の画像光、青色の画像光、緑色の画像光が合成されて画像として射出面480aから射出され、投影光学系500を介してスクリーンに投影される。
以上のように、光源装置100は、液晶パネル470R,470G,470Bを用いたプロジェクタ600Bにも適用することができる。蛍光体ホイール30、第1レンズアレイ201、第2レンズアレイ202および偏光変換プリズムアレイ207を1セット設ける構成であり、レーザー光源を使用していることから、長寿命化を図ることができる。
また、本実施の形態に係る光源装置100Bは、実施の形態1に係る光源装置100の構成とほぼ同様であることから、本実施の形態においても実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
なお、実施の形態1から3に係る光源装置においては、蛍光体ホイールに用いられる蛍光体層の順序、または蛍光体層と拡散部との順序は、赤反射ミラー51R,緑反射ミラー51G,青反射ミラー51Rの順序等の光学系を調整することにより、適宜変更することが可能である。
また、実施の形態1に係る光源装置において、実施の形態3に係る蛍光体ホイールを用いてもよいし、実施の形態3に係る光源装置において、実施の形態1に係る蛍光体ホイールを用いてもよい。このように、複数の実施の形態が存在する場合は、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の特徴部分を適宜組み合わせることは、当初から予定されている。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。