JP6715730B2 - パンツ型吸収性物品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パンツ型吸収性物品の製造方法に関する。
吸収性物品の一例として、パンツ型の使い捨ておむつが挙げられる。このようなパンツ型の使い捨ておむつには、***物の横漏れを防止するために、吸収体の両側縁部に沿って起立する立体ギャザー(防漏壁)や、吸収体の横方向の両外側に延出して脚回り開口部を形成するレッグギャザー(脚回り延出部)が設けられることが一般的である。例えば、特許文献1には、吸収体が載ったシート部材を吸収体の横方向両外側の所定箇所にて折り曲げることにより、該シート部材によって立体ギャザー及びレッグギャザーを形成する方法が開示されている。
特開2010‐240110号公報
特許文献1に記載のパンツ型使い捨ておむつでは、縦方向に伸縮する弾性部材(例えば糸ゴム)をレッグギャザー(脚回り延出部)に配することにより、脚回り延出部に対して脚回りに沿った伸縮力を作用させている。しかし、脚回り延出部は柔軟なシート部材によって形成されているため、パンツ型使い捨ておむつの着用時において、該脚回り延出部に伸縮力が作用した際に、よれやめくれが発生したり、脚回り延出部が面形状を維持しにくくなったりする場合があった。これにより、着用者の脚回りにおいてフィット性が悪化したり***物の横漏れを抑制し難かったりする等の問題が生じるおそれがあった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、着用時にめくれが生じにくく、面形状を維持しやすい脚回り延出部を有するパンツ型使い捨ておむつを提供することにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、縦方向と横方向と厚さ方向とを有し、長手方向が前記縦方向に沿った吸収体と、前記吸収体の非肌側に重ねられた外装シートと、を備えるパンツ型吸収性物品の製造方法であって、前記横方向において、展開した状態の前記外装シートの両端部を外側から内側に折り返し、前記外装シートが前記厚さ方向に折り重ねられた部分を溶着して前記横方向に所定の長さを有する溶着領域を形成する溶着領域形成工程と、前記外装シートの所定の領域に前記縦方向に伸縮する弾性部材を配置する弾性部材配置工程と、前記横方向において前記外装シートの両端部を外側から内側に再度折り返すことにより、前記吸収体の前記横方向の両側に延出しつつ、前記横方向において前記弾性部材の少なくとも一部が前記溶着領域と重複した脚回り延出部を形成する脚回り延出部形成工程と、を有することを特徴とする、パンツ型吸収性物品の製造方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、着用時にめくれが生じにくく、面形状を維持しやすい脚回り延出部を有するパンツ型使い捨ておむつを提供することができる。
パンツ型使い捨ておむつ1の概略斜視図である。 展開且つ伸長状態のおむつ1を肌側面側から見た概略平面図である。 おむつ1の概略断面図である。 吸収性本体10製造のフローを表す図である。 LSG弾性部材配置工程について説明する平面図及び断面図である。 溶着領域形成工程について説明する平面図及び断面図である。 図6の領域Aを拡大して表す図である。 弾性部材配置工程について説明する平面図及び断面図である。 吸収体転写工程について説明する平面図及び断面図である。 脚回り延出部形成工程について説明する平面図及び断面図である。 図11Aから図11Cは横溶着領域62の変形例を説明する図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
縦方向と横方向と厚さ方向とを有し、長手方向が前記縦方向に沿った吸収体と、前記吸収体の非肌側に重ねられた外装シートと、を備えるパンツ型吸収性物品の製造方法であって、前記横方向において、展開した状態の前記外装シートの両端部を外側から内側に折り返し、前記外装シートが前記厚さ方向に折り重ねられた部分を溶着して前記横方向に所定の長さを有する溶着領域を形成する溶着領域形成工程と、前記外装シートの所定の領域に前記縦方向に伸縮する弾性部材を配置する弾性部材配置工程と、前記横方向において前記外装シートの両端部を外側から内側に再度折り返すことにより、前記吸収体の前記横方向の両側に延出しつつ、前記横方向において前記弾性部材の少なくとも一部が前記溶着領域と重複した脚回り延出部を形成する脚回り延出部形成工程と、を有することを特徴とする、パンツ型吸収性物品の製造方法である。
このようなパンツ型吸収性物品の製造方法によれば、溶着領域が設けられることにより、脚回り延出部の横方向への収縮やめくれが生じることが抑制され、脚回り延出部が横方向に幅を持った面形状が維持されやすいパンツ型吸収性物品を提供することができる。また、脚回り弾性部材によって縦方向に収縮する力が作用することで、脚回り延出部の表面には横方向に沿った皺が多数形成され、当該皺の凹凸によって、肌触りが良好なパンツ型吸収性物品を提供することができる。
かかるパンツ型吸収性物品の製造方法であって、前記弾性部材配置工程において、前記弾性部材は、前記横方向において前記溶着領域の少なくとも一部と重複するように配置される、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品の製造方法によれば、脚回り弾性部材を切断することなく溶着を行うことができる。すなわち、脚回り延出部において、脚回り弾性部材の伸縮力を損なうことなく、脚回り弾性部材と重複した領域に溶着領域を形成することができる。これにより、着用時にめくれが生じにくく、面形状を維持しやすい脚回り延出部を有するパンツ型吸収性物品を容易に製造することが可能となる。
かかるパンツ型吸収性物品の製造方法であって、前記溶着領域は、第1の溶着領域と第2の溶着領域とを有し、前記横方向において、前記第1の溶着領域と前記第2の溶着領域とは非連続である、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品の製造方法によれば、横方向において溶着領域が形成されている部分と形成されていない部分とで、外装シートに剛性の高い部分と低い部分とを設けることができる。
かかるパンツ型吸収性物品の製造方法であって、前記脚回り延出部形成工程において、前記外装シートは、前記横方向における前記第1の溶着領域と前記第2の溶着領域との間の所定位置において折り返される、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品の製造方法によれば、外装シートの剛性が所定位置において高くなり過ぎず、当該所定位置において、外装シートをしっかりと折り曲げることができる。これにより、脚回り延出部をきれいな平面状に形成しやすくなる。
かかるパンツ型吸収性物品の製造方法であって、前記溶着領域は、前記横方向に対して所定の角度だけ傾斜して形成される、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品の製造方法によれば、溶着領域を形成するエンボスローラーの回転に伴って、圧力がかかる点が順次移動しながら該溶着領域が形成されるため、局所的な溶着不良等が生じにくく、溶着が安定する。また、圧力がかかる箇所が順次移動するため、エンボスローラーの外周面に設けられた突起(例えば超音波ホーン)が摩耗しにくくなり、パンツ型吸収性物品の製造を効率的に行うことができる。
かかるパンツ型吸収性物品の製造方法であって、前記溶着領域は、複数のドットが前記横方向に並ぶことによって形成される、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品の製造方法によれば、ドット形状の溶着部によって部分的に溶着が行われることにより、各々の溶着部(ドット)の形状が小さくなり、超音波振動等を一点に集中して繰り返し加えやすくなる。これにより、溶着領域全体について安定して溶着を行うことができる。
かかるパンツ型吸収性物品の製造方法であって、前記吸収体の前記横方向の両側部において、着用者の肌側に起立する一対の防漏壁部が形成され、前記溶着領域は、前記横方向において、前記防漏壁部が起立する基点の位置と重複しない位置に形成される、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品の製造方法によれば、防漏壁部が起立する基点となる部分(サイド接合部53)と溶着領域とが重複しないことにより、当該基点部分における外装シートの剛性が高くなることが抑制される。これにより、外装シートはサイド接合部の位置を基点として自然に折れ曲がりやすくなり、防漏壁部を起立させやすくすることができる。
かかるパンツ型吸収性物品の製造方法であって、前記脚回り延出部には、前記弾性部材が前記横方向に並んで複数設けられ、複数の前記弾性部材のうち、前記横方向の最も内側に設けられる前記弾性部材は、前記横方向において前記吸収体と前記溶着領域との間に配置される、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品の製造方法によれば、横方向の最も内側に設けられる弾性部材(61a)が収縮することにより、パンツ型吸収性物品の着用時において、脚回り延出部のうち弾性部材(61a)よりも横方向外側の部位が、着用者の肌側に持ち上げられる基点となり、脚回り延出部の起立高さが確保される。これにより、脚回り延出部を着用者の脚回りに密着させやすくなる。
かかるパンツ型吸収性物品の製造方法であって、前記脚回り延出部には、前記弾性部材が前記横方向に並んで複数設けられ、複数の前記弾性部材のうち、前記横方向の最も外側に設けられる前記弾性部材は、前記横方向において前記脚回り延出部の外側端に配置される、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品の製造方法によれば、横方向の最も外側に設けられる弾性部材(61d)の収縮力によって脚回り延出部を着用者の脚に密着させやすくなる。これにより、横方向外側端部において脚回り延出部が平面形状を維持しにくい場合であっても、脚回り延出部のフィット性が悪化することを抑制しやすくなる。
かかるパンツ型吸収性物品の製造方法であって、前記横方向において前記溶着領域と重複して配置される前記弾性部材の肌側に、液不透過性のバックシートが設けられる、ことが望ましい。
このようなパンツ型吸収性物品の製造方法によれば、バックシートが脚回り弾性部材の肌側を覆うように配置されることにより、脚回り弾性部材が肌側に露出することが抑制され、脚回り弾性部材の表面に塗布されている接着剤が着用者の身体に付着することが抑制される。また、エンド接合部やサイド接合部と脚回り弾性部材とが接触することが抑制されるため、脚回り弾性部材による収縮力が胴回り部に作用してしまうことが抑制される。
===実施形態===
本発明に係るパンツ型吸収性物品として「パンツ型使い捨ておむつ」を例に挙げて以下の実施形態を説明する。本実施形態のパンツ型使い捨ておむつは乳幼児用としても大人用としても利用可能である。また、本発明に係るパンツ型吸収性物品は使い捨ておむつ以外にも、例えば生理用のショーツ型ナプキンとしても利用可能である。
<パンツ型使い捨ておむつの基本構成>
図1はパンツ型使い捨ておむつ1(以下、単に「おむつ1」ともいう)の概略斜視図である。図2は展開且つ伸長状態のおむつ1を肌側面側から見た概略平面図である。図3はおむつ1の概略断面図である。なお、図1以外の図は、おむつ1の皺が視認できなくなる程度まで、おむつ1が備える弾性部材を伸長させた状態を示す。具体的には、おむつ1を構成する各部材(例えば後述する外装シート14等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い寸法になるまで伸長させた状態を示す。
図1に示すように、パンツ型であるおむつ1は縦方向と横方向と前後方向とを有し、おむつ1には胴回り開口部BH及び一対の脚回り開口部LHが形成されている。縦方向において、胴回り開口部BH側を上側とし、着用者の股下となる側を下側とする。前後方向において、着用者の腹側となる側を前側とし、着用者の背側となる側を後側とする。また、おむつ1は図3に示すように厚さ方向を有し、厚さ方向において着用者に接触する側を肌側とし、その逆側を非肌側とする。
おむつ1は、所謂3ピースタイプであり、吸収性本体10と一対の胴回り部20,30とを有する。吸収性本体10は平面視略長方形状であり、その長手方向が縦方向に沿っている。胴回り部20,30は平面視略長方形状であり、その長手方向が横方向に沿っている。一対の胴回り部20,30のうち着用者の腹側部を覆うものを前胴回り部20ともいい、着用者の背側部を覆うものを後胴回り部30ともいう。
図2の展開状態にて示されるように、吸収性本体10の長手方向の一端側に、前胴回り部20の横方向の中央部が位置し、吸収性本体10の長手方向の他端側に、後胴回り部30の横方向の中央部が位置している。そして、吸収性本体10の非肌側面と一対の胴回り部20,30の肌側面とが接着剤等により接合されている。図2の展開状態から、前胴回り部20と後胴回り部30とが重なるように吸収性本体10がその長手方向の略中央部で二つ折りされ、前胴回り部20の横方向の両側部20aと後胴回り部30の横方向の両側部30aとが接合されることにより、おむつ1はパンツ型となる。
前胴回り部20及び後胴回り部30はそれぞれ、不織布等の柔軟な2枚のシート(21と21、31と31)と、横方向に伸縮する糸ゴム等の複数の弾性部材22,32とを備える。以下の説明では弾性部材22,32を胴回り弾性部材22,32ともいう。複数の胴回り弾性部材22,32は、縦方向に間隔を空けて並んで配されるとともに、横方向に伸長した状態で2枚のシート(21と21、31と31)の間に固定されている。したがって、前胴回り部20及び後胴回り部30は横方向に伸縮可能であり、着用者の胴回りにフィットする。
吸収性本体10は、図3に示すように厚さ方向の肌側から順に、トップシート11と、吸収体12と、バックシート13と、外装シート14とを備える。トップシート11は液透過性シートであればよく、親水性のエアスルー不織布やスパンボンド不織布等を例示できる。バックシート13は液不透過性シートであればよく、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等を例示できる。トップシート11及びバックシート13は吸収体12全体を覆う大きさとする。また、本実施形態ではトップシート11の横方向の両側部が吸収体12の非肌側面側に折り込まれている。外装シート14は液透過性シートでも液不透過性シートでもよい。ただし本実施形態では外装シート14によって防漏壁部50が形成されるため、外装シート14として疎水性のSMS不織布等を例示できる。
吸収体12は、平面視長方形状であり、液体を吸収する吸収性コア121と、吸収性コア121の外周面を被覆するコアラップシート122とを備える。吸収性コア121は、液体吸収性素材が所定の形状に成形されたものであり、本実施形態では長手方向の中央部がくびれた略砂時計形状を成している。液体吸収性素材としては、パルプ繊維等の液体吸収性繊維に高吸収性ポリマー(所謂SAP)等が含有されたものを例示できる。コアラップシート122としては、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性シートを例示できる。なお、コアラップシート122はなくてもよい。
また、吸収性本体10は、一対の防漏壁部50と、一対の脚回り延出部60(一対の延出部)とを備える。詳細は後述するが、本実施形態では図3や図4に示すように一枚の外装シート14の横方向の両側部が折り重ねられることによって、一対の防漏壁部50及び一対の脚回り延出部60が一体に形成されている。
一対の防漏壁部50は、吸収性本体10の長手方向に沿って、吸収体12の横方向の両側部に設けられている。詳しくは横方向において吸収体12と重なる位置から延出する位置に亘って設けられている。各防漏壁部50は長手方向(おむつ1の縦方向)に伸縮する弾性部材51(以下、「LSG弾性部材51」とも呼ぶ)を備えるとともに、防漏壁部50を形成する外装シート14をトップシート11やバックシート13に接合する一対のエンド接合部52及びサイド接合部53を備える。一対のエンド接合部52は吸収性本体10の長手方向の両端部に配置され、サイド接合部53は、吸収性本体10の長手方向の一端から他端まで延び、且つ、エンド接合部52よりも横方向の外側に配置されている。そのため、防漏壁部50では、LSG弾性部材51の収縮によって、一対のエンド接合部52間の外装シート14の部位が、サイド接合部53を基点に着用者側(厚さ方向の肌側)に起立可能となる。したがって、横流れした***物が防漏壁部50によって堰き止められる。
一対の脚回り延出部60は、吸収体12の横方向の両外側に延出した部位である。詳しくは吸収体12の横方向の外側端から吸収性本体10の横方向の外側端までの部位を脚回り延出部60とする。各脚回り延出部60は、長手方向(おむつ1の縦方向)に伸縮し、且つ、横方向に間隔を空けて配された4本の弾性部材61(以下、「脚回り弾性部材61」とも呼ぶ)を備える。該脚回り延出部60は、脚回り弾性部材61によって長手方向に沿った伸縮性を付与されることにより、着用者の脚回りにフィットしやすくなる。
また、各脚回り延出部60には、横方向に所定の長さを有する「横溶着領域62(本発明における溶着領域)」が複数配されている。複数の横溶着領域62は、図3に示すように、厚さ方向の肌側に位置する複数の第1の横溶着領域63と、厚さ方向の非肌側に位置する複数の第2の横溶着領域64とを有する。複数の第1の横溶着領域63及び複数の第2の横溶着領域64は共に、脚回り延出部60の長手方向の全域に亘って、長手方向に間隔を空けて並んで配されている。なお、横溶着領域62は、図2に示されるように横方向に所定の角度だけ傾斜して設けられているが、横方向に所定の長さを有する領域であれば必ずしも傾斜していなくても良い。
また、各脚回り延出部60には、横溶着領域62よりも横方向の内側に、縦方向(長手方向)に沿って延びた「縦溶着領域66」が配されている。縦溶着領域66も、脚回り延出部60の長手方向の全域に亘って配され、厚さ方向の肌側に位置する第1の縦溶着領域67と、厚さ方向の非肌側に位置する第2の縦溶着領域68とを有する。
なお、前胴回り部20、後胴回り部30、防漏壁部50、及び脚回り延出部60が備える弾性部材(22、32、51、61)として糸ゴム等の糸状の弾性部材を例示しているがこれに限らない。糸ゴムの代わりに、例えば伸縮性フィルムや伸縮性不織布等のシート状の弾性部材を単数又は複数配してもよい。また、図面には弾性部材のうち伸縮性を発現する部位(所謂有効長の部位)のみを示す。そのため図示する弾性部材の長手方向の外側に伸縮性を発現しない弾性部材の部位が存在していてもよい。また、弾性部材の配置や本数も図示する構成に限らない。
<吸収性本体10の製造方法>
続いて、一対の防漏壁部50及び脚回り延出部60を備えた吸収性本体10の製造方法について説明する。図4は、吸収性本体10製造のフローを表す図である。本実施形態のおむつ1は、製造ラインにおいて図4に示されるS101〜S105の各工程を実施することによって連続的に製造される。
本実施形態では、吸収性本体10の基材シートが所定の搬送方向に沿って所定の搬送速度で搬送される間にS101〜S105の各工程が実施される。「吸収性本体10の基材シート」とは、外装シート14が図2における長手方向(縦方向)に複数繋がった状態で連続してなる外装連続シート14lであり、当該外装連続シート14lが長手方向に沿って搬送される方向が搬送方向となる。以下の説明では、搬送方向(つまり、外装シート14の長手方向)に沿った方向をMD方向(縦方向に相当)、MD方向と直交する方向をCD方向(横方向に相当)とも呼ぶ。
(S101)
初めに、MD方向に搬送される基材シート(外装シート14)に対して、上述した防漏壁部50のLSG弾性部材51を配置する、LSG弾性部材配置工程が行われる(S101)。図5は、LSG弾性部材配置工程について説明する平面図及び断面図である。同図5では、外装シート14が展開された状態について表している。また、図5では、説明の簡略化のため、外装連続シート14lが製品(おむつ1)単位で切断され、上述の外装シート14となった状態について表すものとする。後述する図6〜図10についても同様である。
LSG弾性部材配置工程(S101)では、図5に示されるように、外装シート14(外装連続シート14l)のCD方向(横方向)両側の所定位置f1に、MD方向(縦方向)に伸長させた状態のLSG弾性部材51がMD方向に沿って配置される。LSG弾性部材51の表面にはホットメルト接着剤(HMA)等の接着剤が塗布されており、当該接着剤によってLSG弾性部材51が外装シート14に接合される。これにより、外装シート14の所定位置f1においてLSG弾性部材51が接合された部分に縦方向(長手方向)の伸縮性が発現し、おむつ1をパンツ型に形成した際に、防漏壁部50を着用者の肌側に起立させることができる。
また、S101において、所定位置f1よりもCD方向(横方向)の内側の領域には、図5のようにMD方向に沿って接着剤(例えばホットメルト接着剤HMA)が設けられる(塗布される)ことにより、LSG接着部55が形成される。このLSG接着部55は次工程(S102)において、所定位置f1にて外装シート14を折り返す際に、厚さ方向に折り重ねられた外装シート14同士を接合するための接着部である。なお、LSG接着部55はLSG弾性部材51が配置される前に形成されるのであってもよい。
(S102)
次いで、展開した状態の外装シート14(外装連続シート14l)のCD方向(横方向)両端部を外側から内側に折り返し、外装シート14が厚さ方向に折り重ねられた部分に横溶着領域62及び縦溶着領域66を形成する、溶着領域形成工程(S102)が行われる。図6は、溶着領域形成工程について説明する平面図及び断面図である。図7は、図6の領域Aを拡大して表す図であり、横溶着領域62及び縦溶着領域66について説明する図である。
溶着領域形成工程(S102)では、先ず、LSG弾性部材51(LSG弾性部材)が配置されている所定位置f1を折り位置として、外装シート14の両端部がCD方向(横方向)の外側から内側に折り返される。すなわち、LSG弾性部材51が設けられている位置f1を折り返し基点としてLSG弾性部材51を挟み込むように外装シート14が厚さ方向に折り重ねられ、LSG接着部55によって接合される。この接合される部分は、おむつ1着用時において防漏壁部50として起立する部分であり、折り重ねられた外装シート14同士が互いに接合されることによって防漏壁部50の強度が確保され、防漏壁部50が倒れたり形状が崩れたりすることを抑制しやすくなる。なお、外装シート14を折り返す際には、外装連続シート14lをMD方向に搬送しながらCD方向に折り返す、折り返し機構(セーラー)が用いられるが、本実施形態では、LSG接着部55が所定位置f1よりもCD方向(横方向)の内側に形成されていることにより、セーラーに接着剤が付着しにくくなっている。これにより、セーラーの清掃やメンテナンス等のために製造ラインを止める必要が減少し、おむつ1を効率的に製造することができる。
そして、外装シート14が折り重ねられた部分のうち、LSG接着部55によって接合された領域よりも横方向の内側の領域が部分的に溶着されることによって、横溶着領域62及び縦溶着領域66が形成される。この溶着領域62,66が形成される部分は、おむつ1着用時において脚回り延出部60として着用者の脚周りに沿って横方向に延出する部分である。溶着部62,66が横方向及び縦方向に所定の長さを有するように形成されることにより、外装シート14によって形成される脚回り延出部60の横方向及び縦方向における剛性を高くすることができる。
本実施形態において、溶着領域62,66は、図7のように、厚さ方向に2層に重ねられた外装シート14のうち、横方向の外側の部位に複数の第1の横溶着領域63が長手方向に間隔を空けて並んで形成され、第1の横溶着領域63に対して所定位置f2を挟んで横方向の内側の部位に複数の第2の横溶着領域64が長手方向に間隔を空けて並んで形成される。すなわち、第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64とは横方向において非連続であり、かつ、第1の横溶着領域63及び第2の横溶着領域64は、横方向において所定位置f2と重複しないように形成される。これにより、所定位置f2の剛性が高くなることが抑制され、後述する延出部形成工程(S105)において、外装シート14を所定位置f2にて折り返す際に、しっかりと折り返すことができるようになる。
また、第1の横溶着領域63よりも横方向の外側に第1の縦溶着領域67が形成され、第2の横溶着領域64よりも横方向の内側に第2の縦溶着領域68が形成される。なお、横溶着領域62及び縦溶着領域66は、共に、横方向において、外装シート14のエッジとなる端14eと重複しないように形成される(図6参照)。これにより、当該エッジ部(14e)において剛性が高くなりシート部材が固くなることを抑制し、おむつ1着用時にエッジ部分が着用者の肌に押し付けられるような場合であっても、肌触りが悪化しないようにしている。
横溶着領域62(63,64)は、ドット形状の溶着部69が、横方向に複数並ぶことによって形成されている。具体的には、横方向に対して傾斜して3個の溶着部69が並んだドットの列が2つ、横方向にずれ且つ縦方向に並んでいる。同様に、縦溶着領域66(67,68)も、ドット形状の溶着部69が縦方向に多数並んだドットの列が2つ、縦方向にずれ且つ横方向に並ぶことによって形成されている。各々の溶着部69は、例えばCD方向に沿って回転軸が設置されたエンボスローラーを用いて、該エンボスローラーの外周面に設けられた突起パターン中の1つの突起を用いて、超音波溶着等の溶着手段によって形成される。但し、溶着部69が熱溶着やレーザー照射等他の溶着手段によって形成されるのであっても良い。
このように、溶着領域62,66がドット形状の溶着部69によって部分的に溶着されているため、個々の溶着部69の面積を小さくすることができる。したがって、溶着時に突起パターンによって超音波振動等を一点に集中して繰り返し加えることが可能となり、安定して溶着を行うことができる。但し、溶着領域62,66の形状はこの限りではなく、例えばエンボスローラーの外周面に設けられた1つの突起の平面形状を溶着領域62,66と同じ形状にして、溶着領域62,66の全域が溶着されるようにしてもよい。すなわち、図7の点線で囲まれる領域の全域が溶着された線状の溶着領域62,66が形成されるのであっても良い。
また、横溶着領域62が有する横方向の所定の長さとは、横溶着領域62の横方向の一端から他端までの横方向の長さであり、図7においてL62で表される。横溶着領域62の形状は、横方向に所定の長さ(L62)を有しているのであれば、横方向(CD方向)に平行に延びた形状(不図示)であってもよいし、本実施形態のように横方向に対して傾斜した形状であってもよい。
但し、エンボスローラーの突起パターンがCD方向と平行に配列されており、横溶着領域62がCD方向と平行に形成されるような場合、エンボスローラーの回転に伴って突起パターンの列が外装シート14(外装連続シート14l)と接触した瞬間に、CD方向(横方向)に沿った横溶着領域62が同じタイミングで形成されることになる。この場合、横方向の全ての領域に均等な圧力をかけることが難しく、横溶着領域62の横方向において溶着強度が不均一になるおそれがある。また、突起パターンの列に一度に大きな圧力がかかることにより、突起パターンが摩耗しやすくなる。これに対して、横溶着領域62が横方向(CD方向)に対して傾斜していると、エンボスローラーの回転に伴って圧力がかかる点が順次移動しながら横溶着領域62が形成されるため、局所的な溶着不良等が生じにくく、溶着強度が不均一になりにくい。また、圧力がかかる箇所が順次移動するため、エンボスローラーの外周面に設けられた突起が摩耗しにくくなり、効率的に製造を行うことができる。
なお、横溶着領域62が有する横方向の所定の長さとは0mmよりも大きければよいが、ある程度の長さを有することが好ましい。例えば脚回り延出部60の横幅が40mmである場合、横溶着領域62の横方向の長さが、好ましくは7.5mmから27.5mmの範囲であるとよく、より好ましくは17.5mm程度であるとよい。
(S103)
次いで、外装シート14(外装連続シート14l)の所定の領域に脚回り弾性部材61を配置する弾性部材配置工程(S103)が行われる。図8は、弾性部材配置工程について説明する平面図及び断面図である。
まず、2層になっている外装シート14の肌側面であって横溶着領域62及び縦溶着領域66よりも横方向(CD方向)の外側の部位に、防漏壁部50のエンド接合部52及びサイド接合部53を形成する接着剤が塗布される。本実施形態では、図8に示されるように、横方向の最も外側に形成されている第1の縦溶着領域67よりもさらに横方向の外側にサイド接合部53が形成されている。すなわち、横方向において少なくとも溶着領域62,63と重複しないようにサイド接合部53が形成される。また、外装シート14の肌側面であって、横方向(CD方向)中央の領域に、次工程(S104)でバックシート13を接合するためのバックシート接合部44を形成する接着剤が本工程で塗布されても良い(図8参照)。なお、各接合部44,52,53が形成される順番は任意であるが、これらは外装シート14の肌側面において互いに干渉しない位置に形成されるため、同時に接着剤を塗工することが可能である。接着剤を同時に塗工することにより、製造ラインの設備スペースをコンパクトにしつつ、製造コストを抑えることができる。
そして、接合部44,52,53を形成した後、外装シート14の肌側面であってサイド接合部53よりも横方向(CD方向)の内側の部位に、複数の脚回り弾性部材61が縦方向(MD方向)に伸長した状態で接合される。なお、脚回り弾性部材61には図8で示される領域L61の範囲に予め接着剤が塗布されており、この領域L61の範囲において外装シート14に対して縦方向(MD方向)の伸縮性が付与される。これにより、少なくとも領域L61の範囲で脚回り延出部60に縦方向に沿った伸縮性が発現し、おむつ1着用時において着用者の脚回りに対する脚回り延出部60のフィット性が向上する。
本実施形態では、横方向の内側から外側に61a〜61dの4本の脚回り弾性部材が設けられる。このうち、脚回り弾性部材61b及び61cは、横方向において横溶着領域64(62)と重複するように配置される。一方、横方向の最も内側に位置する脚回り弾性部材61aは、横方向において吸収体12と横溶着領域62の間の位置に配される。また、横方向の最も外側に位置する脚回り弾性部材61dは、横方向において所定位置f2に配置される。なお、所定位置f2は、おむつ1をパンツ型に形成した際に、脚回り延出部60の横方向の外側端60dとなる位置である。
本実施形態の製造方法では、S102で横溶着領域62を形成した後に、S103で脚回り弾性部材61を配置することにより、脚回り延出部60において横溶着領域62(64)が形成されている領域に脚回り弾性部材61による縦方向の伸縮力を作用させることができる。仮に、脚回り弾性部材61が配置された後で、横溶着領域62を形成しようとすると、該横溶着領域62を形成する際に生じるエンボスローラー等の圧力によって、脚回り弾性部材61が切断されてしまい、脚回り延出部60に伸縮力が発現しなくなるおそれがある。これに対して、本実施形態の製造方法によれば、脚回り弾性部材61の伸縮力を損なうことなく、脚回り弾性部材61と重複した領域に横溶着領域62を形成することが可能となる。脚回り延出部60において脚回り弾性部材61と横溶着領域62とを重複して配置する効果については後で説明する。
(S104)
次いで、外装シート14(外装連続シート14l)の肌側に吸収体12(トップシート11が巻かれた状態の吸収体12)を取付ける吸収体転写工程(S104)が行われる。図9は、吸収体転写工程について説明する平面図及び断面図である。
まず、外装シート14の肌側面に、バックシート13が接合される。バックシート13は、横方向(CD方向)において、脚回り弾性部材61a〜61cと重複するように配置される。すなわち、バックシート13は、少なくとも横方向の一方側に配置されている脚回り弾性部材61cと、横方向の他方側に配置されている脚回り弾性部材61cとの間の領域を厚さ方向の肌側から覆うように配置され、バックシート接合部44及び、脚回り弾性部材61の表面に塗布された接着剤によって外装シート14の肌側面に接合される。
なお、吸収性本体10の構成上、バックシート13を脚回り弾性部材61よりも非肌側に配置することも可能である。しかし、この場合、脚回り弾性部材61の一部が肌側に露出するおそれがあり、おむつ1の着用時に該脚回り弾性部材61の表面に塗布されている接着剤が着用者の身体に付着する等により、着用者に不快感を与えてしまうおそれがある。これに対して、本実施形態のおむつ1では、S104においてバックシート13が脚回り弾性部材61a〜61cの肌側を覆うように配置されることにより、脚回り弾性部材61が肌側に露出することが抑制され、おむつ1の着用時に着用者の身体に接着剤が付着するようなことは生じにくい。
そして、バックシート13の肌側面に塗布される接着剤によって形成される吸収体接合部43を介して、バックシート13の肌側面に吸収体12が接合される(転写される)。
(S105)
次いで、外装シート14(外装連続シート14l)の横方向の両端部を外側から内側に再度折り返すことにより、脚回り延出部60を形成する脚回り延出部形成工程(S105)が行われる。図10は、脚回り延出部形成工程について説明する平面図及び断面図である。図10の断面図は、図3に相当する図である。
延出部形成工程(S105)では、脚回り弾性部材61dが配置されている所定位置f2を折り位置として、外装シート14の両端部が横方向の外側から内側に折り返される。そして、厚さ方向に折り重ねられた外装シート14の対向する面同士が、エンド接合部52及びサイド接合部53によって互いに接合される。これにより、横方向外側に延出する脚回り延出部60が形成される。上述したように、所定位置f2には、横溶着領域62及び縦溶着領域66が形成されていないため、外装シート14の剛性は所定位置f2において高くなり過ぎず、外装シート14をしっかりと折り曲げることが可能である。したがって、脚回り延出部60をきれいな平面状に形成することができる。
そして、外装シート14が所定位置f2にて折り返されることにより、第1の横溶着領域63及び第1の縦溶着領域67と、第2の横溶着領域64及び第2の縦溶着領域68とが厚さ方向に重ねられ、その間に脚回り弾性部材61b及び61cが挟み込まれた状態となる。すなわち、複数の脚回り弾性部材61のうちの少なくとも一部が横溶着領域62と重複した脚回り延出部60が形成される。
従来、おむつ1のように脚回り延出部が横方向に大きく延出しているおむつ(図1参照)では、着用時において脚回り延出部が横方向に収縮したりめくれたりしてフィット性が悪化しやすくなる傾向があった。これに対して、本実施形態の製造方法によって製造されるおむつ1では、横溶着領域62が複数設けられることにより、脚回り延出部60の横方向における剛性が高まり、脚回り延出部60が面形状を保ち易くなる。すなわち、脚回り弾性部材61による収縮力が作用した状態であっても、脚回り延出部60の横方向への収縮やめくれが生じることが抑制され、脚回り延出部60が横方向に幅を持った状態(幅広の状態)が維持され易くなる。また、脚回り延出部60が面形状を維持したまま縦方向に収縮する力が作用することにより、脚回り延出部60の表面には横方向に沿った皺が多数形成され、当該皺の凹凸によって、脚回り延出部60の肌触りを良好なものにすることができる。これにより、おむつ1の着用時において、脚回り延出部60のフィット性を向上させつつ、着用者の脚回りに幅広の面で密着させることによって脚回りからの***物の漏れを抑制することができる。
なお、おむつ1では、図10の断面図に示されるように、外装シート14が所定位置f2にて折り返され、厚さ方向に重ね合わされた状態で、脚回り弾性部材61a〜61cとエンド接合部52及びサイド接合部53との厚さ方向の間には、バックシート13が介在した構成となる。すなわち、吸収性本体10において、脚回り弾性部材61a〜61cとエンド接合部52及びサイド接合部53とは厚さ方向において接触していない。仮に、エンド接合部52及びサイド接合部53と脚回り弾性部材61とが厚さ方向において重複して配置されていたとすると、脚回り弾性部材61のうち表面に接着剤が塗布されている領域L61以外の部分にも脚回り弾性部材61による伸縮力が作用するようになり、吸収性本体10の縦方向両端部、さらには、前胴回り部20及び後胴回り部30を縦方向に収縮させてしまうおそれがある。これに対して本実施形態では、脚回り弾性部材61の肌側にバックシート13が配置されることにより、エンド接合部52及びサイド接合部53と脚回り弾性部材61とが接触することが抑制され、前胴回り部20及び後胴回り部30等に対して脚回り弾性部材61による収縮力が作用してしまうことが抑制される。
また、脚回り延出部60が形成された状態において、4本の脚回り弾性部材61a〜61dのうち横方向の最も内側に位置する脚回り弾性部材61aは、横方向において吸収体12と溶着領域62,66との間の位置に配されている。そのため、脚回り弾性部材61aの収縮により、脚回り延出部60のうち脚回り弾性部材61aよりも横方向外側の部位が、おむつ1の着用時において着用者の肌側に持ち上げられる基点となり、脚回り延出部60の起立高さが確保される。これにより、脚回り延出部60を着用者の脚回りに密着させやすくなる。
一方、4本の脚回り弾性部材61a〜61dのうち横方向の最も外側に位置する脚回り弾性部材61dは、脚回り延出部60の横方向の外側端60dの位置に配されている。そのため、脚回り弾性部材61dの収縮により、脚回り延出部60は横方向の外側端60dの位置までしっかりと着用者に密着できる。特に、おむつ1では横溶着領域62が脚回り延出部60の横方向の外側端60dまで達していないため、該外側端60dの領域では脚回り延出部60が面形状を維持しにくくなるおそれがある。これに対して、脚回り弾性部材61dの収縮力によって着用者の脚に密着させることで、脚回り延出部60のフィット性が悪化することを抑制することができる。
また、延出部形成工程(S105)で脚回り延出部60が形成されると、縦方向において一対のエンド接合部52間の外装シート14が、LSG弾性部材51の収縮によってサイド接合部53を基点として着用者の肌側に起立することによって、防漏壁部50が形成される。サイド接合部53(すなわち防漏壁部50の起立基点)は、横方向において溶着領域62,66と重複しないように形成されているため(S103)、外装シート14のうちサイド接合部53が形成されている領域は剛性が高くなっておらず、外装シート14はサイド接合部53を基点として自然に折れ曲がりやすく、防漏壁部50が起立しやすくなっている。
また、おむつ1では、外装シート14を折り返すことによって防漏壁部50及び脚回り延出部60を一体的に形成することができる。すなわち、おむつ1では、吸収性本体10と防漏壁部50と脚回り延出部60との間に、シート部材の継ぎ目が形成されていない。したがって、着用者の脚回り付近においてシートの継ぎ目から***物が漏出することを抑制することができる。
<変形例>
図11Aから図11Cは横溶着領域62の変形例を説明する図である。図11Aから図11Cの左側の図は、溶着領域形成工程(S102)において第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64を外装シート14に形成した状態の図であり、右側の図は、脚回り延出部形成工程(S105)後の脚回り延出部60における第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64の位置関係を示した図である。
上記の実施形態では、図6に示すように外装シート14の折り位置f2に対して第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64が対称に形成されている、つまり傾斜の方向が対称で、縦方向の位置が一致している。そのため、第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64とが厚さ方向に重なるように配されている。ただし、これに限らず、厚さ方向における平面視において、第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64の一部又は全部が重複していなくてもよい。つまり、第1の横溶着領域63の平面上の位置(横方向及び縦方向の位置)と第2の横溶着領域64の平面上の位置とがずれていてもよい。
例えば、図11Aの左側に示すように、第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64を、折り位置f2に対して傾斜方向を対称にし、縦方向の位置をずらして形成してもよい。この場合、図11Aの右側に示すように、脚回り延出部60の平面視において、同じ方向に傾斜した第1の横溶着領域63及び第2の横溶着領域64が縦方向に交互に並んで配される。
また、例えば、図11Bの左側に示すように、第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64を、折り位置f2に対して傾斜方向を同じにし、縦方向の位置をずらして形成してもよい。この場合、図11Bの右側に示すように、脚回り延出部60の平面視において、逆方向に傾斜した第1の横溶着領域63及び第2の横溶着領域64が縦方向に交互に並んで配される。
また、例えば、図11Cの左側に示すように、第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64を、折り位置f2に対して傾斜方向を同じにし、縦方向の位置を同じにして形成してもよい。この場合、図11Cの右側に示すように、脚回り延出部60の平面視において、逆方向に傾斜した第1の横溶着領域63及び第2の横溶着領域64が交差して配される。
図11A及び図11Bに示すように、第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64とが完全にずれていてもよいし、図11Cに示すように、第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64の一部が重複し、残りの一部がずれていてもよい。このように厚さ方向における平面視において、第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64とがずれていることで、脚回り延出部60のより広い平面範囲に横溶着領域62が存在することになり、脚回り延出部60の横方向に対する剛性が高まる。したがって、脚回り延出部60の幅広の状態が維持され易くなり、脚回りからの漏れが抑制される。
なお、図11A及び図11Bに示すように、第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64とが完全にずれている場合、溶着時に、例えばエンボスローラーの回転に伴って順次圧力がかけられながら横溶着領域62が形成されるため、溶着が安定する。また、図示しないが、複数の第1の横溶着領域63のうちの一部が第2の横溶着領域64と重複し、残りの第1の横溶着領域63が第2の横溶着領域64と重複していない形態でもよい。また、第1の横溶着領域63と第2の横溶着領域64の平面形状や大きさが異なっていてもよいし、第1の横溶着領域63同士や第2の横溶着領域64同士の平面形状や大きさが異なっていてもよい。また、第1の横溶着領域63の数と第2の横溶着領域64の数が異なっていてもよい。例えば、非肌側である第2の横溶着領域64の数を、肌側である第1の横溶着領域63の数よりも多くすることで、脚回り延出部60の横方向の剛性を高めつつ、肌当たりを良くできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
上述の実施形態では、縦方向において吸収性本体10の一端側から他端側に亘って横溶着領域62及び縦溶着領域66が形成されていたが、この限りではない。例えば、吸収性本体10の縦方向の両端部においては横溶着領域62及び縦溶着領域66が形成されていなくても良い。この領域(縦方向両端部)は、前胴回り部20及び後胴回り部30と縦方向においてそれぞれ重複する領域であり、おむつ1着用時において、脚回り開口部LHとして着用者の脚と接触することなく、着用者の腹部及び背部と接触する。したがって、当該領域では必ずしも脚回り延出部60の剛性を確保する必要が無い。逆に、当該領域に横溶着領域62及び縦溶着領域66が形成されないようにすれば、おむつ1着用時において、着用者の腹部及び背部の肌触りを柔らかなものとすることができる。
1 おむつ(吸収性物品)、
10 吸収性本体、
11 トップシート、12 吸収体、121 吸収性コア、122 コアラップシート、
13 バックシート、
14 外装シート、14e 端、14l 外装連続シート、
20 前胴回り部、
21 シート、21 シート、22 胴回り弾性部材、
30 後胴回り部、
31 シート、31 シート、32 胴回り弾性部材、
43 吸収体接合部、44 バックシート接合部、
50 防漏壁部、
51 弾性部材(LSG弾性部材)、52 エンド接合部、53 サイド接合部、
55 LSG接着部、
60 脚回り延出部、外側端60d、
61 弾性部材(脚回り弾性部材)、61a〜61d 脚回り弾性部材、
62 横溶着領域(溶着領域)、63 第1の横溶着領域、64 第2の横溶着領域、
66 縦溶着領域、67 第1の縦溶着領域、68 第2の縦溶着領域、
69 溶着部、
LH 脚回り開口部、BH 胴回り開口部、
f1 所定位置、f2 所定位置

Claims (10)

  1. 縦方向と横方向と厚さ方向とを有し、
    長手方向が前記縦方向に沿った吸収体と、前記吸収体の非肌側に重ねられた外装シートと、を備えるパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
    前記横方向において、展開した状態の前記外装シートの両端部を外側から内側に折り返し、前記外装シートが前記厚さ方向に折り重ねられた部分を溶着して前記横方向に所定の長さを有する溶着領域を形成する溶着領域形成工程と、
    前記外装シートの所定の領域に前記縦方向に伸縮する弾性部材を配置する弾性部材配置工程と、
    前記横方向において前記外装シートの両端部を外側から内側に再度折り返すことにより、前記吸収体の前記横方向の両側に延出しつつ、前記横方向において前記弾性部材の少なくとも一部が前記溶着領域と重複した脚回り延出部を形成する脚回り延出部形成工程と、
    を有することを特徴とする、パンツ型吸収性物品の製造方法。
  2. 請求項1に記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
    前記弾性部材配置工程において、前記弾性部材は、前記横方向において前記溶着領域の少なくとも一部と重複するように配置される、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
    前記溶着領域は、第1の溶着領域と第2の溶着領域とを有し、
    前記横方向において、前記第1の溶着領域と前記第2の溶着領域とは非連続である、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品の製造方法。
  4. 請求項3に記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
    前記脚回り延出部形成工程において、前記外装シートは、前記横方向における前記第1の溶着領域と前記第2の溶着領域との間の所定位置において折り返される、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
    前記溶着領域は、前記横方向に対して所定の角度だけ傾斜して形成される、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
    前記溶着領域は、複数のドットが前記横方向に並ぶことによって形成される、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
    前記吸収体の前記横方向の両側部において、着用者の肌側に起立する一対の防漏壁部が形成され、
    前記溶着領域は、前記横方向において、前記防漏壁部が起立する基点の位置と重複しない位置に形成される、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
    前記脚回り延出部には、前記弾性部材が前記横方向に並んで複数設けられ、
    複数の前記弾性部材のうち、前記横方向の最も内側に設けられる前記弾性部材は、前記横方向において前記吸収体と前記溶着領域との間に配置される、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
    前記脚回り延出部には、前記弾性部材が前記横方向に並んで複数設けられ、
    複数の前記弾性部材のうち、前記横方向の最も外側に設けられる前記弾性部材は、前記横方向において前記脚回り延出部の外側端に配置される、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のパンツ型吸収性物品の製造方法であって、
    前記横方向において前記溶着領域と重複して配置される前記弾性部材の肌側に、液不透過性のバックシートが設けられる、ことを特徴とするパンツ型吸収性物品の製造方法。
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