JP6715719B2 - 端子金具の接続構造 - Google Patents
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Description
(1) 取付孔を有する板状の接続部の外周縁に延出された電線接続部と、前記接続部の外周縁に突設された突起部と、前記突起部に対して周方向に隣り合うように前記接続部の外周縁に突設された突起係合部と、をそれぞれ備えた複数の端子金具が、積層された前記接続部における前記取付孔にボルトが挿通されて一括してボルト締結されることにより互いに接続される端子金具の接続構造であって、
前記突起部が、前記接続部と面一をなして前記取付孔の径方向外側に張り出す張出部と、前記張出部の前記径方向外側の外縁で直角に折り曲げられて積層方向に立上る立ち上がり部と、を有する折り曲げ圧入片により形成され、
前記突起係合部が、前記接続部と面一をなして前記取付孔の径方向外側に延出されて係止穴が穿設された係止片により形成され、
前記立ち上がり部が、積層された他の前記端子金具における前記係止穴に、前記立ち上がり部の前記取付孔の周方向における両側面と前記係止穴の内面とが圧入接触部となるように圧入されていることを特徴とする端子金具の接続構造。
(2) 前記係止穴に圧入された前記立ち上がり部の先端部が、圧入方向に対して折り曲げられていることを特徴とする上記(1)に記載の端子金具の接続構造。
(3) 先端面が前記係止片の表面に押圧接触するように前記立ち上がり部の先端部が折り曲げられていることを特徴とする上記(2)に記載の端子金具の接続構造。
(4) 少なくとも前記先端面が押圧接触する部分の前記係止片の表面には、メッキ層が施されていないことを特徴とする上記(3)に記載の端子金具の接続構造。
更に、複数の端子金具は、接続部の外周縁に突設された突起部が突起係合部の係止穴に圧入固定されているので、積層された複数の端子金具の電気的な接続信頼性を確保することができる。
また、端子金具の突起部が、他の端子金具における突起係合部の係止穴に圧入される際、突起部と係止穴の接触部分では摩擦と圧力で酸化被膜が破壊されて除去され、露出した新生面を凝着させることで安定した接触が可能となる。そこで、突起部と突起係合部との電気的な接続信頼性が向上する。
また、複数の端子金具を積み重ねるときは、端子金具の突起部を他の端子金具における突起係合部の係止穴に圧入するだけで、隣接する端子金具の接続部を所定の角度(周方向に隣り合う突起部と突起係合部の開き角度)だけ周方向にずらして扇状に展開されるため、電線接続部が重ならないように結合することができる。
上記(2)の構成の端子金具の接続構造では、突起係合部の係止穴に圧入される突起部が、接続部と面一をなして取付孔の径方向外側に張り出す張出部と、張出部の外縁で直角に折り曲げられて積層方向に立上る立ち上がり部と、を有する折り曲げ圧入片により形成されている。また、突起部が圧入される突起係合部が、接続部と面一をなして取付孔の径方向外側に延出されて前記係止穴が穿設された係止片により形成されている。
そこで、金属平板から端子金具をプレス加工により打ち抜く際、接続部の外周縁に突出した矩形状の突片と、接続部の外周縁に突出して係止穴を有する突片とが一緒に打ち抜かれる(この時、係止穴の幅は、対応する矩形状の突片の幅よりも若干大きくされる)。その後、矩形状の突片の先端側を積層方向に直角に折り曲げるだけで、張出部と立ち上がり部とを備えた折り曲げ圧入片を容易に形成することができ、加工コストの上昇を抑えることができる。
また、例えば端子の腐食防止などの理由で、表面にメッキ処理が施された金属平板からプレス加工により打ち抜き形成された折り曲げ圧入片の側面(剪断面)や係止片における係止穴の内面(剪断面)には、金属平板の母材が露出している。そこで、立ち上がり部が係止穴に圧入される際に接触部分となる立ち上がり部の側面と係止穴の内面にはメッキ層がなく、母材同士が直接接触されるので、安定した圧入及び電気的導通が可能となる。
上記(3)の構成の端子金具の接続構造では、係止穴に圧入された立ち上がり部の先端部が圧入方向に対して折り曲げられることで、立ち上がり部は係止穴に対して抜け止めされた状態となり、折り曲げ圧入片と係止片との保持力が向上する。
上記(4)の構成の端子金具の接続構造では、立ち上がり部の先端部が折り曲げられて先端面が係止片の表面に押圧接触している。そこで、折り曲げ圧入片と係止片との電気的導通箇所は、立ち上がり部の側面と係止穴の内面との圧入接触部と、立ち上がり部の先端面と係止片の表面との押圧接触部との2箇所となり、更に良好な電気的導通が可能となる。
上記(5)の構成の端子金具の接続構造では、立ち上がり部の先端部における先端面が押圧接触する部分の係止片の表面にメッキ処理が施されていない。そこで、折り曲げられた立ち上がり部の先端部が係止片の表面に押圧接触される際には、押圧接触される係止片の表面及び先端部の先端面にメッキ層がなく母材同士が直接接触されるので、更に安定した電気的導通が可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る端子金具の接続構造を説明するための分解斜視図である。図2は、図1に示した複数の端子金具が積層されて突起部が他の端子金具における突起係合部の係止孔に圧入された状態を示す斜視図及び断面図である。図3の(a)は、突起係合部の係止穴に圧入された立ち上がり部の先端部が折り曲げられた状態を示す斜視図、図3の(b)は、一対の端子金具がボルト締結された状態を示す斜視図である。
まず、2つの端子金具10は、図2の(a)〜(c)に示すように、一方(図中、下方)の端子金具10の接続部11の表面(図中、上面)に他方(図中、上方)の端子金具10の接続部11を重ね合わせ、双方の取付孔12同士を同心状に合致(対応)させると共に、一方の端子金具10の折り曲げ圧入片20における立ち上がり部23を他方の端子金具10の係止片27における係止穴25に圧入する。即ち、立ち上がり部23の側面23aと、係止穴25の内面とが圧入接触部となって、立ち上がり部23が係止穴25に圧入固定される。
そこで、金属平板から端子金具10をプレス加工により打ち抜く際、接続部11の外周縁11Aに突出した矩形状の突片と、接続部11の外周縁11Aに突出して係止穴25を有する係止片27とが一緒に打ち抜かれる。その後、矩形状の突片の先端側を積層方向に直角に折り曲げるだけで、張出部21と立ち上がり部23とを備えた折り曲げ圧入片20を容易に形成することができ、加工コストの上昇を抑えることができる。
なお、本実施形態に係る折り曲げ圧入片20の立ち上がり部23は、先端部24がU字状に折り曲げられて先端面24aが係止片27の表面に押圧接触しているが、本発明の立ち上がり部23は先端部24を圧入方向に対して若干折り曲げるだけで、係止穴25に対して抜け止めされた構成のみとしてもよい。
この場合、折り曲げられた立ち上がり部23の先端部24が係止片27の表面に押圧接触される際には、押圧接触される係止片27の表面及び先端部24の先端面24aにメッキ層がなく母材同士が直接接触されるので、更に安定した電気的導通が可能となる。
そして、対応する係止片27の係止穴25に圧入された各立ち上がり部23が、先端部24の先端面24aを係止片27の表面に押圧接触させるように、圧入方向に対して端子内側へU字状に折り曲げられる。
次に、4つの接続部11の取付孔12にボルト40を挿通し、さらに車体パネル60の貫通孔61に挿通する。そして、ボルト40にナット50が螺合されることにより、4つの端子金具10が一括してボルト締結される。これにより、4つの端子金具10の接続部11がボルト40とナット50によって積層方向(板厚方向)から挟持され、導通可能に接続される。
従って、4つの端子金具10は、それぞれの接続部11の外周縁11Aに突設された折り曲げ圧入片20が係止片27の係止穴25にそれぞれ圧入固定されているので、積層された4つの端子金具10の電気的な接続信頼性を確保することができる。
[1] 取付孔(12)を有する板状の接続部(11)の外周縁(11A)に延出された電線接続部(13)と、前記接続部の外周縁に突設された突起部(折り曲げ圧入片20)と、前記突起部に対して周方向に隣り合うように前記接続部の外周縁に突設された突起係合部(係止片27)と、をそれぞれ備えた複数の端子金具(10)が、積層された前記接続部における前記取付孔にボルト(40)が挿通されて一括してボルト締結されることにより互いに接続される端子金具の接続構造であって、
前記突起部が、積層された他の前記端子金具における前記突起係合部の係止穴(25)に圧入されていることを特徴とする端子金具の接続構造。
[2] 前記突起部が、前記接続部と面一をなして前記取付孔の径方向外側に張り出す張出部(21)と、前記張出部の外縁で直角に折り曲げられて積層方向に立上る立ち上がり部(23)と、を有する折り曲げ圧入片(20)により形成され、
前記突起係合部が、前記接続部と面一をなして前記取付孔の径方向外側に延出されて前記係止穴が穿設された係止片(27)により形成されていることを特徴とする上記[1]に記載の端子金具の接続構造。
[3] 前記係止穴に圧入された前記立ち上がり部の先端部(23)が、圧入方向に対して折り曲げられていることを特徴とする上記[2]に記載の端子金具の接続構造。
[4] 先端面(24a)が前記係止片の表面に押圧接触するように前記立ち上がり部の先端部が折り曲げられていることを特徴とする上記[3]に記載の端子金具の接続構造。
[5] 少なくとも前記先端面が押圧接触する部分の前記係止片の表面には、メッキ層が施されていないことを特徴とする上記[4]に記載の端子金具の接続構造。
11 接続部
12 取付孔
13 電線接続部
20 折り曲げ圧入片(突起部)
25 係止穴
27 係止片(突起係合部)
30 接地用電線(電線)
40 ボルト
Claims (4)
- 取付孔を有する板状の接続部の外周縁に延出された電線接続部と、前記接続部の外周縁に突設された突起部と、前記突起部に対して周方向に隣り合うように前記接続部の外周縁に突設された突起係合部と、をそれぞれ備えた複数の端子金具が、積層された前記接続部における前記取付孔にボルトが挿通されて一括してボルト締結されることにより互いに接続される端子金具の接続構造であって、
前記突起部が、前記接続部と面一をなして前記取付孔の径方向外側に張り出す張出部と、前記張出部の前記径方向外側の外縁で直角に折り曲げられて積層方向に立上る立ち上がり部と、を有する折り曲げ圧入片により形成され、
前記突起係合部が、前記接続部と面一をなして前記取付孔の径方向外側に延出されて係止穴が穿設された係止片により形成され、
前記立ち上がり部が、積層された他の前記端子金具における前記係止穴に、前記立ち上がり部の前記取付孔の周方向における両側面と前記係止穴の内面とが圧入接触部となるように圧入されていることを特徴とする端子金具の接続構造。 - 前記係止穴に圧入された前記立ち上がり部の先端部が、圧入方向に対して折り曲げられていることを特徴とする請求項1に記載の端子金具の接続構造。
- 先端面が前記係止片の表面に押圧接触するように前記立ち上がり部の先端部が折り曲げられていることを特徴とする請求項2に記載の端子金具の接続構造。
- 少なくとも前記先端面が押圧接触する部分の前記係止片の表面には、メッキ層が施されていないことを特徴とする請求項3に記載の端子金具の接続構造。
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