本開示の一態様に係る符号化方法は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出し、抽出された前記1以上の特徴量と第1機械学習モデルとを用いて、前記1以上の再構成画素群の分類を行い、予め定義された複数のパラメータセットのうちの、前記分類の結果に対応するパラメータセットを用いて、対象ピクチャに含まれる画像サンプルの対象ブロックの符号化処理を行う。
これによれば、1以上の特徴量と第1機械学習モデルを用いた1以上の再構成画素群の分類の結果に対応するパラメータセットを用いて対象ブロックの符号化処理を行うことができる。したがって、パラメータセットそのものを指し示す情報がビットストリームに含まれなくても、1以上の特徴量と第1機械学習モデルとを用いてパラメータセットを得ることができ、パラメータセットのための符号量を削減することができる。さらに、複数の特徴量が用いられる場合は、単一の特徴量(例えば輝度値など)が用いられる場合よりも、対象ブロックの符号化処理により適したパラメータセットを用いて符号化処理を行うことができ、符号化効率を向上させることができる。
例えば、さらに、制御パラメータをビットストリームのヘッダに書き込み、書き込まれた前記制御パラメータが予め定義された値であれば、抽出された前記1以上の特徴量と前記第1機械学習モデルとを用いて、前記1以上の再構成画素群の前記分類を実行し、前記分類の結果に対応する前記パラメータセットを用いて、前記対象ブロックの符号化処理を行い、書き込まれた前記制御パラメータが予め定義された値でなければ、予め定められたパラメータセットを用いて、前記対象ブロックの符号化処理を行ってもよい。
これによれば、制御パラメータが予め定義された値であれば、第1機械学習モデルを用いた分類の結果に対応するパラメータセットが符号化処理に用いられ、制御パラメータが予め定義された値でなければ、予め定められたパラメータセットが符号化処理に用いられる。したがって、第1機械学習モデルを用いるか否かを制御パラメータによって切り替えることができ、より適切なパラメータセットを用いて符号化処理を行うことができる。
例えば、さらに、制御パラメータをビットストリームのヘッダに書き込み、書き込まれた前記制御パラメータが予め定義された値であれば、抽出された前記1以上の特徴量と前記第1機械学習モデルとを用いて、前記1以上の再構成画素群の分類を行い、書き込まれた前記制御パラメータが予め定義された値でなければ、抽出された前記1以上の特徴量と前記第1機械学習モデルとは異なる第2機械学習モデルとを用いて、前記1以上の再構成画素群の分類を行ってもよい。
これによれば、制御パラメータが予め定義された値であるか否かに応じて、第1機械学習モデルおよび第2機械学習モデルのいずれか一方を用いて分類を行うことができる。したがって、分類に用いる機械学習モデルの自由度を高めることができ、より適切な分類の結果(つまり、パラメータセット)を得ることができる。
例えば、さらに、第1制御パラメータをビットストリームのヘッダに書き込み、書き込まれた前記第1制御パラメータが予め定義された値でなければ、抽出された前記1以上の特徴量と前記第1機械学習モデルとを用いて、前記1以上の再構成画素群の分類を行い、書き込まれた前記第1制御パラメータが予め定義された値であれば、前記第1機械学習モデルを修正するための第2制御パラメータを前記ビットストリームのヘッダに書き込み、前記第2制御パラメータを用いて前記第1機械学習モデルを修正し、抽出された前記特徴量と修正された前記第1機械学習モデルとを用いて、前記1以上の再構成画素群の分類を行ってもよい。
これによれば、第2制御パラメータを用いて第1機械学習モデルを修正することができる。したがって、より適切な機械学習モデルを用いて分類を行うことができ、より適切な分類の結果(つまり、パラメータセット)を得ることができる。
例えば、さらに、第1制御パラメータをビットストリームのヘッダに書き込み、書き込まれた前記第1制御パラメータが予め定義された値であれば、さらに、第2制御パラメータを前記ビットストリームのヘッダに書き込み、書き込まれた前記第2制御パラメータが示すパラメータセットを用いて、前記対象ブロックの符号化処理を行い、書き込まれた前記第1制御パラメータが予め定義された値でなければ、前記分類の結果に対応するパラメータセットを用いて、前記対象ブロックの符号化処理を行ってもよい。
これによれば、第1制御パラメータが予め定義された値であれば、第2制御パラメータが示すパラメータセットを用いて、対象ブロックの符号化処理を行うことができる。したがって、機械学習モデルを用いた分類による符号量の削減と、第2制御パラメータによる処理負荷の低減とのいずれかを選択することができ、処理負荷と符号化効率とのバランスを図ることができる。
例えば、さらに、制御パラメータをビットストリームのヘッダに書き込み、書き込まれた前記制御パラメータが予め定義された値であれば、予め定義された第1方法を用いて、前記1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出し、書き込まれた前記制御パラメータが予め定義された値でなければ、前記第1方法とは異なる予め定義された第2方法を用いて、前記1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出してもよい。
これによれば、制御パラメータが予め定義された値であるか否かに応じて、特徴量の抽出方法を第1の方法と第2の方法との間で切り替えることができる。したがって、より対象ブロックに適した方法で1以上の特徴量を抽出することが可能となる。
例えば、さらに、制御パラメータをビットストリームのヘッダに書き込み、前記制御パラメータが示す抽出方法を用いて、前記1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出してもよい。
これによれば、制御パラメータが示す抽出方法を用いて、1以上の特徴量を抽出することができる。したがって、より自由に抽出方法を選択することができ、より対象ブロックに適した方法で1以上の特徴量を抽出することが可能となる。
例えば、さらに、制御パラメータをビットストリームのヘッダに書き込み、書き込まれた前記制御パラメータが予め定義された値であれば、前記1以上の再構成画素群から前記1以上の特徴量を抽出し、抽出された前記1以上の特徴量と前記第1機械学習モデルとを用いて前記1以上の再構成画素群の分類を行い、前記分類の結果に対応する前記パラメータセットを用いて、前記対象ブロックの符号化処理を行い、書き込まれた前記パラメータが予め定義された値でなければ、空間的または時間的に隣接するブロックからパラメータセットを導出し、導出された前記パラメータセットを用いて、前記対象ブロックの符号化処理を行ってもよい。
これによれば、隣接ブロックから導出されたパラメータセットと、機械学習モデルを用いた分類により得られたパラメータセットとを選択的に用いることができる。したがって、隣接ブロックから導出されたパラメータセットが対象ブロックの符号化処理に適していれば、隣接ブロックから導出されたパラメータセットを用いることにより処理負荷を低減することができる。
例えば、前記1以上の再構成画素群の少なくとも一部分は、前記対象ピクチャとは異なる参照ピクチャ内の参照ブロックに含まれ、前記パラメータセットは、インター予測における画像ピクセルの補間処理で用いられるフィルタ係数セットを含み、前記符号化処理は、前記補間処理を含んでもよい。
これによれば、インター予測おける画像ピクセルの補間処理に用いられるフィルタ係数セットを、機械学習モデルを用いて得ることができる。
例えば、前記1以上の再構成画素群は、前記対象ブロックに含まれ、前記パラメータセットは、前記対象ブロックのフィルタ処理で用いられるフィルタ係数セットを含み、前記符号化処理は、前記フィルタ処理を含んでもよい。
これによれば、対象ブロックのフィルタ処理で用いられるフィルタ係数セットを、機械学習モデルを用いて得ることができる。
例えば、前記1以上の再構成画素群は、前記対象ブロックと空間的に隣接する位置にある再構成画素を含み、前記パラメータセットは、イントラ予測処理で用いられるイントラ予測方式を示し、前記符号化処理は、前記イントラ予測処理を含んでもよい。
これによれば、イントラ予測処理で用いられるイントラ予測方式を、機械学習モデルを用いて得ることができる。
例えば、前記1以上の再構成画素群の少なくとも一部分は、前記対象ピクチャとは異なる複数の参照ピクチャ内の複数の参照ブロックに含まれ、前記パラメータセットは、複数のインター予測ブロックの平均化処理で用いられる重み係数セットを含み、前記符号化処理は、前記平均化処理を含んでもよい。
これによれば、複数のインター予測ブロックの平均化処理で用いられる重み係数セットを、機械学習モデルを用いて得ることができる。
例えば、前記第1の機械学習モデルは、2次元の入力空間である再構成画素群を多次元の特徴空間に写像し、前記特徴空間を複数に分割した分割空間と、前記1以上の特徴量との対応付けを行い、前記分類では、前記1以上の再構成画素群に対応する前記部分空間を特定してもよい。
これによれば、1以上の特徴量と第1の機械学習モデルとを用いた1以上の再構成画素群の分類を適切に行うことができる。
本開示の一態様に係る復号方法は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出し、抽出された前記1以上の特徴量と第1機械学習モデルとを用いて、前記1以上の再構成画素群の分類を行い、予め定義された複数のパラメータセットのうちの、前記分類の結果に対応するパラメータセットを用いて、対象ピクチャに含まれる画像サンプルの対象ブロックの復号処理を行う。
これによれば、1以上の特徴量と第1機械学習モデルを用いた1以上の再構成画素群の分類の結果に対応するパラメータセットを用いて対象ブロックの復号処理を行うことができる。したがって、パラメータセットそのものを指し示す情報がビットストリームに含まれなくても、1以上の特徴量と第1機械学習モデルを用いてパラメータセットを得ることができ、パラメータセットのための符号量を削減することができる。さらに、複数の特徴量が用いられる場合は、単一の特徴量(例えば輝度値など)が用いられる場合よりも、対象ブロックの復号処理により適したパラメータセットを得ることができ、符号化効率を向上させることができる。
例えば、さらに、ビットストリームのヘッダから制御パラメータを読み解き、読み解かれた前記制御パラメータが予め定義された値であれば、抽出された前記1以上の特徴量と前記第1機械学習モデルとを用いて、前記1以上の再構成画素群の前記分類を実行し、前記分類の結果に対応する前記パラメータセットを用いて、前記対象ブロックの復号処理を行い、書き込まれた前記制御パラメータが予め定義された値でなければ、予め定められたパラメータセットを用いて、前記対象ブロックの復号処理を行ってもよい。
これによれば、制御パラメータが予め定義された値であれば、第1機械学習モデルを用いた分類の結果に対応するパラメータセットが復号処理に用いられ、制御パラメータが予め定義された値でなければ、予め定められたパラメータセットが復号処理に用いられる。したがって、第1機械学習モデルを用いるか否かを制御パラメータによって切り替えることができ、より適切なパラメータセットを用いて復号処理を行うことができる。
例えば、さらに、ビットストリームのヘッダから制御パラメータを読み解き、読み解かれた前記制御パラメータが予め定義された値であれば、抽出された前記1以上の特徴量と前記第1機械学習モデルとを用いて、前記1以上の再構成画素群の分類を行い、読み解かれた前記制御パラメータが予め定義された値でなければ、抽出された前記1以上の特徴量と前記第1機械学習モデルとは異なる第2機械学習モデルとを用いて、前記1以上の再構成画素群の分類を行ってもよい。
これによれば、制御パラメータが予め定義された値であるか否かに応じて、第1機械学習モデルおよび第2機械学習モデルのいずれか一方を用いて分類を行うことができる。したがって、分類に用いる機械学習モデルの自由度を高めることができ、より適切な分類の結果(つまり、パラメータセット)を得ることができる。
例えば、さらに、ビットストリームのヘッダから第1制御パラメータを読み解き、読み解かれた前記第1制御パラメータが予め定義された値でなければ、抽出された前記1以上の特徴量と前記第1機械学習モデルとを用いて、前記1以上の再構成画素群の分類を行い、読み解かれた前記第1制御パラメータが予め定義された値であれば、前記第1機械学習モデルを修正するための第2制御パラメータを前記ビットストリームのヘッダから読み解き、前記第2制御パラメータを用いて前記第1機械学習モデルを修正し、抽出された前記特徴量と修正された前記第1機械学習モデルとを用いて、前記1以上の再構成画素群の分類を行ってもよい。
これによれば、第2制御パラメータを用いて第1機械学習モデルを修正することができる。したがって、より適切な機械学習モデルを用いて分類を行うことができ、より適切な分類の結果(つまり、パラメータセット)を得ることができる。
例えば、さらに、ビットストリームのヘッダから第1制御パラメータを読み解き、読み解かれた前記第1制御パラメータが予め定義された値であれば、さらに、前記ビットストリームのヘッダから第2制御パラメータを読み解き、読み解かれた前記第2制御パラメータが示すパラメータセットを用いて、前記対象ブロックの符号化処理を行い、読み解かれた前記第1制御パラメータが予め定義された値でなければ、前記分類の結果に対応するパラメータセットを用いて、前記対象ブロックの符号化処理を行ってもよい。
これによれば、第1制御パラメータが予め定義された値であれば、第2制御パラメータが示すパラメータセットを用いて、対象ブロックの符号化処理を行うことができる。したがって、機械学習モデルを用いた分類による符号量の削減と、第2制御パラメータによる処理負荷の低減とのいずれかを選択することができ、処理負荷と符号化効率とのバランスを図ることができる。
例えば、さらに、ビットストリームのヘッダから制御パラメータを読み解き、読み解かれた前記パラメータが予め定義された値であれば、予め定義された第1方法を用いて、前記1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出し、読み解かれた前記パラメータが予め定義された値でなければ、前記第1方法とは異なる予め定義された第2方法を用いて、前記1以上の再構成画素群から複数の特徴量を抽出してもよい。
これによれば、制御パラメータが予め定義された値であるか否かに応じて、特徴量の抽出方法を第1の方法と第2の方法との間で切り替えることができる。したがって、より対象ブロックに適した方法で1以上の特徴量を抽出することが可能となる。
例えば、さらに、ビットストリームのヘッダから制御パラメータを読み解き、前記制御パラメータが示す抽出方法を用いて、前記1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出してもよい。
これによれば、制御パラメータが示す抽出方法を用いて、1以上の特徴量を抽出することができる。したがって、より自由に抽出方法を選択することができ、より対象ブロックに適した方法で1以上の特徴量を抽出することが可能となる。
例えば、さらに、ビットストリームのヘッダから制御パラメータを読み解き、読み解かれた前記制御パラメータが予め定義された値であれば、前記1以上の再構成画素群から前記1以上の特徴量を抽出し、抽出された前記1以上の特徴量と前記第1機械学習モデルとを用いて前記1以上の再構成画素群の分類を行い、前記分類の結果に対応する前記パラメータセットを用いて、前記対象ブロックの符号化処理を行い、読み解かれた前記パラメータが予め定義された値でなければ、空間的または時間的に隣接するブロックからパラメータセットを導出し、導出された前記パラメータセットを用いて、前記対象ブロックの符号化処理を行ってもよい。
これによれば、隣接ブロックから導出されたパラメータセットと、機械学習モデルを用いた分類により得られたパラメータセットとを選択的に用いることができる。したがって、隣接ブロックから導出されたパラメータセットが対象ブロックの復号処理に適していれば、隣接ブロックから導出されたパラメータセットを用いることにより処理負荷を低減することができる。
例えば、前記1以上の再構成画素群の少なくとも一部分は、前記対象ピクチャとは異なる参照ピクチャ内の参照ブロックに含まれ、前記パラメータセットは、インター予測における画像ピクセルの補間処理で用いられるフィルタ係数セットを含み、前記復号処理は、前記補間処理を含んでもよい。
これによれば、インター予測おける画像ピクセルの補間処理に用いられるフィルタ係数セットを、機械学習モデルを用いて得ることができる。
例えば、前記1以上の再構成画素群は、前記対象ブロックに含まれ、前記パラメータセットは、前記対象ブロックのフィルタ処理で用いられるフィルタ係数セットを含み、前記復号処理は、前記フィルタ処理を含んでもよい。
これによれば、対象ブロックのフィルタ処理で用いられるフィルタ係数セットを、機械学習モデルを用いて得ることができる。
例えば、前記1以上の再構成画素群は、前記対象ブロックと空間的に隣接する位置にある再構成画素を含み、前記パラメータセットは、イントラ予測処理で用いられるイントラ予測方式を示し、前記復号処理は、前記イントラ予測処理を含んでもよい。
これによれば、イントラ予測処理で用いられるイントラ予測方式を、機械学習モデルを用いて得ることができる。
例えば、前記1以上の再構成画素群の少なくとも一部分は、前記対象ピクチャとは異なる複数の参照ピクチャ内の複数の参照ブロックに含まれ、前記パラメータセットは、複数のインター予測ブロックの平均化処理で用いられる重み係数セットを含み、前記復号処理は、前記平均化処理を含んでもよい。
これによれば、複数のインター予測ブロックの平均化処理で用いられる重み係数セットを、機械学習モデルを用いて得ることができる。
例えば、前記第1の機械学習モデルは、2次元の入力空間である再構成画素群を多次元の特徴空間に写像し、前記特徴空間を複数に分割した分割空間と、前記1以上の特徴量との対応付けを行い、前記分類では、前記1以上の再構成画素群に対応する前記部分空間を特定してもよい。
これによれば、1以上の特徴量と第1の機械学習モデルとを用いた1以上の再構成画素群の分類を適切に行うことができる。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、本開示の利益をさらに高めるために、説明する実施の形態を組み合わせてもよいことは当業者にとって明らかであろう。
(実施の形態1)
[動画像符号化装置の構成]
図1は、実施の形態1に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
動画像符号化装置1100は、入力動画像/画像をブロック単位で符号化して、符号化された出力ビットストリームを生成する。図1に示すように、動画像符号化装置1100は、符号化部1101と、抽出部1102と、分類部1103と、選択部1104とを備える。ここで、動画像符号化装置1100の各構成要素について説明する。
入力動画像およびパラメータセット1123が符号化部1101に入力され、符号化値1120が抽出部1102に出力される。符号化値1120は、例えば、再構成画素群である。
抽出部1102は、符号化値1120から1以上の特徴量1121を抽出し、その特徴量1121を分類部1103に伝送する。つまり、抽出部1102は、例えば1以上の再構成画素群から特徴量1121を抽出する。
特徴量1121は、再構成画素群によって表される画像の互いに異なる特徴を定量的に示す値である。特徴量1121は、例えば輝度情報、勾配情報、分散情報を含む。また例えば、特徴量1121は、ガボールフィルタ、LBP(local binary patterns)、SIFT(scale-invariant feature transform)、HOG(histogram of oriented gradients)、FV(fisher vector)を含んでもよい。また、特徴量1121は、再構成画素群における輝度あるいは色差の値であってもよい。
分類部1103は、抽出された特徴量1121と機械学習モデルとを用いて、符号化値1120を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、符号化値1120の分類結果により示されるインデックスが選択され、選択されたインデックス1122が選択部1104に伝送される。この機械学習モデルによる特徴量分類の特色の1つは、2次元の入力空間(再構成画素群)を多次元の特徴空間に写像し、写像後の空間において特徴量を分類することである。例えば、特徴量をN種類に分類する場合、特徴空間はN個の部分空間に分割され、特徴量の種類と部分空間とが1対1に対応付けられる。このとき、抽出された特徴量に対応する部分空間が特定され、その結果、1以上の再構成画素群に対応する部分空間が特定される。
機械学習モデルは、1以上の特徴量から対象ブロックの符号化/復号に適したパラメータセットを予測するためのアルゴリズムである。具体的には、機械学習モデルは、例えば、サポートベクターマシン(SVM:support vector machine)、人工ニューラルネットワーク(ANN:artificial neural network)、k−平均クラスタリング(k-means clustering)である。ここでは、機械学習モデルは、入力動画像/画像とは異なる動画像/画像を用いて既にトレーニングされている。つまり、機械学習モデルのパラメータ(例えば、ニューラルネットワークにおけるノード間の重みパラメータ等)は予め定義されている。
選択部1104は、選択されたインデックス1122を用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット1123を選択し、選択したパラメータセット1123を符号化部1101に戻す。つまり、選択部1104は、複数のインデックスに予め対応付けられた複数のパラメータセットの中から、インデックス1122に対応するパラメータセットを選択する。
パラメータセットは、対象ブロックの符号化処理のためのパラメータセットである。具体的には、パラメータセットは、例えば、インター予測におけるサブピクセル位置の画素値を補間生成する処理で用いられるフィルタ係数セットであってもよい。また例えば、パラメータセットは、対象ブロックのインループフィルタ処理で用いられるフィルタ係数セットであってもよい。また例えば、パラメータセットは、イントラ予測インデックスであってもよい。また例えば、パラメータセットは、インター予測の動き補償において複数の予測ブロックの平均化処理で用いられる重み係数セットであってよい。
符号化部1101は、選択部1104によって選択されたパラメータセットを用いて、対象ピクチャに含まれる対象ブロックの画像サンプルに対して符号化処理を実行して、符号化ビットストリームを出力する。ここで、符号化処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理である。
なお、抽出部1102、分類部1103、および、選択部1104における上記処理のために、出力ビットストリームに何らかの情報をシグナリングしなくてもよい。デコーダは、それ自体で同じ処理を行うことになる。
[動画像符号化装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像符号化装置1100の動作について説明する。図2は、実施の形態1に係る動画像符号化処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS1001において、抽出部1102は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。
次に、ステップS1002において、分類部1103は、抽出された1以上の特徴量と機械学習モデルとを用いて再構成画素群を分類することにより、予め定義された複数のインデックスの中から1つのインデックスを選択する。
次に、ステップS1003において、選択部1104は、分類部1103によって選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。つまり、選択部1104は、予め定義された複数のパラメータセットの中から、選択されたインデックスに対応するパラメータセットを選択する。
最後に、ステップS1004において、符号化部1101は、選択部1104によって選択されたパラメータセットを用いて、対象ピクチャに含まれる対象ブロックの画像サンプルの符号化処理を実行する。選択されたパラメータセットを用いる符号化処理は、例えば、補間処理、ループ内フィルタ処理、イントラ予測処理、およびインター予測処理を含む。
なお、異なる符号化処理に用いる複数のパラメータセットが複数の機械学習モデルを用いて選択されてもよい。例えば、1以上の第1特徴量と第1機械学習モデルとを用いて、イントラ予測処理に用いる第1パラメータセットが選択され、1以上の第2特徴量と第2機械学習モデルとを用いて、補間処理に用いる第2パラメータセットが選択され、1以上の第3特徴量と第3機械学習モデルとを用いて、ループ内フィルタ処理に用いる第3パラメータセットが選択されてもよい。
[動画像復号装置の構成]
次に、上記動画像符号化装置1100から出力された符号化ビットストリームを復号するための動画像復号装置の構成について説明する。図3は、実施の形態1に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図である。
動画像復号装置2100は、入力符号化ビットストリームをブロック単位で復号し、動画像/画像を出力する。図3に示すように、動画像復号装置2100は、復号部2101と、抽出部2102と、分類部2103と、選択部2104とを備える。ここで、動画像復号装置2100の各構成要素について説明する。
入力ビットストリームおよびパラメータセット2123が復号部2101に入力され、復号値2120が抽出部2102に出力される。復号値2120は、例えば、再構成画素群である。
抽出部2102は、復号値2120から1以上の特徴量2121を抽出し、その特徴量2121を分類部2103に伝送する。つまり、抽出部2102は、1以上の再構成画素群から特徴量2121を抽出する。抽出部2102によって抽出される特徴量2121は、図1に示す動画像符号化装置1100の抽出部1102によって抽出された特徴量1121と同じである。
分類部2103は、抽出された特徴量2121と機械学習モデルとを用いて、復号値2120を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、復号値2120の分類結果により示されるインデックスが選択され、選択されたインデックス2122が選択部2104に伝送される。ここで用いられる機械学習モデルは、上記動画像符号化装置1100において用いられた機械学習モデルと同じである。なお、機械学習モデルとしてk−平均クラスタリングが用いられる場合、特徴量2121に対して、特徴量空間における距離が最近傍となるクラスタ中心を持つクラスタが選択される。機械学習モデルとしてサポートベクターマシンやANNなどのニューラルネットワークが用いられる場合には、入力ノードに対して特徴量2121が入力され、分類結果が出力される。
選択部2104は、選択されたインデックス2122を用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット2123を選択し、選択したパラメータセット2123を復号部2101に戻す。つまり、選択部2104は、複数のインデックスに予め対応付けられた複数のパラメータセットの中から、インデックス2122に対応するパラメータセットを選択する。
復号部2101は、選択部1104によって選択されたパラメータセットを用いて、対象ピクチャに含まれる対象ブロックの画像サンプルの復号処理を実行し、動画像をディスプレイに出力する。
[動画像復号装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像復号装置2100の動作について説明する。図2は、実施の形態1に係る復号処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS2001において、抽出部2102は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。この特徴量は、符号化処理中に動画像符号化装置1100で用いられた特徴量と同じである。
次に、ステップS2002において、分類部2103は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて再構成画素群を分類することにより、予め定義された複数のインデックスの中から1つのインデックスを選択する。機械学習モデルは、符号化処理中に動画像符号化装置1100で用いられた機械学習モデルと同じである。
次に、ステップS2003において、選択部2104は、分類部2103によって選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。ここでは、符号化処理中に動画像符号化装置1100で選択されたパラメータセットと同じパラメータセットが選択される。
最後に、ステップS2004において、復号部2101は、選択部2104によって選択されたパラメータセットを用いて、対象ピクチャに含まれる対象ブロックの画像サンプルの復号処理を実行する。選択されたパラメータセットを用いる復号処理は、例えば、補間処理、ループ内フィルタ処理、イントラ予測処理、インター予測処理である。
また、上記符号化処理と同様に、異なる復号処理に用いる複数のパラメータセットを複数の機械学習モデルを用いて選択することもできる。例えば、複数の第1特徴量と第1機械学習モデルとを用いて、イントラ予測処理に用いる第1パラメータセットが選択され、1以上の第2特徴量と第2機械学習モデルとを用いて、補間処理に用いる第2パラメータセットが選択され、1以上の第3特徴量と第3機械学習モデルとを用いて、ループ内フィルタ処理に用いる第3パラメータセットが選択されてもよい。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る動画像符号化装置1100および動画像復号装置2100によれば、1以上の特徴量と機械学習モデルを用いた1以上の再構成画素群の分類の結果に対応するパラメータセットを用いて対象ブロックの符号化/復号処理を行うことができる。
したがって、再構成画素群における輝度あるいは色差の値、または再構成画素群から抽出される特徴量が表現される次元から、当該次元と異なる軸を含む、より対象画素群の予測又は符号化に適切な次元へと写像して予測又は符号化を行うことができる。これにより、周囲と比較して線形的ではない急峻な変化が起こるような画像の予測において、画素に応じたより適切な軸を設定しなおすことが可能になり、予測精度が向上し、符号化効率を向上させることができる。
またパラメータセットそのものを指し示す情報がビットストリームに含まれなくても、1以上の特徴量と機械学習モデルとを用いてパラメータセットを得ることができ、パラメータセットのための符号量を削減することができる。
さらに、複数の特徴量が用いられる場合、単一の特徴量(例えば輝度値など)が用いられる場合よりも、対象ブロックの符号化/復号処理により適したパラメータセットを用いて符号化/復号処理を行うことができ、符号化効率を向上させることができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、機械学習モデルを用いて選択されるパラメータセットが、インター予測においてサブピクセル位置の画素値を補間生成する処理で用いられるフィルタ係数セットである場合について説明する。以下に、実施の形態1と異なる点を中心に本実施の形態について説明する。
[動画像符号化装置の構成]
図5は、実施の形態2に係る動画像符号化装置の構成例を示すブロック図である。
動画像符号化装置1300は、入力動画像/画像をブロック単位で符号化して、符号化された出力ビットストリームを生成する。図5に示すように、動画像符号化装置1300は、変換部1301と、量子化部1302と、逆量子化部1303と、逆変換部1304と、ブロックメモリ1305と、イントラ予測部1306と、ピクチャメモリ1307と、動きベクトル予測部1308と、ブロックメモリ1309と、抽出部1310と、分類部1311と、選択部1312と、補間部1313と、インター予測部1314と、エントロピー符号化部1315と、加算器1316、1317とを備える。ここで、動画像符号化装置1300の各構成要素について説明する。
入力動画像は加算器1316に入力され、残差動画像/画像が変換部1301に出力される。
変換部1301は、残差動画像/画像を周波数係数に変換し、得られた周波数係数を量子化部1302に出力する。
量子化部1302は、入力された周波数係数を量子化し、得られた量子化係数を逆量子化部1303とエントロピー符号化部1315とに出力する。
エントロピー符号化部1315は、量子化部1302から出力された量子化係数を符号化し、符号化ビットストリームを出力する。
逆量子化部1303は、量子化部1302から出力された量子化係数を逆量子化し、周波数係数を逆変換部1304に出力する。
逆変換部1304は、周波数係数に逆周波数変換を行って周波数係数を残差動画像/画像に変換し、得られた残差動画像/画像を加算器1317に出力する。
加算器1317は、逆変換部1304から出力された残差動画像/画像と、インター予測部1314またはイントラ予測部1306から出力された予測動画像/画像とを足し合わせ、得られた再構成動画像/画像をさらなる予測のためにブロックメモリ1305またはピクチャメモリ1307に出力する。
インター予測部1314およびイントラ予測部1306は、ブロックメモリ1305またはピクチャメモリ1307に格納されている再構成動画像/画像を参照して、例えば入力動画像/画像に最も類似する予測動画像/画像を生成する。
ブロックメモリ1309は、動きベクトル予測部1308から出力された動きベクトルを用いて、N×M画素(例えば、8×8画素)ブロックの再構成画像サンプル1320をピクチャメモリ1307から取り出す。ブロックメモリ1309は、N×M画素ブロックの再構成画像サンプル1321、1322を、抽出部1310と補間部1313とにそれぞれ伝送する。N×M画素ブロックの再構成画像サンプルは、再構成画素群に相当する。
抽出部1310は、N×M画素ブロックの再構成画像サンプル1321から1以上の特徴量1323(例えば、分散、SIFT)を抽出し、抽出された特徴量1323を分類部1311に出力する。
分類部1311は、特徴量1323と機械学習モデル(例えば、サポートベクターマシン)とを用いてN×M画素ブロックの再構成画像サンプル1321を分類する。これにより、複数のインデックスの中から、N×M画素ブロックの再構成画像サンプル1321の分類結果により示されるインデックスが選択され、選択されたインデックス1324が選択部1312に伝送される。
選択部1312は、インデックス1324を用いて、予め定義された複数のフィルタ係数セットの中から1つのフィルタ係数セット1325を選択する。つまり、選択部1312は、インデックス1324に対応するフィルタ係数セット1325を選択する。そして、選択部1312は、選択されたフィルタ係数セット1325を、補間部1313へ出力する。
補間部1313は、フィルタ係数セット1325を用いて、参照ブロックの再構成画像サンプルに補間処理を行い、補間済み画像サンプル1326をインター予測部1314に出力する。
[動画像符号化装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像符号化装置1300の動作について説明する。図6は、実施の形態2に係る動画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS1201において、ブロックメモリ1309は、動きベクトルを用いて、ピクチャメモリ1307からN×M画素ブロックの再構成画像サンプルブロックを取り出す。N×M画素ブロックは、例えば、8×8画素の参照ブロックを包含する9×9画素ブロックである。
次に、ステップS1202において、抽出部1310は、N×M画素ブロックの再構成画像サンプルから1以上の特徴量を抽出する。図7は、特徴量の抽出に用いられるN×M画素ブロックの一例を示している。N×M画素ブロックの再構成画像サンプル(再構成画素群)の少なくとも一部は、動きベクトルを用いて参照ピクチャから導出される参照ブロックに含まれる。図7の例では、N×M画素ブロックが参照ブロックを包含している。
次に、ステップS1203では、分類部1311は、抽出された1以上の特徴量と機械学習モデルとを用いて、N×M画素ブロックの再構成画像サンプルを分類する。そして、分類部1311は、予め定義された複数のインデックスの中から、N×M画素ブロックの再構成画像サンプルの分類結果により示されるインデックスを選択する。
次に、ステップS1204では、選択部1312は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のフィルタ係数セットの中から1つのフィルタ係数セットを選択する。
図8は、補間処理で用いられるフィルタ係数セットを説明するための図である。図8において、矩形は画素を表し、矩形内の文字は画素値(例えば、輝度値、色差値)を表す。このとき、補間画素の画素値は以下の式で表される。
ここで、Wai=0..7、divisor_a、Wbi=0..7、divisor_b、Wdi=0..7、およびdivisor_dは、予め定義されたフィルタ係数セットである。なお、フィルタ係数セットは、上記に限定されない。例えば、フィルタ係数セットは、シグモイド関数などの非線形関数からの係数であってもよい。また、補間処理には、輝度値/色差値の単なる重み付き加算の代わりに、隣接画素の輝度/色差値の重み付き積和演算が用いられてもよい。
次に、ステップS1205では、補間部1313は、選択されたフィルタ係数セットを用いて、参照ブロックの画像サンプルに補間処理を行う。
最後に、ステップS1206において、インター予測部1314は、補間済みの画像サンプルを符号化処理のインター予測処理で用いる。
[動画像復号装置の構成]
次に、上記動画像符号化装置1300から出力された符号化ビットストリームを復号するための動画像復号装置の構成について説明する。図9は、実施の形態2に係る動画像復号装置の構成例を示すブロック図である。
動画像復号装置2300は、入力符号化ビットストリームをブロック単位で復号し、動画像/画像を出力する。図9に示すように、動画像復号装置2300は、エントロピー復号部2301と、逆量子化部2302と、逆変換部2303と、ブロックメモリ2304と、イントラ予測部2305と、読解部2306と、動きベクトル予測部2307と、ピクチャメモリ2308と、ブロックメモリ2309と、抽出部2310と、分類部2311と、選択部2312と、補間部2313と、インター予測部2314とを備える。ここで、動画像復号装置2300の各構成要素について説明する。
入力符号化ビットストリームは、エントロピー復号部2301に入力される。入力符号化ビットストリームがエントロピー復号部2301に入力された後、エントロピー復号部2301は、入力符号化ビットストリームを復号し、量子化係数を逆量子化部2302に出力する。
逆量子化部2302は、量子化係数を逆量子化し、周波数係数を逆変換部2303に出力する。
逆変換部2303は、周波数係数に逆周波数変換を行って周波数係数を残差動画像/画像に変換し、得られた残差動画像/画像を加算器2315に出力する。
加算器2315は、得られた残差動画像/画像と、イントラ予測部2305またはインター予測部2314から出力された予測動画像/画像(つまり、対象ブロックに対する予測ブロックまたは予測サンプル)とを足し合わせ、得られた再構成動画像/画像をディスプレイに出力し、また、さらなる予測のために、ブロックメモリ2304またはピクチャメモリ2308にも再構成動画像/画像を出力する。
イントラ予測部2305およびインター予測部2314は、ブロックメモリ2304またはピクチャメモリ2308に格納されている再構成動画像/画像から、例えば復号動画像/画像に最も類似する予測動画像/画像を生成する。
読解部2306は、入力ビットストリームを読み解き、残差サンプルブロック、インター予測に使用される参照ピクチャを示す参照インデックス、および動きベクトル差分などの動き情報を、動きベクトル予測部2307に出力する。
動きベクトル予測部2307は、予測動きベクトルを導出する。そして、動きベクトル予測部2307は、読解部2306で読み解いた動き情報と予測動きベクトルとに基づき、対象ブロックの動きベクトルを導出する。そして、動きベクトル予測部2307は、導出された動きベクトルを示す信号を、ブロックメモリ2309に出力する。
ブロックメモリ2309は、動きベクトル予測部2307から出力された動きベクトルを用いて、N×M画素(例えば、9×9画素)ブロックの再構成画像サンプル2320をピクチャメモリ2308から取り出す。ブロックメモリ2309は、N×M画素ブロックの再構成画像サンプル2321、2322を、抽出部1310と補間部1313とにそれぞれ伝送する。
抽出部2310は、N×M画素ブロックの再構成画像サンプル2321から1以上の特徴量2323(例えば、分散、SIFT)を抽出する。そして、抽出部2310は、得られた特徴量2323を分類部2311に出力する。抽出部2310によって抽出される特徴量2323は、図5に示す動画像符号化装置1300の抽出部1310によって抽出された特徴量1323と同じとなる。
分類部2311は、特徴量2323と機械学習モデル(例えば、サポートベクターマシン)とを用いてN×M画素ブロックの再構成画像サンプル2321を分類する。そして、分類部2311は、予め定義された複数のインデックスの中から、N×M画素ブロックの再構成画像サンプル2321の分類結果により示されるインデックス2324を選択する。さらに、分類部2311は、インデックス2324を選択部2312に伝送する。
選択部2312は、インデックス2324を用いて、予め定義された複数のフィルタ係数セットの中から1つのフィルタ係数セット2325を選択する。選択部2312は、選択されたフィルタ係数セット2325を、補間部2313へ出力する。
補間部2313は、フィルタ係数セット2325を用いて参照ブロックの再構成画像サンプルに補間処理を行い、補間済みの画像サンプル2326をインター予測部2314に出力する。
[動画像復号装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像復号装置2300の動作について説明する。図10は、実施の形態2に係る動画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS2201において、ブロックメモリ2309は、動きベクトルを用いて、参照ピクチャに含まれるN×M画素ブロックの再構成画像サンプルを取り出す。N×M画素ブロックは、例えば、9×9画素ブロックである。
次に、ステップS2202において、抽出部2310は、N×M画素の再構成画像サンプルブロックから1以上の特徴量を抽出する。図7は、特徴量の抽出に用いられる再構成画像サンプルブロックの一例を示している。
次に、ステップS2203では、分類部2311は、抽出された1以上の特徴量と機械学習モデルとを用いて、N×M画素ブロックの再構成画像サンプルを分類する。そして、分類部2311は、予め定義された複数のインデックスの中から、N×M画素ブロックの再構成画像サンプルの分類結果により示されるインデックスを選択する。ここで用いられる機械学習モデルは、動画像符号化装置1300で用いられた機械学習モデルと同じである。
ステップS2204では、選択部2312は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のフィルタ係数セットの中から1つのフィルタ係数セットを選択する。ここで選択されるフィルタ係数セットは、符号化処理中に動画像符号化装置1300で選択されたフィルタ係数セットと同じである。
ステップS2205では、補間部2313は、選択されたフィルタ係数セットを用いて、参照ブロックの画像サンプルに補間処理を行う。
最後に、ステップS2206において、インター予測部2314は、補間済みの画像サンプルを復号処理のインター予測処理で用いる。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る動画像符号化装置1300および動画像復号装置2300によれば、インター予測おける画像ピクセルの補間処理に用いられるフィルタ係数セットを、機械学習モデルを用いて得ることができる。
したがって、再構成画素群における輝度あるいは色差の値、または再構成画素群から抽出される特徴量が表現される次元から、当該次元と異なる軸を含む、より対象画素群の予測又は符号化に適切な次元へと写像して補間処理に用いられるフィルタ係数を決定することができる。これにより、線形的ではない急峻な変化が起こるような画像において、画素に応じたより適切な軸を設定しなおすことが可能になり、より原画像に近い補間処理が可能にある。
またフィルタ係数セットそのものを指し示す情報がビットストリームに含まれなくても、1以上特徴量と機械学習モデルとを用いてフィルタ係数セットを得ることができ、フィルタ係数セットのための符号量を削減することができる。
さらに、複数の特徴量が用いられる場合、単一の特徴量(例えば輝度値など)が用いられる場合よりも、対象ブロックの符号化/復号処理により適したフィルタ係数セットを用いて符号化/復号処理を行うことができ、符号化効率を向上させることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、機械学習モデルを用いて選択されるパラメータセットが、ループ内フィルタ処理で用いられるフィルタ係数セットである場合について説明する。以下に、実施の形態1および2と異なる点を中心に本実施の形態について説明する。
[動画像符号化装置の構成]
図11は、実施の形態3に係る動画像符号化装置の構成例を示すブロック図である。なお、図11において、図5と実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
動画像符号化装置1500は、入力動画像/画像をブロック単位で符号化して、符号化された出力ビットストリームを生成する。図11に示すように、動画像符号化装置1500は、変換部1301と、量子化部1302と、逆量子化部1303と、逆変換部1304と、ブロックメモリ1305と、イントラ予測部1306と、ピクチャメモリ1507と、抽出部1508と、分類部1509と、選択部1510と、ループ内フィルタ部1511と、ピクチャメモリ1512と、インター予測部1514と、エントロピー符号化部1315と、加算器1316、1317とを備える。ここで、動画像符号化装置1500の各構成要素について説明する。
ピクチャメモリ1507は、対象ブロックの再構成画像サンプルを含む再構成画素群1521を抽出部1508に伝送する。
抽出部1508は、再構成画素群1521から1以上の特徴量1522(例えば、分散、SIFT)を抽出する。そして、抽出部1508は、抽出した特徴量1522を分類部1509に出力する。
分類部1509は、特徴量1522と機械学習モデル(例えば、サポートベクターマシン)とを用いて再構成画素群1521を分類する。そして、分類部1509は、予め定義された複数のインデックスの中から、再構成画素群1521の分類結果により示されるインデックス1523を選択する。さらに、分類部1509は、インデックス1523を選択部1510に伝送する。
選択部1510は、インデックス1523を用いて、予め定義された複数のフィルタ係数セットの中から1つのフィルタ係数セット1524を選択する。選択部1510は、選択されたフィルタ係数セット1524を、ループ内フィルタ部1511へ出力する。
ループ内フィルタ部1511は、フィルタ係数セット1524を用いて対象ブロックの再構成画像サンプル1520にフィルタ処理を行い、フィルタ処理済み再構成画像サンプル1525を、インター予測処理のためにピクチャメモリ1512に格納する。
[符号化装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像符号化装置1500の動作について説明する。図12は、実施の形態3に係る符号化装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS1401において、抽出部1508は、対象ブロックの画像サンプルを含む再構成画素群をピクチャメモリ1507から取り出す。
次に、ステップS1402において、抽出部1508は、再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。
次に、ステップS1403では、分類部1509は、抽出された1以上の特徴量と機械学習モデルとを用いて再構成画素群を分類する。分類部1509は、予め定義された複数のインデックスの中から、再構成画素群の分類結果により示されるインデックスを選択する。
ステップS1404では、選択部1510は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のフィルタ係数セットの中から1つのフィルタ係数セットを選択する。
ステップS1405では、ループ内フィルタ部1511は、選択されたフィルタ係数セットを用いて、対象ピクチャに含まれる対象ブロックの画像サンプルにループ内フィルタ処理を行う。ループ内フィルタ処理は、例えば、デブロッキングフィルタ処理、および、サンプルアダプティブオフセット(SAO)処理である。
最後に、ステップS1406において、ループ内フィルタ部1511は、フィルタ処理済みの対象ブロックの画像サンプルをピクチャメモリ1512に出力する。ピクチャメモリ1512に出力されたフィルタ処理済みの対象ブロックの画像サンプルは、対象ピクチャよりも符号化順で後のピクチャのインター予測に利用される。
[動画像復号装置の構成]
次に、上記動画像符号化装置1500から出力された符号化ビットストリームを復号するための動画像復号装置の構成について説明する。図13は、実施の形態3に係る動画像復号装置の構成例を示すブロック図である。図13において、図9と実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
動画像復号装置2500は、入力符号化ビットストリームをブロック単位で復号し、動画像/画像を出力する。図13に示すように、動画像復号装置2500は、エントロピー復号部2301と、逆量子化部2302と、逆変換部2303と、ブロックメモリ2304と、イントラ予測部2305と、ピクチャメモリ2508と、インター予測部2509と、ピクチャメモリ2510と、抽出部2511と、分類部2512と、選択部2513と、ループ内フィルタ部2514と、加算器2315とを備える。
ピクチャメモリ2510は、対象ブロックの画像サンプルを含む再構成画素群2521を抽出部2511に伝送する。
抽出部2511は、再構成画素群2521から1以上の特徴量2522(例えば、分散、SIFT)を抽出し、特徴量2522を分類部2512に出力する。
分類部2512は、特徴量2522と機械学習モデル(例えば、サポートベクターマシン)とを用いて再構成画素群2521を分類する。そして、分類部2512は、予め定義された複数のインデックスの中から、再構成画素群2521の分類結果により示されるインデックス2523を選択し、選択したインデックス2523を選択部2513に伝送する。
選択部2513は、インデックス2523を用いて、予め定義された複数のフィルタ係数セットの中から1つのフィルタ係数セット2524を選択する。そして、選択部2513は、選択されたフィルタ係数セット2524と対象ブロックの再構成画像サンプル2520とを、ループ内フィルタ部2514へ出力する。
ループ内フィルタ部2514は、フィルタ係数セット2524を用いて、対象ブロックの再構成画像サンプル2520に対してフィルタ処理を行う。そして、ループ内フィルタ部2514は、フィルタ処理済み画像サンプル2525を、インター予測処理のためにピクチャメモリ2508に格納し、さらに、ディスプレイにも出力する。
[動画像復号装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像復号装置2500の動作について説明する。図14は、実施の形態3に係る動画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS2401において、抽出部2511は、対象ブロックの画像サンプルを含む再構成画素群をピクチャメモリ2510から取り出す。
次に、ステップS2402において、抽出部2511は、取り出された再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。ここで抽出される1以上の特徴量は、符号化処理中に動画像符号化装置1500で抽出された1以上の特徴量と同じである。
次に、ステップS2403では、分類部2512は、抽出された1以上の特徴量と機械学習モデルとを用いて再構成画素群を分類する。そして、分類部2512は、予め定義された複数のインデックスの中から、再構成画素群の分類結果により示されるインデックスを選択する。ここで用いられる機械学習モデルは、符号化処理中に動画像符号化装置1500で用いられた機械学習モデルと同じである。
ステップS2404では、選択部2513は、インデックスを用いて、予め定義された複数のフィルタ係数セットの中から1つのフィルタ係数セットを選択する。ここで選択されるフィルタ係数セットは、符号化処理中に動画像符号化装置1500で選択されたフィルタ係数セットと同じである。
ステップS2405では、ループ内フィルタ部2514は、選択されたフィルタ係数セットを用いて、対象ピクチャに含まれる対象ブロックの画像サンプルにループ内フィルタ処理を行う。ループ内フィルタ処理は、例えば、デブロッキングフィルタ処理、および、サンプルアダプティブオフセット(SAO)処理である。
最後に、ステップS2406において、ループ内フィルタ部2514は、フィルタ処理済みの対象ブロックの画像サンプルをディスプレイおよびピクチャメモリ2508に出力する。ピクチャメモリ2508に出力されたフィルタ処理済みの対象ブロックの画像サンプルは、対象ピクチャよりも復号順で後のピクチャのインター予測に利用される。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る動画像符号化装置1500および動画像復号装置2500によれば、対象ブロックのフィルタ処理で用いられるフィルタ係数セットを、機械学習モデルを用いて得ることができる。したがって、実施の形態2と同様の効果を奏する。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4では、機械学習モデルを用いて選択されるパラメータセットが、イントラ予測方式を示す場合について説明する。以下に、実施の形態1〜3と異なる点を中心に本実施の形態について説明する。
[動画像符号化装置の構成]
図15は、実施の形態4に係る動画像符号化装置の構成例を示すブロック図である。図15において、図5と実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
動画像符号化装置1700は、入力動画像/画像をブロック単位で符号化して、符号化された出力ビットストリームを生成する。図15に示すように、動画像符号化装置1700は、変換部1301と、量子化部1302と、逆量子化部1303と、逆変換部1304と、ブロックメモリ1705と、抽出部1706と、分類部1707と、選択部1708と、イントラ予測部1709と、ピクチャメモリ1307と、インター予測部1712と、エントロピー符号化部1713と、加算器1316、1317とを備える。
ブロックメモリ1705は、対象ブロックと空間的に隣接する位置にある再構成画素群1721を抽出部1706に伝送する。
抽出部1706は、再構成画素群1721から1以上の特徴量1722(例えば、分散、SIFT)を抽出し、抽出した特徴量1722を分類部1707に出力する。
分類部1707は、特徴量1722と機械学習モデル(例えば、サポートベクターマシン)とを用いて再構成画素群1721を分類する。そして、分類部1707は、予め定義された複数のインデックスの中から、再構成画素群1721の分類結果により示されるインデックス1723を選択し、選択したインデックス1723を選択部1708に伝送する。
選択部1708は、インデックス1723を用いて、予め定義された複数のイントラ予測方式の中から1つのイントラ予測方式1724を選択する。選択部1708は、選択されたイントラ予測方式1724と対象ブロックの画像サンプル1725とを、イントラ予測部1709へ出力する。
イントラ予測部1709は、選択されたイントラ予測方式1724に従って、対象ブロックのためのイントラ予測を行い、対象ブロックのイントラ予測画像サンプルを加算器1316、1317に出力する。
インター予測部1712は、ピクチャメモリ1307に格納されているピクチャを参照して、対象ブロックのインター予測画像サンプルを生成し、加算器1316、1317に出力する。
[動画像符号化装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像符号化装置1700の動作について説明する。図16は、実施の形態4に係る動画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS1601において、抽出部1706は、対象ブロックと空間的に隣接する位置から再構成画素群を取り出す。図17A〜図17Cは、対象ブロックの空間的に隣接する位置の例を示す。
次に、ステップS1602において、抽出部1706は、再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。
次に、ステップS1603では、分類部1707は、抽出された1以上の特徴量と機械学習モデルとを用いて再構成画素群を分類する。そして、分類部1707は、予め定義された複数のインデックスの中から、再構成画素群の分類結果により示されるインデックスを選択する。
ステップS1604では、選択部1708は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のイントラ予測方式の中から1つのイントラ予測方式を選択する。図18および図19は、イントラ予測方式の例を示している。
ステップS1605では、イントラ予測部1709は、選択されたイントラ予測方式を用いて、対象ブロックのイントラ予測処理を行う。
最後に、ステップS1606において、加算器1316、1317は、対象ブロックのイントラ予測画像サンプルを用いて、対象ブロックの残差画像サンプルおよび再構成画像サンプルを生成する。
[動画像復号装置の構成]
次に、上記動画像符号化装置1700から出力された符号化ビットストリームを復号するための動画像復号装置の構成について説明する。図20は、実施の形態4に係る動画像復号装置の構成例を示すブロック図である。図20において、図9と実質的に同一の構成については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
動画像復号装置2700は、入力符号化ビットストリームをブロック単位で復号し、動画像/画像を出力する。図20に示すように、動画像復号装置2700は、エントロピー復号部2301と、逆量子化部2302と、逆変換部2303と、ブロックメモリ2704と、抽出部2705と、分類部2706と、選択部2707と、イントラ予測部2708と、ピクチャメモリ2308と、インター予測部2712と、加算器2315とを備える。
ブロックメモリ2704は、対象ブロックと空間的に隣接する位置にある再構成画素群2721を抽出部2705に伝送する。
抽出部2705は、再構成画素群2721から1以上の特徴量2722(例えば、分散、SIFT)を抽出し、抽出された特徴量2722を分類部2706に出力する。
分類部2706は、特徴量2722と機械学習モデル(例えば、サポートベクターマシン)とを用いて再構成画素群を分類する。そして、分類部2706は、予め定義された複数のインデックスの中から、再構成画素群の分類結果により示されるインデックス2723を選択し、インデックス2723を選択部2707に伝送する。
選択部2707は、インデックス2723を用いて、予め定義された複数のイントラ予測方式の中から1つのイントラ予測方式2724を選択する。選択部2707は、選択されたイントラ予測方式2724と対象ブロックの画像サンプル2725とを、イントラ予測部2708へ出力する。
イントラ予測部2708は、イントラ予測方式2724に従って、対象ブロックのイントラ予測処理を行い、対象ブロックのイントラ予測画像サンプルを加算器2315に出力する。
インター予測部2712は、ピクチャメモリ2308に格納されているピクチャを参照して、対象ブロックのインター予測画像サンプルを生成し、生成した対象ブロックのインター予測画像サンプルを加算器2315に出力する。
[動画像復号装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像復号装置2700の動作について説明する。図21は、実施の形態4に係る動画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS2601において、抽出部2705は、対象ブロックと空間的に隣接する位置にある再構成画素群をブロックメモリ2704から取り出す。図17A〜図17Cは、対象ブロックと空間的に隣接する位置にある画素群の例を示している。
次に、ステップS2602において、抽出部2705は、再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。これらは、符号化処理中に動画像符号化装置1700で抽出された1以上の特徴量と同じである。
次に、ステップS2603では、分類部2706は、抽出された1以上の特徴量と機械学習モデルとを用いて再構成画素群を分類する。機械学習モデルは、符号化処理中に動画像符号化装置1700で用いられた機械学習モデルと同じである。分類部2706は、予め定義された複数のインデックスの中から、再構成画素群の分類結果により示されるインデックスを選択し、選択したインデックスを選択部2707に出力する。
ステップS2604では、選択部2707は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のイントラ予測方式の中から1つのイントラ予測方式を選択する。図18および図19は、イントラ予測方式の例を示している。予め定義された複数のイントラ予測方式は、符号化処理中に動画像符号化装置1700で用いられたものと同じである。
ステップS2605では、イントラ予測部1709は、選択されたイントラ予測方式を用いて、対象ブロックのイントラ予測処理を行う。
最後に、ステップS2606において、対象ブロックのイントラ予測画像サンプルが復号処理で用いられる。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る動画像符号化装置1700および動画像復号装置2700によれば、イントラ予測処理で用いられるイントラ予測方式を、機械学習モデルを用いて得ることができる。
したがって、再構成画素群における輝度あるいは色差の値、または再構成画素群から抽出される特徴量が表現される次元から、当該次元と異なる軸を含む、より対象画素群の予測又は符号化に適切な次元へと写像して予測又は符号化を行うことができる。これにより、周囲と比較して線形的ではない急峻な変化が起こるような画像の予測において、画素に応じたより適切な軸を設定しなおすことが可能になり、予測精度が向上し、符号化効率を向上させることができる。
さらに、複数の特徴量が用いられる場合、単一の特徴量(例えば輝度値など)が用いられる場合よりも、対象ブロックの符号化/復号処理により適したイントラ予測方式を用いて符号化/復号処理を行うことができ、符号化効率を向上させることができる。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について説明する。実施の形態5では、機械学習モデルを用いて選択されるパラメータセットが、インター予測の動き補償において複数のインター予測ブロックの平均化処理で用いられる重み係数セットである場合について説明する。以下に、実施の形態1〜4と異なる点を中心に本実施の形態について説明する。
[動画像符号化装置の構成]
図22は、実施の形態5に係る動画像符号化装置の構成例を示すブロック図である。
動画像符号化装置1900は、入力動画像/画像をブロック単位で符号化して、符号化された出力ビットストリームを生成する。図22に示すように、動画像符号化装置1900は、変換部1301と、量子化部1302と、逆量子化部1303と、逆変換部1304と、ブロックメモリ1305と、イントラ予測部1306と、ピクチャメモリ1307と、動きベクトル予測部1908と、ブロックメモリ1909と、補間部1910と、抽出部1911と、分類部1912と、選択部1913と、平均化部1914と、インター予測部1915と、エントロピー符号化部1315と、加算器1316、1317と、を備える。
ブロックメモリ1909は、動きベクトル予測部1908から出力された動きベクトルを用いて、複数の参照ピクチャに含まれる複数の参照ブロックの画像サンプルをピクチャメモリ1307から取り出し、各参照ブロックの画像サンプル1921、1923を補間部1910と抽出部1911とにそれぞれ出力する。
補間部1910は、画像サンプル1921に補間処理を行い、補間済み画像サンプル1922を平均化部1914に出力する。
抽出部1911は、画像サンプル1923から1以上の特徴量1924(例えば、分散、SIFT)を抽出し、抽出された特徴量1924を分類部1912に出力する。
分類部1912は、特徴量1924と機械学習モデル(例えば、サポートベクターマシン)とを用いて画像サンプル1923を分類する。そして、分類部1912は、予め定義された複数のインデックスの中から、画像サンプル1923の分類結果により示されるインデックス1925を選択し、選択したインデックス1925を選択部1913に伝送する。
選択部1913は、インデックス1925を用いて、予め定義された複数の重み係数セットの中から1つの重み係数セット1926を選択する。選択部1913は、選択された重み係数セット1926を平均化部1914へ出力する。
平均化部1914は、選択された重み係数セット1926と補間済み画像サンプル1922とを用いて平均化処理を行う。平均化部1914は、平均化済み画像サンプル1927を、インター予測処理のためにインター予測部1915へ伝送する。
[動画像符号化装置の動作]
図23は、実施の形態5に係る動画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS1801において、ブロックメモリ1909は、動きベクトルを用いて、複数の参照ピクチャから参照ブロックの画像サンプルを取り出す。
次に、ステップS1802において、抽出部1911は、取り出された画像サンプルから1以上の特徴量を抽出する。
次に、ステップS1803では、分類部1912は、抽出された1以上の特徴量と機械学習モデルとを用いて画像サンプルを分類する。そして、分類部1912は、予め定義された複数のインデックスの中から、画像サンプルの分類結果により示されるインデックスを選択する。
ステップS1804では、選択部1913は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数の重み係数セットの中から1つの重み係数セットを選択する。図24および図25は、インター予測処理の平均化処理で用いられる重み係数の例を示している。図24では、2つの参照ピクチャに含まれる2つの参照ブロックの画像サンプルを平均化するための重み係数W1、W2が表されている。図25では、3つの参照ピクチャに含まれる3つの参照ブロックの画像サンプルを平均化するための重み係数W1、W2、W3が表されている。
ステップS1805では、平均化部1914は、選択された重み係数セットを用いて、画像サンプルに平均化処理を行う。
最後に、ステップS1806において、インター予測部1915は、平均化された画像サンプルを符号化処理のインター予測処理で用いる。
[動画像復号装置の構成]
次に、上記動画像符号化装置1900から出力された符号化ビットストリームを復号するための動画像復号装置の構成について説明する。図26は、実施の形態5に係る動画像復号装置の構成例を示すブロック図である。図26において、図9と実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
動画像復号装置2900は、入力符号化ビットストリームをブロック単位で復号し、動画像/画像を出力する。図26に示すように、動画像復号装置2900は、エントロピー復号部2301と、逆量子化部2302と、逆変換部2303と、ブロックメモリ2304と、イントラ予測部2305と、読解部2906と、動きベクトル予測部2907と、ピクチャメモリ2308と、ブロックメモリ2909と、補間部2910と、抽出部2911と、分類部2912と、選択部2913と、平均化部2914と、インター予測部2915と、加算器2315とを備える。
読解部2906は、入力ビットストリームを読み解き、残差サンプルブロックと、インター予測に使用される参照ピクチャを示す参照インデックスと、動きベクトル差分などの動き情報とを動きベクトル予測部2907に出力する。
動きベクトル予測部2907は、読解部2906で読み解いた動き情報に基づき、対象ブロックの動きベクトルを導出する。そして、動きベクトル予測部2907は、導出された動きベクトルを示す信号を、ブロックメモリ2909に出力する。
ブロックメモリ2909は、動きベクトル予測部2907から出力された動きベクトルを用いて、ピクチャメモリ2308に格納されている複数の参照ピクチャから複数の参照ブロックの画像サンプルを取り出し、画像サンプル2921、2923を補間部2910と抽出部2911とにそれぞれ出力する。
補間部2910は、画像サンプル2921を補間し、補間済み画像サンプル2922を平均化部2914に出力する。
抽出部2911は、画像サンプル2923から1以上の特徴量2924(例えば、分散、SIFT)を抽出し、抽出された特徴量2924を分類部2912に出力する。
分類部2912は、特徴量2924と機械学習モデル(例えば、サポートベクターマシン)とを用いて画像サンプル2923を分類する。そして、分類部2912は、予め定義された複数のインデックスの中から、画像サンプル2923の分類結果により示されるインデックス2925を選択し、選択したインデックス2925を選択部2913に伝送する。
選択部2913は、インデックス2925を用いて、予め定義された複数の重み係数セットの中から1つの重み係数セット2926を選択する。選択部2913は、選択された重み係数セット2926を、平均化部2914へ出力する。
平均化部2914は、複数の参照ブロックの補間済み画像サンプル2922を平均化し、平均化済み画像サンプル2927をインター予測部2915に出力する。
インター予測部2915は、インター予測処理のために、平均化済み画像サンプル2927を用いる。
[動画像復号装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像復号装置2900の動作について説明する。図27は、実施の形態5に係る動画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
ステップS2801において、ブロックメモリ2909は、動きベクトルを用いて、複数の参照ピクチャから複数の参照ブロックの画像サンプルを取り出す。
次に、ステップS2802において、抽出部2911は、抽出された複数の参照ブロックの画像サンプルから1以上の特徴量を抽出する。これらは、符号化処理中に動画像符号化装置1900で抽出された1以上の特徴量と同じである。
次に、ステップS2803では、分類部2912は、抽出された1以上の特徴量と機械学習モデルとを用いて画像サンプルを分類する。機械学習モデルは、符号化処理中に動画像符号化装置1900で用いられた機械学習モデルと同じである。そして、分類部2912は、予め定義された複数のインデックスの中から、画像サンプルの分類結果により示されるインデックスを選択する。
ステップS2804では、選択部2913は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数の重み係数セットの中から1つの重み係数セットを選択する。ここで選択される重み係数セットは、符号化処理中に動画像符号化装置1900で選択されたものと同じである。
ステップS2805では、平均化部2914は、選択された重み係数セットを用いて、画像サンプルに平均化処理を行う。
最後に、ステップS2806において、インター予測部2915は、平均化された画像サンプルを符号化処理のインター予測処理で用いる。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る動画像符号化装置1900および動画像復号装置2900によれば、複数のインター予測ブロックの平均化処理で用いられる重み係数セットを、機械学習モデルを用いて得ることができる。
したがって、再構成画素群における輝度あるいは色差の値、または再構成画素群から抽出される特徴量が表現される次元から、当該次元と異なる軸を含む、より対象画素群の予測又は符号化に適切な次元へと写像して予測又は符号化を行うことができる。これにより、周囲と比較して線形的ではない急峻な変化が起こるような画像の符号化及び復号において、画素に応じたより適切な軸を設定しなおすことが可能になり、符号化効率を向上させることができる。
また重み係数セットそのものを指し示す情報がビットストリームに含まれなくても、1以上特徴量と機械学習モデルとを用いてパラメータセットを得ることができ、パラメータセットのための符号量を削減することができる。
さらに、複数の特徴量が用いられる場合、単一の特徴量(例えば輝度値など)が用いられる場合よりも、対象ブロックの符号化/復号処理により適した重み係数セットを用いて符号化/復号処理を行うことができ、符号化効率を向上させることができる。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について説明する。以降の実施の形態6〜13では、機械学習モデルを用いたパラメータセットの選択のための制御パラメータがビットストリームのヘッダに含まれる。特に、本実施の形態では、制御パラメータによって機械学習モデルを用いるか否かが切り替えられる点が、他の実施の形態と異なる。以下に、本実施の形態について、上記実施の形態1〜5と異なる点を中心に説明する。
[動画像符号化装置の構成]
図28は、実施の形態6に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
動画像符号化装置3000は、入力動画像/画像をブロック単位で符号化して、符号化された出力ビットストリームを生成する。図28に示すように、動画像符号化装置3000は、符号化部3001と、抽出部3003と、分類部3004と、選択部3005と、切替部3006と、書込部3002とを備える。ここで、動画像符号化装置3000の各構成要素について説明する。
入力動画像が符号化部3001に入力され、符号化データ3020が抽出部3003に出力される。符号化データ3020は、例えば、1以上の再構成画素群である。
抽出部3003は、符号化データ3020から1以上の特徴量3021を抽出し、その特徴量3021を分類部3004に伝送する。
分類部3004は、抽出された特徴量3021と機械学習モデルとを用いて符号化出力データ3020を分類する。そして、分類部3004は、予め定義された複数のインデックスの中から、符号化出力データ3020の分類結果により示されるインデックス3022を選択し、選択したインデックス3022を選択部3005に出力する。
選択部3005は、選択されたインデックス3022を用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット3023を選択し、選択したパラメータセット3023を切替部3006へ出力する。
書込部3002は、制御パラメータ3025を出力ビットストリームへ書き込む。また、書込部3002は、切替部3006を制御するための制御パラメータ3025を切替部3006に伝送する。
切替部3006は、制御パラメータ3025の値に応じて、機械学習モデルを用いて選択されるパラメータセット3023を入力動画像の符号化処理に用いるかどうかを切り替える。
符号化部3001は、切替部3006の切り替えに従って、機械学習モデルを用いて選択されるパラメータセット3023を用いて、または、用いずに、対象ブロックの画像サンプルを符号化する。
[シンタックス]
次に、ビットストリーム内の制御パラメータの位置について説明する。図29は、符号化ビデオビットストリームにおける、制御パラメータの位置候補を示している。図29の(i)は、ビデオパラメータセット内に制御パラメータが存在する場合を示している。図29の(ii)は、ビデオストリームのシーケンスパラメータセット内に制御パラメータが存在する場合を示している。図29の(iii)は、ピクチャのピクチャパラメータセット内に制御パラメータが存在する場合を示している。図29の(iv)は、スライスのスライスヘッダ内に制御パラメータが存在する場合を示している。図29の(v)は、制御パラメータが、ビデオシステムまたはビデオデコーダのセットアップまたは初期化を行うためのパラメータセット内に存在する場合を示している。
制御パラメータが上位層(例えばピクチャパラメータセット)と下位層(例えば、スライスヘッダ)とに2つ存在するならば、下位層に存在する制御パラメータの値で、上位層に存在する制御パラメータの値が上書きされる。制御パラメータは、符号化ビデオストリームのシーケンスパラメータセットにおけるプロファイルインジケータまたはレベルインジケータでもよい。
[動画像符号化装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像符号化装置の動作について説明する。
図30は、実施の形態6に係る動画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS3001において、書込部3002は、制御パラメータを符号化ビデオストリームのヘッダに書き込む。具体的には、書込部3002は、例えば図29に示すように、ビデオパラメータセット内、シーケンスパラメータセット内、ピクチャパラメータセット内、または、スライスヘッダ内に制御パラメータを書き込む。
次に、ステップS3002において、書き込まれる制御パラメータが予め定義された値であるか否かが判定される。制御パラメータの値は、例えば、SAD、SSE、MSEなどを用いてレート歪を表現するコスト関数に基づいて設定されてもよい。機械学習モデルを利用する方式が機械学習モデルを用いない従来方式よりも低いコストとなる場合、制御パラメータは予め定義された値で設定される。
書き込まれる制御パラメータが予め定義された値であれば(S3002のYes)、以下のステップが実行される。
まず、ステップS3003において、抽出部3003は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。
次に、ステップS3004において、分類部3004は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて1以上の再構成画素群を分類する。そして、分類部3004は、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスを選択する。
次に、ステップS3005において、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。パラメータセットは、対象ブロックの符号化処理で用いられるパラメータセットである。具体的には、パラメータセットは、例えば、インター予測における画像ピクセルの補間処理で用いられるフィルタ係数セットであってもよい。また例えば、パラメータセットは、対象ブロックのインループフィルタ処理で用いられるフィルタ係数セットであってもよい。また例えば、パラメータセットは、イントラ予測インデックスであってもよい。また例えば、パラメータセットは、インター予測において複数の予測ブロックの平均化処理で用いられる重み係数セットであってよい。
最後に、ステップS3006において、符号化部3001は、対象ピクチャに含まれる対象ブロックの画像サンプルの符号化処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる符号化処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理である。
一方、書き込まれる制御パラメータが予め定義された値でなければ(S3002のNo)、ステップS3007において、符号化部3001は、対象ピクチャに含まれる対象ブロックの画像サンプルの符号化処理に、予め定められたパラメータセットを用いる。
[動画像復号装置の構成]
次に、上記動画像符号化装置3000から出力された符号化ビットストリームを復号するための動画像復号装置の構成について説明する。図31は、実施の形態6に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図である。
動画像復号装置4000は、入力動画像/画像ビットストリームをブロック単位で復号して、動画像/画像を出力する。図31に示すように、動画像復号装置4000は、復号部4001と、抽出部4003と、分類部4004と、選択部4005と、切替部4006と、読解部4002とを備える。ここで、動画像復号装置4000の各構成要素について説明する。
符号化入力ビットストリームが復号部4001に入力され、復号データ4020が抽出部3003に出力される。復号データ4020は、例えば、1以上の再構成画素群である。
抽出部4003は、復号データ4020から1以上の特徴量4021を抽出し、その特徴量4021を分類部4004に伝送する。
分類部4004は、抽出された特徴量4021と機械学習モデルとを用いて復号データ4020を分類する。そして、分類部4004は、予め定義された複数のインデックスの中から、復号データ4020の分類結果により示されるインデックス4022を選択し、選択したインデックス4022を選択部4005に出力する。
選択部4005は、選択されたインデックス4022を用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット4023を選択し、選択したパラメータセット4023を切替部4006へ出力する。
読解部4002は、入力ビットストリームから制御パラメータ4025を読み解く。また、読解部4002は、切替部4006を制御するために、制御パラメータ4025を切替部4006に伝送する。
切替部4006は、制御パラメータ4025に応じて、機械学習モデルを用いて選択されるパラメータセット4023を符号化ビットストリームの復号処理に用いるかどうかを切り替える。
復号部4001は、切替部4006の切り替えに従って、機械学習モデルを用いて選択されるパラメータセット4023を用いて、または、用いずに、対象ブロックの画像サンプルを復号する。
[動画像復号装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像復号装置4000の動作について説明する。図32は、実施の形態6に係る動画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS4001において、読解部4002は、制御パラメータを符号化ビデオストリームのヘッダから読み解く。
次に、ステップS4002において、切替部4006は、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値であるか否かを判定する。
ここで、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値であれば(S4002のYes)、以下のステップが実行される。
まず、ステップS4003において、抽出部4003は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。抽出される特徴量は、符号化処理中に動画像符号化装置3000で抽出された特徴量と同じである。
次に、ステップS4004において、分類部4004は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。ここで用いられる機械学習モデルは、符号化処理中に動画像符号化装置3000で用いられた機械学習モデルと同じである。
次に、ステップS4005において、選択部4005は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。ここで選択されるパラメータセットは、符号化処理中に動画像符号化装置3000で選択されたものと同じである。
最後に、ステップS4006において、復号部4001は、対象ブロックの画像サンプルの復号処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択された復号パラメータセットを用いる復号処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
一方、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値でなければ(S4002のNo)、ステップS4007において、復号部4001は、対象ブロックの画像サンプルの復号処理に、予め定められたパラメータセットを用いる。予め定められたパラメータセットを用いる復号処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る動画像符号化装置3000および動画像復号装置4000によれば、制御パラメータが予め定義された値であれば、機械学習モデルを用いた分類の結果に対応するパラメータセットが符号化/復号処理に用いられ、制御パラメータが予め定義された値でなければ、予め定められたパラメータセットが符号化/復号処理に用いられる。したがって、機械学習モデルを用いるか否かを制御パラメータによって切り替えることができ、より適切なパラメータセットを用いて符号化/復号処理を行うことができる。
(実施の形態7)
次に、実施の形態7について説明する。実施の形態7では、制御パラメータによって、第1機械学習モデルおよび第2機械学習モデルのどちらを用いるかが制御される点が、上記実施の形態6と異なる。以下に、本実施の形態について、上記実施の形態6と異なる点を中心に説明する。
[動画像符号化装置の構成]
図33は、実施の形態7および8に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
動画像符号化装置3100は、入力動画像/画像をブロック単位で符号化して、符号化された出力ビットストリームを生成する。図33に示すように、動画像符号化装置3100は、符号化部3101と、抽出部3103と、分類部3104と、選択部3105と、書込部3102とを備える。ここで、動画像符号化装置3000の各構成要素について説明する。
入力動画像が符号化部3101に入力され、符号化データ3120が抽出部3103に出力される。符号化データ3120は、例えば、1以上の再構成画素群である。
抽出部3103は、符号化データ3120から1以上の特徴量3121を抽出し、その特徴量3121を分類部3104に伝送する。
書込部3102は、制御パラメータ3124を出力ビットストリームに書き込む。出力ビットストリーム内の制御パラメータ3124の位置は、実施の形態6の制御パラメータの位置と同様であるので説明を省略する。さらに、書込部3102は、制御パラメータ3124を分類部3104に伝送する。
分類部3104は、制御パラメータ3124が予め定義された値であれば、抽出された特徴量3121と第1機械学習モデルとを用いて、符号化出力データ3120を分類する。また、分類部3104は、制御パラメータ3124が予め定義された値でなければ、抽出された特徴量3121と、第1機械学習モデルとは異なる第2機械学習モデルとを用いて、符号化出力データ3120を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、符号化出力データ3120の分類結果により示されるインデックス3122が選択され、選択されたインデックス3122が選択部3105に出力される。
選択部3105は、インデックス3122を用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット3123を選択し、選択したパラメータセット3123を符号化部3101に出力する。
符号化部3101は、選択されたパラメータセット3123を用いて入力動画像を符号化する。
[動画像符号化装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像符号化装置3100の動作について説明する。
図34は、実施の形態7に係る動画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。
ステップS3101において、抽出部3103は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。
次に、ステップS3102において、書込部3102は、制御パラメータを符号化ビデオストリームのヘッダに書き込む。
次に、ステップS3103において、書き込まれる制御パラメータが予め定義された値であるか否かが判定される。
ここで、制御パラメータが予め定義された値であれば(S3103のYes)、ステップS3104において、分類部3104は、抽出された特徴量と第1機械学習モデルとを用いて1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。第1機械学習モデルは、例えば、サポートベクターマシン(SVM)、人工ニューラルネットワーク(ANN)、k平均クラスタリングである。
一方、制御パラメータが予め定義された値でなければ(S3103のNo)、ステップS3105において、分類部3104は、抽出された特徴量と、第1機械学習モデルとは異なる第2機械学習モデルとを用いて、1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。第2機械学習モデルは、例えば、サポートベクターマシン(SVM)、人工ニューラルネットワーク(ANN)、k平均クラスタリングである。
次に、ステップS3106において、選択部3105は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。パラメータセットは、対象ブロックの符号化処理で用いられるパラメータセットである。具体的には、パラメータセットは、例えば、インター予測における画像ピクセルの補間処理で用いられるフィルタ係数セットであってもよい。また例えば、パラメータセットは、対象ブロックのインループフィルタ処理で用いられるフィルタ係数セットであってもよい。また例えば、パラメータセットは、イントラ予測インデックスであってもよい。また例えば、パラメータセットは、インター予測において複数の予測ブロックの平均化処理で用いられる重み係数セットであってよい。
最後に、ステップS3107において、符号化部3101は、対象ブロックの画像サンプルの符号化処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる符号化処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[動画像復号装置の構成]
次に、上記動画像符号化装置3100から出力された符号化ビットストリームを復号するための動画像復号装置の構成について説明する。図35は、実施の形態7および8に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図である。
動画像復号装置4100は、入力動画像/画像ビットストリームをブロック単位で復号して、動画像/画像を出力する。図35に示すように、動画像復号装置4100は、復号部4101と、抽出部4103と、分類部4104と、選択部4105と、読解部4102とを備える。ここで、動画像復号装置4100の各構成要素について説明する。
入力ビットストリームが復号部4101に入力され、復号データ4120が抽出部4103に出力される。復号データ4120は、例えば、1以上の再構成画素群である。
抽出部4103は、復号データ4120から1以上の特徴量4121を抽出し、その特徴量4121を分類部4104に伝送する。
読解部4102は、入力ビットストリームから制御パラメータ4124を読み解く。読解部4102は、読み解かれた制御パラメータ4124を分類部4104へ伝送する。
分類部4104は、制御パラメータ4124が予め定義された値であれば、抽出された特徴量4121と第1機械学習モデルとを用いて、復号データ4120を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、復号データ4120の分類結果により示されるインデックス4122が選択される。選択されたインデックス4122は選択部4105に出力される。
選択部4105は、インデックス4122を用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット4123を選択し、選択したパラメータセット4123を復号部4101へ出力する。
復号部4101は、パラメータセット4123を用いて入力ビットストリームを復号する。
[動画像復号装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像復号装置4100の動作について説明する。図36は、実施の形態7に係る動画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
ステップS4101において、抽出部4103は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。ここで抽出される特徴量は、符号化処理中に動画像符号化装置3100で抽出された特徴量と同じである。
次に、ステップS4102において、読解部4102は、符号化ビデオストリームのヘッダから制御パラメータを読み解く。
次に、ステップS4103において、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値であるか否かが判定される。
ここで、制御パラメータが予め定義された値であれば(S4103のYes)、ステップS4104において、分類部4104は、抽出された特徴量と第1機械学習モデルとを用いて、1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。ここで用いられる第1機械学習モデルは、符号化処置中に動画像符号化装置3100で用いられた第1学習モデルと同じである。
一方、制御パラメータが予め定義された値でなければ(S4103のNo)、ステップS4105において、分類部4104は、抽出された特徴量と、第1機械学習モデルとは異なる第2機械学習モデルとを用いて、1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。第2機械学習モデルは、符号化処理中に動画像符号化装置3100で用いられた第2機械学習モデルと同じである。
次に、ステップS4106において、選択部4105は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。ここで選択されるパラメータセットは、符号化処理中に動画像符号化装置3100で選択されたものと同じである。
最後に、ステップS4107において、復号部4101は、対象ブロックの画像サンプルの復号処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる復号処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る動画像符号化装置3100および動画像復号装置4100によれば、制御パラメータが予め定義された値であるか否かに応じて、第1機械学習モデルおよび第2機械学習モデルのいずれか一方を用いて分類を行うことができる。したがって、分類に用いる機械学習モデルの自由度を高めることができ、より適切な分類の結果(つまり、パラメータセット)を得ることができる。
(実施の形態8)
次に、実施の形態8について説明する。実施の形態8では、機械学習モデルを修正するための第2制御パラメータがビットストリームに含まれうる点が、上記実施の形態6および7と異なる。以下に、本実施の形態について、上記実施の形態6および7と異なる点を中心に説明する。
[動画像符号化装置の構成]
本実施の形態に係る動画像符号化装置の構成は、実施の形態7に係る動画像符号化装置の構成と実質的に同一である。したがって、図33を参照しながら本実施の形態に係る動画像符号化装置の構成について、実施の形態7と異なる点を中心に説明する。
書込部3102は、第1制御パラメータを出力ビットストリームへ書き込む。また、書込部3102は、第1制御パラメータが予め定義された値であれば、第2制御パラメータを出力ビットストリームに書き込む。制御パラメータ3124(第1制御パラメータおよび第2制御パラメータ)は、分類部3104に伝送される。なお、出力ビットストリーム内の第1制御パラメータおよび第2制御パラメータの位置は、実施の形態6の制御パラメータの位置と同様であるので説明を省略する。
第1制御パラメータが予め定義された値であれば、分類部3104は、第2制御パラメータを用いて機械学習モデルを修正または更新し、修正または更新された機械学習モデルと1以上の特徴量3121とを用いて、符号化出力データ3120を分類する。一方、第1制御パラメータが予め定義された値でなければ、分類部3104は、機械学習モデルを修正せずに、そのままの機械学習モデルと特徴量3121とを用いて符号化出力データ3120を分類する。これらの分類により、予め定義された複数のインデックスの中から、符号化出力データ3120の分類結果により示されるインデックス3122が選択され、選択されたインデックス3122が選択部3105に出力される。
符号化部3101は、選択部3105により選択されたパラメータセット3123を用いて入力動画像を符号化する。
[動画像符号化装置の動作]
以上のように構成された実施の形態8に係る動画像符号化装置3100の動作について説明する。
図37は、実施の形態8に係る動画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS3201において、抽出部3103は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。
次に、ステップS3202において、書込部3102は、第1制御パラメータを符号化ビデオストリームのヘッダに書き込む。
次に、ステップS3203において、書き込まれた第1制御パラメータが予め定義された値であるか否かが判定される。
ここで、第1制御パラメータが予め定義された値であれば(S3203のYes)、以下のステップが実行される。
まず、ステップS3204において、書込部3102は、第2制御パラメータをビットストリームのヘッダに書き込む。第2制御パラメータは、機械学習モデルを修正するために用いられるパラメータである。第2制御パラメータは、例えば、所定の画像群を用いた機械学習処理から得られた訓練データ、あるいは、訓練データを特定するための情報である。また、第2制御パラメータは、分類結果を示す複数のインデックスと複数のパラメータセットとの対応付けを修正するためのパラメータであってもよい。
次に、ステップS3206において、分類部3104は、書き込まれた第2制御パラメータを用いて機械学習モデルを修正する。そして、分類部3104は、抽出された特徴量と修正された機械学習モデルとを用いて、1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。
一方、書き込まれた第2制御パラメータが予め定義された値でなければ(S3203のNo)、ステップS3205において、抽出された特徴量と(修正されていない)機械学習モデルとを用いて、1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。
次に、ステップS3208において、選択部3105は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。
最後に、ステップS3209において、符号化部3101は、対象ブロックの画像サンプルの符号化処理に、選択されたパラメータセットを用いる。
[動画像復号装置の構成]
次に、上記動画像符号化装置3100から出力された符号化ビットストリームを復号するための動画像復号装置の構成について説明する。本実施の形態に係る動画像復号装置の構成は、実施の形態7に係る動画像復号装置の構成と実質的に同一である。したがって、図35を参照しながら本実施の形態に係る動画像復号装置の構成について、実施の形態7と異なる点を中心に説明する。
読解部4102は、入力ビットストリームから第1制御パラメータを読み解く。また、読解部4102は、第1制御パラメータが予め定義された値であれば、機械学習モデルを修正または更新するための第2制御パラメータを入力ビットストリームから読み解く。読み解かれた制御パラメータ4124(第1制御パラメータおよび第2制御パラメータ)は分類部4104へ伝送される。
分類部4104は、第1制御パラメータが予め定義された値でなければ、1以上の特徴量4121および機械学習モデルを用いて、復号データ4120を分類する。また、分類部4104は、第1制御パラメータが予め定義された値であれば、第2制御パラメータを用いて機械学習モデルを修正し、修正した機械学習モデルと特徴量4121とを用いて、復号データ4120を分類する。これらの分類により、予め定義された複数のインデックスの中から、復号データ4120の分類結果により示されるインデックス4122が選択され、選択されたインデックス4122が選択部4105に出力される。
復号部4101は、選択部4105により選択されたパラメータセット4123を用いて入力動画像を復号する。
[動画像復号装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像復号装置4100の動作について説明する。図38は、実施の形態8に係る動画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS4201において、抽出部4103は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。ここで抽出される特徴量は、符号化処理中に動画像符号化装置3100で抽出された特徴量と同じである。
次に、ステップS4202において、読解部4102は、第1制御パラメータを符号化ビデオストリームのヘッダから読み解く。
次に、ステップS4203において、読み解かれた第1制御パラメータが予め定義された値であるか否かが判定される。
ここで、読み解かれた第1制御パラメータが予め定義された値であれば(S4203のYes)、以下のステップが実行される。
まず、ステップS4204において、読解部4102は、機械学習モデルを修正するための第2制御パラメータセットをビットストリームのヘッダから読み解く。第2制御パラメータは、例えば、所定の画像群を用いた機械学習処理から得られた訓練データである。また、第2制御パラメータは、分類結果を示す複数のインデックスと複数のパラメータセットとの対応付けを修正するためのパラメータであってもよい。
次に、ステップS4206において、分類部4104は、読み解かれた第2制御パラメータを用いて機械学習モデルを修正する。そして、分類部4104は、抽出された特徴量と修正した機械学習モデルとを用いて1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。
一方、読み解かれた第1制御パラメータが予め定義された値でなければ(S4203のNo)、ステップS4205において、分類部4104は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。ここで用いられる機械学習モデルは、第2制御パラメータを用いて修正されていない機械学習モデルである。
次に、ステップS4208において、選択部4105は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。ここで選択されるパラメータセットは、符号化処理中に動画像符号化装置3100で選択されたものと同じである。
最後に、ステップS4209において、復号部4101は、対象ブロックの画像サンプルの復号処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる復号処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る動画像符号化装置3100および動画像復号装置4100によれば、第2制御パラメータを用いて機械学習モデルを修正することができる。したがって、より適切な機械学習モデルを用いて分類を行うことができ、より適切な分類の結果(つまり、パラメータセット)を得ることができる。
(実施の形態9)
次に、実施の形態9について説明する。実施の形態9では、符号化/復号処理に用いるパラメータセットを、機械学習モデルを用いずに選択するための第2制御パラメータがビットストリームに含まれうる点が、上記実施の形態6〜8と異なる。以下に、本実施の形態について、上記実施の形態6〜8と異なる点を中心に説明する。
[動画像符号化装置の構成」
図39は、実施の形態9に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
動画像符号化装置3200は、入力動画像/画像をブロック単位で符号化して、符号化された出力ビットストリームを生成する。図39に示すように、動画像符号化装置3200は、符号化部3201と、抽出部3203と、分類部3204と、選択部3205と、書込部3202とを備える。ここで、動画像符号化装置3200の各構成要素について説明する。
入力動画像が符号化部3201に入力され、符号化データ3220が抽出部3203に出力される。符号化データ3220は、例えば、1以上の再構成画素群である。
抽出部3203は、符号化データ3220から1以上の特徴量3221を抽出し、その特徴量3221を分類部3204に伝送する。
書込部3202は、第1制御パラメータを出力ビットストリームに書き込む。この第1制御パラメータが予め定義された値であれば、書込部3202は、さらに、第2制御パラメータを出力ビットストリームに書き込む。制御パラメータ3224(第1制御パラメータおよび第2制御パラメータ)は、選択部3205に伝送される。出力ビットストリーム内の第1制御パラメータおよび第2制御パラメータの位置は、実施の形態6の制御パラメータの位置と同様であるので説明を省略する。
分類部3204は、抽出された特徴量3221と機械学習モデルとを用いて符号化データ3220を分類する。その結果、予め定義された複数のインデックスの中から、符号化データ3220の分類結果により示されるインデックス3222が選択される。選択されたインデックス3222は選択部3205に伝送される。
選択部3205は、第1制御パラメータが予め定義された値であれば、第2制御パラメータを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット3223を選択し、選択したパラメータセット3223を符号化部3201に出力する。また、選択部3205は、第1制御パラメータが予め定義された値でなければ、分類部3204によって選択されたインデックス3222を用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット3223を選択し、選択したパラメータセット3223を符号化部3201に出力する。
符号化部3201は、選択されたパラメータセット3223を用いて入力動画像を符号化する。
[動画像符号化装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像符号化装置3200の動作について説明する。
図40は、実施の形態9に係る動画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS3301において、抽出部3203は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。
次に、ステップS3302において、分類部3204は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて、1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画像の分類結果により示されるインデックスが選択される。機械学習モデルは、例えば、サポートベクターマシン(SVM)、人工ニューラルネットワーク(ANN)、k平均クラスタリングである。
次に、ステップS3303において、書込部3202は、第1制御パラメータを符号化ビデオストリームのヘッダに書き込む。
次に、ステップS3304において、書き込まれた制御パラメータが予め定義された値であるか否かが判定される。
ここで、書き込まれる第1制御パラメータが予め定義された値であれば(S3304のYes)、以下のステップが実行される。
まず、ステップS3305において、書込部3202は、第2制御パラメータをビットストリームのヘッダに書き込む。第2制御パラメータは、予め定義された複数のインデックスの中から1つのインデックスを選択するためのパラメータである。
ステップS3306において、選択部3205は、第2制御パラメータを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から、1つのパラメータセットを選択する。当パラメータセットは、対象ブロックの符号化処理で用いられるパラメータセットである。具体的には、パラメータセットは、例えば、インター予測における画像ピクセルの補間処理で用いられるフィルタ係数セットであってもよい。また例えば、パラメータセットは、対象ブロックのインループフィルタ処理で用いられるフィルタ係数セットであってもよい。また例えば、パラメータセットは、イントラ予測インデックスであってもよい。また例えば、パラメータセットは、インター予測において複数の予測ブロックの平均化処理で用いられる重み係数セットであってよい。
一方、書き込まれる第1制御パラメータが予め定義された値でなければ(S3304のNo)、ステップS3307において、選択部3205は、第2制御パラメータを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。
最後に、ステップS3309において、符号化部3201は、対象ブロックの画像サンプルの符号化処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる符号化処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[動画像復号装置の構成]
次に、上記動画像符号化装置3200から出力された符号化ビットストリームを復号するための動画像復号装置の構成について説明する。図41は、実施の形態9に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図である。
動画像復号装置4200は、入力動画像/画像ビットストリームをブロック単位で復号して、動画像/画像を出力する。図41に示すように、動画像復号装置4200は、復号部4201と、抽出部4203と、分類部4204と、選択部4205と、読解部4202とを備える。ここで、動画像復号装置4200の各構成要素について説明する。
入力ビットストリームが復号部4201に入力され、復号データ4220が抽出部4203に出力される。復号データ4220は、例えば、1以上の再構成画素群である。
抽出部4203は、復号データ4220から1以上の特徴量4221を抽出し、その特徴量4221を分類部4204に伝送する。
分類部4204は、抽出された特徴量4221と機械学習モデルとを用いて、復号データ4220を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、復号データ4220の分類結果により示されるインデックス4222が選択され、選択されたインデックス4222が選択部4205に伝送される。
読解部4202は、入力ビットストリームから第1制御パラメータを読み解く。また、読解部4202は、第1制御パラメータが予め定義された値であれば、入力ビットストリームから第2制御パラメータを読み解く。読み解かれた制御パラメータ4224(第1制御パラメータおよび第2制御パラメータ)は、選択部4205に伝送される。
選択部4205は、第1制御パラメータが予め定義された値であれば、第2制御パラメータを用いて、複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット4223を選択し、選択したパラメータセット4223を復号部4201に出力する。また、選択部4205は、第1制御パラメータが予め定義された値でなければ、分類部4204によって選択されたインデックス4222を用いて、複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット4223を選択し、選択したパラメータセット4223を復号部4201に出力する。
復号部4201は、選択されたパラメータセット4223を用いて入力動画像を復号する。
[動画像復号装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像復号装置4200の動作について説明する。図42は、実施の形態9に係る動画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS4301において、抽出部4203は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。ここで抽出される特徴量は、符号化処理中に動画像符号化装置3200で抽出された特徴量と同じである。
次に、ステップS4302において、分類部4204は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて、1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。機械学習モデルは、符号化処理中に動画像符号化装置3200で用いられた機械学習モデルと同じである。
次に、ステップS4303において、読解部4202は、符号化ビデオストリームのヘッダから第1制御パラメータを読み解く。
次に、ステップS4304において、読み解かれた第1制御パラメータが予め定義された値であるか否かが判定される。
ここで、読み解かれた第1制御パラメータが予め定義された値であれば(S4304のYes)、以下のステップが実行される。
まず、ステップS4305において、読解部4202は、ビットストリームのヘッダから第2制御パラメータを読み解く。第2制御パラメータは、復号処理に用いられるパラメータセットを選択するのに用いられる。
そして、ステップS4306において、選択部4205は、読み解かれた第2制御パラメータセットを用いて、複数の予め定義されたパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。ここで選択されるパラメータセットは、符号化処理中に動画像符号化装置3200で選択されたものと同じである。
一方、読み解かれた第1制御パラメータが予め定義された値でなければ(S4304のNo)、ステップS4307において、選択部4205は、ステップS4302で選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。
最後に、ステップS4309において、復号部4201は、対象ブロックの画像サンプルの復号処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる復号処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る動画像符号化装置3200および動画像復号装置4200によれば、第1制御パラメータが予め定義された値であれば、第2制御パラメータが示すパラメータセットを用いて、対象ブロックの符号化処理を行うことができる。したがって、機械学習モデルを用いた分類による符号量の削減と、第2制御パラメータによる処理負荷の低減とのいずれかを選択することができ、処理負荷と符号化効率とのバランスを図ることができる。
(実施の形態10)
次に、実施の形態10について説明する。実施の形態10では、特徴量の抽出方法を第1の方法と第2の方法との間で切り替えるための制御パラメータがビットストリームに含まれる点が、上記実施の形態6〜9と異なる。以下に、本実施の形態について、上記実施の形態6〜9と異なる点を中心に説明する。
[動画像符号化装置の構成]
図43は、実施の形態10および11に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
動画像符号化装置3300は、入力動画像/画像をブロック単位で符号化して、符号化された出力ビットストリームを生成する。図43に示すように、動画像符号化装置3300は、符号化部3301と、抽出部3303と、分類部3304と、選択部3305と、書込部3302とを備える。ここで、動画像符号化装置3300の各構成要素について説明する。
入力動画像が符号化部3301に入力され、符号化データ3320が抽出部3303に出力される。符号化データ3320は、例えば、1以上の再構成画素群である。
書込部3302は、制御パラメータ3324を出力ビットストリームへ書き込む。また、書込部3302は、制御パラメータ3324を抽出部3303へ伝送する。なお、出力ビットストリーム内の制御パラメータ3324の位置は、実施の形態6の制御パラメータの位置と同様であるので説明を省略する。
抽出部3303は、制御パラメータ3324が予め定義された値であれば、予め定められた第1の方法で符号化データ3320から1以上の特徴量3321を抽出し、その特徴量3321を分類部3304に伝送する。また、抽出部3303は、制御パラメータ3324が予め定義された値でなければ、第1の方法とは異なる予め定められた第2の方法で符号化出力データ3320から1以上の特徴量3321を抽出し、その特徴量3321を分類部3304に伝送する。
第1の方法で抽出される特徴量と第2の方法で抽出される特徴量とは互いに異なる。例えば、第1の方法で抽出される特徴量がブロック内の輝度値の分散値であり、第2の方法で抽出される特徴量がSIFTであってもよい。
分類部3304は、抽出された特徴量3321と機械学習モデルとを用いて符号化データ3320を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、符号化データ3320の分類結果により示されるインデックス3322が選択され、選択されたインデックス3322が選択部3305に出力される。
選択部3305は、選択されたインデックス3322を用いて、複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット3323を選択し、選択したパラメータセット3323を符号化部3301に出力する。
符号化部3301は、選択されたパラメータセット3323を用いて入力動画像を符号化する。
[動画像符号化装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像符号化装置3300の動作について説明する。
図44は、実施の形態10に係る動画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS3401において、書込部3302は、制御パラメータを符号化ビデオストリームのヘッダに書き込む。
次に、ステップS3402において、書き込まれた制御パラメータが予め定義された値であるか否かが判定される。
ここで、書き込まれる制御パラメータが予め定義された値であれば(S3402のYes)、ステップS3403において、抽出部3303は、予め定められた第1の方法を用いて、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。
一方、書き込まれる制御パラメータが予め定義された値でなければ(S3402のNo)、ステップS3404において、抽出部3303は、第1の方法と異なる予め定められた第2の方法を用いて、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。
次に、ステップS3405において、分類部3304は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて、1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。
次に、ステップS3406において、選択部3305は、ステップS3405で選択されたインデックスを用いて、複数のパラメータセットの中からパラメータセットを選択する。
最後に、ステップS3407において、符号化部3301は、対象ブロックの画像サンプルの符号化処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる符号化処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[動画像復号装置の構成]
次に、上記動画像符号化装置3300から出力された符号化ビットストリームを復号するための動画像復号装置の構成について説明する。図45は、実施の形態10および11に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図である。
動画像復号装置4300は、入力動画像/画像ビットストリームをブロック単位で復号して、動画像/画像を出力する。図45に示すように、動画像復号装置4300は、復号部4301と、抽出部4303と、分類部4304と、選択部4305と、読解部4302とを備える。ここで、動画像復号装置4300の各構成要素について説明する。
入力ビットストリームが復号部4301に入力され、復号データ4320が抽出部4303に出力される。復号データ4320は、例えば、1以上の再構成画素群である。
読解部4302は、入力ビットストリームから制御パラメータを読み解く。また、読解部4302は、読み解かれた制御パラメータを抽出部4303へ伝送する。
抽出部4303は、制御パラメータが予め定義された値であれば、予め定められた第1の方法で復号データ4320から1以上の特徴量4321を抽出し、その特徴量4321を分類部4304に伝送する。また、抽出部4303は、制御パラメータが予め定義された値でなければ、第1の方法とは異なる予め定められた第2の方法で復号データ4320から1以上の特徴量4321を抽出し、その特徴量4321を分類部4304に伝送する。
分類部4304は、抽出された特徴量4321と機械学習モデルとを用いて復号データ4320を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、復号データ4320の分類結果により示されるインデックス4322が選択され、選択されたインデックス4322が選択部4305に出力される。
選択部4305は、選択されたインデックス4322を用いて複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット4323を選択し、選択したパラメータセット4323を復号部4301に出力する。
復号部4301は、選択されたパラメータセット4323を用いて入力動画像を復号する。
[動画像復号装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像復号装置の動作について説明する。図46は、実施の形態10に係る動画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS4401において、読解部4302は、符号化ビデオストリームのヘッダから制御パラメータを読み解く。
次に、ステップS4402において、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値であるか否かが判定される。
ここで、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値であれば(S4402のYes)、ステップS4403において、抽出部4303は、予め定められた第1の方法を用いて、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。一方、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値でなければ(S4402のNo)、ステップS4404において、抽出部4303は、第1の方法と異なる、予め定められた第2の方法を用いて、1以上の再構成画素群から特徴量を抽出する。ここで抽出される特徴量は、符号化処理中に動画像符号化装置3400で抽出された特徴量と同じである。
次に、ステップS4405において、分類部4304は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果によって示されるインデックスが選択される。機械学習モデルは、符号化処理中に動画像符号化装置3400で用いられた機械学習モデルと同じである。
次に、ステップS4406において、選択部4305は、ステップS4405で選択されたインデックスを用いて、複数のパラメータセットの中からパラメータセットを選択する。
最後に、ステップS4407において、復号部4301は、対象ブロックの画像サンプルの復号処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる復号処理は、例えば、イントラ予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る動画像符号化装置3300および動画像復号装置4300によれば、制御パラメータが予め定義された値であるか否かに応じて、特徴量の抽出方法を第1の方法と第2の方法との間で切り替えることができる。したがって、より対象ブロックに適した方法で1以上の特徴量を抽出することが可能となる。
(実施の形態11)
次に、実施の形態11について説明する。実施の形態11では、特徴量の抽出方法を制御するための制御パラメータがビットストリームに含まれる点が、上記実施の形態6〜10と異なる。以下に、本実施の形態について、上記実施の形態6〜10と異なる点を中心に説明する。
[動画像符号化装置の構成]
本実施の形態に係る動画像符号化装置の構成は、実施の形態10に係る動画像符号化装置の構成と実質的に同一である。したがって、図43を参照しながら本実施の形態に係る動画像符号化装置の構成について、実施の形態10と異なる点を中心に説明する。
書込部3302は、特徴量の抽出方法を制御するため制御パラメータ3324を出力ビットストリームへ書き込む。また、書込部3302は、制御パラメータ3324を抽出部3303へ伝送する。なお、出力ビットストリーム内の制御パラメータ3324の位置は、実施の形態6の制御パラメータの位置と同様であるので説明を省略する。
抽出部3303は、制御パラメータ3324が示す予め定義された抽出方法を用いて符号化出力データ3320から1以上の特徴量3321を抽出し、その特徴量3321を分類部3304に伝送する。
[動画像符号化装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像符号化装置の動作について説明する。
図47は、実施の形態11に係る動画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS3501において、書込部3302は、特徴量の抽出方法を示す制御パラメータを符号化ビデオストリームのヘッダに書き込む。
ステップS3502において、抽出部3303は、書き込まれた制御パラメータが示す抽出方法を用いて、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。この制御パラメータによって、1以上の再構成画素群から抽出される特徴量のタイプ、または、抽出方法が制御される。例えば、制御パラメータは、特徴量が抽出される画像ブロックサイズ(幅および高さ)などを示してもよい。また、制御パラメータは、特徴量のタイプを示してもよい。特徴量のタイプは、例えば、輝度情報、勾配情報、分散情報、ガボールフィルタ、LBP、SIFT、HOG、FV等である。
次に、ステップS3503において、分類部3304は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。
次に、ステップS3504において、選択部3305は、ステップS3503で選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中からパラメータセットを選択する。
最後に、ステップS3505において、符号化部3301は、対象ブロックの画像サンプルの符号化処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる符号化処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[動画像復号装置の構成]
次に、上記動画像符号化装置3300から出力された符号化ビットストリームを復号するための動画像復号装置の構成について説明する。本実施の形態に係る動画像復号装置の構成は、実施の形態10に係る動画像復号装置の構成と実質的に同一である。したがって、図45を参照しながら本実施の形態に係る動画像復号装置の構成について、実施の形態10と異なる点を中心に説明する。
読解部4302は、入力ビットストリームから、特徴量の抽出方法を制御するための制御パラメータ4324を読み解く。また、読解部4302は、読み解かれた制御パラメータ4324を抽出部4303へ伝送する。
抽出部4303は、制御パラメータ4324が示す抽出方法で、復号データ4320から1以上の特徴量4321を抽出し、その特徴量4321を分類部4304に伝送する。
[動画像復号装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像復号装置4300の動作について説明する。図48は、実施の形態11に係る動画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS4501において、読解部4302は、符号化ビデオストリームのヘッダから制御パラメータを読み解く。
ステップS4502において、抽出部4303は、読み解かれた制御パラメータが示す抽出方法を用いて、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。
次に、ステップS4503において、分類部4304は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。機械学習モデルは、符号化処理中に動画像符号化装置3300で用いられた機械学習モデルと同じである。
次に、ステップS4504において、選択部4305は、ステップS4503で選択されたインデックスを用いて、複数のパラメータセットの中からパラメータセットを選択する。
最後に、ステップS4505において、復号部4301は、対象ブロックの画像サンプルの復号処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる復号処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る動画像符号化装置3300および動画像復号装置4300によれば、制御パラメータが示す抽出方法を用いて、1以上の特徴量を抽出することができる。したがって、より自由に抽出方法を選択することができ、より対象ブロックに適した方法で特徴量を抽出することが可能となる。
(実施の形態12)
次に、実施の形態12について説明する。実施の形態12では、制御パラメータに応じて空間的または時間的に隣接するブロックからインデックスを導出する点が、上記実施の形態6〜11と異なる。以下に、本実施の形態について、上記実施の形態6〜11と異なる点を中心に説明する。
[動画像符号化装置の構成]
図49は、実施の形態12に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
動画像符号化装置3400は、入力動画像/画像をブロック単位で符号化して、符号化された出力ビットストリームを生成する。図49に示すように、動画像符号化装置3400は、符号化部3401と、抽出部3403と、分類部3404と、選択部3405と、切替部3406と、導出部3407と、書込部3402とを備える。ここで、動画像符号化装置3400の各構成要素について説明する。
入力動画像が符号化部3401に入力され、符号化データ3420が抽出部3403に出力される。符号化データ3420は、例えば、1以上の再構成画素群である。
抽出部3403は、符号化データ3420から1以上の特徴量3421を抽出し、その特徴量3421を分類部3404に伝送する。
分類部3404は、抽出された特徴量3421と機械学習モデルとを用いて符号化データ3420を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から符号化データ3420の分類結果により示されるインデックス3422Aが選択され、選択されたインデックス3422Aが切替部3406に出力される。
書込部3402は、制御パラメータ3425を出力ビットストリームへ書き込む。また、書込部3402は、制御パラメータ3425を切替部3406に伝送する。なお、出力ビットストリーム内の制御パラメータ3425の位置は、実施の形態6の制御パラメータの位置と同様であるので説明を省略する。
導出部3407は、対象ブロックと空間的または時間的に隣接するブロックからインデックス3422Bを導出し、導出したインデックス3422Bを切替部3406へ出力する。例えば、導出部3407は、対象ブロックと空間的または時間的に隣接するブロックにおいて用いられたインデックスを導出する。時間的に隣接するブロックとは、対象ピクチャと異なる参照ピクチャに含まれる画像ブロックのことであり、空間的に隣接するブロックとは、対象ブロックと同じ対象ピクチャ内にある画像ブロックのことである。
切替部3406は、制御パラメータの値に応じて、分類部3404からのインデックス3422Aを選択部3405に伝送するか、導出部3407からのインデックス3422Bを選択部3405に伝送するかを切り替える。つまり、切替部3406を介して、インデックス3422Aおよびインデックス3422Bのいずれか一方が、インデックス3424として選択部3405に伝送される。
選択部3405は、切替部3406から伝送されたインデックス3424を用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット3423を選択し、選択したパラメータセット3423を符号化部3401に出力する。
符号化部3401は、選択されたパラメータセットを用いて入力動画像を符号化する。
[動画像符号化装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像符号化装置の動作について説明する。
図50は、実施の形態12に係る動画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。
また、ステップS3601において、書込部3402は、制御パラメータを符号化ビデオストリームのヘッダに書き込む。
ここで、書き込まれた制御パラメータが予め定義された値であれば(S3602のYes)、以下のステップが実行される。
まず、ステップS3603において、抽出部3403は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。
次に、ステップS3604において、分類部3404は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。
一方、書き込まれた制御パラメータが予め定義された値でなければ(S3602のNo)、ステップS3607において、導出部3407は、対象ブロックと空間的または時間的に隣接するブロックからインデックスを導出する。
次に、ステップS3605において、選択部3405は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数の復号パラメータセットの中から1つの復号パラメータセットを選択する。
最後に、ステップS3606において、符号化部3401は、対象ブロックの画像サンプルの符号化処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる符号化処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[動画像復号装置の構成]
次に、上記動画像符号化装置3400から出力された符号化ビットストリームを復号するための動画像復号装置の構成について説明する。図51は、実施の形態12に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図である。
動画像復号装置4400は、入力動画像/画像ビットストリームをブロック単位で復号して、動画像/画像を出力する。図51に示すように、動画像復号装置4400は、復号部4401と、抽出部4403と、分類部4404と、選択部4405と、切替部4406と、導出部4407と、読解部4402とを備える。ここで、動画像復号装置4400の各構成要素について説明する。
符号化入力ビットストリームが復号部4401に入力され、復号データ4420が抽出部4403に出力される。復号データ4420は、例えば、1以上の再構成画素群である。
抽出部4403は、復号データ4420から1以上の特徴量4421を抽出し、その特徴量4421を分類部4404に伝送する。
分類部4404は、抽出された特徴量4421と機械学習モデルとを用いて、復号データ4420を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、復号データ4420の分類結果により示されるインデックス4422Aが選択され、選択されたインデックス4422Aが選択部4405に出力される。
読解部4402は、入力ビットストリームから制御パラメータ4425を読み解く。また、読解部4402は、制御パラメータ4425を切替部4406に伝送する。
導出部4407は、空間的または時間的に隣接するブロックからインデックス4422Bを導出し、導出したインデックス4422Bを切替部4406へ出力する。
切替部4406は、制御パラメータの値に応じて、分類部4404からのインデックス4422Aを選択部4405に伝送するか、導出部4407からのインデックス4422Bを選択部4405に伝送するかを切り替える。つまり、切替部4406を介して、インデックス4422Aおよびインデックス4422Bのいずれか一方が、インデックス4424として選択部4405に伝送される。
選択部4405は、切替部4406から伝送されたインデックス4424を用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット4423を選択し、選択したパラメータセット4423を復号部4401に出力する。
復号部4401は、選択されたパラメータセット4423を用いて符号化動画像を復号する。
[動画像復号装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像復号装置4400の動作について説明する。図52は、実施の形態12に係る動画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS4601において、読解部4402は、符号化ビデオストリームのヘッダから制御パラメータを読み解く。制御パラメータが予め定義された値でない場合、当該パラメータは、低複雑度モードを示している。
ステップS4602において、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値であるか否かが判定される。
ここで、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値であれば(S4602のYes)、以下のステップが実行される。
まず、ステップS4603において、抽出部4403は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。ここで抽出される特徴量は、符号化処理中に動画像符号化装置3400で抽出された特徴量と同じである。
次に、ステップS4604において、分類部4404は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。機械学習モデルは、符号化処理中に動画像符号化装置3400で用いられた機械学習モデルと同じである。
一方、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値でなければ、ステップS4607において、導出部4407は、空間的または時間的に隣接するブロックからインデックスを導出する。
次に、ステップS4605において、選択部4405は、選択または導出されたインデックスを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。
最後に、ステップS4606において、復号部4401は、対象ブロックの画像サンプルの復号処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる復号処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[効果]
以上のように、本実施の形態に係る動画像符号化装置3400および動画像復号装置4400によれば、隣接ブロックから導出されたパラメータセットと、機械学習モデルを用いた分類により得られたパラメータセットとを選択的に用いることができる。したがって、隣接ブロックから導出されたパラメータセットが対象ブロックの符号化/復号処理に適していれば、隣接ブロックから導出されたパラメータセットを用いることにより処理負荷を低減することができる。
(実施の形態13)
次に、実施の形態13について説明する。実施の形態13では、制御パラメータの値に応じてパラメータセットのインデックスそのものがビットストリームに含まれる点が、上記実施の形態6〜12と異なる。以下に、本実施の形態について、上記実施の形態6〜12と異なる点を中心に説明する。
[動画像符号化装置の構成]
図53は、実施の形態13に係る動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
動画像符号化装置3500は、入力動画像/画像をブロック単位で符号化して、符号化された出力ビットストリームを生成する。図53に示すように、動画像符号化装置3500は、符号化部3501と、抽出部3503と、分類部3504と、選択部3505と、切替部3506と、書込部3507と、書込部3502とを備える。ここで、動画像符号化装置3500の各構成要素について説明する。
入力動画像が符号化部3501に入力され、符号化データ3520が抽出部3503に出力される。符号化データ3520は、例えば、1以上の再構成画素群である。
抽出部3503は、符号化データ3520から1以上の特徴量3521を抽出し、その特徴量3521を分類部3504に伝送する。
分類部3504は、抽出された特徴量3521と機械学習モデルとを用いて符号化データ3520を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から符号化データ3520の分類結果により示されるインデックス3522Aが選択され、選択されたインデックス3522Aが切替部3506に出力される。
書込部3502は、制御パラメータ3525を出力ビットストリームへ書き込む。また、書込部3502は、制御パラメータ3525を切替部3506に伝送する。
書込部3507は、インデックス3522Bを出力ビットストリームに書き込み、書き込んだインデックス3522Bを切替部3506に伝送する。
なお、出力ビットストリーム内の制御パラメータ3525の位置は、実施の形態6の制御パラメータの位置と同様であるので説明を省略する。インデックス3522Bの位置は、制御パラメータ3525と同じ位置であってもよい。インデックスがヘッダから読み解けない場合は、空間的または時間的に隣接するブロックからインデックスが導出されてもよい。
切替部3506は、制御パラメータの値に応じて、分類部3504からのインデックス3522Aを選択部3505に伝送するか、書込部3507からのインデックス3522Bを選択部3505に伝送するかを切り替える。つまり、切替部3506を介して、インデックス3522Aおよびインデックス3522Bのいずれか一方が、インデックス3524として選択部3505に伝送される。
選択部3505は、切替部3506から伝送されたインデックス3524を用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット3523を選択し、選択したパラメータセット3523を符号化部3501に出力する。
符号化部3501は、選択されたパラメータセット3523を用いて入力動画像を符号化する。
[動画像符号化装置の動作]
次に、以上のように構成された動画像符号化装置3500の動作について説明する。
図54は、実施の形態13に係る動画像符号化装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS3701において、書込部3502は、制御パラメータを符号化ビデオストリームのヘッダに書き込む。
ステップS3703において、抽出部3503は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。
次に、ステップS3704において、分類部3504は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。
次に、ステップS3702において、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値であるか否かが判定される。
ここで、書き込まれた制御パラメータが予め定義された値でなければ(S3702のNo)、ステップS3707において、書込部3507は、インデックスを符号化ビデオストリームのヘッダに書き込む。一方、書き込まれた制御パラメータが予め定義された値であれば(S3702のYes)、インデックスはヘッダに書き込まれず、そのまま次のステップS3705が実行される。
ステップS3705において、選択部3505は、選択されたインデックスを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。
最後に、ステップS3706において、符号化部3501は、対象ブロックの画像サンプルの符号化処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる符号化処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[動画像復号装置の構成]
次に、上記動画像符号化装置3500から出力された符号化ビットストリームを復号するための動画像復号装置の構成について説明する。図55は、実施の形態13に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図である。
動画像復号装置4500は、入力動画像/画像ビットストリームをブロック単位で復号して、動画像/画像を出力する。図55に示すように、動画像復号装置4500は、復号部4501と、抽出部4503と、分類部4504と、選択部4505と、切替部4506と、読解部4507と、読解部4502とを備える。ここで、動画像復号装置4500の各構成要素について説明する。
符号化入力ビットストリームが復号部4501に入力され、復号データ4520が抽出部4503に出力される。復号データ4520は、例えば、1以上の再構成画素群である。
抽出部4503は、復号データ4520から1以上の特徴量4521を抽出し、その特徴量4521を分類部4504に伝送する。
分類部4504は、抽出された特徴量4521と機械学習モデルとを用いて復号データ4520を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から復号データ4520の分類結果により示されるインデックス4522Aが選択され、選択されたインデックス4522Aが選択部4505に出力される。
読解部4502は、入力ビットストリームから制御パラメータ4525を読み解く。また、読解部4502は、読み解いた制御パラメータ4525を切替部4506に伝送する。
読解部4507は、制御パラメータ4525が予め定義された値でなければ、入力ビットストリームからインデックス4522Bを読み解き、読み解いたインデックス4522Bを切替部4506に伝送する。
切替部4506は、制御パラメータ4525の値に応じて、分類部4504からのインデックス4522Aを選択部4505に伝送するか、読解部4507からのインデックス4522Bを選択部4505に伝送するかを切り替える。つまり、切替部4506を介して、インデックス4522Aおよびインデックス4522Bのいずれか一方が、インデックス4524として選択部4505に伝送される。
選択部4505は、切替部4506から伝送されたインデックス4524を用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセット4523を選択し、選択したパラメータセット4523を復号部4501に出力する。
復号部4501は、選択されたパラメータセット4523を用いて符号化動画像を復号する。
[動画像復号装置の動作]
以上のように構成された動画像復号装置4500の動作について説明する。図56は、実施の形態13に係る動画像復号装置の処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS4701において、読解部4502は、制御パラメータを符号化ビデオストリームのヘッダから読み解く。
次に、ステップS4702において、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値であるか否かが判定される。
ここで、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値であれば(S4702のYes)、以下のステップが実行される。
まず、ステップS4703において、抽出部4503は、1以上の再構成画素群から1以上の特徴量を抽出する。ここで抽出される特徴量は、符号化処理中に動画像符号化装置500で抽出された特徴量と同じである。
次に、ステップS4704において、分類部4504は、抽出された特徴量と機械学習モデルとを用いて1以上の再構成画素群を分類する。これにより、予め定義された複数のインデックスの中から、1以上の再構成画素群の分類結果により示されるインデックスが選択される。機械学習モデルは、符号化処理中に動画像符号化装置3500で用いられた機械学習モデルと同じである。
一方、読み解かれた制御パラメータが予め定義された値でなければ(S4702のNo)、ステップS4707において、読解部4507は、符号化ビデオストリームのヘッダからインデックスを読み解く。
次に、ステップS4705において、選択部4505は、選択されたインデックスまたは導出されたインデックスを用いて、予め定義された複数のパラメータセットの中から1つのパラメータセットを選択する。ここで選択されるパラメータセットは、符号化処理中に動画像符号化装置3500で選択されたものと同じである。
最後に、ステップS4706において、復号部4501は、対象ブロックの画像サンプルの復号処理に、選択されたパラメータセットを用いる。選択されたパラメータセットを用いる復号処理は、例えば、インター予測における補間処理および平均化処理、ループ内フィルタ処理、ならびにイントラ予測処理の1つまたは任意の組み合わせである。
[効果]
以上のように構成された動画像符号化装置3500および動画像復号装置4500によれば、パラメータセットのインデックスそのものをビットストリームに含まめることもできる。したがって、機械学習モデルを用いた符号量の削減と、インデックスをビットストリームに含めることによる処理負荷の軽減とを選択することができ、符号化効率と処理負荷の軽減とのバランスを図ることができる。
(他の実施の形態)
以上、1つまたは複数の態様に係る動画像符号化装置および動画像復号装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
例えば、上記実施の形態2〜5は、任意に組み合わせて実現されてもよい。さらに、上記実施の形態6〜13は、実施の形態2〜5と組み合わせて実現されてもよい。
なお、上記各実施の形態では、インデックスを介してパラメータセットが選択されていたが、これに限らない。例えば、分類の結果から直接パラメータセットが選択されてもよい。
(実施の形態14)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法(画像符号化方法)または動画像復号化方法(画像復号方法)の構成を実現するためのプログラムを記憶メディアに記録することにより、上記各実施の形態で示した処理を独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。記憶メディアは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ICカード、半導体メモリ等、プログラムを記録できるものであればよい。
さらにここで、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法(画像符号化方法)や動画像復号化方法(画像復号方法)の応用例とそれを用いたシステムを説明する。当該システムは、画像符号化方法を用いた画像符号化装置、及び画像復号方法を用いた画像復号装置からなる画像符号化復号装置を有することを特徴とする。システムにおける他の構成について、場合に応じて適切に変更することができる。
図57は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムex100の全体構成を示す図である。通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割し、各セル内にそれぞれ固定無線局である基地局ex106、ex107、ex108、ex109、ex110が設置されている。
このコンテンツ供給システムex100は、インターネットex101にインターネットサービスプロバイダex102および電話網ex104、および基地局ex106からex110を介して、コンピュータex111、PDA(Personal Digital Assistant)ex112、カメラex113、携帯電話ex114、ゲーム機ex115などの各機器が接続される。
しかし、コンテンツ供給システムex100は図57のような構成に限定されず、いずれかの要素を組合せて接続するようにしてもよい。また、固定無線局である基地局ex106からex110を介さずに、各機器が電話網ex104に直接接続されてもよい。また、各機器が近距離無線等を介して直接相互に接続されていてもよい。
カメラex113はデジタルビデオカメラ等の動画撮影が可能な機器であり、カメラex116はデジタルカメラ等の静止画撮影、動画撮影が可能な機器である。また、携帯電話ex114は、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式、若しくはLTE(Long Term Evolution)方式、HSPA(High Speed Packet Access)の携帯電話機、またはPHS(Personal Handyphone System)等であり、いずれでも構わない。
コンテンツ供給システムex100では、カメラex113等が基地局ex109、電話網ex104を通じてストリーミングサーバex103に接続されることで、ライブ配信等が可能になる。ライブ配信では、ユーザがカメラex113を用いて撮影するコンテンツ(例えば、音楽ライブの映像等)に対して上記各実施の形態で説明したように符号化処理を行い(即ち、本開示の一態様に係る画像符号化装置として機能する)、ストリーミングサーバex103に送信する。一方、ストリーミングサーバex103は要求のあったクライアントに対して送信されたコンテンツデータをストリーム配信する。クライアントとしては、上記符号化処理されたデータを復号化することが可能な、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114、ゲーム機ex115等がある。配信されたデータを受信した各機器では、受信したデータを復号化処理して再生する(即ち、本開示の一態様に係る画像復号装置として機能する)。
なお、撮影したデータの符号化処理はカメラex113で行っても、データの送信処理をするストリーミングサーバex103で行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。同様に配信されたデータの復号化処理はクライアントで行っても、ストリーミングサーバex103で行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。また、カメラex113に限らず、カメラex116で撮影した静止画像および/または動画像データを、コンピュータex111を介してストリーミングサーバex103に送信してもよい。この場合の符号化処理はカメラex116、コンピュータex111、ストリーミングサーバex103のいずれで行ってもよいし、互いに分担して行ってもよい。
また、これら符号化・復号化処理は、一般的にコンピュータex111や各機器が有するLSIex500において処理する。LSIex500は、ワンチップであっても複数チップからなる構成であってもよい。なお、動画像符号化・復号化用のソフトウェアをコンピュータex111等で読み取り可能な何らかの記録メディア(CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスクなど)に組み込み、そのソフトウェアを用いて符号化・復号化処理を行ってもよい。さらに、携帯電話ex114がカメラ付きである場合には、そのカメラで取得した動画データを送信してもよい。このときの動画データは携帯電話ex114が有するLSIex500で符号化処理されたデータである。
また、ストリーミングサーバex103は複数のサーバや複数のコンピュータであって、データを分散して処理したり記録したり配信するものであってもよい。
以上のようにして、コンテンツ供給システムex100では、符号化されたデータをクライアントが受信して再生することができる。このようにコンテンツ供給システムex100では、ユーザが送信した情報をリアルタイムでクライアントが受信して復号化し、再生することができ、特別な権利や設備を有さないユーザでも個人放送を実現できる。
なお、コンテンツ供給システムex100の例に限らず、図58に示すように、デジタル放送用システムex200にも、上記各実施の形態の少なくとも動画像符号化装置(画像符号化装置)または動画像復号化装置(画像復号装置)のいずれかを組み込むことができる。具体的には、放送局ex201では映像データに音楽データなどが多重化された多重化データが電波を介して通信または衛星ex202に伝送される。この映像データは上記各実施の形態で説明した動画像符号化方法により符号化されたデータである(即ち、本開示の一態様に係る画像符号化装置によって符号化されたデータである)。これを受けた放送衛星ex202は、放送用の電波を発信し、この電波を衛星放送の受信が可能な家庭のアンテナex204が受信する。受信した多重化データを、テレビ(受信機)ex300またはセットトップボックス(STB)ex217等の装置が復号化して再生する(即ち、本開示の一態様に係る画像復号装置として機能する)。
また、DVD、BD等の記録メディアex215に記録した多重化データを読み取り復号化する、または記録メディアex215に映像信号を符号化し、さらに場合によっては音楽信号と多重化して書き込むリーダ/レコーダex218にも上記各実施の形態で示した動画像復号化装置または動画像符号化装置を実装することが可能である。この場合、再生された映像信号はモニタex219に表示され、多重化データが記録された記録メディアex215により他の装置やシステムにおいて映像信号を再生することができる。また、ケーブルテレビ用のケーブルex203または衛星/地上波放送のアンテナex204に接続されたセットトップボックスex217内に動画像復号化装置を実装し、これをテレビのモニタex219で表示してもよい。このときセットトップボックスではなく、テレビ内に動画像復号化装置を組み込んでもよい。
図59は、上記各実施の形態で説明した動画像復号化方法および動画像符号化方法を用いたテレビ(受信機)ex300を示す図である。テレビex300は、上記放送を受信するアンテナex204またはケーブルex203等を介して映像データに音声データが多重化された多重化データを取得、または出力するチューナex301と、受信した多重化データを復調する、または外部に送信する多重化データに変調する変調/復調部ex302と、復調した多重化データを映像データと、音声データとに分離する、または信号処理部ex306で符号化された映像データ、音声データを多重化する多重/分離部ex303を備える。
また、テレビex300は、音声データ、映像データそれぞれを復号化する、またはそれぞれの情報を符号化する音声信号処理部ex304、映像信号処理部ex305(本開示の一態様に係る画像符号化装置または画像復号装置として機能する)を有する信号処理部ex306と、復号化した音声信号を出力するスピーカex307、復号化した映像信号を表示するディスプレイ等の表示部ex308を有する出力部ex309とを有する。さらに、テレビex300は、ユーザ操作の入力を受け付ける操作入力部ex312等を有するインタフェース部ex317を有する。さらに、テレビex300は、各部を統括的に制御する制御部ex310、各部に電力を供給する電源回路部ex311を有する。インタフェース部ex317は、操作入力部ex312以外に、リーダ/レコーダex218等の外部機器と接続されるブリッジex313、SDカード等の記録メディアex216を装着可能とするためのスロット部ex314、ハードディスク等の外部記録メディアと接続するためのドライバex315、電話網と接続するモデムex316等を有していてもよい。なお記録メディアex216は、格納する不揮発性/揮発性の半導体メモリ素子により電気的に情報の記録を可能としたものである。テレビex300の各部は同期バスを介して互いに接続されている。
まず、テレビex300がアンテナex204等により外部から取得した多重化データを復号化し、再生する構成について説明する。テレビex300は、リモートコントローラex220等からのユーザ操作を受け、CPU等を有する制御部ex310の制御に基づいて、変調/復調部ex302で復調した多重化データを多重/分離部ex303で分離する。さらにテレビex300は、分離した音声データを音声信号処理部ex304で復号化し、分離した映像データを映像信号処理部ex305で上記各実施の形態で説明した復号化方法を用いて復号化する。復号化した音声信号、映像信号は、それぞれ出力部ex309から外部に向けて出力される。出力する際には、音声信号と映像信号が同期して再生するよう、バッファex318、ex319等に一旦これらの信号を蓄積するとよい。また、テレビex300は、放送等からではなく、磁気/光ディスク、SDカード等の記録メディアex215、ex216から多重化データを読み出してもよい。次に、テレビex300が音声信号や映像信号を符号化し、外部に送信または記録メディア等に書き込む構成について説明する。テレビex300は、リモートコントローラex220等からのユーザ操作を受け、制御部ex310の制御に基づいて、音声信号処理部ex304で音声信号を符号化し、映像信号処理部ex305で映像信号を上記各実施の形態で説明した符号化方法を用いて符号化する。符号化した音声信号、映像信号は多重/分離部ex303で多重化され外部に出力される。多重化する際には、音声信号と映像信号が同期するように、バッファex320、ex321等に一旦これらの信号を蓄積するとよい。なお、バッファex318、ex319、ex320、ex321は図示しているように複数備えていてもよいし、1つ以上のバッファを共有する構成であってもよい。さらに、図示している以外に、例えば変調/復調部ex302や多重/分離部ex303の間等でもシステムのオーバフロー、アンダーフローを避ける緩衝材としてバッファにデータを蓄積することとしてもよい。
また、テレビex300は、放送等や記録メディア等から音声データ、映像データを取得する以外に、マイクやカメラのAV入力を受け付ける構成を備え、それらから取得したデータに対して符号化処理を行ってもよい。なお、ここではテレビex300は上記の符号化処理、多重化、および外部出力ができる構成として説明したが、これらの処理を行うことはできず、上記受信、復号化処理、外部出力のみが可能な構成であってもよい。
また、リーダ/レコーダex218で記録メディアから多重化データを読み出す、または書き込む場合には、上記復号化処理または符号化処理はテレビex300、リーダ/レコーダex218のいずれで行ってもよいし、テレビex300とリーダ/レコーダex218が互いに分担して行ってもよい。
一例として、光ディスクからデータの読み込みまたは書き込みをする場合の情報再生/記録部ex400の構成を図60に示す。情報再生/記録部ex400は、以下に説明する要素ex401、ex402、ex403、ex404、ex405、ex406、ex407を備える。光ヘッドex401は、光ディスクである記録メディアex215の記録面にレーザスポットを照射して情報を書き込み、記録メディアex215の記録面からの反射光を検出して情報を読み込む。変調記録部ex402は、光ヘッドex401に内蔵された半導体レーザを電気的に駆動し記録データに応じてレーザ光の変調を行う。再生復調部ex403は、光ヘッドex401に内蔵されたフォトディテクタにより記録面からの反射光を電気的に検出した再生信号を増幅し、記録メディアex215に記録された信号成分を分離して復調し、必要な情報を再生する。バッファex404は、記録メディアex215に記録するための情報および記録メディアex215から再生した情報を一時的に保持する。ディスクモータex405は記録メディアex215を回転させる。サーボ制御部ex406は、ディスクモータex405の回転駆動を制御しながら光ヘッドex401を所定の情報トラックに移動させ、レーザスポットの追従処理を行う。システム制御部ex407は、情報再生/記録部ex400全体の制御を行う。上記の読み出しや書き込みの処理はシステム制御部ex407が、バッファex404に保持された各種情報を利用し、また必要に応じて新たな情報の生成・追加を行うと共に、変調記録部ex402、再生復調部ex403、サーボ制御部ex406を協調動作させながら、光ヘッドex401を通して、情報の記録再生を行うことにより実現される。システム制御部ex407は例えばマイクロプロセッサで構成され、読み出し書き込みのプログラムを実行することでそれらの処理を実行する。
以上では、光ヘッドex401はレーザスポットを照射するとして説明したが、近接場光を用いてより高密度な記録を行う構成であってもよい。
図61に光ディスクである記録メディアex215の模式図を示す。記録メディアex215の記録面には案内溝(グルーブ)がスパイラル状に形成され、情報トラックex230には、予めグルーブの形状の変化によってディスク上の絶対位置を示す番地情報が記録されている。この番地情報はデータを記録する単位である記録ブロックex231の位置を特定するための情報を含み、記録や再生を行う装置において情報トラックex230を再生し番地情報を読み取ることで記録ブロックを特定することができる。また、記録メディアex215は、データ記録領域ex233、内周領域ex232、外周領域ex234を含んでいる。ユーザデータを記録するために用いる領域がデータ記録領域ex233であり、データ記録領域ex233より内周または外周に配置されている内周領域ex232と外周領域ex234は、ユーザデータの記録以外の特定用途に用いられる。情報再生/記録部ex400は、このような記録メディアex215のデータ記録領域ex233に対して、符号化された音声データ、映像データまたはそれらのデータを多重化した多重化データの読み書きを行う。
以上では、1層のDVD、BD等の光ディスクを例に挙げ説明したが、これらに限ったものではなく、多層構造であって表面以外にも記録可能な光ディスクであってもよい。また、ディスクの同じ場所にさまざまな異なる波長の色の光を用いて情報を記録したり、さまざまな角度から異なる情報の層を記録したりなど、多次元的な記録/再生を行う構造の光ディスクであってもよい。
また、デジタル放送用システムex200において、アンテナex205を有する車ex210で衛星ex202等からデータを受信し、車ex210が有するカーナビゲーションex211等の表示装置に動画を再生することも可能である。なお、カーナビゲーションex211の構成は例えば図59に示す構成のうち、GPS受信部を加えた構成が考えられ、同様なことがコンピュータex111や携帯電話ex114等でも考えられる。
図62Aは、上記実施の形態で説明した動画像復号化方法および動画像符号化方法を用いた携帯電話ex114を示す図である。携帯電話ex114は、基地局ex110との間で電波を送受信するためのアンテナex350、映像、静止画を撮ることが可能なカメラ部ex365、カメラ部ex365で撮像した映像、アンテナex350で受信した映像等が復号化されたデータを表示する液晶ディスプレイ等の表示部ex358を備える。携帯電話ex114は、さらに、操作キー部ex366を有する本体部、音声を出力するためのスピーカ等である音声出力部ex357、音声を入力するためのマイク等である音声入力部ex356、撮影した映像、静止画、録音した音声、または受信した映像、静止画、メール等の符号化されたデータもしくは復号化されたデータを保存するメモリ部ex367、又は同様にデータを保存する記録メディアとのインタフェース部であるスロット部ex364を備える。
さらに、携帯電話ex114の構成例について、図62Bを用いて説明する。携帯電話ex114は、表示部ex358及び操作キー部ex366を備えた本体部の各部を統括的に制御する主制御部ex360に対して、電源回路部ex361、操作入力制御部ex362、映像信号処理部ex355、カメラインタフェース部ex363、LCD(Liquid Crystal Display)制御部ex359、変調/復調部ex352、多重/分離部ex353、音声信号処理部ex354、スロット部ex364、メモリ部ex367がバスex370を介して互いに接続されている。
電源回路部ex361は、ユーザの操作により終話及び電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することにより携帯電話ex114を動作可能な状態に起動する。
携帯電話ex114は、CPU、ROM、RAM等を有する主制御部ex360の制御に基づいて、音声通話モード時に音声入力部ex356で収音した音声信号を音声信号処理部ex354でデジタル音声信号に変換し、これを変調/復調部ex352でスペクトラム拡散処理し、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して送信する。また携帯電話ex114は、音声通話モード時にアンテナex350を介して受信した受信データを増幅して周波数変換処理およびアナログデジタル変換処理を施し、変調/復調部ex352でスペクトラム逆拡散処理し、音声信号処理部ex354でアナログ音声信号に変換した後、これを音声出力部ex357から出力する。
さらにデータ通信モード時に電子メールを送信する場合、本体部の操作キー部ex366等の操作によって入力された電子メールのテキストデータは操作入力制御部ex362を介して主制御部ex360に送出される。主制御部ex360は、テキストデータを変調/復調部ex352でスペクトラム拡散処理をし、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理および周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して基地局ex110へ送信する。電子メールを受信する場合は、受信したデータに対してこのほぼ逆の処理が行われ、表示部ex358に出力される。
データ通信モード時に映像、静止画、または映像と音声を送信する場合、映像信号処理部ex355は、カメラ部ex365から供給された映像信号を上記各実施の形態で示した動画像符号化方法によって圧縮符号化し(即ち、本開示の一態様に係る画像符号化装置として機能する)、符号化された映像データを多重/分離部ex353に送出する。また、音声信号処理部ex354は、映像、静止画等をカメラ部ex365で撮像中に音声入力部ex356で収音した音声信号を符号化し、符号化された音声データを多重/分離部ex353に送出する。
多重/分離部ex353は、映像信号処理部ex355から供給された符号化された映像データと音声信号処理部ex354から供給された符号化された音声データを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化データを変調/復調部(変調/復調回路部)ex352でスペクトラム拡散処理をし、送信/受信部ex351でデジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex350を介して送信する。
データ通信モード時にホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、または映像およびもしくは音声が添付された電子メールを受信する場合、アンテナex350を介して受信された多重化データを復号化するために、多重/分離部ex353は、多重化データを分離することにより映像データのビットストリームと音声データのビットストリームとに分け、同期バスex370を介して符号化された映像データを映像信号処理部ex355に供給するとともに、符号化された音声データを音声信号処理部ex354に供給する。映像信号処理部ex355は、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法に対応した動画像復号化方法によって復号化することにより映像信号を復号し(即ち、本開示の一態様に係る画像復号装置として機能する)、LCD制御部ex359を介して表示部ex358から、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる映像、静止画が表示される。また音声信号処理部ex354は、音声信号を復号し、音声出力部ex357から音声が出力される。
また、上記携帯電話ex114等の端末は、テレビex300と同様に、符号化器・復号化器を両方持つ送受信型端末の他に、符号化器のみの送信端末、復号化器のみの受信端末という3通りの実装形式が考えられる。さらに、デジタル放送用システムex200において、映像データに音楽データなどが多重化された多重化データを受信、送信するとして説明したが、音声データ以外に映像に関連する文字データなどが多重化されたデータであってもよいし、多重化データではなく映像データ自体であってもよい。
このように、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法あるいは動画像復号化方法を上述したいずれの機器・システムに用いることは可能であり、そうすることで、上記各実施の形態で説明した効果を得ることができる。
また、本開示はかかる上記実施の形態に限定されるものではなく、本開示の範囲を逸脱することなく種々の変形または修正が可能である。
(実施の形態15)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置と、MPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1など異なる規格に準拠した動画像符号化方法または装置とを、必要に応じて適宜切替えることにより、映像データを生成することも可能である。
ここで、それぞれ異なる規格に準拠する複数の映像データを生成した場合、復号する際に、それぞれの規格に対応した復号方法を選択する必要がある。しかしながら、復号する映像データが、どの規格に準拠するものであるか識別できないため、適切な復号方法を選択することができないという課題を生じる。
この課題を解決するために、映像データに音声データなどを多重化した多重化データは、映像データがどの規格に準拠するものであるかを示す識別情報を含む構成とする。上記各実施の形態で示す動画像符号化方法または装置によって生成された映像データを含む多重化データの具体的な構成を以下説明する。多重化データは、MPEG−2トランスポートストリーム形式のデジタルストリームである。
図63は、多重化データの構成を示す図である。図63に示すように多重化データは、ビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム(PG)、インタラクティブグラフィックスストリームのうち、1つ以上を多重化することで得られる。ビデオストリームは映画の主映像および副映像を、オーディオストリーム(IG)は映画の主音声部分とその主音声とミキシングする副音声を、プレゼンテーショングラフィックスストリームは、映画の字幕をそれぞれ示している。ここで主映像とは画面に表示される通常の映像を示し、副映像とは主映像の中に小さな画面で表示する映像のことである。また、インタラクティブグラフィックスストリームは、画面上にGUI部品を配置することにより作成される対話画面を示している。ビデオストリームは、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠した動画像符号化方法または装置によって符号化されている。オーディオストリームは、ドルビーAC−3、Dolby Digital Plus、MLP、DTS、DTS−HD、または、リニアPCMのなどの方式で符号化されている。
多重化データに含まれる各ストリームはPIDによって識別される。例えば、映画の映像に利用するビデオストリームには0x1011が、オーディオストリームには0x1100から0x111Fまでが、プレゼンテーショングラフィックスには0x1200から0x121Fまでが、インタラクティブグラフィックスストリームには0x1400から0x141Fまでが、映画の副映像に利用するビデオストリームには0x1B00から0x1B1Fまで、主音声とミキシングする副音声に利用するオーディオストリームには0x1A00から0x1A1Fが、それぞれ割り当てられている。
図64は、多重化データがどのように多重化されるかを模式的に示す図である。まず、複数のビデオフレームからなるビデオストリームex235、複数のオーディオフレームからなるオーディオストリームex238を、それぞれPESパケット列ex236およびex239に変換し、TSパケットex237およびex240に変換する。同じくプレゼンテーショングラフィックスストリームex241およびインタラクティブグラフィックスex244のデータをそれぞれPESパケット列ex242およびex245に変換し、さらにTSパケットex243およびex246に変換する。多重化データex247はこれらのTSパケットを1本のストリームに多重化することで構成される。
図65は、PESパケット列に、ビデオストリームがどのように格納されるかをさらに詳しく示している。図65における第1段目はビデオストリームのビデオフレーム列を示す。第2段目は、PESパケット列を示す。図65の矢印yy1,yy2,yy3,yy4に示すように、ビデオストリームにおける複数のVideo Presentation UnitであるIピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャは、ピクチャ毎に分割され、PESパケットのペイロードに格納される。各PESパケットはPESヘッダを持ち、PESヘッダには、ピクチャの表示時刻であるPTS(Presentation Time−Stamp)やピクチャの復号時刻であるDTS(Decoding Time−Stamp)が格納される。
図66は、多重化データに最終的に書き込まれるTSパケットの形式を示している。TSパケットは、ストリームを識別するPIDなどの情報を持つ4ByteのTSヘッダとデータを格納する184ByteのTSペイロードから構成される188Byte固定長のパケットであり、上記PESパケットは分割されTSペイロードに格納される。BD−ROMの場合、TSパケットには、4ByteのTP_Extra_Headerが付与され、192Byteのソースパケットを構成し、多重化データに書き込まれる。TP_Extra_HeaderにはATS(Arrival_Time_Stamp)などの情報が記載される。ATSは当該TSパケットのデコーダのPIDフィルタへの転送開始時刻を示す。多重化データには図66下段に示すようにソースパケットが並ぶこととなり、多重化データの先頭からインクリメントする番号はSPN(ソースパケットナンバー)と呼ばれる。
また、多重化データに含まれるTSパケットには、映像・音声・字幕などの各ストリーム以外にもPAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)、PCR(Program Clock Reference)などがある。PATは多重化データ中に利用されるPMTのPIDが何であるかを示し、PAT自身のPIDは0で登録される。PMTは、多重化データ中に含まれる映像・音声・字幕などの各ストリームのPIDと各PIDに対応するストリームの属性情報を持ち、また多重化データに関する各種ディスクリプタを持つ。ディスクリプタには多重化データのコピーを許可・不許可を指示するコピーコントロール情報などがある。PCRは、ATSの時間軸であるATC(Arrival Time Clock)とPTS・DTSの時間軸であるSTC(System Time Clock)の同期を取るために、そのPCRパケットがデコーダに転送されるATSに対応するSTC時間の情報を持つ。
図67はPMTのデータ構造を詳しく説明する図である。PMTの先頭には、そのPMTに含まれるデータの長さなどを記したPMTヘッダが配置される。その後ろには、多重化データに関するディスクリプタが複数配置される。上記コピーコントロール情報などが、ディスクリプタとして記載される。ディスクリプタの後には、多重化データに含まれる各ストリームに関するストリーム情報が複数配置される。ストリーム情報は、ストリームの圧縮コーデックなどを識別するためストリームタイプ、ストリームのPID、ストリームの属性情報(フレームレート、アスペクト比など)が記載されたストリームディスクリプタから構成される。ストリームディスクリプタは多重化データに存在するストリームの数だけ存在する。
記録媒体などに記録する場合には、上記多重化データは、多重化データ情報ファイルと共に記録される。
多重化データ情報ファイルは、図68に示すように多重化データの管理情報であり、多重化データと1対1に対応し、多重化データ情報、ストリーム属性情報とエントリマップから構成される。
多重化データ情報は図68に示すようにシステムレート、再生開始時刻、再生終了時刻から構成されている。システムレートは多重化データの、後述するシステムターゲットデコーダのPIDフィルタへの最大転送レートを示す。多重化データ中に含まれるATSの間隔はシステムレート以下になるように設定されている。再生開始時刻は多重化データの先頭のビデオフレームのPTSであり、再生終了時刻は多重化データの終端のビデオフレームのPTSに1フレーム分の再生間隔を足したものが設定される。
ストリーム属性情報は図69に示すように、多重化データに含まれる各ストリームについての属性情報が、PID毎に登録される。属性情報はビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム、インタラクティブグラフィックスストリーム毎に異なる情報を持つ。ビデオストリーム属性情報は、そのビデオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、ビデオストリームを構成する個々のピクチャデータの解像度がどれだけであるか、アスペクト比はどれだけであるか、フレームレートはどれだけであるかなどの情報を持つ。オーディオストリーム属性情報は、そのオーディオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、そのオーディオストリームに含まれるチャンネル数は何であるか、何の言語に対応するか、サンプリング周波数がどれだけであるかなどの情報を持つ。これらの情報は、プレーヤが再生する前のデコーダの初期化などに利用される。
本実施の形態においては、上記多重化データのうち、PMTに含まれるストリームタイプを利用する。また、記録媒体に多重化データが記録されている場合には、多重化データ情報に含まれる、ビデオストリーム属性情報を利用する。具体的には、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置において、PMTに含まれるストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に対し、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示す固有の情報を設定するステップまたは手段を設ける。この構成により、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成した映像データと、他の規格に準拠する映像データとを識別することが可能になる。
また、本実施の形態における動画像復号化方法のステップを図70に示す。ステップexS100において、多重化データからPMTに含まれるストリームタイプ、または、多重化データ情報に含まれるビデオストリーム属性情報を取得する。次に、ステップexS101において、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された多重化データであることを示しているか否かを判断する。そして、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものであると判断された場合には、ステップexS102において、上記各実施の形態で示した動画像復号方法により復号を行う。また、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報が、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠するものであることを示している場合には、ステップexS103において、従来の規格に準拠した動画像復号方法により復号を行う。
このように、ストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に新たな固有値を設定することにより、復号する際に、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法または装置で復号可能であるかを判断することができる。従って、異なる規格に準拠する多重化データが入力された場合であっても、適切な復号化方法または装置を選択することができるため、エラーを生じることなく復号することが可能となる。また、本実施の形態で示した動画像符号化方法または装置、または、動画像復号方法または装置を、上述したいずれの機器・システムに用いることも可能である。
(実施の形態16)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法および装置、動画像復号化方法および装置は、典型的には集積回路であるLSIで実現される。一例として、図71に1チップ化されたLSIex500の構成を示す。LSIex500は、以下に説明する要素ex501、ex502、ex503、ex504、ex505、ex506、ex507、ex508、ex509を備え、各要素はバスex510を介して接続している。電源回路部ex505は電源がオン状態の場合に各部に対して電力を供給することで動作可能な状態に起動する。
例えば符号化処理を行う場合には、LSIex500は、CPUex502、メモリコントローラex503、ストリームコントローラex504、駆動周波数制御部ex512等を有する制御部ex501の制御に基づいて、AV I/Oex509によりマイクex117やカメラex113等からAV信号を入力する。入力されたAV信号は、一旦SDRAM等の外部のメモリex511に蓄積される。制御部ex501の制御に基づいて、蓄積したデータは処理量や処理速度に応じて適宜複数回に分けるなどされ信号処理部ex507に送られ、信号処理部ex507において音声信号の符号化および/または映像信号の符号化が行われる。ここで映像信号の符号化処理は上記各実施の形態で説明した符号化処理である。信号処理部ex507ではさらに、場合により符号化された音声データと符号化された映像データを多重化するなどの処理を行い、ストリームI/Oex506から外部に出力する。この出力された多重化データは、基地局ex107に向けて送信されたり、または記録メディアex215に書き込まれたりする。なお、多重化する際には同期するよう、一旦バッファex508にデータを蓄積するとよい。
なお、上記では、メモリex511がLSIex500の外部の構成として説明したが、LSIex500の内部に含まれる構成であってもよい。バッファex508も1つに限ったものではなく、複数のバッファを備えていてもよい。また、LSIex500は1チップ化されてもよいし、複数チップ化されてもよい。
また、上記では、制御部ex501が、CPUex502、メモリコントローラex503、ストリームコントローラex504、駆動周波数制御部ex512等を有するとしているが、制御部ex501の構成は、この構成に限らない。例えば、信号処理部ex507がさらにCPUを備える構成であってもよい。信号処理部ex507の内部にもCPUを設けることにより、処理速度をより向上させることが可能になる。また、他の例として、CPUex502が信号処理部ex507、または信号処理部ex507の一部である例えば音声信号処理部を備える構成であってもよい。このような場合には、制御部ex501は、信号処理部ex507、またはその一部を有するCPUex502を備える構成となる。
なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。このようなプログラマブル・ロジック・デバイスは、典型的には、ソフトウェア又はファームウェアを構成するプログラムを、ロードする又はメモリ等から読み込むことで、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法、又は動画像復号化方法を実行することができる。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
(実施の形態17)
上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データを復号する場合、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データを復号する場合に比べ、処理量が増加することが考えられる。そのため、LSIex500において、従来の規格に準拠する映像データを復号する際のCPUex502の駆動周波数よりも高い駆動周波数に設定する必要がある。しかし、駆動周波数を高くすると、消費電力が高くなるという課題が生じる。
この課題を解決するために、テレビex300、LSIex500などの動画像復号化装置は、映像データがどの規格に準拠するものであるかを識別し、規格に応じて駆動周波数を切替える構成とする。図72は、本実施の形態における構成ex800を示している。駆動周波数切替え部ex803は、映像データが、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものである場合には、駆動周波数を高く設定する。そして、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行する復号処理部ex801に対し、映像データを復号するよう指示する。一方、映像データが、従来の規格に準拠する映像データである場合には、映像データが、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成されたものである場合に比べ、駆動周波数を低く設定する。そして、従来の規格に準拠する復号処理部ex802に対し、映像データを復号するよう指示する。
より具体的には、駆動周波数切替え部ex803は、図71のCPUex502と駆動周波数制御部ex512から構成される。また、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行する復号処理部ex801、および、従来の規格に準拠する復号処理部ex802は、図71の信号処理部ex507に該当する。CPUex502は、映像データがどの規格に準拠するものであるかを識別する。そして、CPUex502からの信号に基づいて、駆動周波数制御部ex512は、駆動周波数を設定する。また、CPUex502からの信号に基づいて、信号処理部ex507は、映像データの復号を行う。ここで、映像データの識別には、例えば、実施の形態15で記載した識別情報を利用することが考えられる。識別情報に関しては、実施の形態15で記載したものに限られず、映像データがどの規格に準拠するか識別できる情報であればよい。例えば、映像データがテレビに利用されるものであるか、ディスクに利用されるものであるかなどを識別する外部信号に基づいて、映像データがどの規格に準拠するものであるか識別可能である場合には、このような外部信号に基づいて識別してもよい。また、CPUex502における駆動周波数の選択は、例えば、図74のような映像データの規格と、駆動周波数とを対応付けたルックアップテーブルに基づいて行うことが考えられる。ルックアップテーブルを、バッファex508や、LSIの内部メモリに格納しておき、CPUex502がこのルックアップテーブルを参照することにより、駆動周波数を選択することが可能である。
図73は、本実施の形態の方法を実施するステップを示している。まず、ステップexS200では、信号処理部ex507において、多重化データから識別情報を取得する。次に、ステップexS201では、CPUex502において、識別情報に基づいて映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものであるか否かを識別する。映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものである場合には、ステップexS202において、駆動周波数を高く設定する信号を、CPUex502が駆動周波数制御部ex512に送る。そして、駆動周波数制御部ex512において、高い駆動周波数に設定される。一方、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、ステップexS203において、駆動周波数を低く設定する信号を、CPUex502が駆動周波数制御部ex512に送る。そして、駆動周波数制御部ex512において、映像データが上記各実施の形態で示した符号化方法または装置によって生成されたものである場合に比べ、低い駆動周波数に設定される。
さらに、駆動周波数の切替えに連動して、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を変更することにより、省電力効果をより高めることが可能である。例えば、駆動周波数を低く設定する場合には、これに伴い、駆動周波数を高く設定している場合に比べ、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を低く設定することが考えられる。
また、駆動周波数の設定方法は、復号する際の処理量が大きい場合に、駆動周波数を高く設定し、復号する際の処理量が小さい場合に、駆動周波数を低く設定すればよく、上述した設定方法に限らない。例えば、MPEG4−AVC規格に準拠する映像データを復号する処理量の方が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置により生成された映像データを復号する処理量よりも大きい場合には、駆動周波数の設定を上述した場合の逆にすることが考えられる。
さらに、駆動周波数の設定方法は、駆動周波数を低くする構成に限らない。例えば、識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合には、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を高く設定し、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、LSIex500またはLSIex500を含む装置に与える電圧を低く設定することも考えられる。また、他の例としては、識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合には、CPUex502の駆動を停止させることなく、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合には、処理に余裕があるため、CPUex502の駆動を一時停止させることも考えられる。識別情報が、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示している場合であっても、処理に余裕があれば、CPUex502の駆動を一時停止させることも考えられる。この場合は、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する映像データであることを示している場合に比べて、停止時間を短く設定することが考えられる。
このように、映像データが準拠する規格に応じて、駆動周波数を切替えることにより、省電力化を図ることが可能になる。また、電池を用いてLSIex500またはLSIex500を含む装置を駆動している場合には、省電力化に伴い、電池の寿命を長くすることが可能である。
(実施の形態18)
テレビや、携帯電話など、上述した機器・システムには、異なる規格に準拠する複数の映像データが入力される場合がある。このように、異なる規格に準拠する複数の映像データが入力された場合にも復号できるようにするために、LSIex500の信号処理部ex507が複数の規格に対応している必要がある。しかし、それぞれの規格に対応する信号処理部ex507を個別に用いると、LSIex500の回路規模が大きくなり、また、コストが増加するという課題が生じる。
この課題を解決するために、上記各実施の形態で示した動画像復号方法を実行するための復号処理部と、従来のMPEG−2、MPEG4−AVC、VC−1などの規格に準拠する復号処理部とを一部共有化する構成とする。この構成例を図75Aのex900に示す。例えば、上記各実施の形態で示した動画像復号方法と、MPEG4−AVC規格に準拠する動画像復号方法とは、エントロピー符号化、逆量子化、デブロッキング・フィルタ、動き補償などの処理において処理内容が一部共通する。共通する処理内容については、MPEG4−AVC規格に対応する復号処理部ex902を共有し、MPEG4−AVC規格に対応しない、本開示の一態様に特有の他の処理内容については、専用の復号処理部ex901を用いるという構成が考えられる。復号処理部の共有化に関しては、共通する処理内容については、上記各実施の形態で示した動画像復号化方法を実行するための復号処理部を共有し、MPEG4−AVC規格に特有の処理内容については、専用の復号処理部を用いる構成であってもよい。
また、処理を一部共有化する他の例を図75Bのex1000に示す。この例では、本開示の一態様に特有の処理内容に対応した専用の復号処理部ex1001と、他の従来規格に特有の処理内容に対応した専用の復号処理部ex1002と、本開示の一態様に係る動画像復号方法と他の従来規格の動画像復号方法とに共通する処理内容に対応した共用の復号処理部ex1003とを用いる構成としている。ここで、専用の復号処理部ex1001、ex1002は、必ずしも本開示の一態様、または、他の従来規格に特有の処理内容に特化したものではなく、他の汎用処理を実行できるものであってもよい。また、本実施の形態の構成を、LSIex500で実装することも可能である。
このように、本開示の一態様に係る動画像復号方法と、従来の規格の動画像復号方法とで共通する処理内容について、復号処理部を共有することにより、LSIの回路規模を小さくし、かつ、コストを低減することが可能である。