JP6715442B2 - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解コンデンサの製造方法に関し、詳細には、低ESR特性を有する電解コンデンサの製造方法に関する。
電子機器のデジタル化に伴い、それに使用されるコンデンサにも小型、大容量で高周波領域における等価直列抵抗(ESR)の小さいものが求められるようになってきている。
小型、大容量で低ESRのコンデンサとしては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン等の導電性高分子を陰極材として用いた電解コンデンサが有望である。例えば、誘電体層を形成した陽極箔に、陰極材として固体電解質層を設けたコンデンサ素子が提案されている。
固体電解質層には、電解コンデンサの特性を向上させるために導電性高分子の塗布性、製膜性、安定性、基材への密着性、導電性等を改良する各種添加剤が配合されている(特許文献1参照)。
国際公開第2007/091656号パンフレット
しかし、固体電解質層に添加剤を付与しても、ESRを低減する効果を十分に得られない場合がある。
本発明の第一の局面は、誘電体層を有する陽極体と、前記誘電体層の表面に形成された固体電解質層と、を備える電解コンデンサの製造方法であって、導電性高分子を液状の第1成分に溶解または分散させてから第1期間経過させることにより、第1処理液を調製する第1工程と、前記第1処理液と第2成分とを混合し、第2処理液を調製する第2工程と、前記誘電体層の表面に前記第2処理液を付与して、前記誘電体層の表面に固体電解質層を形成する第3工程と、を含み、前記第2成分が、前記導電性高分子および前記第1成分とは異なる1以上の成分であり、前記第1期間が、前記第2工程の開始から前記第3工程の開始までの第2期間よりも長い、電解コンデンサの製造方法に関する。
本発明によれば、ESRが低減された電解コンデンサが得られる。
本発明の一実施形態に係る電解コンデンサの断面模式図である。 同実施形態に含まれるコンデンサ素子の構成を説明するための概略図である。
以下、本発明を実施形態に基づいて、より具体的に説明する。ただし、以下の実施形態は本発明を限定するものではない。
≪電解コンデンサ≫
図1は、本実施形態に係る製造方法により得られる電解コンデンサの断面模式図であり、図2は、同電解コンデンサに係るコンデンサ素子の一部を展開した概略図である。
図1において、電解コンデンサは、コンデンサ素子10と、コンデンサ素子10を収容する有底ケース11と、有底ケース11の開口を塞ぐ封止部材12と、封止部材12を覆う座板13と、封止部材12から導出され、座板13を貫通するリード線14A、14Bと、各リード線とコンデンサ素子10の各電極とを接続するリードタブ15A、15Bと、を備える。有底ケース11の開口端近傍は、内側に絞り加工されており、開口端は封止部材12に加締めるようにカール加工されている。
コンデンサ素子10は、図2に示すような巻回体から作製される。巻回体とは、表面に誘電体層を有する陽極体21と陰極体22との間に、導電性高分子を含む固体電解質層34が形成されていないものをいう。巻回体は、例えば、リードタブ15Aと接続された陽極体21と、リードタブ15Bと接続された陰極体22と、セパレータ23とを備えている。陽極体21および陰極体22は、セパレータ23を介して巻回されている。巻回体の最外周は、巻止めテープ24により固定される。図2は、巻回体の最外周を止める前の、一部が展開された状態を示している。
陽極体21は、表面が凹凸を有するように粗面化された金属箔を具備し、凹凸を有する金属箔上に誘電体層が形成されている。
コンデンサ素子10は、巻回体の陽極体21と陰極体22との間に形成された固体電解質層を有する。固体電解質層は、陽極体21の誘電体層の表面の少なくとも一部を被覆するとともに、陰極体22の表面の少なくとも一部および/またはセパレータ23の表面を被覆していてもよい。コンデンサ素子10は、非水溶媒または電解液とともに、有底ケース11、封止部材12などで構成された外装ケースに収容されてもよい。
≪電解コンデンサの製造方法≫
以下、本実施形態に係る電解コンデンサの製造方法の一例について、工程ごとに説明する。
(i)誘電体層を有する陽極体21を準備する工程
まず、陽極体21の原料である金属箔を準備する。金属の種類は特に限定されないが、誘電体層の形成が容易である点から、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。
次に、金属箔の表面を粗面化する。粗面化により、金属箔の表面に、複数の凹凸が形成される。粗面化は、金属箔をエッチング処理することにより行うことが好ましい。エッチング処理は、例えば直流電解法や交流電解法により行えばよい。
次に、粗面化された金属箔の表面に誘電体層を形成する。誘電体層の形成方法は特に限定されないが、金属箔を化成処理することにより形成することができる。化成処理では、例えば、金属箔をアジピン酸アンモニウム溶液などの化成液に浸漬して熱処理する。金属箔を化成液に浸漬して電圧を印加してもよい。
通常は、量産性の観点から、大判の弁作用金属などの箔(金属箔)に対して、粗面化処理および化成処理が行われる。その場合、処理後の箔を所望の大きさに裁断することによって、陽極体21が準備される。
(ii)陰極体22を準備する工程
陰極体22にも、陽極体と同様、金属箔を用いることができる。金属の種類は特に限定されないが、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属または弁作用金属を含む合金を用いることが好ましい。必要に応じて、陰極体22の表面を粗面化してもよい。
(iii)巻回体の作製
次に、陽極体21および陰極体22を用いて巻回体を作製する。
まず、陽極体21と陰極体22とを、セパレータ23を介して巻回する。このとき、リードタブ15A、15Bを巻き込みながら巻回することにより、図2に示すように、リードタブ15A、15Bを巻回体から植立させることができる。
セパレータ23の材料は、例えば、セルロース、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ビニロン、アラミド繊維などを主成分とする不織布を用いることができる。
リードタブ15A、15Bの材料も特に限定されず、導電性材料であればよい。リードタブ15A、15Bの各々に接続されるリード線14A、14Bの材料についても、特に限定されず、導電性材料であればよい。
次に、巻回された陽極体21、陰極体22およびセパレータ23のうち、最外層に位置する陰極体22の外側表面に、巻止めテープ24を配置し、陰極体22の端部を巻止めテープ24で固定する。なお、陽極体21を大判の金属箔を裁断することによって準備した場合には、陽極体21の裁断面に誘電体層を設けるために、巻回体に対し、さらに化成処理を行ってもよい。
(iv)第1処理液を調製する工程(第1工程)
第1処理液は、導電性高分子が液状の第1成分に溶解または分散した導電性高分子溶液または導電性高分子分散液を、第1期間経過させることにより得られる処理液である。
導電性高分子溶液は、導電性高分子が第1成分に溶解した溶液であり、導電性高分子は、溶液中に均一に分布している。導電性高分子分散液は、導電性高分子が粒子の状態で第1成分に分散した分散液である。導電性高分子分散液は、例えば、第1成分に導電性高分子を分散させる方法や、第1成分中で導電性高分子の前駆体モノマーを重合させて、第1成分中に導電性高分子の粒子を生成させる方法などにより得ることができる。
導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチオフェンビニレンなどの共役ポリマーが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、2種以上のモノマーの共重合体でもよい。
なお、本明細書では、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどは、それぞれ、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどを基本骨格とする高分子を意味する。したがって、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどには、それぞれの誘導体も含まれ得る。例えば、ポリチオフェンには、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)などが含まれる。
導電性高分子は、ドーパントを含んでいてもよい。ドーパントとしては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸などのアニオンが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらは単独モノマーの重合体であってもよく、2種以上のモノマーの共重合体であってもよい。なかでも、ポリスチレンスルホン酸由来のポリアニオンが好ましい。
ポリアニオンの重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば1,000〜1,000,000である。このようなポリアニオンを含む導電性高分子は、均質な固体電解質層を形成しやすい。また、導電性高分子が、粒子の状態で分散媒に分散している場合、その粒子の平均粒径D50は、例えば0.01〜0.5μmであることが好ましい。ここで、平均粒径D50は、動的光散乱法による粒度分布測定装置により測定される体積粒度分布におけるメディアン径である。
第1処理液における導電性高分子(ドーパントを含む)濃度は、0.5〜10質量%であることが好ましい。このような濃度の第1処理液は、適度な厚みの固体電解質層を形成するのに適するとともに、巻回体に対して含浸されやすいため、生産性を向上させる点でも有利である。
第1成分は、水でもよく、非水溶媒でもよく、これらの混合物でもよい。非水溶媒とは、水を除く液体の総称であり、有機溶媒やイオン性液体が含まれる。第1成分は、第1処理液の性状を経時的に大きく変化させる成分でない限り、特に限定されない。第1処理液の経時的な性状の変化は、導電性高分子および第1成分の化学的性質等に起因するものである。例えば、同じ導電性高分子を含む第1処理液であっても、第1成分の種類(性質)によって、大きな経時的変化を生じる場合とそうでない場合とがある。そのため、第1成分は一義的に決定するものではない。
第1処理液は、その性状を経時的に大きく変化させない程度に、後述する第2成分などを含んでいてもよい。例えば、第1処理液は、第2成分と同じ成分を0.1質量%以下の割合で含んでいてもよい。第2成分についても同様に、その種類が一義的に決定するものではない。第1処理液に含まれる導電性高分子や第1成分の種類によって、第2成分に相当する成分は変わる。
第1成分は、プロトン性溶媒であっても、非プロトン性溶媒であってもよい。プロトン性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン、ポリグリセリンなどのアルコール類、水などが挙げられる。非プロトン性溶媒としては、例えば、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類や、酢酸メチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの硫黄含有化合物、炭酸プロピレンなどのカーボネート化合物、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、ホルムアルデヒドなどが挙げられる。第1成分は、これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶媒は、第1処理液に50質量%より多く含めることができる。
なかでも、第1成分は、主成分として水を含むことが好ましい。第1成分は、水を50質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましい。
導電性高分子が第1成分に溶解または分散されてから、一定期間(第1期間)経過した第1処理液は、次に第2成分との混合工程に供される。導電性高分子を第1成分に溶解または分散させて、一定期間経過した第1処理液を用いると、電解コンデンサのESRが小さくなることが判明した。一定期間経過した第1処理液は、性状が安定しているため、塗布性、製膜性または基材への密着性が向上する。その結果、形成された固体電解質層の均一性が向上して、ESRが低減されるものと考えられる。
導電性高分子を第1成分に溶解または分散させてから第1期間経過させる際の条件は、特に限定されない。例えば、導電性高分子を第1成分に溶解または分散させた溶液または分散液を収容した容器を、常圧下、2〜40℃の温度条件の場所に静置しておいてもよい。このとき、容器は密閉されることが好ましい。
第1期間は、特に限定されないが、第1処理液の性状がより安定する点で、24時間以上であることが好ましく、72時間以上であることがより好ましい。また、第1期間は、3ヶ月以下であることが好ましい。第1期間は、言い換えれば、導電性高分子を第1成分に溶解または分散させてから、次の第2成分との混合工程に供される準備が整う(混合工程に供される直前)までをいう。第1処理液を調製することには、第1処理液を第1期間にわたり保管することや、第1期間にわたり保管された第1処理液を入手すること、ある期間保管された第1処理液を入手した後、さらに保管して、合計で第1期間にわたり保管することなどが含まれる。
(v)第2処理液の調製工程(第2工程)
第1処理液は、次いで、第2成分と混合され、第2処理液が調製される。
第2成分は、特に限定されず、導電性高分子および第1成分とは異なる1以上の成分である。具体的には、通常、固体電解質層の性能を向上させるために使用される各種添加剤である。なお、第1処理液にその性状を経時的に大きく変化させない程度に含まれている微量成分(例えば、第1処理液に0.1質量%以下の割合で含有されている成分)と、第2成分に含まれる成分とは同じであってもよい。
第2成分としては、例えば、カップリング剤、界面活性剤、凝集化剤、導電性向上剤、増粘剤およびpH調整剤や、アルコール、非プロトン性溶媒、エステル化合物、エーテル化合物、アルカリ性化合物、アミド化合物およびニトリル化合物などを挙げることができる。第2成分は、これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤およびアルミネートカップリング剤などが挙げられる。具体的には、例えば、γグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびメルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などの各種界面活性剤が挙げられる。具体的には、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩およびリン酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、アミン塩および4級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤、カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩およびイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどの非イオン界面活性剤が挙げられる。
凝集化剤は、導電性高分子を凝集させる成分であり、例えば、非プロトン性溶媒やキレート剤が挙げられる。非プロトン性溶媒としては、例えば、第1成分として例示した化合物が同じく挙げられる。キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、トリエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、および、これらの塩などが挙げられる。導電性向上剤としては、例えば、アミド化合物や上記非プロトン性溶媒などが挙げられる。増粘剤は、第1処理液の粘度を高める成分であり、例えば、各種樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、フェノール樹脂、または、2種以上のモノマーの共重合体、もしくは、これらの誘導体などが挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、pHを3〜8にする成分として、アルカリ性化合物が挙げられる。具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアや、ジメチルアミン、ジエチルアミン、イミダゾール、ピリジンおよびアミジンなどのアミン化合物などが挙げられる。
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンおよびポリエチレングリコールなどが挙げられる。その他、各種エステル化合物、エーテル化合物、アミド化合物およびニトリル化合物が、第2成分として挙げられる。
(vi)固体電解質層を形成する工程(第3工程)
次いで、第2工程にて得られた第2処理液を誘電体層の表面に付与して、その後、必要に応じて乾燥し、固体電解質層を形成する。ここで、第2工程の開始から、この第3工程の開始までの期間(第2期間)よりも、第1期間が長いことが、重要である。単に第1期間を長くするのではなく、第1期間を第2期間よりも長くすることで、得られる電解コンデンサのESRがさらに小さくなる。これは、第2成分を添加することによる効果が、最大限に発揮されるためであると考えられる。
第2期間とは、言い換えれば、第1処理液と第2成分とを混合する工程が開始されてから、得られた第2処理液を巻回体に付与するまでの期間である。第2成分は、前記のとおり、主に固体電解質層の性能を向上させることを目的として、第1処理液に添加される。また、第2成分と導電性高分子との関係(相性)によっては、第2成分の添加により、得られる第2処理液の性状が変化する場合もある。この性状の変化により、導電性高分子が有する特性が低下し、さらには、添加剤を加えたことによる効果も十分に発揮されなくなり、所望の特性を得ることができない。
第2処理液の性状の変化の一つとして、例えば、第2処理液の粘度の大幅な増大が挙げられる。第2成分の一つとして添加される凝集化剤は、導電性高分子の粒子を凝集させて、緻密な固体電解質層を形成し易くする。また、増粘剤は、第1処理液の誘電体層への付着性を向上させ、陽極体のエッジ部分の被覆性を高めるために添加される。ところが、この凝集や増粘は経時的に進行し、第2処理液の粘度を、添加直後に比べて大幅に増大させる。粘度の大幅な増大は、第2処理液の流動性を低下させ、さらには第2処理液をゲル化させ、巻回体内部への浸透性を低下させる。そのため、十分な固体電解質層が形成されなくなり、容量低下やESRが増大する結果となる。凝集化剤および増粘剤以外の第2成分の添加によって、経時的に、第2処理液の液安定性が低下する場合もある。
第2成分を添加したことによる効果が、経時的に低減する場合もある。例えば、シランカップリング剤は、導電性高分子を架橋して、導電性を向上させる効果や、耐電圧特性を向上させる効果がある。一方、経時的に、シランカップリング剤の加水分解反応や重合反応が進行する。そのため、シランカップリング剤の添加効果が低減したり、第2処理液の粘度が増大する。界面活性剤は、第1処理液の巻回体への含浸性を向上させ、静電容量を向上させる効果がある一方、経時的に第2処理液の液安定性を低下させる。pH調整剤は、第2処理液のpHを中性領域へとシフトし、誘電体層の損傷を防いで、漏れ電流の増大を抑制する効果がある一方、経時的に第2処理液の液安定性を低下させる。第2処理液は、pHが低い方が安定であるためである。
そのため、第1処理液と第2成分とを混合する工程が開始されてから、得られた第2処理液を巻回体に付与するまでの期間(第2期間)は、できるだけ短いことが好ましい。特には、12時間以内であることが好ましい。
一般的に市販されている混合液(本発明でいうところの第2処理液)は、経時的な性状変化が避けられない。そのため、第2成分に相当する成分の添加量を低く抑えて、保存性を担保している。例えば、導電性向上剤としての非プロトン性溶媒が、1質量%程度添加された混合液が市販されている。非プロトン性溶媒は、導電性高分子を凝集させるため、これ以上配合すると、混合液の経時的な性状変化が避けられないからである。しかし、非プロトン性溶媒が1質量%程度のみ添加されている混合液を用いてコンデンサの固体電解質層を形成しても、導電性の向上効果は十分ではない。
本発明においては、第2期間が第1期間よりも短いため、経時的な性状変化をさほど考慮することなく、第2成分をより多く混合することができる。例えば、第1処理液100質量部に対して、非プロトン性溶媒(第2成分)を10〜60質量部混合した場合であっても、導電性高分子の凝集を生じることなく、巻回体に付与することができる。そのため、導電性がさらに向上し、所望のコンデンサ特性を得ることができる。
例えば、第2成分は、第1処理液100質量部に対して、5質量部以上80質量部以下混合することができ、5質量部以上75質量部以下混合することができ、さらに、10質量部以上60質量部以下混合することができる。第2成分の混合割合がこの範囲であれば、所望のコンデンサ特性を達成し易い。
巻回体に第2処理液を付与(含浸)させる方法は、特に限定されないが、例えば、容器に収容された第2処理液に巻回体を浸漬させる方法、巻回体に第2処理液を塗布または滴下する方法などを用いることができる。含浸時間は、巻回体のサイズにもよるが、例えば1秒〜5時間、好ましくは1分〜30分である。また、含浸は、減圧下で行ってもよい。また、第2処理液に浸漬させながら、巻回体または第2処理液に超音波振動を付与してもよい。
これにより、誘電体層の表面の少なくとも一部を覆うように、導電性高分子を含む固体電解質層が形成される。このとき、誘電体層の表面だけでなく、陰極体22およびセパレータ23の表面にも固体電解質層が形成されてもよい。
さらに、必要に応じて、巻回体を乾燥処理し、巻回体に含浸されている第1成分および/または第2成分の少なくとも一部を除去してもよい。その際、巻回体を加熱して、第1成分の蒸散を促進してもよい。加熱温度は、例えば50〜300℃が好ましく、100〜200℃が特に好ましい。
巻回体に第2処理液を付与する工程と、必要に応じて行われる巻回体の乾燥工程とは、2回以上繰り返してもよい。これらの工程を複数回行うことにより、誘電体層に対する固体電解質層の被覆率を高めることができる。
以上により、陽極体21と陰極体22との間に固体電解質層が形成され、コンデンサ素子10が作製される。なお、誘電体層の表面に形成された固体電解質層は、事実上の陰極材料として機能する。
(v)コンデンサ素子に非水溶媒または電解液を含浸させる工程
固体電解質層を形成した後、コンデンサ素子に非水溶媒または電解液を含浸させてもよい。これにより、誘電体層31の修復機能が向上し、ESRの低減効果をさらに向上させることができる。
非水溶媒は、有機溶媒でもよく、イオン性液体でもよい。非水溶媒としては、高沸点溶媒が望ましい。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなとの多価アルコール類、スルホランなどの環状スルホン類、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類、ホルムアルデヒド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類、酢酸メチルなどのエステル類、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、メチルエチルケトンなどのケトン類などを用いることができる。
非水溶媒にイオン性物質(溶質)として有機塩を溶解させた電解液を用いてもよい。有機塩とは、アニオンおよびカチオンの少なくとも一方が有機物を含む塩である。有機塩としては、有機アミンと有機カルボン酸との塩などを用いることができる。具体的には、例えば、マレイン酸トリメチルアミン、ボロジサリチル酸トリエチルアミン、フタル酸エチルジメチルアミン、フタル酸モノ1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、フタル酸モノ1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウムなどが挙げられる。
コンデンサ素子10に非水溶媒または電解液を含浸させる方法も、特に限定されないが、容器に収容された非水溶媒または電解液にコンデンサ素子10を浸漬させる方法が簡易で好ましい。浸漬時間は、コンデンサ素子10のサイズにもよるが、例えば1秒〜5分でよい。また、含浸は、減圧下で行うことができる。
(vi)コンデンサ素子を封止する工程
最後に、コンデンサ素子10を封止する。具体的には、まず、リード線14A、14Bが有底ケース11の開口する上面に位置するように、コンデンサ素子10を有底ケース11に収納する。有底ケース11の材料としては、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、鉄、真鍮などの金属あるいはこれらの合金を用いることができる。
次に、リード線14A、14Bが貫通するように形成された封止部材12を、コンデンサ素子10の上方に配置し、コンデンサ素子10を有底ケース11内に封止する。封止部材12は、絶縁性物質であればよい。絶縁性物質としては弾性体が好ましく、中でも耐熱性の高いシリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、ハイパロンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴムなどが好ましい。
次に、有底ケース11の開口端近傍に、横絞り加工を施し、開口端を封止部材12にかしめてカール加工する。そして、カール部分に座板13を配置することによって、図1に示すような電解コンデンサが完成する。その後、定格電圧を印加しながら、エージング処理を行ってもよい。
上記の実施形態では、巻回型の電解コンデンサについて説明したが、本発明の適用範囲は上記に限定されず、他の電解コンデンサ、例えば、陽極体として金属の焼結体を用いるチップ型の電解コンデンサや、金属板を陽極体として用いる積層型の電解コンデンサにも適用することができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
本実施例では、定格電圧63V、定格静電容量33μFの巻回型の電解コンデンサ(Φ8.0mm×L(長さ)12.0mm)を作製した。以下に、電解コンデンサの具体的な製造方法について説明する。
(陽極体の準備)
厚さ100μmのアルミニウム箔にエッチング処理を行い、アルミニウム箔の表面を粗面化した。その後、アルミニウム箔の表面に、化成処理により、誘電体層を形成した。化成処理は、アジピン酸アンモニウム溶液にアルミニウム箔を浸漬し、これに電圧を印加することにより行った。その後、アルミニウム箔を、縦×横が6mm×120mmとなるように裁断して、陽極体を準備した。
(陰極体の準備)
厚さ50μmのアルミニウム箔にエッチング処理を行い、アルミニウム箔の表面を粗面化した。その後、アルミニウム箔を、縦×横が6mm×120mmとなるように裁断して、陰極体を準備した。
(巻回体の作製)
陽極体および陰極体に陽極リードタブおよび陰極リードタブを接続し、陽極体と陰極体とを、リードタブを巻き込みながら、セパレータを介して巻回した。巻回体から突出する各リードタブの端部には、陽極リード線および陰極リード線をそれぞれ接続した。そして、作製された巻回体に対して、再度化成処理を行い、陽極体の切断された端部に誘電体層を形成した。次に、巻回体の外側表面の端部を巻止めテープで固定して巻回体を作製した。
(第1処理液の調製)
3,4−エチレンジオキシチオフェンと、ドーパントとしてのポリスチレンスルホン酸とを、イオン交換水(第1成分)に溶かした混合溶液を調製した。得られた混合溶液を撹拌しながら、硫酸鉄(酸化剤)を添加し、重合反応を行った。反応後、得られた反応液を透析して、未反応モノマーおよび過剰な酸化剤を除去し、ポリスチレンスルホン酸がドープされたポリエチレンジオキシチオフェンの粒子を約5質量%含む導電性高分子分散液(第1処理液)を得た。得られた導電性高分子分散液を10℃の環境下で、72時間(第1期間)静置した。
(第2処理液の調製)
前記第1処理液100質量部に、γ−ブチロラクトン(第2成分)20質量部を添加し、均一に分散させて、第2処理液を調整した。
(固体電解質層の形成)
得られた第2処理液を所定容器に注液した。次いで、減圧雰囲気(40kPa)中で、所定容器に注液された第2処理液に巻回体を5分間浸漬し、その後、第2処理液から巻回体を引き上げた。なお、第1処理液に第2成分を混合し始めてから、得られた第2処理液に巻回体を浸漬するまでの時間は、6時間(第2期間)であった。次いで、第2処理液を含浸させた巻回体を、150℃の乾燥炉内で20分間乾燥させ、導電性高分子を含む固体電解質層を誘電体層の表面に形成し、コンデンサ素子を得た。
(非水溶媒の含浸)
減圧雰囲気(40kPa)中で、γ−ブチロラクトンとスルホランとの混合溶媒(非水溶媒)に、上記コンデンサ素子を5分間浸漬し、その後、非水溶媒からコンデンサ素子を引き上げた。
(コンデンサ素子の封止)
非水溶媒を含浸させたコンデンサ素子を封止して、電解コンデンサを完成させた。具体的には、まず、有底ケースの開口側にリード線が位置するようにコンデンサ素子を有底ケースに収納し、リード線が貫通するように形成された封止部材であるゴムパッキングをコンデンサ素子の上方に配置して、コンデンサ素子を有底ケース内に封止した。そして、有底ケースの開口端近傍に絞り加工を施し、更に開口端をカール加工し、カール部分に座板を配置することによって、図1に示すような電解コンデンサを完成させた。その後、定格電圧を印加しながら、130℃で2時間エージング処理を行った。
得られた電解コンデンサについて、静電容量、ESRおよびリーク電流(LC)を測定した。また、電解コンデンサの信頼性を評価するために、定格電圧を印加しながら125℃で1000時間保持し、ESRの増加率(ΔESR)を確認した。ΔESRは、初期値(X0)に対する1000時間保持後のESR(X)の比(X/X0)から算出し、この値が、1.2よりも小さい場合を○、1.2以上1.5未満の場合を△、1.5以上である場合を×とした。各特性について、300個の試料の平均値として求めた。結果を表1に示す。
さらに、第2処理液の性状変化を、流動性の観点から評価した。具体的には、第2成分を混合した直後、および、所定の第2期間を経過した後であって、巻回体を含浸する直前の粘度を測定し、その粘度の増加率により評価した。粘度の増加率が1.2倍未満を○、粘度の増加率が1.2倍以上であって、ゲル化していない場合を△、粘度の増加率が1.2倍以上であって、ゲル化した場合を×とした。粘度は、25℃の環境下で、振動式粘度計((株)セコニック製、VISCOMATE VM−100A)を用いて測定した。
《実施例2〜4および比較例1》
第2期間を表1に示すように変化させたこと以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製し、上記と同様に評価した。結果を表1に示す。なお、比較例1は、第1処理液調製後、すぐに第2成分を混合した(第1期間:0時間)。
Figure 0006715442
比較例1では、第2処理液の粘度が著しく増大し、第2処理液をコンデンサ素子に含浸させることができなかった。比較例1と同量の第2成分を添加した実施例1〜4では、第2処理液の流動性の変化が抑制され、ESRおよびLCが低く抑えられた。特に、第1期間を第2期間よりも十分に長くした実施例1および2では、1000時間後のESRの抑制効果も高かった。
《実施例5〜6および比較例2〜3》
第2期間を12時間とし、第1期間を表2に示すように変化させたこと以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製し、上記と同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006715442
第1期間が、第2期間と同じか短い比較例2および3では、第2処理液の流動性の変化は見られなかったものの、ESRおよびLCが大きかった。第1期間を第2期間よりも十分に長くした実施例2、5および6では、ESRおよびLCが非常に低く抑えられていた。
《実施例7〜12および比較例4》
第1期間を72時間、第2期間を12時間とし、第2成分の添加量を表3に示すように変化させたこと以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製し、上記と同様に評価した。結果を表3に示す。なお、比較例4は、第2成分を添加しなかった。
《比較例5》
第2成分の添加量を1質量部として、第1処理液調製後、すぐに第2成分を混合した(第1期間:0時間)こと以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製し、上記と同様に評価した。結果を表3に示す。
Figure 0006715442
実施例7〜12では、第2成分の添加量が多くなっても、第2処理液の流動性の変化が小さく、ESRおよびLCが低く抑えられていた。第2成分を1質量部のみ添加した比較例5は、流動性の変化は小さかったものの、ESRおよびLCが非常に大きく、第2成分による効果がみられなかった。
《実施例13〜16》
第1期間を72時間、第2期間を12時間、第2成分の添加量20質量部とし、第2成分の種類を表4に示すように変化させたこと以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製し、上記と同様に評価した。結果を表4に示す。
Figure 0006715442
実施例13〜16では、第2成分の種類にかかわらず、第2処理液の流動性の変化が小さく、ESRおよびLCが低く抑えられていた。
《実施例17〜18および比較例6〜7》
第1期間、第2期間、第2成分の添加量および第2成分の種類を、表5に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサを作製し、上記と同様に評価した。なお、比較例6〜7は、第1処理液調製後、すぐに第2成分と混合した(第1期間:0時間)。結果を表5に示す。
Figure 0006715442
実施例17〜18では、第2成分の種類および添加量にかかわらず、第2処理液の流動性の変化が小さく、ESRおよびLCが低く抑えられていた。比較例6〜7では、第2処理液の粘度が著しく増大し、第2処理液をコンデンサ素子に含浸させることができなかった。
本発明は、陰極材料として固体電解質層を具備する電解コンデンサに利用することができる。
10:コンデンサ素子、11:有底ケース、12:封止部材、13:座板、14A,14B:リード線、15A,15B:リードタブ、21:陽極体、22:陰極体、23:セパレータ、24:巻止めテープ

Claims (5)

  1. 誘電体層を有する陽極体と、前記誘電体層の表面に形成された固体電解質層と、を備える電解コンデンサの製造方法であって、
    導電性高分子を液状の第1成分に溶解または分散させた後、静置して第1処理液を調製する第1工程と、
    前記第1処理液と第2成分とを混合し、第2処理液を調製する第2工程と、
    前記誘電体層の表面に前記第2処理液を付与して、前記誘電体層の表面に固体電解質層を形成する第3工程と、を含み、
    前記第2成分が、前記導電性高分子および前記第1成分とは異なる1以上の成分であり、
    前記導電性高分子を前記第1成分に溶解または分散させた後、前記第1処理液と前記第2成分との混合を開始するまでの期間を第1期間とし、前記第1処理液と前記第2成分との混合を開始した後、前記誘電体層の表面に前記第2処理液を付与するまでの期間を第2期間としたとき、前記第1期間は、第2期間よりも長い、電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記第2期間が、12時間以内である、請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記第2成分が、前記第1処理液100質量部に対して、5質量部以上80質量部以下混合される、請求項1または2に記載の電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記第2成分が、カップリング剤、界面活性剤、凝集化剤、導電性向上剤、増粘剤およびpH調整剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記第2成分が、アルコール、非プロトン性溶媒、エステル化合物、エーテル化合物、アルカリ性化合物、アミド化合物およびニトリル化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電解コンデンサの製造方法。
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