JP6713949B2 - 偏光部材及び光アイソレータ - Google Patents

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Description

本発明は、偏光部材及びそれを用いた光アイソレータに関する。
光通信や光計測において、半導体レーザから出た光が、伝送路途中に設けられた部材表面で反射し、その反射光が半導体レーザに戻ってくると、レーザ発振が不安定になってしまう。この反射戻り光を遮断するために、偏光面を非相反で回転させるファラデー回転子を用いた光アイソレータが用いられる。
光アイソレータは、通常、ファラデー回転子と、その光透過方向の両側に配置される2枚の偏光子と、ファラデー回転子の周囲に配置され、透過光の進行方向に対して平行な磁界を印加する磁石等から構成される。
このような光アイソレータに入射した光は、第一偏光子によって直線偏光にされ、ファラデー回転子を透過する。入射直線偏光は、このファラデー回転子によって偏光面が45°回転され、透過偏光面を鉛直から45°傾けて配置された第二偏光子を通って出射する。戻り光はさまざまの偏光成分を持っているが、このうち鉛直から45°傾いた偏光成分のみが第二偏光子を透過する。この偏光成分は、ファラデー回転子によって45°の旋光を受けて、第一偏光子の透過偏光面から垂直に傾いた偏光となるため、第一偏光子を透過することができず、光源側には光が戻らない。
光アイソレータにおいては、近年、光源となるレーザ光の高出力化に対応することが求められている。高出力レーザ光源に対応するための課題として、ファラデー回転子の光吸収による温度上昇が挙げられる。ファラデー回転子の温度が上昇すると、ファラデー回転角が変化し、光アイソレータの消光比等の特性が劣化してしまう。
このような課題を解決するため、種々の提案がなされている。例えば、特許文献1では、磁気光学結晶をガーネット基板で挟んだ構成を提案している。しかしながら、ガーネット基板の熱伝導率は十分ではなく、100mWを超える出力においては、ファラデー回転子の温度上昇を抑えることは難しい。
また、特許文献2では、ファラデー回転子に高い熱伝導率を示すサファイア単結晶を接触させて放熱効果を高めている。しかしながら、サファイア単結晶は複屈折性結晶であるため、光の入射角度によっては消光比が劣化してしまうという問題がある。
対して、特許文献3では、楔型複屈折結晶板とサファイア単結晶板の結晶軸の方向を一致させることで消光比の劣化を防いでいる。しかしながら、透明な結晶板の結晶軸を考慮しながらの製造工程は、非常に煩雑なものとなってしまう。
特開平7−281129号公報 特開2005−43853号公報 特開2007−108344号公報
光アイソレータを構成する偏光子には、様々な形式のものが用いられる。光アイソレータに用いられる偏光子の一つとして、内部に金属微粒子を分散させたガラス偏光子が挙げられる。ガラス偏光子による偏光は、内部に分散された金属微粒子の伝導吸収に基づくものである。吸収したエネルギーは熱に変換されるため、レーザ光源の高出力化が進むにつれて、ファラデー回転子とともにガラス偏光子の発熱も問題となる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、高出力レーザ光源によるガラス偏光子の温度上昇を抑制できる偏光部材を提供することを目的とする。また、本発明は、消光比等の特性劣化が抑制され、製造も容易な光アイソレータを提供することも目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、光透過面に入射した光を偏光させる偏光部材であって、内部に金属微粒子が分散されたガラス偏光子と、該ガラス偏光子の光透過面に接合されたシリコン単結晶膜とを含んで構成されている偏光部材を提供する。
このような偏光部材であれば、熱伝導率の高いシリコン単結晶膜がガラス偏光子の光透過面上に設けられているため、高出力レーザ光源によるガラス偏光子の温度上昇を抑制できる。
またこのとき、前記ガラス偏光子は、平板形状であって、かつ該ガラス偏光子の向い合う二つの光透過面にそれぞれ一層ずつ前記シリコン単結晶膜が接合されているものであることが好ましい。
このような構造を有する偏光部材であれば、より効果的に高出力レーザ光源によるガラス偏光子の温度上昇を抑制できる。
また、前記シリコン単結晶膜は、前記偏光部材を透過させる光の波長において光透過率が98%以上のものであることが好ましい。
このような光透過率を有するシリコン単結晶膜を用いた偏光部材であれば、光アイソレータとして好適に用いることができる。
このとき、前記光の波長は、1100nm以上6500nm以下のものであることが好ましい。
シリコン単結晶膜は波長1100nm以上6500nm以下の範囲で高い透過率を示すため、このような波長の光を使用する場合において、本発明の偏光部材を好適に用いることができる。
また、本発明の偏光部材においては、前記ガラス偏光子の光透過面及び前記シリコン単結晶膜の光透過面の少なくとも一つの面上に、反射防止コーティングを有するものであることが好ましい。
このような構成を有する偏光部材であれば、偏光部材の表面や、ガラス偏光子とシリコン単結晶膜との界面における反射を防ぐことができる。
さらに、本発明は、光の透過方向に配置された前記偏光部材及びファラデー回転子を含み、更に前記ファラデー回転子に磁界を印加する磁石を含んで構成されていることを特徴とする光アイソレータを提供する。
このように、本発明の偏光部材を用いて光アイソレータを構成すれば、温度上昇による消光比等の特性劣化を抑制することができる。
また、本発明の光アイソレータにおいては、前記偏光部材と前記磁石が接触しているものとすることができる。
このような構成を有する光アイソレータであれば、ガラス偏光子から生じた熱を、シリコン単結晶膜及び磁石を通して効果的に放熱することができる。
また、本発明の光アイソレータにおいては、前記偏光部材と前記磁石の間には、該磁石よりも高い熱伝導率を有する放熱部材が設けられ、前記偏光部材と前記放熱部材が接触し、かつ前記磁石と前記放熱部材が接触しているものとすることができる。
このような構成を有する光アイソレータであれば、より効果的にガラス偏光子から生じた熱を放熱することができる。
本発明のようなシリコン単結晶膜を有する偏光部材であれば、高出力レーザ光が透過した場合でもガラス偏光子の温度上昇を抑制することができる。また、この偏光部材を用いれば、温度上昇による消光比、逆方向挿入損失等の特性劣化の少ない光アイソレータを提供することができ、その製造も容易である。
本発明の偏光部材の構成例を示す概略断面図である。 (a)はガラス偏光子の一つの光透過面にシリコン単結晶膜を接合した一例、(b)はガラス偏光子の向い合う二つの光透過面にそれぞれ一層ずつシリコン単結晶膜を接合した一例である。 本発明の光アイソレータの構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の光アイソレータの構成の別の例を示す概略断面図である。 本発明の光アイソレータの構成のさらに別の例を示す概略断面図である。 本発明の光アイソレータの構成のさらに別の例を示す概略断面図である。
本発明者は、ガラス偏光子の光透過面に熱伝導率の高いシリコン単結晶膜(168W/(m・K))を接合させることによって、高出力レーザ光源によるガラス偏光子の温度上昇を抑制できることを見出した。また、このようにガラス偏光子とシリコン単結晶膜を含んで構成した偏光部材を用いて光アイソレータを構成すれば、ガラス偏光子の温度上昇による消光比等の特性劣化を抑制することができる。
即ち、本発明は、光透過面に入射した光を偏光させる偏光部材であって、内部に金属微粒子が分散されたガラス偏光子と、該ガラス偏光子の光透過面に接合されたシリコン単結晶膜とを含んで構成されている偏光部材である。
以下、本発明について図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明の偏光部材の構成例を示す概略断面図である。図1(a)は、ガラス偏光子1の一つの光透過面にシリコン単結晶膜2を接合した例である。図1(a)に示した偏光部材101は、ガラス偏光子1と、ガラス偏光子1の光透過面に接合されたシリコン単結晶膜2を含んで構成されている。
本発明において用いるガラス偏光子1は、金属微粒子を分散させたガラス偏光子であり、その偏光機構は金属微粒子内の伝導電子の共鳴吸収によるものである。このようなガラス偏光子1として、Corning社製Polarcor、HOYA社製CUPO、CODIXX社製colorPol等を用いることができる。
また、ガラス偏光子1は通常、平板形状である。図1(b)に示したように、本発明では平板形状のガラス偏光子1の向い合う二つの光透過面に一層ずつシリコン単結晶膜2が接合している偏光部材102とすることが好ましい。このようにすれば、ガラス偏光子1の温度上昇をより効果的に抑制することができる。
このようなシリコン単結晶膜2は、使用する光の波長における光透過率が98%以上となるようにすることが好ましい。例えば、シリコン単結晶膜2の膜厚を5mm以下とすれば、波長1550nmの光において光透過率が98%以上となる。
また、シリコン単結晶膜2は、波長が1100nm以上6500nm以下の範囲の光において、光透過率が98%以上となるものであることが好ましく、本発明の偏光部材101、102はこの波長範囲の光源に対して用いられることが好ましい。
また、ガラス偏光子1とシリコン単結晶膜2との界面における反射を防ぐため反射防止(AR:Anti−Reflection)コーティング層3が介在してもよい。この反射防止コーティング層(反射防止膜)3としては、通常用いられるものを用いることができ、例えば、酸化ケイ素と酸化タンタルとの組み合わせや酸化ケイ素と酸化チタンとの組み合わせ等を好適に用いることができる。この反射防止コーティング層3は、真空蒸着等の方法により形成することができる。このガラス偏光子1とシリコン単結晶膜2の間の反射防止コーティング層3は、対ガラス偏光子ARコーティングとも、対シリコン単結晶ARコーティングとも言うことができる。
シリコン単結晶膜2を、ガラス偏光子1の光透過面に接合する方法は特に限定されないが、例えば、陽極接合、接着剤を用いて接合する方法、等によりシリコン単結晶膜2とガラス偏光子1を接合することができる。陽極接合等により無機的な接合状態とする方が、熱伝導性に優れるため好ましい。
このようにガラス偏光子1の光透過面にシリコン単結晶膜2が接合された本発明の偏光部材101、102を用いて、光アイソレータを構成することができる。このような光アイソレータであれば、ガラス偏光子1の温度上昇による消光比等の特性劣化を抑制することができる。
光アイソレータは、本発明の偏光部材101、102と、ファラデー回転子と、磁石を含んで構成する。光アイソレータの具体的な様態は特に限定されないが、例えば、以下のようにすることができる。
ファラデー回転子の光透過方向の両側に、本発明の偏光部材101、102を一つずつ配置する。磁石は、光の透過方向に対して平行な磁界を印加するように配置する。これらは、通常、筐体内に入れられデバイスとして製造される。その他、必要に応じて波長板、フィルタ、等の要素を追加してもよく、また、光アイソレータを含んだモジュールとしてもよい。
本発明の光アイソレータの構成の一例を図2に示した。図2の光アイソレータ201は、光の透過方向に配置された本発明の偏光部材101及びファラデー回転子4を含み、更にファラデー回転子4に磁界を印加する磁石5を含んで構成される。偏光部材101はガラス偏光子1とシリコン単結晶膜2からなり、反射防止コーティング層3を含んでいてもよい。また、偏光部材101とファラデー回転子4の空気と接する表面には、反射防止コーティング層(対空気ARコーティング)6が施されていてもよい。
ファラデー回転子4は、特に限定されないが、例えば、ビスマス置換希土類鉄ガーネット、YFe12(YIG)、TbGa12(TGG)、等を用いることができる。また、磁石5は、特に限定されないが、例えば、SmCo系磁石、NdFeB系磁石、等を用いることができる。磁石5の形状は、中空形状であり、円筒形状であることが好ましい。このとき、所望の形状である一つの磁石を用いてもよいし、複数の磁石から所望の形状にしてもよい。
本発明の光アイソレータの構成の別の一例を図4に示した。図4の光アイソレータ203は、図2の構成例と同様に、光の透過方向に配置された本発明の偏光部材101及びファラデー回転子4を含み、更にファラデー回転子4に磁界を印加する磁石5を含んで構成される。図4の構成例では、偏光部材101とファラデー回転子4はエポキシ接着剤等の接着剤8により接合されている。接着剤8と偏光部材101の界面、及び接着剤8とファラデー回転子4の界面には対エポキシARコーティング等の接着剤8に対する反射防止コーティング(対接着剤ARコーティング)9が施されていてもよい。また、偏光部材101の空気と接する表面には、対空気ARコーティング6が施されていてもよい。
また、図2及び図4に示しているように、光アイソレータ201、203において、偏光部材101と磁石5は接触していることが好ましい。このように構成することにより、ガラス偏光子1から生じた熱を、シリコン単結晶膜2及び磁石5を通して効果的に放熱することができる。
本発明の光アイソレータの構成の別の一例を図3に示した。図3の光アイソレータ202は、図2の構成例と同様に、光の透過方向に配置された本発明の偏光部材101及びファラデー回転子4を含み、更にファラデー回転子4に磁界を印加する磁石5を含んで構成される。更に、図3の構成例では、偏光部材101と磁石5の間には、磁石5よりも高い熱伝導率を有する放熱部材7が設けられ、偏光部材101と放熱部材7が接触し、かつ磁石5と放熱部材7が接触している。このように、偏光部材101と磁石5の間には、磁石5よりも高い熱伝導率を有する放熱部材7が設けられ、偏光部材101と放熱部材7が接触し、かつ磁石5と放熱部材7が接触していることが好ましい。このように構成することにより、より効果的にガラス偏光子1から生じた熱を放熱することができる。
本発明の光アイソレータの構成の別の一例を図5に示した。この構成例では、偏光部材として、図1(b)に示したガラス偏光子1の向い合う二つの光透過面のそれぞれにシリコン単結晶膜2を形成したもの(偏光部材102)を用いている。図5の光アイソレータ204は、図2の構成と同様に、光の透過方向に配置された本発明の偏光部材102及びファラデー回転子4を含み、更にファラデー回転子4に磁界を印加する磁石5を含んで構成される。偏光部材102と磁石5の間には、図3の構成例と同様に、磁石5よりも高い熱伝導率を有する放熱部材7が設けられ、偏光部材102と放熱部材7が接触し、かつ磁石5と放熱部材7が接触している。図5の構成例では、偏光部材102とファラデー回転子4はエポキシ接着剤等の接着剤8により接合されている例を示した。接着剤8と偏光部材102の界面、及び接着剤8とファラデー回転子4の界面には対エポキシARコーティング等の接着剤8に対する反射防止コーティング(対接着剤ARコーティング)9が施されていてもよい。また、偏光部材102の空気と接する表面には、対空気ARコーティング6が施されていてもよい。
放熱部材7は、例えば、ステンレス鋼(SUS304,SUS430)、炭素鋼、アルミニウム、真鍮、銅、アルミナ等を用いることができ、熱伝導率が20W/(m・K)以上の材料を用いることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈実施例1〉
以下のように、図1(a)に示した構造を有する偏光部材101を作製し、図2に示した光アイソレータ201を作製した。まず、波長1550nmの透過光に対して、25℃で偏光面を45°回転させるように調整した(TbEu)BiFe4.8Ga0.212から成るファラデー回転子4を準備した。このファラデー回転子4の二つの光透過面には、対空気ARコーティング6を施した。
ガラス偏光子1(Corning社製Polarcor)の光透過面のうち一面に、陽極接合法によってシリコン単結晶膜2を接合した。シリコン単結晶膜2のガラス偏光子1に接合する面には、対ガラス偏光子ARコーティング3を施した。このようにして作製した、図1(a)に示した構造の偏光部材101の空気と接する光透過面には、対空気ARコーティング6を施した(図2参照)。このシリコン単結晶膜1の膜厚は、0.15mmであり、波長1550nmにおける光透過率は99.4%であった。このようにして作製した偏光部材101を二つ準備した。
次に、ファラデー回転子4の両側に、シリコン単結晶膜2が外側になるように、上記の偏光部材101を一つずつ配置し、これらを円筒状のSmCo系製磁石5の内部に光が透過するように配置した。このとき、偏光部材101と磁石5は接触して配置した。これらを金属製筐体内に入れ、開口径が10mmの光アイソレータ201を完成させた(図2参照)。
作製した光アイソレータ201について、500mWのCW(Continuous Wave)レーザ偏光を入射させて、挿入損失及び消光比の評価を行った。
レーザ光を入射させた際の初期の順方向挿入損失は0.15dB、逆方向挿入損失は45.2dB、光アイソレータ201の消光比は48.0dBであった。その後、逆方向から順方向出射側偏光部材の透過偏光方向に合せて1時間連続でレーザ光を入射させた。一時間後の順方向挿入損失は0.15dB、逆方向挿入損失は41.3dB、光アイソレータ201の消光比は47.5dBであった。
〈実施例2〉
実施例2では、図3に示すように、実施例1で用いたのと同様の偏光部材101と磁石5の間に円筒形状の銅製放熱部材7を設けて光アイソレータ202を作製した。このとき、偏光部材101と放熱部材7が接触し、かつ磁石5と放熱部材7も接触するようにした。放熱部材7の熱伝導率は371W/(m・K)である。また、磁石5の熱伝導率は23W/(m・K)である。それ以外は、実施例1と同様に光アイソレータ202を作製し、挿入損失及び消光比の評価を行った(図3参照)。
レーザ光を入射させた際の初期の順方向挿入損失は0.15dB、逆方向挿入損失は45.2dB、光アイソレータ202の消光比は48.0dBであった。その後、逆方向から1時間連続でレーザ光を入射させた。1時間後の順方向挿入損失は0.15dB、逆方向挿入損失は42.8dB、光アイソレータ202の消光比は48.0dBであった。
〈実施例3〉
実施例3では、図4に示したように、実施例1で用いたのと同様の偏光部材101とファラデー回転子4とを、エポキシ接着剤8を介して密着固定した。このとき、ファラデー回転子4の二つの光透過面には、対エポキシARコーティング9を、シリコン単結晶膜2のガラス偏光子1に接する面には対ガラス偏光子ARコーティング3を、外側になる面には対空気ARコーティング6を施した。また、ガラス偏光子1のファラデー回転子4に接合した面には対エポキシARコーティング9を施した。これらを円筒状のNdFeB系製磁石5の内部に光が透過するように配置した。これらを金属製筐体内に入れ、開口径が1mmの光アイソレータ203を完成させた(図4参照)。
作製した光アイソレータ203について、500mWのCWレーザ偏光を入射させて、挿入損失及び消光比の評価を行った。
レーザ光を入射させた際の初期の順方向挿入損失は0.17dB、逆方向挿入損失は43.0dB、光アイソレータ203の消光比は47.5dBであった。その後、逆方向から順方向出射側偏光部材の透過偏光方向に合せて30分間連続でレーザ光を入射させた。30分後の順方向挿入損失は0.18dB、逆方向挿入損失は39.0dB、光アイソレータ203の消光比は46.8dBであった。
〈実施例4〉
実施例4では、以下のように、図1(b)に示した構造を有する偏光部材102を作製し、図4に示した光アイソレータ204を作製した。まず、実施例1で用いたのと同様のガラス偏光子1の向い合う二つの光透過面にそれぞれ一層ずつシリコン単結晶膜2を接合した。これにより図1(b)に示した偏光部材102を作製した。シリコン単結晶膜2のガラス偏光子1に接合する面には、対ガラス偏光子ARコーティング3を、もう一方の面には対エポキシARコーティング9を施した(図5参照)。このシリコン単結晶膜2の膜厚は、0.15mmであり、波長1550nmにおける光透過率は99.4%である。このようにして作製した偏光部材102を二つ準備した。
次に、ファラデー回転子4の両側に、対空気ARコーティング6を施したシリコン単結晶膜2が外側になるように偏光部材102を一つずつエポキシ接着剤8を介して密着固定し、これらを円筒形状のアルミナ製放熱部材7の内部に光が透過するように配置した。ファラデー回転子4の二つの光透過面には、対エポキシARコーティング9を施した。放熱部材7の熱伝導率は32W/(m・K)である。放熱部材7の周囲には円筒状のNdFeB系製磁石5を配置した。このNdFeB系製磁石5の熱伝導率は9W/(m・K)であり、放熱部材7の方が熱伝導率が高い。このとき、偏光部材102と放熱部材7が接触し、かつ磁石5と放熱部材7も接触するようにした。これらを金属製筐体内に入れ、開口径が1mmの光アイソレータ204を完成させた(図5参照)。
作製した光アイソレータ204について、500mWのCWレーザ偏光を入射させて、挿入損失及び消光比の評価を行った。
レーザ光を入射させた際の初期の順方向挿入損失は0.17dB、逆方向挿入損失は43.5dB、光アイソレータ204の消光比は47.8dBであった。その後、逆方向から1時間連続でレーザ光を入射させた。1時間後の順方向挿入損失は0.17dB、逆方向挿入損失は41.5dB、光アイソレータ204の消光比は46.8dBであった。
〈比較例1〉
偏光部材として、シリコン単結晶膜を設けていないガラス偏光子を用いた以外は、実施例1と同様に光アイソレータを作製し、挿入損失及び消光比の評価を行った。なお、ガラス偏光子の二つの透過面には対空気ARコーティングが施されているものを用いた。
レーザ光を入射させた際の初期の順方向挿入損失は0.15dB、逆方向挿入損失は45.0dB、光アイソレータの消光比は47.8dBであった。その後、1時間連続でレーザ光を入射させた。1時間後の順方向挿入損失は1.04dB、逆方向挿入損失は15.0dB、光アイソレータの消光比は23.0dBであった。ガラス偏光子の金属微粒子が熱によって楕円形から円形に変形し、消光比が低下したと考えられる。
〈比較例2〉
偏光部材として、シリコン単結晶膜を設けていないガラス偏光子を用いた以外は、実施例3と同様に光アイソレータを作製し、挿入損失及び消光比の評価を行った。なお、ガラス偏光子のファラデー回転子側の面には対エポキシARコーティングが、外側になる面には対空気ARコーティングが施されているものを用いた。
レーザ光を入射させた際の初期の順方向挿入損失は0.15dB、逆方向挿入損失は44.0dB、光アイソレータの消光比は48.2dBであった。その後、逆方向から30分間連続でレーザ光を入射させた。30分後、順方向入射側偏光部材とファラデー回転子との間のエポキシ接着剤が破壊され、ガラス偏光子も損傷した。
〈比較例3〉
比較例3では、偏光部材のシリコン単結晶膜の代わりにサファイアを用いた。それ以外は、実施例1と同様に光アイソレータを作製し、挿入損失及び消光比の評価を行った。
レーザ光を入射させた際の初期の順方向挿入損失は1.04dB、逆方向挿入損失は21.0dB、光アイソレータの消光比は23.5dBであった。サファイアの複屈折性の影響によって、消光比、順方向挿入損失、逆方向挿入損失の何れの値も悪くなっている。その後、1時間連続でレーザ光を入射させた。1時間後の順方向挿入損失は1.04dB、逆方向挿入損失は20.8dB、光アイソレータの消光比は23.5dBであった。
以上の実施例のように、本発明の偏光部材を用いた光アイソレータであれば、500mWのCWレーザ偏光を入射させても消光比、順方向挿入損失、及び逆方向挿入損失の値は良好なものであった。さらに、実施例1、2、4では1時間、実施例3では30分逆方向からレーザを射出した後でも、消光比、順方向挿入損失、及び逆方向挿入損失の値は良好なものであった。本発明の偏光部材を用いていない比較例1〜3では、ガラス偏光子の発熱により消光比が悪化したり、エポキシ接着剤が破壊されたり、長時間使用することは困難であった。また、本発明の偏光部材のシリコン単結晶膜の代わりにサファイアを用いた比較例3では、サファイアの複屈折性の影響によって、消光比、順方向挿入損失、逆方向挿入損失の何れの値も悪くなっていた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…ガラス偏光子、 2…シリコン単結晶膜、
3…反射防止コーティング層(対ガラス偏光子(対シリコン単結晶)ARコーティング)、
4…ファラデー回転子、 5…磁石、
6…反射防止コーティング層(対空気ARコーティング)、 7…放熱部材、
8…接着剤、 9…反射防止コーティング層(対接着剤ARコーティング)、
101、102…偏光部材、
201、202、203、204…光アイソレータ。

Claims (6)

  1. 光透過面に入射した光を偏光させる偏光部材であって、内部に金属微粒子が分散されたガラス偏光子と、該ガラス偏光子の光透過面に接合されたシリコン単結晶膜とを含んで構成され
    前記シリコン単結晶膜は、前記偏光部材を透過させる光の波長において光透過率が98%以上のものであり、
    前記光の波長は、1100nm以上6500nm以下であることを特徴とする偏光部材。
  2. 前記ガラス偏光子は、平板形状であって、かつ該ガラス偏光子の向い合う二つの光透過面にそれぞれ一層ずつ前記シリコン単結晶膜が接合されているものであることを特徴とする請求項1に記載の偏光部材。
  3. 前記ガラス偏光子の光透過面及び前記シリコン単結晶膜の光透過面の少なくとも一つの面上に、反射防止コーティングを有するものであることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の偏光部材。
  4. 光の透過方向に配置された請求項1から請求項のいずれか一項に記載の偏光部材及びファラデー回転子を含み、更に前記ファラデー回転子に磁界を印加する磁石を含んで構成されていることを特徴とする光アイソレータ。
  5. 前記偏光部材と前記磁石が接触しているものであることを特徴とする請求項に記載の光アイソレータ。
  6. 前記偏光部材と前記磁石の間には、該磁石よりも高い熱伝導率を有する放熱部材が設けられ、前記偏光部材と前記放熱部材が接触し、かつ前記磁石と前記放熱部材が接触しているものであることを特徴とする請求項に記載の光アイソレータ。
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