しかしながら、上記従来の火災検知器101は、ケーシング102の表面側の風量を低減させても、受光ガラス103に対する汚れの付着除去効果が十分に得られない可能性がある。すなわち、受光ガラス103に吹き付ける風量を低減させることによっては、汚損物質の付着量の削減が不十分である可能性がある。
ところで、換気のためにトンネル内に形成される気流は、トンネルの一端から他端に向かって形成される以外に、トンネルの両端から、トンネルの途中の壁面に設けられた排気口に向かって形成される場合がある。この場合、トンネルの排気口の周辺では、トンネルの端部から延在方向に流れた気流が、壁面の排気口に向かって流れの方向を変更するので、トンネルの延在方向に流れる定常的な気流が形成され難い。このように定常流が形成され難い箇所に設置された火災検知器は、定常流が形成される箇所に設置された火災検知器よりも、センサーカバーへの汚損物質の付着量が多いという問題がある。また、定常流が形成され難い箇所に従来の火災検知器101を設置しても、気流ガイド104による流れの調整が発揮され難いという問題がある。
そこで、本発明の課題は、火災検知器のセンサーカバーの汚損を効果的に防止できる火災検知器の汚損防止装置を提供することにある。また、定常流が形成され難い箇所に設置されても、火災検知器のセンサーカバーの汚損を効果的に防止できる火災検知器の汚損防止装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の火災検知器の汚損防止装置は、トンネルの壁面に、この壁面から突出して設置されたケーシングと、このケーシング内に設けられて火炎を検知する火炎センサーを含む火災検知器本体と、上記火炎センサーを動作可能に保護して上記ケーシングの表面から突出して設けられたセンサーカバーとを有するトンネル用火災検知器の上記センサーカバーの汚損を防止するトンネル用火災検知器の汚損防止装置であって、
上記ケーシングに固定される固定部と、
上記ケーシングが設置されたトンネルの壁面の近傍と、上記ケーシングの表面との間を接続し、上記トンネルの壁面に沿う気流を上記センサーカバーに直接接触するように導く導流体と
を備えることを特徴としている。
上記構成のトンネル用火災検知器の汚損防止装置は、トンネルの壁面に設置されたトンネル用火災検知器に固定されて用いられる。このトンネル用火災検知器は、トンネルの壁面に、この壁面から突出して設置されたケーシングを有する。このケーシング内には、火炎を検知する火炎センサーを含む火災検知器本体が設けられる。火炎センサーは、火炎から放射される赤外線や紫外線等の光線を感知するものが多く用いられる。この火炎センサーを動作可能に保護するセンサーカバーが、上記ケーシングの表面から突出して設けられる。このトンネル用火災検知器のケーシングに、汚損防止装置が、固定部によって固定される。汚損防止装置が固定部によってケーシングに固定されると、導流体により、トンネル用火災検知器が設置されたトンネルの壁面の近傍と、ケーシングの表面との間が接続され、トンネルの壁面に沿う気流がセンサーカバーに直接接触するように導かれる。こうして導流体でセンサーカバーに気流を直接接触させることにより、トンネルの壁面に沿う気流の接触を抑制するよりも、センサーカバーへの汚損物質の付着量を削減することができる。ここで、導流体が、トンネルの壁面の近傍とケーシングの表面との間を接続するとは、トンネルの壁面に沿う流れの少なくとも一部を、流れの方向を変えてケーシングの表面に導くように形成されていることを意味する。したがって、導流体の端部がトンネルの壁面に接する形態のみに限定されず、トンネルの壁面から離れていながら、トンネルの壁面に沿う流れの一部をケーシングの表面に導くように形成される場合も含まれる。本発明者は、ケーシングの表面にセンサーカバーを有する火災検知器について解析と実験を行った結果、トンネルの壁面に沿う気流をケーシングの表面へ導いてセンサーカバーに直接接触させることで、センサーカバーの汚損を抑制できることを見出した。この見知に基づいて本発明が成されたものである。
一実施形態のトンネル用火災検知器の汚損防止装置は、上記ケーシングの上記トンネルの壁面に近い側を走行する車両の走行方向の上流側に固定される。
上記実施形態によれば、汚損防止装置がトンネル用火災検知器のケーシングに固定される位置は、ケーシングのトンネルの壁面に近い側を走行する車両の走行方向の上流側である。これにより、車両の走行によって生じる風が、導流体で効果的にセンサーカバーに導かれる。トンネルの内部には、トンネル内の換気のための気流が形成される場合があるが、車両の走行に伴う風の速度は、換気用の気流の速度よりも大きいので、車両の走行に伴う風を利用することにより、火災検知器のセンサーカバーの汚損を効果的に抑制できる。ここで、本実施形態のトンネル用火災検知器の汚損防止装置は、車両の走行に伴う風によって火災検知器のセンサーカバーの汚損抑制効果が得られるので、トンネル内の換気流が車両の走行方向と逆方向であっても、火災検知器の車両の走行方向の上流側に配置されることにより、汚損抑制効果を発揮することができる。
一実施形態のトンネル用火災検知器の汚損防止装置は、上記導流体が、上記トンネルの壁面と、上記ケーシングの表面との間の段差を緩和する板状部材を含む。
上記実施形態によれば、導流体が、トンネルの壁面と、ケーシングの表面との間の段差を緩和する板状部材を含むので、トンネルの壁面に沿う気流を板状部材でケーシングの表面に効果的に導いて、センサーカバーに接触させることができる。
一実施形態のトンネル用火災検知器の汚損防止装置は、上記導流体が、上記トンネルの壁面又はトンネルの壁面の近傍に臨んで開口する吸気口と、上記ケーシングの表面の近傍で開口する排気口とを有するダクトを含む。
上記実施形態によれば、導流体が、トンネルの壁面又はトンネルの壁面の近傍に臨んで開口する吸気口と、ケーシングの表面の近傍で開口する排気口とを有するダクトを含むので、トンネルの壁面に沿う気流を、吸気口から取り入れて排気口から排出することにより、効果的にケーシングの表面に導いて、センサーカバーに接触させることができる。
一実施形態のトンネル用火災検知器の汚損防止装置は、上記ダクトが、上記排気口の断面積が上記吸気口の断面積よりも小さく形成されている。
上記実施形態によれば、排気口の断面積が吸気口の断面積よりも小さく形成されたダクトにより、ケーシングの表面に供給する気流の速度を高めて、センサーカバーの汚損の抑制効果を高めることができる。
一実施形態のトンネル用火災検知器の汚損防止装置は、上記導流体の上記トンネルの壁面から遠い側に設けられ、一辺が上記トンネルの壁面から離れて形成されると共に、他辺が上記火災検知器の表面に連なるように形成された板状の整流部材を備える。
上記実施形態によれば、整流部材により、導流体のトンネルの壁面から遠い側の気流が、トンネルの壁面から離れた一辺から、火災検知器の表面に連なる他辺に向かって整流される。この整流された気流が、導流体で導かれた気流と合流することにより、比較的大量の気流を火災検知器の表面側に導くことができる。その結果、ケーシングの表面に設けられたセンサーカバーの汚損抑制効果を向上することができる。
一実施形態のトンネル用火災検知器の汚損防止装置は、上記導流体が、上記トンネルの壁面又はトンネルの壁面の近傍に臨んで開口する吸気口と、上記ケーシングの表面の近傍で開口する排気口とを有するダクトを含み、
上記整流部材の一辺側の上記トンネルの壁面との間に、上記ダクトの吸気口が配置され、
上記整流部材の他辺側に、上記ダクトの排気口が開口している。
上記実施形態によれば、導流体のダクトにより、トンネルの壁面に沿う気流が、吸気口から取り入れられて排気口から排出され、ケーシングの表面に導かれる。ここで、整流部材の一辺側のトンネルの壁面又はトンネルの壁面の近傍との間に、ダクトの吸気口が配置されているので、整流部材よりもトンネルの壁面側の気流が、整流部材の上側の気流と分離してダクトに導かれる。一方、整流部材の他辺側に、ダクトの排気口が開口しているので、ダクトで導かれた気流が、一辺側で分離された整流部材の上側の気流と効果的に合流される。こうして、火災検知器に向かう気流が、整流部材で整流された後、整流部材の他辺側で合流されてケーシングの表面に導かれるので、ケーシングの表面に設けられたセンサーカバーに、気流を効率的に接触させることができる。その結果、センサーカバーの汚損抑制効果を高めることができる。
一実施形態のトンネル用火災検知器の汚損防止装置は、上記固定部が、上記ケーシングの表面に突出した突出部材に係合する係合部を含む。
上記実施形態によれば、ケーシングの表面に突出した突出部材に、固定部の係合部が係合されることにより、汚損防止装置を容易に汚損防止装置に固定することができる。ここで、ケーシングの表面に突出した突出部材には、ネジ頭やリベット頭やボルト頭等が挙げられるが、係合部が係合可能であれば、突出部材の形態は特に限定されない。また、係合部は、溝や穴等によって形成できるが、突出部材に係合可能であれば、係合部の形態は特に限定されない。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の汚損防止装置を、トンネル用火災検知器に固定した様子を示す斜視図である。本実施形態の汚損防止装置は、自動車道路のトンネルに設置されたトンネル用火災検知器に使用されるものである。本実施形態の汚損防止装置が用いられるトンネルは、トンネル内の換気のために、トンネルの壁面の上部に配置されたジェットファンにより、トンネルの延在方向の気流が形成されている。このトンネルの壁面の側部に、トンネル用火災検知器が所定間隔をおいて複数個設置されており、これらのトンネル用火災検知器の各々に、本実施形態の汚損防止装置が固定されている。
トンネル用火災検知器120は、トンネルの壁面に突出して固定された箱状のケーシング121と、このケーシング121のトンネルの中心側を向く面である表面121aに突出して設置されたセンサーカバー122を有する。ケーシング121は、赤外線や紫外線を検出する受光素子を用いて形成された火炎センサーを含む火災検知器本体が内蔵されている。火災検知器本体は、上記火炎センサーの動作を制御すると共に火炎センサーからの出力に基づいて火災の発生を検出する制御部と、トンネル内に配置された中継制御盤やトンネル周辺の電気室に設置された防災制御サーバーとの間で情報通信を行う通信部等を含んで構成される。なお、火災検知器本体は、設置されたトンネルの条件や必要な機能に応じて、種々の機能を有するものを採用できる。本実施形態の火災検知器本体は、火災によって生じる赤外線や紫外線等を火炎センサーで感知し、火災センサーが火炎を感知すると制御部が火災の発生を防災制御サーバーに通知するように構成されている。本実施形態のトンネル用火災検知器120には、火災検知器本体に接続される伝送信号線や伝送電源線を収容した電線管が、ケーシング121の側部に接続され、トンネルの延在方向に延びている。ケーシング121の表面121aのセンサーカバー122は、火炎センサーを保護すると共に火炎センサーの検知範囲を広範囲に確保するため、半楕円体形状に形成されている。このセンサーカバー122は、火炎センサーで検出する赤外線や紫外線を透過可能な材質で形成され、例えばガラスが用いられている。このセンサーカバー122は、ケーシング121の表面121aの中央に配置されている。このトンネル用火災検知器120のケーシング121に、このトンネル用火災検知器120が設置された壁面に最も近い車線における車両の走行方向の上流側に位置するように、本実施形態の汚損防止装置が固定されている。
図2Aは、第1実施形態の汚損防止装置を示す平面図であり、図2Bは、図2AのA−A’線における汚損防止装置の切断端面図である。本実施形態の汚損防止装置1は、トンネルの壁面とケーシング121の表面121aとの間を接続する板状部材2と、この板状部材2の表面に設けられたダクト3を有して構成されている。これらの板状部材2とダクト3の夫々が、本発明の導流体を形成している。
板状部材2は、矩形状のステンレス鋼板が曲げ加工されて形成されている。板状部材2は、ケーシング121の汚損防止装置1が固定される辺と同じ寸法の幅と、ケーシング121の車両の走行方向と平行の辺よりも短い長さに形成されている。以下、ケーシング121及び汚損防止装置1において、車両の走行方向と直角の方向を幅方向とし、車両の走行方向と平行の方向を長さ方向とする。この板状部材2は、ケーシング121から遠い側から順に、先端部21と、斜面部22と、固定部23とが連なって形成されている。先端部21は、汚損防止装置1がケーシング121に固定されたときに、トンネルの壁面に概ね平行に接するように形成されている。なお、汚損防止装置1がケーシング121に固定されたとき、板状部材2の先端部21がトンネルの壁面に接するのが好ましいが、先端部21とトンネルの壁面との間に隙間が形成されてもよい。斜面部22は、先端部21に対して角度θ1を成して傾斜しており、汚損防止装置1がケーシング121に固定されたときに、トンネルの壁面との間に角度θ1を成すように形成されている。固定部23は、先端部21と平行に形成され、縁部がケーシング121の表面121aに接して固定される。固定部23の幅方向の両端には、係合部として、鉤状の係合溝24が夫々形成されている。
ダクト3は、平面視において、幅方向と長さ方向の寸法が板状部材2よりも小さい矩形状に形成されている。ダクト3は、板状部材2の表面に、コ字状断面に曲げ加工されたステンレス鋼板の縁を溶接して形成されている。このダクト3は、車両の進行方向において、板状部材2の先端部21から斜面部22の途中にわたって形成されていると共に、板状部材2の幅方向の中央に配置されている。このダクト3は、先端部21の端縁と同じ位置に吸気口31を形成している一方、斜面部22の固定部23側寄りの位置に排気口32を形成している。この排気口32は、吸気口31よりも小さい面積に形成されている。ダクト3の天井面は、図2Bの切断端面図に示されるように、板状部材2の先端部21と平行に形成されている。これにより、ダクト3の先端部21上の部分は、吸気口31と同じ高さを有する一方、斜面部22上の部分は、長さ方向に向かうにつれて高さが減少し、排気口32で最も小さい高さを有する。こうして、ダクト3の断面積が、吸気口31から排気口32に向かうにつれて縮小するように形成されている。このダクト3の排気口32は、トンネル用火災検知器120に固定されたときに、ケーシング121の表面121aのセンサーカバー122の方向を向くように配置されている。なお、ダクト3は、幅方向の寸法を板状部材2よりも小さく形成しなくてもよく、例えば、板状部材2と同じ幅に形成してもよい。また、ダクト3の位置は、板状部材2の幅方向の中央に配置しなくてもよく、例えば、ケーシング121の表面121aに設けられたセンサーに関連する他の機器に気流を導くために、幅方向の中心からずらした位置に配置してもよい。センサーに関連する他の機器としては、センサーカバー122の汚れを検知するための試験光を発する試験光管等がある。また、ダクト3は、長さ方向において等幅に形成されているが、吸気口31から排気口32に向かって幅が縮小するように形成してもよい。これにより、ダクト3の断面積を、吸気口31から排気口32に向かうにつれて縮小するように形成してもよい。
上記構成の汚損防止装置1は、固定部23の両端に形成された係合溝24を、ケーシング121の表面121aの一辺の両端であって、この表面121aの角部に設けられた突出部材としてのネジ頭25,25に係合させることにより、トンネル用火災検知器120に固定される。こうして、トンネル用火災検知器120が設置された壁面に最も近い車線における車両の走行方向の上流側に、汚損防止装置1が固定される。なお、汚損防止装置1の係合溝24に係合される突出部材としては、ネジ頭25,25以外に、リベット頭やボルト頭等を用いることができる。また、突出部材は、ケーシング121の表面121aに形成された突起や段差等のように、汚損防止装置1に設けられた係合部が係合できるものであれば、種々の形態のものを採用できる。また、係合部は、係合溝24以外に、ネジ頭25,25等の突出部材に係合可能な孔や、キャップ状の金具等の種々の形態のものを採用できる。
本実施形態の汚損防止装置1が固定されたトンネル用火災検知器120に最も近い車線を車両が走行すると、この車両の走行に伴い、トンネルの壁面に沿う気流が形成される。この気流は、少なくとも一部が、汚損防止装置1の板状部材2の先端部21と斜面部22と固定部23に沿って流れ、ケーシング121の表面121aに導かれる。また、車両の走行に伴う気流が、板状部材2の一辺に開口するダクト3の吸気口31に入り、吸気口31から排気口32に向かうにつれてダクト3の断面が縮小することによって流速が高まった後に、排気口32から排出される。こうしてダクト3で流速が高まった気流が、ケーシング121の表面121aのセンサーカバー122に直接接触する。このように、車両の通行に伴う気流が、板状部材2でケーシング121の表面121aに導かれると共に、ダクト3で流速が高められてセンサーカバー122に直接接触されることにより、センサーカバー122への汚損物質の付着を、効果的に抑制される。
また、本実施形態の汚損防止装置1は、ケーシング121の表面121aに固定部23が固定されると、板状部材2の他の部分とダクト3は、固定部23よりもトンネルの壁面側に位置するので、ケーシング121の表面121aのセンサーカバー122を通した火炎センサーの検知動作を妨げることがない。したがって、本実施形態の汚損防止装置1は、火災検知器120の火災の検知範囲を狭める不都合を防止できる。
次に、本実施形態の汚損防止装置1の作用を明らかにするため、火災検知器120の周辺に形成される気流の可視化を、CFD(computational fluid dynamics;数値流体力学)解析により行った。
CFD解析は、図1及び3に示すような形状の汚損防止装置1と火災検知器120が、一辺側から他辺側に向けて、高さ方向及び幅方向で均一の4m/sの速度の空気の流れを受けた場合に、火災検知器120の周辺に形成される流れの速度分布を算出した。また、解析条件として、火災検知器120に、汚損防止装置1を固定した場合と、汚損防止装置1を固定しない場合とを設定した。
図3は、CFD解析の結果を示す断面の位置を説明する平面図であり、汚損防止装置1及び火災検知器120の幅方向の中央を通ってトンネルの延在方向と平行に延びるB−B’線に沿う断面と、火災検知器120の長さ方向の中央を通ってトンネルの延在方向と直角方向に延びるC−C’線に沿う断面とを設定した。
図4A,4B,5A,5Bは、CFD解析の結果を示す図であり、火災検知器120の周辺に形成される気流の速度分布を示している。図4A及び4Bは、図3のB−B’線に沿う断面における気流の速度分布を示す図であり、図5A及び5Bは、図3のC−C’線に沿う断面における気流の速度分布を示す図である。ここで、図3には、火災検知器120に本実施形態の汚損防止装置1を固定した様子を示しているが、図4A及び5Aでは汚損防止装置1を固定せず、火災検知器120のみに気流が付与された場合の解析結果を示している。図4B及び5Bは、汚損防止装置1を火災検知器120固定した場合の解析結果を示している。図4A,4B,5A,5Bは、有色彩画像で示された結果を、グレースケールに変換して示したものである。
まず、トンネルの延在方向と平行の断面では、図4Aの解析結果から分かるように、火災検知器120に汚損防止装置1を固定しない場合、図4Aにおいて左側から右側に向かってトンネル壁面125上を流れる略単一の速度の気流が、火災検知器120のケーシング121の一辺の角を起点として、下流側に層状の速度分布を形成する。この層状の速度分布の内訳は、次のとおりである。すなわち、火災検知器120のケーシング121の表面121aに、風速0.0〜0.5m/sの第1速度領域S1が形成される。また、センサーカバー122の表面の中心を除く両側部分に、風速1.0〜1.5m/sの第3速度領域S3が形成されると共に、センサーカバー122の表面の中心部分に沿うように、風速2.0〜2.5m/sの第5速度領域S5が形成される。また、センサーカバー122の上方に、風速3.5〜4.0m/sの第8速度領域S8が形成される。
一方、図4Bの解析結果から分かるように、火災検知器120の上流側に汚損防止装置1を固定した場合、図4Bにおいて左側から右側に向かってトンネル壁面125の上方に、汚損防止装置1によって緩やかに傾斜した空気が流れる。汚損防止装置1の板状部材2上を排気口32から排出された流れは、風速3.5〜4.0m/sの第8速度領域S8を形成し、この第8速度領域S8はケーシング121の一辺の角を超えてセンサーカバー122の近傍まで延在する。そして、センサーカバー122の上流側から頂部に亘って、風速2.5〜3.0m/sの第6速度領域S6と、風速3.0〜3.5m/sの第7速度領域S7と、風速3.5〜4.0m/sの第8速度領域S8が形成される。センサーカバー122の頂部よりも下流側には、風速2.5〜3.0m/sの第6速度領域S6が形成され、センサーカバー122とケーシング121の表面121aとの境界近傍に、風速0.0〜0.5m/sの第1速度領域S1が形成される。
次に、トンネルの延在方向と直角の断面では、図5Aの解析結果から分かるように、火災検知器120に汚損防止装置1を固定しない場合、火災検知器120のケーシング121とセンサーカバー122を取り囲むように、風速0.0〜0.5m/sの第1速度領域S1が形成され、この第1速度領域S1の外側に、風速1.0〜1.5m/sの第3速度領域S3が形成される。
一方、図5Bの解析結果から分かるように、火災検知器120の上流側に汚損防止装置1を固定した場合、火災検知器120のケーシング121の表面121aとセンサーカバー122の表面には、風速3.0〜3.5m/sの第7速度領域S7が形成され、この第7速度領域S7の上側に風速3.5〜4.0m/sの第8速度領域S8が形成される。また、火災検知器120とトンネル壁面125との間には、風速0.0〜0.5m/sの第1速度領域S1が形成される。
このように、火災検知器120に本実施形態の汚損防止装置1を固定しない場合、火災検知器120のケーシング121の表面121aの風速は1.0〜1.5m/sであり、センサーカバー122の表面において風速は1.0〜2.5m/sである。これに対して、火災検知器120の上流側に本実施形態の汚損防止装置1を固定した場合、火災検知器120のケーシング121の表面121aの風速は上流側で2.5〜4.0m/sであり、センサーカバー122の表面では下流側の一部を除いて2.5〜4.0m/sである。このように、本実施形態の汚損防止装置1を設置することにより、ケーシング121の表面121aとセンサーカバー122の表面における空気の速度を、効果的に向上させることができる。
さらに、本実施形態の汚損防止装置1を、トンネルに設置された火災検知器120に所定期間使用する実験を行い、その間に発生したセンサーカバー122の表面の汚損の程度を、汚損防止装置1を固定しない火災検知器120との間で比較した。実験は、トンネル内に設置された火災検知器120のうち、車両の進行方向に対して逆向きの換気流が形成される位置に設置された火災検知器120に、本実施形態の汚損防止装置1を、車両の進行方向の上流側に固定して行った。この実験において、トンネル内の換気流の速度は1.0〜2.0m/sである一方、車両の通過に伴う気流の速度は4.0〜5.0m/sであった。実験を行った期間は387時間であり、その間の通行車両は134285台であった。実験を行った後、センサーカバー122の表面に付着した汚損物質を、ウェスで拭き取った。同様に逆向きの換気流が形成される位置に設置された火災検知器120について、汚損防止装置1を設置しないものについて、センサーカバー122の表面に付着した汚損物質を、ウェスで拭き取った。これらのウェスの汚れの程度を比較したところ、汚損防止装置1を設置したものの方が、汚損防止装置1を設置しないものよりも、汚れの程度が有意に低かった。
以上より、本実施形態の汚損防止装置1によれば、車両の走行に伴って生じる気流を、火災検知器120のセンサーカバー122に直接接触させることにより、センサーカバー122への汚損物質の付着を効果的に抑制することができる。また、車両の進行方向に対して逆方向の気流が存在する位置であっても、車両の進行に伴って生じる順方向の気流により、汚損物質の付着を抑制することができる。
図6Aは、第2実施形態の汚損防止装置を示す斜視図であり、図6Bは、第2実施形態の汚損防止装置の平面図であり、図6Cは、図6BのD−D’線における切断端面図である。第2実施形態の汚損防止装置201は、導流体としてのダクト203と、このダクト203のトンネル壁面から遠い側に配置された板状の整流部材202を有して構成されている。第2実施形態において、第1実施形態と共通する部分は第1実施形態と同じ符号を引用して詳細な説明を省略する。
第2実施形態の汚損防止装置201の整流部材202は、矩形状のステンレス鋼板が曲げ加工されて形成されている。整流部材202は、ケーシング121の汚損防止装置1が固定される辺と同じ寸法の幅と、ケーシング121の車両の走行方向と平行の辺よりも短い長さに形成されている。この整流部材202は、ケーシング121から遠い側である一辺側から、ケーシング121に近い側である他辺側に向かって順に、先端部221と、斜面部222と、固定部223とが連なって形成されている。先端部221は、汚損防止装置201がケーシング121に固定されたときに、トンネルの壁面に概ね平行を成すように形成されている。斜面部222は、先端部221に対して角度θ2を成して傾斜している。固定部223は、先端部221と平行に形成され、縁部がケーシング121の表面121aに接して固定される。固定部223の幅方向の両端には、係合部として、鉤状の係合溝224が夫々形成されている。
ダクト203は、平面視において、幅方向と長さ方向の寸法が整流部材202よりも小さい矩形状に形成されている。このダクト203の幅は、火災検知器120に接続された電線管との干渉を回避するために、整流部材202よりも小さく形成されている。ダクト203は、整流部材202の裏面、すなわち、トンネルの壁面に近い側の面に、コ字状断面に曲げ加工されたステンレス鋼板の縁を溶接して形成されている。このダクト203は、車両の進行方向において、整流部材202の先端部221から斜面部222にわたって形成されている。このダクト203は、先端部221の端縁と同じ位置に形成された吸気口231と、斜面部222の固定部223に接する位置に形成された排気口232との間を連通している。この排気口232は、吸気口231よりも小さい面積に形成されている。このダクト203は、図6Cの切断端面図に示されるように、底面が整流部材202の先端部221及び斜面部222と平行に形成されている。これにより、ダクト203の先端部221及び斜面部222の下方の部分は、吸気口231と同じ高さを有する。また、ダクト203の底面のうち、斜面部222の下方の部分が、先端部221の下方の部分に対して、角度θ2を成して傾斜している。ダクト203の斜面部222の下方の部分よりも固定部223側の部分であって、排気口232の下方に位置する部分は、図6Cに示すように、ダクト203の底面が、排気口232の固定部223側の縁に向かって急角度に延在している。こうして、ダクト203の排気口232の近傍で、気流の通路の断面積が縮小するように形成されている。このダクト203の排気口232の斜面部222側の縁には、排気口232の内側に向かって突出した風向調整板233が設けられている。この風向調整板233は、排気口232の幅よりも多少小さい幅を有し、整流部材202の先端部221と平行方向を向くように、斜面部222に対して屈曲している。この風向調整板233により、汚損防止装置201がトンネル用火災検知器120に固定されたときに、排気口232から排出された気流が、ケーシング121の表面121aのセンサーカバー122の方向に向かって流れるようになっている。なお、ダクト203は、幅方向の寸法を整流部材202よりも小さく形成しなくてもよく、電線管との干渉が生じなければ、例えば整流部材202と同じ幅に形成してもよい。また、ダクト203の位置は、整流部材202の幅方向の中央に配置しなくてもよく、例えば、火災検知器120に接続された電線管等との干渉を回避するために、又は、ケーシング121の表面121aに設けられたセンサーに関連する他の機器に気流を導くために、幅方向の中心からずらした位置に配置してもよい。また、ダクト203は、長さ方向において等幅に形成されているが、吸気口231から排気口232に向かって幅が縮小するように形成してもよい。これにより、ダクト203の断面積を、吸気口231から排気口232に向かうにつれて縮小するように形成してもよい。
上記構成の汚損防止装置201は、固定部223の両端に形成された係合溝224を、ケーシング121の表面121aに設けられたネジ頭25,25に係合させることにより、トンネル用火災検知器120に固定される。トンネル用火災検知器120に汚損防止装置201が固定されると、ダクト203の底面の先端部221の下方部分が、トンネルの壁面に接触する。なお、ダクト203の底面の先端部221の下方部分は、トンネルの壁面の近傍に位置していればよく、トンネルの壁面に接触しなくてもよい。これにより、ダクト203の吸気口231がトンネルの壁面又はトンネルの壁面の近傍に臨むように配置されると共に、ダクト203の底面の斜面部222の下方部分が、トンネルの壁面に対して角度θ2を成す。こうして、トンネル用火災検知器120が設置された壁面に最も近い車線における車両の走行方向の上流側に、汚損防止装置201が固定される。
本実施形態の汚損防止装置201が固定されたトンネル用火災検知器120に最も近い車線を車両が走行すると、この車両の走行に伴い、トンネルの壁面に沿う気流が形成される。この気流は整流部材202によってトンネルの壁面から近い側と遠い側に分離され、トンネルの壁面から遠い部分の気流が、整流部材202の先端部221と斜面部222と固定部223に沿って流れて、ケーシング121の表面121aに導かれる。また、トンネルの壁面に沿う気流のうち、トンネルの壁面に近い部分の気流が、トンネルの壁面又は壁面の近傍に臨むダクト203の吸気口231に入り、吸気口231から排気口232に向かって流れる。ダクト203を流れた空気は、排気口232の直前で、ダクト203の通路の断面が縮小することによって流速が高められて、排気口232から排出される。排気口232から排出される空気は、風向調整板233によって流れの方向が調整され、ケーシング121のセンサーカバー122に向かって流れる。こうして排気口232から排出された空気の流れが、整流部材202によって導かれた気流と合流し、ケーシング121の表面121aに導かれて、センサーカバー122に直接接触する。これにより、センサーカバー122への汚損物質の付着を、効果的に低減することができる。
また、本実施形態の汚損防止装置201は、ケーシング121の表面121aに固定部223が固定されると、整流部材202の他の部分とダクト203は、固定部223よりもトンネルの壁面側に位置するので、ケーシング121の表面121aのセンサーカバー122を通した火炎センサーの検知動作を妨げることがない。したがって、本実施形態の汚損防止装置201は、火災検知器120の火災の検知範囲を狭める不都合を防止できる。
図7Aは、第3実施形態の汚損防止装置を示す斜視図であり、図7Bは、第3実施形態の汚損防止装置の平面図であり、図7Cは、図7BのE−E’線における切断端面図である。第3実施形態の汚損防止装置301は、導流体としてのダクト303と、このダクト303のトンネル壁面から遠い側に配置された板状の整流部材302を有して構成されている。第3実施形態において、第1実施形態と共通する部分は第1実施形態と同じ符号を引用して詳細な説明を省略する。
第3実施形態の汚損防止装置301の整流部材302は、実質的に平坦な矩形状のステンレス鋼板によって形成されている。整流部材302は、ケーシング121の汚損防止装置1が固定される辺と同じ寸法の幅と、ケーシング121の車両の走行方向と平行の辺よりも短い長さに形成されている。この整流部材302は、ケーシング121に固定されたときにケーシング121の表面121aと略一直線上に位置する平坦部321と、この平坦部321のケーシング121から遠い側である一辺側の縁に設けられた整流部322を有する。整流部322は、平坦部321の端縁に連なる部分がトンネルの壁面側に屈曲されて形成されている。この整流部322により、整流部材302の表面側における流れの乱れが抑制される。整流部材302の平坦部321のケーシング121に近い側である他辺側の縁部は、ケーシング121の表面121aに接して固定され、固定部として機能する。この平坦部321の縁部の幅方向の両端に、係合部として、鉤状の係合溝324が夫々形成されている。
ダクト303は、平面視において、幅方向と長さ方向の寸法が整流部材302よりも小さい矩形状に形成されている。ダクト303は、整流部材302の裏面、すなわち、トンネルの壁面に近い側の面に、コ字状断面に曲げ加工されたステンレス鋼板の縁を溶接して形成されている。このダクト303は、車両の進行方向において、整流部材302の平坦部321の一辺から他辺に向かって全長の2/3程度の長さにわたって形成されている。このダクト303は、平坦部321の一辺側の端縁と同じ位置に形成された吸気口331と、平坦部321の一辺から他辺に向かって全長の2/3程度位置に形成された排気口332との間を連通している。この排気口332は、吸気口331よりも小さい面積に形成されている。このダクト303は、幅方向の中央が、整流部材302の中央に対して、車両の進行方向に向いて左側にずらして配置されている。ダクト303の幅方向の寸法を整流部材302よりも小さく形成すると共に、ダクト303の幅方向の中心を整流部材302の中心からずらして配置することにより、火災検知器120に接続された電線管との干渉を避けるようになっている。このダクト303は、図7Cの切断端面図に示されるように、底面の吸気口331側の概ね半分が、整流部材302の平坦部321と平行に形成されており、吸気口331と同じ高さを有する。また、ダクト203の底面の排気口332側の略半分が、吸気口331側の底面に対して、角度θ3を成して傾斜している。この排気口332側の底面は、図7Cに示すように、排気口232の下流側の縁に連なっている。こうして、ダクト303の排気口332の近傍で、気流の通路の断面積が縮小するように形成されている。このダクト303の排気口332の整流部322側の縁には、排気口332の内側に向かって突出した風向調整板333が設けられている。この風向調整板333は、排気口332と同じ幅を有し、ダクト303の内側を向くように、平坦部321に対して屈曲している。この風向調整板333により、汚損防止装置301がトンネル用火災検知器120に固定されたときに、排気口332から排出された気流が、ケーシング121の表面121aのセンサーカバー122とセンサー関連機器の方向に向かって流れるようになっている。なお、ダクト303は、幅方向の寸法を整流部材302よりも小さく形成しなくてもよく、例えば、整流部材302と同じ幅に形成してもよい。また、ダクト303の位置は、火災検知器120に接続された電線管等との干渉を回避する目的のほか、ケーシング121の表面121aに設けられたセンサーに関連する他の機器に気流を導くために、幅方向に適宜調節してもよい。また、ダクト303は、長さ方向において等幅に形成されているが、吸気口331から排気口332に向かって幅が縮小するように形成してもよい。これにより、ダクト303の断面積を、吸気口331から排気口332に向かうにつれて縮小するように形成してもよい。
上記構成の汚損防止装置301は、平坦部321の縁部の両端に形成された係合溝324を、ケーシング121の表面121aに設けられたネジ頭25,25に係合させることにより、トンネル用火災検知器120に固定される。トンネル用火災検知器120に汚損防止装置201が固定されると、ダクト303の底面の吸気口331側の部分が、トンネルの壁面に接触する。なお、ダクト303の底面の吸気口331側の部分は、トンネルの壁面の近傍に位置していればよく、トンネルの壁面に接触しなくてもよい。これにより、ダクト303の吸気口331がトンネルの壁面又はトンネルの壁面の近傍に臨むように配置される。こうして、トンネル用火災検知器120が設置された壁面に最も近い車線における車両の走行方向の上流側に、汚損防止装置201が固定される。
本実施形態の汚損防止装置301が固定されたトンネル用火災検知器120に最も近い車線を車両が走行すると、この車両の走行に伴い、トンネルの壁面に沿う気流が形成される。この気流は整流部材302によってトンネルの壁面から近い側と遠い側に分離され、トンネルの壁面から遠い部分の気流が、整流部材302の平坦部321に沿って流れ、ケーシング121の表面121aに導かれる。また、トンネルの壁面に沿う気流のうち、トンネルの壁面に近い部分の気流が、トンネルの壁面又は壁面の近傍に臨むダクト303の吸気口331に入り、吸気口331から排気口332に向かって流れる。ダクト303を流れた空気は、排気口332側の後半部分で、ダクト303の通路の断面が縮小することによって流速が高められて、排気口332から排出される。排気口332から排出される空気は、風向調整板333によって流れの方向が調整され、ケーシング121のセンサーカバー122に向かって流れる。こうして排気口332から排出された空気の流れが、整流部材302によって導かれた気流と合流し、ケーシング121の表面121aに導かれて、センサーカバー122とセンサー関連機器に直接接触する。これにより、センサーカバー122とセンサー関連機器への汚損物質の付着を、効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の汚損防止装置301は、ケーシング121の表面121aに整流部材302の固定部が固定されると、整流部材302の他の部分は固定部と同じ高さに位置し、ダクト303は整流部材302の固定部よりもトンネルの壁面側に位置するので、ケーシング121の表面121aのセンサーカバー122を通した火炎センサーの検知動作を妨げることがない。したがって、本実施形態の汚損防止装置301は、火災検知器120の火災の検知範囲を狭める不都合を防止できる。
上記第1実施形態では、導流体としての板状部材2と、導流体としてのダクト3とを用いたが、いずれか一方の導流体を用いて汚損防止装置を構成してもよい。すなわち、トンネルの壁面に沿った気流を、トンネルの壁面からケーシング121の表面121aに導いてセンサーカバー122に直接接触させるため、板状部材2のみを設けてもよく、或いは、ダクト3のみを設けて汚損防止装置を構成してもよい。
また、上記第2及び第3実施形態では、整流部材202,302と、導流体としてのダクト3とを用いたが、整流部材202,302は設けなくてもよい。
また、上記第1乃至第3実施形態の汚損防止装置1,201,301は、車両の走行に伴う気流を導いてセンサーカバー122の汚損を抑制したが、例えば順方向の換気流等の他の気流を導いて、センサーカバー122の汚損を抑制してもよい。
また、上記第1乃至第3実施形態の汚損防止装置1,201,301は、自動車道路のトンネルの壁面に設置されたトンネル用火災検知器に使用されたが、人道用のトンネルや、工事用のトンネルや、鉄道用のトンネル等の他のトンネルに設置されたトンネル用火災検知器に使用されてもよい。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、多くの変形が、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。